1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十四年二月二十四日(火曜日)
午後一時二十八分開議
出席委員
委員長 長谷川四郎君
理事 小川 平二君 理事 小泉 純也君
理事 小平 久雄君 理事 中村 幸八君
理事 南 好雄君 理事 田中 武夫君
理事 松平 忠久君
赤澤 正道君 新井 京太君
鹿野 彦吉君 木倉和一郎君
始関 伊平君 關谷 勝利君
中井 一夫君 濱田 正信君
細田 義安君 板川 正吾君
今村 等君 内海 清君
大矢 省三君 勝澤 芳雄君
小林 正美君 鈴木 一君
堂森 芳夫君 水谷長三郎君
出席政府委員
通商産業事務官
(重工業局長) 小出 榮一君
通商産業事務官
(鉱山局長) 福井 政男君
委員外の出席者
参 考 人
(海外企業技術
協力斡旋本部本
部長) 高城 元君
参 考 人
(海外機械輸出
振興委員会委
員) 荘司 茂樹君
参 考 人
(日本海外工業
技術協力会事務
局長) 富田 俊三君
専 門 員 越田 清七君
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二月二十三日
小売商業特別措置法案の一部修正等に関する請
願外三件(阿部五郎君紹介)(第一六三三号)
同(井岡大治君紹介)(第一七四三号)
同外二件(今村等君紹介)(第一七四四号)
同(中村高一君紹介)(第一七四五号)
中国産生漆輸入に関する請願外十件(大矢省三
君紹介)(第一六三四号)
同外三件(稻葉修君紹介)(第一七八一号)
同外一件(小澤佐重喜君紹介)(第一七八二
号)
同外六件(植木庚子郎君紹介)(第一七八三
号)
同外六件(奧村又十郎君紹介)(第一七八四
号)
同外二件(鍛冶良作君紹介)(第一七八五号)
同外十二件(辻寛一君紹介)(第一七八六号)
同(船田中君紹介)(第一七八七号)
同外五件(福田一君紹介)(第一七八八号)
同外十三件(坊秀男君紹介)(第一七八九号)
同外一件(小金義照君紹介)(第一八一五号)
同外三件(正力松太郎君紹介)(第一八一六
号)
同(砂原格君紹介)(第一八一七号)
同外三件(田中伊三次君紹介)(第一八一八
号)
同外一件(塚田十一郎君紹介)(第一八一九
号)
同外三件(西村直己君紹介)(第一八二〇号)
同外三件(福家俊一君紹介)(第一八二一号)
同外五件(増田甲子七君紹介)(第一八二二
号)
同外二件(三和精一君紹介)(第八二三号)
日中貿易再開に関する請願外十一件(大倉三郎
君紹介)(第一七九〇号)
同外五件(小西寅松君紹介)(第一七九一号)
同(助川良平君紹介)(第一七九二号)
同(辻寛一君紹介)(第一七九三号)
同(三田村武夫君紹介)(第一七九四号)
は本委員会に付託された。
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二月二十三日
第四次日中貿易協定締結促進に関する陳情書
(第三三七号)
技術者の海外派遣に伴う生活保障制度確立に関
する陳情書(第
三四四号)
中小企業金融公庫京都支店設置に関する陳情書
(第三四六号)
昭和三十四年度石油資源開発の所要資金全額国
家投資等に関する陳情書
(第三四七号)
商工組合中央金庫に対する融資増額に関する陳
情書
(第三六一号)
日中貿易再開に関する陳情書
(第三六二号)
プラント類輸出促進臨時措置法案成立促進に関
する陳情書
(第三九〇号)
同
(第四
二五号)
同
(第四二六号)
小売商業特別措置法案反対に関する陳情書
(第三九一号)
小売商振興のための法律制定に関する陳情書
(第三九二
号)
中小企業診断士法制定反対に関する陳情書
(第四二九号)
は本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
プラント類輸出促進臨時措置法案(内閣提出第
一〇一号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/0
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001・長谷川四郎
○長谷川委員長 これより会議を開きます。
まず、プラント類輸出促進臨時措置法案を議題とし、審査を進めます。
本日は、本案審査のため、参考人として、海外機械輸出振興委員会委員の荘司茂樹君、日本海外工業技術協力会事務局長の富田俊三君及び海外企業技術協力斡旋本部本部長の高城元君の三君が出席されております。
この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。本日はきわめて御多忙中にもかかわらず、本委員会の要望をいれて御出席下さいましたことは、まことにありがとう存じます。どうぞ忌憚のない御意見をお述べ願います。
ただ、時間の関係もございますので、最初御意見をお述べ願う時間は、大体十五分程度にしていただき、後刻委員から質疑もあると存じますので、その際に十分お答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し添えておきますが、規則の定めるところによりまして、参考人の方が発言なさるときは、委員長の許可が必要であります。また、委員が参考人に質疑することはできますが、参考人が委員に質疑することはできないことになっておりますので、お含みおき願いたいと存じます。
それではまず高城参考人にお願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/1
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002・高城元
○高城参考人 プラント類輸出促進臨時措置法案につきまして、簡単に端的な意見を申し上げます。
今後のわが国の輸出を伸長いたしますために、従来の繊維、雑貨のみならず、機械類の輸出に重点を置いていくべきであるということにつきましては、今さら申し上げるまでもないところでございます。ところで、わが国の機械類の輸出につきましては、きわめて歴史が新しいのでありまして、いわば戦後十年くらいの歴史しかないと申しましても過言ではないと存ずるのでありっます。戦前におきましては御承知の通り、朝鮮でありますとか満州、中国方面に日本の機械類が相当出たのでございますが、これは軍の背景と申しますか、いわばわが国の勢力範囲の地域に輸出したという程度でございまして、その他の国に対しましては、タイに鉄道車両あるいは橋梁、インド方面に紡績機械がわずかに出たというだけのことでございます。しかるに、戦後におきましては、ミシン、またカメラ双眼鏡等の光学機械、最近におきましては、御承知の通り、トランジスター・ラジオというものが、その本家とも目すべきアメリカにも大量に出るようになったわけでございます。また乗用車、小型トラックもアメリカにいくというような状況になってきたのでありまして、わが国の機械輸出のため、まことに御同慶にたえないところでございますが、わが国輸出の総金額から申しますと、まだまだ微々たるものでありまして、われわれといたしましては、ぜひとも大きな機械を各国に輸出をいたしたいと考えておる次第でございます。
