1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年四月十五日(金曜日)
委員会において次の通り小委員及び小委員長を選
任した。
道路交通法案審査小委員
相川 勝六君 飯塚 定輔君
加藤 精三君 纐纈 彌三君
田中 榮一君 富田 健治君
三田村武夫君 太田 一夫君
川村 継義君 阪上安太郎君
門司 亮君
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道路交通法案審査小委員長 相川 勝六君
昭和三十五年四月十五日(金曜日)
午前十時四十分開議
出席委員
委員長代理 理事 纐纈 彌三君
理事 飯塚 定輔君 理事 田中 榮一君
理事 吉田 重延君 理事 加賀田 進君
理事 門司 亮君
相川 勝六君 金子 岩三君
川崎末五郎君 鈴木 善幸君
高田 富與君 津島 文治君
富田 健治君 三田村武夫君
山崎 巖君 太田 一夫君
川村 継義君 安井 吉典君
出席政府委員
警察庁長官 柏村 信雄君
警 視 監
(警察庁保安局
長) 木村 行藏君
警 視 監
(警察庁刑事局
長) 中川 董治君
委員外の出席者
警 視 長
(警察庁保安局
交通課長) 内海 倫君
通商産業事務官
(重工業局自動
車課長) 佐々木 学君
運輸事務官
(自動車局総務
課長) 黒住 忠行君
運輸事務官
(自動車局業務
部長) 梶本 保邦君
建設事務官
(道路局次長) 前田 光嘉君
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本日の会議に付した案件
小委員会設置並びに小委員及び小委員長の選任
に関する件
連合審査会開会に関する件
参考人出頭要求に関する件
道路交通法案(内閣提出第五八号)(参議院送
付)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/0
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001・纐纈彌三
○纐纈委員長代理 これより会議を開きます。
濱地委員長には本日病気のため出席できませんので、その指名によりまして私が委員長の職務を行ないます。
まず小委員会設置に関する件につきましてお諮りいたします。すなわち、道路交通法案を審査するため、本委員会に小委員十一名よりなる道路交通法案審査小委員会を設置することとし、その小委員及び小委員長の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任を願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/1
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002・纐纈彌三
○纐纈委員長代理 御異議なしと認めます。よってそのように決しました。
それでは小委員に
相川 勝六君 飯塚 定輔君
加藤 精三君 纐纈 彌三君
田中 榮一君 富田 健治君
三田村武夫君 太田 一夫君
川村 継義君 阪上安太郎君
門司 亮君を指名いたします。
なお、小委員長には相川勝六君を指名いたします。
なお、本小委員会の小委員及び小委員長から辞任の申し出がありました場合には、そのつど委員会に諮ることなく委員長においてこれを決定することとし、またその補欠選任につきましては、委員長の指名に御一任願っておきたいと存じますが、これに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/2
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003・纐纈彌三
○纐纈委員長代理 御異議なしと認めます。よってそのように決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/3
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004・纐纈彌三
○纐纈委員長代理 次にお諮りいたします。すなわち、道路交通法案について来たる二十二日参考人より意見を徴することとし、参考人の人選等につきましては委員長に御一任願いたいと存じます。これに御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/4
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005・纐纈彌三
○纐纈委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/5
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006・纐纈彌三
○纐纈委員長代理 次に、連合審査会開会に関する件につきましてお諮りいたします。すなわち、去る六日、道路交通法案について運輸委員会から連合審査会開会の申し入れがありました。この申し入れを受諾して、運輸委員会と連合審査会を開会するに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/6
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007・纐纈彌三
○纐纈委員長代理 御異議なしと認めます。よってそのように決しました。
なお、連合審査会開会の日時につきましては、運輸委員長と協議の上、追ってお知らせすることといたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/7
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008・纐纈彌三
○纐纈委員長代理 これより道路交通法案を議題とし、質疑を継続いたします。門司亮君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/8
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009・門司亮
○門司委員 きょうは大臣が見えておりませんので、大臣の提案理由の説明に対する質問はあとにさせていただきまして、最初に実質的なお尋ねをしておきたいと思います。
最初に運輸省の方にお聞きしておきたいと思いますが、御承知のように昭和三十三年四月二十二日に、本委員会で交通事故防止に関する決議を行なっておるのであります。このことは委員会の決議であります関係から、政府当局も大体御存じだと私どもは考えておりますので、そのことについてまず委員会の決議がどういうふうに具体化されつつあるかということを先に聞いておきたいと思います。
ここで決議いたしましたものは、自動車運送事業の適正化についての問題であります。この中には「自動車運送事業の公共性にかんがみ、その事業の適正化による交通事故の防止をはかるため、さきに交通事故防止対策本部において決定された労働条件の改善、給与体系の適正化等の事項についてその完全な実現を期すること。」こういうことを本委員会ではきめております。これらに対してどういうことが今日まで具体的に行なわれておりますか、もし事実があったらこの際御報告を願っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/9
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010・梶本保邦
○梶本説明員 ただいまお話しの交通事故防止に関する決議が当委員会でなされましたことは、われわれも十分承知いたしておるところでございます。交通事故防止に関する問題が最近特に大きな問題になっております。運輸省といたしましても、この問題は何よりも重大な問題でございますので、機会あるごとにこの方向に向かってやって参ったわけでございます。特に一昨年あたりから、いわゆる神風タクシーというありがたくない名のもとに、世論においても大きくこの問題がクローズ・アップいたして参りましたので、運輸省といたしましては、運輸規則の改正を行なうというふうなことをいたしたのでございます。
具体的には、いろいろの機会に、どういうふうな方法をとったかということも繰り返して述べられておるのではございますが、一応大ざっぱに申し上げますと、まず乗務員に対しての休養施設の整備を義務づける、あるいはまた特定の陸運局長が指定する地域におけるハイヤー、タクシーの事業者に対しては、運転者の乗務距離の最高限の設定を義務づけるというふうなこともいたしております。それからまた問題のノルマの禁止というふうなこともいたしております。また運行管理者という制度を設けたのでありますが、特に運行管理者につきましては、当国会に、さらに道路運送法の改正によって法律事項とするように目下御審議をいただいておりますような段階でございます。そういうふうなことをいたす半面、特に事業監査ということを強力に行ないまして、それによって未然に事故の防止をするというようなことも強力にいたしておるわけでございます。最高限の制限乗務距離の問題は、東京・川崎、横浜、それから京阪神の三地区において行なわれたのでございます。それからもう一つ、神風の問題の一つの原因になっておりますところの給与体系でございますが、要するに歩合給の比率が非常に多過ぎるというようなことがこの神風を招来しておるのではないか、もっともっと安んじて日常の業務に携わり得るように、固定給の歩合を高めるべきではないかというようなことから、そういった面の指導も行ないまして、その面も改善されて参っておるようなわけでございます。そういうふうなことが旅客関係について言えると思うのでございます。
それから貨物関係につきましても、やはり同じような方法をわれわれとしてはとって参ったのでありまして、休養施設だとか、あるいは辻行管理者等については全く同じでございますが、特に長距離の路線貨物の場合におきましては、運転乗務の適正と申しますか、そういったことによって運転者の適正な交番制を確立する、それによっていたずらに疲労が増すというふうなことのないような措置をとるようなことにいたしておるのでございます。たとえばそれがためには予備運転者を配、旧するというふうなこともいたしておるわけでございます。それから適正な運行ダイヤというものを確立すること、ここからここまでの距離は大体何時間で運行するというようなダイヤを適正に作ることによりまして、途中でいたずらに速力を出して事故を起こすことのないようにという方法もとったのでございます。またいわゆるトンボ返りと申しますか、行った先ですぐに折り返してまた乗務をするというふうなことがまた事故を増す原因にもなっておりますので、そういったことも改めて、十分に休養をとらすという指導もいたしておるわけでございます。特に昨年からは、御決議のあと、東海道、山陽線の定期路線トラックの業者三十六業者につきまして、運行管理、労務管理について特別監査を実施いたしたのでございます。給与体系はどういうふうになっておるか、あるいはまた適正な運行ダイヤというものがはたして実際に設けられておるかどうかということも、特別監査を実施いたしまして、それぞれに警告を発すべき点については警告を発するということをいたしまして、業界を指導して参っておるのでございます。この事故防止の問題は、機会あるごとにわれわれといたしましては推進していかなければならない大きな問題であると考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/10
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011・門司亮
○門司委員 今一応の御説明は承りましたが、実際はそれとは少し違うのじゃないですか。きのうかおとといだったと思うのですが、神奈川県で砂利トラックの積載量の検査をいたしましたときに、大体七トンか七トン半ぐらいの車が一番大きいと思うのだが、それに三トンないし四トンよけいに積んでおった車がかなりたくさんあった。一トン以下の過剰をしておったものはきわめてわずかであります。こういうものが平気で横行しておるのでありますから、今の御答弁については私はあまり納得するわけに参りませんが、ここで聞いておきたいと思いますことは、この問題を処置しようとすれば、運転手だけをどんなに取り締まってもどうにもなりません。ここに新聞がありますが、そのときの運転手は、そんなことを言ったって、親方に言ってくれなければ、親方が積んでいけというのだからしょうがないと言っている。これはただ出先の運転手を幾ら取り締まったところで取り締まりのできるものじゃないと私は思うのです。それらについて、事業主といいますか、そうさせる人たちに対する取り締まりは一体どういうことが行なわれておるのか、その点をもう一度聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/11
