1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十四年三月十八日(水曜日)
午後零時八分開議
出席委員
委員長代理理事 押谷 富三君
理事 小山 長規君 理事 坊 秀男君
理事 山下 春江君 理事 石野 久男君
理事 佐藤觀次郎君 理事 平岡忠次郎君
奧村又十郎君 鴨田 宗一君
進藤 一馬君 竹下 登君
西村 英一君 濱田 幸雄君
福田 一君 古川 丈吉君
細田 義安君 毛利 松平君
山本 勝市君 春日 一幸君
久保田鶴松君 田万 廣文君
廣瀬 勝邦君 山花 秀雄君
山本 幸一君 横山 利秋君
出席政府委員
大蔵政務次官 山中 貞則君
大蔵事務官
(日本専売公社
監理官) 村上孝太郎君
大蔵事務官
(管財局長) 賀屋 正雄君
委員外の出席者
大蔵事務官
(財務調査官) 大月 高君
大蔵事務官
(主税局税関部
長) 木村 秀弘君
大蔵事務官
(管財局国有財
産第二課長) 市瀬 泰藏君
日本専売公社副
総裁 石田 吉男君
日本専売公社生
産部長 駿河 義雄君
国民金融公庫理
事 松田 文藏君
専 門 員 抜井 光三君
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三月十七日
委員山村庄之助君辞任につき、その補欠として
中村梅吉君が議長の指名で委員に選任された。
同月十八日
委員夏堀源三郎君辞任につき、その補欠として
川野芳滿君が議長の指名で委員に選任された。
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三月十七日
国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に
伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案
(内閣提出第一八一号)
同月十八日
所得に対する租税に関する二重課税の回避及び
脱税の防止のための日本国とパキスタンとの間
の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する
法律案(内閣提出第一七〇号)(参議院送付)
所得に対する租税に関する二重課税の回避及び
脱税の防止のための日本国とノールウェーとの
間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関す
る法律案(内閣提出第一七六号)(参議院送
付)
同月十七日
畑作改善及び麦作対策としてビール税率引下げ
に関する請願(小枝一雄君紹介)(第二三〇三
号)
高級織物の物品税新設反対に関する請願外一件
(天野公義君紹介)(第二三三一号)
同(保岡武久君紹介)(第二三三二号)
同(内海清君紹介)(第三三七六号)
同(池田清志君紹介)(第三四五三号)
同(奧村又十郎君紹介)(第二四五四号)
同(永山忠則君紹介)(第二四八〇号)
同(平野三郎君紹介)(第二四八一号)
同(河野孝子君紹介)(第二五四九号)
国の債権の管理等に関する法律の一部改正に関
する請願(小林進君紹介)(第二三七七号)
揮発油税等引上げ反対に関する請願(奧村又十
郎君紹介)(第二四七七号)
同(木村武雄君紹介)(第二四七八号)
同外一件(松澤雄藏君紹介)(第二四七九号)
木版画の物品税撤廃に関する請願(小川半次君
紹介)(第二五二八号)
農業課税に関する請願(助川良平君紹介)(第
二五三九号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
連合国財産の返還等に伴う損失の処理等に関す
る法律案(内閣提出第九六号)
所得に対する租税に関する三重課税の回避及び
脱税の防止のための日本国とパキスタンとの間
の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する
法律案(内閣提出第一七〇号)(参議院送付)
所得に対する租税に関する二重課税の回避及び
脱税の防止のための日本国とノールウェーとの
間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関す
る法律案(内閣提出第一七六号)(参議院送
付)
税制に関する件
金融に関する件
国有財産に関する件
専売事業に関する件
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/0
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001・押谷富三
○押谷委員長代理 これより会議を開きます。
本日は、委員長所要のため、指名により私が委員長の職務を行います。
税制に関する件、金融に関する件、国有財産に関する件及び専売事業に関する件について調査を進めます。
質疑の通告があります。これを許します。石野久男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/1
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002・石野久男
○石野委員 専売公社の監理官おいでになっておりますか。私はタバコのことで公社に少しお尋ねしたいと思うのですが、本年度のタバコは全般的に平年作はとれておるようでございますが、地域によりましては非常に不作のところがあるわけです。ことに関東一円は黄色種関係が非常に不作になっておるわけでして、前年度と比較しまして——私は今茨城県の事情を特にここで申し述べたいのですが、反収で大体量目としまして約二十五キロから三十キロ近く減っておりまして、全体としまして金額にして約一万二、三千円の減収を来たしているというような実情であります。御承知のように、昨年は早害が非常に強かった上に病害も出ておるわけでございまして、それらのことのために、タバコがまだ畑地に立っておるときには案外いいように見えておったものでも、収納の時期に至りますと、今申しましたように非常に大きな減収を来たしておるわけでございます。今私は、耕作者の側から、いろいろと地域の苦しい実情を訴えてきておる手紙をたくさんいただいておりますし、また現地でもそういう事情を非常に聞いておるのでございますが、これらの者に対して、公社としては、減収された耕作者に対しての手当をどういうようにしてやるお考えであるか、この点をまずお聞きしたいのですが、御答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/2
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003・駿河義雄
○駿河説明員 関東の方が早魃その他で若干作柄が悪かったことは事実でありますが、全国的には、一月末の作柄で見ますと、一〇三・七%の作況になっておるわけであります。減収になりました耕作者の救済法としましては災害補償の制度があるわけでございまして、茨城県におきましても災害補償の申請は従来以上出ておりまして、その面で救済されるような制度になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/3
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004・石野久男
○石野委員 災害補償の規定が一応あるからということになるわけですが、災害補償の規定は専売の場合で見ますとどのようになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/4
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005・駿河義雄
○駿河説明員 専売法の二十四条によりますと、「耕作者の耕作したたばこ又は収穫した葉たばこが風害、水害、震害、ひよう害、干害、病害その他の災害にかかり、著しい損害を受けたときは、公社は、その耕作者にその損害の二分の一に相当する金額の範囲内で大蔵省令で定める額の補償金を交付することができる。」となっておるわけでございます。大蔵省令の方の法二十四条に関係のあるところを申しますと、たばこ専売法施行規則によりまして、その第七条に「法第二十四条の規定により交付する補償金の額は、移植後収穫前において風害、水害、雨害、震害、ひよう害、冷害、干害、病害又は火山の降灰による災害に、収穫後において風害、水害、震害又は火災にかかり、当該年度に耕作した葉たばこの収納代金が平年度収納代金の十分の七に達しない場合において、平年度収納代金の十分の八と当該年度の収納代金との差額の二分の一に相当する金額以内の額とする。」となっておるわけであります。それから、第八条には、「耕作者が法第二十四条の規定による災害補償金の交附を受けようとするときは、被害後遅滞なく申請書を所轄収納所長を経由し所轄地方局長に提出しなければならない。」となっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/5
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006・石野久男
○石野委員 災害の規定が、省令で、今言われた七条、八条の取扱いを受けるわけでございますが、この場合七条の規定はそうでありますが、八条の場合の——特に今回の場合ではこの八条の問題が非常にひっかかってきている点があるわけでございます。私は、この七条の規定について十分の七に達しない場合は云々という問題についてもいろいろ問題がありますが、これは一つの省令になっておりますから将来の問題といたしまして、当面の問題としては、第八条の規定が第七条の規定の裏づけになってくることになって参りまするから、そこでこの第八条のいわゆる遅滞なく所轄地方局長に提出しなければならないということと、今回特に関東地区で出ている問題が、非常に問題を残すような事態になっております。と申しまするのは、すでに当局もおわかりのように、茨城県などの作を見ますると、野立ちの時期におけるタバコは外見的には非常によく見えるものがございまして、たとえば、今度収納したものを見ますと、葉の大きさはちょっと見ると非常に大きく育っておるわけであります。しかし、実際にそれが収納時期になりますと、厚みが非常に足らないものだから、量目が減ってくるという実情になってきております。従って、野立ちのときには、案外災害とか早害とかいうものがありましたときに、それがそう大きいものでなかろうというような認識に一応立つという事態が、やはり耕作者も、というよりもむしろ指導官の諸君にもそういうような錯覚があったと思われるのです。それが、収納になりますと、先ほど申します通り、反当り二十キロから三十キロという量目の目減りになってきているという事態になっておるわけです。その上になお病害が加わっておるというようなことから、収納の等級別では下位になってしまうというような実情でありまして、実際には従来は反収四万円あるいは五万円というような作をやっておった人でも、本年度は収納のときには反収で一万五千円か二万五千円というような段階になってきておるのが実情であります。こういうことになって参りました場合に、第七条の規定をそのまま持っていけばもちろん問題はありませんけれども、第八条の規定に、十分の予見を持っていない場合がありますと、やはりあらかじめその申請をしていないものになりますと、ここで当然問題が起きてくるわけです。私がここでお尋ねしたいのは、第八条の遅滞なくその実情を所轄収納所長を経由して申請書を提出しなければならないという問題で、当時そういうことを考えていなかったものだから、特に現場における、指導官がまあその必要もないだろうということで出さなかったような耕作者は、この八条の規定に今後全然適用されなくなって参りまして、実質上は減収が非常に激しいにもかかわらず、この災害規定の適用を受けないような事態を生み出しているという実情があるわけであります。そういう問題について当局はどういうふうにお考えになっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/6
