1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年三月二十日(木曜日)
午後一時四十一分開会
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委員の異動
本日委員片岡文重君辞任につき、その
補欠として荒木正三郎君を議長におい
て指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 河野 謙三君
理事
木内 四郎君
西川甚五郎君
平林 剛君
天坊 裕彦君
委員
青木 一男君
木暮武太夫君
左藤 義詮君
塩見 俊二君
土田國太郎君
廣瀬 久忠君
山本 米治君
大矢 正君
栗山 良夫君
小林 孝平君
野溝 勝君
杉山 昌作君
政府委員
大蔵政務次官 白井 勇君
大蔵省主税局長 原 純夫君
事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
説明員
大蔵省主税局税
関部業務課長 加治木俊道君
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本日の会議に付した案件
○日本国とアメリカ合衆国との間の安
全保障条約第三条に基く行政協定の
実施に伴う関税法等の臨時特例に関
する法律の一部を改正する法律案
(内閣提出)
○関税法の一部を改正する法律案(内
閣提出)
○所得税法等の一部を改正する法律案
(内閣送付、予備審査)
○法人税法の一部を改正する法律案
(内閣送付、予備審査)
○租税特別措置法の一部を改正する法
律案(衆議院送付、予備審査)
○相続税法の一部を改正する法律案
(内閣送付、予備審査)
○酒税法の一部を改正する法律案(内
閣送付、予備審査)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/0
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001・河野謙三
○委員長(河野謙三君) これより委員会を開きます。
政府に一言申し上げますが、御承知のように、大蔵省の法案というものは非常に山積しております。しかるに政府当局の出席が悪いために委員会の審議を障害しておる事実が非常に多いのです。つきましては、よく大臣に委員会の審議にもっと積極的に協力するように厳重にお申し入れいただきたい。
議事に入る前に委員の異動を御報告いたします。
本日付をもって、委員片岡文重君が辞任され、その補欠として荒木正三郎君が委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/1
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002・河野謙三
○委員長(河野謙三君) まず、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の、実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題として質疑を行いまいす。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/2
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003・大矢正
○大矢正君 きのうに引き続いて質問をいたしたいと思いますが、その前に、当局側として次のような内容を当委員会に発表してもらうことができるかどうかということを尋ねてみたいと思いますが、それは昨年度の関税がこの法律によって免税をされる対象となった品目別の内容、数量等をこの際示していただくことができるかどうかということを質問したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/3
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004・原純夫
○政府委員(原純夫君) 別途資料として差し上げるのじゃなくて——それとも今ここで申し上げるのでございますか、どちらでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/4
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005・大矢正
○大矢正君 実はちょっと今相談をしてみたのですが、この場で発表をしてもらうということになりますと、おそらく限度があると思いますし、私が知りたいのはできる限り細目の内容を知りたいと、こう思うわけでございますので、一応概括的なものの説明を願って、あとであらためて細部の資料を提示していただきたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/5
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006・原純夫
○政府委員(原純夫君) それではごく概括的に申し上げまして、詳しくはあと資料で申し上げます。関税の減免税、いろんな項目がございますが、法律的に申しますと、関税定率法第十二条の関係であります。それから十三条の関係、十四条、十五条、いろいろ条文ございますが、それは資料のときに申し上げます。総計を先に申し上げます。三十一年度の実績で申上げますと、減免税額四百五十二億二千六百万一ということに相なっております。そのうち大きいのから申して参りますと、主用食糧の関係で六十九億七千万、それから十四条の無条件免税の分が八十五億四千万、それから付則の十五項の分が百四十七億千二百万、これは小麦、それから油、炭化水素油等も入っております分で、いろいろななにを一括して別表甲号というのでまとめてあります。それら詳細は資料で申し上げますが、別表乙号の八十一億四千六百万、これはいろんなものを、ただいま甲号の方は免税、乙号の方は減税の分であります。これは八十一億四千六百万。それらが大きな項目で、合計いたしまして四百五十二億三千六百万というのが三十一年度における減免税額であります。三十二年度の数字も十二月までのは持っておりますが、月数か九カ月になりまするし、これはまた資料のときにでもつけて差し上げることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/6
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007・大矢正
○大矢正君 昨年度の減免税分が四群九十二億ということで、きのうは百五十億程度ではないかという話があったのですが、三百億ぐらいふえた。ふえたところがどこから出てきたのか、それもちょっと尋ねておきたいと思います。
それから、いま一つは三十二年度の見通しはどうか。この三十一年度を基準にして三十二年度の見通しはどうか、三十一年度以前はどうなっていたか。大体の内容を知らせていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/7
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008・原純夫
○政府委員(原純夫君) 三十二年度は四月から十二月までの実績数字をただいま持っておりますが、これによりますと、先ほど四百五十二億と申しました総計に対しまして三百九十二億二千万ということになっております。九カ月でありますから、月割りにいたしますればちょっと去年よりも多いという格好になっております。
なお、三十年度の減免税額は五百七十九億四千二百万ということに相なっております。ただいまお話の百数十億との差は、恐れ入りますが、業務課長が昨日申しましたことなので、乗務課長から申し上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/8
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009・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) 補足して申し上げますが、昨日税関部長から申し上げましたのは特例法関係、今審議の対象になっております軍の関係のものだけであります。局長から申し上げた数字は関税率法による本来の、通常の減免税額であります。従ってこのほかに特例法によるやつが、きのう申し上げた百五十億とか一億とかいう数字になっておるのでありまして、今の数字にはそれが含まれておりません。実は関税法の一般減免税の御質問だと思って、そのトータルを先ほど局長から申し上げたのであります。先ほどの数字はこのように御了承願います。従って定率法関係のたとえば暫定減免小麦とか重機械、こういうものの数字が四百五十億でございます。きのうの方は定率法の関係ではございません、特例法の関係でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/9
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010・平林剛
○平林剛君 私ども今審議の対象にしておるのは合衆国軍隊の構成員等の用に供するため免税で輸入された物品並びにその免税額、こういうことをお尋ねしているので、一般的なものを全部含めてというのではなくて、この法律に関係のあるものに限ってお尋ねしているわけでございます。もう一度先ほど大矢委員の質問の趣旨通りにお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/10
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011・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) それは、きのうはたしかトータルだけを特例法関係の減免税額のたしか二十七年度から申し上げたと思いますが、念のために、それをもう一度申し上げますというと、二十七年度で免税総額が二百二十七億、二十八年度で二百五十四億、二十九年度で二百十六億、三十年度で百五十三億、三十一年度で百五十二億、三十二年度でございますが、四−十二月で九十九億ということでございまして、年率に直しますと大体また前年度、三十 年度並みぐらいになるかと思いますが、四−十二月で九十九億、こういうことでございます。これが昨日部長から申し上げましたトータルでございます。その内容はただいまわかっている分け方は、軍隊等があるいは軍の公認の調達機関が輸入した物品、それからPX等の軍人用販売機関が輸入した物品、その他軍の用に供するため輸入した物品、それから軍人、軍属等のために、あるいは軍人軍属の家族ですね、これらが引っ越し、または持ってきて免税となったもの、それから軍人軍属あるいはこれらの家族が私有の……軍の用でない自己の用に供するために入れた自動車、あるいはその部分品、それから軍事郵便等で輸入した家庭用品というような、こういう分け方でならば、私のところで今わかっております。それでよろしければ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/11
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012・大矢正
○大矢正君 今言われたことですが、それは日米行政協定のどの範囲のこれは内容なんですか。今あなたが言われた二十七年度から三十二年度の四——二月の九十九億までの数字の内容は日米行政協定の中で特に税関輸入について規定をしている。その規定のどの部分に該当する部分がこれだけの分になるという意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/12
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013・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) 行政協定そのものでございますね、行政協定では第十一条で全部カバーいたしております。十一条で全部関税免除の規定がございます。これは軍用及び軍人軍属用または公認の軍の調達機関あるいは軍人軍属川のためのPX等の専門の販売機関、こういったものが第十一条で免税されるという規定があります。これを受けてこの特例法で詳しく書いているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/13
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014・大矢正
○大矢正君 あなたが一言われることをもう一度お尋ねしますが、そうすると、第十一条に規定をされた軍隊及び軍属に関係する一切のものを含んでいるのですか。これは家族及び軍隊の構成員、こういうようなものも全部入れて、この第十一条に規定した二項から九項までの内容全部を網羅した金額が先ほどあなたが発表になった三十一年度においては百五十二億という数字になるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/14
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015・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) 免除規定は第二項、第二項が軍隊または調達機関、第三項が軍人、軍属、これが免税規定で、あとは免除のやり方等でございますが、要するに私が今申し上げました数字は、全部を含んだ数字をわれわれの便宜のために先ほど申し上げましたような分け方で、一応分類して申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/15
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016・大矢正
○大矢正君 そうすると、先ほど四百五十二億という数字についておっしゃったのは、それじゃこの分はどこに入っているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/16
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017・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) 四百五十二億は全然これと……、大へん失礼いたしましたが、実は関税定率法に基く減免税額と伺いましたので、本来の減免税額を申し上げましたので、この中に全然入っておりません。従ってこのほかにこれを足しますと約六百億くらいということになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/17
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018・大矢正
