1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十四年二月十三日(金曜日)
午前十一時十五分開議
出席委員
委員長 内海 安吉君
理事 岡崎 英城君 理事 高瀬 傳君
理事 高橋 禎一君 理事 平井 義一君
理事 前田 正男君 理事 受田 新吉君
理事 木原津與志君
小金 義照君 始関 伊平君
田村 元君 富田 健治君
茜ケ久保重光君 石橋 政嗣君
石山 權作君 中原 健次君
出席政府委員
農林政務次官 石坂 繁君
農林事務官
(農林経済局
長) 須賀 賢二君
水産庁次長 西村健次郎君
通商産業事務官
(鉱山局長) 福井 政男君
委員外の出席者
農林事務官
(大臣官房文書 和田 正明君
課長)
専 門 員 安倍 三郎君
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二月十日
文官恩給調整に関する請願(阿部五
郎君紹介)(第一一三六号)
同(淺沼稻次郎君紹介)(第一一三七号)
同(新井京太君紹介)(第一一三八号)
同(飯塚定輔君紹介)(第一一三九号)
同(石山權作君紹介)(第一一四〇号)
同(稻葉修君紹介)(第一一四一号)
同(植木庚子郎君紹介)(第一一四二号)
同(内海安吉君紹介)(第一一四三号)
同(小川半次君紹介)(第一一四四号)
同(小沢貞孝君紹介)(第一一四五号)
同(栗林三郎君紹介)(第一一四六号)
同(小平忠君紹介)(第一一四七号)
同(鈴木一君紹介)(第一一四八号)
同(堂森芳夫君紹介)(第一一四九号)
同(永井勝次郎君紹介)(第一一五〇号)
同(長谷川峻君紹介)(第一一五一号)
同(福田一君紹介)(第一一五二号)
同(藤本捨助君紹介)(第一一五三号)
同(保科善四郎君紹介)(第一一五四号)
同(古井喜實君紹介)(第一一五五号)
同(町村金五君紹介)(第一一五六号)
同(三鍋義三君紹介)(第一一五七号)
同(南好雄君紹介)(第一一五八号)
同(柳谷清三郎君紹介)(第一一五九号)
同(横路節雄君紹介)(第一一六〇号)
同(内田常雄君紹介)(第一一九三号)
同(大坪保雄君紹介)(第一一九四号)
同(角屋堅次郎君紹介)(第一一九五号)
同(吉川久衛君紹介)(第一一九六号)
同(小坂善太郎君紹介)(第一一九七号)
同外一件(田中龍夫君紹介)(第一一九八号)
同(塚原俊郎君紹介)(第一一九九号)
同(前田郁君紹介)(第一二〇〇号)
同(足鹿覺君紹介)(第一二一三号)
同(池田清志君紹介)(第一二一四号)
同(板川正吾君紹介)(第一二一五号)
同(今井耕君紹介)(第一二一六号)
同(小川平二君紹介)(第一二一七号)
同(柏正男君紹介)(第一二一八号)
同(清瀬一郎君紹介)(第一二一九号)
同(五島虎雄君紹介)(第一二二〇号)
同(下平正一君紹介)(第一二二一号)
同(鈴木善幸君紹介)(第一二二二号)
同(田中武夫君紹介)(第一二二三号)
同(田万廣文君紹介)(第一二二四号)
同(館俊三君紹介)(第一二二五号)
同外一件(渡海元三郎君紹介)(第一二二六
号)
同(中島巖君紹介)(第一二二七号)
同(日野吉夫君紹介)(第一二二八号)
同(福井盛太君紹介)(第一二二九号)
同(福永健司君紹介)(第一二三〇号)
同(矢尾喜三郎君紹介)(第一二三一号)
同(石田宥全君紹介)(第一三〇二号)
同(大西正道君紹介)(第一三〇三号)
同(岡崎英城君紹介)(第一三〇四号)
同(小山長規君紹介)(第一三〇五号)
同(佐藤洋之助君紹介)(第一三〇六号)
同(島上善五郎君紹介)(第一三〇七号)
同(堤ツルヨ君紹介)(第一三〇八号)
同(中崎敏君紹介)(第一三〇九号)
同(西村関一君紹介)(第一三一〇号)
同(淡谷悠藏君紹介)(第一三四八号)
同(赤城宗徳君紹介)(第一三四九号)
同(五十嵐吉藏君紹介)(第一三五〇号)
同(岡良一君紹介)(第一三五一号)
同(北澤直吉君紹介)(第一三五二号)
同(島口重次郎君紹介)(第一三五三号)
同(島村一郎君紹介)(第一三五四号)
同(正力松太郎君紹介)(第一三五五号)
同(高見三郎君紹介)(第一三五六号)
同(高石幸三郎君紹介)(第一三五七号)
同(辻政信君紹介)(第一三五八号)
同(辻原弘市君紹介)(第一三五九号)
同(中村英男君紹介)(第一三六〇号)
同(原彪君紹介)(第一三六一号)
同(福永健司君紹介)(第一三六二号)
同(松浦周太郎君紹介)(第一三六三号)
同(山中日露史君紹介)(第一三六四号)
同(山本勝市君紹介)(第一三六五号)
同(山口六郎次君紹介)(第一三六六号)
同外二件(山田彌一君紹介)(第一三六七号)
寒冷地手当増額に関する請願(茜ケ久保重光君
紹介)(第一一六一号)
同外十一件(小沢貞孝君紹介)(第一一六二
号)
同外五十一件(中澤茂一君紹介)(第一一六三
号)
同外一件(松平忠久君紹介)(第一一六四号)
同外一件(小川平二君紹介)(第一二三三号)
同外十八件(吉川久衛君紹介)(第一一三四
号)
同外十五件(小坂善太郎君紹介)(第一二三五
号)
同外十件(下平正一君紹介)(第一二三六号)
同外一件(中澤茂一君紹介)(第一二三七号)
同外二件(中島巖君紹介)(第一二三八号)
同(羽田武嗣郎君紹介)(第一二三九号)
同外二件(増田甲子七君紹介)(第一二四〇
号)
建設省職員の定数改正に関する請願(小松信太
郎君紹介)(第一一六五号)
北海道開発局定員外職員の定員化に関する請願
外一件(横路節雄君紹介)(第一一六六号)
同外一件(安井吉典君紹介)(第一二四五号)
旧軍人関係恩給の加算制復元に関する請願(岡
部得三君紹介)(第一一六七号)
同(野原正勝君紹介)(第一二四四号)
恩給法の一部改正に関する請願(保科善四郎君
紹介)(第一一六八号)
建国記念日制定に関する請願(田中龍夫君紹
介)(第一一六九号)
同(八田貞義君紹介)(第一三一四号)
召集旧軍人関係恩給の加算制復元に関する請願
(大坪保雄君紹介)(第一二〇一号)同外四件
(塚原俊郎君紹介)(第一二〇二号)
同(小坂善太郎君紹介)(第一二四二号)
同(坂田道太君紹介)(第一三一二号)
同(石坂繁君紹介)(第一三六八号)
同外八件(山口六郎次君紹介)(第一三六九
号)
同外一件(山本勝市君紹介)(第一三七〇号)
寒冷地関係諸手当の改訂に関する請願(石山權
作君紹介)(第一二三二号)
金鵄勲章年金及び一時金復活に関する請願(池
田清志君紹介)(第一二四一号)
同(廣瀬正雄君紹介)(第一三一三号)
北海道の寒冷地手当及び石炭手当増額等に関す
る請願(松浦定義君紹介)(第一二四三号)
同(安井吉典君紹介)(第一三七二号)
軍人恩給是正に関する請願(岡崎英城君紹介)
(第一三一一号)
旧暦元旦を建国記念日に制定の請願(高橋禎一
君紹介)(第一三七一号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
臨時生鮮食料品卸売市場対策調査会設置法案(
内閣提出第二九号)(参議院送付)
水産庁設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第九〇号)
通商産業省設置法の一部を改正する
法律案(内閣提出第八四号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/0
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001・前田正男
○前田(正)委員長代理 これより会議を開きます。
