1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年四月四日 (木曜日)
午前十時三十六分開会
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委員の異動
四月三日委員村上義一君辞任につき、
その補欠として森田義衞君を議長にお
いて指名した。
本日委員森田義衞君辞任につき、その
補欠として村上義一君を議長において
指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 中山 福藏君
理事
石井 桂君
岩沢 忠恭君
西田 信一君
田中 一君
委員
稲浦 鹿藏君
中野 文門君
武藤 常介君
内村 清次君
大河原一次君
坂本 昭君
重盛 壽治君
北 勝太郎君
国務大臣
建 設 大 臣 南條 徳男君
政府委員
国家消防本部長 鈴木 琢二君
建設大臣官房会
計課長 關盛 吉雄君
建設省計画局長 町田 稔君
建設省道路局長 富樫 凱一君
建設省住宅局長
事務取扱 鬼丸 勝之君
建設省営繕局長 小島 新吾君
事務局側
常任委員会専門
員 武井 篤君
説明員
国家消防本部総
務課長 横山 和夫君
大蔵省管財局国
有財産第一課長 天野 四郎君
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本日の会議に付した案件
○道路整備特別措置法の一部を改正す
る法律案(内閣送付、予備審査)
○高速自動車国道法案(内閣送付、予
備審査)
○建設事業並びに建設諸計画に関する
調査の件
(新潟県分水町火災に関する件)
(水防団に関する件)
(公営住宅に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/0
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001・中山福藏
○委員長(中山福藏君) ただいまより委員会を開会いたします。
委員変更の件を御報告申し上げます。四月三日、村上義一君が辞任され、その補欠として森田義衛君が指名されました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/1
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002・中山福藏
○委員長(中山福藏君) それではこの際、道路整備特別措置法の一部を改正する法律案、高速自動車国道法案、以上両案を一括して議題とし、政府から提案理由の説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/2
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003・中山福藏
○委員長(中山福藏君) 御異議ないと認めます。
それでは建設大臣から御説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/3
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004・南條徳男
○国務大臣(南條徳男君) ただいま議題となりました道路整備特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明いたします。
このたび、政府は、高速自動車国道法案を提出いたしましたが、同法律案におきましては、高速自動車国道の建設管理は建設大臣が行うことといたしております。しかしながら、その建設にはきわめて巨額の費用を要しますので、早急にその整備をはかりますためには、特別の措置として、その建設費等を償還するため有料制を採用できることとし、その建設管理を日本道路公団に行わせることといたしたいと存じます。このような措置を行うため、ここに道路整備特別措置法の一部を改正する法律案を提出いたした次第であります。
次に、この法律案の要旨を申し上げます。第一に、建設大臣は高速自動車国道の整備計画に基き、日本道路公団に高速自動車国道の新設または改築を行わせて料金を徴収させることができるようにしたことであります。
第二に、日本道路公団が高速自動車国道の新設または改築を行おうとするときは、建設大臣に工事実施計画書を提出してその認可を受けることとしたことであります。
第三に、日本道路公団が料金の徴収を行おうとするときは、料金及び料金の徴収期間について、運輸大臣及び建設大臣の認可を受けることとしたことであります。
第四に、高速自動車国道の料金の額は、建設管理に要する費用を償い、かつ、公正妥当なものとし、その徴収期間は、政令でその基準を定めることとしたことであります。
第五に、日本道路公団が高速自動車国道の建設管理に必要な管理の権限を建設大臣にかわって行うこと、その他、以上の改正に伴う所要の改正を行うこととしたことであります。
以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でございます。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決されるようお願いいたします。
次に、ただいま議題になりました高速自動車国道法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明いたします。
わが国の経済は、ここ数年来急速にその規模を拡大して参りましたが、特に自動車交通の発達は、近年まことに目ざましいものがあります。政府といたしましては、このような情勢に対処するため、道路整備計画の樹立、道路財源の確保、有料制による道路整備の促進等諸般の施策を講じて、鋭意道路の整備のため努力して参ったのでありますが、従来の道路整備のみによりましては、自動車の高速性、機動性等そのすぐれた特徴を十分に生かすことができず、自動車交通も局地的に限定されざるを得ない現状であります。このような現状を打開し、自動車輸送力の画期的な増強をはかりますためには、自動車専用の高速道路をすみやかに整備し、高速かつ長距離の交通を確保する必要があるのでありまして、高速自動車道路の建設は、当面する輸送問題の解決の一助となるばかりでなく、産業経済活動の活発化をもたらし、さらには国土の総合開発にも寄与するところきわめて人なるものがあると考えます。
以上申し述べました観点から、国土開発縦貫自動車道建設法による国土開発縦貫自動車道を含む高速自動車道路を国が建設管理する体制を確立し、もって高速自動車国道の整備をはかり、自動車交通の発達に寄与するため、ここに高速自動車国道法案を提出した次第であります。
次に、この法律案の要旨について申し上げます。第一に、高速自動車国道の意義を明らかにしたことであります。すなわち、高速自動車国道とは、自動車の高速交通を目的とした道路で、全国的な自動車交通網の枢要部分を構成し、かつ、政治、経済、文化上特に重要な地域を連絡するもの、その他国の利害に特に重大な関係を有するもので、国土開発縦貫自動車道の予定路線及びそれ以外の高速自動車国道の予定路線のうちから政令で路線を指定したものを言うことにいたしております。なお、後ほど申し述べますが、この高速自動車国道は付則において道路法の一部を改正して、道路法上の道路とすることといたしております。
第二に、国土開発縦貫自動車道以外の高速自動車国道について、予定路線を定めることとしたことであります。予定路線は、運輸大臣及び建設大臣が内閣及び国土開発縦貫自動車道建設審議会の議を経て定めることといたしております。
第三に、高速自動車国道の新設及び改築に関して整備計画を定めることとしたことであります。整備計画は、運輸大臣及び建設大臣が審議会の議を経てこれを定めることとするとともに、国土開発縦貫自動車道にかかるものについては、国土開発縦貫自動車道建設法による基本計画に基いて定めることといたしております。
第四に、高速自動車国道の管理及び保全について所要の規定を設けたことであります。まず、高速自動車国道の新設、改築、維持、修繕、災害復旧その他の管理は建設大臣が行うことといたしました。次に、高速自動車国道の特殊性にかんがみ、高速自動車国道と道路、鉄道、軌道等との交差の方式は立体交差としなければならないものとし、また、高速自動車国道に連結させることができる交通施設も道路、一般自動車道その他政令で定める施設に限定することにいたしております。次に、高速自動車国道の効用の保持と交通の安全をはかるため、高速自動車国道にはみだりに立ち入り、または自動車による以外の方法により通行してはならない旨を規定いたしております。次に、高速自動車国道を通行する自動車の危険を防止するため、高速自動車国道に接する区域について特別沿道区域を指定することができることとし、この区域内においては、高速交通の支障となるような建築物等について、その建築等を制限することができるようにいたしました。
第五に、これらに関連して、この法律案の付則におきまして、道路法その他の関係法律の改正を行なったことであります。そのおもなものをあげますと、まず、道路法を改正して高速自動車国道を道路法上の道路としたことであります。すなわち、自動車のみの一般交通の用に供する道を道路法上の道路に含むこととするとともに、道路の種類に高速自動車国道を加えることといたしました。次に、道路交通取締法の一部を改正して、高速自動車国道で運転する自動車の最高速度及び最低速度に関する規定を設けたことであります。次に、国土開発縦貫自動車道建設法によりますと、国土開発縦貫自動車道の予定路線を定める法律の内容となるべき予定路線の決定、建設線の基本計画の決定は、内閣総理大臣がこれを行うことになっておりますが、国土開発縦貫自動車道も高速自動車国道として建設管理することといたしましたことに伴い、事務処理の必要上、運輸大臣及び建設大臣がこれらの事務を行うことに改正することといたしました。
以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決されるようお願いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/4
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005・中山福藏
○委員長(中山福藏君) 本案の質疑は後日に譲ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/5
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006・中山福藏
○委員長(中山福藏君) この際、新潟県分水町の火災の件につきまして、建設大臣から報告をいたしたいという要求がございましたので、この際許可いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/6
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007・南條徳男
○国務大臣(南條徳男君) 過般、四月の二日、午前一時二十分から八時四十分まで、新潟県の分水町の火災がございまして、これに対する対策について、建設省といたしまして、さっそく係官を現地に派遣いたしまして、その対策をいたしておるのでありますが、中間報告として、この委員会に一応これに対する現状並びに対策の方法について、大略を申し上げたいと思います。
災害の住宅焼失戸数は約二百八十戸でありまして、罹災世帯が三百十四世帯となっております。全世帯は二千七百三十四戸、全人口が一万五千二百六十人というような町であります。そこで建設省といたしましては、この災害復興のための第二種の公営住宅を焼失戸数の三割程度建設するようにいたしたい。
それから第二には、住宅金融公庫の融資によりまする災害復興住宅、今度の国会で御審議を願いましたこの災害復興住宅でありますが——及び一般貸付住宅の割当を調査の上で検討いたしまして、その処置をとりたい。
第三は、防火建築地帯の助成、中高層耐火融資、都市計画街路の補助等を調査の上でこれも考えてみたいと思っております。
最後には、罹災都市借地借家臨時処理法の適用については、現地と目下相談をいたしておるような状態であります。
以上、簡単でございますが、現状並びに対策の一部を御報告いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/7
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008・中山福藏
○委員長(中山福藏君) ただいまの御報告に対して、御質疑のある方は御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/8
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009・西田信一
○西田信一君 焼失戸数はわかりましたが、その町はどのくらいの戸数があって、それはどのくらいに相当するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/9