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012・梶本保邦
○梶本説明員 お話のように、われわれが機会あるごとに指導をいたしましても、よく問題を起こしますのがお話しの砂利トラックでございます。私どもも新聞で見るたびに、また砂利トラックが問題を起こしたかというふうな非常に暗い気持になるわけでございまして、まことに先生のお話の通り、私どもも常日ごろさように考えておるわけでございます。大体砂利トラックを実際やっておりますのは、自家用のトラックがほとんど大部分でございます。この点私どもとしては、営業用トラックの場合に比べまして、指導監督の面が同じようなわけにはいかない面があるわけでございます。もっとも自家用トラックにつきましても、使用届け出義務はもちろん道路運送法によって課しておるわけでございますが、運転者の労働条件という問題につきましては、労働基準法の関係もございますし、またいろいろ警察取り締まりの関係等の面もあるわけでございまして、私どもとしては、もう機会あるごとにこの問題については関係各庁とは連絡をとっておるつもりでございます。
なお、運転者の問題と別に、経営者の問題をどうするかという問題があるわけでございますが、この問題につきましては、先ほども申し上げました道路運送法の一部改正を当国会で御審議いただいておるわけでございますが、われわれとしましては、輸送の安全を確保するための保安命令というものを出し得るように改正を考えておるわけでございます。もっともただいままでも一番ひどい場合にはいわゆる事業の停止とか免許の取り消しというふうな処分を行なっております。それからまた事業改善命令というふうなものも出しておったのでございます。法律に違反していない場合で、なおどうも社会的に見ておかしい、もう少し妥当なことが行なわれないかといった場合に出すのが事業改善命令でございますが、法律に違反しておる事実があるという場合に、事業者に対して営業の免許の取り消しまでいかないもう一つ前の段階において、一つの保安命令というものが考えられるのじゃないかということで、道路運送の一部改正をただいま御審議を願っておるような状態でございまして、お説の通り、ただ運転者だけを取り締まって万事終われりというわけのものでは決してないと私どもも考えておりますので、この点御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/12
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013・門司亮
○門司委員 私は、今の御答弁の中でちょっと気がかりなことがありますので、その点をもう一度聞いておきたいのであります。それは自家用車と一般営業用車との間に何か取り締まりの較差があるような御答弁があったように拝聴しましたが、もしこういうことがあるとすると非常に大きな誤りだと思うのです。自家用車であろうと営業用車であろうと、交通事故は同じなのですから、自家用車だからよけい積んでもよろしいのだ、営業用車は積載量を規制するのだというものの考え方がもしあるとすれば、私は非常に間違いだと思う。もし事故の原因の状態を比べて、大体ハイヤー、タクシーの運転手の事故が多いのか、自家用車の事故が多いのかというと、ことに酔っぱらい運転などというのはほとんど自家用車だ。だから、ものの考え方が今の御答弁のようなことでは承知するわけにはいかない。われわれが考えておりますのは、交通事故全体をどうしてなくするかということです。だからそこに自家用車と営業用車の区別をしてもし政府が取り締まりその他の手かげんをしている、あるいは考え方が違っておるということになると、これは根本からものの考え方を変えてもらわなければならぬ。自家用車だからこれはよろしいのだ、営業車だからこれは取り締まれという、法の前に不平等な取り締まりをしてはならぬということは、皆さんの方がよく御存じだと思う。今の御答弁を聞いておりますと、何か法の前の差別があるような印象を受けるのですが、これはどういうことなのですか。自家用車であろうと何であろうと、交通事故をなくするためにはきちんとしたものがあっていいと私は思う。それは自家用車で雇用主がないのだからというお話かもしれぬ。しかし実際の問題は、自家用車の免許を受けておっても、自家用車の免許を受けた人が運転しているわけじゃない。自家用車の免許を受けた人に雇用されたほかの者が運転している。だから営業用車と何ら変わりがない。他人の仕事をして収益を得ておるか、あるいは自分の仕事をしてその中から収益を得ておるかということの違いだけなのです。運転や労働条件というものは何ら変わっていない。これはどうなのです。今の御答弁では納得するわけにいかぬが、むしろ自家用車こそそれが多いのじゃないかという考え方を私は持つのですが、その点の取り締まりをもう一度御答弁願っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/13
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014・梶本保邦
○梶本説明員 私の言葉が足りなかった点は申しわけございませんが、道路運送法を所管いたしております運輸省としましては、営業者に対する事業監督といういわゆる管理法規の面からと、それから自家用に対する面と、道路運送法の規制の仕方が異なっておるということを申し上げたのでございまして、交通事故そのものを事故としてながめました場合に、それがバスであろうと、トラックであろうと、自家用であろうと、営業であろうと、交通事故そのものはやはり交通事故として問題でございますし、いかなる面から考えましても、事故そのものは撲滅していかなければならないものでございまして、私はそういったことの相違を申し上げたのではございませんが、ただ少し言葉が足りなかったかと思いますので、この日…は追加さしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/14
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015・門司亮
○門司委員 その次に、運輸省関係で持っておいでになります一つの大きな交通上の問題として聞いておきたいと思いますことは、バスの路線の免許の関係であります。このことは道路の整備の方にも関係をいたそうかと思いますが、御承知のように、狭い道路に非常に幅の広い車が通っておる。外国人に言わせますと、日本の運転手は曲芸だと言っている。よくあんな道を走るものだ、そして事故のないのが不思議だ、こう言っている。日本の運転手くらい曲芸をしている運転手は私は少ないと思うのですが、運転技術を越えた一つの曲芸だ、こう言っている。これは道路の幅が狭いからやむを得ぬといえばやむを得ぬのですが、路線を認可される場合に、車の大きさその他等についての考え方を考慮しないでこれが許可されているかどうかということについて、私どもは不思議でたまらない。だんだん型が大きくなってきておる。これは営業者の方からいわせれば大きい方がいいかもしれない、あるいは地元の人からいっても、交通竜がふえてきて、あまり込むより込まない方がいいということで、大きい方がいいかもしれない。しかし、交通行政の面から見ていきますと、きわめておかしな形で、問題がありそうに考えられる。そのことのために沿道の住民は私はかなり迷惑をしておると思う。そういう路線の免許についての取り扱いというものが、私は考えてくるとそういうことになるのですが、運輸省の方針それから運輸省が今日まで許可された考え方というものをこの際聞かしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/15
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016・梶本保邦
○梶本説明員 この問題も、最近各方面からいろいろ御批判をちょうだいいたしておる問題でございます。道路運送法百二十四条の規定がございますのは先生御承知の通りでございますが、道路管理者の道路管理上の意見を聞くということになっており、それからまた昭和三十年の十一月に運輸事務次官と警察庁次長との間の覚え書のあることも御承知かと思いますが、その覚え書によりまして、都道府県公安委員会の交通保安上の御意見を聞く、こういうことになっております。そしてその御意見をちょうだいした上で実際の免許なり却下なりの処分をいたしておるようなわけでございまして、道路管理者あるいは公安委員会の方から、これは中型の車両でなければならないというふうな御意見をちょうだいいたしました場合には、それを条件につけて免許をしておる、こういうふうな状態にただいまなっておるわけでございます。ただいまバスについてのお話でございますが、貨物路線・トラックにつきましては、また本年に入りましてから特別に通達を出しまして、この問題につきましては、事業所の設置というふうな問題についても特に御意見を伺うようにというふうに全国の陸運局長に通達を出しておるわけでございまして、あえてバスといわず、トラックといわず、この問題についてはお説のようにいろいろ世間で問題になっておる点もございますので、われわれとしては十分に注意してやっていきたい、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/16
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017・門司亮
○門司委員 もう一つこの問題で聞いておきたいと思いますことは、今のお話だと、三十三年ごろから、そういうことになっておるかもしれぬと思いますが、大体過去にさかのぼっての免許の取り消しというようなことはおそらく行なわれていないと思います。これをもしやったら、既得権の侵害だとか、ハチの頭だとかいうことで、うるさい問題が起ころうかと思います。そういうところに問題があろうかと思いますが、それらの問題については政府はよく考えて、新しいそういう法律ができ、新しいそういう申し合わせがあるならば、できるだけそれに沿うように改善をするようなことができないかということです。今からでもおそくないと思う。どう考えても非常に無理だ。ことに運転手の疲労ははなはだしい。実際問題として、乗っておる方がひやひやして、途中でおろしてくれというようなところがありますが、その点は一ついずれかの方法で気をつけてもらいたいと思います。
もう一つ聞いておきたいと思いますことは、バス路線等に対する競合の問題がかなりあるわけです。それで、この路線はAの会社だとか、この路線はBの会社だとか、先に申請したとか、あとに申請したとかいうようなことで、同じ路線を三つ、まごまごしておると、四つくらいの異なった会社のバスが通っておる。これは具体的に言いますと、公共団体の立場から言いますと、非常に迷惑である。営利会社の車は、あなたは実際を御存じかどうか知りませんが、ラッシュ・アワーだけは割合ひんぱんに通す。しかし、日中の通らないようなときには、ほとんど通らないと言っていいくらい通さない。公営事業の方はそうはいきませんから、やはり朝から晩まで計画的にずっと車を通す。そうすると、そこに必然的に赤字の…題が出てくる。こういう可能性を非常に持っておる。一つの行政のあり方として、民営との間の競合の問題が実は起こってくる。そして地方の公共団体の経営する事業等の赤字が出てくるというようなことが往々にしてあるのです。こういうものに対する監督は一体どこでせられておるか、運行上の状態を見られておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/17
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018・梶本保邦
