1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年三月二十九日(金曜日)
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議事日程 第二十二号
昭和三十二年三月二十九日
午後一時開議
第一 特定多目的ダム法案(内閣提出)
第二 入場税法の一部を改正する法律案(大蔵
委員長提出)
第三 産業投資特別会計法の一部を改正する法
律案(内閣提出)
第四 印紙税法の一部を改正する法律案(内閣
提出)
第五 理科教育振興法の一部を改正する法律案
(内閣提出、参議院送付)
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●本日の会議に付した案件
検察官適格審査会委員及び同予備委員の選挙
日程第一 特定多目的ダム法案(内閣提出)
日程第二 入場税法の一部を改正する法律案(
大蔵委員長提出)
日程第三 産業投資特別会計法の一部を改正す
る法律案(内閣提出)
日程第四 印紙税法の一部を改正する法律案(
内閣提出)
日程第五 理科教育振興法の一部を改正する法
律案(内閣提出、参議院送付)
私立大学の研究設備に対する国の補助に関する
法律案(内閣提出、参議院送付)
行政機関職員定員法の一部を改正する法律案(
内閣提出)
とん税法案(内閣提出)
特別とん税法案(内閣提出)
特定多目的ダム建設工事特別会計法案(内閣提
出)
開拓融資保証法の一部を改正する法律案(内閣
提出)
午後三時九分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/0
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001・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) これより会議を開きます。
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検察官適格審査会委員及び同予備
委員の選挙発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/1
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002・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 検察官適格審査会委員及び同予備委員がそれぞれ二名欠員となっておりますので、この際その選挙を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/2
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003・椎熊三郎
○椎熊三郎君 検察官適格審査会委員及び同予備委員の選挙については、その手続を省略して、議長において指名せられんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/3
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004・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 椎熊君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/4
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005・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。
議長は検察官適格審査会委員に池田正之輔君及び飛鳥田一雄君を指名いたします。
また、山本利壽君を池田正之輔君の予備委員に、吉田賢一君を飛鳥田一雄君の予備委員に指名いたします。
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日程第一 特定多目的ダム法案
(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/5
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006・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 日程第一、特定多目的ダム法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。建設委員会理事荻野豊平君。
〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔荻野豊平君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/6
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007・荻野豊平
○荻野豊平君 ただいま議題となりました特定多目的ダム法案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、本法案提出の理由並びに内容について簡単に申し上げます。多目的ダムとは、一つのダムを洪水調節、農業、発電、水道等の複数目的のために同時に利用するものでありますが、本法案は建設大臣の直轄施行する多目的ダムに関するものであります。従来建設大臣の建設しておりました多目的ダムは、電気事業者または水道事業者等との共同設置、すなわち、建設大臣が事業者から委託を受けて施行するという複雑な形であったのであります。従って、事業者の負担金は一般会計予算外の委託費として別途に執行するという不便がありましたので、新たに昭和三十二年度予算で特定多目的ダム建設工事特別会計を設け、資金の調達及び経理を国が一元的に運営できますように措置し、同時に、本法案によりまして、基本計画の樹立、建設、管理及び水利権の処分等につき規定を行い、特定多目的ダム事業の促進をはかり、その効率を発揮しようとする次第であります。なお、電気事業者または水道事業者等はダム建設に要する費用につき相当な負担金を納付することとなりますので、新たに物権としてのダム使用権を創設し、その投資に相応する権利を保護する道を開くことにしております。
本案は、去る三月六日本委員会に付託され、三月二十八日に至る間、農林水産委員会との連合審査を行う等、慎重に審査いたしたのでありますが、委員会における質疑の内容等につきましては会議録に譲ることといたします。
次いで、日本社会党足鹿覺君より、同君外九名提出の次の如き修正案が提出されたのであります。すなわち、原案第四条第三項中「関係行政機関の長に協議する」とあるを「関係行政機関の長の同意を得る」に改めること、及び、第十条を改め「第九条第一項の負担金は、新築される多目的ダムによる流水の貯留を利用して、流水をかんがいの用に供する者からは、これを徴収しないものとする」こと等であります。
本修正案につきましては、国会法第五十七条の三の規定による内閣の意見を聴取いたしましたところ、南條建設大臣より、修正案の趣旨は今後運営の面で善処することとし、原案の通り成立を望む旨が述べられたのであります。
かくて、討論を省略して採決に入りましたところ、まず足鹿覺君外九名より提出の修正案は少数をもって否決され、原案は全会一致をもって可決すべきものと決定した次第であります。
右、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/7
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008・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/8