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010・南條徳男
○国務大臣(南條徳男君) ですから、全世帯が二千七百三十四、人口が二万五千二百六十と、こういう所です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/10
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011・中山福藏
○委員長(中山福藏君) 委員長が建設大臣にお伺いしますがね。これは一体、このごろ非常にひんぴんと火災が起りますが、この新潟の分水町というのは一体どういう原因で起ったのですか。今調査中ですか。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/11
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012・南條徳男
○国務大臣(南條徳男君) 今消防本部長がたまたま見えておりますから、一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/12
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013・鈴木琢二
○政府委員(鈴木琢二君) 分水町の二日の火災の原因は目下調査中でございます。おそらく失火じゃないかと思われますけれども、詳しいことは調査の結果を見ませんとはっきり申し上げるわけにいかないと思います。大火になりました原因は、われわれの現在までの報告に基く想像では、風速が大体十メートル内外の強風であったということ、それから最近御承知のように非常に乾燥度が高いものですから、ことにわれわれの消防の面から見ますと、実効湿度といっておりますが、木材の内部に至るまで完全に乾燥しておるというようなことで、非常に延焼率が早いわけでございます。そういったこと、これらは新潟方面の地方には特殊な気象の条件もございますので、それらのことがからみ合ってああいう大火になったのじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/13
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014・坂本昭
○坂本昭君 今の第二種公営住宅が焼失の三〇%いうこの割当ができたような話でございましたけれども、この三〇%というのはあれですか、こういう災害の場合の一定の基準ができているのでございますか。それから第二種ですから、これはあれですか、耐火、そういう面ではきわめて不十分だと思いますけれども、何かそういうことについての災害に伴う場合の基準と申しますか、そういうものがございましたら、ちょっと説明していただきとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/14
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015・鬼丸勝之
○政府委員(鬼丸勝之君) 災害の場合のいわゆる災害公営住宅の建設につきましては、公営住宅法に根拠規定がございまして、法律の規定によりますると、災害による規模をまず押えております。これは滅失いたしました戸数が一市町村の区域内の住宅戸数の一割以上であるか、あるいは市町村が二つ以上にまたがる場合には、全被災地域の滅失戸数が五百戸以上、またがる場合にはですね。そういう場合に、この災害公営住宅を建設するというのが原則でございまして、これは一般の災害の場合です。それから火災の場合には、その滅失した戸数が一市町村の区域内でやはり一割以上が、それから二市町村以上にまたがる場合には二百戸以上、その二市町村にまたがる場合の数字だけちょっと違いますが、二百戸以上、こういう場合は当該公共団体が第二種公営住宅を、滅失した住宅の戸数の三割に相当する分だけを建設することができると、これは第二種公営住宅でございますから、その建設費用の三分の二を補助しなければならない、こういうことでございまして、ややこれは義務費、義務的な建設に相なっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/15
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016・坂本昭
○坂本昭君 今のそれでいきますと、分水町の場合だと二百八十戸焼けていますから、まず九十戸くらいがこの災害公営住宅で建てられるわけですね。そうすると、昭和三十二年度では四百六十六戸ということになっておりますね。そうすると約五分の一分水町だけでとられてしまうわけですね。あれは四号の一日でしょう。これはあと災害公営住宅続きますかね。これは大へんだと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/16
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017・鬼丸勝之
○政府委員(鬼丸勝之君) この災害公営住宅の建設につきましては、大きな戸数を建てる場合には予備費等で当該年度にある程度みまして、さらにまた過年度災の分といたしましては、翌年度にみるということになっておりますので、所要戸数だけは今までも建設してきて参っておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/17
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018・中山福藏
○委員長(中山福藏君) ほかに御質疑ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/18
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019・西田信一
○西田信一君 今の点に関連してお聞きしたいのですが、災害によって滅失した住宅の三割に相当する公営住宅ということですが、滅失した住宅というと、今の御質問に対するお答えは二百八十戸焼けたから、その三割は九十戸になると思いますが、住宅というのはいわゆるほんとうの住宅のみの住宅というか、店舗ではなく、要するに人が住まえるだけの建物、いわゆる純然たる住宅に限るのでございましょう。従ってそういう九十何戸という戸数にはならないのではないでしょうか。実際に現在の場合何戸くらい考えておられろのですか、その点はお答えと違いませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/19
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020・鬼丸勝之
○政府委員(鬼丸勝之君) 先ほど大臣から申し上げました約二百八十戸というのは、これは住宅として全焼した分でございます。従いましてこの三割ということになりますと、八十四、五戸程度になりますが、九十戸足らずを災害公営住宅として建設するということになります。お尋ねのうち、これはある程度の店舗併用部分も認めております、実際の建物といたしましては……。併用部分の住宅が滅失した場合にも公営住宅を建てる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/20
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021・坂本昭
○坂本昭君 さっきの鬼丸さんの御説明で、ちょっと一つ足りない点があるのですが、これは市街地だと思うのですが、公営住宅を集団的に建てる場所があるかないか、これは問題になると思うのですが、こういうことは度外視して集団的、あるいは非集団的に三・〇%建設するわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/21
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022・鬼丸勝之
○政府委員(鬼丸勝之君) 今回の被害戸数、被害世帯は先ほど大臣が申し上げましたように、全部で三百十四世帯でありまするが、そのうちの二百八十戸分が住宅というこの状況から見ますると、大部分が住宅がやられておる。なお、昨日新潟県の土木部長から伺いましたところでは、大部分は住宅がやられておるが、なおかつ町の中心部であるということでございます。しかし、いなかの町で、メーン・ストリートが一本通っておるというようなことで、比較的小じんまりした所でございまするから、そういう状況でございまするが、土地はやはり事業主体として特に分水町がめんどうを見まして建てるということになります。そう遠い離れた所に建てて、遠い所から通うというようなことにならないで済むのじゃないか。というのは、きのう土木部長の話も聞いた結果、私として判断いたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/22
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023・中山福藏
○委員長(中山福藏君) ほかに御質疑ございませんか……。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/23
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024・中山福藏
○委員長(中山福藏君) それでは、この際委員変更の件を御報告申し上げます。
森田義衛君が辞任され、補欠として村上義一君、が指名されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/24
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025・中山福藏
○委員長(中山福藏君) それでは水防団に関する件を議題に供します。
まず、消防団員等公務災害補償責任共済基金法の一部を改正する法律案の内容の御説明を、政府委員からお願い申し上げます。
ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/25
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026・中山福藏
○委員長(中山福藏君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/26
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027・鈴木琢二
○政府委員(鈴木琢二君) 消防団員等公務災害補償責任共済基金法は、御承知のごとく昨年の二十四国会で成立いたしまして、昨年の十一月二十日から基金が発足いたしたのでございますが、補償の対象となりますのは、その当時の法律の内容から申し上げますと、消防団員並びに消防に協力した一般の協力者の災害あった場合の、これの補償に対する市町村の責任を共済するということでできたわけでございます。その昨年二十四国会の審議の過程におきまして、消防団員ばかりでなしに水防団関係、水防団員並びにその水防団に協力した者も同時にあわせて共済するように、近い将来において法律の改正を望むという付帯決議がありましたし、また非常にその要望が強い意見として述べられたわけでございます。その御意見に従いまして、今回この基金法の一部改正を本国会に提案したような次第でございます。
今回の提案いたしました改正の内容を簡単に申し上げますると、ただいま申し上げました、ように項目別に申し上げますると、第一に、この基金法の法律の趣旨を改めまして、ただいま申し上げました、ように、消防団員等公務災害補償の対象となるものを拡張いたしまして、従来の非常勤の消防団員及び消防作業に従事した者のほかに、非常勤の水防団長または水防団員及び水防に従事した者を加えたのでございます。
それから一部改正の第二の要点は、補償責任の主体を水防管理団体にも拡張いたしましたので、この法律の所要の個所に、「市町村」という字句の下に
「水害予防組合」というものを加えたことでございます。
それから第三に、基金の理事は従来
「十人以内」となっておりましたのを、水害予防組合の管理者も加えるという意味におきまして、一人加えまして「十一人以内」というふうに改めることにいたしております。
それから第四に、改正の趣旨は、基金と水防管理団体との相互の権利義務を関連づけるために、いろいろと所要の改正をいたしたことでございます。
それから第五には、内閣総理大臣が従来専管いたしておりましたのでございますが、水防が加わりましたので、水防昌管理団体を管轄する建設大臣に対しまして、内閣総理大臣は基金運営に関する基本的な事項につきますて、あかじめ協議をすることといたしました次第でございます。
