1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年四月八日(火曜日)
午後二時十四分開会
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委員の異動
四月一日委員前田佳都男君及び斎藤昇
君辞任につき、その補欠として川口爲
之助君及び紅露みつ君を議長において
指名した。
四月二日委員中野文門君辞任につき、
その補欠として後藤義隆君を議長にお
いて指名した。
本日委員後藤義隆君辞任につき、その
補欠として井上清一君を議長において
指名した。
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出席者は左の通り。
理事
石井 桂君
稲浦 鹿藏君
西田 信一君
田中 一君
委員
岩沢 忠恭君
井上 清一君
内村 清次君
小酒井義男君
戸叶 武君
村上 義一君
森田 義衞君
政府委員
厚生省公衆衛生
局環境衛生部長 尾村 偉久君
建設省計画局長 町田 稔君
事務局側
常任委員会専門
員 武井 篤君
説明員
建設省計画局総
務課長 志村 清一君
建設省計画局下
水道課長 岩井 四郎君
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本日の会議に付した案件
○下水道法案(内閣送付、予備審査)
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001・石井桂
○理事(石井桂君) ただいまより建設委員会を開会いたします。
まず、委員の変更について御報告いたします。
四月一日に前田佳都男君、斎藤昇君が委員を辞任され、その補欠として川口爲之助君、紅露みつ君が、四月二日に中野文門君が委員を辞任され、その補欠として後藤義隆君が、また本日後藤義隆君が委員を辞任され、その補々として井上清一君が、それぞれ委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/1
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002・石井桂
○理事(石井桂君) それではこれより下水道法案を議題といたします。
御質疑のおありの方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/2
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003・田中一
○田中一君 われわれは、この法律で一応定義づけているところの下水というもの、これはほんとうを言えば、ぴんときていないのですが、一つ、東京都なら東京都の実情から見て、この法律の範疇に入るものはどこからどこだ、というような説明をほしいと思うのです。というのは、第二条の下水というのは「生活若しくは事業に起因し、若しくは附随する廃水又は雨水をいう。」、そうすると、下水を排除するために設けたのが下水道であるはずなんですから、家庭から流れる廃水というものがどういう経路をたどって、現在東京の廃水が処理されているのか。ことにこれはむろん、都市下水路、公共下水道と二つに分けておりますから、この二つを具体的に説明してほしいと思うのです。
ほかの同僚委員の方々は、よく詳しく知っておられるものと思いますけれども、私はよくわからぬから詳しく説明して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/3
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004・町田稔
○政府委員(町田稔君) ただいまのお話のございましたように、下水道のうち、この法律では、おもなものを公共下水道と都市下水路に分けております。それで、東京都につきまして、たとえば公共下水道はどこからどこの範囲に布設されておるか、それから都市下水路はどういうものがあるかということにつきまして、下水道課長から具体的に御説明申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/4
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005・岩井四郎
○説明員(岩井四郎君) 東京都につきまして説明申し上げますと、こういうふうに紫に着色してある部分があります。これが今、下水道計画に乗っておる区域であります。これは、いわゆるわれわれが称します公共下水道、つまり暗渠の下水道をこの区域内に入れようとしておるわけであります。その中に朱で塗ってある部分があります。これは今屎尿対策としまして、いわゆる東京湾、大阪湾の屎尿対策事業としまして、特に急速に整備しよう、そういう区域内であります。しかしこれは、さっき申し上げました公共下水道区域内の一部であります。この外側がまだ未着手になっております。これにはたくさんの水路があるわけであります。この水路のうち特に重要部分を指定しまして、この水道のこわれた部分を改修するとか、あるいはまたこれの維持管理についての規定を設けまして、都市下水道として管理しよう、こういうふうに予定してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/5
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006・田中一
○田中一君 東京都の都市下水道と公共下水道との状態はわかりますけれども、もっとこまかく家庭から出る廃水というものが、どういう経路をたどって最後の処理場にいくか、ということを図解で御説明願いたいと思うのです。というのは、私どもこの法律を読んでも、この法律の該当する部分がどこだかはっきりしないわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/6
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007・町田稔
○政府委員(町田稔君) お手元に下水道法案関係参考資料というのを差し上げてございますが、この資料の三十九ページに、一応各家庭から終末までどういう経路で下水が流れていくか、また処理されていくかということが図解されてございますので、これによりまして下水道課長から御説明を申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/7
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008・岩井四郎
○説明員(岩井四郎君) この三十九ページに図解してありますのは、これは公共下水道の例であります、ここで黒いポツが出してあります、この黒いポツは家庭から出る汚水を集めるますでありまして、これをわれわれは汚水ますと称しております。これは家庭から家の外に出てくる汚水を集める箇所であります。それから白いまるがありますが、これは雨水あるいは街路から流れた汚水を集める所でこれを雨水ますと称しておりますが、これらがちょうど図面のまん中にあります黒い線が太く入っておりますが、これを合流管と申しまして、汚水も雨水も一緒に流れる管でありまして、汚水も雨水もこれに全部一緒に入ってくるわけであります。これが外に出まして四角な個所がありまして、これは分流人孔と書いてあります。平素晴天の日は汚水だけ流れるわけでありまして、その汚水はこの管で、この汚水ますから流れまして、ずっと下流の処理場にいくわけであります。ところが雨天になりますと雨が入って参りますので、非常にたくさんな下水量になるわけであります。その雨の分だけ取り出すわけにはいきませんが、一応量的には雨で増した分だけが、分流人孔より近くの川に放流して流れます、そうして晴天時の汚水量にひとしい量だけが、晴天時と同じように汚水処理場に入っていくと、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/8
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009・田中一
○田中一君 図面で見ますと、この分流人孔から処理場にいくための汚水管ですか、というものを通るわけですね、通って処理場にいくわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/9
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010・岩井四郎
○説明員(岩井四郎君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/10
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011・田中一
○田中一君 そうすると、雨は分流人孔から川に流すと、そうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/11
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012・岩井四郎
○説明員(岩井四郎君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/12
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013・田中一
○田中一君 そうしますと、この法律はこの黒ポツの汚水ます、取りつけ管から出発するのか、あるいは家庭から廃水が流れるときから出発するのか、流れるものの処理はどうするのかという点、この法律の及ぼす範疇はどこからどこになっているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/13
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014・岩井四郎
○説明員(岩井四郎君) 一応公共下水道としましてはこの黒ポツからでありますが、一応宅地からこの黒ポツのますに来るまで、これは排水設備として下水道ではありますけれども、これはいわゆる個人の施設になるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/14
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015・田中一
