1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年四月二十七日(水曜日)
午後零時四十八分開会
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委員の異動
本日委員松永忠二君、吉田法晴君及び
安田敏雄君辞任につき、その補欠とし
て藤原道子君、久保等君及び秋山長造
君を議長において指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 加藤 武徳君
理事
高野 一夫君
吉武 恵市君
坂本 昭君
藤田藤太郎君
委員
鹿島 俊雄君
勝俣 稔君
大谷藤之助君
谷口弥三郎君
徳永 正利君
山本 杉君
秋山 長造君
小柳 勇者
藤原 道子君
村尾 重雄君
竹中 恒夫君
国務大臣
厚 生 大 臣 渡邊 良夫君
政府委員
厚生政務次官 内藤 隆君
厚生省薬務局長 高田 浩運君
事務局側
常任委員会専門
員 増本 甲吉君
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本日の会議に付した案件
○薬事法案(内閣提出)
○薬剤師法案(内閣提出)
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001・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) それではただいまから委員会を開きます。
まず、委員の異動を報告いたします。
四月二十七日付をもって松永忠二君、吉田法晴君及び安田敏雄君が辞任し、その補欠として藤原道子君、久保等君及び秋山長造君が選任されました。右報告をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/1
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002・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) それでは、公報に登載されておりますように、ただいまから薬事法案並びに薬剤師法案、右両案を一括して議題といたします。まず、厚生大臣から提案理由の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/2
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003・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) ただいま議題となりました薬剤師法案及び薬事法案の提案の理由を説明いたします。
現行薬事法は、戦後早々の間に立法されたものでありまして、種々不備の点もありましたし、また、その後における実施の経験に徴し、かつ、医薬品の飛躍的進歩の事情等に照らし、必ずしも今日の実情に沿わない点が多いのであります。
よって、今回これらの点について検討を加えまして、その整備改善をはかろうとするものであります。すなわち、医薬品の範囲につき再検討し、実情に応じた措置をとるとともに、医薬品等が、生命身体に直接影響するものであり、医療上きわめて重要なものであることにかんがみ、薬局、製造業、販売業を通じ、管理その他の規制について、また、医薬品の表示取り扱いないし広告に関し、遺憾なきょう、所要の整備をはかろうとするものであります。
次に、法律の形につきましても、現行法は薬剤師の身分に関する事項と薬局並びに医薬品、化粧品及び医療用具に関する事項を一本に規定し、かつ、条文の配列、用語、表現が理解にきわめて不便でありますので、これについてはいわゆる身分法と業務の実体法とを分離するとともに、条文、体裁を整備せんとするものであります。
なお、薬事法の改正については、右のような事情で、かねてから非常に要望が強かったものでありますが、今回、薬事審議会の答申を基礎として立案をいたし、薬剤師法案及び薬事法案を上程する運びといたした次第であります。
まず、薬剤師法案について、御説明申し上げます。
第一に、薬剤師の任務については、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって公衆衛生の向上及び増進に寄与すべき旨を明らかにし、もって国民の健康な生活の確保に資する上に努力をいたすべきことを期待する趣旨でございます。
第二に、薬剤師の業務たる調剤につきましては、現行法の不備を補い、調剤録の備付、保存その他の規定を整備することにしております。
次に、薬事法案について御説明申し上げます。
第一に、新たに、医薬部外品の制度を設け、口中清涼剤、殺虫剤等で人体に対する作用の緩和なもの等を医薬部外品として医薬品の範囲外とし、一面において医薬品の特殊性を明確にするとともに、これらのものの取り扱いを簡易にすることにいたしております。
第二に、都道府県知事の諮問に応じ、薬事に関する重要事項を調査審議するために、地方薬事審議会を置くことができることといたしております。
第三に、薬局、医薬品等の製造業、販売業等についてその業務が適正に行なわれることを確保するため、まず、登録制を許可制に改め、その許可基準を整備し、また、薬局、製造業等の管理についてその規定を整備するとともに、新たに、医薬部外品、化粧品及び医療用具の製造所にも責任技術者を置かなければならないことといたしたいと考えております。
第四に、医薬品の販売業につきましては、医薬品が生命身体に直接作用するものでありますので、これに関する相当の知識経験を有する者に取り扱わせるという本来の建前と、現下の実情とを勘案して、これを一般販売業、薬種商、配置販売業及び特例販売業の四種としております。すなわち、すべての品目を取り扱う者は、これを一般販売業者とし、指定医薬品以外のすべての品目を取り扱う者に薬種商の名称を付し、配置による販売を行なう者は、配置販売業者とし、また、医薬品販売業の普及が十分でない地域等特に必要がある場合に、品目を指定して認める者を特例販売業者とし、それぞれにつき、許可の内容について規定を設けました。
次に、医療用具の販売業につきましても、特定の医療用具については、その取り扱いに遺憾なきを期するため、新たに届出制をとることにしたいと思います。
第五に、医薬品等の取り扱いに関しましては、その特質にかんがみ、品質の確保、使用上の適正をはかるについて特別の留意をいたさなければならないことは、言うまでもありません。この趣旨にかんがみまして、医薬品等には、製造番号、記号及び成分分量等の表示をさせることとするとともに、医薬品には封を施すこととしています。また、ホルモン剤等特殊成分を含有する化粧品につきましては、これによる障害等を防止するため、品目ごとの承認を要することとし、また、その成分分量等一定の表示をさせることとしています。
次に、医薬品の広告に関しましても、ガン等の特殊疾病用の特定医薬品の広告、承認前の医薬品の広告についても、所要の制限をしようとしております。
なお、これらの法律の施行に伴う必要な経過措置につきましては、その移行が円滑に行なわれるように留意いたしております。
以上が、この二法案を提出いたしました理由及び改正のおもな要点であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/3
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004・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) ただいま提案理由の説明のございました二法案に対しまして、政府委員から細部の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/4
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005・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) それでは、薬剤師法案及び薬事法案について、補足的な御説明をいたしたいと思いますが、説明に入ります前に、お手元に差し上げてあります資料について、簡単に御紹介を申し上げたいと思います。
これの表にありますように、提案理由の説明、法律案の要綱、法律案、それから関係法令の参照条文、それから、その次に、現行薬事法とありますのは、現在行なわれております薬事法で、昭和二十三年に制定されたものでございます。それから、その次に、法律案の説明とありますのは、改正案と、すなわち提案いたしております両法案と現行法と対比いたしまして、特に改正いたしました点と、新たに設けました条文についてそれぞれ摘要をつけまして、ごらんになります便宜に供せんとするものであります。その次に、薬事審議会の答申、これは、昨年の三月、厚生大臣から薬事制度についての改善に関しまして、薬事審議会に諮問をいたしました。それにつきまして、ことしの二月答申がございましたし、今回の立案もおおむねこれを基礎といたしております。その答申でございます。それからその次に、薬事制度の沿革一覧表という一枚刷りが入っておりますが、御承知のように、薬事制度は明治の初年からいろいろな変遷をしてきておりますけれども、大体、現在における薬事制度の基本となりますものは、明治二十二年の薬品営業並薬品取扱規則、俗に薬律と称しておりますこの法律によって確立をした格好になっておりますので、その後におけるおおよその変遷をしるした次第でございます。あとで御説明のときにあるいは旧法という言葉で使わしてもらいたいと思いますのは、昭和十八年の薬事法ないしそれ以前のものを旧法ということで表現をいたして御説明申し上げたいと思います。それからその次に関係統計資料、そういうことでございます。
そこで最初から御説明申し上げますが、法案と、それから今申し上げました法律案の説明、この両方を一つごらんいただきましてお聞きとりいただければ仕合わせだと思います。この法律案の説明、第一に薬剤師法案の方から御説明申し上げます。
第一条、薬剤師の任務は新しい規定でございますが、これは現在の医師法第一条、いわゆる医師の任務、それから旧法の二条、これを参考といたしまして規定をいたしたものでございます。「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、一云々ということでございまして、医薬品の供給というのは、企業の主体としていわゆる経済的な面でたずさわるという意味でなくして、医薬品を国民に供給するについて技術的な部面において関係するという意味において、製造あるいは販売という言葉を避けた次第でございます。それから薬事衛生というのは、これは調剤も、医薬品の供給等もすべて含まる概念でございますけれども、そのほかにあるいは試験でありますとか、あるいは医薬品に関します研究でありますとか、保存、鑑定、そういったすべてのものを包含する考え方でございます。
第二条は、これは体裁はちょっと変わっておりますが、現行法と同趣旨でございます。
それから三条の免許の要件につきましては、従来外国の免許を持っております者について、一部については試験を経ないで薬剤師免状を与えておりましたが、これをやめまして、外国の免許を持っておる者もすべて日本人と同じように試験を受けて免許を受ける、そういうような形にいたしました。
それから第四条は、絶対的欠格条項でございますが、従来精神病者がここに入っておりましたのを、精神病者を次の相対的欠格条項の方に移しました。第五条の相対的欠格条項のうちに今の精神病者のほかに、麻薬、大麻、アヘンの中毒者、こういったものを加えました。これは医師法の例にならったわけでございます。
それから第六条、第七条、これは現行法と同趣旨でございます。
それから第八条には、第四項に再免許の規定を新たに置きました。これも医師法の例にならったものでございますし、また、再免許を置きませんと、過去において薬剤師の免状をもらった者で途中で取り消された者に対して再び与えるについては試験を受けさせなければいけませんので、こういう便法をこしらえました。
第九条は、現行法と同じ。それから十条は手続事項でございます。
それから第三章の試験でございます。
第十一条、第十二条、第十三条、これらは大体従来と同趣旨でございます。ただ、十二条の関係におきまして、従来学説試験に合格した者でなければ実地試験を受けることはできないということになっておりましたが、その条文を削除いたしました。削除いたしました理由は、試験の実施についてさらに工夫を要しますけれども、一日も早く試験が完了いたしまして免状が早く出せるということの目的を達するためでございます。
それから十四条、試験事務担当者の不正行為の禁止、これは今まで抜けておりました規定でございますし、医師法の例にならいまして規定をいたしました。
それから十五条、受験資格の関係でございますが、これについては、一つは外国の免許を有する者等につきましても、厚生大臣が認定したものでなければ受験できない、そういうふうにしぼりをかけました。これも大体医師法の例にならいました。なお、ここで数字をちょっと申し上げておきたいと思いますが、現在この第一号の方のいわゆる薬科大学と称するものは、最近に認可されましたものを加えまして、三十三校でございます。内訳を申しますと、官立が十四、それから公立が三、私立が十六、そういうことでございまして、新規の卒業生は約三千二百名でございます。なお、ここでついでに薬剤師全体の数を御参考のために申し上げておきますと、三十三年十二月末日で約五万六千五百人でございます。
十六条、十七条、十八条、表現は変わっておりますが、従来と同趣旨でございます。
その次に、第四章、業務でございますが、ここでは主として調剤に関することを規定いたしております。
