1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年四月二十四日(水曜日)
午前十一時四十五分開会
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出席者は左の通り。
委員長 松澤 兼人君
理事
古池 信三君
西川彌平治君
近藤 信一君
委員
青柳 秀夫君
大谷 贇雄君
小西 英雄君
白川 一雄君
白井 勇君
高橋 衛君
阿部 竹松君
相馬 助治君
豊田 雅孝君
政府委員
通商産業政務次
官 長谷川四郎君
通商産業省重工
業局長 鈴木 義雄君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞寿君
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本日の会議に付した案件
○電子工業振興臨時措置法案(内閣提
出)
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001・近藤信一
○理事(近藤信一君) これより委員会を開会いたします。
委員長所用のため、ちょっと席におられませんので、私がかわって行います。
まず電子工業振興臨時措置法案を議題といたします。
本案につきましては、昨日内容の説明を聴取いたしましたので、これより本案の質疑に入ります。ただいま通産省から御出席になっておりますが、追って公正取引委員会からも出席される予定であります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/1
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002・豊田雅孝
○豊田雅孝君 まず最初に伺いたいのは、機械工業振興臨時措置法と、電子工業振興臨時措置法案との相互関係、これをまず承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/2
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003・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 昨年成立いたしました機械工業振興臨時措置法と、今回提出いたしました電子工業振興臨時措置法との関係でございますが、昨年の機械工業振興臨時措置法の中には、一部部品関係で、電子関係の部品が含まれておる部分もございますが、今後電子工業の振興をはかりますためには、機械工業振興法のシステムでは、これをやっていけないという結論が出ました。従ってこのような法案が出たわけでございます。根本的の考え方といたし、ましては、機械工業振興臨時措置法の方は、前にも御説明したと思いますが、機械工業の立ちおくれた部門、基礎部門、部品部門を中心として、その設備を合理化し、専門生産を行うというふうな、いわば体質改善を行なって合理化をやっていこう、かような建前になっております。しかしながら、ただいま御審議をいただきます電子工業の方は、何と申しますかそういった合理化をする部分もございますが、同時に電子工業は新しい産業として、非常に諸外国に対して技術もおくれているというような問題で、製造技術を大いに伸ばすというような考え方、それから同時に、新しい製品を作るという考え方、いわば新規産業として伸ばすという面、これを相当持っております。かような点から、従来の機械工業振興法のやり方ではやっていけない、かような点でこの電子工業振興臨時措置法案を提出いたしたわけであります。
もう少し具体的に申し上げますと、機械工業の方の法律でございますと、合理化の計画を策定することになっておりますが、電子工業の振興法では振興計画を作りまして、この振興計画には、第三条にございますように、日本において製造技術が確立されていない、あるいは水準が低い分について製造技術に関する試験研究を、特に促進する必要がある、あるいはわが国において工業生産が行われていない、あるいは工業生産が非常に少いもの、これを促進するという問題、こういうふうなものを含んでおりまして、ちょうど機械工業臨時措置法の方は、第三条第一項三号の「性能又は品質の改善、生産費の低下」というふうな問題は、機械工業借買法によってカバーされますが、一、二、のような性格を持っております電子工業としては不十分でございまして、かような点で特に電子工業振興臨時措置法を提案したような次第になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/3
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004・豊田雅孝
○豊田雅孝君 そうすると、今後は電子工業関係については機械工業振興の範疇からのけるということになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/4
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005・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) さようでございます。その点は付則の一番最後に機械工業から電子工業を除くようにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/5
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006・豊田雅孝
○豊田雅孝君 この法案を見ますと、独禁法の適用除外以外は、ほとんど行政措置でいこうと思えばいけるようなものが多いというふうに思われるのでありますが、本法案を制定しなければならぬというほんとうのねらいどころというものは、一体どこにあるのか、その点伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/6