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007・駿河義雄
○駿河説明員 災害補償申請の提出期限の問題になってくるわけでございますが、第七条で申しました移植後の収穫前と収穫後の問題に分れるわけでありますけれども、八条によりまして遅滞なくという点におきましては、災害補償の制度としては、その制度の本質上、こうむりました災害が法できめられた法定災害であるかどうかという確認がなされませんと、この制度自体を乱しまして、せっかくの災害補償制度というものの存在意義が消滅してくるのではないかと考えられるのであります。従いまして、第七条に示しております移植後収穫までの災害につきましてはやはり畑にあるうちに確認しなければならぬと考えますし、また収穫後の災害につきまして、少くとも収納前にそれが法定災害であるかどうかということの確認が絶対必要になってくるわけでありまして、公社としましては申請に基いてその確認をしなければならぬことに相なるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/7
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008・石野久男
○石野委員 今部長がおっしゃった法定災害の実態が内容になっておるかどうかという問題は、畑にある間も収納してからもそうですが、大体収納してからということの実情をいいますと、乾燥していよいよ持っていくまではなかなかわかりにくいのが実情だと思うのです。主として畑にあるうちにそういう法定災害であるかどうかの認定をするのだろうと思いますが、実質的には畑にある間に、今言ったように葉っぱも非常に大きくなって育っておる。それで実際にはやはり水分の吸収とか——私はわかりませんけれども、よく聞きますると、発育時における水分の吸収が十分でなかったというようなことが、厚みを減らしておることになるとかなんとかいうことを言っておりましたが、そういうような実態を十分に見分けなかったということのために、災害の申請ができなかったわけです。これは、耕作者の責任というより、むしろ私は指導官の責任だろうと思う。タバコは御承知のように種の植付から苗を作って、それを畑に移植して、施肥の仕方あるいは投薬の仕方、一切の手入れが指導官によって、全く耕作者というものは機械のように動いているというのが実情だと思うのです。耕作者の勝手気ままなことは、専売法の規定あるいは指導のなにからほとんどできないのが実情であります。そういうことになりますると、法定災害の内容を確認するということが問題になったときに、その確認ができるかできないかという問題が一つと、それからまたそれの責任がどこにあるかという問題になってくると、私どもから言わせれば、むしろこれは耕作者よりも指導官、それを出しておるところの公社自体の責任になってくるのじゃないか、こういうように考えられるわけです。従って、私は、この確認の問題について、それじゃ当局は今どういうふうに見ておるのかということと、それからそれの責任を耕作者にそのまま持たせるのかどうかという問題と、二つの問題がここに出てきていると思うのです。当局としてはそれをどういうふうにお考えになっておられるか、一つお考えをお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/8
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009・駿河義雄
○駿河説明員 被害を確認しなければ制度それ自体が乱れるということは、ただいま申したところでございますが、七条の前段にあります被害につきましては、調査の時期を経過した葉タバコについては確認の方法がないと考えます。そうした場合現行の災害補償制度を適用することは困難かと考えるわけであります。
なおまた、第二段に申されました被害があったかないかという認識の問題につきましても、個々の事例ではなくて、全般論として申しますれば、前年におきましての災害補償の人員につきまして、三十三年度に——これは水戸地方、茨城県下の例で御説明申しますと、昨年は災害補償の交付を受けた者が耕作者の約四%に当ったのでありますが、本年は、申請され、すでに支払われたのじゃないかと思うのでありますが、耕作者の一七・四%、昨年に対して約四倍の災害補償金の交付対象になっておる人があるわけであります。実情はわかりませんけれども、申請いたしましても被害がございませんければかからない人もあるわけでありますが、そうすると、申請した数は相当な数に上っておりますから、全くそのうわさとか、そうした作が悪いじゃないかということを知らなかったように——これは概況の推定でございますけれども思われるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/9
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010・石野久男
○石野委員 今部長が言われるように、特に水戸専売局の方の今度災害を受け付けた件数が昨年の四倍にもなるほど、やはりひどい災害の実情があったわけです。従って、耕作者としては、まだ野立ちのときに、いろいろとそういう問題について自後の負担を軽減するために、あるいはまたその災害補償を受けるための配慮をしておった者が多いわけです。しかし、先ほど申しましたように、野立ちのときの葉っぱというものが案外に広く大きく育っておるようなときには、まあ大体これはいけるだろうというように考えるのが常識だったかとも思います。従って、やはり指導官としてはそんなこともよかろうというようなことで、人によりますとその申請もしないでおった人があるわけでございます。そういうような場合は、しかも収納してみると案外非常な減収になっている、量目も減っているということになって参りますると、これを申請がなかったからということで、第七条の規定には該当しないからということでほらりっぱなすことは、あまりにも情のないことであるし、また実情を無視していることじゃなかろうか。私は、災害規定が、やはり事務の運用をするために、いろいろこういう規定をしておることはよくわかるのですし、またそれを守らなければならぬということはわかっておりますが、しかし、タバコ耕作のような場合になりますと、本人というのはやはり機械的に動くほど綿密な指導を当局はしておられるわけですね。これはほんとうに耕作から収納に至るまで至れり尽せりというくらいに、むしろじゃまになるくらいな指導をしておるのです。そういう実情の中でこういうことが出てきたときに、その指導の責任を持っておる専売公社が、規定の上ではどうにも取扱いができないからということで、ほうりっぱなしのようなことをしてはいけないと私は思うのです。そういうことについて昨年度は耕作者の四%であったものが、今年度は一七%にも伸びておるほど多いのでございますから、残った、今私が申し上げておるようななにに該当する人々というのは、やはり数としては相当少くなってもきておるわけです。少くなってきているだけに、そういう減収になった人々のあれをどういうふうにするかということが重大な問題ですから、私は、当局としては、やはり実情を調査した上での配慮のあり方が何かあるんじゃなかろうか、こう思うのですけれども、そういう点については、当局としてはどういうふうにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/10
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011・駿河義雄
○駿河説明員 著しい減収をしました耕作者があっただろうと思うのですけれども、それが肥培管理あるいは乾燥の問題で減収になったかどうか、そうしてそれが耕作者自身の責めによる減収でないというようなことの確認が公社としてはなかなかできないのであります。何かそうした問題がないかということでございますが、非常に困難だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/11
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012・石野久男
○石野委員 実情を言いますると、今度の場合は、たとえば水戸専売局の中で特に大子地区とか小里地区というのは非常に作も多いわけでありますが、その辺でのなにを見ますると、やはり従来反収四万五千から五万五千というところの作をしておったものが、今度は、低いのになりますと、ほとんど一万六千くらいになっちゃっているのです。大てい二万七、八千のところが普通になっていると思います。全国平均では一〇七%という作をとっておられまするけれども、水戸地区でどういうふうに出ておるか、それをもっとこまかく地域に分けていきますと、どういうふうになっておるか、そういう実情がもしお手元にありましたら、それをちょっと聞かしてもらいたいのです。そういう中で今のように申請漏れしておった方々が相当あるわけであります。そういう諸君も、乾燥の問題と言いまするけれども、もちろんその時々にもよりましょうが、大体みんなこの人たちは長年にわたって作をしておられる方でございまして、そう乾燥の問題で目減りをさせるようなことはないわけなんでございます。しかも、なお皆さんの方でも指導をなさっておられるわけでございますので、一がいにそれを本人の責めに帰するというようなことをしておったのではよくない、こういうふうに私は思うのです。そういう点、もし資料がありましたら、ちょっとお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/12
