1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和三十五年四月十四日(木曜日)
午前十時五十八分開議
出席委員
委員長 福田 一君
理事 淺香 忠雄君 理事 岡崎 英城君
理事 高橋 禎一君 理事 高橋 等君
理事 前田 正男君 理事 石橋 政嗣君
理事 石山 權作君 理事 田万 廣文君
生田 宏一君 内海 安吉君
始関 伊平君 谷川 和穗君
富田 健治君 保科善四郎君
山口 好一君 中原 健次君
柳田 秀一君 受田 新吉君
中村 時雄君
出席政府委員
法制局参事官
(第二部長) 野木 新一君
建設政務次官 大沢 雄一君
建設事務官
(大臣官房長) 鬼丸 勝之君
建設事務官
(計画局長) 關盛 吉雄君
委員外の出席者
農林事務官
(農地局参事
官) 正井 保之君
専 門 員 安倍 三郎君
—————————————
四月十四日
委員岡良一君及び中村時雄君辞任につき、その
補欠として柳田秀一君及び受田新吉君が議長の
指名で委員に選任された。
————◇—————
四月十三日
靖国神社の国家護持に関する請願(羽田武嗣郎
君外一名紹介)(第二二三二号)
同(櫻内義雄君紹介)(第二三六四号)
同(林唯義君紹介)(第二四一二号)
同外一件(齋藤邦吉君紹介)(第二四四二号)
文官恩給調整に関する請願(池田清志君紹介)
(第二二三三号)
旧軍人恩給の加算制復元に関する請願(池田清
志君紹介)(第二二三四号)
同(齋藤邦吉君紹介)(第二四四一号)
同(北澤直吉君紹介)(第二五一五号)
同外一件(森下國雄君紹介)(第二五一六号)
建国記念日制定に関する請願(池田清志君紹
介)(第二二三五号)
同(川野芳滿君紹介)(第二二三六号)
同(高田富與君紹介)(第二二三七号)
同外五百二十件(纐纈彌三君紹介)(第二二七
六号)
同(加藤鐐五郎君紹介)(第二二七七号)
同外五件(中島茂喜君紹介)(第二二七八号)
同外八件(相川勝六君紹介)(第二三六一号)
同外一件(大坪保雄君紹介)(第二三六二号)
同外一件(瀬戸山三男君紹介)(第二三六三
号)
同外二件(金子岩三君紹介)(第二四一〇号)
同外二十五件(林唯義君紹介)(第二四一一
号)
同(池田清志君紹介)(第二四四〇号)
同(床次徳二君紹介)(第二五一一号)
同外四件(中村寅太君紹介)(第二五一二号)
同(山本勝市君紹介)(第二五一三号)
金鵄勲章年金及び賜金復活に関する請願(馬場
元治君紹介)(第二二三八号)
寒冷地手当増額に関する請願(山本猛夫君紹
介)(第二二三九号)
同(石山權作君紹介)(第二二九五号)
同(石山權作君紹介)(第二三三七号)
同(栗林三郎君紹介)(第二三七七号)
同(佐野憲治君紹介)(第二三七八号)
建設省定員外職員の定員化に関する請願(淺香
忠雄君紹介)(第二二四〇号)
同外一件(小澤佐重喜君紹介)(第二二四一
号)
同外一件(臼井莊一君紹介)(第二二四二号)
同外五件(大野市郎君紹介)(第二二四三号)
同(大森玉木君紹介)(第二二四四号)
同(鍛冶良作君紹介)(第二二四五号)
同(鴨田宗一君紹介)(第二二四六号)
同(川野芳滿君紹介)(第二二四七号)
同(木倉和一郎君紹介)(第二二四八号)
同(北澤直吉君紹介)(第二二四九号)
同外二件(柳谷清三郎君紹介)(第二二五〇
号)
同外一件(小坂善太郎君紹介)(第二二五一
号)
同(小平久雄君紹介)(第二二五二号)
同(櫻内義雄君紹介)(第二二五三号)
同外一件(志賀健次郎君紹介)(第二二五四
号)
同(始関伊平君紹介)(第二二五五号)
同外一件(鈴木善幸君紹介)(第二二五六号)
同外五件(田中角榮君紹介)(第二二五七号)
同(寺島隆太郎君紹介)(第二二五八号)
同(丹羽兵助君紹介)(第二二五九号)
同(長谷川四郎君紹介)(第二二六〇号)
同(橋本登美三郎君紹介)(第二二六一号)
同外一件(橋本正之君紹介)(第二二六二号)
同外二件(原健三郎君紹介)(第二二六三号)
同(福井順一君紹介)(第二二六四号)
同(福井盛太君紹介)(第二二六五号)
同(増田甲子七君紹介)(第二二六六号)
同(猪俣浩三君紹介)(第二三〇二号)
同(石山權作君紹介)(第二三〇三号)
同(大原亨君紹介)(第二三〇四号)
同(風見章君紹介)(第二三〇五号)
同(上林與市郎君紹介)(第二三〇六号)
同(兒玉末男君紹介)(第二三〇七号)
同(小林進君紹介)(第二三〇八号)
同(館俊三君紹介)(第二三〇九号)
同(成田知巳君紹介)(第二三一〇号)
同(正木清君紹介)(第二三一一号)
同(三宅正一君紹介)(第二三一二号)
同(山中吾郎君紹介)(第二三一三号)
同(山中日露史君紹介)(第二三一四号)
同外十九件(和田博雄君紹介)(第二三一五
号)
同外八件(井出一太郎君紹介)(第二三八九
号)
同(今澄勇君紹介)(第二四一七号)
同外一件(今村等君紹介)(第二四一八号)
同(受田新吉君紹介)(第二四一九号)
同外一件(菊川君子君紹介)(第二四二〇号)
同(塚本三郎君紹介)(第二四二一号)
同外一件(堤ツルヨ君紹介)(第二四二二号)
同(石川次夫君紹介)(第二四七二号)
同外一件(猪俣浩三君紹介)(第二四七三号)
同(小川豊明君紹介)(第二四七四号)
同(風見章君紹介)(第二四七五号)
同(柏正男君紹介)(第二四七六号)
同(河上丈太郎君紹介)(第二四七七号)
同(栗原俊夫君紹介)(第二四七八号)
同(小林進君紹介)(第二四七九号)
同(東海林稔君紹介)(第二四八〇号)
同(實川清之君紹介)(第二四八一号)
同(鈴木茂三郎君紹介)(第二四八二号)
同(館俊三君紹介)(第二四八三号)
同(戸叶里子君紹介)(第二四八四号)
同(成田知巳君紹介)(第二四八五号)
同(正木清君紹介)(第二四八六号)
同(三鍋義三君紹介)(第二四八七号)
同(三宅正一君紹介)(第二四八八号)
同(山田長司君紹介)(第二四八九号)
同(山中吾郎君紹介)(第二四九〇号)
同(山中日露史君紹介)(第二四九一号)
建設省、北海道開発局及び運輸省港湾建設局定
員外職員の定員化に関する請願外一件(上林山
榮吉君紹介)(第二二六八号)
同(橋本正之君紹介)(第二二六九号)
同外一件(館俊三君紹介)(第二三一七号)
同(三宅正一君紹介)(第二三一八号)
同(今村等君紹介)(第二四二五号)
同(内海清君紹介)(第二四二六号)
同(堤ツルヨ君紹介)(第二四二七号)
同(上林山榮吉君紹介)(第二五一四号)
北海道開発局定員外職員の定員化に関する請願
(薄田美朝君紹介)(第二二七〇号)
同外一件(田中正巳君紹介)(第二二七一号)
同外一件(岡田春夫君紹介)(第二二九六号)
同(鈴木茂三郎君紹介)(第二二九七号)
同外一件(館俊三君紹介)(第二二九八号)
同外一件(永井勝次郎君紹介)(第二二九九
号)
同外一件(安井吉典君紹介)(第二三〇〇号)
同外一件(横路節雄君紹介)(第二三〇一号)
同外一件(今澄勇君紹介)(第二四一三号)
同外一件(受田新吉君紹介)(第二四一四号)
同(内海清君紹介)(第二四一五号)
同外一件(菊川君子君紹介)(第二四一六号)
運輸省港湾建設局定員外職員の定員化に関する
請願(櫻井奎夫君紹介)(第二三一六号)
同(今村等君紹介)(第二四二八号)
同(内海清君紹介)(第二四二九号)
同(塚本三郎君紹介)(第二四三〇号)
同(石田宥全君紹介)(第二四九三号)
北海道開発局札幌開発建設部庁舎新築に関する
請願(安井吉典君紹介)(第二三一九号)
同(小平忠君紹介)(第二四三九号)
自治省設置反対に関する請願(赤路友藏君紹
介)第二三三五号)
同(多賀谷真稔君紹介)(第二三三六号)
同(岡良一君紹介)(第二四四五号)
同(小松幹君紹介)(第二四四六号)
同(茜ケ久保重光君紹介)(第二四九四号)
同(赤路友藏君紹介)(第二四九五号)
同(櫻井奎夫君紹介)(第二四九六号)
行政機関定員外職員の全員定員化に関する請願
(河野密君紹介)(第二三三八号)
同(正木清君紹介)(第二三七六号)
同(金子岩三君紹介)(第二四二三号)
同外五件(茜ケ久保重光君紹介)(第二四四七
号)
同(栗原俊夫君紹介)(第二四四八号)
同(東海林稔君紹介)(第二四四九号)
同(正木清君紹介)(第二四九二号)
米駐留軍の行為による特別損失補償に関する請
願(塚原俊郎君紹介)(第二三三九号)
文部省文化財保護委員会事務局定員外職員の定
員化に関する請願(小島徹三君紹介)(第二三
六五号)
同(小林絹治君紹介)(第二三六六号)
同(佐々木盛雄君紹介)(第二三六七号)
同(富田健治君紹介)(第二三六八号)
同(渡海元三郎君紹介)(第二三六九号)
同外一件(堀川恭平君紹介)(第二三七〇号)
同(受田新吉君紹介)(第二四三一号)
同(菊川君子君紹介)(第二四三二号)
同(佐々木良作君紹介)(第二四三三号)
同(山下榮二君紹介)(第二四三四号)
国家公務員に対する寒冷地手当、石炭手当及び
薪炭手当の支給に関する法律の一部改正に関す
る請願外二件(西村関一君紹介)第二三八六
号)
同外二件(矢尾喜三郎君紹介)(第二三八七号)
同外二件(西村関一君紹介)(第二四四三号)
同外二件(矢尾喜三郎君紹介)(第二四四四号)
寒冷地関係給与に関する請願外十一件(佐野憲治
君紹介)(第二三八八号)
建設省地理調査所定員外職員の定員化に関する請
願(塚本三郎君紹介)(第二四二四号)
は本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した案件
建設省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出
第九二号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/0
-
001・福田一
○福田委員長 これより会議を開きます。
建設省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、前会に引き続き、質疑を許します。中村時雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/1
-
002・中村時雄
○中村(時)委員 きょうは私は手続の問題でいろいろお話をしてみたい、また質疑をしてみたい、このように思っておるのでありますが、その前に一点お聞きしておきたいことは、皆さんの中にも、これだけ時日が経過をしたのでありますから、この調査会におけるところの構成メンバーは、もうぼつぼつ腹案があろうと思われるので、この際それを発表していただきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/2
-
003・關盛吉雄
○關盛政府委員 ただいまお尋ねの公共用地取得制度調査会の委員の構成の問題でございますが、この委員は十五人以内で構成する予定でございまして、学者あるいは収用委員会の委員とか、あるいは実務家等、公共用地の取得について学識経験を有する者のうちから選任する、こういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/3
-
004・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、この前の私の質問のときとはだいぶ趣を異にして、主として収用委員会の委員あるいは学者、経験者、そういう者が中心になっておるわけなんですが、この前の話の中においては、被収用者も十分それを配慮してその中に入れていく、あなた方はそういう答弁をなさっていらっしゃったにかかわらず、依然としてまたもとの原則に返ってきた、こういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/4