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007・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 御指摘のように純法律的に見ますと、独禁法の除外というのが法律的にはこの法案の大きな重点になるわけでございますが、しかしならがら、電子工業を振興しようという観点から見ますと、本法案で規定しておりますような電子工業の審議会を官民合同で設けまして、それに電子工業の振興方策を掲げ、それに基きまして技術の推進、新規生産の促進並びに電子工業の合理化をはかるというような点を特に多く取り入れまして、国として電子工業の振興をはかっていきたい、こういう政策的なものが相当この法案には織り込まれておるわけでございます。昨年成立を見ました機械工業臨時措置法におきましては、この体裁と同じ体裁を持ちまして、かような考え方で提案して成立を見たのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/7
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008・豊田雅孝
○豊田雅孝君 推進をしていこうという点からいうと、具体的にはどういう点を最もねらっておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/8
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009・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 昨日も御説明申し上げましたが、やはり日本の電子工業は、諸外国に対していろいろな点でおくれております。まず第一は、技術の点でおくれております。これにつきましては、この法案に基きまして、製造に関する試験研究を促進するものにつきまして検討し、その目標等をきめるわけでございますが、これにつきましては、本年度予算におきまして一億三千万円の試作研究費が予定されております。年々これらの試作研究あるいは製造関係の補助につきまして、審議会にはかりまして、出ました結論について政府としては予算を確保し、大いに製造技術の研究を伸ばしていきたい、かような点が第一点でありまして、それから第二点は、従来相当輸入に依存しておりまして、新しく生産しなければならない、それから瞬時に、生産は現在しておるけれども、今後さらに伸ばさなければならない、かようなものにつきまして審議会にはかりまして、振興計画を立てます。これに基きまして、これを促進するための行政的措置を持ちますし、あるいは必要に応じ資金の確保もはかる、また、今後税制の措置等におきまして、特に新規のものにつきまして、免税等の必要のあるものにつきましては、さような措置をとっていくように努力をしていきたい、かような考え方であります。それから第三は、合理化関係の問題でございますが、従来この電子工業におきましても、部品関係の部門が、相当中小企業に依存しておるものが多いのでございます。これらの設備をできるだけ合理化し、あるいは専門生産を行い、あるいは規格を統一してコストを安くする、かような方向に持っていきますために振興方策を立てまして、それによる資金の確保、あるいは独禁法の除外例として合理化カルテルの指示制によって認めていく、かような方法で電子工業全般の均衡をはかっていきたい、かようなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/9
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010・豊田雅孝
○豊田雅孝君 資金の確保と言うのですが、どの程度の確保をしようと思っておるのか、全体の資金計画、それからそのうちで、どういう金融機関からどの程度の資金を確保しようとしているのか、あるいはこの金利、それからそれと一般金利との比較等から十分推進になるのかどうか、そういう点を具体的にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/10
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011・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 資金の確保につきましては、法律の第六条で資金の確保のための規定がございます。この第六条の資金の確保の規定は、機械工業振興臨時措置法と同じ考え方でございまして、特に日本開発銀行の特別融資条件による資金の確保を、これは予定しておるものであります。それから電子工業全体といたしましては、まあこれ以外に通常の条件による開銀資金の融資の問題、それから市中金融に期待する分、いろいろございます。電子工業の中の大きなものの部分、たとえば東芝であるとか、日立であるとかいう非常に大きな企業につきましては、これは市中銀行からの借り入れその他自分でまかない得る分が多いと考えますが、特に部品部門あるいは材料部門の中小企業に属する部分につきましては、昨年やりました日本開発銀行の特別融資の方式をとっていきたい、かような考え方で考えております。そこで全体の三十一年度の、昨年の予想でございますが、電子工業振興に関する設備投資の予想は、大体われわれといたしましては五十億程度としておるのであります。かように考えます。今後、その設備投資の額を増加しなければならないと考えます。特に新しい、新規の生産とか、合理化については、いろいろかような資金が要るわけでございます。三十二年度といたしましては、先ほど申し上げました中小企業と開銀の特別融資を対象とするものの所要資金が、大体われわれとしましては八億程度、そのうち五億程度を開銀の特別融資として確保したい、かように考えておって、目下開銀のワクが折衝中でございまして、その数字に従いまして折衝いたしておるわけでございます。三十二年度以降につきましては、さらにこの審議会ができまして、それにより計画ができますから、それに基きまして所要数量を政府として開銀の融資その他で確保していきたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/11