○大矢正君 きのうも意見として述べられていたことはおわかりのことと思いますが、現在のアメリカの駐留軍並びにその軍属あるいは家族という方々の数に比例をして、いわゆる免税されて入れられる物資の量があまりにも多いということは指摘された通りでありますが、ところでそういう事実の上に立って国内の市場を調査をすれば、多分にそういった免税をされた物資が流れているという事実もある程度はつかみ切ることができると思うのでありますが、ところでそういう情勢の中にあって、それをさせないようにするために、どういう措置を講じられようとしているのか、その点をお伺いしたいと思うのであります。かりに今度の法律改正で譲渡をされたもの、譲り受けたものが課税の対象になるというようになっておりますが、これだけではとうてい免税で輸入された物品の流出を防ぐことはできないのじゃないか、あるいはまたそれを捕捉することができないのじゃないかという解釈が私どもとしては生れてくるのですが、その点についてはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/18
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019・原純夫
○政府委員(原純夫君) おっしゃる通りこの関係を規制していくのはなかなか困難がございます。まずやはり米軍自体において気をつけていただくということが必要であるというふうに思いまして、常々そういう向きに十分連絡をとり、頼んで規制をやってもらっておるわけでございます。それから自動車なんかになりますと、軍だけの自動車に限りませんが、今関係の各省がそれぞれ所管に従って努力しなければならぬということになります。一番顕著な自動車の場合あたりですと、いつぞやも新聞に出ましたように、無為替輸入と申しますか、そういうような許可の方をよほど締めるとか何とかしなければいけない。さらにまた運輸省の方でも仮ナンバーで走るということになりますと、税関などほっぽらかしてどんどん日本の国内を横行するということになりますと、仮ナンバーの問題も、いろいろ各省事情があって、なかなか従来この問題の解決のために一番いいだろうという仕組みが、まだでき切っていないということがあるというのは、率直に私どもは認めざるを得ないでのす。しかしそれらの不十分な条件の中ではありますが、ただいま申しましたように、米軍自体、また政府部内でもできるだけは頼んでおる。それらの中で税関は実は少し法律的には、こういう席で申すのは何ですが、事柄があまりに不当な結果になってはいかぬものですから、かなりにきつく自動車あたりについての規制をやっておるわけです。しかしなかなかどうもあまりきついばかりのこともできないというので、今回お願いいたしておりますように、さっきの点から言うと、若干ゆるくなりますけれども、法律的な根拠をもって、そしてできるだけのことをやる。別途通産省あるいは運輸省その他関係の各行に、冒頭申しましたような意味で、この点の是正のために御協力願うという問題はなお残っておりますので、この辺は今後も努力を続けたいと思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/19
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020・大矢正
○大矢正君 行政協定の第八項の内容から考えていって、合衆国軍隊としては軍人及び軍属その家族に与えられた特権の乱用を防止するための必要な措置はどういうような措置を今日とられておるのか、その内容を種類ごとにできたらお教えを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/20
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021・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) 入れる品物自体を規制してもらうことは、これは事実上の向うの、何といいますか、好意といいますか、あるいは協力してやっていただいておるので、行政協定そのものからこの八項を引用しても、もちろんわれわれは頼んでおりますけれども数量それ自身は軍それぞれのしかるべき当局に努力して、もらって、大体これは古い統計がございませんけれども、相当程度縮まった。しかしなおきのうも部長から申し上げましたように、どうも現在推定される軍人、軍旗との数に比べると、どうも多いようでございますけれども、これでも相当減ってきたわけです。それから具体的な犯則の場合は、これはお互いに情報も、向うも積極的に提供するし、こちらも提供して、裁判管轄の問題になりますと、三十日くらいから三十五日であっちに移るという問題もございますけれども、お互いに協力する、これは行政協定ではっきりいたしておりますが、数量それ自身を抑える力は、こちらから軍当局に頼んで、軍側の自発的な協力によってここまで押えてきつつある、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/21
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022・大矢正
○大矢正君 これは、たとえば翌年度なら翌年度あるいはその次の月なら次の月という形で、事前に税関を通じて、これだけの品物を免税で輸入するしいうような、申請というか手続上の内容はないのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/22
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023・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) 事前に計画を出さして、たとえばこれでは多過ぎるからということで押えるという意味では、実はわれわれの、何といいますか、法律上の地位から言うとできないのでございます。現在やっておるのは、そのつど申請してくれば、フリーパスという制度になっておりますので、特別な様式にはなっておりますけれども、向うから申請が出てくれば、われわれとしては行政協定上認めざるを得ない。従って、向うから出るものを事前に向う側の自発的協力によって、向うで押えていただくといいますか、それ以外ないのでございます。かりに二、三カ月前に実はたとえば五月にこれだけ入れるのだと言ってきましても、それじゃだめだからそれは一万トン減らせということは、実は権限としては言えないわけです。犯則等が多いからどうもこれは多過ぎるのじゃないか、全体としてもう少し減らしてくれないかと言っても、向うがよろしいと言って、やりましょうと言って出てくれない限りは、向うが一たん出てしまった以上は、われわれとしては許可せざるを得ない仕組みになっているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/23
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024・大矢正
○大矢正君 そうすると、かりに品物を日本の国内に持ってきて、到着をしたものを報告するということはやっておるわけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/24
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025・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) 報告といいますか、当然申告いたすわけであります。申告によってそれぞれの手続をいたしております。手続まで無条件ということではございません。ただし、手続をとってくれば免税ということになっておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/25
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026・大矢正
○大矢正君 これは毎年度のことでございますから、前年度の実績や前々年度の実績等も勘案して、事前に日本の関係者とそれから米軍の関係者とが話し合うということは、今日の今の行政協定の中ではできないのですか、事前に話し合うということは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/26
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027・平林剛
○平林剛君 関連して。今事前に話し合うという根拠で、免税で輸入することを認めた理由というのは、さっき言ったような行政協定だけれども、かなりはっきりしているのじゃないですか。たとえば軍で必要な場合とか、これはまああまりこちらからいろいろ文句をつけるわけにはいきませんけれども、ただし軍属とか軍隊の家族等の構成員ですね、これに対してはやっぱりアメリカの生活水準を著しく越えているというような場合に、ある程度日本としてそれについては、これは因りますというぐらいのことは言えるのじゃないか。そういう点は免税で輸入することを認めた理由には書いてないのですか。どういう範囲のものであるというようなことが。それがはっきりしていればそれに基いて話をすることができるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/27
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028・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) 軍人軍属の用に供するものあるいは家族の用に供するものということになっておりまして、それ以上の限定はないのであります。これを受けた法律の力もさようになっております。従いまして、われわれが先ほど申し上げましたのは、現実にいろいろ違反事例があるものですから、たとえば八項等において特権等の違反事例があるから違反を起さぬようにという程度でございまして、ほんとうに軍人軍属用である限りは、今の建前では免除せざるを得ない、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/28
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029・平林剛
○平林剛君 たとえば、新聞などを見ておりますと、ドイツのカメラ会社で、バルコムがローライフレックスだとかライカだとかいろいろなものを買いなさいといって広告を出しているのだね。広告を出すのですよ。これは免税で人ってくる手続があるから安く買えますよ、こういうことで募集までしている、公然とやっているのだね。私はアメリカの軍隊が今日駐留するその構成員の便に供するために——それは限度があるでしょう。きのう委員長のお話のように、ネーブルを毎日食っていなくちゃいられないようなものを輸入するということはおかしな話ですけれども、このカメラの例なんかですけれども、私はドイツの会社のやつまでこのことに便乗して免税にしてしまうということも、これはどうかと思うので、アメリカの品物に限るとか、やっぱりアメリカの国民生活水準に合っているものとかいうようなことをやらないと、やはり行政協定はあるかもしれないけれども、乱用し過ぎるということになるのじゃないですかね。これはこんな、はかばかしいことはどうも理解ができないのだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/29
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030・原純夫
○政府委員(原純夫君) 非常にごもっともなお話でございます。われわれもそういう気持でやってきたつもりで、事実、その数量も前に比べましてだいぶ減っては来ておりますが、しかし、今の数量が、とてもこれですから御納得いただきたいと言える数量になっていないということも私ども実は非常に気がとがめております。一そうあらゆる機会をとらえ、おっしゃるような方向に努力をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/30
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031・大矢正
○大矢正君 これは不勉強だから法律の中に書いてあることかどうかわかりませんが、念のために聞いてみたいと思います。今言った形で免税をされて、今まで品物が税関を通過するときは、これは合衆国軍隊に使用されるものは、これはまあ法律の中でも明記されておるのですから、証明井を提示してそこで免税をされることになっておりますから、それはいいのですが、一般構成員の家族その他が使用される部分の私的な使用物については、税関を通過するときにはどういう形で通過をしてくるのですか。それは個人々々の申告に基いて通過をしていくのか、あるいは米軍なら米軍が一括してそれを申告して、それが通過されるということになるのか、そのことについて、ちょっとお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/31
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032・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) これは特例法の第六条で規定してありますが、軍の責任ある官憲が証明しなければ、たといこれはおれのものだと言っても免税できません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/32
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033・大矢正
○大矢正君 どうも行政協定の解釈というのが幅が広くて、今の段階では、なかなか脱税行為を抑えることは困難なように、私、行政協定の解釈からいって考えられるし、また、あなたの答弁からいわれても、そういうように思うのですが、この納税義務者の規定は、これを譲り受けた者が納税をしなければならないという立場ではなくて、合衆国軍隊及びその構成員、家族等が譲り渡す場合には、その譲り渡す者が納税義務を負うというような規定は、これはできないものなのかどうか、その点の解釈をちょっとお尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/33
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034・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) 実は行政協定の運用上、委員会がございますけれども、そこで合意をした条件に従ってならばゆるやかにいたしてよろしいという規定があるのでございます。その合意において、そういう合意がまだとられておりません。それからまた、向うの言い分としては、輸入というのは、買う者の側を通常押えるべきであるというような、何といいますか、コースをとるわけであります。われわれとしては、軍人軍属の用ということで特別に免除したのである、従って、軍人軍属の用途以外に使うならば、これは当初の免税を取り消すべきであるということであるならば、当初入れた人からとるべきであると、こう思うのでありますが、実はそこまで合意に達しておりません。現在のところは、この程度の規定になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/34
