1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年四月十日(水曜日)
午前十時四十一分閣議
出席委員
委員長 薩摩 雄次君
理事 荻野 豊平君 理事 瀬戸山三男君
理事 二階堂 進君 理事 前田榮之助君
理事 三鍋 義三君
生田 宏一君 伊東 隆治君
久野 忠治君 徳安 實蔵君
堀川 恭平君 足鹿 貴君
井谷 正吉君 中島 厳君
山下 榮二君
出席国務大臣
建 設 大 臣 南條 徳男君
出席政府委員
建 設 技 官
(道路局長) 富樫 凱一君
委員外の出席者
建設事務官
(道路局路政課
長) 三橘 信一君
専 門 員 山口 乾治君
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四月二日
委員阿部五郎君及び田中幾三郎君辞任につき、
その補欠として足鹿覺君及び上林與市郎君が議
長の指名で委員に選任された。
同月五日
委員足鹿覺君辞任につき、その補欠として楯兼
次郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月九日
委員木原津與志君及び楯兼次郎君辞任につき、
その補欠として赤路友藏君及び足鹿覺君が議長
の指名で委員に選任された。
同月十日
委員赤路次藏君辞任につき、その補欠として岡
良一君が議長の指名で委員に選任された。
四月五日
日本道路公団法の一部を改正する法律案(内閣
提出第二二六号)
の審査を本委員会に付託された。
四月八日
九重野、尾平越及び赤谷間の道路幅先施行に関
する陳情書
(第七三七号)
国土開発縦貫高速度自動車道路の滋賀県通過に
関する陳情書外三件
(第七三八号)
国土開発縦貫自動車道建設促進等に関する陳情
書外三件(
第七八一号)
同(第八二
八号)
常願寺川改修工事促進に関する陳情書
(第七八二号)
富山市内国県道等の改修促進に関する陳情書
(第七八三号)
横雪寒冷地域の道路交通確保に関する陳情書
(第八二四号)
砂防施設改修費国庫補助に則する陳情書
(第八二五号)
一級国道十七号線の整備促進に関する陳情書
(第八二六
号)
台風による公共災害の復旧事業促准に関する陳
情書(第
八二七号)
を本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
高速自動車国道法案(内閣提出第八一号)
道路整備特別措置法の一部を改正する法律案(
内閣提出第八〇号)
日本道路公団法の一部を改正する法律案(内閣
提出第二二六号)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/0
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001・薩摩雄次
○薩摩委員長 これより会議を開きます。
高速自動車国道法案、道路整備特別措置法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、審査を進めます。
質疑の通告がありますから、これをお許しいたします。三鍋義三君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/1
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002・三橘信一
○三橘委員 今回国土開発縦貫自動車道の建設法が成立いたしましたのに伴いまして、高速自動車国道法が提案されて、自動車専用国道というものが規定されることは、これは交通政策上、また道路行政上から考えまして非常に時宜に即した画期的なことだと私は考えるのでありますが、本法案に対しまして、若干の質問をいたしたいと思います。
まず第三条についてでありますが、「この場合においては、一般自動車道との調整について特に考慮されなければならない。」こういうことをうたっておるのでありますが、現在は道路運送法に基く一般自動車道がありまして、自動車道といいましてもなかなか一体化されるようにはなっていないのであります。一般自動車道の場合にはこれは私企業の関係から道路法上の道路の要件というものを必ずしも満たしていない、こういう状態でありますが、従来の道路自体の概念が変りつつある現在でありますから、私はやはり交通上また道路行政上、一体化した法律によって適用する、また管理していくということが必要ではないか、すなわち一元化したところの規則、——規則といいますか規制というものが必要となってくるのではないか、このように考えるのであります、もちろん行政官庁の所管上の問題もあることと思いますけれども、この際広い観点から、こういう問題に対する建設省としての根本的な考え方を局長さんから承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/2
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003・富樫凱一
○富樫政府委員 お話のように、一般自動車道というものがございまして、これは道路運送法に基くものでございますが、道の性格からいたしますと高速自動車国道の性格も一部持っておるわけであります。そういうふうな観点から言い、一般自動車道が道路法に基く道路を実施するものでなく、ほかの道路である点から言いまして、道路行政の一元化の上からいきまして、両方を一緒に考えて建設管理すべきものであろうという御意見は私はごもっともと考えるわけでございます。ただ現状におきまして、日本の道路政治を進めていきます際に、いろいろのやり方があるわけでございまするので、私企業で実施いたします一般自動車道というものもやはり認めて、建設を促進することも考え証なければなるまいかと思っておるわけでございます。将来道路の機能がだんだん進んで参りまして、陸上交通が非常に盛んになるというような事態が予想されますので、そういうときに備えてすべての道路を一元化して管理するということは今後考えて参らなければなるまいと考えておるわけでございます。高速自動車国道の予定路線の決定は、高速自動車国道として建設すべき道路の予定路線をどのように決定するかという問題でありますから、一般道路との関係、鉄道との関係を考慮して決定すべきものでございます。特に一般自動車道は自動車専用の道路であるという観点からいいましても、特にこの予定路線をきめる場合には、一般自動車道の関係を考慮する必要があるのでございますから、その第三条に一般自動車道との調整について特に考慮されなければならないことを規定いたしたわけでざいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/3
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004・三橘信一
○三橘委員 そうするとこの高速自動車国道の予定路線の原案をおきめになる場合に、道路整備計画というものと関連して、どのように取り扱われようとしているのか、全然別個にお考えになっているのか、この点をもう少し明確にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/4
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005・富樫凱一
○富樫政府委員 お話のように高速自動車国道は道路網の重要な部分を形成するものでございますから、道路網の一環として考えていく必要があろうと思います。この道路網を形成するものは、一般の道路、それから高速度の自助車国道、また一般自動車道というものももちろん考えなければなるまいかと思うわけでございますが、そういった道路網の整備という観点から高速自動車国道の計画をしていかなければならないわけでございますので、一般道路につきましては整備計画を立てておるわけでございますが、高速自動車国道とそれぞれ調整のとれた計画を立てていかなければならぬことでございます。従いまして一般道路の整備計画につきましても、高速自動車国道というものを考えて、それと調整のとれた計画を立てるということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/5
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006・三橘信一
○三橘委員 そこで道路は安全迅速また経済の方面から満足のいくものでありたいと思うのでありますが、この自動車道におきまして最高どの程度の速度と荷重に耐えるものを考えておられるか、もし具体的に御説明できたらお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/6
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007・富樫凱一
○富樫政府委員 高速自動車国道は自動車のみを通すということになっております。従いまして他の道路とは立体的に交差し、これに出入りすることも制限するわけでございます。そういったことで自動車の高速運転とそれから運転の安全性が保持できるわけでございます。ただいま考えております高速自動車国道の企画でございますが、これはそれぞれ山地、平地あるいは橋梁部というところで変えて考えておりますが、最高が百二十キロ、最低が六十キロ程度に考えておるわけでございます。またこの自動車国道を通る自動車の荷重でありますが、この荷重につきましては、一般の道路に対する荷重と変えて考えてはおりませんで、同じ荷重を採用するつもりでございますが、ただいまの考えでは自動車荷重二十トンというものを考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/7
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008・三橘信一
○三橘委員 それでは今度設計される場合に、二車線を考えられておるのか、あるいは四車線を考えておられるのか、この点について御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/8
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009・富樫凱一
○富樫政府委員 この車線の数は、予想交通量に応じて計画すべきものでありますが。ただいま名古屋、神戸間に計画いたしておりますのは四車線でございます。これはこの区域の交通量に応じた車線数でございますので、また交通量の少いところに参りますれば二車線の高速自動車国道というものも考えられるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/9
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010・三橘信一
○三橘委員 現在の地域、そうして交通量を勘案してあるところは四車線、あるところは二車線ということでございます。それでいいと思うのであります。やはりそう遠くない将来ということを考えましても、交通量が非常に多くなっていくということは予想されるのでありまして、二車線で計画して、すぐまた二、三年後に四車線にしなければならないといったような、そういう変更をすることのないように、あらかじめやはり見通しをつけて、その処置をとっていただく方がよいのではないかと思います。
次に今までは駐車場の施設については別段特に定めるということがなかったのでありますが。このように専用の自動車ともなりますと、駐車の施設とか、あるいは給油所の付属工作物というものが当然必要になってくると思うのでありますが、特にこれに対して何らかの定めを考えていられるかどうか、この点についてお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/10
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011・富樫凱一
○富樫政府委員 お話のように高速自動車国道につきましては、駐車場それから給油施設あるいは休憩所の設備、こういうものが当然に必要になって参るわけでございます。それらを考えて、高速自動車国道の計画を立てるつもりでございます。なお有料の高速自動車国道につきましては、日本道路公団がこれを実施することにいたしておるわけでございますが、日本道路公団の実施いたします業務の範囲を広げまして、高速自動車国道につきましては給油所、休憩所等の付属施設も実施できるようにする法案を、ただいま提案いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/11