○梶本説明員 バスの運行回数の問題は、いわゆる事業計画の内容の一つをなすわけでございます。この事業計画の内容を、一番最初に事業をします場合はもちろんでございますが、事業を始めてから変更いたします場合も、これは認可条項になっております。従いまして、運行回数を、今まで十回やっておったものを十五回にするとか、あるいは十回やっておったものを五回に減らすというような変更の場合には、当然これは認可の対象になっておるわけでございます。それは書面で出て参りましたものを、現状では陸運事務所の方で審査をいたしておることになっておるわけでございます。もちろんそういった点は十分にダイヤの面で、一日のうちのある一定の時間だけに固まってしまって、他の時間帯は非常に空白になるというようなことのないように、現地においては十分に審査しておるものと私は考えております。運行回数そのものは認可の対象になっておるわけで、事業者が勝手に適当な時間にやるというわけのものではただいまのところないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/18
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019・門司亮
○門司委員 その程度の答弁でどうしようもありませんが、回数は実際違うのであります。ラッシュ・アワーのときに十回通して、あとは通さない。だから十回通すようになっておっても、ラッシュ・アワーの都合のいいときにだけ通して、あとは交通の便、不便は考えないで通さなくとも、十回通したことになるのです。だから時間割までもきちんと許可しているわけではないと思う。そういうところにも問題がありはしないかと思う。
それはそれとして一応おいておきまして、その次の問題として聞いておきたいと思いますことは、今も聞きましたように、また御答弁のありましたように、道路の幅と車の大きさというものが非常に大きな関係があるのでありますが、運輸省として一応お考えになっております、これは考え方だけを聞けばよろしいかと思うのでありますが、道路の幅と自動車の幅というのは大体どのくらいの程度が妥当であるというようなことが考えられておりますか。もしお考えがあるなら、一つあなたの理想と考えられる線1これはわかりにくいかもしれませんが、私の聞いておりますのは、たとえば狭い道路に大きな車を通しますと、一台しか通らない。そして交差することができないから、片方はあとに戻っていかなければならないか、あるいはそこでいろいろなことをしなければならぬ。あるいは狭いところに大きな車が歩くと、自転車も通れない、人間はヤモリのように壁に張りついていなければ通れないというようなことがある。従って理想的にいって、唯の幅と道の幅の関係はどのくらいあればよろしいか。これは歩行者の関係もありますから、理想的なものは一体どれくらいか、このくらいが理想的なものだということがあるはずだと思う。なければよほどどうかしていると思うが、一つ考え方をこの際教えておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/19
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020・梶本保邦
○梶本説明員 この問題は、御承知の道路運送法と並んでわれわれの一つの基準になっております道路運送車両法の中に規定があるわけでございまして、そこで自動車の大きさというものはこれ以下のものでなければならないというふうに書いてあるわけでございます。それによりますと、自動車の幅は二・五メートル以下ということになっているわけでございます。運輸省は自動車の制限というものを必要以上に大きくし過ぎているのじゃないか、けしからぬのは運輸省であって道路の方じゃないということをよく言われるのでございますけれども、道路運送車両法ができましてからこの方はもちろん、道路運送車両法の前身でございます車両規則というのが終戦直後にできたのでございますが、それ以後今日まで、自動車の大きさを規制しております制限はただの一センチも運輸省としては変えていないのでございます。自動車の大きさというものは一定し続けておるわけでございまして、別にこの十数年来、自動車の制限を徐々に解除して大きくして参ったというようなことはございません。この点は一つ運輸省の立場を御了承いただきたいのでございます。そういうわけで、現在の道路というものが問題になるのだと思うのですけれども、道路構造令というのは——これは建設省の問題で私から申し上げるのは失礼でございますけれども、五・五メートル未満のものが国道、都道府県道の中にも非常に多い、大半のように私ども聞いておるわけでございます。ですから今二・五メートルの幅があれば、かりにすれ違うとすれば五メートル、それが優にすれ違うだけの幅の道路があれば非常にけっこうだと考えるのでございますけれども、運輸省としましては決して自動車の幅をむやみやたらに大きくすることだけを念願として行政指導するとか、そんなことはございませんので、終戦この方一定した方針でやっております。それが国際水準であるわけでもございますので、この点一つ御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/20
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021・門司亮
○門司委員 私は別に責めるわけじゃないのです。私ども比較的こういう問題については実際はうといのです。商売人じゃありませんから。従って法律を改正する場合には、できるだけあなた方の率直な意見をお聞きして、できればそのことによって交通の安全を保つような法律をこしらえたい。また、いろいろな各省にまたがる問題であれば、各省にまた話をして、そうしてできるだけ改善をしていきたいということで聞いておるのであります。決してあなた方を責めて言うわけではありませんので、一つ率直に意見を聞かせていただきたいと思う。運輸省の意見としてはこういうものが望ましいということ。建設省は建設省としての言い分があろうと思う。通産省は通産省としての言い分があろうと思う。おのおのの言い分を聞いて、よりよい交通行政を打ち立てていきたいというのが私どもの念願でありまして、決して私どもは、運輸省はけしからぬとか、あるいは通産省はけしからぬとかいうことでこれを責めよう、責めただけでものが解決するとは毛頭私ども考えておりません。法律が法律ですから、特に私ども慎重な態度で進めていきたい、こういうふうに考えております。一つ各省に遠慮しないではっきりしたことを言っていただかぬと、問題がだんだんこじれてくると少しうるさくなると思いますので、その点を一つ御了承願っておきたいと思います。
それで、今のお話のようなことでは、運輸省としての見識がなさ過ぎるのではないですか。道路が狭いんだから仕方がないということがあるかもしれませんが、しかし一応運輸省としての運輸行政に対する——道路の幅と車の幅、車の大きさというものの、大体このくらいが妥当だという一応の線が出てくるはずだと思うのです。たとえば道の二分の一以下でありたいとか、十分すれ違えるものが必要だとかいうようなものがどこかになければならないと思うのです。基準を持たないでやられているのではかなわぬです。とにかく道の幅がどれだけあろうが、車の幅が広かろうと、そんなことは一切おかまいなしということになる。そういうものを規制するという言葉を使うと少し行き過ぎかもしれませんが、そういうものが運輸省の中にどうしてもなければならないと思う。だから今の答弁でなくして、運輸省の理想的な道路というもの、運送というものはこういうものだということを率直にお話し願えませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/21
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022・梶本保邦
○梶本説明員 最大の自動車の幅ニメートル半と考えました場合には、行き違う場合を考えますと、少なくとも私は五・五メートル以上なければならないと考えております。それから一方通行の場合でありますと、やはり二・五メートルでございますから、われわれの立場とすれば三・五メートルはほしい、かように考えております。しかし、それは理想論でございまして、実際にはなかなかそうは参りません。しかし、そうかといって自動車を通行させないということも、また社会的にも活動を阻害するというふうなことがございますので、退避所を設けるとか、途中一部行き違いの個所だけは道路の幅員を広げるとかいうようなことによって現実をうまくやっているというのが今日の実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/22
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023・川村継義
○川村委員 関連して。今、通産省のお話ですが、非常に狭い道路を大きなバスが通っておるというような、そういう例ですね。それはやはり今までの、営業を認可されたという関係もありましょうが、これから何か変更して交通の危険をなくするというような立場から、たとえば路線の変更をさせるとか、その路線を運行することを取り消すとか、そういう処置はできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/23
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024・梶本保邦
○梶本説明員 ただいまのお話でございますが、実際に大きなバスが走っておる、そのバスを直ちに小さいバスに切りかえろというふうなことは、定員の問題にも関係して参ります。大きいバスで運んでおったのを小さいバスに切りかえました場合は、乗車定員の問題も出て参りますし、またその大きなバスの処置をどうするかというふうなこともございまして、直ちに今走っておるのを切りかえろということも実際問題としては困難ではなかろうかというふうにも考えます。もしそういったことができるといたしますと、やはり運行回数を増さなければならない。今まで大きいので十回運行している、それを中型にかえますと、たとえば十五回運行しなければならぬというふうな、輸送需要が一定であると仮定いたしました場合には、そういったことも出てくるのではないか、かように考えます。そうすると、今までの道路を十回走っておったものが、たとい中型になるとはいえ回数がふえるというような他の面での問題も出て参るわけでございますので、この辺実際問題を処理するにあたってはいろいろ問題があろうかと思いますが、この問題につきましては、関係の方面と十分に意見をかわしまして、討議の上でこの問題はやっていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/24
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025・川村継義
○川村委員 確かにお話しのようにこれは大へんむずかしいこととだと思います。ただ門司委員に対する先ほどのあなたの答弁を聞いておりますと、終戦後から運輸省としては車の規格等をどうこうしたということはない、そう言われますと、道がだんだん狭くなったような感じを受ける。そうではないと思う。そうなると、初めそういう狭い道にそういうバスを認可されたということがすでに間違っておった、妥当でなかった、こういうことが言えるのじゃないか。今日このように交通量がひどくなってくる、だんだん変化して参ると、当然それを変更される処置が必要になって、くるのではないかとわれわれは考えざるを得ないのです。先般警視庁の方と私ちょっと市内へ出たのですが、よく土地の名前を覚えておりませんが、板橋方面でした。巣鴨の駅の近辺だったと思いますが、滝野川とかいう町があったと記憶します。駅に通ずる道が繁華ですが非常に狭い。それに大きなバスが通っているのです。私は、ああいう大きなバスが初めから認可されたんだろうか、こういうふうに疑問を持っている。あるいは初めはそうではなくて、会社がだんだん需要にこたえるためではあろうけれども、大型のハスを持ち込んできてやっているのではなかろうか、こういうことを感じたのです。私が今申し上げましたようなところをあのままにしておかれるということでは、どんなにりっぱな交通網ができたって、不安というもの、交通の混雑というものを緩和する、あるいは危険をなくするということは私はできないと思う。そういう点はやはり十分考えていただきませんと、バスは背から一定しているんだ、どうも困るといって、今すぐ道を広げるわけにいかぬでしょう。そういうことも、運輸省としても十分研究してもらわなければならぬと思うのですが、こういう点いかがですか。何か各関係省と話をして、交通事故をなくする、交通の円滑をはかる、安全をはかるという点から参ると、そういう点に検討を加えることができたら、そういう路線はバスを通さない、あるいは小さいバスに切りかえさせるとかなんとか、そういうことをやるべきではないかと思うのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/25