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035・大矢正
○大矢正君 あなたの言うところは、議論としてはあるかもしれませんが、しかし、普通一般の輸入と違って、これは税関は無条件で逝ってくるわけですからね。普通一般の場合には、税関を通ってきますから、密輸でない限りにおいては、この問題は全部押えていくわけでしょう。しかし、ところが全部税関を通関して、もう一つの税関というのは、これは今の場合の法律の中身においては考えられないことでありますから、その点においては、再度それじゃ税関を通してやるというような、再度、物を譲り渡す場合には税関を通すのだというようなことをやることができないのかどうか。たとえば、もう合衆国の軍隊の家族、構成員やその他が使っている間は、保税地域に入っていると同様の解釈のもとに、それが譲渡される場合には、今度はそれを税関を通さなければ譲り渡すことができないという規定があるはずでしょう。——ありますね。そうすると、それがありとすれば、私は、ここで考えられることは、そういうような場合には、かりに譲り受ける者がその税金を払うということではなくて、そもそも当然税関を通じて関税を払わなきゃならない立場の者が、その家族及び米軍それ自体が使うという前提で、それか免税されているのでありますから、私はその際、それが他に転売されるということは、本質としては、これはあるべきことじゃない、家族及び構成員が使うものなんですから、だとすれば、その人間をその納税の義務者としたところで、特段問題は起きてこないというふうに私は考えるのですが、私の考えがしろうとの考えで、あなたにおわかりいただけるかどうかわかりませんが、どうもそう解釈できるのじゃないかという気がするのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/35
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036・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) おっしゃる通り、現在は特例法によって軍人軍属、軍用の場合も同様でございますが、これを国内に転売する場合には、輸入とみなされて、再度、税関へ一定の手続をとるということになっておるのでございます。そういう法制といいますか、フィクションを作っておる。従って、当然税関へ手続をするように、譲り渡す側も、譲り受ける側も、そういうふうになっております。これは蛇足になりますが、大体軍人または軍属で、この譲り渡し申告をしなくて犯則処分になったものが、毎年平均百件くらいあります。従って、これは、この建前でその通りやっております。決して無条件で譲り渡す側を何ら問題にしないということではございません。ただし、税金をとる規定になっておりませんので、税金は、譲り受ける側からとるようになっております。世界各国で、米軍との間、あるいは国連軍との間で、いろいろな協定がございますが、原則として、全部積み戻せ、一切国内での処分まかりならぬというところもあるわけでございます。ところが、現在の日本の行政協定では、そこまでいっておりません。それからまた、税金をとるという方法にはなっておりません。委員会で合意した方法によって処分できるということになっております。その合意した方法は、先ほど申し上げました通り、現在のような状況になっておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/36
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037・大矢正
○大矢正君 もう一回さかのぼりますが、数量の規制その他のことは、今の行政協定の解釈その他からいって、米軍と話し合うことができないという解釈でいいのですか。たとえば数量が非常に多い、これはどうも軍属やその構成員等の使用する部分以上に上回って輸入されておるという面があるということについて、日本の政府当局としては、それはいま少し減らすべきだということで、税関を通じて、その減らすことについての、免税をする内容を規制することはできないのかどうか、これははっきり伺っておかなければいかぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/37
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038・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) われわれの申し出だけによって、当然、圧縮できるという仕組みにはなっておりません。先ほど局長から答弁いたした通りでございまして、われわれとしては、できるだけ努力いたしております。また、そういう意味で、事実上、話し合うということは別に問題がないわけであります。従いまして、事実上、向うが受け入れてくれるかどうかということになるわけでございます。従って、そういう機会があるたびごとに、われわれは、そういう事実上の協力関係というところに持っていきたいと思うのであります。特に軍人軍属の用でない、どうも横流れが多いということになりますというと、八項との関係もございまして、若干、向うの協力でプレッシャーをかけることができると思いますが、軍人軍属の用に供するものは、たとえば一年一個が適当であるか、いや、一個はおかしい、二年に一個ぐらいにしろというようなことになりますと、これは向うに実際上納得してもらえない限りは、できないのであります。しかし、これは、お互いに良識のあるものとの間の話し合いであれば、そこには、おのずからの基準というものが考えられてよろしいのであります。けれども、あくまでもこれはお互いの話し合い、しかも、事実上の、何と申しますか、話し合い——協定によるとか、あるいは法律によるものではないことになりますので、実際その話し合いそのものにおけるわが方の立場は弱まらざるを得ないというのが、現在の状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/38
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039・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 私からちょっとこの問題について。私からも昨日お尋ねした問題でありますから、私からちょっと。しばしば自粛を求めておられるとおっしゃいますが、どういう手段方法で自粛を求めておられるかということを私は伺いたい。たとえば抽象的に今御答弁になったようなお言葉で自粛を求めておられるというのか、それとも、具体的な数字を縦横から分析して組み合せたもので、こういう不合理性がこの数字に出ておる、だから自粛してもらいたい、こういう仕方なのか、その点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/39
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040・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) 時計とかカメラとか、あるいはウイスキー等、こういったものについては、これは、きのう、委員長からお話がありましたように、通常の人間ならば処理しきれない、あるいは一年に三個も四個も新たに時計を買うということは考えられないのじゃないかというようなことで今日まで参っております。今の最近の数量ですと、おそらく軍人軍属で家族まで全部含めますと十万くらいになると思うのであります。正確な数字はわかりませんが。そうしますと、大体まあ一年に一つ以下の状況でございますね。カメラにしても、時計にしても、一年に一つでも、考えようによれば、われわれの水準からいって、非常に、何といいますか、単純には納得できないのでありますけれども、これは軍人、軍属自身も入れかわっておりますから、そういう意味で、ここまで縮んで参りますと、なかなか合理的な基準がむずかしい。それから酒は大体、これは変な話でありますが、大酒飲みですと、あれだけじゃ少し足りないくらいの基準だそうであります。かなり酒量が多いそうでありますから。従いまして、これを圧縮するのは、お互いに納得できるような合理的な基準というものはむずかしいので、多いじゃないか、多いじゃないかというて、比較はできがたいのでありますが、先ほど局長からも答弁がありましたように、何かわれわれとしても、合理的な基準がまだ出せるならば、そういう基準も打ち出してみたいと思います。特に問題なのは、自動車でございます。自動車は、これはたしかきのう局長からも説明がありましたと思いますが、あれに、正当の関税、物品税を払わして徴収しても、なおかつそれとほとんど同額ぐらいの利益が得られる、国内で転売すれば、大体キャデラック等で関税、物品税を入れても三百万円程度、五十七年くらいの車ですと、三百万円ぐらいになる。ところか市場で売りに出せば、これはそのときの市場の協定によりますが、六百万円くらいで売れるということになりますと、関税だけでは防遏できないわけです。従って、それだけ誘惑も多いというので、これは特に軍の憲兵隊に頼みまして、これはまたある意味では、いささか強きに過ぎておる点もあるのでございますが、型式が二年以上古いものでなければならない、あるいはすでに過去三年以内に一台といえども売った経験のあるものは売らせない、それから自分自身で少くとも一年以上使ったものでなければならない、こういったような条件のもとに、向うで、軍人軍属等の軍の売買をとめております。それから一番困りますのは、除隊してしまうわけですね。除隊してしまいますと、特例法上は軍人軍属であった者も同様の特権を継続して打つわけであります。そこから横へ出る場合には、もちろんあとで徴税されなければならぬのでありますけれども、除隊される場合は、除隊しますと、今後は軍側自身の規制も届かなくなるわけであります。この辺に一番大きな抜け穴がありまして、これもわれわれは苦心しておるのでありますが、向うが今言ったような基準に合致しないものを持って除隊するといいますか、申し出た者には除隊させないというようなやり方をやっておるわけであります。これは、アメリカ側では、向うでは憲法違反だと言って軍人軍属等にだいぶ言われている。除隊させないとは何事だ、車が新しいから除隊させないというのはとんでもないじゃないかというので、向う側では問題になっておるくらいであります。これは本来、さっきも局長から答弁がありましたように、関税の問題でないわけであります。むしろ為替管理なり、貿易管理法の方でこの穴をふさぐようにわれわれは向うに申し入れております。しかし、軍側がそこまでやっておりますから、われわれはいささか、先ほども局長から答弁がありましたように、法律の裏づけがないけれども、強引にこれを押え込んでおるわけであります。たとえば、そういうものであれば、お前の方はそんなもの売れるはずがないじゃないか、どうも適当な方法によってされたものではないということで、たとえば通関証明書を出さないというような方法で抑えておりますが、これはむしろ強きに過ぎておるというような状況であります。向うでもその程度の協力はいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/40
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041・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 重ねてお尋ねしますが、今私がお尋ねしたことは、今御答弁のようなことを伺っておるのじゃないのです。自粛を求める場合に、いろいろ向うの消費した数字を並べて、向うの軍人軍属の生活状態と照らし合せて、非常に不合理なものが出ているでしょう。そういうものをつけて向うと交渉しておるのかどうかということを伺っておるのです。たとえば百五十億とかりにしますね。私は、わかりやすい数字を、子供や何かを抜かして、五万としまして、五万の人間で百五十億といいますと、一人頭免税の恩典を受けるのは三十万円ということになるでしょう。かりにこれを一割の税金とすると、一人当り百五十万ということになるわけです。一年に。そうでしょう。そういう非常識なものは出てこないと同時に、あなたの方でなく、防衛庁あたりではわかっておるかもしれませんが、向うの軍人軍属の月の生活費というのは、日本の円にして一人当り平均幾らになっておるかということもわかるでしょう。まさか月三十万も五十万も生活していない。向うがいくらぜいたくでも。そうすると約十五万、十三万なり十四万、この行政協定の特例に基く物資だけでも、月に十三万なり十四万の消費をしているということになるのです。今の五万という人間で百五十億というものを割ってみると。これをさらに物資別に見ると、今の写真機であるとか、自動車であるとか、時計であるとか、いろいろな、もう一割二割の常識はずれでなくて、一けた違った常識はずれの数字が各品目別に出ておると思う。こういう数字をあなた方の方でつけて自粛を要望するということになれば、あれだけ合理主義を唱えるアメリカが、この数字の前に頭を下げると思う。この法律の条文に基いて権利があるとか義務があるとかいう問題でなくて、そういう数字をつけることによって交渉すれば、この問題はある程度片づく。この問題は、単に税金の問題だけでなくて、この物資のためにどのくらい日本の国民に犯罪者ができておるか、どのくらいの国民の道義に悪い影響を及ぼしているかという問題もあるわけであります。私は自粛を求める求め方についてはもう少し、これは私の意見になりますけれども、今申し上げましたような数字を縦横から分析して、こういう数字を並べることによって自粛を求めれば、必ず何らかの結果が得られると、こう思うのですが、主税局長なり政務次官どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/41
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042・原純夫
○政府委員(原純夫君) まことにおっしゃる通りで、私どもも、たとえばカメラが三十一年には六万台入っているというような数字、時評にしても八万七千個入っているというような数字があるわけです。こういうものを、それぞれ個別にしても納得ができない。また今委員長がおっしゃいましたように、彼らの所得と月々の生計費というようなものと、その中からこういうものを買うのに割り出せる額というようなものを考えまして、おっしゃる通り、まことにおかしい結論になっておるわけであります。正そうそういう面からも研究を深くし、指摘を強くいたしまして努力いたしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/42