十九条は、これは従来の通りでございます。これは御承知のように、医薬分業に関連をして直かれた規定でございます。
それから二十条、「薬剤師又はこれにまぎらわしい名称を用いてはならない。」、これは従来脱漏いたしておりましたので、規定することにいたしております。
それから二十一条は、これも従来通りでございます。
それから二十二条も従来と同趣旨でございますけれども、形といたしましては、ただし書きで、病院、診療所あるいは家畜診療施設の調剤所云々というのを、省令から法律に上げました。なお、「厚生省令で別段の定めをした場合は、」云々というのは、天災地変等を考えております。
次に、二十三条の第一項は、従来と同趣旨でございます。
それから二十三条の二項と二十四条のこの二つは、従来現行法の二十四条で一木に規定してございましたが、非常に規定が不正確でございましたので、こういうふうに両方に割りまして規定をいたしました。趣旨としては従来と同趣旨でございます。
それから二十五条の調剤された薬剤の表示でございますが、これは従来施行規則に書いてございましたのを法律事項として書いたわけでございます。
それから二十六条の処方せんへの記入の義務でございますが、これも従来施行規則に書いてありましたのと同趣旨でございますが、ただ、調剤をされた当該処方せんについて、調剤を完了した場合においても、従来は調剤量を記載しなければならなくなっていましたが、その場合においては調剤済みとその旨を書けばそれでよろしいということに簡易化するわけでございます。
それから二十七条の処方せんの保存でございますが、これは従来二年になっておりましたのを三年にいたしました。三年にいたしました理由は、一つは社会保険の診療報酬の請求に伴います証拠の保存義務として三年になっておりますし、彼此不つり合いでもいかがかと存じますが、かたがた旧法以前におきましてはずっと三年になっておりましたので、三年に統一をいたしました。
それから二十八条の調剤録でございますが、これは現行法に脱落をいたしておりましたので加えました。ただ、処方せんの保存の義務を課しておりますので、その場合においては処方せんの記載事項ないし処方せんの記入事項においてはダブって調剤録に書くという手間を省くようにいたしました。
第五章の罰則については、詳細は省略いたしたいと思いますが、そこに書いてございますように、量刑の幅をいささか変更いたしました。これは罰金について貨幣価値の変動に伴うものでございまして、法務省と十分打ち合わせをいたしました結果、こういうふうな幅にいたしました。内容的には従来とそう大きな変化はございません。
それからその次に附則でございますが、この法律は薬事法施行の日から施行する、これはあとで申し上げますけれども、法律が公布されましてから六カ月を出でない範囲において政令で定める日をもって施行の日というふうに考えております。いろいろ準備が要りますので、約半年の準備期間を考えておるわけであります。
それからなお、附則によりまして従来薬剤師の免許を持っているものでありますとか、それから従来の免許証、その他は大体においてこの新法によるものとみなすということにいたしまして、特別の手続を必要としない、そういうふうな配慮をいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/5
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006・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/6
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007・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/7
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008・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 薬事法につきまして御説明申し上げます。
薬事法におきましては、ただいま御説明申し上げました薬剤師の免許、試験、それから調剤等の業務に関することが薬剤師法案の方に移行いたしまして、その他の部分、すなわち現行薬事法に書いてありますその他の部分をこの薬事法に収容をする、そういうような体制にいたしております。
第一条はこれは目的でございますから説明を省略さしていただきます。
それから第二条の定義でございますが、ここに医薬品、医薬部外品、化粧品、医療用具、薬局、これだけの定義の記載をいたしております。現行法においては、このほかいろいろな言葉を並べまして定義を書いてございますけれども、かえって定義を書いてわかりにくくなるような点もございますし、最も必要だと思われますこの四点にしぼったわけでございます。
第一の医薬品の定義でございますが、これも内容といたしましては現行法と同趣旨でございます。ただ、表現等につきましては、いろいろ検討いたしまして、修正いたした点もございます。
なお、食品との関係につきましては、従来現行法には「(食品を除く)」という言葉が入っておりましたけれども、これは法制上検討いたしまして、食品衛生法の方に医薬品及び医薬部外品を除くという規定をおきまして、両方の調整をはかったわけでございますが、実態としては食品と医薬品、あるいは医薬部外品との関係は現在と変わらないというふうに考えております。
それから次に、医薬部外品でございますが、これが先ほど提案説明にもありましたように、今回の改正において新しく設けられた制度でございます。これはごらんになりますように、いわゆる口中清涼剤、あるいはあせも、ただれの防止、いわゆる汗知らず、あるいはいわゆる養毛剤、あるいはエバクリーム等の除毛剤、それからないしいわゆる殺虫剤、そういった医薬品全体の中から見ますと、割合に作用の緩和であるようなものにつきましては、むしろ医薬品からはずして医薬部外品という特別の制度を設けた方が適当であるという考え方のもとにこの制度を設けたわけでございますが、沿革的に申し上げますと、先ほどの一枚紙でごらんになりますように、二十三年に現行法ができますまでは、売薬部外品ないし医薬部外品としてやはりこの制度が行なわれておったわけでございますので、この意味においては、大体においてその当時の考え方というものを、多少の出入りはございますが、考え方を踏襲をしたということでございます。
なお、四号の「ねずみ、はえ、蚊」云々のところに註釈がついておりますが、これは純粋の農業用のものを除くという趣旨のものでございます。
それからその次に、化粧品でございますが、この定義も現行法を大体踏襲したのでございますが、新たに加わりましたものは、皮膚、毛髪をすこやかに保つことを目的とする云々ということが新たに加わった点でございまして、これはクリーム類、日やけどめ、化粧水、そういったものをこの言葉に含ませるつもりでございます。
それからなお、この法文は相互の間を書いておりますので、語尾等がややこしくなっておりますが、この趣旨は、たとえば医薬品の効能と医薬部外品の効能と両方かね備えているというような場合におきましては、重きに従って医薬品とすると、そういうような考え方で整理をいたしております。
次に、医療用具でございますが、これは現行法では用具という名前をもって規定をいたしておりましたものでございます。内容といたしましては、医科器械、歯科器械、歯科材料、それから医療用品その他のものを包含をしているわけでございますが、こういうふうに非常に種類が多うございますし、適用範囲が不明確になるといけませんので、種類につきましては政令で定めるというふうにいたしております。ただ、これも現行法の五十五条で特定のものを除くと書いておりますが、実際の指定は表から指定をしているわけでございまして、現行法と同じような趣旨でございます。
それからその次に、薬局でございますが、これは現行法では薬剤師が調剤する場所であって、知事により登録されているものをいうというふうに簡単に書いてございましたけれども、疑義を生じませんようにカッコ書きを入れまして、医薬品販売業をあわせ行なうというのが一種の状態でございますので、その場合においては、そういう場所も含むということを法律上はっきりいたしました。なお、もちろん言うまでもございませんが、病院、診療所、家畜診療施設の調剤所は入らないということをはっきり書くことにいたしております。
それからこれは定義のところで申し上げるのもいかがかと思いますが、医薬部外品というのは先ほど申し上げました趣旨で設けたのでございますが、これについては、製造につきましてはほぼ医薬品と同じように品目ごとの許可にいたしておりますが、販売につきましては自由な販売ということにいたしております。
それから次に薬事審議会でございますが、第三条の中央薬事審議会、これは従来の薬事審議会と同じでございます。
次の第四条の地方薬事審議会、これは新たなる規定でございまして、御承知のように、薬事に関しまする諸般の事務は非常に多岐にわたっておりますし、特に関係者の意見を聞き、あるいは協力を求める点が多うございますので、「地方薬事審議会を置くことができる。」といたしたのでございます。
なお、現在、地方薬事協議会という名のもとに事実上、あるいは条例によりあるいは条例によらずして設置をいたしておりますのが二十九府県ございます。その審議の事項につきましては、薬事衛生思想の普及啓発あるいは薬事従事者の資質の向上あるいは広告医薬品の取り扱いの適正、多岐にわたるわけでございますけれども、この法律によります許可とか認可とか、あるいは品目の指定とか、そういった事務にはかかわらないものと考えております。
それから第三章の薬局でございますが、この薬局以下製造業及び販売業につきまして、現行法では、大臣または知事の登録ということになっておったのでございますが、これをこの法案におきましては許可というふうに改めました。この点につきましては、行政法的に申し上げますと、従来登録と申しておりましても実質はいわゆる警察許可の範疇に属するものでございまして、すなわち登録の基準があって、基準に適合するものについて審査の上登録を認めるということでございまして、実質上は、法律的にはこれは許可と同一の性質のものでございますが、一つにはその登録の基準が不備なるために、一つには従来の行政法上の観念の惰性からいたしまして、すなわち、たとえば登録といいますと、選挙人名簿の登録というふうに、機械的な、いわば届出類似のものというふうに考えがちでございまして、その点概念の混淆を来たし、かえって実態を現わさない格好になるおそれもありますので、従来の行政法上の通念に従いまして許可という制度に改めました。法律的に申し上げればそういうことでございますが、言葉からくる感じといたしましては、登録の場合とそれから許可の場合とが普通われわれの言葉の感じとしては違ってくると思いますけれども、法律的に申せばそういうふうに考えておる次第でございます。
それから第二項の許可の更新でございますが、これは現行法では、毎年ということになっておりましたのを「二年ごとに」というふうに改めましたし、それからさらに、この手続等につきましては、従来よりもさらに簡素化を工夫したいと考えております。
それからその次の第六条は、許可の基準でございます。これは第一には「薬局の構造設備が、厚生省令で定める基準に適合しないとき。」ということでございますが、この基準は大体現在行なっておりますものを基礎として踏襲をいたしたいと考えておりますが、調剤を行なう部屋の広さでありますとか、あるいは採光、換気の関係でありますとか、冷暗所、あるいはかぎのかかる貯蔵のたな、そういったものについて規定をいたしますほか、調剤に必要なはかりでありますとか、液量器でありますとか、調剤台でありますとかあるいは試験管でありますとか、そういった個々の品物について詳細基準を設ける所存にいたしております。それからその次の申請者、すなわち薬局を設けようとする者でございますが、これはある場合には薬剤師自身である場合もあるし、ある場合には薬剤師を利用してやらんとする場合、二つの場合が考えられるわけでございますが、その開設しようとする者につきましては、次のイ、ロ、ハ、ニ、ホ、というこの条件のいずれかに該当する場合には許可を与えないことができるということにいたしております。すなわちこの法律の違反等をいたしまして許可を取り消されてから三年を経過いたしておりません者、あるいは懲役、禁錮に処せられまして三年を経過いたしておりません者、あるいはこの法律によります処分に違反をして二年を経過いたしていない者でありますとか、そのほか禁治産者あるいはその人がそれほどではなくても、性癖、素行に照らして管理薬剤師の義務の遂行を著しく阻害することが明白である場合、そういう場合には許可を与えないことができるということにいたしております。
それから第七条は名称の使用制限でございますが、これは薬局という名称を使ってはならないということでございます。ただ病院、診療所の調剤所につきましては、ただし書きの省令で除外する予定にいたしております。この第七条も従来脱落をしておりました規定でございます。
それから第八条は、これは現行法と大体同趣旨でございまして、開設者が薬剤師であります場合には、みずから薬局を原則として管理しなければならないし、また、開設者が薬剤師でありません場合においては、すなわち法人の場合あるいは薬剤師以外の個人であります場合には管理の薬剤師を置かなければならない、しかもその管理の薬剤師は二つ、三つかけ持ちしてはいけない、そういう趣旨の規定でございます。
