1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年二月二十七日(木曜日)
午後一時三十三分開会
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委員の異動
二月二十五日委員斎藤昇君辞任につ
き、その補欠として松野鶴平君を議長
において指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 竹下 豐次君
理事
石井 桂君
稲浦 鹿藏君
西田 信一君
田中 一君
委員
岩沢 忠恭君
小山邦太郎君
中野 文門君
安井 謙君
内村 清次君
坂本 昭君
重盛 壽治君
村上 義一君
衆議院議員
井手 以誠君
国務大臣
建 設 大 臣 根本龍太郎君
政府委員
厚生省引揚援護
局長 河野 鎭雄君
建設省河川局長 山本 三郎君
建設省住宅局長 植田 俊雄君
事務局側
常任委員会専門
員 武井 篤君
説明員
建設省住宅局建
築指導課長 前岡 幹夫君
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本日の会議に付した案件
○地すべり等防止法案(内閣送付、予
備審査)
○地すべり等による災害の防止等に関
する法律案(衆議院送付、予備審
査)
○建設事業並びに建設諸計画に関する
調査の件(昭和三十三年度建設省関
係予算に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/0
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001・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) ただいまより建設委員会を開きます。
まず、委員の異動について御報告いたします。
二月二十五日、斎藤昇君が委員を辞任され、その補欠として松野鶴平君が委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/1
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002・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) それでは、これから本日の議事に入ります。
地すべり等防止法案及び地すべり等による災害の防上等に関する法律案を議題といたします。
まず、地すべり等防止法案について根本建設大臣から提案理由の説明を聴取いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/2
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003・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) 地すべり等防止法案の提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。
わが国における地すべりの現況は、全国で約五千五百カ所、総面積は約十四万五千町歩に及び、年々多大の被害が発生しておりますが、特に昨年七月における西九州地方の豪雨に際しましては、地すべりによる被害がきわめて顕著であったのであります。
わが国は、国土がきわめて狭隘であるため、地すべりが発生し、または発生するおそれのある地域も宅地、農地等に利用されているような実情でありますので、このような地域について地すべりの防止をはかることは、民生の安定のためにも、また、国土の保全上もきわめて緊要なことであります。
地すべりの防止につきましては、従来からも、砂防法による砂防指定地の指定もしくは砂防工事、森林法による保安林の指定もしくは保安施設事業または農地保全事業を行うことによりまして相当の成果を上げて参り、また、砂防法、森林法等の適用されない区域につきましても、国の予算措置によりまして、地すべり防止に努めてきたところであります。しかしながら、地すべり防止工事をより効果的に行うため、ただいま申し上げました各種の地すべり防止事業に関する計画と実施を統一して、事業執行の能率化、適正化を期するとともに、地すべり防止に有害な行為を規制し、さらに地すべり防止工事に関連しまして、住宅の移転、農業用施設の整備等についても有効適切な対策を講ずる等地すべり防止の抜本的対策を急速に確立する必要があるのであります。
なお、炭鉱のいわゆるぼた山で保安の責めに任ずる鉱業権者が存在しないものについては、その管理が放置される結果、往々にして崩壊して災害を発生している事例があり、ぼた山崩壊防止対策をあわせ樹立する必要がありますので、この際、本法律案の対象といたしまして、必要な範囲内において、地すべりと同様の措置を講ずる必要があるのであります。
以上がこの法律案を提出した理由でありますが、次に、地すべり等防止法案の要旨について、御説明申し上げます。
まず第一に、地すべり防止区域の制度を設け、これを指定することにいたしたことであります。主務大臣は、地すべり区域及びこれに隣接する地域のうち地すべり区域の地すべりを助長し誘発し、または助長し誘発するおそれのきわめて大きいもので公共の利害に密接な関連を有するものにつきまして、必要に応じ、現地調査を行なった上、地すべり防止区域を指定することとして、この法律案が適用される範囲を明らかにしたのであります。
第二は、地すべり防止区域の管理は、都道府県知事が行うこととしまして、管理の責任を明らかにしたことであります。地すべり防止区域の管理は、国の事務として取り上げ、都道府県知事に国の機関として事務を処理させることとし、地すべり防止に関する国の責任を明らかにいたしております。
第三は、地すべり防止行政における主務大臣を明定したことであります。
現在地すべり防止については、建設、農林両省がそれぞれの立場から所掌しているのでありますが、この際、その所管を明確にすることによって地すべり防止事業の統一的かつ円滑な執行を確保し、その推進に寄与しようとするものであります。
第四に、地すべり防止施設の築造等の基準を定め、地すべり防止施設の築造等の統一をはかるとともに、都道府県知事以外の者の行う地すべり防止工事につき、この基準に準拠して承認の制度をとることといたしたのであります。
現在地すべり防止施設の新設または改良その他の地すべり防止工事については、統一的な基準がないため、地すべり防止施設の総合的な効果が十分に発揮されていないおそれなしとしませんが、これにより地すべり防止施設の新設、改良等の地すべり防止工事の統一的整備が確保され、災害防除の効果が一そう上げられることと信ずるものであります。
第五に、地すべりの防止を著しく阻害し、または地すべりを著しく助長するおそれのある行為を規制して地すべり防止の工事と並行して地すべり防止の効果を上げることといたしたことであります。
現在砂防法、森林法におきましては、砂防上あるいは森林保全上一定の行為制限を行うことができるようになっておりますが、地すべり防止の効果をよりょく発揮させるため、地すべりの特質に即応した行為制限を行うことができるようにしたのであります。
地すべり防止は、地すべり防止施設の整備と相待って地すべり防止上支障のある行為を規制することによって、初めてその目的が達せられるものであり、この点からも今後地すべりによる被害の除却または軽減の効果が上ることを期待するものであります。
第六は、関連事業計画の作成に関し定めたことであります。都道府県知事は、地すべり防止工事を行うとともに、地すべりによる被害を除却し、または軽減するため必要があると認めるときは、その作成した地すべり防止工事基本計画を勘案して、家屋の移転、農業用施設の整備等に関する関連事業計画の概要を作成し、市長村長に提示して関連事業計画を作成するよう勧告するとともに、関連事業計画に基いて事業を実施した事業主体に対して事業費の補助を行い、また、地すべりにより被害をこうむる家屋の移転等に対し住宅金融公庫が融資をする等、地すべりの防止と並行して区域内の住民の生活の安定に資することといたしました。
第七は、地すべり防止区域の管理に要する費用の負担について定めたことであります。すなわち、地すべり防止施設の新設、改良その他、地すべり防止区域の管理に要する費用につき国の負担責任を明らかにし、地すべり防止施設の整備の促進をはかることといたしました。
最後に、ぼた山の崩壊の防止について定めたことであります。
この法律案の対象としておりますぼた山とは、石炭または亜炭にかかる捨石が集積されてできた山で、この法律の施行の際現に存するものであって、保安の責めに任ずる鉱業権者が存在しないものをいうのであります。ぼた山の崩壊の防止につきましては、地すべりの防止と大体同様でありまして、ぼた山を含む区域であって、公共の利害に密接な関連を有するものを、ぼた山崩壊防止区域として主務大臣が指定し、ぼた山崩壊防止区域内における崩壊防止工事その他の管理は都道府県知事が行い、有害行為を規制し、区域の管理に要する費用は、都道府県が負担することとし、必要な範囲内において地すべりに関する規定の一部を準用することとして、ぼた山の崩壊防止についても必要な対策を講ずることとしたのであります。
以上が地すべり等防止法案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/3
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004・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) 根本建設大臣は衆議院の予算委員会に出席するため退席を求められております。やむを得ないことと思いまするが、諸君の御了承をいただきたいと思います。
ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/4
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005・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) 速記を始めて。
次に、地すべり等による災害の防止等に関する法律案について、発議者衆議院議員井手以誠君から提案理由の説明を聴取いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/5
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006・井手以誠
○衆議院議員(井手以誠君) ただいま議題となりました、地すべり等による災害の防止等に関する法律案について、提案の理由と概要を御説明申し上げます。
地震と地すべりの多いのは災害日本の宿命だといわれております。昨年七月、佐賀県伊万里市の人形石山に発生した地すべりは、人命八、家屋二十一をのみ、一億二千万円の損害を与えました。それは視察中の新聞報道記者が、ヘンと写真機を捨て、辛うじて助かったという一瞬の惨事であります。次いで八月静岡県水窪町の地すべりによる国鉄飯田線の被害復旧は、国鉄の技術をもってしても一カ月を要するというおそるべき天災でありました。近時北九州を初め、相次ぐ豪雨の襲来によって、地すべりは各地に拡大し、被害は随所に頻発し、建設省、農林省の調査によれば、地すべり被害の危険ある地区は、西九州、四国、北陸を中心に三十余道府県にわたり、全国で五千数百カ所、十四万町歩に上り、危険区域内の人家四万四千戸、田畑四万二千町歩に達し、このうち一万三千戸は日夜生命の不安に脅かされているのであります。
しかるに、これほどの危険状態に対しても、残念ながら災害防止の対策はほとんど講ぜられておりません。台風、豪雨の被害は予測することが困難でありますが、地すべりの危険はあらかじめこれを知ることができるのであります。さきに申し述べました伊万里市の地すべりも、もし事前に対策を講じていたならば、人命はもちろん、被害額はその半ばにも達していなかったであろうと言われておるのであります。それにもかかわらず今日未然に防止する法規に欠けております。また、関係住民に家屋を移転する資力がございません。さらに自後の災害復旧に追われる地方公共団体には、事前に防止策を講ずる余裕はほとんどないのでありまして、関係者は生命財産を脅かされながら傍観するのやむなき実情でございます。
最近地方において、家屋移転に伴う資金融通に関する条例を制定したのを初め、関係各府県はそれぞれ目前の危険に備え、若干の応急策を立てておりますが、きわめて不十分でありますので、この緊急事態に対処し、あわせてかねて問題となっていたぼた山の崩壊防止を含め、地すべり等の防止策を講じ、その被害を最小限度にとどめ、もって国土の保全と民生の安定をはかろうとするのが本法案提出の理由であります。
本法案は、第一に地すべり防止区域を指定し、地すべり等の防止の工事を行うとともに、家屋その他工作物の設置、土地の利用、鉱物の採掘等の行為を制限、または禁止し、あるいはその移転除却を命ずること。第二に、危険地帯における家屋その他工作物の移転を勧告し、これを円滑に促進するため、移転の費用に対し、国費の補助を行い、その残額を住宅金融公庫から融通する道を開いたこと。第三に、地すべり等の地帯が多く農山村でありますので、土地利用計画を立て、防止区域内の土地を有効に活用するとともに、移転者の農山業経営を保護するため、土地、資金その他各般の援助を行うことを骨子とするものであります。
この法案は、昨年十一月の臨時国会に提案いたしました。しかし、付託委員会の点で折り合いがつかなかったため廃案になりましたので、本第二十八回国会の開会勢頭の十二月二十日改めて提案いたしましたが、付託委員会は依然として解決せず、たな上げの状態になり、今日に至りましたことは、緊急案件でありますだけにはなはだ遺憾に存じますとともに、提案者の努力の足りなかったことをおわび申し上げる次第であります。何とぞ政府案とあわせて慎重御審議御決定されんことをお願いいたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/6
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007・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) 次に、山本河川局長から、地すべり等防止法案の補足説明を聴取いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/7
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008・山本三郎
○政府委員(山本三郎君) 先ほど提案理由の説明がございました、地すべり等防止法案の概要につきまして、補足的に御説明申し上げます。
この法律案は、第一章総則以下六章、五十五個条、付則十四個条よりなっております。
第嘉承におきましては、この法律案の目的、定義、地すべり防止区域及びぼた山崩壊防止区域の指定、地すべり防止区域の指定のための調査等について規定いたしております。
この法律案の目的とするところは、地すべり及びぼた山の崩壊による被害を除却し、または軽減するため、地すべり及びぼた山の崩壊を防止することによって国土の保全と民生の安定に資することにあります。この目的を達成するため必要があるときは主務大臣は、関係都道府県知事の意見を聞いて、地すべり区域及びこれに隣接する地域であって、公共の利害に密接な関連を有するものを地すべり防止区域として指定することができることといたしたのであります。また、ぼた山崩壊防止区域の指定も同様の趣旨によりまして主務大臣が行うのであります。
なお、主務大臣は、地すべり防止区域の指定に当って必要に応じ現地調査を行うことといたしております。
次に、第二章は、地すべり防止区域の管理に関する規定であります。
地すべり防止区域の管理は、その区域の存する都道府県知事が行うものであり、管理すべき事務の範囲は、地すべり防止区域における防止工事の施行、標識の設置、地すべり防止上支障ある行為についての規制のほか、防止工事の計画を勘案して家屋の移転、農地及び農業用施設の整備等に関する関連事業計画の作成がおもなものであります。防止工事の施行は、都道府県知事が基本計画を定めて行うこととなっておりますが、主務大臣は、防止工事の規模が著しく大である場合、高度の技術を要する場合、高度の機械力を使用して実施する必要がある場合、都府県の区域の境界にかかる場合であって、国土の保全上特に重要なものであると認められるときは、都道府県知事にかわって直轄工事を施行することができることといたしております。主務大臣または都道府県知事以外の者が地すべり防止工事を行いますことはむしろ望ましいところでありますが、ただその工事の設計及び実施計画を地すべり防止施設の築造等の基準に適合せしめるため都道府県知事の承認を要することといたしております。
なお、工事の施行につきましては、以上のほか、他の土木法規と同じく兼用工作物の工事、原因者の工事及び付帯工事に関する規定を設けております。