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043・平林剛
○平林剛君 先ほど大矢委員から要求した資料ですね。これはのちのちわれわれも検討したいと思いますから、なるべくこまかく品目別に御提出を願いたい。特に、自動車とか、あるいは時計とか、カメラとか、酒、たばこ、テレビ、ゴルフ道具から、すべてなるべく品目別にわかるように出してもらいたい。これは、そういうのを出してもらった方が一番わかるのだ。それから、きのうあなたの方からは答弁できなかったのだけれども、アメリカの軍隊の構成員の数ですね。年次別にわかると、今委員長が指摘したようなことも対照しながらわかりますから、あなたの方も交渉なさるといっているのですから、少し時間がかかるかもしれませんけれども、ぜひ一つ御拠出を願いたい。よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/43
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044・原純夫
○政府委員(原純夫君) できるだけ御趣旨に沿うように、まあ人数のような点については、非常に正確に申し上げることがあるいは困難な場合があるかもしれませんが、できる限り御趣旨に沿うように善処いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/44
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045・平林剛
○平林剛君 それから今各委員からいろいろ指摘をされた事項、政府当局でももっともな意見だと肯定をなさっておる。当然なことでありますから、あなた方だけが努力してもだめなんで、具体的にこれは日本とアメリカとの話し合う場所があるわけですから、そこで必ず問題にして、自粛を求めるというような措置をとっていただけますか。これは、本来であれば、もっと責任者に聞くべきでありますけれども、そういうお約束がこの際できれば議事進行上大へん都合がよろしい。とっていただくことを一つお約束を願いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/45
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046・原純夫
○政府委員(原純夫君) これは御承知のように外務省を通しましていたす交渉でございますから、私がここで政府側として最終的な御答弁を申し上げるというのはむずかしゅうございますが、大蔵省として外務省に申し入れをして、そういう筋に乗っけるということをいたすことは、先ほど来そういうつもりで申し上げておりますので、その運びを私どもはとって参ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/46
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047・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記とめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/47
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048・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記つけて。
他に御質疑はございませんか。——他に御質疑もないようでありますから、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。御意見がある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/48
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049・平林剛
○平林剛君 今回提出をされた法律案の趣旨については、当然のことで、むしろもっと早く措置すべきものでありますから、そのことについては賛成をいたします。しかしこの審議において外出員から指摘をされたように合衆国軍隊の構成員の用に供するため免税で輸入される物品については、やはり行政協定の趣旨をこえて乱用しているものについては、自粛もしくはこれを阻止するための努力を政府当局は行うべきだということを強調いたしておきます。日本国としてアメリカが行政協定に基いて手続があるものについて極端な干渉をすることは困難かもしれませんが、しかし初めから転売を目的にするものであるとか、あるいは構成員と数量とを比較いたしまして消費をこえて転売をせざるを得ないようなことになる品目に対しては、当然アメリカ側に自粛を求める措置は必要なことであります。またアメリカの生活水準をこえるような品物であるとか、まあこういう点については日本国としてはやはり、言うべきことは言ってもらいたい。特に私はアメリカの品物以外でドイツとかイギリスとかの諸外国の物品にまで、このことに名をかりて免税をしてしまうというようなことは、どうも検討を要する。日本人でもアメリカのカメラを持ちたがったり、ドイツの機械をほしがったりすることはありますけれども、しかしなるべくならばアメリカの品物についてお使い下さい、輸入をしていただきたい、そうでないものはなるべく日本の品物を御利用下さいくらいのことは言うのがほんとうの日米親善外交ということにも通ずるのじゃないだろうか、こう思いますので、そのことについて政府は十分配属をしていただきたい。右のようなことにつきまして早急にアメリカ側とも話し合うというここを要望して賛成意見にかえておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/49
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050・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 他に御発言ございませんか。——他に御発言もないようでありますから、討論は終局したと認め、これより採決に入ります。
日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律の一郎を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/50
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051・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 全会一致であります。よって本案は、可決すべきものと決定いたしました。
なお、諸般の、手続等は先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/51
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052・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よってさよう決しました。
それから委員会の報告書には多数意見者の署名をすることになっておりますので、本案を可とせられた方は順次御書名を願います。
多数意見者署名
木内 四郎 西川甚五郎
平林 剛 天坊 裕彦
青木 一男 左藤 義詮
木暮武太夫 塩見 俊二
土田國太郎 廣瀬 久忠
山本 米治 大矢 正
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/52
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053・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 次に、関税法の一部を改正する法律案を議題として質疑を行います。御質疑のある方は、順次、御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/53
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054・大矢正
○大矢正君 新しい改正をする法律案についてでなくて、旧法について、今実際に施行されている法律について質問したいと思うのですが、その法律の中に現われております開港を取り消す場合の条件でありますが、金額においては一年を通じて五千万円、それから外国貿易船の入港隻数についてはその合計が二十五隻という基準がありますが、五千万円の金額的な基準と二十五隻の入港出港の隻数の基準というものは、この法律が作られたときには、どういう考えのもとに作られたのか、それについてのお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/54
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055・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) 二十五隻というのは、大体出入り二十五隻でございますので、従って片道十二隻半ということになります。大体月に一隻は入る程度の貿易実績であることが望ましいというのがおおよその目安でございます。
それから五千万円という数字は現在ならばやや低きに失するかと思うのでございますが、当時としては、通常の神戸、横浜等の大きな港では、五千万円というような数字は、これを二十五隻で割りますとごくわずかの数字になりますが、小さい港ですと一部ずつを積みおろしていく場合が多いわけでございます。これは的確な数字が実は把握されておりません。全体を単純に平均で出しておりますので出ておりませんが、大体その程度ならば適当な数字じゃないか、この点は全く腰だめでございまして、十分な科学的根拠はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/55
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056・大矢正
○大矢正君 あなたの今言われた言葉の中には、多分に新しい法律を前提としたような御発言があったが、それは二十五隻と五千万円という金額は、非常に密接不可分な関係があるような御答弁ですが、今施行されておる法律においては、この二つは必ずしも関連をもったものじゃないですね。結局はどちらか一つの条件に引っかかった場合には開港の取り消しを受けるというのであって、それは何も両方の条件が密接不可分ではないという現行法の建前からいくと、あるいは二十五隻、五千万円というのは、非常に関係があるような発言があるのですが、どうもあなたは新しく改正する法律の趣旨を私に答弁として述べておるように思うのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/56
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057・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) 今までの法律の趣旨は特定な港だけが特別に指定されて開港となるわけであります。その開港を維持する基準として五千万円、二十五隻、いずれかの条件を満たせばよいということになっておるのでありますが、このときは大体二十五隻あれば、この程度はかりに五千万円を少々割っても、船が二十五隻も出入りするということであれば、まあ相当な貿易実績があるというふうに見ることができるのじゃないか。また二十五隻を少々割っても貿易額において五千万円あれば、かなりの実績があるということになるのじゃないか、こういうような関係から二十五隻または五千万円かいずれか一方にかかればいいということにいたしておるわけでして、全然関係なく選び出した数字ということではございません。考え方の上ではいずれか一方の実績が満たされるならば他方の条件は少々満たされなくても、大体相当品の貿易量が認められるという程度のそういう基準を選び出したのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/57
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058・大矢正
○大矢正君 そうすると最初から、関税法ができた当時から二十五隻と五千万円というのは関係があったというよりにあなたは言われるのですが、そうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/58
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059・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) われわれは実はそのように解釈いたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/59
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060・大矢正
○大矢正君 それじゃ当時法律を制定するときに、なぜ二十五隻と五千万円と同時に二つの条件を満さなければならないのだというようにしなかったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/60
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061・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) この点は、五千万円か三十五隻か一方の条件が満たされるならば、他の条件はかりに欠缺することがあっても、ごくわずかであろうということであったのであります。ところが現在は、実はこれは立法上の若干のミスがあったのでありますけれども、保税運送というような方法かありまして、何らの実績がなくとも五千万円という実績は維持できるといりような奇妙な現象が実は現われておりますので、従ってこれでは実質的に貿易実績のある港を開港として維持するという意味合いの基準でありながら、それがこの規定を形式的に適用したのでは、全く当初われわれが考えておったのと違った結果が出てくる可能性がありますので、この際両方の条件を同時に満たすということにするならば、当初の意図は達成できるのではないか、かように考えて、修正の案を提出いたしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/61
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062・大矢正
