1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年三月二十五日(火曜日)
午前十時四十五分開会
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出席者は左の通り。
委員長 重政 庸徳君
柴田 栄君
藤野 繁雄君
清澤 俊英君
鈴木 一君
上林 忠次君
委員
秋山俊一郎君
雨森 常夫君
佐藤清一郎君
関根 久藏君
田中 啓一君
田中 茂穂君
仲原 善一君
堀 末治君
屈本 宜實君
東 隆君
大河原一次君
北村 暢君
千田 正君
北條 雋八君
政府委員
農林政務次官 瀬戸山三男君
農林省農林経済
局長 渡部 伍良君
農林省振興局長 永野 正二君
林野庁長官 石谷 憲男君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
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本日の会議に付した案件
○農業改良助長法の一部を改正する法
律案(内閣道付、予備審査)
○分収造林特別措置法案(内閣提出)
○森林開発公団法の一部を改正する法
律案(内閣提出)
○農林漁業団体職員共済組合法案(内
閣提出、衆議院送付)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/0
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001・重政庸徳
○委員長(重政庸徳君) ただいまかららら農林水産委員会を開きます。
農業改良助長法の一部を改正する法律案(閣法第一四二号、内閣提出、予備審査)及び分収造林特別措置法案(閣法第一四五号、内閣提出、参議院先議)を、一括して議題にいたします。
まず、提案理由の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/1
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002・瀬戸山三男
○政府委員(瀬戸山三男君) ただいま議題となりました農業改良助民法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
農業に関する普及事業は、昭和二十三年に制定されました農業改良助長法に基き、国と都道府県とが協同して全国に約一万二千名号の農業改良普及員及び生活改良、普及員を設置し、これらの改良普及員が直接農民に接して農業または農民生活の改善についての科学的技術及び知識の普及指導に当ることを基幹として実施して参ったのでありますが、最近における農業技術の急速な進歩と農業経営の多角化とに伴いまして、従来にもまして、高度のかつ総合的な技術指導に対する要請が高まりつつある現状でございます。
この要請にこたえ、従来、普及事業が能率的な農法の発達、農業生産の増大、農民生活の改善等を通じて農業経営全般の安定確立のために果して参りました役割を、将来にわたって維持し向上いたしますためには、個々の改良普及員の技術指導の能力の向上をはかることはもちろんでありますが、さらにその普及活動の連絡調整を強化して普及指導の効率化に努めますとともに、地域の特性に応ずる各種の農業技術を総合した普及活動の推進をはかることが必要となるのであります。
従いまして、農業改良助長法の一部を改正し、都道府県に条例をもって改良普及員の行う普及活動の連絡調整並びに各種の農業技術及び知識の総合的な普及指導の推進に関する事務をつかさどる農業改良普及所を設置することとし、これに改良普及員を所属させることといたしまして、右の要請にこたえることといたしたいのであります。
以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の大要でございます。
次に分収造林特別措置法案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
最近における木材の需要は著しく増大し、昭和三十一年度においては、戦前基準年次の二倍に達したのでありますが、なお将来のそれを見通しました場合、昭和七十年における木材需要は、さらに現在の二倍近くに増大するであろうと推定されておるのであります。このような情勢に対処いたしますためには、人工造林面積を、経済的及び技術的に可能な限り拡大することがきわめて必要でありまして、これにつきましては、森林所有者の自力による造林を中心として、人工造林面積を、計画的に拡大することを目標として推進いたしているのでありますが、資金、経営方等の関係で、補助や融資の措置を講じても、なお自力では造林することが困難なものにつきましては、土地所有者以外の者の資金や経営技術を導入し、その収益を分収するという形の造林、いわゆる分収造林を積極的に進めることが必要であります。
この法案は、以上述べましたような趣旨に基きまして、分収方式による造林を進めて参ります上に必要と考えられる措置を講じようとするものであります。
すなわち、その内容について御説明いたしますと、第一に、都道府県知事は、契約当事者になろうとする者からの申し出があった場合には、適正な分収造林契約が締結されるようあっせんに努めなければならないものとし、第二に、分収造林契約にかかる共有樹木については、契約の安定性を確保するため、民法第二百五十六条の共有物の分割請求の規定を適用しないものとし、第三に、地方公共団体が条例で特に重要な財産として定めている土地について、分収造林契約を締結することにより、その土地の独占的な使用を許す場合において、その期間が 「十年」をこえるときは、住民投票によらなければならないこととなっているのを、「五十年」に延長ずるため、地方自治法の特例を設けることであります。
以上が、この法律案の提案の理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あつらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/2
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003・重政庸徳
○委員長(重政庸徳君) これらの法律案の審査は、日をあらためて行うことにいたします。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/3
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004・重政庸徳
○委員長(重政庸徳君) 森林開発公団法の一部を改正する法律案(閣法第一三九号、内閣提出、参議院先議)を議題にいたします。
この法律案につきましては、去る三月十八日の委員会において提案理由の説明を開いたのでありまして、本日は、まず法律案の内容その他参考事項について補足場説明を聞き、続いて審査を行うことにいたします。
まず、補足説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/4
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005・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) さきに説明のありました提案理正由に補足いたしまして御説明を申し上げます。
森林開発公団の事業の概要につきましては、提案理由の説明で申し上げました通り、本年二月末日現在におきまして完成いたしました路線は、五本二十一キロ、現在工事施行中のものでありまして本年七月末までに完成路線と相なりまするもの十本延長七十五キロ、現在工事施行中でありまして本年七月末までに約半分の工事を終了いたし、引き続き残余の工事を行いまして、三十三年度中に完成見込みの路線十本その延長百十五キロ、未着手ではありまするが、本年三月あるいは四月の上旬に着工いたしまして、三十三年度中に完成見込みの路線六本その延長六十キロ、現在同じく米着手ではありますが、本年四月中に着工いたしまして三十三年度中に完成見込みの路線二本十六キロ、総体を合せまして路線数三十三本、二百八十七キロと相なっておるのであります。
以上のように、完成いたしました路線はもちろん、部分的に工事を終りました路線の部分につきましては、管理規程を設け、あるいは管理規程の制定未済のものは地元関係者と協議いたしました上で、暫定規程を定めてそれぞれ供用をいたしつつある現状でございます。
また、災害が発生いたしました場合は、公団がその復旧事業を行わなければならないのでありまするが、災害によりまする被害は、工事の終了いたしました翌年度、あるいは翌々年度が最も大きく、自後は路体もよく固まっておりまして、急激に減少する傾向にあるようであります。
災害復旧に必要な経理は、大体三・五・二の割合で三カ年間に国庫補助が出され、これに見合って復旧工事を行うことが通例でありまするが、公団林道が、基幹線林道として重要な路線でありまする関係からいたしまして、早急に復旧工事を行ない、利用に支障のないように努めることが要請されるわけであります。従いまして、いわゆる施越工事をやらなければならないことをあらかじめ予定しなければならないのでございます。
かかる不測の災害復旧に要しまする事業資金は、公団が三十一年度に引き続き、二年度、三年度ともに余剰農産物特別会計資金を借り入れることができました場合におきましては、公団の余裕資金で十分にまかなえる見込みであったのでありまするが、その資金を資金運用部資金に依存することと相なりましたので、この手持資金が減少いたしまして、公団債の発行を必要とするような場合があり得るように考えられるのであります。
公団が債券を発行いたしまする場合の条件は、額面百円といたしました場合、発行価格九十八円、年利七分五厘償還期限七年以内でありまして、これに手数料等を加えまして発行者利回りは八分八厘程度となる見込みでございます。
こうした起債をいたしましたような場合、公団の経理に及ぼしまする影響はどうかと申しますると、その収支に対しましては十分支障のないように運営できる見通しと相なっておりまするし、この起債能力が与えられますることによりまして、資金運用部からの資金の借り入れがきわめて円滑に参るという効果も大きいのでございます。
なお、すでに申し述べました通り、三十三年度末までに三十三路線その延長二百八十七キロの工事をおおむね先了する見込みでありまするが、本地域には、なお開設を安しまする基幹線十二路線、その延長七十七キロ、工事費八億二千万円余が残されておりまするので、これを昭和三十四年度に工事いたしまして、熊野、剣山両地域の基幹線林道の開発を終る計画でございます。
最後に、法案の内容について概略申し上げますると、改正の第一は、公団は、農林大臣の認可を受けまして、森林開発債券を発行することができる規定を設けることであります。現行法におきましては、公団の資金調達の方法といたしましては、政府すなわち余剰農産物資金融通特別会計または金融機関から長期あるいは短期の借入金をすることに限られておるのでありまするが、公団に債券発行の能力を与えることによりまして、先ほど申し上げましたように、不時の災害復旧の場合等におきましても事業遂行に支障を来たさないようにいたしたいのであります。
第二は、右に述べましたところに関連いたしました規定の整備でございます。その第一は、債権者を保護いたしまするためには、森林開発債券の債権者には、公団の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を与える規定を設けることであります。その第二は、公団は、農林大臣の認可を受けて、森林開発債券の発行に関する事務の全部または一部を、銀行または信託会社に依託することができることといたしまして、この場合に、商法の必要な規定を準用する規定を設けることであります。その第三は、森林開発債券についての発行の方法、申し込み等手続的な事項につきましては、政令で定めるようにいたしているのであります。その第四は、政府すなわち資金運用部等におきましても、森林開発債券の引き受けをすることができる旨の規定であります。なお、政府が引き受ける場合におきましても、その条件は市中公募の場合にほぼ近いものであります。
以上で補足説明を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/5
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006・重政庸徳
○委員長(重政庸徳君) ただいまから法律案の審査を行います。
ます、質疑に入ります。御質疑の向きは御質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/6
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007・柴田栄
○柴田栄君 ただいまもお話がありましたが、この法律案の改正によりまして、森林開発債券の発行は公団の開発林道の災害復旧業等に要する資金をまかなうためである、こういうふうにお話でございまするが、復旧事業等と申しますのは、復旧事業のほかにどういうことを意味しておられるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/7
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008・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) 現在あり得るものとして予定されますものは災害復旧事業だけでございまして、等という表現で申し上げておりまするけれども、具体的な予定はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/8
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009・柴田栄
○柴田栄君 何か想定せられるようなほかの事業もあり得るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/9
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010・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) 御承知のように、事業を行います資金につきましては、さきに余剰農作物の資金を借り入れ、その後、資金運用部の資金を借り入れるということによりまして実行して参りましたし、昭和三十三年度におきましても、この貸金を十五億、事業資金として予定しておるという状況でございまするので、予定されておる資金以外の用途に対しまして、新たなる資金確保をいたしましてやらなければならぬという仕事につきましては、これは災害復旧だけでございます。維持管理の金につきましては、御承知の通り利用料をもってこれに充てるということになっておりますので、災害復旧を除きますというと、その他の資金の見通しはあるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/10
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011・柴田栄
○柴田栄君 次に公団の財産について、他の債権当に優先する、そうして債権の弁済を受ける権利があるということですが、この公団の財産というのは、どういうもの、また額はどれくらいのお見込みですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/11
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012・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) この森林開発公団の運営に当りましては、できるだけ固定資産は最小限度にとどめるような方針で運営して参りました関係をもちまして、現在東京に所在いたしております本所、奈良、徳島に設けております支所、ともに新築はこれを見合せまして、本所は林野庁の施設を改造して賃借をする、支所は県有の建物を賃借をするというようなことでやつておるわけでありまして、そのほか特に固定資産と申し上げるものは、事業実施上必要な器具、備品、車両、こういうもの、及び職員寮が本所一棟、支所一棟、職員情念が、支所につきまして十棟の敷地と建物でございまして、これらの資産の取得総題は、大体三千四百万円ということになっておるわけでございまして、今後も、さらに事業を遂行して参ります上に、これ以上格別固定資産がふえるというような実は見通しは持っておらぬわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/12
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013・柴田栄
○柴田栄君 そういたしますと、大体、債券を発行して災害復旧費に充てなければならないというような従来の経験に徴して、額の見込みというようなものは、どれくらいに考えておられるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/13
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014・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) 先ほど補足説明で申し上げましたように、当初の予定通りに余剰農産物の資金を受け入れることができたといたしまするというと、災省復旧に必要な資金等も大体公団の経理の小で片ずいたと、かように考えるわけでありますが、第三次の余剰農産物交渉がああいう始末に相なりました関係をもちまして、昭和三十二年度におきましては九億の資金運用部資金による借り入れをするということに、実は当初相なっておったのでございまするが、御承知のように、財政投融資計画の変更に伴いまして、そのうちの五億は繰り延べになりまして、四億だけを実は農林水産金融公庫を通じて借りると、こういうことに相なったわけであります。そこで、この四億借りましたものは、これは実は一年間の短期資金でございまして、三十三年には一年に達するものは払っていかなければならない、こういうような状況がありますので、急に実は公団の資金繰りというものが苦しくなって参った、こういう状況が実はあるわけであります。そこで私どもは、この熊野、剣山の両地区は、台風の襲いやすい地区に相なっておりますので、両地区に対しましては、一体工事量に対しましてどの程度の災害復旧費を見込んだらよろしいかということを、いろいろ調査をいたしたのでありまするが、大体工事完成の翌年及び翌々年、これにつきましては工事量の五%程度を考えたらよいのではないか、それからその翌年でありまするから三年目でございますが、三%程度を考えたらよいのではないか、四年目以降になりますると、大体一%程度の率を見込んだらよいのではないかというふうに考えまして、実は昭和三十四年度の災害額見込みといたしましては、既往の事業費二十億に対しまして、その五%の一億程度を見込んでおる。大体この分だけがもしも災害が発生いたしました場合におきましては、債権発行によって資金調達をしなければならぬのではないかというふうに考えておるわけでございまして、三十四年度におきましては、大体事業量三十億の完成を三十三年度中にいたすわけでございますから、大体一億五千万くらいが災害復旧費ということに見ておるわけでございますが、これが公団の目下の見通しにおきましては、公団の資金繰りの中で一応これだけのものがまかなえるということで、実はお手元に差し上げました資料の中にも、三十四年度分の災害復旧費として一億五千万円はこの資金計画の中に実は予定をしておると、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/14
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015・柴田栄
○柴田栄君 そういたしますと、それほど大きな額にはならぬようですが、ただ、財産の評価見込み額というものもずいぶん設備を節約をしてやっておられるということで、あまり多くを求めていないということになるようですが、そういたしますと、債券発行の場合の発行条件を有利にして債券の消化を円滑にするというようなためには、政府の保証等の措置は必要はないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/15
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016・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) これは、まあ何と申しまするか、政府保証があることの方が望ましいというようには、私どもといたしましても考えておるわけであります。他の公団、公社等の場合におきましては、おおむねの場合、政府の債務保証が行われておるということは、御承知の通りでございまするが、債務保証を行なっておりません実例といたしまして、放送債券、電話公債の場合等があるわけでございます。ただ、政府保証をいたしておりまする場合のおおむねの事例を見まするというと、事業に必要な資金の調達に関しまして、当初から相当額の債券発行というものが予定をされておるという状況でございまして、それに対しまして、森林開発公団の場合におきましては、主たる業務でありまする林道の開設、改良等に要しまする事業資金というものは、すべて当初から債券発行によらないで、他の方法で資金調達をするということにいたしておるわけであります。そこで、いわばそういう点の性格が非常に違っておるということも言えるわけでありまするが、ただいま申し上げますように、とにもかくにも債券の発行自体が予見し得ない。従いまして、資金計画の上に具体的に計上するということが困難だということをあわせまして、その見通しが、金額におきましても、そう大きなものを発行するという見通しに相なっておらない。しかも、その経度の額のものであるといたしまするならば、大体公団のいわば資金繰り、収支の中におきまして十分に負担にたえるということ等のために、実は政府保証をいたさないということになっております。ただいまの御質問にありましたように、一体、望ましくないのであるかということになりますというと、保証のある方が望ましいと申し上げなければならぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/16
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017・柴田栄
○柴田栄君 そうすると、あなたの方は望ましいが、なくても不安なくやれるというふうに承知していいわけですね。
それから、続いてちょちっとお伺いしたいのだが、この公団の帝業地区は現在熊野地区と剣山の地区と二つに決定されているようですが、両地区における事業は、多少当初計画からいいますと延びてはおるようだが、先ほど御説明のように、まあその後は順調にいっておるようで、ほとんど大部分のものは三十三年度に一応予定通り完成の見通しがついておる、それは大へんけっこうなことだと思うのです。三十四年度は、そうするとこれらをやってみて、当初計画に対する手直し、さらにまた、集約的な利用のための手画しというような程度にとどまるような気がいたします。この地域については、それで一応目的を達したということになり、目的を達成すれば、従来非常に後進地域とされておった所が、まあ急速に開発される、おそらく経済効果もずいぶん大きく現われてくると、こう思われるわけだが、日本全体を通覧してみた場合に、一部だけをこういう方式でやって、しかも、まあ相当りっぱな成績が期待できるという場合に、これだけで終ってしまうということは、ちょっと、せっかくこういう方式で新しい開発に着手された事業としては、非常に中途半端なような感じがするのですがね。全国的に見て、規模は多少違うかもしれないが、未開発な相当の集団地域はもうないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/17