次に、地すべりの防止上支障のある行為の制限につきましては、地下水の排除を阻害する行為、地表水の浸透を助長する行為等については、都道府県知事の許可を得なければならないことといたしております。
第三章は、地すべり防止区域に関する費用の負担に関する規定であります。すなわち地すべり防止工事の施行、標識の設置、その他地すべり防止区域の管理に要する費用は、原則として都道府県の負担でありますが、国もその執行の責任を有するという意味から、第二十八条以下においてその費用の一部を負担することといたしております。また、他の土木法規における費用負担の規定と同様、受益都道府県の分担金等についても規定いたしております。
第四章は、ぼた山崩壊防止区域の管理及びその管理に要する費用に関する規定であります。この法律案におけるぼた山といいますのは、この法律の施行の際、現に存するものであって、鉱山保安法により、鉱業権者または鉱業権者とみなされるものが必要な措置を講ずべきものを除いたものであります。ぼた山崩壊防止区域の管理及びその管理に要する費用負担の原則、行為制限につきましてはこの章において特別に規定いたしましたほか、地すべり防止区域の管理及びその管理に要する費用に関する規定を準用いたしております。
すなわち、ぼた山崩壊防止区域の管理は都道府県知事が行うこととし、その区域の管理に要する費用は、都道府県が負担することを原則といたしております。
ぼた山崩壊防止区域における行為制限は、地すべり防止区域における行為制限と異なり、立木竹の伐採、石炭その他の鉱物の掘採等、ぼた山の崩壊防止に支障のある一定の行為につきまして、都道府県知事の許可を受けることといたしております。
第五章は、雑則に関する規定であります。さきに述べました関連事業計画に基く事業を実施した者に対する補助、家屋の移転者等に対する住宅金融公庫の資金の貸付、漁港の区域及び港湾隣接地域内において施行される地すべり防止工事について、それぞれの区域管理者に対する協議、請願及び土地調整委員会の裁定、主務大臣等についての規定であります。すなわち、都道府県知事の承認を得た関連事業計画に捲き家屋以外の農地の整備または保全、灌漑排水施設の整備等の事業を実施した市町村土地改良区等に対しましては、その事業に要する費用を予算の範囲内で補助することといたしましたほか、家屋の移転者等に対しましては、住宅金融公庫法の一部を、この法律案の付則において改正することによりまして、住宅金融公庫から、家屋の移転または建設に要する資金の貸付を受けることができることといたしました。
また、この法律案における地すべり防止区域またはぼた山崩壊防止区域の指定及び管理についての主務大臣につきましては、砂防指定地及びこれに準ずる土地の存する地すべり地域またはぼた山に関しましては建設大臣、保安林及びこれに準ずべき森林または保安施設地区及びこれに準ずべき森林または原野その他の土地の存する地すべり地域またはぼた山に関しましては農林大臣とし、これら以外の地すべり地域またはぼた山のうち、土地改良事業が施行されている土地または土地改良事業計画のある地域及びこれらに準ずべき地域の存する地すべり地域またはぼた山に関しましては農林大臣、右以外の地域の地すべり地域またはぼた山に関しましては、建設大臣となるのでありまして、地すべり防止区域またはぼた山崩壊防止区域の指定につきましては、関係主務大臣は相互に協議して行うことといたしております。
第六章は、この法律の規定に違反した者に対する罰則に関する規定であります。
最後に付則でありますが、この法律案の施行期日に関する規定のほか、経過規定、建設省設置法及び農林省設置法の一部改正、住宅金融公庫法等、住宅関係法律の一部改正、土地収用法の一部改正等について規定いたしております。
以上がこの法律案の概要でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/8
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009・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) 以上二法律案の質疑は、次回以後の委員会においてお願いいたしたいと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/9
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010・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) 次に、昭和三十三年度建設省関係予算に関する件を議題といたします。御質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/10
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011・田中一
○田中一君 建設大臣に伺いたいのですが、これは当委員会でかねてから私から強く要求しておった問題でございますけれども、昭和二年に出ております不良住宅地区改良という法律があるわけです。ところが、年々予算の編成前に当って、私ばかりでなく、当委員会の各委員ともにこの半分死文化しておるこの法律を呼び起して、そうして公営住宅なり、あるいは宅地造成その他に関するところの一つのプラスの面の実施、プラスになるような新しい土地の造成ができるような形はこの法律の活用によっても可能ではないかという質問をしておるのです。まあ歴代の大臣は、まことにその通りでございますと 十分考えますと言いながら、今日四年、五年というものはそのまま経過さしてきておるのです。そこで私は、こういう昭和二年にできましたところの不良住宅地区改良法という法律がありながら、いまだにそれが政治の表面に対して適用されておらない。同時に、一面福岡、広島、岡山、和歌山、大阪、京都、兵庫等、これらの地域におきますところの、不良住宅のスラム化と申しますか、もう少し強い言葉で言うならば、これらの地区があるために子供の教育の上におきましても、都市の何といいますか、美観というよりも、もっと社会問題化されるというような悪影響が、観が見られるわけなんです。大体二十七年ごろからこの公営住宅は、これらのものと密接な関係をもって実施をするというようなことも当時の大臣からも聞いておりますけれども、実効は上っておらぬ。何も手を打っておらぬと思うのです。こういう点について私は建設大臣はどういう考えを持っておられるか。で、歴代の大臣から今のような質問を重ねておって裏切られております、今日まで。そこで、根本建設大臣は非常に実行力がある大臣ですから、この際一挙にそうした問題を三十三年度公爵住宅施工に当って、これらのものを勘案しながら措置をとれば、これは解決される問題でありますから、その点の信念をまず第一に伺いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/11
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012・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) ただいま田中さんから御指摘のありましたごとくに、現在ありまする不良住宅地区改良法等によりまして、スラム化しております住宅地の改正、あるいはまた端的に申しまして非常に密集して、いわゆる特殊部落的な形になっておるものも、これを処理をしなければならないということは御指摘の通りであります。で、これが実施に当りましては、現在の公営住宅のうち特に第二種住宅の現実の予算配賦、あるいはこれの実施に当りまして考慮すべきとの御指摘の点はまことにその通りだと思いまして、今後三十三年度の予算執行に当りましては、十分その点を考慮に入れて措置いたしたいと考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/12
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013・田中一
○田中一君 歴代の大臣から同じような答弁を常に聞いておるんです。私ここではっきりと伺いたいのは、どういう形で三十三年度予算執行に当ってあるいは公爵住宅あるいは住宅金融公庫が持っておりますところの宅地造成という費目がございますから、現在の三十三年度予算の編成そのままでもってやろうとすればできることなんです。何といっても土地の造成ということに相当大きな費用を持っておるんですから、新しい土地を造成するよりも、これらの非常に経済的にも高度の価値のあるようなところを、現地居住しておるものに対して、十分なるですね、十分なる生活なりあるいは物に対する補償を考えながらですね、よい土地が得られるということが言えるんです。だからこれは住宅局長なりあるいはそういうものを当面やっておる総務課長か、だれか一つ——こんなことはもう、あなたに質問するのは初めてですけれども、もう耳にタコが張っておるほど課長連中知っておるはずです。従って具体的に三十三年度どうするか、現在の法律で可能です。予算の配分も決して困難はございません。その点一つ強く、はっきりした信念を、具体的にこうするという点をお話し願いたいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/13
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014・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) ただいまの不良住宅地区改良の問題は、私ども連年苦心いたして参った問題でございます。今年度予算におきましても、不良住宅地区改良法の規定を改正するなりいたしまして予算を獲得いたしたかったわけでございますけれども、昨年と同様公営住宅のワクで実施するようにという財務当局の意見で、最後、予算を別途に計上しあるいは不良住宅改良に必要な特別の予算を確保することができなかったのでございますが、しかし、各方面から不良住宅改良に対する要望が強いわけでございます。これは府県市町村の側からの強い要望もございますし、また不良住宅地区に住んでおる方々からの強い要望も出ておるわけでございます。従いまして三十二年度におきましては、実績といたしましてはそう大きな戸数が消化できなかったのでございますが、三十三年度におきましてはこれをもっとふやしたい、できれば千戸以上実施いたしたいということにいたしまして、私どもの方から地方庁の方に同和対策も含めました不良住宅の改良を大いに力を入れるように、またそういうことについて予算を要求した場合には、私どももそういうものについては優先して配分する、これはここまでは文書には書いておりませんけれども、そういう趣旨によりまして通牒を出しまして地方庁を督励いたしておるわけでございます。なお、そういった不良地区の多いところの建築関係の部長、課長が参りました際におきましても、その点は強調しておりますので、予算においては特異なことは出て参っておりませんけれども、現在の予算の範囲内におきまして、三十三年度は相当進捗するものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/14
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015・田中一
○田中一君 乱暴なことを言っても怒らんで下さいよ。そんなお念仏を聞きたくないんですよ。作文に書いたものを読むのは必要としないんですよ。幾ら都道府県の責任者に向って、こうせい、ああせいと言ったところが、実際に現在住んでおる者に対して、でき上るまでのかわりの移転する家とか、現在住んでおる経済的な価値の補償とか、そういう具体的なものができなければ、動けるわけのものでないんです。おそらくあなたは行ってみたことはないと思うのだが、どういう方々が住んでおるか、本人はどういうものを望んでおるかということに触れていないのです。御承知のように、特に今申し上げたような地区におきましては、先ほど大臣が言っているように、まことに残念ながら、言葉は悪いかもしれませんけれども、特殊部落化をして、市の行政官すら入れない場所もあるのです。これの抜本的改正を望んでいるのですけれども、現在の法律の範囲ではどうにもならない。しかし、金を出そうという意欲があれば、意図があればこれは可能なんです。そこで経済的な価値というものが、非常に高い所が多いのです。これらの地区が、今のようなお念仏ではなくして、こういう通知を出すとか何とかというのではなくして、具体的にそれらに対する実施の方法を裏づけるところの予算を持ちながら示さなければ動けるものではないのです。そこで、そういう意味において、もしも現在のこの法律が妥当でないならば、直ちに改正する法律案を出せばいいのです。私はそういう御答弁よりも、今住宅局長の言っているような気持があるならば、受け入れ態勢としては、この法律案をこう直せばいけるんだ、こう直すというつもりもある、あるいは法律を直さぬでも、事実こういう指導によってできるのだと、そういう答弁を期待しているのです。従って、これは植田さん、口先きだけでは困るのですから、それがもし具体的な答弁ができなければ、あすにでもお伺いしていいんですから、実態を見て、そうして住宅金融公庫法もあれば公団法もあるのです。数々の方法がございますからその点あわせて、実現するのだと、今実現しようと大臣は言っておりますから、実現するという方途を発見して下さい。今伺っても、お待ち下さいでは困る。私ども数年来、この問題の研究をし続けてきておりますが、私よりももっといいお考えをあなたお持ちになっていると思うから、明日にでも伺いたい。その点建設大臣、今私の言ったことは言葉が過ぎたかもしれませんが、長年の問題ですから、大臣も一つあす委員会がございますから、一つ厳重に、こう指導をして実施するというような約束はあすできるようにしていただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/15
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016・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) ただいまの問題につきましては、実は厚生大臣とも私話し合いをしておるのであります。厚生省としても、同和運動といいますか、この問題を住宅問題と関連をして、厚生省としてもいろいろ方法を講じ、予算を要求いたしましたけれども、これが実現をする運びに至らなかった。従って建設省の公営住宅の予算配分、これの執行に当って考慮してほしいという申し出も実はありますので、厚生省の事務当局、建設省の事務当局と相協議いたさせまして、具体的な方策を講じたいと思っておりますが、あすのうちにこれができるかどうか、私今ちょっと申し上げかねますけれども、できるだけすみやかに両事務当局が具体的協議の上に実施方策を御報告させるようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/16
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017・田中一
○田中一君 建設大臣としてはごもっともな御答弁なんですが、やはり社会問題というものよりも、厚生問題というものよりも、住宅の面からやろうと思えばできるのです、おのずから住宅の面で実施いたしますと厚生の面も解決されるのです、あわせて。ということですから、その点一つ期待しております。あすどうかわかりませんが、予算が通るまでには具体的な、一つ、本年度の金はこう使うのだということをお示し願いたいと思います。
もう一つの問題は、昨年の引揚者団体に対する補償というか、給付金の問題ですが解決されたときに、給付金のほかに——給付金と言いましたね、たしか——給付金のほかに、住宅一千戸というものを提供しようということを閣議決定しているのです。そうして本年度、三十三年度予算の面におきましてはそれがゼロになった。そこで建設省自身としてもそれに対しては了承しているはずであります。で、それが約束されているものが実行できなくなったものだから、第一種住宅というものを一千戸減らしまして、第二種住宅を二千戸ふやして現われたのが、われわれの理解では、引揚者に対する住宅というような印象を受けているのです。事実またそのような内意があったと思うのです。その点については予算折衝の場合にどういう経緯でこれが決定され、そうしてこの本体というものは——私どもは何々住宅、何々住宅といって、特別な階層に対する住宅対策はないという前提に立っておりますけれども、建設大臣がそういう約束をしたならば、この第二種住宅二千戸というものはどういう話し合いのもとに計上されているか、それを伺いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/17
