1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年五月十一日(土曜日)
午前十一時七分開議
出席委員
委員長 松井 政吉君
理事 竹内 俊吉君 理事 廣瀬 正雄君
理事 森本 靖君
小笠原三九郎君 亀山 孝一君
川崎末五郎君 纐纈 彌三君
齋藤 憲三君 濱地 文平君
三木 武夫君 粟山 博君
井手 以誠君 佐々木更三君
杉山元治郎君 原 茂君
出席政府委員
郵政政務次官 伊東 岩男君
郵政事務官
(大臣官房電気
通信監理官) 松田 英一君
委員外の出席者
郵政事務官
(電波監理局次
長) 荘 宏君
郵 政 技 官
(大臣官房電気
通信監理官) 平山 温君
日本電信電話公
社総裁 梶井 剛君
日本電信電話公
社副総裁 靱 勉君
日本電信電話公
社理事
(業務局長) 吉沢 武雄君
日本電信電話公
社理事
(施設局長) 米沢 滋君
専 門 員 吉田 弘苗君
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五月七日
委員鈴木周次郎君辞任につき、その補欠として
平野三郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月十一日
委員上林山榮吉君及び星島二郎君辞任につき、
その補欠として亀山孝一君及び纐纈彌三君が議
長の指名で委員に選任された。
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五月八日
電波法の一部を改正する法律案(新谷寅三郎君
外五名提出、参法第八号)(予)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
有線放送電話に関する法律案(内閣提出第一五
三号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/0
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001・松井政吉
○松井委員長 これより会議を開きます。
有線放送電話に関する法律案を議題とし、審査を行います。質疑の通告がありますので、これを許します。原茂君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/1
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002・原茂
○原(茂)委員 有線放送電話に関して二、三質問をしておきたいと思います。先に政務次官にお伺いして公社にもお伺いしたかったのですが、政務次官はまだ見えないようでありますから、それでは総裁がおいでになりますから、公社の方に先に伺います。
有線放送電話が今度新しい法律として施行されることになりますが、既設の電話の状態では、非常に普遍性がなくて困る、足らな過ぎる、ある意味では非合法的に有線放送電話というものがすでに既設のものとして行われてしまった。そこでやむを得ずこういうような法律によって現在の状態に合せようとしていくのか。そうではなくて、もっと積極的な意味を持たして、こういう法律によってもっと電話の普及というものを推し広めていくのだ、公社自体の力では現在それがなかなか困難だ、従って公社の側からいっても、むしろこの法律ができて積極的に電話の普及をこの形ではかっていきたいというような御意思なのか。それとも現在のできておる状態にマッチさせる、合法性を持たしていくのだ、最小限度の今できたものだけを合法性を持たせながら、本質的にはやはり公社自体の力で、電話をあまねく全国に普及できるようなことをしていきたいと思うが、しかしそういったことがなかなか困難だから、現在のことに合法性を持たせながらも、しかもこの法律によって、暫定的ではあるけれども積極的にこれをぐんぐん普及させていきたいのだというお立場なのか、そのどちらなのか、意思を一つ先にお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/2
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003・梶井剛
○梶井説明員 ただいま仰せがありました通り、公社といたしましては、農山漁村にも電話を普及したいという意思を持っております。しかし現在そこまでの力が十分ありませんので、かような有線放送のようなものがだんだん普及していくならば、むしろそれらの規格をよくして、そうして公社の回線と接続するようにしていきたい。それは現状を視察しました結果、現状のものは、放送と電話とを分離することができません。ただ時間的にだけやっておるのでありまして、分離ができません。そうしますと、普通の電話がみなラウドスピーカーに出てしまいますから、それを分離することがまず第一に必要である。また施設そのものがきわめて脆弱な設備でありまして、長く持ちません。従って故障が起りやすいのでありますから、そういうことのないようにだんだん進めていって、そしてわれわれは市内電話とも接続して、外部との連絡もできるようにしていきたいという希望を持って、この法案の構成を考えました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/3
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004・原茂
○原(茂)委員 そういうことになると、これは次官が来てからの質問に関連してくるのですが、そういう積極的な意図があるとすると、現在のこの法律に附帯的にもう少ししっかりした何か機器とか施設に対する規格、基準といいますか、こういうものが明瞭になっていないと、せっかくの意図があってもちぐはぐになって、その意図の達成が困難になる、むだに金が使われる、悪い設備等が作られていくというようなことがおそらく全国的に起きてくるだろうと思うのですが、何かそのために用意してある規格、基準というようなものがおありになるのか、もしあるとするなら、私はこういう中にはっきりと簡単でいいからうたわなければいけないのじゃないかと思うのですが、こういう点は公社の方はどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/4
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005・梶井剛
○梶井説明員 私どもとしましては、現在の普及状態を見ておりますると、要するに電話として希望しなくても、有線放送としてすでに農村の人々が満足しているものもあるのです。従ってそういうものに対してあまり規格を厳重にして、かえって経費が非常にかかるというようなことがあってはまずいのじゃないだろうか。次にはそれを実際につなぐという場合になりますと、お尋ねの通り規格を相当よくしなければならない。そうしますと経費が相当高まって参ります。それを農村が負担し得るやいなやという問題があります。でありますから、現在われわれが使っております規格よりも、もう少しグレードを落しまして、そして比較的安くてしかも一般の通話にもどうにか——多くは長距離でなく使うわけですから、そういうふうに持っていきたいというので、規格そのものも一応は調査してありますが、何分にもこういう技術上の問題でありますので、これは法律にあまり規定いたしますると、動きがとれなくなってしまう、むしろ技術の進歩によって、将来安くてそして比較的有効なものを作るように進めていきたいという考えでありますので、法律上にはさようなことはあまり詳しく書きませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/5
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006・原茂
○原(茂)委員 私の聞き方が少し足らなかったので、今のお答えがあったと思うのですが、もとよりあまり規格を厳重なものを法律の明文の中にうたって、その規格に準拠しろ、こういう態度は要求しようとしているのじゃないのです。そうじゃなくて、やはり今言ったこういう普遍していくことを積極的な意図でやっていきたいということが、この法律に盛り込まれているとするなら、規格基準を示しておいて作っておいて、それに基いての、公社あるいは政府当局でもいいですが、助言なり指導をするということを一応正面に出してやって、将来この規格に当てはまってないと外部とのあるいは今の有線電話との接続等の場合に、接続ができなくなるぞといって、指針といいますか、めどを、これは少し落しても何でもいいのですが、めどだけは示しておいてやらないと——それによっての助言とか指導が少くともできるように、決してその法律で取り締るとか、その規格に当てはまらなければいけないのだというようなことを強く打ち出す必要はないと思う。それでは発達しないと思いますから、いいのですが、少くともそういう標準だけは与えておいて、その与えられた標準でないと、もし接続しようという場合には、調査をした結果接続がだめになりますよ、こういうことの言えるように、相手はしろうとですから、ある程度規格、基準というものを正式に発表してやって、そうでないと将来こうなりますよという指針を与えてやる必要がある、こういう意味なんですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/6
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007・梶井剛
○梶井説明員 この問題につきまして、規格、基準が一応できておりまするから、監理官の方から一応御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/7
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008・平山温
○平山説明員 お答え申し上げます。今原先生からお尋ねの点につきまして、公社の方からいろいろ御意見があったわけでございますが、この法律は、有線放送に電話を行うという、簡単な機械を有線放送設備に付置した有線放送電話の問題を規定した法律でございますが、御承知のように現在この種のものがだいぶできかかっておるわけでございます。そこでこれはこれといたしまして、一応この法律にありますように、業務の地域を区切ったり、あるいは接続を制限して規制することにいたしておるわけでございますが、一方郵政省といたしましても、ただいま公社の方から答弁がありましたように、農村の電話としてこれだけで十分だと考えておるわけではございませんので、むしろ公社の本格的な電話の方が農村の方にも逐次普及していくことを期待しているわけでございます。その場合にただいまお話がありました規格とか基準という点をどう考えるのか、かようなお尋ねであったと思うのでございますが、公社の方の農村に対する電話の対策といたしましては、この国会におきましても副総裁その他の公社の関係の方から構想が述べられておったわけでございますが、これはあくまで公衆電気通信の一環としての体系に入るものだと思います。そちらの方のものにつきましては、基準の問題についてもある程度当然考えていくことにいずれなろうかと思うわけでございます。それでただいまのところは、その問題についてはさしむきこういう形でやりまして、その状況がはっきりいたしましたところで、いずれ公衆通信法としても考えなければならぬ問題だと思っておるわけでございます。さようなわけで、この有線放送電話法といたしましては、このものを直接公社とつなぐということは一応考えていないわけでございます。ただこれが、先ほども総裁の方から話がありましたように、現在の公社の規格そのままのものでないにしても、もう少し現在の有線放送電話よりは規格が上って、公社よりは低いにしても、もう少し公衆通信につないでも差しつかえないという程度まで上げる必要があろうかと思います。しかしそういうものができまして、これを公社のものとつなぐ場合には、これは公衆通信の一環として考えるわけでございますから、そちらの基準の方は先ほど申し上げましたように、この有線放送電話法の問題でなしに、公衆電気通信法の問題として考えて参りたい、かように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/8
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009・原茂
○原(茂)委員 筋はそれでいいと思うのですが、有線電気通信法ですか、これによってその規格、基準を実施してもらうのだということになると、実際につなごうとする場合には規格に当てはまらない場合が非常に出てくるのではないかと思いますが、そういう心配はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/9
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010・平山温
○平山説明員 私の説明では言葉が足らなかったと存じますが、公社の電話とつなぎます場合には、この法律のいういわゆる有線放送電話をそのまま公衆通信体系とつなぐことは、今度の法律では一応禁止しておるわけでございます。ただこの設備を母体として改善を加えていった場合に、規格が上ったものになる。実態的にはこれがもう少し改修されたものかもしれませんが、そういう場合には、有線放送電話をつなぐというのではなしに、やはり何といいますか、公衆通信に、公社のこの間の構想で申し上げますならば、いわゆる団体加入電話の一環として規格の上ったものができた場合に、公社の通信体系の中に入れていく、かようなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/10
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011・竹内俊吉