-
005・關盛吉雄
○關盛政府委員 そう申し上げたつもりでありましたが、少し補足いたしまして申し上げますが、前会からお尋ねにありましたように、公共用地の取得は、諸般の総合的な対策等を検討いたすのでありますので、土地等を提供することとなる立場の側に立っての意見を申し述べられる方も、学識経験者の中に加えまして選考したい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/5
-
006・中村時雄
○中村(時)委員 もう少しはっきりしていただきたい。それではわずか十五人の人間ですから、だれをどうするということを、これは今聞く必要もないと思うのですが、わかっておればそれをはっきりと明示していただければけっこうなんですが……。そのことよりも基本的な問題として、それでは一体だれを何名、だれを何名、どういうふうに考えていらっしゃるか、もっと具体的にはっきり明示していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/6
-
007・關盛吉雄
○關盛政府委員 今まだその具体的な構成の比率等はきまっておりませんが、特に農業関係等におきましては、公共用地の取得問題が非常に大きな影響を与えますので、そういう方面の学識経験者を、もとよりこの委員の構成に十分反映できるように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/7
-
008・中村時雄
○中村(時)委員 ただ抽象的に学識経験者といいましても、たとえば学校で教えている教授のような立場を持った人、あるいはあなたの言葉を拡大解釈すれば直接農業に従事している者、職業別に見た場合いろいろあろうと思うのです。十五名というものの中心を何でもかんでも学識経験者、学識経験者というような、そういうべらぼうな話し方はないと思うのです。そこでもう少し具体的に考えて発表していただきたい。少なくとも調査会を作り、大体において学識経験者が何名、あるいは団体が何名、あるいは土地収用者が何名、土地収用委員会の委員が何名、そういうふうに、名前は別といたしましても、基本というものの比率は、大体の中の骨子があろうと思うわけでありまして、大体あなたはどういう構想を持っているのか、それを明確にしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/8
-
009・關盛吉雄
○關盛政府委員 ただいまお尋ねのようには、まだ具体的に申し上げる段階に至っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/9
-
010・中村時雄
○中村(時)委員 段階になってないということは、腹案は持っておるということなんですか。腹案も持たずして、あなた方はそういうことを言っているのですが、ただ抽象的にばく然と、土地の取り上げだけを中心として今の土地収用法の範囲を狭めようという、そういう考えだけに基づいて、あなた方は調査会というものは付帯的なものとして考えていらっしゃるのですか。土地収用法のどこかに手入れをしようということを目的にしておる。しかしそれでは名目がつきにくいから、そこで調査会というものを作って、人間だけを集めてみよう、こういう考え方なんですか。それとも調査会というものを主体にして、調査会でいろいろなことをさしてみようという考え方なのか。それでは全然考え方が違ってくるではないですか。たとえば調査会を主体にしていっていろいろな調査を行なわしめようという考え方、そういうことなれば当然構成ということが基礎にならなければならぬ。その基礎をないがしろにしておいて、この設置法で調査会だけを作ろうということになるならば、少なくともそれは目的でなくして、手段としてこの調査会を取り上げようという考え方なんです。目的はどこにあるのかといえば、起業者側からこの土地収用法に対するところの、あなた方にいろいろな建議をしておる。そのことを履行さすための言いわけのために調査会を作るとしか考えられない。そうでしょう。その点はっきり言明してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/10
-
011・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 ただいまの点でございますが、たびたびお答えを申しました通り私どもが調査会を設置するにつきましては、土地収用法の改正ということを予定いたしまして、ことにその内容等についてこうする、ああするということを予定してこの調査会を設置するのではございません。毎々お答え申し上げております通りいろいろと問題が多いのでございます。これらにつきましては十分学識経験者の方々の意見を聞きまして、この調査会において検討していただきたい、十分検討を尽くして、その結果によりまして改正すべきものがあれば改正したい、そういうところから出ておりまする次第でございます。その点につきましては再々申し上げた通り少しも変わっておりませんので、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/11
-
012・中村時雄
○中村(時)委員 政務次官のおっしゃるようにするなれば、目的ははっきりしておるのです。あなた方が出しておるパンフレットの中にはっきりしておるではないですか。業者側からほとんど出ておる。あなた方の「公共用地取得対策について」とこう書いてあるパンフレットの第一ページのところに「例えば大都市における公共施設の整備事業については、都市計画の見地より、公共施設の整備とあわせて、建築敷地及び建築物の整備を行うこととし、公共用地の取得の合理的解決にも資するような制度を立案準備中であるが、」とこうなっておる。これは主として道路のことをいっておるし、この問題は一般にいわれる超過収用の問題、すなわち都市計画法の十六条二項の問題に当てはまる問題であると思います。あるいはその次のページに、それらの諸問題に対して「(イ)補償額決定以前に、起業者に土地使用権を認める制度を一般化すること。(ロ)収用の手続を簡略にして、公共用地の迅速な取得ができるようにすること。(ハ)収用の裁決を迅速かつ公平に行いうるように収用委員会の組織及び審理手続を改めること。現行土地収用法は、その施行後においても、昭和二十八年及び三十一年の二回にわたって一部改正が行われたのであるが、土地収用制度は公共の利益の増進と私権の保護との調整をはかることを目的とする憲法第二十九条に基く国の基本制度の一つであるから、改正意見にみられるような制度の基本に関係ある重要な改正については慎重に検討する必要がある。」といって、すなわち調査会の目的というものは、業者側がただいろいろな案件を出して、これがいいか悪いかを考えてみようというお考え方はよくわかる。さすれば最も重要なのは調査会の人員が問題になってくる。その人員の構成が問題になってくる。その構成は大体十五名とおっしゃった。十五名とおっしゃるなれば、大体そういうことの勘案ができる人たちを入れるということです。入れるということになれば、土地収用委員会が何名、あるいは国会議員を入れるか入れないか知りませんが、それが何名、大体そういう基本条項というものがはっきり打ち出されなくてはならないと思う。私は何も声を大にしてこういうことを言いたくないのですが、そういうことをあいまいもことして平気でやっておるから官僚根性と言われるのです。そういう点をはっきりしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/12
-
013・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 ただいま御指摘になりました点は、問題点として今まで各方面から言われておることをフランクに私どもはあげておるわけです。ですから私どもは決して既成概念にとらわれて起業者の代弁をするとか、そういうことは毛頭考えていない。フランクに私どもは問題点を皆様方に申し上げておるわけであります。委員の内容につきましては、どういう方面から何名というところまではまだきめておりません。これにつきましてはやはり審議の経過、その他いろいろ十分に御意見を聞きまして、各方面の公平な適正な意見が反映されまするようにいたしたいと考えております次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/13
-
014・中村時雄
○中村(時)委員 どの調査会を作るにしても、調査会の内容を考えた場合には、大体基本というものはさまっておるのです。——政務次官、わかるのですか。質問をよく聞いておいてもらわないと困る。質問のピントをはずす、それを詭弁と称する。詭弁というのは、一つの問題の中心に入らずしておいて、自分がほかへよけていくことを詭弁と称する。あなた方のやり方というものはそういうやり方です。私の聞いているのは、調査会の目的のためにこういうことをするのだということを聞いているのじゃない。それをやるためには構成が一番大事なことなんだ。あなたは構成が一番大事だと思わないのですか。それではまずそれを聞いていきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/14
-
015・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 御意見の次第、よくわかる次第でございます。委員の構成につきましても大事でございますから、私どもやはり慎重に、申し上げましたように各方面の学識経験者——その中にはただいま御意見の中にもありました通り被収用者の側、ことにいろいろの問題が一番多い農民等の代表者の方も加えるということを申し上げておるわけでございまして、どういう内容の学識経験者を幾名、その中はどういうふうに分けるというところまでは、率直に申しましてまだ人数をきめて予定していないと申し上げている次第でございまして、決して詭弁を申し上げるつもりは毛頭ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/15
-
016・中村時雄
○中村(時)委員 それでは構成というのが一番大事なことはわかっている。どこだって原案というものはあるのです。たとえば学識経験者に対して漁業代表を幾ら、あるいは農民代表を幾ら、あるいは都市における被収用者を幾ら出すというふうな原案というものが大体あるものです。それによっていろいろな質疑の中で、これはこういうようにしようじゃないかというならまだ話はわかる。一番大事な骨格をほうっておいて、ワクだけは十五名ときめましたといって逃げようというのは卑怯なやり方です。あなたの横にいらっしゃる局長はおそらくわかっているのです。もうわかっている。しかし言ったら何か言われやしないかという危惧を持っている。はっきりしたらどうです。またそのことに対して、私たちはその審議を阻止するとか、あなたたちをつるし上げようとかいう気持は毛頭ありません。よりよい十分なものを作りたいと思っているから、大事なことを言っている。それを何でもかんでも隠し回って云々するということは、この審議の過程においては最も不必要なことだ。またそんなにおそれることも何もない。あなた方は実際農業代表を——被収用者に対しては何名ということはこの前も言わなかったが、十分考慮したいと言っている。十分考慮したいと言ったのはすでに二十日も前です。その間は一体何をやっていたのですか。そのときから言っているじゃないですか。それでもまだあなた方は、わかりません、次に考えますとかいうような御答弁をなさるつもりなんですか、はっきりしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/16
