1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年二月十四日(火曜日)
午後一時五十一分開会
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委員の異動
三月九日委員田中啓一君辞任につき、
その補欠として堀木鎌三君を議長にお
いて指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 飯島連次郎君
理事
有馬 英二君
川口爲之助君
湯山 勇君
委員
剱木 亨弘君
中川 幸平君
松原 一彦君
三木與吉郎君
吉田 萬次君
村尾 重雄君
加賀山之雄君
竹下 豊次君
国務大臣
文 部 大 臣 清瀬 一郎君
政府委員
内閣官房副長官 松本 瀧藏君
日本学術会議事
務局長 本田 弘人君
文部政務次官 竹尾 弌君
文部省初等中等
教育局長 緒方 信一君
文部省大学学術
局長 稲田 清助君
文部省管理局長 小林 行雄君
事務局側
常任委員会専門
員 工樂 英司君
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本日の会議に付した案件
○日本学術会議法の一部を改正する法
律案(内閣送付、予備審査)
○就学困難な児童のための教科用図書
の給与に対する国の補助に関する法
律案(内閣送付、予備審査)
○教育、文化及び学術に関する調査の件
(昭和三十一年度文教予算に関する
件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/0
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001・飯島連次郎
○委員長(飯島連次郎君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
まず、日本学術会議法の一部を改正する法律案を議題といたします。政府から提案理由の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/1
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002・松本瀧藏
○政府委員(松本瀧藏君) ただいま議題となりました日本学術会議法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明いたします。
この法律案、日本学術会議法の第二章及び第四章、すなわち日本学術会議の職務及び権限に関する規定と会員の選挙に関する規定の一部を改正しようとするのが主眼でありまして、その他若干の規定の整備をしようとするものであります。
まず日本学術会議の職務及び権限に関する規定の一部改正でありますが、日本学術会議は、その設立の目的及びその職務として、科学に関する研究の連絡をはかり、その能率を向上させるために、国際学術団体に加入してきておりますが、この加入に関しましては、現行の日本学術会議法に明文の規定がなく、日本学術会議の前身である学術研究会議及び日本学士院が当時の規定によって、文部大臣の認可を受けて学術上の国際団体の会員となっていたものを、それうの廃止の際、日本学術会議法第三十一条の規定によって継承した趣旨と、同法第二条及び第三条第二号の規定の解釈による運用によって加入してきていたのでありますが、最近国際学術交流の促進はことに著しく、将来ますます国際学術団体への加入の必要が痛感されますので、この際これに関する明文の規定を設けて、日本学術会議の職務達成に遺憾のないようにいたしたいと存じまして、第六条の次に第六条の二として、日本学術会議は学術に関する国際団体に加入することができること及びその加入する場合において政府が新たに義務を負担することとなる場合においては、あらかじめ内閣総理大臣の承認を経ることの規定を明文化した次第であります。
次に、会員の選挙に関する規定の一部改正でありますが、日本学術会議の会員は、わが国の一定の資格を有する科学者の互選によって就任するものでありまして、その選挙は、日本学術会議法に基く日本学術会議会員選挙規則の定めるところによって実施されておりますが、この選挙において、選挙規則の規定に違反する行為をした場合における制裁に関しては規定されておりませんでしたので、このたび、第十七条の次に、第十七条の二として、会員の選挙権及び被選挙権を有する者が選挙規則の規定に違反する行為をした場合には、同規則の定めるところによって選挙権及び被選挙権を停止され、または当選が無効とされる旨の規定を新たに設けることとしたのであります。
これとともに、この選挙権の行使については現行法に、一定の資格を有する科学者で登録された者のみに限る旨の明文の規定がありますが、被選挙権については明文の規定を欠いているために、ややもすると被選挙権者は、必ずしも登録されている者のみには限らないかのように解釈されるおそれがありますので、被選挙権についても、登録された者のみが有するものである旨、第十八条の規定を改正して明文の規定を設けることとした次第であります。
なお、これに伴う他の条文の改正と、その他若干整備を要する規定の改正を加えました。
以上がこの法律案の提案の理由及びその概要であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同下さるようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/2
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003・飯島連次郎
○委員長(飯島連次郎君) 本件に関する質疑は後に譲ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/3
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004・飯島連次郎
○委員長(飯島連次郎君) 次に、就学困難な児童のための教科用図書の給与.に対する国の補助に関する法律案を議題にいたします。
まず政府から提案理由の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/4
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005・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) このたび政府から提出いたしました就学困難な児童のための教科用図書の給与に対する国の補助に関する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
現在小学校への就学率はほぼ百パーセントに近い状態にありますが、実際の就学状況を見ますと、学校には在籍していながら、保護者の経済的困窮により、就学上必要な教科用図書の購入にたえないため、学校に通学できないとか、あるいはまたこれについてPTA等の私的な援助を受けながら通学しているという児童が少くありません。もとより国としては、このような困窮家庭の児童に対しましては、その貧困度に応じ、生活保護法による教育扶助の制度を通じて必要な経費を給与しておりますが、なおこれによっても就学上困難のある児童が残されているという実情であります。特に教科用図書の購入は、それが特定の時期にまとまった額の費用を要します関係から、困窮家庭におきましては相当の負担になっているのであります。そもそも法令は、保護者に対してその保護する児童を小学校に就学させる義務を課しておるのでありますから、以上のように就学困難な事情にある児童に対しましては、義務教育の円滑な実施をはかるため、何らかの救済策を講ずる必要があるのでございます。学校教育法が経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童の保護者に対して、市町村が必要な援助を与えなければならないと規定しておりますのもこの趣旨にほかならないと思うのでありまして、この際国も、市町村が教科用図書またはその購入費を就学困難な児童に給与いたしました場合は、予算の範囲内で、これに要する経費を市町村に補助することといたしたのであります。もとより、就学困難な子女に対する教科用図書の給与に対する補助は、小学校に限らず、中学校にも及ぼすべきものと考えるのでありますが、さしあたりこれを小学校だけに限定して国の補助制度を発足させようとするものであります。
この法律案は、以上の趣旨によりまして、国の補助の範囲、基準等について必要な事項を規定し、また付則におきましては、現在施行停止になっております「新たに入学する児童に対する教科用図書の給与に関する法律」を廃止する等、所要の経過措置を規定しております。
以上、この法律案を提出いたしました理由及びその内容の概略を御説明申し上げました。何とぞ十分御審議の上、御賛成下さるようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/5
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006・飯島連次郎
○委員長(飯島連次郎君) 本件に対する質疑は後に譲ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/6
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007・飯島連次郎
○委員長(飯島連次郎君) 次に、教育文化及び学術に関する調査を議題といたします。
前回の委員会において説明を受けました昭和三十一年度文教予算について質疑のある方は順次御発言をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/7
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008・湯山勇
○湯山勇君 私は、まず義務教育費の国庫負担制度の実施の予算につきましてお尋ねいたしたいと思います。これは政務次官が非常にお詳しいので、政務次官にまずお尋ねいたしたいと思うのでございますが、文部省の方でお示し下ざった予算については、自治庁との連絡調整は十分おつきになっていらっしゃるかどうか、まずその点からお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/8
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009・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) この予算につきましては、予算の審議の際にいろいろ折衝をいたしましたけれども、自治庁との間の調整はできている、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/9
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010・湯山勇
○湯山勇君 これは事務当局の方にお尋ねするのがあとは適当かと思いますのでお尋ねいたしますが、政務次官は、今おっしゃったように自治庁との調整はできているものと御発言になっていらっしゃるのですが、具体的に定数とかあるいは単価、あるいは昇給昇格財源とか、そういうものについて自治庁と完全に一致しているかどうか、もし資料があれば、その数字をあげて御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/10