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012・豊田雅孝
○豊田雅孝君 金利はどの程度ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/12
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013・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 特別融資の場合は従来と、機械工業の場合と同じでございまして、金利は六分五厘、それから償還期限は、場合によっては、企業によりまして十年程度までもなし得る、それから持ち込み担保、さような条件でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/13
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014・豊田雅孝
○豊田雅孝君 産業振興の立場から出されておるこの特別融資の金利として、一番安いものはどれぐらいになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/14
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015・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 開銀の一番安いものは六分五厘だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/15
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016・豊田雅孝
○豊田雅孝君 次にお尋ねしたいと思っていますのは、この電子工業の振興にしてももちろんでありますが、機械工業全体の振興にしても、機械工業だけの振興ということになるのでは、非常に問題が出てくると思うのであります。そういう点で、この電子工業につきましても大企業のみならず、中小企業の振興ということを同時にやらなければいかぬ。ことに、中小企業は御承知のごとく生産性の向上を一番今やかましくいわなければならぬ際なんでありますので、その点について特に留意をしなければならぬのでありますが、これに関連いたしてかねがね中小企業振興審議会で慎重審議せられ、その答申が出ておりましたと思いますが、中小企業振興助成法案、これは一向国会に出てこないのでありますが、これはどういう関係なんでありましょうか。また同時に、そういうことでは、いかに電子工業の振興をやろうとか、機械工業の振興をやろうとかいったって、大きな線が抜けておるというようなふうに考えるのでありますが、政府としてはどういうふうにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/16
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017・長谷川四郎
○政府委員(長谷川四郎君) 御指摘ごもっともだと思います。従って、どうしても今国会に提案したいというので、私のところでも懸命に努力をして参ったんですが、どうも今国会には助成法は間に合いそうもないというようなことになってしまっておるのでございます。その点まことに申しわけないと考えております。しかし、そういう点については、何らかの処置をしなければならないのじゃないかというようなことも考えられますので、目下いろいろと今打ち合せをしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/17
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018・豊田雅孝
○豊田雅孝君 中小企業振興助成法は、御承知のように大企業、大工業が、中小工業の適正分野に、過当なる進出をしないようにこれを調整、抑制をしようという法案なんでありますが、こういうものが出ておらぬものでありますから、今業界で問題になっておりまする日本電気の技術提供の問題が起きて、これによって中小企業は相当大きなショックを受けようというふうになってきておることを仄聞するのでありますが、この中小企業振興助成法案の行き方と、それから現実に起きておる問題の日本電気とアメリカのIRCの提携が、中小企業界に甚大な影響を与えんとしておるという問題について、政府の具体的な見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/18
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019・長谷川四郎
