1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年三月十三日(木曜日)
午前十時四十四分開会
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委員の異動
本日委員郡祐一君及び吉田法晴君辞任
につき、その補欠として吉田萬次君及
び矢嶋三義君を議長において指名し
た。
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出席者は左の通り。
委員長 湯山 勇君
理事
野本 品吉君
吉江 勝保君
竹中 勝男君
常岡 一郎君
委員
川村 松助君
林屋亀次郎君
三浦 義男君
吉田 萬次君
秋山 長造君
高田なほ子君
松永 忠二君
矢嶋 三義君
国務大臣
文 部 大 臣 松永 東君
政府委員
調達庁不動産部
長 柏原益太郎君
防衛政務次官 小山 長規君
防衛庁経理局長 山下 武利君
文部省初等中等
教育局長 内藤誉三郎君
文部省社会教育
局長 福田 繁君
文部省管理局長 小林 行雄君
事務局側
常任委員会専門
員 工楽 英司君
説明員
文部省初等中等
教育局保健課長 塚田 治作君
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本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠互選
○本委員会の運営に関する件
○国立競技場法案(内閣提出、衆議院
送付)
○学校保健法案(内閣提出)
○教育、文化及び学術に関する調査の
件
(小学校または中学校の学齢児童生
徒の区域外入学に関する件)
(自衛隊の航空基地周辺における騒
音防止に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/0
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001・湯山勇
○委員長(湯山勇君) これより文教委員会を開会いたします。委員の異動についてお知らせいたします。本日郡祐一君、吉田法晴君が、辞任され、その補欠として吉田萬次君、矢嶋三義君がそれぞれ選任せられました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/1
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002・湯山勇
○委員長(湯山勇君) 次に、林田君から都合により理事を辞任したい旨の申し出がありましたが、これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/2
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003・湯山勇
○委員長(湯山勇君) 御異議ないと認めます。つきましては、直ちにその補欠互選を行いたいと存じます。この互選の方法は、成規の手続を省略して便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/3
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004・湯山勇
○委員長(湯山勇君) 御異議ないと認めます。それでは私より吉江勝保君を理事に指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/4
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005・湯山勇
○委員長(湯山勇君) 最初に、昨日行いました理事会の経過を御報告いたします。
本日の日程は、公報に掲載の通りでございますが、午前はまず国立競技場法案について提案理由の説明と補足説明を聴取し、ついで学校保健法案については質疑を行うことになりました。午後は自衛隊の航空基地周辺における学校の騒音防止について松永委員から質疑の申し出がありましたので、これを許可することといたしました。当面の文教政策、昭和三十三年度文教予算については、前回に引き続き質疑を行うことといたしました。次に、著作権法の改正については、引き続き検討を加えることになりました。先般御協議願いました教職員の勤務評定、道徳教育、科学技術振興に関する参考人の出席日時等については、次回の理事会で御協議願うことになっております。以上の通り取り運ぶことに御異議ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/5
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006・秋山長造
○秋山長造君 ちょっとお尋ねしますが、この前の委員会で理事会の決定について御報告があった中に、勤務評定の問題について、全国都道府県教育委員長協議会あるいは教育長協議会の代表者を呼んで質疑をするという話がありましたが、そのときの話しでは、適当な機会にというように非常にぼやけた話だった。この適当な機会にといいましても、これは時期的に非常に緊急を要する問題だと私は思うのです。にもかかわらす、その点について、きのうの理事会で協議がなかったのかどうかお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/6
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007・湯山勇
○委員長(湯山勇君) それでは私からお答えいたします。ただいま御質問の点につきましては、昨日理事会において協議をいたしたわけでございまして、ただいま秋山君のお話しのように、四月から実施するというようなことを聞いておるのだから、ぜひそれまでにやらなければならないという強い御発言もございました。これに対して、一方においては、一応、文部省の方からいろいろ勤務評定の内容その他について事情を聞いて、その上で必要があれば、前回きめましたような参考人を呼ぶということにしてもらいたいというような御発言もありまして、結句結論を得るに至らなかったというのが、昨日の経過でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/7
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008・秋山長造
○秋山長造君 実は一週間前の委員会に先だった理事会におきまして、今月の十八日に呼ぶということにきまったという報告を、私どもは私どもの理事から受けて、そのように理解をしておったのです。ところが、この前の委員会の直前になりまして、また話が変ってきたようでありまして、結論的には委員長が報告されたように適当な機会にというようなことで、日にちの点がぼやかされて、私どもは非常に割り切れない気持ちを持ちながら委員長の報告を聞いたわけなんです。で、その点について、私どもはどうも十八日に一たんきまりながら、それが事前にまたくつがえったということについて、納得がいかない点が一つあります。それから第二点は、今おっしゃったまず文部省から聞いて、それで納得がいかなければという話しですが、これは私は筋が違うと思うのです。去年の十一月、十二月初めころの情勢のもとでなら、今おっしゃるような理屈が成り立つかもしれない。でないならば、当時は文部省が基準案を作って全国に試案として流すという情勢であって、そういう前提のもとにわれわれは審議をやっておった。ところがその後情勢が、すっかり一変いたしまして、文部省は少くとも真正面からは一歩退いた形で、そうして全国の都道府県教育長協議会の試案なるものが出てきて、そうして文部省とは別個の立場で全国教育長協議会というものが正面に出て、その責任において試案を作って全国に参考資料として流すという情勢になってきたのですから、これはもう十一月ころの情勢とすっかり条件が変ったわけなのですね。従いまして、これまた文部大臣なり、政府委員からも、しばしば発言がありましたように、これはあくまで都道府県の教育委員会の責任においてやられるべきことだ、だから文部省が真正面からやることではないという説明も聞いてきておるわけです。ですから条件も変り、情勢も変り、そうしてまた、その法律上の建前から言いましても、昨年当時とは変っておるのですからね。だからやっぱりこれは文部省に聞くといったって、人のやったことを文部省に聞くというのは、これは筋が違うと思うので、やっぱりやったことはやった当人から聞くのが、私は当り前だと思うのですね。従いまして、全国教育長協議会なり、教育委員長協議会の責任においておやりになっていることを聞くのですから、これは文部省に聞くのは筋違いであって、これは当然最初理事会でおきめになったように、これは全国教育長協議会なり、あるいは教育委員長協議会なりの代表者から意見を聞く。文部省に聞くというのは、またこれは別な話しなのですから、これはそれをごっちゃにしてもらっては困ると思うので、筋道だけはやっぱりきちっとつけてもらいたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/8
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009・湯山勇
○委員長(湯山勇君) ただいまの点につきましては、秋山君の御指摘のような経緯もあったわけでございまして、文部省から、先に文部省に聞いてくれという希望があったのかどうか、その辺私どももつまびらかにいたしておりません。そこで、これは文部大臣に私からお尋ねいたしたいと思うのですが、今回の教育長協議会の案について、まず文部省に意見を聞いてもらいたいというような希望が文部省側におありになるのかどうか、これは文部大臣から一つお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/9
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010・松永東
○国務大臣(松永東君) これはなんですか、今委員長のお尋ねの要旨は、私の方に質問してもらいたいという要望をしておるかどうかということなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/10
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011・湯山勇
○委員長(湯山勇君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/11
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012・松永東
○国務大臣(松永東君) これは私の方では、御質問なさればこれにお答えをいたします。しかし、こちらから進んで質問して下さいというような気持は持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/12
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013・秋山長造
○秋山長造君 今の大臣の御答弁できわめて事ははっきりしておるのですね。この委員会が、委員会として独自の立場で参考人を何月何日呼ぶということをきめることについて、これは文部省が何もそれに対して、それは困るとか、先に文部省へ聞いてくれとかいうようなことを言う筋合いでもないし、また、言われるつもりもないし、また言った事実もないということは、今文部大臣がはっきりおっしゃったのですから、だから文部省に聞く聞かぬは、これはもう各委員の自主性にまかしたらいいことなので、委員会としてはこの最初の話しの通りに、すみやかに教育長協議会なり、委員長協議会なりの代表者を集めて、その手元で、その責任において作られた案について聞くということは、これはもう当然の話しでもあるし、また、必要なことでもあるし、現に私どものところへ去年の暮れを教育長協議会からこの試案を送ってこられて、そのつけぶみにも、これは各位におかれても何とぞ御叱正を賜わりたく、こう書いてあるのですから、各位において大いに批判して、そうして悪い点があったら叱正してくれと書いてあるのですから、これは文部省の方は別にどうでも御自由にして下さればけっこうですと、こう言っているし、一方、この作った責任者の方は叱正してくれというて書いておるのですからね。だからこれは当然その作った人を呼んで、ここで疑問の点をただしたり、あるいはわれわれの見解を述べたり、希望を述べたりすることは、これはまことに必要で、しかも時宜に適したものと思うのですが、そういうことがなぜきまらないのか、私はどうも理事会の内容について納得できない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/13
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014・湯山勇
○委員長(湯山勇君) ただいま秋山君の御意見のことも、十分次回の理事会においては考慮に入れて決定をいたしたいと思います。
そういうことを前提といたしまして、先ほど報告の通り取り運ぶことに御異議ございませんか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/14
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015・秋山長造
○秋山長造君 ぜひやって下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/15
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016・湯山勇
○委員長(湯山勇君) じゃ御異議ないと認めます。
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017・湯山勇
○委員長(湯山勇君) まず、国立競技場法案を議題といたします。松永文部大臣から提案理由の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/17
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018・松永東
○国務大臣(松永東君) ただいま議題となりました国立競技法案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
本年五月、東京都において開催されます第三回アジア競技大会の主競技場にあてるため、国で総経費約十四億五千万円をもって、旧明治神宮競技場跡に昭和三十一年度から国立競技場を建設いたしておりますが、本年度をもってその工事が完成し、引き続き明年度諸施設の整備を行うことになっております。
そこで、この競技場を最も適切かつ効率的に運営するためには、特殊法人国立競技場を設立し、これによって運営するのが最も適当であると考えるのであります。
以上のような理由から、競技場の施設設備等の財産を政府から現物出資いたしまして、その価格の合計額に相当する額を、この特殊法人国立競技場の資本金として、運営費につきましても国庫補助を行い、この競技場の運営を行わせるとともに、体育の普及振興をはからせたいと思うのであります。
以上がこの法律案を提出いたしました理由でありますが、何とぞ、十分御審議をいただき、すみやかに御賛成下さるようお願いする次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/18
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019・湯山勇
○委員長(湯山勇君) 次いで、福田社会教育局長から補足説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/19
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020・福田繁
○政府委員(福田繁君) ただいまの大臣の説明に補足して、国立競技場法案の内容について概略御説明申し上げます。
この法案は、国が旧明治神宮競技場跡に建設した陸上競技場及びその付属施設を適切かつ効率的に運営するため、特殊法人として国立競技場を設立することを定めるとともに、その資本金、組織、業務、財務、会計、監督等に関し、所要の規定を設けたものであります。
すなわち、第一に、国立競技場は法人といたしますとともに、その設立当初の資本金は、第四条において、国が旧明治神宮競技場跡に建設しております体育施設及び付属施設の財産の価格の合計額に相当する額を政府が出資したものをもって充てることにいたし、政府はこれらの財産を現物出資することといたしておるのであります。
なお、競技場の建設工事は、明年度におきましても諸施設の整備や、また付属庭球場の建設工事を行うこととなっております関係上、これらの追加工事分に相当する国の財産は、この法人設立後におきまして、政府からこの法人に対して追加出資することといたしておるのであります。
第二に、この法人の業務といたしましては、第十八条に掲げているごとく、まずその設置する体育施設、すなわち陸上競技場、室内体育館、室内プール等を運営すること、次に、その設置する付属施設たる展示室やスポーツ記念館等に体育に関する内外の資料を収集し、保存して、これらを一般の利用に供すること、さらにこれらの諸施設を利用して、講習会や研究会等を実施するなど、体育の普及振興に必要な業務を行うこと、また、これらの施設を支障のない限り、一般の利用に供することといたしておるのであります。
第三に、この法人の役員については、第八条で会長一人、理事長一人、理事三人以内及び監事二人を置くこと上し、これらはすべて文部大臣が任命し、その任期はいずれも二年といたしております。
なお、役員は専任を建前といたしますけれども、他の職業に従事している者であっても、第十三条の規定によりまして適任者を任命し得ることとし、競技場運営のために広く適材を求め得るようにいたしております。
また、この法人の役員及び職員は、その業務の公共的性格にかんがみ、他の特殊法人の例のごとく、第三十四条以下の規定により、刑法のわいろ罪の適用については公務員と同一の取扱いを受けることといたしたのであります。
第四に、この法人には第十六条の規定により会長の諮問機関として評議員会を置き、競技場の重要業務に関して、広く学識経験者の意見を求めて運営の適正を期することといたしますとともに、スポーツ界等の意向が業務の運営に十分反映することを期しております。
第五に、この法人は第三十条の規定により文部大臣の監督を受けるのでありますが、その業務の公共性に基き、定款、業務方法書、収入支出の予算、事業計画、資金計画、その業務の公共性に基き、定款、業務方法書、収入支出の予算、事業計画、資金計画、その他重要財産の処分等につきましては、他の特殊法人と同様に、文部大臣の認可または承認を受けることを要するものといたしたのであります。
最後に、この法人の成立は、昭和三十三年四月一日とし、それまでに設立に関する事務を処理することとし、附則にそれについての必要な規定を定めておりますが、それはこの競技場の施設が、昭和三十三年五月開催の第三回アジア競技大会の主会場にあてられることとなっていますので、その運営に支障なからしめるために、すみやかにこの法人を設立して準備に遺憾なきを期する必要があるからであります。
以上、御説明申し上げました諸点は、内容の概要でありますが、何とぞ十分御審議をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/20
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021・湯山勇
○委員長(湯山勇君) 本案に対する質疑は次回から行います。
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022・湯山勇
○委員長(湯山勇君) 次に、学校保健法……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/22
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023・秋山長造
○秋山長造君 学校保健法案に入る前に、この前御質問した小、中学校のもぐり入学の問題について、大臣は急々にこれをとめるような通達を出すというお話があったのですが、その後扱いがどうなったか、ちょっとお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/23
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024・松永東
○国務大臣(松永東君) その後、御指摘になりました点は、まことに時局が急々にやらぬといかぬので、さっそく内藤局長に命令いたしまして、発送したはずでございます。多分きのうかおとといあたり発送済みになっておると思います。そうなっておりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/24
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025・内藤誉三郎
○政府委員(内藤誉三郎君) はあ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/25
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026・松永東
○国務大臣(松永東君) その点御了承おきを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/26
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027・秋山長造
○秋山長造君 その通達の内容をちょっと御披露願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/27
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028・内藤誉三郎
○政府委員(内藤誉三郎君) これはずっと前にも一度、法務省と連名で、もぐり入学につきましては通知をいたしておりますが、重ねて御要望がございましたので、初等中等局長名をもちまして、昨日全国の教育委員会に通達をいたしました。その趣旨は、最近もぐり入学をやっている事実があるということを指摘いたしまして、これは学校教育法及び施行規則の精神に違反しているのですから、そういうことのないように。それから、住民登録票というものをはっきりつけなければならぬということを通知しまして、さらに、このことはひっきょうするところ、施設、設備の不均衡、あるいは教員配置の不均衡にもあるから、学校差をなくするように格段の努力をされたい。最後に、先般法務省と共同通牒いたしました住民登録との関連の通牒がございますので、それを参考につけておきました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/28
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029・秋山長造
○秋山長造君 通達は出されたそうですが、さらに、これはやはり世論に対するアッピールが重大じゃないかと思うのですが、その点について報道機関等へどういう発表をなさったのか、その点も合せてお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/29
