1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年五月十五日(火曜日)
午前十時二十一分開会
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委員の異動
五月十一日委員白井勇君辞任につき、
その補欠として笹森順造君を議長にお
いて指名した。
五月十二日委員川口爲之助君辞任につ
き、その補欠として白井勇君を議長に
おいて指名した。五月十四日委員笹森
順造君辞任につき、その補欠として川
口爲之助を議長において指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 加賀山之雄君
理事
有馬 英二君
吉田 萬次君
湯山 勇君
委員
雨森 常夫君
川口爲之助君
剱木 亨弘君
白井 勇君
田中 啓一君
中川 幸平君
三浦 義男君
三木與吉郎君
秋山 長造君
安部キミ子君
荒木正三郎君
村尾 重雄君
矢嶋 三義君
高橋 道男君
竹下 豐次君
国務大臣
文 部 大 臣 清瀬 一郎君
政府委員
文部政務次官 竹尾 弌君
文部省初等中等
教育局長 緒方 信一君
事務局側
常任委員会専門
員 工楽 英司君
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本日の会議に付した案件
○教育、文化及び学術に関する調査の
件(修学旅行の手引発行に関する
件)
○参考人の出席要求に関する件
○地方教育行政の組織及び運営に関す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○地方教育行政の組織及び運営に関す
る法律の施行に伴う関係法律の整理
に関する法律案(内閣提出、衆議院
送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/0
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001・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君) これより文教委員会を開会いたします。
委員の異動を報告いたします。五月十一日白井勇君が解任され、補欠として笹森順造君が選任されました。五月十二日川口爲之助君が辞任され、白井勇君が選任され、また、五月十四日笹森順造君が辞任され、その代わりとして川口爲之助君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/1
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002・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君) 文武大臣が閣議のため若干遅れて出席されますので、まず修学旅行の手引発行に関する件を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/2
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003・矢嶋三義
○矢嶋三義君 終戦後の教育においては、経験領域を広げると言う立場から、修学旅行が教育計画の一環として、ずいぶん活発に取り上げられるようになりましたが、現在法によって指導と助言の義務と権限を持っている文部省は、今の修学旅行というものをいかように考えておられるか、その点についてまずお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/3
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004・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) お答え申し上げます。修学旅行の件につきましては、御承知のように昨年の五月十一日でございましたか、例の不幸な紫雲丸事件が起こりましてから、特にこの児童生徒の修学旅行につきましては、特に留意をいたしまして、留意をいたしながらも、その旅行の趣旨、目的にかないまするように、せっかく考慮を払って、その目的の達成のために努力をいたしておる次第でございます。なお、少しくどくどしくなるか存じませんが、お尋ねの点を少し敷衍いたしまして、今日まで私どもがとってまいりました経過について、ちょっとお答えをさしていただきたいと存じます。昨年の紫雲丸のあの事件が起こりましてから、文部省内に之は任意団体でございますが、委員二十七名からなりまする修学旅行協議会というものを作りまして、昨年の六月の一日から二十九日の間五回ほど続けて会議を開きまして、その結果に基づきまして昨年の九月の十三日に、これは田中事務次官の名前をもちまして修学旅行の適正かつ安全な実施につきまして、通達をいたしました。これはお手元に資料としてお配り申し上げたと存じております。
その後の私どものとりました措置につきまして申し上げますると、第一に、これは輸送問題の解決が重要であることは申すまでもないことでございまして、この点につきましてしばしば国有鉄道と交渉をいたしました。その結果、国鉄におきましては各鉄道局長にあてまして通達をいたしまして、まず車に乗る乗車の問題でございますが、子供たち、児童、生徒を乗せる乗車の率の問題でございますが、これは最大限三人がけまでを認めて、あと廊下に寝かせるとか、すわらせるとかということを禁止するようにお願いをいたしまして、つまり乗車率一五〇%をこえないように厳守をさせることにいたしたのでございます。また、団体用の臨時列車の配車の計画の適正化を進めることを交渉いたしました。
それから第二は、輸送の計画の調整でございますが、これは文部省の統計課におきまして全国の中学校、高等学校に対して調査を行いまして、昭和三十一年中の修学旅行の計画を求めたのでございます。その結果は、国鉄の輸送計画、事実上の重要資料として利用されまして、ことしに入りましてからの、この汽車の混雑の度合というものは、著しく改善をみたという結果になっておると思います。
第三番目が、都道府県の教委に対する指導の点でございますが、文部省といたしましては、指導部の課長会議等の機会をとらえまして、修学旅行の適正化について常に注意を促して参ったのでございます。
第四番目は、各教育委員会におきまする指導の強化の点でございます。各都道府県の教委、市の教委等におきましてこの旅行基準の作成をすること、またはこれを修正すること、それからモデル・コースの設定をいたしますこと、時期を調整すること、それから修学旅行のこの手引書の作成の点でございます。この点につきましては、矢嶋委員さんからまたお尋ねがあろうかと思いますが、大体そういうような点につきまして留意をいたしまして、最近その効果が上ってきたと、こういうように存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/4
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005・矢嶋三義
○矢嶋三義君 あらためて伺いますが、文部省としては修学旅行を抑制するという考えは持っているのでなくて、教育的な、しかも安全な修学旅行というものは、新教育の一環としてむしろ奨励の立場をとっていると、かように基本的態度を了解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/5
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006・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) さように御了承願ってよろしいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/6
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007・矢嶋三義
○矢嶋三義君 私はただいまいただいた資料を十分目を通す時間がないので、内容をつぶさにまだ拝見していないわけですが、昨年遺憾にも修学旅行中にいろいろと事件が起こりました。その当時世論も修学旅行についてわきましたし、本委員会においても、政府側に質疑をし、さらに要望した点もあったわけですが、その際に文部省が全国の生徒児童の修学旅行を指導するに当っては、それぞれ地域によって特殊性があるのだから、何泊何日以上の旅行はいけないとかいうような、そういう数的な規制までして指導するのは適当でないと、こういう意見を私は要望申し上げておきました。修学旅行協議会が文部省に答申をされたというのだが、私十分読む時間がないわけですけれども、さような小学生、中学生、高等学校の生徒は何泊何日以下でなくちゃならんという答申はなかったのではないかと思うのでございます。ところが最近文部省から修学旅行の手引を各都道府教育委員会に出そうとされておりますが、その内容には、小中高等学校の修学旅行計画について日数あるいは旅行費等について一つのワクを設けようという意図があるように伝え聞いておるわけでございますが、一体この修学旅行協議会からは大体いかなる骨子の答申があったのか。
さらに第二点としては、先ほど私お伺いいたしましたように、昨年本委員会において私のみならず、他の委員諸君もそういう要望をしたと思うのでございますが、それと違う線の、伝えられるような小中高校の修学旅行計画について、何泊何日というような数的規制をされるような手引を出されるお考えがあるのかどうか。まずその二点について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/7
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008・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) 第一にお答え申し上げますが、昨年のあの事件が起りました後に、ただいま申し上げました協議会の結果に基きましてお手元にお配りをいたしました通達の中で、これは一枚目の裏側になっておりますが、そこの2というところに「小学校においては、宿泊を要する修学旅行は原則として行わないこと」この一項がございますが、それ以外には中学校に何泊何日、高等学校に何泊何日というようなことはうたっていないと思います。ただし、この小学校の場合も、原則としてこれを行わないということでございますので、例外といたしましては、これを認めるというような解釈もできるかと存じております。
なお第二のお尋ねの手引書の件でございますけれども、これはなお事務当局から補足させますが、修学旅行の手引書はただいま担当の課において作成、研究中でございます。その内容の一部分につきまして、新聞に報道されましたが、これはまだ成案となったものではございません。手引書の内容として考えております点は、昨年の修学旅行協議会の、ただいま申し上げましたこの協議会の結論を中心といたしまして、これに基きまする通達を敷衍したものを、現在事務当局として研究中であると、こういうことでございます。これは成案を得次第発表したいと思っておりますが、なお詳しいことは担当の局長から説明させますから、御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/8
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009・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 補足して御説明申し上げます。昨年の修学旅行協議会の協議の結果につきまして、宿泊日数、旅行日数、あるいは費用の点につきまして、具体的に何日がよろしいとか、幾らがよろしいという結論までは出ておりません。ただ小、中、高等学校の段階に基きまして、それぞれ適当な基準、基準と申しますか、考え方がそれぞれ原則的に示されているのでございます。その中に、ただいま政務次官からお答えがありましたように、小学校につきましては協議会といたしましても、お手元に差し上げました資料にもございますですが、「宿泊を要する計画は心身の発達からして望ましくない。原則として小学校では、宿泊を要する旅行はやめるべきである」、こういう結論が出ております。それから中、高校につきましては「宿泊を要する修学旅行は原則として、在学中一回とし、最上学年あるいはその前学年とすることが望ましい」、それからまたそのところでございますが、小、中学校とは義務教育九カ年ということでございますから、これを一貫して計画して実施したらよかろうというようなことも述べてございます。いずれにいたしましても、何日がよろしいという具体的なことまでは出ておりませんけれども、日数にしましても、費用にいたしましても、小、中、高等学校の段階で、それぞれ適当な目安をここに結論として示されております。それに基きまして通達を出したのでございますけれども、通達にも、政務次官のお答えの、小学校についてだけは原則として宿泊旅行は行わぬ方がよかろうということは出しましたけれども、あとは出しておりません。そこでお説のように、あくまでこれは通達と申しましても、指導をするわけでございまして、指導、助言の範囲はもちろん出ません。
それから手引書でございますけれども、これも政務次官お話しになりましたように、まだ私ども事務当局で検討いたしている段階でございます。たまたまどういうことか、その一部が新聞に報道せられましたけれども、その報道のされ方が非常に部分々々をとらえて、また、表現もきつくなっておりますけれども、これはもちろん手引書でございまして、性質から申しましても、通達なりあるいは修学旅行協議会の結論を敷衍をして親切に教育委員会の参考になるようなものを出すわけでございまして、これでもって、規制をするとか、禁止をするという性質のものじゃもちろんございません。
この点若干今の私どもの検討いたしております段階で申し上げますと、従来実態調査をしておりますので、全国で小、中、高等学校大体平均して何日ぐらいの計画が多い、あんまり長い計画は、こういう例があるけれども、これはあまり効果が、いろいろな目的から申しましても適当でないだろうというような程度のことは出しております。ただ、費用につきましても、平均して幾らぐらいのものである、大体こういうところが適当じゃあるまいかという程度の示唆と申しますか、そう意味の指導的なことは、これはまあ手引書でございますから、出さなければ意味がございませんので出したいと思っておりますけれども、この手引書も通達をもって修学旅行の計画そのものをぴちっと抑制をするという性質のものじゃないと考えております。これはこの前矢嶋さんからも御意見のございましたように、昨年の委員会でもお話があったように私どもも考えて進めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/9
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010・矢嶋三義
○矢嶋三義君 伺いますが、通達の形をとられるつもりですか、手引書の形をとられるおつもりか。また、それはどういう機関を通じてどこに通達し、あるいは配付する予定であるか、それを伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/10
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011・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これは通達と、文書を文部省から教育委員会に対しまして出すわけでございますから、教育委員会あての文書になります。文書をつけて出すわけでございますけれども、手引書そのものはこれは一つのまとめたものにしまして、本にしまして、それをこういうものができたということを教育委員会に流すわけでございます。これはどういうことにして出版をいたしますか、私どもまだ具体的にはよく考えをきめておりませんけれども、おそらく相当部数を出しまして、学校においてはこれを入手できるような形にして出すことになるだろうと思います。その手引書ができたとそれを知らしてやる、その書面はもちろん文部省から教育委員会に対して出す、こういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/11
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012・矢嶋三義
○矢嶋三義君 それはいつ出される目途のもとに、作業を続けられているかという点と、それからその出された文書のそれに伴うところの手引書の内容の、地方教育委員会さらに各学校において行われる旅行計画に対する影響力並びに拘束力については、どういう御見解を持っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/12
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013・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これはできるならば、この修学旅行のシーズンにということで検討いたしましたが、若干おくれましたけれども、なるべく間に合うように早くやりたいと思っております。一月うちくらいにはでき上ろうかと思います。少くとも秋の修学旅行シーズンには十分間に合うように地方で利用できるようにいたしたい、かように考えます。それから拘束力、影響力でございますが、これは拘束力ということは、前に出しました通達につきましては、これは正式に指導、助言したわけでございますが、それを敷衍をして親切にいろいろな事例を掲げ、また、通達の趣旨も敷衍をして学校でこれをよく見て利用ができるようにするという、なるべくやさしく敷衍して書くという意味でございますから、これは通達以上の拘束力があるわけではございません。通達も指導、助言でありますけれども、それ以上の拘束力というものはないのであります。ただ、私どもといたしましては、十分これが利用されて、修学旅行の能率的な観点から申しまして、あるいはまた、その安全を保持する、事故を防止するという点から申しましても、利用されて旅行計画が適正に実施され、あるいはまた、効果が上るように利用されることを期待をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/13
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014・矢嶋三義
○矢嶋三義君 最終的には、それらの学校を所管しておるところの教育委員会が、その計画を最終的に承認、決定する権限があることに、御異議ございませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/14
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015・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これはほかの教育活動全部だと思いますけれども、責任はその学校を設置し、所管をする教育委員会の責任であり権限である、これはもうほかの計画においても同じだと思います。ただ、こういう計画というものは教育委員会がぴしっとその管内の各学校全部まとめて同じような計画を立てる、これはなかなかむずかしいことと思うのでございまして、やはり学校それぞれの特色を生かした計画があって、それぞれによってきまると思います。それをやはり所管教育委員会が十分見て、そうして適正な計画がさらには父兄全体の意向も加えて適正に実施されていく、かようなことに相なるだろうと存じます。権限とか責任とか申しまするならば、お話しのようにその学校を設置する教育委員会に権限がある、かようなことに考えております。この手引書につきましても、教育委員会として学校を指導する上に、いろいろな心がまえとして注意しなければならない点、学校自身がこれを守らなければならん心がまえと細目と、それからあるいはこれに参加する教師、児童、生徒、こういうものの参考になること、こういうことを全部盛り込みまして、そして手引書にしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/15
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016・矢嶋三義
○矢嶋三義君 なぜ私そういうことをあえて承わったかというと、おそらくあなた方が通達並びに手引書を出す場合には、権限はかくかくだから、だからこれに従う、従わないはそれぞれ教育委員会の自由であるからと、こういう御説明をなさると思いますので、前もって伺ったわけですが、私はこの立法府でなぜこんなことを伺うかというと、実はこんなことはその教育委員会を信頼し、また、直接子供を預っている学校当局者の計画に信頼してしかるべきなんですが、あえて立法府でこういうことを私が伺うわけは、いわゆる新教育委員会法の審議に当って、文部大臣は盛んにこの権限がない権限がないと、文部省ならびに文部大臣に権限がないというようなことを言われますけれども、わが国の末端にいきますと、文部省の意向というものは衰えていないのですよ。あなたのところで高等学校は何泊何日以上はいけない、中学校はかくかくだと、こういうような拘束力きわめて薄い手引書、あるいは通達を出されましても、この影響性というものは非常に大きいのです。これは十分日本が民主化されていない、民主体制ができていないという一つの私は証左にもなるかと思うのですが、非常に影響力が大きいわけなんです。あなたのところから出ますと、都道府県が一つの基準をこしらえる、そうするとこれはほとんど金科玉条のように各市町村を拘束するわけなんですね。ところが私がここで申し上げるまでもなく、どの都道府県をとりましても、ずいぶんと学校の所在地によって、条件は違うわけなんですね。そのときにあるいは二泊三日、あるいは高等学校の生徒は五泊六日をこえてはならないというような、こういう数的な規制が文部省から流れ、都道府県がそういう基準を設けますと、もうにつちもさっちも動かなくなるのです。私は熊本なんですが、あなたも御存じと思うのですが、同じ熊本で基準をきめましても、急行列車のとまるような熊本市の高等学校の生徒と、それから県南部の球磨郡地方に入った、局長御存じと思うのですが、多良木あたりの高等学校の生徒や、天草の牛深あたりの生徒は、二日ぐらい違わなければ同じ旅行計画というものは立たないのです。これはあえて熊本県だけでなくて、それは日本ほとんど、全国各都道府県について言えることだと思うのです。従って私は法的に言って拘束力はないところの通達あるいは手引にいたしましても、伝えられるような小学校の生徒が宿泊してはならない、中学校は二泊三日が適当である、あるいは高等学校は四泊五日、こういうような基準によって手引書が出されますと、これは非常に私は実情に即さないものになるおそれが十分にあると思うのです。こういう手引書を出すということは、まだ研究中であって草案だと言いますけれどもね、やはり文部省から出たんでしょう、どの新聞でも同じように書いてある、私が調べてみると。だからニュース源というものは文部省だと思うのですよ。だから記者諸君が憶測だけで書いたものではないと思うのです。あなたの方の草稿のどこかにこういう数字が私はあるに違いない。それだけにこういう通達を出されるというと、現に北海道とか九州の高等学校の生徒は日本の政治、経済、文化の中心である東京都への旅行はできなくなります。特に女生徒なんというものは、北海道においてもそうでしょう。私どもの九州なんかでは修学旅行の時に来なければ、一生涯東京に来る機会のないという女生徒は、もう九〇%をこえていますよ。ところが今度のこういう規定をもし設けるとすれば、九州の学生諸君は東京への修学旅行はできなくなるのですね。そうなりますと質問の冒頭に申し上げましたように、新教育の一環として行われる修学旅行というものは、その経験領域を広める立場から、文部省としてこれを健全なる安全なる教育的価値あるところの修学旅行の奨励的な基本的態度をとっているというこの基本的方針に、私は矛盾してくると思いますので、あえて承わっているわけなんですが、一つ御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/16