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013・駿河義雄
○駿河説明員 ちょっと端的な資料が見当りませんが、作況で申しますと、茨城県下にございます第一在来種の作柄指数は八八・八でございます。それから同じ茨城県下の第三在来種達磨、桐ヶ作でございますが、これが一〇一・二でございます。同じ茨城県下の黄色種の作柄指数は八四・一になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/13
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014・石野久男
○石野委員 私はここでこまかいことをあまり多くは言いたくないのですが、今言いましたように、特に悪いのは黄色種が悪いわけですね。黄色種の悪い中で、今ここで問題にしているのは、すでに災害申請をしておる者についてはいいわけなんです。その災害の申請をしておらなかった人々の中に、今申しましたように、作でまだ野立ちしているときに申請しようとした。その際、指導員がそれは必要なかろうということで申請してない方もおるわけなんです。そういう諸君が今実際にも困っておるという実情があるわけですから、私はそういう問題を何かやはり考えてやらなければいけないのではないかということを言っておるわけです。その点について、これは監理官の方ではどういうふうに考えておるのか。——副総裁どういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/14
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015・石田吉男
○石田説明員 お話のように、この制度から申しますと、御存じのように、そのときに申請してあるかどうかということが非常に重大なポイントになっております。これは非常にお気の毒だと思いますが、もしそれをもう一ぺん申請し直せば見直してやるのだというふうなことになりますと、これは、特定の地域だけでなしに、おそらく全国的にそういうことが起ると思います。従いまして、制度自体がこうなっておりますので、こういうものを救済しようとすれば、どうしても制度を直さなければいかぬわけですが、かなり制度自体について私どもも検討してみる必要があるんじゃないかということを考えておりますけれども、さしあたりの救済措置として、この制度をはずれてどうこうするということは困難ではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/15
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016・石野久男
○石野委員 僕はやはりこの問題は、今副総裁が言われたように、制度の問題が一つあると思うのです。しかし、さしあたりの問題としては、やはり当面そういう実態が出ておるという事実があるわけです。その事実を認定するに当って、それじゃ乾燥のときにそういう量目の目減りをするような不手ぎわがあったのかどうか、それとも野立ちのときにあったのかどうかという認定も、おそらくこれはなかなか困難だろうと思います。そうなりますと、昨年は早害があったということが実在しているわけです。しかも、申請の数は、一昨年に比べて、昨年は四倍にもなっておるという実情が客観的にはあるわけです。そういう事態を考えてきますと、手が打ってないということじゃなかろう。ただ手続ができたかできなかったかというだけの差異になってきておると思うのです。当局の方で、これが乾燥の時期におけるところの耕作者の責めに任ずべきものであるという断定ができるものならば、これは別でございますけれども、そうでない限りにおいては、主としてそれは、他の同業者であるところの人々がすでに申請しておったときに、本人たちはしなかったという実情、しなかった原因の中には、本人の怠慢もあったでしょうけれども、あるいは本人の見込み違いもあったかもしれませんが、一面においては指導官の非常に大きな誤まりもあったと思われるわけです。この場合、ただ法がそうなっているからということで、実際には一年間の耕作を無意味にしてしまうということはよくないことと私は思います。当然これは、法がどうあろうと、こうあろうと、実態について処置すべきでなかろうか。もしどうしても法なり省令なりというものが間違っているものならば、当然これは変えてもらわなければなりませんし、そうでなく、今この問題は直ちにどうこうできないということであるならば、臨機の処置として、その実態について認定をして、その認定をしたものについて耕作者に実害を与えないようにするということをしてやらなければいけない、私はこういうふうに思うわけです。特に、私が先ほども申しましたように、タバコ耕作の場合は、米作やその他のものと違うわけです。タバコの耕作指導官が向うに行っているわけです。耕作指導官がほんとうに少しのところといえども自由にさせないくらいの指導をしている。そうしてよいタバコを作ろうということをやってこられたわけですから、むしろそういうことの責任を、量目の目減りとかあるいは収納減というようなことになってくる場合は、主としてそれは専売当局自体が持たなければいけない問題じゃなかろうか、私はこう思うのです。従って、今副総裁なりあるいは部長の言われたように、非常に不人情なやり方でやるということはよくないと思う。専売公社自体の耕作の建前というものがそうでないのですから、むしろもう少し専売当局自身が責任を感じて、この問題にはあたたかい手を差し伸べるべきではなかろうか。私は専売当局もそうでありますが、むしろ政府当局においても、こういう問題については、やはりよく考えなければいない問題じゃなかろうか、こういうふうに思うのです。今監理官がおいでにならないようでございますが、次官は、こういう問題はどういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/16
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017・山中貞則
○山中政府委員 公社と私どもの方との間におきまして、法的な立場において、直接救済の非常に困難な点のあることに意見が一致いたしておりまして、今こういうケースに対してどういう処置をするかを研究しておるようでありますが、根本的にはやはり絶えず指導官等が行って指導しておることは御指摘の通りでありますから、他の災害作物等に被害等が相当あります場合に、その被害が当然葉タバコにも及ぼすべき研究というものが絶えず積まれていなければならぬ問題だと考えます。そうすると、そういうことの研究に立って、このような早害もしくはその他の一般災害の場合に、葉タバコのこうむるべき被害というものが、量目の面においてか、あるいは品質の面においてか、いろいろと予測は立つわけでありますから、そういう点の検討も、この問題を一種の契機として検討させていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/17
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018・石野久男
○石野委員 研究してもらわなければならぬ問題はたくさんあるわけですから、これは研究してもらいたいと思うのですが、今度の場合は、私は、他の耕作物の場合がどうあったか、こうあったかということよりも、むしろ同じ地域で同じ作をしておるのに、実質問題として前年度よりも非常に大きな被害が出ておるわけです。そうしますと、そういう諸君の中に、すでに申請をして法的措置を受けるべき手だてをしておる者もあるけれども、そうでない者が出ておるという実在、この実在していることについて、これをどういうようにして救済するかという問題がここで問題になるわけなんでございますから、もし、専売当局が、それは本人の責めに帰すべきであるということが明確に判定できる場合ならば、何をか言わん。私は何も言いません。けれども、おそらく、専売当局でも、指導官でも、それははっきり言えないだろうと思うのです。むしろ乾燥の場でさえも、これは指導官が実をいうと指導をしておるわけです。そういう実態ですから、野立ちのものから乾燥場に持ってきて乾燥し、それからまた火入れをし、あるいは天日でやるとかいう場合にしても、これはほとんど指導のもとにやられておるということになりますならば、法はいかにありましょうとも、専売当局がその責めの半分以上は持つべきだということにもなってくるわけです。それを全部耕作者自体に転嫁していくということはよくない。これはほかの耕作物と全然質が違っているということを考えてもらわなければいけない。しかも、この問題については、省令になっておるわけでございますから、法が省令にまで移っているわけですから、省令ということになれば、これは大蔵省の問題になるわけです。大蔵省としては、その腹をはっきりきめてもらうことが非常に大事です。今、副総裁は、ある地域で情的な取扱いをすると、ほかにも影響が出てくるということを言われた。それは私は法律の問題としてそういう取扱いをすべきではないと思いますが、しかし、実態というものは北で受けようが、南で受けようが、同じ状態として出てくるわけです。今回は南の方は案外豊作であったけれども、北の方にこういう被害が出てくるという実態、来年度はその逆になるかもしれない。そのときには、やはりそういう処置をしなければいけないということになりますと、あるいは省令の取扱いの中に不備が出てくることになるのじゃないか。実態を把握していないものがあると、この事実に直面したときに、従来のものはこうであるからということだけで、それをいなしてしまうということはよくないと思います。今回の場合は、そういう問題が出ておるのでございますから、これは早急にやはりこの問題についての便法といいますか、措置をなさっていただくことが大事であると私は思うわけでございます。そういう点で、これは専売当局もそうでございますが、大蔵省との話し合いももっと進められなければいけないし、ここではそれについてのお考え方をはっきりとお聞かせ願いたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/18
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019・村上孝太郎