○大矢正君 これは開港といいましても、必ずしも外国の貿易船が入出港はするけれども、輸出入が伴うかどうかということは、これは疑問のあるところで、たとえば戦前においても、かりに開港しているから輸出入の金額の数量が多額に上るということはないのであって、たとえば寄港だけを目的とした開港ということもこれは従来あることであるのですから、そういう場合、そうすると昔からそういう現実があったにもかかわらず、一つの条件に当てはまればいいのだというふうにやっておりながら、今度はその両方の条件を満たさなければならないというのはおかしいじゃないかと私は思うのですが、過去において、もうすでにあなたも御存じのように、寄港していくだけの程度の、だから実際的には入港隻数は非常に多いけれども、金額等が一つも入っていないという場合もあり得たのですから、にもかかわらず、今度はそれを二つ一ぺんにしなければならぬと、それなら二つ一ぺんにしなければならないというならば、最初からそういう矛盾があったのでしょうから、最初から法律にそうすればよかったのじゃないかと私は解釈するのですが、どうですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/62
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063・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) 実は今の規定ですと、保税運送という方式をとりますと、若干技術的になりますが、たとえばAの港とBの港がある場合、Aの港から品物を出すにかかわらず一応Bの港で受けつけて保税運送でここから出す。逆にここに入ったにかかわらず、ここへ通関せずに、品物だけBへ持ってきてここで通関する。こういうことをやりますと、今の規定ですと、一方の実績でよろしいということになりますと、五千万円という実績がまあ一回か二回かそういう操作をやれば直ちに達成できるわけであります。そうなりますと、全然船の出入りもない、貨物の輸出入もないにもかかわらず開港であり得るということでは、これでは何のための開港基準……と言うより開港閉鎖基準……裏からの基準になっております。開港であり得るということになりますと、これでは特定の港を開港とするという一つの開港基準としては適当ではない。従って保税運送の道を閉ざすという道があったわけでございます。これをやりますと非常にきつくなるわけであります。今度は保税運送の道を閉ざすということについては考えておりません。従って船が二十五隻入ってくるけれども、貨物は三千万円という場合は、あとの二千万円は保税運送の方で持ってくるということは実はあけてあるわけでございます。ですから、この辺はぬかっておると思いますが、今までぬかり過ぎておったのでありますけれども、急に条件をきつくしてもいろいろな部面もあろうから、保税運送の道は依然としてあけておいて、若干のそういう操作の基準はあけてあるわけでございます。たとえば貨物は百五千万円あるというときには、船はちょっと一隻寄ってもらえば、直ちに二隻の実績を作ることができるわけでありまして、その辺は操作の道が全然ないようには実はいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/63
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064・大矢正
○大矢正君 そうすると、開港を取り消された場合のその港が、再び将来において開港になる場合にはどういうことになるのですかね。どういう条件のもとになるのですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/64
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065・原純夫
○政府委員(原純夫君) 新しい開港指定につきましては、いろんなただいまお話しになっておりますような基準あるいはその港のその他の経済条件ですね、あらゆるものを勘案いたしまして、これは一々法律で開港を新たにこれを指定したい、ここを指定したいという案を具して国会で御審議を願うという運びになるわけでございます。その際その基準を越えればいいという機械的なものでなくて、いろいろな基準を入れて判断をして断を下すということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/65
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066・大矢正
○大矢正君 現実の問題として、一たび開港が取り消されてしまった場合に、もちろん税関も引き揚げていくでありましょうし、そういうことから、印象として、もうその地域には品物も、物資も集まってこないし、もちろん船も入ってくることができなくなってくるというふうな状況のもとでは、再びこれが開港にまたなる、また開港にするための条件が生まれてくるということは、なかなか考えられないのじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/66
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067・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) この点は若干誤解を招いておる節があるのではないかと思うのでございますが、実は開港であるなしということは、開港でなければ大よそそこで貿易をすることは認めない、あるいは船の出入りを認めないということではないのでありまして、開港ということは、いわば常時開港——いつでも入ってもよろしいという見方にしておるのが開港であります。不開港でありますと……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/67
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068・大矢正
○大矢正君 そのつど手続をしなければならぬ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/68
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069・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) もよりの税関の方に、手続をいたしますと、入れるのであります。そうしますと税関官吏を派遣して、やはりその港ですべての手続が完了するようにいたすのであります。不開港に入る場合の手続のために、トン当り十八円の手数料を取られますが、これが開港の場合でありますと、トン税、特別トン税という形で取られますので、その辺の負担も全く同じ仕組みになっておりますが、不開港はそのつど開港である、開港は常時開港であるという程度の違いであります。従いまして現実にヒンターランドその他が発展してきて、そこで十分貿易が行える、あるいはそこで貿易を行なっても十分商売になるという条件があったならば、当然にそういった方法によって実績を作っていくということは可能であると思います。不開港出入について今まで拒否した実例は、密輸ということがあれば別ですが、全然ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/69
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070・大矢正
○大矢正君 それは僕も法律を読んでおりますから、絶対に開港していない港以外に入れないということは考えておりませんが、常識上、一たん港が閉ざされた場合に、その港に船が入るということは考えられない。それから常識的に考えても、その港に外国に積み出す品物がどんどん集まってくるというくらいならば、何も開港を取り消される必要性がないのですから、だから私は開港取り消しということは、将来において非常に港が影響を与えられる結果になるのではないか。この内容を見て、あなたの方から拠出された資料を見ても、私がチェックした範囲においても、十三港くらいが該当されるような感じを受けるわけですが、実はこれだけの港がびしびしとやられてきたということについては、どうもやはり納得がいかないのです。私は国の予算上の面において、あるいはその他の面において、かようにして開港の基準というものをきつく引き締めなければならないという根拠は一体どこにあるのか。それからもしその根拠が予算院に関係があるとすれば、その予算的な内容についてはどうなるのかということについて、あなたのお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/70
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071・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) 予算上の制約といいますか、これは開港にいたしますと、たとい貿易実績がなくても、一定の税関事務所、これは税関ばかりに限りませんが、港に必要な施設等もやらなければなりません。従ってそういうのが当然予算にはね返るということでありまして、予算の直後の制約を受けてどうしても閉鎖しなければならないということはございません。もちろん従いましてこれを閉鎖すればむだが省けるということに自然なってくるというだけのことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/71
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072・大矢正
○大矢正君 そうすると、あなたのいわゆる考え方の中で、予算にはね返るというのは、たとえば一港を閉鎖することによって、多少港の大きさとか内容によって違ってきますけれども、予算にはね返る部分というのはどういう内容ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/72
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073・加治木俊道
○説明員(加治木俊道君) 税関の関係、港設備とか何とかいうこともございますけれども、税関の関係だけですと、そこに派遣されておる税関職員の、まあ人件費ばかりでございませんから、いろいろな消耗品とか、あるいは宿舎、庁舎等の費用、こういうことになるかと思います。大体一カ所四、五人ぐらいのところが、どれが閉鎖になるか、さきの実績を見なければなりませんが、四、五人見当、まあ小さい港ですと大体そういう見当でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/73
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074・大矢正
○大矢正君 これはかりに三十一年度の実績で、私が関係があるこの北海道の留萌港を一つ対象にした場合に、これは三十二年度の輸出入計画は五億七千百万円かですが、残念ながら入港隻数が十一隻ということになりますと、これは当然二年間続けば開港の取り消しを受けるという結果になりますが、この間もこの税関に行ってきましたけれども、わずかに三人の税関職員がおって、物置のちょっと程度のいいようなところに住んで仕事をしているのです。事務所か何かわからぬそういうところに置いておく方も置いておく方だけれども、いずれにしてもその程度の内容しか実際には予算上には関係がないとすれば、今この開港の取り消しをするという、また受けるという、こういった印象といいますか、感じといいましょうか、そういった面からいけば、あまりにも微々たる予算でしかないじゃないか、こんな予算でもって、あるいはこんな予算しか削減できないのに、開港を取り消すという必要性はどうも私としては感じられないのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/74
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075・原純夫
○政府委員(原純夫君) 私ども、まあおっしゃる気持もよくわかるのでございますけれども、これは要するに程度問題だと考えております。まあ三月か四月に船が一ぱい入ってくるというようなところで開港を維持して職員を置き、いろいろな関係をそういう態勢でやっておるのがいいのかどうか、御案内の通り貿易が非常に躍進的に広がっておりまして、まあ税関行政だけでなくて、貿易制度に関する政府の機能というものは非常に名方面で緊張を要求されているわけであります。まあ税関だけにつきましても、毎年若干の人員の増は苦しい中で認めてもらっておりますけれども、貿易の増になかなか追い付けない。仕事のあらゆる工夫をして能率化するということを百方手を尽してやっておるというようなところであります。これは一方で、お話の、地元の気持というようなものももちろんあるわけでありますが、それら彼此勘案して私どもこういうような線でいったらどうかと考えましたようなわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/75
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076・大矢正
○大矢正君 戦前の実績を私どもは考えてみた場合に、特に他の地域はわかりませんけれども、北海道内における今度の、もしもこの法律の改正が通ったならば、おそらく開港を取り消されるのじゃないかと思われるのに、根室、留萌、稚内の三港がありますけれども、これらの港の戦前の実績を調べてみますと、ほとんどが中国との貿易、間々、わずか顕微鏡で見なければならぬ程度アメリカとの貿易がありますが、そのほとんどが中国との間における貿易で戦前は成り立ってきたのであります。ところが戦後御承知のように中国との間における国交が未だに正常化されておりません関係上、貿易の額も伸びないということになっておりますが、しかし漸次御存じのように民間との代表の間における貿易の取りきめ等によって多少なりとも伸びる可能性が芽ばえつつある今日であります。しかしこれも一年や二年でそう中国貿易が実績を上げるということは考えられませんが、そういう見通しが出て参っておりますさなかに、開港の取り消しをするということは私としてはあまりひどいじゃないか。かりにあなたの方の言われる理論としては、ここにいる人間、施設、それから維持並等で予算上だいぶ影響があるという御意見でありますけれども、おそらく私は北海道内における三港の取り消しをやってみても、ここの税関職員などというものは合計して十人足らずの人間じゃないかと思います。しかもその維持費といいましても、そう大きな金額じゃないのじゃないかと思うのでありますが、この税関職員の費用、それから維持費その他それ以外に国として開港していることによる損失といいましょうか、実績のない港が開港していることによる予算上の損失というようなことがあるかどうか。あるとすればどういうものなのか。これは関税面接の担当ではわからない部面もあると思いますから、政務次官に一つ御答弁をいただきたい。他にどんな影響があるのかどうか。税関の立場だけではないですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/76