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018・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) 去る二十四国会におきまして、森林開発公団法が制定されましたときに、当面取り上ぐべき対象といたしまして、熊野、剣山の両地区を取り上げたのでございますが、この理由といたしましては、これらの両地区がいわゆる民有林を主といたしまする地域でありますことと、さらには、未開発な地域が集団的であり、かつ大面積であるということのほかに、伐採跡地は人工造林によりまして針葉樹林へ転換することが、肥効窒素の関係からいたしまして、比較的容易であるということとあわせまして、現時木材需給の状況から見まして、これらの地域におきましては、針葉樹を主といたしまする森林が多く、開発によりまして、針葉樹用材の生産が大幅に期待できるというようなことをあわせ考えました上で、両地域を実は選び、指定をいたしたわけでございます。ところが、一体この地域に匹敵するようなものはないのかということでございまするが、今のように申し上げました条件を具備しながら、この両地域に匹敵するというものにつきましては、なかなかどうも見当らないように思うのでありまするが、ただ、未利用な森林を含みます地域が二万町歩以上というような、いわば残された森林の中で比較的規模の大きい未利用というようなものにつきましては、調べてみますと、大体全国に十五カ所ぐらいあるようであります。その中で、大体北海道に六地域あるのでございまして、内地、四国、九州を通じまして九地域ということであるのでございまするが、これらのものは、相当の部分が国有林であるものがありまして、開発をいたしました伐採跡の人工造林が肥効窒素の関係からいって、早急に進めかねるような状況でありましたり、あるいは用材林、特に針葉樹林が非常に少くて、反面いわゆる薪炭林のようなものが多い。それだけに、受益者の負担能力も低く、なかなか開発のペースに乗りにくい。こういうような性格のものが相当あるのでございます。しかしながら、私どもといたしましては、しからば一体現在のような地域開発方式をもちまして、これらの十五地域というものが全然開発に値いしないものであるかどうかということにつきましては、まだ今後検討の余地があるのだ、こういうふうに考えておるわけでございます。ただ、お説のように、せっかく事業能力も出て参りました公団を、この辺の段階において事業に対して終止符を打つのも実に惜しいじゃないかということになりますると、私どもといたしましても全く同感でございまして、むしろ、今後の方針といたしましては、この地域開発主義というような考え方よりも、重点路線主義と申しまするか、そういうような考え方で、実は問題の検討をしてみる必要があるのじゃないかというように考えておるわけでございます。まあ御承知のように国庫補助六割のいわゆる主幹線林道というものがあるわけでございまするが、これにつきましては大体今後この路線数といたしまして百三十本ぐらいの路線数が予定されるわけでございまして、約八百五十キロばかりの延長を考えなければならぬ。しかも、その工事費は約八十億に達する、こういうことが調査の結果、出ておるわけでございます。この中におきましては、これらの流域に関連をいたしまして、相当程度の国有林というものが、対象地にあるわけでございまして、やはり国有林と民有林を同時開発することによりまして、現下の需給事情に対応して参る、そういうことに必要な路線を、いわゆる主幹線林道といわれるところの中から選んで参る、こういうような考え方を中心にいたしまして、今後、公団で取り上げる林道の対象を研究して参ることがいいじゃないか、こういう実は考え方を一つ持っておるわけでありますが、その場合におきまして、現在の国有林野市業の若干の余力をもちまして、一般林政への協力を推進しようという世論もあり、それに伴う私どもの方の研究も、目下進めておる状況でございますので、果してそれは国有林野事業として取り上げるのがいいのか、あるいは関連するものにつきましては、国有林野事業そのものを公団に委託する。公団側からいきまするというと、国有林野事業の負担部分を公団が受託をするというのでやった方がいいか、まだ研究の余地があると思いますがそういう方向について、この一年間を予定いたしまして研究を遂げ、今後の方針を立てて参りたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/18
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019・柴田栄
○柴田栄君 お話の通り、私も全国の相当未開発の団地とすれば、国有林も含めての地域にかなりあるということを想像しておったわけですが、それについて、公団を中心としての開発に対する御検討をいただいておるということは非常にけっこうなことだと思うし、ぜひこれは一つ、できたら実は今回の公団法の改正までに持ってきてもらえたらというくらいの気持を持っておるわけですが、従来国有林の未開発地域が相当あって、切り口にあるいは民有林、公有林等がある場合にも、これが比較的資力が足りないということで、単独にはなかなか林道がつけにくいということのために、国有林との分担を相当相談をしていただいておるはずですが、その場合に、国有林の経営案による開発年度が合わないということのために、せっかく相当総合すれば完全になりそうな林道も、非常におくれがちだ、やむ得ずその流域の入り口を開発しようとすれば、無理をして民有林関係だけで不十分な林道をつけなければならぬということのために、せっかくの開発がおくれてきておるということで、民有林所有者も相当苦労をしておる。さらに民有林の所有者側、そして下流の林道を開設しようとする人たちにとっては非常な不満があったということも御承知のことだと思うのですが、せっかく自分たちが苦労して作った道を対象として、将来奥地を開発する場合には、そこを国有林が必然的に使うのだ、そんなくらいなら、作るときに最初から協力してくれていいじゃないかというような批判が相当強いのですがね、そういうこと等も考えると、国有林の開発といいますか、平野による開発計画とは別途に、流域の開発ということで公団がこの開発の評面を進めて事業を分担していただくということになれば、これは一つには非常に従来とかく非難をされたり、批判をされたりしておった国有林と民有林との総合開発に対する調整が、まあ一つ大へんよくとれるのじゃないか、こういう気がするので、それもぜひ総合的な林政としてお考えをいただきたいという気がいたしますが、さらにまあその際に、従来の公団の事業ですと、公団の準備しまする賞金に対しまする分担金等で、なかなか交渉も困難な場合もあったのじゃないかと思うのだが、国有林の場合には、もう少しその分担金を国有林側で早く支出するというような措置も講じて、協力といいますか、まあ国有林の特別会計が、一般民有林開発にも相互的に協力するという形がとれれば、さらに林政は円滑になるのじゃないかというような気もするのですがね。ですから、それらの点を含めて、引き続いて公団が運営できるように、公団法のまた根本的な改正を進めていただくというお考えはあるかどうか、その辺を一つ承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/19
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020・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) ただいまのお話のごとく、従来からいわゆる関連林道、これに対しまする一貫開発という主張はあったわけであります、ところが、申し上げるまでもなく国有林の事業と民有林開発事業というものは、それぞれの施行主体が違うということのために、一たんそういう約束のもとに仕事を始めておりましても、それぞれの予算事情等の制約を受けまして、そこにちぐはぐが生じてくるという事例は確かにあったわけでございます。そこで、これを抜本的に是正をいたしまするためには、こういった関連事業の施行主体というものを一本化するというものが、ぜひとも必要になって参ります、かように考えておるわけであります。
それから、かたがたたとえば国有林野事業におきましては、次期以降に指定をされておるということのために、関連林道は取り上げにくいというような実は事情もあったのでございますが、これはいわば一極の形式論でございまして、林道のないために、あえてこれを次期に組み入れをしておるというようなことでございますから、確実に林道がつけられるということになりますれば、それはまた第一分期指定をし直すということは、これは、私は非常に考えやすい問題であろうかと思うわけでありますが、お説のように、今後の関連林道というものの取り上げ方は、開発の主体を一本にして取り上げるということで、名実ともに一貫開発が可能なように処置をして参りたいというのが、私どものいわば研究の前提でございますので、ただいまお話のございましたような方法で、結論も得られるものと、かように確信をしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/20
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021・柴田栄
○柴田栄君 もう一点だけ承わっておきたいのですが、この公団事業は、山発当初には例のアメリカの余剰農産物の見返り資金を導入して森林開発をするということで出発をしたはずですが、まあ見返り円資金の余剰農産物の受け入れ等が行われないために、昨年からですか、資金運用部の資金をもって運営されておるということですから、まあここにおのずから資金の金利、従ってコスト高ということが当然起ってくるはずでございます。まあそれに伴って、受益者といいますか、沿線の分担金を負担する人たちの負担が、増加するというような実情はないか、あるいはまあ政府がこれに対してどういうような措置をとっておられるかという点を、一つ伺っておきたい思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/21
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022・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) この資金の確保見通しの中途における変更によりまして、当初予定されました受益者なりあるいは県なりの負担金あるいは賦課金が変ったようなことはないかということでございますが、これはございません。当初お示しいたしましたようなことでやっておるわけでございまして、そこで、お説の通り当初予定いたしました余剰農産物の資金の受け入れが三十二年度になりまして非常に困離に相なりまして、そのかわりといたしまして九億の資金運用部資金を借り入れるということになつたのでございまするが、結果といたしましては、これを四億借りたということでございまして、さらに昭和三十三年度におきましては、大体十五億の予定がしてある。こういうことでございます。この見返り円資金は、御承知のように年利率四分の資金でございまするから、これを資金運用部資金の年利率六分五厘に切りかえることによりまして、当初見通しの公団収支というものは大きく変ってきたわけでざいますが、この措置といたしましては、この見返り円資金の、当初借りました十億の見返り円資金の償還の期限を十五年で出発をいたしたのでございまするが、さらにこれを十年延長いたしまして、二十五年にするというような措置とあわせまして、国庫補助金につきましては、当初計画では事業実施の翌年度から四カ年問に均等分割してこれを公団に繰り入れるということに相なっておったのでございまするが、これを四カ年問ではございまするが、四、三、二、一と早目に予定の金を繰り入れるということで措置をいたしまして、実は収支の均衡をとるということに立て直しをいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/22
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023・東隆
○東隆君 これの延長その他については、今お話があったのですが、非常に消極的なお話のように伺いまして、それで、これと同じようなもので愛和用水という公団、それから機械開発公団、これは同じように……。出発は、森林開発公団は少しおくれたのですね。そんなような関係で、私は愛知用水は、これは特定の場所ですから問題ないと思うのですが、機械開発公団は、将来、相当設備を持っておりますから、そいつを活用して他の方に及ぼすことができる。森林開発公団の場合は、表面に出ておるのは林道やそういうようなものを作ること、そういうことになっておりますが、機械設備、開発に必要な、そういうようなものをお持ちになっておらないのですか、この点お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/23
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024・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) 特に大規模な開発をいたしますために必要なこの設備は何も持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/24
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025・東隆
○東隆君 そうすると、この仕事は、公団を組織して、融資をして、一定の計画を立てて仕事をするというその程度の仕事だったのですか。公団の仕事は、資金を仰いで、そうして計画を立てて、そうして、それを行わせる。こういうような役割をしたもので、愛知用水公団、その他機械開発公団とは全然違った形になりますね。そういう意味では、そんなような組織だったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/25
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026・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) これは、ただいま申し上げましたように、とにかく現在日本の国内の需給事情というものが非常用に逼迫しておる。それにもかかわらず現実に開発可能な森林地域というものが大きくまとまって残つておるという所に対しまして、従来の公共事業による仕事のテンポを、少くとも十数年を要するというものを、三年なり四年で開発をいたしまして、開発意欲というものを高めていく、こういうところに一つの目標があったわけでございます。ところが、公共事業の場合におきましてしばしば遭遇いたしますのは、御承知のように、受益者負担金というものがなかなかつきにくい。こういうことが実は森林開発のおくれがちの一つの要因になっておるわけであります。そこで、長期低利の資金を借りまして、事業をやっておって、受益者負担というものは相当長期にわたって支払いを逝ける、こういうふうにやれば、受益者の負担も比較的楽に負担ができ、同時にあわせて開発の効果を緊急に上げていく、こういうことが、いわば森林開発公団を作りまして、いわゆる林道の開設を主とする事業を取り急いで行なって参ることにいたしましたおもなる目的でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/26
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027・東隆
○東隆君 そうすると、目的は、もうほとんどテストケースみたいなもので終らそうというお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/27
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028・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) 決して終らそうという意味ではないわけでありまして、当初私どもといたしましては、いわゆる熊野川の流域と四国の剣山の周辺の二地域でございますが、この地域に問題を限定いたしまして、実は林道網の開設を促進しよう、こういうふうにいったわけでございます。そこで、将来の資金見通し等も手伝いまして、第一期契約というものを大体三十億見当に押える。それの完成の見通しがつきました上で、資金手当が明らかになって参れば、さらに第二期契約として二十一億くらいの事業量というものを予定して出発したわけでございます。そこで、三十億契約と申しますのは、事業費で申しますというと二十九億三千万円でございます。二十九億三千万円を使いまして、三十三路線の開設というものが昭和三十三年度中に終るという見通しを実はつけておるわけであります。ところが、三十四年度以降のいわゆる第二期契約でございますが、第一期契約によりまして第二期契約に予定いたしておりましたものの一部をだいぶつけて参つたということが一つありますのと、その後、電源開発等によりまして道路がある部分でき上りまして、従って、必ずしも林道というものを入れなくても、河川等を使うことによって木材の搬出ができるというふうな状況の変化があったのもございます。それから、あわせてその地域内が国有林野の買い上げによりまして、国有林になってしまった。従って、それにつける林道は国有林野事業としてつけるというようなことになったものもございます。そのほかにも実はつけたいのですけれども、なかなか受益者の負担というものができないということのために、あえて見送らざるを得ないというような道も若干あるということに相なりましたので、かれこれ、そういうものを第二期契約の中から落しまして、両地域で十二路線、八億二千万円の工費ということで、第二期契約というものを終了いたす、これが一カ年分の仕事の量でございます。この両地域につきましては、三十四年度で一応の林道綱というものは完成をする。それを中心にいたしまして後は公共事業として、いわゆる支線ができ、真の意味の林道綱の完成が行われる、こういう状況にたどりついているわけであります。
そこで、そこまでいけば、全国の他地域にそれに該当するものがないか、こういうことになるかと思いますが、これは二万町歩以上の未利用林を持っております地域というものを拾い上げてみますと、全国に約十五カ所ばかりございます。その中の六カ所は化海道でございます。北海道の場合におきましてはおおむね国有林でございます。残りの九カ所が本州、四国、九州に実はあるわけでございますが、これらにつきましてさも、今出し上げました熊野、剣山両地域におけるほど開発の条件というものはよくないわけでございます。よくないと申しますのは、現にあります資源が非常に低位な資源、大ざっぱに申し上げますというと、いわゆる薪炭林等の広葉樹林が非常に多いのです。あるいはなかなか切り出せないような奥地に天然性の針葉樹があるというような条件でありますのと、それから、早急に開発を進めまして切り出しました場合に、その跡地の造林ということがさまざまの条件、地質、気候等の条件のために、なかなか進みにくいという所が、この十五カ所を通覧いたしますと、多いようでございます。しからば、一体そういう十五カ所というような地域開発に目をつけないで、一本心々の主幹線林道というべき路線について、今後やはり開発公団の取り上げる林道を考えてみたらいいじゃないか、こういうふうな与え方は、実はとれるわけでございます。そういう場合におきまして、一番まとまってあります上に、従来のやり方だけに放置しておきますというと、なかなか開発しかねるという問題が、いわゆる国有林と民有林との関連開発の問題、要するに一本の流域の下流の方には民有林があって奥には国有林があるというようなものを、一貫して開発するということが、とかく従来大規模のものほど取り上げにくかったというものが残っている。こういうものこそ今後、かりに森林開発公団で取り上げるに一番いいのだということになりました場合に、率先して取り上げたいあれじゃなかろうかというように考えているわけでございまして、これらのものにつきましては、これは大ざっぱな数字でございますけれども、大体路線数にいたしまして二十九ございます。それで、民有林分といたしましてその延長が百六十キロ、国有林分といたしましてその延長が百八十六キロ、双方の事業費を合せまして約三十億くらいのものは、従来非常に開発しにくかった国有林、民有林の一員林道による開発が期待できる地域のようにただいま考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/28
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029・東隆
○東隆君 私は国有林の関係は、これはいいと思います。しかし、民有林関係のものに対しての開発を考えたときに、全国を通じて見たときに、国有林の非常に少い地帯が本州の南部の方にあるのじゃないか。この地帯の開発を考えたときに、民有林を中心にして、国有林はつけたりというような態勢のものがあるのじゃないかというふうに思うのです、私はよく知りませんからあれですが、そういう面における開発というものが、これは非常にしづらいのじゃないか。国有林一本で、国有林が中心になっている所は、これはおのずからやり方がある。そういうような非常にむずかしい民有林が主になるようなそういうような地帯における開発、こういう問題を考えたときに、中国の方なんか私はすぐ対象になるのじゃないかと思いますが、それはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/29
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030・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) ただいま二万町歩以上というものが全国十五ヵ所でと申しましたのは、これは国有林、民有林かわりなしに、団地的に拾ってみるとそれだけあるのであります。その中で国有林地帯というものが、大体北海道の五ヵ所、内地関係の一ヵ所、六ヵ所であります。残りの九ヵ所は大体民有林地帯というようにお考えいただきましてもけっこうだと思うのでありますが、これらにつきましては、確かに森林の地域としてはあるわけでございますが、現在立っておりますいわゆる立木の質そのものが非常に悪い。従って、あわせましていわゆる受益者の負担能力もなかなかこれに伴ってこないというような事情のために、非常にやりにくいというわけでございます。従って、二万町歩というようなところに一つの線を設けまして、それ以上のものを大規模な未開発といってその地域の開発を考えるような開発の仕方というものは、なかなか今後は取り上げにくいのじゃないか。ところが、やはり二千町歩、三千町歩以上の重点的な路線というものをここに取り上げまして、考えて参りますというと、これはやはり一つ当面の重点的な開発対象になってくるのじゃないか。そういうことになりました場合に、今申し上げた路線主義で行きましたような場合において、今まで残っておりますものの主要な対象地帯というものは、これは奥に国有林があって、手前に民有林があるというようなもので、それは大体平均いたしますと、開発の対象面積三千四、五百町歩、こういうことに相なろうかと思うのであります。ただいま差し上げてありますこの参考資料をごらんいただきますとおわかりいただけると思いますが、大体これは地域のいわゆる林業的な総合開発と申しますか、いわゆる林道綱の整備という考え方で、幹線林道というようなものの綱を張ったのであります。両地域で三十三路線でありますが、この中に、いわゆる路線主義で考えますというと、千町歩以下の利用地域しか持たないものが三本あると思っております。そういう意味で比較いたしますと、やはり公団事業としては、利用地域が平均三千四百町歩以上あればりっぱにやっていけるのではないか、しかも、それが非常に従来おくれがちな重要地点であるというところに焦点を合せまして、いわゆる公団事業としての取り上げ方をするかせぬかという見当をつけてみたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/30