それから第九条、これは新しい規定でございますが、管理者は一体どういうことをやるかということでございます。これはすなわち従業員の監督、構造設備、医薬品等の管理、そういったものについて必要な注意をしなければならないし、反面、薬局の開設者はそういった管理者が義務を遂行するについて支障を生じないように必要な配慮をしなければならない。まあ書けば非常に抽象的な言葉になりますが、こういうことにして管理の確実性を期したいということでございます。
それから第十条休廃止の届出、これも大体現在と同じでございますが、休止の場合に届出をしなければならないというふうにその点を加えました。
それから第十一条は手続事項の政令への委任でございます。
次に、第四章の医薬品等の製造業及び輸入販売業について御説明を申し上げます。
第十二条は従来登録となっておりましたのを、先ほどの趣旨で許可制に改めました。更新期間は一年を「二年ごと」ということに改めました。そのほかは同趣旨でございます。なお、「製造」の下に「(小分けを含む。)」ということをはっきり書いたのでございますが、小分けというのは御存じのように、医薬品等を一定単位量に分かちまして相当の容器に収めるということでございまして、あとで出てきます分割販売あるいは零売というものと区別をいたしております。
それから十三条は許可の基準でございまして、第一項の方は次の十四条の方とひっかかりのある規定でございますからそのときに申し上げます。それから第二項は先ほど申し上げましたように、構造設備及び製造業をやらんとする者の人的な欠格事項というものを規定をいたしております。その第二号に「申請者が、第六条」云々とありますのは、先ほどの薬局の項で設けました、たとえば禁錮以上の刑に処せられてなお日がたっていない、そういったような人的な欠格条項でございます。
十四条は、これは従来いわゆる品目ごとの許可ということにいたしておりましたもので、趣旨としては同趣旨でございます。すなわち日本薬局方に収められております薬につきましては規格がきまっており、それに伴いまして試験方法等もきまっておりますが、それ以外の、日本薬局方に収められていない医薬品につきましては、品目ごとに成分、分量、効能、効果、用法、用量といったようなことを一定の資料と一緒に厚生大臣に申請をしてその承認を受けるということでございます。ここで「医薬品、医薬部外品、」それから「厚生大臣の指定する成分を含有する化粧品」というのが十四条の一行から二行にかかっておりますが、これは化粧品については全部承認にかからしめるという趣旨ではございませんで、特にこういった特殊の成分を含有する化粧品についてだけ品目ごとに承認をとるという趣旨でございます。どういう成分のものを指定するかと申しますと、ただいま考えておりますのはホルモン及びその含有物、いわゆるホルモン剤、それから第二は、いわゆるコールドパーマ液に使いますチオグリコール酸及びその塩類またはその誘導体、そういったものを考えている次第でございます。これらはいずれも分量あるいは利用方法によりまして人体に対する影響が多いので、こういうふうな特別な取り扱いをしようとするのでございます。
十五条はこれは従来と大体同趣旨でございます。
それから十六条も同趣旨でございます。これはワクチンでありますとか、あるいはワクチン等について作業上のいろいろ注意すべき事項等を特に留意して書きませんというと、その品質を確保することがむずかしい。そういう趣旨でございます。
それから十七条はこれは新しい規定でございますが、今申し上げましたように、薬については管理の薬剤師を置くことといたしておりましたが、医薬品、化粧品等については何ら規定がございませんでした。やはり責任の技術者を置いて管理の適正を期したいと、そういうことでございます。
それから十八条は、製造品目の変更の許可でございまして、新たに変更したり、あるいは追加をしようという場合に許可を受けなければならないということでございます。
十九条は休廃止の届出で、これも大体休止を追加いたしましたほか、従来と同趣旨でございます。
それから二十条の知事の経由、これは従来施行規則にありましたものでございます。
それから二十一条は手続規定でございます。
それから第二節の輸入販売業はおおむね製造業の規定を踏襲をいたしておりますから説明を省略いたします。
それから第五章に医薬品及び医療用具の販売業でございます。これも登録を許可に改め、一年ごとの登録更新を二年に改めたという点については先ほどの説明の通りでございます。
二十五条は販売業の許可の種類を分けまして次の四種類とするということでございます。この一般販売業というのは、いわゆる従来全品目販売業といっておりましたもので、すべての医薬品を売れるものでございます。従いまして、これは薬剤師または薬剤師を使用する者にこの許可を与える、それ以外の者には与えないという趣旨でございます。二番目の薬種商販売業の許可、これは従来いわゆる二号と称しておりましたのでございますが、薬種商という名前を付して許可するということでございます。三番目の配置販売業はごらんの通りでございます。四番目の特例販売業は従来三号あるいは四号業者といっておったものでございます。
二十六条については今申し上げた通りでございます。
二十八条につきましては、従来のいわゆる二号業者について取り扱っておりました実態を大体踏襲をして考えております。
二十九条の指定医薬品の販売の禁止も同様でございます。
それから三十条の配置販売業の許可、これも大体従来配置販売業についてとっておりました内容を踏襲するわけでございますが、ただ、こういう品目を配置してよろしいというその品目に知事が指定をするわけでございますけれども、あまり各県間隔を来たしましてはいかがかと存じますので、「厚生大臣の定める基準に従い」ということにいたしました。
それから三十一条は今申し上げた趣旨でございます。
三十二条は、これは配置員が配置販売に従事いたします場合に、一定の事項を出先の知事に届けをさせるということでございますが、これは従来この種の規定がございませんで、非常に薬事監視上困難をいたしておりましたので、こういう規定を置いて薬事監視が可能なようにするということでございます。
三十三条は大体従来の通りでございます。
それから三十四条は新設で新しい規定でございます。趣旨としては当然のことでございます。
三十五条は、いわゆる先ほど申し上げましたように、三号、四号といっておったものでございますが、この特例販売業者というのは、今までの三種のものと違いまして、いわゆる純然たるしろうとという考え方でございますし、従って、本来薬は提案説明にもありましたように、特殊なものでございますので、それに必要な知識経験を有する者に取り扱わせるのが本筋でございますし、それ以外に取り扱わせるということは、これは保健衝生上相当局限して考うべきだという、そういう考え方のもとにおきまして、これが許可は一定の場合あるいは一定の品目に限るということを法律で規定をいたしました。
三十六条は、これに即応するものでございますし、三十七条は、これは表現の方法は多少違いますが、従来と大体同趣旨でございます。三十七条の第二項は、いわゆる零売の禁止でございますが、これは新しい規定でございますけれども、現行法の前まではずっとあった規定でございまして、現在脱落をしておった規定でございます。(「零売というのは何」と呼ぶ者あり)分割で、封を開きまして一粒、あるいは二粒の分割をして販売をするのを薬の世界では零売と称しておりますが、ここでは分割販売というふうな言葉で表現をいたしております。
三十八条は、これは手続事項の準用でございます。
三十九条は、これは新しい規定でございますが、医療用具の販売業につきましては、従来何も規制がございませんでしたが、実際の経験に徴しまして、その品質を確保するためには、やはり販売業を一定の視野に置いておくということが必要でございますし、その意味において歯科材料でありますとか、あるいは機械でありますとか、医科機械等でありますとか、そういったものにつきましてはあらかじめ届け出をしなければならないというふうにいたしております。
それから第六章の基準及び検定でございます。四十一条の日本薬局方、これは変わりました点は、現行法には日本薬局方と、それから国民医薬品集と二つのいわゆる薬についての規格書がございましたけれども、彼此検討いたしました結果、これを日本薬局方ということに統一をし、かつ、従来の日本薬局方は第一部、それから国民医薬品集は第二部に収めることを明らかにいたしまして、それぞれその性格をはっきりいたしました。すなわち、日本薬局方の方の一部の方は、主として繁用される原薬たる医薬品及び基礎的製剤、それから第二部の方は、混合製剤及びその原薬たる医薬品、そういうものを主にして収めるという考え方でございます。
それから四十二条は、大体従来と同様でございます。
それから四十三条も大体従来と同様でございます。
それから次に、医薬品等の取り扱いということでございますが、第一の毒薬及び劇薬の取り扱い、この毒薬及び劇薬の取り扱いにつきましては、四十六条の譲渡の手続につきまして第二項のちょうど二十九ページのまん中辺でございますが、常時取引関係を有するものに販売し、または授与する場合には何らの証明も要らないというふうに手続を簡素化しました。
それから四十七条の交付の制限でございますが、これは「安全な取扱いをすることについて不安があると認められる者には、」これを新たに加えまして、たとえば自殺等の防止を考えた次第でございます。
その他は、大体、現行法と大同小異でございますので、御説明を省略いたします。
それから、第二節の医薬品の取扱い、四十九条のいわゆる要指示医薬品の販売、これも、大体、従来と同様でございます。
それから五十条以下の容器等の記載事項、これは現行法では非常に錯綜いたしておりまして、判読するに苦しむような状況でございますが、「記載事項」ということでこういうふうにずっと整備をいたしました。五十条は、直接の容器——医薬品の直接の容器に対する記載事項でございます。これが、すなわち製造業者等の名前でありますとか、住所でありますとか、それから薬の名前、それから製造番号、記号、それから内容量等でございます。第七号の日本薬局方に収められていない医薬品については成分、分量を書かせることにいたしております。これは品質の確保と使用上の適正を期するためでございます。
それから五十一条は、この記載について補う規定でございまして、外からすかして見えないような場合にはまたその外にも同じようなことを書かなければならないということでございます。
それから五十二条は、医薬品に添付いたしております例の用法、用量等を書いた文書がございますが、それの記載事項でございます。これも、大体、従来の規定を踏襲いたしました。
それから五十三条は、それの書き方でございまして、こまかい注意を書いておるのでございます。
それから五十四条には、そういう容器でありますとか、あるいは説明書に書いてはいけない事柄でございます。すなわち、虚偽の事項を書いてはいけないあるいは承認を受けてない効能、効果を書いてはいけない、そういう趣旨でございます。
五十五条は、こういった記載事項等が間違っておりますそういう薬は、販売したり、授与したりしてはいけない、そういう規定でございます。
それから五十六条は、いわゆる内容的に不良な薬品、そういったものは製造したりあるいは販売、授与してはいけない、そういう趣旨でございまして、すなわち局方品で局方の規格と違っておりましたり、あるいは局方外でありますというと、一々厚生大臣の承認を受けるわけでありますが、その承認を受けた内容と違っておったりあるいは異物が混入をしておったと、そういうものはいけないという趣旨でございます。
それから五十七条は、それに類似する、同じような趣旨で、容器がたとえば有毒または有害な物質からなっている場合には、同じように、製造をしたりあるいは販売をしたりしてはいけない、そういう趣旨でございます。
それから五十八条は、いわゆる封緘の規定でございまして、従来、毒、劇薬については封緘の規定がございましたが、その他の一般薬については封緘の規定が脱落をいたしておりましたので、全部について補いましたわけであります。
それから第三節の医薬部外品の取扱いでございますが、これも容器等の記載事項を書いてございますが、医薬部外品については特にこの第二号にありますように、「医薬部外品」ということを書かなければならないことにいたしまして、医薬品とはっきり見分けがつくということに配慮をいたしたのであります。
六十条は、これは医薬品に関するこの種の規定を準用いたしております。
それから第四節の化粧品の取扱いでございますが、これは容器の記載事項等はやはり医薬品等に準じまして、さらに化粧品の性質に応じて簡素化して、規定をいたしております。
それから六十二条は、これは医薬品のそういった取り扱いについての準用の規定でございます。
それから第五節の医療用具の取扱い、これも同趣旨でございます。
六十三条、六十四条それから六十五条は製造、販売等の禁止等に関するもので同趣旨でございますので省略をいたします。
それからその次の第八章、医薬品等の広告でございますが、第六十六条はこれは従来の規定と同趣旨でございます。
六十七条の特定疾病用の医薬品の広告の制限、これは新しい規定でございまして、ガン等のいわゆる特殊疾病に使われることが目的とされている医薬品で、「医師又は歯科医師の指導のもとに使用されるのでなければ危害を生ずるおそれが特に大きいものについては、」その薬を指定しまして、いわゆる大衆広告を、大衆に対する広告を制限をすることができる。一般の医師、薬剤師等の専門家に対するものについてはこれは触れませんが、大衆に対する広告を制限することができる。そういう趣旨でございます。これはたとえばガン等に使いますザルコマイシンあるいはマイトマイシンについては、薬事審議会の決議に基づきまして、これを許可する場合はこれと同じ趣意の制限を付しまして、事実上これと同じような措置をとりまして認めているのが実情でございます。その実情を法律的に裏づけをしたいということでございます。ガン等の特殊疾病と申しますのは、ただいま考えておりますのは、ガン、白血病、肉腫ということでございます。それからこれは非常に新しい規定でございますので、すべてこの疾病の指定、医薬品の指定、指定の方法というものすべて政令にかけました。なお、疾病の指定につきましては、特に中央薬事審議会の慎重な審議を経ることにいたしております。