それから第六には、これは付則におきまして、基金との間にすでに契約を締結しておる市町村につきましては、非常勤の水防団員等にかかる分として特に契約を新たに締結する必要はないということにするために必要な規定を加え、その他経過的な措置に関する必要な規定をいたした次第でございます。
それから第七に、非常勤の水防団員等の補償を的確かつ均等にいたしますために、これは水防法の改正になりますが、水防法の一部を改正いたしまして、補償を政令で定める基準によらせるということにいたしたことでございます。大体それが今回の基金法の一部改正に至りました、提案いたしました経過並びにその大体内容の大要でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/27
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028・中山福藏
○委員長(中山福藏君) ちょっとお尋ねしておきますが、その内容……今御説明、だけについて、あの水防に従事したと、従事するということはどういう意味ですか。これは日給を取って従事するとか、あるいはあらゆる場合のただ単に従事したということになればいいのですか。あなたの説明、その従事ということはよく範囲がわからぬのですから、ちょっと御説明していただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/28
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029・鈴木琢二
○政府委員(鈴木琢二君) これは水防法の十七条にこういう規定がございます。「水防管理者、水防団長又は消防機関の長は、水防のためやむを得ない必要があるときは、当該水防管理団体の区域内に居住する者、又は水防の現場にある者をして水防に従事させることができる。」という規定がございます。それに対応いたしまして、水防法の第三十四条に「第十七条の規定により水防に従事した者が水防に従事したことにより死亡し、負傷し、若しくは病気にかかり、又は水防に従事したことによる負傷若しくは病気により死亡し、若しくは廃疾となったときは、当該水防管理団体は、水害予防組合にあっては組合会の議決で、市町村組合又は市町村にあっては条例で定めるところにより、その者又はその者の遺族若しくは被扶養者がこれらの原因によって受ける損害を補償しなければならない。」こういう法律の規定に、水防に従事した者、つまり応援者のことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/29
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030・中山福藏
○委員長(中山福藏君) そこなんですよ、そこがわからぬのですがね。「従事」というのは、一応お前は従来せよという命令を受けて従事した場合にのみ災害補償するということになるのか。みずから進んで従事した場合にも、いわゆる水防に従事したというのでやはり補償を受けられるかという点をはっきりしてもらわぬと、「従事」という文字の範囲がわからぬですよ。それでは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/30
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031・横山和夫
○説明員(横山和夫君) 同じような関係は現行の消防の場合においてもあるわけでございますが、消防の場合におきましては、現場において消防機関の長、すなわち消防長ないしは消防団長が応援協力者に対していわゆる従事命令というものを出すわけでございます。応援協力者の場合における従事の関係は、委員長の御指摘のように相当デリケートな問題がありますので、やはり解釈といたしましては、従事者の範囲は、その水防の現場における責任者が従事の命令を出すという場合においてこれを従事者とみなすということに取り扱うのが適当ではないかというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/31
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032・中山福藏
○委員長(中山福藏君) 緊急な場合にみずから進んでその水防に従事した場合はどうなるか、そういう場合は除外されるのですか。それをちょっと承わっておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/32
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033・横山和夫
○説明員(横山和夫君) みずから進んで従事いたします場合の従事関係も、実際には従事します形態がいろいろあると思うのでありますが、勝手に従事いたしましても水防の効果が上るというようなことにもなりませんので、おそらくその場合におきましても、その当該水防機関の責任者の指揮下に入ると申しますか、それの指揮を受けて従事するという形でありませんと、水防活動というものはうまくいかないのではないかということは考えられますので、動機はもちろんみずから進んででありましても、結果的にはやはり何らかの形におきまして、そこにまあ一種の従事命令的のものが出ておるという形において行動が進められるということになるのではないかと思うのであります。従いまして、線の引き方は一応やはり何らかの形におきまして、、の従事命令といいますか、応援協力を要請するという行為が前提されるというように解しておくのが適当ではないか、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/33
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034・中山福藏
○委員長(中山福藏君) ざる法の一種にならぬように一つよく御注意をしていただかぬとふに落ちないのです。きょうはこの程度でやめますけれども……。ほかにどなたか御質議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/34
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035・田中一
○田中一君 消防団員と、負担金並びに交付される金というものは政令で全部同じでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/35
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036・横山和夫
○説明員(横山和夫君) 市町村ないしはいわゆる水防管理団体のかける掛金の額についての御質問かと思いますが、この法律では、現在消防の関係は、人口及び消防団員等を基準といたしまして、こまかに政令で定めるということにいたしまして、その政令におきまして、現在団員割が四十円、人口割が一人につき年間三銭五厘という格好で取っておるのであります。今度の水防の関係も、詳細につきましては、いずれ消防団の場合と同じように政令でもって定めて参りたい、建設省と十分協議をいたしまして、この細部の規定は政令段階でと思っておりますが、先般来相談いたしております線では、法律の中にも、人口の下に水害予防組合の組合員数というものを入れております。それから消防団員数のところに水防団員数というもの、がありますので、水害予防組合が結成されておりますところにおきましては、組合員数及び水防団員数、さらに水防管理団体の中で市町村がやっておる場合、あるいは一部事務組合が結成されておるというような段階におきましては、水害予防組合員数というわけにいきませんので、人口割及び水防団員数に応ずるということになると思いますが、従来の数年間における実績及び——先ほど内容説明に申し上げましたように新たに政令のワクをはめまして、基準というものを引き上げるわけでありますが、その場合の引き上げられた基準に従来の実績等をかけ合せたいわゆる要補償額というものが推定できるわけでありますから、それらをにらみ合せまして、この消防団員の場合と不公平のないように、均衡のとれた定め方にして参りたい、このように考えまして、建設省の方と相談をしておるような段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/36
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037・坂本昭
○坂本昭君 数年前高知市で、台風のときに機帆船が遭難をして太平洋岸に打ち揚げられてきたのです。そのときに地区の消防団長の命令で団員がその救助に当って、一名巻き込まれて行方不明になってそのままになりました。こういう例は当然公務災害補償に該当することになるのでしょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/37
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038・鈴木琢二
○政府委員(鈴木琢二君) お話の通り含まれると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/38
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039・中山福藏
○委員長(中山福藏君) ほかに御質疑がなければ、公営住宅に関する件を議題に供します。まず国有財産特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その内容の御説明を政府委員からお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/39
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040・鬼丸勝之
○政府委員(鬼丸勝之君) 国有財産特別措置法の一部を改正する法律案は、大蔵省所管として、目下御承知のように国会で御審議をいただいておるところでありますが、公営住宅に建てかえるという面で、建設省にも関係がございますので、この観点から今回の改正案の趣旨及び内容の概略を御説明申し上げたいと思います。
現在旧軍用財産である建物等で住宅として使われておるものがございますが、この中にはすでに老朽化しまして、保安上非常に危険な状態にあるものとか、あるいは非常に管理費がかかりまして修繕費を相当つぎ込まなければならぬ、むしろ建てかえた方がよろしい、このまま維持することは経済的に引き合わぬというような状況にあるものが少くないというの、がございます。そこでこれをできるだけ整理をしていくということを大蔵省におきましては考えておったのでありますが、現在入居しておる居住者がその場所を離れたいというような事情、またしかるべき代替施設としての住宅、がないというような事情から、この整理が促進されておらないのが現状でございます。従いまして、大蔵省当局の考え方は、こういう老朽化した危険な状況にある建物等を早く整理いたしまして、しかもその敷地である国有地を立体的に有効に嘆いたい、こういう観点から今回の改正法案を立案されたというふうに承知いたしております。
次に、この改正法律案の内容の概略を御説明申し上げますと、現在住居の用に供されておりまする国有の建物で、保安上危険なもの、そのほか管理が非常に困難になっておるものにつきまして、地方公共団体、がこれを取りこわして、その敷地に第二種公営住宅を建設いたしまして、取りこわした建物に居住しております居住者を収容するという場合には、当該地方公共団体に対しまして、取りこわすべきその老朽化した建物を譲与する。これはただで与えます。なおその敷地のうち、建てかえる第二種公営住宅の建設に必要な分につきましては、いわゆる公営住宅の建設に要する標準建設費として定められた金額の中で土地の取得や宅地の造成のために必要な部分の価格に相当する対価、これは簡単に申しますると、公営住宅関係の予算上計上されておりまする土地費の単価で地方公共団体に譲渡しよう、土地は予算上の単価で有償で譲渡しようということがその内容の骨子でございます。
以上簡単でございますが、概略を御説明申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/40
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041・中山福藏
○委員長(中山福藏君) ただいまの御説明に対して御質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/41
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042・田中一