○田中一君 この黒ポツというのは現在旧法の、公共下水道法ですか、下水道法ではどういうように規定しておるんですか。現行法の下水道法ですね、これにはむろん黒ポツの汚水ますから規定してあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/15
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016・岩井四郎
○説明員(岩井四郎君) さようでございます。ただし汚水ますは個人でつける場合と、また公共事業体でつける場合とあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/16
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017・田中一
○田中一君 そうすると汚水ますの設置の区間と申しますか、そういう区間とか、それから汚水ますの築造基準とかいうものは政令で示しておるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/17
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018・岩井四郎
○説明員(岩井四郎君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/18
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019・田中一
○田中一君 政令、参考書類のどこにあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/19
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020・岩井四郎
○説明員(岩井四郎君) 現行法では汚水ますについては何もないんであります。新法においてはそういように政令できめます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/20
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021・田中一
○田中一君 この法律はまだできておりませんから、旧法で私は説明を聞きたいんですが、では旧法ではこの汚水ますとか、分流人孔とかいうものは規定がないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/21
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022・町田稔
○政府委員(町田稔君) 下水道法は、現在の法律では十四条の非常に簡単なものでございまして、今先生のおっしゃったような細部についての規定は法律自体にはございません。ただ現在もこういうような施設をいたしておりますが、これは設計の際等におきまして、こちらで認可をする際等に検討いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/22
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023・田中一
○田中一君 どういう基準でどういう所に設置するかということは、すると行政官庁の一方的な意思できまるんですか、それとも自分の地区の同じ町内なら町内のここに作ってくれということが、町内から出てきてきまるのか、その点は現行法でどうなっておるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/23
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024・岩井四郎
○説明員(岩井四郎君) これは家庭から出る汚水ますは、大体各個々の家庭の御希望によってきまってきます。ただ計画的にこれから家が建つ場合には、あらかじめ公共事業体の方におきまして汚水ますの位置を定めます、それは施行上もう一度管を掘り返す必要がありますので、大体予定位置をきめまして、そこにつないでいただくように計画をするわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/24
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025・田中一
○田中一君 資料として現存やっておるどっかの計画局が指導した計画、図面をお出し願いたいと思うんです。そういうものがないと私どもにはのみ込めないんです、どういうものか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/25
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026・町田稔
○政府委員(町田稔君) ただいま御要求がございましたので、具体的に設計を認可する際に出してきました書類を作りましてお目にかけます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/26
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027・田中一
○田中一君 道路法との関係をちょっと伺いたいんですが、それは道路にはおおむね側溝かあるいは暗渠が並行して、ついて築造されておるのが普通だと思うのです。そこでこれは私調べるのがめんどうだから伺うんですが、雨水を流す、あるいは汚水を流す道路の側溝というものが、これは道路法できめておりましたかしら、それともこの下水道法できめておりますか、現行法は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/27
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028・志村清一
○説明員(志村清一君) 道路の側溝は、道路の一部といたしまして道路そのものになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/28
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029・田中一
○田中一君 道路法のどこにございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/29
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030・志村清一
○説明員(志村清一君) 道路法におきましては、道路の付属物というふうな考え方でおりまして、具体的な側溝の問題につきましては、道路構造令の中で規定いたしますし、第三十条に道路の構造の基準の中に、排水施設という項がございまして、さらに具体的な問題については道路構造令ということで規定されておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/30
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031・田中一
○田中一君 そうしますと道路法の第三十条の第七号の排水施設というものと、今度の新法の下水道法との関連はどういうふうに結んでおるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/31
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032・志村清一
○説明員(志村清一君) 改良下水道と従来言っておりました公共下水道の、整備しております地区におきましては、道路につきましても道路に降りました雨とか汚水といったものは、当然公共下水道に流入させることになっております。道路の管理者は、さような意味におきまする排水設備として側溝を設ける、そうして公共下水道に流し込むというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/32
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033・田中一
○田中一君 道路に並行しておりますところの側溝は、法律的にどこに支配されるんですか。道路法で支配されるのか、下水道法で支配されるのか、維持管理の点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/33
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034・志村清一
○説明員(志村清一君) 道路法によりまして、構造その他維持管理につきましても規定がございますが、同時に、公共下水道等の整備された地区におきましては、排水設備としての下水道法の規制も受けるということに相なると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/34
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035・田中一
○田中一君 それはこの本法のどこにございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/35
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036・町田稔
○政府委員(町田稔君) 下水道法案の第十条に排水設備の設置というのがございますが、この十条の排水設備の中に側溝も入るわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/36
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037・田中一
○田中一君 そうすると道路の側溝であるところの排水設備は、行政部門としては下水課なら下水課がそれを受け持っておるんですか、道路課が持つべきものなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/37
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038・町田稔
○政府委員(町田稔君) 道路課で管理をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/38