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012・三橘信一
○三橘委員 次に第十五条の第二項についてお尋ねしたいと思います。特別沿道区域内における建築物あるいは土地の権限を有する者が、利用目的の価値が減少したために建設大臣に買い取りを請求するとができるということになっておるのでありますが、この場合買い取りの請求があれば建設大臣に買い取りの義務が生ずる、形式権としての性質を持っているのかどうか、これを一つお聞きしたいの、であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/12
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013・富樫凱一
○富樫政府委員 お導ねの御趣旨がはっきりのみ込めていないかもしれないのでありますが、買い取りの請求がございました場合に、建設大臣がその事情を審査いたしまして買い取りに応ずるわけでございますが、それがこの第十五条の二項の問題でございます。この第十五条の一項に、これは通常なかった制限でございますが、航空法等にはこういう制限もありますけれども、その用益の制限をするわけでございます。この用益制限は、たとえば建物の高さなども制限されるというようなことなどがこの中に入ってくるわけでございますが、こういった用益の制限で今まで利用していた目的に供することが非常に困難になってきた場合には、建設大臣にその土地の買い取りを請求することができる規定でございますが、これに基きまして、建設大臣が内容を審査いたしまして、その買い取りの請求に応ずるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/13
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014・三橘信一
○三橘委員 そうすると要求が生じた場合に建設大臣に買い取りを請求することができるという点について、そういう場合は建設大臣が内容を調査してこれに応ずる義務が当然生ずる、このように解釈してよろしいのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/14
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015・富樫凱一
○富樫政府委員 その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/15
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016・三橘信一
○三橘委員 ちょっと前後いたしますが、第九条の建設大臣の権限の代行についてお尋ねしたいと思うのであります。これによりますと「当該他の工作物の管理者は、政令で定めるところにより、建設大臣に代ってその権限を行うものとする。」こういう工合に書いてあるのでありますが、この政令で定める権限の範囲について具体的にお知らせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/16
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017・富樫凱一
○富樫政府委員 河川の堤防、護岸、ダムその他高速自動車国道と効用を兼ねる工作物の管理者は、第八条の規定によりまして高速自動車国道の管理者である建設大臣と管理方法についての協議をすることができるのでございますが、この協議に基きまして、他の工作物の管理者に道路管理上の権限を行わせることが考えられるわけでございます。その権限の内容を政令で定めることになりますが、他の工作物の管理者にその権限を行わせた方がよろしいというものに限定いたしたい考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/17
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018・三橘信一
○三橘委員 道路整備特別措置法の一部改正の第六条の二によりますと、建設大臣の権限の代行があります。公団に代行させる範囲でございますが、私の考えるところでは行政上どうも芳ばしくない、このように考える点があるのであります。その中で特に重要と思われますのは、道路法第三十二条に規定しておるところの占用の許可についてであります。この占用させる物件なりあるいは施設は非常に広範囲にわたっておりまして、道路の管理士からもきわめて重要であると考えるとともに、利用する者の便益も非常に大きいのでありまして、こういった重大な占用許可権までを公団に代行させろということはどうだろうか。その必要があるのか。これは公団の仕事に直接関係がないのじゃないかといったようにまで考えるのでございますが、この点について局長はどのようにお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/18
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019・富樫凱一
○富樫政府委員 公団に権限を代行させることにいたしておりますが、そのうちに占用に対しましてもその権限を代行させるようにいたしております。その理由は、公団の高速自動車国道の管理は、従来の有料道路の管理とはその様子が違ってくる点でございます。と申しますのは、従来の有料道路は多くの場合既存の道路を改築して有料道路といたしておりましたので、その区間も短距離でありましたし、その事業費も比較的少額でありました。従って公団が当該道路を管理する期間も比較的短かいものが多いのでありますが、高速自動車国道は新線の建設でありまして、事業費も一般の有料道路の比ではなく、従ってまた公団の管理する期間も相当の長期にわたることが予想されるわけであります。公団に道路の管理の権限を代行させます範囲は、公団と当該道路の管理との関係を考慮して定めるべきものでありますから、この点からいたしますと、高速自動車国道について公団の代行権限を拡大いたしますことは適当であろうと考えておるわけでございます。それから第二の理由は、公団が行う高速自動車国道の管理は、建設大臣の施行命令に基いて行われる点でございます。すなわち従来の有料道路の場合には建設大臣が公団に対し有料道路の許可を与えることによって従前の道路管理者の管理権限を規定する建前をとっておったわけでありますが、公団の道路管理権限の代行も従って最小限にとどめるべきものであったわけであります。しかし高速自動車国道の場合には、建設大臣の行う施行命令によって公団に建設大臣の権限を付与することといたしましておりますので、建設大臣が公団にその権限を代行させてしかるべきものはこれを公団に代行させることとしたわけであります。この点につきましても従来の有料道路に対する権限代行とはその趣旨を異にするものと考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/19
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020・三橘信一
○三橘委員 ただいまの御説明によりまして趣旨は了解できたのでありますが、しかし私が心配するのは、あえて国鉄の問題を取り上げるまでもなく、ああいったガード下の利権にからむところの醜聞等を考えますと、やはり占用許可というものについて何か処置をとることができないものだろうか、こういった国民の声もあるのであります。今度の占用許可権の代行はこういった点からも非常に慎重を要すると思うのでありますが、特に民間の資本が入っているそういう公団のことを考えますと、こういう心配を私は一そう強く持つのでありますが、あとでどうもこうも手がつけられないといったようなことは方々一あろうとは思いませんけれども、現在いろいろな問題が起きているそういう観点から、こういう取扱いに対しては、もう少し慎重でなければいけないのじゃないかと考えるのでございますが、局長はどのようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/20
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021・富樫凱一
○富樫政府委員 御心配の点はごもっともでございます。私どももその点を心配いたしているわけでございますが、特に占用の問題のうちお話になりました路面下を占用するというような点でありますが、その問題につきましてはただいま提案されております日本道路公団法の中にその規定をいたしているわけでありますが、これにつきましては、この基準を政令できめる等の措置をとりまして十分慎重に実施いたすつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/21
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022・三橘信一
○三橘委員 次に第二十三条についてお尋ねしたいと思います。これによりますと、運輸大臣が行う道路に関する調査の規定があるのでありますが、これは必要といえば必要であると思います。しかし道路法に基く交通量の調査と違いまして、車両の発地、着地あるいは積載物品の種類及び数量、こういうものに至るまで車をとめて質問ができることになっているのでありますから、これは相当大きな権限を持つものと私は考えるのであります。同条の第三項によりますと、「犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。」とこう書いてあるのであります。これはもちろん当然のことでありますが、このようにただし書きを書かなければならない、それを必要とするところにすでに私人の権利を侵す危険性を認めていると私は思うのであります。拡大解釈してこういった私権を侵すようなところまでこれを適用していくという危険性が私相当にあると思うのでありますが、そういう心配は要りませんでしょうか。この点について聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/22
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023・富樫凱一
○富樫政府委員 二十三条の関係でございますが、高速自動車国道につきましては運輸大臣は建設大臣とともに予定路線の決定、路線を指定する政令の立案、整備計画の決定を行うことになりました関係から、運輸大臣も二十三条に規定してあるような権限を行使する必要が起ってきたわけでございます。建設大臣も道路法の七十七条に基きまして調査権限を持っているのでございます。建設大臣が調査した資料を利用すれば足りる場合もあろうと思いますが、また運輸大臣の見地から調査を行う必要も起ろうかと考えているわけでございまして、このような道路に関する調査権限を認めたわけであります。お尋ねになりました第三項の「犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。」ということでございますが、これは車をとめて調査いたしますのでこのような規定をいたしているわけでございますが、これは道路法におきましても同様な規定をいたしているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/23
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024・三橘信一
○三橘委員 「特に」必要な場合は、と書いてありますが、この「特に」というのはどういう場合をさすのか、もし具体的に御説明願えたらお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/24
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025・富樫凱一
○富樫政府委員 この「特に必要があると認めるとき」というのは、車をとめて調査するということを言っておるわけでございます。この調査が建設大臣の行う調査と重複しないようにする点につきまして、両者の協議で運用上重複することのないように今後いたしていくつもりでございますが、ここに「特に必要があると認めるとき」ということは、車をとめるという調査がございますのでそのように表現いたしてあるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/25
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026・三橘信一