○村上(孝)政府委員 途中から参りましたので、話の続きがわからないのでございますが、ただいまお伺いしましたところによりますと、省令を改正してやる意思がないかというお考えのようにも受け取れるのでありますが、災害補償制度というのは、御存じのように、農業共済制度と同じようなものでありまして、法定されました耕作者の責めに帰すべからざる特定の災害原因に対して、ある程度の災害補償を見てやろう、こういう考え方でございます。この制度の一番大きな点、要するにその損害が法定災害によって生じたものであるかどうかということを確認すること、これが一番大きな問題なのであります。この確認が中途半端になったり、あるいはこの確認が十分されないでこの制度が適用されますと、これは農業共済制度もそうでございますが、非常に乱用されて、ひいては耕作者のためのものである災害補償制度というものが崩壊していくということにもなりかねない。法律の二十四条にございます「災害にかかり、著しい損害を受けたとき」というこの法定災害によって起ったかどうかということを確認するために、たばこ専売法施行規則に数条を充てまして、その法定災害によるものであるという確認をするための手続がしるしてあるわけでございます。その手続の一つといたしまして、災害があった場合においては、移植後収穫前において風害、水害等の災害があった場合において、あるいは収穫後においていろいろな災害があった場合においては、遅滞なく申請の手続をいたしまして、そこで法定災害にかかったものであるという確認を得まして、初めてこの制度が発動される、こういう形になっておるわけでございます。おっしゃいますように、実際はこの法定災害に関係のある損害であるのかもしれないわけでございますが、そういう法定災害を確認する手続を経ておりませんものについてまで、すべてこの制度を運用するということは、これはかえって今後の災害補償制度の運用に映を残すと申しますか、本来耕作者のためのものであるこの災害補償制度を崩壊に導くことになるのではないか、こういうふうに考えるわけでございまして、この省令を改正して、いわゆる法定災害との因果関係を問題にしないような形で、この法定災害補償制度を運用しろというふうな改正は、私はこの制度そのもののためにむしろ無理ではないか、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/19
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020・石野久男
○石野委員 私の言っているのは、今の手続の問題とかなんかの問題を全然無視してやれということまで言っているわけじゃないのです。むしろ収穫後におけるところの実態が収納によって初めてわかったような場合も、その後においてやはり手続をしようとするが、野立ちのときに、指導員なんかが手続しなくてもいいというようなことを言って、それで実を言うと申請しなかったわけなんです。その後収納してみたところが量目は非常に減ってしまっておる、案外病害も出ておるというようなことで、厚みがないから非常な減収になってきておる事態が出てきて、その後やはりその手続をしようとする場合に、むしろ現場の指導員としては、自分の面子の問題なんかもあったりするから、なかなかそういうことをさせないような実態もあるわけです。そういうことが出てきているから問題は残ってくるわけです。いわゆる収納していよいよあなた方が代金の支払いをするまでの期間に、そういうようなことが、事後においても、収納がきまったあとでもできるという幅がなくなっているわけです。そこで、今監理官が言われるように、それじゃ法定災害の認定は、果して法定災害であったか、人為的に耕作者の責めに帰すべきものであったかという認定は、タバコの場合どういうふうにするのだということです。野立ちのときには、葉っぱも幅が広かったので、作も悪くないように見えていた。ところが、それを収穫して乾燥し、収納するという段階になると、反当り二十キロも減ってくるという実態が出ているわけです。その実態は私はわからないけれども、技術的に言いますと、いわゆる成長時におけるところの吸水といいますか、非常に早害がありまして、水を十分吸い込まなかったというようなことがあって、そうして葉っぱは広くなったけれども、厚みを持たなかったというような実害が出てきたというようなことも聞いておるわけなんです。そういうようなことになりますと、これは率直に言ってなかなかわかりにくい。それから、今度乾燥になりましてからの問題にしましても、先ほどから言っておりますように、専売のタバコの問題になりますと、すべて一から十までいわゆる指導員がついて指導しているわけです。従って、普通の米作や野菜を作るようなのと違うということを、ここでは認識しなければいけないのじゃないか。だから、タバコの場合に、こういう実態が出ているときに、あとから申請するというようなものについて、皆さんの方で代金支払いまでの間にそういうものを十分受けてくれればいいけれども、その当時申請しなかったということでなかなか受けつけないということになると、今のような問題が出てくるということなんです。私が言うのは、野立ちのときには申請をしていなかった、それを収穫して葉っぱを落して、うちへ来て乾燥機にかける時期には実際問題としてわからなかったけれども、いよいよ納めるようになって、葉を延ばしてやるようになってきてから、これはちょっとおかしいぞというようなことになってきたが、しかしそのときは忙しいから手続も何もないのですよ。あの当時のタバコ耕作者はわれわれの想像もつかないように忙しいわけだ。手続もくそもできるものじゃありせん。そこで、いよいよ今度は収納してみると、量目が反当り二十キロも三十キロも減ってくるというような実態が出てくれば、耕作者としては当然その後において申請なりあるいは届出をするということになってくる。それを皆さんが受けてくれればいいんですよ。それを受けないで、それは遅滞なくでないからもうだめだというので、省令八条の規定によって一律に律せられてしまえば、救済の措置も何もない。これは決して災害補償法の精神を無視するとかなんとかいうのではなくて、むしろあやまちによってそういうことが出てきているということをここで私は指摘したい。特にそのあやまちの起きた原因の中に、専売公社の指導の責任が非常に大きく出ているということを考えるならば、災害補償法による補償ができなければ、専売当局自体が別に耕作者に対してその責めに任ずるだけの補償をする責任が出てくるだろうと私は思うわけなんです。だから、そういう点の当局の考え方を聞きたいということを先ほどから言っている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/20
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021・村上孝太郎
○村上(孝)政府委員 災害補償制度につきましては、一昨年やはり同じような問題が起りまして、その場合におきましては、災害があるという申請あるいは申し出を耕作者がしたにかかわらず、大した災害がないだろうというわけで申請書を突き返した事例がたくさんございます。あとで非常に長雨などが続きまして、収納してみたところが、非常に反当り収量が落ちているというようなことから問題が起りまして、このことは一昨年のタバコ作につきまして相当重要な問題になったわけでございます。そのときにいろいろ耕作者の皆さんとも相談をしまして、この災害補償制度というものは耕作者自体のためのものである、従ってこれを健全な形で運用するということは、長い目で見て耕作者の幸福になることだからというので、その際いろいろ考えまして、当時公社の業務規程とかあるいは災害補償金交付規程等におきまして、いろいろ手続に穴のありましたところを昨年いろいろ修正しまして、たとえば申請書が出たら必ず受け取って、そうして必ず調査をしにいくというふうないろいろな規定の改正をしたわけでございます。従って、現在におきまして、末端の技術員というものが、非常に能力が不足しておれば別でございますけれども、申請がありましたときに、その申請に基いて調査をし、調査を十分すれば、この災害補償制度を十分に運用するための基礎ができていると私は思うのであります。この遅滞なくという点を今申されましたが、むしろ遅滞なくというよりは、今回の場合におきましては、申請を全然しなかった、しかし収納してみたら収量が減少しておったというふうな問題、あるいは一昨年と同じように、申請をしたけれども、公社の末端の技術員が、三割以上の被害はないようだから申請書を取り下げようというふうなことで、取り下げさせた例が少しあるようでございまするが、その場合の公社の技術員の調査なり何なりが通常に行われていれば、特に一昨年そういう問題があったわけでございまするから、今度の場合には通常に行われていると推定するわけでありますが、そうであるとすれば、一昨年のあやまちをまた去年の作についても繰り返すということは、局この耕作者のためである災害補償制度というものをだんだんにくずしていくことになるのじゃないか、こういうふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/21
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022・石野久男