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026・梶本保邦
○梶本説明員 ただいまのお話、私自身まことにごもっともなお話だと思います。私自身も、やはりそういった場合に遭遇いたしまして、困るなと思うような事例に当たっているということも、やはり日常生活においてございます。この問題は、一つ運輸省だけではなしに、関係方面と十分に協議をいたしまして、善処していくようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/26
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027・田中榮一
○田中(榮)委員 関連して、ただいま門司委員から道路の幅員とバスの幅員の関係につきまして御質問があったのでありますが、私も毎日都内、それから地方の都市を自動車で歩いておりますと、今門司委員から御質問になったようなことを至るところで痛感をいたしておるわけであります。そこで現在のバスの型式につきましては、おそらく日本の一定の型式なり世界の自動車製造会社の一定の規格というものがございましょうから、これを一ぺんに小さくすることは、いろいろ輸出の関係とかそういう方面に影響するところが大きい。そういうところには小型のバスを通すということが必要であろうと思うのでありますが、現に私の住んでおります麻布の十番街、昔十番々々と言っていたところが最近非常に繁栄しておりますが、バスが交換することが非常に困難な状況にございますので、一昨年からあそこを一方交通にいたしまして、行きの車は麻布の一ノ橋から六本木に向かって通しますけれども、帰りの車は、そのすぐ裏に路線がございまして、他の路線を通過させる。そういうように一方交通でやらしたところが、利用する側はだんだんなれてきますと、それに順応いたしましてそう不便を感じない状況にございます。数年前でありましたが、大井の省線の駅の前に細い商店街がございまして、ちょうど年末で松飾り等が店頭に突き出されて飾られて、そのために女学生がバスと電柱との間にはさまれまして圧死したという事故もあったように記憶いたしておるのであります。そういう事件でなくても、往復の車馬の交換に非常に一般が迷惑をする。
従ってこの点は一応警察庁の木村さんにお伺いしたいのですが、全国の警察の方へ一ぺん照会をされて、非常に狭くて困るようなところについては、もしその付近に他の適当な路線があったならば、バスとか大型トラックにつきましてはそこだけ一方交通にして、行きはその通りを通っても帰りは細い部分だけは他の路線を走るとか、何とかそういう便利な方法があるのではないかと思いますが、一度全国的にそういう点を御調査願いまして、特にそういう現象のひどいところにつきましては、何とか運輸省と相談をされましてそういう措置を講じられたい。ただ注意しなければならないのは、ときにその土地の住民の考え方が二つあると思うのです。交通はそういうふうに詰まってしまって非常に混乱を来たしても、その土地の繁栄のためにぜひ通してもらいたいという者がありましょうし、それから現実に、そんなに交通が混雑しては困るのだ、商売にも非常に影響するのだというのと二つあると思うのです。従って、その土地の住民の意向等も十分参酌していただきまして、特にひどいところ、また事故の頻発する場所等は、一ぺん御調査を願って英断をもって一方交通にする。それはその部分だけでありますから、大して路線全体に影響するところはないと思うのですが、その点も一つ御調査願ったらどうかと思っております。都内でも相当そういうところはありますが、特に地方都市におきまして、私は、この間大阪へ行ったついでに奈良へ寄りまして、奥山めぐりの観光バスに乗ってみたところが、そのバスが家の軒と軒との間をすれすれに通っておりまして、あの付近の住民の方々も非常に困っていらっしゃるのではないかと思いました。それはほんの一例でございますけれども、そういう点一ぺん実情をよく御調査願ったらいいんじゃないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/27
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028・木村行藏
○木村(行)政府委員 ただいまの問題につきまして、お三方から実情についていろいろ申されましたけれども、私たちも、実は実態については全く同じような感じを持っている場合がたくさんあります。従いまして、現在もっと正確に実態を知りたいというわけで、今田中先生がおっしゃったような事情について調査を求めておりますので、近いうちにそれがまとまると思います。それに応じてまた運輸省なり関係方面に十分な連絡もし、協力をして参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/28
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029・門司亮
○門司委員 今田中委員から聞かれましたこと、川村委員から聞かれましたことも、さっき申し上げました三十三年の四月二十二日の本委員会の決議事項の中の一つでありまして、新しいこの法案を出される前提として、私どもはこういう決議をしておって、大体今度の法律案の内容はこの決議に基づいてと申し上げると少し言い過ぎかもしれませんが、そういうような条件がかなり取り入れられていると思います。しかし実際には、今同僚からもお話のありましたようなことが具体的にまだなっておらないというところに、私ども非常に問題が残されておると思います。しかし、このことはいずれまた法案の逐条審議なり検討いたすときに申し上げるとして、きょうは総括的のことだけお聞きしておきます。
次に通産省にお聞きしておきたいと思いますことは、今のお話のようでございますが、通産省として、たくさんこしらえております車の最大限というものは、今どういうものができておりますか。積載量が幾らで幅が幾らで長さが幾らだということが通産省にはっきりわかっておるはずですが、それを一つこの機会に教えておいていただきたいと思います。今の二・五メートルという運輸省の規定に合わせないで、ほんとうの規定を教えて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/29
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030・佐々木学
○佐々木説明員 正確なところ、実ははなはだ恐縮でございまして、記憶しておりませんが、トラックは大体積載量が十一トンが最高であります。それからバスはいわゆる八十人乗りが最高でございます。全長につきましては正確な資料を持っておりませんので、御一必要ならばまた後ほど提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/30
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031・門司亮
○門司委員 通産省は少しおかしいですね。あなたのところでこういうものをみんな許可してこしらえさせているのです。その責任者が幅や長さがわからぬようなことで一体どうするんです。こんなでたらめでいいんですか。通産省は一体何をしているんです。私はこんなことを言いたくはないのですけれども、日本の道路をどうするかということにしても問題があるのです。このことはさっき申し上げましたように、決してあなた方を責めようとして聞いているんじゃない。総合的に率直な意見を聞かしてもらって、そしてその中で総合的な対策をどう立てていくかということを研究するんだ。これはほかの問題と違います。イデオロギー的に対立して議論する問題じゃありません。自民党と社会党と民社党が意見が違って、イデオロギー的に議論をするのなら、これは問題がありますよ。しかし、これはそういう問題じゃないのです。イデオロギー的に議論のできる問題じゃありませんので、私どもはできるだけ実態を知って、その上に立って、どうすればよろしいかということをきめなくてはならない責任があるんです。だから通産省が自分の所管でありながら、車の長さがわからないだの、幅がわからないだの、必要があればあとで出しますなんという不見識なことじゃ1必要があるから私は聞いているのです。今すぐ持ってきて下さい。持ってきてもらわなければ質問を続けません。そんな不見識なことをあなたの方で言うなら、私の方で持っている資料を申し上げましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/31
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032・佐々木学
○佐々木説明員 こまかな会社別の大きさについて私は詳細な資料を今持っておりませんので、さように申し上げたのでございますが、これは運輸省できめられております道路運送車両の保安基準によりまして、長さとか幅とか、そういうものの最高限度がきめられておるわけでございますので、その範囲内において、各種の大きさの車が作られておるということを申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/32
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033・門司亮
○門司委員 そういう答弁だけでなくて、ほんとうのところを聞きたい。今運輸省は二・五と言いますけれども、二・五以上の幅があるでしょう。実際にありませんか。それから長さにしても、もう少しはっきりした数字が出るはずですよ。中にトレーラーというものがありますが、これは二つつながっているから長いので別ですよ。一つ運輸省の持っておる規格を出して下さいませんか。そうしなければ議論はできません。いつ出してくれます。それも間違いのないやつですよ。いいかげんなことをすると、私の方も調査しなければなりませんから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/33
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034・佐々木学
○佐々木説明員 本日の午後中に提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/34
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035・門司亮
○門司委員 それでは次に通産省関係をもう少し聞いておきたいと思いますが、今輸入しております車、これについてはどういうことになっておりますか。日本の道路等に即しない、幅の広い、長い大きな車がかなり私どもの気持からすれば見受けられますが、外車の輸入、駐留軍の使っております車、これは自家用車として連中が持ってくるのがかなりあると思いますが、そういうものが無制限に許されておるのかどうか。道路行政と外国の車との関係を少し詳しくお話しを願っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/35
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036・佐々木学
○佐々木説明員 昭和三十年度から外車を輸入いたしておりますが、大体三十四年度におきまして八百四十四台の完成車を輸入いたしております。用途は主として観光用と報道用でありますが、観光用につきましては運輸省であるとか、それから報道用につきましては需要者からの申請をとりまして、外割をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/36
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037・門司亮
○門司委員 私はそういうことを聞いておるのではないのです。車の大きさというものについては何も制限しないでそのまま入れておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/37
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038・佐々木学
○佐々木説明員 現在のところ制限しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/38
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039・門司亮