○三橘委員 わかりました。それでは調査をする必要が生じた場合にとめて質問することができるといたしますと、どういう場合が適用されましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/26
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027・富樫凱一
○富樫政府委員 運輸大臣が調査いたします場合は、高速自動車国道を作るために、どういう交通の変化が起るであろうかということを調査するわけでございまして、特に必要になりますのは、その自動車がどこを立ってどこに行くか、どういう物を積んでおるかということを調べる必要があるわけでございます。そのために自動車をとめなければならぬわけでありますので、そのような規定をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/27
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028・三橘信一
○三橘委員 とすれば、高速自動車道の今後の設計とか、あるいは計画、そういう資料をまとめるために必要な場合、そういう調査を車をとめてやる、こういう工合に解釈していいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/28
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029・富樫凱一
○富樫政府委員 その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/29
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030・三橘信一
○三橘委員 次に罰則規定の第二十八条についてお尋ねしたいと思います。「高速自動車国道の管理に従事する者が犯したときは、一年以下の禁錮又は三万円以下の罰金に処する。」このようにあるのであります。これは業務上の過失をさしているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/30
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031・富樫凱一
○富樫政府委員 二十八条の罰則の後段でございますが、「高速自動車国道の管理に従事する者が犯したときは」というのは業務上の過失であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/31
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032・三橘信一
○三橘委員 業務上の過失をさしているとすれば、それで了解できるのでありますが、私はまた業務上の過失でないという場合を考えると、犯意があるのにもかかわらず刑が軽過ぎるのではないかと考えたのでありますが、ただいまの御説明で了解できました。なお若干御質問を申し上げたいと思うのでありますが、大臣もお見えになって、前田委員が大臣に御質問があるそうでございますから、私の質問はこれで打ち切っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/32
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033・前田榮之助
○前田(榮)委員 高速自動車道に関して大臣にお尋ね申し上げます。その前に、大臣が過日、何日ですか日にちは覚えておりませんが、新聞に道路十カ年計画をやるというようなことを御発表になっておるようであります。新聞に御発表になったものは真実な大臣の御意見なのか、その点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/33
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034・南條徳男
○南條国務大臣 私の道路十カ年計画が新聞に掲載されたという御質問ですが、私はそれは覚えがないのですけれどもどういう新聞の内容ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/34
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035・前田榮之助
○前田(榮)委員 新聞を持ってこなかったのですが、朝日か日本経済かに出ております。ちょうど前の馬場建設大臣が道路十カ年計画を本委員会で発表されたのと大体同じような構想が、南條建設大臣という名前で出ており、写真が入っておったと思います。あるいは大臣にそういう記憶がなければ、新聞が何か間違いで出したのだろうと思います。それはそれとしておきますが、そこで大臣は、建設省予算の概要説明の中で、三十二年度の道路整備費は五百三十二億三千六百余万円であって、前年度より大体二百億円ほど増加を見ておるということを言われたのであります。これは大体従来建設省がやって参りました道路整備五カ年計画のいわゆる最終年度に当っておるのでありますが、この御説明によりますと、五カ年計画を再検討し、これを拡充して、産業発展に対応する新たな道一路整備計画を樹立することを目途として云々とおっしゃっていらっしゃるのです。あなたはどうせ整備計画を立てなければならぬと思うのですが、その点いかがな抱負を持っていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/35
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036・南條徳男
○南條国務大臣 今までの五カ年計画は御承知の通り三十三年度で終ることになっております。三十二年度におきまして、今までの五カ年計画ではまだまだ今日の道路交通整備、輸送増強の要望にこたえられないという事情に直面しまして、三十二年度予算におきましては、新たに五カ年計画を改訂いたしまして十カ年計画を樹立したいという考え方で、大幅な予算の要求をいたしたのでありますが、今年は先ほど申す通り昨年度より二百億くらいの増額に終った。別に特別失対事業の十五億その他もありますが……。そこでしからば十カ年計画はどういう内容を持っておるかという御質問と思いますが、その点につきまして、ただいま建設省の方におきまして内容を整備、検討いたしておるのであります。成案ができましたら皆さんの方にごらんに入れたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/36
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037・前田榮之助
○前田(榮)委員 従来の道路整備ばかりではなしに、住宅建設その他の計画は、五カ年計画あるいは十カ年計画等を立てられましても、ほとんどそれが成功したと申されるものはないと言っていい。これはもちろん国家予算の制肘を受けるためにやむを得ない事情があることはわれわれも了解するのでありますが、南條建設大臣はどうせ十カ年計画をお立てになる御抱負があると思うのですけれども、必ず実行できるような年度割予算等も明確にしたものを一つ計画を立てられて、閣議によって承認したいわゆる岸内閣の実行し得る抱負としてその計画を立てられんことを御希望申し上げておきます。
そこで、過般衆参両院を通過いたしました縦貫自動車道の問題ですが、これを遂行するのには普通一般道路でさえ十カ年計画はなかなか立ちにくい、また今の日本の道路事情からいたしますると、一般財源から縦貫自動車道のような莫大な費用を要するものを充てるなどというようなことでは、これはもちろん問題にならぬと思うのであります。そこで縦貫自動車道に関する限り、従来の一般道路を整備するような感覚あるいはそういうカテゴリーの中で処理しなければならぬということでは問題にならぬと思う。従って、外資によるとかあるいはまた道路公団がやっておりますところの有料道路的な性格を持ったものでなければならぬということに当然なると思うのですが、大臣のそういう点でのお考えを、もちろん具体的なことはまだ立っておらぬと思いますが、何かそういう方向に一ついていての御抱負がございましたらお聞かせを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/37
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038・南條徳男
○南條国務大臣 ただいまごお尋ねはのもっともな次第でありまして先般国会を通過いたしました国土開発縦貫自動車道建設法は、基本方針はきまっておりますが、その財源等については何らこれがきまっておらないことは事実であります。そこで今度国土開発縦貫自動車道建設審議会もできまして、総理大臣が会長としてこの審議会にそれらの点について広い範囲のいろいろな諮問をされることと存じます。そういうことによって、これらの財源をどういう方法によってまかなうかということをきめていただくことが正しい立場と考えるのでありますが、かりにその場合に建設省においてこの国土開発縦貫自動車道を実施します場合においては、建設省としては一応その財源はこうもしなければならぬ、ああもしなければならぬのじゃないかという構想は持っております。今私どもの考えておりますのは、一方において一級国道なり二級国道の整備の十カ年計画をするについては、一般国費あるいは先般のガソリン税等の引き上げ等によってこれを実施するのでありますが、それでもなかなか不足しておるのであります。それへかてて加えて縦貫道の建設を一般国費をもってすることはなかなか容易でないと考えられますので、これは一方有料道路でありますけれども、同じ有料道路にいたしましても完成には相当な年数がかかるという場合においては、できるだけ早い機会にこれを実施しようとすれば思い切った外資導入というようなことにもよって、こういうことを一ぺんに解決したらどうかというようなことも考えられるのであります。従いましてあるいは道路公債というようなことも考えられる道だと思いますので、何とかいたしまして早急にそういう財源の道を考えてそうしてこれを実施するにあらざれば、今までのような一般の国道整備のような国費による財源によってはなかなか容易ではないと考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/38
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039・前田榮之助
○前田(榮)委員 そこで高速自動車国道法並びに今提案になっております道路整備特別措置法の一部改正案に関連してお尋ねを申し上げるわけなんですが、今三鍋委員からも触れられておったのでありますが、現在の高速自動車道で道路公団が行うものについては大体料金のプール制を実施し、従って個々の個所の道路について採算を行う方針をとっておられるようでありますが、このことは高速自動車道、縦貫自動車道を道路法上の道路の一部とされることになりました際には私は問題になってきやせぬかと思うのであります。すなわち個々の道路あろいは橋梁その他の独立採算といいましても、縦貫自動車道は北は稚内から南は鹿児島までを、個々にこれは名古屋—神戸間、これは飯田—東京間というように区切るわけにはいかないと思う。それを区切るといたしましても、大阪—東京間、大阪—下関間、こういうように区切るかというと、これもまたやっかいなことになろうと思う。従って独立採算的な料金の取り方をいたすとしますと、これはなかなか困難なことだと思う。しかもまた独立採算といいましても、国土開発縦貫自動車道という単なる交通道路という意味では作られないもの、こういうものの整備費はいかなる採算をするのか、これがまた非常に困難になってくるのであって、縦貫自動車道は一応道路の取締りの上から、道路法上における道路としての規定が作られるわけなんですが、そういう点になりますと、これは現在道路整備特別措置法の規定に基いて行われることは、これはとうていできない問題だと思う。それを今回本院に法の改正を出されて、今後それをどうされる考えなのか、この点一つ建設大臣の御意見を聞かせていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/39
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040・南條徳男
