1. 会議録本文
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000・会議録情報
本国会召集日(昭和三十三年十二月十日)(水曜
日)(午前零時現在)における本委員は、次の通
りである。
委員長 小島 徹三君
理事 鍛冶 良作君 理事 小林かなえ君
理事 田中伊三次君 理事 福井 盛太君
理事 村瀬 宣親君 理事 井伊 誠一君
理事 菊地養之輔君 理事 坂本 泰良君
綾部健太郎君 一萬田尚登君
犬養 健君 小澤佐重喜君
川島正次郎君 薄田 美朝君
世耕 弘一君 竹山祐太郎君
辻 政信君 中村 梅吉君
馬場 元治君 濱田 正信君
三田村武夫君 猪俣 浩三君
大貫 大八君 勝間田清一君
神近 市子君 菊川 君子君
田中幾三郎君 中村 高一君
志賀 義雄君
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昭和三十三年十二月十六日(火曜日)
午前十時四十二分開議
出席委員
委員長 小島 徹三君
理事 鍛冶 良作君 理事 小林かなえ君
理事 田中伊三次君 理事 福井 盛太君
理事 村瀬 宣親君 理事 菊地養之輔君
綾部健太郎君 小澤佐重喜君
薄田 美朝君 辻 政信君
中村 梅吉君 馬場 元治君
濱田 正信君 猪俣 浩三君
大貫 大八君
出席政府委員
法務政務次官 木島 虎藏君
委員外の出席者
検 事
(大臣官房司法
法制調査部長) 津田 実君
専 門 員 小木 貞一君
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十二月十二日
委員勝間田清一君辞任につき、その補欠として
三宅正一君が議長の指名で委員に選任された。
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十二月十日
司法試験法の一部を改正する法律案(内閣提出
第二四号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
国政調査承認要求に関する件
司法試験法の一部を改正する法律案
(内閣提出第二四号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103105206X00119581216/0
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001・小島徹三
○小島委員長 これより会議を開きます。
まず国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。すなわち、法務行政、検察行政及び裁判所の司法行政等の適正を期するため、一、裁判所の司法行政に関する事項、二、法務行政及び検察行政に関する事項、三、国内治安及び人権擁護に関する事項、四、最高裁判所機構改革(上訴制度を含む)に関する事項、五、外国人の出入国に関する事項、六、交通犯罪に関する事項、七、売春防止法の施行に関する事項、八、青少年犯罪に関する事項、以上の各事項につきまして、小委員会の設置、関係各方面より説明聴取及び資料の要求等の方法によりまして、国政調査を実施することとし、議長に対して国政調査の承認を要求することといたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103105206X00119581216/1
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002・小島徹三
○小島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
なお、承認要求の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103105206X00119581216/2
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003・小島徹三
○小島委員長 次に、司法試験法の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、政府当局より提案理由の説明を聴取いたします。木島政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103105206X00119581216/3
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004・木島虎藏
○木島政府委員 司法試験法の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明いたします。
御承知の通り、司法試験は、裁判官、検察官または弁護士となろうとする者に必要な学識及びその応用能力の有無を判定する国家試験でありまして、将来性のある優秀な人材を法曹として迎えることができるかどうかは、一にかかってこの制度の適否にあるのであります。しかるに、昭和二十四年以来実施されております現行の司法試験制度において、大学の制度がいわゆる新制大学に切りかえられて以来、大学在学生の司法試験に合格する者の数が逐年減少する傾向を示し、大学の優秀な新卒業生を他の職業分野に逸することが憂慮せられるとともに、他方において、社会生活の複雑化に伴い、将来の法曹たるための適格として単に法律についての学力を有するのみでは足らず、法律以外の素養を備える必要があるにもかかわらず、試験の科目が法律のみに偏しているとの批判を聞くに至りました。そこで、法務省におきましては、昭和二十九年の末ごろから司法試験制度について調査に着手いたし、昭和三十年十一月法務大臣から法制審議会に対し司法試験に関する制度の改善につき諮問を発し、昭和三十二年四月同審議会からの答申を得て、さらに検討を加え、この法律案を立案した次第であります。
次に、法律案の内容の主要点について説明いたします。
第一点は、司法試験第二次試験の筆記試験を短答式(択一式を含む)による試験と論文式による試験に分けまして、論文式による試験は、当該筆記試験の短答式による試験に合格した者に限り受験することができるものとしたことであります。これは、司法試験の受験者の数の増加に伴い、論文式による試験のみでは、これら多数の受験者の答案を限られた期間に精査することがきわめて困難となりましたので、まず、最も基礎的な憲法、民法及び刑法の三科目について、短答式による試験を行い、これに合格した者についてのみ、論文式による試験を行い、答案の審査を精密にしようとするものであります。
