1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年四月二十六日(火曜日)
午前十時五十九分開議
出席委員
委員長代理 理事 纐纈 彌三君
理事 飯塚 定輔君 理事 田中 榮一君
理事 吉田 重延君 理事 加賀田 進君
理事 阪上安太郎君 理事 門司 亮君
相川 勝六君 亀山 孝一君
川崎末五郎君 高田 富與君
三田村武夫君 山崎 巖君
太田 一夫君 川村 継義君
佐野 憲治君 野口 忠夫君
安井 吉典君 大矢 省三君
出席政府委員
警察庁長官 柏村 信雄君
警 視 監
(警察庁保安局
長) 木村 行藏君
委員外の出席者
警 視 長
(警察庁保安局
交通課長) 内海 倫君
運輸事務官
(自動車局業務
部長) 梶本 保邦君
建設事務官
(道路局次長) 前田 光嘉君
専 門 員 圓地与四松君
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四月十九日
委員加藤精三君及び三田村武夫君辞任につき、
その補欠として今松治郎君及び中川俊思君が議
長の指名で委員に選任された。
同 日
委員今松治郎君及び中川俊思君辞任につき、そ
の補欠として加藤精三君及び三田村武夫君が議
長の指名で委員に選任された。
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四月二十日
消防法の一部を改正する法律案(内閣提出第八
二号)(参議院送付)
同月二十一日
全日制市町村立高等学校教職員の退職手当全国
通算に関する請願(水谷長三郎君紹介)(第二
六一四号)
道路交通法の改正に関する請願(門司亮君紹
介)(第二六一五号)
毎日新聞社暴力事件に関する請願(石川次夫君
紹介)(第二六一六号)
古物営業法の一部改正に関する請願(田中伊三
次君紹介)(第二六八一号)
故障車及びそのけん引標示に関する請願(吉田
重延君紹介)(第二六九〇号)
農業協同組合に対する事業税等の課税に関する
請願外一件(田中武夫君紹介)(第二七六二
号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
道路交通法案(内閣提出第五八号)(参議院送
付)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/0
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001・纐纈彌三
○纐纈委員長代理 これより会議を開きます。
濱地委員長には病気のため本日出席できませんので、その指名によりまして私が委員長の職務を行ないます。
道路交通法案を議題にいたします。
議事進行に関し発言を求められております。この際これを許します。三田村武夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/1
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002・三田村武夫
○三田村委員 本日の議題になっております道路交通法案でございますが、これは委員各位の御承知の通り道路交通の秩序を正す非常に重要な案件でございまして、もとよりわれわれはできるだけ完全なものにして、すみやかに成立をしたいというその意欲、意図には変わりはございませんが、この道路交通法案によって規定されるものは、道路交通行政上の秩序を正すことでございまして、その道路交通上の秩序を正す前提というべき多くの問題、たとえば道路政策の問題、あるいは運輸政策の問題、交通政策の問題、そういったその前提になるものの具体的、総合的な計画と申しますか、それを正すことが道路交通の秩序を正す前提になるということをしみじみわれわれは感ずるのでございます。従いまして、この道路交通法の意図、目的とするものを完璧ならしむるためには、どうしても道路政策、運輸政策、交通政策、総合的なものを、私は十分きわめておくことが必要だと考えるのでございます。もとより当委員会においても、同僚委員諸君から、すでにそういった面の発言がなされておるのでございますが、どうぞ一つ委員長においても、こういう点を十分御考慮の上、この委員会の進行についてお取り計らいを願いたいのでございます。私も全般的な総合質問をまだ残しておるのでございますが、その総合質問をやるためには、どうしても今申し上げましたように、道路政策、交通政策、輸送政策、そういったものを担当しております関係官庁の責任ある人々が当委員会に席を連ねて、十分御意見を伺いたいのでございます。これをまずその前提に申し上げておきます。
それから、先日も警視庁の交通部長の案内で東京都内の交通情勢を視察してきたのでございますが、当委員会でもしばしば問題になっておりまする道路工事でございます。これも今のような状態でございますと、警視庁からいただいた資料によりましても、警視庁管内延長九千キロの中で、三十四年中に道路工事が行なわれたのが三千七百キロ、約三分の一以上の道路工事が行なわれておる。そういたしますと、三分の一以上は交通の制限を受けておる、こういうことになります。これなんかもあまりにも無秩序、あまりにも無計画で、言ってみれば交通妨害をやっているものは道路工事だというような感なきを得ないのであります。こういう点を十分正しておきませんと、道路交通法を成立せしめただけでは、私は実際にその目的は達成し得ないと考えるのでございます。この道路工事を施工する官庁にいたしましても、あるいは電話線を敷く官庁、これは電電公社もありますし、郵政省もあります。またガス、水道、あらゆるそれぞれの機関がそれぞれ別個の立場から工事をやる。こういう無秩序、無計画なことでは、私はとうてい道路交通の円滑は期し得ないと思うのであります。こういう点を十分、責任ある人々の出席を求めて、その方針をただしておきたいと思うのでございます。
また路面の使用も、この間警視庁で見たのでありますが、何と申しますか、道路交通法上の治外法権区域があるような感もいたします。めちゃくちゃに路面が使用されている。こういうことでは、ただ法律上の秩序を正すだけでは、目的は達成し得ない。こう思われますので、こういう点を、そのよって来たるところを十分実態についてただしておくことが必要だと思います。
また先般の委員会でも同僚の委員から発言がございましたが、自動車の激増です。先日も警視庁で言っておりましたが、昭和四十年になりますと、警視庁管内の自動車は倍数になる。百万台をこえるであろうということであります。しかも路面は一つも延びていない。路上に自動車のみはんらんいたしまして、どうにも収拾がつかぬということが目の前にあるとするならば、この問題をどう正していくかということも、根本の問題として十分検討を加える必要があると思います。
そういう点を当委員会で十分きわめておくことが、本法案をしてその目的を達成せしめる基本的な条件だと思いますから、どうぞ一つ委員長におかれましても、同僚委員とともどもに、この委員会の議事の進行について、今私の申し上げたことを十分御勘案の上、この委員会の進行を進められんことを切望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/2
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003・纐纈彌三
○纐纈委員長代理 ただいま三田村委員から議事進行についての御意見がありましたが、御説の通り、きわめて根本的な重大な問題についての御意見のようであります。当委員会の運営に対しましては、そのつど理事会等にも打ち合わせまして、御趣旨に沿うような形で委員会の運営をいたしたいと考えております。御了承願います。
これより質疑を継続いたします。川村委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/3
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004・川村継義
○川村委員 提案されております道路交通法について数点お尋ねをしておきたいと思います。この法案が参議院で先議されまして、今こちらの方に回ってきたわけでありますが、二月十八日参議院で提案理由の説明がありましてから、三月三十日参議院の委員会を通過するまで、相当長い間参議院において慎重に、実に微にわたりましてこまかに検討され、審議されたことについては、われわれもその経過を聞いておりまして、その委員の御努力に感謝しておるわけであります。当局が今日の日本の交通の混乱している状態に対処して、あるいは交通事故の激増しているこの状態を防止したいというような配慮から、数年の研究を経てここに改正案を提出されたことについて、非常にわれわれとしても敬意を表しております。ただ、今回この法案ができましたけれども、はたして日本の今日の道路交通全般の状態から見て、この法案がかりに実施されるという段階になりましても、われわれが憂えておるところの状態が緩和できるか、こういうことを考えてみると、どうも明るい気持になり得ないのであります。私がくどくど申し上げるまでもなく、警察庁から提出なさっているいろいろの交通事故の統計資料を見ましても、あるいは警視庁からもらった統計資料を見ましても、実に今日の状態は、はだえにアワを生ずるような思いさえいたしております。ところが、これがただ単に警察当局の努力によって、取り締まりがきびしくなったからといって、どうも緩和され救済できるものではないような気がいたします。今三田村委員から議事進行の中でお話がありましたように、道路交通行政そのものに根本が大きく横たわっていると考えられるのでございまして、何といってもこれは運輸、建設等々、総合的な道路行政というようなものが確立しなければ、この問題は解決できないのじゃないかと考えておるわけであります。従って私といたしましても、この後、関係当局がそのような方向で十分な連絡、協議のもとに、あるいは強力なる総合機関等を作って、この問題の解決に善処されることを希望してやまないのであります。しかし、かといって、今日のこの日本のおそるべき交通状態をそのまま放置しておくわけに参りませんので、私たちはこの提案されております道路交通法について十分検討を加えまして、よりよい法律として生み出していかなければならぬという責任もまた強く感じておるわけであります。
そこで、お尋ねすることについて、どうぞ当局の意のあるところは十分お話しおきいただきたい。私たちがお尋ねしておることについて、ただ単に、何と申しましょうか、俗にいう低姿勢というようなお答えでなくて、われわれの尋ねておることについて、不備な点や、あるいは考え方の違っておる点があったら強力に発言していただきまして、その点はこうだというようなことを示していただきたい。それらを通じて、一般国民が十分この道路交通法の趣旨を納得し、これが実施されたときに、完全なる運営ができるように望んでやまないのであります。
そこで、まず第一点としてお尋ねいたしますことは、きょうは委員長がお見えになっておりませんので、警察庁長官にお尋ねいたしますが、道路交通法の提案理由の説明をお聞きすると、冒頭に次のようなことが述べられております。今日の道路交通の状態は、異常なまでに発展、変貌を遂げて、しかも近い将来におきましてさらに一そうの複雑と困難が加わることが予想される状況にある。このような実情に対し現行法令の規定では、すでに種々の点で不十分なことが痛感されるのみならず、今後の交通事情の変化にはとうてい対処し得ないものと判断されるに至りましたので、今回同法及び同法施行令について全面的に検討を加え、新しい時代に即応した道路交通の基本法としてこの法律案を立案いたしたものであります。このように述べられております。そのお考えになっております趣旨には賛同いたしますが、今までの道路交通取締法というもの、あるいはその政令というものに大検討を加えられていわゆる道路交通の基本法としてこの法律を制定されたというお考えに立っておられますが、基本法とは一体どういうものであるか、この点をいま少し明確にお示しおき願いたい。基本法とは何ぞや。つまり、ただ政令あるいは法律をあわせて大改正したというようなこと、あるいは同じ説明の第一に示しておられるように名称を交通法と改め、あるいは法の目的に交通の円滑をはかるというような趣旨を積極的に挿入したというようなことが基本法として考えられた大きな理由でありますか。その点を初めにお聞かせをいただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/4
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005・柏村信雄
○柏村政府委員 ただいま川村委員からいろいろ御懇切なお話がございまして、私どもも一年有余にわたって検討いたしました結果、現状打開の一方策といたしまして今回のこの道路交通法を提案いたしたわけでございます。