○田中一君 私は建設大臣に伺いますが、不思議に思っているのですが、住宅政策に関する数々の立法措置がとられておりますが、やはり同じことをいわゆる官僚の縄張り主義でもって、一つの目的に向ってあっちでもこっちでも法律が作って、法律でもって動いていこうという考え方を持っているわけです。この場合に、主目的は、建設住宅行政をつかさどっておる建設大臣としては、それに住まう住宅、住居というものを改造しようというのが主眼であります。同時にまた、国のものであろうと都道府県のものであろうと、土地というものが提供されれば、そこには住宅が建てられるわけです。それでこの法律案の内容を見て考えられるのは、大蔵省は自分の方でどうにもならぬこの居住者、むろんスラム化しつつある旧軍用とかあるいはその他の住宅ですね、こういうものにこういう人たちが住まなくなってくれば、その土地なり建物というものは自由になるのだ、、だから立ちのきだけをさせるためのねらいだけしか持っていないのではなかろうかと思うのですが、大蔵省としてはですね。そうして第二種公営住宅ということをいっておりますけれども、第二種公営住宅の計画というものはやはり建設大臣がお持ちになっておるのです。そうしてそのごほうびに大蔵省はその地方公共団体に土地と建物をくれてやる。使いものにならぬから、まあまきか何かにはなるでしょうし、使えるものも若干中にはあるのだろうと思いますが、立ちのきをさせるために、地方公共団体を便って古材をえさにして仕事をやらせよう。そうして家を建てれば、ここは地方公共団体に土地を実費で、実費と言いますか、政府が計算されている宅地費というもので分譲していこう、払い下げていこう、こういうことを言っているのですが、建設大臣は一括してこうしたものをですよ。まあ国有財産法もございます。が、しかしながら住宅建設というもの、が主眼であるならば、あなた自身がどうして一括してこうしたものをお待ちになれるような措置がとれなかったかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/42
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043・南條徳男
○国務大臣(南條徳男君) この法案が大蔵委員会で大蔵省所管として御審議を願っておるのですが、内容が今お説のように公営住宅を建てることが目的である場合には、地方公共団体にこれを払い下げるということであるから、建設省がこれを所管したらどうかというお説でございます。ごもっともな節もございますが、実は今度の国会に住宅対策といたしまして、宅地造成ということがなかなか困難ではないかということから、私ども予算の編成の際にも大蔵省に対しまして、この宅地造成については大蔵省は国有財産を処分することについても十分熱意を一つ示してほしいということを要請いたしまして、大蔵省も特段にこのことを配慮するからというので、特別に特別会計を作りまして、国有財産の処分を急速にいたすことにしたのは御承知のことだと思います。その一端の現れとしましてこの法案が出されたのであります。こういうような駐留軍関係が持っている土地及び家屋で実際腐朽しておりますものにつきましては、市町村団体がこれを公営住宅にするという希望のあるものの場合は、これを町村団体に払い下げまして、そうして国有財産としての残りの土地が相当出ると思う。これらはやはり国有財産として住宅公団やあるいは住宅対策の方にこれを処理させようというのがこのたびの国有財産処分の主眼にもかなうわけでありますので、一応土地処分ということが、宅地造成というような土地処分ということ、が主眼でありますから、そこで大蔵省の所管としてこの法案を出すようにいたしたのであります。その付随の仕事としてそこに建つ公営住宅としては建設省がこれを建てるというのでありますから、これはもちろん建設省が地方公共団体と相談をいたしましてここに建設いたしますが、この法案そのものは国有財産を宅地造成のためにいろいろ特別に考えようということからできた法案でありますので、大蔵省が所管することは当然であるかと存ずるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/43
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044・田中一
○田中一君 なるほど国有財産法には、国有財産は大蔵大臣がそれを総括して持ってるんだということになっておりますが、この使用、利用の点については、必要なら建設大臣がその上に住宅を建てればいいんです。これは大蔵大臣が拒否することはあり得ないと思うのです。それから、だからどうもここのところがすっきりしないわけです。何でもかんでも国有財産の面においては大蔵大臣の許可を得なければならないという考え方、これは内閣の一員であり、国の行政の中の一員である大蔵大臣ということにむろんなってるんですけれども、どうも同じような地位に並んでいる建設大臣が、ことごとく大蔵大臣の方からの許可でもってしなくちゃならぬという点は、どうもわれわれ納得できないんですよ。ことにこの法律案でははっきりと第二種公営住宅を建てる場合ということしか書いてないわけなんですね。第二種公営住宅というものの規模は御承知の通りなんです。それを立体化したらどんなものになるかということを考えると、これはもうもう少しそういう点は建設大臣に幅を持たして、建設大臣の権限にまかしてしまうということの方が一番いいわけなんですね。どういうものを作ろうと、とにかく大蔵省の考えとしては、スラム化されたその土地がきれいになればいいんです。宅地が造成されればいいんです。しかし、そこには第二種公営住宅だけしか建てられないのですね。それでかりに平面的に使っているものなら、立体化すれば十分のかあるいは二十分の一で済むものがあります。そうしてあとのものは安く払い下げてやる、古材はくれてやるといって立ちのきだけを地方公共団体にさせる、これはどうもこういう形の行き方は私には納得できないわけなんですよ。うわものを建てるということに対しては建設大臣が全部権限をもってきめりゃあいいんです。第一種公営住宅を作ろうが第二種を作ろうが、あるいは公団の分譲住宅を作ろうが、近代住宅を作ろうが。立ちのきをさせるためだけに古材と一部の土地をやるということだけでは納得ができない。建設大臣はむろん閣議でお話があって、了承したのだと思いますが、私はこういう形でもっていわゆる一貫したところの住宅政策というものをゆがめられるということに対しては、反対せざるを得ないのですが、その点はどういうふうなお考えを持っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/44
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045・南條徳男
○国務大臣(南條徳男君) ただいまのお説につきましては、先ほど私が申し上げましたように、国有財産の処分は一括して大蔵省が管理することは御承知の通りだと思います。この問題について、第二種公営を建てる条件つきで払い下げというようなことであれば、これを建設省にさせるのがほんとうじゃないかというお説だと思いますが、この今の場合の第二種を建てるという土地は、従来第二種公営住宅を利用するような低所得者の人がまずおる場所だと思う。そこでこれらの人を立ちのかせ、そうして全然別の家を建てた場合には、これらの人の住いが困るというようなことを考慮して、そこでこわすけれども、ただちにその建てる家には今までのような低所得の諸君を収容するのだということを条件にして、そこで公共団体にこれを払い下げるのでありますから、そこでこれを取りこわしたのちにおいて、また立体的に建設して、高度に土地を利用しまして、あとの余った部分については他の公団住宅その他にも利用できるわけでありますので、いわゆる一石二鳥と申しますか、そういう角度においては、今度の大蔵省の国有財産処分ということ、が住宅政策にマッチするというものだと思うのでありまして、でありますから、建設省が別段これをしないからといって、根本の住宅政策に私は矛盾するとも考えておりません。これを要するに、大蔵省は土地を、国有財産をたくさん処分してもらう、たくさん出してもらって宅地を造成してもらって、そうしてできるだけの住宅を数々建設省が建てる、この両方の連絡が緊密でありますならば、別段矛盾したことではないと、かように考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/45
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046・中山福藏
○委員長(中山福藏君) ただいま大蔵省の国有財産第一課長天野四郎君が出席されておりますので、ちょっと御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/46
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047・田中一
○田中一君 大蔵省に伺いますが、この目的は、あなたの方の国有財産を扱っておる大蔵省の立場としては、何が目的なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/47
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048・天野四郎
○説明員(天野四郎君) 私の方では現在地方団体に対しまして、無償あるいは原価貸付をしておりますこのような住宅が多数ございまして、その管理があまり思わしくいっていないような状況でございます。私の方としましては、そのようなものはなるべく早く手放したいと思っておりますけれども、何分地方公共団体におきまして、そういうような建物を整理するのに難渋をきわめておるような状況でございますが、この際そういう危険な状態にある建物を何とか整理いたしたいというのがもちろん第一の目的でございます。同時にそのような住宅を整理いたしますと、相当の空地ができて参りますから、これを現在最も問題になっております住宅地に提供いたしまして、その活用をほかりたいというような大きな目的がほかにあるわけでございまして、両方あわせてねらっておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/48
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049・田中一
○田中一君 そういうことを、住宅を建てようが建てまいが、あなたの方は住宅地なら住宅地というものを提供すればいいのですよ、提供すればね。もしほんとうに宅地を造成するとすれば、大蔵省が自身でやったらいいじゃないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/49
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050・天野四郎
○説明員(天野四郎君) 建設の方は建設省が所管しておられますので、そちらの方で公営住宅なり、その他のあるいはまた公団関係の方の住宅、住宅政策一般の観点から御判断願いたいと思います。またその方からやっていくのが至当と思いましてお願いしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/50
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051・田中一
○田中一君 そうなんでしょうけれども、私もそういう答弁がほしかったのですが、結局第二種住宅を建てるのだからこうしてやろうということじゃなしに、それは建設大臣がやるのですね、大蔵省は土地だけ提供すればいいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/51
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052・天野四郎
○説明員(天野四郎君) 全くその通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/52
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053・田中一
