1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年十二月十六日(火曜日)
午後一時三十二分開会
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委員氏名
委員長 久保 等君
理事 勝俣 稔君
理事 柴田 栄君
理事 山下 義信君
理事 中山 福藏君
有馬 英二君
石原幹市郎君
紅露 みつ君
榊原 亨君
高野 一夫君
谷口弥三郎君
西田 信一君
横山 フク君
片岡 文重君
木下 友敬君
小柳 勇君
坂本 昭君
藤田藤太郎君
田村 文吉君
竹中 恒夫君
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委員の異動
十二月十二日委員坂本昭君辞任につ
き、その補欠として藤原道子君を議長
において指名した。
十二月十五日委員西田信一君及び横山
フク君辞任につき、その補欠として佐
藤清一郎君及び小林英三君を議長にお
いて指名した。
本日委員佐藤清一郎君、榊原亨君、有
馬英二君及び藤原道子君辞任につき、
その補欠として西田信一君、斎藤昇
君、草葉隆圓君及び坂本昭君を議長に
おいて指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 久保 等君
理事
勝俣 稔君
柴田 栄君
木下 友敬君
中山 福藏君
委員
石原幹市郎君
草葉 隆圓君
紅露 みつ君
斎藤 昇君
谷口弥三郎君
西田 信一君
片岡 文重君
小柳 勇君
坂本 昭君
藤田藤太郎君
山下 義信君
竹中 恒夫君
国務大臣
厚 生 大 臣 橋本 龍伍君
政府委員
厚生政務次官 池田 清志君
厚生大臣官房長 森本 潔君
厚生省保険局長 太宰 博邦君
事務局側
常任委員会専門
員 増本 甲吉君
説明員
厚生省保険局次
長 牛丸 義留君
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本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠互選
○調査承認要求の件
○委員派遣承認要求の件
○国民健康保険法案(内閣送付、予備
審査)
○国民健康保険法施行法案(内閣送
付、予備審査)
○社会保障制度に関する調査の件
(健康保険等に関する職員の汚職問
題に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/0
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001・久保等
○委員長(久保等君) ただいまより社会労働委員会を開きます。
委員の異動を報告いたします。十一月四日付をもって、松澤靖介君、西岡ハル君、草葉隆圓君及び斎藤昇君が辞任し、その補欠として坂本昭君、西田信一君、石原幹市郎君及び有馬英二君が選任されました。十一月十二日付をもって、坂本昭平か辞任し、その補欠として藤原道子君が選任されました。十二月十五日付をもって、横山フク君が辞任し、その補欠として小林英三君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/1
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002・久保等
○委員長(久保等君) この際、理事辞任の件についてお諮りいたします。理事山下義信君から辞任の申し出がございます。これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/2
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003・久保等
○委員長(久保等君) 御異議ないと認めます。よって理事山下義信君の辞任を許可することに決定いたしました。
ついては、これよりただいま辞任いたしました理事の補欠互選を行いたいと存じます。その方法は、成規の手続を省略いたしまして、委員長の指名といたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/3
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004・久保等
○委員長(久保等君) 御異議ないと認めます。
それでは理事に木下友敬君を指名いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/4
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005・久保等
○委員長(久保等君) 調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。社会保障制度に関する調査、労働情勢に関する調査も従来通り、今期国会開会中においてもこれを行うことといたしまして、調査承認要求書を本院規則第七十四条の三により、議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/5
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006・久保等
○委員長(久保等君) 御異議ないと認めます。
なお、要求書の案文の作成並びに手続等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/6
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007・久保等
○委員長(久保等君) 御異議ないものと認めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/7
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008・久保等
○委員長(久保等君) 次に、委員派遣承認要求についてお諮りいたします。
ただいま決定いたしました調査事件か議長の承認あった場合、これに関連して委員派遣を行うことにいたしまして、その調査項目、人選、日時及び手続等については委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/8
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009・久保等
○委員長(久保等君) 御異議ないと認め、委員派遣を行うことに決定いたしました。よってこれが実施については、委員長は理事と協議して進めるここといたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/9
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010・久保等
○委員長(久保等君) 国民健康保険法案、
国民健康保険法施行法案、
右両案を一括して議題といたします。提案理由の説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/10
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011・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 通常国会も始まりまして、これから国民健康保険法その他の法案の御審議を願うことになります。どうかよろしくお願いいたします。ただいま議題となりました国民健康保険法案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。福祉国家の理想を実現して参りますために、政府はつとに社会保障の向上及び増進に努力して参ったところでありますが、各種の施策のうち、最も緊急を要するものが、疾病に対する医療保障の整備にありますことは、広く一歳の認めるところであります。
このため、政府は、昭和三十二年度から最重要施策の一つとして、昭和三十五年度を目途とする国民皆保険の達成を掲げ、国民健康保険の普及を中心に諸般の基礎的条件の整備を進めて参ったのであります。
この法律案は、さきに、社会保障制度審議会が行なった医療保障制度に関する勧告にこたえて、現行の国民健康保険法を再検討し、財政上の裏づけとともに国民皆保険の基礎法として、現行法を全面的に改正しようとするものでありまして、社会保障制度審議会におきましても、慎重審議の結果、原則的に賛成を得、さらに答申の線に沿って所要の整備を加え、御承知のごとく、第二十八回国会に続き、第三十回国会において御審議をわずらわしたのでありますが、ともに、不幸審議未了と相なったのであります。
本改正案は、前国会における修正点を全面的に加えるとともに、御審議の経過を十分に尊重し、本国会において再び提案し、御審議をわずらわしたいと考える次第であります。