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039・田中一
○田中一君 そうして、汚水ますから初めて下水道法によるところの下水課が管理をすると、こうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/39
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040・町田稔
○政府委員(町田稔君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/40
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041・田中一
○田中一君 道路法によらない通路その他はどういうことになりますか。たとえば、公共道路でなくとも、道路交通取締法という法律があって、私道であろうと何であろうとそれの制約を受ける。たとえば接続する土地があっても、建築基準法によって、両家の境には一定の通路を設けねばならぬということになっている。そういう制約があるのですが、排水の場合、道路の場合は今わかりました、しかし、今度は道路法の道路でなくても、汚水ますまでくるのに、私有地といいますか、民有地そういう所を通る場合は、どこでそれを管理する権限を持っておるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/41
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042・志村清一
○説明員(志村清一君) 第十条第一項に一号二号三号とございまして、公共下水道の整備された地区につきましては、公共下水道として雨水ます、あるいは汚水ますというのを作りまして、そこまで公共下水道が担当する、あとは各個人自身の敷地でございますから、その敷地の中の下水というものは、その雨水ますなり汚水ますまで持ってくるということを義務づけております。さような意味におきまして一応全部網羅される。ただ問題といたしましては、公共下水道の構造基準に詳しく書くのでございますが、一応各敷地には全部道路に面しまして、公共下水道の毛細管と申しますか、そんなようなものを一応入れるという建前をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/42
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043・田中一
○田中一君 公共道路でない私有の通路ですね、道路法の道路でないものの場合ですよ。共同でやる場合は何か補助金でも出るようになっておりますか。それともお互いに話し合ってやれということになっておるのですか。それはまたどこにございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/43
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044・志村清一
○説明員(志村清一君) その場合には第十条の一項の二号で「建築物の敷地でない土地にあっては、当該土地の所有者」が排水設備の設置を行うことになっておりまして、これはだれが当面設置する義務があるかということを書いたのでございまして、そのあとの費用の負担等につきましては、共同で使わしてもらっておるという場合には、お互いの話し合いで解決をする、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/44
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045・田中一
○田中一君 土地の占有者が、当然自分のものですから自分がするのはわかりますけれども、たとえば盛んに今住宅公団、住宅公団ばかりじゃないが土地の造成をやっておりますし、敷地が相当造成されてきておりますが、その場合に、自分の家庭の排水をするために下水を作って汚水ますまで導入した。ところがこれには何本作っても一向差しつかえないわけですから、まあ自分の所から自分専用の下水を汚水ますまで持っていくということになると、これはもう大へんなことになってしまうわけですし、むだなことになりますから、そこでそういう場合には共同でやらなければならないという規制があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/45
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046・志村清一
○説明員(志村清一君) ただいまの問題に関しましては、第十一条で、「他人の土地又は排水設備を使用しなければ下水を公共下水道に流入させることが困難である」場合には、他人の土地に排水設備を設置したり、あるいは他人の設置しております排水設備を使用することのできる規定がございます。それによって一応むだは省けるかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/46
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047・田中一
○田中一君 その場合の費用の負担は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/47
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048・志村清一
○説明員(志村清一君) 費用の負担に関しましては、第三項に、他人の排水設備を使用する者は、その受ける利益の割合に応じまして、設置等、管理に要する費用を負担しなければならないものとされております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/48
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049・田中一
○田中一君 その場合の割合という基準を誰が作るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/49
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050・志村清一
○説明員(志村清一君) この第十一条の規定は、民法におきまする相隣関係のいわば特例でございまして、民法の原則におきましても、相隣関係でございますから、お互いの話し合いによって進むということを建前にしておりまして、本法におきましてもその思想を受け継いでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/50
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051・田中一
○田中一君 話し合いができない場合にはどうなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/51
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052・志村清一
○説明員(志村清一君) 話し合いが成立いたしません場合には、これは民法の原則と同様のやはり裁判所に訴える、民訴で解決するということになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/52
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053・田中一
○田中一君 おおむね新らしい宅地を造成する場合には、これはむろん大きな土地会社等が、あるいは住宅公団等がやる場合には、そうした側溝排水施設というものは作っておるでしょうけれども、そうでない場合が多いのですね。そうすると、道路に面した排水ますに近い所に住居を持った者が直接そこに出す。またそれから上の方に新しい土地を作った者は、また一本直接的な汚水を流す施設はおおむねしないわけなんですね。それにくっつけて行く。自分の隣家の人のことは話し合いで認めても、今度はそれから先になりますと、自分の隣家の人がそのまた隣家の人と話し合ってきめるということになりますと、これはもう無制限に延びていくわけなんですね。そうであれば、もはやもう話し合いということでなくて、一つの権利が生ずるわけです。そうすると、そうしたものは維持管理どころか清掃までもしないのが通例なんです。ことにどういう汚水を流そうと、そんなことに責任を感じないのが日本の国民性なんですね。だからそういう場合には、まあ誰か行政部門でそれに対してこうせい、ああせいというような勧告ができると、これはまあ非常に楽しい生活ができるわけなんですけれども、そういう点はこの法律じゃ何もきめておらぬわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/53
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054・志村清一
○説明員(志村清一君) 公共下水道の設置されております地区につきましては、一軒の家の方が雨水ますまで、排水設備を作って、それを隣の方が利用し、さらに順々と広がっていくということのないように、雨水ますなり汚水ますの配置を考えてやらせておりますし、今後も政令の基準にさように書いて参るという考え方でございます。公共下水道の設置されない、いわゆる下水道の排水区域外のものは一体どうなるか、という問題でございますが、これはやはり民法の相隣関係の原則に基きまして、処理する、という考え方で参っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/54
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055・田中一
○田中一君 考え方はいいのですがね。実際に行われないと言うのですよ。そういう場合に、それを規制する法はないかと言うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/55
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056・町田稔