○石野委員 今村上さんは通常に行われておるならばそんなことはないんだということで、一昨年あったというあやまちを改めるために、皆さんはいろいろな穴を埋めたんだ、今度はそんなことはないだろうというふうな考え方に立って、私の言うことに対する反論をされているのですが、私は一昨年あったことは今回の場合には相当是正されてはいると思います。しかしあやまちはどんな人でもあるわけなんです。実際問題として、指導員の中には、耕作者の方で申請しようという場合に、それはしなくてもいいというようなことで、今でもそういうあやまちをする人が現実におるのです。そういう場合に、本人は申請するつもりでおったが、しかし実際には申請しなかったということを耕作者の責めに帰すようでありますけれども、そうじゃない。やはりタバコ耕作者が申請しようという場合には指導官と相談するわけです。指導官がだめだと言えば出さないのです。実を言うと、この耕作者と指導官の関係はもう少しあなた方は実態を見てやらなければいかぬと思う。自分も出そうと思ったけれども、出さぬでもいいよというようなことで出さなかった人が今救われない事態になった。ちょうど一昨年の場合もそうであったように、今度もそういう場合が多数ではなくても出てきているわけです。しかも、ほかの部分は、水戸地区においては一昨年よりも四倍も申請が出て、それはある者においては作のできた者もあったでしょうが、ほとんどこれは申請通りにみんな災害にかかっております。だから、申請を手おくれというよりも、むしろやらなかったんだという理屈で、それを全然けってしまうということはいかぬと思うのですよ。事実上出ているし、あなたがおっしゃられるように、法定災害でないことを見きわめるすべというものはなかなか困難だ。むしろ法定災害の実態をそのまま今日の出ておる実態で見るという可能性の方が、専売、特にタバコの場合には他の耕作物より一そう信憑性があるわけなんだから、私は、そういう事実に基いてこの取扱いをしてもらいたい、こういうことを言っているわけなんです。何もこれで私は災害補償の精神をくずすような無軌道なやり方、取扱いをせよということを言っているのじゃないのですよ。むしろ、こういう具体的な事例の中にあって、この人たちを救ってやらなければならない法定災害の実態を備えていたということを、私はむしろこの際専売当局としては認めるべきじゃなかろうか。もしどうしても監理官が言うように災害補償法の問題で救済できないというならば、私はこの災害の責任というものはむしろ指導員を持っているところの専売当局自体が持ってやるべきであるとさえ思う。だから、私は、この問題についての村上さんのお話は、一応法律を守るという筋からはよくわかりますけれども、実態としての今日出ているこの問題については、あまりに情のない、情のないというよりは事実をわかってもらえない、非常に観念的なものの考え方をしているのではないかと思う。山中政務次官はこういう問題はどういうふうに見ておられるか。あなたは高い政治的な立場から見ておられるから、一つお考えを聞かしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/22
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023・山中貞則
○山中政府委員 私は、その問題の個々の実態ということをよく知りませんので、断定的なものの言い方は非常にむずかしいのでありますが、村上監理官といたしましては、法律の建前を守っていくことを前提にいたしていることは当然だと考えますので、指摘されました個所の個々の問題につきまして、十分国の仕事としての国家の立場において把握して、温情を払える余地があるかどうか調査さしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/23
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024・石野久男
○石野委員 私は申請を出さなかった者についての問題を論じているわけでございますから、非常に作為的に、自分の責めに帰すべきものをそういうものへかけようというような悪意を持ってやっている者は別といたしまして、そうでない善良な耕作者としてのいろいろな処置をしていたにもかかわらず、こういう事態が出ているという問題については、法一片の解釈だけで処置するということじゃなしに、そのされなかった事情等を勘案して、これについては政府として何か処置のできるようなことを考えるあり方がこの場合に望ましいと思いますので、今山中政務次官から言われましたような観点に立って、当局としましても耕作者の実態を見てやっていただき、それに対する処置のあり方を一つ考えていただきたいと思うわけです。この点山中政務次官にいま一度そういう処置のされ方をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/24
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025・山中貞則
○山中政府委員 大蔵省といたしまして、まだ個々の問題に調査が及んでいないようでありますから、とりあえず調査いたさせまして、何らか方法を考えなければならないケース、もしくは将来の政令その他の改正の際に取り入れて研究して、今回はやむを得ないと思われるケース、いろいろ分れると思いますので、善意を持って努力いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/25
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026・石野久男
○石野委員 省令の改正の問題等も当然ここでは出てくるわけですが、今回の場合にはやむを得ないということで打ち切られたのでは困っちゃう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/26
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027・村上孝太郎
○村上(孝)政府委員 いやケース・バイ・ケースということ〇発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/27
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028・石野久男
○石野委員 ケース・バイ・ケースでやるというような措置をされ、端的に申しまするならば、災害の出た実態についての、いわゆる申請書の追認でございますね。そういう問題の取扱いを書意を持って当局がやってくれれば、われわれとしては救済の道が出てくるだろうと思うわけです。もちろん私たちは悪意を持って災害補償を受けようとかなんとかいうことに同調するわけじゃございません。あくまでも善意な耕作者の救済の道としてその追認の措置を認めてやってもらいたいということなのでございますから、その点の御配慮を特にお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/28
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029・山中貞則
○山中政府委員 追認ということになりますと、今度はその申請書の事実の調査というものの確認方法が、非常にさかのぼって、その当時の事態等がなかなか複雑な要素をはらんでくると思いますので、そういう確定的な研究課題を与えてもらうことでなしに、今までずっと指摘されました、ことについて、私どもとして十分善意を持って事実の調査をして、先ほど申しましたのは、いろいろ事情が伏在するであろうから、国がこの際考えてやるべきものがあるならば考える、あるいはこれから先の運用において、当然一つの先例として何らかの改正、修正等が具体的に考慮されていかなければならないケースだということを申し上げたのであります。そのつもりでお願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/29
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030・石野久男
○石野委員 大体了解いたしました。私は省令の中にもこういう問題についてまだなおいろいろ考えてもらわなくてはならぬ点があるということをここで申し上げて、その問題については他日また論議することといたしましても、今日の問題についてはケース・バイ・ケースで善意を持って当局がお考え下さるということを今山中政務次官から承わりましたので、そういう処置の上でこれらの人々についての善処方、救済方をお願いして、私の本日の質問を終ることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/30
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031・押谷富三
○押谷委員長代理 次に、平岡忠次郎君から質疑の通告があります。これを許します。平岡忠次郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/31
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032・平岡忠次郎
○平岡委員 私は、駐留軍並びに特需関係の離職対策の一環といたしまして、本委員会に関係のある事項について、政府の意向あるいは関係当局の意向をたださんとするものであります。
駐留軍関係、特需関係で労務者の解雇は本年もまた前年に引き続きまして各地に大量に発生いたし、労働不安、ひいては社会不安を起し、きわめて深刻な様相を加えております。こうした事態に対処するために、昨年第二十八国会で、駐留軍関係離職者等臨時措置法の制定を見ましたが、必ずしも法律の実効が上っておるとは思えません。そこで、今申しましたように、本委員会の所管事項に関しまして、特に政府の御留意を願って、この法律の実効を期するための行政措置ないし行政指導等が即刻とらるべきことを要請しながら、政府の御用意のほどをお伺いしたいと思います。
私はきわめて具体的に二つか三つの案件につきましてお伺いいたします。
まず第一に、税関部長にお聞きすることがあります。これは関税の課税価格の問題なんです。どういうことかと申しますと、現在各県における駐留軍の不要機材を払い下げをしまして、それを関係の失業者によるところの企業組合等に払い下げをしておる、こういう事実があります。大体の大筋は、各府県自身が予算を組みまして、県が受け入れ主体となりまして払い下げを受ける、こういうケースが一番多い。そのあとは県と企業との関係になりますが、この不要機材の払い下げを受けますときに、当然今まで関税がかかっていないのですから、この場合に関税をかける問題が発生してきます。ところが、クレーン・トラックというのですか、クレーンをつけた自動車の例一つを見ましても、中古ですから五十万円くらいで払い下げを受けるわけです。ところが、そのときの関税の課税価格が百三十万円くらいである、こういうケースがのべつまくなしに出てきているわけです。ですから、こういう失業者を吸収するための政府の配慮があってしかるべきなのであるから、こうした場合においては、県が払い下げの主体になっておる限りにおいて、この払い下げの実際価格をもって関税の課税価格とするということが願わしいと思うが、このことにつきまして政府はどういうお考えを持っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/32
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033・木村秀弘