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077・白井勇
○政府委員(白井勇君) これは今の大矢委員の御質問ごもっともと思いますけれども、むしろやはりあまり出入りのない、貿易上から見ましてあまり必要がないというところに、四人でも五人でも置きましてむだな働きをさせておりますより、もっと働きのある有効な用途があるわけですから、そういう方面に人も振り向けていくし、経費も使っていきたいというようなことを考えていくのが適当ではないか、かように私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/77
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078・大矢正
○大矢正君 たとえば北海道の留萌港の場合には、重要港湾指定といって、国が積極的に予算を注ぎ込んでいる。ところがその港が開港を取り消されるでしょう。どうも話としては矛盾があるのじゃないかと思いますが政務次官どう感じますか。片方は取り消される、片方は国に重要港湾として予算を一生懸命注ぎ込んでいる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/78
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079・白井勇
○政府委員(白井勇君) これは先ほどからのお話のありました通りに、まあ裏日本関係の港がソ連なり中央なりの貿易の盛んでありましたときは、これは繁昌している、これからまた順次回復しつつあるというお説でありますが、やはり現状はどこまでも数字に示されているような状態であるわけでありまして、これは決して一時かりに閉鎖になるようなことになりましても、実情がそういうふうにまた開かなければならないというような貿易状態になって参りますれば、それはそのときまた措置できるわけでありますから、その点差しつかえないのじゃなかろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/79
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080・野溝勝
○野溝勝君 関連質問。私は今大矢委員の言われるようにこの留萌閉港に関しましては、すでに重要港湾として設定をされて次々計画を軌道に乗せるように努力されている。さらに根室、稚内につきましては、北海道の開発計画の中にもすでにこれらは織り込まれているわけです。政務次官は時期がくればまた開港することもできるというようなことで御答弁があったのですが、私はさような思い付きで重要開港に設定したり、あるいはまた北海道庁開発計画の中の港としてこれを当然計画の中に入れておきながら、一つの行政系統が勝手に総合的な計画のワクから離れて、かような私は片言隻句の行政をされたんでは、下人民が非常に迷惑をすると思う。ですからこういう点については、これは北海道庁の総合開発計画の北海道開発庁長官——北海道担当大臣、そういうものを呼ばわって、特に大蔵当局はこういう政府の計画とこれはマッチしておるのか、あるいはその計画とは別にこれをやっても差しつかえないというのか、私は日本の行政である以上、これは総合計画の一環としてこれを見なければならぬと思うのでございますが、この点に対する御所見を二つ承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/80
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081・白井勇
○政府委員(白井勇君) 私今大矢委員に申し上げましたことは、大矢委員が北海道は今までの数字をごらんになりますというと三港ばかりこの条件に当てはまるようなことになりまして、一応取り消されるのではなかろうかという御心配であろうかと思います。私はその通りになるということを申し上げておるのではないのでありまして、かりにそういうことになりましても、事態が必要が出て参りますれば、これはまた指定というものはすぐできるのだということを申し上げているのでございまして、北海道の開発に総合的な計画を立てておりますことは、私もよく承知いたしておりますし、その観点からどうのこうのということで、私は申し上げたのではないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/81
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082・野溝勝
○野溝勝君 主税局長の見解は、総合の一環としてやられておるのか、行政系統の、たとえば大蔵省の見解でやっていくのか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/82
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083・原純夫
○政府委員(原純夫君) 私はこういうふうに考えますが、大へん御質問の趣旨に逆になるようで申しかねるのですけれども、やはり港湾関係の予算を全国の港湾のうちどこにつけていくかということにいろいろ問題があると思います。そういう際に地元の熱望があるということも事実でありますが、同時にまた集中的にやると申しますか、非常に貿易量の多いところの港湾サービス、港湾施設が足らなくなってきているというのは、これは顕著な事実でございますから、日本経済全体としては、どこに重点をおいておくかというようなことを考えます場合に、必ずしもその地元々々の熱望だけで動かされておりますと、予算の効率的な使用がうまくできないというような面もあろうかと思います。私はおっしゃっている何が間違いだというのではないのですけれども、どうも開港の問題にしましても、港湾予算の配分の問題にしましても、やはり一方で実際の貿易量があるかないかということとからめて、あるところによけい人を動かし、よけい施設の費用を回すというのがやはり全体の効率としてはよろしいわけでありますから、その辺の考慮も必要なんではなかろうか。ごらんになる場合に両方からごらんいただきたいというふうに考えて、私は決して私どもの申しております基準で切るのは一番いい切り方だというのではありませんけれども、やはり船が入ってくるのが何か月に一回だというようなところは整理していく、また整理の結果港湾予算がしばらく減っても、場合によってそれがもっと忙しいところにつくことによって、よりその金が効率よく使われるという面もあるんじゃないか、その辺は彼此合せてお考え願わないといけないのじゃないかというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/83
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084・野溝勝
○野溝勝君 もう一回、関連しておりますからお尋ね申し上げますが、主税局長のお話もよくわかるのですが、一体、三月に一冊くらいの船が入るくらいではとても経済上、また港としての効率からいうたらどうかというような点で考えていただきたいと、こう言うのですが、今、日本は北方政策について、特に農林大臣までが行って日ソ漁業協定を何とかしょうという際なんですね。それから特に北方漁業の開発、北方貿易、こういうことに対して、私は特に北海道なり、日本海方面は港としても相当考えなければならない時期にあると思うのですけれども、重大なそういうときに、稚内にしても、留萌にしても、根室にしても、これは根室などは歯舞、色丹との私は重要な関係港であって、北洋におけるところの方面としては重要な港である、こういうようなところが、私は今主税局長のようなお考えで、今のところ船が入らぬからというような考え方で、これを扱うとか、これを対象にするというような考え方はこれはどうかと思うのですが、そういうような点を一つ御答弁を願って、さらに政務次官のお話によりますというと、何か根室、留萌、稚内が対象になっているのじゃない、こう言われておりますが、この案から見るというと、どうも対象になり、そういうような傾向にありますので、私はそういうことを心配して、将来の日本発展のために、特に北海道開発のためにも重要なる関係があると思いますので、この点をお聞きいたしまして、私の関連の質問はこれにて一時打ち切りたいと思いますが、この点一つ御所見をお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/84
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085・原純夫
○政府委員(原純夫君) まことにわれわれもこの北方と申しますか、日ソあるいは中国との交流が盛んになることは望んでいるわけでありますが、まあそういう意味で、今か今かというような気持でお待ちになる、それに裏書きされて、こういう問題をお考えになるというお気持もよくわかります。わかりますが、私どすとしてこういう問題を処理します場合にいろいろまあやはり他の港にしましても、そういうような御事情がおありになるわけです。何もそれを冷酷に振り切るとかなんというのではありませんが、やはり何年間に非常に低い実績しかないという場合には、一応閉鎖するということによって、そうしてまたそういう事態がきて盛んになれば、これはまた非常にけっこうなことで、私ども何も少くするのが能じゃなくて、大いに淡々盛んになればけっこうになるわけでありますから、その際はもう予算の方も堂々と要求して、そうして税関の支署をつける、というつもりでおりますので、いろいろに全体を見て、一番能率よく動かすにはどうしたらという気持でやって、おりますお気持はよくわかりますがどこかでそういう正定期町の実績を見るということもいたしませんと、この問題はなかなか始末がつかない。その程度の問題として一つお考えを願ったらいかがかというふうに思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/85
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086・平林剛
○平林剛君 関連して。先ほどからの質疑を聞いておりますと、日本の外交あるいは今後の貿易政策から考えると、北海道の開港を取り消すということは、私は時期的に見て矛盾を感ずるのでありますけれども、答弁では主として現在の実績それから税関行政の合理化というお話に主力がおかれているようであります。そうなりますと、結局定員の配置がえということに主力をおかれているような感じを受け取ったのです。しかしその定員にいたしましてもたかだか五十名、六十名ということになっていますので、この程度の定員は、何も税関の中の定員をやりくりして、その税関行政の合理化をやるだけが能でないので、また別の方から人は持ってきたっていいわけです。特に貿易量が戦前から比較をすれば相当量ふえているにかかわらず、税関の定員の方は一向にふえておらぬということも考えてみて、これは中でやりくりするだけでなく、よそから定員を充実すべきだ、私はそう思うので、これはかねがね主張してきたところであります。お話を聞いてみるというと、どうもその配置がえが主力のように思われますが、他から定員を充実したならば、開港しているものを何も窮屈な基準を設けて開港する理由はなくなる、あるいは消滅するのではないかと思うのですけれどもいかがでしょうか。それ以外に何か重要なことがございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/86
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087・原純夫
○政府委員(原純夫君) 私はやはり置いている人数、それに要する予算、これは大蔵省だけじゃございませんが、ほかの省の関係も、まあ定員をさびしい港に置くのは割合ほかの省は少いでしょうけれども、それにしてもいろいろ仕事があるわけです。それで他に仕事がない、ぶらぶらしているというようなことがあれば、これはやはり整理を考えるというのがやはり私ども忘れちゃならぬことじゃないかと思います。一方で、おっしゃるようなことも、お気持もわかるわけです。それは要するにその境目をどこに引くのが常識的であり、健全であるかということであって、お話のように、そういうことは考える必要がないのだというのではないのじゃないかというふうに考えるのでございますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/87
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088・河野謙三
○委員長(河野謙三君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/88
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089・河野謙三
○委員長(河野謙三君) それじゃ速記るとって。
本案に対する残余の質疑は後日に譲ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/89
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090・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 次に所得税法等の一部を改正する法律案、
法人税法の一部を改正する法律案、
租税特別措置法の一部を改正する法律案、
相続税法の一部を改正する法律案、
酒税法の一部を改正する法律案、
以上五案を便宜一括議題とし、大蔵省当局より内容の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/90
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091・原純夫
○政府委員(原純夫君) 五法案につきまして概要を御説明申し上げます。お忙しいところでございますから、ごく概略を申し上げさしていただきます。お手元に新旧対象表が上っておると思いますが、新旧対象表でごらんいただけると一番都合がよろしいのでございます。
所得税法の分から申し上げますページ数はだいぶございますが、所得税法の一部改正につきましておもな項目を申し上げますと、四つ、五つございます。