○政府委員(町田稔君) ただいま田中先生の御指摘のような場合は、現存、公共下水道が普及いたしておりませんから、諸所にあると思いますが、現在それらの関係を規制いたしておりますのは、民法の相隣関係以外にないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/56
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057・田中一
○田中一君 清掃法では清掃の義務者はどうなっておりますか。たとえば公共道路に並行して作られているところの排水溝ですか、そういうものに対する公共通路の場合と民有の場合ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/57
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058・志村清一
○説明員(志村清一君) 清掃法は厚生省の所管に属しておりますが、私の理解している範囲内では、一応汚物というものの衛生的な処理という問題を取り扱っておりまして、汚水に関しては、清掃法では一応対象外としている、というふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/58
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059・田中一
○田中一君 そうすると一年に何回かどぶ掃除という週間を設けて、日を設けて、お互いに相隣関係で話し合って、どぶ掃除するのが当り前であって、しない場合はどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/59
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060・志村清一
○説明員(志村清一君) 民法の原則によりますと、民法第二百二十条に、余水排泄権というのがございます。高い所の所有者は余水を排泄するためには、低い土地に水を通過させることができる。ただしこの際、低い土地のために損害の最も少い場所とか、方法を選ばなければならないとなっております。また土地の所有者は、その所有地の水を通過させるために、他人の工作物を使用することができることになっておりますが、同時に他人の工作物を使用する者は、その利益を受ける割合に応じまして、工作物の設置及び保存の費用を分担しなければならない、というふうに民法でも規定されております。その原則によりまして処理いたすということになると存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/60
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061・田中一
○田中一君 そうしますと計画としては、下水計画は民有地で側溝を設ける場合も、一つの基準を示しているわけですか、従来ともに。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/61
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062・志村清一
○説明員(志村清一君) 民有地につきまして、公共下水道はおおむね道路の中に布設されまして、道路に汚水ます、雨水ますをつけております。自分の敷地から個人がそこまで汚水を運ぶのを、排水設備といっております。それは設置義務がある、公共下水道の排水区域内においては設置義務があるということを、第十条で規定しようといたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/62
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063・田中一
○田中一君 道路がない場合はどうでしょう。道路がなくて、私が言っているのは、こういう例がたくさんあるのですよ。世田谷方面にはもう御承知のように、汚水ますというものがどこにあるのかわかりませんし、ただもう排水溝ですかがあれば、そこにどんどん汚水を流している、というのが普通の格好なんですね。だからそういう場合に、それを何か規制しなければならぬと思うのですよ。どこかでそれが区役所が持っているものか、都が持っているものか、それすら普通わからぬわけですがね。そういう場合には何か一定の基準を示してやるとか、あるいは広範囲にわたる場合には汚水ますを作ってくれといえば、そこへ作ってくれるのか、従来どうやっているのです、旧法では。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/63
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064・志村清一
○説明員(志村清一君) 公共下水道が整備されております地区につきましては、汚水ます、雨水ますが整備されるわけでございます。公共下水道の整備されていない、要するに公共下水道の排水区域外の域区につきまして、いろいろ問題があるかと存じますが、この問題につきましては、なるべくすみやかに公共下水道を設置していく、という方向で解決するのが一審得策ではないか。しかし排水施設の中で大きな分につきましては、そしてそれが公共団体が管理しておる分については、都市下水道として取り上げまして、その清掃等に関しまして規定をいたし、十分なる維持管理を行なって参ろう、というのが本法の趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/64
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065・内村清次
○内村清次君 今、田中委員から実例をあげられましたが、私も一つ実例をあげますと、一つは道路の問題、一つは下水の問題です。道路の問題で、たとえば地主があって地主がその宅地を生かすために、私有地の道路を提供しておる。しかし、これは二間道、あるいは一間半道というような相当広い道路ですから、永久性のある道路ですね、この道路が雨のときや、あるいはまた雪どけのときにはじゃぶじゃぶする。非常に道路が泥濘になって通行人に非常に迷惑ですけれども、それが砂利を入れない。たまたま区役所の方に申告していけば、これは区役所の道ではありません、ごう言って、年に一回か三年に一回ぐらいは砂利を入れるが、それは地主の半分持ち、あるいはまたそこの住宅者の分掛金でやる。こういうような所、そこで私有地と、一体区道あるいは都道、あるいはまた附近にあるところの二級道、あるいはまた一級道というような点とどこで区別するか。言ってみると、区道以上は下水が道路の両側の方にあるのだ、こういうのですね。そうすると、そういう私道には一間半ばかりあっても下水が伴っておらないのですね。ただ住宅から、先ほど図解にありますように、流れたわずかばかりの小さい下水の溝がありますね。普通そういう所はもちろん水洗便所でもないので、排水はみなたまりを設けて吸い込み式、こういうような設備の所が東京のごく附近に、都市の中にあるわけです。こういう所をやはり何とか規制しなければならぬと思っているのですけれども、旧法においてはそういう規制もないわけですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/65
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066・町田稔
○政府委員(町田稔君) 今お話のような私道等については、下水を排除する施設が整備いたしておりませんので、今御指摘のような実情の所が多いと思うのでございます。大体従来下水道の普及いたしております範囲が非常に狭かった関係で、非常に御指摘のような場所が多いのでございますが、それを解決する方法としましては、これは公共下水道を普及していくという以外に方法がないと思うのです。どうしてもわれわれはこの法律等に根拠を得まして、公共下水通に大いに力を入れて参りたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/66
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067・石井桂
○理事(石井桂君) ただいま厚生省の環境衛生部長尾村偉久君、水道課長田邊弘者が出席されておりますことを御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/67
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068・田中一
○田中一君 そこでこの法律を見ても、放水路というのですか、放水溝かには、そのまま掃除をされないで、共有部分に対する清掃もしないでおくから、ハエや蚊が生れるのであって、この法律の根幹をなしている大下水とか放流、何というか堀割のようなものは、当然直接その行政機関が税金をとってやるのでしょうけれども、一番問題になるのは、家庭に付随する汚水の問題が完全でないから、ハエや蚊の問題が起るので、政府か自民党か知らんが、ハエや蚊をなくそうという法律を作るうというけれども、そんなことは、こういう下水法案をやっておる今日、汚水の処理というものを十分にやれば、それで相当軽減されるわけなんです。この法律案を読んでもどこにもそういうことはない。どこにもないんです。ただもうあるものに流れていくのだということ。ある施設に流すのだということであって、私はせめて新法を持ってくるならば、住みよい家を営むならば、どうしても暗渠にするということ程度の規制が、必要なんじゃないかと思うのです。最近ずいぶんアパートができておりますから、そういう点においては、アパートじゃこういう下水なんという問題は、全然われ関せずえんで、おしっこしてもうんちしても自然にきれいになって、くさい所はなくなっておりますけれども、東京の地図を拝見してもそうだ、あの中で極極小部分なんです、完成された所は。せめて作るならばそこくらいのことを考えるべきだと思うのです。幸い上水、下水というものが、所管大臣も変って、今日ははっきりと責任ある行政大臣ができたわけですから、終末処理は別として。従ってそういう点についての両者の話し合いというものは、持たれてあったかどうか。またこれはまあ厚生省の問題になると思いますが、ハエや蚊をなくそうという運動は、建設省がするのじゃなくて、厚生省がすべきだと思うのですね。その際、厚生省としては当然家庭に密殖する下水道は、やはり暗渠にするということにしなければ、われわれの生活は楽しくならぬわけです。金がないということを言うかもしらぬけれども、金がないのじゃないのだ。金をむだ使いしているからこういう方面に金が回らないのであって、せめて法律でそういうことくらいは規制してほしいと思うのですよ。私どもなんかも例があるのです。しょうがないからコンクリートの板を買ってきて、一枚だいぶ高かったもんです。それを下にずっと並べておると、いつの間にか一枚を取られるとすぐにまたたちまちほかのものを取られてしまう。一枚を盗まれるまでは割合に盗まれないけれども、一枚盗まれたら最後、次から次とだれか持っていってしまう。だからやはり各家庭においても、そうした費用を惜しむということよりも、やはり快い生活をしたいということの方が先なんです。蚊がいなければかやをつらないで済むんでしょう。蚊取り線香の必要もなくなってくる、長い期間から考えてみる場合には。大体借家の場合には家主がそれを築造するわけです。地主がそれを築造するわけですから、これくらいの負担は何でもないわけなんです。せめてそのくらいのことは、都市生活においては規制するような方法をとらなければならないのじやないかと思うのですが、その点は厚生省はどう考えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/68