-
017・福田一
○福田委員長 ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/17
-
018・福田一
○福田委員長 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/18
-
019・中村時雄
○中村(時)委員 それではもっと具体的にお聞きいたしますが、政務次官、あわてぬようによく聞いておいていただきたい。それではたとえばまず考えられることは、この調査会の委員には、起業者側があります。それから今言った被収用者側があります。それからあなたのおっしゃる学識経験者、また中には評価員が必要になって参ります。評価というのは、おそらく土地収用委員会の委員が当たってくるのではないかと推察ができる。大きく分けますとそういうことになると思います。そうするとまず一番の骨子になるものは何かといえば、起業者側と常に意見の対立を見るのは被収用者側になってくる。そこで被収用者側と起業者側の比率を考えた場合に、数は多いけれども、常に不利な立場をとるのが被収用者側ということになってくる。そういう立場から考えて、私は大きく分ければ三つに分けられると思う。すなわち起業体と被収用側と今の評価を含めた学識経験者と称する側と、大体この三つに分けられると私は考える。もちろんこの三つを細分すれば、問題は幾らでも出て参りますが、一応名委員長のごあっせんもあるので……。大体そういうようなことになってくると思う。
そこで一つあなたにお尋ねしたいのは、先ほどから何回も言っておるように、一番被害をこうむってくるものは何かといえば、被収用者側である。そこで起業者側と被収用者側の比率を見た場合に、起業者側が被収用者側よりも多くその中には入らないということの言明を、はっきり打ち出すことができるかどうかということをお尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/19
-
020・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 ただいまの調査会の構成の内容の方針でございまするが、御意見の通り起業者側、被収用者側、それに学識経験者の公益代表と申しますか、そういう範疇の方、三者それぞれバランスのとれました構成と考える方針でございますが、ことに被収用者の側が起業者の側よりも不利になるというような構成は、少なくともとらないということを申し上げたいと思う次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/20
-
021・中村時雄
○中村(時)委員 それでは再確認するようでちょっと悪いのですけれども、間違いなく今言った起業者側よりも被収用者の方の数を多くする、こういうふうに結論づけてようございますね。そこのところはしっかりやっていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/21
-
022・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 被収用者側を多くするということまでは申せませんが、少なくとも少なくはならないというところまでは申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/22
-
023・中村時雄
○中村(時)委員 少なくすることはないということは多くなるということですね。そういうことを言うからあなたの答弁は詭弁だと言われることになるけれども、それはそれとして、一つ最後にこの問題だけに限ってお尋ねしておきたい。
それは都市と農村においてある程度相違があると思うのです。農村における土地を収用された者と、都市におけるところのたとえば高値を呼ぼうとするようなブローカー的な存在の人たちと、いろいろあると思うのです。農村におきましては生活の問題がその中に出てくるわけなんです。ですからおのずから態度は在ってくると思う。そういう立場から考えて、農村の代表ということは十分考えていただきたい。ほかの比例でいった場合に、農村におけるところの代表はより多くの者をとっていただきたい。私はこう思っておるわけです。そのことが意見を反映する一つの条件になっていくと思う。そういうところは真剣に考えてもらいたいのですが、一体どういうお考えを持っていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/23
-
024・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 被収用者の側に立ちまする委員、ことに農業関係の代表につきましては、十分御趣旨のあるところに沿いまして選考いたしたいと存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/24
-
025・中村時雄
○中村(時)委員 次に手続の問題に入っていきたいと思います。まず第一に、この収用法の手続を、以前の御答弁では、いろいろなこういう問題があるから、その問題によっての検討をした場合に何とかしてこれを簡易化しよう、こういうことがその骨子になってくると思うのですが、その簡易化するということは、権力機関によるところの財産権侵害ということを容易ならしめはしないかというおそれを私は抱いている。政務次官としてはどういうふうにその点をお考えになっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/25
-
026・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 収用手続の簡捷化の問題につきましては、私どもやはりこの収用手続ということが一面におきましては私権の保護ということと関連いたしまする問題でありますので、単に事務手続の簡素化ということだけを主体にして考えるということはできないと考えております。しかしながら収用される側に立ちまする私権の保護に差しつかえない範囲におきましては、これはできるだけ簡略化をいたしまして、土地収用の必要以上に長引くということのないようにできないものかということを考える次第でございます。たとえば公告の期間であるとか、あるいは書類の作成の内容であるとか、そういう点につきまして検討の結果、私権の保護に差しつかえないというような結論が委員会において出ましたならば、その点は十分尊重いたしたい。しかしながらやはり私権の保護ということが最も基本な問題でありまするから、事務の簡素化のために本来の目的を阻害するということは許されぬことであります。その点については私ども十分認識を持っておるつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/26
-
027・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、公共用地の取得を土地収用法で認めて、その財産権を侵害しないためにこの手続というものは定められておるわけですね。手続を定めるということは、この土地収用法の中においては、その財産権を基礎にしてでき上がっておるものだと私たちは解釈しておるわけです。一体政務次官はどういうふうにお考えになっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/27
-
028・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 御意見の通りであると考えます。しかしながら目的はそうでありましても、きめましたものがその目的を達成する範囲内におきまして、必ずしも完全なものであるばかりとは限りませんので、その目的の範囲内で、やはり定められた手続というものもなお改善の余地ある場合もあるということを私どもは考える次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/28
-
029・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、その目的を達成するために完全なものでないという場合もあるという、その場合とはどういうことを言っていらっしゃるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/29
-
030・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 たびたび申し上げております通り、私どもはそれを公平な調査機関に検討していただいて出すということであります。最初から結論がわかっておりますれば、何も調査会を作る必要はないわけであります。私どもが調査会の意見を聞くということが基本の立場で、真実さように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/30
-
031・中村時雄
○中村(時)委員 あなた、検討する検討すると言われるが、見当違いもおびただしい。あなたのおっしゃっておることは、この中には土地収用法の手続でちゃんと財産権を侵略しないように定められておる。それは認めます。しかしその目的を達成するためにその事例がいろいろあります、こう言っていらっしゃる。あなたの言う事例というのは、私が答弁するようでおかしいけれども、手続上からきて実際二年も三年もかかるというようなこともあるから、そういう実例を調査会に諮って、これがいいのか悪いのかということをお考えになるという答弁ならけっこうです。ところがあなたはそういうことを言わない。肝心かなめのところを抜いてしまって検討する検討すると言うから、私は見当違いだと言うのです。そこで二、三年かかるということがその検討の中心になってくると私は思う。いろいろなことをやってみると非常に手続がおくれてきた、あるいは実際収用の期間が長引いた、そういう事柄はどこに原因しておるかということを検討することが検討なんです。そうでしょう。私はそう思うのです。またそれが骨子になっていると思う。えらい皮肉ったような御質問になりますけれども、違うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/31
-
032・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 決してお言葉を返すつもりはございませんが、現在収用委員会におきまする裁定までの期間が、平均しまして二百日を要しておる次第でございます。これにつきましては、必ずしも制度の問題でなくて、運営の改善によってもっと短縮できる場合もあるかとも思いまするが、さればといいまして制度の内容に属しまする事柄につきましては、新しい収用法のできました精神が、私権の尊重のために、そして公共の必要との調整をはかるためにできたからという、この目的がりっぱであるということだけによりまして、現在の制度そのものが完璧であるということは断定できないと思う次第でございます。昨日も参考人から意見がありましたが、あるいはそういう点が事務機構等にも関係しておるかもわかりません。しかし現実に問題があることだけは事実でございまするので、いろいろのデータ、いろいろな点をそのままに調査会に私どもといたしましては提出をいたしまして、十分一つ第三者に検討していただく、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/32