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011・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) ただいま私ここに自治庁の地方財政計画の案を持って参っておりませんので、資料について申し上げることは困難でありますけれども、地方財政計画の中に織り込みまして、基礎といたしまして、文部省であげておりまするこの国庫負担金の算定通りになっているように承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/11
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012・湯山勇
○湯山勇君 これは適当な……、この次にでも、自治庁側では単価をどれだけに見ておる——給与単価をどれだけに見ておる、それから昇給昇格財源をどれだけに見ているというような資料を、この次でけっこうでございますから御提示願いたいと思います。そこで文部省の方からいただいた資料によりますと、いろいろな点が、政令県、それから一般県というように区別してありますが、政令県と一般県とで給与の単価が違うというようなことについては、私はある程度了解できる面もありますけれども、定数の算定の基準が、政令県と非政令県で区別があるのかないのか。私は文部省の定数の算定では、政令県、非政令県で区別があるやに聞いているのですが、真相はどうなのか、御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/12
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013・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 政令県につきましてはこれは算定方式がきまっております。政令できまっておりますから、その算定方式によって定数を出しております。一般県につきましては、これは御承知のように実績負担でございまして、まあ政令と別の取扱いをいたしておるわけでございます。予算の人員の算定の基礎といたしましては従って違っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/13
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014・湯山勇
○湯山勇君 どういうふうに違っておるか、一つよくわかるように、その理由もあわせて一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/14
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015・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 政令県につきましては、ただいま申し上げましたように、政令百六号で人員の算定の方式がきまっておりまして、その方式によって出しております。つまり学級数に対しまして、小学校におきましては十二分の十三、中学校におきましては九分の十三、これが一つの基礎になります。それに対しまして学校数を加えまして、——これは校長の数でございますが、その総和に対して一・〇三をかけたもの、つまり三%をそれに対してさらに加えたものをもって人員をはじき出しております。これが政令できめられております算定方式であります。
それから一般県につきましては、三十一年度の予算といたしましては、児童生徒の増加に対しまする、対応いたしまする教員の増というものを見まして、それを従来の三十年度の実績に加えたもので人員を出しております。これは御承知の通り政令県以外の県に対しましては、国庫が実支出の二分の一を負担いたしておりますので、なるべく実績に近いような数をつかみたい、こういうことで出したわけで、昨年の三十年の実績に加えて、来年度増加すべき数を算定いたしております。来年度増加すべき数の算定につきましては、学級数の増加を一応見まして、その学級数に対しまして、小学校も中学校も一人の教員を増す、こういうことで算出いたしたのであります。これは政令県と一般県と違っておりますのは、政令県はこの政令方式で、これ以上は国庫が負担しないという最高限度をきめておるのでございますが、こういう一般的な……、本政令に適当な方式をきめておるわけでございますけれども、一般県につきましては、これは一応の見込みは個々に立てて、そうしてもし実績がこれから上回る、あるいは下回るということになれば、それで調整するというのがこの法律の建前でございますから、その違った方式で算出をしたということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/15
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016・湯山勇
○湯山勇君 そういたしますと、今年度の増加する児童生徒に対する教員定数の配置です。それも政令県では今の方式によって、一学級が小学校で十二分の十三、それから中学は九分の十三と算定しておるし、非政令県については、いずれも一学級に対して一人ずつと、こういう算定になっておるわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/16
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017・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 政令県に対しましては、ただいま申しました方式によってやるわけでございまして、これは実際の学級の増加数をやはり推定いたしまして、その総学級というものを見まして、それに応じて今の算定方式をかけて出す、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/17
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018・湯山勇
○湯山勇君 そうすると、現在予算に盛られている面だけから見れば、政令県と非政令県とでは、増加する児童生徒に対する教員配置の比率が違っているということになると思いますが、この予算の面からだけ言えば、そういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/18
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019・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これはちょっと直ちにそうは申し上げかねると思うのでありますが、今申しましたように、政令県の方は、総学級数に対しまして十二分の十三、九分の十三をかけて出す、一般県につきましては、学級増加を見込みまして、増加学級だけについて一学級一人ということを加えて出しておる、それを従来の三十年度の実績の上に追加されたわけであります。算定方式が違うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/19
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020・湯山勇
○湯山勇君 私はそのことはよくわかっているのですが、今年度、つまり来年度増加する児童生徒、これは政令県ではどれだけふえる、非政令県ではどれだけふえるというのが、局長もよくおわかりだと思います。そこで、従来の実績はそれは別として、一応別ワクにして、新たにふえる児童生徒に対する教員配置の面で、政令県の方が非政令県よりも有利になっているか、あるいは逆になっているか、そういうことを今お尋ねしているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/20
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021・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) そういう意味において申しますと、政令県は十二分の十三、九分の十三に対して、一般県は学級増に対して一人、こういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/21
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022・湯山勇
○湯山勇君 そろすると結論的に言えば、政令県の方が、小学校においては十二分の一、それから中学校においてはなんぼになりますか、ちょっと計算するひまがありませんけれども、とにかくそれだけ有利になっている、こういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/22
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023・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これは増加分だけをとって比較するということは非常にちょっと意味がどういうことになるか、一般県の方につきましては、従来の実績の上に加えますので、それを平均したものが全体の平均の一学級当りの教員数ということになりますので、増加の算定だけは今おっしゃったようになります。しかし全体について申しますと、さほど変りはないのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/23
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024・湯山勇
○湯山勇君 非常にわかりにくい御説明のように私は受け取るのですが、そこでそれはそういうことにしたとして、お尋ねしたいのは、政令県では今のお話のように小学校と中学校とには比率があります。一方は十二分の十三、一方は九分の十三というふうにちゃんと差がついております。にもかかわらずに非政令県だけは増加した分についてどちらも一、一ということは、私はどうも納得がゆかないのですが、その理由は予算上の理由か、あるいは教育的な見地からこれでいいということになったのか、その辺の事情を御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/24
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025・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 小、中学校同じく一名、一名ということにいたしましたのでありますが、これは御承知のように昨年の実績から見ましても、なるべく実績負担の割合もございますので、実績をとってやっておるわけでございます。実績を見たのが一つでございます。それからもう一つは、中学校におきましては、来年度は児童数が十一万でございますか、ふえますけれども、再来年になりますとこれは減るわけでございます。そういう関係もございまして、若干何と申しますか、最近の地方財政の状況もございまするし、また再来年度にすぐ減ってゆくという実情もありますので、一学級に一人という予算を見ておけば、大体それでまかないがっくのではないか、こういう見通しもございまして、中学校について一人というのを見たわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/25