ただいまお尋ねの基本法とは一体どういうことかということでございますが、もちろん先ほどお話しのように道路交通についての根本的な解決と申しますか、打開策といたしまして、単に警察で受け持っております道路交通についての取り締まりあるいは道心交通の規制、あるいはこれに伴う指導というようなことだけによって問題がすべて解決いたすわけではございません。大きく申しますれば、道路の新設、改善がもちろん基本に相なると思いまするし、またその他の交通機関、鉄道であるとか、バスであるとか等について、道路交通との調整というような点についても十分に考えられなければならない点でありまして、参議院におきまして御審議いただきました過程におきましても、そういう点が非常に強く要望と申しますか、御意見があった次第でございます。附帯決議にも、そうした総合行政に対する強力な機関を設置して、運営の妙をはかるべきであるという趣旨のことが申されておるわけでございます。われわれといたしましては、これを大にいたしましては政府関係各機関、またその総合的な協力態勢と申しますか、調和という点に今後とも大いに力を入れていかなければなりませんし、また一片の法律によってそれが出されたからうまくいくというわけではございませんので、広く民間の協力、理解を深めて参らなければならぬと思うわけでございます。少なくとも警察で担当しておりまする道路交通の実態に即しまして、今回この法律を出しました基本の趣旨と申しますものは、単に取り締まりを厳重にするとか、あるいは規制を強化するということにとどまらず、すべてそういうものを総合いたしまして、これは条項によって御承知のことでありますが、あらゆる面についての改正、単に現行の法律、政令を部分的に改正したというだけでなくて、これを総合的に統合し、道路交通についての目的にうたわれておるお題目だけに限らず、先ほど申し上げましたような広い視野からの道路交通についての問題を前提としつつ、それに応じての道路交通についての基本的な制度を考えるということに重きを置いたわけでございます。基本法と申しましても、そういう意味におきまして、道路交通の全般をこれによって全部カバーするという趣旨ではございませんけれども、少なくともそういう総合行政ということを前提にしつつ、道路交通についての考え得る取り締まり、規制、指導、また民間の理解というような点について総合的にこれを考えて、これを守ってもらうことによって、いわゆる国民的な運動というようなものが盛り上がることによって、この法律がほんとうに生き、道路交通の安全、円滑ということに十分資するように配慮いたしたいという趣旨において、基本法ということを申し上げておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/5
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006・川村継義
○川村委員 御趣旨はよくわかります。そういうような心持で基本法というような法体系を整備しようということで非常な努力をなさっておられるということはわかりますけれども、だんだん質疑等にも現われておりますように、私といたしましては、道路交通の基本法というような考え方にお立ちになったならば、やはりもう少し考えていただく面はなかったのか、これだけで十分であったのか、手抜かりなところはありはしないかというような気持もしているわけです。この法案には、たとえば法体系の整備、交通規定の整備、歩行者の保護の徹底、車両等の交通方法の合理化、危険防止の措置の強化、雇用者、車両運行管理者の義務を明らかにしたということ、免許制度を合理化したということ、罰則の整備、こういうのが大体法案の趣旨になっておりますけれども、これは私に言わしめるならば、ただ単に今までの取締法を少しうまくされたという程度であって、もっともっとやはり道路交通の危険防止、交通の安全、交通の円滑というようなねらいから、その目的を達するためには手を打つべき問題がありはしないか、こう思っているわけですが、何かそういう点につきまして参議院段階における審議等を通じて、一つこういう面をこの法案の中に整備したらよかったのじゃないかというお考えは、今生まれておりませんか、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/6
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007・柏村信雄
○柏村政府委員 ただいま御指摘のように、また先ほど私が申し上げましたように、総合行政にからめまして、でき得べくんばこれと同時に法体系を整えたいというものがないわけではございませんが、この道路交通法に関する限りは、今これにさらにつけ加えてこの中に規定しようというものは、私ども持っておりません。しかしながら、他の運輸行政あるいは建設行政等について、できるだけすみやかに整備をしていただきたいというものはもちろんございまするし、そういうものについては、私どもまた皆様方の御努力を得まして、できるだけ推進いたして参りたいというふうに考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/7
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008・川村継義
○川村委員 それでは私こういう点はこの道路交通法の中に取り上げられる必要はないのかどうか、少し具体的に一、二お聞きしたいと思いますが、今亀山委員から、長官はきょうは大へん大きな問題が起きておるので本庁にお帰りになっていただいた方がいいのじゃないかというお話がございましたので、私もそれに率直に同意をいたしておりますから、長官にお聞きすることはあると思いますけれども、あとは保安局長あたりにかわってお話しいただいて、長官はお引き取りいただいてけっこうだと存じます。
そこで第一にお聞きしたいことは、実はちょうど三十三年の神風タクシー問題が非常に叫ばれたころに、この委員会といたしましては交通事故防止に関する各種の討議を重ねまして、そして決議をいたしました。それは三十三年四月二十二日のことでありましたが、この交通事故防止に関する決議の内容等を今またあらためて見て、この決議がどれくらいこの法案の中に生かされておるかということを私考えてみたのでありますが、御努力によりまして相当程度この決議の趣旨が今度の法案の中に生かされておると思っております。ただ、まだまだわれわれが考えてみると、もうちょっとそういう点は研究していただいた方がよかったのじゃないかと思われる点がないでもありません。
そこで交通事故防止に関する決議に沿いながら二、三点お尋ねいたすわけでありますが、まず第一に決議の第一項になっております道路の整備の問題でございます。特にその第二に、「道路の占用工事の無統制な施行について適当な調整方策を講じ、これによる交通の障害を最少限度にとどめるよう措置すること。」これはもちろん警察の交通行政そのものの担当ではないかもしれません。しかし先ほど三田村委員の発言の中にございましたように、まず第一にこの問題を解決していかなければ、やはり道路の危険防止あるいは交通の円滑、安全というものが期せられない、これはおそらくだれでも考える一つの命題だと思っております。先般都内の実地調査をいたしましたときにも、どの委員も、これがまず第一番に頭にこびりついておる視察の問題点であったと思うのです。そこでいろいろ警視庁のお話をこの前聞きましても、道路工事自体の問題については、一昨年七月ころから、非常に無統制な状態を一つ統制あらしめたいというので調整に乗り出してはいるけれども、なかなかうまくいってない、こういうことなんです。そこで建設省の道路局の次長さんがお見えになっておるそうでありますのでちょっとお尋ねいたしておきますが、東京都内だけの目に触れる問題といたしましても、ああいうような道路工事、つまり率直に申し上げまして、私たちは九段宿舎から国会に通っております。ところが、九段宿舎から麹町を抜けてこちらに来るあの道路に一つの例をとりましても、もうここ二、三年間くらいになりましょうか、水道工事があって、きれいに埋まったかと思うと、またたく間にまた違った工事が掘り返されて始まっておる。それが済んだかと思うと、今度は電気工事がまた行なわれる。掘り返して舗装したかと思うと、またすぐ掘り返す。実にこれは無統制とでも申しましょうか、こういう状況が繰り返されて長い間続いているわけです。これは東京都の行政の面になると思いますけれども、建設省としておそらくこういう点については何らかのお考えがあると私は見ておりますが、あのような状況はどうにもならないものでございましょうか。こういう点を一つお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/8
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009・前田光嘉
○前田説明員 最近道路の掘り返しの工事は相当ふえまして、ただいま先生の御指摘のように特に東京都内の各所におきまして交通に著しい支障を来たしておりますことは、われわれも十分承知をしており、その対策にも苦心をしているところであります。この工事に二種類ございまして、一つは道路自体の工事、道路自体も相当破損をしており、あるいは改良を加えていく必要がありますので、道路自体の工事も相当ございます。それから今お話しの電気、水道、ガス、電信電話その他のいわゆる占用工事というものがございますが、これらの工事を、ただいま御指摘がございましたように、統制をとって、なるべく交通の支障を来たさないようにしていくということで、今お話がございましたような決議に基づきまして、三十三年には次官会議の申し合わせによりまして、その線に従いまして目下各地方及び中央に占用工事の統制に関する連絡協議会を設けております。この協議会におきまして、一定の期間を限りまして、その期間内に行なう各種の道路工事及び占用工事について、施行の方法あるいは施行の時期その他につきまして十分調整をいたしております。その協議会におきましては、道路管理者、あるいは使用機関、あるいは関係の企業者、こういうものが集まりましてできるだけの調整を行なっております。
ただ最近特に諸般の建設がふえてきまして、都市の機能の増大に関連して、あるいは建築物ができてくる、あいるはいろんな電線その他を新たに引いてくるというような関係で、一定期間一つの通路を全然占用させないという強い規制を設けるならば、あるいはその期間につきましては占用工事によって道路交通に支障を及ぼさないということもできるでありましょうけれども、やはり一般の生活の利便を考え、あるいは建設の状況を考えまして、これを全面禁止というわけにもいきませんので、できるだけ調整をしておりましても、ただいまお話しのように、場所によりましては相当な交通の支障を来たしておる状況でございます。
しかしながら、この道路交通法の御審議に関連いたしまして、各方面からもやはり掘り返し規制について一応強力な指導をすべきであるという御意見も従来拝聴いたしておりますので、さらにその後の実情を検討いたしまして、近く各関係の知事なりあるいは地方建設局に対しまして、掘り返し規制について一そう強力に実施をするように、あるいは具体的に道路工事の施行につきまして、埋め戻しの工事に引き続きすぐに舗装工事をするとか、あるいは工事に関連してなるべく機械化施工を用いまして、なるべく早く工事を終わるように、あるいはまた工事を実施するに際しましては、できるだけ夜間等交通の支障のないときを選んで、一般の交通にできるだけ支障を及ぼさないように十分注意するようにという趣旨を厳重に通達いたしまして、ただいまお話しの、占用工事による交通支障のなるべく少なくなるようにと努力したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/9
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010・川村継義
○川村委員 お考えは大へんけっこうのようであります。もちろん私たちしろうとの目から見ても、電気会社がやる仕事、水道のやる仕事、あるいはガス会社がやっておる仕事、なかなかやはりむずかしいと思うんです。配線、配管等が必ずしも一致しているところだけではないでしょうし、あるいは工事をやらなければならぬ経過年数とか、そのほか新設とか、いろいろ考えて参りますと、非常にむずかしいことだとは思います。しかし私がさっきちょっと例をあげましたように、九段から国会に参りますあの麹町の道路なんか一本線で、ガスがやったかと思うと水道がやる、水道がやって埋めたかと思うとまた電気がやる。こういうことで、同じ路面の下を同じような形態で掘り返して工事をやっては埋め、そのあとまた掘り返すというようなことは、これはやはり私は行政の力で、またそれぞれの業者あるいは管理者等の十分なる連絡協議によって、やろうと思えばできるものだ、こう考えるわけです。大へんむずかしいことだとは思います。しかしそれをやってもらわなければ、こういう道路交通法等ができましても、やはり交通の安全を保つという目的は達せられないのじゃないか。特に東京都のごとくものすごい車で交通が混雑しておるところでは、なおさらそういうことであろうかと思います。今お話を承りますと、趣旨としては大へんりっぱにお考えいただいておるようでございますけれども、それをやはり早急に生かしていただくということを、関係当局と十分連絡の上にやっていただくことをわれわれは希望してやみません。こういう問題については、専門的に掘り下げていきますと、いろいろ問題点があろうかと思いますけれども、まず大ざっぱにお聞きをして、善処を願うわけであります。