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017・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 昨年修学旅行で非常に不幸な事故がございまして、昨年の論議は、その後いかにして安全な旅行をやるかという点が中心でございましたけれども、国会におきましても、非常に論議があったのでございます。社会一般におきましても、非常な関心が修学旅行に対して向けられた。文部省といたしましても、いろんな各方面の御要望等にこたえまして、そして先ほど申しますように、修学旅行通達を作りまして、教育関係者はもちろん、そのほかあるいは交通関係者とか、広く関係者に集まっていただきまして、各方面から検討いたしたわけでございます。いわゆる教育的観点も十分いたし、そのほか、安全の点、さらにまた、父兄の経済的な負担という面も非常に大きな要素でございますから、PTAの方等にもそれに加わっていただきまして、検討いたしたわけであります。各方面の私は良識を集めたと思いますけれども、そういう良識を集めた結論を敷衍して地方に指針として流すということは、私文部省としてやるべきことだと考えております。従いまして、この結論の要点は差し上げてございますから、十分一つごらんいただきたいと思います。それに基きまして通達として流す、これはもちろん法律的ないろんな解釈はございましょうけれども、これはもちろん現在の段階におきましては、指導、助言でございます。規定をしてそれを地方が守らなければならぬという法律の何と申しますか、法律的な拘束力を持つというものじゃございません、指導、助言でございますから。文部省としましては、それを十分聞いて、聞いてと申しますか、それに準拠してやってもらうことをこれは念願いたしております。それは先ほど申しますように、各方面の良識を集めた一つの結論でございますから、私どもとしては非常に妥当なものと考えておりますから、それを十分参考にせられ、教育委員会の参考にせられて、やっていかれることを念願いたすわけでありますけれども、法律的に申しますと、お話しの通りだと思います。これは指導、助言の範囲でございます
そこで、手引書のお話しでございますけれども、これは先ほど申しましたように、まだ検討中でございまして、実は私もまだその内容を十分に担当からまだ見せてもらわなかった段階でございます。しかし、この問題をお取り上げになりましたので、私急遽見てみたのでございますけれども、大体その協議会の結論を敷衍したものでございます。先ほど御説明した通りです。ただ、旅行日程や、それから費用の点等につきましては、先ほどもちょっと触れましたけれども、全国で実施されております全体の状況をながめまして、そしてそういう状況をそのまま地方に知らしてありますような書き方になっております。ただ平均してみて、これくらいのものが一番多い、これくらいのものが一番適当じゃなかろうかと、こういうことを出しておるわけであります。まま最近の傾向といたしまして、非常にはでになる。ただ遠くへ行けばというような考え方が地方にあったり、あるいは非常に遊楽地等を旅行先に選ぶというような考え方がありますから、そういう観点から、父兄負担がかさんでいくという傾向もありますので、小中高等学校の段階はありますけれども、長い旅行日程ばかりが能じゃないのじゃないか、やはりなるべく切り詰めた、しかも内容をよく考えた旅行日程を計画をして行った方がいいんじゃないかということは、これは当然のことだと思いますし、全国的に重点的に見てこの方が適当じゃないか、そういうくらいのサゼスチョンは文部省として与えるのが当然なことじゃないかと思います。しかし、これはあくまでも、それできちんとそれ以上は認めぬとか、認めるとかという性質のものじゃございませんから、元来。ですから今御心配のようなことは、できる話しじゃございません。これは小づかい銭、あるいは旅行の経費等のことについても同じことであります。なるべく質素に、しかも効果を上げるようにする観点で全国的な実績等をまとめて、それを若干文部省なり、あるいは協議会の結論に基く文部省の意向をそれに添えて地方に流す、これは適当なことだと存じます。それはお話しの通り、地方、地方によって条件が違いますから、何泊何日ときめてしまって、それがそれよりも少しも動きのとれんような基準はできるはずのものじゃ性質上ないと思います。さような観点でございますから、御心配の点は御安心願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/17
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018・矢嶋三義
○矢嶋三義君 あなたは今、小中の手引書には何泊何日とか、そういう数字というものは入っていないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/18
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019・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) それは私が今申しましたように入っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/19
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020・矢嶋三義
○矢嶋三義君 どういうふうに入っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/20
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021・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) たびたび申し上げましたと思いますけれども、全国的な実態調査に基きまして、まあ何泊何日が適当か、たとえば中学校におきましては、何泊何日から最高は何泊何日ぐらいになっている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/21
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022・矢嶋三義
○矢嶋三義君 その数字を聞いている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/22
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023・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) それは今出さなければいかぬでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/23
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024・矢嶋三義
○矢嶋三義君 それが一番問題です、その数字が。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/24
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025・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) それはここにございますけれども、しかしその性質を御説明しているわけなんで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/25
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026・矢嶋三義
○矢嶋三義君 あなたの趣旨はよくわかるのだよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/26
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027・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) そうしてその平均はどれくらいになるか——。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/27
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028・矢嶋三義
○矢嶋三義君 それを言ってごらんなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/28
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029・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これくらいが適当じゃなかろうかということなんです。中学校では一泊二日から四泊五日までの範囲にわたっている、二泊三日が最も多い。これは旅行の費用の点からも、生徒の体力と疲労の程度からも、最も適当だと思われる。四泊五日以上は、中学校の段階としては好ましくないと考えております。それから高等学校においても大体同じようなことでございます。一番平均は四泊五日ですか、この程度が好ましい平均である、従って好ましいであろうということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/29
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030・矢嶋三義
○矢嶋三義君 これは私しぼって伺いたいのですがね。それは最近国鉄の方では、なかなか遠距離旅行者に配車をしない傾向が起ってきているのです。あなたのところで、たとえば高等学校四泊五日というような基準を考えて手引書を出す。そうなると、今度国鉄が配車をする場合に、四泊五日をこえているようなところに対して、配車を手控えるというような事態が起って参りますると、北海道、九州の高等学校の生徒は、先ほど申し上げましたように、東京への旅行というのはできなくなるのですね。そういう点を私は懸念しているわけです。それとも文部省では遊覧地とか、景勝地とか、さっき言われましたが、あるいは北海道あるいは九州の高等学校の生徒は、おそらく女生徒にとっては一生一度になると思うのですが、東京あるいは関西方面に旅行をすることは行き過ぎであると考えられておられるのか。あの程度の旅行は、教育的に考えても、奨励しなくちゃならぬという立場において手引書を考えられておるのか、それを具体的に御返事願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/30
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031・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 国鉄の関係は、十分連絡をとって進めておりますので、先ほど政務次官からも触れてお答えがありましたけれども、十分連絡をとってやります。その何泊何日といったような一応のさっき申しましたような意味でのサゼスチョンを文部省といたしましても、それは性質が先ほど申しました通りでありますから、それを守っていない旅行計画に対して配車をしないとかするとかという問題は、当然起ってこない問題と思います。それから先ほど繰り返し申しますように、全国的な趨勢、そういうものをながめて原則的なサゼスチョンをするというだけでございますから、そのどこからどこに旅行できなくなるといったような、そういうことまで考えておるわけじゃございません。決してそれは教育的にあるいは経済負担、その地域々々の経済負担もございますから、そういう観点も十分考えて適当な計画が立て得るのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/31
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032・矢嶋三義
○矢嶋三義君 政務次官に伺いますがね、今本院で審議している地方教育行政の組織並びに運営に関する法律案が成立施行された後において、たとえば修学旅行に関するところの手引書を出し、通達を出してある、それを受ける教育長は文部大臣の承認を受けた教育長です。その教育長が文部省に来た場合に、どうも君のところの修学旅行計画並びに基準は、僕のところから出した手引書とか、あるいは通達からだいぶん逸脱しているようだね、こういう何ですか、こういう形における助言、指導というのがされるようになるのでしょうか、どうなんでしょうか。それはどういうふうにお考えになっているか、ついでにここで承わっておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/32
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033・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) お尋ねでございますが、新しいと申しましょうか、今度の教育委員会法案が通過したと仮定いたしまして、今のお尋ねでございますが、そういうような場合に、文部省といたしましては、そういうことを教育長にこれこれこれでどうかねというような指導、助言は絶対にいたさない、こういうつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/33
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034・矢嶋三義
○矢嶋三義君 それは承わっておきますがね、一事が万事言葉はやわらかで、態度はきわめて穏かなものですけれども、そういう形であの法律案が通過したら、僕は、各都道府県の教育長への文部省の無言の力ですね、言葉は適当でないかもしれないが、圧力といいますか、強制力といいますか、それらは相当強い影響力を持つと思う。それを通じて教育の中央集権と時の政治権力による教育の支配というものが行われるのではないかということを懸念しております。これは新教育委員会法の審議のときにやりますが、私はこの修学旅行の手引を出されたその一事からも、そういうことが懸念されてならないのです。これは委員会法を審議するときにやることにしまして、政務次官に伺いますが、今の修学旅行というのは、教育計画の一環としてやっているわけですから、従って修学旅行も機会均等という線が私は堅持されなくちゃならぬと思うのです。ところが義務制諸学校の修学旅行については、御承知の通り機会均等にするためにずいぶん学校当局あるいはPTA等で苦慮されているわけですが、機会均等具現という立場から、何か大げさにいえば一つの金融公庫をこしらえるということもあるかと思うのですがね、何らか、その方法で修学旅行の機会均等を行われるようなことが、私は研究されてしかるべきではないか、かように私は考えているのですが、政務次官はどういう御見解を持っておられますか。かつてまた検討されたことがあるかどうか。そういう点について伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/34
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035・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) これは御説のように研究されてしかるべきことだと私は承知しております。私どもの小さい時代の経験に照らしましても、なかなかこの機会均等というのが得られない場合が多かったので、そういうことの児童生徒に及ぼす影響というようなものは、これは相当深刻なものがあったと私は記憶いたしておりますので、そういうことは研究してしかるべきものだと思っておりますが、まだそういう具体的な公庫を作るとかというようなことまではまあ考えておりませんが、何か適当にPTA等々でできましたら、その機会均等の実現をはかるべきであると、こういう工合に私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/35
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036・矢嶋三義
○矢嶋三義君 次の点は局長に伺いますが、私は、国の方からも修学旅行に生徒諸君がずいぶん来るわけですが、その様子を見ていますと、私はこういう発言をすると業者から反対されると思うんですが、あえて伺うんですが、たとえば東京に学生が宿泊する、二泊する場合に、毎晩宿が変ったり、それから非常に周囲に好ましからんものがあるような、そういうあまり好ましくない環境下の旅館に泊っているという例がよくあります。で、私は一部民間団体で教育の一環として行われる修学旅行の生徒児童諸君を宿泊させるような施設の建設意図があるやに承わっているんですが、少くともこういう手引を出されるように研究されている文部省当局としては、この修学旅行生の宿泊施設について、今どういう動きがあるかということを私はキャッチされているんじゃないかと思うんです。この際私はその様子をお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/36
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037・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 宿泊施設の建設の計画が民間団体にあるんじゃないかというお話でございますが、これはちょっと前にそういう計画がございまして進んでおったように聞いておりましたけれども、ちょっと名前を忘れました、これは財団法人だったと思います。どうも途中でうまくいかない何か事情があったと存じますが、完成しなかった。私が聞いておりますのはそのことだけでございます。何と申しますか、公益法人としてそういう計画が具体的に進んだという事例はそれだけじゃなかったかと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/37
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038・矢嶋三義
○矢嶋三義君 まあ局長としては、今の段階では宿泊所は現状で進む以外にない、それで適当だと、こういう立場に立っておられるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/38
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039・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これは今お話のように、特に修学旅行目的地を都会地に選ぶという傾向もございますし、それから時期的にも非常に輻湊して行われる。この調査を見ましても五月、十月という月に集中する。これは旅館施設のみならず、交通機関の面から申しましても、特に汽車の輸送からいたしましても非常に問題がたくさんございます。で、このピーク時の切りくずしといったようなことが、修学旅行を適正にする一つの大きな問題として、これは運輸当局と私の方とも十分連絡をとって、そういうことをやっておるわけです。これは宿泊施設の面にもそのことは言えると思います。そういう面からいろいろ改善すべきことはたくさんございますけれども、どうしても都会地に集中したりいたしますから、旅館の施設が十分でないこともこれは事実として起って参ると思います。これは現状ではいたし方がないかもしれませんけれども、何かそういうような、もっと修学旅行の生徒を特に泊めるような施設ができれば、これはまことにけっこうなことだと存じております。ただ今現実の問題としましては、そこまで行ってないのが現実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/39
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040・矢嶋三義
○矢嶋三義君 いずれ詳細にわたっては所管課長に伺い、また要望いたしますが、昨年ただしました、さらに要望しておきました基本線は本日も変りません。先ほど局長の出されんとする手引書の内容についての説明については、大部分については了解できる事項と思いますが、全国の実情をよく把握されて修学旅行の計画立案に当って支障を来たすことのないように十分注意していただきたいと思うのです。
それとあわせて一つ具体的にお伺いしておきますが、伝えられる内容には、校長または教頭が必ず参加するようにということが表現されておるわけですが、小学校の場合考えましても、一年から六年ありますと校長、教頭というものは必ず参加するというようなことは私は不能だと思うのです。そうして校長、教頭が万一参加していないときに事故が起った場合に、校長、教頭の責任が鋭く追及されるというようなことになっては、私はお気の毒だとかように考えております。従って校長がその学校の最高責任者でありますし、修学旅行生徒児童を引率指導するところの先生方に責任感を負うようということは、これは期待しなくちゃなりませんが、校長、教頭が必ず参加しなければならないというような、そういう表現に当ってはよほど、あなたの方で手引書を出されるならば注意しておいていただかなければならない、かように私は考えるわけですが、いかようにあなたの方でお考えになっておられるか、その点伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/40
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041・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これは先ほどから申しますように、伝えられる内容とおっしゃいますけれども、私もきょうお話があると聞いておりましたので新聞も見てきたのです。特に地方の新聞に出ておるようでございます。これは先ほどもちょっとお触れになりましたけれども、何もこれは秘密にする事項じゃございませんから、役所で検討している途中でもこれは新聞に一部内容が出ることはあると思います。一つには、出ました地方新聞の書き方につきまして、非常に、矢嶋さんの御心配になるような印象の書き方が非常に強いのであります。これは部分々々抜き出して書いてありますから、そういうことになると思います。宿泊旅行は禁止、こういうふうな書き方がありますから、これは先ほどから申しますように手引書でございますので、これを全部見ていただきませんと、そのニュアンスというものは出ないわけでございます。それで今の校長、引率教師のことなんかも見ましたけれども、詳しく出ておりません。これは全部見てこれを参考にされるならば、これはおそらくいろいろな誤解は解けると思います。いいことばかり書いてございます。それで私は今のような御注意はごもっともと思いますが、そういうふうな何か非常に非常識に押えつけるといったような印象は、これからおそらく完成して出します場合には注意もいたしますけれども、現在の原稿におきましてはそういう点は出ていないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/41
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042・矢嶋三義
○矢嶋三義君 最後に文部大臣にお伺いいたします。一言だけ伺います。先ほど政務次官の方から、安全にして教育的な修学旅行というものは抑制するどころでなくて奨励する基本的態度であるという表明があったわけでございます。最近の実情を見てみますと、確かに文部省の御努力によって、廊下に生徒、児童が寝る、あるいはすわるというような事態はなくなったようです。大体三人掛け程度まできているようです。それは私も認めます。これは先ほども政務次官から御答弁があったと思うのです。ところが最近国鉄は非常に配車を渋っております。特に長距離旅行に対しては渋っている傾向がある。そして真夏ですね、七月十日ごろから八月下旬ごろまで、あの一番暑いときに盛んに勧めるわけですね。そのために中学校の生徒あたりは暑いときにずいぶん不衛生的な旅行をしていると思うのですが、この前お伺いしましたように、団体の割引、さらに学生の国鉄割引率を引き下げようという動きは確かに私はあるような感じを受けます。この点については、この前運輸政務次官にも伺い、要望しておいたわけですが、運輸政務次官としては、引き下げないという確約はしませんでしたけれども、検討中であるというような答弁をしておりましたが、修学旅行への配車の抑制、それから割引率の引き下げ、ことに学生個人の鉄道割引の率の引き下げということは、私は国鉄側において相当検討されているのじゃないかと思うのですが、これはぜひともさっき言った経験領域を広めるという立場からも、学生個人についても、また学生の集団としての修学旅行についても、今の線を私は堅持しなければならぬと考えますが、文部大臣どういう御見解を持たれ、今後いかように御努力されるお考えでおられるか、御所見と決意のほどを伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/42
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043・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) 国鉄の学生割引については、過半運輸政務次官がここで御表明になった通りと思います。文部省といたしましては、修学旅行については、やはり安全を保持し、また衛生を重んずる点よりして十分に協議いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/43