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026・湯山勇
○湯山勇君 そこで最初に次官にお尋ねした点に返るのでございますけれども、もしも文部省の方で、今お話のように教育の立場から見て、中学校の方がたくさん要るということはよくおおかりですから、そういう文部省の方で案をお立てになって、それに合うように地方財政計画ができておれば、本年こういう結果が生れるような実績は過失において出てこなかったと思います。にもかかわらず、昨年あるいは一昨年あたりから率をだんだん下げて参りますし、いろいろその問題に操作がありますし、今お話のように地方財政の窮迫といったような事情があって今日になっておるのであって、もし真に教育的に考えたならば、私はやはり当然中学校の方は文部省がお考えになっておるように、小学校よりも率を多くすべきでないかというように思います点が一点と、いま一点は、来年度はふえるけれども、再来年度減るということを今日考慮して、中学と小学校を同じにした、こういう御説明は、これは私は文部省の御意見とは受け取れません。と申しますのは、教員の配置が少ければ、それだけ教育効果に影響があるということは、これは当然でございます。そこで再来年児童生徒が減るからという理由のもとに本年の全国の中学校の子供たちの、あるいは来年の子供たちにその犠牲をしいるというようなことをこういうふうに政治的にやるということは、私はどうも文部省のやり方としては納得できないわけですが、これらの点についてはどうお考えでしょうか。場合によったら次官の方からお答えいただく方が、あとの方の点は私はいいのじゃないかと思いますので、お願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/26
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027・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) お話よくわかっておりますが、これは何と申し上げましても地方財政計画にも非常な影響を及ぼすことでございまして、文部省としては当然やらなくちゃならぬ、やりたいというような点も、地方財政計画の全般を見通しいたしましてやらなければならぬ場合も当然起ってくると思います。そこで湯山委員さんのお説でございまして、これは中学の方に当然多く配置すべきではございますけれども、諸般の事情も勘案いたしまして、ただいま局長が申し述べられたような結論に到達しておるというように解釈をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/27
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028・湯山勇
○湯山勇君 そこで私はこの際お尋ねいたしたいのは、なるほど地方財政が逼迫しておるという事実は私どももよく存じておりますけれども、こういう義務教育の教員配置というようなものと、そうしてもっと他にも調整の余地のある地方財政というようなものの優位性どちらが優先するかという問題については、これは次官はどのようにお考えでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/28
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029・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) まことにごもっともなお尋ねでございまして、私どもといたしましては、教育、特に初等、中等教育の振興のために、教員の配置等々には優先を認めていただいて進みたいという考えは十分持っておるのでございますけれども、これは湯山委員ざんのお言葉にもございます通り、やはり国の財政全体を見通してやらなきゃならぬという立場におきまして、私どもの意見がまあ意見通りに通らない場合もあるということを一つ御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/29
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030・湯山勇
○湯山勇君 なおこの問題については最後に次官にお尋ねいたしたいのでございますが、と申しますのは、次官が特にこの点についてはよく御承知でございますから、将来、現在のこの制度でございますね、地方財政がこのような情勢にあるもとでは、この制度自体の運営も、今次官も幾らかお触れになったように、非常に困難な面が出てくるのではないかと存じます。従って、この制度全般についての再検討、あるいは改訂というようなことを次官はお考えになっていらっしゃるかどうか、その点をお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/30
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031・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) この義務教育費半額国庫負担法の通過の際に、私どもは及ばずながら非常に頭をたたきまして、まあいろいろ大蔵当局とも折衝いたしまして、まあ私どもの意見通りには通らなかったので、そこでああいう制限規定の制限が出たというような経過を考えますときに、この制度につきましては、私は将来当然これは直していかなくちゃならぬという強い——私はまあこれは次官としてと申しましょうか、文教関係に携わる者といたしまして、個人的には非常に強い考えを持っております。近き将来に何らかの方法でこの制度の完全実施ができるように一つ努力をいたしたいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/31
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032・湯山勇
○湯山勇君 重ねて今の点についてでございますが、次官としてはどういう点という具体的な点をお持ちでございましょうか、それはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/32
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033・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) 私個人としては非常に強い意見を持っておるのでごさいますが、ただ、ここで私が政府の一員としてそれを申し上げることは、果して妥当であるかどうかということを考えておりますので、まあ非常に強い考えを持っておる、そうして皆さんの御期待に沿い得るような考えを持っておるということで一つ御了承をお願いいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/33
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034・湯山勇
○湯山勇君 それから次に局長に今の点お尋ねいたしたいのですが、局長は非政令県は実績主義だから、実績が上回れば政府としては負担するということを再度おっしゃったわけですが、今日の地方財政の状態で、果してその実績が今文部省がお考えになっているのを上回るというようなことが予想できるかどうか、あるいは予想していらっしゃるかどうか、その点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/34
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035・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これは地方財政の一実情かういたしまして、教員数を一学級一人以上ふやすということは非常にむずかしいということは事実考えられます。しかしながら、私先ほど申しましたのは、法律の建前といたしましては、実績負担でございますから、事実そうなった場合には当然国庫が負担するわけでございますけれども、しかし一応の見積りとしましては、増加学級一人でいいんじゃないか、かような見通しを立てておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/35
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036・湯山勇
○湯山勇君 それは大へんな間違いで、一学級一人でいいという理論は文部省の今までの説明のどこからも出て参りません。そこで法の建前はなるほど実績負担ですから、一学級に三人置こうが四人置こうが、お持ちにはならなければならないのですけれども、それはただ話だけのことであって、実際はそういう事態は出て参りません。だから文部省がお考えになっているようなそういう教育の場を作り、教育形態を作り出すためには、この義務教育国庫負担の予算をそれに合うようにお組みになるし、それに合した地方財政計画ができない限り、局長のお考えになっているような事態は出てこないわけですから、この点についてはなお一つ私は十分御検討をわずらわしたいと思います。で、まあ義務教育国庫負担については私はこれで一応質問を終ります。
続いてお尋ねいたしたいのは、説明書の二番目の義務教育教科書無償給与の予算でございます。これは今新らしい法案の御提案もございまして、大臣の御説明もありましたが、政令の準備はもうおできになっておられるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/36
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037・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 政令を成案するまでには至っておりませんが、一応考え方としましては考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/37
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038・湯山勇
○湯山勇君 この教科書はやはり新学期発足に間に合うように出してやらなければ、学年が始まってから、ほかの子供は買っているし、まあ該当するかしないかわからないので、買わないで待っておるというようなことになったのでは、これは精神的に非常に問題だと思いますから、できるだけ早い機会に政令の案もお示しいただいて、法律の審議とあわせて、それらも検討できるようにしていただきたいと思います。そこで二十一万という数です。前に御説明にありましたことは、大体どういう根拠に基いて出されたのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/38