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018・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) 第二種公営住宅二千戸をふやした場合において、これを引揚者とか、こういうものに一定のワクをもってやるという折衝はいたしておりません。全体として去年の委員会等におきまして、どうしても公営住宅に重点を置くべきだ、特にそのうちにおいて低額所得者あるいはボーダー・ラインの人々に対して措置を講ずべし、こういう御意見を尊重してやったのでございまして、従いましてただいま申し上げました通り、引揚者について一千戸とか、五百戸とか、こういうふうに一定のワクをきめておりません。しかしながら、今のお示しの点がございまするので、予算の配分に当りまして、そうした問題をも含めて、またただいま御指摘になりました不良住宅地域における問題等も勘案して、総合的にこれが計画をいたしまして解決いたしたいと存ずる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/18
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019・坂本昭
○坂本昭君 関連質問。ただいま田中委員から質問の点に関連しまして、大臣に重ねてお尋ねいたします。
前回の委員会においても、特に低所得層の引揚者、戦争犠牲者、そういう人たちに対する住宅問題についてお尋ねいたしたのでございますけれども、むしろ昭和三十二年度の予算計画の場合に当っては、厚生省独自の見解で、特に低所得層のボーダー・ラインの人たちに対する十万戸の不足分を十カ年計画で厚生省はこれを完成していきたい、そういう計画のもとに、三十二年度においては十五億の予算をもって計上している。ところが、それがついに成立を見なかった。従って三十三年度については、大蔵省、建設省、厚生省と三者の間でさらによく案を練ってする、そういうことを前の南条大臣からも、それからまた現在の根本大臣からも伺ったのであります。しかるに、今回は第二種公営住宅が二千戸ふえたということだけで、厚生省の考えておったところの低所得層に対する住宅計画などは全部流れてしまった。私はこれが今日の住宅計画の中で一番の盲点だと思うのです。しかも国民が最も切望している点で、今日の与党の政策の中に全然盛られていない、一番大きな最大の盲点だと思うのです。これについて、ただ厚生省と協議するということではなしに、もっと強力な施策をぜひ実施していただきたい。そのために、ただに話し合いするということだけではなしに、何か具体的な計画、それを進める、強力に推進するための、あるいは委員会とか、審議会でも、それは何でもいいのですが、何かそういうものを作って、厚生省の統計によりますと、一千万の人々がボーダー・ラインにおける。それから十万戸の人たちが特にそういう住宅に不足して悩んでおる。そういう問題の解決のために、建設大臣として積極的な意図をお持ちになっておられるかどうか。そのために、具体的な一つの協議機関を作られる御意図があるかどうか。その点について御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/19
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020・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) 三十三年度予算につきましては、御指摘の通りこれが解決する予算措置ができておりません。従って、この点はまことに残念であるということを先般の委員会で申し上げたわけであります。すでに発表いたしておりまする、住宅審議会におきまして三カ年計画を立てまして、公営住宅十五万七千戸を策定したのでありまするが、この審議会におきましても、ただいま御指摘になりました点は、相当重要なる要素として取り上げられたのであります。これに基きまして、今後の公営住宅の予算化においてこれは考慮さるべきであると存じます。
なお、これに関連いたしまして、何かここに協議会か別個の委員会のようなものを設ける構想があるかどうかということでございまするが、これは厚生省との間には常時連絡しておりまするが、今ここに特別な委員会を設けるという構想はございません。むしろ、これは住宅問題として措置する場合においては、住宅審議会という一つの権威ある機関がございまするので、これには各方面のそういう権威者が集まりましておりまするので、これを通じてやることがより実際的ではなかろうかと考えておりまして、むしろ、こうしたところの計画が今後予算化されるということに重点を置くのが現在としては適当ではないかと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/20
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021・坂本昭
○坂本昭君 今の件に関しまして、住宅局長に一つお尋ねいたしたい。それは、ただいまの御説明によると、厚生省とも十分話し合いをし、協議をされた。問題は予算化の一点にある。ところが、私は、ほんとうに建設省が事態を認識しておられるのかどうだろうか。先ほど、田中委員からも、住宅局長は不良住宅地区へ足を入れたことがあるかといって質問がありましたが、住宅局長は、そういう実態を建設省の局長として、住宅政策を実施する面の当の責任者としてどの程度つかんでおられるのか、また、厚生省の意見というものはどういう形でつかんでおられるのか、一つ説明していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/21
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022・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) ただいまの御質問でございますが、私が住宅局長になりまして当初に坂本先生からそういう御注意をいただいたのでございます。私の経歴のことを申し上げて申しわけございませんが、私はかつて厚生省で社会局関係の仕事もやっておりますし、また、同和事業の仕事の担当の事務官もやっております。そういう関係で、そういう実態は最近こそ見ておりませんが、かつては承知いたしております。従いまして、ボーダー・ライン階層の問題ということになりますと、私の感じから言いましてすぐに理解できまして、これは将来の住宅政策として解決しなければならぬところの大きな問題であるということはすぐ感じまして、いかにしてこれを解決するか、当時厚生省では規格を少し下げてもいいから安い家を供給してくれ、こういうようなことも社会局から申し入れたのでございますが、それに対しましては、かねてから御説明しておりまするような理由で、それは適当じゃない、何か方策を考えようじゃないかということで・英国等でやっておりますところの家賃補給、家賃の減額に対する経営費補給という一つの方式を考えまして、厚生省とも打ち合せいたしたわけでございます。しかし、これが予算化できなかったことにつきましては、私事務的に研究はいたしましたものの、やはり財務当局を説得するだけの準備が私どもになかった、力がなかったということで、私の非力をその点では正直に申し上げざるを得ないのでございますが、一回の予算でこれが失敗したからといってこの問題は捨て去るべき問題ではないと思います。次の予算編成時期を目ざしまして私ども考えておる方式のいろいろな欠陥等は漸次補正いたしまして、そうして三十四年度の予算編成の際には財務当局を納得させ得るようないい案を作りたいと思っておる次第でございます。そういう関係からいたしまして、先ほどの不良住宅の問題にいたしましても、ただいまのボーダー・ラインのケースの問題にいたしましても、私自身は仕事の上からだけではございません、切実に経験を持っておるわけであります。また、そういう趣旨によりまして部下の課長、係官を指導しておるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/22
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023・坂本昭
○坂本昭君 建設省の所管の局長が十分事態をつかんでおる、経歴からもつかんでおられるだろうと、一つ善意を持って解釈いたしておきます。ただ、財務当局を説得させることができなかったということは、これは半面事実であるかもしれないが、半面はこれは建設大臣の政治力、大きな建設大臣の責任問題かと思います。建設省の所管の局長は十分事態を知っておられるとすれば、大臣も事態を当然お知りになっておられると思いますので、来年度三十四年度ですか、三十四年度については建設大臣は責任を持ってこの問題について推進されるというお約束を一つお願いいたしとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/23
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024・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) 大へん御激励を受けまして、今後十分努力いたしまして、目的達成のために最善の努力をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/24
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025・田中一
○田中一君 厚生省見えておりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/25
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026・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) 厚生省の引揚援護局長河野鎭雄君が出席しておられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/26
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027・田中一
○田中一君 昨年、例の五百億の引揚者に対する給付金、これが閣議決定された際に、これらに対して優先的に住宅を建設して居住させるというような閣議決定があったように私は承知しておるのです。それが三十三年度予算——三十二年度の場合には、もうもはや予算の編成後でありましたから、当然それはできません。従って三十三年度には必ず何とかするということをはっきり厚生大臣は言われておったのです。建設大臣もそれはまた了承しておったはずでございます。そこで、三十三年度予算の編成に当ってどういう形でそれが具現化されておるかという点についての御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/27
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028・河野鎭雄
○政府委員(河野鎭雄君) ただいま御質問にございましたように、昨年閣議決定があったのでございますが、その閣議決定が予算編成後でありましたために、昭和三十二年度すなわち本年度は、とりあえず千戸建設省の第二種公営住宅のワク内でお願いすることにいたしておるわけでございます。お尋ねは来年度の問題でございますが、美は当初厚生省といたしましては、建設省と別途の予算措置をとった方がいいのではないかという考え方もいたしていたのでございますが、やはりこういつた問題は何と申しますか、建築行政の一元化といいますか、そういうふうな見地から別途にそれぞれの省で予算を組むというふうなことよりも、建設省の予算でお願いした方がいいというふうなことになりまして、建設省のワク内でこの問題を考えていきたいというふうにいたしておる次第であります。来年度どういうふうな目標でやるかというふうな問題になりますが、実はいろいろ地方における事情もございますので、大体地方の需要状況につきまして建設省の方もあるいはお調べいただいておるのじゃないかと思いますが、私どもといたしましても、それぞれ府県を通じまして地方の需要をただいま調査中でございます。この需要の調査の結果を見まして、十分建設省の関係の局とも御相談をいたしまして要望にこたえていくようにいたしたい、かように存じておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/28
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029・田中一
○田中一君 先ほど植田局長は特定なる個人に特定なる住宅の供給をしないという原則のお話だったのです。それはそれでいいと思うのですが、しかし少くとも内閣の責任においてこの閣議決定されたという、この決定はやはり動かすことはできません。従って私は植田局長の意見と同様なんです。住宅というものは特定なるもののために特別に優先供与すべきものではない、政治全体の住宅政策の中から均霑しなければならぬ。むろんそれは緩急もあるから、必要度に応じて、たとえばスラム街の改造が一番必要ならば、その改造を重点的にやるということはあり得るけれども、そういう特別のものを厚生省は特別に自分の予算を取ってやる場合には、それはその必要度がありますから、かつてわれわれが非難したけれども、引揚者の応急住宅としては認めておった経緯もあります。そこで、今援護局長の話を聞きますと、相当突き進んだ話し合いが事務当局同士で持たれているように印象づけられたのですけれども、実態はどうなっておるのですか、その問題に対しては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/29
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030・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 先ほど大臣からお答え申し上げましたように、第二種公営住宅が来年度予算にふえたということは、そういう特定の目的というものは規定されておらないわけでございますが、しかしあの閣議決定がありましたことも私も承知いたしております。また、閣議決定の線に沿ってこれの配分を運用すべきであるということも承知いたしております。三十二年度におきましては、建設省の公営住宅のワクが約一千戸を厚生省のこの分に割当いたしまして、建築の担当は建設省でございますが、配分は厚生省が実施したしておるわけでございます。実際配分いたしましても市町村財政の都合等でできないものはございます。こういうものは両省が話し合いいたしまして、ほかの方に切りかえる、こういうふうなことをいたして参ったのでございます。ただいま厚生省からは、建議省がその気になってやってくれるということであれば、配分から一切建設省でやってくれぬかというふうな要望もあるわけでございます。これに対しましては、まだ建設省ははっきりとした意思表示はいたしておりませんが、しかし何といたしましても、予算の方は私の方についておるわけでございますから、私の方が引援者のための住宅に力を入れますれば、それだけの効果が上るのでございますので、私どもといたしましては、できるだけこの数をふやしたい、こういう考えをもちまして、ただいま河野局長が申しましたように、地方にも通牒を出しまして、この引援者用の第二種公営住宅をできるだけ地方公共団体がやってくれますように、またその数がどういう数字が現われて参りますか、その数字に上りましてできるだけ多く配分するように心がけたいと考えておるわけでございます。従いまして戸数につきまして、何戸というワクを辞めておりませんけれども、三十二年度の実績を上回るようにぜひいたしたいと考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/30
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031・田中一
○田中一君 あなたが三十三年度予算の説明に当って、そういうふうな閣議決定の線に基く計画がここに含まれておるという説明をいたしましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/31
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032・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 個々の要望につきましては、その際に触れておりませんでしたから、今の問題は説明いたしておりませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/32
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033・田中一