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069・尾村偉久
○政府委員(尾村偉久君) ただいまの蚊とハエの運動と家庭汚水の疎通の問題でございます。確かにお話の通り、家庭排水の疎通が悪うございますとボウフラがわきまして、非常に蚊の発生の原因になる。現存のところ規制方法といたしましては、清掃法で汚水だけが除かれておりまして、汚水以外は、都市の全部をほとんど含みますが、特別清掃地域という指定になっております。この中へは汚物、ごみ、そういうものを一切捨ててはならない。これは犬ネコの死骸まで明記してあります。ただ汚水は入っておりませんために、それらの疎通を害する原因が、今のごみ等を捨てたことによりますと、そういうものを捨てたことがいかんということで、疎通されるもとがあるわけなんで、水が勾配その他の関係でたまっているというのは、これの方法が現在のところないわけで、それが今各地で衆蚊の発生を見ているわけでございます。そうなりますと、結局法によらないで、どぶの方になりますと、公共のものになりますので、区の掃除すなわち、道路維持あるいはみぞの維持と、これの励行以外にない。それから家庭の中に入りますと、これはもう手がつかぬと、こういうことになっていまして、その点からみますと、もちろん暗渠が非常に望ましいのでございます。これも建設省と厚生省、十分今度の立法に当りましては、相談をいたしたのでございますが、ただ個人の負担に帰する部分なものでございますから、これを両省とも、これは強制の中に入れることができない、というような一般的考えで明記してない、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/69
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070・田中一
○田中一君 せめて十分の一でも、区なら区が補助金を出してやるということになれば、これは強制してもいいんですよ。私は、そういう措置が望ましいと思うのです。そうしなければ、とうてい、伝染病の問題にしても、どの問題についても解決しないと思うのです。ことに今、清掃法では、犬、ネコまで入っておるといいますが、犬、ネコを自分のところに捨てるわけはない、よそへ持っていって皆捨てるのですよ。決して自分がするのじゃない、よその人間が持ってきてぶち込んでいくのです。だから、そういうだれかわからぬものは、区なら区が必ずそれを処理しなければならない、ということにしてほしいと思うし、ことに区道に沿っている側溝といいますかね、そういうものだって区は清掃なんかしやしませんよ。その場合には、区に対して清掃をしてくれという要求が、やはり区民の中に権利として持たれておる、ということにならなければならぬと思うのですよ。その場合もそんなら、悪い区長ならば選挙しなければいいんじゃないか、ということになりますけれども、どっかそういうものの苦情処理をするような窓口が、ことにこういう共通の民法上の相隣関係でみなければならぬという問題に対しては、訴える所ぐらいはほしいと思うのですが、何かこの法律では、今度せっかく作った法律だから、そんなこまかいことは勝手にやれというのじゃなくして、やはり親切な基準を示すことが至当じゃないかと思うのです。この法律にありませんけれども、そういう点はどっかにありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/70
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071・町田稔
○政府委員(町田稔君) ただいま御指摘になりましたようなことに該当する規定は、下水道法にはございません。ただ都市下水路として指定されたものは、市町村が修繕維持等の義務を負うように書いておるのでございまして、実は、ただいまお話にありましたように、小さいみぞについても、お話のような弊害がございましたが、従来かなり大きい都市下水路等につきましても、修繕維持等が悪いために疎通を欠いておったというような点がございますが、今回はこの法律によりまして、そういう点は少くとも直してゆくというようにいたしたいと思っております。
それからなおこの都市下水路として、かなり小さいものまでもどんどん指定をして参りますならば、今御指摘のような非常に悪いみぞ等が、だんだん管理の適正を得てよくなってゆく、というように考えておりますが、その範囲をあまり公共団体の能力以上に広げますと、これまたかえって都市下水路に指定されたけれども、一向に管理ができないということもございます。実は全部のみぞを都市下水路に法律で一ぺんにしてしまうということは、そういう点を考えて、今回規定しなかったというわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/71
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072・田中一
○田中一君 建築基準法では、接続している隣地に建築する場合には、何メートルか、一メートル半だったか、二メートルだったか、お互いに通路を設けなければならぬということになっているのです。これは所有権に対する一つの侵害ですよ。これはもう確かに基準法はそうなっています。制限しています、同じことなんです。一坪十万円以上もする土地であっても制限されているのです。だから下水が個人の負担だからといって、これはもう一軒がそういう下水を置けば、隣接の各家庭は全部被害を受けるのですから、これこそ制限していいと思うのです。非常にほかの立法例からみても、この法律案はあいまいなところがあるのです。建築基準法を調べてごらんなさい。建築基準法の区域の制限じゃそうなっていながら、下水を暗渠にすることすらいけない、たとえば放水溝ですかですらそのままでいいということじゃ、これは筋が通らぬと思います。建築関係の方じゃたくさんありますよ、制限が。こういう点は片手落ちな立法です。そういう点、また当然この放流溝を作るという人は、地主なんです。主として地主なんです。こういうものは多少の負担をかけたといっても、一向差しつかえないと思うのです、僕は。だからそういう面からみて、しかもこの生活に密着する部分の諸問題というものを等閑に付している形があるのです。これは地方の末端の行政機関にまかせちゃって、法律そのものはおれ知らぬということなんです。われわれは下水というものの通念からいって、大下水その他の問題は、これはわかりますが、直接生活に密着する面が一番関心事なわけです。私はさっきから下水道とは何かという質問をしたのも、何か動脈的なパリの大下水というものは、小税で読んでいますから知っていますけれども、日本の東京のどこに大下水があるか市民は知りゃしません。当然流れてゆくものだという考えでいるのですね。ことにこの家庭に密着する問題をやはり取り上げて、相隣関係というものを民法上きめているならば、一軒の家の清掃の問題は、厚生省が今言ったように義務づけられているかおらぬか知らないけれども、築造基準ぐらい暗渠にするというような規制をしてほしいと思うのです。そういうことのお互いの話し合いをしたことはあるのですか、両省で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/72
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073・町田稔
○政府委員(町田稔君) この法律は、公共下水道が設けられる地区につきまして、各家庭から公共下水道までに流れ込むための排水設備については、第十条で先生のおっしゃいましたように、適当な構造にするための規定が設けられているのでございまして、政令で定める技術上の基準に従った、排水設備を設けなければならないということになっておりますが、この公共下水道の区域以外の所につきましては、確かに仰せの通りに規定を欠いているのでございます。これは下水道法案が実は、公共下水道と都市下水路というような大きな排水施設につきまして、構造基準、管理の基準等を定めることを目的といたしました関係で、それ以外のものについての規定を欠いているわけでございますが、事実上の取締り等につきましては、厚生省等と十分協議をいたしまして、行政運営におきまして適正を期して参りたい、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/73
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074・田中一
○田中一君 だめだよ、そんなでたらめ言ったって。あなた、やれるものじゃないですよ、公共的な区道の側溝ですら清掃なんかしないのですよ。行政機関というものは、やはり法律でぱっと規制すればするようになってくるのですよ。しなければ市民がはっきりと、お前、市はこうじゃないか、区道はこうじゃないか、こう言えるのです。やっぱり基本法にそういうものの義務付けがなければならぬ、行政措置でできるならば、もっとわれわれの生活は楽になっているはずなんで、やはり法律でもとをがっちりときめてくれなければ、行政機関はしゃしないのです、きめてもいないものは。それが今の行政組織なんです。だから今、町田君のそういう答弁は、そんなごまかしないい加減なその場限りの答弁じゃ、僕は満足しない。厚生省どう考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/74