この法律案の、要旨とするところは、第一に、国民皆保険態勢の確立のため、国の責任を明確化したことであります。現行法では、療養給付費の二割と事務費の全額に対しまして補助金を交付しているのでありますが、療養給付費補助金は総額で療養給付費の二割とし、そのうち二〇%を財政調整に充てて交付しておりましたため、療養給付費の最低一割二分程度から二割五分程度までその交付割合が市町村によって相違し、概して申し上げますと、地方財政の良好な市部には不利となっておったわけであります。これからの普及の重点は、大都市を含む市部にありますので、普及の障害を除去するとともに、国民健康保険に対する国の責任の明確化をはかるため、従来の補助金を負担金に改め、療養給付の二割は、どの保険者に対しても負担することとし、事務費につきましても負担金とするのほか、新たに療養給付費の五分に相当する調整交付金制度を設けて、国民健康保険財政を調整し、負担の公平及び内容の充実をはかることとしたのであります。
第二に給付内容の充実であります。従来の国民健康保険は、健康保険と比較いたしますと、給付範囲の面でも著しく劣っていたのでありますが、これを健康保険と同一とし、また、給付割合も、大多数の保険者が五割にすぎなかったのでありますが、財政の充実とともに、これについても漸進的に向上を期することができるようにした次第であります。
第三に、国民健康保険における療養担当者制度につきまして、最近の医療の実情に応ずるとともに、この事業に協力を希望しているすべての私的医療機関が参加し得ることとともに、各般の規定におきまして、公私医療機関を差別せず、全く同一の法律的取扱いといたしております。
国民健康保険の被保険者は、都道府県知事の登録を受けた国民健康保険医または国民健康保険薬剤師から療養を受けるものとし、国民健康保険の療養の給付の取扱いをなさんとするものは、その旨を都道府県知事に申し出で、これが受理されることを要するものとし、申し出の受理の拒否、取消等につきましても、地方社会保険医療協議会の議を経ることとし、さらに弁明の機会を与え、診療報酬につきましても、保険者と療養担当者が協議して定めるため、割引等がみられたのでありますが、健康保険と同一とし、また、健康保険法の規定による保険医療機関保険医等の取り潤しによって国民健康保険の療養取扱機関国民健康保険医等の地位を失わないようにする等その地位の安定をはかったことであります。
第四に、昭和三十五年度までの及びその後の例外的な経過規定を設けまして、市町村が国民健康保険を実施する建前としたことであります。
政府は、この法案の成立によりまして、いまだ医療保険の対象となっておらない約二千万人に近い国民に一日も早く医療保障を及ぼしたいと念願いたしておるものであります。
以上がこの法律案を提案いたしました理由並びに法律案の要旨であります。
何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
次に、ただいま議題となりました国民健康保険法施行法案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
本法案は、国民健康保険法案の施行のため必要な経過措置を定めるとともに、関係法律の整理を行おうとするものであります。
次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
第一に、国民健康保険事業の開始の勧告及び助言の制度を設けたことであります。国民健康保険の未加入者を一日もすみやかに解消せしめる趣旨から、昭和三十六年三月三十一日以前においても、厚生大臣及び都道府県知事が末実施市町村に対して事業の開始につき勧告または助言を行うことができることといたしたのであります。
第二に、国民健康保険法案におきましては、国民健康保険を行う主体を市町村及び従前の同一の事業または業務ごとに設けられる特別国民健康保険組合に限定いたしましたので、全市町村が事業を実施するに至る昭和三十六年三月三十一日までの間は、現に事業を行なっている普通国民健康保険組合及び農業協同組合等の社団法人についても、引き続き国民健康保険を行うことができることとし、これらに対する国庫負担等については市町村とみなすことといたしたのであります。
第三に、国民健康保険法案におきましては、療養の給付の範囲を健康保険と同一といたしましたが、これによる急激な影響を避けるため、当分の間、政令で定める範囲のものは、給付を行わないことができる道を開いたことであります。
第四に、以上のほか、経過措置といたしまして、現行法に基く療養担当者等が新法の国民健康保険医、国民健康保険薬剤師または療養取扱機関となることに伴う必要な規定、現行法と国民健康保険法案との被保険者の範囲の相違による必要な調整規定等を設けることといたしたのであります。
第五に、国民健康保険税の賦課方法を整備する等、国民健康保険法案の施行に伴う必要な関係法律の整理を行うことといたしたのであります。
以上が、この法律案を提案いたしました理由並びに法律案の要旨であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
以上で両法案の提案の理由の御説明を申し上げたのでございますが、この際、もし委員長からお許しを得ますならば、先般ありましたはなはだ申しわけのない事件でございますが、保険関係の汚職事件につきまして経緯の御報告を申し上げたいと思いますが、よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/11
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012・久保等
○委員長(久保等君) それではこれより両案の審査に入るのでありますが、最近発覚いたしました健康保険等に関連して惹起した関係職員の汚職問題は、本法案の審査しにも重大な関係を持つものと考えられますので、この機会に厚生大臣からその事情を聴取いたしておきたいと存じます。厚生大臣の御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/12
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013・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 過般の新聞に報道されましたいわゆる保険汚職の問題について御報告並びに所信を申し上げたいと思うのでございます。かかる事件を厚生部内から出しましたことははなはだ申しわけなく存じておる次第でございます。東京都の保険部におりました前保険課長の林公夫と申しまする者の私行上の問題につきまして警視庁が内偵の結果、汚職の疑いがありとして、本年十月十四日に都内健康保険組合六組合の役員とともに逮捕取調べを始めたのでありまするが、その確実な内容につきましては、警察当局等よりいまだ正式に附いておりません。しかし、今まで情報として伝わっておりまするおもな容疑は次の通りであります。
林公夫の関係につきましては、まず第一に、健康保険組合の許認可及び厚生年金の還元融資に当りまして相当の謝礼をこれら組合に要求して収受した疑い。
それから第三に、在職中土建会社の役員に就任をいたしまして、都内の保険関係施設の工事に便宜を与えて収賄をした疑いであります。それから東京都内健康保険組合関係の汚職につきましては、まず第一に、全国薬業健康保険組合常務理事森下稔という者がおります。東京織物商健康保険組合常務理事植本秀雄という者がおりますが、その他四組合のいずれも常務理事が組合の設立、運営について便宜を供与してもらうため林公夫に贈賄をした疑いであります。
次に、右の組合のうち一、二の組合におきましては、常務理事等が診療報酬支払基金の請求書を偽造いたしまして、請求金額を水増しして組合から支出をして、その水増し分を横領してこれを贈賄し、あるいはみずから消費した疑いがございます。
以上が林公夫関係及び東京都内の健康保険組合の関係の汚職でございますが、右の両事件の取調べの進行につれまして、右健康保険組合の幹部が厚生省保険局の職員に対しても組合監査に手心を加えてもらうために、あるいは厚生年金還元融資にからんで贈賄を行なっているのではないかという疑いが生じまして、十一月十一日保険局健康保険一課の課長補佐宮沢真雄四十九才、同局医療課の課長補佐是成信一、四十三才、これは元厚生年金保険課の課長補佐であったのでありますが、これらの逮捕を見たのでございます。
林公夫につきましては十一月の五日に健康保険組合から四十万円収賄したという容疑で起訴されました。十二月の八日にさらに追起訴をされまして、健康保険組合関係業者等から収賄が十五件ありまして、金額が六百九十五万で追起訴をされたのであります。全国薬業健康保険組合本部常務理事森下稔ほか五組合六名及び芙蓉建設工業社長常田六郎の計八名は、いずれも林公夫に対する贈賄容疑で同月同日追起訴となりました。厚生省側の前記の課長補佐二名は、取調べの結果、容疑事実が軽微であるために、十二月三日処分保留のまま釈放せられました。同四日に不起訴に相なりました。
次に、これに関連いたしまして、健康保険組合の監督指導の責任の地位にある保険局健康保険課長小沢辰男も参考人として事情を聴取されました。
以上が現在までにおきまするこの事件の内容の概略でございます。