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044・湯山勇
○湯山勇君 議事進行。
本委員会にとって重大な問題が発生いたしましたので、それについて私どもしばらく協議したいと思いますから、約十五分程度休憩をしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/44
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045・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君) いかなることでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/45
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046・湯山勇
○湯山勇君 十五分ばかり協議した結果申し出ます。非常に重大な問題です。重大な問題が起りました。時間を切って下さってけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/46
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047・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君) それでは十一時半まで、正確に十一時半に御出席願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/47
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048・川口爲之助
○川口爲之助君 修学旅行についての質問はこの程度で終りますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/48
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049・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君) 本件につきましては、この程度にとどめておきます。
速記をとめて下さい。
午前十一時十九分速記中止
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午前十一時三十五分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/49
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050・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君)速記を始めて下さい。
次に、地方教育行政の組織及び運営に関する法律案及び同法律施行に伴う関係法律の整理に関する法律案を議題といたします。質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/50
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051・湯山勇
○湯山勇君 質疑に入る前に去る十一、十二の両日開かれた本委員会の公聴会に重大な疑義がありますので、この際委員長に要請をいたしたいと思います。
疑義と申しますのは、文部省の幹部が公聴会の前に数回にわたって公述人に会い、公述人の公述内容に注文をつけ、さらに公述人が述べようとしていた公述内容を変更させた事実があることを当の公述人自身が言っておることであります。これについては、十分な確証を持っております。なおまた、本人から直接このことを聞いた数名の証人をあげることができます。
事柄がきわめて重大でありますので、本委員会としては、直ちにこの事実を糾明した上、その責任を明確にすることを、わが党の委員全体の総意をもって、強く要請いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/51
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052・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君) ただいまの湯山委員の御発言に対し、御意見のある方はお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/52
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053・荒木正三郎
○荒木正三郎君 ただいま湯山委員から述べられたことは、私非常に重大な問題であると思うのです。
かりにも国会がこの法案を審議するに当りまして、各界の意見を聞き、慎重に審議する、そういう考えで公述人を国会に招いて、その御意見を聞いたのであります。
ところが、この公述に当りまして、公述人の意見が曲げられた、しかも文部省の力によって曲げられたということになれば、これは院の権威にも関する私は重大な問題であると思います。従って、この際私は文部大臣に質問をいたします。かような事実があったのかどうか、この点は明確に答えてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/53
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054・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) 公述人は委員会の嘱託によっておるのであります。裁判所の証人のように職権喚問はいたしておらぬのであります。従って、適当な方を物色して、かつまた、御出席にお差しつかえがないかあるかを聞くということは、これは私は差しつかえないことと思います。(「そんなことは聞いておらぬ」「だれが聞くんだ、文部省か」と呼ぶ者あり)それは当然……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/54
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055・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君) お静かにお聞き願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/55
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056・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) それは、私はこの委員会または委員の補助としてお差しつかえがあるかいなかを聞くくらいなことは当然だと思います。委員の……(「委員長から頼まれたのか」と呼ぶ者あり)あなたはどの方のことをおっしゃるか、私は知りませんが、それはすべてりっぱなる方ばかりであって、その意見をこちらの方からためるなんということは、あるべきことじゃございません。(「あるから聞くのだ」、「あるじゃないか」と呼ぶ者あり)ただ、問題の所在等をお聞きになったならばそれはその説明をいたしていいのでございます。われわれは決して公述人の公述をためるなんといったようなことは少しもありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/56
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057・湯山勇
○湯山勇君 大臣の発言の中で、委員会から頼まれて公述人に当る、あるいは差しつかえがあるかないかを文部省が確めることは差しつかえない……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/57
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058・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) いえ、違います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/58
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059・湯山勇
○湯山勇君 じゃ、どういうことですか、言うて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/59
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060・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) 委員会から頼まれたのじゃございません。(湯山勇君「どこから頼まれた」と述ぶ)しかしながら委員ですね、すなわち与党の委員等から頼まれて、こういう人のお差しつかえはあるかないかを聞いてくれという場合に、聞くことはこれは差しつかえなかろうというふうに思っております。(「どうもおかしいな」「おかしいぞ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/60
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061・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君) お静かに願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/61
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062・湯山勇
○湯山勇君 大臣の、与党の委員から頼まれて公述人に差しつかえがあるかないかを聞くことは差しつかえない……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/62
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063・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) さように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/63
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064・湯山勇
○湯山勇君 そういう事実がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/64
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065・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) 具体的に事実を御指摘になって一つ……(「何を言うか」「何だそれは」「文部大臣に聞いているのだ」「事実を言え」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/65
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066・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君) お静かに願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/66
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067・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) 私はお差しつかえの有無等を聞いたことはあろうと、言っておるのでありますが、どれをおっしゃるか、質問を具体的に言うて下さらなければ……、(湯山勇君「だから事実の有無を聞いている」と述ぶ)あなた、机ばかりたたいたっていい質問はできやしませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/67
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068・湯山勇
○湯山勇君 事実があるかないか。あるなしをはっきり答えてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/68
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069・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) はっきり答えるのには、具体的の事実をもってお問いになりませんというと、答えられませんです。だれが紹介したということを言わないと、それはわかりませんです。網をかけるようなことをおっしゃったところが、答えられんです。いつ幾日だれがだれのところに電話をかけたか、こういうふうにおっしゃれば、イエスとかノーとか言えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/69
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070・湯山勇
○湯山勇君 私はそういうことを聞いておりません。与党の委員から頼まれたというのは具体的な事実です。頼まれた。そうして文部省が今おっしゃったようなことをした事実があるかないかと言うのだから、これはあるかないか答えられるはずです。答えられないと言うなら、委員長から御注意願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/70
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071・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) そういうことはあり得ると答えておるのです。そうしてどの事実をおっしゃるか、それを指摘されぬというと、それを困るじゃありませんか。あなたそれを知っていらっしゃるのだから、それを言うて下さいよ。(「何を言っているか」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/71
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072・荒木正三郎
○荒木正三郎君 私は文部大臣に、文部大臣は公述人の意見を曲げたことはないと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/72
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073・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/73
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074・荒木正三郎
○荒木正三郎君 そういう働きかけをしたことはないと、こういうお話しでございます。しかし確かにこれを私どもが聞いておるところでは、文部大臣は公述人に対しましてある制限を加えておるということを聞いております。そういうことはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/74
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075・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) 私はありません。それからまた、私は電話の取り次ぎなどもいたしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/75
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076・荒木正三郎
○荒木正三郎君 この問題はいずれ私どもは当委員会として明らかにする必要があると考えます。しかし、この公述人の意見を曲げようとしたという事実はですね、ひとり文部大臣だけでなしに竹尾政務次官及び緒方局長等においてもあるということを私どもは聞いております。こういう点で政務次官並びに局長からも伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/76
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077・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) お答え申します。公述人の意見を曲げさせたというような事実はございませんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/77
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078・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) そういう事実はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/78
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079・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それでは、私はさらに詳細にこれらの問題についてお伺いをしなければなりません。実は私どもは昨日、地教委の幹部の諸君と会見をいたしました。その際に十二日に行われた林知義君の公述につきまして、公聴会の当日も私どもは非常に不可解千万に感じておったことは、その当日林公述人にも質問をした通りでございまして、このことは皆さんもすでに御承知であると思うのです。林知義君は全国の地方教育委員会協議会の会長として、国会に対してもこの法案の反対の請願をしておられます。また、われわれに対しても反対の陳情をしておられるし、広く世間に対しても声明を発表して、そうしてこの法案が強行せられるということであれば、地教委は総辞職をしてでもこの法案の阻止を決行するのである。この法案を阻止するのである、こういう言明もされております。ところが十二日の公聴会において公述された内容を見ますと、全く政府原案を支持するという意見の開陳がございました。これは何らかの政治的な制圧によって、かような結果がきたのではないかということを、私どもはその際申したのであります。しかし、その後私どもが調査いたしました結果、だんだん事態は明白になってきたのであります。先ほど政務次官も、緒方局長も、そういう事実はないということでございます。そこで、私はさらにこれらの問題について地教委の幹部から得たところの情報をここに明らかにいたします。それによってなお詳細に質疑をいたします。
で、林知義君の公述について非常に不可解に感じたのは私どもだけではないわけです。地教委の諸君も同様に感じておる。そこで林君に会っております。会いまして、あなたはどういう立場で公述するのかと、こういう質問に対して林君は、「自分はいやでいやでたまらない。自分の鉱山はストに入っていて公述には出たくないが、しかし文部省に頼まれてやむにやまれず出るのだ。私の個人の立場を了承してくれ。」これに対しまして宮沢会長が、「あなたは前会長であり、顧問である。しかも、この重要法案に対しては全地教委は総辞職をしてもこれを阻まなければならない、こういう決定を林さんは責任者としてきめておる。そのあなたがどうして新法賛成の公述をするのか了解できない。」これに対して林君は、「いかにももっともだか、自分は会長として過去一年責任のある立場に立って全国二万五千の総意の代弁者として当局に運動し続けて、ようやく地教委廃止の線をともかく存続に持ち込んだ。これは坂田、竹尾ら両氏の協力によることだ。私は感激している。その竹尾氏らに頼まれたのだ。いやでたまらぬがあえて出ざるを得ないではないか。私の立場を理解してくれ。」これに対して、「地教委が代表者を推薦しているのに、それが受け付けられず、現教育委員として貴下がただ一人の選にのった。この際私情を捨てて公述をわれわれの推薦する間淵に譲ってもらいたい。」これに対して林君は、「今に至って断わるわけにはいかぬ。私はあなた方にいかに不信任されようとも出る決心だ。実は原稿も書いた。これを文部省のやつらに見せた」言葉は悪いですが、そのまま私は書いているのです。「文部省のやつらに見せたところが、いろいろ修正された。(「何だ、それはけしからん」と呼ぶ者あり)いろいろ修正された。おれはいやになった。しかし、ぜひこの際忍んで出てくれと頼まれたので、自分はあえて出る。自分の立場を理解してくれ。」ここに重大な問題がある。文部省に見せたところが、いろいろこの原稿が修正されたというのですよ。そこで「個人の立場で出るならいたし方がない。公述の内容はどうか」。これに対して、「まず公選の問題、この制度はアメリカのまねをしている。アメリカでは大都市は任命制だ。そこでわが国の制度を考えるときに、都道府県教委、五大都市、町村は任命制でなくてはならぬ。都市はどう考えても公選が正しいと思う。この点だけは主張する。人事権の問題は、給与権を持たぬ委員会が人事権を持っても意味がないように思う。この点は新法を支持する。町村のごときは教育長はほとんど助役ではないか。全く意味がない。」それで地教委の代表は、「わかった。しかしあなたの主張は少くも全地教委全般の希望に沿わぬ。この際大義親を滅する気持で間淵に譲ってもらいたい。」これに対して、「君にはずいぶん世話になった。希望に沿えるものなら沿いたいが、竹尾君に頼まれてみたら断わり切れなかった。きょうもこれからまた文部省へ打ち合せに行くんだ。おれも苦しいよ。了解してくれ。」そこで「個人の立場はやむを得ないだろう。」こういうことで別れております。さらに十一日には、再び会見をしております。これは日比谷市政会館で会見をしておりますが、そのときにも「私の個人の立場を了解してくれ。」その際会長は、「その立場はやむを得ぬとして認めた。今さらその必要はないではないか。」と言ったときに、林君は「きょうもこれから文部省へ打ち合せに行く。原稿がまた修正された。行かざるを得ない。おれの立場を了解してくれ。」こう言っているのです。私どもはこの事実を当委員会として確かめるということは、これは公聴会の権威のためにも、国会の権威のためにも、きわめて重大な問題であると考えておるわけです。私が今読み上げたところにおいて明らかなように、公述人の原稿が再三再四にわたって修正されておる。私は先ほど政務次官並びに局長の答弁を聞きましたが、その答弁では、全く相反しておる。緒方局長は、林君が公述人になるということがきまってから会見していないかどうか、お尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/79
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080・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これは、法案の内容の御説明を求められましたので、私説明したことは一回ございます。(「いつだ、それは」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/80
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081・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それは何月の何日の何時ごろでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/81
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082・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 公述の日の前々日だったかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/82
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083・荒木正三郎
○荒木正三郎君 何日ですか。十日ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/83
