1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年四月十七日(木曜日)
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議事日程 第二十四号
昭和三十三年四月十七日
午後一時開議
第一 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
第二 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
第三 訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(内閣提出と
第四 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
第五 農業又は水産に係る産業教育に従事する国立及び公立の高等学校の教員に対する産業教育手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案(渡海元三郎君外五名提出)
第六 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
日程第一 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第二 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第三 訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第四 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第五 農業又は水産に係る産業教育に従事する国立及び公立の高等学校の教員に対する産業教育手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案(渡海元三郎君外五名提出)
日程第六 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律案(内閣提出)
航空機工業振興法案(内閣提出)
水洗炭業に関する法律案(楢橋渡君外二十六名提出)地方鉄道軌道整備法の一部を改正する法律案(内閣提出)
内閣法の一部を改正する法律案(内閣提出)
国防会議の構成等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
行政機関職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出)
一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)
防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(内閣提出)
国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律案(議院運営委員長提出)
午後二時八分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/0
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001・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) これより会議を開きます。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/1
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002・山中貞則
○山中貞則君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、日程第一ないし第四とともに、内閣提出、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を追加し、五案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/2
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003・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 山中君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり」〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/3
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004・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。日程第一、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、日程第二、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案、日程第三、訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、日程第四、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案、右五案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。法務委員会理事林博君。
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裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案
右
国会に提出する。
昭和三十三年三月一日
内閣総理大臣 岸 信介
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裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律
裁判官の報酬等に関する法律(昭和二十三年法律第七十五号)の一部を次のように改正する。
別表中最高裁判所長官、最高裁判所判事、東京高等裁判所長官及びその他の高等裁判所長官の項を次のように改める。
…………………………………発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/4
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005・林博
○林博君 ただいま議題となりました五法律案について、法務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の二法案について一括して申し上げます。