こうした事態を惹起いたしましたことはまことに申しわけのない次第でございまして、社会保険の整備充実が世間の注視をあびておりまする最中でありまするだけに、はなはだ遺憾でありまして、二名の課長補佐につきましては十二月四日直ちに退職せしめました。また、直接の監督の責任にありまする小沢健康保険課長は同月九日依願退職といたしまして、高田保険局長をも同日薬務局長に配置がえいたしました。
こうした問題につきましては、もう事件がこうした締めくくりに至ります前からその原因も考え、これに対する対策も考えて参らなければならぬと思いまして検討いたして参ったところでございますが、事直に申しまして、いろいろの原因があるにせよ、保険職員の人事管理に大きな欠点があったことは見のがせぬ事実と存じます。林公夫が昭和二十七年の十一月に東京都の保険課長に就任以来、昭和三十三年六月十六日に退職いたしまするまで、約六年間同一の職に置きましたことはこのたびの事件の最大の原因と思うのでありまして、その間に健康保険組合との不当な関係が深まりまして、自分の子分を入れては横領をさせて、それを吸い上げていたというようなきわめて悪質でもあり、また特異でもある汚職を発生いたすようなことができたのでございます。技術的な要素を含みまする保険の末端行政が、一般世人の関心を引くことが薄いという事情のもとに、こうした人事のよどみに関連いたしまして、種々予想以上の不祥事を重ねる結果となったと思うのでございます。また、監査監督機構の欠陥も今度の事件を契機といたしまして、十分検討をいたしまして、しっかりした指導監査の実施できまするように配慮をいたして参りたいと考えております。とにかく、たとえ現職でないにいたしましても、省の出先機関、しかも東京という重要なところにおいて出先機関の幹部がかかる不祥事を惹起いたし、また、本省職員が幸い微罪ではございましたけれども、収賄の容疑を受けましたことは、公務員の綱記粛正の叫ばれております折から、まことに申しわけなく存じておるのでございます。今後保険部内一般の綱紀維持につきましては従来に倍して注意を払う所存でございます。また、今回の事件が健康保険組合関係より発生いたしました点にかんがみまして、健康保険組合に対する監査を緻密にいたしまして、組合内部の不正事件の防止に努めたいと存じます。
また、保険職員の人事管理面につきましては、人材を選んで適時適切な異動を行うことによりまして、長期間同一職に在職することによって生じます弊害を防止いたしまする等、さきに申し上げました諸般の対策と関連いたしまして、十分今後戒めて参りたいと考えております。まことに申しわけないことでございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/13
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014・久保等
○委員長(久保等君) ただいまの大臣の説明に対し御質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/14
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015・山下義信
○山下義信君 私は、本件につきましてはかねてから痛心をいたしておったのでありまして、かかる不祥事件が発生いたしましたことについて遺憾を感ずるのみではないのであります。その根底をなしておりまする保険行政のあり方というものにつきましてまことに胸を痛めた一人であります。十月二十一日の委員会に、事件が発生いたしました直後、十分このことについて厚生大臣の深い関心と適切な御処置を強く要望いたしておいたのでありますが、その後だんだんと推移を見ますと、私どもが憂慮いたしておりましたと同じように、深くて広くてまことに深刻な事件であることがだんだんとわかって参りました。出時厚生省にこれが飛び火するおそれは断然ないというふうにあなた方の方でもある程度の確信を持っておいでのようでございましたけれども、やはり私どもが心配いたしておりましたように、省内にも関係者を出したということに相なりました。保険当局に対しまする、また保険関係の職員に対しまする世間の疑惑、風評というものはもう先年来からあったのであります。もし当局が意を決して適切の措置を講じ、保険行政の粛正をはかっておったならば、これらの問題も中途で阻止することもでき、またすでに今日保険行政のあり方として改善の実をもう見ておることであったと思うのでありますが、しかるに、それらの措置が今日まで、歴代の大臣によってなされたということを不幸にして聞かないのであります。十年一日のごときあり方をしておった。たとえば今も御報告の中にありましたが、保険一家というて上下を通じてしかも横は全国を通じて保険関係者がいわゆる一家をなしておる。従って、いろいろな弊害が表へ出てくることを互いに防ぎ合って手をつないでさまざまな、目に余るような事柄も行われやすいような状態にあった。今回の問題を契機とされて、ただいま厚生大臣は、御説明があると同時にその対策を断固としてなさいましてそうして災いを転じて福といいますか、今後の保険行政のあり方について十分善処するということでございますから、今からでもおそしとしないのでありまして、私どもも深く御期待申し上げる。実はこれは休会中にかかわっておったことでありますので、私どもも若干の調査をいたした、また、調査もいたさなければなりません。多少のことも聞知いたしました。たまたま国保等医療保障上の諮問題が横たわっておった。私はこのことが明確になって責任が明らかにならなければ、当局へ対しての不信、信頼のできないような、行政が紊乱しておるようなそういう当局から重要法案をお出しになっても、審議することはできない。まずこれらの問題を片づけてからでなければ、国民にかわって審議することはできないと実は考えたのであります。しかしながら、ある程度まで問題が処理せられたという今日でありますから私は深追いをいたしません。ただ、ただいまの御説明に対しまして、また御所信に対しまして一、二の点を具体的に承わっておきたいと思うのであります。
第一点は、この保険職員の更迭、今林某のごときは六年とおっしゃいましたが、六年であるかあるいは前後を通じて九年であるか、ほとんど同一のポストにこれがとどまっておった。なぜ長い間、弊害を生みやすい、しこうして従来厚生省の人事の管理の例としては、比較的短期間で更迭をさせる保険関係の職員というものを、東京都に限ってなぜ六年も九年もとどめておったかということはだれも不審に思う。これにもそれぞれの理由もあったでありましょう。落度もあったでありましょうが、今後はこの保険職員の人事管理の面におきまして、その更迭等はどういう方針で御処理をなさるのでありましょうか。これは長くその地位にとどまるということには断じて相なってはならないと思うのでありますが、大体どういうふうな考えを持っておられますか。私は全国を通じて、都道府県の保険職員等も大更迭をやるべきではないかと思う。ときとしては小異動はしておりますが、近来各都道府県にわたっての保険職員の刷新というような異動をほとんど見ない、何かそういう点につきまして、今後の御方針があらば承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/15
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016・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 申してもかいのないことでございますが、実は東京都の林保険課長の件につきましても、何でも東京都の方では保険部長にまで栄進させたいというような御意見等がございまして、厚生省の方ではこれはかえにゃあいかぬというような意見が先年からございまして、もみ合っておったのだそうでございます。で、この春そこでその話がまとまっておったというのであるかどうかわかりませんが、この六月にやめるということになりました。その後、問題が起って参ったわけでございます。自治体の方でいろいろ事情等がおありだろうと思いますが、今日私の考えておりまするのは、とりあえず直ちに先般発表いたしました人事異動をいたしまして、それから引き続きまして、大体課長補佐のクラスまでの、ただいま御指摘がございました中央地方を通じての、まあ総体的な異動を考えたいと実は考えておるのでございまして、ただいまちょうど予算編成の季節でもございますので、当面現在の陣容で仕事をいたしまして、あと従来はどうも保険に関係のあった内部だけの異動というような面が多かったのでありますが、今回必ずしも保険の前歴にこだわらず、本省と地方を通じまして、相当大幅に、長くなっております人事につきましては異動をいたしまして、将来も大体二年がいいか、三年がいいかというような点はございますけれども、あまり機械的にはいけないと思いますが、およそそういうめどを持ちながら、適当な程度に配置がえを考えたいと思っておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/16
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017・久保等
