1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年四月二十六日(金曜日)
午前十一時十一分開会
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委員の異動
本日委員武藤常介君辞任につき、その
補欠として勝俣稔君を議長において指
名した。
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出席者は左の通り。
理事
古池 信三君
西川彌平治君
阿具根 登君
近藤 信一君
委員
青柳 秀夫君
大谷 贇雄君
小幡 治和君
勝俣 稔君
白井 勇君
白川 一雄君
阿部 竹松君
島 清君
相馬 助治君
豊田 雅孝君
政府委員
通商産業政務次
官 長谷川四郎君
通商産業省通商
局長 松尾泰一郎君
通商産業省重工
業局長 鈴木 義雄君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞寿君
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本日の会議に付した案件
○電子工業振興臨時措置法案(内閣提
出)
○参考人に関する件
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001・近藤信一
○理事(近藤信一君) これより委員会を開会いたします。委員長御所用のため、その委託によりまして、私が本日の会議を司掌いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。本日付で武藤常介君が委員を辞任され、その補欠として勝俣稔君が選任されました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/1
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002・近藤信一
○理事(近藤信一君) それではこれより本日の議事に入ります。
まず電子工業振興臨時措置法案を議題として質疑を継続いたします。御質疑のおありの力は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/2
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003・阿具根登
○阿具根登君 質問が、どなたからかおありになっておりましたら、御答弁の必要はないと思います。あとで議事録を見せていただきますが、この法案を決定するに当りまして、試作補助金が一億三千万円出されるようになっておるのでありまして、どういうところを対象にこれを出そうとしておられるか、たとえば一昨日視察させていただきました日立の中央研究所等は、年間五億の研究費を使っておるということでございます。五億の研究費を使っても、あのくらいであったということになれば、一億三千万円くらいの試作の補助金を出したところで、これはまことに微々たるものであろうし、その点どういうところにこういう交付金を出そうとしておられるか、それによって、どれだけの効果を見込んでおられるか、その点を御質問申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/3
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004・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 一億三千万円の試作の補助は、これは政令によりまして規定された機械について与えたい、かように考えております。実は政令で予定しておりますものといたしましては、電子計算器、それから特殊電子管、自動調整機器、通信用測定器、これらを政令の第三条の第一号において指定いたしたいと考えております。この範疇に属するものの中から、電子工業審議会に諮りましてその中の必要なものをピックアップし、それに基きまして申請を受け付けて試作補助金を交付いたしたい、かように考えております。対象となりますものは、項目にふさわしいものが担当できるような会社、かようと考えております。従いましてこれは大企業とか中企業とか、まだそのところは未定でございます。要するにそれができ得るものという考え方でございます。それからものによりましては、共同研究的なものも考えておる状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/4
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005・阿具根登
○阿具根登君 この法案の主目的は、ほとんどが外国依存であり、輸入であるものを国産化したいというのが主目標だろうと、私は考えておるわけでございます。その点については私も同感でございますが、全部の金額を見てみても、三億三千万円くらいになっておりますが、このくらいで外国の並んだこの電子関係の工業に対して、日本が国産でこれを進めていくということになれば、外国の研究したそのあとを日本で研究していく、日本がその外国の研究したものに対して追いつくころは、もう外国はその先の力に進んでいる。いわゆるあとからあとからいく、こういう結果にしかならないと思うのですが、その点どういうふうにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/5
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006・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 御指摘の通り、日本の技術は非常に立ちおくれておりますものですから、従来はさような経過で、外国からの技術提携にもっぱら依存しておったという状況でございます。現在でもさような状況でやむを得ないところもございますので、われわれとしては、なるべく早い時期に国産の技術を伸ばしたい、さようなわけであります。予算の額としては、できるだけ多くあることが望ましいわけでございますが、まあ国の全体の額、さような関係から三億三千万円、そのうち試作補助金が一億三千万円、かような結果になったわけでございます。今後とも、さらに予算の確保には努力していきたい。それから、さようなことでやはり刺激を与えることによりまして、民間におきましても、それに対する研究熱がさらにさらに倍加される。それによりまして、従来の電子技術の立ちおくれを、できるだけ早く追いつくようなことが可能ではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/6
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007・阿具根登