○竹内委員 関連して。今の監理官の御答弁は、先ほどの総裁の御発言と私は非常に食い違いがあると思う。これは非常に重大な問題だと思いますが、先ほど原委員のお尋ねは、この有線放送電話に関して、こういう法的な規制を設けることの意図はどこにあるのか。つまり第一条にうたってある「有線電気通信に関する秩序の確立に資する」とは、どういうことを意味するのかという意味のことを私はお尋ねしたのだと思う。それに対して総裁は、有線放送の昨今非常に日本の農村に普及してきた実態にかんがみて、その施設の利用普及をはかる意味においてこの規制を考えるのだ。そのはかる意味とはどういうことかということを総裁はこう説明したと私は聞いておる。将来はこの有線放送に附置されておる電話を公社の線に接続するがごとき意図のもとに指導していきたいという意味を相当含んでおるのだ。そのためには接続の基準あるいは技術基準等について今足らないものがあるから、直ちにこれは行いがたいが、将来はこの設備そのものを公社線に接続することを考えておるのだ。今はこれは一応基準が違うからできないが、そういう意図のもとに考えておるのだ。こういう御発言をなされたと思いますので、これは非常に重大だと思う。と申し上げますことは、ここに資料がたくさんありますが、つまり農村、農協その他の関係から出てきておるいろいろな希望を見ますると、究極の要望は、公社線に接続してほしいということが農村側の要望なんです。その要望に総裁はこたえたと思う。今はすぐにはできない、そういう方向に持っていくためにいろいろな設備をよくしていきたい、そのためにもこういう規制が必要だ、こういうお答えであったと思うが、さて監理官のお答えは、それは考えていないのだ、それは全然別途な方向で農村電話の普及を考えておって、それはこれとは違うのだ。こういう御説明で、非常に私は食い違いがあると思う。重ねて私は総裁にお尋ねしたい。あなたのお気持は私が理解したところと一致すると思うが、どうなのでございますか。そういう意味で御発言になったと思うか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/11
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012・梶井剛
○梶井説明員 具体的な例で申し上げますると、現在の農村有線放送というものは、電話機がぶら下っており、さらにラウドスピーカーがぶら下っておる。しかしわれわれは技術の進歩から考えまして、将来放送と電話とを同じ回線で分離ができる、こう考えております。そういうふうに分離ができました際に、すでに御説明したと思いまするが、農村等地域団体加入電話、そういう制度によって有線放送の電話をほかの方へも接続するようにだんだんしていきたい。今すぐでは放送と電話とみな一緒になってしまうので接続することができない。けれどもこれが接続し得るような規格に、なるべく今から持っていった方がいい。だからして将来そういうことを想像して、われわれは現在金を投じられるならば、なるべくならば将来接続し得るような状態のものになるように、そういうふうに改造ができるようにして有線放送をやっておいてもらった方が、むだが少いのじゃなかろうかという考えを持っておるわけであります。でありまするから、根本の考えにはそういうものがありますけれども、この有線放送に対する法律案要綱というものは、それがそのまますぐ現われておるわけではありませんので、ただそれの基礎として、そういう考えを持って、われわれは今度の有線放送につきましても一応考えているということを申し述べたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/12
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013・竹内俊吉
○竹内委員 それでは先ほどの総裁の説明は、結局今公社で考えておる団体電話を、この有線放送の公社線につないでほしいという希望の見返りの対策として考えておる、具体的にはこういうことですか。それならば有線放送とは問題は全然違う。別にそういう方法もあるということと、有線放送の設備を公社線につなぐことを今から考えるということと私は全然別だと考えますが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/13
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014・梶井剛
○梶井説明員 現在におきましては接続ができる程度のものではないのであります。でありまするから、これは接続するという前提のもとには判断するわけにはいかない、しかしこれを将来改善していけば接続ができる、こういう意味であります。その改善するのにむだのないようにしていきたいという意思がこの中に入っておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/14
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015・竹内俊吉
○竹内委員 それでは重ねてお聞きしたいが、この技術基準、接続基準が合致するものであれば、今度この有線放送電話を公社線に接続してもよろしい、こういう御意向ですか。それがたといそういう技術基準に達しておっても、この有線放送電話に関する法律案の第一条にうたっておる「有線電気通信に関する秩序の確立」の点から考えてみても、それは今は適当ではないのだという考え方のようにわれわれは伺ってきたが、あなたのおっしゃる点では、技術基準で不可能だからできないので、公社線につなげる技術接続基準に達しておれば差しつかえないのだ、こういう意味ですか。そこは非常に重要だと思いますから、はっきりしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/15
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016・吉沢武雄
○吉沢説明員 今の御質問に対しましてお答え申し上げます。ただいま問題になっています有線放送電話に関しましては、技術基準の点につきましては、先ほど原委員の御質問がございまして監理官からお答え申し上げたように、特別な技術基準を作っております。と申しますのは、第一条にありますように、現在の有線放送そのままのものをある意味で認めまして、そうしてこれを育成していく、こういう観点でございまして、それには技術基準を高くすることによっては、現在やっております有線放送そのものは非常に金がかかる、あるいは現在これを否認せざるを得ないというような考慮がありまして、現在の法律はそういうふうになっております。さて今の有線放送電話そのものが以上のような技術基準の非常に低いものでして、また設備そのものも、例を申し上げれば、一回線にして五十も六十も共同電話、こういうようなものでありますので、公社の線と接続することは困難であります。従ってもしも接続を希望するというようなことがございますれば、これは先般も申し上げました農村等地域団体加入というような、公社の公衆回線に接続する一環としまして、ある程度の農村特有の電話というものを認めまして、そして接続を許す。その際におきましては、やはり公衆回線に接続するために、あるいは市外通話もできますために、一応技術基準を定めまして、それにのっとっていただく、こういうことになるわけです。従ってこの法律に基きまして一応有線放送電話ができた暁におきましては、なお接続を希望するというときになりました場合におきましては、今考えています共同電話の技術基準に合せていただきまして、その結果共同加入、団体加入、こういうものによって接続をして差し上げたい、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/16
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017・原茂
○原(茂)委員 そういう御説明があるから非常に重要なんですが、現在有線放送電話というものを施設したところ全部が、実際にはすぐ市外回線との接続を希望しており、その意図があるのです。現在その地域だけでいいのだというようなことを言わないと、こういった法律すら作ってくれない、認められない。ですから現段階ではやむを得ず一つの地域内だけでやっていくのだという形をとっていますが、腹の底では、将来どころか、できれば明日にも他地域との接続を希望していることは間違いないのです。その意図がはっきりしているのです。ですからそれを接続しようとするときには、また別な、いわゆる団体等の加入によって接続を許す。しかし許すときには、今度は新しい公衆電気通信法による基準で、再調査をするのか何か知りませんが、認定するのだ、そしてそのときだめならそれでいけないよということであれば、町村に与える打撃というものは非常に大きいのです。今日やらなければいけない公社の仕事というものが思うようにはかどっていかない、そこで本法を設けて電話の普及をはかっていくのだという総裁の御答弁がさっきあったのですが、そういう御意図があるならもっと親切に——他地域との接続に対する希望もにじみ出ているわけですから、そのときになってから、現在の設備は全部だめだ、正しい基準に合せてみたらいけないということになると、打撃は非常に大きいのです。ですから、現在からすでにその御意図があるならば、正しい規格、基準というものを示して、これによって助言とか指導はするけれども、決してこれで監督をしようとか、これにマッチしないから、適合しないから許可しないというようなことのないようにするのが一番大事だと思うのです。基準というものを明確に出してやり、接続を希望したときには最小限度これだけの基準に適合していないと接続できませんよということでなく、早く示してやって、もし質問があるならそれに対して親切な指導もする、助言もするということを同時にやっていかないと——この法律を作ってもらいたい、そして合法的な正式なものとしてそれを使いたいという地域の人々の考え方の中には、他地域との接続をあすにもやろうという意図があるのですから、それがわかっていて、しかもこの法律を作って、電話の普遍の困難な地域の状況を打開したいという積極的な意図が公社あるいは政府当局にあるとするならば、そのときが来てから接続できないなどという不親切な態度をとらないで済むように、規格、基準というものを明示してやって、それに合っていないともし将来接続を希望されてもだめですよということくらいは、ぴちっと明確に出しておかないと、なお気の毒な状態になるのではないか。こういう意味でお伺いしているわけですから、総裁と監理官のお答えが少し食い違っていたために竹内委員からも質問があったようですが、もう一度明確に、その積極的な意図のあること、その意図があるがゆえに一つの基準というものをある程度示してやり、それに対する助言とか指導というものを惜しみなくやっていく決意だとか意図があるということを、両者からお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/17
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018・松田英一
○松田政府委員 ただいまのお話まことにごもっともでございますけれども、現在の法律によりましては、先ほど平山監理官からも申し上げましたように、施設そのものをつかまえました場合、公社の設備とは接続できないということになっているわけであります。そこで必要な設備というものは、有線電気通信法できまっております技術基準で、ほかの通信に妨害してはいけないとか、あるいは人間とか物件に被害を与えてはいけないという程度のものが満足されればよいということになるわけであります。それより上のことは何も要求しておりません。通信施設自体といたしましては、金をかけてどんどんよくしていってよいものであります。公社の通信機に取り入れ得る場合は、一つの技術基準をきめまして、これに沿っておればつなぐことができますよということを申し上げまして——もちろん施設が従来よりできておるものでございましても、それをよくいたしまして公社の要求しているものに合致していけば、法律的にはこの施設ではなくなりますけれども、同じ施設が公社の施設につながっていくことが可能になるわけであります。従いまして、この法律の中でいろいろな技術基準を作りましてこうしなさいということは言う必要もございませんし、またやれないところでございますけれども、公社の方は指導して公社の方策をできるだけ早くやらせますと同時に、またそれをやる場合には内容をできるだけ広く周知させるようにして、たとえば金はあまり出せないが、とにかく近所の連絡だけでよいという人は、この法律による有線電話放送で満足してもらい、金は少々かけても技術をよくしてつながっていきたい人は公社の施設にやっていただくように、どちらの道もやれるように指導を進めていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/18
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019・梶井剛
○梶井説明員 今まで届出でやっているわけでありますから、私どもの方としては現状を継続するだけでありまして、出てきたものについてわれわれの方でかれこれ注意することもできなかったのであります、従って現在のものはすぐ接続するに十分な施設はなっておりません。今後のものに対しましては、もちろん郵政省の方へ書類が出て参るので、私どもは技術基準を作りまして、もし御相談があれば前もってよく話をして、できるだけむだのないようにしたいという考えを持っております。今監理官からお答えがあったように、この法律案そのものはそこまでは書いておらぬというだけでありまして、一方において団体加入制をできるだけ早くやりまして、そうしてよく皆さん方に周知さして誤まりの少いようにしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/19