臨時生鮮食料品卸売市場対策調査会設置法案、通商産業省設置法の一部を改正する法律案、水産庁設置法の一部を改正する法律案を一括議題とし、質疑を許します。受田新吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/1
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002・受田新吉
○受田委員 この三案のうち、先般は水産庁に関する質問をしたのでありますが、きょうは最初に通商産業省設置法の一部改正法案の質疑をいたしたいと思います。
今回提出山されたこの法案の原動力ともいうべき国会の両院の附帯決議を、私まず検討してみたいと思うのでございます。この附帯決議の中には、現行鉱業法に関する再検討をして、特に種々の不合理を生じておる現状から、これの是正をはかるべきであるとあげられておるのでありますが、今回ここに鉱業法改正審議会を設置されようとする改正案の主目的は、現在の非常に複雑多岐になっている経済情勢等から勘案して、現在の鉱業法の不合理をどういうところに認めておられるのか、その重点をお示しいただいて、鉱業法改正審議会の設置の大きな理由をお示し願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/2
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003・福井政男
○福井政府委員 ただいまの御質問につきましてお答え申し上げます。鉱業法につきましては、御承知のように非常に古い法律でございまして、現行の法律は技術的には二十六年に改正をされたものでありますが、本質的には明治以来の鉱業法の建前をずっと続けておるわけであります。そういった観点から見まして、現在の経済情勢等に非常に合わない点があるように、運用して参りまして考えられるわけであります。大きい点を若干申し上げますと、現在の鉱業法は御承知のように出願につきまして先願主義をとつておりまして、いうなれば早い者勝ちという主義をとつておるわけであります。
[前田(正)委員長代理退席、委員
長着席]これが許可いたしました後にいろいろな問題の解決にも関係いたして参りますので、鉱業権の出願をいたします場合に、鉱業権者の資格として、能力でありますとか、そのほかのいろいろな資格についての要件を考える必要があるのではないか、こういった点が非常に大きい問題点の一つでございます。ただしかしいろいろな資格とか要件を考慮することにいたしますと、俗に申しますならば、これはまた陳情政治というような関係にもなる弊害も考えられますし、そういった点から、この点につきましては外国の例もいろいろございますし、私ども今後この審議会でそういう方面の権威者に十分御検討願いたいという、非常に大きい一つの問題点にいたしております。
それから、一つの鉱区につきまして鉱業権が現在では二以上認められることになっておりますが、これはいろいろ運用して参つりますと、一つの鉱区については一つの鉱業権だけの方があるいはいいのじゃないかという問題点も考えられます。しかしこれは鉱物の合理的な採掘を鉱業法の目的といたしております観点から、やはり検討を要する問題が多々あるわけでございます。それから、御承知のように現行の鉱業法におきましては、試掘権、採掘権、こういう二つの権利を設定いたしておりますが、試掘権につきましては物権として鉱業法上認めておるわけでございます。昔は期間が四年でございましたが、現在は二年で更新することができる、こういうことになっておりまして、網をかけるのに、非常に広い範囲に網をかけておきますと、非常に有力な権利として保護されております。こういうことから見まして、この試掘権というものは一つの鉱物を探す探査権みたいなものにだけ限定する方があるいはよくはないだろうかというような問題点もございまして、これはまあ鉱業権の本質に関する問題でございますが、今後検討を要する非常に大きい問題点の一つでございます。それから最近の特に顕著な問題といたしましては、鉱業権と地上の各種の物権との関係、あるいはまた公益との問題、こういった問題が最近の鉱業権に関する紛争の問題としては非常に多いわけでありまして、その点について西独等で実施をいたしておるようでありますが、鉱業権と地上権の調整に関する観点から、鉱業法に一つの調整をする規定が必要ではなかろうか、こういうことも非常に大きい問題でございます。御承知のように例としましては、八幡地区の浄水池と下の鉱業権の問題でありますとか、いろいろ事例が出ておるわけでございます。そのほか鉱区の範囲の問題であるとか、予備鉱区の問題であるとか、鉱業権の強制譲渡の問題であるとか、鉱害賠償の問題であるとか、そういった鉱業法の各方面にわたりましていろいろ検討する面が考えられておりますが、何分にも関係する範囲が非常に広い法律でございますので、各方面の有識者に委員になっていただきまして検討を進めてもらいたい、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/3
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004・受田新吉
○受田委員 鉱業法の改正要点の御指摘をいただいたのでありますが、今お説の中にありました石炭鉱業合理化の問題です。この石炭鉱業合理化の臨時措置法との調整は、この審議会の議を経て、たとえばそういう臨時措置法の必要なしと認めるというようなことにでもされることになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/4
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005・福井政男
○福井政府委員 合理化法はこの審議会の検討の対象外に考えておりまして、この審議会では鉱業法の面だけについて検討を願う、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/5
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006・受田新吉
○受田委員 ところがこの石炭鉱業の災害のための応急的な鉱業法の一部改正ということを先般されているわけです。そういうこととも関連をして、石炭だけに対する臨時措置というものでなく、すべてのものに対する措置ということからいうならば、石炭だけを取り出さなくても済むという改正に最終的にはなるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/6
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007・福井政男
○福井政府委員 ちょっと私の答弁が間違つているかもしれませんが、その場合には御訂正を願いたいと思いますが、災害防止等の観点からも考えておりますのは、先ほどちょっと申し上げましたように、だれでもが鉱業権者になり得るわけです。もちろん御承知のように鉱山保安法が別途ございまして、保安上の見地から種々監督はいたしておりますが、鉱業権者としましては、中には必ずしも事業をやるのに適格でないというものもないわけではございませんので、内部の保安上の措置なり、いろいろの施設なり、そういった面について——つまり能力が十分でないために行き届いていないということも考えられるのではなかろうか、こういうような観点から先ほど申し上げました能力主義——先願主義といったものについてある程度規制を考える必要があるのではないか。能力主義を全面的に採用するか、あるいは一部併用するかといったことをやつて、鉱山を営むに十分な適格者であるというものが金属山なり石炭山なりをやつていけば、そういう面から災害を防ぎ得るような人に営んでいただくことになるのではないか、こういった考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/7