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084・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 十日だったと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/84
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085・荒木正三郎
○荒木正三郎君 林君は、十一日にも文部省に行っております。しかし、原稿がまた修正されたと言っておる。そのときには緒方局長は会っていませんか発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/85
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086・緒方信一
○政府委員(緒方信一君)会っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/86
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087・荒木正三郎
○荒木正三郎君 政務次官はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/87
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088・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) 私がその林知義さんに頼んだというような事実は、絶対にございません。それから林さんがどういう原稿を書いたのか、それも絶対に存じておりません。公聴会でどういうことをしゃべったか、ちょうど向こうの衆議院の方の委員会がございましたので、こちらに出られませんでしたので、新聞ででも拝見しようと思ったら、その新聞も散らばってしまって、まだ実はどういうことをしゃべったか、内容を存じていない次第でございます。私から直接頼んだなんという事実は、これは絶対にございませんから、どうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/88
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089・荒木正三郎
○荒木正三郎君 緒方局長は、公述の内容について意見を述べて、そうして本人の原稿を訂正するように話をした事実はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/89
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090・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 法案の内容についての説明を向うから求められたわけであります。それで説明いたしましたけれども、それ以上のこちらから修正をするということはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/90
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091・荒木正三郎
○荒木正三郎君 この問題は、われわれが承知いたしておりまする情報と、ただいま政務次官なり、緒方局長が答弁された答弁内容と、非常な食い違いがございます。私は当委員会としてもこの食い違いを明らかにするということは、きわめて重要なことであるというふうに考えます。そこで本人を本委員会に出席を求めて、そうしてこの間の事情を明らかにしなければならないと、かように考えます。このことは、この公聴会の権威を保つためにも、また、国会の権威を保つためにも、きわめて必要なことであるというふうに考えますので、林君を証人として国会に出席を求めて、この間の事情を明らかにすることを当委員会として決定するように、動議を提出いたします。(「賛成」「反対」「反対というのは何だ」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/91
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092・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君)ただいま荒木君から動議がございましたが、御意見のある方の御発言を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/92
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093・湯山勇
○湯山勇君 ただいま発言の許可を得ましたので、申し上げます。当委員会が公聴会というものをどれだけ重視しておったかということは、その一つの例といたしまして、公聴会に傍聴人を入れること、この傍聴人が一方の意見に片寄るようなことがあってはならない、こういうことから、傍聴人の割当までして無言の圧力さえも加えないようにという深甚な配慮をして参ったわけでございます。ところが、今のような事実があったとすれば、公述人のほとんどすべてが何らかの形で文部省とはつながりを持っております。報道関係から出た公述人は別として、国立大学の学長はもちろんのこと、府県教育委員会も文部省のいろいろな影響を受けます。市町村教育委員会もやはりいろいろな影響を受けます。PTAにしても、あの公述人があのときに申しましたように、産業教育振興法、あるいは青年学級、そのほかいろいろ文部省に対して要望することがたくさんあったはずでございます。そういうつながりを持った人に提案者である政府側でいろいろ要望をし、あるいはその意見を変更させるというようなことになれば、一体公聴会の意味はどこにありますか。先般衆議院におきましては、証人に対して脅迫云々のような事実があって問題になっております。本日読売の社説を見ますと、証人、公述人等が自由な立場で言えるように立法措置が必要ではないかということさえも言っております。今取り上げた問題は、うやむやにすべき問題ではなくて、事実があるならある、ないならないということを、ここでこのように取り上げた以上は、うやむやにすることは許されない。もし、これをうやむやにしたならば、院に対する国民の信頼はたちまち失われて参ります。私どもは当委員会だけのためではなくして、院全体のために、ひいては国会の権威を守るためにも、この事実を明らかにしなければならない。しかも、私どもは単なる情報や単なる新聞記事等によったものではなくて、今荒木委員が指摘したように、公述人本人の口からその事実を聞いた人を証人としてあげる用意がある。ここまでわれわれは責任を持って申しておるわけでございます。ここまで明らかになったことを、このままうやむやにするというようなことであれば、私どもはもはや公述人の意見を参考としてこの法案を審議する一とはできない。そういう事態に立ち至っておるわけでございますから、党派の立場とか、あるいは個人的なつながりとか、そういうことを離れて、お互い議員の本分を尽すために、当然証人喚問の措置はとらるべきであると思います。だれもこれには反対できないと思います。そういう意味で、ぜひ証人喚問をお願いするわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/93
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094・中川幸平
○中川幸平君 重大問題と言っていろいろ言っておられますが、今聞いてみますると、林公述人の問題だということであります。証人と間違えての議論じゃないかと私は思うのであります。証人ならば、いろいろ打ち合せをするとか、こう言ってくれとかいうことは、非常に重大問題です。公述人はわが党の推薦した公述人、それが法案の内容に対して私はこう思うがどうかということを尋ねて、それを説明をしたからといって、何ら差しつかえない。せんだって林公述人もはっきりとこれまでは反対だったけれども、協議会会長をやめてから、私はこういう解釈をするようになったから、今日は賛成の公述に来たとはっきり言われておる。何がそれが悪い。証人に対していろいろこちらから圧力を加えたとか何とかいうなら重大問題だ。公述人はわが党の推薦、その人が進んで打ち合せに来て、そうしてこうでもないか、ああでもないかと言って打ち合せをしたからといって、それが重大問題になるはずはない。そんなことで証人に呼ぶ一を呼んで、そういう事実があったって何が悪い。そういうようなことを十分反省していただきたい。この際、この問題の審議に非常に時間をつぶすことはいかん。(「反対しないというのですな」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/94
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095・田中啓一
○田中啓一君 委員長のお許しを得またから発言いたします。ただいま湯山委員並びに荒木委員から竹尾政務次官が頼んだのではないかとか、いろいろ御質疑がございました。私どもの承知している範囲では、林公述人は劔木委員のところへ自発的に公述に出たいということを申し出されたということであります。また、劔木委員のみならず、同僚の、前々ぐらいになりますか、文部委員長をしておりました川村松助君のところへ見えまして、そうしてぜひ自分の意見を述べたい、こういう申し出がありましたことも、川村委員から聞きまして、私ども同僚相談の上で、林知義君を公述人に推薦したわけであります。そうしてまた、出られるか出られないか、こういうことは確かに文部事務当局に頼んで連絡をしてもらいましたことも事実であります。それだけの話です。でありますから、今お伺いをしておりますと、大へん文部省が圧迫を加えて意見を曲げた、そういう疑いがある、少くともそういう御発言でございまして大へん私どもは迷惑をしている次第であります。でありますから……(発言の許可を求むる者多し)発言中。でありますから、本問題は一つ理事会に移されまして、どういう方法でそれらの点を明らかにするか、その方法を一つ御研究を願って、理事会で成案を得ました方法に基いて、委員会としては進むことにいたしたい、かように思う次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/95
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096・矢嶋三義
○矢嶋三義君 今の段階は、その証人を呼ぶとか呼ばないとかいうことについで、賛成討論とか反対討論とか、あるいはこれをすぐ理事会に持っていくという段階でないと思います。もう少しこの問題は伺って、前提条件をそろえて、あるいは理事会に持っていくのなら持っていかなければ意味がないと思います。従ってこれはこの前の公聴会のときの私の発言とも関連ありますので、まず私は委員長にお伺いいたします。林公述人が公聴会において公述した場合に、私は委員長にこういうことをお伺いいたしました。これは、公聴会は国民の税金によって開いている。しかも、この公聴会における公述人の公述というものは、この重要法案の今後の審議に大きな影響を持つのだ、そういう意味においてわれわれは公述を聞いておるわけであるが、当時の公聴会の空気というものは、林公述人の公述に関連して、傍聴席は失笑にまた失笑、こういう状況であります。私は非常に遺憾に思いました。その原因は、林公述人の名においてこの法案に反対の趣旨の陳情、請願がたくさん出されている、その同一人の林公述人がここに公述人として出て、全くその請願、陳情の趣旨と相反してこの法案に賛成の公述をなさる。そこに大きな矛盾があるので傍聴席は失笑にまた失笑、委員長はこれを抑制することができなかったのは、御記憶の通りでございます。その当時私は、政府与党はこの法案に対するところの賛成者は多数おるということを事あるごとに述べられております、しかるにですね、その公述人を選定するに当って、請願、陳情の趣旨と違うことを述べるような公述人を選ばなくても、他に適当な公述人があるはずなんです。それを何がゆえにかような公述人を選んだかということと、果して公聴会を開くに当って、そういう公述人の選定基準というものが望ましいのか、望ましくないのか、こういう立場から伺いました。で、委員長は、これは委員長、理事打合会できまったのだからということで、あの当時答弁されて、その場は公述人がおられましたから、一応私は済ませました。しかし私は、この問題がここまではっきりしてきた、ここで私はあらためてはっきり委員長に伺わなくちゃならぬことは、国会で公聴会を開く場合です、まあ委員長、理事打合会で公述人を選定する。そのときの選定に当っての心がけと基準ですね、一体その国会に案件として出ているものに対して、請願、陳情をしている、それと趣旨の反する公述をするような公述人というものは望ましいのか望ましくないのか。この点を私は今後の、参議院において公聴会というものは逐次開かれるわけでございますので、原則論としてこの際明確にしておかなくちゃならぬと思いますので、あらためて委員長に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/96
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097・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君) 委員長からお答えいたします。その問題は、理事会で公述人を選定いたしますときに、実にむずかしい問題であったわけであります。御承知のように、本院規則におきまして、公述人は賛成の意見の方と、反対意見の方と考えて公平に、といっております。同数とはいっておりませんが、公平にこれを選ばなければならないといっておるわけであります。公述人を選ぶに当りまして、委員長が苦心をいたしました点は、たとえば学校の先生方というような方、あるいはこれは一般の方でもそうでございますが、なかなか前もって、あなたは賛成か反対か、確かめてやるということはなかなか困難であろうということでございまして、しかしながら、大体ニュアンスとして反対に傾いているか、賛成に傾いているかというようなことでまあ勘案するより仕方がない。まあ推察よりも少し強い意味に考えなければならないと思いますが、しかし腹の底までを聞いていくことはなかなかむずかしかろう、しかし、これを私どもとしては、大体与党は原案賛成、野党は原案反対と、大体御意向として、これは前もって、まだ審議は尽しておりませんが、そういう考え方がこれは一応うかがわれる。そこで公述人を選ぶについて、まず同数者を選んでいただけば、その目的に達するであろうと考えて、与党、野党各同数の公述人の候補者を御提出願って、そうしてその中から理事会で同数を選び出して公述をいただく、こういういきさつでございます。で、私どもといたしましては、もちろん大政党の推薦される候補者でございます。また、公聴会における公述を伺いましても、それぞれ各個人の自主的な御判断に基いて、自主的なりっぱな公述をいただいた、かように委員長としては考えておる次第でございます。申すまでもなく、これは証人とは違いますけれども、公述人といたしましても、そこにあるいは恐喝あるいは詐欺、そういうようなことで、その公述が不当にゆがめられたというような場合は、これは公述内容というものは問題がございましょう。これは確かにその点は糾明しなければならないと思いますけれども、ただいまお聞きの通り、ただいまどなたからかお聞きになったという間接のお話しでもって、荒木委員、湯山委員、矢嶋委員等が御発言になり、またこちらでは公けの席上、この速記をつけた席上において、文部大臣、政務次官、初等中等教育局長、これらの政府の方々が、そういう事実はないと、こういうふうに言っておられるわけでございまして、で、そういうことでございますならば、これは私の考えでございますが、卸意見がこういうふうに相反しておるのでございますから、ここでそれを取り扱うということは、あまり適当じゃあるまい、従いましてこの措置につきまして、即刻理事会を開きまして、そしてこれを解決いたしたい。これは私の意見といたしまして、決してうやむやにするという意思ではございません。その点をはっきり申しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/97
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098・矢嶋三義
○矢嶋三義君 理事会を開くにいたしましても、私はもう少し前提条件があります。私はただいまの委員長の御発言内容はお気持わかりました。問題はですね、この林君を推薦した自民党側に私はあると思います。私は社会党も今後推薦しますよ。しかし、その基本的態度というものはその国会に請願、陳情をなしているその趣旨と相反する公述をするところの公述人を、それぞれの政党、会派が推薦するということは、これは基本的態度としては、私は大いに間違っておると思う。これは委員長としてはそれぞれの政党、会派から推薦がなるというと、それを受け入れなければならんという委員長の立場は私は了承いたします。これは今後自民党にしても、緑風会にしても、わが社会党にしても、公述人を推薦する場合にその請願、陳情の趣旨と違う公述をするような公述人を選ぶということは、それ自体が間違いであると同時に、さらにそういう公述人でなければないということは、また別の角度から私は問題になってくると思う。それだけにこの林君の問題には何かあるということは、私は感知されるわけです。
次に私は文部大臣に伺いますが、先ほど文部大臣はこういうことを言われましたよ。公述人を世話するのは、行政府としては当然であるかのごとき発言をいたしました。私は立法府と行政府と司法府というものは三権分立でございますね。あなたは法律家だから私が言えば釈迦に説法になります。明確でございます。でこの法案はですね、行政府であるあなたの責任において、立法府であるわれわれに審議を要請しているわけです。独立機関であるところの立法府は、行政府から提案されたところの、内閣から提案されたこの法案を審議している。それに当ってこの新憲法下、この新国会法において公聴会、公述人の公述開陳という制度が設けられている。しかも、この法案は私ら反対論が国民の中に多いと思うのですが、あなた方は多数の賛成論があると言う。百歩譲っても国論は二つに分れておる。それほど国民には関心の深い重大な法律案ですね。この公述人の公述を求めるに当ってですよ、国民の多数の反対意見があるようなかような法案の公述人を決定するに当って、提案者である行政府の内閣の趣旨を代弁ずるようなかような公述人を、行政府が関与して出すということ自体、あと公述内容を変えたという、変えないということは次の段階、その前の問題、それは公述内容を筆を入れて、あるいは討論の段階において変えさせたということになれば、これはもう問題にならん重大な問題だ。その前の問題が私はあると思う。かような公述人をその世話をする、そういうことは私は行政府としては立法府に干渉するものであってですね、これは三権分立の精神から私は排除されなければならんと思う。ところが文部大臣は先ほど公述人の選定に当って、行政府である文部省の役人が世話をする、それから法案の説明をいろいろした、お手助けをする、そういうようなことは当りまえのような発言があったんですが、これは法律学者である清瀬文部大臣としてはとんでもない意見だと思う。御所見を承わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/98
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099・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) 文部省が公述人を世話をすると言った覚えはないんです。しかしながら出席の有無、時間等について聞き合わせを、電話等で聞き合わせをいたしたことはある。(「それが世話と言うんだ」と呼ぶ者あり)やはり官庁でも、その他の場所でも、差しつかえない限り電話の世話くらいはいたすので、あなたの方からこの公述人の出席の有無を聞いてくれとおっしゃれば、それもいたします。それくらいのことをするのは、これは当然です。今までは官僚主義といって権限のないことはしはせぬといってみな突っぱねてしまうのが……(矢嶋三義君「違うですよ」と述ぶ)ちょっと待って下さい。あなたが求めて私は答えつつあるのだ。答えの済むまで質問するものじゃない。待ちなさい。公述人をきめるかきめぬかは、与党の方がおきめになるのです。与党の方が……。(「違うよ」と呼ぶ者あり)文部省の、あなた、官吏がそんなことをきめるものじゃございません。きめる力もない。けれども、こういう人が公述人に適当であろうから、お前の方で一つ時間を聞いてくれとか、おいで下さるか聞いてくれとかおっしゃれば、そうですがと言って聞くのが、これは当然で、あなたの方から、社会党からおいでになっても、そういうことはいたします。ちっとも不思議のないことですよ。これを居然とおれの役じゃないと言ってみなはねるのがいいんでしょうか。あなたの方から資料を出せと言えば資料を出すし、何でも皆さんのおっしゃることをしておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/99
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100・田中啓一
○田中啓一君 お許しを得ましたから……。今矢嶋さんの御発言は、前半は自民党へ向いておっしゃっておったと思うのです。明らかにそうおっしゃいました。また、公聴会の際も、これは自由民主党の責任であろう、こういうような、言葉はその通りでなかったかもしれませんが、何かそういうような意味の御発言があったように記憶いたしております。その理由は、本法案反対の請願をしておる人間を、今度は賛成の意味の公述人に——意味ということはないが、本人の意向をただしてみれば賛成だと言うたといって(「それよりもっといい人がおりゃせぬか」と呼ぶ者あり)不適当だろう、こういうお話しでございました。実は私ども請願の方というものは、どうなっておるか存じませんでした。これはほんとうであります。地教委の方々に、あるいは地教委連絡協議会というようなところで反対がある旨は、ここでしばしば安部委員等から御発言がございましたので、それはそうであろうと思っておったのでありますが、林知義氏の名前で反対の請願書が出ておるということは存じませんでした。これはまあ同僚全体というよりも、私の判断でございますが、いずれまあ地教委の方々がお集まりになってずいぶん御論議をなさったであろう、そうして多くの人が反対だ、こういう御意見にもおなりになったんであろう。だが、どこにも少数意見というものはあるものなんです。私どもは少数意見を聞くのもまた、きわめて民主主義である。それも私ども一生懸命探したわけではないので、御本人からぜひ公述したい、こういうお申し出が川村君、並びに劔木君のところにあったということを聞きましたので、それなら一つ大いに述べてもらうのがいいのじゃないか、われわれは多数意見も聞くがよろしいし、少数意見も聞くがよろしい、それだけの判断で、一つ自由民主党側は公述人の一人に林知義君を推薦しようじゃないか、こういう相談をまとめたわけなんです。そして出てこれるのかどうなのかということを、文部事務局に頼みまして確かめてもらったわけであります。それだけのことなんです。大へんどうも矢嶋委員からおかしい、おかしいというような意味の御発言をされるのですけれども、私どもの考えは、右の通りでございますから、この際釈明かたがた御答弁をしておく次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/100
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101・矢嶋三義
○矢嶋三義君 ただいまの発言には、一つ非常に重要な発言があり、また、私には非常に参考になったと思うのでございます。それは新国会になってからは、主権者である国民の請願、陳情という制度が多く開けたわけです。従ってわれわれ国会においての審議、調査等に当っては、この請願、陳情というものは、重く扱わなければならぬということは、同僚諸君の特に御了解済みの通りでございます。ところが今、以外にも、林さんからの請願、陳情の趣旨というものをよく了承していなかったと言うのですが、ずいぶんとたくさんの請願、陳情があり、公報にも出る、印刷局にも回っているわけなんですが、これは非常に重大であり、また、われわれ委員会を進めてゆくに当って反省しなければならぬことですね。とりあえず第一番にたくさん今出ている請願、陳情ですね、これをまず審議して、一体請願、陳情の内容はどうかということを見きわめて、そうして以後の委員会において法案を審議してゆかなければならぬということが田中委員の発言によってよくわかりました。この問題については、今後の委員会の議事進行について、あらためて委員長、理事の打合会をやっていただくことにして、私の質問の本論を進めますが、それは反対請願、陳情をしました公述人を今度賛成の公述をしてもらうために、そういう公述人を選ぶのがいいかどうかということは、これは政党の良識であって、ここでは水かけ論をしません。賢明なる国民諸君が判断してくれるだろうと思いますから、それは時間がかかると気の毒だから、国民の良識の判断に待ちます。