そこで警察の方にお尋ねいたしますが、七十七条一項において、「道路において工事若しくは作業をしようとする者又は当該工事若しくは作業の請負人」は許可を受けることになって出てくるわけであります。今私が申し上げましたようないわゆる無統制な工事をやらせない、あくまでも統制のもとにそういう工事をやらせるということを考えて参ると、この道路における工事もしくは作業をしようとする者が許可を得ることになりますと、現状においては、私たちが希望しておるような調整ある工事、統制ある工事はできそうにないと私は思うのですが、この点はどうお考えになっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/10
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011・木村行藏
○木村(行)政府委員 ただいまの問題につきましては、確かにここ数年来非常に悩んでいる問題でありまして、特に調整につきましては、中央に中央連絡協議会なり、地方には地方連絡協議会がありまして、それぞれ連絡協議をいたして、できるだけ調整をいたすことになっておりますけれども、現実において、連絡協議会に受け付けをいたされました件数の中で、実際に調整をかっちりいたしておる実績は一割足らず、正確に言いますと七%か六%くらいであります。調整というのは、現実においていろいろな問題がありまして、なかなか困難な点が介在しておるわけであります。しかし、それだからといって、現状の交通事情は非常に危険でもありますし、まことに渋滞しておりますので、たとえば警視庁などにおきましては、積極的な一歩を踏み出していろいろやっております。たとえば最近では、東京都の特に建設局あるいは地下占用の各企業者と協定いたしまして、掘り返し工事については若干のものには許可を与えないというような基準を協定いたしております。たとえば高級舗装道路につきましては、その舗装道路が建設いたされました後五年以内は掘り返し工事については警察では許可を与えない、あるいは中級の舗装道路につきましては、建設後三年以内、あるいは簡易舗装道路につきましては一年以内は、警察署長は道路占用の許可を与えないというような具体的な協定をいたしまして、おおむねその方向で努力いたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/11
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012・川村継義
○川村委員 先ほどの道路局次長のお話、あなたの今のお話を聞いてみますと、大へん努力していただければ、こういうような障害は逐次解消されていくような希望は持てるわけです。そこで率直にお尋ねいたしますが、そういうような道路占用工事等についての調整、道路交通面から考えた調整というその力を発揮させるために、この道路交通法の中にそういう何かを規定するということは無理なのでございますか、あるいはやろうと思えばそういう調整力を発揮できる規定ができますか、その点はいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/12
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013・木村行藏
○木村(行)政府委員 現在の行政機構の建前上、それぞれ行政が分割されておりますので、たとえば国家公安委員会とか都道府県公安委員会が、何らかの形において、ほかの道路関係あるいは運輸関係の省に対しまして、総合的な立場から勧告権とでもいいますか、そういう形がなされ得るかどうか、これらについては、実は研究いたしたことがありますけれども、まだ結論は出ておりません。はっきり責任を持ってお答えできないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/13
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014・川村継義
○川村委員 現在の行政の分野からいろいろ考えていくと、そういう調整機能を発揮できるような力をこの法案の中に見出すことは困難だ、こういうことだと存じます。しかし、これは私十分一つ研究してもらいたいと思うのですが、きょうの道路局の次長さんのお話、あなたのお話等を伺って、不可能であればあるほど、関係各省で行政的にこういう点が解決されるように努力していただかなければならぬ、こう思っております。そこで七十八条二項の許可の手続の問題でありますが、これは結局、道路法第三十二条第一項または第三項の規定の適用を受けるものは、当該道路の管理者を経由して行なうことができる。こういう規定であるし、そうでないようなものについてはこれは警察署長のもとに許可証の申請を出す。こういう区分ができておるように、私はちょっと法案を読んだのであります。そのあとの方の七十八条二項関係の道路法に関係のある問題で「管理者を経由して行なうことができる。」という表現、こういうような考え方にお立ちになった理由はどうでございましょう。これを一つ話していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/14
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015・木村行藏
○木村(行)政府委員 たとえば一つの道路を工事をいたします場合に、片一方においては道路の使用という関係から警察署長の許可を受ける。また片一方においては、ただいまお話がありましたように、道路法三十二条の規定にございますように道路を継続的に占用して使用する、こういう占用関係から管理者の許可を受けなければいかぬ。こういうことで、同じ人間が二つの申請をいたしまして、二つの許可をとるという場合に、できるだけ申請する側の便宜をはかりまして窓口を一本化いたしまして、この規定の場合には、道交法の七十八条による警察署長の許可に関する申請についても、道路管理者を経由して申請してよろしいということで、事務の簡素化といいますか、申請する側の便宜を計らったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/15
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016・川村継義
○川村委員 簡単に申すならば、申請者の手続等を繁雑にしないように、しかも道路法の精神を生かしていきたい、こういうことでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/16
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017・木村行藏
○木村(行)政府委員 はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/17
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018・川村継義
○川村委員 そこでまた七十九条関係だと思うのですが、同じような問題について管理者と警察当局が協議をするということになりますが、その協議の内容はどういうことになっておりますか。それから私が先ほどからお尋ねいたしておりますような、こういう手続によっていけば、無統制な占用工事等がある程度調整ができ、あるいは先ほど次長さんやあなたの方からお話がありましたような占用工事等が円滑に、しかも道路の危険を少なくして早く上げられるようなものになる力を出すものであるかどうか、その辺のところをちょっと話していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/18
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019・内海倫
○内海説明員 七十九条に道路管理者との協議という規定をいたしておるのでありますが、これは先ほど御説明しましたように、道路法三十二条に規定いたしております占用許可の対象のところにつきましては、警察署長の許可と道路管理者の占用許可と二つ必要となるわけでありますが、その場合に、それぞれがそれぞれの理由に基づいて許可を処理するわけでございます。この場合に二つの意見が勝手な形で、たとえば道路管理者の方は占用を許可するが、警察署長の方はこれを許可しない。こういうふうなことで、それぞれその許可する目的は異なりますが、同じ実態に対しまして一方の行政庁はこれを許可し、一方の行政庁はこれを許可しないというふうなことでは、これは国民に対しては大へん迷惑をかけることになりますし、また行政目的を達成する上からも適当でございませんので、これを許可いたします際には、道路管理者と警察署長とが協議いたしまして、意見一致したところでこれを許可しよう。そのかわり要望はそれぞれ付加していく、こういう効果を達成するのが七十九条の規定であります。そこで協議をいたします内容といたしましては、ごく基本的にはこれを許可するかしないかという問題であり、さらに要すれば期間の問題、あるいはたとえば工事でありますれば、その工事の方法等につきましても協議をいたすことになろうかと思いますが、基本的には出願に関する事項についてこれを許可するかしないかという問題に関する協議である、こういうふうに考えます。そこで、現行法におきましてもこれは現に行なっておる規定であり、またその規定に基づきまして協議を行なっておるわけでありますが、この新しい法案におきましても同様の規定を踏襲いたしておりますが、私どもの考えまする限りにおきましては、道路管理者と警察署長がそれぞれの立場、すなわち道路管理者としましては、その自分が維持管理いたしまする道路がある程度占用されるわけでありますから、その占用目的に合致するかどうか、半面警察署長におきましては、その使用が交通の危険を生じ、あるいは交通の円滑を害することがないかどうか、そういうことについて十分に意見を出し合いまして検討いたすわけでありまして、その結論としてこれを許可する、あるいはしないということになろうかと思いますので、実際の交通の実情の上におきましては、さらに有効なものであろうと考えておりまするし、またこれを適切に活用していくことが最も大事なことである。こういう観点から規定いたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/19
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020・川村継義
○川村委員 私は、初め長官にお尋ねして、基本法たるものの考え方をお聞きして、今一つの占用工事についてお尋ねしたわけでありますけれども、道路交通法で、そういうような占用工事等の無統制な状態を調整させるというような権限を法律に与えるということは、非常に問題があろうかと考えます。たとえばちゃんと運輸省やあるいは建設省等で所管事項になっておる行政を、一本の道路交通法で縛り上げるということも、確かに問題だと私は思うわけであります。しかし、今こういうような法案の内容をさらに検討して、できるだけの範囲内においてこういう占用工事等がスムーズに統制ある形において行なわれるということを道路交通の上から考えるということが、道路交通基本法として見る場合には、どうせ取り上げなければならぬ大きな問題ではないか、こういう疑問を持ったからお尋ねしているわけであります。私がくどくど申し上げるまでもございませず、今日の日本の交通の状態というものは、道路を整備する、交通の環境をよくするということがなされなければ、道路交通の目的を達しない。こう思われるのでございまして、これまでもたびた問題になっておりますように、道路舗装の問題、あるいは道路の幅員拡張の問題、あるいは道路の立体交差等の問題、こういうものを解決していって初めて道路の交通の安全あるいは円滑なる交通を進めていくことになると思います。そのような意味から考えると、占用工事の問題は十分一つ行政力を発揮していただかなければ、こういうような法案ができても、うっかりするとただ罪を作る結果になりはしないか、こういうことをおそれるので、この点を一つ十分今後とも研究していただきたい、このように思っているわけであります。