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030・内藤誉三郎
○政府委員(内藤誉三郎君) 報道機関の方は、ゆうべおそかったもので、連絡いたしませんでしたが、昨日発送いたしましたので、おそらく発表するとすれば、きょう午前中、きょうだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/30
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031・秋山長造
○秋山長造君 それはおやりになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/31
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032・内藤誉三郎
○政府委員(内藤誉三郎君) やりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/32
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033・秋山長造
○秋山長造君 その点につきまして、一応今日の段階での措置としては、私それでけっこうだと思うのです。ただこの点は、この前も申し上げましたように、従来たびたびそういう措置をおとりになったにもかかわらず、まあ、一ぺんこの通達を出せば、文部省の方も忙しかったりするものだから、出しっぱなしで、また次の年度がわりになって、火がついて燃え出したら、またあわてて通達を出すというようなことで、まあ、どろぼうをつかまえてなわをなうというような形になりやすいのですね。で、これは今後ますます私この傾向は激しくなると思うのです。ですから、やっぱりこれは今回の通達をお出しになったのを契機にして、今後不断にやっぱりそういうことの起らないように、不断の努力をお願いしたいと思うのです。それから同時に、この前内藤局長おっしゃったように、まあ、その傾向を直正面から押えると同時に、今後のやっぱり態度としては、学校差をできるだけなくして、あらゆる人的、物的条件を整えていくということに、これはもう誠意をもって、全国的規模で、やっぱり文部省において努力されたいと思うのです。
それから、それだけは希望ですが、さらにもう一つついでにお伺いしておきますが、これは千葉市の本町小学校という小学校で起っておる問題ですが、私の聞くところによりますと、千葉市の本町小学校というのは、東京でいえば番町だとか、麹町だとかいうような名門の小学校らしいのです。その小学校では、全校生徒二千五百人のうち、九百人以上がもぐりのようです。そうして、本来二千五百人も収容できない学校でありながら、もぐりが九百人もおるために二千五百人も収容している。で、とてもこれはすし詰めもすし詰めも大すし詰めで、授業にならないので、仕方がないので、これのすぐ近所に分校、鶴沢という分校を作って、そうして一年から四年までを分校の方へ移しかえて、そうして従来の本校の方へは、五年、六年だけを残すというようなことで急場をしのいできたようです。ところが、今度はこれをいよいよもう分校でなしに、別個に独立校にする、そうして鶴沢小学校の方は新しい学校を設けて、そしてそちらの方は全部鶴沢の方でやる、こういうことにしたところが、PTAの方が騒ぎ出して、そんなばかなことがあるか、よそからもぐりで入ってきた人間のために、地元の人間が本校から締め出されて、そして同じ地域でありながら、紙の上だけで別の学校を作って、しかも新しい学校をやる、しかも、一年から四年までの独立した小学校を作る。そして今までの本校は五年、六年だけの小学校になる、そんなばかなことは、法律上も許されんじゃないかというようなことで、今もめておるそうです。こういう事実を文部省は御存じになっておるかどうか、御存じになっておれば、一体こういうことが許されるのか。また、これに対してどういう指導、助言をおやりになるのか、それらの点についてお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/33
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034・内藤誉三郎
○政府委員(内藤誉三郎君) ただいま御指摘になりました千葉市の例については、私どもまだ聞いておりません。こういう事態が起きたのは、一つには最近特に千葉の人口増加に伴うものかとも思いますけれど、御指摘のように、もぐり入学がそういうふうに非常に数が多いとなれば、これはまあゆゆしい問題だと思うのです。特に最近は住民登録票によって相当厳重にやっておりますので、そういう違法行為が、あるいは脱法行為が今御指摘になったようにあるものとすれば、これは私どもゆゆしい問題だと考えておるのでございます。まあ、その地域にほんとうに住居いたしまして、学校が一つの学校では運営できないというようになりますれば、これは当然学校を分けなければならないと思います。その場合に、今御指摘になったように、四年以下と五、六年というふうに分けることは、これは私どもはなはだ好ましくないと思うのです。少くとも独立校として、双方とも立っていくように指導しなければならぬと考えております。この点につきましては千葉県の教育委員会を通じまして、事情をよく聴取してみたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/34
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035・湯山勇
○委員長(湯山勇君) なお、昨日通牒を出したそのものは、当委員会にも御配付願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/35
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036・竹中勝男
○竹中勝男君 今のに関連して。やはりこれは具体的にただ一片の通牒を出すということでの効果では、全国的なこういう問題が解決することはとてもできない。また、来年の今ごろには通牒を出すということになる、だんだんとこういう傾向は強くなるだろうと思います。それで、幸いに今千葉の本町小学校の問題が出ましたので、これを具体的に文部省として一つ手を打っていただきたい。そしてここでこの問題を解決する方途を見出していただきたい。これはこの委員会に随次報告していただきたい。そうして二千五百人の中の九百人まで越境入学だという事実もはっきりして、そしてこれに対してどう文部省が対処するか、その具体的の方策を示して、これを解決の糸口にしていただきたいと思う。それで他に新しい小学校を作るというようなことは違法なんですから、これを阻止する、あるいは入ったものをまた戻す、具体的に戻す、こういうふうに具体的にこの問題を解決する事実を示していただきたい、それを来週また報告していただきたいと思います。それだけ要望しておきます。
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037・湯山勇
○委員長(湯山勇君) 次に、学校保健法案を議題といたします。質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/37
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038・松永忠二
○松永忠二君 二、三の点についてお尋ねをいたします。法案の第五条の健康診断の結果に基いて、いろいろな適切な措置をとるというようなことが出ておるわけでありますが、現状において第五条でそういう健康診断が行われて適切な措置がとられるだけの準備ができておるのかどうか。そういう点についてはどういう見解を持っておられるのか、局長から一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/38
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039・内藤誉三郎
○政府委員(内藤誉三郎君) 従来も健康診断は文部省の省令でやっておりました。その場合にも、適切な措置が講ぜられているわけでございます。今回はそういう省令を新しく立法化いたしました。その際に、このたび従来と変りました点は、主として貧困児童に対する治療費の補助でございます。ここでいう適切な指導とは身体検査を行なって、まず第一にからだの悪い者はこれをなおすように治療を勧告することであります。それから特に特殊学級に入れることが適当な者は、特殊学級に入れるように勧告する、あるいは児童、生徒で身体に障害がある者は、作業を軽減するとか、あるいは勉強を差し控えるとか、そういうようなことをいたすわけでございます。これは従来もやっておったことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/39
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040・松永忠二
○松永忠二君 その点について今お話が出てきておるわけでありますが、盲学校とか、ろう学校、養護学校への就学に関し適切な指導を行うということが出ておりますが、現実には精神薄弱児にいたしましても百万人もある。その中で養護学校へ収容されておるものは一千七百人程度だ、特殊学級へ収容されておるものが二万七千人程度だということになりますと、適切な措置を打ちたいとしても、そういう方の施設、設備が充実をされていなければ、適切な措置が、現実にはとれないのじゃないかというような点があるのですが、こういう点についてどういうことを、この法案との関連において、その計画を進められていくつもりなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/40
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041・内藤誉三郎
○政府委員(内藤誉三郎君) この法案の主たるねらいは、学校保健でございますので、学校における児童の健康管理が主でございます。ですから子供の健康を診断いたしまして、それが治療を要するような者に対しては、治療を施してやる、そうしてなお学習に差しさわりがある場合は、学習に差しさわりのないように軽作業を命ずるとか、あるいは勉強を緩和するとか、いずれにいたしましても、早く治療をして、健全なからだにして学習能率の向上をはかるというのが、この法案の趣旨でございます。御指摘のようなものは、これはすでに就学の猶予、または免除という形で大体は上ってこないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/41
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042・松永忠二
○松永忠二君 私の申し上げているのは、養護学校の充実をはからなければ、現実にはこういうふうな適切な措置を打たれぬではないか。特殊学級の充実をやらなければ、せっかくこういう健康診断をやられても・・・、私の申し上げているのは、就学できないで免除をされる者について言っているのではなくて、就学できる者についての施設の充実がなければ、適切な措置ができないのではないか。だからこういうような法律を提案するならば、同時に精神薄弱児なり、肢体不自由児の就学時の健康診断において欠陥が出てきたときに、それを適切に収容する施設を充実させることが必要ではないか。そういう点についてこういうような計画を持って、これと同時に実施をしていくということじゃないと、まことに美しい言葉ではあるけれども、現実にはこの法案が効果を十分発揮しないのではないかということを私は申し上げているので、そういう点については、どういうふうな構想を持たれておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/42
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043・内藤誉三郎
○政府委員(内藤誉三郎君) 特殊教育につきましては、一面において盲学校、ろう学校あるいは養護学校の建築費の補助をいたしております。なお給与費につきましては、これは義務教育と同様に二分の一の国庫負担をいたしております。教材費につきましても、義務教育と同様に二分の一を国庫負担をいたしまして、特殊な盲、ろう、養護学校の設置を一面において推進しておるわけでございます。ただ、地方財政の現状から、御指摘のようにまだ十分に至っていない。盲ろうは義務教育になっていながらも、なおかつ五〇%程度の就学率でございます。従って精神薄弱、肢体不自由児に至りましては、御指摘のように非常にまだ十分に伸びていないという欠点はございますけれども、私どもは一面において、特殊学級の補助費、これは前年とほぼ同額に予算に特殊学級設置奨励のために、設備費の補助をいたしております。また、本年度からは特殊学級に勤務する教員につきましても、特殊学級手当を創設することにいたしておりますので、漸次この方面の努力をいたして参りたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/43
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044・松永忠二
○松永忠二君 その点については、一つそういうふうな適切な措置がとれるように、計画的に充実をはかっていただきたい。それでないと、せっかく就学時の健康診断ができても、そういうものが発見されても、事実上は文章には出ているけれども、実現できないということになるのではないか、そういうふうに思うわけであります。第十条の「健康診断の方法及び技術的基準については、文部省令で定める。」というこの中には、結核におけるエキス線の検査の受検というものはこの十条の中に含まているのか、今後含めていく考え方であるのか、その辺はいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/44
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045・内藤誉三郎
○政府委員(内藤誉三郎君) 含めておるはずでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/45
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046・松永忠二
○松永忠二君 そうすると、第四条の「就学時の健康診断」というのは、結核予防法の定期診断になると思うのですが、この点はやはり結核予防法の定期診断に入っているというふうに、定期診断に当るものだと考えていいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/46
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047・内藤誉三郎
○政府委員(内藤誉三郎君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/47
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048・松永忠二
○松永忠二君 そうすると、第十四条のところに「前二条……に定めるもののほか、学校における伝染病の予防に関し必要な事項は、文部省令で定める。」というふうに出ておるわけですが、結核予防法の二十九条で、就学児童が入所命令を受けて入所しているというような者、あるいは入所できないという者の数がすでに判明されておると思うのですが、この点については、どういうふうな調査を進めておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/48
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049・塚田治作
○説明員(塚田治作君) ただいまの御質問の点につきましては、ちょっと私了解いたしかねるのでございますが、はなはだ御迷惑でしょうがもう一度…。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/49
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050・松永忠二
○松永忠二君 この法案にも出ているように、就学時に健康診断を行う。そうするとその就学時に健康診断を行なった結果、就学する児童の中には結核の法律によって入所しなきゃいけないものが発見されるわけですね。現状でもそういうことをやっているわけです。そこで、そういうふうな結果、健康診断の結果入所できる、結核にかかっているということから入所命令というものが結核予防法によって出てくるわけです。現実にそういう健康診断によって入所命令が出て入所している者、入所命令を出す必要があるけれども、これが施設の関係で現実にまだ入所できないという、そういう者の数が判明をされておるのであろうし、またこの結果によって、そういう者が必ず出てくると思うのですが、そういう点についての調査がやはり私は明確になっておると思うのですが、そういう点についてお尋ねをしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/50
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051・塚田治作
○説明員(塚田治作君) 就学時に健康診断を実際にやっておりますのは、大体八〇%やっております。これにつきましての十分な資料は、われわれのところに遺憾ながらないのであります。従いまして一部の調査につきまして、われわれはそれを参考といたしましてやっておるのでありますが、ただいまの御質問の、結核によって病院等へ入っておる、療養所等へ入っておる、こういうような者につきましては、やはり一部は就学の猶予をやっておりますが、六月か七月から大体出れるというような者につきましては、猶予に至らないというようなケースも実はあるわけでありまして、その点は、その疾病の種類、程度、いろいろ複雑なファクターが入るわけでありまして、従って従来就学の猶予、免除につきましては、遺憾な点が多々あったようにわれわれは聞いておるのでありまして、今度この法律を作りまして、就学時の健康診断につきましては、健康診断の基準、内容をはっきりいたしまして、そうして十分診査をいたしまして、従ってその結果、それぞれ適当な指導をいたしたい。また、猶予あるいは免除につきましても、従来よりもはっきりいたしたいと、こう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/51
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052・松永忠二
○松永忠二君 私が申し上げたのは、就学を免除するとかそういうことでなくて、私たち思うに、おとなの結核患者というものは、非常に対策を十分に打たなければできないけれども、小児の結核というものについては、国としても十分な対策をして、将来ある子供たちを早期に結核から救うということは私は必要だと思う。それについて従来学校が健康診断をやっても、それが発見をしても、十分処置できなかった。現実にお話を聞いて、私が数字をお聞きしたいのは、従前の身体検査によってこれだけの結核の児童があったけれども、現実には厚生省の関係で出てくる結核予防法に基いて入所命令が出て、入所できた者はこれだけであって、現実にこれだけの者は入所の必要な者であっても、まだ十分に入所のできていない者もある。今度はこの法律によってこういうように発見をして、そうしてこういうような措置をとって、厚生省との間に連絡をとってやるのだという具体的な話がないと、美しいものを作られても、あなたの方ではトラホームとか、あるいは蓄膿症とか、そういうものについてやはりお考えでしょう。しかし、もう少し実はもっと手を入れなければできない。その問題については、現実に出ておるように、何ら手を下すことは、国の補助をすることもできないこの法律案なんでありますから、そういう意味で、あなたの方ではこういう問題について、ただ就学を免除するだけではなくて、積極的にそういうものについて対策を立てられておるのかどうかということをお聞きしておるわけです。そういう基本的な調査をお持ちであるのかどうかということなんであります。現実には御承知のように入所命令が出ても、二分の一は都道府県の負担である。従って入所命令が出ても、都道府県の財政が困難であるので入所することもできないで、実は結核児童が一般の中に入っておるという事態もあるわけなんです。こういうふうなことを考えてみたときに、やはり地方の財政が苦しいから結核の児童についてそのままにしておくということはできないので、この点についての対策は十分打たれていかなければならないし、これは厚生省と文部省の両方にかかっておるために、これは十分な対策が打たれていないように私たちは思う。そういう点であなた方の方でどれだけ調査をされ、性質をしっかり把握をされて、今度の学校保健法案によれば、こういうふうに処置できるという者があるのかどうかということをお聞きしておるわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/52
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053・塚田治作
○説明員(塚田治作君) ただいまの御指摘の点は、十分われわれも考えておりまして、ごもっともなお言葉でありますが、結核予防につきましては、一応厚生省もまあ結核予防法によって実はやっておりまして、一応われわれの方といたしましてやっておることは、検査を十分いたしまして、その検査によって発見された者につきまして、あるいはツベルクリンの陽性転化をして、十分その一年間は保護しなければならないという者につきまして、これが手を打っているわけであります。大体われわれの学校におきましての児童生徒の結核患者数は一応出ております。これに対しましての、まあ病気の程度によりまして療養所に入る、あるいは学校において管理をしながら療養と申しますか、病気の保養をやっておるとか、いわゆる御承知の通り結核の療養の指導につきましては、最近指導区分というものを出しまして、いわゆる生活規正と療養の規正と両方の面から結核患者についてはやらなければならぬというようなことで、これもごく最近われわれの方から通達をいたしまして患者の措置をとるようにというようなことを実は出しております。まあ、御指摘のように十分やらなければいかぬということは、われわれも重々承知しておるのでありますが、なかなかお尋ねのように、われわれのところでやれないのを、はなはだ遺憾としておりますが、今後十分これらの点につきましては、お話しの点を研究いたしまして、厚生省とも連絡をとりまして、この点に対処いたしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/53
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054・湯山勇
○委員長(湯山勇君) 大臣は十二時十分までおられまして、あとよんどころない御用があるようですから、なるべく大臣に対する御質問を先にやっていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/54
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055・松永忠二