○委員長(久保等君) 委員の異動を報告いたします。十二月十六日づけをもって榊原亨君、有馬英二君及び藤原道子君が辞任され、その補欠として斎藤昇君、草葉隆圓君及び坂本昭君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/17
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018・久保等
○委員長(久保等君) 質疑を続行願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/18
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019・山下義信
○山下義信君 この地方庁に出ておりますいわゆる保険課長以下保険職員につきましては、いわゆる国費の職員でありますが、この種の国費の職員というのはあまり例がない、保険関係の職員、労働省の職業安定関係の職員、運輸省の陸運関係の職員という程度のものが、公然たる国家公務員という資格で、国費の職員として地方庁に出ている、これらの職員の監督というものを本省が、いわゆる厚生大臣としてどう握っていくか、どう握っていくか、どうやっているかということ、また、今後どうするかということが、全然監督というものが、法律の上では出ているけれども実際行われていない、自治法その他におきましても、都道府県知事に監督をまかしているという形になっている、ですからここで、なぜかような不都合な保険課長をいつまでも、なぜ監督ができなかったかとこうわれわれが詰めると、政府の方では、第一の監督者は都道府県でございます、どうも知事の監督がはなはだよろしくございませんのでと言って、比較的、間接的なような責任の立場に大臣というものがいる、私はいやしくも国費の職員であって、直接いわば保険職員と言えば保険行政の、先ほど大臣は末端とおっしゃったが、末端じゃない、これが幹線であって第一線である、そこでそういう者の監督というものが、私は今のような法律のきめ方、今のような状態ではいけないのじゃないかと思う。実際に監督のできない知事に監督をまかしているといったって、知事は監督しやしない、現に昨日の東京都議会において、この問題を質問したのを私は新聞で見たのですが、どなたもごらんになったろうと思う、この健康保険課長の問題を取り上げて質問いたすというと、これは厚生大臣の監督に属するものでございまして、知事としては思うようにでぎませんとこう言う。そこでわれわれがかりに政府を責めるとするならば、これは都道府県知事が監督する建前になっております、こういうことに、言おうとすれば言えるのであります。これは監督権というものが非常にあいまいである、私は今のようなものじゃいかぬ、これは地方庁の中に机をはめ込んでおくのでありますから、一応知事に多少の全体の服務的な規律もありますけれども、ある程度のことはあるにしても、私は監督の制度というものは根本的に何か考えるか、改めるかしなければ、十分これから監督をいたします、目を届かせるようにいたしますと言ったって、今の地方自治法のあり方としては、私は十分できないのじゃないかと思う。こういう点につきまして、今後監督を強化するということについては、何か具体的なお考えでもありましょうか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/19
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020・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) もうただいま御指摘の点は、これが問題になりましてから、特に私もいろいろ人の意見も聞いてみましたが、お話のございました通り、都道府県知事のもとにおりまして、直接日常の行動については、厚生省として監督がしにくうございますし、また、府県知事の側から言えば、結局人事が厚生省に握られているのだから、なかなか首根っこを握っていない者の言うことを聞かないという点が、もう現実にあるようでございます。制度はこういうふうになっておりますが、この制度にはこれは理由もあり、いいところもあるわけでありますが、どういうふうにいたしまして、この制度下において、具体的に監督の実を上げるかということにつきましては、もう少し検討いたして参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/20
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021・山下義信
○山下義信君 それから私は、ただいま保険一家ということを言ったのですが、保険一家ということもいいのです。これは官僚組織の中で美風もあり、必ずしも全体がいけないとは私は言わない、互いに情誼をもって交わり、国鉄一家、たとえば警察一家、私どもは野人でその味は知りませんけれども、傍観的に客観的に見ておりまして、いい面もあるのでありますから、必ずしもいい意味では私はこれを否定はいたしませんけれども、先ほど大臣のお答えにもありましたが、この人事関係につきましてはよほど今後気をつけていただかなければならぬ。それで、何というても保険関係の行政は膨大な事務分量を持っておるのでありますから、どうしてもこの保険関係の分野の出身者がずうっと要所々々を占めるのだ。今小沢課長と、二人の課長補佐と一人の局長が配置転換、これが何を意味するものか私にはわかりませんが、実際この責任を追及するということになりますと、この一人の林課長の監督不行届きというものを、これを追及していくということになりますと、その機関の間の府県関係の上司というものは厚生省も全部です、全部に及びますね。いわゆる保険局の出身者は皆今日の厚生省の重要ポストを占めている。それでありますから、保険関係のその職員というものが、入れても、行っても上下また左右に、先ほど申したようになかなか枝葉を張っていくので、大臣はこれから人事の異動については十分考えるのだということであって、私は期待いたしますが、あるいは支払い基金あるいは保険ポスト、また、地方の保険課長もまた右左に枝葉を伸ばして、そうして彼此こもごも暗黙のうちに一家をなしておる。私は、官吏の待遇も希薄でありまして、仕事もなかなか重い仕事でありまするから、よい意味でいろいろな実質賃金といいますか、実物給与といいますか、福利厚生といいますか、いろいろのよい面におきましての待遇というようなものやあり方というものもあるべきだと思います。しかしながら、いつの間にかだんだんと枝葉を伸ばしていきました。そういうところから不純な関係が深まって参りますというと、その弊害というものが実に深いものになり、ひどいものになっていくのであります。従いまして、私は保険関係の職員は、在任中に監督した団体というようなものに大下っていくということは十分注意すべきじゃないかと思うのです。これは国家公務員法か何かに禁止してある条項もあると思いますけれども、実際にこれが運用がされているのは、通産省関係が比較的よく行われておるということを私は耳にしておるのでありますが、注意すべきじゃないかと思う。在任中に監督しておる団体を持っておって、これに天下っていくということはよほど避けなくちゃならない。また、ただいまもお話がありましたが、今の健康保険の組合の役員、常務理事だとか何とかいうようなポスト、そういうものは、これはこの監督はどうなさるかということはあとで聞きますが、そういうポストの報酬というものは莫大なものだということになる。何でも今問題になっておる関係の事件のあの総合組合の常務理事だとか専務理事だとかいう者の給与は一カ月十数一万円だということです。それに自動車がついておる。莫大なものだということだ。でありますから、それでだんだん監督中にねらっておいてやる、質問が雑駁になりまして、あれこれ申し上げますけれども、何でも保険課長のもとにおる係長とか保険課の職員の人事というものは、厚生大臣がすべき人事を全部保健課長に委任してあるということです。ですから、東京都の保険課長が自分の部下の国費の職員、本来ならば一々厚生省がその人事権を握るべきである、その厚生大臣の人事権というものはその保険課長にまかしてあるということです。こういうことも改めてもらわなければならぬと思うのです。あまり微に入り細にわたったようですけれども、具体的に伺わなければなりませんが、そういう人事の異動につきまして、監督の団体に対する天下りの禁止、また、その部下の人事異動についての権限等について、今後お改めになりますお考えがありますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/21