そこで第二点としてお尋ねすることは、同じ決議の内容でございますが、「交通環境の整備」という項目の中の三項に、「交通の妨害となるような広告物類については、必要な規制を行なうようにすること。」、こういうことが決議に出されております。そこで今日皆さんからいただいておるところの交通事故の資料、これは保安局からいただいた資料を見ましても、警視庁からいただいた資料を見ましても、実に膨大な交通事故でありまして驚くほどであります。これは一々私が資料について指摘する必要はないと思いますが、これらの交通事故の中ではっきりしておることは、スピード違反というものが一番大きいわけであります。そこでスピード違反についてはいろいろの理由があると思います。そこでスピード違反を起こす理由は、その根本は何なのか、それらをお考え下さっておると思いますから、それをまず初めにお話しいただきたい。私は、その中にやはり広告物類等が交通規制の標識等をじゃまをして違反を起こしておるという例もたくさんあると思うのですが、そういう点についてまずお話しを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/20
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021・木村行藏
○木村(行)政府委員 スピード違反を起こしている原因といいますか、その運転手のメンタリティ、心理といいますか、これにつきましてはいろいろあるかと思いますけれども、まあ一つの点では、確かに法を無視するいわゆる順法精神に欠けているという場合が顕著な例として、特に悪質な交通違反なり交通事故に出ております。それからまた、ただいま川村委員からお話がございましたように、いろいろな道路標識、信号機などについて、それを妨害する、あるいはそれに類似した標識の効果を非常に害するようなものがあって、道路環境について非常に不整備である。従って運転者がスピードの規制の具体的な内容がはっきり見えないために、気づかないうちにうっかりスピード違反をしているというのもあるかと思います。それ以外に、最近非常に問題になっておりますところの神風タクシーなり、長距離トラックなり、砂利トラックのように、単に運転者だけのメンタリティでなしに、その背後に労務管理といいますか、無理にノルマをかせがしておるというような背景がある場合があると思います。いろいろ問題がからんでおりまして一律には申し上げかねますけれども、そういう状態ではなかろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/21
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022・川村継義
○川村委員 先ほど申し上げましたように、いろいろ都内の交通状況を見て、われわれ専門でありませんけれども、これはこの前神風タクシーの問題があったときも、私は強く感じてお話ししたことがあると思いますが、広告物等がやはりせっかくの道路規制等の標識をじゃまをして、運転者がこれを誤まるというような事故、そういうものも非常に多いのじゃないか、こういうように予測をいたします。そこで広告物の取り締まりといいましょうか、これらを規制するということは何といっても必要だし、特に東京都のようなこういう繁華な町ではそれが必要じゃないか、このように思っております。ちょうどこの前視察に出かけましたときに大へんいい実例を見せてもらった。つまり電柱等に広告物等が張ってあるのを全部反対側に移す、あるいはその広告物を取り去るというような指導が行なわれているのを見て、大へんうれしく思ったわけでありますが、あれはやはり警視庁あたりの交通課等で行政的に指導なさっておるものですか。あの段階に至ったところの一部分の町があるわけですね。そういう広告をなくしたりあるいは反対側につけるというような措置がとられておるのですが、あれはただ行政的に指導されたのでございますか。その点ちょっとお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/22
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023・木村行藏
○木村(行)政府委員 あの点につきましては、もちろん行政指導はいたしておりますけれども、それ以外に法的根拠をもちましてある程度規制の励行をいたしておるわけであります。それは現行法の二十六条で、これは法案の七十七条に対応する先ほどの規定でございますが、警察署長の許可を受けなければならない事項といたしまして第四号に「道路において公安委員会の定める行為をしようとする者」というものが、警察署長の許可を受けなければならないことになっております。東京都におきましては一年くらい前あるいは一年半くらい前かもしれませんが、はっきり覚えておりませんが、ごく最近に至りまして、広告物が運転者の運転に非常に妨害になる、標識を正確に見るのに非常に支障があるというようないろいろな資料もはっきりいたしましたので、これに基づきまして、東京都におきまして公安委員会規則を作りまして、いわゆる道路標識に妨害になるようなものについての規制についての規則を作った、この規則に基づいて指導といいますか、規制をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/23
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024・川村継義
○川村委員 公安委員会の規則が東京都にあるわけですか。そうしますと、もっと完全にやれるのではないかと私は今思うのですがね。これはこの前見せていただいたのはごく一部分でありますが、ただわれわれが感じたのは、ずいぶんそういう乱雑な広告なんかがあるわけですね。規則があれば何かもう少しそういうのは強力にやれそうなものじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/24
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025・内海倫
○内海説明員 ただいま局長の申しました点につきましての公安委員会規則を弊視庁で作ったのであります。その内容といたしまして、まず道路を指定いたしまして、特に交通の繁華な公安委員会の指定した道路において、しかも先般ごらん願いましたような、その道路に面して取りつけられる、あるいは張られる広告物についての許可という規則でございます。さらにたしか一年ほど前でございましたか、その規則を制定いたしましたときに、現にそういう場所にこういう広告をしておる者につきましては、一定期間の猶予期間を設けまして、たしか現在まだその期間内に入っておるのじゃなかろうかと思っておりますが、その期間を過ぎますれば、あらためて許可対象として取り扱うわけですが、今日までの段階におきましては、まだ猶予期間内に入っておりますので、この前ごらん願いましたようなところにつきましては、その広告をしておる人、あるいはその広告をさせておる何といいますか、電柱とかあるいは建物等を持っておる側、こういう者と個別的に話し合いをしまして、いわゆる文字通りの行政指導で着手いたしまして、現段階におきましては、従いまして法的な許可を基礎にしてやるといいますよりも、むしろそういうふうな法令の根拠を基礎にしながら、行政指導という格好でまだやっておる段階でございます。正規にそれが、在来つけられておる広告物に対しまして効力を発揮するのはもう少し期間がかかるのじゃなかろうか、私ども今手元に資料を持っておりませんので、明確に年限のほどを記憶いたしておりませんが、そういう段階のものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/25
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026・川村継義
○川村委員 わかりました。今の電柱に張ったり何かする広告物、こういうものは七十七条の第一項の二号に入りますか、入りませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/26
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027・木村行藏
○木村(行)政府委員 今度の法案におきましては、私どもの一応立法過程におきまする解釈といたしましては、七十六条でいこう、七十六条の第二項の「何人も、信号機又は道路標識等の効用を妨げるような工作物又は物件を設置してはならない。」ということで、信号機や道路標識の効用を妨げるような工作物なりあるいは物件というものを禁止行為といたして規制しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/27
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028・川村継義
○川村委員 そうしますと、今の七十六条の二項にいわゆる広告物等は含まる、こう解釈しておいてよろしゅうございますね。そうなると、いわゆる広告物等の規制に関する屋外広告物法というものがあるはずでありますが、これとの関係はどういうふうにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/28
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029・木村行藏
○木村(行)政府委員 ただいまお答え申し上げたことを若干補足して申し上げたいと思いますが、大部分は七十六条の第二項の禁止行為で規制して参りたい。しかしはっきり、たとえば広告板のようなものがございます。それは七十七条の許可行為の第一項第二号に、はっきり広告板という文句が出ておりますので、これで規制すべきではないか。それから屋外広告物の関係は、先生御案内の通り、現実として都市美観、そういう観点から規制をいたしておりまして、道路交通といいますか、危険防止、そういう観点でありませんので、直接には関係はない、こういうように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/29
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030・川村継義
○川村委員 わかりました。私は道路交通法がいわゆる道路交通に関する基本法という立場に立って制定されたということであれば、この屋外広告物法等の法案にもやはりある点検討を加えられて、この法案に対して、道路交通という面から何か改正をする必要があるのじゃないか、そういうふうに考えてみたのです。屋外広告物は美観風致をそこなっていかぬというようなことでありますが、そのすべては条例にまかせてあるわけです。第四条を見ましても、いろいろと項目をあげてありますが、その中の道路という関係から見ましても、いわゆる禁止制限の道路の項には、「道路、鉄道、軌道、索道又はこれらに接続する地域で、美観風致を維持するために必要があるものとして当該都道府県が指定するもの」こう示しております。このように道路交通というのは非常に重大な問題となってきておりますから、こういう広告物の規制に関する法律をいま少しく検討して、そして道路交通という面からこの屋外広告物等の規制を考える必要があるのじゃないか。ただ美観をそこねるなどというようなことでなくて、そういう必要があろうと思うのですが、これについて検討をなさったでしょうか。ちょっとお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/30
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031・前田光嘉
○前田説明員 屋外広告物法は建設省の主管でございまして、先生の御指摘のように、内容は、制限または禁止に関する事項は地方公共団体にほとんど全面的にいっておりますので、最近各地に乱立する広告につきましての規制が、地方で区々でありまして、場所によりましては相当な成果をあげておるところもございますけれども、また場所によりましては非常に乱雑に流れそ、美観風致を害することはもちろん、ただいまお話しのように交通に対しましても障害が出ております。これに関連いたしまして、建設省では数年来この屋外広告物の規制ということを第一に考えまして、各方面の権威者の御意見を聞きながら検討を進めております。まだ結論は出ておりませんけれども、現在の現行法の体系のもとにおいて規制すべきものは規制する、あるいは場合によっては法律改正に持っていかなければならないというような観点から、総合的な検討を加えつつあるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/31
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032・川村継義
○川村委員 検討中だということでありますが、検討なさる場合に、私としては、やはりどうしても道路交通の面から考えていただいて、道路交通に支障のある、妨害となるような広告物等は設置させないようにする必要があるのじゃないかと思っておるわけです。そこで先ほど警察当局の話では、七十六条の二項に含めて考えておると言われましたけれども、これだけの文章で広告物等を取り締まっていくということは、大きな問題が出てくると考えておるのです。これはやはり警察当局も、建設省等と十分折衝なさって、道路交通法の中に、広告物が道路標識や標示を妨害するようなものは設置してはならぬというようなことをはっきりやはりうたい込めるように処置される必要があると思うのです。局長、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/32