この大きな機械の輸出ということになりますと、自然どうしてもこれはプラントの形で出ていくということになるのが多いわけでございますが、プラントとなりますと、これを引き受けまする会社といたしましては、金額がきわめて膨大になり、またいろいろなリスクがこれに伴うということになって参るわけでございます。今日わが国の機械類の輸出の大宗をなしておりまする船舶の輸出につきましても、その当初におきましては、相当なリスクがありましたが、たび重なる輸出によりまして、今日では黒字で輸出船を引き受けるということができるように相なったと承知しておるわけでございます。これが気候、風土、習慣、労働条件等、いわゆる立地条件と申しますか、それの異なりまする外国にプラントを建設いたしますということになりますと、非常なリスクが伴って参るということは、容易に想像し得るところではないか、こう思うのであります。相当の事前調査をして設計をいたし、また現地の建設に十分監督をいたしたといたしましても、なかなか予定のキャパシティが出ないというような場合もあり得るのであります。このような点を考慮いたしまして、後進国になればなるほど、ギャランティを要求するというような傾向があるようでございます。わが国のような相当技術の進んでおりまするところでありますと、外国から技術を導入いたします場合、プラントを導入いたしまする場合に、相当こちら側の調査の能力がありますが、後進国になりますと、その能力もない。従って大きなギャランティを要求して参るということになる。そのギャランティを最後までいたしませんと、なかなか注文を出してくれないというような状況であるわけでございます。この注文を受けたといたしましても、予定のキャパシティが出ない場合には、ペナルティ・クローズ等によりまして、ペナルティを払わなければなりません。かりにペナルティ・クローズがない場合でも、値引きをしなければならないというようなことに相なってくるわけであります。
われわれ商工会議所におきましては、政府の委託を受けまして、企業及び技術者の海外派遣の仕事をいたしております。日本商工会議所には、海外企業技術協力斡旋本部というのを置き、東京、大阪、名古屋の会議所には、海外企業技術協力斡旋所というものを置きまして、全国四百有余の会議所を窓口といたしまして、海外進出といいますと語弊があるかもしれませんが、海外に発展いたしたいという企業家の方々、また技術者の方々の登録をいたしまして、これを海外と引き合せてあっせんをいたすという仕事をやっておるわけでございます。これは昨年の五月から始めたばかりでございますが、今日では企業で三十三、技術者で六百八十ばかりの登録をいたしております。あっせんの済みましたものは企業では一件、あっせん中のもの十六件、技術者は三十七名をあっせんいたして、あっせん中のもの百十一名ということになっておるのでございますが、この技術者の給料の問題でございます。大体第一級の技術者と申しますか、工場全体の責任が持てるという技術者で、食事、住宅、医療向う持ちで、月五百ドルというようなところでございます。アメリカの技術者、千ドルでございますが、日本の技術者は、アメリカの技術者に比べて、評判が悪いどころではなく、非常に評判がよろしいのでございます。よく働くし、親切だということでありますが、それでもアメリカの千ドルに比べて五百ドルというところが、大体東南アジアの給料でございます。向うもこちらの生活程度を知っておりますので、そういうようなことになるのではないかと思うのでございますが、これが大体プラント輸出の場合、やはり同じような状況を呈するのでございます。どらも日本のプラント輸出は欧米のプラント輸出に比べて、少し割が悪いのではないか。ギャランティもよけい要求をせられるというような傾向があるようでございます。先ほど申し上げました、まだわが国の機械の輸出の歴史が浅いということからいたしまして、この傾向もいたし方がないとも申せるのでございましょうが、このリスクを負担いたしまするのに、今日のわが国の会社の実力では、なかなか自分でこれを全部負担するということはむずかしいのではなかろうか。米、英、独、仏等におきまして、会社の力が強いのでありまして、当然会社が負担する。また共産圏におきましては、これは御承知の通り、政府の直営でございますから、これは問題はないということでございます。今日盛んにいわゆる企業の体質改善ということがいわれておりますが、御承知の通り戦前自己資本六十、他人資本四十が、戦後の産業においては自己資本四十、他人資本六十と逆転をいたしておる。これが商社になりますと自己資本九、他人資本九十一と、戦前も商社はこの比率は悪いのでありまして四十、六十くらいでありましたが、今は九対九十一というような状況でございまして、非常に企業の力が弱いということを申し上げることができるのでございますが、この体質改善ができますまでの間、一定の時期を限りまして、政府がこのリスクにつきまして、この法案のねらっておりますようなある程度のめんどうを見るということが、ぜひ必要ではなかろうかと考える次第でございます。
次にこの法案におきまして、第十六条に、政府が補償契約を結ぶに当りまして、その業務の一部を公益法人に取り扱わせることができる、事務の委託をすることができるというふうに規定をされておるのでございます。承わるところによりますれば、政府はこれを社団法人の日本プラント協会に委託する御意向のようでございます。プラントに関しまする補償の適否を判断いたしますためには、これは相当高度の技術知識を必要とすると思われるのでございまして、このような専門的な知識経験を有しておりまする団体に、事務を手伝わせるということは、まことに適当なことではないかと思うのでございます。特にプラント協会は海外七カ所にその出先を持っておる関係もございまして、このような業務につきまして、わが国におきましては最も適任な団体ではないかと考える次第でございます。ただこの協会が大企業でもって組織されておる、従って中小企業のプラント輸出の補償に不利になりはしないかというような御懸念があるやに伺っておるのでございますが、今日の中小企業問題がこれほどやかましくなっております際に、そういうへんぱな処置をとり得るほど、協会の理事者の方は心臓が強くないのではなかろうかというようにも考えられますし、また通産省も十分に監督をなさることでありましょうし、また法律の中にも相当罰則でも強いことが書いてございますので、まずまずそういう心配をすることはなかろうかと考える次第でございます。