○松永忠二君 で今お話が出てきております健康診断によって結核にかかっておる生徒が発見できた、しかも、これは入所命令を出すべき性質のものであるというようなものについては、今後入所できないというようなことは絶無になるという可能性なり、あるいはそういう考え方でこの法案の実施に当っていきたいという覚悟を持っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/55
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056・松永東
○国務大臣(松永東君) 松永委員の仰せられる通り、これはもう実際一番、学校に就学する前の幼児がそうした結核病などにかかっておるものをそれを早期に根治する、治療するということが一番必要なことだと存じます。従って仰せのようなことは、さっそく一つ第五条に規定してありまするように、いろいろな指導を行うというような面を強力に行なって、そうして早期に根治する、治療するというような方向をとりたいというように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/56
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057・松永忠二
○松永忠二君 就学時のときに就学する児童について、それが発見されるだけではなくて、定期的に健康診断をやるんですから、そのつどそういう結核児童が発見されるわけです。そうなった場合においては厚生省の方で地方の財政が二分の一負担であるから入所ができない、順番が来るまで入所できないというのが実情なんです。せっかく学校保健法ができるんだから、これによって定期の健康診断が行われるということになったら、就学している児童、就学しようとする児童については都道府県が責任をもって入所させてゆくというようなことを、厚生省との間に交渉されて、的確にそれが実施をされるようにぜひ一つお願いをしたいと思う。
そこで、もう一つお尋ねしたいのは、現実に入所している児童があるわけなんです、しかも、これについては現状では文部省は何らの予算的な措置も実はできないので、かかって国立の療養所あたりがその入所中の児童の教育について施設とかいう面を考慮しているのが実情だと思うんです。そういうところも私たち見て承知をしておるんですが、そういう点について療養中であるとしても、すでに教育が実施できるというようなことから、現実には各地方の教育委員会が工面をして定員を配当するとか、あるいは療養中の教員で健康をやや回復した者が、入所している子供のめんどうを見ているというのが現実だと思うんです。こういう点について、現実に定員配置をどうしてゆくかということについては、各地でも非常に困っておるわけです。こういう点については療養中の子供に対する教育の面における定員配置というものが必要だと思うのですが、こういう点について、この法案とからんで文部省内で討議した、あるいは考え方がまとまっておるものがあれば、これは局長の方から一つ御答弁をいただきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/57
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058・内藤誉三郎
○政府委員(内藤誉三郎君) 先ほど来結核児童の点でございますが、大体最近の傾向は結核の児童の数はだんだん漸減しておる傾向でございまして、総数にいたしまして小学校では〇・七五%、中学校で〇・五六%という程度でございまして、そのうち御指摘になった軽いような者はできるだけ学校を休ませるなり、あるいはふだんの注意によって運動を軽減したり、それから重い者が今御指摘になりました療養所に入るわけでございます。で、療養所に入った場合に、私どもは特別の定員をさいてあげたい、こういうことで今度の実は学級編成に関する法律案がこちらにも予備付託になっておると思いますが、この法律案によりますと、特殊学級の場合は十五人で一学級を作ることになっておりますので、その実学級を基礎に国庫負担は二分の一を見ますし、地方財政計画の方は、その実学級を基礎に配当をいたしますので、ですから実際置いていただければ、地方財政計画ではまるまる見ますし、国庫負担金では実績の二分の一、こういう格好になりますので、今後はこういう学級ができやすいのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/58
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059・松永忠二
○松永忠二君 今のお話があったんですが、たとえば高等学校、大学についてはこれが一.三七%という大きな数を占めておるということも出ておる。で、大臣に聞いておいていただきたいのは、結核児童の生徒というのは、四万七千人ばかりあるのです。その中で治療をしている児童というのは一万三千人なんです。従ってあとの生徒については、やはり学校を休んでいて家庭におるか、あるいは時折学校へ出てきて一般の者にあるいは菌をばらまいているということもないではないのです。現実には、こういうふうに結核児童についての対策というものは、十分に打たれていないわけなんです。しかし、今度の法律の中では、こういう問題については具体的にちっとも出てきておらぬ。国が補助をするのが特殊なものについての補助であって、そこまで手が回っていない。それについては今言う通り結核予防法のなかでそういうふうな措置が出ておるんだけれども、都道府県の財政負担ができなくてそれに入所することができなくて、こういうふうに放置されている。せっかくこういう学校保健法案ができた機会に、この問題については入所を必要とする結核児童が発見されたらば、もう義務としてこれを入所させるというふうなことじゃなければ、これから将来ある子供を守っていく上には、国がこういう対策が十分打たれなければできないと思う。そういう点について十分一つ今後、ただ御答弁をいただいて誠意をもってやるということではなくて、先ほどの通達のように、的確にこれが行われるようにぜひ一つ御指導をいただきたい。特殊学級の問題についても、定員等の問題についても、局長からお話がありましたが、現実には特殊学級をその府県が認めなければ、定員配置ができないという実情に実はあるので、こういうことについても、せっかくこうしていい案がまとめられつつあるので、もう一歩前進した形にしていくように今後一つ努力していただきたいと思うのです。そこで、もう一、二の点について大臣にお聞きしたいのですが、この法案によると、学校において生徒職員に健康診断をやるとか、あるいは校医をきめるということは出ておるのですが、実は無医学校というのがたくさんあるわけです。小学校でいえば三八・四%、中学校でいえば二二・八%の無医学校がある。こういう無医学校を持っていて、しかもなおかつ、この学校保健法をどう一体実施しようとするのか、どうして一体この完全実施をやっていくのか、そういう点について大臣から一つ御答弁を伺いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/59
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060・松永東
○国務大臣(松永東君) 御指摘のような無医村もあれば、しこうして学校のあるところでお医者さんのないところもります。従ってそういうところでは、巡回診療をやって、そうして万全を期したいというふうに考えております。学校医がおりますので、その学校医を派遣して、そうして急場の間に合わせたり、あるいは健康に支障がないようにしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/60
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061・松永忠二
○松永忠二君 そうすると、局長に一つお尋ねしたいのですが、そういうふうに、小学校でいうと約四割、中学校でも二割余の無医学校がある。そうなってくると、今のように学校医が巡回をするということもそれはわかります。しかし、それは定期の診断をするときに回るということであって、現実には、どうしてもやはりここに養護教員とか、養護助教諭というものの必要性がここに出てくるわけなんです。そこで、この一体文部省が出されている定数基準の中に二千分の一とかいう定員についての配当が出ておるのですが、これは大体養護教員についての、配当のための考慮だと私たちは思うのですよ。こういうふうなことでは、実際には学校保健法の完全実施ということはできないと思うのですが、こういう点について局長はどういうふうな考え方を持たれているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/61
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062・内藤誉三郎
○政府委員(内藤誉三郎君) 各学校には、学校医師がございまして、大体今現状では九六%程度が学校医を置いております。それによって定期時の身体検査等には支障がないはずでございますが、さらに府県によりまして順次診療班を組織いたしまして、山間僻地の健康管理に万遺憾なきを期しておるわけであります。さらに、今御指摘になりました養護教員につきましては、その必要を痛感いたしまして、このたびの学級編成に関する法律におきましては約三千人の増員をはかっておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/62
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063・松永忠二
○松永忠二君 まあ、これは予算を伴うことであるのですが、まあ過渡的なこととして法案を作って、それに基いて充実をしていくということはやむを得ない措置だと思うのですが、しかしやはり、こういう法案ができたということであれば無医学校についての対策がすぐとられておるということでないと、実際にはやはりまことに美しいものだけれども、現実には非常に乏しいことしかできない結果になると思う。その点については僻地の定員配置基準というようなものが、こういうところから考慮をせられなければいけないはずだと思う。すでに文部省がそういうふうな点についての考慮を持って、案を持っておられると思うので、これは一つ定数基準のときよくお伺いしたいと思います。
なおもう一つ大臣にお尋ねしたいのは、十七条の地方の公共団体の援助というところに、生活保護法に規定する要保護者に準ずる程度に困窮しておる者で政令で定めるものというのが出ておるわけですが、これについては一体局長からお尋ねをして、大臣に一つお聞きをしたいのですが、どのくらいの一体パーセントのものを考えているのか、それと実情と、どういうふうに一体果してマッチしているものか、その辺を一つお聞かせを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/63
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064・内藤誉三郎
○政府委員(内藤誉三郎君) 保護児童は大体二・五%準保護児童は二%でございまして、この数字は学校給食及び教科書無償の場合にも同じ比率を使っております。この二%の根拠は、大体私どもの実態調査に基きまして検討した結果、大体二%あれば、準保護児童はまかなえるという一応の結論でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/64
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065・松永忠二
○松永忠二君 大臣にお聞きしたいのですが、今二%という話があったのですが、現実には予算案の中では、生活保護の人員というものは昨年より三・五%増加しておるのです。あるいは失業対策事業費吸収人員等は一割一分増加をしておるのです。そういうことを考えてみたときに、統計が二%出ましたからというような、そういうことでは実際は準保護児童を十分救うことができない予算なんです。そういうパーセントだというふうに私たちは思うのです。やはり現状からこの準養護児童というものは非常にふえておるという状態があるのですから、いつまでも二%などというようなことを言っておったのでは、実情に即さない。ほかの法律でもそういうふうな関係のものについては率を増しておるのですから、こういう点についてやはり実情に即していないと思うのですが、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/65
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066・内藤誉三郎
○政府委員(内藤誉三郎君) ちょっとふえた分だけ申し上げておきますが、学校給食の分はこのたび一%を二%に引き上げております。それから教科書につきましては、一.九%でございましたのを二%に引き上げた。これは新しい措置でございますので、一応この線に沿って二%にしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/66
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067・松永東
○国務大臣(松永東君) 実はもう少し何とかしたいと思ったが、初めての試みで、それで、何とかこれで間に合うであろうと、御指摘のような要保護者、準要保護者がどのくらいふえておるかということも、大体わかっておりますけれども、しかし、これで何とか間に合せがつくだろうというのでこういう予算を計上したわけです。しかしそれは各地方当局とも打ち合せをいたしまして、そうした困窮しておる子供たちをそう窮状に陥れるようなことがないようにしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/67
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068・湯山勇
○委員長(湯山勇君) 内藤局長、前に、教科書の準要保護児童に給付するという法律等の審議のときには、準要保護児童は実際は四%あるけれども、やむを得ず予算措置上これだけにするのだという御説明があったわけです。今のお話しだと、準要保護児童は二%で、四%が二%になったような印象を受けますが、それはそうじゃなくて、四%あるのだけれども、まあとりあえず対象としては二%にしておる。こういうことなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/68
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069・内藤誉三郎
○政府委員(内藤誉三郎君) ちょっとこの点私どもは、実は生活保護と同程度見込んでおったのです。一応の推定を四%という推定で予算要求をしておりましたが、しかし、最近生活保護の方の対象も減って参りまして、生活保護の対象が大体二・五%程度、それから準保護児童の調査をいたしました結果、私どもの統計では、まあ二%というのは一つの線だということを発見したのでありまして、これに関する資料は、またあらためて御提出したいと思いますが、最近の調査に基く結果でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/69
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070・松永忠二
○松永忠二君 そうすると、この点はどうなんですか。現実に準保護児童というものが出てきた場合には、そういうワクにとらわれないで予算を出すのか。それとも二%のものだけについて出すということなのか。その点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/70
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071・内藤誉三郎
○政府委員(内藤誉三郎君) これは、予算が現実に二%でございますので、一応私どもは二%でやっていただきたい。で、今後もし準保護児童の線の引き方が、実は非常にむずかしいのでございまして、私どもは、大体一般生活保護に比べて、困窮度が一・五倍あるいは二倍程度までを、準保護児童の対象と考えていますので、保護家庭の生計費の約五割増しないし二倍、こういうようなある線を引きますと、大体これで私どもはまかなえるのではなかろうかという見当をしておりますけれども、今後具体的にそういう児童がたくさん出てくるような事態が起きますれば、これは新しく予算の増額をいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/71
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072・松永忠二
○松永忠二君 まあ趣旨はわかりましたが、ただ、しかし、二%でまかなえるだろうという考え方は少しおかしいと思うのです。現実に生活保護という人員をとにかく三・五%増しているのですから、一般予算の上で。だから、もう生活保護家庭を中心にして割合を、準要保護家庭を出しているのですから、その方の率が上っている現状からいえば、当然これでは足りないと。ここのところでもやはり足りないものは足りないというふうに言われて、その点については予算がないので仕方がないが、現実は足らないということはわかっていて、足らないと言われるならばよくわかるのですが、大体いいでしょうという言い方ではなくて、私たちからいえば、政府自身が三・五%増しているのです。だから予算要求の場合にも、そういうものを基礎にとって当然要求をされていくのが至当であるし、大体われわれが説明を聞いたところでは、二%にやっていきたいというのが、今話しに出ている教科書についても一・九%を二%にした、一%を一・五%にしたという程度のことでは、実際予算の上でわれわれは非常に困るのです。特に、せっかく始めるこの仕事について、特にやはり教科書とか学校給食費の補助の問題が中心だろうと思うのですが、予算要求に当っても、そういう基盤に立って、もう少しやはり率をふやしていくのが至当だというふうに私たちは考えるわけです。この点については、ワクを押えてしまわないで、実情を見て、そういうものが出てきた場合には一つふやしていくし、今後そういう点について、基本的には予算増加が必要だという態度で臨んでもらいたいと思うのです。
その他まだこまかい点についてはもう少しお聞きをしたいと思うのですが、ほかの方もあると思うのですが、次回には一つこの問題で、厚生省の方の関係者を呼んでいただきたいと思うのです。きょうは大体以上で終りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/72
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073・湯山勇
○委員長(湯山勇君) 今松永君の御要求がありましたので、保健所の関係、それから学校薬剤師等の関係、その他結核対策、いろいろありますから、厚生省の関係者を次回には呼ぶことにいたします。
他に御質問ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/73
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074・秋山長造
○秋山長造君 一つだけ聞いておきますが、この第四条によりますと、「市町村の教育委員会は、……当該市町村の区域内に住所を有するものの就学に当って、その健康診断を行わなければならない。」ということになっておるし、それから第五条についても、ごらんのような規定が出ておるのですが、こういう規定と、さっき冒頭に私がお尋ねしたもぐり入学の場合との関連というものはどういうことになるのでしょうか。特に東京あたりの、千代田区だとか、文京区だとかいうような、区の教育委員会自身がもう半ばもぐり入学を公認しているようなところですね。せっかく地域内に住んでいながら、うちの学校に入るだろうということで、まあ健康診断をやるわけでしょうが、健康診断をやった子供はさっさとどこかに行ってしまって行方がわからなくなってしまう。一方受け入れる教育委員会側の方からいえば、これはだれが一体うちの学校に越境してくるか、これはあらかじめわからぬわけですから、この規定は全然適用できないということになる。それからまた、その中のどっちにも当てはまらぬような宙ぶらりんな子供がだんだんできるのじゃないかと思うのですが、そこらはどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/74
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075・松永東
○国務大臣(松永東君) 御指摘の通り、この四条には、末尾に「当該市町村の区域内に住所を有するものの就学に当って、その健康診断を行わなければならない。」これはそのもぐり入学というのを法律上予想しておりません。ですから、しかし現実の問題としては、今仰せのような問題があることはわれわれも承知いたしております。ですから、さっき内藤局長から申し上げた通り、通達もいたしますし、さらに厳重にこれからそういうもぐり入学等がないようにやっていきたいというふうに考えております。これはさっきも御指摘になりました通り、一片の通達だけではやはりいかぬので、新聞社あたりにお願いしてそうしてやっぱり末端まで周知せしめるという必要が効果的じゃと思うのです。なお、そういう点について一つ研究いたしたい。急々に一つ何とかやりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/75
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076・秋山長造
○秋山長造君 その点は、まあ重ねてお願いするのですけれども、やっぱりおっしゃる通り一片の通達では、なかなかこれだめなんで、やっぱり大臣なんですから、大臣の談話か何かで大きくやられたらどうですか、きょうあたり。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/76
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077・松永東
○国務大臣(松永東君) 大臣談話もやりますけれどもね、新聞社が取り上げてくれりゃ、ようございますけれども、取り上げてくれぬことが多いので弱っているのです。一つ今度は何とかお願いしてみようと思います。(笑声)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/77
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078・内藤誉三郎
○政府委員(内藤誉三郎君) 今御指摘の点は、私はこの健康診断をやりますれば、もぐり入学の非常な規制になると思います。と申しますのは、健康診断をやった市町村に行くように指導いたしたいと考えております。ですから、今度入る場合には、健康診断書を持って入ると、こういたしておきますれば、そこの市町村に行くのが建前で、よそに行けばこれはもぐりということにはっきりレッテルが張られますので、むしろ私はこの四条の規定はもぐり入学を規制できると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/78
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079・秋山長造
○秋山長造君 そういたしますと、この健康診断を行う時期というものは、何ですか、大体政令か何かで指定するのですか、自主的にまかせるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/79