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033・木村行藏
○木村(行)政府委員 ただいまの点につきまして、一応われわれ警察の側におきましては、いろいろ研究しました結果、道交法には、先ほど申し上げましたように、禁止行為で、交通を妨げる工作物や物件を禁止する、また場合によっては、七十七条の広告板の場合には許可をするというようなことで、それが一応の限度ではないかと思いますけれども、それ以外につきましては、ただいまお話がありました点につきましては、すでに建設省に対しましても、屋外広告物法の改正にあたりましては、交通の観点から、あるいは交通の円滑化というような観点からぜひ研究していただいて、早く改正してもらいたいということは、すでに申し入れをいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/33
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034・川村継義
○川村委員 やはり道路交通法が基本法だというお考えに立っておられるならば、そういう面に手抜かりのないようにやってもらいたいと私は思うのです。東京都内を常に走っております運転手諸君に言わせますと、どこは一方交通だ、あるいはどこのスピードは幾らだ、大体わかると思いますけれども、おそらく東京都内には、周囲の府県から相当数やはり運転者が毎日入り込んでくると思います。そういう人たちが入って参りますと、この繁雑な市内において、一々交通規制の標示を見分けていくというような困難があると思う。そういうものが自然とスピードを間違えたり何かして思わない事故を起こすということなどを考えると、どうしてもやはり広告物というのは、特に必要な場所においては十分規制ができるということを考えることが道路交通法の一つの任務じゃないか、私はこう思いますので、建設当局と十分研究して下さること、建設当局も、そういう風致美観ということも大事でありますけれども、やはり今日の重要問題でございます道路交通法の問題から屋外広告物等の規制を考えてもらう、こういうふうにぜひ御配慮を願いたいと考えておるわけであります。
それからスピード違反の問題はおそるべき問題でありますが、私といたしましては、これはまるきりしろうとでありましてわかりませんけれども、今日の日本の自動車の車両の構造そのものをやはりもう少し考える必要はないか、こう思っておりますので、運輸省の業務部長さんにお尋ねいたすわけでありますけれども、私は自動車のハンドルを握ったこともありませんし、機械がどうなっているか全然知りません。ただし、われわれの見たり聞いたりする場合、第一におそるべきものは、結局過労運転あるいはそれが原因でありましょうが、居眠り運転あるいは酒を飲んだめいてい運転、こういうものが今日非常に大きな事故を起こしておる。しかもその事故は大体スピード違反に連なっておるようであります。ということは、こういうようにしろうとながら察するわけです。酒を一ぱい飲んでいい気持で運転しておる、運転しておるときには、自然心理的影響で知らず知らずの間にスピードが出ていく。そのスピードが出ていくのを過労あるいは酒を飲んでいるために十分自分でわからない。大体四十五くらいで走っておるだろうと思っておっても、思わず下のペタルか何かを踏んで五十あるいはそれ以上のスピードで走っているかもしれない。そういうようなことがあってスピード違反あるいは思わない大きな事故ということが繰り返されておるのじゃなかろうか、このようにわれわれは思うのです。そうなりますと、これはやはり何か車の構造に規制を加えておくという必要があるのじゃないか。これはしろうとの意見でございますが、十分聞いて検討して下さい。と申し上げますのは、できるかどうかわかりませんが、四十五なら四十五のスピードをこえた場合には車の中でブーとブザーでも鳴るようなしかけはできぬか。とっぴなようなことですけれども、そうすると今の運転者にある程度の注意の喚起ができる。もう一つは、速度を切りかえる場合に、たとえば四十五なら四十五、四十なら四十以上は、何か操作をして切りかえなければ、どんなにやってももうスピードは出ない。それを切りかえたら六十でも七十でも出るけれども、切りかえるところを構造において規制していく、こういうようなことは一体できないものでしょうか。これは通産省の方がおられましたら、通産省の方からもお聞かせ願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/34
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035・梶本保邦
○梶本説明員 ただいまお話しのように、めいてい等の場合に気持が非常にほがらかになるというか、気持が大きくなってスピードを出し過ぎて、それによって事故が起こるというようなことも私はあり得ないことではないと考えております。しかしただいまお話しのように、車両そのものの構造上、スピードを出し過ぎた場合に何らかの方法で運転手自身に注意を喚起するというふうなことができるかどうか、ちょっと私自身その辺の技術的なことはわかりかねますので、先生のお話のありましたことを、帰りまして運輸省の自動車の技術屋にその話をさっそく伝えてみたいと思います。鉄道の方は御承知の通りオートマチック・ストップ・マシンというのがございまして、信号を無視して機関車が疾走した場合には自動的にとまる、地下鉄なんかにつけているような装置もございます。あるいはまた今度の長距離広軌幹線においては、信号を無視した場合には運転手の目の前に機関車の内部で赤いランプがつくというふうなことで注意を喚起するというような方法も考えられておるようでございますけれども、自動車については、まだ寡聞にして諸外国においてもそのような設備のあることは聞いておりません。
なお、ただいまの日本の自動車は、日本国内だけで使用されるのではなしに、やはり国産のトヨペット等を考えてみましても、外国への輸出ということも同時にわれわれとしては考えていかなければならない問題でございます。外国においてスピードの許容されておる条件等を考えてみますると、この問題はいろいろの面から検討しなければならない問題ではなかろうか、かように考えますので、専門の技術屋にさっそくお話の趣旨を伝えまして研究させていただきたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/35
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036・田中榮一
○田中(榮)委員 関連して。ただいま川村委員から、スピードを出し過ぎたときに何か赤ランプかブザーが鳴らせる設備はどうだろうかという大へん御名案が出たのであります。実は私のところへ昨年の夏ごろでございましたか、ある業者がそういう設備で新案特許をとりまして、それを持って参りまして、これを一つ検討してくれぬだろうかというので、警察庁の科学警察研究所の方へ持っていかしたわけです。内海さんもちょっと御関係なすったと思いますが、これは警察庁の関係でなくて、運輸省の関係であるというので、運輸省の運輸技術研究所の方へ持って参りまして、担当の技術官にいろいろ御検討願ったわけであります。技術官としては、大体効果はあるだろう、ただこれを自動車の車両につけるためには、一応何か法令の根拠がないと、特に自動車使用者に対しても相当な負担をかけることにもなるので、その点は法令の根拠が何かないと都合が悪いのではないか、こういうようなお話がございまして、それがために特に法令を改正するということは非常にむずかしいので、一ぺん運輸省側でも十分内々に研究してみようということがございました。その当時私は、しからば実際生産をして、実用的なものにして、各自動車に備えつけさせるためには、相当な費用がかかるかと言いましたところが、大した費用はかからないのです。スピード違反で出し過ぎた場合には、何か赤ランプかブザーが鳴りまして、すぐ取り締まりの警察官にもそれが外見から確認できるような装置になっておるということでございます。たまたま今川村委員からそういうお話がございましたので、実際そういう装置が現在研究されておりますので、その点はもう一回技術研究所の方に御相談になりまして、はたしてそういうものが効果的かどうかということを御検討願っていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/36
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037・内海倫
○内海説明員 補足いたしまして。今田中先生からお話がございました点、私確かにお受けしております。在来、ここ数年来私どものところに約二十件ほどそういうふうな発明というか、それぞれ紹介されて参りまして、いずれも警視庁、私どもの方の研究所及び神奈川県に委託いたしまして実験をいたしました。それらにつきましては、そのうちで特に数種類につきましては、そのことだけに関しましては、相当効果のある発明も行なわれております。それで難点は、先ほど先生のおっしゃいました、これを法的にどう義務づけるかということになりますと、やはり自動車の性能を一そう向上させるという観点とやや反するというほどではございませんが、若干チェックするような格好になりまして、なかなかむずかしい点もあろう。それから値段につきましては、私の記憶に間違いない限りは、最低たしか三千円くらいな費用で着装できるというふうなものも申し込んできた中にはございました。それが直ちに効果があるかどうかということについては記憶がございません。なお、現に警視庁におきましてそれを装着して現在も運行させておる実験車もございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/37
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038・川村継義
○川村委員 業務部長さんの方は、そういうのはどうもよくわからないというお話ですが、今だんだんお話を聞きますと、やはりそういう案を持っておる諸君がおるらしい、また研究もなさっておるようであります。外国は、私全然知らないのですが、外国にはそういう車はありませんか。警察の方は御存じないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/38
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039・内海倫
○内海説明員 二、三法的な面から、それから実態の面から、私調べた経験はございますが、スピードを抑制するというのは寡聞にして私承知いたしておらないのであります。ただそれ以外の安全装備を設けるというふうな例はあるようにも聞いておりますが、スピードだけを規制するという装置をつけておるというのは、具体的には私承知いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/39
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040・川村継義
○川村委員 くどくなりますけれども、やはり一番こわいのはスピード違反、特に事故の大半を占めておるし、第一位なんです。その事故の中には、いわゆる製造会社の宣伝をうのみにして、違反と知りながらスリルを満喫するというやり方で事故を起こすということもあると思うのです。ところが、やはり過労運転あるいはめいてい運転等で、知らず知らずの間にスピードを出し過ぎて思わざる事故を起こすということが非常にあると思う。そういう点から考えていきますと、今日日本の進んでいる技術からすると、保安装備というか、そういう面を自動車の中に取りつけることは不可能ではないと私はしろうとながら思うのです。先ほど申し上げましたように、どういうことが生まれて参りますかわかりませんけれども、いい気持で運転しておるときに、ある一つの限度を越えたらブザーが鳴るとかなんとかで、あっと運転者が注意を喚起する装置をつけてくれるとか、あるいは四十五なら四十五以上のスピードを出そうと思うときには、機械を切りかえなければならない。そういう装置でもしておいて、四十五まではずっと出ていきますけれども、それ以上は切りかえなければ出ないということになっておりますと、必要なときには切りかえればいいわけですから、そういう装備ができると、案外スピード違反というもの、あるいは運転者、乗客そのものの生命を守るという点から、私非常に効果があるのじゃないか、こう考えるのです。そういう点は一つ自動車業の諸君にも十分研究するように指導してもらう必要があるのじゃないかと思うのです。でなければ、今日のああいう自動車の製造業者の人たちが宣伝一方で売りつけておるというような状況等を考えると、やはりそういうところに一つの行政指導と申しますか、そういうものが大事になってくるのじゃないか。車両法等にはいろいろな自動車の装備等が書いてありますけれども、その中にそういう保安設備と申しますか、保安装備というものをつけ加えていくように一つ早急に実現してもらいたいと思うのですが、どうですか、近いうちにやれそうだという何か望みはありますか。これは内海さんでもいいのですが、見通しはいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/40