○阿具根登君 そういたしますと、日本でこういう電子関係の研究所なり、あるいは特別な工作場所を持っているような大工業は、どこどこに、どういうのがあって、そしてどのくらいの金をつぎ込んであるか、わかったらお知らせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/7
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008・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) こまかい数字はこの席で申し上げられませんが、昨日ごらんになった日立の研究所とか、あるいは日本電気、三菱その他有数な会社は、それぞれある程度の規模の研究所を、それぞれ工場としては持っております。そのほかに、昨日も御質問がございましたが、国におきましてもそれぞれの研究所がございまして、試験所と申します研究所がございまして、その所管に応ずる研究をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/8
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009・阿具根登
○阿具根登君 国の試験所は、どのくらいの規模でやっておるのか、どういうことをやっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/9
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010・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 国の研究所といたしましては、通産省の電気試験所、それから郵政省の電波研究所、それから防衛庁の技術、運輸省の技術研究所、運輸省のやはり気象研究所等、そのほかにやはり大学のそれぞれの付属の研究研、それから電電公社の電気通信研究所等それぞれございます。これがどの程度の規模になっておりますか、予算の点を今ちょっとここで申し上げられませんが、通産省の電気試験所には実は電子部というのがございまして、ここで電子工業の研究をいたしております。先ほど申し上げました一億三千万円のほか、一億円は今年度の電子部の電子研究の予算でございます。あとの残りの一億円が電子部に備えます検査設備の予算というふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/10
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011・阿具根登
○阿具根登君 そういたしますと、通産省の電子部はこれで相当強化される、こう思うのですが、そういたしますと、ほかの中小企業に対する補助はほとんどなくなるのですが、それはどういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/11
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012・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) まあさっきの三億三千万円のうちで、二億円が電気試験所の電子部の予算でございまして、一億三千万円が民間に対する試作補助という関係でございます。一億三千万円の範囲は、これは大企業と中小企業と申しますか、その範囲内で要するに技術研究の項目を担当するにふさわしいものにいく、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/12
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013・阿具根登
○阿具根登君 そういたしますと、国でやっておる試験所なり、研究所には、約二億の金が回っていって少し強化されることになるが、あとの一億三千万円が大中小企業に回るということになりますと、これは非常に金がばらばらになってくる。ほとんど中小企業にいく金はなくなってくる。名称だけは中小企業をともかく取り上げて、電子工業の国産化を考えておられるけれども、実際は国でやっておるのには相当な補助もあっておる。大企業がやっておるのは、ただ日立の中央研究所、一年間の予算だけでも五億だと言っておる。そうなると一億三千万の金をばらまいたところで、これは何も研究するどころか、これは人の研究したやつをあとからついていく以外の何ものでもない。こういうことになりゃしませんか。一億三千万の金をまいたところで、ほんとうにああいう進んだ機械を研究するというのには、これはまことに微々たるものになってくる、かように考えるんですが、そういう点はどういうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/13
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014・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) まあ、いろいろ見方にもよると思いますが、民間でやっておりますものは、たとえばあそこの日立の研究所にしましても、電子機器ばかりでなく、材料とか、ほかの機械部門とか、いろいろやっておるわけでございます。そういたしまして、それぞれ民間でも研究所は持っておりますが、いろいろ多方面の仕事をやっております。そこで、この電子工業の試作補助金が一億三千万円で、特に特定した大事なものを、あらかじめ研究項目を選びまして、それに対して特に民間に試作研究を依頼する、そういうふうな方法で大事なものを一つ研究を進めていきたい。かような考え方でございますので、特に重点的に大事なものをピックアップしていく、かような考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/14
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015・阿具根登
○阿具根登君 局長が言われるように、大事なものは、ほとんどこれは大企業なり、あるいは政府関係筋の研究所等でやっておると思うのです。そうしますと、中小企業が実際やっておるようなものは、これは電子工業としての研究をするということでなくて、もう模造をやっておるだけだと私は思うんです。そうなると、研究というものは、別個にさらに進んだところに向わなければいけないのであって、これは中小企業に一億三千万円の金がどのくらいいくか知らないけれども、これは機械工業振興等と一緒で、ただそれは機械工業に資するだけであって、進んで電子工業の研究というまでに立ち至らないと私は思うんです。私はこれだけ進んだ電子工業であるならば、これは重点的に非常に大きく考えて進んでいき、それを中小企業なり大企業なり、あるいは政府関係筋に流し、あるいはどこかで一本にまとめた専門的な研究の大きなやつがなければ、予算をぶんどりしてしまって、そうして実際の研究はできない。当初言いたしたように、これではただ外国の研究したあとかすを、ぽそぽそとあとからついていく、こういうことにだけしかならない、かように思うんですが、そうならないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/15