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080・内藤誉三郎
○政府委員(内藤誉三郎君) 時期については政令その他で規定したいと考えております。大体十二月ごろを予定いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/80
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081・秋山長造
○秋山長造君 十二月で抑えれば、今おっしゃるようなもぐり入学を、ある程度コントロールできるということが期待できるかもしれないという気もするのですが、それは今局長のおっしゃるように、これはこれでこのもぐり入学をからめ手からコントロールできるということなら、これはもっけの幸いで、一つそういうようなもぐり入学の規制ということにもこれを一つ大いに活用してもらいたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/81
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082・竹中勝男
○竹中勝男君 時間があれですから、希望と、次に厚生当局が来られたとき質問したいと思いますが、これは非常にいい、日本の教育の上においては非常に前進した法案だと私どもは思っておりますが、先ほど松永委員から質問がありました通りに、要保護児童あるいは準要保護児童、その辺に実は非常にいろいろ問題があるのが現実なんです。というのは、言うまでもなく罹病率は経済階級と反比例するのです。すなわち、所得の少い者ほど罹病率は高い、そうして現実には二%とか三%じゃないのです。厚生省でも白書が出ておる通りに、いわゆるボーダーライン層というものは八百万人くらいあります。一週に二十四時間以下の仕事しかない潜在失業者が約一千万人おります。そうしてそういう生活のしわ寄せは、実際は働く者よりも子供に来るのです。だから子供の健康が一番ほったらかされるのです。ところが、これが将来国民全体の健康の上から言っても、これは社会的な健康の上から言っても、犯罪だとかいろいろな面から言っても、この健康から来る場合が非常に多いのです。虚弱な者あるいは何か異常な健康の者、こういう者が青年犯罪、あるいはおとなになってからの失業の原因になっております。だから、ここにいろいろな焦点を合せていく必要がある。せっかくこういうりっぱな法律ができたのですから、金持ちの子は健康管理なんかしなくともかまわないのです。しかし、貧乏人の子供のために、この法律は非常に生きた働きをすると考えておりますが、そういう点についてもっと厚生当局といいますか、衛生あるいは医療衛生、そういう方面と密接な関係を持たせて、ことに、ただ単に病気だけではなく、僕は詳しい術語は知りません、生理的に来る心理的なテストというものが非常に重要だと思うのですが、そういう点についても、いわゆる健康診断ということは生理、心理的なものが教育上の健康診断として重要性を持っておると思いますが、そういう点についてもお考えを願いたいと思うのですが、いずれ厚生省の人たちが来られましたら、そういうことを実際にやっておるかどうかをお伺いしたいと思うのですが、ことに貧乏人のために非常な罹病率の高い、そうしてその子弟、そこらに焦点を置かれるように希望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/82
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083・湯山勇
○委員長(湯山勇君) 審議の必要上十六条の第五項「学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の職務執行準則は、文部省令で定める。」こうなっておりますが、これは省令はあとになると思いますけれども、その構想が何かないと、審議に差しつかえると思いますので、その要綱だけでも一つ次回に御提示願っておきたいと思います。
本日の質疑は、この程度にいたしたいと思いますが御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/83
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084・湯山勇
○委員長(湯山勇君) これにて休憩いたします。
午後零時六分休憩
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午後二時七分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/84
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085・湯山勇
○委員長(湯山勇君) これより文教委員会を再開いたします。
自衛隊の航空基地周辺における学校の騒音防止を議題といたします。質疑のある方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/85
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086・松永忠二
○松永忠二君 防衛庁と文部省から御答弁いただきたいと思うのですが、静岡県の浜名郡湖東村伊佐見中学と伊佐見小学校、そうして和地中学が浜松の飛行場の周辺にあるわけでありまするが、浜松飛行場のジェット機による騒音によって非常に苦しんでいるわけなんですが、これについて文部省並びに防衛庁の方では、どういうふうにこの実情を御承知であるのか、お答えいただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/86
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087・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 浜松の自衛隊の航空隊基地の周辺の学校の防音関係についてのお尋ねでございますが、実は駐留軍基地につきましては、これは御承知のように、前々から調達庁の方で防音工事を実施していただいているわけでございます。防衛庁関係の自衛隊につきましては、事柄が実はそれより新しいわけでございまして、駐留軍の関係については、御承知のように防音工事についての基礎法もございますが、自衛隊関係についてはないといったような状況でございまして、この方の防音工事は、前者に比べると、まあおくれているということが言えると思います。文部省といたしましても、この自衛隊関係の学校の騒音の被害というものにつきましては、前々から当委員会におかれましても御注意がございました関係上、いろいろと調査をいたしました。ただいまお尋ねの静岡県浜名郡湖東村の伊佐見小、中学校、和地小、中学校につきましても、県の教育委員会の方から、それぞれ被害の報告がございました。大体、伊佐見の小中学校につきましては、浜松航空自衛隊から三千メートル程度の距離にあるようでございまして、これは相当な音響のために、学校の授業がかなりひどく影響されておる、授業がしばしば中断されるというような状況になっておるというふうに聞いております。和地小、中学校につきましては、この伊佐見の小中学校に比べまして、かなり離れておりまして、大体四千メートルぐらいの距離があるように承知いたしております。で、これの方は、騒音の程度から申しまして、前者ほどではありませんけれども、しかし、やはり学校の授業が相当影響されておる。先生のお話が聞えないというような状況であるように承わっております。これらの事例ばかりでなく、文部省といたしましては、大体この前調査いたしました結果に基きまして、防衛庁の方に、早急にこれらの学校については、防音の措置をとっていただきたいということを、実はお願いをいたしておる現在の状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/87
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088・山下武利
○政府委員(山下武利君) 防衛庁の航空基地におきまして、飛行機の騒音のために、周辺の文教施設にいろいろ御迷惑をかけておるということは、まことに遺憾にも存じます。また、具体的な事例につきましては、できるだけ善処して参りたい、かように考えておるわけでございます。今、管理局長からお話がありましたように、米軍につきましては、法律の措置が講ぜられておるわけでありますが、自衛隊につきましては、別に法律で補償の関係を規定したものというものはございませんが、しかし、自衛隊の航空機によって、そのもたらすところの騒音が非常に程度が高くて、周囲の文教施設に非常に大きな御迷惑をかけるというふうな場合につきましては、できるだけの措置を講ずるということを、従来からもやっております。また、やろうと準備しておるところもございます。今お尋ねのありました浜松の伊佐見小、中学校と和地中学校につきましては、私は、実は最近聞いたばかりでございまして、詳しい内容は、実は承知しておらないのでございますが、これも早急に取り調べておるところでございまして、調査の結果を待ちまして善処いたしたい、かように考えておる段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/88
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089・湯山勇
○委員長(湯山勇君) ただいま防衛政務次官がお見えになりましたから、御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/89
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090・松永忠二
○松永忠二君 管理局長の御答弁の中で、一、二違っておるところがあるわけでありますが、和地の小学校は問題ないので、和地中学校は、滑走路から一・五キロなんです。伊佐見小、中学校は一・七キロというので、あなたのおっしゃったことよりも非常に近接しておる状況なのであります。それで、防衛庁の方では、まだ十分な調査ができておらないから、調査をしてからいろいろやるというお話があるのですが、一体浜松の飛行場ができたのはいつでありますか。ジェット機が浜松の飛行場から飛び出したのはいつでありますか。その小学校、中学校の距離は、飛行場を整備し、ジェット機が飛び出すときに、もうすでにわかっておるはずであります。で、和地の中学校は、昭和三十年にプロペラ機が飛んだときに、すでに現地に陳情を行なっておるわけであります。昭和三十一年四月十二日には、文部大臣並びに防衛庁に陳情書が出ているのであります。伊佐見小、中学校は、昭和三十年の一月九日に、ジェット機の練習が六月から始まるというところから陳情をし、なお、昭和三十二年の五月には、一週間にわたって、自衛隊の人が学校に入って、その調査をやっているのでありますが、それがどうなっているのかはっきりしないというようなことでは、まことにどうも不十分だというように私たち思うのです。こういう点はどういうふうになっているのでありますか。騒音があるということを言ってこなければ、調査をしないのか。自衛隊が飛行場を設置するときに、もう拡張施設をするときに、それに接続した小、中学校について、そうした騒音があるということが予想ができるので、積極的な調査を行なって対策を講じてゆくというようなことがあってしかるべきだと思うのですが、あなたのおっしゃったように、いまだなおこの実情が把握できないのでありますか。そういう点、どういうわけでそういうように遅延をした状況になったのでありますか、事情を一つお聞かせいただきたいと思うのです。なお、こういう点について、そういうふうになっていることについて、防衛庁の次官は、どういうふうなお考えをお持ちなのか、一つ御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/90
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091・山下武利
○政府委員(山下武利君) まことにお説の通りでありまして、陳情があるからといって、それを待って処理するということでは、実はいけないわけでありまして、飛行場を設けます際に、そういうことは十分に注意をしているつもりではございます。しかし、何分にも狭い土地に飛行場を設けますことでありますから、周辺には相当の文教施設があるという事態も、なかなか避け得ないわけでありまして、全国的に見ますというと、そういう事例もきわめて数が多いわけであります。いろいろと全国的に調査をいたしますのに時間がかかっておったという点も、御了承願いたいと思うのでございます。また、法律上はっきりした措置が講ぜられておらない関係から、予算の関係等もはっきりいたしておらないという事情がございまして、具体的な事例につきまして、果してどの程度までを補償の対象にするかということについては、従来明確を欠いておった点もあるのであります。そういう点と、それから予算の関係等もにらみ合せまして、具体的な措置をするということにせざるを得ない状態にあるのでありまして、今年におきましても、いろいろおくれております点は、はなはだ遺憾でありますが、早急に、調査の結果を待ちまして、善処をいたしたいと思っている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/91
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092・小山長規
○政府委員(小山長規君) ただいま経理局長から申し上げましたような事情なんでありまして、方々の飛行場において、騒音の問題が起っております。そこで、まだ法律的な根拠が実は防衛庁は持っておりません。幾ら以上の騒音は補償するというような法律上の根拠はございません。で、従来は米軍が接収しております飛行場について、米軍として特別措置法がございまして、その米軍の接収したものには、法律的な根拠を持っておったのであります。しかし、自衛隊の方には、その基準がありませんので、そこでそうかといって、この陳情のあったところだけを、それじゃ対象にしてやる、騒音の問題を取り上げるということになりますと、非常にへんぱなことになるだろうというので、全国的に大体似たような場所をずっと調べて歩きまして、大体どの程度以上をやったらよかろうかというようなことを原則的にきめようというような、今段階にあるわけであります。で、ただいまの場合にもそれにおそらく該当したのであると思いますが、その法律上の根拠がないということからして、従って予算上の措置があらかじめされておらぬ。これも一つのまた理由なんです。非常におくれております。早急に同様な条件下にあるよのを調べまして、そうして一つの明確な基準を作って、そうして要望のあるなしにかかわらず、一つの基準については取りかかる、こういうふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/92
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093・松永忠二
○松永忠二君 基準その他の問題については、関連して後刻質問したいと思うのでありますが、今経理局長から話されたように、非常におくれているということについては、遺憾だと思うのです。しかも、昭和三十年のころから、すでにそれが陳情されている。今、次官のお話しでは、同一なところを調査してなどというようなお話しでありますけれども、もうすでにそのころから陳情が行われ、ジェット機が飛び始めたのが昭和三十一年の六月でありますから、それにはまた再度調査の陳情が行われているわけです。ようやく今にして、今後調査をして対策を立てるというようなことでは、非常に遅延をしていると思う。まあ、私たち現地にも参っていろいろ実情も調べたのでありますが、和地の中学校あたりは四月、五月、六月のころ一番ひどくて、ひどいときには、四月十六日あたりには一日に百十五回も飛行機が通っておるのです。伊佐見の小、中については八時間の間に大体十二回、九十五ホーン以上の、そういうような爆音もするわけなんです。こういう点については、すでに現地でも調査ができておるのであります。まあ、一つ早急に善処をされるということを希望するわけでありますが、この上村幕僚長はジェット機を浜松の飛行場で使用するときに、浜松に来てこういうことを言っておるのです。この航空自衛隊の浜松の基地が、六月からジェット機を飛ばして練習をやるようになった。その練習のコースに近い学校は隊の方で音量を調べて、そうして授業に差しつかえる場合には、防音装置等は防衛庁で補償金を出して、完全に設備をする。防音の装置で間に合わない学校は、移転をする場合には、その費用も全部国の方で持つ、そういうことを言われておるのです。それは昭和三十一年の六月であります。で、こういうことが現実には実施をされないわけです。音量を調べてということも言われておるのでありますが、こういう今読み上げたようなその授業に差しつかえないように防音の装置をするし、それで不十分の場合には移転をする、その場合には、全部その費用は見ていく、そういうような態度については、お変りはないものというふうに私たちは思うのでありますが、その点はいかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/93
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094・山下武利
○政府委員(山下武利君) 防衛庁の基本的な態度としては、今おっしゃった通りでございまして、騒音のひどいところに対しましては、騒音の補償をして、防音装置をするための補償をいたしますし、また防音装置をしただけではどうしても効果がないというところえは、移転のための補償をするという基本的な態度については、当時と今とでは全く変っておりません。現に浜松地区におきましても、そういう措置をとった学校もあるわけであります。また、ほかの基地につきましても、騒音の補償をしたところもあるし、また、移転の補償をしたところもあるわけであります。ただ、その基準をどこに置くかということになりますというと、これは具体的な問題になるわけでございまして、どの辺の学校からその補償の対象にするかという問題につきましては、いろいろ御意見もあろうかと思いますけれども、私の方といたしましては、いろいろ他との関連も考慮し、また、予算の関係も見た上で処置をするということで、非常に全体から見て処置がおくれておるというふうにお感じになることは、はなはだ遺憾と存じますけれども、実情はそういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/94
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095・松永忠二
○松永忠二君 やはり同じく静岡県に御承知のように静浜の飛行場がある。そうして宇都宮の第二操縦学校の分校を設置された。もうすでに御承知のように拡張をされて工事は実施されているわけなんです。これについても伺うところによると、移転するというような条件を、拡張する条件として加わっているというふうに私たちは承知しているのですが、この点についてはどういうふうな条件になっているのかお聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/95
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096・山下武利
○政府委員(山下武利君) 静浜の問題につきましては、私は具体的には存じておりませんが、実際に学校を設置いたしまして、騒音の程度が非常に高いということになれば、これは当然補償の範囲に入るというわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/96
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097・松永忠二
○松永忠二君 これはすでにもう飛行場を拡張し、その間の距離はわかっているのであります。先ほどのお話しではないが、飛び始めて、音が出始めてから対処するというようなことでなくて、静浜飛行場に非常に接近した実は小学校でありますが、これについては移転をするということは、一つの条件として拡張が実施をされているように私たちは聞いておるのであります。その点についてはやはり飛び始めてから調査をするということでなくて、もうすでにそれがわかっているのでありますから、この点についてはあなたの方ではどういうふうに承知をされているのでありますか。今申し上げたようなことは条件に入っているとか、いないとか、そういう点にはどういうふうに承知をされているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/97
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098・山下武利
○政府委員(山下武利君) 私は具体的にはその問題について承知しておらないのでありますが、原則的に申しまして、飛行場を設けます際に、航空安全の見地から、どうしても民家であれ、文教施設であれ、立ちのきをしなければならない区域にあるものにつきましては、これは当然移転の対象になるわけでございます。騒音のために立ちのきをするということは、実際に騒音がどの程度に起るかということを見た上できめなければならないと思うのでございまして、ただ単に距離が近いということだけのことでは、その騒音補償の対象としてきめるには、いささか早計であろうかと思います。飛行機がどういうふうな進路をとって発進するか、また、頻度がどの程度であるかということによって、必ずしも距離だけで判断のしにくいことが多かろうと思うのでありまして、騒音のための補償ということでございますれば、実際に飛行場を設置してからの問題になろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/98
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099・松永忠二
○松永忠二君 この点については、あなたはそういうことを承知されないで、ただ原則的なことを言われておるわけでありますから、静浜の飛行場に伴う静浜の小学校については、十分に調査をされてから一つ御答弁をいただきたいと思う。
そこで、私は防衛庁にお尋ねするわけでありますが、この前、実はこの問題がこの文教委員会で取り上げられましたのは、昭和三十二年の十一月七日の文教委員会である。その節にいろいろこうした問題、これは主として駐留軍関係であったわけでありますが、飛行場の周辺の騒音対策の問題がいろいろと論議されたそのときに、防衛庁から全国の騒音対策の状況については、的確に把握するというお話があったのですが、そういうものについてはどんな進行の状況にあるのか。
それからなおもう一つの点としては、この防音の基準というものがプロペラ機の当時の基準であるので、ジェット機の防音装置としては非常に不十分だ。従って、この基準については十分検討したいという話が出ておったわけです。この問題はどういうふうになっているのか。
なお、板付の飛行場に馬出小学校という鉄筋の小学校を作って、これを試験的に実施をするということであった。これについても十分に試験をしていくという話であったわけです。この防音施設というものは、約一坪一万三千円もかかるのであります。しかも、木造で防音された中の防音というものは、十五から二十ホーンしかの減少しかないわけです。そういうことを考えてみたときに、今の馬出小学校の試験の問題等は非常に考慮に値するし、また、文部省として相当はっきりした基準を出す標準になっておろうと思う。この三つの点について管理局長から御答弁をいただきたいと思うわけです。防衛庁については、その御答弁を伺った上でお聞きしたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/99