○南條国務大臣 道路公団の施行します有料道路の料金のプール制の問題かと思いますが、国土縦貫道路も道路公団によります有料道路でありますから、今までの一般の有料道路と、料金のプール制をいたしますと、独立採算制の立場から言えば、こういう国土総合というような他の目的を持った縦貫道路の場合においては、なかなかそういう独立採算が困難であろう、こういう御質問の要旨と思います。それは全くその通りだと思います。それでありますから、今予測されております三十二年度の予算におきましても、できるだけ採算のとれる場所を選びまして、いわゆる名古屋—神戸間のようなところに今度の高速自動車道を実施しようという主眼から参っておるのであります。そこで引き続いては、やはり経済効果の一番達せられる路面を、審議会等においてももちろん検討されることでありますが、それで考えられるのはまずもって東京—神戸間であろう、こういうような経済的効果のあがる、採算のとれる路線を先にいたすことに相なるのではないかと思います。できるだけそういうことにいたしまして、このプール計算をいたしまして、そうしてできるだけ早く道路整備をしていくということになるのでありまして、次にはまたその次に経済効果のあがる方向へ道路を作るということになるのではないかと思うのでありまして、一挙に南は鹿児島から北は稚内までといっても、これは理想はそうでありますけれども、そう簡単に今の御質問のようなことはできないと思います。一応そういうことは観念的には考えられるのですが、実際問題としてはやはり予算が立つような、地についたそろばんのとれる範囲内においてこれを実施するということに相なるものと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/40
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041・前田榮之助
○前田(榮)委員 私のお尋ね申し上げておるのは、今お答えになった意味とは違うのでありまして、今お答えになったような感覚でこの高速自動車道を行うことになりますと、神戸—東京間、今たちまち手をつけられようとする神戸—名古屋間、こういう経済条件の整うたところは、今のお説の通りでよろしいと思いますが、それ以外のところがあることを考えますと、この法律に基いて独立採算だという建前をとってやることになりますと、独立採算の立たないものは不可能な状態に陥るのではないか、一般道路でありますならば、独立採算があろうがあるまいが、それは国の一般財源の方から行うべきものであって、現在も行なっておるのです。ところがこういう特殊な性格を持ったものについては、どうせ日本の道路政策の上からいいましても有料道路にしなければならぬ必然的な運命を持っておる、しかしながら有料道路にするといっても、独立採算ということがすべての前提にならなければならぬことになりましたときには、独立採算がとれないところは実施不可能だという答えが出てくると思うのであります。それは大へんなことでありまして、従って今上程されておるところの法律案というものが、縦貫自動車道も道路法上の道路という範囲に入れて、しかもこの法律の執行する範囲であるということになりますと、将来縦貫自動車道については経済上の条件が整わないところは手がつけられぬということになって、せっかく両院が一致して日本の将来を、単なる自動車道路ということでなしに国土全体の大開発を行なって日本経済の建て直しをやらなければならないとさえ言われておる道路が、たちまちこの法律のために行く道をさえぎられるという結果になると私は思う。この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/41
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042・南條徳男
○南條国務大臣 国土縦貫自動車道法によります道路を道路法上の道路として規定します以上は、有料でやりますことは有料でやりますが、国が必要上どうしても他の路線を開発しなければならぬという場合においては、もちろん国の財政の許す範囲においては無料でもこの縦貫道の路線を実施しなければならぬことは当然であると思います。従いまして、今の御質疑のように国土開発の建前からどうしても国で無料でもやれというような場合においては、国の財源の許す範囲においては御質問のような道路を選定いたしましてこれを実施することはやぶさかではないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/42
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043・前田榮之助
○前田(榮)委員 縦貫自動車道法の基本計画も立っておらない今日、これに突き進んで論議いたしましても、仮定の上に立って論議をすることになりますことは私の本旨とするところでないので、そういう具体的な問題へは入ることを一応避けます。
ただ問題は、本委員会に現在かかっておる法律案というものが、現在通過を見たところの縦貫自動車法をあの立法の精神に基いて実施しようとする際に支障になるおそれがある、また性格からいいましても、ただ道路法上の道路の範囲に入れたことは道路行政措置等を行う便宜的な意味で私は入れられたものであって、ほんとうの従来の道路法の観念からきた道路という意味の道路であってはならないと考えるのでありまして、そういう点において将来に問題があることでありますから、これはこの程度で一応私、打ち切っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/43
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044・足鹿覺
○足鹿委員 ちょっと関連して。先ほど三鍋委員から逐条的な御質問がありましたが、私はその第十五条関係を関連してお尋ねを申し上げたいのであります。高速自動車国道を通行する自動車の危険を防止するために、自動車国道に接続する二十メートル以内の区域について、政令で定める基準に従い、特別沿道区域を指定するということになりておるのですが、その政令基準の内容というものは、どういうものでありますか。また予想される危険を防止するということになっておるのでおりますが、沿道に及ぼす危険の範囲というものは、どういうことが予想されますか。道路を中心に左右に二十メートルということになりますと、これは大へんな面積になると思うのです。道路局長から、その点もう少し具体的に御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/44
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045・富樫凱一
○富樫政府委員 特別沿道区域は片側に二十メートル以内できめるようになっておるわけでございますが、これをきめます地域と申しますか、これはきわめて限定して制限いたしたいと考えておるわけでございます。具体的に問題になりますのは、この高速国道の曲線部でございます。曲線部で、建設当時は平坦で、建築物がなかったというようなところに、二十メートル以内に建築物が建ちますと、見通し距離がなくなりますので、交通に危険を及ぼすわけでございます。具体的にはそういうところを考えております。従って曲線部でございますので、そう全沿道にわたって二十メートルを制限する、こういう趣旨のものではないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/45
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046・足鹿覺
○足鹿委員 特別沿道区域に指定される地域というものは曲線部に限定するんだ、こういうことでありますが、そうすると通常生ずるべき損失を、ある一つの基準に基いて補償するということになっておるわけですね。制限を受けた場合に補償をされる、またその人が国に向って損失の程度によってその買い取りの請求をするということもできるということになっておるわけですね。申し入れがあった場合には、買い取りの請求に国は応じなければならぬということになっておるわけですが、この場合はやはり政令で定められる基準の範囲内においてやられるわけなのですね。その基準というものは、どういう基準に基くものですか。私の聞いておるのは、それを伺っておるわけなのです。その大体の要領はどういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/46
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047・三橘信一
○三橘説明員 ただいま局長が御説明申し上げた通りでございますけれども、大体政令のきめ方につきましては、道路からの一定の幅、つまりもちろん二十メートル以内でございますが、一定の幅以内にできるこれこれの建築物というようなきめ方をいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/47
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048・足鹿覺
○足鹿委員 よくわかりませんから、もうちょっと説明して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/48
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049・三橘信一
○三橘説明員 恐縮でございますが、お尋ねの趣旨をあるいは間違えておるかもしれませんが、まず申し上げますと、建築物等をきめることが十四条にございます。それからそれの政令につきましてはただいまお答え申し上げましたような趣旨で、道路から一定の距離以内にできるこれこれの建築物というきめ方をいたしたいというふうに考えております。それからその次に十五条で政令で定めるところにより補償する、この政令につきましてはその補償の基準をきめたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/49
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050・足鹿覺
○足鹿委員 そうしますとこれは道路の用地に対する補償と別個な一つの基準を——この沿道二十メートルのものの区域において適用する通常生ずべき損失というものは、別途にそういう基準を設けられるということになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/50
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051・三橘信一
○三橘説明員 従来の一般の補償の基準等とは別途の基準にいたそうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/51
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052・足鹿覺
○足鹿委員 どの程度のものになるのですか。新しい今度の高速自動車道の場合において、特にスピードが出る関係で当然予想されることで、趣旨はわかるのですが、しかし補償の内容に区別がつくはずのものでない、私はそういうふうに常識的に考えるのですが、なぜそういうふうに区別をされようとするのですか。曲線部と申しましてもどの程度のものを意味しておるのか。私どもしろうとでよくわかりませんが、見通しを阻害して、高速度で走る自動車にあやまちがあってはならぬ、こういうことだろうと思うのです。制限を受けるということはその用益権に制限を加えることでありまして、現在あるものの撤去の場合も出てきましようし、またその曲線に当る場合の新しき地帯を指定する場合も出てくるでしょうし、自動車が一緒になる場合もあるでしょうし、その内容に、道路敷地になるものと別途になさろうとする趣旨が私どもにはよく理解されないのですが、これはどの程度のものになるかよくわかりませんが、これは資料としてまだ、法案自体が審議されるときに建設計画も具体的になっていないときですから想像することは困難でしょうが、私はこれは相当な個所が出てくると思うのです。大体その想像はつくのですが、両方二十メートルといいますとその及ぼす影響というものは私は相当大きいと思うのです。それに制限を加えるのに、道路敷地の場合と別途に取り扱う政令が出るということの意味がよくわからないのです。同じじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/52
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053・富樫凱一