しいて申せばわれわれはその必要もないとは思いますが、もし非常に心配であるということでありますれば、どうせこの補償の下調べをいたします委員会みたいなものが、協会の中にできるのではなかろうかと考えるのでありますが、その中に会議所の代表をお入れになって下さいますれば、その心配も全くなくなるのではないかと考える次第でございます。およそプラント輸出につきましては、これを引き受けた会社だけで、これを製作できるのではないのでありまして、その多くを下請に出すということであります。この下請に出します量というのはきわめて多いのでありまして、たとえば船舶では八割が下請に出るということでありますが、いずれもこの下請には相当数の中小企業が入っておるのであります。プラントを一つ輸出いたしますると、多数の中小企業が新しい仕事を引き受けることになるのであろうと思います。従って大企業はもとより、中小企業の振興のためにも、すみやかに本法案を制定されまして、安心してプラントの輸出ができますような体制が整いますことをお願い申し上げる次第でございます。
昨年私東南アジア等を調査に回ったのでございますが、最近の共産圏はもとより、欧州各国の東南アジアに対します経済協力と申しますか、プラント輸出の勢いというものは大へんなものでございます。私どもこのままに捨てておいては、日本の輸出が将来どうなるかというような心配をいたしたわけでございますが、ぜひこのような法案を御制定いただきまして、わが国のプラント輸出が一そう伸びますように御尽力をいただきたいと考える次第でございます。
簡単でありますが終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/2
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003・長谷川四郎
○長谷川委員長 次に荘司茂樹君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/3
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004・荘司茂樹
○荘司参考人 私どもの機関は大体大阪を中心としております、いわゆる機械類につきましても、中小に属する面でございます。プラント物といいましても皆様御承知の通り、上はずいぶん金高の張る大がかりなものと、小さなたとえばここに目の前にございますこのポーセリンの工場を一式ほしい——そのスケールにおいてだんだん設備等も違いましてございますが、そういう意味であらゆる面につきまして大中小がございます。特に私どもの関係の中小に属するものは、何さま御承知の通り機械というものの輸出が戦前になかった。しいて言うなら戦前はただ北支方面に繊維機械あるいは満関支地帯と称された時代に関東州の方にそうした繊維機械がごくわずか出された。いわゆる機械というものは終戦後クローズ・アップされたものです。私ども国民の一員として、また貿易業者として、機械がここまで伸びて輸出面に大きなポストを占めるとは、実は一業者として関連のある者といたしましても、予期以上のことであったわけです。そのくらいに日本の機械というものにつきましては、近隣国はもちろん、東南アジアその他の諸国におきましても、日本に機械ができる、使えるという観念はなかなかなかったわけでございます。終戦後、これは負けたおかげと言ってはまずいですが、いわゆるアメリカの方のとりなしと申しますか、後進国に対しては日本の工業力が東南アジアでは何としたって一番であるし、工業力も相当ある。潜在力もあるということで、後進国の開発ということをコロンボ・プランその他国連においてもそういうことがとなえられるようになり、またわれわれもこうして負けた以上は、技術でもって国を興さなくちゃならないということで、業界一致いたしまして、今日実に予想外の発展をいたしておるのであります。しかるにこのプラント物に至りますと、何事によりましても特に電気関係のような重機械類のようなものに属するもの、船舶のごとき、車両のごときものでなく、一般産業といわれるあらゆる物、皆様の手近にある物を作っている一式のプラントがほしいということが、ことに後進国、東南アジア諸国においては御承知の通り非常に旺盛なのでございます。
しかしながらこのPRということにつきましては、諸外国ほど、特に英米独というような国ほど歴史がないのでございます。機械の輸出の歴史が浅いために——昨今こそフローティング・フェア、巡回見本市あるいはジェトロで催されます国際見本市参加によってだんだんと認識はされておりますが、まだまだ私自身諸国を歴訪してみますと、日本にそんな機械があったのか、そんなものを作れるのか、ほんとうかというのがたくさんあるわけでございます。それだけに技術面での日本の力は非常に知っておりながら果してそうかということと、それから中小方面になりますと、どうしましても大企業と違いますので、相手国もギャランティーということにつきましては、いろいろな取引条件がつくわけでございまして、われわれ中小といたしましては、御承知の通り大企業ではございませんで、あまり資金は豊富ではございません。しかしながらやはり業者の一員として何とか海外に工場を作って差し上げたい。また作るべしということで日々努力をしているのですが、ネックは保証の問題です。また御承知の通りプラント物はいかに小さな設備でも一年以下では絶対にできない、小さなほんの町工場のようなものでも、立地条件からいたしますと二年以上かかる。その間に鉄鋼相場の上り下りがある。機械というようなものは何年もかかるのですから、鉄鋼が上ることに毎年脅かされているわけです。これについては、政府におかれましても、このプラント物に対しては鉄鋼の値上りを行政指導で押えてもらいたいのですが、事実は株式と同じで、いかにてこ入れをいたしましても、上るときはどんどん上っていく。みな小企業でやっているものでありますからそこに大きな苦難がある。一方には長くかかるものであり、仕様書自体の何か変更をすることは、契約違反になりますから、どうしたって引き受け値段で出さなければならぬ。鉄鋼が上ってくるというときには非常な無理をする。そこでまたギャランティということも要求されるわけでありますので、特にわれわれ中小企業のプラント物につきましては、非常に苦難をしているときでありまして、私どもとしましてはプラント類輸出促進臨時措置法の今日の話題となっておりますこの法律を、ぜひとも皆様によって御審議をいただきまして、一日も早くこれを実施していただくことを切望しているのでございます。何となればそれによってわれわれの得るところも大きいし、それから契約も、そういうリスクも、無理しますとどうしてもコスト高になってきますが、政府がこれだけのものを補償して下されば、われわれもそれだけコスト・ダウンができるのです。今までにも二年三年かけてデータをこしらえたものが、ばっとドイツにとられたり英米にとられたりして、切歯扼腕をする場合が多かったのでございます。その意味におきまして、コスト・ダウンにもなり、またわれわれもこの制度につきましては、中小企業に及ぼすところがいい方に大きいのでありますから、一時も早くこれが通過して実施していただきたいということを、かねてから念願し要望している次第であります。