両法律案の改正要点は次の通りであります。従来、高等裁判所長官以上の裁判官及び検事長以上の検察官の報酬、俸給は内閣総理大臣等特別職の職員の給与に準じて定められております関係上、他の一般の裁判官及び検察官の報酬、俸給並びに一般政府職員の俸給に比較して均衡を失しておったのでありますが、今回、政府におきまして、内閣総理大臣等特別職の職員の給与を改訂する法律案を別途提出いたしましたので、これに対応して、これら上級の裁判官及び検察官の報酬、俸給を改定しようとするものであります。
両法案は、三月一日当委員会に付託され、一括審議の上、四月十六日質疑を終了し、討論に入りましたところ、自由民主党及び日本社会党より、両案に対し、共同して修正案が提出されました。修正案の内容は、右二法案につき、おのおのその附則の施行期日を変更して公布の日から施行するとともに、本給与の改定を四月一日に遡及して支給しようとするものであります。
次いで、採決に入り、二法案の修正案並びに修正部分を除く政府原案はそれぞれ全会一致をもって可決せられた次第であります。
次に、訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
御承知の通り、裁判所の執行吏は一般公務員に準じて恩給を受けることとなっており、その年額は執行吏の手数料に対する国庫補助基準額でありまして、これは一般公務員の給与水準に応じて定められているのであります。ところで、このたび、政府におきましては、一般公務員の恩給について、その計算の基礎となる俸給年額を増額する等所要の措置を講ずることとし、そのために必要な法律案を今国会に別途提出し、すでに本院において可決いたしたのであります。そこで、執行吏の恩給につきましても、これと歩調を合せる必要がありますので、昭和二十八年十二月三十一日以前に給与事由の生じた執行吏の恩給について、その年額を、一般公務員の場合と同じように、一万五千四百八十三円の給与水準による国庫補助基準額である十一万五千円を俸給年額とみなして算出した額に増額することとしたいというのであります。
さて、本案は去る三月六日当委員会に付託せられ、慎重審議の上、四月十六日質疑を終了し、討論なく、採決に付しましたところ、本案は全会一致をもって政府原案通り可決せられた次第であります。
次に、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
この法律案の改正点は第一に、最近における市町村の廃置分合等に伴いまして、栃木今市簡易裁判所及び今市簡易裁判所の名称をそれぞれ変更し、第二に、市町村及びその他の行政区域の変更あるいは交通上の利便等に伴いまして、広島簡易裁判所外五簡易裁判所の管轄区域を変更し、第三に、市町村の廃置分合等に伴いまして、この法律の別表、第四表及び第五表について所要の整理を行おうとするものであります。
本案は、三月十二日当委員会に付託せられ、慎重審議の上、四月十六日質疑を終了し、討論なく、採決に付しましたところ、本案は全会一致をもって政府原案通り可決せられた次第であります。
最後に、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について申し上げます。
本法律案の改正点は、次の二点であります。第一は最近、地方裁判所におきまして、本来会議体で扱うのが適当と思われる複雑困難な事件が、裁判官の不足等のため、やむなく一人の裁判官で扱われておるような実情でありますので、この際第一審の充実強化の一つの措置として判事補二十名の増員を行おうとするものであります。第二は、裁判所におきましては二カ月以内の期間を定めて雇用しておる定員外の常勤職員が相当数勤務しておるのでありますが、今回、政府におきまして、各行政機関における定員外職員を定員化する法律案を別途提出いたしましたので、これに対応して、定員外職員のうち四十四人を裁判所定員法による裁判所の職員の員数に組み入れようとするものであります。
本法案は二月二十日当委員会に付託せられ、慎重審議の上、本日質疑を終了し、討論に入りましたところ、自由民主党及び日本社会党より、本案に対し共同して修正案が提出されました。修正案の内容は附則の施行期日を変更して公布の自から施行するとともに、本改正を四月一日に遡及して適用しようとするものであります。
次いで採決に入り、修正案並びに修正部分を除く政府原案はそれぞれ全会一致をもって可決せられた次第であります。
以上、御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/5
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006・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 五案を一括して採決いたします。五案中、日程第三及び第四の委員長の報告は可決、他の三案の委員長の報告は修正であります。五案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/6
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007・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、五案は委員長報一告の通り決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/7
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008・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 日程第五、農業又は水産に係る産業教育に従事する国立及び公立の高等学校の教員に対する産業教育手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案、日程第六、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。文教委員長山下榮二君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/8
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009・山下榮二
○山下榮二君 ただいま議題となりました、渡海元三郎君外五名提出の、農業又は水産に係る産業教育に従事する国立及び公立の高等学校の教員に対する産業教育手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その要旨及び文教委員会における審議の経過と結果について御報告を申し上げます。
本案の要旨を簡単に申し上げますと、現行法が農業または水産にかかる産業教育に従事する国、公立高等学校の教員だけに産業教育手当の支給を規定しているのに対して、今回さらに工業、電波及び商船にかかる産業教育に従事する教員並びに農業、水産を含め、これらの教育の実習について教諭の職務を助ける実習助手で政令で定める者に対しても産業教育手当を支給することができるように、所要の改正を行おうとするものであります。