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031・清澤俊英
○清澤俊英君 今ちょっとあなたのお話になった中で気がついたわけじゃないけれども、この負担金ですね、受益負担金、これで二つのことをお伺いしたいと思うのです。国有林の場合は、この負担率でやっぱり負担していくのか、それで、今度は民有林になりました場合に、ただいまもお話しになったように、樹種等の関係で、実際の価値ですな、価値の相違で、同じ道がかかっても、受益の受け方が違うと思う。ところが、見ますと大体同額のものが同率でずっとかかっております。二十ページ、受益負担が出ておる。疑問に思うのですが、それらはどう取り扱っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/31
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032・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) これは両地域のものにつきましては、国有林はほとんどないものであります。この現在森林開発公団で取り上げておりますいわゆる熊野、それから剣山の地域におきまして国有林というものはほとんどないわけであります。そこで、国有林の関係というものは、具体的に出ておらないという状況でございますが、まあ一つの考え方といたしますと、従来はこういうことであるわけでございまして、たとえば一本の林道をつけます場合に、その流域に国有林と民有林がとにかく併存しておるという場合がしばしばございます。そういう場合におきましては、いわゆる森林の地域の広がりだとか、要するに面積だとかあるいは材積だとか、その材の質だとかいうことによりまして負担すべき区分を決定いたしまして、その負担区分に従って、両者が金を出し合っておのおの林道を作る、こういうことをやっておったわけでございまして、国有林の場合におきましては、そういう考え方でやる、やらなければいけないのではないかというふうに考えております。この場合におきましては、国有林はございません。それからお話のように、この表に出ておりますのは、いわゆる県の負担金、それから受益者の負担金の総計を入れておるわけでございますが、お説のように、これは非常に千差万別のものでございます。そこで、われわれは森林の価格に基きまして、妥当な個人別の負担金の割当をする、こういうことで実はやっておるわけでございまして、この価格ということになりますと、主としては面積並びにその材積ということに相なるわけでありますが、ところがそれにいたしましても、同じものが、ある場所によって価格が非常に違うということになるものでございますから、ともかくこの受益地域のいわゆる関係受益者というものとの間に十分に話をいたしまして、納得のいくいわゆる配賦を実施をしようという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/32
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033・清澤俊英
○清澤俊英君 私の言うのは、とにかく同率のものがずっと出ておるのです。お説の通り、その道が一本つくでしよう。この両側における地域は、面積も違うだろう、ある場所はふくれている、ある場所は狭いだろう、また樹種も違っておるし、品質も違っておる、こういうことはお説の通りなのです。それが考えられるから、従って十五ヵ年計画の計画の間、同率の、受益者負担というものが考えられない。ある地区では、非常にこの間に道路がこうかかっておるとしましても、こちらに出てくる実質の受益は、面積、材質、品質等においては違ったものがあるから、これは年々違わなければならぬものである、こういう疑問が出てくる。いま一つは、これは公団という別の組織がやるの正ですから、わずかにしろ国のがあったら、それは、やっぱり同額に国が負担して、受益者負担をして、公団へ納めるのか、こういう点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/33
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034・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) 実はこの最初の御質問でございますが、ずっと同額である、こういうことでございますが、この林道をつける場合におきまして、いわゆるその受益者の負担金というものがきまるのでございまして、それを要するに十五年、二十五年の長い期間にわたりまして年賦をもって均等年賦をもって納入する、そういうような数字の集計が出てくるものでございますから、まあこういう格好になった、こういうわけです。それから国有林がわすかある場合におきましても、大体これと同じような関係で、いわゆる負担をさせております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/34
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035・清澤俊英
○清澤俊英君 こういう場合はどうなりますですか、土地はだれかが持っている、立っている木は別な人が持っている、こういう所有が分割せられた場合に、かけられる率はやはり二重にかかるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/35
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036・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) これは実はその土地の、何と言いますか、土地に対する賦課金と、それから立木に対する賦課金というものを分けてかけております。そこで、具体的に申し上げますというと、熊野地区につきましては土地と立木の割合が一対九になっております。それからいわゆる四国の剣山地区はこの割合が二対八になっておりまして、これは地方的な慣習等も十分考慮いたしまして、まあこういうふうな定めをいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/36
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037・雨森常夫
○雨森常夫君 このでき上ったものの災害の関係ですが、災害というものが不可抗力な部分と、それから工事の程度と言いますか、その構造の程度によって違って、災害を受けるか受けないか、あるいはその程度がひどいか軽く済むかということは、工事の程度によって違うと思うのですが、公団でやっておられる道路の程度は、どういうふうな見当ですか。これはちょっと表現しにくいでしょうが、非常に十分な工事をやっておられるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/37
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038・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) 実は公共事業でやります林道につきまして、一応これを一号、二号、三号、四号というような林道区分をいたしておるわけであります。一号林道と申しますのは、国費の負担が六割といういわゆる最高の補助率の林道でございますが、大体この一号林道に相当いたしまするものと同じ規格の林道を公団では取り上げておるということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/38
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039・雨森常夫
○雨森常夫君 災害がありますというと、この受益者の分担金が上っていくのですか、そのつど……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/39
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040・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) これは一応この施行令によりましては、実はいわゆる災害の場合におきまして、受益者の負担いたさなければならない負担率を三五%、普通の場合三五%と予定しておるわけでありますが、これだけのものは一時払いをさせるというふうなことに相なっておるのでございまするが、御承知のように、国のいわゆる負担いたさなければならない六五%分というものは、大体三・五・二の比率によりまして三年間に繰り入れられるということに相なりましたのと歩調を合せまして、これはやはり三年間に分割して納入させるというように、施行令を改めるべきではなかろうか、かように考えて、目下研究いたしておるのであります。今までは、実は災害に見舞われたことがないわけでありますので、今の施行令によりますというと、一時払いというようにいたすように取りきめております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/40
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041・雨森常夫
○雨森常夫君 その場合に、災害復旧に要した金というものは、利益を生み出すものじゃないのだから、地元の分担している者がそれになかなか応じないというようなことが起りはせぬかと思うのですが、何か強制的のなにがあれば別ですが、そういう点の見通しはどうでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/41
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042・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) 実は、これは災害のみならずでございますけれども、一般の公団林道の開設の場合におきましても、受益者の負担というものにつきましてこの負担の話し合いが十分つくということが、いわば開設の大前提になることでございます。これは私どもといたしましては、十分に受益者との間に話し合いをつけるということでやっておるわけでございますが、そういう場合に、あわせまして災害復旧等の場合についてはこういうことに相なるのだということの了解を得ながら、実は、いわば承知を得た上で、林道を開設すると、こういうふうなことにいたして、大体そういう問題は、かりに今後災害が起りました場合におきましても、何とか話はまとまるのではなかろうかと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/42
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043・雨森常夫
○雨森常夫君 もう一つお伺いいたしたいのですが、これはしろうとだからわからぬからお聞きするのですが、でき上った通路は、将来どういうふうになるのですか。また、公団道路としてずっと永久に残るのか。あるいは国が管理することになるのか、どういうふうになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/43
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044・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) これは比較的短期に、いわゆる予定事業というものが終るわけでございまして、終りました場合においては、主としていわゆる既設林道の維持管理というものが残るわけでございますが、従いまして、いわゆる受益者負担等が完全に果されるということになりました以後は、これを国で管理するか、あるいはその県に管理を委託するかというような問題として研究するということに相なるのではなかろうかと思うのでございまするけれども、実は公団のいわゆる主たる開設改良の事業というものが終ったあとは、いわゆる微々たる維持管理の仕事だけというような時期におきましても、なおかつ公団の管理をいつまでも持続するということは、極めてこれは不経済じゃないかというような実は議論も、今の段階で、なくもないわけでございまして、その場合におきまして、一つこれを国有林野事業として引き受けたらどうかというような考え方も提起されているわけであります。私どもといたしましては、ただいま申し上げましたような、趣旨にのっとりまして、今後の問題として研究をいたしたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/44
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045・雨森常夫
○雨森常夫君 そうすると、今の、所管がえになるということは、少くとも債券の償還七年となっておりますが、七年以内には起らない。七年以内はずっと公団が公団道路として持っている、こういう形になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/45
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046・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) 私どもといたしましては、いわゆる受益者負担等の徴収が完全に終った以降はということで、実はこの二十四国会におきましてもそういうふうに申し上げて審議をしていただいたような経緯でございますので、細々ではございますが、相当長く続くというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/46
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047・清澤俊英
○清澤俊英君 今の問題に関連して。この表を見ますと、伐採計画が年次計画が出ているのですが、それでお伺いしますのは、公団は御承知のように道路を作っておるが、伐採事業もやはり公団でやりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/47
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048・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) これはいわゆる受益者がやるわけです、その森林の所有者個人がやるわけ、であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/48
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049・清澤俊英
○清澤俊英君 そうすると、今の雨森さんの問題が出てきますね。道はかかったが切らない。こういう場合が出てみますと、十五カ年計画でこれだけの用材を切り出すと、こう言ってみましても、切らないものも出てくる、こういう問題はどう処理なさいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/49
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050・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) これはなるほどお説の通りでありまして、林逆ができたからというて直ちに切るものじゃございません。切らない場合もしばしばあるかと思うのでございまするが、要するに、一方においては林道開設のために、受益者がそれぞれの負机というものを毎年やっているということでございますから、それだけやはり切るであろうということは言えるわけでございます。同時に道がつくことによりまして、初めて森林に対する市場性というものが出てくるわけでございます。両地域ともいわゆる消化市場というものが近間にあるわけでございます。そういうもので、私どもは十分に切られるであろう。むしろ、ごらんいただきますればおわかりいただけるかと思うのでありまするが、この十ページの下の方でございますが、これは奈良県の奥地川線という林道、これは三十一年度の単年工事として、三十二年の七月には全線の開通をいたしました林道でございまするが、これによりますというと、大体この地域内には三十六力八千石の立木がございまして、これから毎年一万五千石程度の素材が伐採搬出されるというように予定をいたしたのでございまするが、その後の利用状況を見ますというと、ここに毎月の貨物自動車の運行台数を記しておりますが、これから推定いたしまするというと、大体素材に換算いたしまして二万三千石程度のものが月々に出ている。二万三千行ずつのものが月々に搬出をされている、こういう状況でありまするというと、いずれは年間二万七千石程度の搬出量に相なるもののように思われるわけでございます。これは、当初私どもが推定をいたしました場合の伐採量に対しましては、約倍に近いというふうなことに相なるのでございます。むしろ私どもといたしますというと、林道の開設によりまして、この均等生産じゃなしにむしろ傾斜のついた生産というものが、伐採が行われるのではないか。これは一傾向でございまするが、そういうことも実は考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/50
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051・大河原一次
○大河原一次君 先ほど柴田委員の方からもちょつとお触れになつたかと思いますのですが、公団の資金ですね。これはほとんどが従来までは余剰農産物の見返り円資金がこれに充てられたというわけですが、それはどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/51
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052・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) これは実は三十一年の七月に発足した公団でございますが、当初予定といたしましては、余剰農産物の見返り円資金を三十一、三十二、三十三年の三カ年にわたりまして毎年十億くらいこれを借り入れる予定でいわゆる第一期計画の事業をやっていたというわけでございますが、従いまして、当初の三十一年度におきましては十億の見返り資金を借りたわけでございますが、第二年度の三十二年度におきましては、第三次の余剰農産物交渉がああいうてんまつになっております。この資金を引き充てるというわけにいかなくなりまして実は資金運用部資金を九億運用した。ところが途中におきまして、財政投融資計画の変更による繰り延べに伴いまして、五億が繰り延べということに相なりまして、四億だけのものを実は借りたわけでございます。その借り方も、農林漁業金融公庫を通じて短期的に借りるという借り方を実はしてきたわけでございます。三十三年度におきましては、さらに繰り延べられた五億を含めまして、十五億というものの資金運用部資金がこの事業のために引き充てになった、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/52
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053・大河原一次
○大河原一次君 関係ありますのでお聞きするのですが、第四次ですか、協定が不調になったということで、これはその当初余剰農産物の、こちら側としての受け入れとして大麦、小麦等の数量ですか、数量とさらにその金額、見返り円資金に充てられる想定をしておった金額は、どの程度だったのです。ちょつと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/53
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054・瀬戸山三男
○政府委員(瀬戸山三男君) 今資料を持っておりませんが、金額は、もし必要ならばあとで取り寄せます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/54
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055・大河原一次
○大河原一次君 やはり、それと、参考のためにお聞きするのですが、今回、第四次協定が不調に終つたというのは、向うさんの方の一方的な意思に基くものであったというふうに聞いているのでありますが、その通りでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/55
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056・瀬戸山三男
○政府委員(瀬戸山三男君) 一方的な意思と申しますか、御承知の通りに日本の方でも申し込みをいたしております。ところが、向うの予算の関係と申しますか、非常にあの申し込みが世界名言国から多い。日本の場合は食糧事情がそれほど他の国と比較して窮迫いたしておらない、こういうことから、優先順位があと回しにされた。従って予算の範囲内ではまかない切れない、こういう向うの説明で、ああいう事情になつたのであります。そこで、御存じだと思いまするが、アメリカの九五八年の会計年度において新たに、まあ新聞報道によりますと、三十五億ドルというような予定をしておるようでありますが、その際は、日本の場合間に合うのじゃないか、こういうアメリカ側の説明になっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/56
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057・大河原一次
○大河原一次君 そこで、今度のあれは第四次ですか、第五次協定というものがやはり出ると思うのですが、その見通しについて、おわかりになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/57
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058・瀬戸山三男
○政府委員(瀬戸山三男君) アメリカ側からいうと第五次になると思います。日本側からいうと、まだ第三次ということになると思いまするが、これについては、日本側の三十二年度の申し込みは、御承知の先ほど申し上げたようになっておるわけでございます。三十三年度についてどうするかということは、政府としてはまだ決定いたしておりませんが、今までの行きがかり上、やはり申し込みをするだろう、こういうことをお答えいたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/58
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059・大河原一次
○大河原一次君 そこで、先ほど柴田委員が聞かれたのですが、今回のまあ資金繰りのこの方の措置については、使用道は、大体災害復旧に充てられるものだというふうにお聞きしたのですが、何かそのほかに、従来のこの公団資金としてのいわゆる見返り円資金は、そのほかに、特に本年度予定されておつた下関漁港の整備計画等にも計画がされておつたというふうに聞いておるのですが、こういう面についての支障は当然あるのじゃないかと思うのですが、その点について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/59