○田中一君 私はせんだって質問したのはこれなのです。ごまかしてはいけません。昨年より公党住宅は一千戸ふえたといって国民に期待を持たせても、それはひもつきの戸数なのだから、前年度よりちっとも変っていない。これは内村委員も、坂木委員も指摘しておったように、金額としては伸びを示しておらない。ことに公営住宅一千戸ふえたと言いながら、それはひもつきのものであるという説明をすれば、国民は今の内閣の住宅政策というものはゼロであるということが言える。プラス・アルファはないということが言える。かえって逆に私がヤジつたように興を落したにすぎないのです。私に質問されて初めてそういうことを言うのじゃなくて当然閣議決定というものは、あなた方は責任政治であるところの今日の段階において、あなた方は率直に言っていいのです。それを言わない。こういうことはわれわれをごまかすことです。われわれが気づかなかったら、そのまま知らぬ顔して押し込んでいって、政府は公営住宅一千戸ふやしましたように言うに違いない。これはとるべきものでないと思う。そこで、河野さんにもう一ぺんお伺いしますが、一千戸だけの配分というふうに了解がついているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/33
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034・河野鎭雄
○政府委員(河野鎭雄君) ただいま植田局長からもお話がございましたように、数を幾らというふうにまだ決定しているわけではございません。地方の要望を調べまして、その数を見た上で、さらに御相談して、その地方の要望にこたえていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/34
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035・田中一
○田中一君 昨年度閣議決定の戸数は何ぼですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/35
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036・河野鎭雄
○政府委員(河野鎭雄君) 五年間で二万戸ということであったと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/36
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037・田中一
○田中一君 今の河野局長の言っている閣議決定は、建設省はよく知っているのでしょうね。閣議決定というものは、責任政治の建前では絶対のものである。それはあなた方の自由になるべきものでないと思う。戸数もきめてない、地方の要求によってあるいはふえるかもわからないということになりますと、国民全部の前に提供されている公営住宅というものは、前年度より戸数が減る可能性がある、こういうことにならざるを得ない。こういうごまかしはやはりいけません。あらためて昨年度閣議決定になりましたものによって、厚生省はどういう計画を持ってひもつきの引揚者に対する住宅供給をしようとしているのか、それを受けて立つところの建設省はどういう計画を持っているか、両方から一つ御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/37
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038・河野鎭雄
○政府委員(河野鎭雄君) 先ほどお答え申し上げましたようなことで、本年度何戸というふうなところまでまだ話し合いは進んでおらない。地方の需要を見まして十分建設省にも御相談申し上げたい、かように考えているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/38
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039・田中一
○田中一君 閣議決定ですから、これは建設大臣も出席しておったわけです。従って五年間二万戸ということは、平均しますと四万戸です。受けて立つ建設省はその五年間二万戸に対して、特別なこの住宅に対してどういう計画を持っているか、ことに二両日中に提案されようとする公営住宅三カ年計画の中にはどういう形で入っておるかですね。植田君ね、あなた思いつきの答弁では困るのですよ。こういうことを言ってあなたに申しわけないと思うけれども、これは言葉でごまかせる問題ではないのです、こいつは。やはり責任ある政府の態度のことなのですよ。しかしまあ、大臣に聞く前にあなたに一ぺん聞いておくのですが、はっきりと計画を示して下さい。三カ年計画とどういう関係を持って、どういう考え方を持っているかということを説明して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/39
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040・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 閣議決定のありまして、五年間に二万戸という条項が入っておりますことを私は現在は知っております。折衝段階におきましては、そこまではまことに申しわけございませんが知りませんでした。
それから、先ほど田中先生から御指摘ございました一千戸の増の際には、これは引揚者用だから一千戸増せといって大蔵省に交渉したわけではございません。一般の第二種公営住宅を一千戸ふやせということで交渉いたしております。また、三十二年度以後におきましても引揚者用といって銘うっておりませんけれども、四万六千戸の公敷住宅の中から引揚者用として約一千戸作りました。それによりまして建てておるわけでございます。そういう関係からいたしまして、私ども公営住宅の予算を要求する際におきましても、また現在におましても、四万七千戸の中で引揚者用を何戸引き充てるかということについては決定いたしておらないわけでございます。しかしながら、厚生省もあの予算を要求せられまして最後の段階で予算がつかなかった。また、あの閣議決定があるということを承知しておる範囲におきましては、私どもこれの達成のためにできるだけの努力をいたさねばならぬと考えておるわけでございます。そういう意味におきまして、先ほども御説明申し上げましたように、地方庁に対しまして何戸くらいできる見込みがあるか、この地方の建設の見込みを織り込みまして二種の公営住宅の割当をいたしたい、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/40
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041・田中一
○田中一君 これは、両局長に質問する段階でないから、両大臣に聞かなければならぬと思いますが、先ほど河野さんは行政の一元化、窓口を一つにしようという大構想をお持ちになっておりますが、そこまでの気持があるならば、一つ産業住宅の年金住宅ですね、あれを建設の方に移譲したらどうなのでしょうね、窓口を。そういう構想もおそらく河野さんの気持じゃあると思うのです。これは非常にけっこうなことだと思うのです。本年度の三十億程度ついておった例の年金の還元融資ですね、あの住宅もあなたの方でじかに目をつぶって都道府県にまかさないで、やはり専門家であるところの建設省の方にそれを移しかえして、予算を取るのはけっこうですから、あなたの方で、向うへ移しかえをして、建設省の方にまかす方があなたのさっき言っているような住宅建設の一元化ということになるわけですけれども、その点に対する考えはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/41
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042・河野鎭雄
○政府委員(河野鎭雄君) ちょっと私そちらの方の事情をつまびらかに聞いておりませんので、ちょっとお答えいたしかねますので御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/42
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043・田中一
○田中一君 そうしますと、私の言っている五年間二万戸というものも数字だけを知っているのであって、それはどっちみち建設省が適当に予算措置もしてくれて作るであろうということしかおわかりになっていらっしゃらないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/43
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044・河野鎭雄
○政府委員(河野鎭雄君) この閣議決定の線の達成のために和どもといたしましても努力しなきゃならないわけで、大蔵省とも予算折衝等にもその立場から当ったわけでございます。結果は、先ほど来申し上げておるようなことになりまして、その趣旨に沿ってできるだけ閣議決定の線が実現しますように建設省にもお願いしたいと、こういうふうな気持でおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/44
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045・坂本昭
○坂本昭君 厚生省の局長さん、一つ馬力をかけてしっかりやっていただきたい。実はこの間の委員会の席でも私は建設大臣にかなり要求した。それは建設大臣、それから経済企画庁長官は、日本の国は生産が非常に上って、特に昭和二十九年以後生産も上って、生産も二倍になって、景気もよくなって神武景気といって喜んでおるけれども、実は厚生省だけはそのことを否定しておる。金はたくさんふえたけれども、貧富の差は非常にひどくなって、特にボーダー・ラインの方はどんどんふえておる。こういうことを言っておるのは厚生省だけなんです。われわれは、経済白書が指摘しておることよりも、厚生白書の指摘しておることが正しいと、そして一般にはこの厚生白書の一つの思想というものを高く買っているんですよ。ですから、その厚生省所管の局長さんがしり込みしてもじもじされてはいかんと思うのです。もっと厚生省は、こう思っておるけれども、ほかの各省は神武暑気に浮かれてしまって、貧乏な人間がふえておるということを認めてくれない、われわれとしてはそれを認めるがゆえに住宅政策の面においてももっと建設省しっかりやってもらいたい。建設省は住宅を建てることは知っておっても、そこに住む人間のことは知らないじゃないかといって追及しておるわけです。先ほども住宅局長には就任以来それを追及してきて、あなたは知っておらないじゃないか。そういう不良住宅地区に足を突っ込んだことはないじゃないかと言って聞きましたところが、住宅局長は私は経歴を申し上げるということで、知っておらぬことはないと言うんですね。どうも厚生省の局長さん、もう少し鴨方をかけてもらわないというと、この厚生省で見ているのは生きた人間の実態なんです。その生きた人間の実態というものが各省の計画の中に一つも出てきてない。それからこれは、両局長に今のことに関連して申し上げたいのですけれども、この委員会でこのように両局長が謙譲の美徳を発揮されるということは非常に珍しいのじゃないかと思うのですね。たいがいのところなら、その政策はおれがやるのだといって奪い合いをするところが、まことに謙譲の美徳を発揮せられて、お互いに譲り合っておられる。これは何たることかと言いたい。特にわれわれから見れば、一番むずかしい一番困難な盲点は、お役所が避けたがるということですね。これはいけません。こういうことをしておれば国民生活はいよいよ不幸になる。
先ほど住宅局長は一千戸の配分について、これを必ず地方で実施するように指示もしたいと言っておりますが、私はこれはうそだと思う。この例は、すでに母子家庭に対する住宅配分について、たしかこれは昭和三十年の秋ごろに建設省の方からも、また厚生省からも、次官通牒で第二種の公営住宅に対しては母子家庭を優先的に入れてもらいたい、そういう通牒を出しているんです。私はその出した通牒がどういうふうに生かされているか、それを返事をくれといって聞いたことがある。ところが返事をくれない。それで今度は、厚生省の母子福祉課に行きまして、一体この通牒がどういうふうに生かされておるか、一つその結果を見せてくれといって去年……もうおととしでしょう、いろいろ調べてみました。その返事はないのです。つまり出しっぱなしで、第二種公営住宅というのは、愚子家庭をよろしく頼む、ただそれだけです。頼まれた方の各地方では一つもそれを実施してない。その実施してない証拠には各地区で母子寮を作ったり、そういうことのために非常な苦労をしておる。だからして、この際も引揚者に対してそういうことをするならば、一片の次官通牒だけでは私どもは納得しません。これは実際に実施できるように一番それぞれの担当の局長さんの援護局長、それから住宅局長、今の一千戸配分についてどういうような的確な行政措置をとられるか、一つそのお考えを承わっておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/45
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046・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 建設行政と、それから厚生行政とにわたります問題で、住宅問題が一番むずかしい問題であり、また解決に金のかかる問題であろうと私も存じます。しかしながら、住宅行政も建てるばかりが能ではございませんので、そういった現実の社会面の動きというものを十分見て、それにマッチするような住宅を建て、措置すべきであろうと私も存じておりますし、またその面につきまして厚生省からもいろいろとお話を承わったりいたしまして、低家賃政策の問題につきましていろいろな施策を研究いたして参っているわけでございます。住宅行政一元化の線というのは、これは私は急にすべきではないと存じますので、むしろ住宅行政が厚生行政のその面の片棒をかついで解決に入るべきものと、私自身としては考えているわけでございます。そういう意味におきまして、厚生省からの住宅不足に対する各種の御要望というものは、住宅行政で許す限りにおいてその要望に沿うようにやって参りたいと思っているわけでございまして、私はその点は建設省の住宅行政の方でもっともっと力を入れて解決に努力すべきものであろうと存じているわけでございます。
次に、第二段の引揚者住宅の問題でございますが、引揚者住宅の問題は、これはむずかしいという言葉を使いましたらおしかりを受けるかと存じますが、要するに市町村財政の問題にからんでくるわけでございまして、市町村の方では、引揚者以外の住宅難もあるのであるから、それと一緒でないと解決できないとか、あるいは予算が間に合わないから解決がつかない、こういうふうな言葉があるようでございます。この方の問題は、建てる方の私どもも、それから入居者のお世話をする方の厚生省の方も、よほどしっかり——府県、市町村を指導いたさねばならぬと思いますので、その点私どもの今までの努力の足らないところがございますならば、両省が打ち合せをいたしまして、もっと強く地方に働きかけてみたいと存じております。また、そういうことでしなければ、なかなか解決のつく問題でなかろうと思います。
ただいま私の感じておりまするところを率直に申し上げますと、こういうところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/46
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047・坂本昭
○坂本昭君 ちょっとまだ援護局長の、今の措置についてどういう措置をするのかですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/47
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048・河野鎭雄
○政府委員(河野鎭雄君) 具体的な措置の問題につきましては、先ほど来申し上げておりますように、地方の事情を調査した上、建設省とよく話し合いをしたいと、かように思っているわけでございます。私どもも非常にしり込みをしているというふうな趣旨でおしかりを受けたのですが、決してそういうつもりはございません。先ほど来植田局長からもお答えいただいておりますように、この問題について十分好意を持って協力していただけるというふうに伺っておりますので、その好意を私どもも実は信じているわけでございます。まあそういうことで、今後も十分両省で相談をして善処していきたいと、かように思っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/48