○門司委員 そうすると、国内で制限をしても何もならないということですね、結論は……。国内でどんなものをこしらえて道路との規格を合わせようとしても、外車が自由に入ってくるのでは、国内だけを規制しても何にもならない、こういうことになりますか。ついでだから聞いておきますが、道路の幅その他等、運輸行政の上から見て、今運輸省の意見ではトラック二・五という幅の制限をしておるというのだが、乗用車についてはそういうものを一切制限も何もしていませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/39
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040・佐々木学
○佐々木説明員 乗用車につきましては、道路との関係においての生産制限というようなことは現在のところ考えておりません。いなかったわけであります。しかし、今後こういうふうな事態にだんだんなって参りますので、運輸省なりと連絡して十分検討していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/40
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041・門司亮
○門司委員 どうもおかしなことになってきましたが、乗用車でもそうですが、トラックなどもそうでしょうが、それでは一応建設省の道路を受け持たれている方に最初に聞いておきたいと思いますことは、日本の道路、橋梁は、一体積載貨物はどの程度までのものを運行することができるというような基準がありますか。もしあればこの際示していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/41
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042・前田光嘉
○前田説明員 現在道路の構造に関しましては、道路構造令によりまして幅員、それからその他道路交通に必要な基準を作っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/42
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043・門司亮
○門司委員 私の聞いておりますのは、道路の幅も一つの基準があることに間違いございません。問題は、日本の道路が悪いと言われている一つの原因に、道路の持っております力と、上を走っている車の積載しておるものとのバランスが破れておるのではないかと思うのです。われわれの記憶しておる戦前の道路行政における基礎というものは、大体普通の場合で十六トン、橋梁で十二トンでありますか、これが国道の一つの基準であったと私は記憶しておる。そういう基準がそのままであるということになれば、これは現在の道路行政上の非常に大きな欠陥がそこに一つ出てきておるということが考えられなければならぬ。つまり、道路の強靱性というものは六トンとか十トンしかない。ところが、車が十トンなり二十トンなりを積んだものが上を通るということになれば、道路の強さと上からの強さというものとの比重が破れてしまってどうにもならない。橋梁においても同じことであります。従って、道路行政自体の基準というものは、私は、必ず国にはなければならないと思うのです。いわゆる第一国道というようなところでは、道路の強靱性一は何トンまでの車を運び得るか、橋梁は何トンまで通ってもこわれない橋梁だということがなければ、日本の道路行政はめちゃくちゃであって、どうにもならぬものが出てくると思う。幾ら建設省が道路をこしらえても、これよりも強いものが上を歩いて、あとからあとからこわして歩くのでは、さいの川原の石みたいなものでどうにもならぬと思う。その辺の基準がもう少しはっきりわかりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/43
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044・前田光嘉
○前田説明員 道路構造令におきましては、現在橋あるいは高架の道路その他の構造物につきまして、道路の種類によりますけれども、一応二十トン、多少道路の交通量の少ない場所につきましては十四トンという基準を設けております。ただし、これは新たに道路を改築もしくは新築する場合の基準でございますので、現在の道路まですべてこの設計荷重に耐えるかどうかということは問題がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/44
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045・門司亮
○門司委員 実は問題はこの辺にあろうかと私は思うのです。さっき申し上げましたように、戦前の比率というものは非常に低いのです。その道路が今日まで残っている。残っているというより大部分なんです。その上を新しい非常に大きな車が通っておる。その結果が今日のような道路の非常に悪い状態を来たしておると思うのですが、どういう形で道路整備をしていこうかということについて、運輸省と通産省と建設省との間に何か話し合いをされたことがございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/45
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046・前田光嘉
○前田説明員 ただいまのお話は、自動車道路との関係における自動車の構造に関する点だと思いますが、この点につきましては、道路法に、道路の交通及び自動車との関係につきましての基準を設けるような規定がございますので、その基準を作るために過去数年来検討を続けてきておりましたけれども、先ほど来お話がございましたように、道路の現状及び社会一般の交通に対する要望その他の関係で、かりに道路の大きさ及びこれとの関連においてきめる自動車その他の制限を作ることにつきましては、いろいろ議論が出ておりまして、まだ実は成案を得ておりません。しかし、最近特にいろいろ問題が出ておりますので、何とかして近い機会に成案を得たいと思っておりまして、目下関係方面と折衝しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/46
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047・門司亮
○門司委員 この道路の構造について、今お話では大体二十トン、十四トンと、こう言われておりますが、こういう二十トンに耐え得る道路は、日本の国ではどの辺にどのくらいあるか、わかりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/47
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048・前田光嘉
○前田説明員 道路と申しましても、一級国道につきましては近くほとんど改良が済みますので、一級国道についてはこの荷重に十分耐え得ると思いますが、それ以外の国道及び地方道につきましては、キロ数も非常に多い上に、現在まだ道路というのは名ばかりでございまして、実際道路でないような実態もございますので、この荷重に耐え得る道路の量はそう多いとは言えないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/48
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049・門司亮
○門司委員 そうしますと、この道路の整備計画は、道路の拡幅並びに整備ですか一1この幅の問題も大きな問題ですから、整備の中に拡幅も入れておいてもらわぬと困ると思うのです。単に舗装することが整備のように考えられておるが、私はそうではないと思う。やはり拡幅までも考えて整備をしてもらいたいと思うのです。さっきから、運輸省の御答弁もはなはだあいまいなものであって、私どもこれをうのみにするわけには参りません。往復するところで五メートル半ぐらいだと言っておる。五メートル半では一メートルの二分の一、一尺七寸しか両端があかない。これでは人間も通れなければ何も通れない。じっとしていれば通れると思いますが、動いているのですからこれは通れません。
それはそれとして、大体建設省が現在の社会機構に合わせた道路の整備をしようとするものの中には、道路構造の強靱性というものが一つと、それから幅を広げることが一つと、大体この二つがあろうかと私は思うのであります。この辺に対する計画が何かございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/49
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050・前田光嘉
○前田説明員 御指摘のように、道路の整備には、舗装のみならず改装と申しますか、拡幅その他全般が含まれておりますが、拡幅につきましては、道路構造令に幅員に関する規定がございまして、道路の交通量と道路の重要性に応じ、また道路の所在が平地部あるいは山地部その他の状況によりまして、それぞれ基準がございます。この基準によりまして、今後改良すべき道路について改装をしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/50
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051・門司亮
○門司委員 私は、そんなことを聞いておるのじゃない。そんなことは当たりまえのことだ。聞かなくったってわかる。計画があるならその計画をはっきりしてもらいたいということを言っておるのです。大体の目標として、今の国道、県道、それから要するに産業経済に直接の関係があると考えられる市町村の主要道と目されるものについて、日本の現状における車の大きさあるいは交通の状況等を勘案して、大体このくらいでよかろうという考え方に至るまでの計画が建設省になければならないと私は思うのです。その計画があるなら書類ではっきり示してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/51
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052・前田光嘉
○前田説明員 道路の整備は、現在五カ年計画によりまして計画しております。本年度はその五カ年計画の第三年度でございまして、この五カ年計画一におきましては高速国道、一級国道、二一級国道、都道府県道、市町村道、それぞれの道路を種別によりまして整備計画を立てております。ただ、現在の財政状況におきましては、一級国道については、この五カ年計画におきまして七〇%程度は完成できますけれども、二級国道以下の道路につきましては、整備すべき量が相当ございますので、そのうちわずか何%という程度しか実は完備できませんので、五カ年計画を引き続き数回繰り返すことによって、日本の道路を完成したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/52
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053・門司亮
○門司委員 ここは建設委員会でございませんから、そうやかましいことを言おうとは考えておりませんが、政府の発表しておる五カ年計画というものは、実際には五カ年でやる仕事の量を示したというだけであって、道路の整備計画ではない。こういうふうに解釈していいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/53
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054・前田光嘉
○前田説明員 一級国道以外のその他の道路につきましては、その分量が相当膨大でございますので、わずか五カ年間でこれが完全にできるとは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/54
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055・門司亮