-
033・中村時雄
○中村(時)委員 どうも聞いていると、わからぬことがわかったような感じで、具体的な問題が一つも出てこない。ただ抽象的に何でもかんでも調査会に全部持ち込んでしまうというようなお考え方のようなんです。そこであなたは私権の尊重も考えているとおっしゃる。このことは考えているということなれば、私権の尊重を考えて、自分の生活がどうなるかというような場合に、わずか百日や百二十日ぐらいでそういうような問題が解決できると思っておること自身が私はおかしいと思う。自分の一生を支配するのに、わずか半年や一年間でこの問題の解決ができるなれば、それは大へんけっこうなことだと私は思う。それがけしからぬということにはならないと思う。そこで私は一つお尋ねしたいのは、あなたは今その手続に二百日もかかるとおっしゃいますが、二百日という内容を分析してもらいたい。どうやって二百日かかりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/33
-
034・關盛吉雄
○關盛政府委員 ただいまお話がありました土地収用法の手続の想定されます所要期間の問題でございますが、事業認定から土地細目の公告、さらに調書の作成、協議、さらに最終的に収用委員会が裁決をいたします。その日数の過去五カ年間の裁決事案に関する実績の平均は二百日ということになっておりますので、それを政務次官から申し上げられたのでございます。これは収用の手続の所要期間といたしましては、先ほど申し上げましたように、行政処分の形態がおおむね四段階に分かれて出てきておりますので、従って事業認定に要します部分と、それから収用の裁決に要する期間が、その半ば以上の期間を占めておるのでございます。細目の公告あるいは調書の作成、協議というのは、その残余の期間であるというふうに御了解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/34
-
035・中村時雄
○中村(時)委員 それではこれは大事なところですから、もう少し細目にわたって伺いますが、一体事業認定は何日ぐらいと見ているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/35
-
036・關盛吉雄
○關盛政府委員 事業認定の所要日数は、これも過去三カ年間の土地収用法の手続の関係から見て参りますと、非常に多くかかったので三百日もかかっておるのもございますが、平均いたしまして百日から八十日前後になっております。それが過去の実績でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/36
-
037・中村時雄
○中村(時)委員 事業認定というものを、あなたのおっしゃるのには三カ年の統計上から一つの結論を出しておられる。そこでその三カ年という年度は何年と何年とを言っていらっしゃるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/37
-
038・關盛吉雄
○關盛政府委員 昭和三十一年から三十三年の統計によっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/38
-
039・中村時雄
○中村(時)委員 細目の公告というのは何日くらい予定しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/39
-
040・關盛吉雄
○關盛政府委員 土地細目の公告でございますが、土地細目の公告につきましては、最大の場合と最小の場合とでいろいろ違いますが、これは二十日ぐらいが一応の目安だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/40
-
041・中村時雄
○中村(時)委員 細目の公告をするのに二十日もかかりますか。そんなに日数が必要ですか。大体一週間内外というのが普通ですよ。そんな二十日とあなたは認定をしているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/41
-
042・關盛吉雄
○關盛政府委員 土地細目の公告は、起業者が事業認定を受けましてから、都道府県知事に土地細目の公告の申請をいたしまして、知事が所要の手続を終えまして公報に登載をする、こういう行為を言うわけでございますので、今お話のように、事実上は一週間くらいあればいいわけでございますけれども、場合よってはそれが延びる場合もありますので、二十日くらいを見込んだ、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/42
-
043・中村時雄
○中村(時)委員 調書の作成、協議事項というものは、どのくらいに見ておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/43
-
044・關盛吉雄
○關盛政府委員 これは理想的にスピード・アップして行なえる場合と、実際の場合につきましてはいろいろ差異があろうと思いますが、やはり二週間から二十五日の間が予想される日数ではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/44
-
045・中村時雄
○中村(時)委員 裁決、これはいろいろ問題がありますが、裁決というものはどのくらいに見ておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/45
-
046・關盛吉雄
○關盛政府委員 過去三カ年間の裁決の所要日数というのは、非常に短い場合と長い場合がございます。従って過去の実績から見て参りますと、三十一年から三十三年までの三カ年間の平均は、百二、三十日というところが大体の状況を示しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/46
-
047・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると大体百二十日が裁決の状況になる。しかも締めていけば、今言った細目公告にしても、二十日と言っているけれども、一週間くらいでできる。さらには事業認定の問題にいたしましても、締めれば六十日前後でできるのではないか、私はこう見ている。そうすると、あなた方がおっしゃっている非常に期間が長くかかるという問題は、ただ単に内容の問題でなくして、手続上からくる運用の問題であるという一つの帰結が生まれてくるのではないかという考え方が出てくる。そうすると問題は、運用の問題とこの法案自身の内容の問題、要するに今言った事業認定の問題なり、細目公告なり、あるいは調書の作成、協議、さらには裁決、こういう内容的な問題と、両面の問題が出てくると思うのです。あなた方はどういうふうに考えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/47
-
048・關盛吉雄
○關盛政府委員 確かに収用委員会の裁決につきましては、昨日も参考人の長らく委員会の事務を担当しておられる飯沼さんの御説明がありました通りに、収用委員会の裁決における調査とか、そういうふうな内部機構の整備によりまして、現在の裁決事案の処理がさらに適正にしてかつ能率を上げることができる可能性もあろうと思います。さらにもっと評価の基準でありますとか、そういったような点についての科学的な処理ができるならば、さらに合理的な意味における裁決の所要期間を短縮する、こういうことも一つの収用制度のいわゆる目的から見て、正確な権利の評価と収用事務の能率化ということがはかられる一つの道ではないかと考えておりますが、事業認定あるいは細目公告その他につきましては、当事者の権利並びに利害関係人に対する所要の手続上の縦覧なり公告等の日数は、最低限度保持しなければなりません。従ってこの収用の事業認定等につきましては、極力現在の役所事務の処理の能率化を念願として、どの程度までできるかということにやはり重点をしぼらなければならぬ、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/48
-
049・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、もうちょっと具体的に話をしていただきたいのですが、あなた方もこれははっきりここへ文書にして出していらっしゃる。「土地収用制度は公共の利益の増進と私権の保護との調整をはかることを目的とする憲法第二十九条に基く国の基本制度の一つである」こういうふうなことを確認されていらっしゃる。そうするとなれば、今言ったように二つの問題があるわけなんですが、そのうちの一つである「私権の保護との調整をはかる」こういうことになっている。その「私権の保護との調整をはかる」ということは、生活の擁護ということに私は問題がなってくると思う。そうするとわずか四、五カ月間の手続の期間であるにかかわらず、どこか一つ悪いところを直そうというような考え方があるならば、一体現行法のどこをどういうようにしようとお考えになっているのか、具体的に私は伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/49
-
050・關盛吉雄
○關盛政府委員 ただいまの御質問でございますが、具体的に土地収用法の手続関係のどこをどうするかということは、今いろいろ申し上げました資料等によって、今後十分検討をすべき事柄だと考えておるわけでございまして、今われわれの方で、これをこういうふうなことで直す案を持っておるという意味まではっきり固まっておるわけではございません。今までの段階におきまして、たとえば事業認定を土地収用の方で建設大臣が行なうことになっておりますが、それを事業を実施する者が事業を行なうことを決定したことをもって、事業認定の効力とみなすというふうなことをすればどうだろうかというふうな意見も、この事業認定そのものについても出ておるわけでございます。これらもやはり大きく検討すべき問題でありましょうとわれわれも考えておりますが、全体として、手続関係の事項のどの部分をどう縮めるか、あるいはどの部分をどういうふうにした方がいいかということについては、今後実は検討したい、こういうふうに考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/50
-
051・中村時雄
○中村(時)委員 あなた方が検討する事項とおっしゃったが、その検討する事項の中で、たとえばとおっしゃって今言った発言は、非常に重大な問題なんで、たとえば事業実施者が事業を行なうことを決定したことをもって認定とみなす、こういうものの言い方をされていらっしゃるのですが、その場合が問題が出てくるわけです。そのことは一種の、あなた方官庁の馬脚を現わしたと私は思うのですが、そういうふうに一方的にそういうような問題をきめるということに対して、私は疑義があるから言っておるのです。すなわち私権を認めていて、わずか四、五カ月のことで、この認定の問題を短縮してしまおうということになれば——四、五カ月で自分の一生涯の畑地なり農地というものを取られていくそのこと自身が、農業経営に及ぼす影響が非常に大きい。かりに今ここに五反持っている。そのうちの二反なら二反を取られた。二反を取られた場合、残りは三反、その三反ではたして農業経営が円滑にできるかどうかという問題、この重要な基本に入ってくると思う。そのこと自身は、農業政策としての大きな基盤というものが、その中からくずれてくることになる、そういう事柄をあなた方は考えたことがあるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/51