○木村説明員 ただいま仰せになった事例は私聞いておりませんが、各府県等で、離職者が、駐留軍からクレーンとか、あるいはトラックとか、ジープとかの払い下げを受けるという事例が相当あるということは聞いております。それで、その際の課税価格でございますが、これにつきましては、場合が場合でございますので、一般のブローカー等が軍人から譲り受ける場合とは相当異なっております。その関係で、われわれといたしましては現地の税関に対しては、できるだけ損傷減税——損傷があった場合には関税を減額することができるという規定がございますので、こういう規定を活用して、無理のかからぬ課税をしなさいということを伝えてございます。ただいまの法律のもとではこういう場合に限って課税標準を変えるということは非常に困難でございまして、払い下げ価格をもって課税価格とするということは、全体にそういう払い下げの場合、いろいろケースがございますので、全体に非常に影響を及ぼしますので、実際は、そのものが入ってきたならば一体どのくらいであったろうか、成規に輸入されたならば、その程度のものでは幾らであったろうかというシフ価格を出しまして、それによって課税しております。これは一般原則でございます。ただ法の規定を適用してできるだけ緩和措置をはかるといたしますならば、ただいま申し上げた損傷減税の規定以外にはございませんので、それを十分活用するように現地に伝えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/33
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034・平岡忠次郎
○平岡委員 損傷減税というのは、やっぱり評定に依存するわけですから、飛躍的にこれを減額するというわけにもいかぬでしょう。私が申しますのは、特別措置法ではたとえば企業組合とかあるいは株式会社というものを限定しておるのです。フェーバーの及ぶ企業の資格を限定しております。それは駐留軍を離職した人が半数以上入った企業というようなことで限定しておるわけです。しかも、取扱い方が、その地方における通産局の手を通じまして、県自体が主体となってこれを受け入れておるわけです。ですから、そういうことに限定すれば、これがめちゃくちゃにいろいろな弊害を及ぼすということはないと思うのです。通産局の手を通じて、受け入れの主体が各県である限り、そうした措置はとれないですか。そういうように限定してけっこうなんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/34
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035・木村秀弘
○木村説明員 ただいまの規定のもとでは、譲り受けの主体がだれであるか、あるいはそのものの用途がどういう用途に使われるかという点についての例外規定がございません。従いまして、県が受け入れの主体となる場合におきましても、それでもって課税価格を一般とは違えるということはできません。ただ、先ほども申し上げましたように、場合が場合でございますので、そういう点は十分考慮するようにということを申し伝えております。現に二、三ヵ月前でございますか、追浜で譲り受けられましたクレーンとジープにつきましても、そういう御要求が組合の方からございまして、現地の横浜税関に対してそういう指示をいたしまして、これは税額はどれくらいになったかわかりませんけれども、あとで礼状も来ておりますので、おそらく無理な課税はしておらないと思いますが、何か無理な課税が実際にございましたか。私はないと思っておりますか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/35
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036・平岡忠次郎
○平岡委員 いや、追浜の問題で礼状が来たというのは例外じゃないですか。大体県が介在しています。県が予算を作りまして、通産局の手を通じてそれによって購入しておるわけです。ですから、ワクははっきりしているのですから、そのときには払い下げの実価格をもって関税の課税価格とする、こういう処置は、やはり駐留軍あるいは特需関係は、これは国家の要請に基いて長年の間労務を提供し、ここに米軍の引き揚げとともにこうした苦境に立っているということ、そこで何とか転職させるということは政府の責任においてやることであるわけなんですから、私は、あなた方のちっぽけな職域に立てこもって、何か損傷減額だけきりできないということから一歩を出てもらうために、ぜひ研究してもらいたいと思うのです。これは単に関税部長だけの問題ではないので、これは政府当局に、ここに政務次官もおられるのですが、この問題はもっと発展的に研究をしてほしいと思います。政務次官、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/36
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037・山中貞則
○山中政府委員 払い下げ先を公共団体に限定してのお話でありますから、非常に微妙な問題であると思いますが、法律上はただいま所管部長である税関部長から答弁いたしましたような実情であります。ただ私どもの今考えております方向としては、先ほど当委員会を通りまして成立させていただきました輸入自動車等の払い下げの場合に、今日までは輸入したときの価格ということになっておりましたものを、やはり時価の評価額によって課税するというふうに変えました。それはいろいろとブローカー等の暗躍等もありまして、これは世論も支持するところであったと思います。ただいま駐留軍の離職者に限定しての発生いたしましたそういう取扱いをどうするかということは実はまだ研究しておりませんが、事務段階におきましては損傷程度を何とか好意的にするようにという法律上の措置しかできていないようでありますので、十分研究いたしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/37
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038・平岡忠次郎
○平岡委員 この問題は関係者の間におきまして、特に政務次官を中心にしまして即刻研究をして、実情に合うというか、こうした要請に合うような態勢を整えてもらいたいことを要求いたしておきます。
次は、銀行局長はおいでですか。——大月さんにお尋ねいたします。やはり駐留軍並びに特需関係の離職対策の一環としまして、政府におかれましても特に金融の円滑化について御配慮があると思うのです。ところが、実際転職をいたし、資金を各県の国民金融公庫等に求める場合等におきましても、国民金融公庫の理事者側とすれば、やはり金融ベースということを考えてやりますので、なかなかうまくいかぬのです。ですから、その金融ベースだけ選別融資をされておったのでは、なかなか駐留軍の失対問題としてはうまくいかぬことはお察しの通りであります。そこでやはり当分の間特ワクを設けていただきたい。こういうお考えがあるかどうかをお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/38
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039・大月高
○大月説明員 駐留軍離職者の金融の対策といたしましては、三十二年の秋ごろより問題になっておりまして、法律ができましたので、大蔵省といたしまして各中小国庫、国民公庫あるいは商中に対しまして通牒による指導を実行いたしておるわけでございます。その際、離職者側の御要望としては、政府機関に対しまして特別のワクを作ってほしいという御要望があったわけでございますが、当時からの見通しといたしまして、各公庫及び商中の資金繰りの面から特に制約はないという判断をもって、別ワクを設けることなしに現在まで至っておるわけでございます。実情から申しましても離職者の御要望は相当あるわけでございまして、現在、政府機関に出しております金額は、大体制度が始まりまして以来六千万程度になっております。もちろんお申し込みの方全員に対しまして御要望を満たしておるというわけではございませんけれども、窓口へおいでになる方の中には、やはり金融べースに乗らないものもございます。政府の金融機関としてできる限りの好意的な配慮はいたしておるわけでございまして、各公庫において金がないからといってお断わりしておる例はございません。ただ公庫の性格上お貸しできない件数はある、こういうように御了承願いたいと思います。そういう意味におきまして、今後も特に別ワクをもってどうするということは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/39
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040・平岡忠次郎
○平岡委員 今大月さんのお答えを聞いて、おざなりの答弁でしかないと思うのです。しかし、この関係の労働者諸君がこのことを要請する根拠はずいぶんあると思うのです。と申しますのは、たとえば駐留軍の労務者は、当初は二十七、八万人おったわけですが、現在七万に減っておるわけです。厚生年金保険を一つの例にとりましても、二十四年五月以降厚生年金保険に加入しております。そこで現在まで約十年経過いたしておりまして、その掛金の累積総額は百億円を突破しておると思うのです。ところが、厚生年金保険というものは二十年をかけなければならぬということ、それから給付が六十年になっているという若年停止規定があります。実際駐留軍関係の人たちが離職いたしまして、現在までほかの企業に転職して、なおこの掛金を継続しているという例が少いんですよ。一割ぐらいのものなんです。そういうところから、掛金だけは百億円も積んで、政府の預金部にえらく奉仕しておるわけです。それは、退職のときの一時金はもらいますけれども、それは何ほどのこともありません。大部分は預金部に奉仕しておる。しかも消えてなくなる駐留軍関係の厚生関係の給付を受ける機会というのはほとんどないわけです。ですから、私は、駐留軍あるいは特需関係があなた方の手元の方に要望しておる特ワク七億円が多いとすれば、それは五億でも三億でもかまわぬ。今言ったこの厚生年金保険において政府の預金部に寄与しておる点と、その預金部から国民金融公庫等に融資されておるわけですから、別ワクの五億程度のものは、当然今言うた気の毒な状況にある人たちに別ワクとしてこれを与えても、ちっとも差しつかえないと思うのです。ですから、この点につきましての特段の御配意をいただきたい、こういうことです。