本案は、現行法が第二十六国会において審議された当時から懸案になっておりました関係上、四月十六日当委員会に付託されるや、直ちに審議に入り、各委員から、一、産業教育手当を支給される実習助手の範囲について、二、私立学校への補助などの細部にわたって慎重に検討されたのでございますが、その詳細については速記録によって御承知を願いたいと存じます。
次いで、本案は、国会法第五十七条の三の規定に基いて、文部大臣から本案については三十三年度はこれに伴う財政措置が講ぜられていないのみならず、他の公務員との均衡、今度の財政負担の関係等、種々検討すべき問題が多いので、賛成しがたい旨の意見がございました。
かくて、本案は質疑を終了し、討論に入り、日本社会党を代表して佐藤觀次郎君から賛成討論があり、引き続き採決の結果、起立総員をもって本案は原案の通り可決すべきものと決定した次第でございます。
次いで、坂田道太君から本案に対して要望案が提出されました。すなわち、
産業教育振興法の趣旨に基き、私立学校の重要性とその財政の窮状とに鑑み、本法案内容が、農業、水産、工業(電波を含む。)又は商船に係る産業教育に従事する私立の高等学校の教員及び実習助手に対しても来年度より等しく準用されるよう、政府は速やかに所要の措置を講ずべきである。
右要望する。
以上の要望案は、採決の結果、起立総員をもって原案の通り可決せられました。
次に、内閣提出にかかる、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律案につきまして、その要旨及び文教委員会における審議の経過とその結果について御報告申し上げます。
本案は公立義務教育諸学校に関し、学級規模と教職員の配置の適正化をはかるため、学級編制及び教職員定数の標準について次のことを規定しております。一、国は学校の種類及び学級編制の区分に応じ、一学級の児童生徒の数の標準数を定め、各都道府県教育委員会はこれを標準としてそれぞれの基準を定め、その基準を定めるに当つて、標準数に五人を加えた数をこえる数によろうとする場合には文部大臣の意見を聞かなければならないこと、二、国は教職員の定数について、学校の種類ごとにその標準となるべき数の算定方式を定め、文部大臣は公立義務教育諸学校に置かれている教職員の総数が、この算定方式によって算出した教職員定数より著しく下回る都道府県があるときは、当該都道府県に対し教職員の増員について勧告ができることなどについて規定し、その他、経過措置等所要の規定を設けております。
本案は去る三月一日当委員会に付託せられまして以来、慎重に審議されて参りましたが、そのおもなるものとしては、一、本法が完全に実施された場合、教員定数が本法の基準を上回る府県がないか、その場合教員の整理が行われる心配はないか、二、教員の給与費に対する国の負担を財源的に確保できるか、三、養護教諭と事務職員に対する現員の確保等について、きわめて熱心な質疑がなされたのでございますが、その詳細は速記録によって御承知を願いたいと存じます。
かくて、四月十六日質疑を終了、引き続いて、櫻井奎夫君から、本案に対し、教職員の現員が定数をこえており、かつ、一学級の児童生徒数が基準以上になっておる都道府県の学級編制は、本案附則の経過規定にかかわらず、教員が定数をこえる範囲までは学級規模の適正化に努め、教員身分の安定と教育効果の向上をはかる旨の修正案が提出されました。
ついで、修正案並びに本案に対し、討論を省略して採決の結果、修正案並びに本案は起立総員をもってそれぞれ原案の通り可決されました。
引き続いて、坂田道太君がら、本案に対して附帯決議案が提出されました。すなわち、
公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律案に対する附帯決議
政府は、本法施行の際事務職員及び養護教諭の現員が本法によって算定された定数をこえる都道府県においてはその現員を確保するよう万全の措置を講ずべきである。
右決議する。
以上の附帯決議案は、採決の結果、起立総員をもって原案の通り可決されました。
右、御報告を申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/9
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010・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 両案を一括して採決いたします。日程第五の委員長の報告は可決、第六の委員長の報告は修正であります。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/10
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011・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 御異議ないと認めます。よって、両案は委員長報告の通り決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/11
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012・山中貞則
○山中貞則君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、航空機工業振興法案、楢橋渡君外二十六名提出、水洗炭業に関する法律案、右両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/12
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013・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 山中君の動議に御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/13
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014・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
航空機工業振興法案、水洗炭業に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。商工委員長小平久雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/14
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015・小平久雄
○小平久雄君 ただいま議題となりました航空機工業振興法案外一件につきまして、商工委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。
ます、航空機工業振興法案について申し上げます。