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016・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 昨日も今のような御質問がございましたわけでございますが、一本に全部金を——、研究所あたりを総合してまとめてやったから、必らずしも研究がうまくいくかどうかという点も、なかなか問題があることでございまして、われわれとしましては、もちろん既存の各官民の研究所に最大の能力を発揮してもらうことはもちろんでございますし、それから特に従来のいろいろの、たとえば中小企業関係あるいは一般の工業関係でも、従来の工業化補助金とか、中小企業庁の試作補助金とか、さようなものがございますわけでございますが、その範囲内でやっておるばかりでなく、特に電子工業として大事であるから、特に民間の研究を助成する意味におきまして、この一億三千万円の試作補助金を出し、重点的な項目をきめて従来のものにプラスしてこれをやって、大いに伸ばしていきたい、かような考え方でございます。まあ、御指摘の通りこの額が十分であるかと申しますと、これはわれわれとしても十分とは申せません。来年度はもっと大きな補助金でも取って、十分研究所の費用を取ってやりたいという気持を、通商省としては強く打っております。しかしながら、こういう問題は、一挙に予算の関係等で参りませんので、本年度は一億三千万円、それから研究所の費用は三億ばかり、これは従来よりも相当大きく通産省の予算としてはプラスされた。これを元にして、今日御審議いただいております法案の施行と合せて、電子工業の振興には最大の努力を尽したい、かように考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/16
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017・阿具根登
○阿具根登君 これは専門家の方がたくさんおられますので、御質問が出ていると思うのですが、独禁法との関係ですね、最近通産省で出る法律案は、ほとんど独禁法の適用除外になっている。独禁法というものは形だけ残しておいて、次々独禁法からはずされていって、すでに独禁法の妙味というものはなくなってしまう、かような考えを持つのですが、その点について、局長のお考えがございましたならば、お尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/17
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018・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 独禁法について、どんなふうに根本的に考えるかという問題につきましては、通産省としても、また公正取引委員会においても、現在いろいろ検討されておる状況でございます。それからかような、この電子工業進行臨時措置法のような形は、昨年も実は機械工業振興臨時措置法において取りました形でございます。これは必要最小限度のもの、しかも、審議会の結論によりまして、工業を合理化するために専門生産を行うとか、あるいは共同購入を行う、規格の統一を行う、合理化カルテルを推進するための最小限と申しますか、必要限度のカルテルを独禁法の除外として認めていきたいという考え方でございまして、根本的に独禁法をどういうふうに考えていくか、どういうふうに将来改正すべきかというふうな問題につきましては、今関係在庁で検討を進めておる状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/18
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019・阿具根登
○阿具根登君 関係の所管で研究を進めているということは、すでに独禁法というものを骨抜きにする、あるいは独禁法というものはもう廃止しよう、こういうふうな考え方があって研究を進めているのでありますかどうか、その点お答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/19
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020・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) まあ、私、直接、重工は担当しておりますが、独禁法なりあるいはこれに対する総合的な部面を担当いたしておりませんので、私の力からお答え申し上げるのもどうかと思いますが、考え方は独禁法がまあ従来できている、これが日本の経済状態、あるいは今後の伸び方から見て、現状の通りでいいかどうかという点についての検討でございます。それを廃止するとか、あるいは、どういうふうに変わるかという結論はまだ出ておりませんので、何ともその点については申し上げかねるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/20
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021・阿具根登
○阿具根登君 これは重工業局長としては、まあ、そういうお答えで当然と思いますが、政府代表の長谷川政務次官おいでになっておりますから、政務次官として独禁法をどういうふうにお考えになっているかについて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/21
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022・長谷川四郎
○政府委員(長谷川四郎君) 本法案につきましてカルテルを行う場合等におきましては、十分独禁法の精神を考えまして、そうしてそのつど公正取引委員会とも相談をして、その結果それを実施していきたい、こういうふうに考えて本法案を提出してあるわけでございます。従って、先ほど局長から、相談をしてというのは、そのつど両者とも、独禁法の精神を十分生かし、従って、さらにそういう苦塩に立った場合に、また、発展する場合には、その意味も十分汲んでもらって、その上に処置をしていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/22
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023・阿具根登