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060・瀬戸山三男
○政府委員(瀬戸山三男君) 漁港のお話が出ましたが、全部はっきりここで覚えておりません。たとえば下関漁港というものは予定されておりました。しかしながら、その話し会合いが御承知の通りになりましたので、ほかの政府関係の資金からこれをまかなう、事業には支障のないように取り計らいをいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/60
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061・大河原一次
○大河原一次君 そこで今度は、たとえばこちらからいえば第三次協定ですか、第三次協定が成り立って、従来のようにやはりまた余剰農産物の受け入れが行われるということになった場合に、今出されておりまするこの資金繰りのための多くの問題はどうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/61
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062・瀬戸山三男
○政府委員(瀬戸山三男君) それは、余剰農産物関係の資金が入るということに決定いたしたときにきまるわけでありますけれども、そうなりますと、私どもの考えとしては、できるだけ金利の安いものでこういうものを運用したいと思っておりますので、今まで予定されておりましたものは、できるだけそういう資金でまかないたい、こういう希望を持っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/62
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063・清澤俊英
○清澤俊英君 余剰農産物の受け入れば、金利が安いから受け入れ希望を出しておるというお話、そこで、これは大体一般の農林関係の人たちは、余剰農産物を入れてもらったらどうも国内の農産価格やいろいろのものに支障を来たす。それで、まあそういったことは一つがまんをして、入れてもらいたくないというのが根本の希望だろうと思っておるのですが、ちょつと農民の考え方というものと違っていると、こう思うのですが、農林次官、何かちょっと考えは、私は間違いじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/63
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064・瀬戸山三男
○政府委員(瀬戸山三男君) その問題については、いろいろ御議論があるわけであります。従来もあったわけであります。私どもとしても、どうしてもあくまでもアメリカにすがりついてやろうと、それほどの気持は、正直持っておりません。いわゆる第三次と申しますか、そのときでも、それほどかじりついてもという気分はなかったのです。この問題は、日本の食糧事情その他を勘案して、その間において見返り円資金の分を利用できれば、またその面において有利な点もありますから利用いたしたいと、この程度に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/64
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065・清澤俊英
○清澤俊英君 それはどうか一つ農林水産関係者の要望は、十分考えていただきたいと思っております。しばしば大蔵大臣は、もうそれくらいのものはなくても、国内でまかなわれますと、何べんも言うているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/65
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066・瀬戸山三男
○政府委員(瀬戸山三男君) 先ほども申し上げましたように、たとえば下関その他の漁港についても、この開発公団についてもまかなっておるのでありますから、それほどこうかじりついてまでという気持はないということは、御了承いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/66
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067・北村暢
○北村暢君 私は、今大分質問出ましたから、重要な点について二、三点だけ質問いたしたいと思います。
ます、この公団の主たる事業評価は、三十四年の三月、来年大体終るわけですね。来年の三月までに終ってしまう。こういう予定になっておるので、先ほど来、この公団が将来の事業計画として継続するのかしないのかということについて、長官は何回も答弁されておりますが、やるとすればあとというようなことで、継続するということをはっきり答えておられないようです。そこで私はお伺いしたいのは、この森林開発公団によってやる事業というものが、この剣山、熊野地区でやった実績の中で、非常に短期間に、しかも経済効果の上った事業をやって、当初の低利の見返り資金を予定した事業が、さらに預金部資金というものに切りかえて、利子、利率が上っても、なおかつペイをする。こういうことからいたしますと、従来行なっております林道計画の中で、この公共事業による補助林道というものが、従来の計画からいきますというと、経済的な面から見れは、非常に長期を要して、奥地林の開発というものについても、予定通りなかなかいかないのじゃないか。そういうようなことから考えれば、この森林開発公団によって非常に経済的なスピードのある事業をやって開発していくということは、今与えられたこの資料によりますと、私は非常に有利なように感ずるのです。それだったとするならば、この公団の事業というものを、この二地区の終了後もなおかつ拡大してやるという腹が、もう今日このとききまっていなければならないのじゃないかというふうに思うのです。来年の三月で事業が終るのですから、設計の要員その他の人が、継続するとするならば遊ぶ結果になってくるというふうに思うので、この点について、やるとすればとかいうことでは、私は、ちょつと了解できないのじゃないか。林道政策全体の上からいって、この公団をより活用するというのだったらば、もうすでにその腹がきまつていなければならないじゃないかというふうに思うのです。その点についての一つ説明を、今あったのですけれども、もう一度お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/67
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068・瀬戸山三男
○政府委員(瀬戸山三男君) お説の通りでありまして、先ほど長官からお答えいたしましたのも、やらないというような気持でお答えをしたのではありません。実はまあ内輪話をいたしますが、この今度の一部改正を立案いたします当時、ただ債券を発行する問題だけでこの法律を国会に改正をお願いするというなら、もっとほかに内容的に、何と申しますか、積極的な面がありはしないかということを検討いたした。それというのは、これは三十四年度で今の二地区の計画は終る予定になっておりますが、そのほかに、先ほど来相当御議論もありましたように、相当こういう調子でやるべき所がありはしないか。そういうむしろ地域についてやるような方針の改正をすべきではないかということを検討いたしたのであります。その内容については、先ほど長官から相当詳細にお話しいたしました。そこで、先ほど長官から御説上上号昭和三十三甲三月二十五日で明を申し上げましたように、この熊野あるいは剣山と同じようなケースのものは、なかなかないそうであります、私はまあ専門家でありませんが……。これと同じようなケースで計画をするということは、そう簡単にはできない。それから、先ほどもお話し申し上げましたように、各委員からも種々御意見がありましたように、これはほとんどテストケースみたようにやつたのでありますが、桁出効果があるのであります。こういう何といいますか、運びの林道開発を大いにしなければならないという気持を持っております。そこで、今回の改正にそういう趣旨の提案をお願いしなかったのはどういうことかといえば、御承知の通り、日本の政治はいろいろ計画をして、地区を指定したりしていたしまして、そうして国民各層に期待を持たして、一向仕事が進まないということが、各方面にあるわけでございます。そういうことは少くともこの関係ではあまりやりたくない、こうやつて一つずつきまりをつけていくようなやり方をいたしたい。そこで、まあ昭和三十四年度で先ほど中しました通り終りますので、三十四年度もう少し検討いたしまして、そうしてこれと同じようなケースでいかなければ、多少ケースをかえてでも、この趣旨の仕事を進めるような内容の法律改正をお願いいたしたい。三十四年度を終りまして、三十五年度からその事業をするという趣旨において、三十三年度あるいはまあ次の三十四年度に間に合うような法体改正をお願いするようなことになるかもしれませんが、そういう慎重な計画を立てて、法律の改正をいたして、積極的にやろうじゃないか。こういう趣旨で、この際は、この程度でお願いをしておるわけであります。どうか一つ御了解を願って、今後そういう面において各委員諸公の積極的な御協力をお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/68
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069・北村暢
○北村暢君 私は、この公団は、この規模、機構の点を見ましても、実は愛知用水とはだいぶ変つて、事業の実行そのものは請負的で、事業面もおそらく設計か監督という程度ですから、人員も少いですから、愛知用水とは比較にはならないと思いますが、しかし、公団がやはり事業計画を立て、人を遊ばせすに使っていくということは、やはり経済効果の点からいって、わずかの人ですけれども、私は重要であると思う。従って、一つ一つ区切りをつけていくということももちろん必要でしようけれども、しかしながら、もう三十四年の三月、来年度の三月、一応の事業計画の予定は、全事業が完成するということのようですから、そうすれば、これはもう一年しかないのですから、次に継続してやっていく場合には、次の計画に移らなければならない。これがこれで解放してしまうというのならば別ですけれども、継続するとするならば、やはりもう相当な計画性というものがなされていなければならない、こういうふうに思うのです。ですから、今の説明でわかりましたから、そういう点を十分配慮し、さらに経済効果を上げて林道開発をやっていくという点について、この公団をさらに活用していくという気持がおありのようで、意思があるようでございますから、その点については私も方法としてはいい方法ではないかと思いますので、ぜひ計画がとぎれないように一つ行政的にやつていただきたいということを、特に要望いたしまして、質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/69
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070・瀬戸山三男
○政府委員(瀬戸山三男君) 今の北村さんのお話、ちょっと誤解されている点があると思いますから……。
先ほど申し上げましたように三十四年度までの計画がありますが、三十五年の三月に一応終る、こういうふうに予定いたしております。
そこで、林野庁といたしましては、全国の林野について相当の調査をいたしておりますが、この法律によってやるべき所は、相当な計画を持たなければならない。そういう意味で今準備期間を置いておる、こういうことでありますから、御了解を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/70
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071・清澤俊英
○清澤俊英君 ちょっと簡単ですけれども……。この法案とは別ですけれども、地方で民有林を買い上げてやるのですね、何かの法律で……、その法律の名は忘れましたが、大体そういう民有林は部落有林あるいは町村有林、こういったのが多い。そういう買い上げに際しまして、古い明治くらいの小作料がたまったというので、名前だけ書きかえた、そういう所有者がある。従来山の利用は部落の者が旧来通り利用しておる。旧慣によって利用している。それから税金はその部落で出す。これは数十カ年経過している。民法から言ったらどうもおかしい話じゃないかと思われますが、お買い上げになるとき、そういう非常に古い権利者の判がないと買い上げの対象にならない。それががんばっている。そういうことで、何もしないで小作料のわすかの滞納なんかで取ったものを、この法律を中心として非常に高額なもので買い上げていく。このために紛争が方々で起きておりますが、そういう場合、林野庁としては、どういう考えで処理していくのか。私の知っているところでも二つも三つもある。林野庁としては、そういうどうもおかしいと思われるような判がなければ買い上げられない、こういうことで押していかれるのか。これは非常に紛争を起している。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/71
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072・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) おそらくただいまの御質問は、保安森整備臨時措置法に基きまして、現に保安林であります民有林を買い上げるという場合の問題であろうかと思うわけでありまして、この場合におきましては、私どもあくまでも一定の評価の方式に従いまして、買い入れ価格というものを計算いたしまして、そうしてそれによって相子方の所有者との間に話をつけるということでございますから、かりにこれだけの金で買い上げるということになりますれば、相対の売買でございますから、話し合いをするということもあるわけでございます。しかし、その後にさまざまと所有権をめぐります紛争のごときものが伴いますことは非常に因るということで、非常にやかましく詮議をいたしまして、そうして買い上げる、こういう状況であるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/72
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073・清澤俊英
○清澤俊英君 ちょっと話がごたつくようですけれども、私の言っているのは、非常に今、登記面の所有者であるが実際は所有者でないのですな形は。そこで、いろいろ買い上げになるときに、それが顔を出してくる。林野庁の方としては、どうしても現在の所有者の調印が要る、こう言い切られる、そういうような場合、中へ入って調停して話をしなければならないとか何とかいうことで、正当なるものに解決する努力がどうも欠けていると思うのですがね。非常におじいさんの時代に小作料で受け取った証文一本、それで通してきたというだけで、何にもしてない。こういう場合の実際の取り扱い方に、一つの方針を持ってやっておられるものか、こういうことをお聞きしている。そのときばったりの仕事でやっておられるのか、一つの方針を持ってやっておられるのか、そういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/73
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074・石谷憲男
○政府委員(石谷憲男君) 実は方針と申しますのは、個々のケースではございませんで、保安林として買い上げるというものにつきましては、これは保安林整備計画という計画の中で買い上げる予定地域というものを予定いたしまして、その予定地域内に含まれておりまする保安林であるものを買っている、こういう意味におきましては、計画的にいわゆる取得をしておるわけであります。ただ、個々のケースにつきましては、あくまでもこれは相対の売り買いでございますから、そうしたはっきり相手方の所有権を確認した上で、それを相手方と売買契約をするということでありまして、その間の内輪に入っての調停のごときものにつきましては、私どもは原則的に立ち入らない、むしろそういう方針をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/74
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075・重政庸徳
○委員長(重政庸徳君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/75
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076・重政庸徳
○委員長(重政庸徳君) 速記をつけて。
ここで暫く休憩して、午後は一時半から再会いたします。
午後零時二十三分休憩
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午後二時一分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/76
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077・重政庸徳
○委員長(重政庸徳君) では委員会を開会いたします。
農林漁業団体職員共済組合言法案(閣法第一二九号、内閣提出、衆議院修正送付)を議題にいたします。この法律案は、去る三月二十日、衆議院本会議においてごく一部の修正を加え、全会一致をもって可決され、当院に送付、即日当委員会に付託されました。
この法律案につきましては、去る三月十三日の委員会において提案理由の説明を聞いたのでありまして、本日は、まず、法律案の内容その他参考事項について、補足説明を聞きたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/77
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078・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) それでは、ただいま議題となりました農林漁業団体職員共済組合法案の補足説明を申し上げます。
まず第一点は、この共済組合は、第一条に規定がありますように、農業協同組合言法、森林法、水産業協同組合法、農業災害補償法、漁船損害補償法、土地改良法、農業委員会等に関する法律、開拓融資保証法、中小漁業融資保証法、こういう特別の法律に基いて設立されました団体の常勤役職員の相互扶助事業を行い、福利厚生をはかる、こういうのであります。この組合呈につきましては法人格を与え、主たる事務所を東京に置く。それから組合の定款、登記、名称使用の制限等を二条以下において規定しておるのであります。
第二に、この組合の業務の運営を、広い範囲の公正な意見に基いて行わせるために、第七条に基きまして組合会を設置するということにいたしておるのであります。で、この組合会は、農林漁業団体、先ほど申しました農林漁業団体及びその役職員の間から、それぞれ同数の組合会議員を選挙いたしまして、それをもって組織することにいたします。それで、組合会議員の任期は三年といたしております。この組合会では、定款の変更、毎事業年度の予算及び決算、福利厚生事業の実施計画の設定、重要な財産の処分あるいは重大な義務の負担、訴訟または訴願の提起及び和解、その他組合の業務に関する重要事項で定款で定められたもの、は、必ずこの組合会にはからなければならないということを、第八条で規定いたしておるのであります。さらに、組合会に役員の解任権も与えておるのであります。
次に組合の執行機関といたしましては、理事長一人、理事若干人及び監事二人を置くということにしております。役員の任期は三年、理事長及び理事は、他の職業に従事してはならない。こういうふうな規定を第九条に置いておるのであります。さらにその第七項で、第八条の四項の規定を準用いたしまして、農林大臣の認可を得なければ役員の就任は効力を生じない。こういうふうにいたしておるのであります。
さらに第十三条では、障害給付及び遺族給付につきましては、租税その他の公課を課してはならないということにいたしております。
次に、第十四条以下に組合員の資格について規定しております。すなわち第十四条では農林漁業団体に使用されるもので農林漁業団体等から給与を受けるものは、すべて組合員とする。こういうことにいたしております。ただし、常時勤務に服しない者、臨時に使用される者、船員保険の被保険者、こういうものは入らないということを規定しております。そうして十五条では、職員となった日から組合員の資格を取得する。こういうことにしております。十六条では、これの具体的な確認方法を規定いたしております。すなわち農林漁業団体は、その職員につきまして組合員の資格の取得及び喪失に関する事項を組合に届け出なければならない。一方第二項では、組合員あるいは組合員であった者またはその遺族は、組合に対しまして、組合員たるの資格の取得または喪失について、その確認を請求することができる。こういうことにいたしておるのであります。すなわち第一条できめられました団体のすべての常勤の役職員が、この共済組合の組合員になるのであります。具体的には、この十六条によって、確認の行為を通じまして、掛金の徴収なり、年金取得の権利の確定をする、こういうことになります。さらに第十七条で、任意継続組合員、こういう制度を置いております。これは組合員であった期間が十五年以上の者は、もう五年たちますと退職年金の取得の権利を得ますから、特別の規定を置かない限り、そこで脱退して、脱退給付を得るだけになるので、それでは気の毒でありますから、二十年に達するまで掛金を組合員担分までも自分が負担することによって、二十年を経過いたしますれば、年金取得の資格を継続するという規定を置いているのであります。これは厚生年金制度にはございますが、そのほかの市町村の共済組合にはない資格でございまして、これを入れたのであります。
その次は、この法律に基く給付を、第三章以下で、十九条以降に書いてあります。すなわち退職給付、障害給付、遺族給付、こういう三つのいわゆる長期給付に限っているのであります。その給付を行う前提として、標準給与のきめ方につきまして、二十条以下で現定いたしております。標準給与は、毎年八月一日現在に使用されている農林漁業団体等において、八月一日前三カ月間継続して使用されている期間の平均給与月額を標準給与、こういうことに原則的にきめております。それはその年の十月から翌年の九月までの各月の標準給与ということにしているのであります。その表が十八ページの標準給与の表であります。給与月額が十八ページの表に見ていただきますように、三千五百円米満のものを、これを三千円ということで整理する、三千五百円以上四千五百円未満のものは標準給与月額を四千円以下、そういうふうな仕分けでもって、一つの基準の標準給与をきめることにいたしております。
第二十一条では、給付を行う場合の対象になる平均標準給与の月額の算定方法であります。これはここに書いてありますが、要するに、退職の時、あるいは給付を行う事実の発生した時から、過去五カ年にさかのぼって各月の標準給与の月額を二平均したもの、こういうことになるのであります。五カ年間の各月の標準給与の合算額の六十分の一、すなわち五カ年でありますから六十カ月になるので、六十カ月で標準給与の月額の合算額を割る、こういうことにいたしておるのでをあります。そのほかこまかい計算方法を二十二条以下で規定いたしております。