○門司委員 それで大体問題がはっきりします。そうすると交通との関係ですが、道路整備五カ年計画では、現在の交通状況緩和はほとんどできないと解釈しておいても差しつかえございませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/55
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056・前田光嘉
○前田説明員 現在の五カ年計画は、五カ年計画を立てました当時の道路の状況を少なくとも維持するというつもりでおりましたけれども、最近は自動車交通が非常に激しくなってきておりますので、五カ年計画の規模を拡大しなければ、むしろ道路の実態は自動車交通の伸びよりもおくれていきはせぬかという心配をしておる状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/56
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057・門司亮
○門司委員 伸びよりおくれているじゃないのです。大体全部がおくれているのですよ。だから問題が残っているのです。今日の交通事故を防止しようということ、交通を安全にしようということは、基本の問題はやはり道路だと思うのです。ところが道路の整備計画は、今の答弁ではこれはどうにもならないのですが、それはそれとして、それ以上ここで聞いても困難だと思います。
次に聞いておきたいと思いますことは、非常に混雑しておる場所の交差点の整備を建設省としてはどういう形でお考えになるか。今お話のありましたように、いろいろ工夫はされておると思います。あるいは片側通行にしたり、あるいは迂回道路をこしらえたりして、いろいろな整備をされているとは思いますが、非常に込んでおるところの交差点をどういうふうに整備されるお考えがあるのか、もしお考えがあったら一つ教えておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/57
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058・前田光嘉
○前田説明員 まず道路と鉄道との交差の点を申し上げますが、現在の道路の状況を申し上げますと、鉄道との交差しておる個所は実は七万程度ございます。そこでこの交差地点につきましては、できるだけ立体交差としてこれを整備することが最も大事だと考えておりますので、五カ年計画におきましても、最も交通の多いところを選びまして、それをできるだけ数多く立体交差にしたいと思いまして、現在五カ年計画におきましては、そのうちの緊要な個所三百六十カ所につきまして、事業費三百四十億円によりまして、主要幹線につきまして立体交差にしたいと思ってわれわれ努力しておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/58
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059・門司亮
○門司委員 その点はあとで運輸省との関係で実はよくお聞きしたいと思っていたのですが、お話しになったから聞いておきますが、私の聞いておりますのは、主として鉄道との踏み切りでなくて、平面の普通の十字路その他で非常に混雑しているところがあるのです。こういうところにどういう配慮が行なわれておるかということです。それについて何かお考えございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/59
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060・前田光嘉
○前田説明員 それは場所によりましては、局部的な改良という方法を用いまして、あるいはその場所だけ幅員を広げるとかその他の方法によりまして、交通が円滑にいくように、あるいは事故の起こらないように配慮しながら、改良につきまして努力いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/60
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061・門司亮
○門司委員 そういう実際のところがありますか。理屈だけ、ここの答弁だけでは困るのですが、実際にそういうことを行なっておいでになるところがございますか。あったら一応私ども見せていただきたいと思っていますが、どういう形がよろしいか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/61
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062・前田光嘉
○前田説明員 私の方もそういう方針で、特にこれは地方道だと思いますが、地方道を調整する場合に指導しておりますので、今ここで具体的にどの場所が当たるか、記憶しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/62
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063・門司亮
○門司委員 それは計画がなければないで、実際になければ、ここで理屈だけ言っておっても、なかなか道路交通はよくならないのですがね。
次にもう一つ建設省に聞いておきたいと思いますが、建設省に何か道路の審議会がありますね。これの仕事はどういう仕事を大体やっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/63
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064・前田光嘉
○前田説明員 道路審議会は、道路法に基づくところの機関でございまして、その職務は、大臣の諮問に応じて「道路整備計画、一級国道若しくは二級国道の路線の指定又は道路の構造及び工法その他道路に関する制度を調査し、又は審議させるため、」となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/64
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065・門司亮
○門司委員 確かにその通り書いてあります。これは書いてある通りのことだと思いますが、問題になりますのは、道路に関する事業といっておりますが、道路に関する事業というのが、今申し上げましたような、大体物を運ぶということが一つの大きな使命になっておるのが道路だと思います。その上に現象的の交通の状態ができてくるわけであります。従って物を運ぶという形の上で道路がどういう姿がいいか、いわゆる道路構造その他に関する一つの考え方と、もう一つは、その上を走っております交通の冠の問題を考えないでは私はいけないと思う。ただ、今お読みになっただけが任務であることは間違いがないと思いますが、この審議会が、そういう道路行政その他について調査された資料がございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/65
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066・前田光嘉
○前田説明員 ただいま先生の御指摘になったような資料をこの審議会として持っておるとは私、思いません。ただ審議の内容につきましては、道路の構造に関連いたしましては、政府の方におきまして道路構造をきめる際にも、この審議会に対しましていろいろ御検討を願いまして、また毎年度の予算につきましても、道路審議会において適切な答申あるいは御助言をいただきまして、道路整備が一刻も早くできますように努めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/66
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067・門司亮
○門司委員 これもあまり問答してもわからぬと思いますが、最後に一つ聞いておきたいと思いますが、さっきから聞いておりますのに、審議会ではいろいろ議論されていると思いますが、私ども建設省にぜひ聞かしておいていただきたいと思いますことは、建設省の立場から見た道路運送、それから交通の行政上大体この辺でよかろうと考えられるまで道路を整備していこうとするには、ほんとうに今の五カ年計画が当てにならないということになれば、緻密な計画がございますか。たとえばさっき申し上げましたような、車を十分に往復のできる幅に道を広げていく、あるいは小さないなかに行きますと、二十トンとかあるいは十四トンとかいうような大きなものは私は要らぬかと思いますが、少なくとも道路を整備していこう、あるいは橋梁を永久橋にかけかえていこうというようなことで計算された数字がございますか。もしあるなら一つこの際示しておいてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/67
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068・前田光嘉
○前田説明員 ただいまの御質問に直接のお答えにならぬと思いますけれども、現在の五カ年計画の状況をちょっと申し上げますと、現在の五カ年計画につきまして、二級国道について考えますと、この五カ年計画が終わりますと、改良済みが約四〇%になる予定でございます。そういたしますと、この五カ年計画以後におきましてあと六〇%の改良をする必要がある、こういうことになります。都道府県道について考えてみますと、これは主要な都道府県道につきまして約四二%になっておる。でございますので、都道府県道は数多くございますが、一般の都道府県道につきましてはこれよりはもっと率が下がりますので、今後五カ年計画を相当強化していかないと、完全にわれわれが考えておるような、今先生の御指摘になるような程度の道路の状況には相当時間がかかると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/68
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069・門司亮
○門司委員 これは相当時間がかかるのはわかりますし、私が要求しておるのは、そういう数字を一つ明らかにしてもらいたい、こう考えておるのです。建設省から出しております白書などを見てみましても、ちゃんと書いてあるのですね。主要市町村道なら市町村道の長さがどのくらいあって、どのくらい整備されておるかというのがあるのです。あなたの方から書いてある書類が出ておるのです。従って、それを完成するにはどれくらいかかるかということであって、費用の見積もりと年限さえわかればそれでいい。そういうものがもしあるとするならば、この際出しておいてもらいたいと思います。
それから時間もございませんし、どうですか委員長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/69
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070・纐纈彌三
○纐纈委員長代理 三十分までよろしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/70
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071・門司亮
○門司委員 あと幾らも時間がございませんから、ごく大筋だけをこの際伺っておきたいと思います。が、こういう形で今三者に聞いてみますと、結局道路に対します考え方というものは、それぞれ別になっておって、そうして一向これが総合されたところがないようでありますが、これにつきまして、警察側の意見を聞いておきたいと思います。こういう交通行政と道路行政と、それから通産省が自動車をこしらえております行政というものはまちまちであって、そうしてはっきりしたものがつかめないような立場に立っておる。従ってこういう立場の中で起こってくる事故というものがしわ寄せされてくるのは、これは解禁が一切を背負うということになるので、道が悪かろうとよかろうと、建設省はその起こった事故については、大して責任も感じていなければ、またこれを取り締まろう、あるいはなくしようとも考えていないらしい。通産省は通産省で、自動車は勝手にこしらえるが、その自動車がどういう影響をしているかということをあまり考えていないらしい。そうなってきますと、責任の所在というものがはっきりしないで、そうして一番終末の処理、終末処理という言葉を使えば悪いかもしれませんが、終末の処理は警察で行なうということになろうかと思います。警察の立場から、今申し上げました三つの省の意見がおのおの異なっているということについて、これを何とか統合して、そうしてできるだけ交通事故をなくするという形の上でお考え等があるなら、この際一つ警察側から意見を聞かしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/71