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009・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
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日程第二 入場税法の一部を改正
する法律案(大蔵委員長提出)
日程第三 産業投資特別会計法の
一部を改正する法律案(内閣提
出)
日程第四 印紙税法の一部を改正
する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/9
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010・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 日程第二は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/10
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011・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。
日程第二、入場税法の一部を改正する法律案、日程第三、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案、日程第四、印紙税法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。趣旨弁明及び委員長の報告を求めます。大蔵委員長山本幸一君。
〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔山本幸一君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/11
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012・山本幸一
○山本幸一君 ただいま議題となりました三法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。
まず、入場税法の一部を改正する法律案について、その提案の趣旨と内容を御説明申し上げます。
この法律案は、昨二十八日大蔵委員会において全会一致をもって起草、提出した法案であります。
本案の改正内容は、現在芸術的価値が高いと思われる歌舞伎、新劇等の純演劇について高率の入場税が課税されている現状にかんがみ、これら純演劇育成の見地から、政令で定めるものについては、その入場税の税率を軽減する措置を講じようとするものであります。すなわち、現行の入場税の税率は、入場料金が八十円まで二〇%、百三十円まで三〇%、百五十円まで四〇%、百五十円をこえるもの一律に五〇%となっておりますが、本案の改正で、入場料金が八十円をこえ三百円以下で政令で定めるものについては、現行の規定にかかわらず、二〇%の税率により課税しようとするものであります。なお、この改正による初年度の減収額は約一億二千万円の見込みでございます。
大蔵委員会は、本案の提案を決定するに際しまして、衆議院規則第四十八条の二の規定により、政府に対し意見を求めましたところ、政府側より、やむを得ない旨の意見が開陳せられました。
以上がこの法律案の提案理由並びにその内容の概略であります。何とぞ、御審議の上、御賛成あらんことを切望いたす次第でございます。
次に、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。
この法律案は、産業投資特別会計において行う財政投融資の財源の一部を補足すべき原資の確保をはかるため、補正予算をもって三十一年度の自然増収の一部をこの会計の資金として繰り入れることといたそうとするものでありまして、改正のおもなる点は次の三点であります。
まず第一点は、この会計に資金を設けることとし、昭和三十一年度において一般会計から三百億円をこれに繰り入れることといたしております。第二点は、右の資金の受け払いは資金設置の目的から歳入歳出外として経理することとし、投資を行う際、これを投資部門の歳入歳出に計上することといたしております。
第三点は、この資金は投資に使用しないときは資金運用部に預託して運用し、その利子は資金に組み入れることといたしております。
本案につきましては、数回にわたり慎重審議をいたしたのでありますが、特に今回の繰り入れの措置と財政法との関係及びこの会計の投資計画等については熱心なる質疑応答が重ねられた結果、昨二十八日、質疑を打ち切り、討論に入りましたところ、社会党を代表して神田大作委員は反対の旨討論せられました。
次いで、採決の結果、本案は起立多数をもって原案の通り可決いたしました。
次に、印紙税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
この法律案は、現在約束手形及び為替手形に対し定額十円で課税しておりますが、今回、手形の記載金高に応じ、二十円から千円までの階級別定額課税を行うこととしたのであります。しかし、一覧払いの手形等の手形については、その手形の性格等にかんがみ、二十円の最低税率で課税することとし、なお、現行の手形の課税最低限を三千円から一万円に引き上げることといたしております。この改正の結果、昭和三十二年度において、印紙税約二十億円増収を見込んでおります。
本案は、審議の結果、昨二十八日、小山委員より各派共同提案の修正案が提出されました。その修正案の内容は、今回の税率引き上げが特に中小企業者に及ぼす影響を考慮いたしまして、記載金高三十万円以下のもの三十円の税率とする段階を新しく追加しようとするものであります。
なお、この修正案に対しては、国会法第五十七条の三の規定によりまして、内閣に対して意見を求めましたところ、政府においては、やむを得ない旨の意見が開陳せられました。
次いで、質疑を打ち切り、討論を省略して直ちに採決いたしましたところ、修正案については起立総員をもって修正部分を除く原案については起立多数をもってそれぞれ可決され、よって、本法律案は修正議決されました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/12
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013・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 討論の通告があります。これを許します。神田大作君。
〔神田大作君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/13
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014・神田大作
○神田大作君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程中の産業投資特別会計法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行わんとするものであります。
本案は、昭和三十一年度の自然増収の一部である三百億円を産業投資特別会計に新たに繰り入れ、百五十億円を三十二年度に、その残りの百五十億円を三十三年度に使用せんとするものであります。しかし、もともと、この会計は、貸付金の回収金及び利子余裕金の運用利益金、前年度の歳計剰余金等をもって充てるものであります。ところが、それを、今回政府は三十一年度の自然増収に目をつけまして、これら一般財源からも資金に繰り入れられるように改正せんとするものであります。これは、産業振興という美名に隠れて、財政の基本法を無視して一部資本家に奉仕せんとするものであって、断じて許すことができないと思うのであります。(拍手)