それから二十四条では、置放年金を受ける遺族の範囲、あるいは遺族一時金、あるいは年金者遺族一時金を受けるべき遺族の範囲、こういうものを規定いたしております。すなわち遺族年金を受ける者は、組合員または組合員で、あった者の配偶者並びに子、父母、孫、租父母に限っております。給付についてのいろいろなこまごました規定が二十六条から三十五条まで規定されております。すなわち遺族給付を受けるべき遺族の順位、同順者が二人以上あるときはどうするか、あるいは支払未済の給付の受給者の特例、任意継続組合員に対する給付の特例、給付の制限、給付金からの控除、給付を受ける権利の時効、給付を受ける権利の保護、損害賠償の請求権、不正受給者等からの費用の徴収、こういうこまごまとした事務的なものを規定いたしております。
その次、第二節からは退職給付の内訳、すなわち退職年金であります。退職年金は、組合員であった期間が二十年以上である組合員、それが五十五才になったとき以降給付するということを、三十六条で原則的に規定いたしております。その給付の額は、二十年以上二十一年米満のものに対しては、平均標準給与の月額の四カ月分に相当する額としまして、一年を増すごとに一年につきまして平均標準給与の日額の四日分に相当する額を加算する。こういう規定であります。第三十八条で、退職一時金の規定を置いております。これは組合員であった期間が六カ月以上二十年未満である組合員に対して退職一時金を出す、こういう規定でありまして、その支給の仕方は、七十九ページにあります別表によって支給する、こういうことであります。
その次は、障害給付であります。障害給付は、組合員であった期間が六カ月以上である者であって、組合員もしくは任意継続組合員であった期間に疾病にかかりまして、あるいは負傷した者について、組合員の資格の喪失等があった場合に、その組合員の資格の喪失があった時、その者が一定の障害で働くことができなかったという場合に、障害給付を与えるのであります。で、その障害の程度は八十一ページ以下に別表第二、別表第三で、どの程度の疾病、障害の場合には年金を交付し、どの程度の障害の場合には障害一時金を交付するということをきめているのであります。この四十五条までは障害給付についてのいろいろな場合を規定いたしているのであります。
次に、第四節四十六条以下で、遺族年金、遺族給付について規定いたしております。第四十六条は、遺族年金でありまして、これは組合員であった期間が十年以上である組合員、もしくは任意継続組合員が死亡したときには、その遺族に付して遺族年金を支給する、こういうことであります。遺族年金の額は、四十七条以下で規定しております。すなわち、退職年金の支給を受けている者が死亡したときは、退職年金の額の二分の一、組合員であった期間が二十年以上である者が、退職年金を受けないで死亡したときは、その者が支給を受けるべきであった退職年金の額の二分の一と、こういうふうになっております。障害年金を受けていた場合は、第三項に規定をいたしております。それから第四項では組合員であった期間が十年以上、二十年未満であった場合は、その者の平均標準給与の月額の一ヵ月分に相当する金額に、その期間十年以上一年を増すごとに一年につき平均標準給与の日額の三日分に相当する金額を加算した額、しかしそれが一万九千円に達しないときは、一万九千円を支給する、こういうふうになっております。
第五十条では、遺族一時金を規定しております。すなわち、これは組合員であった期間が六カ月以上十年末満であった組合員が死亡したときに給付するものでありまして、その給付額は別表一できめております。
それから年金者の遺族一時金、五十一条に規定している場合には、組合員であった者の遺族に年金者一時金を支給するということをきめております。五十二条は、年金者遺族一時金の額のきめ方であります。
以上が、大体給付の内容でありまして、第四十六条の、組合員であった期間が十年以上である場合に、遺族給付を与えるというような点は、私学、市町村共済組合に比べてよくなっている点であります。すなわち、それらの制度では、二十年以上でなければ遺族給付ができない、遺族年金ができないということになっているのを、十年以上でも遺族年金が支給できる、こういうふうになっておるのであります。
それから第五十三条に、この組合が、組合員の福祉を増進するために、福利厚生事業を行うことができるという規定を置いておるのであります。すなわち、組合員の保健及び保養並びに教養に資する施設の経営、組合員の利用に供する財産の取得、管理または貸付、組合員の臨時の支出に対する貸付等であります。
第五章で、掛金及び国の補助をきめております。この掛金は、大体あとで資料について御説明申し上げますが、ただいままでの計算では、千分の七十八程度になります。で、これを組合と組合員が折半して負担することになっておるのであります。折半の規定は、第五十五条に規定しております。第二項に、任意継続組合員は全額を負担するということを規定いたしております。何と申しましても、掛金の完全納付が、この事業を維持するのに必要でありますから、五十七条以下で、この掛金の確保に関する督促、滞納処分等の規定を置いております。
第六十二条では国の補助について規定いたしております。国の補助は給付に要する費用の百分の十五に相当する額と、組合の事務に要する費用、これは本年度の予算では、組合員一人当りにつき百円の計算で予算が組まれております。給付に要する費用の百分の十五でありますが、給付に要する費用の中で、整理資源に相当する部分につきましては、給付に要する費用の中からそれを控除することにいたしております。これはあとで御説明申し上げます。
その次、第六章第六十三条以下では、この給付に関する決定なり、掛金その他組合員もしくは任意継続組合員が組合に対して支払うべき金額の徴収に対する異議を審査するため、組合に審査会を置くということになっております。審査会は委員九人でございまして、組合員を代表する者三人、農林漁業団体等を代表する者三人、公益を代表する者三人ということで、理事長が、農林大臣の承認を受けて作るということにいたしております。以下、審査に関する規定であります。
それから第六十八条以下では、事業年度、予算、決算、余裕金の運用ということの規定をいたしておりますが、この組合の事業年度は毎年四月一日から翌年の三月三十一日、すなわち政府の会計年度と同じにいたしております。それから余裕金の運用は、第七十条によりまして、協同組合法第十条第一項第二号の事業を行う農業協同組合連合会、水産業協同組合法第八十七条第一項第二号の事業を行う漁業協同組合連合会、農林中金もしくは銀行への預金または郵便貯金、銀行または信託会社への金銭信託、国債、地方債その他農林省令で定める有価証券の取得、不動産の取得――これはあとで資料で申し上げますが、積立金のワクは非常に大きい額になりますから、この運用につきましては、安全確実のものに限るということにいたしました。この一、二、三、四のそれぞれにどれだけくらいずつ割り振るかということは、第七十一条に書いてあります農林省令で預け先の比率、そういうものをきめたいと思っております。
それから第八章以下は、監督の規定であります。
十章は罰則の規定であります。
この付則におきまして、この法律は、昭和三十四年一月一日から施行することにいたしております。ただし、二条以下の組合設立等の規定は、即日、公布の日から施行するということにいたしたいと思います。組合の設立は、この法律の公布の日から三十日以内に、農林漁業団体及び農林漁業団体の役員以外の職員のうちから、それぞれ三十人以内の同数の者を組合設立委員として農林大臣が指名しまして、組合設立の手続をやる、こういうことになっております。それから第四条では、厚生年金保険の被保険者であった者の期間の取扱いについての規定を置いております。すなわち、厚生年金の加入者であった者は、その期間を、この組合成立後に組合に加入した場合に、この組合の組合員であった期間とみなすという規定であります。
この付則第四条の三行目から四行目にかけまして「この法律(第二十一条第三項を除く。)の適用については、」こういう個所がありますが、その中で、第二十一条第一正一項を除く、この第三項の削除修正が衆議院で行われたのであります。すなわちこの第二十一条は、平均標準給与月額のきめ方を規定しておるのでありまして、第三項だけを除くというのでは工合が悪いのでありまして、二十一条全部を除かなければならない、こういうので、修正が行われたのであります。
それから、さらに第五条におきましては、期間は厚生年金の期間と通算をいたしまするけれども、厚生年金時代の場合には掛金も少い。従って、あとで、第六条で出てきますが、厚生保険特別会計からもらう金、厚生保険特別会計に積み立てている金額が、掛金が少いから、少い。少いものから引続いて今度は掛金の多い、従って給付内容のいい給付をいたすのでありますから、百パーセントの権利を与えるということになりますりと、あとから入ってきた者と、厚生年金から引き続いてきたものとの間にアンバランスができますので、第五条で、その間の調整をいたしておるのであります。すなわち、その考え方はここにこまかく書いておりますが、結論を端的に申し上げますと、二割を控除していろいろな計算をする。つまり十年厚生年金に入っていたといたしますと、八年聞入ったものとして計算するという結果になるのでありますが、この書き方はそうではなく、給付の方から、新しい組合の給付の八掛という書き方にしておるのであります。非常にこまかくいろいろと書いておりますが、結論を申し上げますと、要するに、厚生年金の被保険者であった期間の考え方は八掛とみなしてみなを考える、こういう考え方であります。
第六条では、厚生年金の積立金からこの組合の積立金に移管を受ける規定であります。これもこまごましく書いておりますが、結論的に申し上げますと、現在の厚生年金積立金の総額から、今後厚生年金受給の権利のある者が厚生年金を支給されるであろう総額の八五%、すなわち八五%と申しますのは、総額のうち一五%は政府の補給になっておりますから、厚生年金制度におきましても一五%は補給になっておりますから、それを控除しまして八五%、すなわちここに書いております昭和三十三年十二月三十一日における厚生保険特別会計年金勘定の積立金総額から、その同じ日において厚生年金保険法の規定により年金たる保険給付を受ける権利を有する者が、その日以後に受けるべきで年金額の百分の八十五に相当する額の現価の総額を控除していく。ここにある「百分の八十五に相当する額の現価の総額」ということは、くずして言いますと、三十三年十二月三十一日以降に受給を受ける権利者が支払いを受けるべき厚生年金の総額、こういうふうにお考え願ったらいいと思います。その八五%を引きまして、それに昭和三十三年十二月三十一日現在の厚生年金加入被保険者及び同日以前に厚生加入被保険者であったすべての者が新組合書に移転する組合が厚生年金加入期間に応じて支払った保険料にその比率をかけたつまり取る分を移管するということであります。もっと大ざっぱに言いますと、総体の中から今度この組合に移管するものの割合を出しまして、残っている積立金にかけて、それをもらうと、こういうことでありまして、その額が大体四十億程度になる予定であります。しかし、その計算には、こまかく一人々々やりますと、あとで資料で御説明しますが、この組合員に加入する人も二十七、八方から三十万程度になりますから、非常な手数がかかりまして、数年を要しますので、第三項で概算の方法によりまして、三十四年度において大都分のものをこの組合の方に交付を受ける、こういう規定を置いておるのであります。これは第六条の規定は、そのほかの私学なり市町村の場合では、これだけのたくさんをいただいておりません。市町村の場合は、合体として扱われましたので非常に少い金額であります。私学の場合には、それを移管せずに、私学の組合で退職したとき、そのときごとに厚生年金から一人々々計算をして、厚生年金の方の積立金から分けてやってもらうということにしておりますが、それは非常に煩瑣な手数で、実際給付のときには非常に手間がかかりますから、計算はこの組合で一括できるように、しかも取得の額をできるだけ多くするというような含みでできておるのであります。
以上が、大体の仕組みなり給付の内容、掛金、国の補助等、この法律のおもな点でありまして、これを資料について申し上げますと、横の資料を見ていただきまして、その第六ページを、見ていただきます。六ページ以降に、この法律に基く制度と厚生年金なり。あるいはそのほかの年金との比較表ができておりますから、それを見ていただきます。この比較表をちょっと御説明いたしますと、上の方に書いておりますように、農林漁業団体では大体非常に若い、高等学校卒業程度の人が就職する場合が非常に多いので、十八才で初任給六千円で農協に就職した男子が、就職後十九年までは毎年五%、十年から二十四年までは四%、二十五年から二十九年までは三%、三十年から三十四年までは二%、三十五年以降が一%の昇給があるものと仮定して計算をしております。そこで、その下のワクの中を見ていただきます。まず第一に退職年金の場合で、農協に十八才から三十七年勤めますと、法律に基いて、五十五才から年金を受けられるということでありますから、五十五才までぎりぎりまで勤めておるということになると、上の仮定の昇給率でいきますとす、そのときの退職時の標準給与が二万四千円になります。そうしますと、毎年十五万四百円の退職年金が受けられる計算になるのであります。厚生年金の場合でありますと、これは六十才から年金の支給が開始されるのでありますが、同じような条件であるといたしますと、五万四千円の年金が支給されるようになります。これを農協に、厚生年金の退職年金の支給の条件ができる二十年勤続した場合にはどうなるかというのでありますが二十年勤続いたしまして、十八才で就職して三十八才でやめるといたしますと、やはり上の昇給仮定に基きますと、その当時の俸給が一万六千円になります。これが五十五才になったときに年金の給付を受けることになります。そのときの年金の給付は五万九千二百円ということになります。すなわち、三十八才から五十五才までは年金を受けることはできない。まあそんなに若いのでありますから、ほかで働くなり、あるいは二十年で組合をやめるということはないでありましょうが、かりに仮定をいたしますと、こういうことになるのであります。厚生年金の場合でありますと、その場合は六十才から年金をもらえる。しかも額は三万六千二百八十六円、こういう額になるのであります。それから退職一時金の場合で見ますと十年間勤めて二十八才でやめた、その場合には俸給が一万円になっております。そうすると五万八千六百六十七円の退職一時金がもらえる。厚生年金では、五十五才までくれない。五十五才で退職一時金を一万八千五百四十五円、こういうことになっております。それから障害年金では強度の、一級の障害年金を受ける場合、二級の障害年金を受ける場合、こういうふうに規定しておりますが、これも十年間勤めて俸給が一万円になつたときに、障害年金を受けるような障害事故が発生したという場合でございます。そのときには、一級の場合は四万四千円を毎年もらう。二級の場合は三万五千二百円をもらう。厚生年金では一級の場合は四万六百三十六円、二級の場合は二万八千六百三十六円、こういうことになります。それからその次もやはり十年間勤めたとき障害一時金を受けるというものでありますが、この制度では八万八千円もらえる。厚生年金では四万円をもらえるということであります。退職一時金と併給いたしますと十四万六千六百六十七円もらえる、こういうことになります。それから遺族年金でありますが、これは一番上の欄の退職年金の受給者が死亡した場合を考えますと、三十七年勤続者が死亡した場合には、毎年七万五千二百円、すなわち上の額の半額であります。厚生年金も上の額の半額ということになります。それからその次は遺族一時金であります。これは遺族年金は十年以上に交付するのでありますが、十年以下の場合に九年六カ月勤務した者か死亡した場合は、そのときは月給は九千円になっておりますが、一時金を五万三千三百円もらえる。厚生年金はそのものはない、こういうことになります。その次は年金者遺族一時金であります。年金受給権者が死亡して遺族年金を受ける権利のある遺族がない場合、退職年金額の六年分、組合員期間十年以上二十年未満の者の遺族年金については退職一時金額、こういうことになります。厚生年金ではこれがないわけであります。これは厚生年金等の比較でありますが、その次の表、七ページ以下は、今の厚生年金のほか船員保険、恩給、公共企業体職員等の共済組合、国家公務員共済組合、市町村職員共済組合、私立学校職員共済組合、それから農林漁業団体職員共済組合、こういうものの比較表を出しておるのであります。厚生年金は、御承知のように従業員五人未満のものは任意適用になっております。その組合員は現在九百十七万人に上ります。これはもっとふえていると思います。船員保険は十八万人、恩給は国家公務員が六十万人で、地方公務員が九十二万人、それから公共企業体等の職員の共済組合が六十八万、国家公務員共済組合、これは恩給を受けない方々のものであります、二百四万人、それから市町村職員共済組合が三十四万人、うち長期適用者が十二万、こういうことになっております。私立学校は六万七千、農林漁業団体職員共済組合は、一応現在の調べでは二十五万九千ということになっております。これはちょっと一ページの表に返っていただいて、この表を作成するに当りまして、三十二年三月末現在の各団体の調査をいたしたのであります。それによりますと、農業協同組合で一万四千百五十一が加入するだろう、それの役職員が十八万八千八百八十三人、水産業協同組合が二千五百八十九組合で、役職員数が一万七千七百四十九、森林組合が二千七百三十三、役職員が九千七百十五人、農業共済組合品が五千三百七十二組合、三万二千百七十九人、土地改良区は二千百七十二区、一万三百二人、農業会議が四十七、三百三十三人、漁船保険組合が五十四組合で二百五十八人、漁業信用基金協会が三十五協会で百三十人、開拓融資保証協会が三十一、四十五人、合計二十五万九千五百九十四人、こういうことになっておるのであります。その中で、現在五人以上の事業所ということで厚生年金に入っておるものは十二万七千二百七十八人でありまして、大体八七・六%が厚生年金に入っておるのであります。一番下の欄はそれぞれの組合の平均給与を出しております。ただ、この二十五万九千五百九十四人というのは、この法律を施行いたしまして、先ほど法律の条項で御説明いたしましたように、組合が組合員の資格を確認し、あるいは組合員から組合に対して請求がある、そうしてこの法律による共済組合に加入しようとする意欲が相当出てくるので、おそらくあと数万ふえる可能性があるのじゃないか、こういうふうに考えております。その点は、法律施行をいたしまして、実際に一つ一つの組合につきまして確認を手続をいたしまして最終的な数字を出す、こういうことになるだろうと思います。
またもとの七ページの表に返っていただきまして、厚生年金では掛金率が千分の三十でありまして、組合員と使用者の方で折半して負担するということになっております。船員保険はこれは失業保険を受ける者とか失業保険を受けない者、任意継続加入者いろいろな場合で多少掛金が違つておりますが、それにつきましても、それぞれの補助をやつております。恩給は千分の二十の掛金ということになっております。国鉄が千分の九十五、専売が千分の八十四、電電が千分の九十四で、それぞれ半分程度の使用者の負担になっております。その次は国家公務員共済、これは千分の九十八、そのうち政府が負担するものは右の欄にこれを出しております。市町村職員共済、これは掛金が千分の百三、それから私学は千分の五十四、この組合では千分の七十八ということになっております。掛金といたしましては、厚生年金を除く特殊の年金制度のちようど中ごろになっておるのであります。
その次の表は、それぞれの年金制度で資格年数を厚年では二十年、船員保険では十五年で満期、恩給では十七年、ほかのものでは全部二十年で受給資格ができる。支給の開始年齢は厚生年金が六十才、恩給はこれは五十五才から満期でありますが、四十五才から一部ずつ支給することになっております。公共企業体職員の共済組合も五十五才になっておりますが、五十五才以下では減額退職年金制度があります。それから国家公務員共済組合は五十才、市町村も五十才、私立学校も五十才であります。今度の団体では五十五才をもって支給開始年齢といたしております。それから年金額は、厚生年金は非常に低いのでありまして、基本年金額は二万四千円に平均俸給月額の千分の五、二十年勤続でありますと、二十カ年の月数を掛けた額ということになります。これを厚生年金では最高月額俸給額を一万八千円に押えておりますから、一万八千円以上幾ら俸給を払っても、それ以上のものは認めておりませんから、それで計算いたしましても一万八千円の千分の五ということになると九十円、九十円に二十年の二百四十カ月を掛けましてもわずかな金でありまして、それを合計いたしましてもせいぜい四、五万円程度しかならないのであります。恩給は年額の百五十分の五十でありますから四カ月分になります。
それから公共企業体の共済組合は年額の百分の四十ということになっております。以下、国家公務員、市町村、私立学校等あげてありますが、今度の組合では四カ月分ということにいたしております。給付の内容は、特別の制度を作っているものは、大体似たり寄ったりの、年金としては給付内容になっております。
それから次は障害年金の場合の給付であります。これはほかの公共企業体なり国家公務員共済、市町村共済、私立学校の場合は、業務上で障害を受けた場合には年金を受ける資格はできておりませんが、今度の場合には、業務上であろうと業務外であろうと、年金を受ける資格を与えております。これが一つの違うところであります。すなわち業務上の障害の場合には労働基準法、労働者災害補償法等で、六カ年商はその方で給付があるのであります。六カ年を過ぎますと、ほかの共済組合ではもう年金をもらうことができない。今度の場合はその期間を過ぎましたときには、業務上の場合は六カ年間はやはり労働基準法等の給付を受けるのでございます。六カ年を経過をした後に、この法律で組合から障害年金の給付を受ける、こういうことになるのであります。それからあと遺族年金等であります。これもほかの共済組合では二十年以上勤続の者が死亡したときに、退職年金額の二分の一でありますが、この場合には、そのほかに十年以上の者の在職中に死亡した場合には、先ほども御説明いたしましたように月額の一月分を支給する、十年以上一年ごとに月三日分を加算して支給する、こういうことになっております。これも今度の組合で新しく取り入れたところであります。その趣旨は、厚生年金には、六カ月以上の者に在職中に死亡した者も、年金をもらうということになっておりますが、その額が非常に少いのでございます。今度の場合はその点もほかの組合とは違った取り扱い方であります。なお、こまかく見ていただきますが、説明はその程度で、ほかの年金制度との比較の説明は終らせていただきます。
資料のもとに返っていただきまして、第二ページの所要財源率の表をちょっと御説明申し上げます。