文部省に伺いたい点は、さっき荒木委員並びに湯山委員から、かなり具体的にお話がございました。あれが、事実だとしたならば、……よろしゅうございますか、事実だとしたならば、文部大臣はいかなる立場をとられるか、まずそれを伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/101
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102・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) 私は事実と信じませんが、仮定のことについて多く申し上げることは控えた方がいいと思います。しかしながら、これをよく聞いてみまするというと、宮沢という人が林知義君に意見を曲げさそうと思って、曲げさそうじゃない、変えさそうと思って非常に努力したことはわかります。それからして林公述人は、やはりこの問題を研究するために、いろいろお骨を折られたと思います。現に法案は委員会から送るのでありますけれども、私も一ぺん公述人として選ばれたことがありまするが、大切な国会でありまするから、自分の考えはあっても、ほかの人の意見も、出るまでには聞いてみるということもあり得るのであります。私は林知義さんとは面識はありませんが、りっぱな人であると聞いております。それゆえ、あのことがたとえ一部真実であっても、決して林さんが最後に公衆の面前で、委員会において公述されたことについての値打の上に増したり、減したり、増損はないと私は思っているのです。私もその公述を聞いておりましたが、(矢嶋三義君「ちょっと待って下さい」と述ぶ)私もこの公述を聞いておりましたが、協議会の会長として(矢嶋三義君「私の伺っている点を答えて下さい、委員長、注意」と述ぶ)あの通り主張された。けれども、私個人としての意見はまた別だ、こういうことなんです。でありまするから前の会を代表しての請願、陳情と、今言うことが違うという理由はちゃんと述べてあるのです。私はそれがためにあの公述の結果信ずべからずとは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/102
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103・矢嶋三義
○矢嶋三義君 文部大臣、すなおに答弁していただかないと、時間が延びてしょうがありませんから、私の伺っていることにお答え願いたいと思うのです。ずいぶん具体的な話がありましたが、私しぼって一つ言います。それは公述人と行政府の役人が、しかも立法作業をやった責任者が会っていろいろ話すことがいいか悪いか、それはまあさておきます。ともかく話して、公述人がある意見を言った場合に、その行政府の公務員がそれじゃ工合が悪いというので、この公述を変更させる、こういう事態があることはよろしいですか、悪いですか、まずそれをお答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/103
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104・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) それはないのですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/104
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105・矢嶋三義
○矢嶋三義君 あったら、いいか悪いかと言っているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/105
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106・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) ないと考えておるものが、あった場合の意見は述べられません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/106
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107・矢嶋三義
○矢嶋三義君 何言っているのだ、(「何だい、それは」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/107
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108・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君) 静かに願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/108
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109・矢嶋三義
○矢嶋三義君 大臣、答えられぬことないでしょう、私は一般論として伺いましょう。国会で公聴会をやる場合に、それは文部省でも、通産省でも、建設省でも、これから行政府で心がけなければならぬ基本的態度です。だから私は伺うのです。そういうことがあっていいものか悪いものかと言うので、あなたの部下があったとかないとか言っていない、そういうことがあっていいものか悪いものか、国務大臣である清瀬文部大臣はどういう御見解を持たれますか。お答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/109
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110・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) あなたは林知義君の公述に関してお問いをされておる、林君がだれかの意見を聞いて信念を曲げたということはないと私信じております。ないものについて答えはできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/110
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111・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君) ちょっとお待ち下さい。先ほど委員長の申し上げたことは、何にも皆さん方からお取り上げ願わなかったのですが、そのことについてお願いしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/111
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112・矢嶋三義
○矢嶋三義君 もうちょっと待って下さい、もう二、三点。前提として伺っておかなければならぬのですが、竹尾政務次官に伺いますが、このたび参議院で公述人を呼んで公聴会をやったわけですが、事前にあなたはいずれの公述人ともお会いになっておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/112
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113・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) 公述人をお願いするというようなことは私は絶対にいたしませんので、おそらく正式に会っているというような記憶はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/113
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114・矢嶋三義
○矢嶋三義君 それではお電話をおかけになったことはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/114
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115・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) 電話も、直接にかけた記憶はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/115
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116・矢嶋三義
○矢嶋三義君 あなたが直接におかけにならなければ、秘書官かどなたかを通じてかけさせましたか、命じたことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/116
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117・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) そういうことは記憶ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/117
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118・矢嶋三義
○矢嶋三義君 ただいまの御発言は、政務次官としての御発言でございますから、これは責任をとられる御発言と思いますし、もし、ただいまのあなたの御発言と相違するようなことが立証された場合には、十分の御責任をとられるだけの決意をもって御答弁されているものと了承してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/118
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119・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) 私はいかなる場合でも、自分がこれはいかんというような場合には、いつでも責任をとる気持でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/119
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120・矢嶋三義
○矢嶋三義君 次に、緒方局長に伺いますが、あなたは林公述人には先ほど一回会ったということですが、一回だけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/120
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121・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 先ほど申し上げた通りでございます。ただ日をさっきから考えておりますけれども、前々日であったか、前日であったか、法案の内容の説明を求められましたので、御説明したことはございます。先ほど前日と言いましたが、それを先ほどから考えておりますが、あるいは前々日であったかもしれません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/121
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122・竹尾弌
○政府委員(竹尾弌君) 一つちょっと私の前のお答えに補足をいたしますが、いつでもとるということは、自分が考えてこれは正しくないことだったら、責任をとるべきである。自分が自分の意思に基きまして責任をとるべきものであると感じた場合には、いつでもとる覚悟をしております。(笑声)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/122
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123・矢嶋三義
○矢嶋三義君 それは言わんでもわかっておる。それはもう申し上げんでもわかっていると思うんですが、局長、さらに一、二点伺わしていただきますが、どこでお会いになりましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/123
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124・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 私の部屋に御来訪になりましたから、会いました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/124
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125・矢嶋三義
○矢嶋三義君 そのときに林公述人は公述要旨を持っておられましたか、おられませんでしたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/125
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126・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 別に書いたものを持っておられませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/126
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127・矢嶋三義
○矢嶋三義君 そのときに林公述人は、公述をこういうふうに展開したいという、法案の主要点について述べられましたか、述べられませんでしたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/127
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128・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 向うの疑義とされるところにつきまして、私にお尋ねがございました、法律案につきまして。それにつきまして私は私どもの考えておる解釈を申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/128
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129・矢嶋三義
○矢嶋三義君 林公述人が疑義として述べられたのは、どういう点でございましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/129
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130・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これは全般についてお問いがありましたから、どこどこというふうには限定して、ここでお答えできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/130
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131・矢嶋三義
○矢嶋三義君 主要点の二、三点でよろしいですから伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/131
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132・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) やはり選任制度の問題とか、それからやはり問題になっております点につきましては、確かめる意味でお聞きになったように記憶しております、主要な点でございますね。(「どんな主要な点」と呼ぶ者あり)任命制の問題だとか、−任命制、それから予算送付権の問題とか、そういうポイント、ポイントをお聞きになったように記憶しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/132
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133・矢嶋三義
○矢嶋三義君 この委員長理事打合会に移すといいますが、伺っておかんといけませんから一、二伺わしていただいているんですが、林公述人は、都道府県教育長の文部大臣の承認によって任命するというようなことについては、どういう疑義を持たれておったでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/133
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134・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) その点については、別に具体的な話を私記憶しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/134
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135・矢嶋三義
○矢嶋三義君 あなたは林公述人の意見と一致したんでしょうか、一致しない点はどういう点があったんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/135
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136・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 意見を別に申し上げたわけではございませんで、私どもは先ほどから申し上げますように、公述の法案の上におきまして、その解釈につきましてお問いがあったことについて答えたわけですから、意見が一致とか不一致という点はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/136
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137・矢嶋三義
○矢嶋三義君 そこの点ね、私は会うこと自体問題だと思うんです。そうしてただ説明を求められて、レクチャーするということだけとは考えられぬ、人間の常識として。お互いに意見の討論はあったわけでしょうが、それはまあ何です、資料でありますから、いずれあとで糾明されると思いますので、あなたに対しての質疑はそれくらいにしておきますが、最後に文部大臣に伺っておきますが、文部大臣のさっきの答弁、私は納得できません。公述人に事前に——竹尾政務次官でも、これは代議士であると同時に政務次官ですから公務員です。そういう方々が公述人に会って、そうしてその提案者である方々の趣旨を徹底させることによって、その公述人の公述内容が変ったということに……。(「説明しただけだよ」と呼ぶ者あり)一つ一つヤジを飛ばすもんじゃないですよ。——変ったということになれば、これでよろしいのかどうかということを、大臣お答え願いたい。あなたのさっきの答弁承わっていますと、そういう事実があるので、もし表面に出てきたら困る、文部大臣の首が飛ぶからということで逃げておるようだが、そういうことがないなら、私は仮定の問題にしても、はっきりそういうことはいけない、わが鳩山内閣の文部省に関する限りは、断じてそういうことはない、そういう事態があるということは好ましくない、あった場合には責任をとる、こういう男らしい発言があってしかるべきじゃないですか。(「そんなことを強制する必要はない」と呼ぶ者あり)何が強制ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/137
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138・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) 今林知義君の公述人としての公述に関し質疑応答がされておるのであります。私は林公述人が他の者よりの、あるいは圧迫または要請等によって意見を変えられたことはないと信じておるんです。ないと信じておる以上は、ある場合のことを聞かれても、これはお答えはできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/138
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139・矢嶋三義
○矢嶋三義君 最後に委員長に今後の本委員会の運営について要望申し上げておきます。このことは提起されました湯山理事が言明されましたように、きわめて重大でございます。委員長もこれは明確にしなければならぬということを、先ほど意思表明されました。このいかんによっては、先般行われました公聴会の適格性というもの、有効性というものが問題になってくるでございましょう。また、私ども今後本法案を審議していくに当っては、二日間にわたって行われました公述人の公述というものを、重大参考資料として本法案の質疑を展開して参ります。そういう立場からこの事態を明確化することを委員長としては早急におやりいただきたい。これが早急に行われない場合においては、本委員会の今後のこの重要法案の審議にも影響して参りまするので、本委員会の今後における運営の立場から、特に先ほど委員長が表明されました事態の明確化をはかるために、早急に善処されるように、これは委員長並びに理事諸公に強く要望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/139
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140・湯山勇
○湯山勇君 大臣にお尋ねいたします。大臣は先ほど文部省が公述人に対して都合のいかんを問い合わせる、そういうことは当然あり得る、私はそれは対してそういう事実があったかないかということをお尋ねしたところが、だれがだれにということを言わなければ答えられない、こういうことでございました。ところがただいまの時点においては、田中委員からはっきり申されましたように、林委員について、文部当局に頼んで連絡してもらったことは事実だというただいまの御発言がありました。そこで大臣に重ねてお尋ねいたしますが、文部省がただいまのような都合を聞き合せたり、連絡したりした事実はありますか、ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/140
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141・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) 田中さんのおっしゃる通りと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/141
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142・湯山勇
○湯山勇君 そのほかの人についてはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/142
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143・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) ほかの人といっても、非常にたくさんなことでありまするから、具体的にこれがあるかないか聞いて下されば、私は自分で電話をかけませんからわかりませんが、(「またそんなことを言う」と呼ぶ者あり)部内を調べてお答えいたします。ただ全般に、文部省の役人が電話をかけたか、かけぬかとおっしゃっても、これは毎日のことですから、これははっきりわかりやしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/143
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144・湯山勇