-
052・關盛吉雄
○關盛政府委員 お尋ねでございますけれども、少し議論になってはいけませんが、私が今申しましたのは、ただいまお話になりましたようなこととはちょっと違っておると思うのでございます。土地収用法の事業認定は、御承知の通りに法の規定する、土地収用に関する三条各号の事業に該当するかどうかということを認定するわけでございまして、従ってこの認定というものは、それぞれ今土地収用法における条文が規定されておるわけでございます。ただそれについて一部、そういう意見があるということを申し上げておるのでございまして、私たちは直ちにそれを可として検討しようという意味で申し上げているのではないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/52
-
053・中村時雄
○中村(時)委員 政務次官にお聞きするのですが、今お聞きのように、可ということは考えていないとおっしゃる。それで政務次官としては、個人としてでけっこうです。個人としては一体どういうふうなお考えを持っていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/53
-
054・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 私どもフランクに、いろいろ問題のございますることを、お尋ねによりましてお答え申しておるわけでございまして、問題点が直ちに、私どもがその方向で法改正を意図しているということは、全然私どもその点は違いますので、この点につきましてはあらかじめ一つ御了承を得たいと思うわけでございます。私個人といたしましては、率直に申しまして現在の改正されました新しい土地収用制度は、新憲法の精神に基づいて、この最も重要な国民の権利であります私有財産権の保護ということと公共の利益ということをできるだけ調整するという、この憲法の精神に基づいたものでありまして、その精神につきましては私ども何らこれを変える必要があるどころではなく、ますますこの精神によらなければならぬと私は考えておる次第であります。しかしながらとにかくにもこれほどいろいろと各方面から種々の要望なり意見なり出ておりますので、やはりどこかに、検討いたしますれば、この制度の趣旨なり精神なりを傷つけない範囲で、もっと改善をする余地はあるのではなかろうかというふうに、私どもとしては率直に考えている次第であります。しかしそれならばどこをどう考えているのだ、そういうふうに具体的におっしゃられますと、どうということは実際今予定しているわけでは決してございません。ただ問題のありますということは、いろいろ各方面の要望、あるいは実際の建設省の起業者としての立場からの仕事のおくれその他から、やはり問題のあるということは事実でございますので、これらの点を公平な調査会で十分検討していただきまして、謙虚にそれを聞いて、この制度の改善すべきものがあれば改善したい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/54
-
055・中村時雄
○中村(時)委員 あなたの話を聞いておると、全部答弁が一定している。最初に肯定しておる。これは非常によろしいと肯定しておる。そして必ずそのあとにはしかしながらとついておる。速記録を読んでごらんなさい。そのあとでは、私はこういうふうに考えていると、今度は逆に業者側の立場を肯定している。あなたは昔知事をやっていらっしゃったから、そういうふうなところの渡り方がうまいのかもしれませんが、あるいはまた岸さんの答弁に似通ったのかもしれませんけれども、とにかくそういうふうな答弁をしていらっしゃる。だからちっともはっきりした態度が出てこない。そこで私は、個人的にお尋ねしても、やはり個人的にでもそれが出てくる。だからすっきりしたものが出てこない。私の聞いていることは、わずか四、五カ月で一生涯のことをきめようという事柄に対して、それを縮めようという事柄は必要ないじゃないかということを聞いている。それを個人的にあなたはどう考えているかということを聞いている。私の質問はただそれだけなんです。私は今の御答弁の中から考えてみると、必要ないと思うのですが、どうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/55
-
056・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 どうもまことに恐縮でございまするが、これは意見の相違のようでございまして、私決して議論を申し上げたり、何か言葉を返すつもりは全然ございませんが、私は正真正銘申し上げている通り思っている次第でございますので、どうも繰り返すことになりましてまことに恐縮でございますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/56
-
057・福田一
○福田委員長 ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/57
-
058・福田一
○福田委員長 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/58
-
059・中村時雄
○中村(時)委員 次に、一番もとになってくる補償の問題ですが、現在の各地における土地収用上の問題は主として補償が中心であって、私は土地収用法自体についての問題は農民は、法の精神を理解して協力している、こういうように考えておるわけです。そこで補償の問題がこの土地収用法の中心になって、その期間の問題、要するに期間が長引いた、その原因は運用がまずかったとか、今言った法手続の内容の問題であるとか、そういうふうな問題が実は派生的に現われてきているのではないか、こう思うわけなんです。あくまでもその補償の問題の話し合いが中心になるのじゃないか、こう思っているのですが、どういうようにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/59
-
060・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 現在の土地収用制度の中心は、いろいろとしぼって参りますれば、これは私権の保護という立場から、補償の問題が中心になるということは御意見の通りであると私も考えておる次第であります。しかしながら、恐縮でございまするが、なお生活再建の問題も現在におきましてはそれにつけ加えまして、やはりさらに一そう考えなければならぬ問題になってきている、かように考える次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/60
-
061・中村時雄
○中村(時)委員 そこでそれではその土地収用法は、憲法に規定されました財産権の補償を適正に行なうために、権力機関の権利の乱用を防ぐための手続を定めたものだ、私はこう思っているわけなんです。それに対してどういうお考えを持っているか。同時にまた私有権の侵害とならぬよう、権利者の権利を保護するためには、確実な補償がなされるべきであろう、私は基本的
にはそう考えるのですが、その考えに対してどういうふうにお考えでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/61
-
062・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 全く同感でござ
います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/62
-
063・中村時雄
○中村(時)委員 そうするとそのこと
の確認がはっきり一つでき上がったこと、それからもう一つ、国家社会の福祉増進のために私有財産を制限しよう、または収用することができることにこの都市計画法の十六条の第二項にはなっておるが、あくまでもその根拠となるものは、正当な補償がなされることが前提になっていると私は思うが、これに対してどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/63
-
064・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 やはり同様に私も考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/64
-
065・中村時雄
○中村(時)委員 次に土地収用権を取得したあとの補償手続はいかなる方法を考えておるか。——どうもわからないのだろうと思うのですが、そのつもりで質問したのですけれども、それはこういうことなんです。補償価格の決定は土地収用委員会で定められることになっておる。そこで補償問題で時日がかかるから、簡易な手続をとってくるとするなれば、その適正な補償決定前の使用というものが、憲法の二十九条をあなたは認めておりながら、その憲法の二十九条に違反するような行為になってきはせぬかということをお尋ねしたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/65
-
066・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 緊急使用の問題についてのお尋ねと存じまするが、緊急使用はあくまでもこれは例外でございまして、特別の場合にのみ許されるものと私は考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/66
-
067・中村時雄
○中村(時)委員 それではかりに手続を簡易化していって期日を狭めるとするなれば、そういうことが中心になっているわけなんですが、それではどのようにして適正な補償の判断をされるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/67
-
068・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 御質問の趣旨を私よく理解しないかもしれませんが、適正な補償は評価の適正ということにかかってくる次第でございます。この点は土地収用委員会におきまして、十分にやっていただかなければならぬ問題と考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/68
-
069・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、はっきりしておいていただきたいのですよ。期日は狭められる、補償の決定というものはそれだけおくれてくる。ところが一番問題になるのは、補償を決定するために農民側からこれだけにしてくれ、起業者側からこれだけにしてくれ、そのことが期間を長引かしておる。その基本というものをはっきりさせずにおいて、片一方の手続だけを狭めていこうということになれば、敢然として権利の履行ということになって現われてきはせぬか、そのことに対しておそれる。何かそれに対していいお考えを持っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/69