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020・原茂
○原(茂)委員 政務次官が来られたので、関連しますから一緒にお伺いします。この法律を施行して積極的に電話の普及をはかっていくのだ、こういう意図が当局にも公社にもおありになる。そういう点からいくと、たとえば許可するとか、五年でもう一度やり直すとか、もしくは許可がおりてから幾日以内にやらないと許可を取り消すとか、いろいろな制限を設けておりますが、施設そのものも非常にラフなんだということを認めておられる。ラフであってもその地域の人間が便利を受けることができればよいということを今総裁からも一部言われたわけですが、そういう意図があるとするならば、あんまりやかましい許可なんかは必要ないのじゃないか、届出でいいのじゃないかと思うのですが、なぜ許可にしなければいかぬのですか。いたずらにお役人さんの仕事がふえるだけであって、何か昔からの官庁流の、えらそうに許可という言葉を使わなければ満足しないようなところが見られる。施設に対してはやかましいことは言わない、どうせラフなものだ、地域で話ができればいい、そんな簡単に考えているものを改まって許可制にしてみたり、認可がおりてから幾日までにやらなければ取り消すとかいうことは要らないのじゃないですか。これは次官どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/20
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021・伊東岩男
○伊東政府委員 今日まで農村電話の不備のために必然的に起った農村における有線放送及び電話をただいまも使っておるのであります。そのこと自体が違法であるということは、この前御答弁申し上げた通りでございますから、そうなればどうしても別個に法律案を作るべきものであって、そういう趣旨から今回の法律案は提案をいたしたわけでございます。しかし農村の通信、電話はこれのみによっては満足することはできないのでございますから、先般も申し上げましたように、やはり公社をして、さらに公社みずからが団体電話あるいは多数加入の方式をとってこれと並行していく場合に、初めて農村の通信ということが緩和されると、かように考えるわけでございます。そこで今お尋ねの、そういうむずかしい許可などをする必要はないのじゃないかという御議論は、一応ごもっともでございますけれども、やはり今後の見通しとして、現在も有線放送電話の設備が十分でございませんので、今後はできる限り基準に合うようなものに助言もし、指導もすべきものだと私どもは考えておりますので、やはり今度のこの機会においては、許可制をとった方がいいという意味から、許可制の方針をとったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/21
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022・原茂
○原(茂)委員 そうすると、この許可をしようというときには、一応何かの基準があって、その基準に照らして指導、助言をすることが前提で、これを許可をする。そのことができるから許可をするのだとなると、この法律に書いてあることとはだいぶ精神が違ってくるのです。そうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/22
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023・伊東岩男
○伊東政府委員 もちろんお話のように、積極的に助言、指導するということ、これは郵政省としても、あるいは電電公社としても可能ではございませんけれども、しかし今までは全然指導をする権限はなかったのでございますが、ここまで参りまして、許可までするということに相なりますならば、ある程度助言、指導というものはでき得ると、こう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/23
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024・原茂
○原(茂)委員 これはさっきから私がお伺いしているところに期せずして次官が首を突っ込んできたわけなんですが、基準をもって、そうして一応助言もし、指導もしようという意図がそこにあって、これを許可するというなら、やはり基準というものをはっきり示して、それに合わなければ許可できないとか、あるいはその指導とか助言に従わなければ許可をしないというようなことが補足的に考えられてくるわけです。許可をするしないという基準というものをあげてあるのには、この六つだけしかない。これ以外のことを今次官が言われているわけですが、この点を明確に一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/24
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025・伊東岩男
○伊東政府委員 技術上のことに関連いたしますので、監理官からお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/25
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026・松田英一
○松田政府委員 お答え申し上げます。ただいま政務次官かうお答え申し上げましたことをちょっと補足して申し上げますが、結局今度の有線放送電話に関する法律というものを国会でお通しをいただきまして、いわば従来非常に違法の疑いがあるというふうなことで、私ども役所の者といたしましても、実はこの取扱いに、何と申しますか、立場上非常に困っておったというふうな形のものが正式に合法的になって参りますと、この問題についてもいわば正面から取り組んでいける、従ってこの事態の解決というものも、今後いろいろ具体的にそれを指尋していけるというふうな意味で、確かに今政務次官が言われたような意味はあるわけであります。しかしこの法律そのものによって許可制といたします具体的な理由といたしましては、わが国の電話というものは、現在の有線電気通信法の態勢というものから考えまして、むしろ有線送放というものは、これは広い意味でいえばあるいは電話かもしれませんけれども、一方的なものでございますし、それは許可でなくて、届出でいい。それからまた自分だけの通信施設というふうなものは、やはり届出だけでよろしいというふうな態勢になっておりますけれども、いやしくも二人以上の間で話をするというふうな、いわば公衆通信と申しますか、そういったものは、これは全部——もちろん公社とかあるいは国際電電会社のものは特別の法律できめてありますので別でございますが、一般的のそういうものは、大体原則として許可になっているわけでございます。また現実にこの有線放送電話というものも、とにかくそういった意味で、ほんとうのというと変ですが、公社でやっておりますような電話ではございませんけれども、やはりそういう色彩のかなりあるものでございます。それがたとえば大都市のまん中へできるとか、あるいはいろいろの広いところへできるとかいうふうなことは、私どもとしては感心したことではございませんので、この法律の中にも書いてございますように、許可基準に合ったものだけはまあまあよかろうじゃないかということで、法律を作ろうとしているわけでございますので、やはりそこには許可というものが必要になってくる。そういった許可をして参ったものを、また先ほどいろいろ話が出ましたような工合に、私どもは正面から、いろいろ国会の御意思もくみましていい方向に持っていこうとするためには、いろいろそこに指導の必要もあり、またその可能性も出てくるというわけでございまして、具体的にこの施設そのものを監督するために、あるいは指導に従うなら許可するぞとかしないぞとかいうことは、全然考えていないわけでございます。そういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/26
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027・原茂
○原(茂)委員 次官の答弁、非常にいいことを言ってくれたからいいと思ったのですが、取り消されましたから、許可の今の六つの条件というものが満たされなければいけない、その通りでなければいけないということで、その次に、それでは許可は一応そういう意味で許可制をとるのだ、その一つの理由は、今までの慣例がある、もう一つの理由は、ここに書いてあるこういったことくらいはやはり調査した上でないと許すことはできない、こういうことになるのですが、これに一度許可を受けたものは、五年だけしか有効期間を持たせない。これはどういう意味で五年だけに限ったのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/27
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028・松田英一
○松田政府委員 五年ということをきめました理由は、大体こういったようにいわばある限られた場合に認めていくものでございますので、これはいろいろ将来を考えまして、それが永久的にそういう格好であるものというふうにまでは私どもは考えておりませんので、もちろんこれはある期限を切って認めなければならぬだろう。その場合にどれくらいがいいかということはいろいろ問題なんでございますけれども、一応現在ありますような有線放送電話の設備というものは、大体耐用期限が長くても五年というふうなものが非常にたくさんございますし、またほかの例を見ましても、これはあるいは少し趣旨が違うかもしれませんが、電波法だとかそのほかにも、一応期限をきめるというものについては五年というふうなのが割に一般の慣例でございますので、とりあえず一応五年ということにきめます。しかしもちろん状況によってもっと長くその状況があった方がいい、あるいはそのまま利用の状態が続かなければならないというふうな場合には、これの延長を認めていくということに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/28
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029・原茂
○原(茂)委員 ただ文章の形式を整えるために五年と書き入れただけですね。ずいぶんこれはむだだと思うのです。
それから、これは一つの地域だけしか利用することができないことになっているわけですが、たとえば社会的、経済的なものとして一番大きな問題は通学区、学校に通う地域の関係、あるいは今までの古い慣習、そういうようなものから、どうしても他の地域の一部だけには同時にやっていかなければまずいというときがあるし、そういう場所がある。そういうところに限っては、何か特別な便法を設けるか、あるいはその関連ある市町村の協議団体等を作らして、その協議団体の同時的な申請があったときは、その特定の地域だけは隣接するところを認めるようにするとかいうようなことを考慮してやらないと、この法律だけで画一的に一町村に限るのだとぴしっと切ってしまうと、せっかく生きていながらも——経済的な理由で全く同一体である場所あるいは通学区の問題等、その他いろいろな古い習慣等からいって、どうしてもちょっとだけ他町村の一部をあるいは二、三カ所を一緒に入れたいというような実情が方々にあるわけですが、そういう場合には何か特別に考慮するようなことが考えられているのか、そういう場合でも限られた一地域だけで、全部これはいけないということにするのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/29
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030・松田英一
○松田政府委員 ただいまの御質問になりました点につきましては、非常にデリケートなことでございまして、私どもといたしましては、この施設というものが、許可基準の中にもございますように、いわば共同社会的と申し上げますか、そういった一つのまとまりを持ったものの中の連絡を非常に必要とする、そういう場合にこの調整というものが出てくるのだということを考えまして、それを一つの許可基準にしたわけでございます。
〔委員長退席、竹内委員長代理着
席〕
しかしこの電話がそう広い範囲にどんどんと広がっていくということでは、一体何のために公社が全国一円に電話をやっているのかということになりまして、その間の調整に非常に苦心したわけでございます。そこでいろいろ考えますところが、結局現在相当合併町村等によりまして、いろいろ住民の事情等から考えまして、それに合うような格好での市町村の形態も考えられておるわけでございますので、そこで一応市町村をやはり最大限度にしておこう、その中においていろいろ申請者の都合によって、区域を適当にきめていけばいいのではないかということで、その間のいわば調整点としてここに出したわけでございます。その意味で、市町村を越えてこれを認めていくということは、私どもとしては調整の限界をやはりちょっと越えているのではないだろうかという意味に考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/30
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031・原茂
○原(茂)委員 緊急の事態が起きたようなときは、他地域との連絡等がやはり認められますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/31