○阿具根登君 最後に、政府に要望いたしたいのですが、この法案の趣旨からいっても、これはまず第一に研究をあげられておる。第一に電子工業に対する研究である。そうして諸外国におくれないように国産化するというのが、第二の目的になっているわけでございます。そういたしますと、研究と工業というものを考えてみなければ、考え方がごっちゃになりはしないか。研究というものは利害を越えてやるべきものでないと私は思っておるそうするならば、研究に相当な力を入れて、これが工業化される場合に、中小企業に対する援助というものを十分政府は考えなければできない、私はかように思っておる。ところが御説明を聞いておっても、ややもすれば、中小企業だということが打ち出されておるために、研究も作業も同じように考えられておる。そうすれば、研究のために中小企業に流すという金は、実に微々たるものであって、おそらくそれは研究にならない。研究は利益を度外視して、そうして十分なる成果を上げて、その成果の上ったものを工業品化する場合に、これに対しては中小企業の融資、あるいはその他交付金等を十分に考えて、そうして中小企業が成り立っていくようにしてやらなければ、大工業と太刀打ちをするというようなところにもなっておらない中小企業にわずかの金で研究をせよというのは、これは私が心配しておりますように、大企業の研究したそのかすを研究するようなものであって、ちっともそれには私は利益が伴わないのじゃないか。もう少し政府としての考え方をまとめて、研究機関というものはあくまでも利害をはずした研究機関としてりっぱなものを作って、それから生れ出たやつを製品化する場合に、中小企業がいかに立ち行くかということを考えなければならない、私はかように思うのでございます。この点強く要望いたしまして、私の質問をこれで打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/23
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024・近藤信一
○理事(近藤信一君) ちょっと速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/24
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025・近藤信一
○理事(近藤信一君) 速記を起して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/25
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026・阿具根登
○阿具根登君 変なふうになりましたが、資本金別会社数をここで今資料をもらっておりますが、一億以上が八十六社、一千万から一億未満が三十七社、一千万以下が五百八十二社、こういうようになっておるわけですね。そうすると、たとえばテレビジョン受像機、音声周波装置、こういうようなものを見てみれば、まあ一千万以下の資本のところでは二十社なり三十何社なりあるようですが、ほとんどこれは下請的な仕事をやっておるのじゃないかと、かように思うのですが、その点局長どういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/26
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027・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 今のテレビジョン受像機とか、音声周波装置の欄に掲げておりますのは、全部やはりセット・メーカーでございまして、ただ、ここに書いてある中小企業の方々の分は、細み立てをやられるセット・メーカーがちょうど一千万以下のものがあるわけでございます。今の下請関係の方は、部品及び素材の欄に出ております一千万以下の二百五十、こういうふうなものに該当するわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/27
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028・阿具根登
○阿具根登君 そうすると、今のようなテレビジョンとか、音声周波装置なんというものは一千万以下のところでは、これは全部自分のところでやって製品として出しておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/28
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029・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 下請から部品を買い、それを組み立てておる所であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/29
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030・阿具根登
○阿具根登君 そうすると、今度の法案の対象には、こういうところはならないのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/30
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031・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 今度の法案は、実は機械工業振興法と違いまして、部品関係とそれからセット関係、それから材料関係全部を含んでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/31
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032・阿具根登
○阿具根登君 そうすると、下請の部品及び素材の関係にも、これはもちろん研究の過程もあるかもしれませんが、出ると、その組み立ての一千万以上のところ、一千万以下のところにも出る、そうすると、実際今度は全部やっておる一億以上のところにも出る、こういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/32
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033・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 概念的に申し上げますと、指定されたものを作り得るというところには、どこにも出得るわけでございます。この中で担当する技術があるかないか、そういうふうなところから、問題はおのずから制約されてくるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/33
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034・阿具根登