○富樫政府委員 この制限地域内にあります建築物を移転あるいは除却する場合には従来の補償でいくわけでございます。ただ用益制限と申しますのは、曲線部の道路距離を得るための制限でございますので、これこれの高さの建物はいいがそれ以上のものは困るというようなことが起ってくるわけでございます。従来の補償とは別の補償が起って参りますので、それを政令できめようとしておるわけでございますが、例といたしましては航空法にあるそうでございます。結局建物を移転する、あるいはそこに建築をするというようなときに、建築するにいたしましても高さが制限される、あるいは除却する場合は従来の補償でいいわけでございますが、そういった制限が起ってくるので、かような特別な政令をきめようとしておるわけでざいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/53
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054・足鹿覺
○足鹿委員 高速自動車道の沿道の建築その他はどうなるのですか。これは自動車のみの専用道路になるわけですね。そうするとそこに建築物があること自体が——その人間にとっては直接人道を自転車その他のものが交通できない、利用価値としては自動車に限られるわけですから、そうした場合に建築物が将来予想されるということと専用自動車道路との関係はどうなるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/54
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055・富樫凱一
○富樫政府委員 高速国道の場事合は、自動車だけが通行することになりますから、出入の制限をいたすわけでございます。でありますからこの道路に入る場所あるいは出る場所が限定されることになりますので、沿道に家が建ってもこれは利用できないわけでございます。高速国道としましては必要な用地は全部買収するわけでありますから、特別沿道制限区域だけにつきましてはその二十メートル以内を限りましてそこに建つ建築物等に制限を加えるわけになります。用地幅は道路敷地としては全部とるわけでございます。ただその曲線部と将来交通の障害になるおそれのあるところをあらかじめ制限しておくことになるわけであります。でありますので従来の補償とは変った補償をいたさなければなりません。その補償を政令で定めるごとにいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/55
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056・足鹿覺
○足鹿委員 航空法の場合はどういうことになっているのか、お調べになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/56
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057・富樫凱一
○富樫政府委員 大ざつばでございますが、飛行場の周辺を区切りまして、その周辺にある建築物の高さを制限しておるわけであります。これがこの場合に該当するものと考え得るわけでございますが、そういった制限を別に考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/57
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058・足鹿覺
○足鹿委員 私の常識で判断するところによると、高速自動車道と一般道路法の適用を受ける道路との接続関係——その周辺には私はある制度新しい建築その他の施設ができると思うのです。その接続の場合にこれはどういうふうになるのですか。一般道路法の適用を受ける道路と高速自動車道が接続していかなければ利用価値がないわけですから、そうした場合はある地域を区切って接続地を指定することになろうかと想像できるわけですね。それらの関係と特別沿道区域との関係はどういうふうになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/58
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059・富樫凱一
○富樫政府委員 接続点が限られるわけでございます。接続点で高速国道から他の一般道路に接続するわけでございますが、これは立体的な接続になってくるわけでございます。こういうところにおきましては沿道の特別な制限というようなものは働いてこないのでございまして、高速国道の沿道について働いてくることになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/59
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060・足鹿覺
○足鹿委員 通常生ずべき損失の補償基準と、国が申し出に基いて買い取りの請求に応ずる場合の基準というものはどういうふうになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/60
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061・富樫凱一
○富樫政府委員 請求に基きまして買い取ります場合と、それからこちらがたとえば道路敷地として必要とする場合の土地の買収は変りがないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/61
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062・足鹿覺
○足鹿委員 了承いたしました。
もう一点、法案要綱の十一ですが、都道府県が署しく利益を受ける場合においては、別に法律の定めるところにより、その費用の一部を当該都道府県に負担させるものとする、こういうことになっておりますが、ただいま前田委員の御質問との関連で、これはどういうことになるのですか、建設費を持たせるのですか、その後における管理その他の関係はどういうふうになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/62
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063・富樫凱一
○富樫政府委員 著しく利益を受ける都道府県と申しますのは、接続点ができる都道府県——接続点ができるために都道府県が著しく利益を受ける場合も想像されますので、利益を受ける都道府県に対しまして管理に要する費用の一部を負担させることにいたしておりますが、その費用をどれだけ負担させるかということは別に法律で定めようということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/63
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064・足鹿覺
○足鹿委員 別な法律というのは、これから御提案になるのですか。これと一体の関係になるのじゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/64
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065・富樫凱一
○富樫政府委員 高速自動車国道を三十二年度から名古屋——神戸を着手しようと考えておりますが、これは有料道路として建設する予定でございます。従って都道府県の負担の問題は起ってこないのでございますが、将来国がみずから高速自動車国道を建設する場合に、都道府県が著しく利益をするような場合が考えられますので、その場合についての負担を規定いたしておるわけでありますが、費用の負担につきましては、その際に別に法律で定める、こういう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/65
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066・足鹿覺
○足鹿委員 最後に、これはなかなか困難でしょうが、相当時間をおかけになってもいいですが、資料としていただきたいのです。国土開発縦貫道路または高速自動車道路というようなものの計画がいつごろでき上るか知りませんが、でき上る場合に想定されるつぶれ地ですが、特に私はこの間ダムのときに申し上げたのですが、農業関係との水の問題にしてみても、住宅公団の建築用地の場合にしてみても、道路公団が有料道路を作る場合でも農地との摩擦をどう調整していくか、多くの場合りっぱな農地がつぶれて、新しく干拓や開拓をやる場合はどうも芳ばしくないものが出る。差引こういう公共事業のために一番被害というと語弊がありますが、一番手痛く影響を受けるのは農民なんです。その農民のこうしたものの利用度というものは一番薄いわけです。それから現在農林省あたりも転用基準の問題を研究しておるというふうに聞いておるのですが、今後農業との調整、これは食糧増産の基本政策との関連も出てくると思うのです。非常に大きな問題が伏在していると思うのです。それで大体予定されるつぶれ地の想定、今後公団が住宅、道路その他のいろいろ考えておるもの、それから国日体が現在考えているものが、道路建設十カ年計画を含めてどういう程度のものになるか知りたいと思うのです。そういうものは御調査願って御提示願えるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/66
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067・富樫凱一
○富樫政府委員 高速国道につきましては、名古屋1神戸間を本年度から着手いたしますので、ある程度のそういう調査ができております。これはなお今精密な調査を実施いたしておりますので変り得る可能性もございますが、大方のところはこの程度のものであう)かと思いますので、その点は提出できます。それから十カ年計画の方も今検討中でございますので、それが動かない数字ということは申し上げられませんが、大よそ考え得られるそういった数字は大ざっぱに御提出できると考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/67
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068・足鹿覺
○足鹿委員 最後に大臣に一点だけ伺いたいのですが、私は道路問題は全くしろうとでわかりませんが、結局財政力のある地方自治体は地方の負担金等は簡単にいくんです。直接この自動車道とは関係ないから簡単にいきますが、貧弱の財政の府県はなかなか地元負担がうまくいかないというために放置されておる地域が非常に多いのです。それらの点についてはただ道路建設十カ年計画ということではなしに、別途な観点からその改修なり新設なりが促進されていく方途が考えられないと、いつまでたってもその後進の、あるいは財政力の豊かでない地域は放任されがちだと思うのです。それらに対する対策を大臣はどういうふうにお考えになっておるか。それからこうした農地の転用の場合、さっき申しましたように農業との調整の問題は、これは建設次官にダムのときに伺ったら現在研究しておるから近くそれらに対する独立法を出したい、こういうことを承わったのです。ところが産業都市圏の問題にしてみても通産省との関係で去年話が煮えておったものが途中で打ち切られて上まっておりますし、いつのことやらさっぱり私ども見当がつかない。やはりこの問題が基本的に解決されないと、その趣旨は国土開発といい地方住民が大きな福祉を受けるわけでありますから、理解されればその地方の住民もとことんまで反対しない場合もあると思うのです。ところが法律上において転用されて被害を受けるものの権利が何ら保障されないというところに非常な不安も伴い、自分たちの生活権に脅威を覚える関係上、たとえば滋賀県あたりにおける弾丸道路に対するところの反対というものは熾烈なものを当局も御存じだろうと思うのです。そういうふうなものはどこから出てくるかというと根本的な根拠法がない。少くとも、一律一体に一つの根拠に基いてやっていくことはできませんが、最低のものを一つ線を引いて、そうしてそれに基いていろいろその地域の事情をしんしゃく勘案していく何か一つの委員会のようなものができて、そこで権威ある補償が公平の立場からなされていくということになりますと、この大計画の遂行というようなことも容易になってくる思うのです。どこへ行ってみても今度高速自動車道が立休交差をやるといわれるが、立体交差の場合にはなかなかいろいろな問題が出てくると思う。鉄道の立体交差あたりでも途中まで道路が両方から来ているが、それだけでうまくいかないという事例がたくさんある。やはりこれだけの大計画を立てる以上は少くとも抜本的な農地の転用あるいはこの被害を受ける地方住民に対して基本的にその補償の根本を定めていかないと、非常に停滞し目的達成が遅れると思う。農耕地との調整あるいは公共施設と農業との調整の問題は非常に大きな問題である。これはやはり関係省とすみやかに協議連絡をされて基本的なものをやられなければならぬ段階に来ていると思う。大臣はその点についてどういう御所信を持っておられるか、伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/68