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100・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) この前の委員会でいろいろ御意見がございまして、その後文部省といたしましては、駐留軍関係の基地につきましては、調達庁の方からかなり詳細の資料をいただいておりますので、それは一応それといたしまして、それ以外の自衛隊関係の基地につきまして、騒音で学校の授業がいろいろ影響されておる被害の状況につきまして調査をいたしましたのでございます。大体それが本年の一月の下旬に、多少漏れもございますが、出て参りましたので、その結果を申しますと、大体騒音がかなりひどくて授業がしばしば中断されるというような状況にあるものが全国で五十五校程度ある。それから授業が中断されるほどではないけれども、先生の声が教室の中で聞き取りにくいというようなものが、大体それと同程度五十四校というような数字になっております。それから先生の声は一応聞き取れるが、やはり授業中騒音がじゃまになるというようなのが大体八十校というような状況になっておるわけでございます。私どもといたしましては、先ほどもお尋ねの中にございましてお答え申しましたように、騒音のひどいというものにつきましては、防衛庁の方で何とかこの騒音対策の措置を早急にとっていただきたいということで、防衛庁の方にお願いを申し上げておる状況でございます。
それから板付の基地の周辺にございます馬出小学校の鉄筋改築につきましては、これは調達庁の方からお答え願う方がかえってよいかと思いますが、私の知っておる範囲で申しますと、御承知のように、試験的に鉄筋防音試験工事を行なったわけでございます。大体九教室をこれを防音工事を行いまして、そして本年になりまして一応完了いたしました。文部省の方からも参りまして、調達庁の方と御一緒に防音の結果の測定をいたしましたのでございますが、大体遮音の効果が三十ホーンなしい三十五ホーンその程度下っておるというので、一応私どもとしてはこれは成功ではなかろうかというふうに考えてるわけでございます。
なお、防音の基準につきましては、これはどの程度のものを防音工事を施すか、あるいはどの程度のものを、たとえば生徒の数を減少して小規模学級にして授業をやるか、あるいはどの程度のものを移転して防音工事を施すかということにつきましては、いろいろ技術的な面がございまして、まだ防衛庁と最終的な結論には到達しておりませんが、いろいろと相談をいたしておる途中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/100
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101・松永忠二
○松永忠二君 今お話しになりましたのは、駐留軍関係のものというお話があったわけでございます。これは自衛隊といっても、陸上自衛隊の飛行場が私の調べているのでは九つ、海上自衛隊は六つ、航空自衛隊は十二、そのほか演習場、射撃場というと相当な数に上ると私は思う。まあ、後刻その点についてお聞きをしたいのでありますが、自衛隊の関係についても、やはり即刻調査をされるということは必要だと思うわけであります。これは一つ実施をお願いをしたいと思う。なお、今管理局長からお話のありました駐留軍関係のものについては、一つ資料を御提出をいただきたいと思うのであります。
防衛庁にお尋ねをするのでありますが、その節、大森施設課長が出て来てこういうことを言っておるのであります。調査がなかったものだから予算がなくて、大蔵省と話して防衛庁の一般の補償の方の金でやる。三十三年度は、今後のことについては調査をしてから、調査をしてそういうふうな予算の計上をはかるというふうなことのお話があった。昨年については調査がなかったので、予算がなかったということは、一応わかるのでありますが、もうすでにそういう点について調査も進められていけば、必ずここに予算というものを考えていかなければできぬと思うのでありますが、この点については、一般の補償の方から予算を出していって、特別に対策の補償費を計上していかないのか。その点についてはどういうふうな一体本年度のこの予算の規模を持っているのか、その点についてお聞かせをいただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/101
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102・山下武利
○政府委員(山下武利君) 騒音の補償問題につきましては、先ほど申し上げましたように、法律的な基礎がはっきりしていないということと、それからなお調査中であります関係と、それから調査が終りましても、どの程度の工事をしたらいいかということを全国的に積算することは、とうてい予算要求のときまでに間に合わなかったのでありまして、三十二年度と同様三十三年度といたしましても、騒音のために幾らという予算を計上してあるわけではございません。ただ、三十二年度につきましても、一般の補償の中でやりくりをいたしまして、そのつど大蔵省の方と協議をいたしまして、防音対策費という特別の目を設置いたしまして、それを実施することになっておるわけです。現にまた、実施中でございます。三十三年度につきましても、同じようなやり方でもって、他の費目から流用をして参りたい、かように考えておるわけでございます。予算がないために、この措置がおくれるということはあるまいと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/102
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103・松永忠二
○松永忠二君 そこでまあ、大臣に後刻聞いてみたいのですが、防衛庁の方でも、一体特損法といわれる駐留軍の補償を準用してやっていられるということについてですが、今先ほど私申し上げましたように、自衛隊はすでにたくさんな飛行場を持っている。演習場も持っておれば射撃場も持っている。そういうふうなたくさんなものを持ってこういう仕事をやっているし、しかも自衛隊自身は、国民から十分な好意をもってこの仕事をやっていきたいというようなことを考えておられるわけなんです。そういうたくさんな飛行場を持ち、射撃場も演習場も持っているのに、一体特損法というものを準用してやっていくということについては、当然これでいいというふうにお考えになっておるのかどうか。また、この準用規定を適用して補償をやっているから、予算を正確に取ることができないのでありましょう。一般のものから流用して目としてやっていくわけなんでありますが、法律があれば、当然この特損法に関係して、防音もこの一つの項目としてその予算の要求がなされ、的確な調査の上に確実な予算の要求ができると思うのでありますが、この点については防衛庁はいつまでも準用規定を適用してやっていくものなのか、防衛庁としてはこれの根拠法を作っていこうと、これは私は防音だけのことを言っておるのではありません。農業、漁業関係の経営に関する補償の問題もそうでありますが、この点についてやはり根拠法を作るということで進んでいるのか、いつまでも準用してやっていこうとするのか、その辺についての防衛庁の態度について次官から一つお聞かせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/103
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104・小山長規
○政府委員(小山長規君) 根拠法を作りたいとは考えておるわけでありますが、何としましても一つの法律を作ろうという以上は、その基本的な実態というものの調査をしないでやるわけにはいきませんので、従って全国的に起っておるいろいろな事情というものを的確に把握できましたならば、一つの基準を求めて法律化したいと、こう考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/104
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105・松永忠二
○松永忠二君 調査をしてからというお話しであるのでありますが、もう自衛隊発足以来相当な年数もたっておるし、今から調査をするなどというようなことは、少し筋の通った話しでは私はないと思う。お話しによると、すでに防衛庁では立案をして、それで大蔵省と折衝等もされたが、閣議了解が得られずに立法ができなかったんだというようなことも聞いておるのでありますが、これは事実でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/105
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106・小山長規
○政府委員(小山長規君) 私の承知する限り、そういうことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/106
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107・松永忠二
○松永忠二君 そういうことになりますと、私たちはこの今の学校の騒音防止の問題についても、やはり十分に予算を取ってこれに対策をすることはできないということも、要するにやはり準用しているということによると私は思う。そのほか後ほど申し上げたいのですが、一般の補償等の問題についても非常に不備な点があるわけです。これについては防衛庁はこれだけの予算を持ち、これだけの施設を持ってやっている以上は、当然の責任として、この点については立法化をはかるべきだと私は思うのであります。こういう点について今後努力をしていく、あるいはこういうふうなことで省内における意見がまとまりつつあるというような、そういう御答弁がいただけるものなのか、検討中であるのか。ただそういう言いのがれというか、そういうだけのものであるのか、その辺もっとはっきりお答えをいただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/107
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108・小山長規
○政府委員(小山長規君) 騒音の問題につきましては、たとえば飛行機の例をとってみますると、一時間に何機飛ぶかというようなことで、騒音が非常に違ってくるわけであります。従って同じ飛行場でも、訓練の程度によって違いましょうし、騒音の程度というものは、千差万別であるはずであります。ただしかし、地形がある程度谷底であるとか、山に囲まれているというようなことになりますると、常識的に非常に騒音が激しいということがあるはずでありますから、そういうものを求めて、たとえばホーンという単位ではかりますが、そういうふうな何十ホーン以上のものは、とうてい正常な授業はできないとか、学校についていえばそういうことが起り得ると思います。そういうものを一体どの程度あるのかというようなことは、やはり片手落ちがないように全国の事例を調べてみる必要があるだろうということで、これは今調査をやっているはずであります。われわれとしては、この騒音の防止については、一つの基準を求めたら法律としてこれを国会に出して、そうして補償の基準を考えたい。これはもう思っていることは事実なんであります。ただ、そこまでのまだ準備ができておらぬということで御了承願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/108
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109・松永忠二
○松永忠二君 まあ、私は騒音だけについての話しでないので、その点についてはもう少しやはり農業、漁業の経営に対する問題、現実にもう各地で自衛隊の関係のところで起っている事実があるのでありますから、そういう点でただ単に防音とかいうことでなしに、広い範囲の根拠法を作って、その根拠法に基いて予算要求をし、適切なその補償をすることによって自衛隊の仕事に対するいわゆるその悪感情も除去していくというようなことは、これは当然推進していく政府の責任だと私は思うのであります。これはいつまでも準用規定をしていくところに、十分な補償もできないし、十分な措置もできないと思う根拠があると思うのであります。こういう点については、まあ的確にこれを今後法規定をしていく必要が私はあると思います。
そこで、経理局長に聞きたいのでありますが、現実に音響の、今いろいろ次官からお話がありましたが、音響の強度及び頻度については、基準があるわけでありますか。この基準は一体防衛庁が作っているのか、あるいはこれはもちろん調達庁の関係としての基準だけれども、これをそのままつまり適用をしているのか、これでいいというふうに考えているのか。これについては文部省はどういうふうな一体考え方を持っているのか。これを一つお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/109
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110・山下武利
○政府委員(山下武利君) 防衛庁といたしましては、今のところはっきりした基準を持っているというわけではございません。ただ、米軍の例の特別損失法に基きまして調達庁として一応の基準をきめておられるわけであります。それに照らしまして、非常にこの騒音がひどいと思われるところに対しまして、予算とのにらみ合いでもって補償をしていくというのが、具体的な例でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/110
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111・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 従来の特損法に基く基準は、御承知の通りまあ大体ジェット機以前の、比較的騒音の低いころの基準でございます。最近のように機種が変って参りまして、非常に騒音の度合いも高くなってくるというような現在の状況におきましては、ただいまの特損法の基準は、必ずしも私どもは適当でないと思いますので、できるだけ現実に合うようにこの基準を将来改めたい、こういうように考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/111
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112・松永忠二
○松永忠二君 それじゃ一つ調達庁もおいでのようでありますので、調達庁と防衛庁の両者にお聞きしたいのでありますが、今言ったような文部省としてもそういう考え方を持っているし、われわれもこの基準は非常に当を失していると思うのであります。そういう失していてそのまま実施をしていくということは、まことに工合が悪いと私は思うのでありますが、これは早急に検討をして、これは全く規則でありまして、自由に改めることのできるものなんであります。実情に即することをやろうと思えば、すぐできる性質のものなのでありますから、この点についてはやはり文部省との間に早急に協議をして、変更するという意思があるのかないのか。それを一つ調達庁並びに防衛庁の方から御答弁を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/112
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113・柏原益太郎
○政府委員(柏原益太郎君) ただいま問題になっておりますのは、基準の点でございまするが、調達庁といたしましては八十ホーン以上のものにつきましては、これを七十ホーンまで下げるということで、防音工事をいたしております。八十ホーンになりますものにつきましては、これを取り上げてやってきているわけでございますが、音量の問題について申しますれば、ただいまのところ、予算等の関係もございまするので、こういった基準で一応進んでいいんじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/113
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114・山下武利
○政府委員(山下武利君) 防衛庁といたしましては、ただいま申しましたように、調達庁でおきめになっておる基準を、一応の目安といたしまして、補償をやっておるという実情でございまして、調達庁の方ともよく連係を保ちながら善処していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/114
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115・松永忠二
○松永忠二君 この点については、先ほど管理局長からお話がありました板付についての試験等も、十分に参考になる資料があるわけです。自衛隊としても、防衛庁としても、なお教育のことについては、やはり文部省の考え方というものが最も尊重されていくべきであるわけです。こういう点について、あなたは予算がないからというお話しでありますが、結局前の問題に戻って、予算がないからそういうことになっておるのでありまして、確実にやっていくのには、やはり基準を下げて実施をしていく必要があるということは、これは実際の問題だと思うので、そういう点については、やはり文部省との間に十分な協議をされて、再度検討するという方向へ一つ踏み切っていただきたいと思うのです。
それから引き続いて、一体防音施設については、教室だけが認められている、職員室や特別教室は認められていないという現在の規則といいますか、これははなはだ妥当でないと私たち思うのです。この防音の装置をした学校へ参りましても、そこまでちゃんと防音の施設がしてあって、職員室というのは一体どういう場所だというふうにお考えなのでありますか。これはあまりに教育そのものを一体考えない考え方で、私は見て実に憤慨をしたわけです。教師が自分の仕事をするために、職員室でいろいろな事務をやり、調べをし、調査をする、そういう職員室は防音の施設をする基準に入っていないなどということは、一体どこから出てくる理屈でありますか。私は講堂のようなものが入ってないということについては、これはまあどうかと思うのでありますが、まあ、予算がなければやむを得ないと思うのでありますが、この特別教室など一体防音の施設をするということは、教育を完全に実施するということであるとするならば、一体特別教室というものは要るものであると考えておるのか、要らないものだと考えているのか。特に職員室などを基準から抜かすということは、もってのほかだと思うのであります。これも規則なのでありましょう。政令とかそのほかのものを調べてみても、そういうことは出ておらないのです。調達庁は一体そういうことをどういうふうにお考えなのでありますか。防衛庁の方でも、どこに一体それを取り除く基準があるのか、私は非常に納得ができません。即時改めるべきだと思うのでありますが、どうでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/115
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116・柏原益太郎
○政府委員(柏原益太郎君) ただいまお話しのありました通りに、三十二年度までに施行しました防音工事につきましては、教室だけについて施行しております。これは、ただいまお話しにありました通りに、教育の効果を十分に上げるということのためには、片手落ちであるということは、よく存じております。それで、三十三年度以降におきまして、ようやく予算の裏づけもつきましたので、ただいままでに施行いたしました防音工事で、教員室等につきまして防音工事のしてなかった分がございますので、それを全部防音工事を施行する。さらに、三十三年度以降に新しく工事をいたします場合には、職員室も含めて防音工事をいたすことに予算上も措置いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/116
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117・山下武利
○政府委員(山下武利君) 防衛庁といたしましても、今まで調達庁の基準を一応の参考としてやっておったわけでございます。今後も調達庁のおとりになる方針と連係をとりまして善処したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/117
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118・松永忠二
○松永忠二君 そういうふうに、非常に消極的だと私は思うのであります。一体調達庁のやったようにやらなければできないというわけのものではなし、単独な立法をすれば、当然それを検討する余地があるし、そういう点についてやはり積極的に配意がなされてこそ、初めて私はそういう点についての防衛庁の良心というものがわかると思うのであります。私は当然同様な措置をされ、今後この点から考えても、やはり立法の必要があるというふうに断定をされると思うのです。局長御意見どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/118
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119・山下武利
○政府委員(山下武利君) 米軍の行為によります特別損失補償法というのは、外国の軍隊が日本に駐在するという非常に特異な事例に対する法律と考えるわけでありまして、これを直ちに自衛隊に持ってくるかどうかということについては、なおいろいろ検討をしなければならない面もあるかと思います。また、騒音の問題というのは、必ずしも自衛隊に限られるわけではありませんで、将来航空機の発達等によりまして、民間機等についても当然起ってくる問題でありまして、これは騒音全体が文教施設等に及ぼす影響につきましては、自衛隊ばかりでなしに、政府全体として慎重に考えなければならない問題もあります。しかし、自衛隊といたしましては、そういう恒久的な立法ができます前にも、さしあたり非常にお困りになっておるところの施設につきましては、できるだけのことはしたいということは、先ほどから申し上げておる通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/119
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120・松永忠二
○松永忠二君 まあ、あなたとしてはそういうふうな御答弁だと思うのでありますが、ただしかし、防音は全体のことだとか、そういうことはほかで考えることであって、自衛隊は自衛隊として関与していることを的確におやりになっていくということが、本筋だと思うのです。そういう点について、せめてそれでは、立法ができないならば、自衛隊の中で、防衛庁の中で、基準を設定する。しかも、その基準は適切な基準であるというものを作ってやっていくと、ただ、調達庁が教室を入れれば私の方でも入れますというようなことでは、私はおかしいと、こういう点については、もう少し積極的な御配慮を一ついただきたいということを思うのであります。