○政府委員(長谷川四郎君) IRCとの提携の問題は、六カ月前くらいからそういうようなお話がありましたので、その点については、十分政府としても考えなければならないのじゃないかというようなお話も申し上げてありますし、また、今通産省としてはなるべくそういう技術の全く必要な部面があるとするならば、どこにあるかというような点について、目下検討を加えているのでございまして、まだそれを導入するというようには決定をしておらないのでありまして、御承知のごとく、この種のものは非常に中小企業が多いのでございますので、なるべく中小企業に影響のないようにやらなければならない、こう考えております。さらにまた、現在昨年度の統計によりましても、たとえば三十一年度に特許に外国へ日本が支払った金額だけでも七十二億というような莫大な金を支払っておるし、さらに外国等に対する技術者の派遣等、これらの費用としても大体六百万ドルですか、二十一億六千万くらいの金を外国へ支払っておるというようにも聞いておりますし、反面外国からの特許、つまり日本の特許として入ってくる金額というものは、非常に僅少な額でございますので、それらの点につきましても、十分今後考えなければならない。たとえば原子のような、原子の平和利用の問題になってくると、なかなかそうもいかないだろうけれども、こういうような小さいと申しましては、語弊がございますけれども、この種のようなものはなるべく国内の技術の振興をやる。それにはやはり、この法案によって中小企業というような面を圧迫をしない方向に進ましていきたい、こう考えておるわけでございます。従いまして先ほどの日本電気との提携の方は、まだ決定をしておりませんので、なるべく国内の技術を振興するという点について、たとえば防衛庁で必要な部分が幾らかあるというような点もお話しも承わっておりますので、その点であるならば、なるべく国内の技術を向上させていきたい。そうしてどうしても日本国内においてできない、防衛庁で使う部分があるとするならば、この部分はできたものを購入しなければならないという点があるならば、それは購入すべきで、国内の技術をなるべく向上するという点に置いて、そういう大きな生産に入ることなく、中小企業の育成に尽していきたい、こう考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/19
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020・豊田雅孝
○豊田雅孝君 私も技術提携につきましては、今長谷川政務次官が言われる点に、全く同感なんでありまして、新しいほんとうの、少し誇張して言えば無から有を生ぜしめるような技術提携は、これは大いにけっこうだと思うのでありますけれども、単に多少のマス・プロになる程度の技術提携であって、何ら本質的な技術の導入には触れておらぬというようなものについて技術提携をやり、そうしてこれが既存の中小企業の存立を根本的におびやかすというようなことについては、これはよほど政府の方でしっかりした措置をおとりにならぬといかぬと思うのでありますが、これについては、具体的にそういう方針で措置をおとりになろうというお考えをお持ちであり、また、政府がそれを実行せられる確信をお持ちでありましょうか。その点と同時に、将来中小企業振興助成法案をいつお出しになるのか、また、お出しになる法案について、ただいま申しましたような、技術提携による中小企業の過当圧迫、これを抑制、調整するような行き方を織り込むべきだと思うのでありますが、これを織り込む御意思があるかどうか、その点を伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/20
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021・長谷川四郎
○政府委員(長谷川四郎君) 現在考えておった、提案しようという面には、そういう御指摘のような面は少なかったと思うのでございますが、御指摘のような点も十分考えなければならないと思いますので、今後新たに、今国会には間に合わないと思いますけれども、次回提案する場合には、ぜひともその点は十分織り込んでいかなければならないのではないか、こう考えております。また一面、中小企業問題が全国をあげて今日のような大きな問題が起きておるこの際でもございますので、十分その点は気をつけなければならぬと思います。従ってもう一つのIRCとの関係については、まだ調査が十分尽されておりませんのでございますが、なるべく御期待に沿うような方向に進んでいきたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/21
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022・豊田雅孝
○豊田雅孝君 それでは、差し当りIRC問題については、先ほど来質疑、答弁のありました趣旨によりまして、過当な圧迫を既存業界に与えないような措置を、具体的に至急とられることを要望いたします。と同時に、中小企業振興助成法案は、御承知の通り大紡績会社が、たとえばワイシャツまで作っていくというような過当進出を抑制調整しようというのでありますが、そのほかに、今申す技術提携による、不要の程度にまで至る過当進出、過当圧迫、これに対しての抑制調節の行き方を織り込まれるように強く要望いたしておきます。
それと同時に、もう一点伺っておきたいと思いますのは、共同行為をやりまする場合に、一定の制限があるようでありますが、要するに基本計画に定める合理化の目標を達成するため必要な程度を越えちゃいかぬとか、あるいは一般消費者なり関連事業者の利益を不当に害するおそれがないものでなければいかぬ。それから不当に差別的であってはいけないというような条件がついておるわけでありますが、これらの諸条件について、できるだけ具体的に一つ説明をせられたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/22