六十八条の承認前の医薬品の広告禁止でございますが、これは承認前におきましては、承認の過程を通じて内容が変わりあるいは名称等が変わる場合もございますので、いわゆる予告品の広告というものは禁止をするということで、これも事実上現在これと同様の趣旨で指導をいたしている次第でございます。
それから第九章の監督でございます。これから先は簡単に御説明申し上げたいと思います。第六十九条は大体従来と同趣旨でございます。
それから第七十条も同趣旨でございます。
それから七十一条、七十二条、これも同趣旨でございます。
七十三条につきましては、これは新しい規定でございまして、現行法に脱落をいたしているのでございますが、たとえば薬局等の管理者でいわゆる名義貸し、ただ名前だけの管理者という場合にはこれはいけませんので、そういう場合には変更を命ずることができるということにした趣旨でございます。
それから七十四条は、配置販売業に従事をするいわゆる直接の配置員が不当な不正の行為をいたしました場合は、もちろんこれは販売業自身に影響のある問題であることは言うまでもございませんが、実際問題として販売業者はたとえば富山県なり奈良県なりにおる実際の配置員が、鹿児島県なり北海道で働いているというような状況でございますので、直接必要ある場合におきましては、その配置員について業務の停止を命ずることができるということにいたしまして、先ほど申し上げましたと同じ趣旨で薬事監視を適正に執行せんとする趣旨でございます。
それから七十五条、これも現行法と同趣旨でございます。
七十六条も現行法と同趣旨でございますが、聴聞の対象としまして、管理者それから責任技術者の変更命令の場合、あるいは二年ごとの更新についていわゆる更新を拒む場合には聴聞をしなければならないということに加えたわけでございます。
七十七条は従来の通りでございます。
それから七十八条の第一項も、これも従来と表現は違っておりますが、同趣旨でございますが、第二項につきましては、これは新しい規定でございますが、特に新医薬品等につきまして、現品等について分析等を要する場合は手数料を徴し得ることにいたしました。従って、一般の医薬品についてはこれは該当しないわけでございます。
それから七十九条は、これは条件の規定でございます。
それから八十条は、これは輸出用の医薬品につきましては、成分、分量でありますとか、あるいは表示について内地品と同じようにすることは不適当であり、また、必要もございませんので、これらについて政令で除外を設ける、特例を設けることができるということにいたしております。
それから八十一条は、知事に対する権限の委任でございます。
それから八十二条は、たとえば品目の指定でありますとか、あるいは薬局方の記載の変更等に伴いまして経過規定を設ける必要があるのでございますが、これらの円滑な経過ができますように、その際に規定ができる根拠を置くということでございます。
それから八十三条は従来の通りでございまして、もっぱら動物用のものにつきましては、これは農林大臣の所管ということでございます。
それから次の罰則の点につきましては、これも下に書いてありますように、量刑の幅を変更いたしまして、これは貨幣価値の変動に伴うものでございます。なお表示の違反と、それから広告の違反とが、従来製造業の違反と同一になっておりましたけれども、これを一段下げまして二年十万円ということにいたしました。
罰則はその程度にいたしまして、次に附則の関係でございますが、これも施行の期日は先ほど申し上げました通りでございます。
なお、登録から許可に変わり、そのほかいろいろ手続等が変わりましたが、それに伴って新たなる手続を必要としないで、そのまま移行できるように附則でその規定を書いたわけでございまして特別の説明は省略をさしていただきたいと思います。
それからなお、食品衛生法以下のほかの法律の改正が入っておりますが、これはすべて表現上の——薬事法の改正に伴って表現が違ってくるものを書き加えただけでございまして、実体においては変更ございません。
大体以上の通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/8
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009・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) ちょっと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/9
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010・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) それでは速記を始めて下さい。
それではこれより質疑に入ります。質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/10
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011・坂本昭
○坂本昭君 近来社会保障制度の拡充が世論として推進せられるようになり、特に医療保障、国民皆保険といった問題が緊急の所要の条件として国民全般の強い熱望となって現われるに至って参りました。その間、この明治の初年からずっと薬事に関する法律が続いてきておりまするが、いわゆる薬屋あるいは医薬品等、こういうものに対する考えも非常に変わってきておると思います。たとえばよきにつけ、あしきにつけ、医薬分業といった問題、あるいは薬剤師の身分、資格の問題、これらには日本独得の発達の歴史あるいは習慣というものがあります。しかし、いずれにしましても、だんだんと社会保障が合理化されるとともに、われわれの健康を保持していくためのいい習慣、悪い習慣、こういったものがより合理化される必要はどうしてもあろうと思われる。少なくとも薬屋といわれている考え方をわれわれはもっと欧米流に化学者としての規定を薬剤師に対して置くということは非常に必要であろうと思う。そういう点で長い間の薬事法というものをこのような薬剤師の身分法と薬事法とに分けるということは、きわめて適切ということよりも、当然なすべき第一歩であったと信じます。そしてこれについて資料として出されている薬事審議会の答申、これに基づいてこの今回の改正がなされたと信じますが、いかなる経緯によってこの現行薬事制度の改善の諮問が行なわれたか。この薬事審議会の答申が生まれるに至った経緯について御説明をいただいて、今回の法案というものの生まれるに至ったゆえんのもの、そういうことを当委員会としてはまず明らかにしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/11
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012・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 現行の薬事法は、先ほど提案の説明にもありましたように、戦後早々の間に成立をいたしまして、その後いわゆる医薬分業関係に伴います改正等を除きますほかはほとんど従来のままでございます。ところが、これにつきまして種々の不備な点もございましたし、それからただいまお話のありましたように、身分法と実体法と一本になっておって不適当であるというような点もございましたし、役所の方としましても、これが改正について数年前から取り上げて研究をいたして参っておりましたし、それからまた、関係の向きにおきましても、改正方の希望がかなり強かったわけでございます。しかしながら、内容的にはただいまお聞き及びのように、相互広範な内容を盛っておりますし、それからまた、かなり利害関係も錯綜している面もございまして、ある場合には、これを取り上げある場合にはこれをしばらくおいてということを幾たびか繰り返して参ったのが偽わらざる実情でございます。しかしながら、法律の内容その他かち関連をいたしまして、やはりこれは正式に取りしげて政府としても本腰を入れて一つ改正に努力をすべきであり、改正を全うすべきである、そういうような趣旨をもちまして、それまでの間に事実上行なっておりました状況をはっきり薬事審議会に諮問するという形において行なうことを決意いたしまして、昨年の三月、薬事審議会に諮問をし、薬事審議会においてはこれはきわめて重要な問題でございますので、特にこのために特別の部会を設けまして、前後十数回にわたりまして熱心に審議を続けて今年の二月に答申ということに至った次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/12
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013・坂本昭
○坂本昭君 そうしますと、この薬事審議会に諮問するに至った重要な契機は、薬剤師の身分を確立すること、それからまた、この医薬品等の現在実施されている現行制度の中に一号、二号、三号、四号とかいろいろ多数の職種があげられています。これらの中のいろいろな矛盾点を解決をせざるを得なくなった、そういう行政上の必要、そういう点から諮問をするに至ったと思いますが、それらの点で従来薬剤師の身分が確保されていないためにどういう不都合な点があったか、また、各種の一号、二号、三号、四号の業者、これらの人たちが法の不整備のためにどういうふうなトラブルが行なわれてきたか、そういうふうな実態についても御説明を若干いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/13
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014・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 第一に身分法と実体法との関連でございますが、これは法律的に申し上げれば、率直に言ってまあ実態としてはそう大きな変化は来たさないわけでございますけれども、しかし、医師と同じように、特殊な知識経験を有する薬剤師について特別の身分法を設け、そしてその身分を確定してその職分をはっきりしていくということがやはり今後薬剤師として専門分野において活躍するについては必要である、こういう趣旨のもとにこれは分離をすることにいたしたのでございますが、実際上しからば法律が一緒になっておった時代に実態的にどういう不都合があったかということになりまするというと、法律が一つになっておったあるいは二つになっておったということに伴っての具体的な不都合な点はそう考えられないと思います。まあこれに関連をして調剤その他についての実態上の現行法の不備等を補うということはこれは必要なことでございますし、先ほど御説明申し上げましたように、当然これはその措置をとったわけでございます。
それから御指摘のまあ販売業の部面におきましては、現行法の二十九条に非常に簡単な規定がございまして、まあこれが実施につきましてはあるいは告示あるいは通牒によって実施をするということになっておったのでございますが、第一に登録それ自体が法律的に見ればこれは許可でありますにかかわらず、語感からいたしましていかにも選挙人名簿の登録のようなそういう感覚というものが、これらの取扱いというものを非常に間違わせるもとにもなりかねないというような点もございましたし、これらの点については、従って許可制にいたしたのでございます。それから一本になっておりました関係上、あるいは一号といいあるいは二号といいあるいは三号、四号といい、きわめてはっきりしないような格好で参っておりましたが、これらの関係というものを明確にすることによりまして、一つには医薬品の取り扱いについての建前というものを確立をし、すなわち医薬品というのは、やはりこれについての相当な知識経験を有する者に取り扱わせるということを本質とする、その建前というものをはっきりといたしまして、それ以外の者には努めて制限をしていく。そういう趣旨を今度はっきりいたしたのでございます。
販売業についてはまあそういうことでございますが、そのほか実態上製造販売あるいは取り扱い、広告等を通じまして、脱落をいたしておりました点やあるいは不備のありました点を補って現在の製薬あるいは薬業の実態に合わせるようにするという趣旨で規定をいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/14
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015・坂本昭
○坂本昭君 特に私の伺いたかったのは、今の一号から四号に至るいわゆる各種の業者の過去の実態、従って、それらの中に諸種の問題点があったがゆえに、この一年間にわたる薬事審議会の中で、相当な私は苦労をしてこの調整が行なわれてきたのであろうと思う。従って、どういうふうにその調整が行なわれたかという経過をよく知るためには、各号各業者の過去の実態がどうであったか。そうしてまた、どういう問題点があったか。そういう点の御説明をいただいて、その事実の上に立ってどのように意見の調整をとってきたかということをこの際確かめておきたい。そう思って伺ったわけです。ですからその前半のいわゆる一号から四号に至る業者の実態がどうであったかということをまず説明していただいて、そうしてその事実の中からどのようにこの調整が行なわれたかということをあらためてお聞きをしたい。そういう趣旨でお尋ねをしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/15