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039・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これは法律の建前といたしまして、ここに掲げてあります先ほどごらんになったかと存じますけれども、生活保護法の規定いたしまする要保護者であって、これは教育扶助を受けてないもの、一口に申しますと、それとさらに要保護者に準ずる程度に困窮しているもの、これを対象といたすわけでございますけれども、予算の範囲内によって、これを市町村に対して補助をする、こういう制度に考えているわけでございます。
そこで二十一万というのは、小学校でございますので、これは大体平均いたしまして全教科書を支給するといたしまして、平均一人当り六百円でございます、単価。それからまあ逆算……、予算額一億三千万でございますので、そわ率からいたしまして二十一万という数字に相なったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/39
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040・湯山勇
○湯山勇君 この問題はまた法律を審議するときに詳しくお尋ねいたしたいと思います。
それから次の特殊教育につきましてはいろいろお尋ねいたしたいことがあるのですけれども、この中に精神薄弱児ですね、それに対する何といいますか、特殊学級とか、そういうものがあると思います。これは義務教育ということになっていないので、これに対する教員は別途ということになっておるのでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/40
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041・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 今のお尋ねは特殊学級と思いますが、特殊学級につきましては、これは初中学校の教員でございまして、義務教育国庫負担の方の対象になりますので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/41
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042・湯山勇
○湯山勇君 そういう精薄児だけを集めた施設ですね、これでやはり学校のような形態でやっているのがあります、現在。そういうのはやはり学級がそうであれば、それと同じような施設も同じような扱いはできないものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/42
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043・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) おそらくお尋ねの御趣旨は養護学校の問題だろうと思いますが、養護学校はお説の通り義務制になっておりませんので、これは義務教育費からは負担をしていないのが実情であります。ただまあ実情といたしまして、公立の養護学校というものはたしか一校だと存じますが、非常にわずかでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/43
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044・湯山勇
○湯山勇君 そういうのはごくわずかですから、逆にわずかだけ残しておっても差しつかえないという局長の御答弁ですけれども、裏返しにして、わずかだから一つ対象にするということは考えられませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/44
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045・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) わずかだかうほうっておくということを申し上げたのではございませんで、努力をいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/45
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046・湯山勇
○湯山勇君 次に、本年特に御実施になるという御説明のあった高校の生徒に対する教科書の補助、これが初中は二分の一だけれども、高等部の方は三分の一補助だという御説明がありましたが、これはむしろ高等部の方の教科書が非常に高いので、この方も二分の一にする、額にしてもこれも大した額じゃありません、百万そこそこだと思いますが、これはなぜお入れにならないのでしょうか。文部省としては入れない方が、つまり三分の一の方が適当だという御判断でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/46
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047・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) この補助率の問題は、まあ概して申しまして、義務教育の関係は二分の一でございますが、高等学校関係は大体三分の一が通例になっております。
それからもう一つ……、おわかりだと存じますけれども、補助は都道府県に対して補助をするわけでございまして、本人に対しましては全額を支給する、こういうことでございます。その関係は義務制も高等学校に対しましても同じことでございます、本人に対しましては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/47
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048・湯山勇
○湯山勇君 従ってその都道府県に対する補助を、先ほどもお話のあったように、とにかく地方財政が困り抜いておるわけですから、同じように二分の一にしてはいけないのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/48
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049・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 先ほども申し上げましたように、義務制に対しましては二分の一の補助を通例といたしておりますが、高等学校の関係は、ほかの関係につきましても三分の一が大体通常のようでございます。それに合せましてこういう補助率をきめたわけでございまして、これは国庫と地方との負担区分の問題でございますけれども、やはり高等学校の設置義務は都道府県が負っておるわけでございまして、この点の負担を都道府県でやってもらうことはそれでいいのじゃないかと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/49
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050・湯山勇
○湯山勇君 それからもう一つ立ち入ってお尋ねしたいのは、今の補助対象にあんまさんとか、あるいは何というのですか、ああいう理療科の方が入ってないということを聞きましたが、それはどうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/50
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051・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) このたびの盲学校の高等部の生徒に対しまする補助というものは、教科書の無償の施策のための補助でございまして、その教科書に関する限りにおきましては、盲学生生徒であれば本科も別科も含めてやっております。理療科の問題はちょっとこれに含まれておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/51
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052・湯山勇
○湯山勇君 盲学校では理療科というのは普通の高等学校の職業科のような性格のものだと思うのですが、他の職業科の教科書というものは使いませんし、結局理療科が将来の生活補導の基礎になるものですから、これは当然入っていいのじゃないかと思うのですが、どうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/52
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053・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) その意味でありましたならば、盲学校の高等部の教科書を対象にいたしておりますから、入るかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/53
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054・湯山勇
○湯山勇君 次に、僻地教育ですけれども、僻地教育の振興費の中で、非常に交通不便なところですね、通学にずいぶん時間のかかるようなところ、そういうところがたくさんありまして、そういうところにもう今日林道ができたり、あるいは新しく道路ができたりしまして、とにかくそれらの子供を輸送してやるということは可能であるというようなところに対しては、何か文部省の方でも交通機関についての補助をしようというようなことを、これは私は新聞で、文部省が発表されたが、その分はどこへ入っているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/54
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055・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 来年度は財政の都合等もございまして、そこまで施策は伸びなかったのでありまして、予算の計上は見ておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/55
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056・湯山勇
○湯山勇君 文部省としてはそういうことをおやりになるという意思は持っていらっしゃるかどうか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/56