○湯山勇君 わかりました。じゃ第二点。文部大臣は、今度は大臣です。あなたは大臣就任以来、公述人に対してああいうことを言ってくれとか、ああいうことを言ってくれるなといったようなことを依頼した事実は絶対ございませんか。責任ある答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/144
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145・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) 私自身のことでありますから、お答えいたします。絶対にございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/145
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146・湯山勇
○湯山勇君 わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/146
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147・矢嶋三義
○矢嶋三義君 委員長もう一点……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/147
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148・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君) もういかがですか。委員長の提案は弊履のごとく皆さん考えられて、はなはだ残念でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/148
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149・矢嶋三義
○矢嶋三義君 一分間で終ります。文部大臣絶対にないということを言明されました。もし、あったときはどうしますか。はっきりお答えになって下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/149
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150・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) 絶対にないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/150
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151・矢嶋三義
○矢嶋三義君 あったときは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/151
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152・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) 絶対にないのでございます。ないから、あった場合のことは考えておりません。そんなことがあったことはありません。私はそんなことは絶対にしません。御信用願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/152
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153・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君) 先ほど委員長から提案をいたした次第でございますが、いかがでございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/153
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154・荒木正三郎
○荒木正三郎君 先ほど委員長もこの事態をあいまいにする考えはない。真相は十分究明する。そのために理事会を開いて協議する、こういうことでございましたので、私ども賛成をいたします。(「異議なし」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/154
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155・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君)御異議ないと認めます。これをもちまして、午前中の委員会を休憩いたします。直ちに理事会を開きたいと思います。
午後零時四十六分休憩
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午後四時五十一分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/155
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156・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君)これより文教委員会を再開いたします。
午前の委員会において湯山委員その他から提案されました、五月十二日公聴会における公述人林知義君の公述に至った経緯に関する件について、理事会で協議を行なった結果、次のように話し合いができました。
林知義君、宮沢八十二君、間渕豊君、平野忠一君に五月十七日午前十時参考人として本委員会に出席を求めること、この委員会は一般傍聴を許可しないこと、以上であります。ただいま報告の通り取り扱うことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/156
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157・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君) 御異議ないと認めます。
なお、手続その他については委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/157
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158・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君) 御異議ないと認めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/158
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159・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君) これより地方教育行政の組織及び運営に関する法律案、及び同法律施行に伴う関係法律の整理に関する法律案を議題といたします。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/159
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160・矢嶋三義
○矢嶋三義君 委員長にちょっと質問があります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/160
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161・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君) 矢嶋三義君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/161
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162・矢嶋三義
○矢嶋三義君 委員長及び理事懇談会のただいまの結論は本委員会で了承されましたので、私もそれに賛成、それでけっこうですが、お伺い申し上げたい点は、この前の本委員会において請願、陳情はどういう内容のものであるか、本法律案審議において請願、陳情を取り扱うということが話し合いに出ております。本日の先刻の委員会においても、自民党の田中委員からその必要性のある御発言がございました。それは委員長理事懇談会に移されたことになっているのですが、その後、委員長理事懇談会ではどのような話し合いがなされ、どういう結論になったのか、まだ一回も報告を承わっておりませんので、その点についてと、
それからもう一点は、本法律案が本委員会に付託されて以来、委員長は慎重審議の原則を貫いて参られました。この委員長の態度に私は敬意を表します。そうして委員長の基本的態度としては、国会は五月十七日までである、従って委員長は五月十七日を目途に本委員会を運営しているのだということを、繰り返し御言明なさると同時に、国会の会期が延長になった暁においては、さらに慎重審議の機会も与えられるのだから、だから、公聴会をいついつに開くという御主張をずいぶんと強硬になさいまして、当時は不幸にしてわれわれと意見が一致せず、ああいう形で公聴会の期日が決定されたことは、同僚諸君のつとに御承知の通りでございます。すでに御承知のように、国会会期というものは第一院、衆議院において議決されました。参議院の意思決定のいかんにかかわらず、前例によってこの会期延長というものは六月三日まで最終確定いたしたわけでございます。この段階になりますというと、私は委員長理事懇談会においては、今後週日をいかように審議日数として扱っていくかという、いわゆる審議日程というものをおきめ願って、そしてこの委員会を運営していただくのが、これは慣例でもありますし、またわれわれ議員としても非常に好都合なんですが、そういう点については委員長理事懇談会ではどういう話し合いがなされ、いかようになっておるのか、早急に私はそういう点協議していただきたいということを御要望申し上げると同時に、一応経過を御報告ございませんので、本委員会で承わっておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/162
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163・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君) 私から御報告申し上げます。最初のこの請願、陳情の件でございますが、これにつきましては、実は重要法案でございますので、各方面からの陳情も今後来はしないかというような配慮で、実は正式の受理するのを待っておりました次第であります。大体のものがもう本院で受理されたのではないか。この辺でもう、ほかの請願は締め切っておるわけでございます。それで取り扱ってもいいんじゃないかと思っておりまして、まだ正確な日時を、いつそれを報告するかということについては、理事会でも実はまだ相談しておりません。明日も理事会を開催いたしますので、明日の理事会あたりで諮りたいと考えております。
それからこの審議日程でございますが、ただいま矢嶋議員の言われたことはその通りでございまして、実は会期が衆議院で延長決議されれば、本院がいかに何いたしましても、衆議院の議決できまるわけでございますので、まず確定的と申してもいい段階。また本院は、御承知のように、意思決定はしておりませんけれども、そういう段階でございますので、まず六月三日までの会期延長は確定的とみてよろしいでしょう。しかしながら、私どもといたしましては、前もって各委員に、一体どれくらいの質問を持っておられるだろうか、特に一般質問としてどれくらいの質問を用意され、時間がかかる見込みであるかということを、実はお伺い立てておったわけですが、しかしながら、矢嶋委員を初め一ぱいあるのだということで、一ばいということでは委員長においては日程をちょっと立てる材料がございませんので、一つはっきりとしたところをお伺いしまして、理事会ではっきりした日程を立てたいと、かように考えます。まずその第一段といたしましては、明日の理事会におきまして、日程をどういうふうにするか、延長国会に対応する方策を相談するつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/163
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164・矢嶋三義
○矢嶋三義君 もう一言、確かに私ども質疑はあるわけでございますが、まあ今までのこの各委員会の審議日程等を顧みましても、いかように重要な法律案がかけられました委員会におきましても、もうあと国会が四日、五日というような場合には、連日審議ということがございましたけれども、国会会期を数十日あとにして、あるいは十数日あとにして、連日というような審議日程を組んだ例はいまだかってないと思うのです。それで委員の質疑時間と関連を持たせなくちゃならぬのですが、その関係で時間を云々するということは考えられますが、本法案われわれ送付を受けてから、ゴールデン・ウィークはありましたが、それ以外は連日のべつまくなしにやられておりますが、これは前古未曽有の委員会の運営でございまして、私、希望としては、まじめに言っているのですが、議員としての他の業務をやるに当っても、あるいは健康上からいっても、また国会職員の健康上からいっても、私は少し御配慮をいただきたい。それで私は率直に希望を申し上げておきますが、明日委員長理事打合会でやられますれば、国会末期になってはともかくとして、ここのところ週日四日か、最大限まあ四日というところが私は常識的な運営ではないかと思いますので、この点は委員長の良識に訴えて、明日委員長理事懇談会でお話しいただくように、特に要望申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/164
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165・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君) お答えいたしますが、実は妙なたとえを申しますが、私、むすこを持っておりますが、受験勉強の段階でございますので、早くやれやれと、試験が来てせっぱ詰まらないとやらないようじゃだめだなどと言っておりますが、なかなかやはり近づかないと勉強しませんで、つい試験のまぎわになって勉強を始める。これではなかなかいい成績がとれない。委員会もそういうようなことで、延長になったと申しましても、気をゆるしておりますと、試験勉強みたいなことになっては困るんでございまして、これは一つ、先ほどの肉体的というお話もございましたが、これは一つ、重要法案でありますだけに、私大へん非良識かもしれませんが、御勉強を……(「それは委員長理事懇談会でおきめ下さい。希望だけ申し上げておきます」と呼ぶ者あり)御努力をお願いしたいと、できるだけ審議を十分にお尽し願いたいという心持でやっている次第でございまして、明日の理事会におきまして、そういう気持で各位にはお諮りいたしたいと思っております。
御質疑がございましたら、御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/165
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166・高橋道男
○高橋道男君 総括の段階であるかも存じませんが、若干こまかな点に触れることのお許しを願いたいと思います。
教職員の人事は県の教育委員会が持つということに相なるわけでございますが、その場合に、三十八条を見ますと、異動なとの場合には——まあ異動という言葉はありませんけれども、そういう場合には市町村委員会の内申を待って行うんだということに相なっておりまするが、これは市町村委員会からそういう内申がなければ県の方ではこれに触れることはできないと、そういう意味でございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/166
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167・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/167
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168・高橋道男
○高橋道男君 そういたしますと、県の方から別に圧力もかける必要もないのですけれども、ぜひ内申のない市町村についても異動に触れないと、全体としてははなはだ均衡を欠くと申しまするか、不都合が起るというような見解があるときには、そういう場合にも県は触れられないと、従って全体の人事運営にかえって円滑を欠くというようなおそれはないのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/168
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169・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) この法律におきましては、いわゆる県費負担の教職員の任命権は、従来は市町村の、その勤務いたしまする学校の所管でありまする市町村の教育委員会が持っておったのでございまするけれども、三十七条によりまして、都道府県の教育委員会がこれを行使することにいたしたわけでございますが、しかしながら、市町村の学校の職員の身分につきましては、なお市町村の公務員という建前を実はとっておるわけでございます。と申しますのは、市町村の学校の先生というものは、その市町村の設置いたしまする学校に勤務いたしまして、その市町村の教育事務を担当するわけでございます。従いまして、これがその職務の遂行につきまして、その服務の監督等はやはり市町村の教育委員会がこれを行うという建前をとっておるのでございます。ただしかし、三十七条で都道府県の教育委員会が任命権を行使するということにいたしましたのは、従来言われておりましたように、市町村で任命権を持っておりますと、異動につきまして円滑を欠くというような関係がございまして、そのほかの情勢もございまするけれども、そのために特にこういう規定をとったのでございます。
そこで、しかしながら、まあ今申しましたように、繰り返しまするけれども、市町村の教育委員会は、市町村の公務員でございますので、市町村の教育事務をつかさどるものでございますから、その市町村の学校を所管いたしまする教育委員会の内申を待って、県の任命権を行うことがやはり必要と思うのでございます。そこで、内申を待ってでございますので、今大臣から答えがございましたように、内申がなければ都道府県の教育委員会は任命権を行使いたしません。しかしながら、内申がありました場合にはそれを十分尊重してやることになりまするけれども、しかし、まあ万やむを得ない場合には、その内申と違った結果も出てくるかと思うのでございまして、その場合には、やはり県に権限もございまするから、その権限によって行うことに相なると思います。しかし内申がなければ、任命権の発動はしない。しかし建前は、先ほどから御説明いたしますように、市町村の学校という営造物にこれは勤務いたしまして、営造物を構成する職員でございますから、やはり市町村の内申、意見というものを十分尊重して、重んじていくという態度をとらなければならぬと考えまして、かようなことにいたしたと思うのでございます。実際の運用におきましては、おそらく甲村、乙村の間に十分連絡ができ、あるいは県に対しましても事前に十分協議をいたしまして、そしてその協議がまとまって初めて内申という手続もとられて、円滑な運営が実施できるものと私は考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/169
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170・高橋道男
○高橋道男君 そう御説明をいたしますことは、市町村の教育委員会を尊重するという、そういう意味に受け取ってよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/170
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171・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 本法におきましては、やはり市町村の設置しまする学校の運営管理をいたしまする独立の機関として、市町村の教育委員会を設置しておりまして、その市町村の教育委員会に特に職員の服務の監督等を担当せしめるという建前で、この法律ができております。そういう観点からいたしまして、その任命権につきまして内申権を持つということは必要なことであるという方針をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/171
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172・高橋道男
○高橋道男君 それと対比いたしまして、指定都市の方には、県の教育委員会にかかる権限をあげて指定都市の教育委員会に委任しておるわけですね。そうすると、任命権というものもやはり指定都市が持つというように解せられるのでありますが、この一般の市町村の場合には任命権というものはやはり県が持っておる。そうすると、市町村の場合はこれは委任事項じゃないけれども、権限は市町村が持っておるというふうに解釈すべきものなんでしょうか。指定都市の立場とですね、それから市町村の立場と何か違いが、法文の上では違いがあるようで、実質上は違いがないと、こういうふうに考えられるのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/172
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173・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) この五十八条におきましていわゆる指定都市でございますが、現在の五大都市におきましては、都道府県の教育委員会が職員の任免その他の人事に関する権限を委任することにいたしております。これは法定委任でございまして、この法律によってそういう権限を委任したわけでございますので、もともと根源は県の教育委員会にありますけれども、この法律によりまして任命権を行使しますのは五大都市の教育委員会ということを、五十八条は規定いたしたわけでございます。一般の市町村の教育委員会におきましては、これは委任することのできる規定がございますけれども、その任命権は都道府県でございますから、五大市と一般の市町村の関係は明らかに区別されておりまして、一般の市町村につきましては人事権だけにつきましてといいますならば、内申権を持つことにとどまるのでございまして、そこは区別がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/173
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174・高橋道男
○高橋道男君 そうすると、指定都市の場合は任命権は指定都市が持つと、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/174
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175・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/175
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176・高橋道男
○高橋道男君 それに関連もあると思うのでありますが、二十七条に「委任事務の指揮監督」とありますが、この指揮監督は、指定都市の場合は明らかに委任した事務の管理及び執行に関して指揮監督ができるというようにあるのですけれども、この条文は指定都市も一般の市町村も、両方ともかかるのでしょうか。その及ぼす範囲というものはどういうものか、お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/176