こういうことで法制定に当りまして、政府の方もいろいろとお考えになっていると同時に、われわれも業界の意見をまとめまして不断にこれを要求建議をしておるのでございますから、この機械類特にプラント物の輸出に対する補償の法律がここに実施されまして、われわれ中小企業者のプラント物もあわせて海外に進出できる道が開かれることを望むと同時に、われわれはそれによりまして一そう努力をしたい、こういうことでございます。 そういう意味でございますから、何とぞプラント類輸出促進臨時措置法案が一日も早く皆様の御審議によって国会を通過して実施されることを切に望むとともに、皆様の御理解ある御援助をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/4
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005・長谷川四郎
○長谷川委員長 次に富田俊三君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/5
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006・富田俊三
○富田参考人 ただいま前の参考人からプラント輸出の貿易構造上の重要性についてのお話がるるありましたから再び繰り返しませんが、私どももこの問題につきまして、将来プラント輸出の問題について、政府御当局も非常に積極的に御考慮願いたいということを考えておる一人であります。私どもが代表いたしておりますこの日本海外工業技術協力会というのは、ただいまでは外国の施設といたしましては、インドにコンサルタント・センターを持っております。これは三十一年の二月でございますが、インド、東南アジア地方を調査いたしました調査団の結論といたしまして、この地方におきまする工業振興策がきわめて意欲的なものがあり、同時に政府的な重点企業の勃興は徐々に進んでおったのでありますが、今後中小企業のこまかい民需品等の工業が続々計画の中に織り込まれつつあるという情勢に対しまして、私どもはこの事務所を設けることを政府の当局にお願いし、御了解いただいて作ったのでございます。自来三カ年に相なりまするが、不幸にしてインドの外貨事情の悪い関係から、あまり大きな成果はおさめていないのでありますが、しかしこの過去三カ年の経験というものは、ようやくにしまして今日徐々に実を結びかけつつある現状でございます。これは私どもの努力の結果だと私どもも自負いたしておるものでありますが、過去におきますこれらの努力を続けて参りました結果が、ようやくにして実りつつあるということを私どもは喜んでいるのであります。ただこれらの事業を進めて参りますにつきまして、私どもが感じて参りましたことは、やはり国内体制の問題と、それから海外の経済状況の推移の問題があるのであります。海外の状況といたしましては、もはや外国のことでありますので、これはわれわれのとやかく言うことのできない問題もありますが、国内の体制だけはよろしくどうかして、このプラント輸出の促進になるようなことにいろいろお願いしたいということでありまして、政府当局に対しましても、プラント類の輸出につきましての隘路というものについて毎々お願い申し上げて参ったのであります。その大きな問題点といたしましては、先般御配慮願いました為替リスクの補償、これは先般政府当局におきましても、お願いできたのであります。今度かかりましたこのプラント類の輸出促進臨時措置法にかかわる契約段階におけるリスクの補償でございますが、これも私どもがお願いいたして参った件の一つであります。ただ何にいたしましても、なぜわれわれ業界がこういう点をお願い申し上げるかと申しますと、要するところ、このプラント類の相談から、計画あるいは契約の段階に入りますその過程におきまして、国内業者はリスクの伴う諸事業でありますと、非常にこういった問題と取り組む意欲を失うのであります。そういう点から非常に危惧されておったのでありますが、どうかこれを一日も早く政府にお取り上げ願いたいというので、かねてわれわれといたしましてお願い申し上げておった件の一つであります。これをさっそく今回御採択願いまして、近く国会におきましても、これを御了承願える段階に相なるというお話を承わりまして、私どもは非常に喜んでおる次第であります。どうかこれらの事業は、ただ単に大きな重機械の問題のみならず、中小企業のこまかいプラント類の促進にもなりますので、この問題はぜひ御採択を願いたいとわれわれはかねて考えておるものであります。東京、大阪の御意見と相並びまして、私どもはぜひこれをこの委員会におきましても、御採択いただくように切望するのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/6
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007・長谷川四郎
○長谷川委員長 以上で参考人の方々の一応の御意見の開陳は終りました。
次に質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。板川正吾君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/7
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008・板川正吾
○板川委員 大体三人の方とも結論として一日も早く成立をしてほしい、こういうことのようです。私どももこの法案の損失を補償する制度を確立するということについて反対はしておらないのであります。その点は同感であります。ただ、この法案が成立をして出発した場合に、従来と違った形が出て、それが中小プラント輸出メーカーを扱っておる皆さん方の方に多少影響があるのじゃないか、そういう点について要望があれば、この際発表されておった方がいいんじゃないか、こういうことでおいでを願ったわけでありますが、その前に一つ、高城さんの方では、海外企業技術協力斡旋本部に企業で三十三、技術者が六百八十人おる、こういうように言われておりますが、富田さんと荘司さんの団体、日本海外工業技術協力会、海外機械輸出振興委員会、ここにはどういう数字で企業が加盟し、技術者がおるか、これを一つまずお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/8