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075・尾村偉久
○政府委員(尾村偉久君) 清掃法では特別清掃地域につきましては、今の土地の占有者もしくは建築物の所有者、これらは、市町村長が収集に便利なように、ごみその他の清掃法で規定しております汚物等を、収集しておかなければならぬということになっております。で、みだりにその地域で捨てちゃいかぬということ、これに対しましてそのきめました収集、いわゆる家庭なら家庭で一定のきめたごみ箱に集めておけば、これは市町村長に収集の義務を課しております。かようなことにおきまして、大体市という範囲は全部これにかかっております。ただ汚水だけが、水だけが残っておる、こういう形でございます。その場合にただいまの建設省から御答弁のありましたように、公共下水道が引かれておりますのは、おそらく百数十都市と思いますが、これにつきましては今度の法案で、それに疎通する排水設備は政令の方で、今の暗渠にするかどうかこれからきまるわけでございますが、これがきめられる。従って残りの三百数十の都市は、汚物の収集とかそういうものは、はっきりいたしておりますが、排水の設備については当然かからない。ということは、公共下水道がないものでございますから、そういうふうに暗渠にしましても、その行き先がまだないわけでございます。普通のみぞに流される。いわゆる公共下水道がまだないという所は、公共下水道が先ほどのお話がありますようにできてから、当然これにひっかかって暗渠化する、かように期待しておるわけでございます。現実には今の蚊がわくのを防ぎようがないわけでございます。これはあえて家庭の排水設備のみならず、その都市のみぞに由来する蚊の発生防止というものは、依然として解決は直ちにはつかぬ、解決つくのはやはりその水たまりを作らせぬような、清掃法に基いて水をためないようにする、こういうのが今の規制になっております、こういう形になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/75
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076・田中一
○田中一君 なるほど、ちりんちりんとかねを鳴らして来るというのが汚物の処理というやつですね、そうすると汚水だけは解決つかぬというのですね。汚水の中にもいろいろな小さなごみが入っているのですよ、一粒々々拾ってためておくわけでもないのだから。そういうものが各家庭から流れてくると末端では汚物になってしまう。そういう汚物は処理せよと言ったって処理できない。お互い処理せよと言ったところがなかなかできない。そうするとやはり行政機関がそういうものの蓄積されないようにしなくちゃならぬと思うのですが、それすらまじめにやっておらぬわけですよ。これは一つの例として町田君に伺いますが、私は世田谷の三軒茶屋に住んでいるのですが、目黒川に全部下水は流れて行っている。目黒川はあれは都市下水道ですか、それとも河川ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/76
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077・町田稔
○政府委員(町田稔君) 目黒川は準用河川でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/77
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078・田中一
○田中一君 そうすると河川法では、そういう所にああいう汚水汚物を流してもいいということになっておるのですか。なっているはずはないでしょう。河川法ではどうなっています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/78
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079・志村清一
○説明員(志村清一君) 河川法の第十九条に清潔の保持に関しての規定がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/79
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080・田中一
○田中一君 だからこの公共下水道ですら雨水は直接流すけれども、汚水は流してはならぬとなっているはずですね。だから河川法では当然汚水を流してはならぬということになっておりますね。だから世田谷区内では何でも皆目黒川に流しております。それは行政機関がそういうことをやっているわけですね。それ以外に流す所がないからですよ。だからそういうことになると、これはこうして財政豊かな大都市は、この法律によってよりよき都市ができるかもしれぬけれども、そうでない所は相変らず野放しだというようなことであってはならぬと思うのですよ。非常にこれは不満なわけです。もっとも明治三十三年の法律が昭和三十三年になって改正されるのですから、まあせめて前進でしょう、ずいぶん長い間うっちゃってあるのだから。けれどもそれに見合うだけのやはり経済的な補助をするような方法とか、あるいは条例で区民税からそれを義務づけるとか何とかいうことで、もう少し前進した形にならないと、現行法と一向変りばえがしない進歩じゃないか、こういう気がするのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/80
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081・志村清一
○説明員(志村清一君) 先ほど計画局長よりいろいろ説明がありましたが、いわゆる改良下水道である公共下水道を、なるべくすみやかに都市に整備いたしたい、そしてその間整備のできない所につきましては、都市下水路につきまして都市下水路を維持管理いたしまして整備していく。この都市下水路につきましては、地方公共団体がみずから指定してやっていくわけでございますから、これは漸次小さい方面にまで及ぼして参りますれば、いよいよその効果が上ってくる。しかし非常に小さなものは一体どうなるかという問題でございますが、これは地方自治法におきまして第二条で、地方公共団体の固有の事務といたしまして、用排水路を設置しもしくは管理するという規定がございます。地方自治法の精神におきましては、さようなものは一応地方自治団体が管理をして参らねばならぬのじゃないかと思います。なお家庭の排水施設の問題でございますが、公共下水道の整備された地区におきましては、先ほども申しましたように排水設備というものが、設置義務として与えられておるわけでございます。排水区域外、公共下水道が整備されてない地区はどうかという問題に関しましては、田中先生から先ほど御指摘になりましたように、建築基準法においても十九条第三項で、建築物の敷地には、雨水とか汚水を排出し、または処理するに適当な構造の下水管、下水溝といったものを設けなければならぬという規定になっております。なおこの基準につきましては施行令におきまして、排水施設は耐水材料または鋳鉄で作ってくれというような規定もございます。そういうようなことで排水区域外の個々の家庭の下水の処理というものは、一応考えられるわけでございますが、さらにそれが隣家の方でその排水施設を利用するという問題になりますと、先ほども申しましたように民法の相隣関係というような規定によって進んでいく、というような考え方でおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/81
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082・森田義衞
○森田義衞君 今の問題に関連いたしまして、この新しく建築される場合におきましては、そういったような基準に従ってやられるのですが、すでに建築されてある家におきまして、今言った何といいますか排水溝が悪い、しかもある私の知っている例によりますと、あるうちから下水を出してきまして、そこに吸水の何ら吸い込み装置をやっていない、それが街路に出て参りまして、そうして隣のうちまで流れてくるのですが、そこに汚水が一ぱい行っても先の方に下水路が全然ないのです。そうするとそこへ行った汚水が街路まで一ぱい溜ってしまう。こういう場合で、その吸い込み口をやらせるとか下水道を完備するまで、そこに対しては何か勧告ができるのですか。建築をする場合にはいろいろそういった御規則があるのですが、すでに作ってある家について、そういった近所に迷惑のあるような家がどんどんと汚水を排出しておる場合に、あるいは私のもう一つ知っておる例は、ちょうど裏庭の所に他のうちの今言った吸込み装置があるのですが、非常に不完全で全く溜りっ放しで、ボウフラもわき放題というような近所迷惑なやつなんですが、そういったものはそのものによってやらすと言われたが、何か今言ったように新しいものには手を入れたのだが、従前からあるものには何にも手がつかないということになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/82
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083・志村清一
○説明員(志村清一君) ただいまの問題、建築基準法の問題でございまして、実は私担当していないのでございますが、建築基準法の第十条に「特定行政庁は、建築物の敷地」が、先ほど申し上げました第二章の規定に適合せず、かつ危険であり、又は著しく衛生上有害であると認める場合においては、相当の猶予期間をつけて一部の修繕、使用禁止、使用制限を命ずることができるという規定がございます。「保安上危険であり、又は衛生上有害である建築物に対する措置」ということで、一応勧告はできるのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/83
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084・森田義衞
○森田義衞君 そうすると、勧告ができれば、法の何と申しますか適用するのは、やはり何ですか、地方庁がその基準法に従って市なりその他村なりがやるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/84