そこで、やはり同じことが、谷上地区というのは飛行場に接近したすぐの場所であります。ここには四十数戸の人が住まっておるのでありますが、これは百四十ホーン、あるいは百五十ホーンという大きな騒音を立てている。現実に谷上の部落のすぐ前で飛行機が墜落しておる。それが少し誤まれば、谷上の部落の上に来れば、部落全体が非常な被害をこうむるというようなことになるわけであります。これは防衛庁では、自分の単独の立法がないというようなことで、これについては十分な的確な補償をするという点が明確になっておらぬようでありますが、これは防衛庁と自衛隊の方に同時にお聞きをしたいのでありますが、今の話しの特損の法律並びに政令等を見ますと、ここに出ている「農業、林業、漁業又は政令で定めるその他の事業を営んでいた者がその事業の経営上損失をこうむったときは、国がその損失を補償する」というふうに出ている。それでその政令の中にその行為として「航空機の離陸又は着陸のための飛行。但し、当該農業が航空法第二条に規定する進入表面又は転移表面に準じ調達庁長官の定める平面の投影面と一致する区域内において行われる場合に限る」というふうに出ている。これは谷上部落がこの進入表面または転移表面になっておるのでありますが、これを考えてみると、これは調達庁の関係であれば、当然これは補償の対象になると私は思うのでありますが、調達庁の意見としてはどうなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/120
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121・柏原益太郎
○政府委員(柏原益太郎君) お話しの通り調達庁の場合には、これは当然補償の対象として取り上げるべき事案となるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/121
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122・松永忠二
○松永忠二君 そうなりますと、これを調達庁の準用されている自衛隊では、やはり当然これは補償の対象になると解釈されるのですが、防衛庁の方はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/122
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123・小山長規
○政府委員(小山長規君) これは補償するつもりで、ただいま折衝中であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/123
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124・松永忠二
○松永忠二君 そうなりますと、これは新聞記事あたりに出ていたことはみな誤まりであって、やはり何か補償の基準がないとか、法律がないというので十分なことができないなどということが言われておるのですが、これは要するに防衛庁としての根拠法がないということであって、そういうことを言っているのであって、要するに今言ったようなことから、準用して補償できるという今の御答弁だと思うのであります。これはもう、こういうものこそ私はさっき申し上げたのですが、飛行場をすぐそこまで拡張してくる。そこにすぐ住居があるということがわかっていて、しかも、なおかつ、その人たちが叫びをあげて言ってこなければ、補償も何にもしない。しかも、自分らの飛び立つところの進入表面や転移表面にぴったり一致する場所に住居が十四、五軒ある。そこのところに現実に起ってこなければ、しかも、村の人たちが東京までわざわざ出てこなければ、この問題を補償の対象として取り上げてこないという実情なんです。これと似たようなことが、今の小、中学校の防音、騒音の問題についてもそうなのです。さっきお話が出てきましたように、一週間も学校に来てホーンの検査をしているのに、その調査のものは全部持っていってしまう。またやり直して、どうのこうのということなんです。私は防衛庁のためにも、やはりこういうことについては、現実に拡張したすぐその前に住居がある。しかも、それから離れて飛び上って、先ほど申し上げました伊佐見小とか、あるいは伊佐見中とかは、そこから熊野灘に向って上空を旋回していくところなんです。そういうことについても、たびたびそういうことを言っているのに、浜松の飛行場の司令官がかわればかわるたびに、ちっとも中央に連絡がとれないし、中央の措置も十分にできないという実情を、私たちはこういうような点で把握するのです。十分に一つこの点については、今いろいろ御質問をいたしまして、防衛庁の方からも的確な御説明もあった谷上部落の補償並びに伊佐見、和地小、中学校の防音装置については、十分に御調査をなさって即座に実施をされる、同時に、今出てきております防音の基準については、今後改めるという方向も打ち出されてきておりますので、十分に御考慮をいただき、浜松の萩丘の小学校などは現実に職員室等防音装置がしてないのであります。それがさかのぼって実施をされるという予算措置もできているようでありますから、この点については非常にありがたいことだと思いまするので、実施を直ちにしてもらうというふうにしていただきたいと思う。私は、文部大臣にこれに関連して責任ある御答弁を少しいただきたいと思うのでありますが、後刻見えた機会に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/124
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125・湯山勇
○委員長(湯山勇君) 文部大臣見えています。さいぜんから見えておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/125
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126・松永忠二
○松永忠二君 そうですか。それでは一つ大臣にお伺いしたいのですが、この前の三十二年の十一月七日に、大臣は、こういうことを言われている。飛行場周辺の騒音については、よく立法化の必要も認め、一つ閣議へ持ち込んで実現をはかるという非常に力強い御発言があった。その後どういうふうにこれが推移をし、今後どういう形において実現されていくものなのか、大臣から一つ御答弁をいただきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/126
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127・松永東
○国務大臣(松永東君) 御指摘になりました点は、これは昨年からいろいろ調査をやっておるのでありまして、現に私も福岡の大学に行きまして、そうして、あの飛行機の騒音を実はよく聞きまして、なるほどこれじゃ、とてもそれはみなが授業するのに非常に妨害をするということは、よく承知をいたしております。そこで、これは何とかしなければならぬと思いまして、そうして防衛庁あたりにもいろいろ折衝を何回かやりました。何回かやりましたが、しかし、まだ法律を制定するという段取りまではいっておりません。しかし、それはやがてそうしなければならぬというので、進行はいたしております。今のところはその程度で、まだこれを、私らの方で法律案を作って、そうして御協賛を仰ぐというところまではいっておりませんけれども、何とかしなければならぬというので、今関係各省とずっと交渉を続けておるところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/127
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128・松永忠二
○松永忠二君 この点については局長にもお尋ねしたいのでありますが、東京都あたりには、さっきお話があったように、単に飛行場の周辺とか何とかということでなしに、工場あるいは電車その他の騒音等、相当あると思うのであります。そうしてまた聞くところによれば、A級、B級、C級というような基準を立てて、調査も実施をされているように聞いておるのであります。しかし、なかなかこの問題については、的確な調査の実施ができていない。だがしかし、われわれとしては、今後こういう面の騒音は多くなっても少くなることはなし、そういう点について飛行場の周辺の騒音の問題等含めて、こういう問題についての立法措置を十分やはりしていく必要があるというふうに、私たちは思うのであります。こういう点について局長の意見をお聞かせ願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/128
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129・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 学校の環境をできるだけ正常にするという意味で、実は、昨年この騒音につきましても、その一環といたしまして文部省として全国的にいろいろ調査をしたことがございます。ただその場合、駐留軍関係の基地とか、あるいは自衛隊関係の基地については、飛行場ばかりでなく、射撃場その他につきましても、いろいろ意見を申し出たところもありまするけれども、都市の中での工場、事業場あるいは交通機関関係等の騒音については、これは一律にいかないせいもあると思いますが、全国的にまとまった意見は出ておりません。しかし、できるだけ学校の環境をいい環境に保つという意味から、そのときには実は学校教育法の一部を改正して、そういった条項を入れるというような意見も実はあったような次第でございまして、文部省としては、そういった学校環境という意味からも、将来さらに検討を重ねて参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/129
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130・矢嶋三義
○矢嶋三義君 議事進行。ただいま文部大臣おいでになっているわけですが、やがて文部大臣、予算委員会から声がかかると思うんです。そうすると質問できなくなりますので、私もあとで質問いたしたいですが、とりあえず文部大臣の方に質問を済ましていただいて、それからなお、要求しました石井副総理が来なければ、委員長において総理大臣を一つ、本委員会に出席要求していただきたい、かように委員会を運営していただきたいことを要望します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/130
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131・湯山勇
○委員長(湯山勇君) ちょっと速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/131
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132・湯山勇
○委員長(湯山勇君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/132
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133・松永忠二
○松永忠二君 だいぶ長くなりますので、これで終りたいと思うのでありますが、大臣から先ほどお話しのありました、閣議へ持ち込んで立法するということについては、十分に一つ調査を伴って、この実現を一つはかっていただきたいと思うのであります。なお、管理局長からお話があったのでありますが、これはまあ、特に私は施設の面でやはり工夫すべき点があるではないか、たとえば鉄筋の建物についての割合等をどういうふうにしていくかとか、あるいは現実にそういう騒音が出た場合には、その施設の防音装置についての負担をどういうふうに考えていくとかという、そういう面からのつまり方法もあり得ると思うわけなんであります。やはり現実に、あなたの所管するのは非常に多いのでありますが、こういう点についてもやはり調査を進められて、的確な処置が打たれていきますように御努力をいただきたい。まあ、われわれもこういうものについて、法的に整備できるものなのかどうか十分検討をして参りたいと思うわけであります。以上で終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/133
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134・竹中勝男
○竹中勝男君 議事進行。矢嶋君の御質問に先立って、せっかくこういうものが用意されておるのでして、私どもはその騒音の程度というものが実際わからない、また、聞かれない方もあると思いますので、それを一つ聞かしてもらって二つ気分が、ちょっと眠いですから、それをさまして……。(笑声)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/134
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135・矢嶋三義
○矢嶋三義君 二、三問やってからかけて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/135
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136・湯山勇
○委員長(湯山勇君) よろしゅうございますか、——それでは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/136
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137・矢嶋三義
○矢嶋三義君 文部大臣にまず伺いますが、本日、私は、自衛隊並びに米駐留軍の飛行機が日本の教育施設に影響を及ぼす点に限って御質問申し上げたいと思います。病院関係とか、あるいは農業関係の問題もあるわけですが、それは本日は触れません。そういう前提をもってお伺いいたします。まず、米駐留軍の飛行機、あるいは航空自衛隊の飛行機によって大きな騒音がもたらされて、教育に悪影響を及ぼすと、それを解決するために相当の予算が要る、その負担は地元の負担でこれは解決すべきものでしょうか、それとも国の責任において解決すべきものでありましょうか、基本的な考え方を承わりたいと思います。私の所見をもってするならば、これは決して地元に過重な負担をなすべきものでなくて、防衛庁なり、あるいは調達庁なり、要するところ、国の責任においてこれは処理されるべきものと考えますが、その基本的態度はいかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/137
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138・松永東
○国務大臣(松永東君) 矢嶋君の御指摘になりました問題については、御主張の通りに、これは地方負担にまかせるものじゃない、やはり国が負担すべきものじゃないかというふうに私は考えております。ことに私は二、三の、その騒音の被害を受けている学校あたりを回ってみました。ところが、そういう方面における学校では、特に音楽を教える教室とかなんとかいうようなところについての特殊のやはりいろいろの設備をいたしております。こういう問題についても、これは国として考えるべきではなかろうか、というふうな考え方も起したくらいであります。ことに、いわんや仰せの通り、ほとんど何も施すことのできぬように騒音のはなはだしいところもある。ですから、こういうところについては、これはその必要の限度にもよりますけれども、やはり国が何らかの方法を講ぜにゃならぬものだというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/138
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139・矢嶋三義
○矢嶋三義君 ただいまの文部大臣の答弁了承いたします。そこで伺いますが、教育環境を守るという立場から考えますならば、米駐留軍の飛行機によってもたらされる騒音と、わが航空自衛隊の飛行機によってもたらされている騒音とは、全く同じ立場において、教育環境を守るという立場において考え、対処して参らなければならぬと思いますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/139
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140・松永東
○国務大臣(松永東君) 御承知の通り、駐留軍関係の騒音防止につきましては、規定が定められております。だがしかし、自衛隊のこの周辺の学校の問題については、きちっとした法律はありませんけれども、やはり何らかの方法をとって、補償措置を講ぜんければならぬというような考え方から、防衛庁といろいろ折衝いたしまして、防衛庁の予算措置によって宮城県の矢本小学校ですか、それから同県の玉浦小学校とか、いろいろ、その他鹿児島の鹿屋とかなんとかいう、まあこれはほんの例示しただけでありますが、そういう方面で、やはりその防衛庁の措置で何らかの方法を講ずるという建前から折衝をいたしまして、それぞれ実施をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/140
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141・矢嶋三義
○矢嶋三義君 その駐留軍関係は調達庁、それから航空自衛隊関係は防衛庁、これは一つの行政機構であって、行政運営の面だけであって、本質の問題としては、教育の場を騒音から守って教育環境を整えるという立場から考えるならば、文部省としては同じような対処の仕方をしていかなければならぬと私は思う。その立場から考えると、私は忍んで申しますけれども、文部省は怠慢だと思うんですよ。駐留軍の方はその特損法によって調達庁でやっていく、しかし、航空自衛隊の飛行機によってもたらすところの騒音については準拠しておるとか、法的根拠がないからとかで、今日そのまま放置してあるということは、騒音から教育の場を守るという立場に立つべき文部省として怠慢だと思う。ということは、駐留軍の使っておる飛行機と航空自衛隊の使う飛行機とはほとんど同じなはずです。たとえばF100とかF104なんとかいうのは両方使っておる、どちらもものすごい排気音を出しておる、だから本日まで、一方は特損法でやっておるが一方は法的根拠もない、準拠で云々などというような、今ごろ調達庁とかあるいは防衛庁の方が答弁しているのは私はけしからぬと思う。そういうところは教育というものにあまり関心がないから、そういう事態がもたらされるのかと思いますが、少くとも文部省の所管局長、それから上司であるところの文部大臣としては、これは同じ角度から考え、対処しなければならぬと思うのですが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/141
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142・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 騒音が学校の環境に与える影響という点から申しますれば、ただいま御指摘のございましたように、駐留軍関係の航空機である場合と、自衛隊の航空機である場合と全く同じでございます。それは御指摘の通りであります。ただ御承知のように、自衛隊関係の場合につきましては、これは現在法規はございませんけれども、ただ教育環境あるいは学校関係だけでなしに、農業関係とか水産関係その他の補償もいろいろございますので、これだけを特に取り上げてやられるということが困難な実情から、やはり現在特損法をよりどころとして準拠してやられるということは、現在までやむを得なかったことじゃなかろうかと思っております。怠慢であるというおしかりでございますが、私どもといたしましても、これは調達庁なり防衛庁にせいぜい御連絡を申し上げて、措置を早急にやっていただくように、今までお願いしておったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/142
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143・矢嶋三義
○矢嶋三義君 ややその答弁不満ですが、急ぎますので次に伺います。
それは、文部大臣、あなたとしてはこの問題を解決するに当っては、可能な限り学校移転ですね、移転という方針をとられますか。それともその方針はとらずに、防音装置というお考えでおられるのか。それから木造建築に対して防音装置をやられるか、それとも積極的に鉄筋防音装置という方針をとられるか。その点、明確に一つ方針をお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/143
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144・松永東
○国務大臣(松永東君) 実は小林政府委員からお答えした通り、この問題については、それが駐留軍関係であろうとあるいは防衛庁関係であろうと、同様にこの問題については防止の方法をとらなきゃならぬということはもちろんでございます。しかしこの問題が実は少しおくれておりますのは、これは私の考え方ですが、実は防衛庁の使用いたしておりまする飛行機の騒音はそうまで高くなかった。ところが、駐留軍の、アメリカさんの飛行機はとてつもない音がしまして、そしてそれはもうとてもその付近におれないというようなことは御承知の通りであります。でありますから、従って防衛庁関係がおくれておったのだと思いますが、しかしお説の通り、防衛庁関係の騒音も相当このごろは飛行機がやはり新しい飛行機を使う関係からでもありましょうが、非常にそれはもうひどくなってきておるということはわれわれも認めております。従ってこれは何とかせんけりゃならぬというふうに考えて、いろいろ協議をいたしておりました。先ほど来御不満でもありましょうが、私の方から防衛庁あたりに交渉しまして、そうしてその損害補償とかなんとかいう問題についても働きかけておるわけであります。今御指摘になりました、移転をするかどうかというような点でございまするが、これは移転なんということになりますと、望ましいことは、その学校を移転するということか、もしくはその防衛隊ですか、それを移転してもらう。これは望ましいことですけれども、自衛隊がそこへ基地として設置せられた以上、これを移転するということは、これはできない。従ってその学校を移転するよりほかないでありましょうが、学校を移転するということになりますというと、学校はそれに通学するところの児童のことも考えなければなりませんので、急速に非常にへんぴなところへ移転するわけにも参りません。従ってやはりどうしても防音装置を施した完全な建築構造にしてそこへ建てなければならないが、第一次的には。でありますから、やはりそれは鉄筋コンクリートで、そうして防音を完全に達成し得る防音装置を施した建築をしなければならぬというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/144
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145・矢嶋三義