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022・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) はなはだ恐縮でありますが、実は人事異動の問題につきましても、それからまた保険の関係の、たとえば外郭団体とか、仕事の関係等に関しましても、従来伝統的に保険局は非常に大きな権能を持っておりまして、局限りでやっておった仕事は相当あるようであります。それで、むしろ今日の問題といたしましては、単に人事の問題のみならず、組織総体の運営の問題につきまして、やはり相当、一応見直す必要があると考えておりまするので、どの程度の人事なり、どの程度の運営上の方針の決済なりというようなものを、保険関係についてどういうしきたりになっておりますかということをあらためて調べ直しをいたしまして、下にまかせておくのが不穏当でありますものにつきましては、次官なり大臣なりでもっと目を通すようにいたして参りたいと実は考えておる次第でございます。ただいま御指摘のありましたような問題につきましても、十分考えて参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/22
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023・山下義信
○山下義信君 保険局の何かに、保険行政を全国的に常に留意して監察をするような監察官の制度がありますか。なければ、今後そういう制度を、保険行政のパトロール、そういうものが要るのじゃないでしょうかね。本省関係のものはもとよりでありますが、全国的にわたって常に巡察するという、何も行管のお世話にならなくても、自前のパトロールくらいは、こんな膨大な金銭も扱える、いろいろな許可、認可の事項もあるというような行政に対しては、あなたの方で、厚生省の中で監察制度をお持ちになったらどうかと思うが、ありますでしょうか、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/23
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024・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 現在のところは、専属のそういうようなものを設けておりませんでございます。十分御指摘のございました点については考えて参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/24
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025・山下義信
○山下義信君 健康保険組合、いわゆる今回問題になりましたのは、あれは総組合といいますかね、専門的な名称は何といいますか、総合組合といいますか、あれは実に、まあ一つの考えた制度ではありましょうけれども、これは考えなきゃ永久にこの種の事件は、私はよほど、聖人、君子が政治に当り運営をすればともかくでありますが、結局全国的に散在している対象者を集めて、いわゆる総合組合と称して無数の小さい事業所が、北海道から鹿児島まで、どこにあるのだかわかりませんが、それをまとめて、一つの総合的な対象になった形にはなっておるけれども、実際問題としてはどこからどこまでばらばらになっているかわからぬのでありますが、一体に普通の健康保険組合においても、この総合組合はもとよりのことでありますが、非常に保険財政がルーズであるといううわさが高いのですが、どうですか。またこれを、組合の保険財政、その監督、監査をする、それらの経理の手続、あるいは本省への報告といったようなものが、どういう規則でなされるか知りませんけれども、世間で言われておることは、普通の会社、銀行のああいう企業の経理、あるいは商法に規定されてあるところのいろいろな届等、そういったようなものから比べるというとほとんど規定がないんだということを言っておる。ですから保険財政がルーズなということは、やはり帰するところは、それらの厚生省に対するところの届とか報告とかというような事柄がきびしく要求されていないのじゃないかと思う。これは一体、私率直に言いますが、この健康保険組合と、厚生省とはあまり密着しすぎる。少し離れなきゃだめだ。あまり手を握り合って、あまり肌をふれ合って、あまり抱きついておるような格好をして、健康保険組合連合会長がかつて当委員会へ出てきて、証人として出てきて言うことには、私は厚生省の代弁者の立場でございますからというようなことを公然と言って、まるで厚生省の出店機関くらいの気持でいる。それは政府与党なり厚生省の味方をするのもいいが、そういうことで心やすくなりすぎてきびしく言うことを怠ったり、いろいろ監督や報告の規定を厳重にするということを甘くしておるというようなことになっては私はいけないと思う。この組合管掌の各保険の組合のこの経理の監査その他ですね、平素それをとり行う規定等につきまして十分整備するお考えがあるかどうか、今後の監督をなされていく上についての御方針を承わっておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/25
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026・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 実はこの制度自身はいろいろ報告でありまするとか、その他帳簿でありまするとかというような制度自身はかなり私は厳密にできておると考えております。で、先ほど私この監察官のようなものは置いてないと申しましたけれども、まあ置いてあるのでございますが、それでただ大事なのは各課長等が出てずっと監査をいたして参りますが、それが非常にやはり内容が精密であり、技術的でございまして、特殊の人だけが目を通しているということはあるわけであります。従いまして、制度自身はいろいろにむしろめんどうすぎるくらいにいろいろな書類等も整備をされておるのでありますが、特殊の人たちだけが特殊の監査技術で目を通していくということでありますから、まあ林公夫が各組合に子分を入れてなれ合いでごまかしたというようなことがあとから振り返ってみますると非常にしやすいというより、やっても発見されにくいような体制にあるわけでありまして、この点はよほど真剣に考えて参らなければならぬと思っております。なお、今日やっております監査の仕組みにつきましては保険局長から答弁いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/26
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027・太宰博邦
○政府委員(太宰博邦君) 健康保険組合は現在全国的に約一千カ所あるので、東京のようなところは約三百カ所の多くのものがあるわけであります。これに対しましてはただいま大臣から答弁なされましたように、まあ一応の間違いを起こさないような監査の制度を立て、また、監査の組織をもってやっておるわけでございますが、何と申しましても現在の私どものそういう方面の陣容というものも非常に手薄な点もございまして、十分なる監査というものがきわめてできないというようなことは遺憾に思いつつもこれはいなめないわけでございます。これにつきましては、やはりできる限りの手当をいたしまして、こういう間違いをしないようにしなければならないことは申すまでもないわけでございます。特にこの組合と申しましても、普通の組合は大きな企業というものに属しております関係で、それぞれまあお家のしきたりといいますか、何かかんか、そこにまとまった規律的なものが流れておる場合が多かろうと思うのであります。その点から申しますると、御指摘のように、この総合組合みたいなものは、いろいろ小さいものが集まってそうしてこういう保険という一つの組合を作っている。従いまして、そういう非常にむずかしい、非常に技術的な仕事は、上の方の方はなかなかわからないで、専務理事とか常務理事というようなところに大体まかせておるということが多い。しかもそこに全体に流れる。先ほど申しましたような一つのまとまった規律的な雰囲気というものが、なかなかそこに醸成されておらぬというそういうようなことから、うっかりすると御指摘のような欠点をさらけ出すおそれが多分にある。かような点につきましては、私ども今後特にそういう総合組合というものの監視につきましては、特段の注意をいたしていきたいと、かように考えておる。なお、今回の事件はまことに申しわけないことだと存じております。しかし、これを他日の参考にいたしますため、先ほど大臣からも申し上げましたごとく、関係当局に一度その内容を私どもに教えていただきたい。私どもそれを十分に参考にして、今後再びこういう非違の起らぬように手当いたしたいと思って連絡をいたしておりますが、近くおそらく向うの方で一段落つきましたならば、私どもの方にいろいろな点からの注意、勧告というものがあろうかと存じております。そういう点も十分に考慮に入れまして、今後再びこういうことを起さぬようなことをいたして参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/27
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028・山下義信