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069・南條徳男
○南條国務大臣 ただいまの御質疑はごもっともな点でありまして、さしあたり具体的に申し上げますと、今度の名古屋1神戸間における高速自動車道の設定につきましてこの用地の買収ということに三十二年度は大体かかるわけであります。これらの面におきましても今の御説のような点が農耕地の買収等において起るわけであります。そこで今日ではやはり土地収用法によります委員会において、その補償の額等を各府県あるいは各省ことに農林省と調整をとりまして、その地方の農民なり産業人が納得する線でこれを実施するわけでありますが、そういうところに縦貫道などの基本計画をきめる上において非常な困難性を伴うわけでありますので、これは地方のあらゆる各方面の人々の御協力によらねばならぬわけであります。一方においては国土縦貫道というものは国土開発の上に総合的に非常に大きな利益をあげることであるからやれという御要請もあり、一方にこれをやろうと思えば地方民が個々の自分の生活擁護の立場から反対するということから摩擦がありまして、なかなか調整がつかぬということになりますと、国家目的が達せられないことになりますから、この調整に官民協力いたしましてこの達成をはからねばならぬということなのでありますから、この点につきましてそれを実施する場合においては十分納得のつく線でいかねばならぬ、二)考えております。しかしながら今日の法律で定められている規定によりますと、今のところは土地収用法によります補償法によっていくということでありまして、この部分だけについて別に補償額をきめろとか、そういうための委員会を作るということにつきましては、別途に考究しなければならぬ問題だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/69
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070・足鹿覺
○足鹿委員 そうするとこの間政務次官の小沢さんは、これは速記録をお調べになるとわかりますが、私が言った法的な準備をしてすみやかに対策を立てると言明しておりますが、今の大臣のお話では何ら前進がないと私は思うのです。そういうことでは困るのです。今の大臣の御発言では非常に弱いと思うのですね。この間、小沢さんは多目的ダムのときの私の質問にはもっと積極的なことをお答えになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/70
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071・南條徳男
○南條国務大臣 それはこの前のダム法案のときの政務次官の答弁だと思いますが、今の縦貫自動車道につきましては私が今申し上げましたように、今後この基本計画等は今度できます審議会等におきまして十分これらの問題につきましても考慮さるべき問題であります。今、この審議会がまだ開会されない以前に、建設省だけでさようなことを立案するということは僣越だとも考えておるのであります。ただいまのところはそういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/71
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072・足鹿覺
○足鹿委員 もう一点で終りますが、建設省だけでおやりになろうということはよろしくないと思います。やはり関係省とも連絡をおとりにならなければいけません。ですけれども、中心はやはり建設省になると思うのです。それで私の言っておるのは、ダムであろうが道路であろうが住宅であろうが、その調整の対象になる一番大きいのは農地なんです。あるいはダムの場合には水没その他も出てきましょうし、また高速自動車道の路線に当ったところでは立ちのき問題やいろんな問題が当然起きてきます。いずれにしても、その調整というものが、場当りと言うと語弊があるのですが、そのときそのときの見通しでやられる。非常に結果の強い地帯で猛烈な反対をやる場合は当局もそれに押されて、相当高額のものが出る、全く力のないところは著しく差がつく。またそれが農林省のやる場合、建設省のやる場合、運輸省のやる場合、みんなそれぞれ統一されていなということでは——今までは、終戦後のことでもありますしやむを得なかったと思うのですが、もうこれだけの落ちつきを示し、これだけの将来を達観した大きな計画が次々と構想される場合においては、これと表裏一体の関係でその損失の補償、地方住民の権利を正当に補償していく共通的なものがなければならぬと私は思うのです。その場合、やはり一番関係のあるのは建設省ですから、建設省が他の官庁なりまた一般の意見を聞いて基本的なものを構想される用意があるかどうかという趣旨で、私はこの前小沢さんにダムのときに一つの例としてお尋ねしたのです。そうしたら、その通りやるのだということだった。今の大臣のお話では、私はこの高速自動車道に限定したわけではなく、すべての場合を言っておるのですから、これをやられないと問題は片づかないと思う。その点について御所見があれば伺いたいと言っておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/72
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073・南條徳男
○南條国務大臣 このダムの場合も自動車道の場合も、用地補償ということはまことに困難な問題が伴うのでありまして、今までの土地収用法によりまする委員会のきめ方による補償につきましても、その地方々々の経済的事情、またはその土地の種々の環境等によりましておのずから補償額は違っております。これは従来の補償によりましてもその差はあるのが当然でありまして、国鉄等の敷地買収でもやはりそうであります。それでありますから、今度のこの縦貫自動車道、高速自動車道の用地買収につきましても、その土地々々の条件によっては相当差額はあると思います。しかしながら、一定の補償の基準というものは従来でもあるわけであります。ですからその基準によりまして柔軟性を持った、各省あるいは地方庁との調整によって、十分連絡をとって納得のいく線にきめるよりほかには今のところ道はない、こう考えております。それについて今のお説のように、今の基準では困るから別な基準を新しくきめたらどうだというふうにも聞くのでありますが、さようなことにつきましては、この縦貫自動車道建設法というものは画期的な法律でありまして、今後この路線の基本的計画というようなものはその審議会で十分これらを協議して諮問してきめるのが正しいと考えますから、これらについては審議会等ができまして、その審議会等の委員諸君の御意見等も十分参酌してきめるのが私は妥当だと考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/73
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074・足鹿覺
○足鹿委員 納得いきませんが、きょうはやめておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/74
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075・二階堂進
○二階堂委員 今の足鹿さんの御意見に関連してですが、現在においては大臣の御答弁はもっともだと思うのです。しかし将来大きな事業をやるわけです。しかも高速自動車道というようなもの及び国土開発縦貫自動車道というようなものは、日本の文化産業の開発の上に非常に大きな役割を持つ道路なんです。しかもこれをある一定の計画を立てて強力に実施しようというのでこういう法案も出ているわけなけですが、この場合、今足鹿さんも言われたように、私は何としてもやはり土地の買収あるいは調査というものは、ほんとうに一定の法律といいますかそういう基準というものの上に立ってこの計画が進められなければなかなかこの計画通りに仕事は進まないのじゃないかと思うのです。道路公団がやっております道路について考えてみましても、雲他の道路の場合なんかもいろいろそういう問題が起ってきて、これを実施する場合にはいろいろ支障を来たしておる。まあ現在は解決して仕事をやっておりますが、その商たとえば大きな道路が林野庁関係の国有林の中を通っていく、あるいは厚生省所管の国立公園の中を通っていく、あるいはまたその間農地をたくさんつぶしていく、こういうような場合、計画はお立てになっても、いざ予算がついて仕事にかかるという場合には、末端において仕事をするものはそういう関係省との調整に時間がかかる、手間どるということが次々に起ってきておるのであります。そういうようなことがありますので、この道路の計画を強力に推進していくためにはそういう支障になるようなものを先に除いていく、除いていくためにはたとえば農林省あるいは運輸省なり厚生省、林野庁、こういったところとあらかじめある程度の調整を行う、そしてその調整を行うためには一定の方針なりあるいは基準というものを設けていかなければなかなかこの計画通りには仕事が進まないのじゃないか。そういうことがあちこちにあるのです。ですから先ほどの足鹿さんの御意見に私は全く賛成なんですが、そういうようなことを主管省であられる建設省が主になって、何とか将来の早い機会にそういう調整を行なっていくような具体策を講じていただくことが私は大切なこだと、こういうふうに考えるのであります。実際末端において仕事をするものはそういうところに非常にむだな時間と労力を費すわけなんです。そういうのが一日や二日で済むのならまだしも、何ヵ月もかかり、計画はおくれてくる。実際大きな予算をつけて国道の開発をやろうという場合、そういうところに時間がかかってしまうと予算が繰り延べになり、仕事は進まない。私はそれは非常にまずいと考えておる。この点は一つ大臣も慎重にお考え下さいまして、将来そういうような仕事をやる場合に支障のないような準備を法的にもお考えになるのが至当じゃなかろうか、こういうふうに考えるわけです。これは私の一つの意見ですから考えておいていただきたいと思うのですが、やはり仕事にかかる場合、一つの予定路線というものを審議会なりがいろいろ審議してきめるわけなんです。日本の道路事業を見てみましても、特に今回のような大きな計画を遂行される場合には調査というものが相当緻密に行われなければならぬと思うのです。ところが調査費などというものは大蔵省も非常に出したがらない。私は近い機会に大蔵省の当局も呼んでこれらのことについていろいろ意見も聞き、またお願いもしたいと思っておりますが、この調査費なんかを組む場合には、調査費というものは捨て金たというような考え方に立ちがちなのです。諸外国の例を見てみましても、一つの大きな道路の計画を立てて仕事をする場合に相当な時間と費用をかけて調査をしている、そうして緻密な調査ができ上って、予算をつけて初めて仕事がわずかの年数で実施される、こういうことが大体の道筋になっている。ところが日本の場合は調査費というものをぼんように出したがらない、そうして予算をつけて調査と同時に仕事にかかる、そうなりますと、調査が不十分だ、また計画が変更されなければならぬといったようなことが非常に多いと私は考えている。ですから私はこういうような膨大な計画をお立てになる場合には、もちろん審議会において慎重に御計画になると思うのでありますが、その前に私は相当膨大な調査費というものを見て、そうして計画をお立てになることが必要だと思う。また土地の買収等の問題につきましてもこれは先ほどの大臣のお話の通り、地方によって農地の価格等も非常に差がある、あるいは地方の実情に照らしていろいろな値段等もきめなければならぬということもあると思いますが、しかし値段のことでとやかく言って非常に交渉がはかどらない。私はこういうような場合には、べらぼうに付近の耕地の値段を引き上げるとか、あるいは土地の価格を引き上げるということになってはいかぬと思いますけれども、ある程度思い切った補償というものを出して、そうして一年かかるところを二、三ヵ月で解決していくというようなことをおやりにならなければいけないと思っている、こういうような点について大臣はどういうふうにお考えになっておるか、所見を承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/75