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009・富田俊三
○富田参考人 私の方はただいま申し落したのでありますが、私どもの方の体制といいますのは、愛知県並びに名古屋市の補助金を重点といたしておる団体でありますが、目下三十四名の会員を持っております。主として名古屋地方の会員が重点でございます。ただここで一言申し添えておきたいことでございますが、海外にこういった相談所を持ちますと、ただ単に名古屋地方だけの業種のインクアイアリーを受け付けるわけには行かないのでありまして、目下のところ私どもに受け付けておりますプラント類のコンサルタントの業種を合計申し上げてみたいのでありますが、現在いろいろこまかい、いわばちょっと相談に来たという程度のものはふるいまして、現在相当熱心にアプローチしておりますのは四百五十六件あります。これは私どもといたしまして大体プラント計画をずっと立てまして、これを英訳いたしまして照会者に分かっております。それからその関係方面の数は二十六都道府県に及んでおります。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/9
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010・荘司茂樹
○荘司参考人 私の方の海外機械輸出振興委員会と申しますのは、設立いたしましたのは昭和二十八年五月七日でございます。現在構成の会員は五十五社ございます。うち二十六社が委員会社、賛助会員が六名、普通会員が二十三名、こういうふうに分類いたしますのは、委員会社は会費を五千五百円、賛助会員は四千円、普通会員は二千円、こういうふうに分類してそれぞれ御協力を願っております。会員は日本機械輸出組合の関西に在住しておるものをほとんど網羅しておるわけであります。日本機械輸出組合の関西に在住しておる商社及び工業家がほとんど入っておるということでございます。わずかにそのうちに東京の会員さんが一社ございます。それから名古屋にも一社、そのほかは全部大阪が主で、堺が数社ございます。予算といたしましては三十三年度は約一千二百万円ばかりの予算でやっております。それからこれの会費はどうしているかという問題でありますが、今申し上げた五十五社の会費が二百六十二万八千円、それから国庫補助が百万円、大阪府分担金が六百万円、収入が一万八千八百円、それから繰越金が二百三十万六千四百五十八円ございまして、合計一千百九十五万、約一千二百万程度でございます。
このほかに在外にあっせん所がございます。台湾省の台北市にあっせん所がございます。それからインドのカルカッタにございます。さらにインドネシアには、現在ジャカルタに設置すべく、岡田という技術員がもう近くビザがおりる予定でございますので、ジャカルタに一カ所できるということでございまして、技術面につきましては主として大阪府の工業奨励館の技術者を総動員してコンサルタントに当っております。これに大阪府自体が、業者の会費わずか二百六十万円程度のものに対して分担金が大きい。そのほかに海外の現地に駐在しておる所長がおります。これは大阪府の吏員、工業奨励館の人ですから、在外の給料とか旅費というものは全部大阪府が分担しておるわけで、これは予算面に載っていない。こういうことで実はわれわれふがいないことですが、すべて大阪府に懇請しまして、関西の特に大阪の中小の機械類及びプラント類の輸出振興をはかるためにここまで力を入れていただいておる。ほとんど大阪府の金でやっております。
技術員は今申し上げたように、今晩一人強電気関係の技術者の小野というのがインドに立ちますが、これは現在カルカッタに冶金の非常に大家と申しますか権威者が一人所長になっておりますが、足りないので強電気の人を送るということでございます。ですから現在三名、台北に一名、インドに所長と今晩立つ者と二名、ジャカルタに一名岡田というのが行きます。それから現地には、台湾に男の技術者一名と女子二名、インドにはやはり男が二名、これはインドにおける技術者でありますが、女子が一名、そのほか運転手とか雑役というのが一人おります。ジャカルタにおきましては新設で、現地で男子を二名、女子を一名、運転手、雑役を一名置く、こういうことでございます。
技術面につきましては、実は今申し上げたように大阪の工業奨励館の技術者を総動員いたしておりまして、創立後、現在承わると約二十社程度のこうした団体があるわけでありますが、私の方の自画自賛でございますが、台湾は日本の国であった、あそこに日本の機械だけで工場もずいぶん作っておるわけでありますから、それを負けたから、引き揚げたからいかぬ、それをせめてわが手で修理して、そうしてまた日本の機械をそこへ入れかえて、台湾に貢献したいということで、現在七年になっておりますが非常な評判を得まして、それがために日本の機械は相談所があるから、あっせん所があるから安心して買える。しかもそれは全部フリー・サービスをしておるようなことでございます。こういうことでございまして、われわれもあらゆる方面から振興をはかるために、こうした機関を置いて鋭意努力をしている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/10
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011・板川正吾
○板川委員 お三人のお話を聞きますと、最近中小プラントも非常に引き合いが多くなってきて将来非常に有望だ、こういうふうに大体受け取れるのでありますが、この際私聞いておきたいのですが、御承知のように東京に大手十九社から成る日本プラント協会がございます。大体国の補助が昨年一億四千二百万円、本年は一億五千九百万円、こういうふうにふえております。大阪で国の補助は百万円、こういうお話でありますが、両方の輸出規模を見ると、やはり一億四千二百万と、百万という程度が見合っておるかどうか、こういう点について、直接この法案とは関係ないことでありますが、この際一つ歯にきぬを着せない意見があれば、希望として出してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/11
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012・荘司茂樹