御承知のように、わが国の航空機工業は、戦前、世界的水準に達しくいたのでありますが、戦争のため壊滅したのであります。戦後、昭和二十七年にようやく再開されましたが、今日なおほとんど外国よりの技術援助等によるものが主体であり、航空機工業の基礎はきわめて貧弱な状態にあるのであります。一方、世界の趨勢を見ますると、航空機は近代的輸送手段として船舶、車両等にかわりつつありまして、欧米各国におきましては航空機工業育成のために各種の国家的援助を積極的に行なっている状況であります。さらに、航空機工業は代表的総合工業でありますから、これを振興することは関連産業の発展、技術の向上、下請産業である中小企業の育成に貢献するとともに、国際収支の改善に寄与するものと思われるのであります。以上のような見地から、この際わが国においても航空機工業の振興をはかる必要があり、このため本案が提出されたのであります。
次に、本案の内容を簡単に申し上げます。第一は本案で国産化を推進するものは、航空機のほか、その関連機器、部品、材料等とすることとしたのであります。なお、航空機は民間用中型輸送機を主体とする計画であります。
第二は、航空機工業審議会を置き、国産化推進のための重要事項を審議せしめることとしたのであります。
第三は、航空機等に関する試験研究を行う者に国有財産を時価より低く使用させることができることとしたのであります。
第四は、政府は航空機等の国産化に必要な資金の確保に努めることとしたのであります。
本案は四月三日前尾通商産業大臣より提案理由を聴取し、四月八日より質疑に入りましたが、その詳細は速記録に譲ります。
四月十六日質疑を終了しましたので、四月十七日討論を省略して採決に付しましたところ、全会一致をもって原案通り可決すべきものと議決した次第であります。
なお、採決後、自由民主党及び社会党両党提出になる附帯決議案が提出されましたので、採決に付しましたところ、これまた全会一致をもって附帯決議を付することに決した次第でありますが、その詳細は会議録に譲ることにいたします。
次に、水洗炭業に関する法律案について申し上げます。
炭鉱地帯、なかんずく北九州の炭田地帯におきまして、いわゆるボタを水洗選別して石炭を収拾する水洗炭業者の数は相当数に上っているのであります。この水洗炭業者は、低品位炭の供給と労務者の吸収という面において貢献するところ少くないのでありますが、他面において、河川、道路等の公共施設を損壊し、あるいは洗炭汚水によって田畑等に損害を与える等、公共の福祉を著しく阻害している実情であります。この水洗炭業については、現在では条例等によって規制しているのでありますが、実効の上がらない状況でありますので、この際国の法律によって規制措置を講じようとするのが、本案の提案の理由であります。
本案の内容を簡単に申し上げますと、第一は、水洗炭業者は都道府県知事の登録を受けなければならないこととしたのであります。
第二は、水洗炭業が公共の福祉を阻害し、また阻害するおそれの人なるときは、事業改善命令をなし得ることとしたのであります。
第三は、水洗炭業者に対して鉱業法に準ずる無過失賠償義務を課することとし、そのための保証金を供託せしめることとしたのであります。
第四は、水洗炭業者が被害防止施設を行う場合、都道府県知事は、必要と認めれば、融資のあっせん等の措置を講ずることができることとしたのであります。
第五は都道府県知事の諮問機関として水洗炭業審議会を置くことができることとしたのであります。
本案は、四月十日笹本一雄君より提案理由を聴取し、質疑に入り、四月十六日質疑を終了しましたので、四月十七日討論を省略して採決に付しましたところ、全会一致をもって原案通り可決すべきものと議決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/15
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016・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 両案を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/16
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017・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告の通り可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/17
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018・山中貞則
○山中貞則君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、地方鉄道軌道整備法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/18
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019・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 山中君の動議に御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/19
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020・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
地方鉄道軌道整備法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員長赤澤正道君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/20
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021・赤澤正道
○赤澤正道君 ただいま議題となりました地方鉄道軌道整備法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、本法案の趣旨を簡単に御説明いたします。御承知のごとく、わが国においては、毎年暴風、大雨等異常な天然現象によりまして甚大なる災害が発生しており、このため地方鉄道もまた毎年相応の被害を受けておる実情でありますが、これらの受けた災害について、その復旧に要する費用の一部を補助して災害復旧の促進をはかり、もって民生の安定に寄与するため、現行法に所要の改正を加えようとするものであります。
次に、改正の要点を申し上げますと、地方鉄道が、洪水、地震その他異常な天然現象によりまして大規模な災害を受けた場合に、当該地方鉄道業者が自己の資力をもってしてはすみやかに災害復旧事業を施行することが困難であり、かつ、当該地方鉄道を復旧しなければ国民生活に著しい障害を生ずるおそれのある場合は当該地方鉄道業者に対して復旧費の一部を補助することができる道を開くとともに、それらに対する監督規定を整備する等、所要の改正を行おうとするものであります。なお、昭和三十二年七月以降の災害を受けた地方鉄道業者に対しても適用できるものといたしております。
本法案は去る四月十六日本委員会に付託され、翌十七日政府より提案理由の説明を聴取し、質疑、討論を省略、直ちに採決の結果、本法案は全会一致をもって政府原案の通り可決すべきものと決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/21