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016・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) その前にこれらのものの数を最初に申し上げたいと思います。(「資料はないのか」と呼ぶ者あり)資料は統計の資料が入っておりますけれども、(「それで説明してくれれば」と呼ぶ者あり)五ページに薬局の数がありますが、五ページを横にしますと、左の肩の方に総数、全国の欄がございますが、そこで御承知のように、薬局は全国に約二万ございます。
それから一枚めくりまして七ページ、医薬品のまん中辺に全品目販売業というのがございます。上の欄に。これがいわゆる法案による一般販売業でございますが、これが約五千六百、この中にはいわゆる問屋を含んでおるわけでございます。それからその次の指定医薬品以外の品目販売業約一万五千とございますが、これがいわゆる薬種商でございます。
それからその次の限定品目販売業、これが従来三号、四号といい、今回は特例販売業と言っているものでございます。これが約九万三千ございますが、これは大部分はほかの業態と兼業でございましてそれから次の配置販売業、これはいわゆる配置の販売業でございます。それからその次の欄は配置に実際に従事している配置員、歩いて行く人たちの数でございます。従って、いわゆる薬種商が約一万五千。それから薬剤師または薬剤師を使用しているものは薬局の二万とそれからあとの五千六百と、約二万五千六百そういうふうにお考えをいただいて、それからついでで恐縮でございますが、製造業の数はそこに書いてありますように二万とありまして、その次に製造再掲二千九百とありますが、専業いわゆる製造専業は約二千九百でございましてそのほかに薬局で製造業の登録をとっておるものがありまして、それが入っておりますので、総数としては約二万という数字になっておるわけでございます。数字はその程度にいたしまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/16
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017・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 そこだけちょっと質問さして下さい、今のお話のところだけちょっと理解するために。
薬局の数が二万七百三十四と書いて、その次に二万七百三十七と書いてある。これは数字のどこか間違いだと思うが、その次の欄の全品目販売業という今御説明があったが、薬局と全品目販売業の関係がよくわからないのですが、全品目販売業の中には製造業も入っておると、こうおっしゃったが、薬局とこれとの関係をもう一ぺん説明して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/17
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018・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 薬局と申しますのは、調剤も行ない、販売も多くの場合行なう、そういうものでございます。それからその次の全品目販売業というのは、薬剤師はおるけれども調剤は行なわない、ただ販売だけであるというのがその全品目販売業でございます。従って、この全品目販売業の中には問屋も入っておるということでございます。数字の状況は以上の通りでございますが、特にこのうち一つは薬種商の方、いわゆる薬種商の方の立場としては端的に申し上げれば、薬種商の身分制度を一つ作ってもらいたい。言うならば第二薬剤師みたいなそういう一つ制度を設けてもらいたい。その名前は薬業主ということにしてもらいたいという希望が本来あったわけでございます。これにつきましては、まあ双方の間だけを申し上げますと、薬剤師の方の立場としては、そういう第二薬剤師のようなものを設けるということはこれは適当でないので、やはり薬のことにつきましては、薬についての十分の勉強をいたした薬剤師がやる、そういう建前にすべきであるということで、その点につきましては両方の主張というものはいわば食い違っている態勢になっておったわけでございます。それでまず、この点につきましては、双方の意見を調整すると同時に、また国の立場として制度を立てる上からいいまして、やはり薬剤師以外にいわゆる第二薬剤師、第三薬剤師といったような身分を設けるということは、これは制度上適当ではない、そういうような趣旨を一貫をいたしまして、ただ名称につきましては従来いわゆる二号業者というような、名前のような名前でないような格好で呼称をするということは、これは必ずしも適当でないし、かつては、これは多少ちょっと意味は違いますけれども、薬律時代から薬種商ということになっておりましたので、その薬種商という名前の方をつけようじゃないか、これにつきましては、いわゆるそちらの方からは薬業士という名前を一つつけてもらいたいという希望がございましたが、これは今申し上げました身分制度を設けるのではないという建前において適当ではありませんので、薬種商という名前に落ちつきまして答申となった次第でございます。両者の関係につきましては、そういうことで調整をとりましたし、まあ国の制度としてもそれを妥当と考えて法律上織り込んだ次第でございます。それから配置の方の販売の方の関係につきましては、これは第一には、配置の品目が各県それぞれの立場で認定をし、指定をされるということでは、各県非常にまちまちになってある県においては配置をしていい薬がほかの県にいくと許されないということでは困るので、統一をしてもらいたいということでありました。この点については、まあ配置の性質上おのずから品目が制限をされることは当然でありますし、また、その品目の指定というものも、販売業を許すいわゆる知事の権限に付すべきことは当然でございますけれども、今申しましたように、あまり各県ばらばらということは困りますので、これは厚生大臣の定める基準に従って定めるということにいたしました。それから配置に回ります者の身分を一つやはり、まあ身分と申しますか、もう少し確定をして程度を引き上げるという措置をとってもらいたいというような希望がございましたが、この点については、程度を引き上げるということについては、これはまあそれぞれの立場で行なうべきことでありますけれども、これも先ほど申しました趣旨並びにこれは一種の従業員でございますので、それらについてやはり身分を設けるということはこれは適当でないということで、それは取り上げませんでした。この点につきましては、配置の関係については、そのほかなお二、三の点がございましたけれども、今申し上げましたように、品目の調整をはかるということを一つの重要な点として決定を見た次第でございます。それから薬剤師の方のプロパーの問題として、たとえば薬局の距離制限を一つしてもらいたい。すなわち一定の区域、一定の人口、一定の距離につきまして薬局何軒ということで、いわゆる設備構造でありますとか、あるいは開設者の人的な要素のほかに、距離なりあるいは配置の観念を入れた許可をするように一つしてもらいたい、そういうような希望が非常に強かったのでございますけれども、この点については憲法との関連もございますし、また、実際上の行政上の問題として考えましても、取り上げることはいかがかと考えまして、距離制限を行なうということはやらないことにいたした次第でございます。そのほかあるいは薬剤師会の法人化の問題でありますとか、そのほかいろいろな問題がございましたが、これらにつきましては、審議会の過程を通じましてよく熟議をこらして検討して、あるいは落とし、あるいは取り上げるということにいたしたのでございます。なお、特例販売業につきましては、これは従来三号あるいは四号といい、非常にあいまいな存在になっておりましたけれども、先ほどの薬及びこれの販売業の根本的な性格からいたしまして、保健衛生上特に制限的な許可を与えるということで、その性格をはっきりいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/18
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019・坂本昭
○坂本昭君 今までの経緯をお伺いしますと、いろいろな点が明確になって参りました。特に私は医療保障制度というものが確立される時期でありますから、薬剤師あるいは薬種商自体の痛切な要望もありましょうが、同時に、厚生省としてはこの医療保障の確立のために、行政上の必要も当然生まれてくると思う。そこでそれに関連して伺っていきたいのは、薬剤師がその身分を確保し、その権利を確定すると同時に、義務も当然生まれてくると思うのです。今私の質問の前に局長が答弁されましたが、今日この国民皆保険をやる際に、先般来当委員会でもいわゆる無医村の問題が非常に論議せられ、また、今後も論議する予定になっておりますが、いわゆる無薬局地区というものがどの程度にあるか、また、日本の医薬の学問は世界でも非常に高い水準であろうと思うが、この薬局の制度というものがその数において、質において、国際的にどういうふうな実情にあるか、従って、皆保険を実施する場合に、無薬局地区という問題は今回の法改正とどういうふうに連関して取り上げておられるか、まずその点ちょっと伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/19
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020・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 無薬局町村は現在約千四百でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/20
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021・坂本昭
○坂本昭君 その内容をもう少し説明して下さい。無医村が一、二、三と種類が三つあるように、無薬局町村というものは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/21
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022・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) それは別の機会に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/22
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023・坂本昭
○坂本昭君 いや続けてもう少し数の上で、無薬局町村は千四百あるというが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/23
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024・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) ちょっと速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/24
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025・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/25
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026・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) こういういわゆる薬局のない地域に薬局を設けるということは、これは非常に大切な問題でございますが、これはやはりこのような衛生上の取り締まり規定で措置すべきことではなくて、むしろ現在国会において御審議いただいております医療金融公庫法、そういった助成策とからんで推進をしていくことが妥当と考えて、そちらの方でいくつもりにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/26
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027・坂本昭
○坂本昭君 それでもう少しその辺を明確にしておきたいのですね。私は今までの日本の医療というものが非常に習慣的で、いろいろと迷信的なものの要素も若干加わってきておったので、それらの点を合理化していく必要がある、そういう合理化の必要と、それから正しい医療の普及、そういう点で皆保険の制度が国民的な要求として生まれてきた。だからその中で、今度身分と任務が明確になってきて、薬剤師の任務も当然はっきりしてくる。そうしてまたその薬剤師の足らない点を二号、三号、四号といった業種によって補っていくということが、私は当面行政上必要な措置だろうと思う。従って、だんだんと合理化の線が進んでいけば、技術的にも、また、質的にも程度の低いものは将来淘汰されるべきものだと思う。そうしてまた、無薬局地区みたいなそういうところに対しては、特殊な配置員が薬品を配置していくというような制度も、これは当然一貫して考えなければならぬと思うのです。そういう点で今法律を——今まであった薬事法を二つに分けたということだけでなくて、その当然背後には、そうした皆保険に対処する考えが生まれておると思って実はお尋ねしているのです。