○田中一君 そうでしょう。そうすると第二種公営住宅の目的がはっきりしている。第二種公営住宅を作らなければだ目だということになっているのです、この趣旨は。あなた方は大体連隊跡の、旧軍用に供した兵舎などに住んでいる者は、みんな低所得者だというような断定を下すのは間違いなんです。むろんこれは家主が国であっても、借家権は持っているわけですから、一部使用権というのですか、使用権というもので恩恵を受けているのかもしれません、あなた方の考えからみれば。しかし、だからといって規模の小さい第二種公営住宅を立体化した場合にどうなるかということを考えた場合、こんなことは求めないかも知れないのです。そういうことは何も法文に入れないでも、建設大臣が自由にその環境を見て、そうしてかりに十万坪の土地があった、十万坪の土地の兵舎をぶちこわして、そうしてかりに千戸なら千戸のスラム化されたところの住宅を立体化する、そうすれば一万坪もいらないのです、土地の使用が。だからあとの九万坪というものを、これも住宅にするのでございますということは書いてないのです、ここには。どこに作ろうと、あなたの方では勝手なんです。どう処分しようと。たとえばそれはあなたの方でもう一ぺん射撃場にしても自由なんです。従って、そういうことは倉庫番なんですから、大蔵省というのは。利用する面は、建設する面は建設省に相談するとか、あるいは国有財産の何か審議会がありますね、審議会できめてやるということなら話はわかります。それで特別の目的を示して立ちのきだけをさせるということだけでは、これはあまり御都合がよすぎるのじゃないかと思うのですよ。あなた方あとのことは一切建設大臣にまかしてしまえばいいじゃないですか、十万坪敷地があって、そこに一千戸の不良住宅がある、これを都道府県なら都道府県にやらしてもけっこうですが、建設大臣にまかして建設大臣にやらせればいいのです。建設大臣はそれが適当な住宅地になると思うなら、むろん全部を住宅に使うでしょう、それは簡単ですよ。こんなスラム街にいる人間だから第二種公営住宅を作らなければならないということはないのです。あなた実態調べておられると思いますけれどもね、りっぱな人が住んでいるのです、家がないために。そういう点からみてもこうした縮まった目的のために、立ちのくということをさせるための法律なんというものは要らないと思うのですよ。喜んで立ちのきますよ。建設大臣がその近所に第二種公営住宅、あるいは第一種公営住宅でもいいのです、安い住宅なりアパートを建ててやって、みんなこっちへ入れ、こっちへ入れ、みんな優先的に安いやつへ入れてやるぞといったら、みんな来てしまいます。結局そういう立ちのきなんということは建設大臣にまかせれば、すぐ簡単に解決しちゃうのです。公営住宅法でもって優先入居ということにすれば、そういう人たちはどんどん入ってしまいます。家賃にいたしましても、家賃というものは、現在国が大蔵省に払っている使用料でいいのだときめたら喜んで入っちゃいますよ。そうすればこういう法律なんか要らないのですよ。あとはあなたの方でこわして、射撃場にするなり自動車の運転場にするなり、あなたの方で勝手にできるのです。宅地造成という宅地が足りないからという目的ならば、建設大臣が先に住んでいる一千戸分の家を近所に作れば、同じような家賃で入れれば入っちゃうのですから、そのあと全部建設省におまかせして国有地を十分便ってくれということになれば、何もこんなむずかしい法律を作る必要は一つもない、きれいにいってしまいます。あなたの方でどんなものを作るか、わからないのですよ大蔵省は。だれに分譲するのかも、あなたの方で権限を持っているのでしょうから、最近もそういう例があります。板橋の方の小学校ですか中学校でしたか、払い下げになりそうだと思って待っていれば、通産省にそれを払い下げてしまったので、新入学生が教室がないので困っているということが新聞に出ていました、この間も。そういうことは、こんなものを作らないでも建設大臣が自分の意思でもって解決しようと思えば容易に解決されるのです。私は不思議でならない、こういうものを作るのはどうも大蔵官僚が何でもかんでも自分のワクを広げていくような気がしてしようがないのですよ。政治の貧困というか、大蔵大臣は何もそんなえらいものではないのです、同じような地位にあるところの国務大臣です。
自分の意見ばかり言って工合が悪いが、南條さんに伺いますが、これは一千戸の集団がある、不良住宅の。その近所の適地を求めて一千戸分のものを作ってやってお入りなさいと言えばみな入ってくると思いますか、それとも入ってこないと思いますか建設大臣は。あなたの方で一千戸分の低家賃の住宅を作ってやって、みなお入りなさい、建て直すからお入りなさいというときに入ってくると思いますか、入ってこないと思いますか、その人たちは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/53
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054・南條徳男
○国務大臣(南條徳男君) 具体的な場合についていろいろな検討をしなければならぬと思いますが、今の抽象的な御議論で、一千戸のうちに入っている者を新しく一千戸のうちを建てて、同じ条件なら越すじゃないかということの御意見ですけれども、それはいろいろな判断によって普通は越すのが常識でしょうが、また越さない者もあるかもしれない。そこで今度のこの問題につきましては、今のお説のような低所得者ばかりでないかもしれませんが、大体低所得者が多いかもしれない、そこでこれらの人たちを地方の自治団体の人がいろいろ勘案して、新しくそれと同じようなものを建ててやるからそれに入ったらどうだと言って、それをこわして立ちのかすいうことは、これは私は決して悪い政治だとは思いません。
それからまた、これによって先ほど申すように十万坪の土地があれば、それで千坪くらいのものに収用されれば、残りの九万九千坪の方は今度の国有財産の処分によってこれを宅地造成に大蔵省は使う、こういう目途のために特に特別会計までおいてやるようなわけでありますから、建設省といたしましては、住宅政策を非常に大蔵省は建設省に協力してくれるという意味では歓迎しているわけであります。まあケースはいろいろな場合がございましょうけれども、全体として私はこの法律は建設省の所管を大蔵省が勝手にやっているのだというふうにまげて御解釈にならぬでもいいんじゃないかと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/54
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055・田中一
○田中一君 あなたは閣議で賛成したのだろうから不満があろうと不満も言えないでしょうけれども、どうも宅地造成なり住宅政策なりに一貫性を欠いているということを言いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/55
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056・西田信一
○西田信一君 ちょっと大蔵当局と建設大臣とに伺いたいのですが、この法律案によりますと、条件として第二種公営住宅を建てると、こういうことになっておるのです。そこで、もちろんこれは相当老朽した建物に入っているのだから、りっぱな人というか、高所得者が入っているとは思えないけれども、これを建てかえるのでありますから、公営住宅であれば二種に限らぬでもいいじゃないかという気持がするわけです。ということは、もちろんこれは二種ですから面積坪数も小さいし、また入居対象者も低所得者を対象とするということで、そういうねらいであるかもしれませんが、私は戦後公営住宅という住宅の規模というものが戦後の過渡的な傾向からだんだん規模が少しづつ大きくなっているように考える。公団住宅なんかでもだんだん大きくなっていくと同じように。それで小さい住宅というものは、どうも将来には相当これはもてあますような時期が来やしないかという気もするのです。それでこれは一種でも三種でも、その実情によってはむしろ一種も建てたいのだという考えを持つ事態もあると思うのです。それでこれは公営住宅で実情に合うように一種なり二種なり自由に選択できるようにしてやることがむしろ適当だと思うのですが、この場合二種に限っているという理由は、これはどういうところにあるのか、大蔵省、建設省両省から御意見をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/56
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057・天野四郎
○説明員(天野四郎君) ただいまお話のありました点は、確かにそういうような御意見もございましていろいろ検討いたしましたけれども、とにかくわれわれの方の目的としますところは、現在地方公共団体に大体無償で貸し付けておりまして、その入っている方は生活困窮者の方が、生活保護法の適用を受けている方が多いのでございます。その人たちを第一に移すような場所を考えないと、なかなか事が解決いたしませんということで第二種にいたしましたけれども、もちろん土地がたくさんあいて参りますから、公共団体のところで第一種をお作りになる、そういう場合には減額して譲渡する道も別に開かれておりますし、それをお作りになって第一種の方に入っていただくというような道も考えておりまして、ねらいとしては生活困窮者の方を対象としてこの制度を適用したいということで第二種と限定したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/57
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058・南條徳男
○国務大臣(南條徳男君) ただいまの点は大蔵当局からも答弁のあったような趣旨で、建設省としてはこの法案作成のときに、住宅局と管財局と相当この点の議論はしまして、建設省側の要望も伝えてあるわけでございます。しかしながら、結局今大蔵当局の答弁のように、大体が低所得者を対象にしてやって、それでなお二種でなくて一種に入った方がよろしいというような方には、この空地があった場合、そこに一種のまた公営住宅を建ててその方に移すこともできるのであるが、とりあえず低所得者大多数の人に目標をおいてこれを作るということに落ちついたようなわけでございます。いろいろ御議論はございましょうけれども、お尋ねの趣旨は他の方法によってこれを満たすことができると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/58
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059・西田信一
○西田信一君 建設省としては、建設省の意向を大蔵省に十分伝えたけれどもこういう結果になったという御答弁のようで、むしろ私が今申し述べたようなことを建設省は考えておったのじゃないかと推測されるわけでございます。そこで私も十分この法律案を読んでおりませんので、あるいは私の勘違いかもしれませんが、提案理由の説明からうかがうところによりますと、第三種公営住宅を前提とされておる、こういうように見受けられるわけでございまして、もし一種の公営住宅を建てたいならば、別途これに必要な敷地を譲渡する、こういうようなことは、この法律案の中からは見受けられないように思うのですが、そういう道が開かれておるのでしょうか、ないのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/59
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060・天野四郎
○説明員(天野四郎君) 開かれております。法律的に申し上げますと、国有財産特別措置法の中に、地方公共団体はそのような公営住宅を建てる場合には五割以内の減額譲渡する道が開かれておりますし、それから日本住宅公団法に、政府は現物出資する道が開かれておりますので、そのような法規によって安く住宅地がこれらの団体に渡る道が開かれております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/60
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061・西田信一
○西田信一君 今の御答弁は、この対象になる土地が、第二種公営住宅として譲渡するが、その残りの土地の中で別途譲渡する余地が残されておるという、こういうことでありますから、この法律によって譲渡を受けるというのでありますか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/61
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062・天野四郎
○説明員(天野四郎君) そうでございます。特別措置法の三条の一項の一号のヌに「住民に賃貸する目的で経営する住宅施設」は「五割以内を減額した対価で譲渡し、又は貸し付けることができる。」とございまして、できる道が開かれておりますが、それから日本住宅公団法には政府が現物出資する道が開かれております。法律の構成上はそのような制度でございますが、政策といたしましては、来年度におきましては、大蔵省はなるべく国有地を住宅地に提供いたそうというような基本方針をきめておりますのでそういうような御希望は満たされると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/62
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063・西田信一