財政法第十二条には、年度独立、均衡の原則があります。また、第六条には、剰余金の生じた場合には、これを公債または借入金の返済に充てなければならない、と明記されておるのであります。また、各会計年度における経費は、その年度の歳入をもってこれを支弁しなければならない、と明記されてもおります。しかるに、政府は、本会計のごとく、その年度に費消しない資金を、国民の汗の結晶であり税金である一般財源から繰り入れ使用することは、年度内の独立を明記してある財政法の精神に違反するものであると思うものであります。(拍手)また、いつ倒れるかわからないところの岸内閣が、再来年度の資金にまで規制を加え、普通ならば当然国債の処理に使うものを、適当に先取り処分しようとしておるわけであります。政府は、都合の悪いときは、食糧管理特別会計の赤字のごとく、当然補正予算を組んで補てんしなければならないのに、その赤字を、食管調査特別委員会の設置にこじつけ、消費米価の値上げをもくろんで、これを一般大衆に転嫁せんとして、補てんいたしません。また、政府は、都合のよいときには、今回のごとく、財政法を無視しても、一般財源から三百億円の大金を特別会計に繰り入れを強行しようとしておるのであります。法の解釈を、自分の都合のいいように、そのときそのときに応じて変更するがごときは、法治国としてその権威をみずから失墜するものであると思うものであります。(拍手)
かつて、東北、北海道、北九州等において災害が起り、農家が飯米にも窮し、約束した米を政府に売り渡すことができなかったので、その前渡金を返済しなければならなかったときに、せめてその利息の免除を請願しました際には、大蔵省当局は、財政法の原則をたてにとって、これを許容せず、飢えと寒さに泣く貧しい農民からその利息を取り立てたのであります。ところが、その同じ大蔵省が、産業投資を口実に、財政法を今回のごとく踏みにじっても、今度は一部資本家のために、あえて法を改正して、これにこたえんとするがごときは、法の秩序を乱すものといたしまして、断じて賛成するわけにはいかないのであります。(拍手)
以上申し上げまして、まことに簡単ではありますが、私の討論を終りたいと思います。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/14
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015・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) これにて討論は終局いたしました。
これより採決に入ります。
まず、日程第二につき採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/15
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016・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
次に、日程第三及び第四の両案を一括して採決いたします。日程第三の委員長の報告は可決、日程第四の委員長の報告は修正であります。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/16
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017・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告の通り決しました。
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日程第五 理科教育振興法の一部
を改正する法律案(内閣提出、
参議院送付)
私立大学の研究設備に対する国の
補助に関する法律案(内閣提出、
参議院送付)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/17
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018・山中貞則
○山中貞則君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、日程第五とともに、内閣提出、私立大学の研究設備に対する国の補助に関する法律案を追加して、両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/18
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019・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/19
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020・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
日程第五、理科教育振興法の一部を改正する法律案、私立大学の研究設備に対する国の補助に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。文教委員長長谷川保君。
〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔長谷川保君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/20
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021・長谷川保
○長谷川保君 ただいま議題となりました二法案のうち、まず、理科教育振興法の一部を改正する法律案につきまして、文教委員会における審議の経過及びその結果を御報告申し上げます。
本案は内閣提出でありまして、その要旨は、国が予算の範囲内で私立学校に対してもその理科教育設備等に補助ができるように現行法を改正するとともに、関係法律の整備をするものであります。
本案は、去る三月十五日本委員会に付託されて以来、理科教育振興のため、予算の増額、現職教員の再教育等について慎重に審議を重ねて参りましたが、その詳細については会議録によって御承知願いたいと存じます。
かくて、三月二十八日に至り質疑を終了、討論を省略して採決の結果、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定した次第でございます。
次に、私立大学の研究設備に対する国の補助に関する法律案について、その概要、委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
申すまでもなく、私立大学は、わが国の学術研究の分野において、国立、公立の大学と同様、きわめて重要な地位を占め、教育、学術の振興に重大な使命をになっているものであります。しかしながら、近代科学の急速な進歩と物価の急変とは、学術の研究にきわめて莫大な経費を要するに至りましたので、昭和二十八年度以来、その基礎的な研究設備の整備に若干の助成を行なっておりますが、研究設備の現状はいまだ十分とは申せないのであります。それゆえ、私立大学の研究設備に対する国の補助に関する制度を確立し、学術研究の進歩向上に寄与せしめようとするのが、本案提出の理由であります。
内容のおもな点を申しますと、第一は、四年制の大学を設置する学校法人に対し、予算の範囲内で、学術の研究に必要な設備の購入費の二分の一以内を国庫補助することができる旨を規定しております。第二は、文部大臣は、補助金に関する配分の方針を定め、または交付の決定を適正に行うため、私立大学研究設備審議会を設けまして、その意見を聞くべきことを規定しております。
本案は参議院先議にかかり、二月二十七日政府より提案理由の説明を聴取、三月二十七日参議院において修正議決の上本院に送付せられ、文教委員会に付託されたものであります。
本委員会におきましては、本案の重安性にかんがみ、きわめて慎重に審査を進めて参りました。委員会における質疑のおもなものとしては、第二条中における基礎的研究の解釈及び私立大学研究設備審議会の構成内容等でありまして、その詳細については会議録によりごらん願いたいと存じます。