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041・内海倫
○内海説明員 もっぱら車両の構造、装置の問題でございますので、運輸省の方において御検討願わなければならないと思っております。しかしまた、私先ほど申しました第一線における実験ではある程度効果があるという点は考えられますが、反面、車両保安の観点等から適当かどうかというふうな専門的な検討も必要であろうと思いますので、先ほど業務部長からお答えのありましたように、運輸省の技術研究所等で十分検討をされた上で御決定を願わなければならぬかと思います。ただ私しばしば考えますのは、法律上義務づけます場合に、例は悪い例でありますが、その取り締まり目的だけを強調いたしますと、ネコに鈴をつけさせるような結果にもなりまして、運転する方からはなはだ不評判になる点もありますので、そういうふうな面におけるいわゆる世論の問題も十分考え合わせて決定していく必要があるのではないか、こういうふうに与えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/41
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042・川村継義
○川村委員 私はとっぴなお尋ねをしておるようですが、われわれしろうとから見ても、今日の状況では、やはり自動車の構造の上から何かそういうものが必要じゃないか、こう考えられてならないので、どうぞ運輸省におきましても一つ研究していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/42
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043・梶本保邦
○梶本説明員 御趣旨はよくわかっております。決してとっぴな御意見とも考えておりません。十分に研究させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/43
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044・川村継義
○川村委員 私、今提案されております道路交通法案をずっと考えながら、この委員会で決議されました交通事故防止に関する決議の趣旨に従って今二点ほどお尋ねして参りましたが、あと三、四点お尋ねしてみたいと思うのであります。時間が大へんたっておりますので、明日委員会がございましたら、明日質疑をさせていただくことにして、この辺で一応保留させていただきたいと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/44
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045・纐纈彌三
○纐纈委員長代理 もう一つ、二つ続けてやって下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/45
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046・川村継義
○川村委員 それではもう少しお願いいたします。
次に第三点としてお尋ねしたいと思いますことは、この決議の中にも出て参っておりますが、今の交通環境の整備の方で、「夜間における交通の安全を確保するため、道路の照明について対策を講ずること。」こういうような項目がありまして、これは非常に重要な問題として論議されたことを記憶いたします。今度の法案でそれがどういうふうに取り扱われておるか、私まだよく法案のあれを見出しておりませんが、先ほど申し上げましたように、この道路交通法案が道路交通に関する基本法であるというふうな考え方に立てば、この道路の交通安全の当面の問題から考えても、この街灯という問題、街路照明という問題については何かやはり抜けておるのじゃないか、こう思われてならないのですが、どのように御検討なさったか。あるいはこの法案に盛り込むということは無理かもしれませんが、何かそういう面を御研究なさったか、お聞きをしたいと思うのです。われわれが街灯と申し上げておりますのは、これはもう都市に限らず、特に私はいなかのへんぴな道路交通ということを考えると、街灯という、街路照明というものは、夜間の道路交通から考えても非常に緊急な問題ではないかと思っております。ただ単なる道路交通の面からではなくて、これはたびたび青少年補導の問題でも、犯罪防止の問題でも出た問題でありますが、犯罪を防止するという面から考えても、これは非常に大きな問題である、また大切な課題を解決する方法ではないか、こう考えているのですが、この点について一つ御意見をお聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/46
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047・木村行藏
○木村(行)政府委員 ただいまの問題は、防犯の関係と、それから道路上の交通安全、危険防止という観点、両方からんだ非常に大きな問題で、確かに世論としてはたびたび強く要望されておりました。防犯の観点におきましては、関係省といろいろ折衝して、できるだけ街路の照明を多く設置してもらう、あるいは税金の関係でも軽免してもらう、あるいはそれぞれの公共の団体で設置するというようなことをいろいろやっておりますけれども、根本的には、やはり道路管理者の側の問題ではないかと思いますので、そちらからお答えをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/47
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048・前田光嘉
○前田説明員 道路の街灯につきましては、道路の管理者が道路の効用を発揮するために設けさせておりますが、特に市街地において必要な個所、あるいは橋梁について、またはトンネルにつきましては、特に最近では特別に建設いたしておりますけれども、今先生のお話しのように、地方におきましては、まだそういう点について十分な程度になっておりませんが、できるだけ交通の安全のために、道路を維持管理する上からも、街灯をつけるように今後努力していこうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/48
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049・川村継義
○川村委員 私も、今の街灯問題、街路照明等の問題を、この道路交通の中に盛り込むということは困難だと実は思うのですが、たとえば公安委員会等が道路管理者に対して、これこれ必要な個所については街灯を設置すべきである、こういうような指示を出す、そういうことは不可能でございますか。これは建設省としては、どういうふうに私が今申し上げた言葉をお受け取りになるでしょうか、一つお聞かせいただきたい。それから警察の方も、それはちょっと行き過ぎだとお考えなのか、やろうと思えばできるのか、その辺のところをちょっと聞かせておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/49
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050・前田光嘉
○前田説明員 ただいまお話の指示という意味が、私明確にあるいは法的な強制になるのかよく理解いたしかねますけれども、公安委員会の方から、適当な個所について街灯を設けるようにという御要請があれば、道路管理者におきましても努力すると思います。ただ道路につきましては非常に予算もかかりますので、道路管理者といたしまして、この場合、街灯をつける場合の道路管理上の緊急性と、あるいは舗装をし、あるいは道路を改良する場合の重要性ということを考えまして、直ちに公安委員会の御要望の通りに街灯をつけるかどうかは、ちょっと私も考えておりますけれども、極力今のお話のように、道路交通の安全のためには街灯をつけていくという気持を持っておりますので、そういう点からできるだけ今後努力をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/50
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051・木村行藏
○木村(行)政府委員 ただいまの問題につきましては、現実におきましては、たとえば私も第一線でいろいろ体験いたしましたけれども、公安委員会がそれぞれの具体的な個所を調査いたしまして、非常に犯罪が多い、あるいは風紀上の問題が多い、あるいは交通の事故が多いというような、具体的に暗い道路環境などにつきまして調べまして、それぞれの公安委員会からそれぞれの道路管理者に、これは設置してもらいたい、またあるいは関係の方面に要望しておるということは具体的にやっております。しかしそれを法に根拠を置きまして、公安委員会がそういう場合に指示するというようなことについては、若干いかがかと思うのであります。しかし、交通事故を防止する、あるいは交通の安全、円滑をはかるということは、非常に関係の向きが多うございますので、たとえば道路行政なり、建築行政なり、あるいは消防行政なり、万般関係いたしますので、それぞれの行政官庁におけるそれぞれの法規におきまして、できれば公安委員会の意見を徴する、あるいは協議してもらいたいというようなことについて、法的な改正なり、あるいは足がかりを作っていただきたいということは、たびたび要望いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/51
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052・川村継義
○川村委員 建設省の方にちょっとお聞きしたい。今、既設の街灯の電気料金というものはどれくらいでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/52
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053・前田光嘉
○前田説明員 相当広範にわたるものでありますので、ただいま調査の資料を持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/53
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054・川村継義
○川村委員 これは直接は通産関係でしょう、どっちの方でやっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/54
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055・前田光嘉
○前田説明員 道路管理者が設置しております電灯料につきましては、道路管理者から電気会社に払っておると思いますが、電灯料についての調査は多分まだ私の方では調査しておりませんので、あるいは正確な数字が出るかどうか疑問でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/55
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056・川村継義