○山下義信君 太宰局長、それはいいですがね、そういうお答えでいいですがね、検察当局から教えてもらうというようなことはしなくても、もうあなた方の方でわかる。どこをどう改めたらいいということはわかる。どこまで手をお伸しになりますか。この辺でおやめになっていただけませんかということは、聞きに行ったり教えにもらいに行ったりするのはいいかもしれないが、どこに盲点があるかということは、あなた方の方でもうおわかりになるのですから、もうやっておいでになると思うが、省内でちゃんとそれの調査団とか小委員会というものをお作りになって、具体的に改善するところを考えられて、小委員会を作ってどんどんなさるといいと思うのです。一体健康保険組合で経理的な面、事務的な面で一体本省が注意せねばならぬ、監査しなければならぬ、改めさせなければならぬ、小言を言わなければならぬというような件数がどのくらいあると思いますか、一年に。およそでいいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/28
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029・牛丸義留
○説明員(牛丸義留君) 数というとちょっと見当つきませんけれども、私どもとして特に注意しなければならないのは、毎月の保険料収入の問題と、それから毎月定期的に支払いをします診療報酬の支払い、そういうふうな問題が一番日常、恒常的な経費の支出として、重大問題となります。
それから次に、重点として考えていかなければならないのは、剰余金の処置の問題だと思うわけでございます。これは法定積立金として最高診療報酬月額の一年分を積み立てるというふうな規定がございますし、しかし、それ以外にも組合によっては剰余が出るわけでございます。その場合の正式な処分はすべて厚生大臣の認可を必要とするわけでございますが、そういう剰余金の預託の問題、あるいはその他保管の問題等につきましても、十分私どもとしては注意をしていく必要があろうかと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/29
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030・坂本昭
○坂本昭君 関連質問。山下議員も指摘された通り、国民皆保険と皆年金が出発しようというそのやさきにこういう汚職を見たということは、われわれとして政府の施策が十分にいき得るかどうか、非常な多大の懸念を抱かざるを得ないんです。で、数点私はお伺いしたいのでありますが、その中で、どうも大臣の御説明がきわめて不十分でありますので最初に三つ伺いたい点は、まず、いかにしてこの汚職が発覚したか。そのことについて何も触れておらない。そのことが一つ。次に、いわばこの汚職のできる組織。行管の前の高田さんという人の「不正者の天国」という本がありますが、つまり、不正者の天国の組織が私はできておると思う。その点を大臣は十分に認識しているかどうか。それから、三番目は、今山下議員からいろいろと追及がありましたが、いかに改めるか。どうもその点について保険局長の説明は非常にあいまいであります。大臣は、人材を集めるというふうなことを言っていますけれども、人材よりも、組織自体に多くの矛盾がある。たとえば、今度の林都保険課長の監査をするのはだれだったかというと、これは保険局の保険課の、つまり、今度不起訴になったと言われる宮沢課長補佐が監査をやっておった。幾らそういう監察制度があったって、両方ぐるになってしまえば、これは幾らでも悪いことはできるんです。そういう点をどう改めるか。人材を集めることよりも、どういうふうにして監査がほんとうの監査のできるような組織にするか。このまず三つの点を伺いたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/30
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031・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 私、先ほど申し上げましたことを繰り返してお話し申し上げたいと思います。
まず第一に、発覚の端緒でございますが、発覚の端緒につきましては、何か私行上の問題について調べておりまする間に出てきたのだそうでありまして、林公人の発覚の端緒につきましてあまり詳しく存じておりません。ほかの問題は、これも調べのうちから出て参ったものでございます。
それから、これの対策でございますが、これの対策については、いろいろなことを考えなきゃならぬと思いますが、とりあえず、私としてできますことでまたしなければなりませんことは、このよどんだ組織の中で人事の異動をやることであります。で、今ちょうど予算を控えたり何かしておりますので、非常に大きな異動というものを今すぐなかなか徹底的に行いかねるのでありますが、ごく近い機会のうちに、要するに、組織は今日のままにいたしましても、よどみのできないような人事異動を相当権限のあるところにおいては常則的に行なって参りたいと考えております。そのことは、いかなる組織にいたしましても必要だと考えておるのであります。その上で組織の問題については私は考えなきゃならぬところがあると思います。ただいま山下委員からも御指摘のありましたように、つまり、監査をするにしても、なれ合いでいる場合にどうするかという意味における監察の効果を上げる組織の問題が、山下委員のお言葉の中にも出ておりまするし、それからまた、地方の都道府県知事の監督下にある国家公務員という特殊な地位の者をどうやって実際にだれが監督できるんだという問題が出ておるわけでありまして、これらの問題に関しましては、これはまあ右から左に直ちに結論を出すことができませんので、当面人事について十分な配慮をいたしますることが一点。それからもう一つは、これも私ただいま申し上げましたが、保険局の仕事ぶりの中で人事なりあるいは組織運営の方針をきめるというようなことが、保険局限りでやっておることで、そのまままかしておいていいかどうかというような問題についてもう一度見直してみるという、当座できることでかつしなければならぬことを手をつけますと同時に、ただいま御指摘のありましたような問題についてどうやったらいいかを実は考えておる次第でございます。なれ合いで悪いことをするというような問題につきましても、人事のよどみを起さないようにやっておけば、その間かなり防ぐことができると思いまするし、また、監察の効果を上げる方法につきましても、保険の中であっち行ったりこっち行ったりして保険ばかりで育っていくというふうなことでなしに、あっちこっちから保険に入ったり出たりするというようなことによって初めて監察の効果も上ると思うのでございまして、制度自身も十分心して検討いたすつもりでございますが、現行制度のもとにおいて、当面とにかく早く効果の上る方法はできるだけとって参るつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/31
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032・坂本昭
○坂本昭君 どうも、大臣の御説明を聞きますと、林公夫がえらく責任を全部引っかぶっているのであるがこれは厚生省に一番大きな責任があるのじゃないですか。その点、大臣は、微罪であったというようなことを言っておられるし、それからまた、不起訴になったということを強調しておられましたけれども、むしろこれは厚生省に一番の大罪があるのであって、そこを明確にしなければ、とうていこの問題は基本的に解決できない。たとえば、今度、前の保険局長は配置がえになって、元やっておった薬務局長にかわっています。新聞の報ずるところでは、内閣始まって以来の珍人事だということを指摘しております。そうしてまた、さらに、この人事の更迭をめぐって警察関係との人事の交流でごまかしをしているというようなことが公然と新聞に載っているのであります。だから、むしろこれは都の問題よりも、厚生省はこの際徹底的にえぐって——何も私は個人々々の非違を並べ立てるのが目的ではなくて、これからやろうとする皆保険と皆年金のゆるぎなき基礎を作るために、この際深いメスを入れる必要があるのじゃないか。そういう点でどうも厚生省の責任を大臣はのがれようとしておられるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/32
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033・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 実は心外でございまして、私どもも、何といいましても、保険行政全体を統一的に総括をいたしまするし、また、具体的な人事につきましても最高の責任者であるわけでありまするので、厚生省の責任のきわめて重大なことを痛感をいたしております。従いまして、その厚生省の責任をできるだけ果して参りまするために、当面とにかく直ちにできますることについてできるだけやって参りますると同時に、また、制度の問題につきましては、これはどういたしたらよろしいかということを今日もいろいろ検討し、今人の意見も聞きたいと思っておるのでありますが、制度的な改革の問題につきましては、今直ちにどこをどうするということを申し上げるほど固まった結論を持っておりません。これも十分効果の上るような制度も検討いたして参らなきゃならないということをしょっちゅう私考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/33