○西田信一君 もう一度伺いますが、そういう道が開かれておるならば、ここにしいて第二種公営住宅と限定をしなくても、第二種公営住宅もしくは第一種公営住宅というか、あるいはそれをつけないで公営住宅と言っても一向差しつかえないように思うのですが、これはどうしても第二種公営住宅と限定しなければならないその理由がございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/63
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064・天野四郎
○説明員(天野四郎君) 今説明いたしましたように、公営住宅の敷地に地方公共団体が土地を提供する場合は、五割以内の減額譲渡あるいは貸付をやっておりまして、時価から五割までしか減額措置を講じないとなっております。しかしこれによりまして、たとえば赤羽に火薬庫の跡がございまして、そこに約二万六千くらいの土地がございまして、相当の人が住んでおられますけれども、たとえばそこの現在の地価を一応二万円といたしますと、この建設省の方でおきめになりました標準建設費と申しますか、それがそれより低うございますので、この場合このような規定を設けますと、五割よりむしろ安く地方団体の手に渡ることになりますので、実質上は八割か七割、そのような結果にも相なって参ります次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/64
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065・田中一
○田中一君 どのくらいありますか、それは、あなたの考えておられる面は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/65
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066・天野四郎
○説明員(天野四郎君) 全国でそのようなケースに該当する住宅の数字はとおっしゃるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/66
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067・田中一
○田中一君 土地は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/67
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068・天野四郎
○説明員(天野四郎君) 昭和三十一年度十二月末現在の数字でございますが、建築基準法第十条の第一項に、特定行政庁からこれは保安上危険だから除却せよ、移転せよ、改築せよ、そういったような適宜の措置を講ずるように命ぜられておるものが全国で十六棟、坪数にいたしまして三千九百九十九坪でございます。そのほかに財務局におきまして保安上危険と認定しているものが、棟数にいたしまして千二百二十二棟、坪数にいたしまして十万九千五百三坪でございまして、合計いたしますと、棟数で千二百三十八棟、坪数で十一万三千五百二坪に及んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/68
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069・田中一
○田中一君 今お話に出た赤羽の兵器廠の跡ですね。あそこはどういう形でもって住宅地になっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/69
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070・天野四郎
○説明員(天野四郎君) 今問題の所は、旧口座名が、旧陸軍赤羽火薬庫でございまして、これは赤羽駅のちょっと西の方、十分くらい歩いた所にございますけれども、その一角には、あそこは米軍の補給倉庫として提供中のものもあるのでございますし、あるいはすでに都の方に対しまして、都営住宅としての敷地といたしまして売り払ったものもございますし、あるいは学校の用に供しているものもございますが、現在問題になっています所は二万六千三百二十七坪の国有地を東京都に無償貸付いたしておりまして、そこは前、軍が火薬の倉庫に使っておりましたから、ちょうどその建物がモルタルの平家がございますけれども、それが五十四棟くらいございますが、その建物の間々に大きな士砦と申しますか、二階よりももっと高い士砦がございまして、つまりそこが爆発した場合に累がほかに及ばないような構造になっております。そういうふうに五十四棟でこれは二千六百十五坪ございます。これを八畳と六畳と四畳半と、それぞれ三つの部屋に種類がございまして、家族の少いのは四畳半とかになっておりますが、そのように東京都から住民に貸しておるわけでございまして、その場合に都の方といたしましては、ある程度の維持修繕費が要りますので、八号につきましては月百三十円とか、六畳につきましては月百十円、四畳半につきましては六十五円というような維持費を取っております。そうして、そういったそこに入っております世帯数としましては、全部で三百七十二世帯いるわけでございます。そこで、これをもしかりに一応十坪の第二種の中層の耐火構造のものを作るといたしますと、十坪でございますから、十坪についてはいろいろ問題があると思いますが、一応十坪といたしますと、それに必要な土地は四千八百三十六坪で済むのでございます。そういたしますと、先ほど申しました二万六千三百二十七坪から四千八百三十六坪を除きました二万一千四百九十一坪、これが不用となって参ります。そうして、もしこれを住宅公団にわれわれの方が現物出資いたすといたします。そうしますと、そこの住宅公団はその十三坪の家が二十四戸、一棟四階建でございますが、これが四十二棟くらいできるという勘定でございまして、そこに入る世帯数が千八戸も入れる状態であります。こういう点からいっても非常に効率的な利用法だと思います。住宅公団に現物出資するか、東京都の方に対して減額いたしまして譲渡するか、あるいは貸し付けるか、あるいはその他の住宅関係の団体にいろいろ活用させるか、これは建設省の御意見も承わって、田中委員のおっしゃった国有財産審議会に付議しまして、その点は十分最も有効な活用方法をはかって参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/70
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071・田中一
○田中一君 もう終戦後十二年になるわけですが、これまですでにこういう法律がなくても、やはり徐々にはそういうものが除却されておったのではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/71
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072・天野四郎
○説明員(天野四郎君) われわれ管財局といたしましては、そういう建物があまり地方団体の方でも修繕していただけませんし、日増しに建物が腐朽して参りますので、もし何かあった場合のことを憂慮いたしまして、毎年々々法律案を考えて、関係方面といろいろ協議して参ったわけでございますが、今日まで実現を見なかったわけでございます。今回建設省の御好意ある配慮によってこういう話し合いがつきまして、われわれの方では大いに期待しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/72
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073・田中一
○田中一君 あなたの口から、建設省の好意ある配慮と言っていますけれども、もし私が悪口を言えば、今の政府の住宅政策というものは、そういう低収入者に対する住宅の考慮というものは少い。だから、あなたからすれば考慮、配慮かしらぬけれども、こんなものは、とうに第二種住宅を作っているのですから、何もそんな倒れそうな家に住みたくないと思うのです。さっき建設大臣は、住む人もあるけれども、いやな人もあるとか言ったけれども、私はみな喜んで来ると思うのです。そのために今まで東京都に五百円払ったものが五千円払うというのでは来はしません。だから建設省がやはり五百円のものはせいぜい環境がよくなるから八百円なら八百円ということでやれば、喜んで私は行くと思うのです。そういう政策をとってやれば、あなたの十年間の苦労というものはないわけなのです。そういう人こそ住宅を与える人なんです。何も三十坪の住宅を持っている人にまた増築資金なんか貸さないで、五千円六千円という家賃の公団住宅を建てないで、今あなたの方で困っておられるという十万人の人たちのために住宅を優先して供給しなければならぬものが、今でもそうでない方向に向っているから、あなたが建設大臣に感謝するようになってしまう。これははっきりしているのです、そういう点は……。低所得者に対しては住宅供給はいたしませんということを現実に証明している言葉なんです、あなたの言葉は。だからこういう法律を作らなくても、建設大臣がどんどんこれらの十万人の——十万人と言いましたかね、あなたが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/73
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074・天野四郎
○説明員(天野四郎君) それは坪数でございます。十一万坪でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/74
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075・田中一
○田中一君 所帯数はどのくらいありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/75
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076・天野四郎
○説明員(天野四郎君) ちょっと資料は手元に持ち合せておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/76
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077・田中一
○田中一君 そういう人たちを優先して入居させるような住宅供給をするならば、この法律は要らないですよ。あとはきれいになったら、それを地方公共団体にでも住宅公団にでも、それに現物出資しようとし譲渡しようと差しつかえないのです。そういう政策がないから十年間あなた苦労するのです、大蔵省が。だからやっとこういう点について立法化できたのだという言葉は、われわれにとってははなはだ不満なんですね。この法律は要らぬです、こういう法律は。建設大臣がそういう熱意を持てば……。今までの建設大臣持ってないのですよ、南条さんは別か知らぬですが、持ってないからそういうことになったのです。なぜこういうことをしなければ、同じような閣内におけるところの各大臣は法律を作らなければ動けないのだということになるか、私不思議でならないのですよ。まあこれ以上言うとあまり攻撃になるから言わぬけれども、この点については、この法律がなくたってできるのじゃないかと思うのですが、建設大臣はどう思っていますか、こういう法律がなければできないのだと思っているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/77
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078・南條徳男
○国務大臣(南條徳男君) 今のお説でありますが、いろいろ建設省の住宅政策によりまして、ただいまのような隘路を打開することはできますが、この法律を作ることによった一つのねらいは、今までの国有財産の特別措置法によります以外に、もっと地方団体には安く減額して土地を払い下げるということのためには、この二種の住宅を作るということを主眼とすれば、先ほど大蔵省側から答弁のように、もっと安くこれが地方団体の手に入るということに私はみそがあると思うのでありまして、この法律を作ることはマイナスじゃない、この住宅政策にとってかえってプラスだと思いますから、建設省といたしましてはよい方法だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/78
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079・田中一
○田中一君 この法律がなくちゃ先ほど言ったように時価の五割でしたか、そういう安く払い下げできませんか、現在国有財産特別措置法でもってできるのでしょう、現行法で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/79