そこで先ほどの質問でお答えいただかなかったのは、日本の薬局の数とか質、これが国際的に見てどういうふうな現状にあるか。私はそう低いものではないと思う。にもかかわらず、一千四百も無薬局町村があるということは、これはなかなか大へんなものだと思うのですね。従って、この一千四百の無薬局町村を薬事の点で補っていくために、薬種商あるいは配置販売業、特例販売業といったものを置かざるを得ないのではないか。言いかえれば、これは二号、三号の整理というものは、ある意味では私は不十分だと思いますよ。こうした国民の健康を維持するために、特定の資格を持った人をもって、これを国民の医療を守るということは当然行政庁の任務であってその間にあって、どうも今度の措置では、前のものを一応明確に区別はできた。できたけれども、その整理の点において必ずしも合理的、妥当だとは思われない。それは結局千四百の無薬局町村があるから、これは当分やむを得ない、そういうところから生まれてきたのだろうと思うのですが、まずその、私たち不敏にして日本の薬局の配置の状況、そういったものがよくわからないので、それらの点をもう少し説明していただいて、国際的にこれはかなりレベルの高い状態であるかあるいはまた低い状態であるか、おわかりになっておったならばお答えいただきたい。そういう点です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/27
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028・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 外国の具体的な実情等については、私見聞をいたしておりませんので的確なお答えできませんが、ただ申し上げられることは、第一に、薬剤師というものは、これはやはり外国と同じように、一定の大学課程を経て国家試験を経て薬剤師になるわけでございますから、この点については、彼此径庭はないものと考えております。薬局につきましても、構造であるとか設備であるとか、そういういわゆる外観的な面については、これはそう調剤等をやるに不適当であるという工合にはなっておりませんが、ただ、実情といたしまして、御承知のように、外国における薬局は、どちらかといえば調剤によって相当多くの部分の生計を立てる。日本の場合におきましては、御承知のように、薬局いわゆる調剤を行なう場所が薬局とはいうものの、実際の調剤の数は、三十四年の一月から十二月までの総計にいたしましても約二十二万程度でございまして、従って、この調剤が薬局全般の、販売業を含めた薬局全般の業務の中において占めるウエートないし収入面においてしめるウエートというものは、外国に比べるというと、比較にならないほど小さいということは、これは言えると思うのでございます。その結果といたしまして、こういう調剤の要因あるいは調剤の仕方について、それだけ件数その他が少ないということに伴う当然の結果というものが、外国との比較において考えなければならないことも、これもまた容易に想像し得ることだと思うのでございますが、いずれにいたしましても、薬局としては調剤を行なうように万全の準備を整えているということは、これは現実の姿でございますし、今後、御承知のように、薬局に回ります処方せんの数は相当なスピードをもってふえつつあるのでございますが、この傾向に伴ってますますその面は改善されていくものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/28
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029・坂本昭
○坂本昭君 そうしますと、たとえば薬剤師の数、これは資料によると五万六千五百人程度でありますね。この五万六千五百人という数は、人口十万に対しては六一・四名になっておる。この数は諸外国に比較して、比較的私は多いと思うのですね。決して少なくはないと思う。その点いかがでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/29
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030・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) その点も精細な調査ができておりませんので、正確にその多い少ないということを確信を持っては申し上げられませんが、概括的に申し上げまして決して少ないとは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/30
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031・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) ちょっと速記とめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/31
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032・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/32
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033・坂本昭
○坂本昭君 私は何もその学者に聞いているのじゃなくて、日本の医師の数も多いが、薬剤師の数もこれは世界に冠たる数を持っているだろうと思うのですね。私も実数はこまかく知りませんが、とにかく世界有数の数はある。ところが、千四百も無薬局町村があるという事実、この点を私は指摘して、せっかくこうしてりっぱな薬剤師法も作り、薬事法も作る以上は、これを一体行政的にどうするか、そういうことも考えないで、ただ法律を二つに分けたって意味がないじゃないか、だから薬剤師にそれだけの権利と義務を負わすならば、同時に先ほど問題になっておった薬局配置の規定の問題ですね、こういったことも私はこれはだれが希望されたか知りませんが、これは行政庁としてはある程度やはり考慮しなくちゃいかぬじゃないか、そうしないと、この国民皆医療の場面において、いろいろあやまちが起こってきやしないか、そういう点についてもう少し具体的にお尋ねしたいと思って、先ほどあなたの方からそういう薬局配置の問題も出てきた、審議会においては議論されたということですが、この点、私はもう少し審議会に現われた意見に対して、行政庁としての局長の御意見を少し承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/33
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034・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 薬局をまんべんなく普及をするということは、これはまあ何といっても一番大事なことであることはお話の通りでございます。ただ、実際問題として、御承知のように、薬局を設けましても、それによって収入、支出の関係を勘案をし、あるいは予想をして、その面が成立しない場合には、見通しがない場合には、これはなかなか実際問題として薬局というものに限らず、ほかの部門でもその普及がむずかしいことはよく御存じの通りでございます。そういった経済的な要素も十分にからみまして相当数の無薬局ということが出ていることは、これはまあ経済上今日のような状況におかれているからには、ある程度はこれはやむを得ない面もあろうかと思うのでございます。従って、これに対するいわゆる援助、助成ということにつきましては、やはり相当経済的な面を考えていかなければいけないわけなんで、それについては開設についての経済的な援助としての医療金融公庫ということを、私どもはこれが第一の突破の手段と考えておるわけでございます。
それからこのいわゆる距離制限といいますか、適正配置と申しますか、これについては憲法上の問題があることは御承知の通りでございますが、実際問題としてこれを適正に行なうということは非常にむずかしい問題でございまして、かりに人口というものを考えます場合においては、昼間人口と夜間人口との関係もあり、それから人の流れという問題もございますし、それから将来における経済上の見通しという問題もからんで参りますし、それらを適切に判断をして基準を設け、彼此不公平のないようにということは、実際問題として、これは行政上非常にむずかしい問題でございますし、そういう意味において、いわゆる距離制限、あるいは適正配置ということについては、憲法問題とも関連をいたしまして、なおそういう行政上の実際問題というものを勘案をして、距離制限をとることをあえてしなかったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/34
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035・坂本昭
○坂本昭君 どうも局長はむずかしいことばかり言われているが、憲法論議など出されてきたが、憲法論議なんか要らないですよ。それよりも、行政庁として、国民皆保険、皆医療をやろうとする場合、特に繰り返してあなたも言われたように、医療金融公庫との関連においてこれを解決したい。そうすれば、一体無薬局町村がどうなっておるか。また、その無薬局地区がどうなっておるか。それは当然お調べになっておると思うから、その資料をあらためて出していただきたい。特に無医地区との関連が、どの程度調べられているか。この前、医務局長は、千二百カ所程度——それからだんだん減ってきてはおりましょうが、千二百カ所程度の無医地区があることを指摘しておられる。御承知の通り、かぜだとか、腹痛の場合、ある程度は医者のところへ行かぬで、薬屋さんで薬をもらってきて済ましているというのが、日本の実情なんです。これについては、いろいろ法的な問題もありましょうが、とにかく医者がおらなくても、薬屋さんがあればどうにかやっていけるという面も、あるパーセントにはある。そうすれば、無医地区の中でもまた、無薬局地区というような所、これが一番大事な点だと思う。そういう点の資料は、今御説明ができるなら御説明いただきたいし、確実な資料があれば、ぜひ出していただきたい。そうしないというと、医療金融公庫法、あの中では薬局に対しても融資することになっている、そうした場合に、一体どの薬局に、どういう条件の所に、助成して育てていくか、そうして国民皆医療の目的にかなうようにするかという実をあげることが私はできないと思う。だから憲法論議はあとでいいんですよ。厚生省が最初から憲法論議などしていただく必要はないので、それよりも、実質的に困っている地区に対して、これは医療金融もしていかなくちゃいかぬ、そのために、今の明確な統計資料があるかないかということなんです。で、無医地区の中で、かつ無薬局であるというような所、これはどの程度ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/35
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036・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) あとで調べてお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/36
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037・坂本昭
○坂本昭君 それでは、それらの点については、これは薬務局長が知っていなければ、これは医務局の所管に属する医療金融公庫の薬局に対する貸付はできぬということになるので、これは重大な問題だから、正確な資料を一つ医務局とも連絡をとって出していただきたい。特にその中で問題になるのは、今のように非常に数が多い薬剤師がおられて、しかも無薬局地区が非常に多いということです。これは非常に重大な点であるので、その点との関連で次回は御説明をいただきたい。
なお、次にお伺いしたいのは、薬局の開設について、開設者と薬剤師とつまり二本立になっているわけです。そうすると、国民皆保険の制度の中で、ちょうど医療機関の場合に二本立になるように、今度の開設者と薬剤師、これもそういうふうに理解してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/37
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038・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) その通りでございまして、薬剤師が直接薬局を開設する場合と、薬剤師を雇って開設する場合と、二つの場合がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/38
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039・坂本昭
○坂本昭君 それでは私の持ち時間が大体終わりそうになっておりますので、資料を一つお願いしておきたい。