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034・坂本昭
○坂本昭君 薬務局長への戻りは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/34
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035・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) これはまあいろいろな御意見がございますと思いますが、省内のいろいろな事情、監督の責任等を考えまして、今日省内において配置がえをいたしますることが当面最もいい手段だと考えてやった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/35
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036・坂本昭
○坂本昭君 そういう措置の中に非常に問題を糊塗し去ろうとする私は意図が見られるのじゃないか、非常にその点私は懸念にたえないこれがたまたま健康保険課の上下の組織の中の汚職として取り扱われておりますけれども、私は単なる健康保険だけの問題でないと思うのです。従来も行管あたりで指摘されてきた中を見ましても、国保関係についても映画を作ると言って七、八百万円不正な吸い上げをやったこともあるし、あるいはまた、厚生年金の還元融資について幾たびも収賄のあった事実は行管からも指摘されておる。さらにわれわれ遺憾に思うのは、あの医師会に対する場合、医師の不正が多い多いと言って、厚生省みずからが新聞を通じて、たとえば昭和三十一年の十一月には例の——医師が非常な不正をやる、その不正な金額がたしか十八億、保険医の不当請求十八億、こういう大きな記事を書いて、そうして健康保険法一部改正のときに医者をずいぶん圧迫したことがある。ところが、その実もうそのころから保険内部の中には、そういうことを、医師の不正請求というようなことを言いながら、その実自分のところに多くの汚職を持っておる。で、私はこの際、これは健康保険だけじゃない、国保でも、あるいは年金関係でもいろいろな問題が含まれているということを厚生大臣が認識されなければ、とうていこれからの皆保険、皆年金というものはやっていけないと思う。今の大臣の御説明だと、ただ一部の一課長がやった不正であるというような認識のもとに考えられ、そうしてさらにいろいろな人事異動も行われているのですけれども、そういうことではなかなか国民が納得できない、そう思うのです。で、今日ここでほかの課にわたるところの不正な事実をあばき立てようというのではありませんけれども、大臣は健康保険だけに限った汚職である、ほかの方はもう絶対に間違いはない、そういうようなお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/36
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037・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 私は当面の問題につきまして、現在出ておりまする汚職の問題が問題になっておるのでございまして、当面省内に汚職のないことを私信じておるのでございます。ただそれならば何もしないのかというようなことではございません。とにかく厚生省も一般会計の予算で、千七十億もの予算を組んでおりまして、今日非常に膨大な仕事をしておるわけでありますから、これはほんとうに国民の金を預かるという見地から考えて参りますならば、ほんとうにあらゆる部面について、おそれつつしんで、万一にも誤まりのないことを考えなければならぬので、ひとり健康保険問題のみに限りません、ほかの部面でもそうでございます。特に保険関係は扱いの金も多いわけでございますから、全般的に今回の問題等を考慮いたしまして十分間違いのないように検討をいたして参りたいと思っております。従いまして、そうした問題の起らないように、過去の事例も参酌いたしまするし、今後のあり得べき事態については予想もいたしまして、いろいろ検討いたして参りたいと思っております。ただ、まあ当面省内の問題に関しましては警察の方の調べもありまして、この間、警察庁の報告も受けたのでありますが、それ以外の問題について、みだりに部下を疑うつもりはございませんけれども、しかし、問題というものは、ほんとうに、過去においてもございましたことは今後もあり得ることでございまするし、そのほかにもいろいろ心配すれば心配しなければならない金を扱う場というものがあるわけでございまするが、これは十分心して検討いたして、間違いのないように検討いたして、そのために必要な措置等はやって参りたいと真剣に考えております発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/37
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038・山下義信
○山下義信君 私の質問を結んでおきたいと思うのですが、私は橋本厚生大臣を信頼をしておきますから、十分稿極的にやっていただきたいと思う。私は言いたいことがたくさんある。しかし、もう言いません。割愛しておきましょう。そうして当局の決意といいますか、なさるるところを一つ静かに拝見をするということにしましょう。調査しましたこともここでは割愛をします。また、きょうは自発的にこの問題を報告なすって今後の所信を披瀝なさったのでありますから信頼をしておきます。私に関する限りは追い打ちはいたしますまい。また、この事件をこの程度にとどめたか、とどまったのか、それはともかくもといたしまして、事件をこの程度にとどめても改革は大規模にやっていただきたい。もしそれをなさらぬということならば、私はまだ申し上げなければならぬことがある。しかし、当局の改革の御決行を一つ期待をしておくということにします。若干の時間を使いました。しかし、私はこの時間は、幾百万、幾千万の被保険者に、また、幾千億の保険の金の扱い方に関連しての問題でありますから、若干の時間を使ったことは私はむだではないと思う。
最後に、私は要望しておきたいと思うんです。ここで私の質問を結ぶとして要望しておきたい。さっき牛丸次長に答えていただきました、健康保険組合の、かりに一年の間にどのくらい注意をせなければならぬ問題があるだろうかということを伺ったので、私の推測するところでは、間違っておったらあとで取り消しますが、およそ一カ年に大体千組合前後あるものとして、注意を当局として促さなければならぬ件数がおよそ五千件以上ですね。それだけ健康保険組合の運営上いろいろな問題が存している。これは御承知のように、政府管掌と違って直接コントロールしてないのですから、一つ厚生省の方としては、十分な監督をせなければならない。この組合管掌の健康保険組合を政府がどう監督するかというようなことは、御承知のごとく、健康保険法ではきわめて規定がない。これは将来一つお考え願わなければならぬと思う。そこで私はこの種の問題が発生した根本原因がどこにあるか、いろいろまあ今まで反省してみたのでありますが、私は一つ大臣として戒飭を加えていただきたいと思うことは、坂本委員もお触れになりましたが、近来保険関係の職員がどちらかと申しますと、驕慢です。高ぶっている。ことに地方の保険関係の職員の姿勢というものは高過ぎる、私から言いますと。全く昔の官僚同様でありまして、そうして関係者を眼下に見下して威圧を加えるというような態度も間々見受けられるのです。これは最近医療保障諸問題、この数年の間、いろいろな関係法案等を通じて朝夕闘争をこれ事として、相手方を権力の座にすわって弾圧をしよう、圧迫していこうというような傾向でずっと進んできたことが下にずっと及んで、全国関係の保険職員というものは、私は一体に姿勢が高過ぎると思う。もっと謙虚にならなければならぬ、そういう問い姿勢をもって威圧を加えるもんですから、対象者の、ことに民間人はその顔色をうかがい、きげんをとることにきゅうきゅうとして、いかにも権力の強い存在のごとくみえて、手取り足取りこれのきげんをとるというようなことに流れやすいと私は思う。謙虚にならなければならぬと私は思う。これらに権力が与えてある。しかし、これは私は言いにくいけれども、これらの関係職員のおおむねは比較的教養の十分とは言いがたい職員が充ててあるのです。本省の職員はそれぞれ高等の学問をおさめて、それぞれ資格を通過してきておるけれども、元来地方に任命されてある関係職員というものは、どちらかといえば私は学問その他も十分でない人が相当採用されてあると思う。これらに権力を持たす。あたかも教養の乏しい警察官に警職法を改正せんとするごときものである。その権力があるものですから、威圧というものをややもすると加えていくようにする。そうすると盆、節季に持っていくと、ちょうど今節季ですが、盆、節季に持っていくと、こういうことが行われて、さあ寮に案内する、さあどうする、こうするというような事柄がだんだんと私は行われていくことになると思うのです。実はお互いにわかっていて、こういうことを口にすることは、人を責めることでありますから、あまりよいことではありませんから、遠慮しているのでありますが、お互いに実はわかっている。どうかこういう権力の座にある、監督行政の座にある者ほど私は謙虚になって、先ほど大臣もおっしゃったように、教養の高い者、人材をなるべく地方にも配置せられて、そうしてこの種のあやまちのないようにせられたいと私は考えるのでありますが、この際、大臣の御所信を承わっておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/38