それから、もう一つと言ったところが、あなたの答弁は大して積極的なものは出てこないと思う。そこで私は一つ御留意願いたい点があるのです。それは特需関係離職者対策臨時措置法におきましては、各都道府県の知事に対しましてこの融資をあっせんしなければならぬという規定があるのです。そこで、具体的な例で言いますと、栗原埼玉県知事に私どもはこの点を要望して、かなりあの県としては予算は約一千億くらいの県の予算を組んでおります。そこでその一千億をなまのままいろいろな退職金に付加すべき金として使ったり、あるいは補導機関に使ったりすることもありますが、もし政府において御用意があるならば、たとえば百万円なら百万円を、国民金融公庫に駐留軍関係の離職者によるところの個人ないしは企業組合等が融資を申し込んでいった際に、この百万円を、焦げつきの引当金として、国民金融公庫の埼玉県の浦和の出張所ですか、支所ですか、そこに預け入れをすることにする。そうしますと、一〇%でキャピタライズしましても一千万円貸すことができますね。そういう措置もできるわけです。だから、国民金融公庫側の金融べースでなければいけないということと、それからその建前を一応是認して、しかも今言った知事がやるべき義務として、百万円とか、呼び水的な金を県の方で予算化して、それを預け入れて貸し倒れのための引当金にするということが話し合いがつくならば、その百万円は、一〇%の焦げつきということが想定される限り、一千万円として使えるわけです。だから、こうした点を一つコンバインしまして、早急に別ワク的なことを考慮してほしい。そういう手だてを尽すならば、あなたの方としてはやり得る道があるかどうか、この点をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/40
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041・大月高
○大月説明員 別ワクを作りますかどうかという問題は、政府の機関でございましても、やはり金融ベースという問題がございますので、たとえば五億の別ワクを作ったからといって、金融ベースに乗らない方にそのワク内で随時貸し出すというわけにはいかないと思います。これが基本的な考え方でございまして、現にかりにお申し込みの全願を貸したといたしまして、それが五億をこえるというようなことでありまして、金がないためにお断わりしておるという事態がございますれば、五億を作るという意味はあるかと思います。しかし、現にお申し込みの件数全部を集計いたしましても五億にもならない。しかも、それは一件々々金融べースに乗るものにつきまして、極力努力してお貸ししておる状況でございますので、公庫側の制度といたしましてはこれが限界であろうと思います。それでは、金融べースに乗せるために県の金を公庫に預託をさせる、それによって信用を補強すればいいではないかというお話でございますが、現在の考え方といたしまして、政府機関の資金源は全部政府ということになっております。公庫といたしましても、よその機関から預託を受け、あるいは資金を集めるということはとっておりませんので、その点に難点があると思います。それで、現在国民公庫の貸し出しにつきましても、あるいは中小公庫の貸し出しにつきましても、信用保証協会は使えるわけでございます。信用保証協会の資源といたしまして、県からそれぞれ出資していただいておるわけでございますので、信用保証協会を活用するということは考えられます。しかし直接県の金自体を政府機関に入れるという制度は適当ではないのではないか、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/41
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042・平岡忠次郎
○平岡委員 県の金を直接金庫の資金源として受け入れるということはできない。これはいいですよ。不即不離な形において、信用保証協会に一応特別なものとして何らかのデポジットをしておく、国民金融公庫が離職者に対しまして貸した金が焦げついた場合にはそこに入れるというようなことは、内輪の話し合いとしてやるということでも一つもかまわないと思うのです。あなたのおっしゃる通りですと、ほんとうに特殊な事態に処する金融の施策いうものは何らないということになりますね。金融ベースだけの問題ならば、私がここで質問する必要もないぐらいのことです。ですから、そこで金融ベースもかなり尊重しながら、なおかつ知事としての義務があるから、そうした点をコンバインして、何とか施策を生み出してほしい、これが私の要望です。ですから、一つしゃくし定木の答弁でなしに——今までの現状では、あなたのおっしゃる通りでしょう。このからを一つ破っていただきたい。御用意がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/42
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043・大月高
○大月説明員 先ほども申し上げましたように、現在信用保証協会の制度はございまして、今お話のございましたような気持が県にございますれば、そっくりそのまま活用できるわけでございまして、われわれといたしましては特に手を打つ必要はない。県知事さんの方で、現に埼玉県にも保証協会がございますので、そこに何十万あるいは何千万入れていただきますれば、信用保証協会としては非常に幸いするのではあるまいか。そうなりますれば、その保証能力を活用いたしまして、国民公庫が貸し出す。そうすれば今仰せの通りの制度ができるわけでございます。われわれとしては、そういうことがもし可能でございましたら、各県の財政の事情もございますけれども、大いに歓迎もいたしますし、積極的にやっていただきたいという希望を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/43
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044・平岡忠次郎
○平岡委員 そうしましたら、信用保証協会ですか、それに対しまして国民金融公庫向けとして、県をしてデポジットさせた場合に、それに応ずる処置をしていただける、こういうことですか。
それから、もう一つは、百万円預けたら百万円が限度だというなら意味がないのです。要するに政府の資金ワクというものはどうしても足らぬのです。県の予算も足らぬのです。それは転業していく人たちがかなりの成功率をもってやるのだという一応の前提が私にはあります。全部失敗するということはないのですから、その一割をキャピタライズした場合には、十倍使えるというのがねらいなんですから、そこを一つ明確に念頭に置いて答弁していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/44
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045・大月高
○大月説明員 信用保証協会はまさに仰せの通りの制度でございまして、たとえば信用保証協会の資金が一億ございますれば、それの十倍ないし十五倍の保証能力を持って、そういうような運用をいたしております。従いまして、かりに県におかれまして信用保証協会に御出資になる、こういうときには、出資者としてこういう条件で一つやってくれということを保証協会におっしゃればいいと思うわけでございます。特に政府が関与するということでなしに、信用保証協会の制度といたしまして、十分に制度が開かれておる。県としてそれを御活用になるかどうか、それだけの問題だと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/45
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046・平岡忠次郎
○平岡委員 国民金融公庫の方来ておりますか。今このやりとりをお聞きになっておったと思うのです。そこで今言った十倍なら十倍の額が貸し出されるための方式として、一応私の例を申し上げたわけです。これに対して、具体的に対処していける御用意があるかどうか、そのことをお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/46
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047・松田文藏
○松田説明員 現在の私どもの離職者に対する貸付の態度を一応申し上げておきたいと思います。これにつきましては、大月調査官から金融べースというお話がございました。金融ベースなんでございますが、しかし、金融ベースと申しましても、私の方は、政府の御要請もございましたので、この方々に対しましては同情的な見方を持って、貸付できる点を極力探すようにして貸付するようにしておるわけでございます。結果的に延滞がふえるからとかいうようなことは、ちっとも私どもはその点は考慮しないで貸付をやっておるわけでございます。ただ、法律で、私どもの資金は救済資金でないということがはっきりうたってあります。また事業方法書で弁済能力があるかないかということを見きわめるようにということが、事業方法書に明文でうたわれておりますので、その辺がワクでございまして、それ以上の結果的に延滞がふえるから貸付を渋るということは全くないのでございます。そういうことでありますから、ここでかりに信用保証関係の資金を特別につけていただきましても、それによって自動的に私どものその方面に対する貸付が拡大されるということは、ちょっと見通しがないのであります。現在も、お話がありましたように、資金が少いからその方面の貸付を渋っている、こういうこともございませんし、また延滞のおそれがあるから特に渋っている、こういうことではないのでありますから、その辺は一つよろしく御了承をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/47
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048・平岡忠次郎
○平岡委員 それは金融ベースの問題が基本的にあなた方の立場だろうと思うのです。しかし、国家の要望に沿うて、祖国内の異国に働いて十カ年以上労務を提供した。そして今、日米間の協定の結論に基いて、米軍の引き揚げということがじゃんじゃん行われておるわけです。そして失業者が出ておるわけです。彼らが好んで失業しているわけではない。だから特別臨時措置法までやっているわけです。ところが、臨時措置法はできたんだけれども、それに伴う行政指導とか、そういう措置が全然不親切なんです。そのために臨時措置法はあってなきがごとしである。こういう点を、あなた方政府全般に、あるいは政府の関係機関に反省してもらわなければ困る。だから、金融べースだけをもってするなら、何もここでやる必要はない。しかし、実際は金融べースがかなりの本質であろうと思うから、それをカバーするようなことを私どもは示唆して、何とかその方途を見つけてくれと言うておるのですから、あなた方の現状をもってする答弁だけに限定せずに、それから一つ前進して考慮してほしい、このことを申し上げておきます。これは特段の配慮をしてもらわなければならないと思いますけれども、政務次官どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/48