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008・受田新吉
○受田委員 大体こうした石炭鉱山だけの災害のための応急改正というようなことだけでなく、ほかの金属についても同様の事態が幾らもあるわけですが、なぜ石炭だけを取り出したかということを今考えるわけですけれども、すべての鉱山に共通の問題があるわけです。特に中小鉱山などというものは、その業者の能力がなくて、鉱山保安法違反をどんどんやつたり、あるいは鉱業法にはずれたいろいろな措置をとつたりする傾向があるわけで、そういった点については、手きびしく日本の通産行政の責任者である人が、鉱山行政についてしつかりした方針でやつていただかなければならぬと思っておりますが、それを今日まで延ばしてきたというところにも、何だか政府の怠慢があったと思うのですけれども、こうした経済情勢の発展とあわせて鉱山行政についてタイアップして、所要の改正をそのつどやるべきではなかったか。ここまで追い詰められて、やむなく審議会でも作つてやらなければならぬという段階になつた根源はどこにあるのでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/8
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009・福井政男
○福井政府委員 お話のように、保安上の観点から見ますと、石炭山だけでなしに金属山につきましても、そのほかの山につきましてもあるわけでございまして、金属山につきましては保安上の規則が割合十分に守られていっておるというような状況にございますが、石炭山の方につきましては非常に複雑な実態になっておるせいもあろうかと思いますが、現実に災害の起つておりますのが石炭山に多いということでございまして、比較論でございます。おっしゃる通りにすべての鉱山につきまして同じような考え方であります。この石炭山につきましては私の方にも御承知のように石炭局が別途ございまして、そこで調整いたしております。権利の設定関係も御承知のように複雑になっております。現行法では租鉱権という制度も認めておりますが、この制度につきましても、やはり今後どういうふうにやっていくかということを検討しなければならないだろう、かように考えております。私ども法律を実施いたして参りまして、もちろん必要があればそのつど改正等をお願いしなければならないわけでありますが、この鉱業法は非常に基本的な権利の設定法でございまして、民法と同じような性格を持っておる法律でございまして、この改正につきましては十分各方面の御意見を承わつて改正の案を作つていかなければならぬ、かような考え方でおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/9
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010・受田新吉
○受田委員 いずれにせよ国会の意思も早急に——この問題の解決のための措置を政府に要求しておりますので、政府がその要求にこたえたかかる機関を設けられるということについては、私共鳴をせざるを得ないのです。しかし私ここでちょっとお尋ねしておかなければならぬと思うのですが、鉱山保安関係で、全国で、その保安の義務を怠つたために、昨年一年間に一体どのくらいの死亡者があり、傷害者が出ておるのか、私非常に憂慮にたえない数字ですから、今この法案に関連する問題として御用意されておると思うのです。鉱山保安上の義務を怠つたために死亡した数及び傷害を受けた数、これは人命という大事な問題に関連しますので、資料がなければちょっとお待ちしておりますが、お調べ願つて御報告を願いたいと思います。
それと同時に、私はもう一つ今度審議会の設置期間を二年にしておられるわけですが、これは二年の間に十分任務を達成できるという見通しをつけられたのか、あるいは必要があるならば、一年にして能率を上げるという方法があるということで、二年間とされた長所をどこへ置いておられるか、お尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/10
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011・福井政男
○福井政府委員 鉱山災害の死亡、傷害等の統計につきましては、御承知のように鉱山保安局という別の局がございまして、専門にそういうことをやつておりますので、今保安局長に出ていただくようにして保安局長から御答弁願うようにいたしたいと思います。
審議会の期間を二年にいたしましたのは、私どもこれは関係する範囲が非常に広うございますので、なかなかこの改正は大事業だと考えておりますが、一方先ほどの先生のお説にもございましたように、できるだけ早く、やはりこの改正の素案を得たい、こういう気持が強うございまして、別段二年と申しますか、あるいは二年を前後するかもしれませんが、できるだけ早い機会に成案を得たい、でき得るならば一年以内にでも案を得たい、かような考え方でおるわけでございまして、特別に二年ということに非常に強い意味があるわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/11
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012・受田新吉
○受田委員 こういう重大な問題は、これはできるだけ早く結論を出す必要がありますし、また鉱業関係の賠償などについてもいろいろ問題が起つておるわけですが、賠償の義務規定というものもはっきりして、その賠償問題を引き起した地区に対する不安解消という必要もあるから、できるだけ早く結論を出す、その意味からは有能な審議会委員を選んで、そして一年を区切つて答申を求める、そしてもしその期間中に、非常に努力したけれども努力の結果なおまだ結論が得られないというときには、法律を一年延長する改正案もできるわけですから、最初から二年と仕切つてゆうちようにかまえた考え方よりは、一年にぴしつとして能率を上げて、やむを得ざるときにはさらに一年延長法案を出す、こういうような行き方の方が賢明ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/12
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013・福井政男
○福井政府委員 お説ごもっともでございますが、私ども正直なところを申し上げますと、一年では成案を得る自信が、まあ問題が問題だけに、一年で国会の方へ提案申し上げるだけの、とても今見当がつきかねるのでございますが、しかしできるだけ早い機会に案を得るように努力いたしたい、かような考え方で現在のところ進んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/13
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014・受田新吉