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177・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 二十七条の「前条第三項若しくは第四項又は第五十八条第一項の規定により」、こういうことでございますので、これは五十八条第一項の規定によりまして、五大都市に委任されておりまするこれらの人事に関する権限、これに対しても当然かかるわけです。そのほかの市町村につきましては、前条第三項もしくは第四項の規定によりということによりまして、その二十六条の規定によって委任された市町村に対しましては、都道府県の教育委員会が指揮監督をすることができる、かようなことに相なるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/177
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178・吉田萬次
○吉田萬次君 今の二十七条が出ましたから、ちょっとお伺いいたしますが、教育長または教育委員会が指揮監督ができるということについて、もしこれが服従しなかった場合はどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/178
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179・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これは指揮監督と申しますことは、この前も一度御質問に答えたことがございますけれども、一般的に権限は委任しておるのでございますから、それを一々の人事について都道府県の教育委員会が具体的に指揮監督するということはなかろうと思います。これは委任をいたしました建前もございますので、委任をされた権限の行使を阻害するような指揮監督ということはないと存じますが、一般的にいろいろな法令の規定に委任された権限が、法令の規定に基いて正当に適正に行われておるかどうか、あるいは委任されたいろいろな条件があるとすれば、その条件等に従って適正に行われておるかどうかというようなことを、一般的に指揮監督していくことに相なります。ただ、それを聞かない場合にどうかということでございますが、これは今申しましたように、一般的な指揮監督でございまして、それに従わないからといって罰則等の規定はございませんし、相当指導助言よりも強い指揮監督でございますけれども、これは当然指揮監督を受けた方は十分これに従っていく態度をとらなければならぬと思いますが、それを処罰をするというふうな規定までもこれはしてないわけです。その範囲において指揮監督していく、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/179
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180・高橋道男
○高橋道男君 お尋ねが前後するかもしれませんが、指定都市の場合に給与権、これも県から指定都市の方に委任されるのでしょうか、財布のひもはちゃんと府県の方で持っておるのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/180
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181・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 給与の負担はこれは従来と変りませんで、都道府県の負担でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/181
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182・高橋道男
○高橋道男君 そうしますと、指定都市の方で随意に給与を増額するというようなことが起り得ると思うのですが、そういう場合に、府県との調節というような必要はないのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/182
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183・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) その点は、この法律の四十二条で規定いたしておりますが、県費負担教職員の給与、勤務時間、その他の勤務条件につきましては、これは都道府県の条例で定めることになっておりますが、都道府県で定めた都道府県の条例に基いて、五大都市といえども、その権限を行使するのでございますので、一般的に申しまして、ほかの人との間にでこぼこが起るということは一応ない。これは県の条例でそれを規制していくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/183
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184・吉田萬次
○吉田萬次君 五大都市と県との問題でありますが、五大都市の方で勝手に高級な教員をたくさん入れるということになって参りますと、府県とそれから五大都市の間におけるところの教員の良否というものが非常に影響すると思います。従って、これは教育の機会均等の面から考えまして、将来において私は非常に遺憾の点が起きやしないかと思いますが、それをどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/184
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185・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 今のお尋ねに関連いたしまして申し上げたいと思いますのは、第四十一条の規定でございますけれども、これは県の全体の教職員の定数は都道府県の条例で定めてございます。さらに、また、その市町村別の学校の種類ごとの定数は、都道府県の委員会が市町村の委員会の意見を聞いて定める。このことは現行法を若干改正いたしております。現行法におきましては、市町村の教育委員会が発議をいたしまして、都道府県の教育委員会と協議をする、かようになっておりますけれども、四十一条の規定で、都道府県の委員会が市町村ごとの定数を定める、かように規定をしておる次第でございます。従いまして、一応定数がきまるわけでございまして、その範囲におきまして教員の採用ということは行われると思います。そこで、先ほども申し上げましたように、給与条例の件でございますが、これで初任給の基準、その他給与の基準がきまるわけでございまして、そうむやみに、権限を委任されておりましても、五大都市の方で不当な人事はできかねるのではないかと思います。さらにまた、四十三条の第四項をごらんいただきましても、都道府県の教育委員会は県費負担教職員の任免等を適切に行うために、市町村委員会に対しまして一般的な指示を行うことができるという規定をここにいたしておりまして、かような点につきましても、一般的に指示を行い指導していくという権限を都道府県の教育委員会に持たせてありますので、これらの運用によりまして適正を期していかれることを期待しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/185
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186・高橋道男
○高橋道男君 今のこの四十二条の御説明でありますけれども、五十八条の方には「給与の決定」ということが出ておりますね。だから、原則的には県の条例で給与の段階などはきめられると思うのですけれども、実際運営上は、それを基準として指定都市においては自主的に給与の決定をするのではないかということが起るといたしますれば、やはり全体のその府県としての予算の施行上にも特に影響が起るのではないかということを考えるのでありますが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/186
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187・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 今、御指摘のように、五十八条の「給与の決定」と申しますのは、給与の言いかえますと発令でございまして、個々の人に対する給与の決定でございます。その権限は確かに五大市にございます。しかし、先ほどから申し上げますように、一定の条例の基準もできることでございますし、一般的な指揮監督、あるいは一般的な指示というような規定をいたしておりますので、これらの運用によりまして、はなはだしくほかの市町村とでこぼこの起ることのないように運用されますことを期待いたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/187
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188・高橋道男
○高橋道男君 期待しているとおっしゃることが、期待通りにいかないような場合に、二十七条の委任事務の指揮監督というようなところで調整をされるのだろうと、こう思うのですけれども、そういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/188
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189・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) ただいま御指摘のように、二十七条の指揮監督、それから繰り返して申しますけれども、先ほどの四十三条の第四項の一般的指示と、こういうような規定が、もしもそういうふうに県の定めます指示基準に著しく反する場合が出ました場合に、一般的な指揮あるいは指示としてそういう作用が行われるために、そういう目的のものです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/189
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190・高橋道男
○高橋道男君 次にお尋ねいたしたいのは、教育長の問題でございますが、前回はこの都道府県の教育長についてのお伺いをいたしましたが、市町村の教育長の問題でありますけれども、これは教育委員の中から定めることになっておるのですが、これはどうも専門職の方が妥当ではないかというように考えられるのでありますが、その点いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/190
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191・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) この法律におきまして、第四条に、委員の任命につきまして規定をいたしておりますが、これをごらんいただきますと、委員は「人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有するもの」、さらにまた「長の被選挙権を有する者」、こういう規定になっております。そこで教育委員といたしまして、必ずしもここで、第四条で規定いたしておりますところは、教育の専門家でなければならぬということじゃございません。教育に関しまして識見を有する者、まあ大所高所から教育について十分判断をしていけるような識見のある人ということを求めておるわけでありますけれども、しかし、なおこの規定は教育の専門家であってはいけないということじゃないのでございまして、教育委員の中に教育の経験があり、十分の専門の知識のある人も、これは長の判断によりまして任命することができることになっております。そこでさような観点から任命されました委員中から教育長は選ばれるわけでありまして、教育長としましては、やはり教育の経験、教育に対しましては十分な識見があり、そしてまた二面行政面におきましても十分識見と経験がこれはなければならぬと思うのでありますが、そういう人を第四条の規定によって長が任命をいたしまして、その中から教育長に適当な人を選ぶということは、これは困難じゃないじゃないか、かように考えておる次第でございます。第四条の委員の中に教育の経験者——経験者と申しますか、識見を持ち、しかもなお行政の経験等のある人を選んで、その人を教育長に任命する、かようなことに相なるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/191
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192・高橋道男
○高橋道男君 従来は教育長になる人は、あるいは研修とかその他必要な資格を要求しておったと思うのですが、その点、今後の運営についてそういう資格を求める必要はないということになると思うのですけれども、その点において運営上不都合は起らぬだろうか、こういう点をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/192
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193・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 従来教育長に対しまして任用資格を教育公務員特例法できめておりましたけれども、これは今度教育長の資格を廃止いたすことにいたしまして、ただいま申し上げましたように、教育長というものは教育に対しまして識見があることが必要でございますと同時に、一般的な行政能力というものを考えなければならぬと思います。さような観点からいたしまして、現在定めておりますようないわば形式的な条件というものでは、むしろ適任者が得られないおそれがあります。できるだけ適任の者を求めるという観点からいたします場合には、現在教育公務員特例法に定められておりますように、ある一定の単位を修得しなければならぬとか、学士でなければならぬとか、あるいは一定の年間教育に関する職についていなければならぬ、かような形式的な条件はこの際廃止をいたしまして、そうしてできるだけ適任者を求めるというためには、むしろこの規定を、この資格条件を撤廃した方がいいという観点から、この法律ではそれを撤廃いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/193
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194・高橋道男
○高橋道男君 ところで、委員長も当然——。ことに市町村の場合に、三人でいいというような市町村におきましては、委員長も当然委員の中から出る。そうすると教育長と委員長とが同一人であるということも、これは許されるわけですね。そうすると、ほかの二人の委員は比較的そういう事務にも明るくない、特に教育長については、この原案によれば、そういう事務のできる人ということを一つのねらいとして選任されるだろう、こう思うのですが、そのほか二人は必ずしも事務には明るくないというようなことが起ります場合に、その委員会は三人から構成されるのであっても、事実上は委員長兼教育長である人の独断的な運営が行われる、そういうことも心配になるのでございますが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/194
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195・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 教育委員会の委員長は、委員会におきまして互選をいたすわけでございますから、それからなお市町村の教育委員会において委員の中から教育長を選ぶわけでございますが、ただいまおあげになりましたような事例も出てき得ることに相なると思います。ただしかし、これは委員といたしましては、同じ立場でございまして、三人なり五人なり、三人は特別の場合でございますけれども、その合議体の執行機関、従いまして、その委員が会議を開いて、意思を決定して、それが教育委員会の意思として決定されて、初めてそれが行われるわけでございまして、その意思を決定するための委員といたしましては、これはいずれも同じ立場であろうと存じます。そこで教育委員長は会議を招集したり、いろいろ職務がここに規定されておりますけれども、その意味におきましては、会議を招集し、あるいは法律行為の名義人となるような意味で代表権を持つ、会議を主宰する、こういうことになりますけれども、今私が申しましたように、委員会の意思決定の場合にはほかの委員と同じ資格に相なる。ただ可否同数のときに委員長がきめるところによるという規定はございます。その意味じゃ若干違った点が出てきますけれども、委員としてはどの委員会でも同じようなことに相なります。
それからさらにまた教育長と兼ねる場合におきましても、教育長は教育長としての職務がございますけれども、これもまた委員会といたしましては、資格におきましては、ほかの委員と同じ立場で委員会の意思の決定に参与するわけでございますから、私はこういう制度におきましても、委員会の機能発揮をしていく上におきましては、支障がないんじゃないかと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/195
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196・高橋道男
○高橋道男君 法文の制度上は今局長のおっしゃる通りで間違いないと思うのですが、事実上は委員長、特に委員長と教育長と兼ねておられるような場合には、ほかの二人ないし四人というのが全く有名無実化するようにどうも私は思われてならぬ。その点これは私さらに見解を押し進めて、こまかくお尋ねするだけの資料を持っていないのですけれども、そういう懸念があるということだけ今日は申し上げておきたいと思うのであります。
次に先般お尋ねが中途になっておったのですが、教科書以外の教材の扱い、これは三十三条の二項において、「教科書以外の教材の使用について、あらかじめ、教育委員会に届け出させ、又は教育委員会の承認を受けさせることとする定を設けるものとする。」、こうございますけれども、これは一切のものを届け出させる、あるいは承認を受けさせると、こういう決定的な、総括的な意味であるのか、あるいは届け出させないこともできる、あるいは承認を受けさせないで使わせることもある、そういう余裕のある意味でございましょうか。その点によって教材の扱い方が非常に違ってくると思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/196
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197・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) この規定の解釈は、「教科書以外の教材の使用について、あらかじめ、教育委員会に届け出させ、又は教育委員会の承認を受けさせることとする定を設けるものとする。」ということでございますので、定めを設けることはしなきゃならぬ。届け出させるか、承認を受けさせるか、こういう定めを設けなければならぬと思いますが、その定めを設ける場合に、その範囲につきましては、これは教育委員会の判断によって違ってくる、さような解釈であります。従いまして、ある部分を届け出させるということもあります。ある部分について承認を受けさせるということもございましょう。それからある部分については全然承認を受けさせないで使わすこともある、こういうように解釈しております。今お話のありました、内容といたしましては、ゆとりのある定めを作り得る定めはございます、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/197
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198・高橋道男
○高橋道男君 それはこの条文から見ますと、一切合切届け出させなければならないというふうに受け取れるのでございますけれども、今局長の言われたような、一部定めから除外するものもあってよろしいというような解釈は、ちょっと私受け取れないのですが、しかし局長が、これはこういう解釈だとおっしゃるのであれば、それをまともに受けて、届け出をせずにも使うことができる、こういう定めができるならば、こういうことに一応了承していっていいと思いますが、それならば、どういうものを届け出させる、どういうものを承認を受けさせるか、こういう点については、今教育委員会の判断にまかせるという意味のように受け取れましたが、そうなると、これは非常な全国何千の教育委員会でありますから、まちまちになるおそれがあるのであります。そこで、また重ねて前回もお尋ねしたのでありますが、基準的なもの、あるいは政令等の方法によって、こういうものは届け出をさせる、あるいは承認を受けさせる、そういうような用意をされる必要があるのじゃないかという考えですが、その点の御見解を念のために承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/198
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199・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) ただいまの第二項の解釈は、第一項の関連におきまして、「基本的事項について、必要な教育委員会規則を定めるものとする。」、こういうことでございますので、この関連においてそのゆとりのある解釈ができる、そういう趣旨である、かように御了解いただきたいと思います。
それから、今の御質問の、教育委員会の判断によってやることになれば、いろいろまちまちになるだろう、そこで従って何か文部省で基準的なものを設けて、それによってやる必要があるのではないかという御質問でございますが、この前も申し上げましたように、私のただいま考えておりますところは、教材というものは種々さまざまでございまして、それを一々文部省の方で取り上げまして、これは届け出させるべし、これこれのものは承認を受けさせるべしという何か定めを作りまして、それを地方に守らせるという形になりますと、画一的なことになりますので、それは適当ではないのではないかと考えておる次第でございます。ただ教材といたしまして、十分研究をすることは、文部省としましても、今後ともやらなければならぬことと思います。文部省では現に視聴覚教育課というのがございまして、ここで視聴覚教材の研究をいたしておりますので、これらについて地方にその結果を指導をしたいという、そういうことは今後とも非常な努力をしなければなりませんけれども、ただ届け出をさせたり、承認を受けさしたりすることにつきましては、これは地方片々の考え方もあろうかと思います。これはこの前もこの趣旨を御説明いたしましたけれども、教材の教育価値の点もございますけれども、あるいはまた父兄負担の点からもこのことは非常に大きな問題でございまして、さような観点から、こういう場合に届け出させる、こういう場合には承認を受けさせるということは、やはり地方心々の教育委員会の判断によってやってもらった方が適当ではないだろうかと考えておるわけでございます。
それからまたこういう制度を設けなければならない趣旨は、さらにもう一つ申し上げますと、これは必ずしも規制をしていくということだけのことではないのでありまして、届け出をさせたり、承認を受けさしたりすることによって、教育委員会が十分所管の学校の行なっておりまする教育について、その教材がどういうふうに使われておるか、どういう教材を使っておるかということを十分あらかじめ知りまして、それに基きまして、さらに有効な指導をしていくということも、この制度によって可能になってくると考えたからであります。
なおまた、いろいろお話がわたりますけれども、届け出の方法につきましても、あるいは一々そのつど届け出の方法を必ずしもとりませんでも、教育計画というものは学年の初めなり、学期の初めなり、あるいは月とか週とかの初めなりに相当まとまって立てられるものでございますから、そういう際に自分の学校の教育計画の中に、そういう教材を取り入れたいというような包括的な届け出をさせるという方法もあろうかと存じます。さような事柄につきまして、やはり教育委員会の判断によってやってもらう方が教育上有効じゃなかろうか、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/199
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200・高橋道男