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049・坂本昭
○坂本昭君 どうもただいまの御返事だけではなかなか納得できないので、一つこうしていただきたいですね。きょうは援護局長さんとしては、住宅の問題だけでいろいろ言われるのは困るでしょうが、先ほど田中委員も言われたように、これは建設大臣、厚生大臣、両大臣の問題だと思います。その前に、今の引揚者の住宅状態がどうなっているか、それから閣議決定があったけれども、にもかかわらず、その実際はどういうふうに行われているか、引揚者、あるいは母子家庭、そういう人たちがこの第二種公爵住宅にどういうふうに入ることができたか、できているか。そういうことの調査は、これは当然厚生省がすべきだと思うのですね。それを一つ、きょうは援護局長さん聞いてもらって、その調査を次回厚生大臣が持って、この問題についての厚生大臣としての意見を聞かしていただきたい。一つその調査をぜひ出していただきたい。実はこの調査を見てみますと、厚生省はね、ほんとうにしり込みして、だんだん調査をしたがらないのですよ。というのは、今まで調査をして、その調査に基いて予算要求する、三十一年度については、十五億もこの低所得者に対して予算を出して、全部削られてしまった。そしてこれは建設行政一本化から、もう厚生省は出すなと言われてしまった。言われてしまったからには、もう役所としてはそういう調査をやらなくなってきている。この間私どもも引揚者、戦災者の住宅行政の統計を調べたのですけれども、あまり熱心でない——と言うと悪いのですが——結果の数字をいただきました。いただきましたが、そういうものをさらに追及して、どういうふうにこういう人たちの住生活というものが発展解消しているかというところまでの追及をやろうとすると、もう熱意を厚生省当局が欠きつつあるのじゃないか。これは、私は重大なこの行政七の誤まりだと思います。で、特にきょうこうしてこの厚生省と建設省と両方に私が低所得層住宅の問題を追及しているのは、一番の盲点で、だれももう皆逃げたがっているが、せめて厚生省として、あの厚生白書に盛られたところのアイデア等は貫いていただきたい。そうすればわれわれはこれは建設大臣の責任として、ことしはでなくても、来年は必ず実施させる。たとえこの保守党の内閣でも実施させる。それができなければ再来年くらいはもう社会党になって、そのときには厚生省も仕事がやりやすくなるだろうと思うのです。そうならそれで厚生省もはっきりと意思表示して——まことにしり込みしているが、このような現実の保守党内閣ではしり込みをするのだということの意思表示をしてもけっこうなんですから、もうそういう段階に私はこの低所得層の住宅問題はきている。どうか厚生省の今の母子家庭、それから引揚者、それから低所得層の住生活についての統計の報告を大臣からこちらへ出していただきたい。よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/49
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050・河野鎭雄
○政府委員(河野鎭雄君) 低所得階層全体の住宅問題は、実は私どもの方のあれでございませんで、関係の方とも連絡をとりまして、まあ御要望に沿える資料が手元にありますかどうですか、聞いてみないとわかりませんが、できるだけ一つそろえましたものを差し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/50
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051・田中一
○田中一君 私は植田さんに伺いますがね。昨年当委員会で各党提案の立法として通過した建築士法の一部改正案、これは御承知のように、立案は議員立法でありますから、提案者は私なり、石井さんなりが相当話し合いながら、実際の実施状態に対する一つの意思を持って出したものであります。で、その意思がどういう工合に現在あなた方にまかされた行政措置として持たれておるか、その点を、総括的な経過の報告を願いたいと思います。こまかい問題については、今局長お述べにならぬでも、担当の指導課長からでも伺いたいと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/51
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052・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 建築士法の改正になりました施行目は、三十三年の一月一日でございます。これが施行日になっておりますが、試験選考といたしましては、それよりも前にいたさねばならないのでございますが、私どもにとりましては、一つの行政措置といたしましては、できるだけこの選考の資格のある人が、応募するのを怠ったため、あるいは知らなかったがために、応募できなかったということのないようにしたいと存じまして、締切日を十一月の末にしたことでございます。
第一点といたしましては、国会の御審議の意思を体しまして、今回の改正の趣旨に合致するような選考基準を地方庁に示さなければならぬわけでございますが、これにつきまして建築士審議会の議を経まして七回の審議をわずらわしまして答申をいただきましたので、その答申に従った選考基準を建設大臣告示いたしました。それに基いて現在選者を都道府県においていたしておるわけでございます。現在までわかりました数字におきましては、申請件数が七万九千百五十五でございます。第一次の合格はこれは無考査選考でございますが、無考査選考の分としてあがっております数字は二万五千二十九名でございます。この無考査選考は二月一ぱいやる見込みでございますので、この数字はもっとふえるものと存じております。無考査の分はこの二月一ぱいごろに都道府県とも終りまして、三月に入りまして考査による選考を実施いたしたいと思っております。これは三月中に終らなくて、予算等の関係で都道府県によりましては四月に入って実施するものもあろうかと思います。
大体の経過は以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/52
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053・田中一
○田中一君 私いろいろの地方で問題があるために、出張のついでついでにいろいろ実相を調べておりますけれども、少くともわれわれ法律を作ったものの意思というものが尊重されておらないところもあるという点であります。で、事実に基いて説明しますけれども、ことに一番不審に思うのは、本年の一月の二十三日ですか、四日でしたか、建設省が全国のそれらの係官を青山の建設省の寮に招致して、ある県の第一次選考というものが甘過ぎるなどというような非難をしたり、大体第一次は総ワクの何%に押えろというような指示をしたりしたことを承知しております。これは決してうそではございません。実態をつかんで、実態によるところの選考が正しい行き方であるというようにわれわれは見ておるわけです。ところが、そのように大ワクでものをきめるということがあってはならない、ことに今度の経過措置というものは何ら社会に悪を残さない措置なんです。ということは、たとえば既存の資格を持って二級建築士としてその業務を営んでおるものたちの仕事の業務の範囲をも犯すものではないのです。今度の法律の立法の趣旨というものは、当然過去において法律上持っておったところの権利が今度の改正される法律によって範囲が縮まる措置があってはならんから、既得権に対する権利の保護、擁護ということが主眼であって、今回の措置によって二級建築士の資格を持った者が新しく建築事務所を開いて、そうして他からの依頼を受けるという階層も多少あるでございましょう。しかしながら、多くは許されておった範囲の建築士の持っておる業務と並行して実態は建設をする職人が多いのでございます。職人は決しておそらく何%出るか知りませんけれども、今の段階では新しく事務所を持って他人の依頼を受けて仕事をしようという考え方がないのが多くの実態です。そこで調べてみますと、たとえば一つの例を申しますと、京都などは多過ぎるのじゃないか、もう少し縮めろといった一つの例です。これは前岡君からはっきりと答弁を伺います。栃木県では土木事務所に副申書を出すように言いつけてある。私はそのひな形を持って参りました。そうして、この人間に対する信憑性でしょう、おそらく。当然出すべき書類の副申書をつけて、土木事務所はこれはこうである、ああであるという、まるで刑事が、今の何と言うんですか、あまり好きな名前じゃないから覚えていないけれども、ああいうようなまねをする。島根県では第一次の発表がたった七名、静岡県では第一次選考として一〇%を発表してですよ、第二次選考はございません、全部考査に回しますという実態を調査しない措置をとっておる。それから山形県等は筆記試験をさしております。こういう筆記試験。私は行って、そういうことは選考の趣旨ではないじゃないかと言ったところが、課長もこれを了承してくれた、というので、これは私が行政権にまで介入できませんからやむを得ませんといって、逃してありますけれども、試験をやっておる。これは明らかに考査です。それから、静岡県等では建築課長が建築士会の会長をしております。従って初めから建築士会に入会することを条件として書類を受理するようなこともやっております。こういう形で岐阜県も同じことをやっておりますが、愛知県などは合格通知の番号即これを建築士会の登録という形に振りかえて措置をしておるという点ですね、これらのものは決して法律を作ったわれわれの意図じゃない。従ってそういうわれわれの考えておるものと違った形の弾圧をするような事態に対しましては、個々にわたって十分に答弁していただきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/53
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054・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) ただいまお話のございましたものにつきまして、私自身が、今承わっただけで、初めて聞く問題でございますし、また今お話しになりました合格通知そのものが建築士会の入会の番号であるということは、これは地方の係官が趣旨を混同いたしまして、一緒にやった方が便利だろうぐらいの軽い考えでやっておるものが多かろうと思います。それ以外の措置におきましても、建設大臣告示といたしまして指示し、また、それに対しまして詳細な通牒を出しておるわけでございます。係官の判断によりまして、申請書の書面だけでは信用できぬから、あるいは土木出張所の副申書をとってみようかと、正確を期するために善意でそういうことをやったものと思うのでございますが、これが二級建築士の資格を与えるために故意に障害を与えるという意味でやったことでございますれば、それはこの法律の改正の趣旨、また私どもが建築士審議会の答申を経ましてきめました建設省告示の趣旨に反するわけでございます。あくまでも建築士の告示の線に沿ったものから選考によりまして、その資格がありということが明白でございますれば、それは当然資格を与えるべきでございます。また、団体加入の問題は、これは地方の建築士会と府県庁とがきめる問題であろうかと存じますが、これは必ずしも強制すべき問題ではなかろうかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/54
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055・田中一
○田中一君 今の一つ一つの問題について、むろん指導課長の手元には詳細の報告があると思いますから御答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/55
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056・前岡幹夫
○説明員(前岡幹夫君) お答え申し上げます。今般の二級建築士の選考の問題につきましては、慎重にやったつもりでございまするが、申請書が出て参りました結果を見ますると、私らの方にはその根拠となるような資料も実は不足しておるわけでございますが、各府県の申請者の数を見ますと、相当のアンバランスと申しますか、各県の宣伝方法、まあその他の関係もございましたでしょう。相当のアンバランスがあるのではないかというような懸念が持たれるわけでございます。それで選考事務とも関連いたしますので、私らの方といたしましては、全国の二級建築士の選考の基準と申しますか、それをで量るだけある一定の基準というかレベルに押えたい、こういうことで各府県があまり独走しても困るので、そういう関係で全国を集めてやるということも事務的に困難でございますので、方法といたしまして各ブロックの代表県に集まっていただきまして、そしてその間でもうお互いの連絡調整をやろう、こういう会合を再々催したわけでございます。それで各ブロックでは、やはり非常に重大な問題でございますので、ブロック会議はしょっちゅうやっておりますので、そういうことによって全国的な調査ができるのではないかと、そういう会合を再々持ったわけでございます。
ただいま田中委員がお話しになりましたように、ある場所に集めて、そして各府県を個々に多いじゃないか、あるいは少いじゃないかというようなお話が出ましたが、私らの方でそういうことを申し上げた事実は全然ございません。むしろこの際は二級建築士としてふさわしい者、選考基準に合っている者は全員漏れなくしげるように、もちろんその反面にふさわしくない者はやはり落していただく、まあこういうことになりますが、各県の数にこだわらずにふさわしい者は全部上げる、そうでない者は落す、こういうことで参ったわけでございます。まあ、どういうところのニュース・ソースか存じませんが、そういうことを私らの方から指示した事実は全然ございません。
それから、各府県の状況を御指摘いただいたわけでございますが、島根県が非常に少いというお話でございましたが、これは島根県は私らの方も不審を持ちまして調査したわけでございますが、島根県とすれば現在の職員が非常に少くてとても年内に——まあ第一次発表ということをわれわれとしては多少日にちが少くて疑問を持ったわけでございますけれども、法律の方で一月一日の施行になっておりますので、できるだけ一日から——年内に若干のものでもいいから発表してくれ、こういう指示をしておったわけです。それで島根県では非常に人数が少くてできなかった、それで学歴者の分だけについて発展した、そして追って第二次、第三次で考えるのだと、こういうようなことでございます。だから、これは担当する職員の数によりましてやむを得なかった結果かと考えております。
それから、そのほかで、ほかの府県におきましても、この選考について若干の扱い方に違いがございますけれども、私今のところずっと見ておりますと大体同じじゃないか、一次で少かったところは二次、三次で追加する、まあそういうことで大体足並みがそろってくるのではないか、それで現在私らの方でつかんでおります資料は、先ほど局長が申し上げました一月末の資料でございまして、その後追加になった分はまだ全般的には掌握をしていないわけでございます。が、しかしいずれにいたしましても考査の方を三月の中ごろ以降、それから四月の初旬、こういうことに各ブロックで大体きめておるようでございますので、もうぼつぼつ無考査の方は終るのではないか、こういう見通しでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/56
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057・田中一
○田中一君 それはさておきというと困るのです。とにかく、たとえば関東ブロック等では建築の兵隊、建技兵として出征して兵役に服した当時の実務経験は半分に見ておる、そういうことをきめております。従って基準というものは正しく平均して行われていないのです。一番困るのはこれなんです。たとえばそれでなくてすら建築士の試験は、一級、二級とも非常に点数が甘かったり準かったりするというようなことがあって、全国的な一つの基準で問題を出しておるのが最近の傾向でありますけれども、それにしてもたとえば兵役期間なんというものを半分にするなんということはあり得ないのです。これはあなたの地元です。関東ブロックはそういう措置をとっております。これに対して、そういう指示をなさったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/57
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058・前岡幹夫