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072・柏村信雄
○柏村政府委員 先ほど来門司委員からるるお話のございましたように、この道路交通につきましては、建設省、運輸省、またそれに関連する生産というようなことで通産省、私どもの方と、いろいろ関連する省庁が多くあるわけでございまして、率直に申しまして、今までこれらの間の連絡協調というものが十分であったということは申し上げかねると存じます。お互いに努力はして参りましたが、決して十分に行なわれておったとは申せない。たとえば先ほどお話のありましたバス路線の認可につきましても、ようやく三十三年度においてああした覚え書が出た。しかし、その前に許可されたもの、また一たん許可されたものについても、それを変更する場合等についての補償も必ずしも十分でないと思う。これはわれわれの方からのいろいろの申し出についても、不十分の点もあったでありましょうし、また運輸省等についての道路交通の安全という面からの配慮というものも、あるいは十分でない点もあったかと思うので、たとえば先ほど運輸省の方からお話のありましたバスの幅二・五メートルということは、ずっと前からそういうことであって、それ以下ということであったにいたしましても、建設省の方からお話のございましたような道路法に基づく車両制限令などがやはり話し合いがつかずにおる。たとえば二・五メートルのハスを往復させるということでありますれば、欲を申せば間が〇・五メートル、両わきに〇・五メートルとって、六・五メートルあれば非常にスムーズにいくというふうに考えられるわけでありますが、それ以下の道路が非常に多い。そういう意味においては、道路の整備ということも大いに拍車をかけていただく必要があると思いますし、またそれが急速になし得ないという状況におきましては、これこれの道路においては二・五メートル一ぱいでない、それに応じたバスのみを許す、あるいは先ほど田中委員からお話のありましたように、一方交通というようなことを考えるというような問題も多々あるかと思うのであります。こうした総合的な施策の推進ということが今まで不十分であったという点につきましては、われわれ当局としましても深く反省をし、今後こういう道路交通法等ができますことを機会に、またそれぞれの省において関係法令の整備改正ということも行なわれるわけでございますが、そういうものについて個々ばらばらでなく、総合的にこれを推進していく組織と申しますか、組み立てをはっきりとさして参りたい。参議院において修正可決になりました場合におきましても、附帯決議においてそういう趣旨のことが要望されておるわけでございまして、われわれとしては、今後特にこうした道路父逆上の総合行政の推進ということに努力を重ねて参りたいと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/72
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073・門司亮
○門司委員 きょうは大臣が見えておりませんから、この問題に対してこれ以上のことを聞こうとは思いませんが、次に聞いておきたいと思いますことは、これは具体的の問題でありますが、交通警察に関するものの考え方ですが、警察庁としては、交通行政は非常に大事な行政でありまして、これはさかのぼると私は議論があるのでありますが、今までの感情を捨てて、ただこれだけを取り出して話をしますと、実際問題としては、都市の警察行政というものは、最近では強盗や殺人や、いろいろな刑事犯がたくさんあろうかと思います。それから青少年の不良化もありますが、警察行政の一番大きなものとして社会的なものは、何といってもやはり青少年に対する一つの対策と、それからあとはこの交通の問題が一番大きな問題だと思う。毎年一万有余の人間を殺しておるということであります。だれかの話でありますが、毎年関ケ原の戦争をしておるようなもので、関ケ原の戦争は非常に大きいように見えても、人間はそれくらいしか死んでいないということが話されておる。従って警察の行政の中で道路交通行政を担当するような何か特別のものが必要じゃないかというふうに考えられるのです。これを一般警察行政の中に入れておくということは実際はどうかと思うのですが、そういう点についての考え方はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/73
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074・柏村信雄
○柏村政府委員 御指摘のように、交通警察が特に近年において非常に重要性を増してき、都市警察行政におきましては、一そうそうした点が重視されなければならないということについては、お説の通り私ども考えております。青少年の不良化防止対策の問題、それから都市における交通の安全円滑という問題は、警察の最も重視すべき問題と考えておるわけでございます。こういう意味におきまして、一昨年法の改正をしていただきまして、おくればせながら警察庁に保安局を新設し、交通問題を従来警備局において担当いたしておりましたものを保安局に移し、保安局において青少年問題と交通問題を特に重視して所管するというようなこともいたしたわけでございます。また、従来の科学捜査研究所を科学警察研究所に発展させまして、ここに交通部と防犯少年部を設けまして、ただいまお話の少年問題、交通問題ということについての科学的な究明をするように相なっておるわけでございます。この交通問題につきましては、そういう意味におきまして警察として最も重視をいたしておる問題でございまして、ただ、これがいろいろな警察の各般のものと関連もいたすということもございますので、これだけを独立にするということまでは考えられないのでありますけれども、将来警察の組織の中においていよいよ交通の重要性というものが確立されていかなければならないということについて、それに応ずる機構の整備強化というような点、また運営上のいろいろな研究改善ということについて、特に努力をして参らなければならぬというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/74
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075・門司亮
○門司委員 今お話を伺いましたが、単に警察の中に一つの課がふえた、あるいは部がふえたということではない。また地方の警察にこれに即応したものが私はできておると思いますが、問題になりますのは住民との結びつきでありまして、御承知のごとく、各警察にこれらに関係をした業者その他が集まって、あるいは交通協会のようなものをこしらえておることもございます。そうしてときどき腕章を巻いて自分たちの手で整理をしていこうという行事の行なわれておることも知っております。しかし、これは単なる行事その他ではないと私は思います。あの機関こそ、もう少し調査研究する実態に直していく必要がありはしないか。一方では業者の人たちが何人かの人を出して交通整理をするのだと言いながら、運転手に対するノルマみたいなものは非常に強く、積載量等についても無理をして積ませるという行為が片一方で行なわれておる。表面だけはいかにも交通行政に協力しているような姿が出ておる。私はそう考えて見ておるのです。あれは一面ゴー・ストップのようなところに立って協力されていることにはある程度の感謝はささげるけれども、しかし、本質的にこの連中がやっているのかどうかということについて疑問がある。そういうところで私はやはり警察はごまかされてはならぬと思うのです。だから、ああいう協会ができておれば、これについても、もう少し本質的なものの話し合いが進められる何らかの機関が——機関というほどのものでなくても、これは具体的に各都道府県なり警察署単位に、お互いがこういう交通事故を起こさないようにしていこう、それには運転手だけを取り締まるということではなくして、管理者も雇用主も、あるいは自分の仕事をしておる諸君も気をつけていこうという、道路行政に対する真摯な機関がこの際必要ではないかということが考えられるのですが、これは制度的にすることが必要なのか、あるいは今のようなことで任意的でいいのかということは、これは多少検討の必要があろうと思いますが、そういうものは一応考えられませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/75
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076・柏村信雄
○柏村政府委員 現在各府県また署単位等に交通安全協会というものが設けられ、また全国的にも日本の全体についての交通安全協会というものがございます。しかし、これは各地域によってその活動状況もまちまちであり、決して十分の機能を果たしておるとは考えられないわけでございまして、こういう民間の組織によって、これが交通道徳の普及徹底であるとか、交通技能の向上であるとか、そういうような点について果たし得る役割というものは非常に大きいものがあろうと思いまするし、交通は結局国民全体のものでございますので、そうした民間の協力、むしろ民間の自発的な推進というものが期待されるわけでございます。ただいま御指摘のような点につきましては、交通安全協会のみならず、いろいろそうした機構、機能というものについてもさらに検討して、御期待に沿い得るようにできるだけの推進をはかって参りたいと考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/76
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077・門司亮
○門司委員 あと時間もありませんから多くを聞きませんが、これは運輸省も通産省も建設省も一緒に十分聞いておいていただきたいと思いますし、もし御答弁ができるならどなたからでもよろしゅうございますが、交通事故に対します責任の所在です。これが非常にあいまいであって、交通事故というのは、何といっても運転手がひいたのだから運転手が悪いのだというので、何でもかんでも一応運転手が悪いことになっている。それから、ひかれて、あるいは衝突をされていろいろな被害を受けた人は、一定の法律できめておる保険か何かによる賠償はあるようでありますが、大体その程度で終わっておる。ところが、交通事故の原因をずっと探してみますと、今申し上げましたように、各省にわたるいろいろな原因があろうと思う。先ほど田中委員からお話がありましたけれども、道が狭いために電柱と自動車の間にはさまれたというのは、これは運転手の責任でもなければ、本人の過失でもないと思う。やはり道路行政の過失だと思う。そんな道路の狭いところをそのままにして大きなバスを認可したということになれば、政府の責任だと思うが、そういうものとの関連性はどうなんですか。あなた方の言葉でいえば国家賠償法との関係になりますが、これはどういうふうに考えればいいですか。どうもそういうものが至るところにたくさんあるのですが、道が、よけようといってもよけようがないじゃないか、こんな狭いところでしょうがないじゃないかというところで結局事故が起こる。それはだれの責任かということになって、そんなところを通っておった方が運が悪いということになると、道もうっかり歩けないことになる。そういう問題について何か解決の方法をお考えになっていることがございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/77
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078・柏村信雄