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023・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 第八条で共同行為につきまして、この三号に適合するものでなければならないというふうに書いてございます。これは今具体的にという御質問でございましたが、実は機械工業振興臨時措置法におきましても、同様の規定がございます。それから従来独禁法におきましても、これに似たような規定がございますので、それらの立法の、それらの考え方と同じような考え方でわれわれとしては処置していきたい。ですから具体的にと申しますと、何か新しい指示によりましてやる行為の内容がきまりませんと、例としては申し上げられないわけでございますが、たとえば第七条で電子の制限をいたす場合でございますが、その場合は、たとえばわれわれから考えますと、現在たとえば電子管の中でMT管というのがある。これが非常に種類が多くて、これをさらに種類を減らし、能率を上げ、専門生産をやれば非常に能率がよくなる、かような場合に審議会の結論によりましてこれを指示して、業界において共同行為によってやっていただくわけであります。その場合に、それによって、ここに書いてあるような一、二、三号から見ますと、たとえば三号であるというと、ある業者に対しまして非常にそのやり方が差別的であって、非常に少い生産部門の割当であるというような問題になると、やはり不当にそれが行われた場合には、第三号で問題になるというふうなことになるのじゃなかろうか、またかりに第七条の四号で「部品又は原材料の購入方法」というのがございますが、その場合に購入方法で協定をいたしました場合に、それが関連事業者の利益を非常に不当に害するというふうな場合がありますれば、第八条の第二号に該当してくるというふうな事例が考えられると思います。それから第八条の一号は、合理化の目標を達成するため必要な限度でいいわけでございまして、これ以上にカルテル行為がよけいに広がるという場合には、独禁法の趣旨から見て適当でない、かような考え方で第一号の規定があるわけでございまして、これは従来やりました考え方の実例等から見まして、われわれも運用については十分注意をしてやりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/23
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024・豊田雅孝
○豊田雅孝君 時間もないようでありますので、支払遅延関係を聞きたいと思うのでありますが、支払遅延の改善せられてきておる実情等をあらためて聞きますと同時に、その際には果して通産省なりあるいは運輸省等から見た場合に、改善せられておるという通りになっているのかどうか、この点については公取の方に出席を求めて実情さようになっているのかどうか、そういう問題について次回に質問をいたしたいという要望をいたしておきまして、私はきょうはこれで質問は終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/24
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025・白川一雄
○白川一雄君 この資料を拝見いたしますと、電子工業は欧米では軍需を目的として非常に発展したということを書いてありますが、日本は軍備はありませんが、防衛庁の需要というものを考えますと、研究という方面から進むのも振興の方法であるけれども、需要という方面の必要性からくることも、非常に進歩を求める方法だと考えるのでございますが、防衛庁の需要に対して、通産省の方はどういう連絡をお持ちであるか、お聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/25
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026・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 防衛庁の需要につきましては、従来私の方でいろいろ連絡をつけてやっております。たとえば航空機関係のジェット機器を作ります場合に、それの関係の電子機器、それはどういうふうにしてやるかというようなことにつきましては、これを輸入でやるか、あるいは部品を取ってやるか、あるいは国内で注文するか、いろいろそういうふうな問題について、常時連絡をいたしまして処置をしているような現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/26
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027・白川一雄
○白川一雄君 電子工業は特に航空機、原子力、自動車工業というものと密接な関係があるものですが、防衛庁が最近飛行機の事故を起すのを、現在数字的に調査をしておりますが、大体アメリカで製造もやめてしまっておるような飛行機を日本へ持ってきて、そして飛ばしておるから、たとえば十台入れたものが五台しか飛ばせない。これの部品をまかなうとすれば、アメリカでもすでに製造やめてしまっているというふうな飛行機を持ってきて、自衛力の強化だという言葉で言っておるところに、非常に私無理があるのじゃないか。これは日本が自力で部品を製造するなりすれば、中小企業も助かってくるのだし、防衛庁の行き方が、とかく向うのものをすぐ安易に持っていって、防衛態勢を固めるという線を言っておるように見受けるので、通産省としては電子工業に関する限りは、特に防衛庁との関係の密接なものがあるので、十分防衛庁の需要というものを調査されて、国内産業にこれを移すように持っていきませんと、防衛力ができて国内産業が倒れてしまうという危険性を、非常に持っておると思うのでございますが、この点に対して、通産省当局ではどういうような御観察をしておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/27
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028・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 防衛庁との関係は、常にわれわれとしては連絡を緊密にいたしておりまして、私の方にも、たとえば航空機について申し上げますと、航空機武器課というのが重工業局にありまして、それが防衛庁の関係当局と常に連絡をとり、さような問題につきましては常に検討いたしておりまして、日本でできるものをできるだけ伸ばしていきたい、かような考え方で常に処置しておるわけでございます。今後もさような点で努力を払っていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/28