○受田委員 こういう審議会のごとき付属機関というものは、これは臨時的な必要によってできるものでありて、恒久的な審議会ではないのですから、たとえば社会保障制度審議会のごとき、この保障制度が続く限りこの審議会が必要であるというのとは違つて、臨時措置なんですね。臨時措置というものはできるだけ短期間に能率を上げるという目標を持っておかないと、二年間あるのだからというので、会議の開催日数なども縮めたり、次の問題にしようというふうにして延引政策をとることもあるわけなんだ。きちつと一年間と期間をきめておけば、一年間あれば、これは相当能力のある人が委員になるはずですから、無能の人間は任命されるはずはないのですから、一年間に結論を出し得ないような者はおよそおらぬと思うのですが、委員の構成は一体どういうふうに考えておられるのですか、それをちょっと伺いたいと思発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/14
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015・福井政男
○福井政府委員 委員の構成につきましては、まだ具体的な人選等はできておりません。できておりませんが、学識経験者だけでこの審議会を構成する予定にいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/15
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016・受田新吉
○受田委員 純粋な学識経験者ですか、あるいはこうした鉱山行政に関与したような人々を含むことになるのか、単なる一般的な通念で見た学識経験者だけにするのか、たとえば鉱山業者というような人たち、あるいは通産省のそういう担当の仕事をしていた人も学識経験者として入れるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/16
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017・福井政男
○福井政府委員 まだ具体的には今先生のおっしゃったような意味でもきまつておりませんが、鉱業法に明るい点も私ども必要である、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/17
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018・受田新吉
○受田委員 この法案が通れば、直ちに審議会を設置しなければならぬ。四月一日ですから、そうすると四月一日より出発するのですから、もうあまりひまはないわけなんです。そうすると委員の人選等も、たとえば業者の方から出すとか、あるいはそうした鉱山行政の担当者であった人とかいうような人を、ある程度考えておられなくちやならぬと思うのです。審議会の構成には人数を何人にする、その人数の何人のうちにそうしたものをどういう割合、人数の決定はあととしても、今の鉱山行政の担当者であった人、あるいは直接鉱山の関係者、あるいは労働組合の関係者というようなものもあるし、いろいろと構想があると思うのです。ばく然とそのうちに考えようというようなことでは何かこれはどろなわ式にきつとなると思うのです。ちゃんとした構想をお立てになってこの法案をお出しになっておられないと、どうも不用意のそしりを免れないと思うのですが、いかがでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/18
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019・福井政男
○福井政府委員 仰せの点はごもっともでございまして、委員として考えております学識経験者の大部分は、大体大学の先生を私どもは考えております。鉱山の方の権威の先生でありますとか、あるいは民法関係、そういった方面の先生、こういった主として大学の先生を中心に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/19
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020・受田新吉
○受田委員 大学の先生、もちろん法律関係でありますから、そうした賠償義務の問題とか、担保の提供ということになれば、民法の先生も必要だし、いろいろあるわけですがね。そういうことから考えて、非常に慎重を期せられることはけつこうと思うのですけれども、同時に、今度はその鉱山に働く側から見て、直接勤労に従っている人々の体験を通しての要望ということも出てくると思うのです。そういう線からも有能な人を適当に取り上げるということは考えておられないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/20
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021・福井政男
○福井政府委員 この審議会には私ども部会を二つぐらい作りまして、基本部会と、それから公益との調整というような関係を取り扱います調整部会というような、これは仮の名称でございますけれども、そういうような二つぐらいのグループを大体考えて、そこに分れて御審議をしていただこう、かように心組みをいたしておりますが、業者なりあるいは従業員なり、そういった人の意思をこの審議会に反映するにはどうするか、こういう問題につきましては、私ども審議会の委員としては実は考えておりません。ただ、たとえば鉱害の観点からいいますと、関係の深い市町村の当局者の意見を承わるとか、あるいは石炭の鉱業権者なり、あるいは金属の鉱業権者なり、また従業員なり、そういった方の意見を承わる機会は十二分にこの審議の過程で持って参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/21
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022・受田新吉
○受田委員 参考意見としてそこに招くという形をとりたいということですが、委員の数は何人ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/22
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023・福井政男
○福井政府委員 おおむね二十名から二十五名くらいの程度に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/23
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024・受田新吉
○受田委員 これの予算は幾らお取りになられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/24
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025・福井政男
○福井政府委員 四十五、六万でございます。主として委員の手当等でございます。非常にわずかでございますけれども、これでやつて参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/25