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080・天野四郎
○説明員(天野四郎君) 現行法ですと、時価の五割までしかサービスできなくなっております。しかしこれによりますと、場所によりましては、地価が非常に高い所でございますと、実質的には時価の七割引きとか八割引きとか、そこまでサービスできるということで、非常に地方団体の方に安く手に入ることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/80
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081・田中一
○田中一君 貸したっていいのでしょう、貸すことできないのですか、貸せるのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/81
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082・天野四郎
○説明員(天野四郎君) 貸すことも現在時価の五割までということになっておりますので、五割以内ということになっておりますから、それ以上の場合は有償でございます。もっとも生活困窮者に貸す場合には、地方団体で無償で貸せる政策ができております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/82
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083・田中一
○田中一君 無償で貸してもいいのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/83
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084・天野四郎
○説明員(天野四郎君) それは生活困窮者を収容する施設に地方団体が使う場合に限ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/84
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085・田中一
○田中一君 そうすると、こういう改正をすれば安く手に入るというなら、その面だけでやればいいんです。あとは第二種公営住宅とか何とかそんことを言わないで、建設大臣が三十二年度の予算でもってその近所に第二種公営住宅をどんどん建てていけば、その人が同じ金を払うならば向うへ移っていくのです。そうすればあとの問題は安く払い下げるということだけを考えればいいのです。法律改正をすればいいのです、その面だけをね。またこういう法律ができたから、改正案ができたからといって、建設大臣がそんなところへ二種住宅を作らぬといえばやっぱり行き場がなくなってくるのです、強制されているものじゃないんですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/85
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086・天野四郎
○説明員(天野四郎君) 二種を作るにいたしましても、地方団体といたしましては三分の一だけは自腹を切らなければいけないわけでございまして、それからまた家を作る方にいたしますと、そういうように既存の人を収容するような施設を作るよりは、どんどん新しいものを作った方が、何と申しますかその方に重点を置いておられるようでして、既存の者を収容するために家を作っていただきたいということは再三いろいろと交渉したのでございますが、なかなかそういう方面には関心を持っていただけませんで、それじゃこの程度私の方においていろいろとサービスいたしますから、何とか住宅を作って引き取っていただきたいという、そういうようなことでようやく地方公共団体の方の御納得も得たような状況でして、なかなかそこまでわれわれの方に協力していただけないので、管財人ひとり苦しんでいるというような状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/86
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087・田中一
○田中一君 まことに不思議なことを聞くんですよ、それが実情なんですか。建設省、東京都もそういう人たちに対する住宅供給はしないのだといって、少しおみやげくっつけてやれば何とかしょうということだったのですか、不思議な話を聞くのですが。そういう熱意を持たない建設大臣じゃないと思うのですがね。時間の問題なんですよ、六カ月なら六カ月だけ待てばいいわけなんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/87
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088・天野四郎
○説明員(天野四郎君) 建設大臣じゃない、地方団体の間違いですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/88
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089・田中一
○田中一君 地方団体だって建設大臣が三分二を補助するのだから、やはり建設大臣が意欲があってあそこをやれ、あそこをやれと言えば、東京都なんか金がございますけれども、ないところは起債でもって三分の一は見てやれば喜んでやりますよ、必要ならば。——まあいいですわ。その程度にしますが、あなたから御答弁伺ってだいぶ発見しましたよ。またいろいろこれからの質問の材料、種ができてきましたから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/89
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090・重盛壽治
○重盛壽治君 戦後二十二年ごろから三年ごろにかけて主として引揚者、戦災者なんかが住宅がない、その場合に区長・東京都でいえば区長が了承して国有地ですね、そこヘバラックを建ててずっと住んでおる、こういうケースが東京都の場合あると思うのですがね。そういうところもこれに該当しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/90
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091・天野四郎
○説明員(天野四郎君) ただいま御質問の引揚者、戦災者、そういうような用に供する場合には、現在の特別措置によりましては、土地は別として建物は譲与の道が開かれております。しかし、この本法におきましては、地方団体のみならず、社会福祉法人がそのような施設を使っているとか、あるいはまた個人でも共同住宅に使っているような場合で保安上危険だとか、そういうような場合にはこの措置に乗るわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/91
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092・重盛壽治
○重盛壽治君 そうしたところがたくさんあって、しかも非常に物議をかもしているということは御承知だと思うのだが、これが従来そういう形で借りたものが、何らの形で個人に払い下げた、あるいは貸しつけたと、 こういう例はありますか。そういうところを……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/92
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093・天野四郎
○説明員(天野四郎君) たとえば同胞援護会という社会福祉法人がございまして、立川の方で貸し付けております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/93
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094・重盛壽治
○重盛壽治君 今度の法律には直接これはそういうような部面は当てはめようとすれば一部当てはまるが、全体的には当てはまらない、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/94
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095・天野四郎
○説明員(天野四郎君) 今申しました同胞援護会ですと社会福祉法人でございまして、もし同胞援護会や今後管理が非常に手数がかかるしとても大へんだから、この際都の方におきましてそのようなものを作っていただいて、都の方に移せるならばというようなもし希望されまするならば、この措置が適用されるように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/95
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096・重盛壽治
○重盛壽治君 同胞援護会とか何とかが扱っていないところで、直接区とあるいは都とそういうような人たちと問題をかもしておるところがたくさんあると思うのですが、そういうものに対する措置というものはこの中で考えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/96
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097・天野四郎
○説明員(天野四郎君) それは国が現在地方団体なり社会福祉法人なり、あるいは個人に貸しておる建物でそういうような状況がございまして、そして都の方やあるいは地方団体、その方で第二種住宅を作るという話し合いになれば、本法に載ってくるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/97
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098・重盛壽治
○重盛壽治君 そういう土地が国のものでなく、それから地方団体のものでもなくて、場所だけは国の何といいますか地方管財事務所ですか、そういうところが管理しておって、そこへ都知事が大体よかろうということで、それから家だけは自分が建てたと、こういうケースがあるのですね。そういうものでかなり困っている部面があるようでありますから、こういうような問題の処理がこの法律によって何かできるような見通しはありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/98
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099・天野四郎
○説明員(天野四郎君) 国有地の上に民有の建物があります場合にはこれは適用されません。しかしその団体が社会福祉法人であるとか、まあいろいろそういうような現在の法律に該当する団体であります場合には、五割の減額で譲渡とか貸すとかいう道もございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/99
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100・石井桂
○石井桂君 今田中さんの質問に対して大蔵省の課長から御答弁があって、地方庁は第二種の不燃住宅を建てることをいやがっているのですか、そういう御趣旨の御答弁のように思ったのだけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/100
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101・天野四郎
○説明員(天野四郎君) そういうことじゃございませんでして、現在いる人を収容するのでは、全体から見ましてプラス・マイナス・ゼロでございまして、新しい家が建った結果にならぬわけでございます。そこになるべく収容できる家を建てたいというような、そういう考えはその関係者には強くございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/101
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102・石井桂