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022・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/22
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023・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
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内閣法の一部を改正する法律案国防会議の構成等に関する法律の一部を改正する法律案行政機関職員定員法の一部を改正する法律案
一般職の職員の給与に閣する法律の一部を改正する法律案
特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案
防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/23
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024・山中貞則
○山中貞則君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、内閣法の一部を改正する法律案、国防会議の構成等に関する法律の一部を改正する法律案、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、右六案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/24
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025・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 山中君の動議に御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/25
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026・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
内閣法の一部を改正する法律案、国防会議の構成等に関する法律の一部を改正する法律案、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、右六案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員長福永健司君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/26
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027・福永健司
○福永健司君 議題となりました六法案につき、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
詳細は会議録によって御承知願うことといたし、簡潔に要点を申し上げます。
まず、内閣法の一部を改正する法律案は、内閣官房における情報の総合整理につき機能を強化向上せしめるため、職員を十五人増員いたそうとするものであります。
本案は二月十一日本委員会に付託され、二月十三日政府より説明を聞き、質疑を行い、本日、保科委員より、四月一日の施行日を「公布の日から施行し、昭和三十三年四月一日から適用する。」に改めるとの修正案が提出され、採決の結果、多数をもって修正案の通り修正議決すべきものと決定いたしました。
次に、国防会議の構成等に関する法律の一部を改正する法律案は、国防会議事務局の業務を円滑に処理するため、新たに参事官一人を増員しようとするものであります。
本案は去る二月十二日本委員会に付託され、翌十三日政府より説明を聞き、質疑を行い、本日、保科委員より、四月一日の施行日を公布の日からとする修正案が提出され、採決の結果、多数をもって修正案の通り修正議決すべきものと決定いたしました。
次に、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案は第一に、昭和三十三年度における各行政機関の事業予定計画に即応して定員の適正化をはかるとともに、第二に、公務員制度調査会の答申の趣旨並びに戦後適正な定員措置が諸般の事情により抑制されてきた事情にかんがみ、定員外職員の処遇改善をはかるため、暫定的に必要な定員外職員の定員化を行おうとするものであります。すなわち、今回の改正によりまして、各行政機関職員の現定員の合計六十四万三千九百二十五人に対し、定員外職員の定員化に伴う増一万九千六百十五人及び昭和三十三年度事業予定計画に伴う増三千七百二十一人で、結局二万三千三百三十六人を増加いたしまして、合計六十六万七千二百六十一人といたしております。なお、事業予定計画に伴う増員のおもなるものは、科学技術庁の付属研究所等の拡充に伴うもの百四十三人、国立学校の学年進行、学部、学科の増設等に伴うもの七百八十四人、郵便取扱業務量の増加に伴うもの千六十七人、電気通信施設の拡張に伴うもの千九百二十二人、特定郵便局の増設に伴うもの二百人等であります。また、減員のおもなるものといたしましては、郵政省の電信電話業務を日本電信電話公社の直轄に移管することに伴うもの六百九十八人、調達庁の行なっております駐留軍施設等の提供業務の減少によるもの百三十五人等であります。
本案は二月二十日本委員会に付託され、二月二十一日政府より提案理由の説明を聴取し、本日質疑を終了いたしましたところ、保科委員より、四月一日の施行日について、「この法律は、公布の日から施行し、昭和三十三年四月一日から適用する。」に改めるとの修正案が提出されました。
次いで討論に入り、日本社会党を代表して西村委員より反対の意見が述べられましたが、採決の結果、多数をもって修正案の通り修正議決すべきものと決定いたしました。
次に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、昨年七月十六日付の人事院勧告に基き、一般職の国家公務員に対し、新たに通勤手当を支給しようとするものであります。
次に、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案は、特別職の職員の給与が、一部の職員を除きましては、昭和二十七年十一月に改定されて以来据え置かれたままとなっておりますため、再度改定の行われました一般職の職員の給与との間に均衡が失われる結果となっておりますので、この際その俸給月額の改定を行いますとともに、給与制度全般についての整備を行おうとするものであります。
次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案は防衛庁職員にも、一般職の職員同様、通勤手当を支給することといたしますとともに、昨年末行われた期末手当の増額相当分だけ航空手当等の最高限を引き上げようとするものであります。