○川村委員 私の手元にある資料がはたして正確であるかどうかわかりませんが、三十四年の上半期の定額街灯料金が十一億八千万円になっているのです。それに電灯料の総計が三十四年の上半期が五百八十八億二千万、こういうことになっておりますので、大体二%というのが定額街路灯の料金になっている。この料金は、大体御承知の通り町内会が負担しておるというような形で全部納められているわけです。私たちは、こういうようなものにも問題があると思っておりますけれども、この点を考えて参りますと、この電気料そのものを少し電気会社等は考慮する必要があると思います。これは一つ問題は別にしまして、建設省とされましても、街灯を設置する場合に、今の交通の安全ということと、防犯というような見地から、必要な街灯を設置するということになれば、その費用の負担ということは、これは十分検討して参らなければならぬと思います。国道の場合はどうなる、県道の場合はどうなる、市町村道の場合はどうなる、あるいは一般の公園等の場合はどうなる、こういういろいろと費用の負担ということは、これは研究しなければならぬと思いますけれども、やはりこの際、この道路交通という非常に重要な問題がわが国の大きな一つの政治的課題になっておりますので、今回このような大きな法案も出てきたわけで、そうなると、ただ都市部におけるところの装飾ということだけで考えないで、道路交通の安全あるいは円滑、こういう面から考えると、やはり全国的に見渡して必要な街灯を設置させる、こういうことは、私は当然建設省としても取り組んでいただかなければならぬ問題だと思うのですが、いかがでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/56
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057・前田光嘉
○前田説明員 道路の改修あるいは新設する場合におきましては、街灯を場所によりまして、ただいま申し上げましたように、橋梁なり、特に交通のひんぱんな街路等についてはもちろん補助の対象にしておりますけれども、現在ある道路につきまして街灯だけを設けるということにつきましては、これは現在道路管理者の負担になっております。道路管理者におきましても、必要に応じてやっておると思いますけれども、予算の関係もありまして、まだ全面的に街灯を整備するまでに至っておりません。しかし、できるだけ財政の許す限り、ただいまお話しのような趣旨もございますし、街路の整備につきましては施行したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/57
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058・川村継義
○川村委員 元来街灯を設備するというようなこと、しかも私が申し上げている街灯というのは、先ほどからたびたび申し上げますように、交通の安全を期する、それから防犯とかいう意味合いを含めまして、そういうふうな国民大衆の生活に不可欠な街灯を設置するというねらいなんです。これに現在は法的な根拠がないのじゃないかと私思っておりますから、そういうようなことを建設省では現在まだ検討されたことはないだろうと思うのですが、いかがでございますか。全然検討せられておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/58
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059・前田光嘉
○前田説明員 街灯につきましては、道路上に道路管理者が設けるものは、これは道路に関する規定を適用し、必要な場合に助成する道は道路法に出ております。しかし道路のうち特に緊急を要するものは、先ほど申しましたように、道路の改良なり、あるいは道路の新設、舗装、そういう点になってきますので、街灯につきましては、特に緊急を要するものにつきましては道路管理者が現在設置しておりますけれども、道路交通に支障のない程度に全国的にやりますと、道路管理者に対しましても相当な負担だと思いますので、その点につきましては、道路管理者におきましても十分検討しておると思いますけれども、特に国の方におきまして、街灯の設置のために特別の助成をするという段階にまで至っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/59
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060・川村継義
○川村委員 私がお尋ねしたのは、現在道路管理者が必要によって設置しておるというその問題は別にいたしまして、私が申し上げておるような必要を認めて、何か設置しなければならぬというようなそういう法的措置はないと私思うのですが、その点は検討されたことがございますかということなんであります。今、管理者が必要によって街灯を設置しておるということはあると思うのです。それを建設省なら建設省が国全体を見て、今の道路交通の安全、国民の生活に不可欠な街灯等について、防犯の見地に立って、交通の安全、交通の危険を防止する、こういう点から見ての街灯の設置をやらなければならぬというお考えはないのかどうか、あるいはそういうようなことが現在はできないから、何か法的な措置でも講じなければならぬというような御研究をなさったことがあるのかどうか、その辺をちょっと聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/60
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061・前田光嘉
○前田説明員 街灯のうち道路管理者が設置いたしますもの等については、先ほど申し上げましたが、それ以外に商店街あるいは防犯協会その他で任意に作っておりますものは、これは道路法上は道路の占用物件といたしまして、むしろ規制される立場にございます。道路行政の面から、道路上に街灯を設置すべきである、あるいは一定の場所に設置されなければならぬというような規定を置くことにつきまして、道路法で許す観点、あるいは道路建設という面から、道路の維持管理という面から見て、あるいはそういう法案ができるかどうか。むしろ違った観点から、防犯なりあるいは交通の方の観点から考えるべきで、道路法の観点からは、今まで私どもの方では検討したことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/61
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062・川村継義
○川村委員 実は私たちは今の問題で非常に切実な気持を持っているわけです。今回道路交通法が提案されまして、私も道路交通法の中にすぐそのまま、たとえば公安委員会の指示、命令によって、道路管理者は必要な個所に街灯を設けなければならぬ、そういうことができるのかどうか、それはもちろん私も疑問に思っております。しかし、何らかの形でやらなければ、今回この道路交通法が一つの道路交通に関する基本法だという大前提のもとに立ってできた以上、そういうようなことを完備しなければ、やはり道路交通の安全、道路交通の危険を少なくするという目的が達せられないのじゃないか、こう考えているわけです。そこで今私たちの方で街灯整備促進法案というものを実は作っているわけですが、これは一つ皆さん方に後日提案いたしますから十分御検討願いたい、このように考えております。私たちもこの問題をただ単なる交通法、それだけで考えているわけでありませんで、今申し上げますように、道路交通法が目的とする目的を大きく生かしながら、しかも防犯というような今日の問題を少しでもこういう環境の整備によって救済していく、そういう考え方から考えているわけですから、この点を一つぜひ皆さん方の方の研究をあわせてお願いをいたしておきたい、このように考えております。
それからその次の第四点でございます。少し問題がこまかになると思いますけれども、対面交通の問題についてちょっと所見を聞いておきたいと思います。今まで対面交通ということがとられてきたわけでありますけれども、今度の法案でもそれははっきり規定されております。ところが、まだまだ世間には、右側通行がいいのか、左側通行がいいのか非常に迷っている人が多いのです。そこでこの際、やはり警察当局は右側通行がいいのだという根拠を国民に示してもらう必要があると思うので、その点をまず明らかにしておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/62
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063・木村行藏
○木村(行)政府委員 対面交通そのものにつきましては、これは欧米各国ほとんど交通の輻湊している国におきましては、この対面交通という原則をとっておりまして、いわゆる歩行者が、向こうから対面して走って参りますところの自動車に対しまして、目と耳と両方で事前にいち早く、しかも正確に危険を予知してそれを防いでいくというような意味からいたしまして、対面交通そのものは一つの定則といいますか、交通ルールの基本的な定石ではないかと思います。ただ問題は、歩行者は右側を通行する、車は左側ということ、あるいは逆に車は右側、歩行者は左側というような通行の区分そのものについてはいろいろ問題があろうかと思います。この問題につきまして、対面交通並びに歩行者の右側通行ということについて施行いたしました昭和二十四年以来、私たちの方におきましては、対面交通及び右側通行というものについて周知徹底ということで、いろいろな場合を利用いたしまして、またいろいろな手段を利用いたしまして、相当努力いたして参っておるわけでありますけれども、御案内の通り、必ずしもこれが十分に満たされていないということが考えられます。しかし、これをさらに道交法の改正にからみまして、対面交通そのものをやめるということは私たち全然考えておりませんし、また歩行者の右側交通につきまして、左側のもとに戻すということについても、これは戻すにいたしましてもいろいろな条件がありまして、たとえば乗合バスの出入口を変えるとか、信号機の位置を全部変えるとか、あるいは路面電車のレールの切りかえ装置を変えるとか、いろいろな問題がたくさんからみまして、これらに要する費用がまことに莫大な数字になります。従いまして、対面交通を堅持しつつ、しかも二十四年以来実施して参りました歩行者の右側行通につきましては、この際さらに周知徹底して、長い目で歩行者の右側通行の習慣を築き上げて参りたい、こういうふうに考えておるわけでございます。大体比較的若い部層の面におきましては、右側通行をだんだん守ってきている。また学校教育などでも非常に根気強くいたしておりますので、若い部層におけるところの右側通行の順守は相当進んできておるのではないかと思います。従いまして、今後五年、十年というふうに日にちをかけていけば、右側通行についてもだんだん慣習が築き上げられていくのではないかと思います。昨年の九月の下旬、内閣審議室において調査いたしました世論調査におきましても、相当多数の部層の、若い部層から年寄りの部層に至るまで、いろいろな部層の数千人の人を対象として世論調査をいたしました。その世論調査の中で、道路交通に関する世論調査をいたしたのであります。あなたは道を歩く場合、右側を歩く場合が多いか、左側を歩く場合が多いかということを、端的に聞いた調査でございます。それによりますと、その対象の六七%は、すなわち七割近くは、自分は右側を歩く場合が多い、こういうふうに答えている。左側が多いというふうに答えたのが一一%でございます。どちらともきまっていないというのが二二%でありまして、大体右側通行というものが、きわめて徐々であるけれども、逐次守られる方向にいっているのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/63
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064・川村継義
○川村委員 状況は今お話しの通りだと思います。ところが今度の法案で見ますと、十条で右側通行をするということになっておりますし、これには罰則はないわけですけれども、十五条で、いわゆる警察の指示権が生まれてくる。指示権に従わない者は、結局右側通行を乱るときには罰則が入ってくるわけですが、考えてみると、右側通行をしなければならぬのを、勝手に、わがままに左側通行をして乱したということについて、ある程度制裁を加えるということは必要だとも思います。しかし現状において、何かのはずみで違反をした、右側通行をやらなかったということで直ちに罰則が適用になるということなどは、これは本意でないと私は思うのです。そういう点から考えると、今、木村さんがお話しのような現状でありますので、これはあくまでも右側通行を励行させるという指導、その趣旨にのっとって努力するということで、罰則等の適用はどんなものだろうかと考えるのです。むしろ今の段階でははずして、あくまでも指導ということで臨んでいった方がよくはないか、こうも考えるのですが、その点の見解はいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/64
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065・木村行藏