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076・南條徳男
○南條国務大臣 ただいまの御意見は、全く実際上の運営に当りましては十分考慮しなければならぬもっともな御議論であります。そこでありますから、こういうような画期的なことをいたしますについては、最も支障となります川地の買収等については十分いろいろな点からこれを勘案いたしまして、そうしてしなければならぬと思いますか、今までの土地収用法等の補償の基準にいたしましても、今日の時世にはだんだん沿わないものがたくさんあると思いますので、しからば土地収用法等も改正するの必要があるのじゃないかというようなことも勘案されるわけでございますが、それらにつきましては、必要性から、これらの問題について十分一つ考究いたしてみたい、こう考えておるわけでありまして、決して目的達成のために、今までのある法案をそのままでいかなければならぬのであるとか、その基準で押さなければならぬというようなことは考えておらぬわけであります。現在あります法律の範囲内におきましてはそれで行くよりほかない、こう考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/76
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077・二階堂進
○二階堂委員 これはこの前住宅の用地の問題でも、私は住宅公団の総裁にもお話申し上げたのでありますが、これは相当な宅地が必要であって、土地の買収なしなければならぬ。ところが東京都付近なんか特に土地の値段というものはだんだん上ってくるし、また土地が非常に少くなってきている。公団が土地を買う場合にも百円、二百円のことでいざこざしてなかなか解決しない。そうするとブローカーがいい土地を買い占めてしまう。ですから私はそこはある程度腹をもって、住宅にしましても道路にしましても大きな計画なんですし、これをある一定年限のうちに実施しようということですからして。それについてはある程度の思い切った補償をしてやる、そうして売る方にも早く納得してもらう、また公共性についての認識も大いに啓蒙してやる、協力を求めるということをやっていただきたいと思うのであります。
それから鉄道なんかと道路が交差する場各、これは今度は両大臣が協議をしてきめるということになっておりますが、これは従来たとえばこういう例が私はあると思う。土地改良組合が用水路の仕事を始める計画を立ててやっておる、たまたまそこに鉄道の交差点があった、そういう場合どうしてもこれは鉄道自体用水路が狭いために洪水等のときに被害を受ける、従って私は交差点の工事の一部は当然鉄道なんかが負担しなくてはならぬと思っております。ところが今までの交渉を見ると鉄道の方は、たとえば、土地改良組合が勝手に計画を立てて用水道の仕事を始めたのだから、当然あなたの方で全部の負担をすべきだという主張を強くいたしておることが再三あったのです。そのたびに私は国鉄に参りましてこのことを議論して、最後はしぶしぶながら金を出しておる、そういうことのために仕事が非常におくれた例が——私の鹿児島県なんか特に災害が多いのでありますが、多いのであります。道路の問題につきましても、鉄道の交差するところも相当多くなってくると、これについてはあらかじめ協議をすることになっておりますけれども、金を出すことになりますとなかなか話し合いかうまくいかぬ。ですからこれはある程度強力な話合いをするとか、あるいは法的な措置を一つ作って話をするということがなければなかなか仕事が進まない、鉄道等の交差点の問題につきましても、費用の分担につきましても、よくお考えにならなければ肝心の仕事が進まない、計画倒れになってしまうということが起きはしないかと私は懸念するので、こういうことを私見として申し上げておくわけであります。
次に道路十カ年計画ですが、これは建設省としても最後的におきめになったのではないということでありまするが、新聞等やあるいは大臣の御意見の中にも十カ年の道路計画というものをお立てになっている。国土開発縦貫道路にしましてもあるいは高速自動車道路にしましても、これは日本の国土を縦貫する大きな一つの背骨に匹敵するような道路ができるわけであります。この道路は日本の産業、文化開発の上に大きな役割をも果すわけでありますが、ただ背骨だけが通ったのではこの目的を完成することはできない。この背骨にやはり肋骨に相当するような道路というものがある相当な筒所につけられなければ、その役割を果すことができないと考える。十カ年計画をお考えになっておると承わりまするが、この十カ年計画の中にはそういう肋骨にも匹敵するような道路網というものを将来お考えになって十カ年計画をお立てになっておるのか、これは来年度予算のことについて大蔵省の当局も呼んでいろいろお聞きしたいと思っておりますが、今背骨だけを考えておられるわけでありますが、この背骨にくっつく肋骨に匹敵するような道路網というものもお考えになって十カ年計画なりをお考えになっているのか、この問題は三十三年度の予算の編成のときも出てくるわけであります。そういうものをお考えになって十カ年計画というものをお考えにならなければいけないと思っていますが、そういうところまでお考になっているかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/77
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078・富樫凱一
○富樫政府委員 ただいま十カ年計画のお話が出ましたので私から申し上げますが、十カ年計画におきましてはお話のように道路網の整備という観点で計画を立てておるわけであります。今回国土開発縦貫自動車道ができることになりましたので、これは道路網の一番背骨になるものでございます。道路十カ年計画におきましてはこの背骨がどのくらい建設され、それに応じてその肋骨がどのくらい建設されなければならぬかということを、道路網整備の観点からきわめて参りたいと思っておるわけでございますが、この十カ年計画におきましては、高速自動車国道といたしましては東京—神戸というようなところになろうと思いますけれども、この肋骨につきましては高速自動車国道ということではありません。一般の道路で、つまり二級国道が主体になるわけでありますが、国道を横断する道路をこの十カ年で建設するというように計画いたしたいと考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/78
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079・二階堂進
○二階堂委員 そのことについては私は自分の意見もありますがここで議論はいたしません。交通網の整備に関する十カ年計画というものを経済企画庁が考えておる。たとえば鉄道にしましても、海運にしましても、道路にしましても、そういう今後十カ年の経済の将来の発展とにらみ合せて、特に輸送の隘路の打開ということに立脚して、十カ年計画というものをお立てになると私は思っておりますが、経済企画庁が考えております道路網の計画でありますが、この計画のうちの経済企画庁が考えております道路に関する考え方、そういう資料が私はあるはずだと思っております。道路局とせられましても、そういう基礎的な資料に基いて、輸送の緩和を道路に求めるとするならば、道路の負担する部面がどうなっておるのか、鉄道、海運、道路、これが日本の今後の産業の規模拡大に即応して作られていかなければならぬと思う。それがいわゆる石橋あるいは岸内閣の政策の一つの大きな支柱であると考えておりますが、経済企画庁が考えております道路交通の整備に関する資料というものを基礎にして、建設省の方でもお考えになっておると思うのでありますから、近い機会に経済企画庁なり、あるいはあなたの方で考えておられる計画の基礎資料というものを委員会にお示し願いたい。これは資料の要求を委員長の方にもいたしておきます。またこれらのことにつきましては、私は昭和三十二年度あるいはそれ以降の予算に関連いたしまして、建設行政一般についていろいろお尋ねをいたしたいと考えておりますから、この点につきましては後日に譲ります。
もう一点お尋ねいたしたいのは、機械力というものを相当使わなければ仕事が進まないと思っております。この機械に対する費用というものを、道路公団がやる場合には、公団で機械というものを相当購入しておやりになると考えておりますが、私は機械力というものが相当機能を発揮しなければならぬと思っております。今、日本の道路工事を見てみますと、とにかく失業救済の目的でニコヨンの連中を使って仕事をやっておるところも、市街等にはたくさん見受けるわけであります。これはなかなか仕事が進まない。東京都内においてもそうでありますが、今後こうした大きな規模の道路を作られる場合には、相当な機械力というものをお使いにならなければ、私は仕事が進まないのじゃないかと思っておりますが、この機械設備費と申しますか、そういうものについては、どういうふうにお考えになっておるのか、あるいはこの公団の方で一体どれくらいの機械を買って仕事を進めようとしておるのか、この機械力についての今後の考え方、どういうふうにお考えになっておるか、局長にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/79
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080・富樫凱一
○富樫政府委員 道路整備五カ年計画におきましても、機械整備費という別の項を設けまして、これで五カ年計画を機械についても立てておったわけでございます。十カ年計画につきましても、同様にいたしたい考えでございますが、御説のように機械力を十分に利用しなければなりませんので、その点は、今後におきましても十分機械力を重視しまして、計画を立てていきたいと考えておるわけでございます。公団において実施いたします工事は、主として請負でございますので、公団がみずから機械を買うということは、従来——これは去年から発足したわけでございますが、今までは少いのでございます。しかし今後大きな工事を実施いたすことになりますので、公団が機械を買って、これを貸与するというような方法も考えなければならないと思っておるわけでございます。また国が実施いたします場合におきましても、請負が一々それぞれの機械を準備することは不可能でございますので、国が所要の機械を用意いたしまして、これを貸して工事をするというようなことも、研究いたしたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/80
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081・二階堂進
○二階堂委員 それらのことについても、いろいろお聞きしたいことがありますが、いずれあとに譲ります。
この公団がこれらの道路をやる場合、相当山の奥も将来通ることになると思うのですが、工事の最中に大きな災害があった。そうすると、またその建設費というものが相当かさむわけであります。そういう場合には、費用の分担はもちろん災害復旧国庫負担法により国がある程度の支弁をすることになろうかと考えておりますが、それによって満たされない金額が相当に上った場合、道路公団としては道路公団の費用の一部に考えられるわけであります。そうなりますと、料金の上にそれまで考えて、料金を高くとることになるのじゃなかろうかというような懸念もいたすのであります。そういう大きな災害はあまりないかもしれませんが、相当山奥を通っていくような道路も考えられるわけであります。そういったようなことが起った場合、国が持たない費用の一部を公団の徴収される料金に加えられるというようなことが考えられるかどうか。そういう場合は、どういうふうに処置されるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/81
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082・富樫凱一