以上三法案は、いずれも三月一日本委員会に付託せられ、三月四日政府より提案理由の説明を聴取し、本日質疑を終了いたしましたところ、前田委員より、三法案に対し、それぞれ修正案が提出され、趣旨弁明がなされましたが、その要旨はいずれも施行期日にかかわるものでありまして、「昭和三十三年四月一日」としてありますものを「公布の日」に改め、適用は本年四月一日とする等であります。
続いて、討論省略、採決の結果、三法案は起立多数をもっていずれも修正案の通り修正議決すべきものと決した次第であります。
なお、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対しまして、前田委員より自、社両党共同の附帯決議案が提出され、全会一致の議決を見たのであります。
次に、これを朗読いたします。
附帯決議
今回の特別職の職員の給与改正に関しては、本日の質疑において明らかにされたごとく、各俸給額に対する官職の格付が極めて不均衡杜撰である。
政府はすみやかに特別職職員全般にわたってその職責の再検討を行い給与の是正措置を講ずべきである。
右決議する。
以上、御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/27
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028・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 六案を一括して採決いたします。六案の委員長の報告はいずれも修正であります。六案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/28
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029・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 起立多数。よって、六案とも委員長報告の通り決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/29
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030・山中貞則
○山中貞則君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、議院運営委員長提出、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改亜する法律案は、委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/30
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031・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 山中君の動議に御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/31
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032・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。議院運営委員会理事長谷川四郎君。
……………………………
国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律案
右の議案を提出する。
昭和三十三年四月十日
提出者
議院運営委員長 山村新治郎
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/32
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033・長谷川四郎
○長谷川四郎君 ただいま議題となりました国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律案について御説明いたします。
まず、第一の、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部改正は今回内閣総理大臣等特別職の職員の給与改訂に対応して、この際規定を整備し、議長は内閣総理大臣、副議長は国務大臣、議員は各省政務次官の俸給月額にそれぞれ相当する額を歳費月額として受けるよう改正し、期末手当についても同様、これら特別職の職員の例にならうことといたしました。
第二に、国会における各会派に対する立法事務費の交付に関する法律の一部改正は二大政党下における立法事務の激増の現状にかんがみ、その月額一万円を二方円に改訂しようとするものであります。
第三の、国会議員の秘書の給料等に関する法律の一部改正は昨年実施された一般職の職員の給与調整との均衡上、議員秘書の給料二万三千百円を二万三千三百円に是正するとともに、その滞在雑費二百円を三百円に改め、かつ、この際秘書の期末手当についての特例規定を設けました。すなわち、議員の秘書は、みずからの意思によらず、議員の任期満限または衆議院の解散によりその地位を失うという特殊な身分関係にありますので、議員の任期が満限に達し、または衆議院が解散されたときは、その日に在職する秘書に対し、その者の在職期間に応じて期末手当を受けるものといたし、ただ、これらの者がその後再び引き続いて議員の秘書となり、六月十五日または十二月十五日に再び期末手当を受ける際において、前に受けた期末手当と重複して受けることのないよう必要な規定を置きまして、この際、議員の秘書にして任期満限または解散により退職することになる者にも期末手当支給の道を開くことといたしました。
これらは、いずれも四月一日より適用することとし、これに伴う必要な経過規定を設けてあります。
本案は議院運営委員会において立案したものであります。何とぞ御賛成あらんことをお願いいたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/33
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034・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/34
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035・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/35
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036・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 本日はこれにて散会いたします。
午後二時四十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03119580417/36
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