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026・受田新吉
○受田委員 四十五、六万円しか予算は取つていない。しかし二十人にするか二十五人にするか、まだわからないというようなことであつては、四十五万円出した算定基礎がどこに置かれたかわからぬ。委員の手当についていえば、二十人とすれば少し手当がふえる。二十五人とすれば少し手当が減る。こういうようなばく然としたことでなくて、この法案をお出しになるときに、その委員は何人だ。そしてその委員の手当は何円だというちゃんとした数字ができて法案をお出しにならないで、法案を通つてから考えるということでは、これはずさんのそしりを免れないのですが、ちゃんとここではっきりしたものを御用意されなければ、何かあとから融通をきかしてもらいたいというような含みがあるような気がしますから、きちつとしたものをお示し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/26
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027・福井政男
○福井政府委員 予算の内容について申し上げますと、委員手当が九万三千円でございます。それから委員の旅費が十万九千円、それから外国の図書その他の関係で庁費が二十五万七千円ということで、総計が四十五万九千円でございます。もちろんこの中には、委員としてお願いいたします方には何と申しますか、学校の先生なり、あるいは法務省の担当の方なり、こういった方には役人としての身分がございますので、特別に手当等を差し上げるわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/27
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028・受田新吉
○受田委員 国家公務員である立場の人ですね、それは。そういう場合、大学の先生ならそれに該当するわけです。それ以外の人で学識経験者であれば、当然手当を出さなければならない。しかし人数をどこからどの方面の人を何人とつて、どの人をどうするというようなはっきりしたものを用意して予算を立てられるはずなんですが、それが今から予算四十五万円取つておいて、これからワク内操作をやろうというのは、どうも審議会設置のためにははなはだ無責任だと言わざるを得ないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/28
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029・福井政男
○福井政府委員 私先ほど申し上げました数字がちょっと正確でなかったのでありますが、二十五名という基礎でこの予算はできております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/29
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030・受田新吉
○受田委員 国会というものは、そういうふうにはっきり割り切らぬと工合が悪いのです。
もう一つ、そこで国会の意思も可及的すみやかな根本的改正の措置を講ぜよ、こうなっているのですから、結論は可及的すみやかにやれとあるのです。だから、今局長か審議会は二年くらいかかると仰せられたのでありますが、有能な人が立案されるならば、しかも部会にでも分れるならば、私は大体一年たてば結論が出ると思う。一年とされて、その間に、もしやむを得ないときには延長することもできるということも考えられるのですが、その国会の意思の可及的すみやかという問題は、まあ二年間というところで結論を出されたと私は見るのですけれども、あなたの方の立場ではそれを短縮する必要はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/30
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031・福井政男
○福井政府委員 先ほど申し上げましたように、一年では——これはなかなかむずかしい問題でございますので、期間としましては二年、こういうことでお願いいたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/31
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032・受田新吉
○受田委員 これで一応私の質問は終りましょう。
それで水産庁の問題については、先般お尋ねをしたことでありますが、その機構その他も——石山委員から質問があるそうですから、譲りますが、その前に先ほどの数字を聞きましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/32
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033・福井政男
○福井政府委員 先ほどの鉱山災害の死亡者の数について申し上げますと、昭和二十五年が九百三十三名、二十六年が八百六十一名、二十七年が八百三十六名、二十八年が八百二十四名、二十九年が九百二十三名、三十年が八百五十名、三十一年が七百六十四名、三十二年が八百九十八名、三十三年が七百九十七名、かような統計になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/33
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034・石山權作
○石山委員 通産の方に鉱区の問題と国立公園、天然記念物の指定、そういうような関係についてお聞きしておきたいのですが、秋田のようなところは鉱業県として有名なんですが、ことに、たとえば同和とか三菱、ああいうのは別にして、中小の鉱山がたくさんあります。特に硫黄鉱山などは中小の代表でございますが、これは例の北投石等の関係、それから国立公園等の関係で、究極において鉱区の権利がどこかに押しつけられてしまう。そうかといって、あるいは文部省等でこの鉱区権を適当に評価して補償するかというと、そういうこともなされない。通産省の場合には掘つてもよい、権利を与えておいて、その乏しい資金の中で採掘所を経営して二年か三年たつたあとで、そういう新しい法律を作つて鉱区権が失われていくような格好である。これは都市の中小企業と違つて、鉱山の中小企業は、鉱山を閉鎖した場合に受ける経営者の問題でございますけれども、そこに従事しておる二十人、三十人の鉱夫の人が全くみじめなわけなんです。私の住んでいる秋田県の中でも国立公園と天然記念物のために、今申したような被害を受けて、その被害がどこからも保護されない、補償されないままにうつちやらかされておる経緯があるわけです。そういう点では私は、指定をなさる天然記念物あるいは国立公園の方の方々にもいろいろ言い分もあるけれども、前に鉱区権の認定を与えておいて、そうして被害を受けたことについて担当省にありながら誠意を尽してやつておらない経緯を見ているわけなんですが、これは何も秋田県だけでなく、各所で起きている問題ではないかと思っておりますが、それに対しての措置は今どういうふうにやられているか伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/34