第一は、証券投資信託の収益に対する課税方式を変えるということであります。かなり技術的になりますが、ただいまでは証券投資信託の収益は、期中分配金と期末分配金とありますが、そのもとは配当がおもでありますが、河畔に譲渡所得、値上りにより譲渡所得がある。それから第一次余裕金を運用したための利子所得というものがあるわけです。それらを、現在では、それぞれその所得のソース別に、源泉別に、その源泉に合うような税負担をするようにいたしておりますが、現実、証券投資信託の育ち方、実情から申しますと、そうこまかい内訳を考えずに、一本で幾らと課税する方がよろしいというふうに考えるわけであります。そこで一応これを配当所得ということにいたしまして課税をいたしましょう。ただし、まあ完全に配当所得と考えてしまうかどうかというような問題、また配当控除をどの程度に認めるかというような問題等について、必ずしも配当所得そのままの行き方でもいけないというので、一応配当所得にこめて、そして配当控除は一側、この高額な課税所得千万円をこえる部分については五%といたします。これは通常は二割と一割でありまするので、配当控除は半分であるということにいたそう。それから源泉徴収税率は通常の配当並みに一割、まあこれは措置法による特例でありますが一側とする。ただし一割になりますと、現在のこのただいま申した、所得の源泉別の負担と比べて相当高くなりますので、暫定的に来年、三月三十一日までは六%ということにしたいということでございます。それらがこの法案では第九条第一項の二号に、この配当所得の中に入れる規定が書いてございます。それから配当控除自体につきましては、十五条の六というところで配当控除の規定がありますが、そこにその分が加わる。それから最後に申しました暫定的に六%にするというのは、付則の第七項というところに入っております。これがまあ第一の改正点であります。
それから初めの方のこの条文でいろいろ書いてありますところは、ただいまの関係は六条の中にもそれに関連する改正がありますが、それはまあ、それに関連する整理的な改正規定というふうにお考え願ってけっこうであります。
以下次に申し上げますのは、二十六条の一項というところで、三十六条というのは確定申告の規定でありますが、御案内のように給与所得者が給与以外の所得が三万円以下である場合には、確定申告を要しないという規定がありますが、これはいろんな条件が変ってきているので、これを五万円以下ということにしようというのが、二十六条の一項の改正でございます。
それから第三点は、三十六条の五項というのが新たに追加される。これは読み上げます。「確定申告書を提出すべき者でその年中の総所得金額及び山林所得の金額の合計額が千万円をこえるものは、命令の定めるところにより、その年十二月三十一日において有する財産の種類、数量及び価額並びに債務の金額その他必要な事項を記載した明細井を、当該申告書に添附しなければならない。」高額所得者については、確定申告書に財産、負債の明細書を添付をお願いしようという、これは新らしい規定であります。所得の正確な計算のためにいろんな手だてを考え、まあ青色申告というようなものを考えているわけでありますが、高額所得者になりますれば、単純に所得が幾らあるということではなくして、それのもとになる財産、負債について、ある程度の明細を承知いたしたいという気持で、新たにお願いいたしたい、それが第三点でございます。
それから以下、二十六条の二、三あたりは、整理的な改正でありまして、次の項目は第三十一条の第三項というところをごらん願います。
三十一条と申しますのは、これは「確定申告等による還付」ということでありますが、その三項のところに、還付について、還付加算金をつける期間を修正する規定部分がございます。これは先般、実は還付の事務について、徴収事務一般につきまして、行政管理庁の調べが行われました。その際指摘されたことでありますが、還付加算金が非常に多い、この多い理由に、仕事がおそいということもあるが、しかし制度的にどうも、政府がそれまでの義務はないのじゃないかと思われるような時期についても、還付加算金をつけるために重くなっている、たとえて申しますと、三十一条の三項にありますように、確定申告を出さなかった、非常におくれて期限後申告を出してきた、その人は予定申告で予定納税である額を納めておったが、確定申告をした結果、もう税額はありません、予定申告は納め過ぎでしたというような場合に、一年もおくれて持ってこられましても、それを全部還付加算金をつけるという制度になっているわけです。それはおかしいというので、おくれた期間に該当する分はつけない、つまり申し出がおくれた分はつけません。同様なことは三十二条の方に行きまして、修正確定申告の場合、それから減額決定によってそういう事態が起った場合にも同様なことがあります。こちらの責任のない期間については、還付加算金の計算をいたさない、除算するということ、これが第四点であります。
それから第五点として、これは昨年の改正法の付則を改めるのでありますが、共済組合年金の給付を昨年来給与所得とみなしておりますが、その源泉徴収について、こまかいもの、九万円に満たないものはその必要がないというふうにしていただきたいというのが第五点であります。概略それだけでございます。
ここで、先ほど申し上げました第二点の、三万円を、五万円にいたします点でちょっと申し落しがありましたので、つけ加えます。確定申告について、給与所得以外の所得が五万円以下ならば、確定申告を要しない、今回、その五万円以下と言いましても、同族会社等からもらう、給料のほかに、会社に不動産を貸しましたり、あるいは金を貸したりして、それの利子だの、不動産所得が入るというような格好で、所得が分散されている、それも五万円まではいいということになりますと不当なので、そういうような場合、同一のソースからそういうような関係の人が受け取るものは、これは五万円に満たなくても合算いたします。ということを新たに加えましたので、その点を申し加えさしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/91
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092・土田國太郎
○土田國太郎君 何条ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/92
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093・原純夫
○政府委員(原純夫君) それは二十六条の第二項でございます。二十六条一項の一号に「その他の所得の金額が五万円に満たない場合」というふうに書いてございます。今、私が最後に申し上げましたのは、その一号の前の頭書きのところで、カッコの中に「給与所得の支払を受ける者がその不動産その他の資産を当該給与所得の支払者の事業の用に供することに因りその対価の支払を受ける場合のうち命令で定める場合を除く。」というのが、最後に申し上げた分であります。
これで所得税法関係での要点の御説明は終ります。
次に、法人税法の改正案につきまして申し上げます。
ここでは改正の要点は四点であります。
初めの方の九条の六のところは、先ほど申し上げました証券投資信託の改正、これが法人の場合でも、例の配当益金不算入というような関係がありますので、その関係の規定が調整される。事柄の内容は先ほど申し上げました通りであります。
次が十七条、税率であります。これは要綱ですでに御存じの通り二%下げる、それから軽減税率の適用の幅を百万円から二百万円にするというのが入っておりますが、さらに清算所得の税率につきましても、ごらんの通り二%ずつ下げております。
これが十七条、税率の改正であります。
次は十八条、二十一条というところに、申告の規定がありますが、これの申告期限につきまして、十八条の第一項をごらん願いますと、「災害その他やむを得ない事由に因り決算が確定しないため、」申告書を提出できない場合には、「政府の承認を受け、その決算確定の日から二十日以内に、これを提出することができる。」となっておりますのを、改正いたしまして、「政府の承認を受け、その指定した日までに、これを提出することができる。」というふうに、災害等による確定申告書の提出期限の延期をいたします場合に、「決算確定の日から三十日以内」というのを政府の「指定した日」というふうに改めたいと思います。これは、「決算確定の自から」といいますと、そういう場合に、会社が決算を確定しなければ、いつまでも確定申告を出す義務がないというようなことになって、実際上はなはだ困る事態が起るわけであります。そういう意味では、若干、現行法が考えが足りなかったと思われますので、そこを整備いたしたいということであります。
それから第一点は、先ほど所得税について申しました還付加算金の計算をする期間について、どうもこういう期間まで加算金をつけなければならぬ、利息をつけて返さなければならぬという理由はないではないかというので、期間をはずすというのが、二十六条の八、二十三条の二というようなところに、先ほどの所得税法の場合と対応する規定が入っております。
それから証券投資信託の関係で各所に調整が入ります。大体大きな改正は、そういうことでございます。
それから、第三に相続税法でございますが、相続税法につきましては、いわば、今回かなりに根本的な再検討を行なったわけであります。その結論として、すでに申し上げたことと思いますが、いろいろな議論がありました結果、やはり現行の遺産取得税体系というものは捨てちゃいけないだろう。しかし現行の税法では、遺産がどういう人に、またどういう多数の人に分割されるか、あるいは少数の人に分割されるか、分割の度合によって税負担が、ほんとうに、一けた違うというどころじゃなくして、ゼロになったり、非常に多くなったりということになり得るような現行法でありますので、そういうことのないように、かつ、どうも現行法では、小さな低い財産階層の場合、かえって負担が実際上重くなるということもございます。それらを考えて、そういう階層の負担を大幅に軽減したらどうかというような、この二つのアイデアで改正案を組んだわけであります。
そこでこの法案について申し上げますと、初めの方は、若干仕組みが変りましたから、たとえば一条自体から変っております。ある人が死亡して相続が起るという場合に、相続人が相続いたしますものと、それから遺贈によって遺贈を受ける人とは、現行法においては、前者は相続税、後者は贈与税を納めるということになっているわけであります。今回は、それを全部相続税ということに改めるというようなことから、一条、三条というようなのが変っておりますが、これらは、そういう体系の整備に伴う、いわば調整というようなことでありますから、ずっと最初の総則のところは、そういう意味で省略さしていただきます。
第十一条以下に、相続税の課税価格、税率及び控除というところがございますが、その一番の中心は十一条、これが今度の改正の一番中心的な条文であります。読み上げます。「相読税は、本節に定めるところにより、相続又は遺贈に因り財産を取得した者の被相続人からこれらの事由に因り財産を取得したすべての者に係る相続税の総額」、ちょっとたどたどしい書き方でありますが、要するに、「相続又は遺贈に因り財産を取得した……すべての者に係る相続税の総額を計算し、」というのが第一段であります。まず何人相続する、あるいは遺贈を受ける、それを問わず、それの税額の総額をまず計算いたします。それから「当該総額を基礎としてそれぞれこれらの事由に因り財産を取得した者に係る相続税額として計算した」、要するに按分額によって、個々の収得者の相続税をかけると、これが一番の中心的な規定で、それでは、総額はどう計算するか、それからその按分の際はどうやるかというのが、第十五条以下に入っております。その間の規定は、課税価格、非課税林産、それから債務控除というようなものでありますが、そこにも若干申し上げる点がありますが、話の大筋を進めるために、十五条から、まず総額の計算であります。総額の計算については、十五条に、肩に題がついて、「遺産に係る基礎控除」というふうになっております。
まず遺産全体を見て、そして遺産から幾らまでは控除するということをいたします。その控除額は百五十万円、これは文句なしに控除する。さらに法定相続に、一人について三十万円、普通の場合四、五人おりますから、五人とすれば、百五十万円加えて、百五十万円、百五十万円で三百万、これまでは、要するに控除してしまう。だから遺産総額が三百万円以下なら、それで法定相総人が五人あれば、これはもう全然相続税額は総額がないわけですから、ゼロになってしまうというわけです。現在では取得者一人ごとに五十万円でありますから、五人で取得すれば二百五十万円ですが、実際はあなたはほんとうに相続したのかどうかということを問いただすために、たとえば農家のように、実際は長男が相続しているという場合に、正直なうちだと、いや、あれは兄さんですと言えば、もう兄さん一人五十万円しか控除を受けられない。ところが税務署にはもうシラを切って、五人が全部相続したと言えば、共有であると言えば、それで通るということになれば、五人いると二百五十万まで非課税になってしまうということになるのですが、今度はそういうがんばったり、税務官吏がごつく問うたり問わないだりで、変ってはいかぬから、もうこれは客観的にぴちっといこう 遺産額から今のような動きのないものを控除する。控除額も実際問題として、現に控除されている平均額は百三十万円あまりですから、一つの相続について、そういう五十万円を幾つか寄せていったものの平均が、百三、四十万円ということになっておりますから、これが三百万円程度にふえる、相当ふえます。これが第一であります。
それから第十六条で、この基礎控除をされた残りに税率をかけますと、税率が書いてあります。この税率もただいまの税率とはかなり調整をとって、下の方が軽減されるようにいたしてあります。下、十五条、十六条で遺産総額をみて、それから控除分を除いて、その残りを今度は、一本として税率をかけるのじゃないのです。やはりたくさんの人が分けるならば税は低い。しかしその場合に五十人も六十人も知り合いを連れてきても、現在の法律ではいいことになっているのですが、それはいけませんと、やはり法定相続人の数で分けます。法定相続人が法定相続分に従って分けるという仮定をして、そういうふうに分けたとして、それぞれの取得分をまず出す。その取得分にここにある税率をかける、この税率は従来の税率よりも、今申したように下の力が軽くなっているということです。そうしますと、実際の取得はとにかくとして、法定相続分での税額が一人々々出て参ります。それを合計する。それが相続税の総額だということをまずきめるわけです。実際に税を払っていただくのは、実際に財産を取得した方が、取得した対応の額に応じて納めていただくということにしなければおかしいわけですから、その総額を今度は実際に取得した財産によって按分するというのが、十七条、十八条に出て参ります。
十七条、十八条は各相続人あるいはもうその場合は相続人以外が遺贈を受けて取得すれば、それも按分でいただきますということになっております。その場合はそれじゃ五万円もらっても、十万円もらっても、税金を按分で払うのか、現行法では五十万まではとにかくかからぬじゃないかということがありますので、十七条で五十万は控除いたします。ただし相続人じゃない人が遺贈でもらう場合は、やはり実質贈与のようなものですから、控除額は贈与税の基礎控除、ただいま十万円を今度三十万円に改めようといたしておりますが、そういう人は二十万の控除ですと、こういうことにいたそうというのが十七条であります。あまり人数が多くて控除額が多すぎる場合には、按分で圧縮するという規定が二項に入っておりますが、細かくなりますから省略いたします。