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032・松田英一
○松田政府委員 お答え申し上げます。それはこの条文の附則の方に第九条の二というのがございまして、その三項に「前二項の規定は、前条第一項第一号又は第二号に掲げる場合は、適用しない。」ということを書いてございますのは、結局この規定が接続を認めておる規定ともなるわけでございます。そこで第九条の規定と申しますのは、第一号が「天災、事変その他の非常事態が発生し、又は発生するおそれがある場合において、災害の予防若しくは救援、交通、通信若しくは電力の供給の確保又は秩序の維持のために必要な通信の用に供するとき。」それから二号の「第十五条第一項の規定による命令を受けたとき。」と申し上げますのは、やはり非常事態によりまして国の方から接続すべきであるという観点で接続しなさいという命令を出した場合ということでございますが、そういった場合には接続していいということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/32
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033・原茂
○原(茂)委員 そういった場合には接続していいのですが、そういった緊急事態というものは、政府なら政府が、緊急事態である、あるいは非常な災害が起きたのだというようなことを判定して、命令したときのみあるいは許可をしたときにのみこれが許される。その設備を持っている者は、これは緊急事態だ、非常災害だ、こういったときに、自分独自の判断だけで行うということはできないのだろうか。とすると、一番大事なことは、その地域が小さな地域だけれども、それが国家的な大きな問題とは考えられなくても、緊急にこれを知らせなければいけないという事態が間々起きる。そのようなことが起きたときには、やはり今までの生活習慣あるいは社会習慣等からいっても、その他町村の公報を配るとか何かの連絡をするという点からいっても、山があるために、村は違うけれども施設を持っている一町村の隣にこぶのようにあるところは、常時一緒に意思の疎通をしているわけであります。それでこれはだれが非常事態だといって認定して許可するのか知りませんが、大きな事態でなくても、その小さな部落、地域にとっては、これは非常事態なんで緊急なんだ思われることがたくさん起きてくる。そういうときには、山があるためあるいは何かがあるためにこぶのようになっているところは、隣村ではあるが、こちらの施設を持った村と常に連絡をとっているところがたくさんある。そういうところでも、やはり申請した地域以外はいけない、一町村以外はいけないということをがちっときめてしまうと、そういう事態が起っても連絡ができない。そのために非常な思わざる災害等を招くことがあるということを考えるので、やはり隣の市町村でも、どうせこれは許可制をとったのでありますから、最初に申請をさせて、事実そこを調査してみて、なるほどこれはやむを得ざる飛び石だ、こぶだと考えられるところに対しては、これは常時同一地域としてその施設をすることを認めてやるというようなことをしておかないと、あまり機械的にこの法律を施行すると、不便が起きるし、間違いが起きてくるのではないかと思うのですが、そういう点はどう考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/33
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034・松田英一
○松田政府委員 ただいまの私の説明が少し足りなかったので恐縮でございますが、第九条の第一号といいますのは、これはだれが認定するということを書いてございません。ということは、結局その施設者がこういう事態であると認定すれば、そのときはやるということを認められてあると解していいと存じます。問題は、その認定というものが一体この条項に当てはまるものかどうかということが別に問題になるわけでございますけれども、しかし一応は本人みずから認定してやっていいという考えで、第二号の方が命令が出る場合、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/34
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035・原茂
○原(茂)委員 時間がないのであまりやれないのですが、そういう点を考慮して、他地域でもほんとうに飛び石のように、こぶのようについているところに対しては、最初から申請があり、これを調査した結果、やむを得ないと認めたときは許可をするくらいの幅を持たないと、どうもこの法律は少し機械的でいけないのじゃないかと思っておりますが、この点はあとで研究して、必要があればこれを改正すればいいのですから、やっていただきたいと思います。
最後にもう一つお伺いしたいのですが、この許可を受ける者というのは、前にも委員会で何か質疑があったそうですが、これは許可を受けるものは個人でもかまわないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/35
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036・松田英一
○松田政府委員 一応の建前といたしましては、営利を目的としなければ個人でもよいということになっております。私どもこういうふうにいたしましたのは、結局現在の有線放送というものを利用いたしまして、それに簡単な電話機をつけてこの電話ができるというふうなものが多いわけでございますし、また法律の建前もそういうことで考えておるわけでございますから、現在の状況といたしまして実際の事例はもちろん公共的な団体が多いのでございますが、そのほかにも非常に大ぜいの人が寄って共同でやる、この共同でやるということは、法律的にはだれかが代表ということになりまして、その代表者の個人名義になっているという例がまたかなりたくさんあるわけでございます。純粋に個人がやっているという場合は非常に珍しくてあまりないと思いますが、そういう例を考えますと、とにかく現在の状況を尊重するとすれば、もちろんそういう共同でやっているという場合も代表者を認めなければなりませんし、先ほどの建前からいたしましても一応団体あるいは個人ということを問わないで認めていく建前であります。しかし趣旨から考えて営利を目的とされるのは非常に困るということで、その制限だけははっきりいたしますということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/36
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037・原茂
○原(茂)委員 営利を目的とするということは、どういう範疇を言うのでしょうか。営利を目的としてやっているのだという認定ですが、どういうものが営利を目的としているというふうにきめるか、営利を目的としないというのはどういう場合をいうのか、その基準がはっきりすればいいのですが、それはどういうのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/37
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038・松田英一
○松田政府委員 営利を目的としているということは、もちろん説明によっていろいろ事態を調べなければならぬわけでございますから、この許可の基準のところにもございますように、「その業務及び当該有線放送の業務を営利を目的として行うものでないこと。」ということでありまして、両方の業務は不可分でございますから、それについて当然いろいろと、その設備を建設するときあるいは運営していくとき、どういった金、どういった収入を得てやっていくのかということを、許可のときに資料といたしまして説明をしてもらうつもりで私ども考えております。それを考えて、実際どうもこの施設は利益を得るためにやっているのだというふうに認定されるものは、許可しないということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/38
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039・原茂
○原(茂)委員 一例を申し上げてみますと、私が同士を五、六人語らうのです。そうしてたくさんの者がやったようにして署名をとる。これは簡単ですからやれます。そして五人だけ月給を二十万円にする。これは営利を目的でしょう、私ども語らった者のボスが自分の月給を二十万円にしようというのですから、月給が高過ぎるから営利を目的としているのだということが言えるのですか。そういう場合、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/39
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040・松田英一
○松田政府委員 そこのところは非常にむずかしい問題だとは存じますが、その報酬が社会常識から考えまして不当に高いものであるというふうなことで、そういった報酬をもらうことは一般に常識的でないというふうに考えられ、しかもその個人がやっているのだということになれば、それは個人の場合には月給として取っても利潤として取っても結局同じことになるわけですから、やはりある程度営利と見られても仕方がないのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/40
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041・原茂
○原(茂)委員 そういう基準といいますか、考え方で、実際に現在の既設のものをこれから判定しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/41
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042・松田英一
○松田政府委員 既設のものもやはりその基準で判定して参ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/42
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043・原茂
○原(茂)委員 そうすると、大体給料ならどのくらいのものなら営利を目的としないのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/43
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044・松田英一
○松田政府委員 その点を一がいにこれくらいということを申し上げることは非常に困難でございまして、その地方の実情あるいは一般的な社会常識、そういうことを考え合せてやらなければならないと思いますが、実際問題といたしまして私どもは、この施設というものが、従来も公共的な団体が主になって行なっておりますし、またそうでなければお互いに共同でやっていって、その代表者がやっている。代表者がやる場合には当然一応名義的には個人でございますけれども、全体の代表者というわけでございますから、そこに何か民主的といいますか、全体の監視の目が光っておるという状況になっておる場合が多うございますので、それでない場合というものは非常に珍しいというふうにも考えられますので、そういう場合にはやはり慎重な態度をとって参りたいというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/44
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045・原茂
○原(茂)委員 要するに良識に待つというわけですな。そこで本来なら町村とか農協、こういうものが主体になってやることが望ましいのだろうと思うのです。ところが、実際にはそれではこの目的が達成できないし、現実に沿わないのです。そこでいろいろできている協会とか新たにできた団体というものにも、やはり許可しなければいけないのだと思うのですが、その点は法人格の上では個人といえるような団体がたくさんあるわけですね。そういうものにも今後やはり許可していないと、この目的が達成できない、発達しない、こう思いますから、そういったことだけは、同じ個人といっても、そういう公共的な団体あるいは協会等には許可をしていくのだという方針を明示していただければいいのです。しかしながらさっきのお答えの中にもあったように、ほんとうに個人的な何かの画策によって営利を目的とするのだ、こう見たときには許可をしない、そういう場合には許可を取り消すということにするのだということをはっきり言っていただければいいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/45
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046・松田英一
○松田政府委員 お説の通りに私ども考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/46
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047・原茂
○原(茂)委員 次官、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/47
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048・伊東岩男