○説明員(前岡幹夫君) 兵役期間については全然触れておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/58
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059・田中一
○田中一君 触れておらぬでも、関東ブロックはそれを二分の一しか認めておらぬ、経験年数として……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/59
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060・前岡幹夫
○説明員(前岡幹夫君) 兵役関係の実務年数の算定につきましては、いろいろむずかしい問題があるのじゃないかと考えます。同じ兵役期間でも、鉄砲をかついでおった期間、それから建築の技術をある程度発揮した期間もありましょうし、それから一般民間の実務経歴とほとんど同じような、またあるいはそれ以上の高度の技術を使った期間もあるだろうと思います。それは地方の選考委員会の処置にまかせる。こういうことで建設省としてはこれに触れておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/60
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061・田中一
○田中一君 これは、追加して課長通牒を出したというように記憶しております。栃木県のように、土木部長が土木事務所から副申書を出すなんというようなことがあってはならぬから、できるだけ職人の生活なり職人個人なりをよく知っておる者を専門委員なり選考委員会に入れて実態を知ってやりなさいということを口をすっぱくして申し上げておるはずです。それをしないところは、そういうような行き過ぎをしておるのです。ことに静岡、岐阜などは、合格の通知があった、それを確認申請に出す、それは建築士会のみ会書に判こを押さなければその確認申請を受け付けないというようなことをやっておるのです。そういう強制力はありません。またそうしてはならないという規則も別にきめてないから、あえてやっておるのでしょう。これは法の盲点なんです。従ってこれらは、法律を作った者の精神とおよそ離れておる問題なんです。これらに対しては指導課長としてどういう措置をとりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/61
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062・前岡幹夫
○説明員(前岡幹夫君) 建築士会の問題につきましては、これは今度の二級建築士の選考とは全然無関係の問題でございますので、これはまた全然別に一つお考え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/62
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063・田中一
○田中一君 御承知のように、今度の法律改正というものは、第一点は強制加入にはなっておりませんけれども、士会というものに民法上の法人としての資格を与えようというのが一項の改正の関係にあるわけです。これはむろん強制力を持っておりません。おりませんが、強制力あるがごとき口吻で申込書を出すということもあり得るのです。これは悪い行政官がそういうことをする例があると思います。まあ建設省にはないでしょうけれども、末端にはそういうことがあると思うのです。だから、そういうことを強制しておるのですが、これは別個の問題だということがあってはならないのです。実際法律の改正が、法人格を与えると、さもさも強制加入をしなければならないものであるかのごとき印象を与えるような指導をするところに間違いがあるのです。こういうものがあっちゃならぬのです。やはり指導課長としては、これは地方々々の現状を一々責任を負う必要はございませんけれども、大きな問題はやはり義務があると思う。そういう点についてはどういう措置をとりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/63
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064・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 建築士会というのがございまして、それでこの建築士会に今回の選考で資格を得た人が入るということは私は望ましいことだと存じております。一時そういう人たちが別の建築士会というような話もございましたが、私は公式の席で聞いたわけでもございませんが、そういうことはあまり感心しない、やはり二級建築士の資格を受けた以上はこの資格は同じことである。従って二級建築士として認められた仕事は、その方の能力、あるいは設計、監理を依頼される方が依頼するか依頼しないかは別問題としまして、れっきとして資格上差はないことと存じておりますので、私の個人的な気持から申しますれば、同じ建築士会に同じように参加されるのが適当だと存じます。そういう意味からいきまして、同じ建築士会の入会に当りましても、合格証書を渡す際にその問題も、いずれ入る人であろうから同時に解決した方がいいだろうというふうな、割合に簡単に地方庁の係官として考えてそういう措置をとったのではなかろうかと存ずるわけでございます。これがはなはだしく問題になり、また今回選考をお受けになった方に非常に心証が悪いということでございますれば、私どもも府県の係官に注意をすることはやぶさかではないと存じておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/64
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065・田中一
○田中一君 当面の責任者の住宅局長が好ましいなんという御意見を持っているならば、おそらくこれは住宅局長がそういうようにやれと言ったのかもわかりません。これは大問題ですから、これはもう少し調べなければなりません。どうもそういうように印象づけられる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/65
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066・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 全然そういう趣旨でございませんで、先ほどもお答え申し上げましたときに申し上げましたように、二級建築士の方が別々の建築士会に所属されるよりも一本の方が望ましいという私個人的考えを持っておったわけでございます。全然そういうことについて指導したことはございません。また府県の建築士会の意向によりまして別個の建築士会をお作りになることも、それも決して否定するわけじゃございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/66
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067・田中一
○田中一君 私は住宅局長の意見を聞いたんじゃないのです。法律上そういうことがあり得ないことなんです、これは。それがそういうふうに現実にあるということを言って、あなたは、やはり最高監督官としてのあなたは、その法律を順守する人間としてどう考えるかというときに、あなた自分の個人の意見を言う必要ないのです。自分個人の意見で言うから、地方の人はそういう誤解をして、これは住宅局長の意思はそれなんだといって、そういうふうにするので、あなたは善意の犯罪を犯している、民法上の個人の自由ということを犯す犯罪を犯したということを言われてもやむを得ぬと思います。それはいけません。これは、あなたはどうするかと伺っているのです。その場合どうするか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/67
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068・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 私個人的な意見を申し上げまして、まことに失礼いたしました。個人的な意見を役所の意見として地方庁の方には伝えたわけじゃございません。静岡県の例も私の意見を聞いたからではなく、また前岡課長の意見を聞いたから、そういうことをしたわけでもないだろうと思います。しかし、私この仕事をやりまして日が浅いわけでございますが、私と同じような考え方を静岡県の係官も持ったのじゃないかという意味で申し上げたのでございまして、その点御了承を願いたいと思います。もしもその点が非常に行き過ぎでございましたら、私ども県に対して注意をいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/68
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069・田中一
○田中一君 当然行き過ぎです。どこに入ろうが入るまいが個人の自由なんですよ。当然入るべきならば法律をそう変えればいいのです。法律はそうなっておらないのです。それは行き過ぎです。是正しますか、指導面において。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/69
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070・前岡幹夫
○説明員(前岡幹夫君) ただいま御指摘の通りに建築士会は、これは決して強制加入団体でございませんので、強制することがありましたら、これは差しとめたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/70
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071・田中一
○田中一君 関東ブロックの経験年数として兵役の二分の一に抑えたということ、他のブロックではそういうことをしておらないのです。これはよくこの点については審議の過程においても、あるいは記録に残らぬ話し合いの上においても、当時の住宅局長代理鬼丸君は一切了解していることです。従って兵役をなぜ半分にするかということに対するブロックの実態というものを監督官庁としての前岡さんの御意見を聞いて——御答弁を伺いたい、もしそれが行き過ぎであるならばどういう工会にそれを是正するかという答弁を側いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/71
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072・前岡幹夫
○説明員(前岡幹夫君) 兵役期間の算定につきましては、先ほど申し上げましたのですが、私らの方としてはその実態に即応する算定の仕方をやっていただきたい、こういう指示をしているわけでございます。具体的な内容でどの県はどのくらいとったかということは、今資料別にございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/72
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073・田中一
○田中一君 関東ブロックに近いのですから、さっそくお調べになって、そういうことがあったら是正しなければいかぬです。これはむろん団体に配分する資格じゃないのです。個人々々の実態に対して賦与すべき資格なんですよ。従って兵役に行った者は二分の一にすべきだというのは行き過ぎです。実態においてお調べになっていただきたいと思います。これはそうしてくれますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/73
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074・前岡幹夫
○説明員(前岡幹夫君) 各ブロック、あるいは各府県でどういう取扱いをしておりますか、一度調べてみたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/74
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075・田中一
○田中一君 不当な判断によって資格がもらえない職人が再審査をしてくれという申請に対してはどうするか、扱いについての的確な指示はしてないように承知しておりますけれども、そういう場合には、これは受けて、再審査をするということは望ましいと思うのです。それに対してはどういう考えを日持っておりますか。相談して返事して下さい、局長と。これはむろん大臣にも私聞くことですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/75
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076・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) ただいまの再審査の問題でございます。果して無考査選考というような場合に、権利として再審査というものを与えるべきかどうかということにつきましては、これは相当慎重にいたさなければならぬ問題だと存じます。これも言葉が過ぎましたらおしかりを受けるかと存じますが、各種の学校の入学試験あるいは資格試験と同様でございまして、再審査を一々やることが果して安定した状態にもっていけるものかどうかということは、相当慎重にやらねばならぬ問題かと存じます。しかしながら、再審査の権利としての再審査じゃございませんけれども、しかし、どうも審査がふに落ちない、あるいは書類の見落しでもあったのじゃなかろうか、こういうようなことがあった場合に、それは権利として、あるいは義務として再審査しなければならぬという性格のものではございませんが、その担当者としての善意の問題といたしましても、これはやって悪いというわけではないかと存じます。そういうふうにただいまのところは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/76
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077・田中一
○田中一君 再審査を受けてもいい場合があるということですね、あなたの言うことは。結論そうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/77
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078・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 再審査にもこれは限度がございます。たとえば再審査を、考査選考があるわけでございますから、考査選考が始まれば無考査選考が終ったわけでございますから、それまでの段階におきまして、府県の係官の行為によりましてそういうことをやることを否定することはないと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/78
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079・田中一
○田中一君 民法上ですよ、不当な判決があった場合に、常にそれに対して抗告するということは民法上の原則ですよ。ことに住宅局長は大きな考え方の間違いを侵しているのです。この法律の改正というものは試験ではないのですよ。いいですか。試験ではないんですよ。他の試験と同様だと、あなたはそういうことを言っているから、それは大きな間違いです。試験ではないんですよ。既得権に対する資格を与えるものなんですよ。そうして民法上ふに落ちないことがあったらどんどん抗告ができます。ただ今度の問題に対して、そういう的確な指導をあなたはしていないのです。そういうことがあっちゃならぬから、その実態をよく知っている者を選考委員なり、専門委員なりに加えて実態を調査せよということを推し進めているのです。ことに、試験と同様と今言っているが、これはどこまでも試験ではない、選考なんです。むろん、申請する申請者は、あなたの方で指導しているところの条件に自分は合っておりますといって申請をしてきているのです。いいですか。それが、選考が不当であるといって異議の申し立てをした場合に、受けないことはないんですよ。もう一つだ。考査いたしましても、どこまでもこれは試験ではないんです。ある一つの問題に対して、これは適当かどうか判断するというような考査、これはおのずから試験とは違います。従ってそういう依頼があった場合にどういたしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/79