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057・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) そろいう点につきましては十分持っておるのでございまして、実は来年度もスクール・バス等々につきまして、予算の要求はしたのでございますけれども、最後になりましてこれは少し削られまして、来年度は遺憾ながら……何かの場合に機会をまつ先にとらえまして、その点につきましては及ばずながら実施をしたい、こういう考えでおるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/57
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058・湯山勇
○湯山勇君 今一緒にお尋ねすればよかったのですけれども、あとになりましたが、同じように僻地の学校に対して、電灯のない学校、そういうところが電気の実験ができたりラジオが聞けたりするように、発電機ですね、それを備えつけようというようなことも文部省で計画されておるというように聞いておりましたが、それはどのようになっておりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/58
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059・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) その点につきましても、実は多額ではございませんでしたが、予算の要求をしたのでございますが、やはり来年度はいろいろな都合でちょっと実現を見なかったのでございます。この点でスクール・バス及び電灯の問題、これをできるだけ早き機会に実現したい、こういう非常な熱意を持っておるわけでございまして、御了承お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/59
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060・湯山勇
○湯山勇君 今教育委員会制度が云々されておる中に、教員の交流が非常にむずかしいということが一つ問題になっておりますが、実は僻地の教員に対する処遇が悪いために非常に大きな各府県とも教員交流の障害になっておるわけでございますが、僻地手当を現在の地域給などと同じように率計算にするというようなことにするか、あるいは現在定額でやっておる僻地手当を増額するとか、あるいは僻地の教員に対する研究費等の名目のもとに、その精神的な何といいますか、医療の処置を講ずるとか、そういったことはお考えになっておられるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/60
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061・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) そういう点は実は十分考えておるわけでございまして、今湯山委員のおっしゃられたような点をできるだけたくさん取り入れまして、これも近き将来に実現をはかりたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/61
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062・湯山勇
○湯山勇君 それについての構想はおありでしょうか。先ほどのスクール・バスとか発電機というようなものは具体的ですけれども、今の僻地教員の精神的な物質的な、何といいますか、優遇といいますか、優遇よりも補いですけれども、そういうことに対する具体的な措置についてはどういうことをお考えになっていらっしゃるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/62
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063・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) 今お話の地域給を増すかあるいは手当を増額するか等々のお言葉でございましたが、これはできれば勤務地手当などを何かの形で、今の勤務地手当制度ではちょっと当てはまらないと思いますが、もし当てはまらなければ、僻地手当あるいはそり他の別途の方法でやりたい、こういう考えを持っておるのでございますけれども、御承知のように勤務地手当がああいう工合にひっかかっておりまするので、なかなか結論が出ませんので、この僻地に関する関係におきましては別途に具体的な何かの方法を講じなければならぬ、こう考えておりますが、まだ具体的にこうしようというようなところまで達していないことを非常に遺憾に存じますけれども、できるだけ早く具体的な何かの案を出したいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/63
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064・湯山勇
○湯山勇君 次に、学校給食の問題ですけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/64
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065・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) ちょっと私、湯山委員におわび申し上げなければなりませんが、先ほど盲学校の高等部の学生の教科書の問題につきましてお答えしました中に、理療科の教科書も対象になるとお答え申し上げましたが、これは誤まりでございまして、理療科の生徒の使う一般教科書という意味であれば対象になりますけれども、理療科に使います教科書という特別の教科書は対象になっておりませんので、この点を訂正しておわび申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/65
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066・湯山勇
○湯山勇君 大へんなことになったのですが、それはどうして入れてはいけないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/66
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067・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 一般教科書を無償で給付するということで今年度は予算を計上したわけでございまして、理療科につきましての教科書はこのたびは対象にしていないわけでございます。いけないという理由はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/67
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068・湯山勇
○湯山勇君 した方がいいんでございましょう、またすべきでしょう。これは理療科といいましても、ほかの一般の高等学校に理療科というものはあるはずはないわけでございますから、あの人たちにとってはそれが唯一の職業の教科書ですから、しかもその教科書が非常に高いということを聞いております。いろいろ種類があるということも聞いてはおりますけれども、しかしそれにしてもそれを補助対象にするということは、私は今回こういう措置がとられることとの関連において当然な措置だと思いますが、局長も同じお考で先ほどああいろ御答弁をなさったと思うのですが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/68
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069・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) このたびの措置といたしましては、繰り返して申し上げますが、一般教科書に対しまして、これを供給するための補助金と、またそれにつけ加えて申し上げますと、点字の教科書を作ります製版機、印刷機、これを付してございますが、これだけを今度は計上しておるわけでございまして、順次物心双方においてそういう努力をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/69
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070・湯山勇
○湯山勇君 学校給食ですけれども、これはまあいろいろな点からお尋ねしなければならないと思いますが、本年度の余剰農産物、それと予算との関係はどういうふうになっておりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/70
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071・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 御承知のようにこの余剰農産物を受け入れるということで、前国会で、米国と協定を結び、御承認を得たおけでございます。その当時の余剰農産物の協定によりますと、学童服用の三百万ドルの綿花受け入れということが実は加わったわけでございます。で、三百万ドルの学童用の綿花、大体一万五千俵の贈与を受けて、これでまあ学童に無償配給しよう——学童に低廉な値段で配給しようということでアメリカと折衝してきたわけでございますが、米国の方といたしましては、これをぜひ全部全く無償で学童の手に渡すなうばよろしいけれども、多少でも学童の負担になるような、父兄負担になるような配給の仕方というものは困るということで、そのためには非常に多額に加工費等が要ることになります。約十五億程度の大きい金が要ることになりますので、これはいろいろ政府部内でも相談をいたしたのでございますが、こうした多額な経費はとても財政の現状では負担できないということで、まあある程度金を出して低廉な価格で配給したいということで交渉したわけでありますけれども、アメリカの方は最後まで無償配給ということで、もしこれが不可能な場合にはこれを給食物資に振りかえたらどうだという提案がありましたので、一応その学童服用の綿花三百万ドル分を全部学校給食用に振りかえるということにいたしたわけでございます。
その結果、大体本年度におきましては、給食用の物資の予定数量でございますが、小麦が十八万五千トン、それからこの十八万五千トンのうち贈与は十万トンでございます。そうして輸入が八万五千トン、それからミルクにつきましては、総体の数字が一万九千五百トンでございまして、そのうちアメリカから贈与されるものが七千五百トン、輸入分が一万一千五百トン、国産の脱脂粉乳を五百トンということで、三十一年度の学校給食計画を立てておるわけでございます。これによりますと、大体給食の人員は小学校が六百三十八万、中学校が五十万、こういうような数字に一応なるわけでございます。
で、予算との関係でございますが、本年度からは中学校にもこの学校給食を希望する学校には普及したいという計画を立てておりますので、予算上学校給食用の施設、設備、前年度が五千万でございましたものを、本年度は一億五千万に増額をいたしております。これは中学校の方もある程度希望する学校が出てくるであろうということを予想してのことでございます。それとあわせて小学校の方にもさらに普及する。実際現在でも日々増加の傾向にありますので、小学校、中学校合せて一億五千万という計画でございます。