-
070・福田一
○福田委員長 ちょっと速記をやめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/70
-
071・福田一
○福田委員長 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/71
-
072・中村時雄
○中村(時)委員 最後に一点お聞きしておきますが、補償を決定しないのにいきなりその土地を使用するとか、そういうことは厳に慎んでいただきたいと思うのです。これが一番の基本になりますから、その点だけは明確に答えておいていただきたい。その答え方いかんによって終わりますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/72
-
073・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 緊急使用の問題でございますが、これは先ほど来申し上げております通り、あくまでも例外の場合に認められるわけでございまして、これをいたずらに拡大するということは、土地収用法の精神の上からいっても許されないと考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/73
-
074・福田一
○福田委員長 次に受田新吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/74
-
075・受田新吉
○受田委員 時刻が十二時になってなんですが、しばらくの間がまんしていただきたい。私は中村委員の質問に関連してまずお尋ねしたい点があるのです。きょういただきました資料の中に損失補償裁決比較表というのがあります。これを見ますと、大阪市長が特別都市計画街路事業として事業を起こそうとした際に、起業者の申請価格と所有者の主張と裁決額を比較するときに、所有者の主張は坪九万円となっており、起業者の申請と裁決額は八千円となっておる。こういう著しい違いが要求と裁決額の数字の上に現われておるということは、どこかに何か無理があるのじゃないか。ばかな要求をする所有者もあるでしょうし、また起業者そのものがばか安い希望価格を申し出るということもありましょうが、一体こういうものは裁決する際にどういうことを要件にして考えているのですか。たとえば所有者が九万という要求を出していることにおいては、その土地の価値判断に重大な要素がひそんでおるということも考えておるのかどうか。今中村委員の質問の中にあったように、同じ農地であっても収用者側から見れば単に農地として普通の価格で買い受けたいと思っているときに、その農地のかえ地もない、農業を他の職業に転換せなければいかぬというような問題も考慮に入れておるのかどうか、お答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/75
-
076・關盛吉雄
○關盛政府委員 ただいまの御質問はお手元に配付いたしました損失補償の裁決比較表の第七ページの三十年三月二十八日の特別都市計画街路事業の裁決額についての、起業者と所有者のそれぞれの申請、主張の隔たりのある例の御質問だったと思うのでございますが、これは確かに両方の申請とそれから主張を比較いたしますと、非常な隔たりがありますのでごもっともでございますが、収用委員会といたしましては、土地の収用をいたしますときにおける時点で近傍類地取引の価格等を考慮いたしまして、補償の価格を裁決いたすのでございますが、この評価にあたりましては専門の評価委員あるいは鑑定人等を委嘱いたしまして、価格の決定に十分適正を期するように努めて行なっておるわけでございます。従って起業者の申請に裁決額が決定されておりますが、これは起業者の立場をのみ考慮したとは考えられませんし、また所有者の主張をむげに断わったとはわれわれ見れないわけでありますが、要するに第三者として公正な立場でただいま申しましたような考え方で評価をしておる、これが実際でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/76
-
077・受田新吉
○受田委員 局長は今所有者の主張をむげに無視もしていないとおっしゃっておるけれども、所有者は今の例では九万円を要求しておる。そして起業者は八千円を要求しておる。裁決は八千円じゃないですか。所有者の主張は完全に葬って、起業者の主張だけを採用しておるじゃないですか。これはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/77
-
078・關盛吉雄
○關盛政府委員 これは結果がそうなったと申しましても、そういうことできまったというふうにはわれわれ考えておらないのでございまして、この場合の所有者の主張が非常に法外な主張である、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/78
-
079・受田新吉
○受田委員 法外な主張をしたとしても、九万円を主張するたとえばその土地の価値判断に、将来ここに駅ができるというような期待的な要求というものもあると思うのです。そういうようなものも考えていくときに、九万というものが全く架空の要求であり、裁決の八千円というのは妥当である、こういうことは——私は一つきわめて特異の例を引いたわけでありますが、こういうものを十分建設省で研究してもらわないと、今のあなたの御所見であるならば、もうこれはありふれた御所見であって、この例に対するお答えになっていない。所有者の主張を完全に葬って、起業者の主張だけがいれられてある。こういうものについて、収用委員会がどう考えており、実態が十分調査されているかどうか、十分資料を取り寄せて、その委員会の審議の状態等を検討してこれをお答えいただかぬと、今の局長のお答えでは私納得できないわけです。全然所有者の主張を捨てておる。どこに九万という根拠があったか。所有者は何かの理由を掲げて九万円を要求しておるはずなんです。これはありふれた御答弁で私の質問に答えられていない。資料をいただいた以上は、委員としてはこれを研究しなければならぬ。
時間の関係で次へ移りますが、今私がお尋ねした農地等を取り上げられて農耕をやめなければならないというような人々のためには、代替地とかその他の措置もとっておられると思います。こういうことについての検討は、ただ単に建設省あるいは土地収用委員会だけでなくて、農林省とかその他の機関とも御相談をされておると思うのですが、どういうふうな措置をされておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/79
-
080・關盛吉雄
○關盛政府委員 お尋ねの、補償に際しまして土地の起業者がかえ地等を持っております場合におきましては、そのような方法も法律上もとり得ることになっております。なお実際上の実施運営につきましては、農林省におかれましても方針をきめて、このような類似の相当な規模のものにつきましては、指導をして対策を実施していただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/80
-
081・受田新吉
○受田委員 その機関はどういう合議機関があり、どういう実施機関があるか、お示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/81
-
082・正井保之
○正井説明員 ただいまの御質問でございますが、公共の事業等によりまして耕地等を失う場合に、起業者において十分な補償がなさるべきでありますが、ただその手段といたしまして、金銭補償等においてはあとの生活が十分に保障せられないというふうな場合もございますので、私どもといたしましてもこういった場合、その補償に関連しましてお手伝いをするというふうな考え方に立っております。具体的には昭和三十二年三月、事務次官の通達を出してございますが、それは「公共の利益となる事業の実施により農地等を失う耕作者の収農促進に関する措置要網」ということで、大体の考え方は従来ある農家が、たとえば水没の場合等もあるかと思いますが、五反なら五反の耕地を耕しておる。それが水没するというふうな場合でございますが、その場合には私ども国内のあちこちで開拓をやっておりますが、金銭による補償でなく、さらに耕作を続けたいというふうな場合には、起業体から連絡がありましたら、そういったところへ収容するというふうなことについて考えております。その場合にその五反なら五反相当の造成に要する経費、これは当然起業者が現物補償という考え方で費用の負担はしてもらう。そうしてその相当するところの規模が将来営農をやっていくのに十分でないというふうな場合には、私どもはそれにプラスしまして増地ということを考えますが、その増地の部分につきましては国の開拓行政と申しますか、開拓の施策の一環として有利な扱いをするというふうな考え方が骨子になっております。そういうことで実は受け入れ体制は整えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/82
-
083・受田新吉
○受田委員 そうした場合のたとえば田畑、田を取り上げられて新しい田をもらうという場合に、その裁決額というものは、新しく農地を得ようとするに必要な額以上に、その土地を離れる愛惜に対するある程度の補償というものもその中に入っているかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/83
-
084・正井保之
○正井説明員 ただいまの御質問でございますが、その関係はどういった程度にどういう範囲の補償をするかということは、当該事業をやる起業者の補償の問題でありまして、そこまでは農林省としては関しない。しかし耕地を失う者に対して耕地をもって現物補償というふうな措置をしたい。農家も希望しているし、起業者もそれを望んでおるというふうな場合には、農林省としてもそれに協力しましょうということでございまして、いろいろ精神的な打撃だとか、その他のいろいろの事情があろうかと思います。そういった補償を具体的な事案においてどのように処理されるかは、私どもは直接にはタッチしない。農地等の整備に必要な範囲でお手伝いする、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/84
-
085・受田新吉
○受田委員 先般来中村委員から質疑をされておる問題点は、特に農地を取り上げられる立場の人々を考えられて主張しておることだと私は思うのです。都市の法外の土地価格つり上げによって利益を得た人々とは角度を変えて、人間性のある立場で農業等を営む人々の立場を守ろうという主張が、中村君の主張であろうと私は思っておるのです。そういう意味で今度の土地収用法の運用に関するいろいろな問題を審議しようとするこの機関の意義が、そうした人々を痛みつけないようにということが、われわれの主張なんですが、そこをはっきり割り切れば、この問題は簡単にいくわけなんです。公共の用に供する土地を価格つり上げの作戦一本で、この際取れるだけ取れというような野心を持って当たる農民に対しては、適当にその欲望を押えなければならぬ、そういう面も一つあるのです。だからそこが非常に公正に行なわれるように運用するというところに、あなた方のねらいがなければならない。一方の公の立場の主張が大きくて、個人の立場の主張が弱まってはいけないという意味からして、そこをよく考えて、その運用をりっぱにやっていかなければいかぬと思うのです。これは農林省と建設省との間の相互の合議機関というものは何かということ、具体的にどういう形で合議されているのか、御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/85