第一は、無薬局地区の問題についての資料を出していただくこと。これはお約束いただきましたが、次は、前の薬務局長が外国に出張したときに、「諸外国薬事制度の概要」というのを薬務局で編さんしておられます。これを全員に配付していただくと、外国の薬事制度の実態をあらかた理解できると思う。で、これにその後——これはたしか昭和三十二年ですから、だいぶ古いのですね、三年ほど前ですから——その後新しい変化があれば、追加して資料として出していただきたい。特に、後ほどこの委員会で審議をしたいと思っておりますことの中で、医薬品及び医療用具の広告の問題であります。今日、日本の新聞あるいは放送、この中で占めている医薬品並びに医療用具関係の分量というものは、おびただしいものであって、これについての諸外国の実態を、ある程度薬務局としても御承知のはずだと思う。で、森本薬務局長の出張の場合に、広告に関して若干調査したものがついておりますが、特に広告並びに放送、テレビ、これに関連してお調べになったものがあるならば、その資料を一つお出し願いたい。以上の資料の点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/39
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040・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 外国の資料につきましては、余部がほとんどありませんので、至急に印刷をして出すようにいたします。
それから後段にお話がありました点につきましても、できるだけ取り調べて提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/40
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041・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 それじゃ私も資料を一つ。今の一号、二号、三号、四号とありますその歴史的な業種が、どういう格好で出てきたかということと、その一号、二号、三号、四号というのは、どういうものと併設して、おもに——全部とは言いませんが、おもにどういうふうに他の物品と販売をしているかということ。薬局や薬種商、それから特例販売業、そういうものについての資料を出していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/41
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042・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 今お話のありました点、一部につきましてはただいまお答え申し上げてよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/42
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043・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 いや、歴史と内容を書いて、資料を出してもらってからでけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/43
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044・高野一夫
○高野一夫君 だいぶ広範な改正案で、厚生省の御苦労を多といたしまするが、今後の当委員会審議の過程において、各委員からおそらくこういう質疑が出るであろうと想像せられる点、また、私自身も審議をしたいと思う点を、あらかじめ、今、薬務局長の説明の中から私が感じて、おそらく各委員からの質疑はこういう点が出るであろうというふうに予想せられることについて、列挙してみたいと思います。それはなぜかというと、審議を円滑に、かつ促進せしめるために、あらかじめ厚生省当局においても、十分答弁の用意をされておかれるべきであると思うからであります。
まず、薬剤師法について、問題になるであろうととりあえず考えられている第一条の薬剤師の定義に関する問題であります。
それから、ずっとあとに参りまして、十三条以降、その辺の薬剤師の、実地、学説の試験の問題と、それからただいま、坂本委員からも問題が出ている薬剤師の養成に関する問題、現在三千人くらいずつ出ている、それが、その必要があるかどうか。三十二薬大がある。まだ申請中のものもあるやに聞いている。こういうものについて、今後どういうふうに文部省と厚生省とが考えられるかという点。
それから次は、第二十条、薬剤師にまぎらわしい名称というのは、たとえば例をあげれば、どういうものであるかという具体的の問題についての検討が一つ。
それから、第二十七条、処方せんの保存期間を、健康保険並みに三年間としたことについて、これが妥当であるか、あるいは健康保険の方を二年に縮めることの方が妥当であるか、こういう点もあります。
さらに罰則の適否、以上がとりあえず、まだあるでありましょうが、気づいた点。
今度は薬事法案につきましては、まず第二条に、「人又は動物の疾病」というのがある。「人又は動物の疾病」にかかわらず、そこで動物用の医薬品が厚生大臣の所管を離れて、後段の第何十条かにあった通りに、農林大臣の所管、厚生省はあずかり知らぬ、そうして農林省の登録か許可を受ける、こういうことになっている点が矛盾をしていやしないかという点。
それから医薬部外品の限界については、さらに十分検討をしておく必要がある。
それから、医療用具の点についてももう少し詳しく調べてみたい。
それから、変二条の第五項に、薬局の定義がある。これは今までなかった定義が出されているわけである。この定義は医療金融公庫法では薬局を対象として融資する場合には、薬局の施設という点に重きをおいているわけでありますが、これは販売業を含む、販売業に必要な場所も薬局と称する。こういうことになっておりますので、医療金融公庫の法律の薬局との関係。
それから、第四条の地方薬事審議会、これを置くことができることになっている。これはなぜ置かなければならないという必置制にできないかという点。同時に、地方薬事審議会に諮問して政令で定めるものに関する重要事項、これを先ほどの薬務局長の説明では、まだ不満足でありますから、もう少しこれを解明する必要がある。
それから、薬局、そのほか製造業あるいは販売業、特に薬局その他の販売業を登録制をやめて、許可制にしたこと、これの法律的の持つ意味と、将来に対するものの一つの考え方、これは十分ここで検討しておく必要がある。
それから、第六条の許可基準の二号のホ、「その性癖素行に照らして、薬局を管理する薬剤師の第九条に規定する義務」云々とある。これはもう少し具体的にきめておく必要がある。
それから第四章、医薬品の製造、これが現在乱売等のいろいろの原因になっている過剰生産、この過剰生産を押えるような法律の例は外国にあるのか。それが日本においてこの条文を置くことがなぜできないかという点。
それから、第十七条、「責任技術者」とは一体どういうものをさすか。
それから、医薬品の販売業、これは卸も小売も一緒になっている。なぜ卸と小売の区分ができないのか。通産省は中小企業団体法等においても、はっきりと区別をしている。なぜ薬手法だけ卸と小売の定義がむずかしいのか、この区分ができないのか、また、区分をしない方がいいのか、区分をした方がいいか、こういう点が残されている。
それから第二十八条の薬種商の販売の許可、これと薬局の許可、登録をやめて許可にした法律的意味を研究したい。ということは、許可基準が登録の基準と同じものであれば、実際的には意味をなさない。せっかく許可制度にしたならば、この許可の基準について、もう少し的確な厳密なる基準を置くべきじゃないか。特に二十八条の薬種商販売業の許可についてもそういうことが言える。
それから、その第二項の、都道府県知事が試験を行なう。そうして行なったものにその営業を許す。この試験を行なってから営業を許すまでの過程並びに当該県と他府県との関係、そういう点が問題になる。
それから、三十六条の特例販売品目の制限、これは特例販売業が必要であるかどうかということは、販売業の整備の点でいずれ質問しますが、どういう点を品目の制限をやるのか。しかも、この法律によれば、都道府県知事か品目の指定をする、こういうふうになっているやに思うので、その辺のところを一つ確かめておきたい。
それからこれは私どもの方の党の政調会で問題になったのでありますが、三十七条の二項、医薬品の零売、いわゆる分割販売、これをその専門家の薬剤師でない者に多少の試験をしても、この分割販売を許していいのかどうかという問題がある。
それから、国民医薬品集をやめて日本薬局方を一部と二部に分けた点について、さらに今後将来の改正を予想しての場合の検討が必要である。
それからあとは五十八条、封、封緘、これはだいぶ審議会でも封とか封緘とかいろいろあったのでありますが、封という文字の意味と封緘というものとの意味合いが、はっきりとやはり区別せられて今日まできておったのだが、今度は緘が抜けてただの封になってしまった。この点についての解明が必要である。
あとは、今度は広告の制限の問題。この広告制限の問題についてさらに具体的に検討をしたい。
それから、第七十七条、薬事監視員、一体薬事監視員というものはどういうものを置くのか。何かここに書いてあるけれども、どの辺の技能経験を持った者を薬事監視員にするのか、こういう点が問題になる。
それから先ほどの動物用医薬品は八十三条に関連して参ります。
さらに罰則が適当であるかどうか、こういう点についても研究をしてみたい、こういうわけであります。
そのほか、ここに盛っていない、今坂本委員と局長の間でちらっと話が出た、薬局の開設を薬剤師のみに限定してなぜいかぬのか。薬局の適正配置がなぜいかぬのかという問題。この薬局の適正配置あるいは薬局開設の制限というものが、憲法違反の疑義があるとするならば、ここで私は厚生省に研究おきを願いたいのは、憲法違反の疑義があるからいかぬというのは厚生省の考え方なのか、内閣法制局の意見を代弁しておられるのか。厚生省が適正配置をやって開局制限をやりたいのだが、内閣法制局がうるさいからやむを得ず適正配置ができないというのか。それとも法制局と同じ意見であって、やはり憲法違反だと、こういうように厚生省自身が断定的に考えておられるのかどうか、この点は非常に大事な問題だと思うので、私はそれらの点について十分一つこれから問いただしたいと思います。
そのほか、各委員のお気づきの点が多々あるであろうと思いますが、以上の、少なくとも私がただいま思いついて指摘した点については十分……きょうも一、二質問をいたしまするが、御研究おきを願いたい。
そこで、私はまず第一に伺いたいのは、登録制度と許可制度の相違であります。ところで、登録制度と許可制度の相違、なぜ登録制度をやめて許可制度にしたかという点。ところで、その登録制度を許可制度にしたこと、すなわち登録の持つ法律的の意義と、許可制度の持つ法律的の意義を、どういうふうに厚生省が解釈しておられるか、まずこの基本の問題を伺って、あと時間次第、憲法論についてお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/44
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045・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 登録ということは、従来の行政法上の観点からすると、全くこういうふうな薬局なり、あるいは製造業の開設、あるいは開始の場合の手続として設けた事例としては、全く新しいのでございますけれども、これを法律的にせんさくいたしてみますというと、やはり警察的な許可の典型、すなわち一般的禁止の解除という点については、これは現在の提案いたしております許可ということと本質的に変わりはないわけでございます。ただ、実際問題として、登録という言葉は、従来たとえば先ほど申し上げましたように、選挙人名簿の登録というような場合に使っております習慣上、いかにもただ機械的な手続というふうに誤解されやすいし、従来も薬事法上の取り扱いにおいて多少そういうふうな語弊があったということはいなめない事実でございまして、この点についてはその本質に照らしまして、必ずしも適当な言葉ではなかったという点が、これは言えると思うのでございます。すなわち登録についても、単なる届出ということではなしに、やはり一定の登録の基準というものがあって、その基準に適合すれば登録をするし、基準に適合しなければ登録をしないということになりますし、また、許可と申しましても今日の制度としては、やはりこういう場合には許可を与える、あるいはこういう場合には許可を与えない、あるいは与えないことができる、そういうことに許可の基準というものをある程度明確にいたしまして、それによって許否を決するということになるわけでございます。その意味においては、いわゆる本質的な違いはないわけでございますが、ただ、その関係から、一つは裏からいくのと、一つは表からいくのと、そういうような違いの関係上、実際上の取り扱いとしては多少の違いを生ずることは、これはあり得ると思いますのと、それからもう一つは、従来薬事法上取り扱っておりました登録の基準というものがきわめて不備でございましたので、この点については取り扱い上非常な不便、不都合を生じた面もあったのでございます。これらの点については、改正案によりまして是正をはからんとするものでございます。そういうわけで、法律上の本質ということになりますというと、これはやはり同じ禁止の解除という点においては、まあ同質のものということが言えると思いますけれども、実際上の取り扱いということになりますというと、やはり従来の登録よりも多少審査の範囲というものが厳密になるということは当然言えると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/45