十八条にいきまして、十八条は、そうやって各人が実際に収得した財産から五十万なり二十万なりを引いた残り、その残りで先ほど申し上げた総税額を按分しますというのが十八条に出ておるわけであります。十八条の二というところで、相続人が取得する場合はそれだけでいいけれども、それ以外の人が収得する場合においては、税額を二割増しした額にいたします。これは親等をこえて、子供をこえて孫にやってしまうというようなこと、悪いとはいえないのですけれども、贈与税の負担から見ますと、世代から世代へ移るという前提で多くの場合の負担は考えられておるわけで、そういうようなことがありましたり、また他の人が、相続人でない人、血縁関係のうすい人か受け取る場合は、だんだんさっき申しました、何と申しますか、取得の事情といいますか、昔から親等の差によって税率に差をつけるという考え方が各国にもあります。そういうような考え方も入れまして、親等の遠い人、一親等の血族以外の人、配偶者以外の人については二割増しをするという規定を新たに入れるということにいたしております。これが一番中心的な規定であります。
前に戻りまして、十二条の非課税財産のところでつけ加えて申し上げることは、退職給与、退職手当について、今度は相当ゆるくしよう、非課税の範囲をゆるくしようということにいたしております。現在は退職手当については五十万円までがトータルで控除される。相続人が何人おっても五十万円だ。生命保険の方は受け取る方一人当り五十万円まで控除するということになっております。どうもその辺がバランスがとれなし。退職手当の本質を考えて、相続人の数、相続人一人当り五十万円までよろしいという考え方で、相当大きくここをゆるめております。
それからあと第十九条は、相続開始前の、亡くなる直前の贈与、これは贈与税というものは相続税の補完税でありますから、一生の贈与を相続の際に相続財産と合算して、贈与財産を合わして精算するというのが、一番そういう意味では理想的な税制であり、シャウプもそれを一時とったわけでありますが、それはとてもできない。さらにまた相続開始前二年以内の贈与は相続財産に合算して相続税をかけるということにいたしておりますのを、他の贈与税における改正とも照応して、三年以内のものはまとめようというのが十九条の改正であります。
それから十九条の二、配偶者控除、十九条の三、未成年者控除、これでかなり変った規定が入っております。配偶者控除につきましては、現在は配偶者の取得する財産につきまして財産価額で半分を控除するということになっておりますが、この改正案におきましては、ただいま申しましたようなやり方で配偶者が取得する財産が幾ら、それに対する税額が幾らと出ますと、その税額の三分の一を控除しようというように改めたい。なお配偶者が一億円取得するから、一億円についての税額、まあこれがかりに五千万なら五千万といたしまして、五千万の三分の一を全部控除する必要があるかどうかということを考えて、それには頭を打つ。頭を打つのは、相続財産として三千万程度のところまでは控除するという意味で頭を打つという、二点の改正が入っております。かなりに配偶者控除は、かなりというよりも非常に現在の軽減度合いよりも減ります。客観的に申しまして、現在、半分財産価額で控除になっておる利益と、今度の税額で三分の一控除の利益とは、約、倍半分、つまり当分程度になるというふうに御承知いただきたいと思います。これはいろいろ配偶者控除の本質を考えたり、それから次にくる相続の時期というようなものも考えたりしまして、こういうふうなことにいたしたいと思ったわけであります。米成年者控除は、現在相続人が十八年に満たない場合、その満たない年数に二万円をかけて、その額を財産価額から控除しますが、改正では、満たない年に一万円を税額から控除するというふうにして、非常に高額な相続をする人は若干不利になる。しかし大ていの人は現在よりも有利になるというふうにいたしてあります。
次は第二節、二十一条の二以下の贈与税のところでありますが、贈与税のところで改正いたしました重点は、基礎控除を二十万円にした。これは二十一条の四であります。それが一つ。それから三十一条の五で税率を若干かえたということ、下の方は軽くなっておりますが、上の方はむしろ若干重くなる、こういう結果になっております。それから第三点は、二十一条の六で、三年以内に同一人から贈与があった場合には、その三年間の贈与を一緒にして、それに控除、その場合の控除は一年十万円、一年について十万円ずつの控除をして、その残りは一体としてこの税率を適用して精算するという規定を新たに設けるということにいたしております。これらの改正の考え方は、細かいものは追わない。十万を二十万正基礎控除は上げる。しかし贈与税はやはり相続税の補完税としてなるべく厳密な対応関係をもたせたいということから、ある程度何人にも分散するということと、それから時間的に毎年毎年分散する、その両面に問題があるわけでありますが、何人にもということは、なかなかそうはいいましても、赤の他人にやってしまうということはなかなかないので、法定相続人あるいはそれに近い親族というものであろう、そういう分散を一応考える。なお時間的には、毎年の贈与を、三年間はお父さんから毎年々々もらっておるという場合は、三年間分ずつはこれは一緒にしますというのが設けてあるわけであります。そして税率が、先ほど申したように、下が若干軽くなるが、上に若干重くなるというような点は、これは通常の生前の財産分散いうようなことがどんな格好で行われるだろうか、極端にやれば、ずい分分散されるわけですけれども、一応こんな程度というような類型を考えまして、そういう類型においても相続税負担とバランスがとれるようなということを考えたわけであります。非常に技術的でありますから、省略いたしまして、もしなお詳しく必要でございますれば、詳細は、資料をもって申し上げる。またこの関係は資料がお要りになると思うので、別に作って別途提出をいたしておるつもりでございます。
ただいままでのところがおもな改正で、あと申告規定等にも若干の改正はございますが、実体論としてはもうこれがほとんどであります。あと手続的なところで申し上げたいのは、三十八条に延納の規定がございますが、現在税額が五万円以上でありますと、五年の分納ということは権利のように延納ができるということになっておるのです。これはあまりひどいじゃないか、やっぱり五年延納には十五万円なくちゃいかぬ。つまり現在は年一万円ずつ納めればいいというようなことになっているのですが、せめて三万円ぐらいまでは納めてもらっていいのじゃないかということが三十八条に入っております。
それから五十二条のところで利子税、立木についての相続税の利子税を一銭五厘にするという規定か入っております。
なお条文は各章に分れますが、いろいろな配偶者控除、未成年者控除等について、現行法は、申告書の提出がないと、それはだめですよ、というようなことをいっておるのですが、相続税の場合にちょっとそういうことをいうのは少しあこぎではないか、申告書がなくて、あとで出そうというときにも認めるということにしております。大体それだけでありますが、これの適用は本年一月一日以後の贈与、相続について適用したいということになっております。
次は酒税法であります。
酒税法は簡単でありまして、第二十
二条の税率、これはもうごらんになってそのままでありますから、省略いたします。
それから特殊用途酒類については別途特別措置法で規定されておりますが、そちらの方で措置をする。特殊用途酒類の方は税率を下げないということでございます。これはだんだん正常化するにつれて一本税率にするという既定の方針を続けるというためでござ
います。
最後に租税特別措置法の改正について申し上げます。一番重点であります貯蓄控除を先にやらせていただきます。
第四十一条の二というところに貯蓄控除が出ております。新しく節を設けまして、そして二から六まで五カ条にわたっております。第一が用語の意義、そしてここに貯蓄控除を受けられる預金その他の条件が、一号、二号、三号、四号、五号ということで入っております。ここが実質的には一番厄介なといいますか、問題のところでありますが、一号は、この預貯金が自己名義でなければならぬ。二号は毎月引き続いて一定額を積んでいく。六カ月以上その積みたてをやらなければならないということ、特別の場合には例外を認めるということが書いてあります。三号は、その貯蓄が平均二カ年間以上貯蓄になるものでなければならないというのが書いてございます。四号は、途中で解約をしてはしけない。また担保に供してはいけない。もちろん絶対禁止ではありませんので、解除いたしますと控除した税額を取り戻されるということが後の条文に出て参ります。第五号は若干こまかいのですが、公社債の繰り上げ償還あるいは新株発行とか株式譲渡とかいったような場合には、一体二年間貯蓄を続けるということはどういうことになるかというのを政令に譲るということであります。
四十一条の三で、控除が百分の三ということが書いてございます。それから四十一条の三の二項がちょっと普通と違うところで、税額があとで更正決定されて修正申告があったというような場合に、貯蓄控除を前に受けているけれども、更正決定した結果所得がふえた。ふえたのだから、あの控除はもっとよけいやってもらえるはずであったというようなときに、一々それを直しておると、減った場合には控除し過ぎたといったようなことになりまして、一々直していては、とてもいけないから、それはもう確定申告のときの控除額あるいは年末調整のときの控除額で勝負をつけてしまいたいというのが三項に入っております。
以下は申告書それから解除の場合の取り廃しというようなことですから、省略いたします。
貯蓄控除についてはその程度にいたしまして、あと措置法の中でいろいろ入っておりますのを、条文順を追うて申し上げて参りましょう。
第十二条、これは個人のところでありますが、特別償却は法人のところの方が感じが出ますから、特別償却はずっと飛ばしていただいて、第二十四条、その前は法人のところで同じ規定が出て参りますから……。そこで第二十四条、開墾地等の農業所得の免税、これを期限を延ばす。三十六年三月三十一日まで延ばす。
二十五条、土地改良事業施行地の後作所得の免税、これもそれぞれ若干手を加えておりますが。あまりに大きな点はございませんから、後ほどまた必要に応じて申し上げることにいたします。
それから貯蓄のところを飛びまして、四十四条以下に特別償却その他の法人税関係の改正があります。
四十四条、試験研究用機械設備等の特別償却は、今は三年間で均等償却させるというのを、最初の一年に半分償却して、次の三年に残りを償却する、こういうふうに改めます。
それから四十四条の二というのは、新設の条文であります。新技術企業化用機械設備等の特別償却、期限は昭和三十八年三月三十一日までの間、五年間ということにしまして、企業合理化促進法に規定を設けまして、新しい技術が成功した、しかし企業化についてどうも足が進まないというときに、この刺激をつけようという意味で、企業合理化促進法の方で、通産大臣、大蔵大臣と御相談して、これは新技術の企業化であるという判定をされますと、その判定に基いて、取得した機械設備等につきましては特別償却を認めようという規定であります。その特別償却は初年度二分の一できるという、まあ、かなり強い特別償却であります。
それから四十五条、これは期限の延長で、協同事業用機械等の特別償却、それから次の新築貸家住宅の割増償却、海外支店用設備等の特別償却、これらはいずれも期限の延長であります。延長の年限はそれぞれその性質に応じて定めたつもりでございます。
次に第五十四条、輸出損失準備金勘定への繰入金額の損益算入、これも延長する。先ほどの海外支店用設備等の特別償却と、この輸出損失準備金勘定への繰り入れの期限の延長、これは輸出所得控除の制度を昨年御記憶の通りまた一段と拡充いたしまして、税制調査会の答申では、この二つは期限でやめたらどうか、いろいろ制度としての問題もあるし、ということでありましたが、何分今輸出振興が一番の至上命令だというときでありますので、輸出所得控除の期限と同様に、昭和三十四年一ぱいはこれを続けるということにいたしております。
それから五十五条の輸出所得控除の条文におきましては、三国間輸送について取引基準の率を上げるというのが
一項十一号の改正、それから紡績会社の下請についても輸出所得控除を認めるというのが、これは八号に縫製加工というのを入れて、その意味を表わしておりましてその三点であります。
それから五十五条の二、それから五十七条というあたりは整理というふうにお考え願います。
それから七十二条以下、これは登録税でありますが、これは税率軽減の期間を延ばそう、建築ならば建築五カ年評画の周期に合わして三十七年三月三十一日まで、その他それぞれに応じまして期間を延ばす、ずっと登録税の税率が続いております。七十九条外航船のところまで続いております。
それから九十一条は、貯蓄奨励の関係の契約には印紙税は課さない。
それから九十二条で、航空機の乗客の逆行税の軽減をもう一年続けるということに相なっております。
付則については特に申し上げるところはございません。
大へんかけ足でございましたので不十分かと思いますが、これで終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/93
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094・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 以上、五つの法案に対する質疑は、都合により後日に譲ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/94
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095・平林剛
○平林剛君 いろいろ勉強いたしまして、追って資料の提出はお願いいたしますが、とりあえず、所得税法の一部を改正する法律案に関しては、証券会社別クローズ型、オープン型それぞれ残存元本、設定額、償還額、解約額等についての資料をお願いをいたしたいと思います。それから法人税の一部を改正する法律案に関しては、今回の改正案による法人企業と個人企業との税負担の比較、それからできれば、社会党の修正案が提出をされておるから、社会党の修正案による法人企業と個人企業との税負担の比較はどうなるか、これがわかるような資料をお願いしたい。それから会社別、資本今別法人の所得区分、これは従来税制調査会におきましても御提出になったかと思いますが、これを一つ知らして下さい。その次は簡単な資料ですが、改正案によりますと、法人の実効税率がどう変化してくるか、法人の実効税率の変化につきましてわかる資料をお願いをいたしたいと思います。あとは、また勉強いたしましてお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01719580320/95
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096・河野謙三
○委員長(河野謙三君) ほかにありませんか。
本日はこれにて散会いたします。
なお次会は二十四日月曜日午後一時といたします。
午後四時五分散会
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