-
086・關盛吉雄
○關盛政府委員 ただいまのお尋ねにつきましては、必要のつど連絡いたしまして、お説のような具体的な処理は両省で当たっておる、こういう次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/86
-
087・受田新吉
○受田委員 個々の件に関する相談、従ってこういうものを総合的に話し合いをするというような機関はないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/87
-
088・關盛吉雄
○關盛政府委員 たとえば現在名神高速道路のような規模の速度で建設を始めますので、関係の土地等を提供することとなる地域が、農業に非常に関係のある地帯でありますし、またそのほかに土地改良事業その他きわめて影響が大きいので、これは次官会議の了解事項としての協議会を設置いたしまして、具体的な協議会の形でこの処理に当っておる、こういう例がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/88
-
089・受田新吉
○受田委員 そういう例は、これはけっこうなことであって、個々のケースで、ケース・バイ・ケースで片づけていくというような関係になってくると、前後の間には非常に不均衡が起こるということが考えられますので、常に高い立場でアンバランスはないかを見ていくという努力をされる必要があると私は思うのです。これはあなた方の方で検討してもらわなければならない問題だと思うのです。
次に今度は法案に直接触れて二、三の点をただして、あっさりと質問を終わりたいと思います。今回の改正点で今この委員会で問題にされたのは、今の取得制度調査会の問題が取り上げられたのですが、私はそのほかの問題を取り上げてみたいと思います。
改正点の第二の日本住宅公団の経営一般の監督事務というものを、官房から住宅局に移したということでございますが、今までで不便な点はどこにあるのか。不便であるならば、初めから住宅局に移しておいたらよかったのではないか、こういう問題をお答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/89
-
090・鬼丸勝之
○鬼丸政府委員 日本住宅公団の経営一般の監督に関する事務を、現在は大臣官房において所掌いたしておりまして、この事務に当たらせるために住宅公団の監理官が置かれておるわけでございますが、住宅公団が設立されました当時におきましては、実は住宅公団のやっている仕事が、住宅の建設のほかに土地区画整理事業を行なっておりますところの関係から、住宅局、計画局にまたがって一般的な監督をしてもらうということから、大臣官房に置かれたのでございますけれども、その後の運営の実情等から考えますと、住宅公団側からの立場に立って見ましても、住宅局、官房、計画局と三者に監督事務が分れてきておるということで、公団側としても業務の連絡を三者に一々しなければならぬ、こういう多少煩瑣な事態にもなっておりますので、それを簡素化する意味におきまして、今回住宅局の所掌事務に移すということにいたしたのでございます。ただお断わり申し上げておりますことは、土地区画整理事業の法令上の監督につきましては、これは当然従来通り計画局において所掌いたします。そういう事情でございまして、別に他意はないわけでございますので、御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/90
-
091・受田新吉
○受田委員 行政機構、特に各省間の部内の行政事務の整理統合というような問題、これは運用してみてまずかったのを是正するのも必要だろうと思いますが、そのこと自体があまりに軽はずみでぱんぱんと変えられたのでは、これは大へんだと思います。行政機構内部における不統一を物語ると思うのです。
それで今お説の点で、整理をするのに適当な時期だと思ったということですが、道路公団はどうなっておりますか。道路局の所掌になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/91
-
092・鬼丸勝之
○鬼丸政府委員 道路公団の監督事務につきましては道路局でやっております。それから首都高速道路公団の監督事務は計画局において所掌いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/92
-
093・受田新吉
○受田委員 建設省の付属機関問題に触れるのですが、これは地理調査所という名称の問題だけで、中身が変わったわけではないわけですね。名称が今まで地理調査所で済んでおった。それを今度国土地理院に改めなければならぬということならば、これは前からあったはずですが、今度急にこれの必要が生じたというのは、どこからかものすごい世論が起こったとか、役所の中で批判が起こったという事態があったのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/93
-
094・鬼丸勝之
○鬼丸政府委員 現在付属機関として設けられております地理調査所は、先生も御案内のように、単なる調査機関ではございませんで、測量法という法律の施行事務をやっておりますし、それから地図の調製、印刷までやっております。そういう関係から申しますと前々から調査所という名称は適当でない、こういう実態を持っておるわけでございますが、今回改名するに至りました動機は、そういう前々からの実態に沿わないという点と、さらに今年度の地理調査所の事業等におきまして、新しく国土基本図の作成でありますとか、あるいは災害対策の資料としての土地条件調査、こういう新規の仕事がふえたこと等もございまして、今回実態にふさわしい名称として国土地理院に改名するということで、御提案申し上げたような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/94
-
095・受田新吉
○受田委員 長く役所の中で親しまれた言葉を変えるということになると、よほどの理由がなければいけない。しかも今度の名前は地理院である。チリイン、チリインと鐘の鳴る音のようで、これはちょっところが悪いですね。そこで地理院ではごろが悪いというので、国土という言葉が上について国土地理院ということになっている。このごろに私は非常に気にかかるところがあるのですが、地理調査所ということで親しまれておれば、調査の中に多少一般行政事務が入っておっても、それでいいのじゃないか。ここに新しく行政事務が加わったとは書いてない。現在まで地図の調製等の事務を行なっておるということで、地理調査所としてやってきたことなんですから、別に何らかの新しい機関がもう一つ加わって、大きな機構になったというなら意味があると思うのですけれども、ただ単に名称の変更だけだということになると問題があると思う。
法制局の部長さん、院という名称ですが、「字源」を引いてみると、院は、めぐらすという語源があり、やくしょであり、てらである。部というのはどうかというと、これはすべる、つかさ、やくしょ、それからくみすること、むら、である。もう一つ上の局というのは、区切った部屋と書いてある。こういうふうにいろいろ意味が違っているわけですが、国家行政組織法の問題で、各省設置法の関係でこうした部局を作る際に、院というものは一体どういう地位にあるのか。役所で作った院というのは、ないことはない。婦人補導院とか、少年院とか、いろいろあることはあるのですけれども、それはきわめて例外であって、ここに新しい院というのが誕生するわけですね。このことを法制局の立場から、行政組織法の関係で、機構の名称をみだりに変更することが適当かどうか、かつ院の名称は適当かどうか、御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/95
-
096・野木新一
○野木政府委員 まず機構の名称を変更することが適当かどうかという点につきましては、すでにある庁に名前がつけられ、それが多年なれ親しまれているのを変えるのには、やはりそれだけの理由がなければならないということは、一般論としてはもちろんその通りだと思います。
そして国家行政組織法上、院というのはどういうものであるかという問題でございますが、先ほど先生のお調べになった結果を御披露いただきました。確かに言葉それ自体の意味としては、各辞典などに出ているような意味があると存じますが、ただ現行の国家行政組織法におきましては、たとえば府、省、委員会及び庁を使うということは積極的に規定されておりますが、それ以外のたとえば付属機関につきましては、法律は名称を限定していないわけであります。たしかずっと以前の国家行政組織法の改正案でしたか、何か院という名称を使った一つの組織を作ろうという案が出たことがあったように記憶しておりますが、現行法では、院というのは何だに使う、そういう積極的なものはありません。そして付属機関については、名称は法律上こうでなければならないということには必ずしもなっておりません。従いまして付属機関におきましても、先生御指摘のように、法務省関係の少年院とか、厚生省関係の衛生院とか、あるいは文部省では芸術院とか学士院とかありますし、通産省では工業技術院、みなこれは付属機関でありますから、現在の国家行政組織法並びに今のいろいろの設置法に出ている各種の実際の名前等からいいましても、付属機関に院を使っては法律上建前に反するといったほどの強い意味はないのではないかと思います。ただ適当かどうかという議論は、おっしゃるようにいろいろの人の見方によってあると存じておりますが、法律上としては付属機関に院を使っては法律の建前に反するというまでの強い意味は、今の組織法は持ってないのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/96
-
097・受田新吉
○受田委員 部長の御説明によって、行政組織法上の名称の用い方について、付属機関には確たる基準はないのだ、何を使ってもいいのだ、こういうことで了解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/97
-
098・野木新一
○野木政府委員 国家行政組織法上の規定としては、こういうものはこうでなければならないといった基準の明確な規定はない、そういうことを申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/98
-
099・受田新吉
○受田委員 明確な基準はないということは、院を使っても、また局を使っても部を使ってもいい、何を使ってもいいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/99
-
100・野木新一