それからこの物の値段の関係でございますが、これは食管の方に給食費の小麦についての補助は載っておるわけでございますが、大体学校給食の現在予想しております父兄の負担は、現行で申しますと一回分五円十銭、それからミルクが一円十銭、副食が八円五十銭、合計して十四円七十銭というのが現行の父兄の負担額でございますが、小麦につきましては約五十七銭程度安くなりまして十四円七十銭が十四円十三銭程度になるパンをとりますと五円十銭のものが約五十銭程度で四円五十九銭程度になる。それからミルクにつきましては、一円十銭のものが一円四銭になる。それから副食は、これは大体据え置きでございますが、総体として五十七銭程度安くなる見込みで一応の計画を立てております。
それから予算上新たに加わりましたのは、これは教科書の準要保護児童と同じような趣旨でございますが、従来学校給食につきましても給食費の負担ができない、そのためにほかの学童の給食費あるいは学校で徴収するいろいろな経費の中に含めてその子供たちの給食費を徴収しているといったような準要保護児童の問題がございましたので、本年度は、これはまあ私どもの数字から申せば必ずしも十分なものではございませんけれども、一応五千万円を確保いたしまして、本年度から給食上の準要保護の施策も考えたい、こういうことになっておるのでございます。まあ一応予算との関係は大体そういうところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/71
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072・湯山勇
○湯山勇君 そこで非常にわかりにくいのは、三十年度ですね、これは食管の方で約十七億ありましたのと、それから贈与分が一千万ドル近くあったのじゃありませんか、小麦が。それらを合せますと、その贈与分だけで、予算に組んでおった十七億を上回るほどの額の贈与があったわけですから、そういうものと平均しますと、小麦の値段、パンの値段が何十銭ぐらいしか下らないとか、そういうことはどうも私には納得がいかないし、さらにまた来年度と申しますか、現在の余剰農産物の受け入れでも相当額の贈与があるようでございます。そういうものを入れますと、私はひょっとするとこれは全部小麦はただになってもいいのじゃないかというぐらいな計算が出るのじゃないかと思うのですが、一体今年度の食管ではどういうふうに予算を組んでおるか、それから贈与分をどういう措置をしておるか、食管の中にどれだけ見込んで入れてあるか、そういうような点について局長の方ではどういう御見当になっていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/72
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073・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 食管は御承知のように直接文部省の主管でございません。これはまあ御承知のように農林省の主管でございますが、私どもの知っている限りのことを申し上げますと、大体これは余剰と申しましても、日本に着きますまで全部ただで来るわけではございませんで、アメリカの岸渡しでただ無償ということでございます。途中の輸送費あるいは陸揚げの経費、あるいは保管の経費というものはすべてこちら側で計算するわけでございまして、従って相当保管料、輸送料というものがかかるわけでございます。ことに今後四年間、漸減いたしますけれども四年間だけ継続して輸送されてくるわけでございまして、この輸送の計画がかなり込んで参りますので、相当保管料等も見込まなければならないといった実情のように承わっております。
それから確かに小麦の贈与分である程度浮いてくる分があるわけでございますが、そういったものは、何と申しますか、準要保護児童の経費とかあるいは施設設備の拡充分に回すというようなことで、農林省と大蔵省の間に折衝があったように承わっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/73
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074・湯山勇
○湯山勇君 この施設の補助にしてもわずかに一億円ふえたばかりですし、それから準要保護児童の給食にしても五千万だから、結局本年度ふえた分というのは一億五千万しかないわけです。ところが贈与分は昨年の贈与だけでも約一億五千万ドルですから、これは邦貨に換算すればずいぶん大きな額になります。もちろんその単価の計算の仕方が違うということも聞いてはおりますけれども、それにしても二十億あるいはそれ以上の贈与があったはずでございますが、そういうのに対してわずかに一億五千万円くらいな予算増で、果してその他の部分がどこへ行ったか、その他の部分で五十銭くらい安くなったということですけれども、それではどうもそろばんが合わないように思うのですが、これはもう少し詳しい資料が何かございましたならば、これも別途法律の出ることだと思いますから、それまでに資料を整えていただけませんでしょうか、どれだけどうなってどうというような……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/74
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075・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 本年度は御承知のようにまだ細目協定と申しまして、いろいろ受け渡しの条件についての細目協定が妥結していなかった関係から、三十年度は贈与が現実に行われておりません。三十一年度から始まって四年間継続するというように大体話し合いができている実情でございます。従って三十年度に贈与があって、その利益があったということは実はないわけでございます。
それから約一千万ドルのということでございますが、これはアメリカの市場価格で実は計算して、たとえば小麦なら小麦一トン幾らという市場価格で計算したものでございまして、実際従来、たとえばミルクにいたしましても、アメリカの市場価格で計算いたしますと一ポンド当り十六、七セントというものを、日本には給食用として輸入する場合には特に二セントで向うが出してくれるといったような支持価格制度ができておるわけでございます。この贈与分を計算いたします場合には現在そういった支持価格制で輸入しているにかかわらず、市場価格で計算しておりますから、それほど大量なものには実はならないわけでございます。なお、私どもの方で農林省あるいは大蔵省と話し合いまして、資料としてできるものは提出したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/75
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076・飯島連次郎
○委員長(飯島連次郎君) 今の問題に関連して、資料を提出していただくときに、こういう点も明らかにしていただきたいと思います。それは昨年の予算と今の学校給食に関する本年度の予算を見ると、農林省所管の食糧庁の予算で合計二億あまり減っているのですね。その二億のうち、特に食管特別会計の繰り入れで一億五千三百七十余万円減っておりますが、これはどういうわけでこんなに減らしてあるのか。
それから第二には、国内産脱脂粉乳購入費補助で四千七百余万円、これも昨年よりも減っているわけです。これはおそらく単価が下ったからという説明じゃないかと思うのだけれども、どうもこういう点、学校給食の現状から見れば、文教当局としては後退のように感ぜられて、こういうところを一体どういう理由で承認をされておるのか、これらの点も実は明らかにしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/76
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077・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 初めの方の食管の関係については農林省、大蔵省とも話し合いをいたさなければなりませんが、できれば直接大蔵省なり農林省の方を呼んでお尋ねしていただくと一番よいと思います。
なお、国内産脱脂粉乳の金額が昨年に比べてかなり減っておりますが、これは実は昨年度と申しますか、三十年度は、約二千トンを予想したのでございますけれども、国内産の脱脂粉乳の需給関係から、実際は三百トンしか購入し得ない国内の需給状況なのでございます。それでそういった現状から、来年もかなりその点は減らして、数字をこれは現実に合せて、とても二千トンは購入し得ないだろうという実際の市場状況でございますので、減らしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/77
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078・湯山勇
○湯山勇君 この学校給食の点につきましては、私はわからないところが非常にたくさんございますから、次に資料をいただいたときに、またお尋ねいたすことにいたしまして、次に、今度視学官を六名増員する、従来二名であったのが八名になるというふうにおっしゃいましたが、現在文部省には視学官は何人おるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/78
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079・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 初中局といたしまして二人でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/79
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080・湯山勇
○湯山勇君 文部省全体では何名おりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/80
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081・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 初中局二人、大学局四人、合計六人でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/81
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082・湯山勇
○湯山勇君 これは予算書の間違いでしょうか、この予算書を見ますと、視学官が二十二名となっているのですけれども。三百四十五ページです。十三級十四名、十二級八名。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/82