○荘司参考人 プラント協会の方は大手筋ばかしで、これは重機械というもので、重機械は先生御承知の通りあらゆる面がございますが、電力にしても、船舶にいたしましても、車両関係にいたしましても、設計につきまして、向うの当該国のいろいろな地理的あるいは水利、あらゆる立地条件のデータ、こうしたものが重機械は特に要るわけです。歯にきぬを着せるなということでありますが、忌憚なく言えば、私どもはよくいつもそういう面について監視的といいますか、そういうような立場でもあるわけでございます。しかし内容を見ますと、技術面その他につきましてもみなプラント物というのは、ことほどさように明らかなんです。われわれ中小が幾らくやしがっても、大きな水力電気を引き受けてその国に発電所を作る、あるいは製鉄所をこしらえる、そんなおこがましいことをもしも考えたら、これはどうかしているわけであって、常識のないばかか気違いです。このようにわれわれの機械類の仕事というものははっきりしている。われわれはわれわれなりに、特に東南アジアは、先生知っておられる通りに、大きなものはもちろんありますが、これはレベルで言いますと、おしなべて家庭工業から出発せぬことには、大部分が被圧迫民族であったので、技術を持たない、環境も持たない。そういうところに初めから大きなものは、ある場合はいけますが、そういう大きなものは望んでも仕方がない、また向うも受け入れてくれない。われわれの方の仕事の分野は、プラント協会のような大きなところには手が伸びない。われわれは家庭インダストリーを受け持つ、だからあなた方は家庭インダストリーなんかの小さいことにはあまり触手するな、これは不文律なんです。大手筋はエンジニアが違います。こんな小さなものはおかしくって、大阪弁でこれ何じゃいというようなものですね。こういうことでありますので、おのずから節度が守られる、いろいろなことで、節度というと変ですが道がついているわけです。ですから今申し上げたような御懸念がありましょうが、むしろわれわれはわれわれの分野で進んでいって、あなたはあなた、われわれはわれわれ、あなたはわれわれの小さいところにあまり触手をしてほしくないということは、不文律にこういうことが業界ではなされておるということをどうか御承知いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/12
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013・板川正吾
○板川委員 従来プラント輸出は、ただいま申されたように規模別に重機械は大手でやり、中小は皆さん方ということでまとまっておった。また地域的にもそれがまとまっておって、プラント団体を作っておるということだと思うのです。今度この法律ができますと、この法律の適用は中小も大企業もみな同じで差別はございません。ただ、差別はございませんが、国家がやる業務を日本プラント協会に委託することになりますね。そうしますと政府から委託された指定機関ということになりますと、日本プラント協会の背景はぐっと今までと違いますね。十九社だけで、そのほかに、政府指定機関となった、こういうことになりますから、たとえば十九社はいいのですが、その次に規模別に二十番目、二十一番目に当る程度の会社が、日本プラント協会を指定機関にすることによって不利をこうむるおそれはないか、こういうことに対する見解はいかがでしょうか、どなたか、名古屋の方でもけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/13
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014・富田俊三
○富田参考人 その点は、私どもはもう少し実質的なことを申し上げた方がいいかもわからないのですが、プラント協会と私どもの関係でございますが、十九社の団体だという考えを持っていなくて、やはりプラント協会というのはいろいろ日本のプラント全体の問題をおやりになっていただけるものだと思っているのです。従って、政府でおきめになりました諸予算をわれわれ拝見いたしまして、私どもが予算上均霑し得る問題は、ときどきプラント協会に願いに行きまして、いただきに行くこともあるのです。そういうことをいたしまして私どもの方の仕事におきましても均霑を受けておるのであります。それから今の二十番目、二十一番目の会社はというお尋ねでございますが、この問題は私どもただいま申し上げましたような考えでもってそれほどプラント協会のあり方につきまして危惧を持っていないのです。承わるところによりますと、今度は大体公法人的な運営をおはかりいただけるということでありますから、プラント協会自体が、指定機関となればおのずから政府の御監督も相当強化していただけるだろうとわれわれは思っているのです。ですから、ここに差別的な御考慮があるようなことであれば、われわれとしては異議があるのですが、決してそういうことはないと私どもは思っておりますので、そういう点はあまり危惧を抱いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/14
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015・板川正吾
○板川委員 最初の話と相当違うのですが……。それではこういう心配はありませんか。日本プラント協会が指定機関になる、補償契約をする、そうしますと、いろいろ聞くところによりますと、お互いに日本の業者が競合して安くやったりして困るということもあるのだということです。それで輸出のすべてにおいて非常な業者間の競争が行われることは、プラント類輸出でも同じだと思うのです。そこでたとえばこの法律によりますと、コンサルティングの欠陥の場合には補償金を出す、こういう損失補償をする、こういうことですね。コンサルティングの欠陥でない場合は、それは業者の負担になる、こういうわけですね。その指定機関がそれを第一に認定をする、不服があれば通産大臣に申し立てる、こういうことになっております。そうしますとその場合、十九社がこの指定機関内で運営をリードしますから、この人たちが、自分の事故が起った場合には、原因が非常に輻湊して、この場合にはコンサルティングの欠陥だという方に、甘い認定をしてその方向に持っていく、それから競争的なものであり、十九社以外のものがやった場合については、これはコンサルティングの欠陥でないのだ、こういうような判定を下されて不利をこうむるというようなことが、この指定機関を日本プラント協会にまかせることによってあるおそれがある、こう感じるのでありますが、そういう心配は無用ということですか。一つ大阪の荘司さんから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/15
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016・荘司茂樹