○伊東政府委員 これは非常に大事なことでございまするが、営利を目的とするものを規制するためには、料金をある程度規制することが一番簡単だと思うのであります。この点は今後十分研究して、これ以上取ることができない——私にどちらかというと、こういう今の有線放送のような実に厄介な、耐久力が幾らあるか、めちゃなことをやっておるのでありまするが、団体でやっていよいよ四、五年後には困る場合が多々ますます出てくると思う。むしろこういうことは個人にやらせてよいと思います。そのことがかえっていいのじゃないかと思っておるくらいでありますが、そこで営利を目的としなければ個人は立っていかぬわけでございますから、そこに手数料を制限するというようなことを研究したらどうだろうかと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/48
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049・原茂
○原(茂)委員 次官からとんでもない名案が出てきたので一言言っておくのですが、そのお考え、非常に私危険だと思うのです。さっき説明があったように、ほんとうに個人の営利を目的としない、この点だけは厳格に施行していかないと、それこそ利益本位に——もうけようというにはいろいろな方法がありますから、もうけたい人間は幾らでも要領よくやれるわけですから、個人に許しても料金の制限さえすればいいのだというような考え方は今のところ少し早過ぎる、こういうふうに私は思いますから、今のところそんなことを研究しないでおいていただきたい、これは希望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/49
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050・竹内俊吉
○竹内委員長代理 森本君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/50
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051・森本靖
○森本委員 先に断わっておきますが、あまり時間がありませんので、答弁をせられる方も一つ要領よく要点をつかんだ答弁をお願いしたいと思います。
まず今の個人の問題でありますが、次官はちょっと感違いをしておるように考えますので、この点は重大でありますので私は特にただしておきたいと思います。この有線放送電話を営利を目的として行うものでないということに、第四条第三号で限定をした法のゆえんというものは、大体これは当初この委員会においても論議をせられたときに、やはりこういうものは農協もしくは地方公共団体に許可すべきであって、個人には許可すべきでない、こういう意見が大体当委員会における与野党一致した意見だったわけです。その後これは自民党の政調会なり、あるいは政府の内部において討論をする際に出てきたのは、現在の有線放送施設協会というものが、これが団体であって、しかし法律上は個人である、こういう解釈になってくるので、これを個人は絶対にいけないということになる場合には、現在までやっておる有線放送施設協会というものは宙に浮く、だからこういうものについては許可しなければならぬので、個人というものも入れた、こういうのがこの法の制定されたゆえんだろうと思うのです。だから原則的にはでき得る限り農協あるいは地方公共団体、もしくはそれを背後に持つところの、民法上は個人であっても実際は有線放送施設協会、こういう形のものに許可をしたい、こういうのがこの法を出してきたゆえんだろうと思うのですが、そうじゃないのですか。そうでないとすれば、相当われわれとしては考慮し直さなければならぬ、そういう意見が当委員会においても圧倒的な意見として出てきておったし、また与党の中において討議せられたのもたしかそういう意見だと私は承わっておるわけですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/51
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052・伊東岩男
○伊東政府委員 原則としてはお話の通りでございます。大体有線放送が農村に発生したときは、業者がこれをやったものでございます。最近は公益上の立場、公共的の立場から町村もしくは農協がだんだんやって、最近では村営でやる場所がだんだんふえてきたのでございますから、そういう町村、もしくは農協等の団体でやらせることが原則でございますが、しかし今までやっておるものもありますし、今後もあるいは農協以上りっぱな一つの団体的な出願が出るような場合もあるかとも思いますから、原則としてはあなたのおっしゃる通りで差しつかえないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/52
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053・森本靖
○森本委員 だからここにいうところの個人というのはあくまでも民法上の個人であって、そういう個人ということであっても、具体的にはやはり各農民一人々々から千五百円なり二千円の最初の施設料というものを取らなければできぬわけですね。あとの千円なり千五百円というものを一応補助金をもらうにしても、個人の方からやはり取ってこなければならぬ。そうなってくると、これは民法上においては個人であっても、一つの施設協会という団体になるわけですね。だからそういうことを考えた場合には、とうてい純粋の個人に許可をするということはあり得ない。今言った有線放送施設協会というものは法律上は個人であるけれども、実際的には団体のような性格になっておる、こういうことになってくるわけですね、将来のこの個人というものについても。その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/53
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054・松田英一
○松田政府委員 実際の場合といたしますと、大体御説の通りだと思います。ただ法律的にいいますと、個人と書いてございますので、たとえばここに非常に奇特な人がおって自分は慈善事業的に全部寄付してやりたいということでもってやった場合に、そういう営利目的でないものとしている個人、そういうのはいかぬのだというふうには申し上げられない、こういうふうにお考え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/54
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055・森本靖
○森本委員 そこまで話が発展してくるとはっきりしたわけでありますので、そういうふうに慈善事業式にやるのはこれはめったにないことだと思いますので、実際問題としてのこの法案を論じたわけであります。
そこで経営の問題はそれでいいわけでありますが、次の第五条の期間の問題については、一応今原委員が質問をいたしましたので終りたいと思いますが、第七条の「有線放送電話役務の料金その他の提供条件及び当該有線放送の業務の利用条件について契約約款を定め、」云々、こうあるわけでありますが、これはそのところところによって、形態あるいは経済状態というものも相当違うとは思いますけれども、一応一つの基準といいますか、そういうものを郵政省としてはこしらえて、そうしてこれをやはり内外に、郵政省の基準というものはこういうものであるということを示す必要があるのではないかと思うのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/55
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056・松田英一
○松田政府委員 非常にありがたい御趣旨でございますけれども、先ほど原先生からの御質問にもございましたように、私ども中身の問題といたしましては、極力監督体制というものを強くしない体制をとりましたので、この規定は届出だけしてもらうということになっておりますので、それについて基準を示して、こういうものにしなければならないということは、ちょっと行き過ぎと考える次第であります。ただ許可のときに申し上げましたように、利益を目的としないということでもって、いろいろ考えております料金その他というものを出してもらいまして、それによって利益を目的とするものでないかどうかということを判定いたしますものですから、具体的にやっておりますものを、それと違ったものを届けて知らぬ顔をしている——何というか、届出もいたしませんと、知らぬ顔してもぐるということもあり得るわけでございますが、ここでもってちゃんと届を出してくれば、許可のときはああ言っておったが、実際は違ったものでやるということで、本人は縛られるわけでございますので、そういったものを届けさすということは必要と考えておりますので、ちょっとそれ以上の指導は無理かと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/56
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057・森本靖
○森本委員 私はこれは老婆心で言っているのであって、たとえば現在でもこの維持費と通話料を取っているところもあれば、取っていないところもある。それから維持費の高低もある。あるいはまた先ほど言った役職員の待遇等についても、かなり違った面も出てきている。それからこれを実際に保守する場合の保守のやり方等についても、かなり違ってきた面が出ている。それから電柱、外線のこのいわゆる施工の方法等についても相当違った面が出てきている。この法律をこしらえてそうして一つの、少くとも有線電話法としての水準を保っていこうという法律の趣旨からすると、やはりそういうものをある程度最高と最低の段階は一応の郵政省の基準としてきめて、そのワク内におけるその判断というものを、その経済状態とかあるいはそのときの事情によって変ってもかまわぬ、一応の最低と最高という料金、維持費の基準、それからこの契約約款、そういうものについての基準をやはり行政当局としてはきめる必要があるのではないか。あなたは非常に遠慮して発言をしておられるけれども、行政当局として実際これを将来運営していくという上については、そういうものをきめておいた方がかえって都合がいいのではないですか。それから必ずこれは将来政治家の諸君が背後にあって、これは許可しろ、これは許可してはいかぬということが起る可能性があると思う。こういう問題については、そういうこともいろいろ考えた場合は、やはりある一定の第七条によるところの基準というものは持った方が、私は事務当局としても非常にやりよい、こういうように考えているわけですが、どうですか、その点は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/57
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058・松田英一
○松田政府委員 仰せのように第七条の基準と関連いたしまして、たとえば営利の目的と考えられるというようなことの判定の材料としてのある程度の基準というものは、これは私ども定めていいと考える次第であります。ただ運用の問題につきましては、申請者の方々と御懇談申し上げて、こういうふうになるのが非常に運営上よろしいではないかというような機会というものはあっていいと思いますけれども、こちらから基準をきめて、これで行きなさいと言うことは、これは運営上の問題としては言いかねる。こういうように御了解願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/58
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059・森本靖
○森本委員 だからそれはこういうことでやりなさいということでなしに、一つのサンプルはこういうものだ、大体これから著しく逸脱しないように、これを一つの基準としてそれぞれ将来考えてお作りなさい、このくらいのことであって、何もこれでなければならぬと規制するわけでない。一定の基準を作って、これがサンプルで——今後こしらえていこうとするところの農村に対する行政サービスだと考えてもいいのですよ。これを強く強制するというふうにとってはまずいと思う。これは電話行政の一元化という面から見ても考えなければならぬし、あるいはまた全然知らない人に対する一種の郵政の行政サービスだ、こう考えて一応こういうものの基準というものをこしらえてやったらどうか、こういうことを言っているわけです。たとえば今日の労働立法というものは、一応の反動労働行政になっているけれども、あの法律の趣旨なんかにいたしましても、労働三法なんかにしても、労働組合法なんかにしても、一応あれは一つの労働行政に対するところのサービスで、しかも御丁寧に一応の規約までこの法律の上において基準を示しておる。そういうことを考えてみた場合に、この有線放送電話というものについても、やはり一種のサンプルをこしらえたらいいじゃないか、そうした方が事務当局もやりよいし、また申請する方もとっぴなものを持ってこないで、かえっていいのではないか、こういうことを私は言っておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/59
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060・松田英一
○松田政府委員 御趣旨まことにありがたい次第でございまして、私どもそのことを十分考慮して運用して参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/60