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083・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) そのほかに、その中には社会教育官も含んでおりますので、今申し上げました数字よりも予算面ではふえております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/83
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084・湯山勇
○湯山勇君 ちょっとわからないのですが、視学官は何名ですか。ほんとうの視学官というのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/84
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085・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) なははだ恐縮でありますが、予算定員と実員とをよく調べまして、あとで御報告をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/85
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086・湯山勇
○湯山勇君 この六名の視学官というのは、どういうことをする予定でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/86
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087・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 初中局におきまするものは視学官でございまして、初等中学教育におきまする教育内容の点につきまして仕事をいたすわけでございまして、具体的に申しますと、文部省で担当いたしまする学習指導要領の内容につきまして、ふだんに研究をいたしまして、これらの改訂等の必要な場合には改訂の仕事をする。なおそれらの点におきまして、地方に対しまして十分徹底しなければなりませんし、そういう仕事にも当ります。教育内容の研究並びに地方に対しまする指導、それら全般の事務に当るわけでございます。これは専門のそういう職員は相当ございますが、その上に視学官というものがおりまして、その専門職を総括いたしまする職務もあるのでございます。そういう初等中学教育に対しまする教育の内容につきましてのいろいろな仕事をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/87
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088・湯山勇
○湯山勇君 私が特にお尋ねをいたしたいのは、現在は初中局に視学官が二名でこと足りておる。で、こういうことは全面的に賛成しておるわけではありませんけれども、とにかく現在定員増ということは非常にやかましいときでございます。こういうときに、現在二名のものを新たに六名ふやして、ですから四倍になる。こういう、率から言えば、ずいぶん思い切った視学官の増員ですから、これについてはよほど大きな重大な理由がなければ、これは、さきの僻地の発電機さえ抑えたりするような大蔵省が、簡単には認めないだろうと思います。こう六名もの増員は。そこでこの六名の視学官を増員しなければならないという、その切実性といいますか、そういうものはいったいどういうところにあったのか、そういう点について、もう少し詳しく御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/88
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089・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) ただいま、従来は初中局におきまして視学官二人で事足りているというお話でございますけれども、私どもとしましては事足りていないと判断をいたしたわけでございます。初等中等教育の内容につきましていろいろと検討しなければならぬ問題が非常に多いと思います。御承知のように、昨年度におきましては高等学校の教育課程を全面的に検討いたしまして改訂をいたしました。次にはやはり小学校、中学校も同じく改訂をする必要がございます。そのほか、いちばん大事な初等中等教育の、特に小中学校義務教育でございますけれども、この内容の刷新改善ということは、文部省特に初中局といたしましては最も力を入れなければならぬ仕事であろうと考えております。この面につきまして二人じゃどうしても事足りませんので、六名増員いたしまして十分にこれに力を尽していきたい、かように考えております。また、さらに加えまして、地方の教育、具体的に申しますと、教育委員会でありますけれども、委員会との連絡と申しますか、委員会に対する指導と申しますか、これらの面につきましても従来は事欠くきらいが非常に多かったのじゃないかと思います。従いまして、文部本省におきまして研究をし、いろいろその成果を上げますと同時に、それらを地方の教育に実質的に実現いたしますように指導をしていくという指導機構も高めなければならぬ、かように考えております。これらの点を勘案いたしまして、今お話しの通り、相当大きな増員が実現したのでございます。私どもとしましても十分力を入れてとの仕事には努力をしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/89
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090・湯山勇
○湯山勇君 局長の御説明では、今まで事足りておると言ったけれども、足りてなかったんだ、従来だって、というお話ですけれども、これはもしそうであれば、なぜ今までに増員なさらなかったか。今度に限って特に増員したというのには、今度に限って増員する要素がなければならなかったと思います。その点はどうなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/90
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091・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 従来におきましても、これは私初中局長に就任しました当初より毎年予算の要求には繰り返しておったわけでございまして、このたびは実現をみたということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/91
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092・湯山勇
○湯山勇君 それでは局長にお尋ねしますが、先般愛知県で学区制の問題がありましたときに、局長は、そういうものの指導とかいうようなものは、あまりやるべきことじゃないというようなことをおっしゃいましたが、もしこういうふうに視学官ができれば、ああいう面についての指導も助言も遺憾なくやれると、そういうお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/92
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093・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) その行政面におきまする指導も、これはそういう必要のある場合があると思いますけれども、私が先ほど申し上げました意味は、教育の内容の面について申し上げたわけでございます。各教科の内容を刷新し改善しただけではいけませんので、それが地方で十分実績をあげますように地方に対して指導をする、これが必要だと思います。そのためには今度、御質問にはございませんけれども、あるいは学習指導要領の趣旨の徹底の講習会をやるとか、あるいは研究協議会をやるとか、あるいはまた生活指導の面につきまして十分打ち合せができるようなことをやる、そういうふうなことをほかの予算にも若干増額いたしております。人の増加と同時にあわせてそれの増額をいたしまして、両々相待ちまして教育の内容の面の改善刷新をいたしたい、これが主眼点でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/93
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094・湯山勇
○湯山勇君 このいただいた説明書によれば、この生徒指導に要する経費、こうなっております。生徒指導というのはどういうことを視学官はするのか、その点が今のではむしろ教員等に対して、あるいは指導主事等に対して教科指導のまた指導をすると、こういうふうにとれるのですけれども、この説明書によれば「生徒指導等に要する経費」となっておりますので、直接生徒指導ということはどういうことをさしておられるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/94
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095・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 生徒指導と申しますのは、あるいは生活指導とも称しておりますけれども、学校内外におります生徒の生活が適切に参りますように、言葉をかえて申しますと、いろいろな非行問題等がありますけれども、そういうことを防止し、適切な生活の指導をしていく、これがまあ一口に申しますとそういうことであります。生徒に対しまして、これは教科活動とは申し上げられぬかもしれませんが、教科外活動といたしまして学校では力を入れておるわけでございまして、それに対しましてその仕事の効果をあげますために地方におきまして研究協議会等を催す、地方におきましてもそういうものを持ちたいと思っております。そこで地方の今おっしゃいました教育委員会の職員、指導主事やら、あるいは学校の先生を集めまして生活指導に関します十分な打ち合せをし、あるいは文部省で考えております方策につきまして趣旨を徹底していきたい。これはまた視学官の職務内容にも入ることと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/95
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096・湯山勇
○湯山勇君 明確にしておきたいと思うのですが、最初局長の御説明は学習指導要領等教科指導のことを強調しておっしゃっていました。今生徒指導のことはどうかということをお尋ね申し上げると、それは生徒指導もやるのだというような御説明であったので、どうもその点はっきりいたしかねると思います。そこでこの視学官の役目は、この説明にある通りに生徒指導が重点なのか、学習指導要領等の教科内容の指導、そういうことが重点なのか、どちらが主目的か、それはどういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/96