○荘司参考人 私の感じをちょっと……。いろいろごもっともだと思うのです。私どももそう思う。そこで忌憚なく言えば、もしもそういう指定機関に日本プラント協会がなると仮定すれば、われわれは今までの運営方針を全部変えてほしい。何となれば、法律はプラント協会の会員だけに均霑するものでないことは理の明らかなところでありますがゆえに、そういうことはありませんが、しかしそういうことがあっちゃいけないから、運営委員会というものを今度別個に、プラント協会の定款と別に——私は法律は知りませんから大阪人らしく言えば、それはそれだ、しかしこれはこの法律が通ったら、プラント協会には窓口その他を委託するが、そのかわりに運営については別個にしてくれ、十九社と別にしてほしい、こういう組織であってほしいということであります。それにはプラントものはあらゆる機種について、いろいろな査定も予備審査もしなければなりませんから、各技術者は各方面においていつでもチャーターできるような組織がほしい、そしてこういうふうにしていろいろな人が参考人になって意見を聞くことができる、こういうふうにしてあらゆる角度から正しい判断をしていき、一方に偏しない。それがために今申し上げたようなプラント協会のほかにそういう運営委員会、それから先ほどこちらからもおっしゃったように商工会議所の、そうした各プラントの団体から適当な方、学識経験者、あらゆるところから、そういう横の連絡がとれるがごとき、運営委員会と申しますか、そういうものを設置していただいて運営していただけば、私はこの目的を十二分に達してその危惧はなくなると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/16
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017・板川正吾
○板川委員 ただいまの大阪の荘司さんの御意見、私どももごもっともだと思う。そういうおそれがあると思っておったのです。これについて東京の高城さんはどういうお考えをお持ちですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/17
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018・高城元
○高城参考人 先ほど申し上げました通りでありますが、私も万々そういうことはないと思っております。しかしもし心配があるということでありますれば、たとえば商工会議所の代表というものを入れまして、こちらで荘司さんも運営委員会というお話がございましたが、何かそういう委員会でも運営する中にそれを入れていく。その委員会の決定につきましては、たとえば役員会はもうそれに白紙委任するというようなことでもやりますれば、その間の運営はうまくいくのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/18
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019・板川正吾
○板川委員 名古屋ではどういう御見解をお持ちですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/19
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020・富田俊三
○富田参考人 私も今のお話で、この法律でどういうふうにその運営委員会を作っていくかという問題は、法律論は私どもはわかりませんが、ぜひ先生方がおっしゃったような公正な運営をはかっていただく機関を一つお願いいたしたい、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/20
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021・板川正吾
○板川委員 御承知と思うのですが、日本プラント協会に加盟するには二口以上出資しなければいけない。百万円ですか。また会費は年に二百の人が三百五十万円、三口の人が四百万円、四口の人が四百五十万円、加入するのには理事会の同意が要る。理事は十九名、各社の代表、定款上からいうと、こういう運営になっておるのであります。そういうことで十九社が指定機関となった以上は、やはり指定機関になったような、日本全体のプラント輸出のためにコンサルティングを強化するような運営をしてもらわなければならぬ、こういうことでは御三方とも一致しておると思うのですが、そういう点では大へんよくわかりました。
それでなお今後通産省に対して、中小プラント輸出メーカーとして、このほかにどういうことを希望するか、こういうこともこの際ですから一つ率直に言っていただきたい。われわれはそれを参考にして今後やって参りたいと思いますから、順次にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/21
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022・荘司茂樹
○荘司参考人 どうも大へんありがとうございます。私はお言葉に甘えて特にお願いしたいのは、先ほどちょっと触れましたが、原材料の値上りですね。これは御高承の通り少し国際情勢に異変がありますと鉄鋼界は値段が上るということでありますが、一番先にそれの影響を受けるのが中小でありまして、またその余波を最後までこうむっておるのもわれわれであります。でありますがゆえに、特にプラント及び機械の輸出につきましては相当年月がありまして、早くからいろいろなものを予定しなければなりませんが、そのときに値が途中で上るということが非常に障害になっておりますので、お言葉に甘えさせていただきまして、特に輸出用の機械類に使う所要原材料は、何とか値上りを防ぐようなことを先生方の御努力によってお考えいただけば、こういう抽象的なことしか言えないわけでございますが、そういうことが私は一番切実に望んでいることであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/22
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023・富田俊三
○富田参考人 ただいまの原材料の値段の上下いたします問題は私どもも同感でありまして、現実に私ども成約のほんとうに一歩手前になっている問題が一つあるのであります。それといいますのも最初テンダーを出しました時期が一昨年に相なっております。しかしこれは特にインドの事情からくる問題が主なんでありますが、非常に成約までに時間がかかりまして、もう神武景気の末から一時非常に不況に入って、また再び現在の鉄鋼の価格の状況に相なっているような、こういう経済の過程を経て成約にならんとしつつある状況です。こういう問題にさらされるのでありまして、このコストの問題は、ただいま荘司さんともお話しておったのでありますが、この問題は将来考えていただきたいと思うのであります。ただこの問題はきわめて商業的な問題だという点からいたしまして、なかなかこれをそこまで政府で考えていただけないような御意向もあるやに承わっておるのでありますが、何にいたしましても、このプラントというものの仕事の中には、そういうわれわれが商売上において解決できない要素がありますので、そういう点を将来お考えいただきたいと思うのであります。