○高橋道男君 御当局の考えておられるところは大体わかると思うのでございますが、しかし、いずれにしても教材というものが非常に多いのですね。従ってその全部を届けさせる必要はないと思うのですけれども、そういう考えからすれば、当然オミットしておいても、最初からこういうものは届け出る必要はないというような、オミットして考えられることもできると思うのです。たとえば今局長がおっしゃった文部省で視聴覚課があって、そこでいろんな教材なども指導することができるのだというようなことをおっしゃいますが、その文部省から指導されるような視聴覚の教材にいたしましても、もしこの法文を野放しにしておけば、文部省から指導されるものについても、やっぱり教育委員会の承認を得なければならぬ、届け出をしなくちゃならぬというような変な自己撞着が出てくると思うのでありますが、従って、こういうものは当然要りませんぞというような指示を最初からしておく方が親切じゃないかというようにも思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/200
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201・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 私先ほどから申し上げておりますのは、教材の種類によりまして、こういう教材はこう届け出さしたらよかろう、こういう教材は届け出しなくてもいいだろうというような、何と申しますか、種類によりその範囲を限定していくということは、これは適当じゃないだろうということを申し上げたわけでございます。ちょっと具体的に申し上げますと、かりに副読本は届け出さしたらよかろう、ワーク・ブックは野放しにしておいてもいいじゃないか、こう一般的に言うことは不適当じゃないかと思います。そのことを先ほどから申し上げております。ただ一面、先ほどから申しておりますように、文部省におきまして視聴覚教材等を積極的に研究しまして、積極的にこれを地方に指導していく、こういうものを利用したらよかろうと、指導していくことにからみますので、これはおのずからただいまおっしゃいましたような、そういうものについては、おそらく教育委員会自体が文部省が指導しますものをさらに届け出させるとか、承認を受けさせるということにはならぬだろう、積極的な指導を文部省はしていく、かようなことで、ただいまの御質問のような趣旨は達し得るのじゃないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/201
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202・高橋道男
○高橋道男君 何か細部の点でもう一つ納得のいきかねるようなものがあるように思いますけれども、きょうはその点についてはその程度にいたしておきたいと思います。
もう一点、五十二条の措置要求の点でございますが、五十二条の冒頭に「文部大臣は、地方自治法第二百四十六条の二の規定にかかわらず、」、この地方自治法の規定にかかわらずとあるのは、これは総理大臣が措置要求をする条文でございますが、総理大臣は一切がっさいを行政上に関して措置要求をすることが考えられていると思うのでございますけれども、そういう規定にかかわらず、教育の問題に関しては総理大臣ではなしに、文部大臣が措置要求をするのだ、こういうことでございましょうか。あるいは総理大臣もまた教育の問題について措置要求をすることができるということも含まれているんでございましょうか。というのは、地方自治法の方はそのまま総理大臣は総括的なことができると、そのうちで文部大臣は除外的に教育のことだけをやるんだ、総理大臣は教育のことはできないんだ、こういう意味でございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/202
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203・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) ただいまおっしゃいました後者の方でございまして、その地方自治法第二百四十六条の二の規定にかかわらず、この規定の適用を排除いたしまして、教育事務につきましては文部大臣が措置要求をする、こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/203
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204・吉田萬次
○吉田萬次君 この五十二条のところで、「文部大臣は、必要があると認める場合においては、」という、この必要があると認める場合というのは、どういう場合を言うんです、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/204
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205・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これは五十二条第二項のただし書きの御質問だと存じますが、これは本文を申し上げますと、文部大臣は前項の規定による措置−改善是正の措置をとることを要求するその措置でございます。要求するという措置でございます。これを市町村または市町村教育委員会に対しまして行います場合には、都道府県委員会をして行わせるわけでございます。原則としてさようでございます。しかし、特別に必要があると認める場合、これは文部大臣がみずからその措置の要求をする、こういう趣旨であります。で、必要があると認める場合はどういうことかというお話でございますが、これは一般的にたとえば一つの市町村の関係だけじゃなくて、一般的に全国的な範囲にわたる事項があるとか、あるいは府県の境を越えて、まあこれは境界を越えて問題があると、そういうような場合にはみずから文部大臣が措置要求をする、こういう規定でございます。まだそのほかにもあるかもしれませんが、一例を申し上げますと、いまのような場合が想定されます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/205
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206・吉田萬次
○吉田萬次君 私はこの条文について二、三質問したいと思います。本来は総括質問あるいは逐条審議というようなことになっておりまするけれども、しかしながら非常に会期も切迫してきたような感じもいたしますので、一、二質問をいたします。
十一条のところで「委員は、職務上知ることができた秘密を漏らしてはならない。」ということがありますが、この秘密ということはどういうことであるか、いわゆる良識のある委員に対して、かような事柄は酷ではないかと思いまするが、これはどういうことですか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/206
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207・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 教育委員会は、二十三条に掲げておりますような職務権限全般にわたって担当するわけでありますが、その中にもございますように、たとえば人事に関することもいろいろと担当するわけでございます。従いまして、教育委員が委員会の議に上ったさような人事に関する秘密、これを正当な理由がなくして漏らすということはいけませんので、その関係をここで規定いたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/207
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208・吉田萬次
○吉田萬次君 それから三十四条のところに、教育長あるいは教育委員、ことに教育長が任命するということがありまするが、現在において採用するのに試験をしておるのでありまするが、試験というものとはどういう関係になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/208
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209・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これは教職員の採用につきましては、まず選考ということがございます。これは一般の競争試験ではなくて、特に教職につきましては選考をいたしまして、その選考をいたしました者を特に教育長がその中から推薦をして、教育委員会が任命するという趣旨を三十四条には規定いたしたわけでございます。これは、ただいま申しましたのは一般教職員でございますけれども、三十四条の中には、教職員以外の学校その他の教育機関の職員がございますので、必ずしも選考によるものだけではありませんけれども、教職員について申しますと、選考いたしまして、その選考いたしました者の中から推薦をする、かようなことに相なります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/209
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210・吉田萬次
○吉田萬次君 それから三十八条でありますが、三十八条に内申権を積極的に認めて……、それはよろしいのですけれども、内申権というものは、これによって乱用せられたり、あるいはブレーキとなるようなおそれがあると思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/210
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211・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 市町村の教育委員会の内申を十分尊重してやっていく趣旨は、先ほど申し上げた通りでございますが、これはただいまの御趣旨は、市町村の教育委員会が内申をしない場合があるのじゃないかという御趣旨かと思います。あるいはまた内申の趣旨と違った方向に、県の人事権の行使ができなくなるじゃないかといった御趣旨かと思うのであります。内申が全然ない場合には、これは先ほど申しましたように、県では任命権の行使はできないわけでございますけれども、しかし内申がありました場合、これは十分尊重しなければなりませんけれども、権限といたしましては、これは先ほど申しましたけれども、それと違う人事権の行使ということも、これはあり得るわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/211
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212・吉田萬次
○吉田萬次君 五十二条に、文相が必要があると認めた場合という……、それは済みましたね。それじゃこの程度で……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/212
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213・田中啓一
○田中啓一君 ただいまの高橋さんの御質問に関連いたしまして、例の教材の点でございますが、これは私ども大臣なり局長なりから御説明がたびたびありますように、すなおに解すれば当然解せられると思うのでありますが、まあ日本放送協会を初めとしまして、その他のところから、もう何を使うにも一々教育委員会に飛んで行っては承認を受けなければならない、届け出をしなければならぬ、こういうように言うて、本条をはなはだどうも不都合な条文であると、こういう意見が出ております。また公聴会においてもそういうような意見が出ておるのであります。が、もうだんだん質疑を通じて明らかになっておるのでございますが、よくまあ新しいいろいろな立法の際に、少し例は当らぬかもしれませんが、たとえば農業協同組合法というようなものの施行に当りましては、元の産業組合法と異なりまして、かなり自由な設立主義になっておるのであります。そこで、定款なども何を書いていいかちょっとわからない。これは、教育委員会は村に一つずつできるものです。でありますから、その例の模範定款例と言うたら悪いかもしれませんが、たとえばこういうような教育委員会規則を作ったらどうかと思うのだと、こう作れという通牒を出されても、これまたなかなかむずかしいでありましょうが、そういったまあ何かものを、将来この教育委員会規則を制定されるに当り参考資料といたしまして、そうして文部省が具体的な1模範定款例というのは、その通りのものをだれも作るわけじゃありませんけれども、かなり具体的にできているといたすとすれば、その通りに定款を作ってもよろしいことになるわけですね。そういうようなもので明らかにされるような、それも一つの方法だと私思うのでありますが、これはよほど何かいい具体的な指導がないと、誤解のままで行ってしまうという心配があるので、委員各位からもしばしば御質問があることだと思うのであります。そんなような何か御考慮はございませんか。一つ大臣にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/213
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214・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) ごもっともなお尋ねであります。一つの標準的のこれを作りますと、そうでなくても、文部省が画一の教育をするといったような、他面非難も出るわけなんです。またそれはもっともであって、地方によって、いわゆる地域社会によって大へん違いがありますね。北海道なり鹿児島の遠い所と、同じ東京にあっても、下町の繁華街の映画館もたくさんあり、まあ今度は赤線、青線はなくなりますけれども、そういう所があるので、これだという標準を示すよりも、この法律の解釈はこうだという解釈を丁寧に出して、それでおのずから地方の教育家が納得して下さるようなふうにまあいたしたいという心持でおるのであります。それには事例、たとえば新聞雑誌といっても、アカ八女なんかはよくないぞぐらいは書いてもいいだろうと思うのです。かつては山口日誌といったようなものがあったと、全く同じものは現われないだろうけれども、日記などもよく注意して下さいと、それからこの法文の解釈ですね、こうはあるが、しかしこれを皆やれという意味じゃない。これは私はこう読めば、ちょっと余談になりますけれども、第二項は第一項の枝ですわね。第一項の枝に——基本事項について必要な教育委員会規則と、そうすると、不必要なものはやらぬでもいいのですね。だからそこらの解釈で、これは一項との牽連で必要なものだけでいいのだといったようなことを、親切丁寧に解釈は下さんならぬと思います。この法律は終戦後の文体によりましたので、ほかのところでも非常に読みにくいのであります。自然解釈を出そうと、解釈ということでそれがわかって下さるようにする方が穏当じゃないかと、こういう心持でおるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/214
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215・田中啓一
○田中啓一君 ただいまのその大臣の用意周到なるお考えは、まさに了承いたしました。私がまことにざっくばらんに模範定款例のごときと申しましたが、これ、またしても問題になるかと思います。その解釈を十分にしてということはよくわかりますので、そこでもう一つこれはまあ質問というよりも、お願いなのでありますが、この条文——何条かは忘れましたが、この第一項の方がまことにわかりにくい、読みにくい私は条文のように実は思うのです。何かこう建物や設備の管理規則でございますね、そういうものを作れ、こういうふうのことかいなと読めるんですよ。そうすると今度は教材についても国文はどこにしまっておけとか、その図書はどこにしまっておけとか、出し入れをするにはどうやるんだぞ、こういうような施設、建物、物品等の管理規則を定めようという趣旨かいなと、こう一応私は思った。それから二項へいきますと、教材というものはその使うものはいろいろあるが、使っていいものもあるし使って悪いものもある、何ものでも教材に使っていいというものはない。であるから一つこういうものを使わんとする場合は承認を受けよとか、こういうこれこれのものはせめて届け出をしろとか、こういうようなことが二項に書いてあるわけなんです。どうも何かこの条文はそういった印象を受けていろいろわかりにくいのじゃないか、こう思いますので、その辺を一つ局長でけっこうでございますから、御説明を願いたいことと、それから今の大臣のお話のように、これは一つなるべく解釈を十分にして、それでみんなにわかるようにということでございますならば、私のようなそそっかしい者もおると思いますから、そこらを一つよく第一項の本条の方から御解釈、御説明をおわかりやすくしていただきたいという希望を申し上げます。何か私少し誤解があるかもしれませんので、それを一つ明らかにしていただければけっこうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/215
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216・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 申し上げるまでもなく、教育委員会は学校その他の所管に属しまする教育機関につきまして、その管理運営の責任を持っているものであります。従いまして、学校その他が適正に運営されて適正に管理されていくということを常に心がけねばならぬと思います。そのためにやはり教育委員会規則でその基本になります事項は十分に定めておいて、それに従ってこれが運営されるということを期すべきであると存ずるわけでございます。それでこの三十三条の第一項の規定は、教育委員会とただいま申し上げました学校その他の教育機関との関係を明確にしたいということでございまして、たとえばここに書いてございますように、「施設、設備、組織編制、教育課程、教材の取扱」といったようなこれは例示でございますが、これらは最もおもな事項と存じまして、これらを例示したのでございますけれども、これらの事項、その他管理運営の基本的事項について教育委員会できめる、これを第一項に掲げたのでございます。たとえば教材の問題が今お話に出ておりますが、教材の取扱いでございますけれども、必ずしも取扱いと申しましても、そのものを管理してどこにしまっておけということだけじゃございません。いかような教材を学校で選ぶべきか、あるいは価格にしましても、あまり高いものは困るならば困るといったような線の引き方もございますが、そういった基本的な事項について教育委員会できちっと定めておいてもらいたい、これが第一項の趣旨でございます。
第二項はそれに関連しまして出てきた教材について、特別にその中でこういう定めを特にしてもらいたい、するものである、こういう規定にいたしたのでございます。ただいまの御説明で十分であるかどうかわかりませんが、そういう趣旨でございますから、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/216
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217・田中啓一
○田中啓一君 実はどうもまだよくはっきりしないわけでございます。私にはどうも前段の方の御説明を伺っておりますと、よくこれまで市町村に営造物管理規則なんというものを作れということになっておりまして、それで施設あるいは物品等の管理規則を作れというようにみえるわけです。つまりこれは公共のものでございますから、それを市町村住民なりあるいは特定の児童、生徒なりがこれを利用するについての管理の規則を作るんだというように一応みえるのですね。それと同時に、今度はもう一面は、たとえば理科の器械あるいは図書の購入についても、ある範囲は学校に何を買うかということをまかせておくが、しかし予算というものでワクはきまるものにしても、その実行上大英百科事典なんというものも小学校に備えつけるということになれば、図書費は一ぺんで使ってしまうということになりますから、そこらは一つ承認を受けなければいかぬぞという、こういうような委員会と学校との関係をおきめになるのか、そういうことも含んでおるのかというような点。
それから図書で教材になるものもたくさんございましょうが、そういったものを生徒に使わせるのがいいか悪いかというような点についても、よしあしについてとにかく教育委員会の方に承認を受けるなり届け出たりしろ、それも一々というのじゃなくて、それも包括的に、抽象的にむろん承認または届け出ということは運用できるでありましょうが、そういうように三つぐらいを含んだどうもこれは規定でないか。ことに教育だものでありますから、そういうことになってくるでありましょうが、これは大へんむずかしい条文をお作りになったものだ、こういうふうに考えるのでございますが、大体私が申しました三つぐらいの意味を含んだ条文でございましょうか。そこらを一つもう一ぺん御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/217
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218・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) ただいまおあげになりましたいずれも含んだ、包括をして規定をすることを規定しております。それでこれは学校でございますから、ただいまお話のような、いろいろな設備の面とかということもこれは出て参りますけれども、また一面、教育の運営そのものの基本的なこともこれに出てこなければならぬと存じます。まあこれは学校自治をまかせっきりにして、教育委員会の方でちゃんとした規定を作らないでおいちゃ困るのでございまして、向うが責任を持ち、教育委員会が少くとも基本的な事項につきましては、教育委員会の規則で定めて、その運営を軌道にのせてやっていくということが必要でございますので、その点についてこの規定を設けたわけであります。もちろん細部の点は学校にまかせる部分が非常に多いと思いますけれども、少くとも基本的な事項についてはきめておく必要を認めるわけでございまして、そのことを三十三条は要求いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/218
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219・清瀬一郎
○国務大臣(清瀬一郎君) ちょっと私からお問いじゃございませんが、申し上げたいと思います。これは、第二十三条と非常に関連をしております。この中の施設、設備という、設備というのは、あなたのおっしゃる学校の施設、学校の設備、すなわち、二十三条の第二号ですか、それから第七号、こういうことで、これはどこにしまっておけ、大事にせい、借り出しのときは届けろと、こういうことなんです。その次に、組織編制、教育課程、教材の取扱いと、この教育課程、教材の取扱いというのは、今の法律では教科内容ということなんです。教科内容いうことは今度は使わないで、それを教育課程、その次の五号と六号まぜて教材の取扱いと、これになりますと、どこにしまっておけというのではなく、こういうふうな地域社会に沿うたこと、ここは商業地区だからしてこういうふうな教材の方が望ましいとか、あるいは農村だからして肥料のことも教えると、そういうようなこともあるのですね。それで、先刻あなたのお示しの三つのことのほかに、やはり教育内容のことにもかかると、それをあまりこまかにしないで、基本的なもので、かつその土地で必要なものをせいと、こういうことを含んでおるつもりなんです。このごろの法律は私ども昔から見ると非常にむずかしくなって、起案しながら私も惑うておるのですけれども、そういうことでございますから、これだけ補充しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/219
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220・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君) いかがでございましょうか、本日はこの程度で散会いたしましょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/220
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221・加賀山之雄
○委員長(加賀山之雄君) 御異議ないと認めます。それでは本日の文教委員会はこの程度で散会いたします。
午後六時十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415077X02719560515/221
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