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061・森本靖
○森本委員 それから次の第八条でありますが、法律というものは読んだら読んだ通りでわかりますけれども、しばしば運用の面において違った解釈をせられると困るので、はっきり聞いておきたいと思いますが、この「もっぱら通話の用に供するための線路を設置してはならない。」ということでありますが、大体この法案を作られた方は、有線放送電話の線路は大体のところ有線放送を何%、それから電話は何%というのが、この法律に適合したところの運用であると考えておりますか。これは具体的には今いろいろ違ったやり方があるわけです。その基準を大体どの程度に考えておるかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/61
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062・平山温
○平山説明員 お答え申し上げます。この第八条に規定しておりますのは、一つの回線として通話に使っている時間、あるいは放送に使っている時間のどっちかの「もっぱら」だ、かような意味ではございませんで、電気的に申しまして、一つの針金に放送の通らない、電話だけが通る線があってはならない、こういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/62
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063・森本靖
○森本委員 だからこれは「もっぱら」ということはもっぱらだから、その通り解釈するわけです。それなら一律に五分間の有線放送をやって、あとは全部電話ということでもかまわぬかと聞いているわけです。ですからその基準というものをどうお考えになっているか。あなたも私たちと一緒に視察に行ったときを考えればわかる。ところどころによってこれは現実に違う。放送を半分くらいやっているところもあれば、放送はつけ足しで一日に一時間もやって、あとは全部電話に使っているというところもあるわけです。ですからその基準というものを大体どの程度に考えているか。法律を作る以上は、将来これを運用していかなければならないので、それをどの程度に考えているかということを聞いているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/63
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064・松田英一
○松田政府委員 その点を数字でどのくらいということを申し上げることはちょっと困難でございまして、むしろ私どもといたしましては、この法律は有線放送をやっておりながら、同時に電話も行なっていくものだというふうな建前のものでございますので、その法律をもぐるような運営をするということは、脱法行為であるというふうに考えなければいけませんので、そういった判定をどういう工合にやっていくかということは、やはり具体的な場合場合によって検討をしなければなりませんので、一がいに数字をあげてこうこうであるということはちょっと御容赦願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/64
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065・森本靖
○森本委員 これは一応はこの質疑応答では明らかにせねばいかぬですよ。たとえばこの間も電波監理局長、違った問題ですけれども、たとえば新聞とラジオの問題でも、電波監理局長はやむを得ず一〇%程度の資本についてはよいけれども、あとは云々というような答弁をいたしましたが、これは別の問題ですが、常識で判断するといっても、そのときどきの常識で判断をせられてはかなわぬですよ。半分でないにしても、少くとも三分の一は放送に使わなければならぬという最低の基準はこしらえておかなければもめるもとですよ。だからこの質疑応答の際に、あなた方の心がまえとしては、大体その総時間のうちのどの程度を考えているか、これははっきり言ってこうだ、有線放送電話というものが具体的にはこれは村役場か、農協か、漁業協同組合か、そういうところでなければ必要はないわけです。そうなった場合に放送をどの程度の時間を考えて、電話をどのくらいに考えるという一つのレベルというものは、この質疑応答において明らかにしておかないと、将来この法律の運用のときにあなた方自体が困ると思う。たとえば私がこの法律をたてにとって陳情に行ったときに、「もっぱら」ということがあるのだから、「もっぱら」ではなくて二十分でもやってかまわぬじゃないかということになった場合にもめるわけです。だから質疑応答の際にこれを明らかにしておいた方が事務当局としてやりやすい、こういうことを私は言っておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/65
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066・松田英一
○松田政府委員 非常にむずかしい問題でございまして、数字をあげてしまいますと、それならなぜそれがもっぱらかという説明というものは非常にむずかしいわけでございまして、私ども十分国会の先生方の御意思というものは腹の中におさめまして、この法律の制定の趣旨というものをくずさないように努力をいたしますし、また今後もそのやり方については国会でもいろいろと御批判もいただけると思いますし、実際のやり方としてまずい結果が起らないようにという努力をいたしたいということで、ごかんべんを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/66
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067・森本靖
○森本委員 それはわれわれの方もこの法の運用については絶えず見ておりますから、それはいついかなる場合においても、この委員会を通じてわれわれの意見というものを明らかにする機会はありますけれども、私が言っておるのは、そういう国会議員とか、国会の意見とかということよりも、具体的にこの法の運用をする場合に、逆に行政当局が困るだろう、だからこういう機会を通じて行政当局としてはこの法律を立案したときの考え方というものは、こういう考え方であったということを明確にしておいた方がやりやすかろう、あなたの方でやりにくいというなら、これはやはり一応有線放送電話でありますから、これは電話だけじゃないわけですから、少くとも有線放送をやって、その付属品として電話がついているというのがこの有線放送電話の考え方でありますから、そういうことを常識で考えるならば、半分々々というのが大体常識ですよ。しかしその土地の実情々々によっては三分の一程度が放送になって、三分の二程度が電話になっているというところもあるわけです。そういうことを考えた場合、大体普通原則的には半分々々程度が常識だろうけれども、しかしところと場合によっては最高三分の一ということもあり得るというくらいなのが今の実情じゃないですか。その辺を事務当局はその遠慮する必要はないと思うので、事務当局の考えていることをてきぱきと言えばよいと思うのですよ。これはあなた方が将来困ることだと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/67
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068・松田英一
○松田政府委員 どうも私どもの現在までの考えというものが非常に不満でございますために、十分なお答えを申し上げかねることをお許しいただきたいと思いますが、ただいまの御意見等によりまして、今後よくこの法律を施行いたしますまでの間に検討さしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/68
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069・森本靖
○森本委員 それではこれ以上あえて追及いたしませんが、この有線放送電話に関する法律は監理官が主として答弁しておりますけれども、有線放送の規正に関する法律については電波監理当局だろうと思います。そういうことを考えた場合は、この両者がよく相談をして、まとまった意見というものを将来はっきり出す必要があると思うのですよ。この法律が通っても、その実際の運用なんかにおいては、あなたの方と電波監理当局とが十分相談をして、そうして省議なり局議なり適当な機関にかけて、こういう問題については郵政省としての態度を統一をして、明確な方針を将来示すという方向にせられるなら、私はこの点については打ち切りますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/69
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070・松田英一
○松田政府委員 電波監理当局とも十分打ち合せいたして参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/70
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071・森本靖
○森本委員 それから、このあとは大体処罰の聴聞形式でありますので、これはありふれた条項でありますが、最後の附則の二項の、いわゆる他の業務区域とつながれぬという項目です。これは具体的に言うならば、この法律においては単位を同一市町村内に区切っておりますので、その同一市町村内においても、違った部落々々によっては、電話ができた場合においてもつないではならぬという趣旨ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/71
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072・松田英一
○松田政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/72
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073・森本靖
○森本委員 そこでこの部落々々では、この法律を施行するのは同一市町村内だから、せめてこれをつないでもらいたいという要望が非常に強い。けれどもそれはいけないということで規制をしておる。そこで前の論拠に戻りまして、こういうことを規制する場合には、電電公社との間の通話を規制するが、あるいは相互間の通話を規制するか、あるいはまた施設基準というものを規制するか、どれかを規制しなければ、この法案は正確に出てこないということはわかるわけです。この法案は、施設基準の規制は今までの関係があるので行わずに、主として通話の規制を生かしてきておるというのが趣旨だろうと思います。ところがこの条項では同一市町村内になっておりますので、たとえば同一市町村内にA、B、Cと三つのブロックの電話がある、これはつないではならぬということがこの附則条項で明らかになった。ところがこの三つが統合されて、一つの施設の電話業者として登録をされるということになってきた場合には、この三つは当然つなげる、こういうことになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/73
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074・松田英一
○松田政府委員 仰せの通りでございます。それは結局同一市町村内のこともこの規定でもちろんいっておるわけでございますが、同時に他市町村とできたものとの間でもやはりこの規定は適用されるわけでございます。これは申すまでもございませんが、同一市町村の中で二つとか三つとかできた場合にそれをつながせろという要求と、それを一緒にした場合ということは、結局一緒にするということはそれだけの関連と申しますか、緊密なつながりがよけいあって向うで一緒にするわけでございまして、その限度の中の通信というものは、先ほど申し上げました調整の限界点というものの中での向うの必要性によってやることですから、それはいいというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/74
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075・森本靖
○森本委員 そこでたとえばそういうことになっていいということになると、他の市町村は別ですが、同一市町村内においてAとBとCがあって、これが一つの有線施設協会ということになると当然つなげるわけですね。もっともその場合に、その統合されに中心から、これは相当の電柱を使って、引き込み柱くらいのものは相当大きなものにならなければ、三つのものが合同したものとはならぬと思うのですよ。そこまではいいわけですが、特に聞いておきたいことは、その電話は一つの交換に集中するわけだからそれでいいと思う。ところが農協の単位というのは、違った農協の単位がある。そうすると一つの施設協会の中において放送だけは三カ所から行われるということになった場合、これはいいのですか。こういうケースが必ず出てくる。たとえば現在の有線放送施設も、放送のもとは農協から放送している。しかし必要に応じては学校、警察から随時放送するという格好をとっているわけです。しかしこれはあくまでも臨時なんです。ところが今言った統合されたときには、臨時でないところのB、Cからも放送する場合があり得る、そういう場合はいいということになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/75