○矢嶋三義君 録音再生の用意をして下さい。もう一問で終ります。それは私ども昨年末福岡に視察に参ったのですが、そのときに地元の人は非常に激高しましてね。こういう話しなんです。総理大臣以下多数のえらい人が板付にお着きになるが、学校の子供は困っているだろうかとか、病院の患者はさぞかし困るだろうということを一言も言ってくれる人がない。そうしていろいろ視察に来て、そのうち解決すると言うけれども、一歩も前進しない。少しぐらい前進すればいいが、一向解決しない。一体いっこの問題を解決してくれるのか。これが痛烈なる住民の声だったわけです。今私ども持って帰った録音を再生しますから、それを聞いて大臣はいつ、後ほど詳しく政府委員にただして参りますが、九州大学からあの板付の周辺の高等学校以下の学校の防音関係を解決するのか、明確に録音を聞いた後にお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/145
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146・松永東
○国務大臣(松永東君) 私は録音を聞かぬでも、私が現に九州大学に行って、あのがあがあいっておるところを聞いておるのですよ、それは私も痛感しておる。ですから、ただ問題は何とかいつ早くこれに防音装置をやるかということに残されるわけです。それは先ほど来申し上げる通り、それぞれの機関と協議いたしまして何とかしなければならぬということを私は痛感しております。ですから、御要望に応じて早急に一つ何とか方法をとりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/146
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147・湯山勇
○委員長(湯山勇君) それでは板付基地の筥松小学校におけるジェット機による爆音被害の実況を聴取いたします。この録音は、去る十二月本委員会から派遣された第一班、松岡、矢嶋、常岡の三君が持ち帰られたものであります。速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/147
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148・湯山勇
○委員長(湯山勇君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/148
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149・矢嶋三義
○矢嶋三義君 では、調達庁、防衛庁関係の政府委員の方御着席を願います。
まず、次の質問を発する前に、今の録音は筥松小学校のですが、この筥松小学校はある程度の防音装置をしておる学校でございます。なおかつあのような騒音であるということを一つ了承おきいただきたいと思うのです。防衛庁に伺いますが、今わが国の自衛隊並びに米空軍にいる飛行機の中で一番大きなと申しますか、比較的大きな音を出す飛行機は何という飛行機ですか発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/149
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150・山下武利
○政府委員(山下武利君) 私の承知しております範囲では、米軍につきましてはF100という超音速の飛行機、これはおもに板付基地に配属されておると聞きますが、それが一番大きな音を出すということを承知いたしております。自衛隊につきましては、現在持っておりますF86というのが一番音の点では高いとうふうに記憶しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/150
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151・矢嶋三義
○矢嶋三義君 重ねて伺いますが、この米軍にいるところのF100、それから自衛隊にいるF86、これらは何機ぐらいいるのか。さらに、今後これらの飛行機はふえる可能性があるのか。それとも、自衛隊はアメリカから飛行機の貸与を受け、さらには自衛隊みずから新機種をきめて新しい飛行機を作ろうとしておるのですが、それらの飛行機の騒音はこのF86あるいは100に比較して音の低い飛行機となる予想であるのか、それともこれらの飛行機よりは音がさらに高くなる、かように予想されておるのか、それらについてお答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/151
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152・山下武利
○政府委員(山下武利君) 米軍の飛行機の配備機数につきましては、私は存じておりません。自衛隊の浜松基地にありますF86は二個中隊でございますから、大体五十機程度と考えております。その他の基地につきましては、まだジェット機につきましては、それほど多くの飛行機が配備されておるという事実はございません。将来の戦闘機につきましては、目下機種をいろいろ研究中でございまして、どういうふうな飛行機が選ばれるかということがまだきまっておりませんので、騒音の点については、今のところまだ申し上げかねる段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/152
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153・矢嶋三義
○矢嶋三義君 そういうことだから困るのです。私は調達庁の方にお伺いいたしますが、具体的に伺います。福岡市の蓆田小学校、この小学校は調達庁の全額補償で移転した小学校ですね、三年前に移転してなお木の香も芳ばしい学校ですが、防音装置を全くしないまま移転して、現在ではもう授業ができない状況になっている。こういうことについて調達庁としてはどういう反省を持たれておるかということは防衛庁それから文部省、それから駐留軍につながる調達庁の間の連絡が全く不十分で、将来について何らの見通しも立ててないから、建築して二年そこそこで全く授業ができないという状況にある。それを見たときに、私はもったいないなという感じがしたのですが、どういう反省を持たれ、その教訓からどういう対策を今考えておられるのか、お答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/153
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154・柏原益太郎
○政府委員(柏原益太郎君) ただいまのお話しのありました蓆田小学校は昭和三十年に移転しました学校でございます。その当時といたしましては今板付におりますジェットF100戦闘機の前のF86が主体をなしておりまして、それを一応目標としましてその騒音度を軽減するという考慮のもとに、現在の位置に移転をいたしたのでございます。ただいま飛んでおりますF100ジェット戦闘機は、板付飛行場におきましては昭和三十一年の十月ごろから飛び始めたということを聞いておりますが、その移転の当時といたしましては、F86の排気音というものを主体として考えておりまして、さらにそれよりも高音を発しますF100Dというものを予想しないで、現在の位置までに移転をいたしますれば、十分騒音を消すことができるということで移転をいたしたのでございます。しかし、今お話しにあります通り、航空機の発達は日進月歩、まことにめまぐるしいものがございます。今後どういった機種のものが作られるのか。また、日本において米軍がそれをどういった飛行場に配備するかということにつきましてはつまびらかにいたしませんが、そういった点も十分に考慮に入れまして、今後の防音工事の問題はやるべきであるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/154
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155・矢嶋三義
○矢嶋三義君 不動産部長に申し上げますが、航空機の日進月歩ということは確かにそうです。しかし、一つ例にあげた蓆田小学校の場合は、航空機の日進月歩で私は許されるべきものではないと思う。一体あの板付の飛行場から何メートルありますか。きわめて近い距離じゃないですか。それに多額の国費を使って移転する場合に、何らの防音装置をしていない、防音装置はゼロでしょう。ああいう指導ということがあり得ますか。一体、板付の飛行場から何メートルありますか。はかってごらんなさい。飛行機のF100が来たということは、確かに大きな排気音を出すことは事実です。しかし、その日進月歩だけで責任を回避するということは、私は許されないと思う。なぜ私がそういうことを聞くかというと、先ほどから松永委員から浜松の方を盛んに追及された。浜松にはF86が五十機程度いるというのでしょう。それで今そういう考え方で浜松に対策を講じておけば、もし浜松を拡張してF100あたりが来るようになったら、またこれから浜松に投ずる金というものはどぶにぶちこんだ金になってしまう。だから米軍の秘密をあなた方が一〇〇%つかんでいなさいということは無理です。しかし、文部省と調達庁と防衛庁は十分の連絡をとって相当先を見通し、対策を講じなければ、一年か二年にして投じた金がゼロになるというような、そういう私は無計画な行政というものはあり得ないと思う。この点について防衛庁の政務次官いかがお考えになりますか。続いて、不動産部長から重ねてお答えを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/155
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156・小山長規
○政府委員(小山長規君) 将来の戦闘機はまだ決定しておらないのでありますが、しかし、いずれにいたしましてもエンジンの馬力がふえるわけでありますからして、従って騒音の程度は相当高くなるであろうということは考えられるわけであります。そういう意味で防音対策をいたしますとき、そのことはやはり考えてやるべきであろうというふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/156
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157・柏原益太郎
○政府委員(柏原益太郎君) ただいまお話しのありました通りに私も考えますが、今後どういった機種が配備されるのか、その新しい機種がどういった高い騒音を出すかといったようなこと等につきましては、十分にできるだけの方面から情報をつかみまして、そういったものを織り込んで、今後の防音工事をやっていくべきであると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/157
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158・矢嶋三義
○矢嶋三義君 先ほども文部大臣はこれらの問題は国の責任で処理すべきであるという基本方針を明確にされたのですが、従って、ほんとうにあの地域の方の気持になってやる気になれば、できるのです、できます。これは予算だってしれたものです。そこで具体的に伺いますが、文部省の管理局長お答え願いたいのですが、あの九大の一部校舎を海岸に近く建築いたしております。あの開防装置は私は成功していると思うのです。近くに西鉄の電車が通っておりますが、その電車が通るときでもあまり音がしません。飛行機の騒音も遮断できています。ただ冷房、暖房装置をどうするかという問題があと残ると思うのですが、九大当局でも相当研究したらしく、あの建築ならば私はまずまず大丈夫じゃないかと思うのです。今後の飛行機の発達を予想いたしましても、あれでなお防げないというような騒音を出す飛行機ができれば、町に住んでいる人類の聴覚に故障を来たすと思うのです。だからあの程度やればまずいいんじゃないかと思うのですが、それの予算を聞くと普通の鉄筋コンクリートの予算に坪一万二千円をプラスすればできるんだというようなことを聞きました。少し安過ぎるんじゃないかと僕は思うのですけれども、そういうことを聞いたわけですが、管理局長あれをごらんになったと思うのですが、あの規模で大学から小学校まで推し進める方針のもとに予算を獲得する、こういう私は対策を講ずべきではないかとかように思いますが、専門家としての文部省の小林局長の答弁を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/158
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159・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) お答え申し上げます。九大の法文系の建物は、九大としてまあ従来の各学部の教室を防音するための試験的な工事として新たに建ててみたいというものでございまして、従来のものと多少防音の装置の上で変っておりますのは、外部から入ってくる音をできるだけ完全に遮断するということに力を入れまして、窓サッシユ等もきわめて厳密なものを使うということにしたのでございます。これは調達庁の方ともいろいろお話し合いをしまして調達庁のお知恵を拝借して設計したものでございます。まあ、大体今までの状況では外部からの音が四十ホーン程度、これで遮断の効果がある程度あるということになっております。こまかい建築の単価のことについては、今私は資料を持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/159
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160・矢嶋三義
○矢嶋三義君 あれでやる方針をとられたらどうかと思うのですが、その点はどう考えられていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/160
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161・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 私どもといたしましては、もしその木造校舎を元として防音装置を実施されてない場合は、鉄筋に改築する、なおかつ鉄筋工事の上に防音を施す場合には、できるだけ現在のあの九大の法文系の建物をモデルとしてやるように努めたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/161
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162・湯山勇
○委員長(湯山勇君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/162
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163・湯山勇
○委員長(湯山勇君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/163
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164・矢嶋三義
○矢嶋三義君 文部省の管理局長に要請しておきますが、あの九大の防音装置の程度のもので騒音に悩んでいる学校の改築をするとすれば、総予算はどの程度要るかということを、この次まで計算しておいていただきたいと思います。
次に私は管理局長に伺いますが、先ほど文部大臣はできるだけ校舎は移転する方がよろしい。しかし小学校、中学校の生徒を考えるというと、通学区域もあるから、そうばかりもいかないというお答えでしたが、その点についてはごもっともだと思う。また、たとえば九州大学のようなものを移転しようといっても、これはなかなか容易なことではないと思うのです。しかしたとえばそれは浜松にしろ、福岡にしろ、あるいは最近に問題になっている宇都宮の横川村地区、ああいう所にしろ高等学校クラスの学校は、かなりの私は通学距離は変っても通学に支障ないと思う。従って高等学校程度の学校は、中途半端な防音装置をするよりは、むしろ適当な距離の所に移転する方が適当だと思うのですが、また、さように文部省としては指導すべきではないかという私は見解を持っているのですが、どういうお考えでおられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/164
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165・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 義務制の学校につきましては、ただいまお話しのございましたように義務就学の関係から通学区域というものもございます。で、これを無視して学校の場所を移すということは、なかなかできにくいわけでございます。私どもといたしましては、もし簡単に移転できる、子供も、両親もそれを納得するというような実情であれば、移転ということが望ましいと思いますが、実はなかなかそういかない例が多いわけでございます。高等学校以上の場合は、これは個々の学校の実情によるわけでございまして、原則的には通学区域というものが小、中学校に比べて広いわけでございますから、場所が許すならば移転することが望ましいと思います。しかし、これも個々の学校のそれぞれの状況によって一がいには申せないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/165
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166・矢嶋三義
○矢嶋三義君 私は具体的に伺います。それは私は今、板付の基地に限って伺っているわけですが、飛行機が飛ぶと、九大がこのコースを通っては困るということを、米軍に要求しているわけですね、ごもっともだと思うんです。あの九大は医学部があり、理学部、工学部、農学部というのが至近距離にあるのですから、最近の科学実情からいって、きわめて精密度の高い実験、実習等しているんですから、あれだけの騒音で大学の上空を通られては、大学の学生の研究時間に非常に支障があると思うのです。そうすると飛行機はコースを変えるのですね。コースを変えるというと、小学校、中学校の方も上を通るということになってくるのですね。だから米軍当局にまことに悲しいことですけれども、各学校でそのコースは困る、このコースは困るといっているような状況なんで、そういう弥縫策では解決できないわけです。そこで私ども拝見した学校で具体的に一つあげますと、福岡の商業高等学校というのがあるんですね。これは板付の基地のすぐ近くです。そうしてその例のF100がスタートをする場合にパン、パンという排気音を出すのですね、調整するわけですね。その調整する時間というのは、十分、二十分もやって長いわけです。その間に連続的に音が響いてくるわけです。その福岡商業高校というのは、鉄筋コンクリートですが、防音装置は何もしていません。従ってとても授業できないような状況なんですね。ところが、その学校関係者はあげて、ずいぶん伝統のある学校でこの地を去ることは忍びないが、今の生徒や、それから先輩からすれば後輩ですが、そういう人が授業できない。従ってこの地を去ることは忍びないが移転するにしくはない。こういう卒業生、在校生、父兄、あげてそういう方針を打ち出している。しかも、福岡市内には商業高校というのは一つしかないわけなんですからね。だから、あの地区では移そうと思えば幾らでも移すところがあるわけなんですね。こういう一つのケースなんですが、こういうのは、私は、先ほど文部大臣が申された国の責任という立場で、補償の立場で、早急に移転すべきじゃないか、また、可能なことだというように考えるのですが、不動産部長並びに文部省の小林局長の御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/166
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167・柏原益太郎
○政府委員(柏原益太郎君) ただいまお話しに出ました福岡商業高等学校につきましては、実は私も一月寸暇をさいて状況を拝見いたしました。ちょうどそのときは、きょうここで聞かしていただきました録音も、商業高校でとられました録音も聞かしていただきましたし、また、私屋上まで上りまして状況をよく調査いたしました。ただいまお話しにありましたように、義務制の学校と違いまして、高等学校でございますし、また、福岡市における唯一の商業学校であるということでございますので、移転ということにつきましては、義務制の学校と違って簡単に考えられるということは言えるわけでございまするが、先ほども話しに出ましたように、馬出の小学校におきまして、鉄筋コンクリートの建物に対する防音工事の効果というものも、試験工事の効果というものも出て参りましたので、現在の位置においてできるだけの防音工事をして、遮音の効果が上るかどうかということを十分に検討いたしたいと思っております。それでも効果が上らないという結論になりましたらば、善処いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/167
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168・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) ただいまの不動産部長のお答えと同様でございますが、文部省といたしましても、本年の初めに、この福岡の商業高等学校の実情を事務官が調査をいたしております。そのときの状況によりますと、学校関係者、また地元の関係者は、静かな場所にできれば移転したいという、かなり強い希望を持っておられるということも、よく承知いたしておりますが、ただいまお言葉の中にもございましたように、新しく馬出小学校の試験工事が鉄筋でできたと、この結果が相当やはり九大の場合と同様に遮音効果が上っておるということから、現在の福岡の商業高等学校の建物も、サッシなどをある程度入れかえるというようなことをすれば、相当防音工事の効果も上るのではないかという調達庁の御意見もございますので、私どももその結果を見て、その結果、さらにどうしてもこれがやはり現状の場所にとどまれないという場合には、その際、たとえば他の工場なり会社なりに売り払って、それを財源として他の場所に移転するというようなことも考えていいのではないかというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/168
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169・矢嶋三義
○矢嶋三義君 もう二、三点伺いますが、ただいまの答弁は研究不足じゃないかと思います。ということは、板付の基地から馬出小学校の距離と、福岡商業との距離は、ずいぶん差があるんですね。基地からかなりの距離があって、その間に建物があり、空中において飛行機がスピードを変化する、そのときに出す猛烈な排気音程度なら、ちょっとした防音装置で防げると思うのです。ところが、福岡商業高校みたいに、板付基地から直線距離百メートルくらいしかない、ああいう位置に学校があって、しかも、しょっちゅう飛行機が離着陸をやっている。やはり離着陸をやる場合には、調整をやるわけですね。民間機でもそうでしょう。たとえば羽田に行っても、しばらくの間、二十分くらい調整をやっておる。その調整の間に盛んに爆発音を出すわけですね。あれでは、少々の改造、防音装置をしても、私は四十ホーンなんかにはとても、八十ホーンにも下げることはできないと思うのです。だから、予算の効率的な使用、運用という立場から考えても、一つのケースですが、福岡商業高等学校のような場合は、これは移転することが最も私はいい方法だと、かように確信を持っておりますので、その点については早急に研究、結論を出していただきたいことを要望いたします。