かくて、三月二十九日本案に対する質疑を終了、討論を省略して採決いたしました結果、全会一致をもって、次の附帯決議を付して、原案の通り可決すべきものと決定いたしました。
本案に対する附帯決議を朗読いたします。
附帯決議
大学における学術の研究は、極めて重要であり、その各部門のあらゆる研究は、それぞれ広く経済、産業、医療とともに、社会秩序、文化一般の発達に関して、その基礎根幹をなしつつある現実にかんがみて、政府は大学におけるすべての部門の研究の奨励助成について、万全の措置を講ずる必要がある。
右決議する。
以上をもって二法案の御報告を終ります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/21
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022・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 両案を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/22
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023・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告の通り可決いたしました。
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行政機関職員定員法の一部を改正
する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/23
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024・山中貞則
○山中貞則君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/24
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025・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/25
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026・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員会理事保科善四郎君。
〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔保科善四郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/26
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027・保科善四郎
○保科善四郎君 ただいま議題となりました行政機関職員定員法の一部を改正する法律案について、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
本案は、三十二年度における各行政機関の事業予定計画に即応して行政機関全般の定員の適正化をはかろうとするものであります。すなわち、各行政機関職員の現定員の合計六十四万千二十八人に対し、四千三十八人を増加する反面、千九十二人を縮減し、差引二千九百四十六人を増加いたしまして、結局定員の合計を六十四万三千九百七十四人といたすことであります。
増員のおもなるものは、電気通信施設の拡張に伴うもの千七百三十二人、郵便取扱い業務量の増加に伴うもの六百九十六人、国立大学の学年進行及び付属研究所の整備等に伴うもの三百六十一人、刑務所の設置等に伴うもの三百十二人等で、現業的職員がその大部分を占めております。
減員のおもなるものは、郵政省が受託いたしました電信電話施設の一部を電電公社へ移管するに伴うもの五百人、アルコール工場の民間移譲に伴うもの百十二人、船用米配給事務の簡素化に伴うもの八十一人等であります。
本案は、二月二十一日本委員会に付託され、質疑が行われたのでありますが、その内容は会議録によって御承知を願います。
本日質疑を終了し、討論の通告がありませんため、直ちに採決をいたしましたところ、全会一致をもって原案の通り可決をいたしました。
なお、本案に対し、自由民主党及び日本社会党両党共同による附帯決議案が提出され、これまた全会一致で可決いたしました。
決議文を朗読いたします。
政府は、行政運営の実情に即し、各行政機関における職員の定員配置を適正公平にするとともに、職員の労働が過重にならざるよう増員その他適当の措置を講ずるほか、常勤労務者であって、長期間勤務に服しており、かつ行政機関の恒常的構成員と認められる者は、これを定員法上の職員に繰り入れる措置を講ずべきである。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/27
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028・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/28
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029・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
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とん税法案(内閣提出)
特別とん税法案(内閣提出)
特定多目的ダム建設工事特別会計
法案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/29
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030・山中貞則
○山中貞則君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、とん税法案、特別とん税法案、特定多目的ダム建設工事特別会計法案、右三案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/30
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031・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/31
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032・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
とん税法案、特別とん税法案、特定多目的ダム建設工事特別会計法案、右三案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員長山本幸一君。
〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔山本幸一君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/32
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033・山本幸一
○山本幸一君 ただいま議題となりました、とん税法案外二法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びにその結果について御報告を申し上げます。
まず、とん税法案について申し上げます。
本案の改正のおもなる内容は、外国貿易船に対するとん税の税率を、現行の純トン数一トンまでごとに五円を八円に引き上げるとともに、とん税の納税義務者には、従来の船長のほか、船舶代理店等もなれることができることとしております。その他、とん税の納期、その非課税の範囲等を明確にし、所要の規定の整備を行うことといたしております。