○野木政府委員 それは結局適当性の問題になるのではないかと思います。ただそれを使ったから、それが国家行政組織法上その趣旨に反するとか、違法だとか、そういうような角度の問題は生じないと思います。そういうことを私申し上げたにすぎません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/100
-
101・受田新吉
○受田委員 付属機関というものは、ある程度独立性の傾向を持っておる。従って局とか部とかいう名称を使うと、そこの一部だという印象を受けるというので、院という名前でいこうというお考えかもしれません。しかしこういうことを考えると、郵便局というのは局ですからね。これはある程度独立性を持っておる。だから国土地理局というふうな付属機関の名称を用いたって、局と相当するほどの付属機関だということで、事実上そういう機構になっておるとすればいいと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/101
-
102・野木新一
○野木政府委員 付属機関に局という名称はどうかということであります。これも法律で規定するわけでありますから、絶対に法律違反とかなんとかいう問題はない。適当かどうかという問題になると思います。たとえば前に総理府設置法におきまして、付属機関で南方連絡事務局という名前を使ったことがございます。局というのは、本省の内部部局に使う場合が多いと思いますから、異例といえば異例ではございますが、といって、法律で規定するわけでありますから、絶対に国家行政組織法の法意に反するというまでのこともないのではないかと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/102
-
103・受田新吉
○受田委員 そうすると官房長さん、お聞きになられたと思いますが、国土地理局にされてもいいと思うし、もう少し実態を明らかにするために、院というよりも国土地理事務所とか、地理事務所でもいいし、そういうような名称で適切な名称を別にお考えになる……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/103
-
104・野木新一
○野木政府委員 ちょっと補足して申し上げます。局ということを申し上げましたが、南方連絡事務局という先例があるということですが、これはやはりどっちかといえば異例のような措置で、あまり奨励すべきかどうかというと、ややちゅうちょせられる方ではないかと存ずる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/104
-
105・受田新吉
○受田委員 ややちゅうちょの程度では大したものではない。ここで国土地理院ということになると、地理と院とが結ぶところにちょっと変なごろがあるわけです。そういう場合にはやはり聞く方の側からいっても、地理院に勤める方の側からいってもチリイン、こうなるでしょう。そこに問題がある。やはりごろを考えなければいかぬと思うのです。だから国土地理事務所とか、事務なら事務として調査をするのですから、事務所でもいいし、それから国土地理局とほかに例がなくても堂々とやられてもいいし、これはしかも各省にまたがって、海上保安庁から自衛隊から気象関係までつながりを持つ大事な機構ですから、その意味では官房長としても政務次官としても、この際局ぐらいにしたらよろしいと思うのですがどうですか。ただ局を造成すると機構が拡大強化するという、機構拡大の問題があると思うのですが、一応あなた方のお立場からの御意見としてはどうかという気づいたことを申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/105
-
106・鬼丸勝之
○鬼丸政府委員 実は国土地理院という名称に落ちつくまでには、ずいぶん慎重にあれこれと検討いたしたのでございます。ただいま先生からお話のように、また法制局からもお答えがありましたように、法律上はいろいろな名前が考えられるわけでございまするが、まず調査所、これはどうも現在の地理調査所の実態から見て不適当である、これは一つはずそうということから出発いたしまして、それでは局にするか、国土地理という上の方の名前の問題もありますが、一番おしりを局にするかという問題、これは行政管理庁等とも相談いたしました結果、本省の付属機関としては内局の局とまぎらわしいので不適当だろうということで、局はとらない。それではおしりを庁という名前にすることも考えられるわけですが、これは外局が大体庁という名称を使っておりますので、外局とまぎらわしいということで庁もとれない。そういたしますとあと考えられますのは本部とか、結局院、あるいはまた事務所というお説のような名称もありますが、どうも所ではちょっと、今実は地理調査所は五部二十課の機構になっておりますし、定員も約千名近くおりますから、事務所といいますと、私の方の地方建設局の工事事務所という事務所とまぎらわしいし、実態が違うのにまぎらわしいのは不適当だ。結局木部とか院という名称で考えざるを得ない。ところが何々本部、国土地理本部という名称はちょっところがよ過ぎるのか、少し現実的過ぎる名称に考えられますし、結局ごろが悪いとおっしゃいましたけれども、少し時間をかしていただいて、耳なれてくれば国土地理院という名称は、まことに適当ではないかというふうに考えて、この結論に達した次第でございます。どうか一つよろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/106
-
107・受田新吉
○受田委員 この名称の論議は妙味のあるところではございますが、しかしあまり軽々しく役所の名前を変えるということが問題なんですから、問題があるときには地理調査所をそのままにしておいて、さらに検討を加えて、一年、二年の後に院に昇格するとか——昇格ではない、事実上は名が変わるだけですが、いろいろの方法があると思うのですが、これはもう少し名案を考え直す必要があると思うのですね。
もう一つ最後に、第四の改正点である建設省が委託を受けてやる建設工事用機械技能者の養成及び訓練のこの機関には、職員が新しく要るわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/107
-
108・鬼丸勝之
○鬼丸政府委員 今回建設省が委託を受けて建設工事用機械技能者の養成、訓練を行なうことができることといたしましたが、これにつきましては特別に職員を増員いたしておりません。従来の機構と要員で、本来の仕事に差しつかえのない範囲で民間の委託を受けてやっていきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/108
-
109・受田新吉
○受田委員 私は最後に一つ、大きな問題を提供しようと思うのです。これは建設省にとっても大問題ですし、日本全体の大問題です。それは最初の第一に関係した、すなわち土地収用に関係することにもなるのですが、土地の高騰が補償額の要求を高めることになるのだから、土地の高騰抑止政策というものを考えないと、この問題は大へんなことになる。土地の高騰抑止政策について、政務次官、あなたは建設省の大臣の職務代理者でいらっしゃるのですが、これをどういうふうに処理しようとされるのですか。特に都市近郊の宅地、田畑等がむやみに高値になっておるということ、これはあなたの御所管としても大事なことで、あなたが御在任中にこの問題を片づけられたならばどれだけ世間から感謝され、大臣以上の人物としてあがめられるかということを考えて、あなたの大仕事としてこれをやっていただきたいのですが、御見解をお持ちだろうと思いますが、一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/109
-
110・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 土地の、ことに都会地におきまする土地価格の高騰抑制の問題でございますが、ただいまの御意見の通りまことに重要な問題になっております。このままに放置しておくことを許されない段階になっておるのではないかと、建設省といたしましても考えておる次第でございます。従来内部におきましてもいろいろと検討をいたしまして、あるいは土地の増価税の問題とか、あるいはかえ地に対する課税の問題とか、そういう課税面における抑制策等につきましても、内部としてはいろいろ検討をしてみたのでございまするが、現在のところなかなか自信をもって意見を確定し得る段階になっておらない次第でございます。いろいろと検討の結果、現在のところ省といたしましては、市街地におきまする土地の高度利用の問題、宅地造成等の問題、これらにまず重点を置きまして、土地の供給を豊かにすることによりまして、この増勢を押えていくということが一番実際的なあぶなげのない方法ではなかろうかということになりまして、今のところではそういう方向で問題の解決に歩を進めていきたいということで検討いたしておる次第でございますが、何分にもお話の通り非常に大きな重要な問題でございますので、省といたしましても真剣にこの問題に取り組んで、何とか明年度の予算の上におきましては、これを現わしたいということで、いろいろと検討を進めておるような実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/110
-
111・受田新吉
○受田委員 法案を上げるに先立って、建設大臣がおいでになると思うのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/111
-
112・福田一
○福田委員長 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/112
-
113・福田一
○福田委員長 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/113
-
114・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 ただいま一応お答え申し上げましたが、現在省といたしましては真剣にこの問題に取り組みまして、ただいま御意見にもありました通り、市街地におきます宅地造成の問題、あるいはまた土地の高度利用の問題、そういう面につきまして、現在もやっておりまするが、今のようなことではいけない、これはどうしてももっと積極的にやる必要が目前に迫っておるのではないか。なおそのほかいろいろな点につきましても十分検討をいたしまして、明年度の予算の編成におきましては、何らかこの問題につきまして建設省として対策を堂々と出したい、かように考えて進めておるような次第でございます。現在省議としてこれときまったというものは、率直に申しましてまだそこまできまっておりません次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/114
-
115・福田一
○福田委員長 ほかに御質疑はありませんか。——御質疑がなければ、これにて本案についての質疑は終了いたしました。
次会は明十五日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時四十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02919600414/115
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。