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035・福井政男
○福井政府委員 お話のように硫黄の出ますところは非常に景勝の地が多うございまして、最近国立公園法という法律を目下厚生省の方でお作りになって、その関係で国立公園では勝手に仕事ができないというようなことになっておりますので、各地で、特に硫黄山につきまして国立公園との調整の問題が起きているのは事実でございます。秋田にもそういう例がございまして、私ども長い間厚生省とも相談をいたして、できるだけこれをうまく解決するようにということで協議をいたしておりますが、秋田の例につきましてはまだ解決をいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/35
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036・石山權作
○石山委員 これは秋田の場合だけ解決がつかないというならば特例だ、特殊事情のためそうだといってもいいと思うのですが、私はそうじゃないと思うのです。たとえば大きなことになりますれば水力発電のような場合に、水位の問題等も重要な影響を産業界に与えているわけなんですけれども、そういう点の調節をとつていないように見ております。たとえば十和田のような場合、これは鉱山とは関係がないとはいいましても、片一方は国立公園の立場からこれ以上水位を下げちやいかぬ、けれども産業界から見れば水位の五十センチあるいは二十センチくらい低くてもやはり所定の動力がほしい。こういうような調節がとれないと同じで、鉱山関係にもそういうことが、秋田だけが残された問題でなく、ほかにもあるだろうと思う。鉱山局長は私が秋田とたまたま言つたものだから、秋田は残されたなどと言っていらつしやるけれども、私はそうじゃない。天然記念物のかね合いから見ても国立公園のかね合いから見ても、中小鉱山は間にはさまつて苦労にあえいでいるだろうと思うのです。それは署名する場合は、まわりの人が、村長や町長初め住民がみんな捺印をして国立公園にしてくれ、こういうふうな出し方をしますから、鉱山の労働者だけそんなことがあると困るから判を押さないなどとは言えない。つい判を押して同調した形になる。それが既成事実になって、極端に言えばお前だつて賛成したじゃないか、そういうふうな言葉じりをとらえて保護の手をゆるめている傾向があるわけなんです。秋田の場合でもそういう例がある。たとえば玉川の上流にある玉川鉱山などは、あなたはお知りだと思うのですけれども、お前だつて国立公園になることに賛成したのじゃないか、天然記念物の所要地域をいいと言って判こを押したじゃないかというけれども、それは村八分にされたくないから判こを押すので、実際から言えば営業権を失うし、生活権を失うから、これは担当者であるあなたの方で善後処置を見てやらなければならぬと思っているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/36
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037・福井政男
○福井政府委員 ただいまおっしゃる意見はまことにごもっともな意見でありまして、私ども見ておりましてそういう点が非常にあるように思います。ただ私どもは鉱山の担当者といたしまして、つい鉱山側に立ちまして関係方面と話し合いをし、うまく解決するようにということで努力をいたしておりますが、なかなか簡単に解決しない場合もございまして、中小鉱山の側から見ますとただいま御指摘のような気持のところもあろうかと思いますが、私どもできるだけうまく参りますように、関係方面と折衝はいたして参っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/37
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038・石山權作
○石山委員 たとえばこれは鉱山の経営者側から見れば地質等の関係からして一つの山が、たとえば天然記念物なら天然記念物の中心地に当るからこれ以上掘つてはいかぬ、こうなる。しかし地質上から見て一つこうした谷底を越した次の山に鉱物があるのだ、硫黄があるのだというふうな確認がされた場合は、普通からいえば代替地的な——農林などではよく代替地的なことをやるわけですが、都市計画も代替地的なことをやるわけですが、鉱山の場合もそういう可能性があるわけです。しかし天然記念物とか国立公園というのは範囲を広く取りたがる前からの習慣があるし、地勢の問題等があるから範囲を広く取りたがることはわかるのですが、中心地でなくて大体掘らしておいてもいいような土地もかなりあるように、私ども回って歩くと見受けられるわけであります。そういう点で私はやはり皆さんの方であっせんの態度を文部省その他にとれば、あながちむだではないと思うのです。効果が上るのではないかと思うのです。経営者側から一生懸命嘆願だけしておれば、何かカリガリ亡者のような感じを持って、文部省初め委員会がそれを却下している、拒否しているというような形はあるわけであります。お互いに各省間のお話し合いで、そういう問題はかなりに便法上解決つけ得られるめどがあるのではないか。私の知っている秋田の鹿角郡の奥地の硫黄山では、たまたまそういう事例があったにかかわらず一方的に拒否されて、約百工、三十人に及ぶ硫黄山は泣く泣く閉山のような形にならざるを得ない。そういう点を見ると——もちろん天然記念物も大切でございます。国立公園の風光明媚も私は保存をしたい。しかし少しでも産物ができて国家の産業にかなりの貢献をし、そこで家族等数百人の人がそのために生計を維持していられるとすれば、いろいろ考えてもらう点が相当あるのではないか。そういう点をあなたの方でやはりよく説明されて、職場を失うもの、経営権を失うものの側から立って——風光明媚を害さない、天然記念物の保存に努めながら、やり得る可能性をあなたの方で探してあげるという熱意があなたの方になければ——の知っているようなところであつても可能性があるように思っているのですが、やり得ないということを見ますと何だか誠意が足りない、こういうような気持を私持っているものですから、一つそういう点を特に調査されて、代替地等を探してあげるというような工夫も解決の一案ではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/38
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039・福井政男
○福井政府委員 お話の点も私ども承わりまして、むしろ非常に私どもの味方になっていただく御説で心強く思っております。国立公園の指定の場合は、私ども見ておりますとおっしゃるように地元の方が非常に強くて、鉱山の資源開発という観点から見ますと、私どもまことに情ないような気持になる場合が地方では非常に多いわけでありまして、ただいま御説の点につきましては私ども全く同感でございまして、今後そういう鉱山につきましてはできるだけめんどうを見るように一そう努力をいたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/39
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040・内海安吉
○内海委員長 木原津與与志君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/40