次に、特別とん税法案について申し上げます。
本案は、開港所在の市町村等に財源を譲与するため、新たに特別とん税法を制定して、外国貿易船の開港への入港について、その純トン数一トンまでごとに十円の特別とん税を課税しようというのであります。なお、特別とん税は、とん税徴収の際に税関があわせて徴収することとしております。
以上が二法律案の内容でありますが、なお、この二法律案に関連しまして、港湾発展のため、とん税中から一部を特別とん税に回したらどうか、また、内航船舶の固定資産税の軽減による減収に対する補てん措置はどう考えているかという質疑に対して、政府委員より、これらの措置については十分検討の上善処するという答弁がございました。
以上、審議の結果、質疑を打ち切り、両法案につき討論に入りましたところ、社会党の横山利秋委員より反対の旨の意見が述べられました。
次いで、採決に入りましたところ、起立多数をもって、それぞれ原案の通り可決いたしました。
最後に、特定多目的ダム建設工事特別会計法案について申し上げます。
この法律案は、別途今国会に提出いたされました特定多目的ダム法案の成立に伴い、同法の適用を受けて国が直轄で施行する多目的ダムの建設工事等に関する経理を一般会計と区分して明確にするため、新たに特定多目的ダム建設工事特別会計を設置することといたそうとするものであります。
次に、この法律案のおもなる内容について申し上げます。まず、この会計は建設大臣が管理することとし、その歳入歳出及び資産負債の整理並びに予算の配賦等はすべて工事別等の区分に従って行うことといたしております。また、この会計におきましては、建設工事に関する費用のうち、都府県負担分については、国会の議決を経た限度において、この会計で借入金をすることができることとし、その他、この会計の予算及び決算等の作成並びにその手続等に関し、特別会計の運営上必要な事項を規定いたしております。
本案につきましては、審議の結果、本二十九日、質疑を打ち切り、討論を省略して直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案の通り可決されました。
右、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/33
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034・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) これより採決に入ります。
まず、とん税法案及び特別とん税法案の両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/34
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035・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告の通り可決いたしました。
次に、特定多目的ダム建設工事特別会計法案につき採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/35
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036・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
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開拓融資保証法の一部を改正する
法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/36
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037・山中貞則
○山中貞則君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、開拓融資保証法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/37
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038・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/38
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039・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
開拓融資保証法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。農林水産委員長小枝一雄君。
〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔小枝一雄君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/39
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040・小枝一雄
○小枝一雄君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過並びにその結果について御報告申し上げます。
政府は、従来、開拓者に対し短期営農資金の融通を円滑ならしめるため開拓融資保証制度を設け、中央開拓融資保証協会に二億五千万円を出資して参ったのでありますが、今回新たに三千万円を増額して二億八千万円とし、これによって開拓者に中小家畜の導入を容易ならしめようとするのが、本案提出の理由であります。
本案については、三月十九日から本日までの間五日間にわたり質疑を行いました後、討論を省略して採決しましたところ、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決した次第であります。
以上をもって御報告を終ります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/40
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041・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/41
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042・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/42
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043・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) この際暫時休憩いたします。
午後三時四十五分休憩
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〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
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出席国務大臣
建 設 大 臣 南條 徳男君
国 務 大 臣 大久保留次郎君
国 務 大 臣 田中伊三次君
出席政府委員
行政管理庁官
吏部長 岡部 史郎君
大蔵政務次官 足立 篤郎君
文部政務次官 稻葉 修君
農林政務次官 八木 一郎君
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X02619570329/43
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