これは一番下に掛金率七八というのを出したのは、どういう基礎で出したかということであります。それはまず掛金を積み立てまして総利益がどれだけ出るかということから、さらに退職、脱退残存とか死亡、障害の統計に基きまして、この組合員に対してどの程度の給付をなさなければならないか、という計算をしているのであります。すなわち積立金の利用率を国債の利回り五・五%、五分五厘の利回りに運用ができる、現在ではもう少しよく利回りが確保できると思いますけれども、安全をとりまして五分五厘の利回りと計算いたしました。退職年金の支給開始年令は五十五才、それまでの退職一時金なり、あるいは障害年金、遺族年金等は法律に規定されている前提で計算いたしますと、退職一時金に払う分としては千分の三三・四七の掛金をとらなければならないことになっております。遺族一時金では千分の〇・四七、障害一時金では千分の一・一一、ここに三三・四七、〇・四七、一・一一、これは千分で出しております。退職年金には千分の二一・八七、障害年金には千分の六・六六、遺族年金には、そこに内訳か出ておりますが、在職中死亡の場合に三・一八、退職年金者死亡の場合に五・〇二、障害年金者死亡の場合に〇・二四と、こういうものを負担しなければならないことになっております。そうすると、その合計で千分の七二・〇二ということになる。これに対して国庫補助を、法律の規定に基いて、この分だけあとの整理資源率は国の補助を出さないということに規定しておりますから、一五%の補助を見るとすると、それが千分の一〇・八〇になるから、結局においては純粋に六一・二二の負担をしなければならない。そこに整理資源率一四・七四、これは左の方で、あとで御説明申し上げますが、足すと、大体七五・九六の負担をしなければならない。空全率二%を見越してそれをラウンドにして、千分の七八の負担をしなければならない。こういう計算を出しておるのであります。整理資源率と申しますのは、この年金制度でそれぞれの給付をなす場合に、どれだけの責任準備金を従来のものに負担しなければならないか、こういうことから出てくるのであります。すなわち厚生年金の場合には、掛金が少くて給付の内容が少いのでありますが、ここに保有資産Mとして三十三億七千七百万円というものが出ております。これは一応私の方では農協の分だけを元にしてこの整理資源率を出しておりますが、その点をお含み願いたいと思います。しかし本来は百五億なければいかない。そうすると不足責任準備金が、百五億から三十三億を引くと七十二億ということになるわけでございます。この保有資産三十三億、これにこの農協以外のものをやると、受けるのは約四十億近くになるということを先ほど説明しましたが、農協だけの分で計算しますと、こういう計算になります。農協だけの分で、それでは給与の年額はどのくらいになるかということになりますと、全体で二百十二億になる。それを現価率に掛けてこの不足分を、不足責任準備金の比率を出したものが、いわゆる整理資源であります。すなわち今までの積み不足分をこれからカバーしていくのには、どれだけのよけいな掛金、積立をしなければならないかということを出しておるのであります。これは保険の比率、料率で、われわれが公式的に与えられておる数字に基いては、こう計算するのだということで、保険数理学上出てくるのだと、こういうことで、詳しい意味についてはあるいは説明ができない部分があるかもしれませんが、そういう公式から出してくるとそういうことになるのであります。そこで掛金率七八ということを出しておるのであります。その基礎になった脱退残存表の死亡率は、何から取ったかという説明はあとにいたしております。五ページを見ていただきます。そういうことで第一年度から第十年度までの収支予想表を出しております。すなわち給与の年額は第一年度では二百九十二億になります。先ほど申し上げたのは、農協だけの分で二百十二億と申し上げましたが、そのほかの団体のを合せますと、初年度は二百九十二億になるわけであります。それが先ほどちょつと申し上げましたように、昇給率一年から、勤続年数一年から十九年までは毎年五%の上昇、それから勤続年数が延びるごとに四%、三%、二%、一%、昇給率が逓減するという計算で、俸給の支払い額を十年間計算してみたのであります。それに基きますと掛金を千分の七十八取るのでありますが、個々の安全率を見込まない千分の七十五・九六、これをラウンドして千分の七十六で、安全を取りまして、これに掛金の未納というようなもの、あるいは滞納というようなものも考えると、掛金の徴収を七十八をかけて全部収入という計算の仕方もありますけれども、ここでは〇・二%の安全を除外しまして取るといたしますと、初年度で十億八千百万円、十年目には、十二億一千一百万円を、それぞれ組合員及び団体側からは出さなければならぬ。すなわち初年度は掛金の総額が二十一億六千二百万円、十年目には二十四億二千二百万円、こういうことになります。それからその次の国庫補助額というのは、この給付が事故が発生した場合に、それに対して百分の十五、整理資源率を除く分の百分の十五を見ておりますが、それに対して国が、初年度一億一千五百万円の補助を出さなければならない。十年目には二億五千百万円の補助を出さなければならない。こういうことになるわけであります。そうして支出額は、年金給付等は六年目ごろからでないと発生いたさない。退職年金は七年目から発生することになるのであります。それを先ほどの財源率計算の場合のいろいろな給付の発生予想で、支出額を計算いたしました。収入と支出の残を見まして、それから保有資産というのが四十億でありますが、それが先ほど申し上げました厚生年金からの移管を受けるもの、初年度の積立金が、厚生年金からの移管の分を合せまして五十三億九千二百、万円、こういうことになります。十年目には百九十四億一千七百万円、こういうことになるのであります。これは年金制度でありますから、十年だけで見ることは間違いでありまして、もっと長く大体五十年くらいたたないと平常の状況にならないのでありますが、一応十年間のものをとって収支の予想を出しておるのであります。以上が掛金を七八%にする理由、あるいはその後組合の収支予想がどうなるかという状況の御説明であります。
なお政令、省令の大要をお配りしておりますが、手続的な事項を主とするものでありまして、これは法律を御説明する際に要点は御説明いたしておりますから、政、省令の内容の詳細は省略さしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/78
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079・重政庸徳
○委員長(重政庸徳君) ただいまから法律案の審議を行います。まず質疑に入ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/79
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080・大河原一次
○大河原一次君 議事進行について。実は再開前にお願い申し上げたいと思っておったんですが、この法案の今後の審議の仕方についてですが、これは農林漁業団体職員の年金制度という問題であります。これは法案に対しては別に私としては異論はないわけでございます。ただ取扱いに対しては慎重を期すべきだと思う。というのは年金制度というそれ自体を切り離すならば、これはやはり厚生省関係でありますか、社労というところでやるべき筋合いだと思うのですが、しかしこれは農林漁業団体の方ですから、われわれ農水の方で検討することはけっこうだと思うのですが、ただ問題は内容の点は問題ないが、ただ今後こういう年金制度というものがどうなるのか、ということの将来に対する見通しを含めて私は検討してみたいと思うのです。ということは、特にこの問題については自民党さんにしてもわが党においても、将来にわたって今日の各個ばらばらになっている年金制度、保険制度というものを、この体系を整えて、将来国民年金制度というものを作るという意向になっておるし、たまたま先般の本会議でも岸総理がみずから、将来は一本の国民年金制度を確立したいということを熱心に答弁をされておるわけであります。従いまして私といたしましても、実はこういうばらばらにやっておる各種の保険体系を一本にまとめていく、ということが考えられるわけであります、今日出されておる農林漁業団体の職員年金法の問題は将来国民年金制度というものが確立されるまでの、いわば過渡的な措置といいますか、そういう過渡的な措置としてここに提案されておるものと、私はそういう解釈をするわけであります。従いまして法案それ自体には異論はないけれども、将来の見通しに立って考えるとき、やはりそういう厚生関係の方々とともに論議をかわしたいという趣旨です。
それから先ほどもちょつと開会前に、すでに衆議院を通っておるから、もう簡単に決定しようじゃないか、採決しようじゃないかというお話もあったようですが、今日の二院制度において、われわれの参議院においてこういう今までになかった、私としては今までに出てなかった相当大きな法律案だと思っておるのですよ。従って参議院におきましても、審議を通じてこれを決定するという、そういう形をとりたいと、私はさように考えております。従ってできることならば一つ本日は、さらっと質問を通していただいてけっこうでありますが、次回の委員会等においては、一つ社労との間に合同委員会を持って、合同審査をやるという姿をやってもらつて、直ちに採決に持っていく、こういう姿をとってもらったら、しかしけっこうではないか。私はそういう判断をして、あえて委員長にこの点をお取り計らいを願いたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/80
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081・田中茂穂
○田中茂穂君 ただいま大河原委員から大河原委員としての立場からの御発言があって、もちろんこれは国民年金制度と将来関連する問題であろうかと思いまするけれども、時期的に年度内にどうしても成立をしてもらわなければならないと、私どもは考えているわけであります。農林省におかれましても、今日のこの成案が得られましたまで、には、相当厚生省並びに大蔵省あたりと、事務的な、あるいは政治的な折衝もあったやに私はお伺いいたしております。でありまするから、この参議院の審議の過程におきまして、今大河原委員が希望意見としておっしゃいましたような、社労との合同委員会、まあそういったことをおやりになりますれば、相当これは時間的にも無理が出てくるのじゃないのかと思いますので、時間があればそれはおやりになってもけっこうでございましょうが、この農林水産委員会の中で、かような御質疑の点も十分取りかわすことができるのじゃないか。先ほど御配付になりました議事予定の御計画にいたしましても、大体最大限二十八日にこの組合法を上げるような御計画も、理事並びに委員長のお打合せ会議でなされているようでございまするので、二十八日ぎりぎり一ぱい、とにかく最大限成立を……、この委員会では審議を上げるということで、一つ議事の進行をお進め願いまして、そうしてこの年度末までに本会議で可決成立するという方向に持っていっていただきたいと思います。
なお他の、委員会との合同委員会等はこれまたいずれ将来――総理もはっきり言っておられまするように、国民年金制度を樹立する暁には、他の職域年金制度との調整をはかりたいと、総理みずからが言っておられますので、その内容につきましては、私はあとでまた御質問を申し上げたいと思っておりましたが、さようなことでございまするから、お宅の方の大河原委員の所属の理事も、この進め方については御了解をされているのでございまするから、だから二十八日の金曜日までにこの委員会としては上げる、こういう方向でぜひとも一つお進め願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/81
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082・大河原一次
○大河原一次君 よくその点はわかっておるのですよ。二十八日ということで、まだきょうは二十五日ですか、まだあると思うのですけれども、次は木曜日ですからあさってですよ、そこで合同委員会をやってもらって、僕は直ちに採決に持っていけると思うのですよ、合同委員会をやっても。これに対して自民党さんも、われわれとしても、これはこの今出されている案そのものについては、特段の異論はないと思うのです。これは通過するのです。ただ僕は、あたかも衆議院できまったから問題ないのだというような、そういう印象を国民に与えるべきではないと思うのですよ。法案としてはしかく重要な法案であり、大きな法案であると思うのですよ。従って私は慎重審議を尽したというような形をとりたいのだ。そういう意味で申し上げているし、特に先ほども言つたように、こういう保険体系というものはこれはどうなるものだ、ということの将来の見通しに立った上でのいろいろの論議もかわされるべきだと僕は思うのですね。そういう意味で僕は申し上げているので単に引き延ばし作戦や何かをとっているかのごとき印象を与えるとすれば、それは非常に私の不徳のいたすところでありますが、そういう意味ではないのでありまして、参議院においても、良識の府として慎重審議をやったという姿をとりたいと思うのです。今のやり方を見ますと、衆議院で通過したから、直ちに参議院でも十分な審議もかわさないで直ちに通過せしめるという、そういうふうな形態も形としてはあると思うのでありますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/82
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083・重政庸徳
○委員長(重政庸徳君) ちょつと速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/83
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084・重政庸徳
○委員長(重政庸徳君) 速記つけて。それじゃ質疑を継続いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/84
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085・田中茂穂
○田中茂穂君 まあ、厚生大臣をお呼びのようですが、その前にちょつと二、三お尋ねいたしたいと思いますが、衆議院の方で相当慎重審議されました結果、ここに付帯決議がついてきておるようでございますが、われわれとしましても審議をする前提におきまして、この衆議院からつけられました付帯決議に対する農林当局の御見解を、ます承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/85
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086・瀬戸山三男
○政府委員(瀬戸山三男君) 付帯決議のこまかい点については、私まだこれは読んでおりませんから、十分承知いたしておりませんので――いや、衆議院においては問題になりましたのは、今大河原委員からもお話がありましたように、まあ政府もしばしば申し上げておりますように、できるだけ近い将来に国民全体を対象とする国民年金制度を確立したい、こういうことを申し上げており、またその準備も、社会保障制度審議会等に諮って進めつつあるところでありますから、先ほど懇談のうちに出ましたように、そういう際に、この農林漁業団体に関する共済組合いわゆる一つの国民年金制度になるものを作るということと、それから国民年金制度との関係、それから農林漁業団体の役職員に対して、こういう保障制度を作るということはけっこうであるが、それよりもその地盤をなすところの農山漁民に対する、いわゆる国民年金と申しますか、そういう社会保障制度との関係について御議論がありまして、その趣旨の付帯決議案をつけられておるのであります。そこで農林省といたしましても、政府といたしましても、先ほど申し上げましたように、国民全体を対象といたします、いわゆる国民年金制度をできるだけ早い機会に実現をいたしたい。これは総理もしばしば申し上げておるところであります。しかしながらこの農林漁業団体の役職員につきましての共済年金制度は、もう相当以前からの懸案になっております。御承知のように貧弱なと申すと非常に語弊があるかもしれませんが、農山漁村の中核をなして、そうして農山漁村の振興をはかり、あるいは農山漁村民の生産その他をはかって生活の安定をはかる、こういう趣旨の組合団体であります。その職場において、そういう仕事に携わつておられるそういう団体の役職員の生活と申しますか、将来の保障をするということも、これは農山漁村の振興上きわめて重要なことである。国民年金制度を、これは理想としては今申し上げた通りでありますけれども、それを待って理想に到達するまでに、これは持つというよりもこの際一歩前進の意味において、農林漁業団体職員の共済組合制度をまず確立したい。これがこの案になっておるわけであります。そこでこの付帯決議にもありますように、政府といたしましても、国民年金制度を確立したいと申し上げておりますけれども、しかしこれは一つの目標でありまして、直ちにきわめて近い将来において全般的な国民年金制度ができるということは、技的にも、また国家財政上等においても、そう急速に全般的にこの制度を確立するということは、これはきわめて困難な実情であります。でありますから、まあ最近の新聞等にて御存じの通り、かりに農山漁村の年金制度をどの程度の年令以上にするか、あるいは醵出制度の年金制度にするかということは、これは専門的に各般の状況を今調査研究中でありますから、その調査研究をまってそういう制度を確立したい、こういう所存で臨んでおるわけであります。農山漁村の実態は、私から申し上げるまでもなく、もちろん重点的に国民年金制度を、段階を踏むのであれば、まず第一段階にこういう面を取り上げなくちやならない、まあこういう考え方でおりますということを、この付帯決議の全般の趣旨について申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/86
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087・田中茂穂
○田中茂穂君 あとの事務的なことはいいです。そこで政務次官にお伺いしたいのは、政府が最終的にこの農林水産団体の共済組合法を提出することにおきめになりましたそのときに、総理、農林、厚生三大臣でお話し合いをなされたそのときに、今も次官のお言葉の中にありましたように、できるだけ近い将来に国民年金制度というものを創設したい、そのときにかような、今まであるところの職員の年金制度というものを調整したい、というようなお話し合いがなされたやに承わっておるのでございますが、その調整をするという点は、給付種類に重点があるのか、給付額にあるのか、掛金にあるのか、大体どういうものを総括して調整をするということをお話し合いになつたのか、その辺おわかりであれば一つお知らせ願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/87
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088・瀬戸山三男
○政府委員(瀬戸山三男君) その問題は、まあ今お話しになりましたように、この農林漁業団体に関する役職員に関する共済制度の案を立てますときに、非常にまあ議論があったわけであります。先ほど来局長からいろいろ御説明申し上げましたように、他の類似と申しますか、各種のそういう制度があるわけであります、この問の調整においてもきわめて困難を見たのであります。先ほど御説明申し上げましたように、資料にも出ておるような格好でありますが、そこで国民年金制度を確立すると、その際調整をいたしたいということは、具体的な内容について総理あるいは農林大臣、厚生大臣の間に話し合いができておるということではないのでありまして、それは非常な高度の技術を要する問題である。それから醵出の程度あるいは国庫の負担程度というものが、非常に複雑をいたしております。でありますから御承知の通りに、全般の問題として社会保障制度審議会に今検討を願っております。これは私直接社会保障制度審議会に関係がありませんから、私なりの考え方を申し上げておきますが、全般的な社会保障、いわゆる国民年金制度を作るにいたしましても、こういう特殊なものを全部を一本にすることができるかどうかということは、これはきわめて実際問題として困難であろうと思う。でありますから全般的な国民年金制度の確立をはかりまして、さらに現在まであります各種のこの種の年金制度と申しますか、社会保障制度、これとの調整をやはり社会保障制度審議会に諮つて、こういう特殊のものを、その調整をはかりながら残すか、あるいはその中に含めるかということを検討してもらわなくてはならぬ、その上に当ってその調整をはかろう、こういうことに先ほどお尋ねの御趣旨から考えまして、御了解を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/88
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089・田中茂穂
○田中茂穂君 今度は渡部局長にちょっと伺いたいんでございますが、ただいまの御税明の資料の二ページに、現在までに農協だけが保有しておる資産が、厚生年金において三十三億七千七百万円程度ある、農協以外の団体を入れると大体四十億程度あるであろう。この保有資産を今度はこの組合を設立することによって、分割交付ということになるだろうということになるだろうと思うのでございますが、その時期は三十四年度以降ということになっておりますけれども、大体時期はいつごろに考えておられるのか、それをちょっとお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/89
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090・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これは法律の付則の六条の第三項に、概算金は三十四年度内、こういうことにしておるわけです。これは清算をするには、全国にまたがつている一人々々の計算をしなければいけませんから、精算にはやはり二、三年を要することになると思いますが、概算金は三十四年度中に……、できるだけ早く、概算金の公式はできておりますから、今度は組合員が確認されて現在のどの地方に何ぼ、こういうのが全部わかりますれば、それに基いてはじきますから、これは三十三年度できるだけ早く……、それは概算であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/90
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091・田中茂穂
○田中茂穂君 この概算金ですね、大体今のところ農林当局でお考えになっておる額は、どの程度考えられておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/91
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092・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 今私どもで試算いたしてみますと四十億内外ということであります。その四十億の中で農協分が三十三億。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/92
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093・田中茂穂
○田中茂穂君 これを三十四年の一月一日から発足することになっているのですね。ですから、その発足した直後この交付を受けるというわけには参らないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/93
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094・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これは金でありますから確定しなければいかぬわけですから、計算を。ですから、その計算に相当かかる、こういうことでございます。何といいますか、こっちの帳簿へ全部移してしまわなければいかぬわけですから、どうしても一定期間はかかるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/94
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095・田中茂穂
○田中茂穂君 私はきょうはこの程度にとどめます。またいずれ……。
この法案は、きわめて私どもが待望しておりましたので、ここに農林省の非常な御努力によって、大蔵、厚生両省とも十分話し合いをされて、それでこの法案がここまでまとまったことに対しましては、非常に私どもとしましては、敬意を表します。でありまして、いろいろ事務的な問題もありましょうが、すみやかにこの法案が成立することをと私どもはこいねがっておりまするけれども、まだ相当、三十四年の一月一日から施行ということになっておりまするし、相当準備期間もあろうかと思いまするけれども、できるだけ一月一日から発足しても、この組合の、まだ残された新しく組合に移行する、いろいろな事務的な繁雑な問題があることも相当予想されますので、それらをすみやかに農林当局とされましては十分一つ促進していただきまして、今私がお願い申し上げました例の保有資産の問題の移行にいたしましても、三十四年度以降ということにしないで、発足して直ちにこの保有資産が新しい組合に移行するように、一つ御努力をなお一そうお願い申し上げたいと存ずるわけでございます。