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097・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 実は「生徒指導等に要する経費」は今度初めて新規としてこれをとったわけでございます。そのほか先ほど申し上げましたような学習指導要領の改訂をいたしますとか、あるいはその趣旨を十分徹底しますとか、あるいはいろいろな講習会をやります等の費用は従来も経費があるのでございまして、それの増額を若干いたしまして、これは視学官の仕事の内容といたしましては両方ともその内容であると、こう申し上げなければならぬと思います。生徒指導と申しましても、これは学校の教科活動の中にはちょっと入らぬかもしれませんが、学校の教育活動の一環として教科外活動としてこれは実施されております。これは教科の内容につきましてもこれは生活指導と申しまして生活を規律していくいろいろな指導はいたしますから、教科に伴ってもこれは行われることがあるかもしれませんけれども、一般的に申しますと教科外活動として学校で行われるのが実態でございます。従いまして教科の指導ということに言ってしまうと若干はみ出すわけでございます。しかし学校の教育活動の一面でございますから、それらの学校の教育活動の一面につきまして視学官は担当していく、こう申し上げて差しつか、えないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/97
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098・湯山勇
○湯山勇君 まだちょっと明確にならないのですが、今局長の言われたようにとにかく新規に「生徒指導等に要する経費」としてこれだけの予算措置がなされて、視学官が若干名置かれた。他のものは従来からやっておったことですから、そうすると、新たに増員された六名の視学官のおもな任務は、これはやはりこの予算書をもってしてもわかるように生徒指導が重点である、生活指導が中心である。しかし生活指導というものは教科指導を離れてはあり得ないから、そういう面を通じての教科活動は行われるかもしれませんけれども、これが置かれた趣旨は、あくまでも学校生活の指導、生徒指導である、こういうことならわかります。しかしそうでなくて、どちらもどうでもということであれば、別にこういうものを置く必要もないし、新規にやる必要もないと思うので、一つもうちょっと明確にその点、私が言ったような解釈でいいのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/98
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099・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 前に説明してあります通りでございまして、このたび新しく生活指導の仕事として特に予算を取って始めたということは、これは事実でございます。しかし増員されました視学官が生活指導の仕事だけをするということじゃございません。これは従来視学官が二名おりましたけれども、この二名の視学官が担当しておる仕事と同じ仕事を担当する、それと先ほどから申すように教育内容についての研究並びにこれに附随する仕事でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/99
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100・湯山勇
○湯山勇君 大へんくどいようでございますが、もうちょっとお聞きします。そうしますと、従来の通りであれば、ここであらためて生徒指導に要する経費というものの説明をしなくていいわけでしょう。従来の視学官だって校外生活の指導に触れていっておるし、生活指導もやっておったわけですから、今の御説明によれば。新たにこういう項目を設けて説明をする必要はないわけでしょう、局長の言われる通りであれば。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/100
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101・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) どうもはなはだ同じことをお答えして恐縮いたしますが、予算として、これは先ほどから申しますように、生徒指導の予算は今までなかったのでございまして、それも視学官の活動の一つとしてここに関連さして、それはもちろん説明はなされておりますけれども、予算としてこれを新たに取ったということでございます。そのほかの仕事はしなくてもいいかと申しますと、そうじやございません。視学官の任務は先ほどから申す通りでありまして、ただ従来なかった生活指導の地方に対する徹底、これは十分やっていきたいというのが趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/101
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102・湯山勇
○湯山勇君 じゃまあその問題は一応それで終りまして、次に理科教育振興ですが、これは理科教育振興法ができた当時からの問題で、私立学校をなぜ対象にしないかという問題があったと思います。この問の御説明によれば、本年度はこの中から一千万円を予算措置によって私立学校の補助にするということは趣旨としては私は大へんけっこうだと思うのですけれども、しかしこの数字を見ますと、昨年よりもずいぶん減っております。その減った中からさらに私立学校に回すということになれば、従来の公立学校に対する振興費の補助はまたうんと減ることになるわけで、これははなはだどうもおもしろくないやり方だと思いますが、当然私立学校に回す分があれば、その分は増額した上で回すということならばいいと思いますけれども、こういうやり方はどうも私はおもしろくないやり方だと思いますが、これはどうお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/102
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103・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) この法律は、これは御承知のように議員立法でありました法律でございまして、この法律ができるときも非常に問題になりまして、ぜひ私学を入れてくれということで非常に強い要望がありましたが、大蔵当局や、その当時の私どもの与党の方で政調会長などだいぶ反対いたされまして、これはやむを得ず私学の方は除外せざるを得なかった。その後産業教育振興法の関係もございまして、やはり私学に対する補助でございますが、当然これはやるべきである、こういう考え方を私どもは今でも持っております。ただ、なるほどお説の通りに振興の予算が減りましたが、これはとくと御承知の通り、補助金の整理にひっかかりまして減ったのでございますが、その減ったのは別といたしまして、どうしてもこの私学だけ何とか入れて差し上げたい、こういう私どもの考えのもとに、これもたかたか実は入りにくかったのですけれども、最後の最後にぎりぎりになって一千万だけ入ったわけでございます。いろいろ御不満の点もございましょうが、やるべきものでございますから、もようどその機会をとらえてやったということになりますので、できるだけ理科教育振興の費用それ自体を特に上げなければならぬと思います。こういう小さい金では、非常に趣旨としては私はまことにけっこうな法律だと思いますが、何しろ高等学校まで補助金を差し上げますから、各校ともに非常に少い補助金になりますが、これこそできるだけ近き将来にもう少しできればたくさん増額をいたしまして、理科教育の振興をはかりたい。ただこの機会に減ったのはまことに残念でございますが、私どもの趣旨は今申し上げたような次第でございますので、何とぞ一つ御了承を願いたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/103
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104・湯山勇
○湯山勇君 今の次官の御説明は大へんよくわかりましたし、実情さもあろうと思われますが、これは法制定当時の経緯から考えましても、一千万にしろ私立学校に補助を出すということになれば、当然法改正が必要になると思いますが、この点はいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/104
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105・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) ちょっと聞きそこなったので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/105
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106・湯山勇
○湯山勇君 法律ができるときの建前から申しまして、法を改正しなければ私立学校へは出せないということになるのじゃないかと思うんですが、法改正は御用意になっておられますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/106
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107・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) ごもっともなお尋ねでございまして、これは法律の改正を必要とするという意見も非常に強いのでございますけれども、いろいろ中で操作できるかどうかということも検討したのですが、このままでもできないことはないという結論に達しまして、その点は大蔵省も了承しているのじゃないかと考えております。しかしながら、何と申し上げましても、これは法改正をするのが建前なんでございまして、これはまあここまで申し上げていいか悪いか存じませんが、大蔵省としては法改正には反対なようでございますが、もともとこれは議員立法でございますから議員の方の方からこれを出されるということに対しては、これは議員の権限でございますので、その点まで私どもはとやかく申し上げる筋合いではない、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/107
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108・飯島連次郎
○委員長(飯島連次郎君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X00319560214/108
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109・飯島連次郎
○委員長(飯島連次郎君) 速記を始めて。
ではきょうはこれで散会いたします。
午後三時二十七分散会
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