○石井桂君 私は第一種と第二種とを比べると、地方庁の持ち出しは第一種の方は二分の一、第二種は三分の一ですから、第二種を建てたいという希望の方が多いだろうと思うのです。そういうことと、それから低所得者の住宅ということをまず第一に目ざすという趣旨で、この法案は確かに住宅政策の推進に寄与するところが大きいと思うのですが、敷地の場所によっては第一種とか第二種とかに限ると困るところがずいぶんあると思うのです。たとえば、あそこに青山にも連隊の跡があるでしょう。赤羽にもある。そういうようなところは、むしろ一種も混合して建てた方がいいという場所もあると思うのです。それで第二種にきめると非常に困りやしないかと思うのです。ですから第二種というのは大きな要望を満たすのには正鵠を得ておると思うけれども、それに限ったことで自縄自縛に陥りやしないかという気がする。だから住宅用地に供給する道を開いて二種ときめない方、がいいのじゃないかという気がしますね、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/102
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103・天野四郎
○説明員(天野四郎君) それは先ほど申しましたように、たとえば一万坪の土地がございまして、そこにあちらこちら散在しておるのですが、一千坪くらいのそこに第二種の四階建を建てますと、全部そこに収容できるわけなのです。あとの九千坪には今おっしゃるような第一種でも住宅政策に適合した建物をお作りになってけっこうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/103
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104・石井桂
○石井桂君 そのことで非常に地方庁は困っていることがある。たとえば赤羽なら赤羽は二種の住宅群だとすると、どうも柄が悪そうだというので、物の掛け売りというのはいやがる、そういう傾向があるんですよ。あそこは二種の住宅群だ、こっちは一種だと、まわりの商人に一種の方が信用がある。それは非常におかしなものです。そういうことであると非常に生活が、あそこは貧民窟とまでいかなくとも、あそこに貧民窟ができる、そういうことがある一種、二種混在した方がいいんじゃないか、住宅政策としては。そういう面で非常に困りやしないかと思うのです。これは地方庁の実情をお調べになるとおわかりになると思うのです。二種住宅というところでは掛け売りも何も来なくなってしまう。そういう弊がありますですよ、そういうことは考えてはなかったでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/104
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105・天野四郎
○説明員(天野四郎君) 赤羽の例でございますが、赤羽は確かに二種住宅がございまして、それに隣接して二万六千坪があるわけでございますが、それの先の方にはさらに都営住宅の二種を盛んに作っておりまして、決してあれだけがスラム街になるわけではないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/105
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106・西田信一
○西田信一君 私はさっきお聞きして、要するに二種住宅に特別に敷地を安く提供してやろうという気持はわかったのですが、そこで今石井先生からお尋ねがあって、もう一度お尋ねするわけですけれども、まあ二種の方は公営住宅の場合は国の負担も大きいわけですね。そうして坪数も小さいが、結局坪数差引き勘定しても国の負担は多くなると思うのです。そこで地方庁が一種を希望するというような場合には、むしろ私は一種も認めてやるという方が、あるいは混合して建てなさいという方が住宅政策の上からむしろもう一歩進んだ考え方になると思うのですが、要するにこういうところに一種のものを安く土地を提供してやって建てさせるという考え方が私は適当だと思うのですけれども、大蔵省のお考えによると、公営住宅は二種を大いに推奨したい、これから大いに二種をふやしていきたいというような考え方に立っておられるのでしょうか。それともあくまでも低所得者という立場に非常に考えの重きを置いて、そうしてその低所得者を対象にするから二種のものが適当であるという考え方、だけに立ってこういうものを出しておられるのですか。この点はいかがですか。むしろ私は一種、二種をまぜた方がいいという考え方に立ってお尋ねするのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/106
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107・天野四郎
○説明員(天野四郎君) 現在入っている人をどいていただきますには、たとえば遠く離れた場所に作りましても、もうそこがやはり生活の本拠になっておりまして、学校の関係とか、あるいは勤めの関係とか、商売の関係とかいうことがございまして、どうしてもその土地に愛着を持っておりまして、なかなかどいてくれないのであります。従ってそのすぐ脇に代替施設を作りませんと、どうしてもそちらの方に移ってくれないということがこの問題の第一の出発点でございますが、そのときに現在入っている人は大体第二極の住宅にお入りになる方ばかり、大体そうでございますから、その点で第二種としたわけでございますが、あとの建物をどう作るか、これは建設省の方でいかような建物を作るか判断していただいてけっこうであります。ただ私どもといたしましては、倒れかかっている建物がもし倒れましたら大へんなことでございますから、一日も早くそういう人たちにほかの適当ないい施設を提供いたしまして、そうしてその建物をこわしていただきたい、そういう考えがまず第一でございます。そこから出発しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/107
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108・西田信一
○西田信一君 そういたしますと、今度はこれは大体対象になる土地というものをお考えになっていると思うのですが、そういう土地について地方庁なんかと十分事前の話し合い、があってそうしてこれは第二種の住宅を建てかえるならば地方庁でも希望するというようなことで、そういうような一つの見通しを立てられてこういう法律をお作りになったという意味でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/108
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109・天野四郎
○説明員(天野四郎君) その点は主として建設省がいろいろと当っていた、だくことだと思いますが、私どもといたしましては、建設省とそれから東京都には若干交渉しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/109
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110・西田信一
○西田信一君 その点はさっき建設大臣は、むしろ一種、二種を希望しているけれども、大蔵省の御希望によって二種にしたのだ、まあ同調したのだという意味の御答弁があったように思うのです。むしろ建設省としては第一種、第二種に安い土地を提供してやることを希望されたと、そういうふうにききに伺ったのです、がどうでしょう。それならばむしろ一、二種にこの際安い土地を提供してやる、今の特別措置法によって第三条に今まで認められているものよりももっと進んだ、あれは公営住宅ではありませんから、住宅なんですから、住民の住宅の用に供する施設とか何とかありまして、公営住宅とははっきり言っていない。今度は国有地のあとに公営住宅を建てるという一歩進んだ制限がありますから、これに対しては二種に限らず、一種二種に安い土地を提供して、早くそういう人に住宅を提供してやるということに、むしろ考えをおかれた方がいいのじゃないかと思いますが、建設省の御調査であるということならば、ちょっと大臣の答弁と食い違いのあるように思いますが、いかがであるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/110
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111・天野四郎
○説明員(天野四郎君) 私の方はあくまでも現在倒れかかっている家を何とかしたいというそれだけでございまして、それらの人は第二種に入られる方でございますから、第二種をお作りいたしたい。そうして第一種の住宅がそのように国の方がサービスいたしますことは、ほかとの優遇措置との関係もございますので、まあ第二種だけにいたしまして、その際これだけのサービスをいたそうということで特に限定したわけでございますので、了承していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/111
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112・中山福藏
○委員長(中山福藏君) ちょっと第一課長に一点だけ私から聞いておきたいと思いますが、この法律はいかがでございますか、国の庁舎等の使用調整等に関する特別指置法案の第五条の二号というところで、「特定庁舎等で、公営住宅その他の住宅又はその敷地の用に供することが適当であると認められる場所にあるものを、主としてこれらの用に供するために処分し、これに伴って必要となる特定庁舎等とする目的で建物若しくはその附帯施設又はこれらの敷地を取得する計画」というところがあります。これとの関連についてお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/112
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113・天野四郎
○説明員(天野四郎君) この法律も今申しました改正案と一連の構想でございまして、土地を立体的に有効に活用するという思想でございますが、この場合特定庁舎等の場合でございますが、たとえば気象庁というものが大手町区に非常な膨大な面積を占めて散在しておるわけでございますが、あれをもし、郊外の方に気象研究所がございますから、その方の土地にあれを移した場合に、その跡が相当余るわけでございますから、その土地が都市計画あるいは住宅政策から見まして、住宅地として使うのが適当であればこれは住宅地にいたそうという、これは例は悪うございまして、あそこが住宅地とはなかなか問題でございますが、そういうふうに庁舎を移転いたしまして、その跡が住宅地に使えるならなるべく住宅地に使いたいという、そういう考えでございまして、やはり国有地をあげて住宅地に活用いたしたいというような構想の一つでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/113
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114・中山福藏
○委員長(中山福藏君) その点についてはいろいろこちらも考えておりますが、十分一つ御研究願いたい。
それからもう一点だけ最後に聞いておきますが、公営住宅法の第三条から第四条というところは、大体地方公共団体の公営住宅供給に関する規定になっておるようでございますが、こういういろいろな法律があって、ことさらに国有財産特別措置法の一部を改正する法律案というような法律を、これは重複するような感じも受けるのですが、そういう感じはお受けになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/114
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115・天野四郎
○説明員(天野四郎君) 私どものねらっておりますのは、今にも倒れそうな家を何とかしてあげたいという、それだけでございまして、そのために第二種公営住宅が適当であろうということでそのように提案いたした次第でございまして、別に公営住宅をどうしようとか、そういう考えは全然なくて、とにかく倒れかかった家を何とか早く処理いたしたいという考えだけからでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/115
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116・中山福藏
○委員長(中山福藏君) それでは本日はこれをもって散会いたします。
午後零時二十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614149X02219570404/116
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