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085・志村清一
○説明員(志村清一君) 当然さようなことになると存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/85
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086・森田義衞
○森田義衞君 現実に蚊やハエの防止運動とかやっておりますが、そういったような非常に因った所があるのですね。その場合でも何といいますか、わずかの薬を方々にくれるという程度で、実際そこのうちで自発的にやる場合が少いのですが、そういったときに基本的なそういったようなまずいもの、特にそういった法律を発動してもらって、そこのうちへ少くとも勧告するといったようなことを、厚生省あたり御指導になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/86
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087・志村清一
○説明員(志村清一君) ただいま私が申し上げましたのは、建築基準法で、施設の中の排水設備が非常に悪かった場合として、他に非常に迷惑をかけ、著しく衛生上不当であるというような場合のことでございまして、それで建築基準法を所管しております建設省、あるいは建築基準法を実際に施行しております地方公共団体において処置をする、ということに相なるかと存じます。なお建築基準法につきまして、私実はそう確かな自信ございませんものですが、さような解釈ができるのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/87
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088・森田義衞
○森田義衞君 しかしそういうときも具体的に例があれば、法の適用に対してそごの当該官庁が、あるいは公共団体がなまけておるということになりますか、法律にいうそういったようなものがはっきりうたってあれば、具体的に他が迷惑するような、また、衛生上非常に害があるというもので、だれ人も認められるといった場合に、そのいわゆる主管する市町村長その他が、そういった行為の勧告をしない場合は……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/88
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089・石井桂
○理事(石井桂君) 今関連して。志村課長の解釈はどうも正当でないように思う、それは基準法の十条をあげられたでしょう。ここに「著しく」という文字があるのですよ、「著しく」と。立法当時「著しく」というのは、雨水だとか、汚水が溜るくらいな程度のものじゃない、という立法当時の説明だったがね。それで今の御説明は私は違っているだろうと思う。だからこの次までによくただしてきてくれませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/89
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090・志村清一
○説明員(志村清一君) お断わりいたしましたように私、建築基準法を所掌いたしておりませんので、さように解することもできるのじゃないかと思ったのでございます。なお担当の課によく聞きまして、次回に報告さしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/90
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091・森田義衞
○森田義衞君 これは公共下水道なりそういった、都市が特に不備な下水の関係を整備されていく法的根拠を与えて、今後進んでいくことはけっこうだと思うのですが、そういったようなちまたに残された不備なものを、都市全体にはまだこういった恩恵を受ける所はまだまだ少いと思う、そういったものをやっぱり何といいますか、合せて整備する、やっぱり下水道にならなくても、それに関連したもの、そういったような準用できるようなそういったものも勧告できるような、やはり法的根拠をもって、そうして何かやれるようなことが今おありになるというのだが、不十分だというなら、お考えおき願わなければならぬと思いますが、その点についての御意見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/91
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092・町田稔
○政府委員(町田稔君) ただいまお話のございましたような点は、十分厚生省とも連絡をいたしまして検討いたして参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/92
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093・尾村偉久
○政府委員(尾村偉久君) たしか今の点が、蚊とハエの運動等をやりましても一番画龍点睛を欠く点なんでございます。現在のところは法的な裏づけがぴたりといくものがありませんので、各都道府県なり町村に蚊とハエの対策本部というのができておりまして、名部局が集まりまして、それぞれの地区の一番蚊とハエの発生する原因を探求して、それらの部局が持っている限りの行政の能力と法があるものは、それで立っているわけでございます。そういう指導方法、今御指摘のような法の問題が、確かに法の裏づけがないので、数年前までは汚物処理法というものが清掃法にありまして、これに汚水が入っておった。最近のようにそれで間に合せますとそれでいけないようになって、極力公共下水道の方を推進していくということで、清掃法の方からはずしてある。たしか今お話のように、当分の間現実にそういう欠陥があるのであります。これは建設省と厚生省とよく連絡をとりまして、蚊とハエの撲滅運動の穴があかぬように、何らかの措置を御相談していきたいと、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/93
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094・岩沢忠恭
○岩沢忠恭君 厚生省からせっかく見えているのですから、この下水道法案に対する根本的な考え方を一つお伺いしたいのですが、この下水道法案で首尾一貫した点がないと思うのですが、たとえば屎尿処理の問題で、なぜ厚生省をこの終末処理場の主務官庁にしたのか、その辺のいきさつを一つこの際御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/94
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095・尾村偉久
○政府委員(尾村偉久君) この下水道法案につきましては、ちょうど大部分の構造いわゆる構築関係を一貫いたしまして、屎尿処理場まで一本でいく一元化と、もう一つは下水道の一番主な任務といいますか、相当部分の任務が、都市の糞尿処理、衛生処理ということの手段としても非常に重要なもの、従って屎尿を適正に処理するという衛生行政の一環説、その二つあるわけでございます。その場合に現在のところ、全国の収集をしなければならないいわゆる清掃法がかかっておりますのは、都市がほとんど全部、それから大きな町村合せまして約九百町村が収集義務を負っております。これによりましてその自治体が出たものを適切に処理しなければいかぬことになっておるわけでございますが、その場合に今のところ下水による一番理想的な処理をやっておりますのは、わずか七都市でございます。ことしからさらにこれを継続事業で始めるというのが二十都市ほど、それにいたしましても、これが終りましても、ここ三年後に約二十七都市というくらい、これは年々改修いたしております。かような場合でありますために、当分の間は屎尿の処理というものは、下水処理以外によらざるを得ない、こういうことでございます。ところが一方におきましては、農村に還元することが全然とまってきた都市が多いのでございます。これは化学肥料が非常に発達したために、それからああいうふうに不潔なものを野菜にかけるのを、ほかの肥料で済めばということで、これは急速にとまってきた、何としてもああいうきたないものを量的にも美しく処理する、それから衛生的にはむろんばい菌をなくさなければならぬ。こういうことに迫られておりますが、われわれの方といたしましては、極力下水にいきたいのでございますが、現実的にはそれができない。一部分しか進んでいかぬということで、現在は運搬方法を、パイプによらざる場合には人の目に見えぬように、いわゆる管自動車、吸い上げ自動車、これによりまして運びまして、最後の終末処理場と同じ方法、いわゆる屎尿の消化槽処理、あるいは化学処理と、こういう消化、化学あるいは熱処理、これによりまして今目的を達しておるわけでございます。これの方が大部分と思っております。当分の間は、地勢の関係で下水パイプができぬ所はそれによらざるを得ない。それから東京のような所でさえ、下水管によるものと、かなりの期間は汲まざるを得ない、ちょうど丘の向う側にあるような区は大部分それをやっております。この両方でいくわけでございます。できるだけこれは切りかえさせるということで進めておりますけれども、さような状況でございますので、当分の間はまだ屎尿処理の大部分が、下水通以外の処理で進んでいかざるを得ないという形でありますので、これの一貫した衛生的な終末処理という衛生行政の立場から、当分これは見ていかなければならない、適時に消化槽を終末処理の汚泥処理槽に転用できるものは、パイプにつながり次第転用する、こういうやり方でやっております。東京都も今、砂町の大きな下水処理場と、それから今の計画でいきますと屎尿処理場、これが今百万人分やっております。一方は三河島と芝浦で東京都の二割分の下水処理をやっております。これは逐次切りかえられるような考案にいたしております。かような意味で両者で十分話し合いまして、現在のところは両方に分かれている認可申請等の不便をなくすように、これは事務的に協調してやっていく、実質的には今の衛生処理を一元化的に見ていきまして、いつでも能率的に切りかえる、あるいは両方をうまく振り分けまして都市の全体の屎尿処理がうまくいく、かような意味で分けたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/95