○阿具根登君 そういうものはどういう点で御調査になりますか。国から補助金が出る、資金の融資がある、開銀等から安い金を借りられる、こういうことになってくれば、どこも希望するだろうと思うんです。そういうことは審議会がするだろうと思うんですが、そういうことで査定するんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/34
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035・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 必要の各項目につきましては、審議会に諮りまして、どういうふうな品種についてどういうふうな性能のもの、どんなふうな型のものというふうなことを大体きめるわけでございます。それに基きまして公表し、それによってそれの担当のあるところから申請が出てくる。そこでそれをスクリーンにかけて、その中で一番これはというところに、可能性のあるところに補助金を出す、それは研究の補助金、試作の補助金でございますが、設備の方の関係は、現在の設備を中小企業で、これは部品といわず、希望がありますものを合理化計画によりまして、設備をどういうふうに改善したいという計画に基きまして、企業を選択して開銀に推薦する。これについては主として部品工業とか、セット・メーカー、あるいは材料でも中小企業の力を考えている、かようなことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/35
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036・阿具根登
○阿具根登君 一般科学との関係はどうなりますか。一般科学の中の電子工業についてこういう研究も、試作もしている、こういうことだと思うんですがそうしますと、他の一般科学との関係はどういうふうなお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/36
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037・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 御質問の科学というのはサイエンスのことでございますか、ほかの……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/37
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038・阿具根登
○阿具根登君 この電子だけに限らず、たとえば原子の問題とか、原子科学とか、あるいはその他の科学等に対して、どういうような関連があるかということなんです。これはこれだけでやられるのか。政府としては科学全般のお考えを持っておられると思うんです。最近も出ました科学情報センターなども、これは人文科学以外は全部網羅してやるのだ、情報を得るのだ、こういうようになっている、それにはそれでまた審議会ができている、それとの一貫性はあるのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/38
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039・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) その点につきましては、審議会に科学技術庁なり、一般文部省なり、関係の方も出席されます。そういうふうなところで一般科学の振興の問題とも関連さて検討していくことになるわけでございます。なお、この電子技術の総合的な、何といいますか、考え方はやはり科学技術庁が中心になってやられておりますので、そういうところにおきましても、各関係官庁と連絡調整することになっております。そういうような事務的連絡におきましても十分相連絡してやることになっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/39
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040・阿具根登
○阿具根登君 事務的な連絡は、当然それはあると思うんですが、科学技術庁なんかの関係は、これは全然ない。そうしますと、いつも問題になるのは、通産局関係は通産省がやるのだ、もちろんそうでしょうけれども、あまりお役所仕事になってきはしないか、こういうふうな考えがするんですが、これよりもう一つ上の、もう一つ違った形の科学関係の庁がある、そこではそこで情報センターもでき、科学の全般的にわたる研究をやろうとしている。また、それにつながって科学技術庁はそれぞれのやはり研究所を持っていこうとしている。それに通産省は通産省としてこれを別個に持っていく、こういうことがどうもおかしいのではないか、こういうふうに言っているわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/40
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041・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) その点でございますが、まあ科学技術庁は中央で取りまとめのような機関として、関係各庁がそれぞれやっております技術関係のものの連絡といいますか、調整をはかっておるわけでございます。この電子工業の問題につきましても、また通産省が電子工業の振興は担当いたしますが、この審議会は科学技術庁を初め、各技術関係の方も出席していただきまして、そこで全般的な見地からの考え方も加えられまして、そして振興方策というものを立てておるわけでございます。同時にまた、科学技術庁には、それぞれの各省との連絡会議あるいは審議会等もございまして、そこの面におきまして、全般的な科学振興あるいは技術振興という対策も講ぜられるわけでございます。お互いにさような機関を通じ、あるいは事務的の連絡通じて、一貫して伸ばしていく。従いまして電子工業を伸ばすというものも、技術部門につきましてはそういうところと一貫した形において伸ばしていく、かような考え方でございます。この点はこの法案を提案いたします場合にも、科学技術庁あるいはほかの関係各省と十分連絡の上、提出いたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/41
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042・近藤信一
○理事(近藤信一君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/42
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043・近藤信一