○木村(行)政府委員 ただいま先生のおっしゃった点につきまして、全く同感であります。やはり歩行者の順法精神に期待するという意味におきまして、右側通行というものを、いろいろな場を利用して行政指導して参りたい。指導というものを重点方針にして、そういう風習を築き上げていきたいというのが根本の趣旨であります。ただ、歩行者の中にも非常にふらちな者がありまして、特に悪質な者につきましては、指示してもなおかつ聞かないというような特に悪い場合には、場合によっては十五条というものによって制裁を加えるということもあり得ると思いますけれども、原則としては、先生がおっしゃった通り、指導中心主義で参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/65
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066・川村継義
○川村委員 その御趣旨は了解しなければならないと存じますが、ただこの問題について、御趣旨のようなことであれば、皆さん方が関係の人たちに右側通行が励行できるように協議をなさっておるかどうか。おそらくなさっておるとは思いますけれども、私たちの目から見ると、何か疑問に思うところが非常に多いのです。どうも人間は、左側通行がからだの性に合っているようです。私道路交通法が出ましてから、よく人の歩くのを見いてるのですが、たとえば院内を通行している諸君の状態や、あるいは会館を歩いている諸君の状態を見ていると、一番わかるのは曲がり角あたりでぱっと出会って、ちょっと衝突しそうになるとき、右によけるか左によけるかというと、大体左によけます。お互いにぱっと出会ったときには、大てい左によける。これは人間の本能というか、生まれてからの習性というか知りませんが、そういう点がありますから、右側通行に訓練するということは、ある点難点があるということを考えなければならぬ。馬でしたら、大てい右回りすると思いますけれども、人間は小学校のときから、運動会などでも、必ず左回りに走らせております。また、前へ進めというてやるときに、右から踏み出す者はない。左から踏み出す。日常生活というものも、大てい左からということになっておりますし、道路通行も、やはり左に傾く傾向があります。心臓が左にあるからかもしれませんけれども……。そういう点から考えていきますと、右側通行を励行させるということは、非常にむずかしい段階だということをわれわれとしては考えなければなりません。
それはそれとして、そういう点についてとやかく申し上げませんが、もう一つ環境の問題です。これはこの委員会でもたびたび問題になったと思いますが、駅では非常に左側通行が多い。たとえば一つの例をあげますと、東京駅の昔の乗車口、今何口と言いますか知らないが、その乗車口に入るときには、あれは左側通行になっている。あれが左側通行がいいのか、右側通行がいいのか考えてみると、必ずしも左側通行がいいとは言われません。ということは、どういうことかというと、これは私の一つの分析ですが、第七番線に乗りたいと思って改札から入っていきます。そうすると、おりてくる口が幾つあるか。一番線、二番線のおり口が一つ、その次には三番線、四番線のおり口が一つ、その次は五番線、六番線のおり口が一つあって、混雑するときには、そこからどんどんおりてくる。左側通行しておりますと、その流れを三つか四つ突っ切って、自分の目的の乗車ホームに上らなければならない。その場合右側通行をやったとするならば、そういう流れと反対にずっと通っていきまして、七番線に上がるときに一つの列を切れば、自分の目的の番線に入れるわけです。その動きをよく見ておりますと、これは右側通行がいいじゃないか、こう思うのです。そういうところは検討なさっておるかどうか知りませんが、どうして東京駅はああいうふうになっているかというと、それは切符を切る改札の諸君が左側に立っている。右側に出る方がおるのです。あれを反対に入れかえたら、あそこでもりっぱに右側通行ができるのじゃないかと私は思うのです。それはもう少し検討しなければなりませんが、実際そういう見方をいつもしておるのです。あの場合はかえって右側通行がいいのであって、ああいう環境においては、いつも右側通行の訓練をするという環境を作ってやることが必要じゃないかと思う。ところが、ああいう東京駅やいろんなところに行きますと、ここは左側通行でございますというのが非常に多いのですね。第一会館に入ると、左側通行と書いてある。ところがよく研究してみますと、あれは左側通行でなくても、けっこう右側通行がいいのです。こういうことを考えて参りますと、そういう点で皆さん方の交通面の指導啓蒙という点から、いろんな点で協議をして下さらなければならぬ点が多いのですが、一体それらについてどういう手を打って下さっておるのか、あるいはこの後どういう手を打とうとお考えなさっておるのか。そういう点は一つ十分お考えいただかなければならぬと思うのですが、ちょっと御意見を聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/66
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067・木村行藏
○木村(行)政府委員 対面交通が実施になりました二十四年の際に、一つの問題といたしまして、ただいまの駅の構内あるいは駅構内の道路の通行方法についての問題がありましたので、当時の国家地方警察本部から国鉄に要請いたしまして、右側通行に切りかえられた法の改正に即応していただくようにということで要望いたしたわけでございます。その要望に基づきまして、国鉄におかれましては、各地方の鉄道監理局長に対しまして、法の改正になった内容を紹介し、同時に従来駅の構内におきまして歩行者を指導する場合に、左側通行ということを原則として指導しておったのを、右側通行ということの指導にしてもらいたい、例外的にもし左側通行にする場合には、ここは左側という表示を掲げてその左側通行の指導をしてもらいたい、また駅の施設を新築したり、新設したり、あるいは改修する場合には、できる限り右側通行に切りかえられ得るような工夫をしていくというような通達を、国鉄から各地方の監理局長にいたしております。これに関しましては、率直に申し上げまして、その通達の実際の効果が必ずしも十分に達成されておるとは思われないのでありまして、多少期待はずれの点があるのじゃないかと思います。しかし、これも国鉄側においていろんな事情があったかと思います。しかしこれはただいまお話しのように、駅の構内においてできる限り右側通行の指導を徹底していくということになりますならば、おそらく駅外の一般の路上においても自然にそれが大きな習慣になりまして、右側通行の一つの大きなキー・ポイントになるのではないかと思います。これらに関しましては、参議院の地方行政委員会の審議の際においても非常に強く要望されまして、私たちの方におきましても、長官初め私たちが、できるだけ早い機会に国鉄の最高首脳部に対しまして具体的に問題をぶつけて参りたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/67
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068・川村継義
○川村委員 大へん時間がたっておりますので、事こまかに申し上げませんが、ぜひ一つ、万やむを得ないところはどうかと思うのですけれども、やろうと思えばやはり右側通行にちゃんと整理される個所が非常に多いと私は見ておるので、この点はどうぞ一つ関係各省に十分手を打ってもらって、特例中の特例は別にして、やはり右側通行ということが規定されておる以上は、それが実行できてわれわれの習性になるようにしてもらわなければなりません。私はそう考えるわけですから、この点は一つぜひあわせてお願いをしておきたいと思います。
大へん時間がたってしまいましたが、あと駐車場の問題等二、三点お聞きしたいのでありますけれども、また後日に譲りまして、最後に一つ大急ぎでお尋ねしておきます。交通整理に当たっておられます警察官の人たちは非常に手不足だと私は見ておるのです。しかも私が聞いたところでは二時間交代ということであります。これは東京の一番繁華街で警察官の人が二時間も立ってやるということは、私は非常に苦労だと思う。立って交通整理に当たって下さる警察官の人たちのいわゆる立つところの時間、これを短縮する必要があるということが一つ。もう一つは、あの整理に当たる警察官を思い切って増員して、民衆の交通整理に専念してもらうということが必要じゃないかと思っております。ちょうど数日前、銀座の方面で信号灯が故障しておった。青が出てこない。ところが黄、赤が順繰りにいきますもんですから、待っている諸君が、もう赤が消えたので今度は青だろうというので、がっと出ると、そうじゃない、出ない。そこで混んでしまってどうにもならない。おまわりさんが不都合なやつを一つつかまえて、お前何だと注意しておるもんだから、両方から入り組んでしまってどうにも動きがとれない。おまわりさんも、不都合なやつをつかまえて一生懸命になっておるので全体の整理ができない。入り組んでしまった大へんな状況を目撃したのですが、ああいう状況でありますならば、やはり二時間も立って仕事をして下さるということはちょっと過労じゃないか、少なくとも一時間交代くらいにする必要がある。こういうことを考えて、やはり交通整理の警官をある程度増員をして、そうして民衆の交通に協力してもらう、こういうことが大事じゃないかと思うのです。その点、何か現在検討されておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/68
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069・木村行藏
○木村(行)政府委員 まず第一に増員の関係でありますが、これに関しましては、御案内の通り警察官の一万名増員計画というものを警察庁で立てまして、三カ年計画でぜひこれを実現いたしたいということで努力いたしました。三十四年、三十五年というのが一応ある程度の増員を認められたわけでございます。この増員計画の一万名のうちの四千名は交通警察官の増員に振り向けるという計画でやっております。しかし、この四千名だけでは必ずしも私たち十分ではないかと思います。具体的に言いますと、警視庁あたりでは、交通関係の警察官は千七百名でございますが、しかしこれは警視庁本庁に勤めておる者もありますし、そういうものを除き、また各署に交通関係の警察官がおりますが、これも署内でいろんな書類を作っておる、いろんな企画をしておるというような者もありまして、純然たる街頭に立って交通整理に当たるというのは、千名になるかならぬかという程度でありまして、こういう程度ではなかなか十分ではなかろうと思います。従いまして、今後増員につきましても、あらゆる機会に努力しまして、ことに交通警察方面における増員というものにつきましては、精魂を傾けて参りたいと考えます。
それから、現実に交通警察官が街頭で二時間も立って整理しているという問題であります。これは確かに御説の通り、あの目まぐるしい、あらゆる雑多な車両、雑多な歩行者が入り組んだ、しかも非常にスピード・アップされた現在の交通状況というものを現場でさばくというのは、非常な困難だろうと思います。二時間というものはいわば過労になる。またそれからくる能率の低下、場合によっては気分がいらいらしてトラブルを起こすということもあり得ないとも限らないのであります。そういう意味におきまして、一時間交代ということが理想でありますけれども、現実の警視庁なり、その他大都会の警察署に配置されている警察官で、直ちに一時間に切りかえるということが可能かどうか大きな問題だと思います。しかしこの問題については、お話もありましたので、私たちも積極的に研究して参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/69
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070・川村継義
○川村委員 私は本日、昭和三十三年四月に決議されました交通事故防止に関する決議に基づいて、全般的な御質疑を申し上げたのであります。まだあとお尋ねしておきたいことが数点ございますが、また後日に譲ることといたしまして、これで質疑を終わりたいと思います。
私は本日、交通事故防止に関する決議の内容等の問題の数点を拾いまして、今度の道路交通法案の提案の趣旨に見合いながら数点お尋ねいたしたのでありますけれども、問題は非常に広範でございまして、十分当局もわれわれの質疑に対して誠意を持ってお答えいただいて、よりよい法案が作成されるように希望いたしまして、残余の質疑はまたいずれ機会を見てお尋ねいたしたいと思います。本日はこれで終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/70
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071・纐纈彌三
○纐纈委員長代理 本日は、これにて散会いたします。
午後一時十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X02619600426/71
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