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080・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 私は考査が試験と同じだという意味を申しているわけではございません。これはあくまで選考でございます。また、先ほど来お話がありましたように、選考の基準を建設大臣が示しているわけでございますから、その資格に合致いたしましたものは、当然一級建築士の資格を考査によって与えるべきものであります。その点は御意見と変りはないわけであります。私の申し上げたいことは、先ほど試験の例を出したけれども、こういった資格審査して資格を与える、あるいは試験をやって資格を与える、こういった場合におきまして、それが再審査を要求する、要求する権利が与えられるというふうな形におきましては、その試験制度の安定性というものが保たれないのじゃなかろうか。やはり試験とか、こういった選考の際におきましては、ある程度におきましては、一事不再理というものの考え方というものを入れないと切りがないのじゃなかろうか。自分は資格があると思って受けてみたところが——資格の問題はこれは別問題でございます。資格はちゃんと法律できまっております。それがだめだったから通らなかった。従っていつも再審査を要求する、こういうふうな形におきましては、けじめのない問題でございますので、一定の時期にはっきりとけじめをつけて処置する必要がある、こういう趣旨で先ほど申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/80
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081・田中一
○田中一君 それならば、同じような指導を政府はすべきである。半分認めるとか、全部認めないとか言わずに、同じような選考の基準を示さなければならない。同じような指導をしていながら、神奈川県とか、愛知県で違っている選考をしている。そのような選考の基準なら、これは当然抗弁する余地があると思うのです。これはないとはいわない。当然これは認めるべきだと思う。局長どうです。同じような基準を示して、同じような基準で選考しておらない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/81
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082・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 私どもといたしましては、建設大臣告示、それに基きまして通牒で詳しい基準を示しているわけでございます。しかしながら、この試験の責任は都道府県でございまして、都道府県が私どもの指導の告示なり、通牒なりに従ってやっていることとは信じますが、係官が違いますと、若干ニュアンスの違いが出てきているじゃないか。またそれがニュアンスの差であるか、(田中一君、「悪意であるか」と述ぶ)または悪意かということにつきましては、議論のあろうことだと存じます。その点につきましては、先ほど御指摘になりましたものにつきましては、もしもそれが悪意、悪意とまでは申しませんが、故意に合格者の数に影響を与えようとか、そういう気持を万一持っているようなところがありますと、私どもの趣旨と反するのでありまして、もしもそういうところがありましたら、私どもから、まだ手直しできる時期におきましては、手直しするように注意いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/82
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083・田中一
○田中一君 最後に伺いたいのは、先ほど植田局長が新しい別の団体を認めない、認めたくないというような意向を言っていられた。これもあなたがそういうことを言うのは行き過ぎです。取り消さぬと、これは僕は大臣によく伺ってみます。そういうことが、初めから、もし一つの団体に加入せよということなら、法律を変えて持ってらっしゃい。そういうことを言うのは非常に行き過ぎで、悪い指導です。悪意のある指導です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/83
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084・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 私が一つの団体の方が望ましいということを言ったのは、私の行き過ぎでございました。むしろ私の気持は、こういう気持がありました。もしも入りたいというふうな気持があったときに、既存団体が気持よく受けてくれるということが望ましいという気持を私自身が持っておりましたので、そういう意味で先ほどのようなことを申し上げたのでありまして、別団体を作るような自由に対して、法律的にも、私は干渉するような気持は少しもございません。もしも先ほどの言葉の過ぎました点があれば、そういうふうに御了解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/84
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085・田中一
○田中一君 結局今度の措置というのは、既得権を持っている大工等に資格をやることによって、その人間の既得権が守られ、そうしてそれらのものの実体というものは他の依頼を受けて設計、監理の業務をおおむねしないのが多いのです。たとえめっかちでもびっこでも実需はないのです。社会悪というものが生ずる機会が少いのですね。こういうものに対しては、百人が百人適確なる条件にはまるものは資格を与えるということが望ましいのです。仄聞するところによりますと、審議会におきましても、委員の内田博士は当然全部やるベきであるということを主張しているように聞いております。その後私も実はあの方からそういうことをじかに聞きました。そうして、また現在試験等で資格をとり、そうして設計、監理の業務を憎んでいる方々の権益を侵すものではないのです。小学校を出たばかりの、専門の教育を受けない大工さんが、他人の依頼を受けて設計、監理の業務を営むということはまれに、ないというとは言えないけれども、そういうことをするよりも、自分で家を建てた方が自分の経済的な利益が多いわけなんですよ。従ってわれわれの考え方、これは石井君も同じですが、法律を作ったわれわれの考え方というものは、既得権を守る意味において、一応選考の基準は政府にまかすけれども、合っているものは最大限に救えということが主眼なんです。ちょっと声が大きくなりましたけれども……。これが主眼なんですよ。いいですか、与えられた人たちは、何らの社会悪をも犯さないというのです。そうして既存の建築の権益をも侵さない、これが主眼なんです。間違った指導をしているところが多々あるとするなら、これから指摘します。まあ時間的に問い合いますからね。今言う通り、局長も、課長も、そういう点に万遺漏のないように、急遽措置をとることが望ましい。この問題につきまして、満足いきませんと、これは十分に大臣とも話し合いします。少くともこれは議員立法でありますから、あなた方の意思というもの、あなた方の解釈というものがわれわれの意思、われわれの解釈によってのみ敷衍されるものであるということを確認しなければならない。総体的にそれらの点についての住宅局長の心がまえにつきまして、時間がありませんけれども、まだ時間がございます。時間がないように見えますけれども、時間がございますから適切な措置を望みます。従って総括的な答弁をして下さい。またこれが、もう皆さんに御迷惑だからここでやめたいのですけれども、あなたが変なことを言いますと、まだ一時間でも三時間でも続けますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/85
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086・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) この法律は議員立法で成立いたしまして、国会の審議の際の御意見また法文上表われております御趣旨に従いまして私ども実施して参ったつもりでおります。田中先生のお話でございましたが、実際上におきましては実害がないだろうと思います、しかしないとは申せない、これはやはり法律上二級建築士とございますれば相当程度の高いところまで設計、監理ができることに法律上はなっております。実際上は私はないだろうと存じます。その点につきましては田中先生と意見は同一でございまして、違っているわけじゃございません。ただ従来の二級建築士の資格の設計、監理の範囲がそのまま今度の三級建築士につきましても法律上救われていると、こういう意味だけで申しているわけでございます。それだけでございますので、その点は御了承を願いたいと思います。そういう観念からいたしましてこの基準を作ることにつきましては、国会での御意見もよくわかりますし、また建築士審議会、この中にはいろいろ強い意見を言う方もございましたし、また内田先生のような御意見の方もございました。その辺のところおまとめ願うにつきましては私ども多少は気を使ったわけでございます。そういたしましてただいまの基準というものは、おおむね妥当な基準であろうと存じておりますので、私どもこの基準が基準通りに行われるのでありますれば、国会の議員立法としての運用といたしましても御満足いただけるものであろうかと存じます。しかし、先ほど来お話のございましたことで立法の趣旨と反するようなことがございますれば、時間の余裕のある範囲内におきましては、私どもも十分県に指導いたしまして訂正すべきものは訂正させたいと存ずるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/86
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087・石井桂
○石井桂君 ちょっと一つ関連しまして。
田中さんの御質疑で大体わかりましたろうと思いますが、この二級建築士の取扱いについて法律を変えましたのは、やはり田中さんがおっしゃったように、実際技術を持っておって、試験や何かするときに発表ができない人が技術屋にずいぶんおるのです。こういう実力のある人を救いたい、こういう目的がずいぶんあった、こう思うのです。そこで、できるだけ中央建築士審議会で設けられた基準に合うものはこれは皆もう上げていただく、こういう方針でいっていいと思います。ただ、中央建築士審議会で作った基準というものは、あらゆる森羅万象を書いてないわけです。そういうところの差はどこでやるかといいますと、これはあげて各都道府県にある二級建築士選考委員にまかせられた権限内にあると思います。そこで、その二級建築士の選考委員に行き過ぎがあったり、あるいはちょっと普通考えられないようなことがあれば、これはやはり担当の監督官庁としてはやはり注意して、そういうことのないようにしていただかなければならないと思うのです。ただ考え方としては、つまり二級建築士という制度は都道府県が主となってせられる試験制度ですから、選考も多少府県によって差があるかもしれない。これを画一的に建設省主管のようなふうに一本にしようといってもこれは無理じゃないかと思う。だから、その辺は法律の精神に著しく違わない点は各都道府県の二級建築士選考委員ですか、それにまかされたものとしてその業績をよく見守っていただきたいと思う。先ほどの島根の七人しかできなかった、こういう質問に対しての答弁は、係長が少くて間に合わなかったが、次には発表があるだろうというのでこれも仕方がないと思うが、ただ一律にパーセンテージを申請者の一〇%とか、二〇%とか抑えるのが趣旨でございませんから、その点はまだ時間があるでしょうから遺憾のないように御注意願いたいと思う。それだけ申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/87
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088・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) ただいまの御質問に対しては、先ほど田中先生にお答えしたと同様でいいかと思いますが、試験選考、また従来とも二級建築士の試験は都道府県でやっておりますが、係官が違いますと、若干の違いがございまして、ニュアンスの程度の差がある場合においては幾ら統一しようと思っても、これを国の力だけでできるものではありませんのでできないと思いますが、趣旨に反するようなことがあれば私ども法律を扱う者として当然修正させるべきものであります。そういうものは修正、また注意を与えるということは決して労を惜しまないつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/88
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089・内村清次
○内村清次君 河川局長に治山治水の予算関係についてちょっとお尋ねしますが、これは前委員会で私も建設省の重点政策で大臣に質問した際に、治山治水の予算というものは本委員会も相当後援したが、十分取られておらないような形が出てきているが、これは私たちとしても決して満足すべき問題ではない。そこで、日本の地形からして河川が相当多い、その河川に対して今河川局の方の計画としてもちろん直轄河川、あるいは中小河川を通じて災害関係に対するところの予算の計画——復旧の予算の計画、これもまた全体的に計画の何%というような計画もあると思いますが、直接総体的に河川に対する治山治水上のいわゆる何というか、平素におけるところの経済計画ですね、それと密接に関係しておるので、それよりも天災に対するところの防衛計画と申しますか、それが私たちの方に、そういう計画がなされておるかどうかということがはっきりわからない。というのは、具体的に申しますると、本年度は説明によると、直轄河川は四河川しか採用されておらない、新規に入ったのを——これは見方によると少いじゃないかという見方もあります。しかし、その直轄河川を採用するところの河川基準というものは、どういう考え方であるかということ、これは一つの質問事項です。あなたに質問しておるのです。どういう規模、計画において河川の直轄を認めていかれるかという基準の問題も一つの問題ですが、しかし、これは多いという認定、少いという認定よりも、むしろ直轄河川に対してどういう計画を立てておられるかということが、これが質問の重点です。こういう基本的な計画を立てて、そうして予算分布というものを、配分というものを計画的にやっておられるかどうかということですが、この点がまあ質問の重点ですが、これをまずお尋ねいたしまして、果して災害及びまた水防に対する完全な予算分布というものができておるかどうかということをお尋ねしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/89
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090・山本三郎