次に承わりたい点は、前の委員会で、小林局長は、ああいう基地の近くの学校は騒音のために教師の声が生徒によく聞えない、また、教師は生徒によく聞かせようと努力するために、非常に疲れると、教育効果が上らない。従って一学級の編成を四十人程度にしたい、またその必要があるということを答弁されておるわけですが、来年度から、板付に限らず、ああいう基地周辺に騒音のために教育に支障を来たしておるような学校の学級編成基準というものは、四十人で予算を積算し、また、地方自治体を指導しておるのかどうか、いつからそれを行われるのかということと、そうなりますと、教師もそれに沿って増員しなくちゃならぬとともに、一クラス四十人にしますと、教室も増築しなくちゃなりません。これらの教室を増築するに要するところの補助金、それらについても明年度の予算、今われわれが審議しておる予算案の中にどの程度盛られておるのか、具体的に一つお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/169
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170・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) この基地周辺の学校の教育効果が、ほかの普通の場合の学級規模と同様でありますと、騒音のために教育効果が上らない。できるだけ学級の規模を小さくする、それによって先生の疲労度を少くする、教育効果を上げるということが、かねてからの地元からの希望でございまして、私どももこれはもっともだと思っております。ただ、具体的にこの規模をどの程度にするかということにつきまして、いろいろ文部省も検討し、調達庁の方にもいろいろ意見を申し上げておりますが、私どもとしては、現存のところ、一応試験的に四十五人程度で発足したらどうかというふうに考えておるわけでございます。この施設につきましては、調達庁の方もいろいろ御検討下さいまして、できれば本年度に試験的に、何校かにわたって、この小規模学級にするための校舎の増設を考えておいて下さっておるようでございます。具体的な距離の配置の基準等につきましては、それができました後に、県の教育委員会の方と折衝をするつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/170
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171・矢嶋三義
○矢嶋三義君 具体的に伺いますが、あなたの方では、都道府県教育委員会、さらに市町村教育委員会をそういう方針で指導しておるわけですね。また、自治体がそういう小規模学級の編成に即応する建設計画を立てたならば、調達庁としては、補償の形でそれに助成をする用意があるわけですね。念のために承わっておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/171
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172・柏原益太郎
○政府委員(柏原益太郎君) 一学級の生徒数を何人にするかということにつきましては、ただいま文部省の方からお話がありましたが、調達庁といたしましては、三十三年度以降におきまして、三十三年度から若干なりとも小規模の学級に変えるということのために、ふえる教室に対する防音工事の予算を若干用意しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/172
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173・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 文部省として全国的に小規模学級を編成するように、特に指導をしておる現状ではございません。文部省としては、ただいま申しましたように、試験的にこの板付の周辺で実施をしてみる、四十五人程度にして実施してみて、その結果に基いて、あるいはさらにこの学級規模か下げるか、あるいはそのまま四十五というような数字で全国的に指導するかということについて、態度をきめたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/173
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174・矢嶋三義
○矢嶋三義君 研究はもう私は尽されていると思うのです。予算の関係もあるわけですから、理想的なことを要求するわけにはいかぬと思いますが、私は四十人程度の小規模学級にする方針を打ち出して、実行に移すべきときであると思う。われわれが福岡に行ったとき、緑風会も、自民党も、私、社会党ですが、行ったわけですが、ともかく集まっている人は、いつ問題を解決するかそれを言って下さい、もうお説教みたいななぐさめごとは要りませんと、非常に激高しまして、私たち困った程度の状況であったわけなんです。それで、九大のある先生が研究されて、あの付近の学校の子供はあくびが大体よその学校の子供よりも一割か二割程度多い、教師の疲労度も非常に高い、教育の程度も二割くらい下るということを、教育心理学者がちゃんと研究を尽されておるのでありますから、それに即応した学校の移転ができなければ、規模を早急に私は実施すべきだと思うのです。もう議論すべき段階ではないと思う。大臣初め局長並びに不動産部長も、つぶさに視察されているわけですからね。私は福岡へ行ったときに、爆音に関する児童作文というものを校長から渡されました。これは私は後ほど政府委員の方に差し上げたいと思うのですが、一、二読んでみますと、その中にこういうことが書いてある。二年の一組の生徒の作文ですが、「さんすうのてすとがあっているときひこうきが『ゴーツ』と音を立ててとびます。さんすうのこたえまでわすれてしまうほどです。」、こういう素朴なことが書いてある。それから、「ほんとうにひこうきのおとはやかましいです。ぼくは、ながさきのしんせきへいったほうがいいとおもったりします。」それからもう一つ、一年生の作文ですが、こういう飛行機がかいてあるのですね。小さなあばら屋の上にジェット飛行機のでかいのがのしかかっているような画をかいているのです。しかも、これはアメリカのマークが書いてあるのです。この家は小さなバラックの家です。こういう大きなアメリカの飛行機が上から押しかぶさっているような画をかいている。これは非常にわれわれが注意して見なければならない画だと思うのです。この人は一年生ですが、たどたどしい字でこう書いてある。「ぼくがべんきょうしたら、またひこうきがきて、べんきょうを、じゃまします。そのおとがひどいのです。」、まことに素朴な声ですが、書いてあるのですね。それを校長が下さったのを私は持って帰ったのですが、こういう実情ですからね。四十五人だろうか、四十人だろうか、研究している云々ではなくて、まあ不動産部長も来年度予算に予定しているというのですが、即時実行に移すべき段階だと思うのです。
そこで、先ほどの松永委員の質問に関連して、念のために私は尋ねておきますが、特別教室、校長室等は、防音装置はいずれの学校もゼロ、今まで防音装置をした学校でこういうことをしてなかったのがいけないので、来年度はこの特別教室、校長室の防音装置をしたい、またすでにやったところもある、こういうわれわれの了承できる答弁があったのですが、昭和三十四年の第一・四半期が終るまでには、今まで防音装置を施している学校の、まだ防音装置をしていない特別教室、校長室の防音工事は完了する、こういうふうに了承してよろしいかどうか、それがいけなければいつまでにできるか、それの予測を承わっておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/174
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175・柏原益太郎
○政府委員(柏原益太郎君) 職員室等の特別教室は、三十三年度中に、今まで施行しました学校で教員室等に防音工事のできてなかったものについて、全部施行を終る予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/175
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176・松永忠二
○松永忠二君 今の点については、自衛隊の方も、防衛庁の方も、それに準じて実施をするというつもりですか、それを一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/176
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177・山下武利
○政府委員(山下武利君) 自衛隊といたしましては、先ほどから申し上げておりますように、調達庁でおきめになっておる基準を一応の目安として、従来から実施して参っておるわけでございます。すっかりそのままを防衛庁の基準とするという段階には、今のところ至っておりません。従って、今お話しのありました場所について、いつまでにどうするということは、ここではっきり申し上げる段階ではないわけでございますが、いろいろ予算関係等ともにらみ合せて善処いたしたいと、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/177
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178・松永忠二
○松永忠二君 今の点については、先ほどから質問が出ておるように、飛行機もほとんど同じものを使っておるというような状態なんですが、早急に一つ調達庁のようなふうに実施できるように御協議をいただいて、協議の結果を一つまたお知らせいただきたいと思うのです。その点を一つ確めておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/178
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179・山下武利
○政府委員(山下武利君) 調達庁の方ともよく連係をとりまして善処いたしたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/179
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180・矢嶋三義
○矢嶋三義君 最後の質問を防衛庁の政務次官に伺うのでありますが、それは確かに駐留軍はアメリカの軍隊です。それから自衛隊は日本国の自衛隊であるから、これは違います。補償等についても、いろいろ検討する面はございましょう。しかし、今ここでわれわれの論議の対象となっておるのは、ともかく飛行機がものすごい音を出すために、教育環境が正常に保たれずに、教育に支障がある。その支障を除去するのにどうしたらよいかということが、われわれの当面の議論の対象になっておるわけですね。従って、今の法に不備があれば、今後皆さん方が研究されて整備していかなければなりませんが、また、その努力をするということを表明されたわけでございますが、この学校の騒音防止については、今調達庁で根拠とされておるところの特損法、それに準拠して、自衛隊の飛行機であろうが、駐留軍の飛行機であろうが、教育環境に悪影響を及ぼしておる騒音は除去すると、そういう立場で努力をされるおつもりだろうと思いますが、念のために私は、そういうふうに努力していただけるかどうかということを、政務次官からお伺いするとともに、具体的に防衛庁は来年度の予算の中からどの程度の金額をこの騒音対策に振り向けるつもりであるか。また、今の防衛庁の予算で不足ならば、他にいかようにしてこれを確保して対策を講ぜられようとしておるかということと、調達庁は、あなたの所管の学校の騒音防止対策として昭和三十三年度どの程度の予算を振り向けられる見込みか、どういうお考えで国会に予算を出されておるのかということを具体的に数字を上げてお答えを願いたい。ということは、板付に行った場合に、われわれの仲間のある人は、われわれは何党に所属しておるから、この問題は責任をもって解決します、文部省は力がなくてやれないから、今後これは防衛庁の方で一切解決するようになったというような発言をされて、そのときに非常に住民、住民といっても校長先生とか、PTAの会長さんとか、市会議長さんがおられましたが、憤激の空気が起りまして、非常に心配した事態もあるのです。それで浜松にしろ、板付にしろ、あるいは栃木県の宇都宮の第二操縦学校のある横川の付近にしろ、一体調達庁は幾らの予算をもってやろうとしておるか、それから防衛庁は幾らの対策費をもっておるか、それが問題なんです。それが不足ならば閣議で了承されれば予備費の支出も可能なわけなんですから、今は要らぬかもしれないが、来年度また補正予算が組まれる機会があれば、やる意思さえあれば、補正予算を組んでやるという方法もあるわけです。国家の全予算額に比べれば微々たる金額でこれは解決できるわけですから、やっぱり関心を持たなければならないと思うのです。それで私はきょうこの席においては先ほど申し上げましたように、調達庁並びに自衛隊の予想しておるところの予算額というものを、明確にお答えしていただきたいと思うのです。それがお答えできないということであったなら、今年度の予算は私は審議できないと思う。まず政務次官からお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/180
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181・小山長規
○政府委員(小山長規君) お答えいたしますが、学校の防音装置その他いろいろな騒音がございますが、今おっしゃいましたように、自衛隊の飛行機であろうと、米軍の飛行機であろうと、騒音は同じなんでありますから、われわれの方では騒音に応じてこれを消音装置をする、その基本方針は調達庁も防衛庁も同じであります。ただ、片方は法律上の基準がないというだけの相違でございます。従って、基準としては一応の調達庁の基準をとってやっておるということをまず申し上げたい。
それから来年度の予算に幾ら計上しておるかということでありますが、これは見込みで基準をやっておるのではありませんことは、先ほど松永委員にお答えをいたしましたが、われわれの方には騒音対策費という項目はないのであります。しかし、消音の設備をするという基本方針は変りないのでありますからして、従って、ケース・バイ・ケースでそのつど予算の中から大蔵省と折衝して科目の流用できるものは流用していく、いよいよいけないときは予備費から出す、こういうような方針をとっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/181
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182・柏原益太郎
○政府委員(柏原益太郎君) 調達庁といたしましては、三十三年度の防音関係の予算といたしまして約三億ほど計上して御審議願っております。これを多少内訳的に申しますと、考え方といたしましては、第一といたしまして、先ほどからお話しにもございました一学級の生徒数を減らすための教室の増加というものに対する予算。第二番目といたしましては、すでに防音工事を施行しました学校に対して、校長室、職員室に対して防音工事を施行する予算、第三には、現在まだ防音工事をいたしておらない学校等について、三十三年度に新たに防音工事を施行する予算、それから第四番目といたしまして、これは学校とは関係ございませんが、医療施設に対しても、三十三年度におきまして若干の防音工事をやることにいたしまして、この予算を計上しております。以上で約三億の予算を計上しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/182
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183・矢嶋三義
○矢嶋三義君 これで最後にいたしますが、防衛庁のケース・バイ・ケースというのは、先ほど松永委員から指摘されましたように、非常に態度としておかしいと思う。消極的だと思う。ということは、一昨年になりますか、一昨年の暮れだったと思います。横浜の羽田地区のお母さん方がたくさん文教委員会に押しかけてきて、とにかく私の近くの学校はやかましくて困るから見ていただきたいという陳情があったのです。それからこの委員会が調達庁の方と行って測定した。ところがこれはもうりっぱに防音装置をする資格がある、やらなければならないというのですぐ解決したわけです。だから、お母さん方がたくさん押しかけてこなければ、そのままほうったらかされてあったのです。こういう行政というものは反省されなければならないと思うのです。だから、今、調達庁の方は三億円云々ということですが、防衛庁関係は別に大したあれはない、ケース・バイ・ケースだということになれば、あるいは宇都宮の第二操縦学校の付近とか、あるいは浜松あたりの人がたくさん防衛庁に押しかけるか押しかけないかということと、予算をいただいて対策が講じられるかどうかということは、相関関係になるわけですから、これは陳情政治を誘発するものであるし、好ましくないと思うのですよ。従って、今、国会に出されているのが項目別になっていないとすれば、早急にあなた方やはり調査をされて、そうしてこれだけは解決せんければならぬ。従って防衛庁の千四百六十一億円の中から、防音対策としてこれだけの金は生み出さなければならぬという私は数字をはじき出すべきであろう、かように思うわけで、ぜひともそうやっていただきたいし、なお、調達庁は予算に計上されている三億円の使途については一日も早く、一日早ければ子供は一日助かるのですから、一日も早くこの予算が活用されるように、格別の御配慮を特に要望いたす次第です。前段について、最後に政務次官に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/183
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184・松永忠二
○松永忠二君 関連して。今お話が矢嶋委員からあったのですが、よく、調達庁の方がそういうふうな計画を立ててやっておるのに、同じ自衛隊の防衛庁の方が、あれだけの予算を持っていながら、しかもケース・バイ・ケースだというような言い方が、私はよくできるものだと思うのですね。そんなことで、一体こういうふうなことが解決できると思うのですか。その点はやはり調査をして、やはり計画を立てて、やっていくというような方針にやっていくべきだと思うのです。何のために今までいろいろなことを質問をし、あるいは状況を話したか、全くどうも私どもは今の答弁は困ると思う。ともかく調査をされて、計画をされて、同じ調達庁に駐留軍の飛行機であっても、自衛隊の飛行機であっても、同じ騒音の被害があるということを確認しているという基本線があるならば、ケース・バイ・ケースという、そんな言い方でなくて、やはり早急に調査をして、それで計画を立てて実施をしていくと、金がないものについては、とにかく今後十分に検討して、金を出すような方向にいくという、そういう責任ある御答弁をいただきたいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/184
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185・小山長規
○政府委員(小山長規君) ケース・バイ・ケースと申し上げたのは、ちょっと誤解があったようでありますが、これは、同じ場所でも、あるいは飛行機の頻度、飛ぶ回数、そういうものによっていろいろ違って参ります。その点を申し上げたわけであります。防音装置について補償するという建前は変っておりません。同時にまた、この航空自衛隊では積極的にその騒音の度合いをはかっておるわけなんです。ただ、それが、申し上げましたように、一つの場所、あるいは陳情のあった場所という所だけに限っていいかどうかという点がありますので、全国的なものを見ながらやっていこう、こういうことを考えたわけであります。同時にまた、十分な調査ができておりませんでしたために、来年度の予算に特別の項目として、調査が終り次第、あるいはそのすべての見当がつき次第やることだけは間違いないのであります。御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/185
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186・矢嶋三義
○矢嶋三義君 あなた方は、積極的にやらなければ全国の子供とお母さん、お父さんあたりから、その非情を責められることになるんですよ。私はやる気があれば、予算編成のときに積算してなくてもやれると思う。教えておきますからね。予算委員会で私は発表しておいたんですが、念のためにここでもう一度申し上げておきますが、一千四百六十一億円という防衛庁の予算は、根室から鹿児島まで国有鉄道線で、千円札をずっとつないでいきますと、三往復半です。だから言いかえますと、根室から鹿児島駅まで七千円の厚さで、レール上にずっと金を敷き詰めたほどの予算を持っておるんですよ。この国会の廊下で言えば、地下から三階まで至る廊下、これをまん中に線を引いた場合に、その線の上に五百十六万円の厚さで、ずっと国会の廊下を回るほどの千四百六十一億円という予算を持っておるんですから、これをお母さん方に説明した場合に、この防音装置ができぬならば、あなた方は、子供と父兄からその非情を責められることになる。やる気になったら、これだけの予算を持ったら、できぬことはないと思いますので、先ほどから次官のお気持は私たちと同じようだし、非常に御理解のある答弁をしておりますが、要は実施するか、しないかという点にあるわけですから、格別の一つ御配慮をお願いして質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/186
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187・湯山勇
○委員長(湯山勇君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/187
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188・湯山勇
○委員長(湯山勇君) 速記をつけて。基地周辺の学校の防音に関する決議及び越境入学について、参考人を呼ぶこと及び現地調査、この二件については、次の理事会において協議することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/188
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189・湯山勇
○委員長(湯山勇君) 本日はこれにて散会いたします。
午後四時三十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815077X00719580313/189
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