○理事(近藤信一君) 御異議ないと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のおありの力は、賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/43
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044・豊田雅孝
○豊田雅孝君 本法案の成立に当りまして、特に希望を申し述べて賛成をいたしたいと考えるものであります。電子工業振興臨時措置法の将来運用に当りましては、大企業に偏重することなく、下請工業その他中小企業としての電子工業の育成、振興に十分に努力をせられたいと考えるのであります。特に、下請工業に対しまする支払い遅延の、従来非常に悪かった事例にかんがみまして、最近においては神武景気等の関係からやや好転しておるとは申しますものの、将来いつ何どき再び悪化するかもしれぬことが、最も憂慮にたえないのでありまして、この点について今後政府当局においては十二分に留意せられることを、特に要望いたしまして賛成をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/44
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045・阿具根登
○阿具根登君 私は本法案に賛成するものでありますが、質問の中にも述べましたように、科学技術の関係であるならば科学技術庁で当然私はやるべきものだと思う。特に本法案の精神が電子工業の研究にある、そうしてそれを国産化に持ってくるのだ、こういうことであるならば、これは研究と製品になす工業の場合は、おのずから私は違ってくるものだと思うのです。最近の法案を審議します場合にも、通産大臣が認可しておったのを運輸大臣も認可するようになってきた、こういうことをやって、各所管の争いではないかという議論がここで進められました。また、今後船舶等の問題も出てくるようでありますが、こういうことをしておったならば、わずかの予算がちりぢりにされて、せっかくの研究もほんとうの研究に達しない。予算が少い日本の国の現状から考えるならば、政府が事を行う場合には、重点的に特に科学の研究等には考えていかなければ、ともに先進諸国と肩を並べて進むということは、私はきわめてむずかしい問題ではないかと思う。これを重点的にやったとしても、おそらく外国の経済状態から見るならば、太刀打ちのできない日本の状態にあることを十分に考えていただいて、いやしくもセクト的な自分の省側のみの考えでなくて、大きく日本の立場を考えて、そうしていさぎよく自分の所管でないのは譲るように、あるいは法律でそれがまずかったならば、そういう法律の改正を出して、そうして大所高所から見た場合の考え方を進めていかなければ、所期の目的を達する、政府の考えておられるような目的を達することは私はできないと思うのです。そういう点を強く要望いたしまして賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/45
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046・近藤信一
○理事(近藤信一君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/46
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047・近藤信一
○理事(近藤信一君) 御異議ないと認めます。
それではこれより採決に入ります。電子工業振興臨時措置法案全部を問題に供します。本案を内閣提出の原案通り可決することに賛成の力の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/47
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048・近藤信一
○理事(近藤信一君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお、本会議における委員長の口頭報告の内容、議長に提出する報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/48
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049・近藤信一
○理事(近藤信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
それから本案を可とされた方は、順次御署名願います。
多数意見者君名
古池 信一 阿部 竹松
白川 一雄 阿具根 登
青柳 秀夫 小幡 治和
大谷 贇雄 勝俣 稔
豊田 雅孝 西川彌平治
島 清 白井 勇発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/49
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050・近藤信一
○理事(近藤信一君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/50
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051・近藤信一
○理事(近藤信一君) 速記起して。暫時休憩いたします。
午前十一時四十八分休憩
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午後二時三十七分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/51
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052・近藤信一
○理事(近藤信一君) 委員会を再開いたします。
輸出入取引法の一部を改正する法律案につきまして、参考人の出席を求めて意見を聴取することにいたしまして、その日時は五月七日午後一時とし、その人選につきしましては、これを委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/52
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053・近藤信一
○理事(近藤信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
暫時休憩いたします。
午後二時三十八分休憩
〔休憩後開会に至らなかった〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X02619570426/53
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