○富樫政府委員 有料道路に災害を受けることを予想いたさなければならないわけでございまして、この災害を受けました場合には、別に災害復旧に対して補助金を出すように規定はされておるわけでございます。この補助金の率等につきましては、ただいま大蔵省と折衝いたしておるわけでありますが、災害を受けますと、補助金の率によりまして、公団の負担する分が出てくるのであります。これが料金にかぶってくるわけでございますが、料金のきめ方としましては、一般の有料道路につきましては、受益の範囲内ということになっておりますので、その限度を越えるわけにはいかないわけであります。そこで、それを押えますと、今度は償還期限が長くなるというようなことになるわけでございまして、災害を受けました場合には、償還期限が長くなるということも予想せられるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/82
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083・二階堂進
○二階堂委員 第二十条の費用の負担につきましては、先ほども質問があったのでありますが、この中に「著しく利益を受ける」というような言葉が出てきている。どこか前の条項にも著しくという言葉が出てきておったのでありますが、この「著しく」という限界ですね。どういうのが著しいと判定されるのが、どういうのが著しくないと判定されるのか、それは一体どういうふうに解釈されるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/83
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084・富樫凱一
○富樫政府委員 この著しいというのは、別にどれだけということをきめておるわけではございませんが、従前に比較して高速道路ができるために、常識的に判断して非常に利益があったという抽象的な規定の仕方でございますが、この二十条の二項につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、高速自動車国道の接続点に起り得るということを予想いたしておるわけでございます。ただ、そういう場合の費用の負担につきましては、別に法律で定めることにいたしておるわけでございますが、この著しく利益を受けるというのは、面積当りについてどれだけ地価が上れば著しくであるかというようなことは、ただいまのところきめておらぬわけでございますが、考え方といたしましては、従来原野であったようなところが市街地になるというような場合には、これは著しいことではなかろうかとばく然と考えておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/84
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085・前田榮之助
○前田(榮)委員 簡単なことですから、ついでに御質問申し上げておきたいと思うのですが、第四章の罰則の問題です。これは第二十六条に交通に危険を生じさせた者は、五年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。」とある。これは他の罰則も何ですが、刑法との関係で均衡がとれておるかどうかということは、大事な問題ではないかと思うのです。もちろん法務省と御相談になったか、ならぬか知りませんが、こうした交通に危険を生じさせた場合の刑法の規定は、二年以下の懲役または一万円以下の罰金、これは条文は二百円以下の罰金となっていますが、二百円は、現在五十倍の倍率で行いますから、一万円になると思うのですが、この刑法と非常な開きがあるのです。そういう点はいかなる基準に基いてこの罰則をきめられたか、お聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/85
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086・富樫凱一
○富樫政府委員 この罰則につきましては、法務省と十分打ち合せましてきめたものでございます。この第二十六条の場合には従来のものよりきびしくなっておるわけでございますが、これは高速自動車国道の性格から来ておるものでございまして、高速自動車固着は、自動車が高速で通るということがら、起ります事故も非常に大きなものが予想されるわけでございますので、刑の点もきびしくなったものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/86
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087・前田榮之助
○前田(榮)委員 その次にお尋ね申し上げたいのは、第二十七条も同じく宙くなっておりますが、これも前の事情と大体同じではないかと思うのですが、第二十八条は反対に軽くなっておるのであります。これはすなわち「過失により第三十六条第一項の罪を犯した者は、二万円以下の罰金に処する。高速自動車国道の管理に従事する者が犯したときは、一年以下の禁錮又は三万円以下の罰金に処する。」とある。これが大体三年以下の禁錮または五万円以下の罰金に一般刑法の方はなっておると思うのでありますが、すなわち高速自動車国道の管理に従事する者に対して、これは少し刑法よりかゆるやかになっておる点はまずいんじゃないかと思う。前の罰則は、この近代的高原自動車国道という性格から少し重くする必要を感じたといたしますならば、管理に従事する者についても正そうの緊張をさせる意味において、同じような性格を持たせた立法が必要ではないかと思うのですが、この点はどういうわけでかようになっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/87
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088・富樫凱一
○富樫政府委員 この点は、道路運送法百三十六条にきめられてありますところと均衡をとったわけでございますが、道路運送法の百三十六条には「その業務に従事する者が犯したときは、一年以下の禁錮又は三万円以下の罰金に処する。」となっておりまして、この犯した過失というものは、この百三十三条の第一項にきめられております。「自動車道若しくはその標識を損壊し、又はその他の方法で自動車道における自動車の往復の危険を生ぜしめた者は、五年以下の懲役に処する。」となっておるわけでありますが、この百三十三条第一項の罪を過失によって犯した者に対する規定が百三十六条でございます。この百三十六条とこの自動車国道と均衡をとったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/88
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089・前田榮之助
○前田(榮)委員 それがちょっと納得いけぬ点ですが、同じような性格は、二十六条、二十七条においても、近代的な高速自動車道路であるから、その緊要性から考えて厳重な処罰を行うべきであるという建前に立たれますと、やはり二十八条もそういう性格をこれに加味しなければ、二十六条、二十七条との均衡がとれないんじゃないか。それはなるほど道路運送法と一般従来のかかる犯罪等についての均衡は、それは今仰せられた通りであろうと思いますけれども、この法律がさようなことになっておりますなら、やはりこの国道の管理に当る者についても、前二条と同様な意味において相当な刑をすべきじゃないかと思うのですが、その点もう少し明確に御答弁を願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/89
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090・三橘信一
○三橘説明員 お答え申し上げます。二十八条の罰則につきましては、これは過失の場合を規定しているものでございます。それで二十六条の罰則につきましては、こういうことはあまりないと存じますが、管理者が過失によらないで二十六条の罪を犯した、違反をしたという場合には、管理者も二十六条の適用は受けるわけでございます。それが過失によります場合のことを二十八条に規定しておりまして、二十八条の前段におきましては、一般の者が罪を犯しました場合は二万円以下ということにしておりますが、それが管理者であります場合には、後段によりまして、一年以下の禁錮または三万円以下の罰金、むしろ一般の人よりも重くしているというような関係に相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/90
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091・薩摩雄次
○薩摩委員長 それでは質疑は次会に続行することといたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/91
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092・薩摩雄次
○薩摩委員長 この際、去る四月五日付託になりました内閣提出、日本道路公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。まず提案の趣旨につきまして政府より説明を聴取しいたします。南條建設大臣。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/92
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093・南條徳男
○南條国務大臣 ただいま議題になりました日本道路公団法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
日本道路公団は、御承知の通り、有料道路の建設管理を総合的かつ効率的に行うこと等を目的として、昨年四月設立されたのでありますが、以来同公団は、事業の推進をはかり、道路整備の促進に寄与して参っているのであります。
日本道路公団は、別途御審議を願っております高速自動車国道法案及び道路整備特別措置法の一部を改正する法律案に基きまして、有料の高速自動車国道の建設管理の任に当ることとなっているのでありますが、高速自動車国道の効用を確保いたしますためには、休憩所、給油所等の付帯施設を整備することが必要でありますので、同公団がこれらの施設の建設管理を行うことができることといたしたいと存じます。また、高架構造の有料道路の利用の合理化をはかるため、道路の建設と一体として設けることが適当であると認められる事務所、倉庫等を同公団が建設管理することができるようにすることが適当と考えます。
これらの点に関しまして所要の改正を加えることといたした次第であります。
まず第一に、高速自動車国道の円滑な交通を確保するために必要な休憩所、給油所その他の施設で政令で定めるものの建設及び管理を行うことを新たに日本道路公団の業務といたしました。
第二に、日本道路公団は、建設大臣の認可を受けて高架の有料道路の新設または改築と一体として建設することが適当であると認められる事務所、倉庫、店舗その他政令で定める施設を当該道路の新設または改築に伴い取得した土地に建設し、及び管理することができることとし、また、委託に基き、これらの施設を建設することができることといたしました。
第三に、これらの業務の運営の適正を期するため、業務を行う場合の基準を政令で定めることとし、公団は、この基準に従って業務を行わなければならないことといたしました。
以上の改正のほか、日本道路公団の事業の実施の円滑をはかるため、不動産登記法及び政令で定めるその他の法令の適用について同公団を国と同様に取り扱うことといたしました。
以上が、この法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決下さるようにお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/93
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094・薩摩雄次
○薩摩委員長 本案に対する質疑は次会より行うことといたします。
次会は明十一日午後十時より開会することといたします。本日はこれにて散会いたします。
午後零時五十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604149X01519570410/94
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