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096・岩沢忠恭
○岩沢忠恭君 今の御説明で、まあ全国で現在汚水処理場がやっておるのが七カ所、それから漸次下水管によって処理していきたいということになっておるんですから、厚生省もそういう指導なさるというなら、この三十三年から今日まであいまいな下水道法の条例によってきたやつを、この際において下水道法という基本法律を作るなら、首尾一貫したことにおいて終末処理もこの中へ含めて、そうしてこの主務大臣は一本にした方が、関係都市の下水道を作る上において非常にいいと思うんですが、ただ屎尿処理を衛生的の見地から云々というお話ですが、これはまあ結局見方によるだけで、そういう指導とか何とかいうようなことは建設省なり、あるいは厚生省によって連絡すれば、十分にその目的は達せられるとこう思うので、どうもわれわれは終末処理が、ただ単に現在において非常に個所が少いという半面においては、行く行くはこの都市の衛生の見地から、終末処理は非常に歓迎しまた奨励しなければならぬという見地から、矛盾しておるように思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/96
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097・尾村偉久
○政府委員(尾村偉久君) 終末処理もこの法律には入っておりますか、今のは所管省の問題だろうと思います。これはまあ国民の立場からいえば、原則的にいえば一省がいいと思う。それが建設省であるか、厚生省であるか、あるいはその他の省であるかは別といたしまして、一元化が望ましい。ただ今の仕事の現にやっております分割工合から見ますと、今言いましたように、都市の屎尿処理、汚物の処理の計画というものを行政一本でやらざるを得ない状況でございます。海に捨てておるものをある時期に消化槽に切りかえる、あるいは下水処理に切りかえるということを着々とやっておるわけでございますが、今のところは屎尿処理一環の中からはずしまして、いかに連絡協調といいましても、それよりも見方の上から、これはむしろ屎尿処理行政の一環の中でやっていって、下水道のパイプ建設とそごのないように連絡協調する方が、現在のところの行政の実態から見ますと非常に合うと、こういう形で実は両方の行政の内容をお互いに考えながら話し合って、これが一番いいだろうという結論に達したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/97
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098・岩沢忠恭
○岩沢忠恭君 そうすると、現在東京都では、砂町とかあるいは三河島にありますがね、ところがその方でないやつが、現在において下水管を相当埋め込んでおると、しかしそいつは河川に放流して、屎尿の方には全然それにやっておらぬと、しかしまあ都市衛生の上からいけば屎尿だけは全部それにやるのが望ましいことだという場合、その設計が管の大きさなり、あるいはその他の勾配の点を、将来ここに屎尿処理場を作ろうというような、先々のことまで考えておやりになっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/98
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099・尾村偉久
○政府委員(尾村偉久君) その点は両省で話し合っておりまして、しかも覚書もかわしまして、必ず終末処理の計画と、それから下水管の敷設計面とがマッチするようにということで、それぞれ出れば直ちに文書で両省で通知し合って協議する、かようなことをすでに覚書案も作っております。さようなことでございます。これを下げまして、東京都の場合自体に関しましても同様でございまして、下水を扱う部局と、今屎尿処理は清掃でやっておりますが、これの部局の間で、広い意味の汚物処理は両方の協議を常にするような機構になっておりまして、もとは一本であったのでございますが、あまり大きくなりましたために局を分けたというような形になっております。さような工合になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/99
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100・岩沢忠恭
○岩沢忠恭君 それは、建設省と厚生省の今の覚書というお話があったのですが、参考のために一つ覚書を見せてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/100
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101・町田稔
○政府委員(町田稔君) 次の機会までに用意いたしましてお示しいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/101
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102・内村清次
○内村清次君 三十四条ですね、「国は、公共下水道の設置又は改築を行う地方公共団体に対し、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その設置又は改築に要する費用の一部を補助することができる。」と書いてあるのですが、これは災害の場合の補助はどういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/102
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103・町田稔
○政府委員(町田稔君) 従来予算補助をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/103
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104・内村清次
○内村清次君 そこでこの条項にやはり適用するわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/104
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105・町田稔
○政府委員(町田稔君) 第三十四条は、公共下水道の設置または改築に要する費用の一部を補助することができると書いてございますので、この規定からは災害復旧の補助が出て参りません。これは従来通りに予算補助という建前でございまして、三十四条に基く補助は災等復旧にはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/105
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106・内村清次
○内村清次君 そうすると、この予算補助は、まあたとえば公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法ですか、その中にこの下水道というのを一項加えるという気持がありますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/106
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107・町田稔
○政府委員(町田稔君) ただいま御意見のございました、災害復旧事業費国庫負担法の改正によりまして、下水道事業をも負担の対象の事業にするように、関係省、ことに大蔵省と折衝いたして参ったのでございますが、現在までのところまだ両省の話し合いはついておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/107
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108・内村清次
○内村清次君 そうすると、ただいま、まあたとえば災害都市に対しまして、確かにこの下水道に対しましては、予算措置も補助もやっておられると思いますが、これはどういう根拠に従っておるわけすか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/108
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109・町田稔
○政府委員(町田稔君) 法律的な裏づけはございませんので、単に予算上補助しておるということでございます。従来下水道等についても補助をいたしておりましたが、これも古い下水道法には補助規定がございませんので、同様に予算の補助でございました。今回この法律が成立いたしますれば、公共下水道に関する補助は、法律の規定に基く補助ということになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/109
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110・内村清次
○内村清次君 そうすると、設置または改築の補助法には、公共下水道に加えて都市下水路というものも入れますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/110
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111・町田稔
○政府委員(町田稔君) 三十四条では公共下水道と書いてございますので、都市下水路は三十四条の規定に基く補助としてはできません。従来も都市下水路、いわゆる都市水路と申しておりますが、これに対して補助をいたしておりますが、これも災害復旧の分と同様に予算補助でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X02019580408/111
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112・石井桂
○理事(石井桂君) それでは本日はこの程度で建設委員会を終了いたします。
午後三時四十二分散会
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