別に私といたしましては、質疑という質疑はございませんが、ただ最後に農林当局の御意見を承わっておきたいことは、最近、やはり農林水産団体の一環といたしましてのたばこ耕作組合が、法人格を持つための法案をただいま提案されておりまして、このたばこ耕作組合が法人格を持つことによって、やはり農林水産団体の一環であるというような考え方をされておるようです。この共済組合法の適用を受けたいという非常に強い要望があるようでございまして、私ども陳情を受けておるわけでございますが、この問題に対する一つ農林当局の御見解を承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/95
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096・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これは法律の第一条で規定する団体ということでありますから、もし、そういう法律ができまして、新しいこの法律に基く団体ができ、それが農民の団体であるということにいたしますれば、ここに法律を改正して追加して当然入れなければならないことになると私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/96
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097・大河原一次
○大河原一次君 先ほどいろいろ申し上りげたわけでありますが、私がなぜあのようなことを申し上げたかということは、先ほど次官も言われたように、これは厚生年金一本にまとめろということは、これは次官がいわれた通り、しかく簡単ではないということを払自身よく知っております。また私自身厚生年金をかけている一人なんですよ。ただやはり完全なる一本ということは、近い将来においてでき上るということは、非常に困難を伴うものだと私は思っておる。しかしながら、自民党さん、あるいは岸総理も言っているように、何とかそういう一本という形に持っていきたいのだということを言われているのですから、そういう場合に、一方では農林漁業団体の厚生年金制度が作られるということになると、と同時に今度は一面からは中政連あたりからもくるわけです、中政連でも考えておる。中小企業の団体においても厚生年金制度を作れということもあるわけですから、そうなると一本にまとめようという姿が、かえって先ほど僕が言ったように、過渡的な措置として作らるべきだというように判断しても、実際的にはくずれて一本のものを作るという姿がくずれてくるのだという杞憂も考えられるわけです。さらに僕は社会保障制度というものを、やはりもっと充実したものにしたいという中には、今日一千万に上るボーダーラインというものも一面考えなければならぬ。こういうすぐにできるような団体があるから、だから中小企業においても、あるいは農林団体においても、すぐ作れるものは作れといってしまって、今言ったような一千力以上に上るボーダーライン諸君をどうするかということについては、十分まだ政府は手をつけていない。こういうことを考えたときに、やはりこういうもろもろのものを入れて、多少困難があっても将来においては一本の姿を作る。その一本の姿をくずすようなことは十分慎重にしなければならぬ。そういう意味で十分将来の見通しを立てて意見をかわすべきではないかということを言ったわけです。そういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/97
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098・瀬戸山三男
○政府委員(瀬戸山三男君) 御説はごもっともでありまして、そのためにこの法律案を立案し、あるいは提案する場合においても、世論においてもこの問題大きく取り上げられたわけであります。まあ、しかし率直に申し上げて、先ほど申し上げましたように、これは相当前からの懸案でありまして、理想的に社会保障、国民年金制度を全国民を対象とするという理預的なものを作るというのも、そうなかなか簡単には参りません。その間の大きなギャップがありますのと、農林漁業団体が相当弱体化いたしておる。もちろんこれだけで補強ができると思いませんけれども、この団体をしっかりしたものにするについては、そこに働いてもらっている人々の安定をはかることも、これはまあどうしても早くしなければならない。こういう二つの相反するような要請があって、この際これだけはやろう、正直なところ、これだけはやろう。こういうことにきまったのでありまして、御趣旨の点は十分私どもそういうふうに同感をいたしそおります。政府といたしましては、先ほど申し上げたように国民全部を対象とした年金制度を作りたいということで、その準備を進めております。しかし少しよけいになりますけれども、こういういわゆる負担金を出す醵出制度の年金制度と、それから醵出制度ではできない相当多くの部面が、国民の中にあろうと思いますから、こういう一本の制度にすることがいいか悪いかということは、私ども非専門家ではそう簡単に結論は申し上げられません。専門家の審議でも相当問題になっております。でありますから、それはしばらく専門家の検討を待って、それによってその制度の確立に向いたい。こういう趣旨でありますから、御了解を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/98
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099・鈴木一
○鈴木一君 波部局長に伺いますが、一たんこの制度に加入して組合の経営が非常に困難で、どうしても掛金もかけらえれないという事能が生じないとも限らないと思います。現在の組合の状態では、そういう場合の措置はどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/99
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100・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これは掛金の滞納という事態が出てくるわけであります。従って掛金の滞納が出ないように組合の整備強化をはからなけばいけない。こういうことになるわけで、この点が衆議院で問題になりまして、最初の場合に十四条の各条項によりまして組合員を確認し、そしてその時にもやはり問題が出ると思います。組合がある程度不振で、組合員はやりたいが、組合が負担できないじゃないかという問題が出てくると思います。そこでそれをならば、この組合をどとうするかという問題が出てきまして、今まで不振になっていた組合を、その際私ども整備強化の指導を同時にやっていって立て直しをしたい。また今度は入ってから後もやはりそういう問題が起るわけであります。しかしいずれにしましても、衆議院の付帯決議にもありますように、これによって掛金をかけなければ年金をもらえないという、組合員としては非常に大きな事態ができるわけですから、それを元にして組合言の刷新強化の方に大いに努力しろ。こういう付帯決議も出ているようなわけでありますので、私どもとしてはそれは掛金をとるわけでありますから、はっきり組合の状態というものをつかむことができますから、指導の強い足がかりがでぎるものと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/100
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101・鈴木一
○鈴木一君 そういう悪循環でなく、いい循環ができれば非常にいいのですが、実際問正題として、もうとても掛金をかけることができないというような状態になってかけない。滞納だからといって強制執行するかもしれませんが、しかしそれでもかけられない場合はどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/101
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102・渡部伍良
○渡部伍良君 これは率直に言いまして、年金はあとから交付するわけでありますから、掛金がなければ年金あるいは一時金の交付ができない、こういうことになります。こういう事態が起らないように組合の指導をやっていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/102
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103・鈴木一
○鈴木一君 そういう自信がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/103
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104・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これは役所だけの責任ではなく、組合全体が、当該組合の人がやるべき仕事であると存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/104
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105・鈴木一
○鈴木一君 確かにその通りで、これは渡部さんに聞くのは少し的はずれだと思います。今の農協の不振の状態からしては、必ずそういう事態が起るだろうと思う。起らないようにすると言っても、これはやはり農協自身の刷新の問題で、渡都さんにお聞きするのは無理かもしれません。そういうことを十分予想して、やはりいきなり窓口を広げるというのではなく、逐次やっていかないと大きな瑳趺をきたすことになると、心配します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/105
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106・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) その点は、この法律を昨年の暮にいよいよ農林省で取り上げようという際に、中央会等との話し合いで、非常に大きく、取り上げるか、取り上げないかの分岐点になったくらいの問題であります。そこで私どもの方は、この共済制度発足前において先ほどどなたから御指摘になりましたが、準備を十分に進めなければならぬ。その二項として「各農林漁業団体は、農業協同組合、森林組合、漁業協同組合等の各系統団体ごとに、それぞれの中央団体の責任において単位組合、連合会の下部組織の実態を正確に把握するための調査を行い、それをカードにして整理しておくこと」、それから第二点は、「各農林漁業団体は掛金の滞納団体の生じた場合において、本共済組合の運営に支障なからしめるために総合共済組織を設けること、なおその具体案はあらかじめ農林省の承認を受けること。」こういう条項を、これは中央会だけでなしに、全体の団体のこの年金制度の推進協議会がありますから、そこのそれぞれの責任者からその通りやりますからという一札をいただきまして、そこまで念を押し、それ以上のことも現実の問題としていろいろ出てくると思いますが、われわれとしましては、それでスタートしようということでスタートしているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/106
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107・鈴木一
○鈴木一君 そこまで念を押してあれば、はなはだけっこうですけれども、紙に書くことは簡単ですけれども、実行はなかなか大へんでうまくいかない。もっともあなたが今度ここに呼ばれて、怒られるころは、あなたは次官になっているでしょうが、十分一つ抜かりのないようにお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/107
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108・東隆
○東隆君 衆議院の付帯決議に対して政府の方でお答えになっておりますが、その中身が、抽象的にただその線に沿って大いにやります、という程度以上に何か御説明があったら、それを、お聞きしたい。特に付帯決議の3の「組合員が、本制度の対象とならない他の職場、例えば市町村役場等に移動した場合には、……」とあるのですが、それについてどういうふうにお考えになっているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/108
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109・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これはこの条項は、そもそもこの年金制度を作る一つの大きい理由は、農林漁業団体の職員の身分を安定することによってほかに転職することを防止しよう、こういうことでありますから、ほかに転職することをあまりこちらは期待もしないし、希望もしない、むしろ引きとめるのにこの制度を考えておるのが大きい発足理由であります。しかしいずれにしましても、市町村職員に転向するというような場合もありますが、厚生年金の中にあれば、厚生年金同士は通算できますけれども、ほかの年金制度と通算できないのであります。その点の不便は出てくるのでありますが、先ほど申しましたように、ほかに転職することがたくさんできるという前提で、この年金制度は考えられてないのであります。例外的にできるものは、現在の各種の年金制度の相互間の通算が不十分である、という現状からすればやむを得ない、こういうふうに私どもは割り切っておるのであります。しかしこの点は、先ほど政務次官のお話の中にも含まれていると思うのでありますが、年金制度の総合化でやはりそれが大きい問題になっているわけであります。いずれは国民年金との関連において、そういう問題が全体的に取り上げられることになるだろう、そのときに一緒に解決いたさなければならない、それまでは本制度とほかの年金制度との通算がないことはやむを得ない、こういうふうに考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/109
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110・東隆
○東隆君 私は渡部さんの説明では満足をしないのです。というのは年金制度というものは、これは国民全般を対象にするのが本質的なものであります。そういうような場合にセクト的に組合に職員を引きつけておくのだ、こういうような考え方でもってやるべきじゃない。従ってそんな考え方を私は最初から持っていない方が、総合的に年金制度をりっぱなものにすることになろうと思います。それで途中で切れることによって、かえって年金制度によるところの恩典をなくする、こういうような不公平な人間がたくさんできてくる、そういう人間をこそ私は非常に考えなければならね問題じゃないか。ことに利潤を追求しないようないわゆる公共性を多分に持った団体、そういうような所に職を奉じておる者が、職場を変えることによって通算をされない、こういうような問題が起きてくることは将来ゆゆしい問題になろうと思います。この点は通算をしないで組合に引きつけておくのだ、こういう考え方よりも、かえって通算をすることによって人物を有効適切に使うのだ、こういう考え方に立つべきでないか。その考え方に立たなければ年金制度というものは、これは大成をしません。年金制度をこわす考え方になろうかと思います。その考え方は。そこでやはり衆議院で付帯決議につけたような考え方は、これは大きく生かす考え方でなければならぬ。今、渡部局長の話は衆議院がつけた付帯決議とは全然反対の考え方であって、それをなるべく実行しないようなそういうような説明になる、私はこれははなはだ遺憾なことだと思います。通算をするのには財源を一つのタンクの中に入れれば、これは十分できるはずです。国家が出す分、それから公共団体が出す分、それからその他の者が出すことによって、それから個人が出すことによって加わったものが全部、一つ残らずタンクに入って計算がはっきりすれば、これは通算ができる筋合言いのものです。そういうことができるのは何もそんなに困難なことじゃないと思う。ただ今現実の問題として市町村の場合と、この農業団体の関係の場合とは奉給が違うとか、単価が違うとかそういうようなことなんです。だから問題になってくるわけだけれども、これはやはり歩調をそろえていって、そうしてあるところにおいてこれは調整をとるのだという考え方で進めていかなければ、最初から農業団体から外へ出さない方針でこれを進めておるのでございますと、こういう説明では、私は厚生省の方も賛成をしないだろうし、それからその他の方もえらい反対を、持ち出してくるだろう、私はそういう考え方をこの際一掃された方がいいと思います。次官はどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/110
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111・千田正
○千田正君 関連して。私は今突然来て、渡部局長が東委員のお尋ねに対して御答弁になっておるのを聞いておると、はなはだ当初の考え方とは違うのじゃないか。この法案が出る理想というものは、各公務員と同じような仕事をしておるにもかかわらず、農協団体の役職員は十分にそうした安定の基礎がない、それでひとしからざるを憂うるのだ、何とかして公務員と同じレベルまで、この農協団体のような公共性を持った人たちの生活の安定を考えようじゃないか、というのが法案の出てきたところの最大の理由であって、これを農協につないでおくところの飼葉のような考えでこの法案を出すとするならば、これはちょっと私どもは納得いかないのでありまして、この点は政府の意向をはっきりただしておかなければならぬ。ということは、そういう意味であるならば私は賛成できない。今国民年金その他の問題が起きておって、最後には総合的な国の国策としてこういうものを含んだ、一つの年金制度が考えられておる今日、われわれは、特に農協に対してこの農林委員会の諸君が賛成しようという理由は、農協の役員がほかへいくのをとめておくのだというようなえさ飼いのようなつもりでやっておるのではなくて、国民としてひとしからざるを憂うるから、公務員同様な方法をもってこうした人たちの将来の約束を考えよう。こういうのが私はこの法案の建前だと思うのですが、その点どうも局長の御見解と私の考え方とは違うようでありまして、東委員の御質問に答えるのとあわせて御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/111
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112・瀬戸山三男
○政府委員(瀬戸山三男君) ただいま経済局長が申し上げたのは、所管の非常に貧乏いたしております農林漁業団体をかわいがるあまり、ああいう気持が常にあると思います。それは確かにそういう気持が起るべきものであろう、私は経済局長としては当然のことだと思います。しかしそれだからといって、最後に局長もお答えいたしましたように、これが共通でないということがいいという考えではありません。
これは余談になりますが、前にも国家公務員と地方公務員との恩給の通算がなくて、人の異動があったときに非常に困った、最近はそれが改つたという実例もございまするが、今お話の通りに、社会保障制度と申しまするか、国民年令制度というのは、人々おのおの求あ貧乏はしながらでも、生活のある程度の安定ができるようにしたい、こういうのがこれは根本のねらいであろうと思います。その一環として、全作の国民年令制度は理想として今検討を続けているけれども、先ほども申し上げましたように、農林漁業関係の仕事をしている人々の地位があまりに薄弱である、満足ではないが、この程度の国勢年金保険制度より前推した年令制度を作ろうというのが、この建前でありますから、今お話の通り、また衆議院において付帯法蔵がありました考え方は当然なことだと考えております。ただ今直ちにこれが御承知の通り掛金率が違うとか、あるいは一方にお
いては、この案においては国庫補助を出すようにしておりますが、市町村職昌の共済組合については国庫補助を出しておらないとか、いろいろの差がありますので、直ちにはこれができないと思います。でありまするから、先ほど局長が最後に申し上げましたよう
に、今、社会保障制度審議会で検討をしていただいておりまして、できれば一本化したい、一本化ができなくても国民の困っておられる方々を対象とする、多くの人々の国民年金制度を作り、その一本の線に従って各種のこういう社会保障制度を調整しよう。こういうことが今大きな問題になっているところでありますから、その調整の際に、国庫補助の問題、あるいは掛金率の問題等をできるだけ一本にする。それによって交互に作用と申しますか、流通ができるという制度を私は作るべきものだと、かように考えておるわけでありますから、局長が先ほど申し上げましたのは、最初に申し上げたように、それはもうほんとうに農林漁業団体がきわめて貧弱だから、何とかそこにとどまって大いに振興してもらいたい、というまた一面の気持から申し上げたのでありますから、その点は一つ御了解を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/112
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113・千田正
○千田正君 今のに関連しますが、お答えはそれでけっこうですが、局長は本質はそう思ってもそういう面を表に出すと、なかなかこの問題はうるさいしゅうと小じゅうとがたくさんいるから、そうお考えになってもそれは法案の中の一つではあるが、理想の最高ではないのだということだけは、やはりあなたは局長としてこれは考えていただかないといかぬですよ、それは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/113
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114・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 この法案はいずれ通るでしょうが、そうした場合にこの組合はいつごろ成立して動き出すという見当でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/114
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115・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これは法律の付則によりまして、三十四年一月一日から発足してもらわなければならぬわけです。この法律の公布と同時に、この付則の細分設立の規定だけは即日実施いたしまして、設立準備を重ねまして、法律施行三十四年一月一日からの事業に間に合うように成立しなければならない、こういうことになっておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/115
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116・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 そうすると、これが通れば四月一日から発足のできるように、すべての手続、たとえば発起人その他の会を開くのですか。発起人は四月一日これは実施されてからでなければ開かれないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/116