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029・白川一雄
○白川一雄君 この間、防衛庁は二回飛行機事故を出しましたが、あの二つの飛行機とも、アメリカでは製造をとっくにやめてしまって、アメリカでは使っていない飛行機なのです。ですから自然部品もないと思います。ああいう部品を補充するには、今国内のメーカーにやらしておるのでしょうか、それともアメリカの古手を探し回って、商社を通じて入れて補っておるのか、その辺について伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/29
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030・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 両方あるように聞いております。正確に私、具体的にここで申し上げられないことは、残念でございますが、両方あります。と申しますのは、国内でできますものは、国内でできるだけやりたいと思っておりますが、一部やはり向うから取っておるものもあるように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/30
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031・白川一雄
○白川一雄君 通産省の方で、この電子工業にも関連はあるのですが、航空機等につきましても、大いに民間に奨励してやらせるように言うて計画はさせたが、途中から発注がなくてどこも飛行機工場は四苦八苦であるというのが現状である。御承知の通り一機種を作るのに、治具代に五、六億円という金のかかる仕事を、最初は月に十五機やらせる、二十機やらせるというようなことでやらしておいて、実際になってみると、月二機ぐらいしか作らせないような現状で、非常に困っておるらしいのですが、防衛庁はあんなすぐおっこちるような古手の、使い物にならぬ飛行機をもろうて、なおかつ、あれの使用を続けていくのかどうか。いくとすれば、せめてこれの部品は国内産業で充実していかなければならぬと、こう思いますが、その辺に非常に盲点、ギャップがあるようにわれわれは考えておるのでございますが、こういう事柄に対する防衛庁の計画というものを、通産省の方は完全につかんでおられるのか、その点を伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/31
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032・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 御指摘がございましたように、航空機工業は非常に大きな資本を投下いたしまして、一ぺんに仕事をいたしますと、非常にリスクが多いわけであります。過去において御指摘のように防衛庁から発注があるということで準備を進めましたが、その後、計画変更によりまして非常に困った事態が二、三年前ございました。しかし、そういうふうな事例はできるだけないように、われわれは今後努力していきたいと考えておりますが、かりにさような場合に、防衛庁の需要関係については、常時民間の需要を把握いたしまして、と申しますよりも、常にいろいろなことがあります場合には、防衛庁と一体となって航空機工業は、われわれの方として推進しておりますから、さような事態がそごを来たさないように、われわれとしては国産でやれるものは、できるだけ国産を伸ばすというような考えで進めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/32
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033・白川一雄
○白川一雄君 私は的確な数字をつかむべく、現在日本がアメリカから入れておる飛行機は、いつごろもうすでに製造をやめておるか、また、日本に何台入れてどういう状態になっておるか、今調べておりますので、これの資料の整い次第、またこの点は、非常に電子工業等には関連性があると思いますので、重ねて伺うことにして、本日はこの程度にいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/33
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034・近藤信一
○理事(近藤信一君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕
〔理事近藤信一君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/34
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035・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) 速記を起して。午後、電子工業関係の視察を行う関係もありますので、残余の質疑は次回に譲ることといたしまして、本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02419570424/35
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