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039・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 一切私の責任でございまして、部下のみを責めるということはいかぬことだと思いますが、保険の行政に当ります者のやり方として、ただいま山下委員からお言葉もございましたようなことにつきましては、もう十分私は心して参らなければならぬものがあると思います。これは日常の言動の上でもそうでございますし、私仕事を見ながらでも、保険局限りでやっておりまする仕事のつまり大きさ、重大さといったような面からつきましても、こんなことをやっているのは当然じゃないかというようなことで、もう私から見ると非常に重大なことで、なぜ上に相談しないかというようなことがないでもないわけでございます。外に対しましてはなおのことでございまして、ただいま御指摘のございましたことを私以下十分心して、今後の制度的な問題につきましても、また、実務の運営についても心して参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/39
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040・坂本昭
○坂本昭君 関連。私、今、国民にかわってやはりこの問題は追い打ちをしなければならないと思うのです。これを打ち切りにするわけには参らないと思います。それはもう繰り返して申し上げませんが、皆保険と皆年金の重大段階において、どうしても的確にしておかなければ、将来が思いはかられるからであります。保険局長は警察当局の処分を待っていろいろの処理をしたいというようなことをさっき言っておられて、山下委員から強くたしなめられておりましたが、すでに都の保険課長が逮捕されたときに、前保険局長は、事件はこれ以上発展することはないと思うというようなことを勝手に声明をされたように聞いております。私はその局長の説明を大臣も受けて、何かこう安心しておられるのではないか、もうこれで大丈夫だというふうな安心感の上に立っておられるのではないかということを、非常に心配するものであります。承わるところによると、保険局の課長以上で、一人ならず、警視庁に数回ならず召喚をされている。私はそれらのことについても、どういう事情があったかということは、やはり明らかにすべきではないか。もちろん、それはその人を責めるということよりも、その明らかにされた事実を通して保険行政を変えていく必要がある。そうでないというと、山下委員の言われた、いわゆる保険一家、よいにつけ悪いにつけ保険一家、このボーナスには別にまた手当が出る、従って、保険局は非常にいいところだというふうな、こういう意見も新聞に出ております。私はこういう意見を、こういう見解を一掃するためにも、もっときびしい態度で臨まれなければ、国民がなかなか納得しないと思います。特に保険局長を繁務局長に移して、それで事足れりとするようなことではわれわれは納得できません。やはりとらすべきものは責任をちゃんととらしていただきたい。この点を最後に一つ申し上げて、大臣の御意見を聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/40
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041・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 私はもう問題は非常に重大だと思っておりまするので、根本的な対策につきましても、また、今回の事件につきましても、ありました事実は全部私は報告を求めておるつもりでございますから、省内からも求めておりまするし、また、警察や検察当局からも私に対して遠慮なくおっしゃっていただけるように申しておるのでありますが、ただいまお話がございましたように、何か保険局の課長が、小沢課長以外にも何べんも呼ばれているようなお話でございましたが、さような事実は全然聞いておりません。私は相当真剣に事態を糾明をいたしておったつもりでございますから、まさかそういう事実がありながら私が知らないということではないと思っておりますので、今回の事件につきましては、小沢課長以外に取り調べられた者はないものと私は信じております。なお、これで足れりと私は思っておりませんこの問題自体は非常に大きな疑惑を招きましたし、とにかく一度あることは、同じ立場に同じものがあれば、同じことがやればやれるわけでありますので、そういうことのないように考えて参らなければなりませんし、それからさきにも申し上げましたように、ほかの部面でも金銭を扱う部面もございまするので、そういうことのないように、十分、私、心して検討いたして参りたいと思います。なお、今後も何かお気づきの点がございましたならば御指摘をいただき、また、御叱正を賜わりまするならば、その点につきましては、なおなお気をつけて参りたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/41
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042・久保等
○委員長(久保等君) ちょっと速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/42
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043・久保等
○委員長(久保等君) 速記起して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/43
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044・坂本昭
○坂本昭君 最後にという言葉を使ったのですが、打ち切りの意味ではなかったのです。今のように継続にしていただいて、本日は一応これでやめる。
それから今、小沢課長の名前が出ましたが、私が言ったのは、課長段階以上の者が一人ならずと、複数で私は申し上げたのです。その点大臣としても十分御検討を加えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/44
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045・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) ただいまお話のようでありますが、私御報告申し上げました者以外にはもう含まれていないと思っております。私も万一にも何かあったらいかぬと思いまして、自分で連絡したこともありまするし、次官も実はたびたびその方につかわしておるのであります。万々そういうことはないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/45
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046・久保等
○委員長(久保等君) 健康保険等に関する職員の汚職問題についての本日の質疑はこの程度にいたし、さらに国民健康保険法案及び国民健康保険法施行法案の質疑につきましても、これを次回に譲りたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/46
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047・久保等
○委員長(久保等君) 御異議ないと認めます。
本日は、これにて散会いたします。
午後三時一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114410X00119581216/47
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