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041・木原津與志
○木原委員 水産庁に新たに漁港部を作るという法案が出ておりますので、これに関連してちょっと漁港の今日までの整備状況についてお尋ねしたいと思うのでございますが、政府はたしか昭和三十年に漁港整備計画を発表されて、これを六カ年計画で整備する。そのために約二千五百余りの漁港の中からたしか六百二十何港を指定されまして、これを重点的に漁港の整備をやるということだったと思うのです。そこで六年計画ということになりますれば、昭和三十五年で終るわけなんでございますが、過去五カ年間における政府の漁港整備計画はどれくらい進捗しておるものか、余すところあと一年ということになればこれをどうして整備するか、その今日までの整備の状況並びに今後一年間における整備の計画をお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/41
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042・石坂繁
○石坂政府委員 漁港整備の実施状況についてのお尋ねでございますが、お話のうちにありました通りに、漁港整備計画は昭和二十六年に制定いたしたのであります。それを昭和三十年度に一部改正いたしまして、その内容は一種、二種、三種、四種の各漁港、合計六百四港が現在整備の対象となっておるのであります。しかるに、一面昭和二十三年に水産庁が設置せられまして、同時に漁港課が新設せられたのでありますが、その当時から漁港関係の事業量は大へんに増大をいたしまして、漁港関係の予算面から見ますと、昭和二十三年つまり漁港課が設けられました年に対しまして、昭和三十三年度におきましては約八倍、昭和三十四年度におきましては約九倍に達する予定であります。また事業個所数におきまして、災害復旧事業は災害の多い年あるいは少い年によりまして多少個所の増減はありますけれども、これを除きまして、一般修築等の事業個所数に比較いたしますと約四・五倍となっております。なお今後におきましても、漁港整備の重要性にかんがみまして、漁港関係の事業量はますます増大する傾向になっております。
そこで従来の漁港整備の経過でありますが、この具体的な点につきましては水産庁の次長からお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/42
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043・西村健次郎
○西村(健)政府委員 実は昭和三十三年から例の長期経済五カ年計画に即応いたしまして、新たに漁港の五カ年の整備計画というのを策定いたしました。これが三十三年から始まりますので、昭和三十七年に終了することになっております。その対策となる港数は、ただいま政務次官からお話し申し上げました六百四港でございます。これは指定漁港二千六百八十のうち六百四港でございます。そのただいままでの進捗状況を申し上げますと、昭和三十三年度、本年度の末におきまして、そのうちでき上りましたものは七十二港、六百四港のうちまだ全然手のついていないのが百五十港でございます。従いまして、三十四年度以降におきましてやらなければいけない港は、引き続き継続実施を要する港の数が三百八十二、今後着工するのがただいま申し上げました百五十港ということになります。三十四年度におきましては、ただいまのところ予算要求をいたしております内容によりますと、継続は今の三百八十二でございますが、新規に三十四年度におきましては四十八港を着手いたしたい。そうしますと、三十四年度末になりますと、竣工する港が合計百三十三港、それからなお整備計画に載つておりまして二十五年度以降において着手しなければならない港の数は百二港でございます。三十四年度末の国費の全体の支出を見てみますと、大体全体の計画の三九%、そういう計算になるわけでございます。従いまして、三十四年度を終りましてあと五年、六年、七年と三年残るわけでございます。私どもとしましては、財政上の都合もございますけれども、できるだけ早い機会にこれを整備して参りたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/43
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044・木原津與志
○木原委員 三十四年度の漁港整備計画にのつとつた予算を本年度は幾ら要求してありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/44
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045・西村健次郎
○西村(健)政府委員 整備計画に基きます予算は、三十五億九千万円を予定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/45
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046・木原津與志
○木原委員 漁港の整備ということは、非常に緊急であり、また重要なことでありますが、漁港自体の利用者の面からいたしますれば、一番困ることは地元の負担金なんです。地元負担金が一番困難な問題だと思うのであります。特に漁港の場合は魚がとれたりとれなかったりする。とれておるときはいいけれども、とれない年あるいは不漁が引き続くというようなところでは、せつかく漁港整備の指定を受けておつても、この工事が負担金がないためにやれないということがあつちこっちに起つておる。特に、私は一つの例をあげますと、長崎県の対馬の上対馬町にあります一重港は、指定を受けて若干の工事をやつたのでございますが、地元負担が——李承晩ラインとの関係で急に漁業が非常にふるわなくなつた。地元の漁民は水揚げがないために非常に生活さえ困窮するというようなことから、せつかく指定を受けてやつてもらつたこの港の護岸工事が、地元負担金がないために工事が継続できないで途中でそのままほつたらかしてある。そのほつたらかしてしまつたところへ持ってきて、先般の風水害で、元も子もないように港がこわれてしまつた。そうしてそれがさらに地元負担金の負担ができないということで、そのまま放置されておるというような状況なんです。こういう状況を考えてみますれば、政府の整備計画というものも地元の負担金との関係を十分考慮してもらわなければ、それを生かすことができないと思うのです。そこでそういうような指定を受けた漁港でありながら、地元の負担金がそういう状況でできない場合は、あなた方はどういう措置をとられるのか、その措置方法をお伺いしたい。そのままほつたらかしてしまうのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/46
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047・西村健次郎