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076・松田英一
○松田政府委員 ちょっと私理解しかねたところがございますので、あるいは答弁違いがあるかもしれませんが、同じ一つの施設として、一つの業務区域のものとして認めましたものの中で、どこから有線放送が行われても、それは規制の範囲外でございまして、自由でございます。ただしかしつなげないものを有線放送をやるからといってつなぐということは、両方に電話がぶら下っている限りはつなげないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/76
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077・森本靖
○森本委員 そうすると現在のやり方は、今言ったように放送設備のところは一カ所です。しかしそれは一つの区域内では二カ所、三カ所、四カ所あってもかまわないということですね。そうすると今言ったように第九条の場合は、他の市町村は別である、同一市町村内においては、その経営形態が一つになれば、回線を作らなければならぬ財政的な余裕は要りますけれども、これはできる、こういうことになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/77
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078・松田英一
○松田政府委員 同一市町村内であれば可能でございますが、もちろん第四条の第一号の制限は許可の場合の判定基準にはなるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/78
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079・森本靖
○森本委員 だから私がさっきから聞いておったわけです。この一号と二号の条項はおかしいですよ。その一点は一つの部落単位を、単位にならないような格好においてとっているわけですね。この法の形態を見るとそうですね。ところが二号はその業務区域が同一の市町村内にあるということから、同一市町村内全部を一つの単位としてやってもかまわないわけですね。だから一号にはあくまで縛られるけれども、このごろは町村が合併されて相当大きな町村になっている。たとえば私の選挙区なんかに行くと、香川県がこっぽり入るような村があるわけですから、そういう村に行った場合には、こういう電話もA、B、Cと三つもあるわけですが、そういうのを一つの施設協会にしてしまって全部をやるということになった場合に、これは一号に触れるわけですか。そういうことを言われると一号と二号が妙に矛盾をしてくるような気がするのですよ。その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/79
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080・松田英一
○松田政府委員 もちろんその両者の関係というものは非常に密接な関連に立つわけでございますが、第一号を作りました以上、第二号の同一市町村内でなければならないという規定だけで、それが自由であるというなら、その規定だけで十分なんでございまして、あとは必要ないということになるわけですが、第一号の区域——もちろんこれは何も一つの部落単位ということを厳密にいったわけではございませんから、ここに書いてありますようないろいろなつながりを持ち、連絡が緊密であるというふうな場合が、町村全体にまたがる場合もございましょうし、また部分的の場合もあるだろう、あるいは場合によったらそういったものが町村よりももっと広がっている場合があるかもしれませんけれども、そういう場合には町村の範囲内で切るということで、町村の全体にまたがってそういう関係が生ずるか、あるいは町村の一部に生ずるかということは、そのときの具体的事情によるということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/80
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081・森本靖
○森本委員 この点は僕は明らかにしておいてもらわなければいかぬと思うのです。というのは、一号の趣旨は、あなたがどういうことを言っても、今言った香川県がこっぽり入るような大きな村になると、その村のある一定の地域の部落をさすのだ、この一点はどうしてもそうなる。ところが二号はその市町村内全部ということになっている。それで一つの大きな村があって、そのまん中に中心があって、そこは人口の密度が非常に高い、ところがその他の部落はこの一号にあるような部落である。そういう部落がA、B、Cと五つか六つある。その五つか六つのものが全部有線電話をそれぞれの単位に持っておる。ところがこれは同一市町村内だからということによって、それが合併して、一つの有線施設協会ということになる。ところが外線はそう中心を通っていかなければならない。中心を通っていっても、その中心に対しては電話をおろさない。おろさないけれども外線は通っていっておる。通っていって五つが一つにひっついたような形になって一つの有線施設協会ということになる。そういうことについては可能かどうかということを言っておるわけです。私が今言っておることは、第二号からいうならばこれは当然よろしいということです。ところが第一号を厳密に考えていくとちょっとおかしいということになる。その点が一号と二号が相矛盾した考え方に立たざるを得ない。これは法文を読んだのではなかなかわかりにくい。今私が言った具体的な例になった場合いいとするのか悪いとするのか、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/81
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082・松田英一
○松田政府委員 一号と二号とはいわば別の観点からできた規定でございますので、この法律の実態的な要請としてはやはり第一号が主であるわけでございます。そこでその緊密な関連性というものがその場合にどの程度まで考えられるかということは、具体的な事例によって判断しなければいけません。従ってそれが同一市町村内におさまる場合、あるいは市町村内全体に広がる場合、あるいはそれ以上に広がる場合、いろいろあるのでありますが、実際問題といたしましてはそんなことはないと思います。従って具体的な問題として今例に引かれましたような場合が、この第一号の規定にはまっておれば可能でございますけれども、第一号の規定から見れば、ただそういうつなぐ目的のためだけにやったものだということでは可能ではありませんので、たとえば同じ市町村内にあっても、甲の部落の固まりと乙の部落の固まりというものはその中に何のつながりもないのだという場合に、ただ両方の関連を持たせたいために一緒にするというだけのことでは第一号に入ってこない。非常に観念的な発言になりまして恐縮でありますが、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/82
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083・森本靖
○森本委員 これはその村の農事関係その他のものについては一つの方向でやっておるわけですから、たまたま地域が不便だからそれぞれの動きをしているだけのことであって、同一市町村内における部落と部落が緊密な連絡がないということは、社会通念上言えないと思うのです。だからさっきから言っておるような例がある。私はこの間千葉県を見に行った場合にもこういう例があるというので、帳面につけて持って帰ってきた。確かにこういう例があるのです。今も言ったように一つの市町村内の場合には五つあって、その五つがそれぞれやって、それが全然関連がないということは農村行政の上からいって言えないのです。そういう場合にはみんなで固まって一つの施設協会にしてやろうという場合にはいいかどうかということを言っておるわけです。私はその場合はいいと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/83
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084・松田英一
○松田政府委員 そういう場合は確かによろしゅうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/84
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085・森本靖
○森本委員 第四条の第一号は原則で、第二号がそれを若干補うという意味においてつけてあると思いますが、そういう例がこれから多々出てくるのではないかということも考慮されるので、私は執拗に質問したのであります。
大体各条項にわたる質問を終りましたが、ひっくるめて質問をしておきたいと思います。これは去年の委員会においても問題になりましたが、今までも有線放送の規正に関する法律が出ておって、これは届出制であった。今度ははっきり許可、認可ということになったわけですが、この有線放送電話ということについての下部における具体的な調査は、郵政省のどこがやりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/85
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086・松田英一
○松田政府委員 地方電波監理局で行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/86
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087・森本靖
○森本委員 電気通信監理官室というのは一体何人おりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/87
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088・松田英一
○松田政府委員 監理官室は現在定員二十名であります。ただし地方電波監理局は監理官室の仕事と電波監理局の仕事の両方の下部機構になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/88
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089・森本靖
○森本委員 そこでこれは郵政大臣が許可することになっているわけですが、具体的にはほとんど電波監理局長の方で調査して、許可した方がよろしい、許可しない方がよろしいという申請に基いて印をつくだけだというのが中央の今の実際のやり方でしょうが、実際運営されるときはそういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/89
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090・松田英一
○松田政府委員 実際の仕事はやはり大部分地方電波監理局長に委任するつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/90
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091・森本靖
○森本委員 この有線放送電話の法律が施行された場合に、この法律によって許可を受けなければならぬという施設は全国でどのくらいありますか。それから来年の三月三十一日まで、本年度の予算内においてどのくらいこういう施設ができるか、その見通しはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/91
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092・松田英一
○松田政府委員 大体現在におきまして九百くらいになるだろうと思います。最近のものは的確な数字をつかまえておりませんが、大体今のところそういうことになります。それから昭和三十二年度中に出て参るだろうと思うのが、約八百くらいではなかろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/92
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093・森本靖
○森本委員 これを調査する場合には、届出制でないから結局机上審査というわけには参らぬわけですね。必ず現地に行って調査しなければならぬということになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/93
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094・松田英一
○松田政府委員 これは必ずしも全部その現場の状況を実地に見てこなければならないかどうかという点については、いろいろ話を聞いたり、あるいは調査を他の方面に依頼したりというようなことで処理し得る場合もある程度あると思いますし、また現実に行って現地調査もしなければならない場合も出て参るというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/94
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095・森本靖