○柏村政府委員 今お話しのように、道路上におきます事故の責任ということは、きわめて多様に考えられるわけでございます。個々人の不注意、あるいは交通道徳が守られないということに基因する場合もございましょうし、また運転手の過失等による場合もございましょう。しかしながら、やはり先ほど私が申しましたように、大きく申しまして総合行政の欠除、また交通道徳の普及と民間の協力の不十分、また協力を推進するについてのわれわれの努力の不足というようなことが、いろいろかみ合っておるようなことではないかと思いますので、何よりもそういうことにつきまして、今回こうして改正法案が成立した暁におきましては、十分に法の趣旨の徹底を警察としてもはかって参りますと同時に、関係各省それぞれの分野におてい相協力して、総合的な交通行政の円滑と安全ということに国をあげて努力して参る以外にはないのではないかというふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/78
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079・門司亮
○門司委員 最後に聞いておきたいと思いますことは、今日の交通事故に対して直接関係のある運転者の事故に対する取り扱いの問題であります。現在の状態では、運転者の身分というようなものが、はっきり処置の中に現われておらないきらいがありはしないかと私には考えられるのです。この点について、交通の問題だけでなくて、さっき申し上げましたような、あるいは長官から今話にありましたように、かなり複雑なものがこの行政の中にはあろうと思います。それを現在の制度だけで裁判といいますか、これを処理するということは、かなり不合理がその中に生まれてきはしないかと考えられるのです。従って、この交通事故に対する問題だけを特別に審査し、あるいはものをきめていく機関、これも大げさに言えば交通裁判所というものになろうかと思いますが、そういう大げさなものでなくてもいい。今の公安委員会でもやっておりますが、これも非常に問題があるのです。公安委員会も非常に人員の少ないところでありますから、実際を見てみますと、何件かが固まってきてそれが審議されておるというようなことで、その間に運転者の意見というもの——まあこれは今度の法案では聴聞会を開くようなことを書いておりますが、実際はなかなか意見がいれられておらない。だから、そういう何か特殊のものをこしらえて、そこで運転者の言い分を十分反映するような機会を与えるというようなことはできませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/79
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080・中川董治
○中川政府委員 非常に重要な問題だと思うのですが、現在の法律並びに今度の改正の方で考えておるのをまず申し上げ、今後研究すべき問題はその次に申し上げたいと思います。
今度の改正案で考えておりますのは、行政処分等につきましては、御指摘の公安委員会の聴聞制度、これが一つであります。それから刑事裁判等につきましては、御案内のように刑事裁判の弁護制度、被告人の権利、こういうことで運転者の方の言い分は聞く、こういう二つの制度が現在あるわけですが、その制度はいずれも運用上大いに法の目的を達成するように努力しなければならぬのは当然だと思いますので、今後とも大いに努力したいと思います。さらにそういうことも含めて、それ以外に、運転者の方の民事及び刑事の責任というのがあるわけですが、民事の問題は、私たち直接関係しておりませんけれども、運転者の方にしてみれば重要な問題でございますので、民事、刑事及び今度の行政処分という三つの責任関係について、言葉は不適当かと思いますが、苦情処理機関といった考え方の構想が成り立つか成り立たないか、こういうことについて今後研究して参らなければならぬ問題だと思うのであります。そういう構想で私ども今後も研究を進めたいと思うのですけれども、特別裁判所を設置してはいけないという憲法上の規定もございますので、そういうことも念頭に置いて、しかも憲法に矛盾しない方法で民事、刑事にわたって運転者の方の言い分を中心にして、何が彼らをそうさせたかというその原因を深くさかのぼって考えるという機関を、現行憲法の範囲で考えることができるかどうかということは大へん私ども疑問に思うのですけれども、そういう問題が今後の研究問題であろうかと思います。ちょうど法案が参議院で審議されましたときにも、その種の御意見がございまして、附帯決議で、そういう問題も研究するようにという御指摘もございますので、私ども現行法の運用を今のように考え方に即応してやるということが一つ、その次には、今言ったことを現行憲法のもとにおいて生かす方法を一つ考えてみたい、こう思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/80
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081・門司亮
○門司委員 時間がちょうど一ぱいになりましたからこれだけしか聞きませんが、問題になりますのは、実際上の問題としてわれわれが運転者その他と接触をして参りますときに起こってくるのは、交通違反については、ほとんどと言っていいほど運転者の方にあきらめがあるということです。とっつかまったら最後だ、おれたちの言い分は聞いてはくれないのだ、だからできるだけ早く処分してもらうために、それでよかろうということを言ってしまう。そして早く外へ出ていって働かなければならないのだというあきらめがかなりあるのです。それではほんとうの法治国としての態度あるいは新しい憲法に沿ったものではないのであって、やはり運転者の意見を十分尊重して、そして事の所在を明確にしていくということが、この際どうしても考えられなければならぬ。そういたしませんと、こんな法律ができても問題はなかなか解決しない。運転者の心理というのは、大体あなた方も御存じだと思うのですが、刑罰が重くなれば事故が減ると思うのは間違いだ。どうしてかといいますと、罰金が重くなればそれを返済するためにまたかせがなければならぬ。かせがなければ返せない。そうすると、どうしても無理が出てくる。こういう悪循環を繰り返していくのです。だから、罰金が重くなった、刑罰が加重されるようになったからといって、交通事故は減らないと思う。まごまごすると逆にふえる。そういう心理がありますから、そういう心理に対してどう対処していくかということについては、やはり運転者が理解し納得のいくような機構、制度がなければなかなか納得しないと思うのです。ほとんど今あきらめているのですからね。事故を起こしたら、どんな事故でも運転者が悪いということできめつけられるのであって、おれたちの言い分は通らないのだ。さっき申しましたように、警察へ行って向こうの言う通りに書いて、早く始末をしてもらった方がいいのだということであきらめてしまう。そういう立場にありますので、今度の法律でかなり罰金が重たくなって、これでよかろうと考えると、大きな間違いだと思う。刑罰が加重されたからといって決して減るものじゃない。道路行政とか、環境、いわゆる交通行政の整備の不完全なところに問題が起こるのであります。決してこれでは私は減らぬと思う。
従って最後に聞いておきたいと思いますことは、刑罰によって事故をなくしようというよりも、むしろ私がさっきから申しましたような、関係各省に統合された対策というものが十分立てられると同時に、運転者の苦情を十分に聞き得る施設、場所をこの際こしらえてもらいたい。このことは私はできると思うのですよ。できると思うことはどういうことかといいますと、調書をとられる、それから罰金がくる。こういう行政処置を受けるのにはかなり時間がかかるのですが、一面からいうと、三十三年の決議の中には即決で早く問題を処理してもらいたいということが書いてある。しかし、このことは運転者に対する処罰ではありません。道路で一つ事故が起こると、警察がまごまごしていて、人を通さなかったり、あるいは自動車の運行を自分たちの職務の関係から妨げると言ったらあなた方に怒られるかもしれないが、おくらす。轢死した人があっても、その死骸を動かすことができない。けが人があれば、早く治療に行くことが先でなければならないが、一応警察が確認しなければならないというようないろいろな問題が出てきておくれてしまう。こういう処置は早くしてもらいたい。実際の運転者に対する処置は、今の制度でも時間がかかる。特に重い三カ月、六カ月の者、あるいは罰金が現行法で一万円、多いのは四万円というのがありますが、そういうものについては、きめるまでの間に半年くらい時間がかかるのです。そうすると、その間に運転者の意見を聞く機会が必ずあると思う。それを親切に聞いてやる心がまえがちっともないのじゃないか。ただ手続だけがおくれているということでなく、そういう点についてもう少し総合的な——それから運転者に対する理解、要するに事故を起こしたということが、次に事故を起こさないという心がまえになるような親切な態度が必要ではないかと思う。これは運転者自身に聞いてみると、必ず取り扱いについては問題があろうと思います。ほとんど運転者の意見というものはいれられない。この辺等についても、やはりこういう刑罰の重い法律をおこしらえになるならば、十分配慮していただきたい。そうして運転者の意見を聞いてもらいたい。
それからついでに一つ聞いておきますが、もう一つこの法律ができて問題になるのは、これを警察官だけが知っておったのでは何にもならないのであって、運転者に対する教養その他についてもお考えがどの程度あるかということ。現在でも、ときどき運転者にみな集まってもらって、いろいろ話をされておるようでありますが、そのことはどのくらいあるかということは私は調べておりませんが、やられておることは事実です。従って新しく刑罰が加重されたものができておりますので、これらについての教育機関といいますか、そういうものを各府県で費用をとってこしらえられる考え方があるかないかということを、もう一点お聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/81
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082・柏村信雄
○柏村政府委員 ただいまお話の点一々ごもっともと存じます。先ほど来申し上げておりますように、総合的な対策について十分配慮して参ることはもちろんでございますし、また運転者の言い分を十分に聞く、それには何よりも警察官の態度として、指導的と申すと語弊があるかもしれませんが、あたたかい気持で親切に処理していくという心がまえがなければならない。これは私どもも日ごろやかましく申してそういう指導をいたしておるわけでございますが、まだまだ細部において不十分な点が少なくないと存じます。こういう点は十分に警察官の教養等にも意をいたしまして、国民が納得するような、もちろん法に触れる者について厳正な処置をとるということは必要ではありますが、一面において、そうした厳罰主義をもって事を片づけていくというような考え方でなしに、ほんとうに協力態勢で、お互いに理解し合うというような態度をもって事に当たって参りたいというふうに考える次第でございます。
また最後の、この法律の改正されます場合におきます趣旨の徹底の問題でございますが、これについては、特にこの前参議院における審議の過程においてもずいぶんと御注意がございました。われわれとしても、約六カ月の期間をこれの準備期間に置きまして、そうして趣旨の徹底をはかる。これも単にお題目的に一般的な趣旨の徹底、教養ということでなしに、小学生に対しては小学生に対するごとく、また業者に対しては業者に対するごとく、運転手の方にはこれに対するごとく、それぞれ立場々々に応じた趣旨の徹底、教養ということをできるだけいたして参りたいと思いますし、それに必要なためのある程度の予算も国費において用意をし、また府県についても、そういうことについてできるだけ趣旨の普及徹底のための広報宣伝活動を促しておるような状況であります。この点は、この法律が単に改正されたということでなくて、この改正によって得られる実質上の法律的な利益という問題以外に、この改正を機会に、国民に、この道路交通法についての理解と協力というものを十分高めていただくということが、また一つのこの全面改正の大きいねらいでもございますので、特に最後のお舌の点についてわれわれとしても努力をして参りたい、こう考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/82
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083・纐纈彌三
○纐纈委員長代理 本日は、これにて散会いたします。
午後零時三十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02419600415/83
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