○西村(健)政府委員 今木原委員の指摘されました具体的事例につきまして、私詳細に知っておりませんので、今ここでお答えするわけにいきませんが、私どもは今六百四港ございます整備計画に載つております漁港の修築事業を逐次やっていく場合におきまして、その前提としましては、地元はどれだけの負担能力があるかというようなことももちろん考慮に入れるわけでございます。換言いたしますれば、中央の方でこれこれをやれというような押しつけの方式は決してとつておりません。むしろ逆に地元の非常に強い要望で、ここをやつてくれ、あすこをやつてくれという要望が出てきておる現状でございます。ただ現実の問題としては、あるいは木原委員のおっしゃったように、初めはそうであつても、そのうちに経済事情が変つて継続が困難になるという場合もあろうかとも思いますけれども、私どもといたしましては、それよりも事前にそういう点も十分調査して、技術的な問題とあわせてさらに経済効果を調査して、無理のないところから実施して参りたい、そのためにも今後幸い漁港設置が認められますれば、事前における調査とかそういう計画面についても十分充実して参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/47
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048・木原津與志
○木原委員 それならばその指定を受けて、一部工事はやり出したが、経済上の変化によって地元負担金がもうできなくなつたという場合、これはせつかく一部工事をやつたのだから、全部を完工するために国が特別な措置をして、そうして工事を完了さしてしまうということはできないものですか。地元負担金がもう続かぬということになれば、その工事はそのまま打ち切つてしまうことになるのですか。もしそうだとすれば、これはゆゆしい問題だと思う。経済効果という面から見て、これは非常に不経済な話なんで、その点どうなんですか。打ち切つてしまうのか、それとも特別な措置で全額国庫負担というような形ででもやられるものかどうか、その点お聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/48
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049・西村健次郎
○西村(健)政府委員 今私の申し上げたのは、そういうことがなるべくないようにしなくちやいけないという意味で、今後は事前の調査あるいは地元の負担能力というものをよりよく調査して参りたい、こういうことを申し上げたわけであります。やつてみてだめになつたからという場合に、それではそこで全額国庫負担に切りかえる手はないか、これははっきり申し上げますとございません。その場合においてはあるいは一時中止ということも考えられます。ただ先ほど御指摘の対馬でございますと、ただいまのところは離島振興法の指定を受けますれば、これは全額国庫負担ということになっておりますので、そういう離島に関しては事情はおのずから別でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/49
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050・木原津與志
○木原委員 今の指定された港のことは大体わかりましたが、残りの二千港ばかりは、漁港でありながら整備計画に指定されていないわけですね。これらのものは一体どうするつもりなのか。二千六百余りの中で六百ぐらいが指定されてあとの二千というものは、漁港でありながら政府の整備計画の中に入りていないということになるのですが、この残余の二千のものは今後どうされるおつもりか、その点お聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/50
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051・西村健次郎
○西村(健)政府委員 私どもは二千六百八マイナス六百四港については、ほつたらかしておくつもりはございません。ただ先ほど申し上げましたように、六百四港についてもまだこれの整備が実現しておらないというところに、さらにあとを整備計画に追加するということもいかがかと思いますので、いずれはこの残りの港につきましても整備計画に追補されて、そこで整備事業が実施されていく、こういうことになろうかと思います。なおそれとは別に、小さな漁港あるいは小さな工事は局部改良事業というものがございまして、これは整備対象になっている六百四港以外につきましても実施いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/51
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052・木原津與志
○木原委員 指定外の二千の漁港が完全な整備を受けるまでには、今のような進捗状況からすればずいぶん長い先のことではないかと思うのです。それまでほかの港をほつたらかしておくわけにはいかないのだが、今あなたは局部の改良をやると言っておられますね。そういう状況ならば、局部改良を整備事業と並行してどんどんやつてもらわなければ、指定をされたものと指定をされていないものとは均衡がとれません。必ずしも指定をされた港だけが水産資源の開発だとか、あるいは漁業の振興上重要なものとばかりは言い切れまいと思う。指定外の港にもずいぶんそういうものが多いはずです。しかも日本の漁港で指定のものは六百にもってきて、指定外が二千ということであれば、これの整備が一つ一つ、六百の指定港が整備されるのを待って除々にやられるということでは、これはもう追つつきません。あなた方の言われる水産振興も資源の開発もずいぶん先のことで、今の間には合いません。指定外のものについても関心を持たれて、積極的な局部改良あるいはその他の施策の必要がなければ、全体的な日本の水産の振興はとうてい望めないと思う。それについて今後のあなた方の見通しをお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/52
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053・西村健次郎
○西村(健)政府委員 私どもとしましては、先ほども申し上げましたように、指定外の漁港についてもほうつておくという気持は毛頭ありませんが、ただ何せすべてのこうした事業に共通のことは財政上の問題と関連しますので、私どもとしてはできるだけ六百四港については早い機会に整備をして参りたい。そのほかのものにつきましても、なお整備計画にできるだけ多く乗せ、できるだけ早い機会に全体を整備して参りたい、これは私どもの念願であります。——なお先ほど申し上げましたように、局部改良事業というものは、指定外のものについてもやり得ることになっておりますので、これにつきましては、たとえば三十四年度においては大体百四十カ所程度局部改良事業というものでやつて参りたい、こういう心組みでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/53
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054・内海安吉
○内海委員長 ほかに御質問はありませんか。——御質問がなければ、これにて一案についての質疑は終了いたしました。次会は公報をもってお知らせいたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104889X00719590213/54
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