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049・山中貞則
○山中政府委員 金融公庫の理事の方から御答弁がありまして、少し話が違ったようなことになったようでありますが、現実に非常に好意を持ってさばいているということを強調いたしましたために、保証協会等に対して県が預託等によりまして保証業務を駐留軍離職者を対象に拡大いたしました場合に、全く変化がないという答弁になりました。今話し合いをいたしたのでありますが、理論上現実には大体さばけているということを言ったわけでありましょうが、やはり考え方並びに保証業務がそれだけ拡大されて対象が広がるわけでありますから、当然融資べースも高めて運用ができることになるわけであります。ですから、そういう制度によって、ただいま両者確認いたしました点でも、離職者に対する融資というものは、融資ベースを高くし、従って対象を広くすることが可能であるということを申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/49
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050・平岡忠次郎
○平岡委員 賀屋さんに伺います。この委員会に必ずしも直接的な関係はございませんが、今申し上げた経過から、追浜の問題につきまして具体的にお答えをお願いしたいのです。追浜の基地閉鎖に伴う大量解雇者の集団労務対策は、いわば京浜地区におけるモデル・ケースであると思うのです。そこで、あなた方の努力によって追浜基地の全面的返還が求められ、それに対してかなりの線が出てきたことは御同慶の至りであります。ところで、あそこでは失業者が約八千人から一万人ありまして、失業保険給付がこの七月の上旬で打ち切られるわけなんです。ですから、せっかくこうした見通しができたのですから、タイミングの問題が一番重要になってきました。そこで、全面的にこの基地を解除するということになると六十五万坪もあるそうですが、大別しまして南部地区と北部地区があるそらです。南部地区の方は、中小企業関係で、企業誘致がすぐにも発足できる態勢にあるそうです。ところが北の方は大企業の進出が出足がおくれておる。そこで一括両方共通しての論議をしておっても間に合わない。南部地区なら南部地区として、その部分で解除をじゃんじゃんやっていく、こういうことを強く要望されておるわけです。政府ほどういうふうに処置しようとされておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/50
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051・賀屋正雄
○賀屋政府委員 お答え申し上げます。
御指摘の追浜地区の提供財産でございますが、お話の通り六十余万坪という広大な地域であります。この返還につきましては、駐留軍離職者のための企業誘致ということも考慮いたしまして、前々から強力に労働委員会を通じまして折衝を重ねて参りました。当初は返ってきてもはなはだ企業に使いにくいような計画を向う側は持っておったようでございます。それは、私どもの努力によりまして、大体向うさんが留保されます地域等を固めていただきまして、企業誘致に使いいいような形で返って参るというような点が確認されたわけでございます。問題はあとこれをどういうふうに使うかということでございますが、お説の通り、私ども北部の大部分の約四十万坪は大企業に使いたいという考えでございます。それから南部の残りの地域を中小企業に使いたいというふうに考えております。そこで、返還の見通しでございますが、米軍は全部きれいに返すには十月くらいまでかかるというようなことを言っておるようでありますが、この点は私ども今後も極力すみやかな返還をしていただきますように折衝をいたすつもりでおります。ただ、この北部について申しますと、先ほど申しましたように、当初の向うさんの計画を変えていただきました。その変えていただきますについて一つの条件がございまして、一部の建物を撤去いたしまして、そのあとをヘリコプター基地にいたしますために、日本政府において舗装工事等をやるというような条件がついておりますので、この工事はもちろん早急にいたすつもりではございますが、かなりかかるという点がございまして、私ども、大体七月ごろには見通しをつけまして、具体的にどういう企業に払い下げるかということを決定したいという腹づもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/51
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052・平岡忠次郎
○平岡委員 ちょっとお伺いしたいのは、国有財産処理審議会というのを開いて処理するわけですね。旧軍港市転換法による国有財産処理審議会、これを開いて南部地区と北部地区に分けて処理してほしいのですよ。一括してみますと、今言ったようなヘリコプターの基地ができなければ云々というようなこととひっかかってきますから、できるところからその対象を区分して、その対象ごとに国有財産処理審議会をひんぱんに開かせる、こういうことで処理してもらわぬと困ると思うのです。その答えを聞きますが、もう一つ、七月の上旬で失業保険の受給の期間が切れるわけですが、その間二カ月とか三カ月とか職業補導をやる場合がありますね。その期間中は給付というものは延長できないものですか。それは与えなくてもいいのです。貸し付けるということで、今度就業したときに何年かにわたって還付していく、そういう処置はとれぬかどうか、この二点をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/52
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053・賀屋正雄
○賀屋政府委員 お尋ねが二つございましたが、あとの方の問題は私の所管でありませんので、御答弁いたしかねますが、最初の点は、御要望の通り、何も一括して審議会にかけるということをきめておるわけではございませんで、できるだけ返還を急ぎまして、具体的に入っていただく会社がきまり次第、そのつど——ある程度は件数のまとまるまで待つかもしれませんが、できるだけ早くしたいという考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/53
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054・山中貞則
○山中政府委員 今の失業保険の給付期日が切れるので、近い将来の再雇用というものを前提にしてつなげないかというお話でありますが、技術上の問題がございますので、今私ここで確定的な即答は申し上げかねますが、失業保険の性格から見まして、実際に再就職という事態が予測されるだけでそのような措置をとることは、私非常に困難だと考えております。しかしながら、私どもの払い下げの基本方針といたしましては慎重に検討いたしまして、今まで従事しておりました特殊技能者、あるいは駐留軍労務者としての特殊性等がなるべく生かされるようなものであり、あるいはまた、かりに職種そのものを生かすことができなくても、払い下げる対象が、なるべく全員を吸収できて、再雇用、再生産に乗り出せる資格のある者というようなことで慎重にやっておりますので、なるべく時期を、そういうような実際の失業者の困窮状態等の期間を長くしないように、向うの払い下げの期間の予定等もございますが、私どもといたしましては、なるべく早くそういうことが解決できるような事態にしたい、こういうふうに努力して参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/54
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055・平岡忠次郎
○平岡委員 終ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/55
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056・押谷富三
○押谷委員長代理 なお、この際、連合国財産の返還等に伴う損失の処理等に関する法律案、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とパキスタンとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とノールウェーとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案の三法律案を一括して議題といたします。
御質疑はありませんか。質疑は——ないようでありますから、これにて三法律案に対する質疑は終了いたします。
これより討論に入るのでありますが、三法律案に対しましては、討論の申し出がありませんので、採決に入ることといたします。
採決いたします。三法律案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/56
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057・押谷富三
○押谷委員長代理 御異議なしと認めます。よって、三法律案はいずれも原案の通り可決いたしました。
この際お諮りいたします。ただいま可決いたしました三法律案に関する委員会報告書の作成並びに提出の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104629X02319590318/57
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058・押谷富三
○押谷委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたします。
本日はこの程度にとどめ、次は明十九日午前十時十五分より開会することとし、これにて散会いたします。
午後一時四十五分散会
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