○政府委員(山本三郎君) お話の点よくわかるわけでございまして、その点につきましては、計画性がないのじゃないか、あるいは予算が少しぐらいふえてそれで目的が達せられるかという御趣旨だと思います。この点につきましては、道路とか住宅とかというものは五カ年計画が正式にきまりまして、それによってやっておるわけでございますが、残念ながら治山治水関係につきましては、五カ年計画なり十カ年計画というものが閣議決定までいっていないのでございます。そのためにそういうことを正式にお話し申し上げることができないわけでございますが、それに準ずべきものはもちろんあるわけでございます。実は、昭和二十八年の四九州及び近畿地方の大災害の面後、全国の河川をつぶさに計画をいたしまして、全国の河川につきまして重要なものを一つ取り上げて、全体の計画を立てようじゃないかということで作りましたのが、二十八年のおそらく十月だと思いましたが、そのときにきめたのが例の治山治水基本対策でございます。それは実は緒方当時の副総理が会長になられまして、関係各省の大臣、それから学識経験者が入りまして、各農林省、建設費の方から資料を出しまして御審議をいただいたわけでございますが、その内容が農林、建設両省の所管分を合せまして、事業費にいたしまして一兆八千億という内容になっておったわけでございます。これを当時の考えといたしましては、重要なる河川につきましては十カ年、その他のものにつきましても十カ年余り、十五年ぐらいでやってしまいたいという希望が非常に強くて、私どもといたしましては閣議決定まで持っていきたいということで努力したのでございますけれども、残念ながら閣議決定までにはなっておらないのでございます。それでその内容といたしましては、具体的の資料を今持ち合せておりませんけれども、直轄でやる河川がおよそ百本近くだと思いました。それから中小河川でやるものが千本余り、その他局部改良等では何カ所ぐらいということで決定いたしておったわけでございます。その後それが二十九年の予算のときにも重点施策といたしまして、治山治水は考えられたわけでございまして、ほかの事業に比べましては二十九年の治山治水は一番伸びたわけでございますけれども、当時は一兆円予算ということで、それがちょうど軌道に乗らなかった、一番伸びたけれども、まだ軌道に乗らないという状況で参ったわけでございまして、三十一年に至りまして、少し一兆八千億という計画では大き過ぎてどうもその当時の財政状況には合わないということで緊急五カ年計画というのを作りまして、当時経済五カ年計画も政府で立案中でございましたので、その線に乗ってやろうというので作りましたのが、例の基本対策の中から建設省関係といたしましては約三千億余りだと思いましたが、事業量は……。これは一つ五カ年でやろうということで努力いたしたわけでありますが、それが三十一年、三十二年の二カ年やりまして約二二、三%の進行だということでございまして、その五カ年計画が去年、今年くらいの予算だとやはり九年くらいになるというような状況でございます。それで、今年は若干増額いたしたのでございますけれども、やはり九年が八年九分とか、八年八分というようなことでございまして、私どもとしては非常に残念に思っておりますけれども、各河川につきまして、重要な河川につきましては、たとえば全国の災害が終戦後の統計を見ますと、二千五百億くらい毎年平均あるわけでございますけれども、今の治山治水対策の事業を全部やりますると、そのうち二千億くらいは除去できる、こういうことを目標としておったわけでございます。緊急五カ年計画をやりますると、四分の一の事業量をやりまして四〇%くらいの効果は上げられるという目標で現在もやっておるわけでございます。ただ、先ほども申し上げましたように、五カ年でやろうという目標が、まあ八年以上もかかるような状況でございまして、まことに私どもとしては残念に思っておるわけでございますが、計画は作っておりまして、そのうちから重要な部分から実施しているというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/90
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091・内村清次
○内村清次君 で、計画の問題ですが、毎年々々出てきますこの予算を見てみますと、どうもその計画の線から第一年度はこうやる、第二年度はこれくらい増していく、また第三年度はこれくらいで、いくというようなことがどうも数字が計画的に出てこないのですな。これは内閣も随時かわったせいもあろうとは思いますけれども、いやしくも河川局としては計画の線に沿うていかないと、私たちが地方行政関係から見まして、公共団体あたりの陳情政治というものがかなり生まれておる。地方公共団体の予算計画というものが一つも——場当り主義で、いわゆる本省計画に裁っておらないというような線が相当生まれてくるのではないかと私たちは思っているのです。そこで、たとえば私の第二の質問にあった直轄河川になります基準ですね、今回四河川を新規に加えられたと言っておりますが、どういうような基準でいかれたかということもまだ説明を伺っておりませんけれども、一つの河川を見てみましても、今の予算の状態では五十年かかるでしょう、五十年。そうすれば五十年かかりますると、大災害で相当な死傷者が出たといっている河川の付近の住民というものは、毎年々々戦々きょうきょうとしているのですな。それが五十年も続いてはやり切れないですね。そうしていく先きは一体どれくらいになるかというようなところで心配して陳情政治になってくる、こうやったことでは私たちは住民に対しまして申しわけないことではないか。特にこれは生命財産にも関係するし、平素においては経済効果にも重要な関係がありますから、もう少し本年はこれくらいやるというようなはっきりした一つの明示ができて、そうして地方公共団体の財政規模と合せていくというようなことを考えていただきたい、この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/91
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092・山本三郎
○政府委員(山本三郎君) その点まことにごもっともな御意見でございまして、地方の方々が治水事業を要望いたしまして、何年にできるという目安がつくことが必要でございます。それからまた、事業を担当する者におきましても、来年はどれくらい金がくるかわからないということで今年の仕事をやっていることは不経済にもなりますし、見当もつかないということでございまして、実は継続費を設定いたしまして、来年は幾らくるということを今年の国会からはもうきめていただくという方法をとるのが一番いいわけでございまして、戦争前におきましては、すべての直轄河川が継続費制度をとっておったわけでございます。この点につきましても、河川につきましてもぜひ一つこの制度を作ってもらいたいということを要望しているわけでございまして、御承知のように、ダムにつきましては、継続費が設定されている分が直轄にしてあるわけでありますが、この治水につきましては、強力に本年度の予算におきましても、継続費設定を私どもとしましては強く要望いたしたわけであります。ただ予算の規模がちっちゃくて継続費になったのでは、先生のおっしゃるように要望されても、来年度財政がよくなっても、また今年の規模にちょっと色がついたというようなことでは困るというふうな点が私どもは心配なんです。
それから大蔵省の答弁——財政当局といたしましては、やはり財政規模に一番影響する公共事業について、すべてを継続費にしてしまうというようなことについては、財政当局は財政当局なり縛られることが一番困ると言っているような状況でございまして、私どもが一番困りますのは、来年度以降におきましてちっちゃい継続費を設定されたのでは、何のことかわからぬというような点が非常に心配なんでございます。その点もありますが、何といたしましても先ほどお話がございましたように、来年度幾らあるかわからぬ、あるいはよく話さないと金をくれないというような点にも心配があるわけでございます。ただ私どもといたしましては、今年やっている事業を、来年度中止するとかいうようなことは全然考えてはいないわけでございまして、その点につきましては、地元の方にも継続中のものを中止するとか、来年やらなければならぬものをやめるとかいうようなことは全然いたさないつもりでおりますので、その点につきましては、地元の方が見えた際におきましても、御納得いくような御説明は申し上げているわけでございます。ただ、根本的な解決ではございませんので、今後におきましてもぜひ継続費制度を作ってもらいたいということにつきましては、極力やりたいというふうに考えております。また来年度は、例の国庫債務負担行為というのを新しく河川事業に設定して参りました。たとえば大きな買収を数年にわたってやらなければならないというようなところにつきましては、今年のうちから来年払う分まで契約できるという制度は作っていただきましたので、この制度を活用いたしまして、若干はこの問題につきましては処理できるだろうというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/92
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093・内村清次
○内村清次君 そこで、先ほどの四河川の問題が残ったのでありますが、たとえば直轄河川が一応済んだ河川がある。それに対して、埋め合せにまたさらに新規の河川を加入していく、こういった方法もとっておられるだろうと思いますけれども、私は総体的に、先ほど言われたように、五ヵ年計画で百の河川を直轄に、そうして五ヶ年計画、十カ年計画というような計画で、一応危険度を少くしていくというようなことが短期間に、せめて十カ年というような短期間にでき得ればけっこうですけれども、どうも今の政府の重点政策の上から、これは事務当局としては、あなた方も不満であろうとは思うのですが、私たち自体としては見ておって非常に不満であると同時に、不満であるばかりでなく、どうも政党色、あるいは陳情政党色というようなところで、せっかくの国土の開発というものが濁ってきておらないかということを常に私たちは不愉快に感じているわけです。だからこれを、やはり国民全体の観点に立って、日本の地形というようなことと天候、こういう条件の悪い観点から、何とかして天災をお互いに人為で直していこうじゃないか、天災を克服していこうじやないかという計画に乗って、重点政策をとっていけば、ある程度は、私たちはそれがもうできてくる予算計画にはなりやしないかと思っているのです。そしてこれは天災でございました、雨が多かったから、天候が悪かったから、こういうようなことでなくて、たとえ天候が悪くても河川の改修は完全であるという場合においては、これを逃れることはできるのですから、そこで百河川の中からでも、それは普通最悪の天候があったとしましても、最悪といえば非常の最悪でなくて、まあ平年度からずっと見ました、平均から見てどれくらいの降雨の場合には耐え得るというような過去の経験から割り出して、この点は、この川は本年度はあまり重点を入れないでもいい、しかしここは危険度が多いからこれから一つやっていこうじゃないかというような河川を選別して、ここに予算を重点的に入れていくというような方法はできないものか。やっぱりまんべんにやっておらないと、そこの地方公共団体及びまた民生が不安だというような観点で、何かおしるしにやっているというような姿ではなかろうかと思っているのですが、そういった選別計画というのは河川局の方ではできていますか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/93
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094・山本三郎
○政府委員(山本三郎君) お話ごもっともでございますが、たとえば利根川に例をとりますと、これは明治の二十一年から改修しておるわけでございます。そこで、第一期改修計画が昭和五年に終ったわけでございますが、その後また大きな出水が参りまして、どうしてもこれでは足りないということで再改修をしているわけでございます。それじゃ現在までの金は、当時の第一期改修の金にいたしまして利根川に注ぎ込んだ金は一億円以上、その金はむだではないかというようなお話だと思います。まあ、そういうことじゃないかと思いますが、でき上らぬと効果がないということに対する御説明でございますが、その工事ができ上ったあとにおきまして、大きな洪水が数回出ております。この中には、利根川の堤防が急所でやられたような洪水もございますけれども、そのほかの中小洪水におきましては、もし改修工事をやってなかったとするならば、関東平野が相当程度やられたというような数の洪水もだいぶあるのであります。それらのものについては、完全に改修の、今までやった金が生きているわけでございます。そういう観点におきまして、経済効果が多いところから、同じ河川にいたしましても全部しなかったならば改修効果がないという川も中にはございますけれども、重要な町の部分を、河口なり、それから下流の非常に水通しの悪い所を広げるなりしてやりますと、やはり上流までずっとよくなるわけでございまして、そういうふうな仕事を私どもは選びましてやっているわけでございます。ですから、川に今まで投じた金は、できるだけ有効にできるような、同じ連続の堤防だと、どこが切れてもだめでございますから、そういう堤防なら一つ平均して強くしょうというふうな考えでやっておりますし、また一つの川で重要な町があれば、できるだけそこを、経済効果の高いところから防げるような工事の方法というようなことをやりまして、川の数は相当やっておりますけれども、その中においては効果の上るような仕事をやっているということございます。
それから、川をしぼってやれというようなお話でございますが、これは、なるほど川の数をうんと少くいたしましてやるならば、金が集中いたしまして効果も上るわけでございますけれども、先ほど中小河川で、あるいは千本くらいの計画を立てたといっておりますが、準用河川だけ拾ってみましても三千本以上の改修を必要とする河川があるわけでございます。これを地元からいたしますると、毎年々々所をかえて災害がくるわけでございまして、最近の災害は中小河川の部分に非常に多いわけであります。そうすると、そのところは非常に要望が強くなる。ことし受けると、非常に要望が強くなる。三千本のうちで二百数十本やっているわけでありますから、やはり要望の点から比べますと、決して今やっている河川の数が多いわけでもございませんのでございます。ただ、まあ金が少いので目立たないということでございますが、先ほども申し上げましたように、川のうちでは一つ効果の上るような仕事、あるいは効果の上るような個所を選びましてやっているわけでございまして、まあ数をもっと少くしろというようなことでございまして、私どもはよくその気持はわかるわけでございますけれども、今急に今までやった川を廃止するとかというようなことに相なりますと、先ほどのお詰みたように、継続している川をやめるというようなことはやはり地元の人たちの期待を大いに裏切ってしまうというようなことで、なかなかできない。その辺の調和を見つつ、効果のあるように使おうというのが私どもが努力している点でごごいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/94
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095・内村清次
○内村清次君 河川局長が言われました利根川問題ですね、そうやった事例は私はけっこうだと思うのです。まあやはり徹底的に、経済効果の非常に多いところで、しかもそのやらないために、何というか、災害が非常にひどいというようなところは、やはり先の見通しを見て徹底的に改修してもらう、こうやったやり方は私たちは非常に賛成するところです。まあそれが、先ほど私は河川を、数を縮めてやったならどうかということを申しましたけれども、何と言いましてもあなたのおっしゃた通りに河川が多いのだから、災害をこうむるところの河川というものは、非常に多いのだから、結論は予算が少いということに帰着するのですけれども、そのうちでもやはり調査をして、そうしてまあ大丈夫だというような見通しがあるところは、予算の分布等を少くして、そして今言った利根川のような徹底した改修をやって、そしてもう何年、何百年といえども、決して民生に不安をかけないようなものを作り上げていただきたいと、こう思うわけですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/95
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096・山本三郎
○政府委員(山本三郎君) ただいま河川の計画の問題に触れられたと思いますが、私どもが先ほど申し上げました治山治水基本対策におきましても、あるいは緊急五カ年計画におきましても、その対象とするところは、重要なる河川につきましては、やはり今までの統計をよく調べまして、できるだけの資料を整えた上、大きな重要河川につきましては、やはり八十年とか、七十年くらいに一ぺんくるくらいの程度の洪水には安全だというふうにしたい、一生に一ぺん受けるか受けないかくらいの洪水には安全であるような計画を立てておるわけでございまして、その線によって仕事をしておるというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/96
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097・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) 本日は、水防法の一部改正法律案の審議もお願いしたい予定にしておったのでありますが、時刻もだいぶ過ぎましたし、本日の委員会はこの程度にいたしまして散会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X00719580227/97
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098・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) 御異議ないと認めます。
それじゃ本日は、これで散会いたします。
午後四時十四分散会
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