○森本委員 そんなあやふやなことを言われると、どうしても納得ができぬ。これは言葉じりをつかまえるようだけれども、心にもない答弁はせぬようにしてもらいたい。他の方面に依頼するというのは、電波監理局がどこに依頼するのか。そういうことではないと思うわけです。今までの認可制ならいいのですよ。この条項をもってはっきりしようということを考えているわけです。そうするとこれは現地に行ってみなければどうしてもわからぬですよ。それを机上だけでやろうということでは、うそを言ってきてもそのままで通るということになる。そんな許可、認可なら届出制にした方がいいのだ。建前としては一応全部現地に調査に行くのが建前でしょう。現地をはっきり見て許可するというのが建前ではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/95
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096・松田英一
○松田政府委員 先ほど他の方面と申しましたのは、そのときの電話の状況等を具体的に知りますために、電電公社の電話局の方面にも依頼するということがあるだろうということを考えまして申し上げたわけでございます。それから実際この施設の状況というものを具体的に把握して、許可をして参りたいというのは私どもの希望ではございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/96
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097・森本靖
○森本委員 それは今年は予算がないからそういう苦しい答弁をせざるを得ないだろうと思うのですけれども、これはそんなことじゃいかぬですよ。原則としてはこれははっきり現地を調査をして、そうして現地の係官が現地に行って、そうしてその係官が電電公社の電報局なり電話局なり通信部に行って自分で聞いて、それから自分の判断で許可するなりしないということをきめるのが当りまえなんですけれども、それを文書で電電公社に一つこれをやってくれぬかといっても、電電公社はまじめだから全部きれいに回答するかしらぬけれども、自分の仕事ではないものをそう本気になって回答しはしませんよ。それは私はあとから質問しますから、その点は心配なく答えてもらっていいのだ。今年度は予算がないことはわかっているのです。しかしこれは来年度の問題もあるから、そんな答弁はいかぬですよ。これは原則としてはっきり現地を調査して、そうしてその上において許可するというのが正しいのだという確信を持たなければ、あなた方事務当局としてはいかぬですよ。そのあとの問題についてはまた私は私の観点から質問しますから、そう先走って遠慮した答弁は必要ないですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/97
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098・松田英一
○松田政府委員 お説の通り運用して参りますのが一番いい方法だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/98
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099・森本靖
○森本委員 そこでこれは事務当局の責任ではないので、政務次官に伺いますが、大体九百と八百ということになると本年度約千七百ということになりまして、電波監理局があるのが十でありますので、これから調査に行くとすれば、大体一人が調査に行ったにいたしましても、これは旅費だけでも相当の予算が要るわけです。この部面の定員ということも考えた場合、これは相当の予算措置を講じなければ、ほんとうにこの法律を生かしていくところの運営ということはできぬわけです。ただし本年度はそうかといって法律は通ったは、予算がないのでほうり投げておくということではいかぬので、今言ったような机上審査というようなやり方もあるかもしれないが、そういう点については何か郵政省内で差し繰るといっても、これは一般会計でありますので、ほとんど不可能です。現在の予算のワク内でやれる範囲内で行わなければならぬ、こういうことになりますが、これは政務次官よりも電波監理局長の方が実際に運営するのですがどうですか。電波監理局としては自信がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/99
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100・荘宏
○荘説明員 私どもも現在の予算でやらざるを得ないわけであります。法律が通りました以上は、電波監理局といたしましては現在の人と金との差し繰りによりまして、何とか仕事をやって参りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/100
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101・森本靖
○森本委員 だから官庁の予算というものは、一般の者は一つもわからぬということをよく言われるのは、三十二年度の予算を審議するときにも、予算委員会で私の方から郵政大臣とそれから電波監理局長に質問すると、今年度のこの予算というものはぎりぎり一ぱいで、特に電波監理局としては六百名からの人員を要求しておって、一名もくれぬ、そこで本年度はぎりぎり一ぱいで非常にむずかしい運営でありますが、来年は十分に予算を獲得したい、こういう答弁をしておいて、それから直ちにそのぎりぎりの予算のワク内において、もう一回こういう膨大な仕事を始めよう。そのぎりぎり一ぱいのワク内においてできる限りやろう、こういうちぐはぐなことをちょいちょい答弁せられるので、この点は将来の行政事項として十分お考えを願っておきたいと思う。そういうことの行政事項をちゃらんぽらんにやったのでは、下部に対するしめしというものはつかないと思うのです。だからこれについては来年度の予算はほんとうに十分考えて予算措置を講じなければ、たちまち行き詰まってしまうと思うのです。その点を一つ明確に政務次官の方からお答えを願っておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/101
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102・伊東岩男
○伊東政府委員 お話の通りだと思いますので、将来においては十分お話のようなことで遺憾なきよう、予算を獲得するように努力いたします。
〔竹内委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/102
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103・松井政吉
○松井委員長 他に質疑はございませんか。——別に質疑がなければこれにて本案に対する質疑は終了いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/103
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104・松井政吉
○松井委員長 御異議なければ、これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
次に討論に入るのでありますが、別に討論の申し出がありませんので、討論はこれを行わないで、直ちに採決いたします。
有線放送電話に関する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/104
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105・松井政吉
○松井委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
この際本案に対して附帯決議をなすべしとの動議が提出せられておりますので、この趣旨説明を求めます。森本靖君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/105
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106・森本靖
○森本委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま可決されました有線放送電話に関する法律案に次の附帯決議を付する動議を提出いたします。まず附帯決議の案文を朗読いたします。
附帯決議
日本電信電話公社は、全国あまねく、且つ、公平に、公衆電気電信役務を提供する使命を負うものであるから、有線放送電話に関する法律の制定施行如何にかかわらず、政府並びに公社当局は、向後一層、農山漁村等従来比較的通信の利便に恵まれていない地帯における公衆電信電話施設の拡充、サービスの改善に努むべきである。
右決議する。
以上であります。次にこれが趣旨を簡単に御説明申し上げます。
元来郵便電信電話等通信事業は、広大な地域内において通信の伝達を使命とするものでありますから、その経営形態は単一を理想とするものであり、この事業の本質から来たる要請に従って、わが国でも公衆通信事業は一貫して単一独占経営の形態をとってきたのでありまして、この方針は昭和二十八年制定の有線電気通信法においても原則的には堅持されており、有線電気通信設備を用いて他人の通信を媒介したり、その設備を他人の通信の用に供する業務ができるのは、特殊の場合を除いては、電電公社と国際電電会社とに限られております。この見地からいたしますならば、今回の法案の対象となった有線放送電話は、電気通信事業経営の一元化を乱るものであり、また終局的には設備の二重投資を来たすものであって、これを法的に容認することは好ましくないと言えるのでありますけれども、われわれといたしましては有線放送電話が、農村社会におけるやむにやまれぬ実際の必要から生まれたもので、現実にその地域住民に多大の利便を与えているという事実、並びに電電公社の提供する電信電話サービスが、従来ややもすれば都市偏重に流れて、地方僻遠の地まで及ばなかった結果、このような自営的電話形態が生まれたという実際にかんがみまして、この法案の制定に賛成いたしたのであります。
しかしながら公衆電気通信法第一条にも明らかなごとく、日本電信電話公社は「迅速且つ確実な公衆電気通信役務を合理的な料金で、あまねく、且つ、公平に提供すること」を使命とするものでありまして、たとえ有線放送電話形態が法的に認められ、いかように発達を遂げたにいたしましても、これによって電電公社の電話サービスの全国普及義務はいささかも減殺されるものではないのであります。むしろ従来大都市における復興を急いだためにあと回しになった農山漁村のサービスを向上せしめることこそ、電信電話拡充第二次五カ年計画の最大目標でなければならぬのであります。かりそめにも農山漁村地帯の施設拡充が、都市におけるよりも採算上不利であるというような理由から、これに対して消極的であるようなことがあれば、それは公社の公共企業体たる使命を没却するものと言わざるを得ないのであります。聞くところによれば、公社当局も第二次五カ年計画の目標を小都市及び農山村地帯に指向し、かつ農村社会に適合する新電話加入制度を考究中とのことでありますが、私は政府当局がこの認識を誤まるようなことはないと思いますが、有線放送電話に関する法律案可決のこの機会において、あらためて政府並びに公社当局の熱意を喚起し、一段と積極的な施策の樹立を要望する意味において、この附帯決議案を提出いたした次第であります。何とぞ全会一致御賛成あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/106
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107・松井政吉
○松井委員長 ただいまの森本君御提案の動議を、本案に付するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/107
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108・松井政吉
○松井委員長 御異議なしと認め、森本君提案の附帯決議を本案に付するに決しました。
なお本案に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/108
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109・松井政吉
○松井委員長 なおこの際お諮りいたします。日本放送協会昭和三十年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書が、去る七日本委員会に付託になりましたが、本件につきましては審査の便宜上、次の諸君を参考人として、本件審査中随時説明を聴取いたしたいと存じます。すなわち、日本放送協会会長永田清君、副会長小松繁君、理事溝上けい君、同稲葉駿作君、同池田幸雄君、経理局長首藤憲太郎君、以上六名でございます。これらの諸君を参考人として本件審査中御出席、説明を願うことに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/109
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110・松井政吉
○松井委員長 御異議なきものと認め、さよう決しました。
次会は明後十三日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02519570511/110
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