それから私どもの駐在報告書を十一月にまとめておりまして、その末尾で結論的に申し上げておるのでありますが、これはまた板川先生に後ほど御参考にごらんをいただきたいと思いますが、全国的に統一したこういった機構というものを、プラント協会のような団体とともに全国的な中小企業の機構をお作りいただきたいということは、かねがね考えておるような次第であります。ただ私が先ほど申し上げましたように、プラント協会は現在十九社十九社という考えで言われておりますが、私どもはその解釈は実はとってなくて、私どもも均霑させていただいておるわけであります。そういう形にさえしていただけばいいのではないかということであります。そうしてまたこれを東京中心でお考えいただかなくて、やはり大阪、名古屋地方等々の地方にも、こういった動きが相当強いのもございますので、こういったものも包容されました強力な機構を作っていただくということが望ましいこ。将来そういうことが望ましいと思っておる。ただ中規模以下の規模のプラント・コンサルティング業務というものは、中央集権的にはできないのではないかという感じをわれわれは持っております。従いましてもしそういう全国機構ができましたときも、地方の機構をよく御考慮いただきまして、なるべく地方のごめんどうも見ていただく、そういう機構にしてこれを作っていただく、こういう考えを持っております。どうかよろしく一つ御配慮願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/23
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024・高城元
○高城参考人 私は別の観点から申し上げますが、プラント輸出に伴いまして、技術者が向うに行くという問題が当然起るわけであります。その場合に技術者が、大会社の職員がそのままの身分で参って、帰って来てまた会社に勤めるということになりますれば問題がないのでございますが、実際には、あるいは大会社の職員がいないので、いろいろ忙しいようでございますから、ほかから一時雇うというような場合に、帰って参りましてから内地における就職の問題があるのでございます。現実に私のところに、一昨日でありましたか、フィリピンの大使館から一度帰った人間をよこしまして、どこか就職口を探してくれということを頼まれまして、別の会社にあっせんしておりますが、それは私どもの力では何人もやれるわけではありません。それで帰って参りました技術者、海外においていわば日本の尖兵として働いて参りました技術者の帰国後の生活保障態勢というものを作っていただきたい。これは自分が海外におきましてかせぎました中から内地に送金をいたして参ります額を積み立てておいて保障に充てるということでありますが、通産省もいろいろ御勉強を願って、いろいろなことをやっていただいておるわけでございますが、どうも今回法案を提出するという段階にまで参っておりません。これはぜひやらないと、技術者の海外渡航ということを推進するゆえんではないと思う。ぜひこの帰って参りました技術者の——一定期間、半年でございますか、失業保険のようなものでございましょうか、そういうような制度を作っていただきたい。これは国にそう金のかかる問題ではないと思いますが、ぜひこれをやっていただきまして、技術者の渡航ということと相待って、プラントの輸出が円滑に参るようにお願いいたしたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/24
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025・板川正吾
○板川委員 もう一つ、これで一応出発するが、将来特殊な機関を作って、公平に運営するような方法を希望する。特にプラント輸出のために海外へ派遣する技術者等はその機関専属になるようなもの——もっともそればかりではだめでしょうが、各加盟の協会なり団体なりから自由に出し合って、それがまた用が済んだら各会社へ帰る、こういう、チャーターなどが十分にできるような格好になれば、ただいまの希望は大へんいれられるわけですね。それから原材料の値上げについては、主として鉄鋼だということになろうと思いますが、その点は通産大臣もだいぶ骨折っておるようでありますが、法的にいろいろ問題があるようであります。それから大阪の方では、大手の十九社でなくて、とにかく日本全体のコンサルティングの強化のために、全体が一緒になっていくというようなことを一つ要望するということでございますね、わかりました。
以上をもって私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/25
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026・長谷川四郎
○長谷川委員長 この際委員長から通産省に特に申し上げておきたいことがあります。ただいま参考人の御意見を拝聴するばかりではなく、輸出産業において、日本の輸出の一番の隘路となっておる原因はどこにあるかといえば、常に資材の価格の変動が大きいということにあるのは、誓って間違いない事実であります。従って特に中小メーカーについての資材の価格の変動は厳に避けなければならない問題だと私は痛感をいたします。よって、これらの問題に対しましては、今後通産省として特にお考え願わなければならないと思います。
いま一点、技術者渡航後の処置等については、まことに高城さんの御意見しかりだと考えております。この点につきましても十分御考慮願いたいと考えております。
以上で参考人の方々の御意見の開陳並びに質疑は終りました。
参考人の方々には、本日は長い間貴重な御意見をお述べ下さいまして、まことにありがとう存じました。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。皆さん方の御意見も十分聞かせていただきましたので、今後法案の取扱い等については、十分な措置を講じていきたいと考えております。
それでは本日はこれにて散会いたします。
午後二時三十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X01819590224/26
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