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117・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これは四月でなく三十四年の一月一日であります。ですからその門にあらゆる準備をしなければならないわけです。付則の第三条にいろいろな手続が、二条の手続を進めまして、農林大臣が認可したことを告示し、告示がありますと第三条の第一項で三十四年一月一日に成立すると法律できめているわけでございます。ですからその間は準備をできるだけ早く急ぎまして、何といいますか、待機の状態で準備をして三十四年一月一日から組合がスタートする、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/117
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118・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 この組合を設立するに要要する経費、費用といったものは農林省の補助でやるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/118
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119・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 農林省としては、本年度予算に一千万円を計上いたしております。その一部が組合設立費用になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/119
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120・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 もう一つこの法律で見ますと、一極の強制加入みたいなことになっているのですが、先ほどからもお話がありましたように、組合の中にはずいぶん不振で気息えんえんたる組合もあるわけです。農協にもあるそうですが、水産団体にも相当あります。そうした場合にこれによりますと法律が実施されますと、この職責は直ちに組合から資格取得の届出をしなければならないということになるわけでございましょう。そうしますと届出はした、届出はしたけれども、加入する届出をしたら加入したことになるかもしれませんが、まだいわゆる掛金をまとめて納めるということには、ちょっと急にいけないといったようなものも、かなり出てきやせんか。そういう組合がこの全体の組合でどれくらい見込んでおられますか、組合数にして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/120
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121・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 現実には先ほど十二条と申しましたが、十六条で農林漁業団体は、その職員について組合員の資格取得及び喪失に関する事項を、この共済組合に届出しなければならない。また組合員であるものをその組合員としての確認を組合に対して申請することができると、十六条にあるわけです。そこで、はっきり確認されたときに、それでは君の俸給は何ぼで何ぼの掛金だということになって、現実の加入ということになるわけです。しかし御指摘のように紀行の実体からいいますと、私の力で三十二年の三月三十一日現在で調べました農協の分につきましても、農業協同組合連合会で総数が三万四千二百九あります。その中で先ほどお配りいたしました表にありますように、一方円千百五十一が事前の調査では加入したいという申し込みがありまして、約二万の組合はそれに該当しない。そのうち約九千は専任職員がないのでありますから、約一万余りの組合、それから業務を停止しておるものが約四千近くありますし、連絡先不明とかあるいはほんとうにわけのわからぬのが約六千くらいあるわけであります。そういうものをこの組合員の資格の確認のときに一切洗わなければいかぬわけです。
これでほかの団体の状況を申し上げますと、水産業協同組合では、組合数が五千六百五十九あります。調査に載ってきたのは資料にお配りいたしてありますように二千五百八十九しかない。それから森林組合は四千九百六十八、そのうちで二千七百三十三、農業協済組合はこれは強制設立でありますから全部確認しております、土地改良区のは一万一千のうち二千百七十二、そういうふうにこの前の調査でははっきりつかめないのがあるわけであります。それを今の業務停止なら停止でオミットしてよろしい。しかし不振組合でうまくいっていないやつは、これから業務を停止するのか、解散するのか、これから引き続いて事業を継続するのか全部仕分けしまして、そうして掛金の可能のあるものを現実には組合員として扱っていく。こういうことになるのじゃないかと思います。それらの準備は、この法律が通りまして組合設立準備事務局を置きまして、中央あるいはその他の地方団体が中心になって確認していただく、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/121
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122・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 そうしますと、ここにあげてある数字は、これだけのものは確実に入ってくる。しかしこれ以外のものはいわゆる専任職員を置いてない、置いてはあるけれども、どうも加入するのはとてもやりきれないといったような組合も、私はあるのじゃないかと思うのですが、そういうことはまだこれから洗っていくわけなんでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/122
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123・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) お話の通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/123
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124・上林忠次
○上林忠次君 先ほどこれもどこかで話が出ておると思いますが、将来国民年金制度が拡充されて全体に及ぶということになると、それと各種のこういうような年金制度、これとのつながりの関係でありますが、これは先ほどのだれかの意見と同じような私も意見でありまして、一定の職域に温存させるようなことになっては困るじゃないか、もっともなことだと思って聞いておったのでありますが、さようなことを考えますと、将来の拡充時代を考えますと、今の各種保険との掛金のことですけれども、あるいは年金の額なりいろいろな点で、どういう工合のバランスになっているのか、これは私先ほどお話を聞いておりまして、こまかい点の比較ができませんが、どこでも通用するようにという、あるいは大体似た職域に対しては通用し仰る、動き得る総計勤務年限なり、あるいはこれらの実績を動いた職域へもそのまま持っていけるのだ、計算し直してむずかしい計算になったら通用しないというような、この特殊な職域ばかりで通用するようなことがないように、全体に通用するようなことを考えますと、今からすぐバランスも考えておかなければならぬのじゃないか。あまり今度の政府の農林漁業団体だけが悪くてもいかぬし、もちろんよくても困るというようなことで、このバランスがとれているかどうかということは、私はこれは数字を見たらわかるでしょうが、ぱっとした気持を局長から聞きたいのですが、どういうふうな点がほかの保険に比べていいのか、どういうような点が欠陥であるのか。これは将来統一するときのためにも、今から考えておかなくちゃならぬのじゃないか、というような感じがするのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/124
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125・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これは第七ページの資料、各制度の比較の所を見ていただければわかります。そこに掛金率、組合員の掛金負担率、国庫補助、こういう欄がありますが、それぞれみな少しづつ違うわけであります。従いまして通算の問題は、今度の団体の問題に限ったことでなくして、市町村共済組合なり、私学職員共済組合なり、公共企業体共済組合等のそれぞれにみな持っている問題であります。従いまして、これをどの組合にいっても共通の通算ができるようにせいということは、これはみんなが希望しているところでありますが、この成り立ちの経過からいって、掛金率が違う、個々では違う。それぞれの歴史があるものですから、いますぐ通算するということは、先ほど、政務次官なり私が申し上げましたように、できないので、これが社会保障制度審議会ではどうやったら通算ができるか、三つを一本にまとめて、そうしてその率が違っても、一本のところから交付するようにしたらいいじゃないかという説もあります。またベースの部分ですね、共通の部分を一つ作って、そうしてこれを国民年金に通ずることにすれば、それはある程度掛金なしで国が全部税金で打つ、その上澄みの部分を移動して、それぞれの特徴を出したらよい、そういう説もあります。いろいろな説があって、これは私が説明してもよくおわかりにならない。専門家のところで非常に議論をされているので、私ども社会保障制度審議会にこの案を諮問したときにも、結局われわれの制度を、初めは頭からだめだ、こういうふうな空気があったようでありますが、よく考えてみると、何もこの制度だけが悪いのではなくして、現在ある制度がよくないのだから、まっこうから反対するわけにいかぬじゃないか、かねがね社会保障制度審議会の中で、もっと給付の内容をよくせい、この中で、たとえばほかの共済組合にない十年以上の遺族年金ですか、あるいは公務障害の場合の六年経過後の給付、そういうものも含めてやっておりますから、内容はよくなっておる、将来はしかしこれを一つとして共通の場に乗せなきゃいかん、それまではこれだけを待てというのも無理じゃないか、こういうことで、いろいろな御説が出たのであります。従ってそういう点が、国民年金制度に関連して、統一される時期は早く期待するのでありますが、今すぐ私の方でどうするということは言えないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/125
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126・田中茂穂
○田中茂穂君 最後に一つ、きょうはお伺いいたしておきたいと思いますが、加入予定数の役職員の数が二十五万九千と予定されております。これに対して国庫補助率が百分の十五になっておりますが、大体一月一日から発足して三カ月の間国庫補助の総額は大体どのくらいになりますか。
それと、本年度予算に一千万計上してありますが、とうてい一千万では足らない。それの不足額はどの程度のものであるのか、その不足額を今後どういうふうに、されようとするのか、おわかりであればそこをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/126
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127・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これはこの資料で見ていただきますように、これは年金給付は、まだ給付の年限に到達していないわけであります。これはこの資料の五ページの、七年目から厚化年金、それからこの組合員になって二十年たたないと、退職年金は出ませんから、そのあとの遺族一時金とか、あるいは障害年金、遺族年金と、こういうものが、出さなきゃしならないものが一部あるわけであります。従ってそういうものについての金は、これは一応この二十五万九千とありますが、先ほど来申し上げますように、これはもうちょっとふえるのじゃないかと思っております。それらが全部できまして、そして一月からスタートする。一月からそういう給付の開始をしなくちゃならない。しかし現実には、計算するのにある程度時間がかかりますから、三カ月のことしの予算で補助金をもらわなくても、給付に関する補助金は来年度に計上して間に合うのじゃないか。こういう考え方でありまして、一千万円という予算を計上しておりますが、これは事務費だけの補助をしているのであります。この五ページの表で見ていただきますように、第一年度では、それらを考えまして、一応計質しているのは、国庫の補助額が年間が一億一千五百万円、こういうことになっております。これは今の給付の補助、これは事務費は入っていない、給付の分だけでございます。事務費の補助は組合員一人当り百円の割で出すことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/127
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128・田中茂穂
○田中茂穂君 その一千万で足るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/128
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129・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) ことしの分は足ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/129
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130・田中茂穂
○田中茂穂君 三カ月で一千万で足るのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/130
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131・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) ええ、足ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/131
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132・田中茂穂
○田中茂穂君 そうしますと、ここに書いてありまする私立学校の教職員の共済組合の事務助成費は、一人当り大体幾らになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/132
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133・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 私学の方の一人当りは三百七、八十円になっておりますが、これは私学の組合の方は、例の短期給付の補助も含んでおりますから、それを考慮いたしまして、この組合では百円と、これは厚生年金の例で見ておるのであります。しかし僕らの方はもうちょっとほしいというので予算折衝したのでありますが、一応百円で今年度は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/133
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134・田中茂穂
○田中茂穂君 そこを私は聞きたかったのですが、私学の方は、長期給付だけの事務助成費に、一人当り大体どの程度助成しておるのか。この衆議院の方からつけられました付帯決議に、せめて私学と同程度を補助し得るように努力しろと、こういうふうな付帯決議がつけられておるわけなんでありまして、われわれもそのように思うのですが、私学と同程度まで、一月一日から三カ月間の間にやれば、一千万ではとうてい足りないと思う。どの程度足りないのか。その足りない分を、農林当局としては、あくまでも私学と同様のところまで努力しよう、というお気持があるのか、その辺を一つお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/134
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135・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 本年度の予算のときには、御承知のような経過で、何といいますか、とにかくこの制度を場に乗せなきゃいかんというので、時間的制約等もありまして、私ども必ずしも十分だとは思っていないわけであります。しかしこちらも設立の準備を急ぎまして、現実にどうしてもこれだけ要るという、今度は計数的な、具体的な数字をこちらで書いておかなければ、ほかの組合がこうだからこれだけは要るというのでは、これは芸のない話でありまして、そういうもうな計数をまとめて、これは来年度の予算なり、あるいはとにかくことしの募れに、補正予算なら補正予算のチャンスもあるだろうと思いますからして、そういう点は十分検討したい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/135
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136・田中茂穂
○田中茂穂君 確認しておきたいと思いますが、今年度予算に計上されている一千万円では満足じゃないのだ、何とか増額することに努力するというお気持なんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/136
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137・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これは仮定で今やっておるわけですから、そもそもの案のときに、もっと違った案で予算をとっているわけでありまして、組合の団体の範囲も広げました。いろいろな条件が違っているわけですから、私どもの方の希望としては、もう少しほしいのじゃないか。こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/137
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138・仲原善一
○仲原善一君 審議に時間的な制約もあるようでございますので、また情勢によって御質問申し上げますが、きょうは一点だけお伺いいたします。
それは例の厚生年金から分離して、移管を受ける資金の問題に関連したものでございます。これは先ほど田中委員からの質問に対して大体四十億と、農協だけで約三十三億というお話がありましたが、その時期も概算金ということで大体三十四年度中にというお話でございましたが、この問題に関連しての質問でございます。それはその水金に対する利子はどういうふうにお考えになっているか。これはやはり計算によれば、二、三億の利子というものが生まれるのじゃないかという気持もございますので、これは結局組合員なり、組合の負担する負担金に非常に影響がある問題でありますので、出発に当って相当額の利子に相当すると思いますが、こういう利子の問題についてどういうふうに処置を願っているのか、どういうお考えであるか、その点だけを一点だけお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/138
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139・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 利子の点は厚生省とも移管に際して非常に議論したのでございますが、総体としては相当な金額になるのでありますが、三十億なり四十億に比べると何分の一かになるので、従来の例か言うと、市町村は退職脱退の金しかもらっていない。そういう程度に比べるとうんと今度は厚生省の方ははき出す格好になったものですから、非常に計算について渋ったわけであります。しかしその計算をはっきりしないと、法律を取り上げるというわけにいかないので、私の方では、市町村に比較しまして相当に確保したから、利子の点はこまかい計算になって二十何万人の計算になるわけですから、その点は一緒にやればいいじゃないかという議論もあるのでありますが、率直に申し上げまして利子の点は向うに譲ったのでありまして、そこで妥協したのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/139
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140・関根久藏
○関根久藏君 最後に、この一条に、あらゆる農林漁業団体は全部網羅しておるようでありますが、各府県にも幾つかあるし、全国的にもあると思うのですが、農業協同組合の信用共済会ですか、いわゆる信用保証協会、ああいうのがあるのでずが、あれの団体は農業協同組合法によって設立された法人とみなして差しつかえないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/140
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141・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) それは協同組合法に基いた法人には該当いたしません。任意団体として考えておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/141
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142・関根久藏
○関根久藏君 そうするとこの恩典からは除かれておるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/142
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143・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 現在の制度の建前からいいますと、同種の問題の団体がたくさんあるわけでありますので、どこで線を引くかということからいきますと、やはり法律に基いてはっきり権能の付与された団体、ということで線を引かざるを得ない、こういうのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/143
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144・重政庸徳
○委員長(重政庸徳君) 本日はこれをもって散会いたします。
午後四時三十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02119580325/144
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