第二点は、論文式による試験の試験科目について、科目の数は現行の通り七科目といたしましたが、いわゆる必須科目を五科目に、いわゆる選択科目を二科目に改め、受験者の試験科目選択の範囲を広くして、特に大学在学生の受験を容易にするとともに、選択科目のうちに法律科目以外の科目を含ましめ、視野の広い人材を選び得るようにしたことであります。すなわち、必須科目を(一)憲法、(二)民法、(三)商法、(四)刑法並びに(五)民事訴訟法及び刑事訴訟法のうち受験者のあらかじめ選択する一科目の五科目とし、そのほかに選択科目を二科目とし、そのうち一科目は右の必須科目として選択しなかった民事訴訟法または刑事訴訟法、行政法、破産法、労働法、国際公法、国際私法及び刑事政策のうちから選択し得ることとし、他の一科目は、政治学、経済原論、財政学、会計学、心理学、経済政策及び社会政策のうちから選択し得ることとしたものであります。
なお、これに伴い、口述試験も受験者が論文式による試験において受験した七科目について行うこととしたものであります。
第三点は、司法試験管理委員会は、司法試験管理委員会規則で、試験科目中の相当と認めるものについて、その範囲を限定できることとしたことであります。これは、司法試験管理委員会が相当と認める試験科目については合理的にその範囲を限定し、大学在学生たる受験者の負担をなるべく軽減することができるようにしようとするものであります。
第四点は、司法試験考査委員の数の制限を撤廃することとしたことであります。現行法が司法試験考査委員の数を一科目につき四人以下に限定しております点は、特に短答式による試験を実施するについて適当でないので、これを改めようとするものであります。
なお、改正法律の施行期日は、受験者に十分な準備期間を与えるため、昭和三十六年一月一日といたしました。
以上が、司法試験法の一部を改正する法律案の趣旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103105206X00119581216/4
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005・小島徹三
○小島委員長 以上で提案理由の説明は終りました。
これより質疑及び討論に入るのでありますが、いずれも申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
司法試験法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立]発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103105206X00119581216/5
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006・小島徹三
○小島委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決せられました。
司法試験法の一部を改正する法律案に対して、自由民主党及び日本社会党共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。この際その説明を求めます。菊地養之輔君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103105206X00119581216/6
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007・菊地養之輔
○菊地委員 自由民主党並びに日本社会党を代表いたしまして、その説明を申し上げます。
まず、附帯決議の条項を申し上げます。
附帯決議案
一、本案による必須科目の制度は今後大学の学制改正と照し合せつつ、たえず検討すること。
二、司法試験管理委員会委員は将来これを相当数増員し、之が選任に付いては公正を期すること。
三、司法試験考査委員の選任についても公正を期すること。
四、短答式試験に於てはなるべく多数を合格せしむること。
右決議する。
附帯決議案は右の通りでございます。
右決議の趣旨につきましては、前国会で詳細に御説明を申し上げました。昭和三十三年十月三十日の会議録に掲載されておりますので、これを省略いたします。
右の次第でありますから、委員各位の御賛成をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103105206X00119581216/7
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008・小島徹三
○小島委員長 以上で趣旨説明は終りました。
討論の申し出もありませんから、直ちに附帯決議案を採決いたします。本附帯決議案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103105206X00119581216/8
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009・小島徹三
○小島委員長 起立総員。よって、本決議案は可決せられました。
先刻可決せられました法律案の委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103105206X00119581216/9
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010・小島徹三
○小島委員長 御異議なしと認めて、さよう取り計らいます。
本日はこれにて散会いたします。
午前十時五十二分散会
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103105206X00119581216/10
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