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046・高野一夫
○高野一夫君 今の局長の説明では、それは実際論にすぎない。私の言いたいこと、聞きたいことは、私は登録制度を許可制度に改めたことには賛成だ、非常な進歩だと思う。その進歩は登録というものの持つ意義と、許可というものの持つ意義をはっきり区別するところにまず第一に私は重要な点があると、こう考えて賛成しているのであって、私の方で調べたのをまずここに言いますと、登録というものの意義はどういうものか、それは一定の法律事実、あるいは法律関係を行政官庁にある特定の帳簿に記載して、そうしてそういう事実があるとか、そういう法律関係があるとかないとかいうことを公に表示し、証明する、これが登録の持つ法律的証明です。これは基準もあるけれども、登録というものはそういうものだ。許可というのは、一般的に放任しておけば公共の危害を生ずるおそれがある、だから一般にはその行為を禁止する、そうして特定の要件を備えたもの、場合のみに限ってその禁止を解除する、これが許可の持つ意味である、そうして公共の危害を防止せんとするわけなんである。そういたしますと、登録にも基準があり、許可にも基準があるから、実際には似たようなものだと、こういうふうに言われるけれども、登録の持つ意味というものと、許可制度の持つ意味というものは、基本的に私は法律的に意味が違ってきておる、こう思うわけです。そこでそういうふうになりますと、今度は登録の基準というものと、許可の基準というものの、その基準というものは非常にこれは違った意味が出てくる。厚薄、軽重の相違……。でありますから、一般に放任しておけば公共の危害を生ずるおそれがあるから、一般には禁止しておる、特定のものと特定の場合だけにその禁止を解除するのだ、これが許可であるならば、許可の基準というものは相当厳密に考えなければならぬということが出てくるわけです。それが実際問題として登録の基準とあまり変わらない許可基準である、多少不備な点を整備した、こういうことであって、実際はあまり現行と今後改正される許可制度とあまりそう変わらないなどと、こういうことは私は行政官庁としては考えてはいけないのだ、こうはっきり私はそれを申し上げたい。でありますから、こういうような許可の持つ法律的意義と、登録制度の持つ法律的な意義が基本的に違っておるのだという考え方からスタートを切るならば、今度改正されたる許可制度——せっかく許可制度を置かれた、これは大賛成。それならば、その許可制度の持つ意義を明確に、いわゆる一般的にはこれを禁止するが、特定のもの、特定の要件を備えた場合だけにその禁止を解除する、というならば、その解除すべき特定の要件を備えたその基準というものは、これは私は相当深く掘り下げて考えてもらわなければならぬ。それが、登録基準にちょっと毛の生えたような程度のものであるということは、これは私はどうも……、そうして、事実においてはあまり変わらぬだろう、こういうような考え方は、これは政府の考え方としては私はとるべきでない、こういうふうに私は思うのでありまして、この点をこれは今後、この許可をするかしないかという衝に当たる——この法律を使ってこういう行政事務に当たられる人の考え方が、今の局長のただ実際論だけの考え方である、ただ、ニュアンスとして許可の方が何となくむずかしいのだ、こういうような考え方では、地方——都道府県において薬務行政を担当しておる人たちが、この許可制度は、なあに、今までの登録制度とあまり変わらぬじゃないか、こういう考え方では、私は、せっかく許可制度にされた意義がなくなる、こう思うので、この辺の解釈ははっきりさるべきだ、これが今度のこの法律の私は眼目だと思う。従って、この点についてもう少し掘り下げて、局長の私の納得のできるような解釈を伺いたい。同時に、大臣にかわって内藤政務次官に、私のこういう考え方が適当であるか、あるいはそうでないとお考えになるかどうか、その辺についての御見解も簡単でけっこうですから伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/46
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047・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 現在の薬事法の登録の運用といたしましてのいわゆる登録基準は、告示で定めておるのでございますが、その中には御承知の通りに、たとえば薬局について見ますというと、設備構造、採光、換気が十分で清潔であること等、その他いわゆる設備構造の点だけについて基準が設けられておりまして、人的な面についてはこれは欠けております。そういういわゆる登録基準の不備と、それから従来登録について先ほどお話のありました趣旨の登録というものも、これは確かにあることはあったわけでございますし、その面から登録というものを一種の機械的ないわゆる届出に準ずるものとして往々取り扱われがちであったということはこれは事実でございますし、法律上の本質論としましては、選挙人名簿の登録等は別でございますけれども、現行法に使っております登録の法律上の意義については、私が先ほど申し上げた通りでございますが、実際上の取り扱いとしては今申し上げたように、現行の場合には登録基準が非常に不備でございますし、実際したとえば薬局開設等についても、人的な面について審査をする何らのものさしもない、従って、それについては無審査でいくというような格好になっておりました関係上、今度の新しい法律による許可ということになりまして、この法律の運用ということになりますならば、その取り扱いとしてはこれは相当変わってくることはこれは事実であろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/47
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048・内藤隆
○政府委員(内藤隆君) 登録あるいは許可という文字から受ける感じは、高野先生おっしゃった通り、許可の方が強く、さらにまた、許可ということになりますと、幾分許可する方の責任というような点等も考えられまするので、法律的用語としては、ただいま局長が同一であるというような答弁になっておりますが、それは私は法律的な用語としての意義をあまり詳しく存じませんが、その解釈で進みたいと思います。しかしながら、この許可という字から受ける感じはおっしゃる通り相当に私は強いものだ、要するに法に許可の基準というものも列挙してありまするから、こういう点等を厳重に施行することによって、私は高野先生の言われることも達するんじゃないか、かように考えるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/48
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049・高野一夫
○高野一夫君 政務次官も局長も、おっしゃることはやはり実際論なんです。今申し上げたのは、これは私個人の解釈じゃなくして、ちゃんと法制局の専門家に調べてもらった解釈なんです。従って、この登録というものの解釈と許可というものの解釈が違うか、実際問題が同じであるか、どっちが重いか軽いかということでなくして、この登録の持つ意味と許可の持つ意味とがどう違うかということが大事なんだ、こう私は言うわけです。そこでこの問題については、私はこれは専門家の意見を徴して調べてみたのですから、はっきり私の解釈を取り下げるわけに参らぬ。そこで私は、さらに法制局あたり等とも十分相談をされまして、一体どういうふうに本質的に違うかどうか、あるいは同じなのかどうか、ただニュアンスとして許可の方がどうも強いように思うということなのかどうか、その辺もう少し一つ次回まで研究しておいてきてもらいたい。私は、明確に登録の持つ意義と許可というものの持つ意義が明確に違う、その違うところに今度許可制度をここへ持ってきた一番の大事な意義がある、そして、それだからこそ私はこの原案の許可制度を採用したことに大賛成だと、こう私は考えておるわけです。そこで、それがただ実際論で言われるというと、その解釈が地方府県庁に伝わりますというと、実際の取り扱いとして、ものの考え方が今までとあまり変わらない考え方で書類審査等もやる、こういうことになりかねないから、私はこの解釈の相違をはっきりしておく必要がありはしないか、こう思うわけなんです。これはなお一つ法制局の方と後刻よく研究をされて次回までに、私の解釈が間違っていれば法制局の解釈が間違っていることになる。こういうことになりますから、十分一つ研究をされて、必ずこの意見と一致するに違いない、こう私は思う。そこであなた方はどうもはっきりした区別についてのしっかりしたお考えがまだ私にははっきりつかみ切れない、それは非常に私は残念だと思う。せっかくこの基本的の改正をした点についての言葉の持つ法律的意義について、これが裁判問題になれば当然司法的解釈が出てくる。そこでこういうふうに登録の持つ意味、許可の持つ意味が全然違うのだ、たとえ登録基準があるにしても、その持つ意味が違うのだということになるならば、今度の許可制度を私はできるだけ百パーセントに近い効果を発揮するように生かしてもらわなければならない、こう思うのです。そこで、この点については、それでは一つ許可制度と登録制度の相違、今後の取り扱いの具体的問題という点につきましては、次回に一つ厚生省に研究してきてもらってやることにいたします。
そこで、今度は私が言いたいことは、許可制度にせっかくした、その基準も従来よりは強く多少はなっている。けれども、もう少し本質的にその許可の基準というものを掘り下げて考えてみる必要があるのじゃないか。そこで私が伺いたいことは、先ほど来も話がちょっと出ておったのですが、薬局の開設は薬剤師に限る、病院、診療所の開設は医師に限る、こういうふうに薬事法の制度を改正し、医療法の制度を改正すべきじゃないかというのが私の考え方なんです。同時に、適正配置——国民皆保険になった今日、医療機関の適正配置が非常に強く要望されている。わが党でもすでに特別委員会で取り上げている。この病院、診療所が適正配置でない限り、国民皆保険を幾らうたったところで意味をなさない。同時に、それに付随して調剤行為をなすべき薬局の適正配置が全国的に行なわれていない限り、国民皆保険のどんな制度が、法律ができて国民健康保険が各市町村に漏れなく本年度一ぱいででき上がったにしても、医療機関の適正配置がない、診療機関の適正配置がない、薬局の適正配置がない、こういうことでは国民皆保険はただ都会とか、病院、診療所、薬局があるところにすぎないのであって、そうでない無医地区、あるいは無薬局地区というようなところには恩典はない、こうなる。そうなりますと、私は行政当局としては、内閣法制局の意見はともかくとして、厚生省当局としては、病院、診療所、薬局の適正配置は、早急にこの問題の解決をしなければならぬとお考えになるのが私はほんとうじゃないかと思う。それが開設者を資格者に制限することは憲法違反だ、適正配置は憲法違反だ、それで内閣法制局の法律家が言うようなことを行政官庁の政府委員が劈頭から憲法違反だ、憲法違反だとこう言ったのでは、私はお話になるまいと思う。それで憲法違反の疑義が出ている。そうでないという議論もある。そういたしますと、今後さらにこれを研究しなければならぬのでありまして、そこで私が先ほど言うのは、よく考えておいてもらいたいと言ったのは、あなた方がこの開設制限、それから適正配置、これは憲法違反だ、憲法違反だと言われることは、厚生省自身診療機関と薬局の適正配置は憲法違反だと、確かにお考えになっているのかどうか。われわれはそう思わないのだが、内閣法制局がうるさいから仕方がないのだと、こうなっているのかどうか。これを一つまずはっきりしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/49
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050・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 第一に、たとえば薬局の開設を薬剤師に限定するか、あるいは限定しないかという問題につきましては、薬局に管理薬剤師という制度が御承知のようにございます。それによって医薬品の取り扱いあるいは調剤についての万全を期する、そういう態勢になっているわけでございまして、従って、その面は、薬剤師がみずから管理をするか、あるいは管理する薬剤師を置くかということによって充足されるわけでございまして、そういう意味の保健衛生上の必要というのは、そのいずれかによって満足されるわけでございます。従って、薬剤師を雇う場合においてはいけない、薬剤師に限定すべきである、そういうことは、そういう管理制度からして、区別をして考えることは適当でない、そういうように考えております。
それから適正配置の問題につきましては、すなわちこれが一定の区域において相当数の薬局があるから、その場合には新しくは薬局を認めない、そういう趣旨であります限りにおいては、これはやはり適当でないと私どもは考えております。たとえて申し上げますならば、かりに丸ビルなら丸ビルというものを考えてみました場合に、あそこに二軒なり三軒なりの現在薬局がございます。ある人がさらにもう一軒一つ開設をしたい、そういう場合に、それはすでにあるからいけないということがはたして言えるかどうかという問題に帰着するわけでございますが、その点については憲法上「公共の福祉に反しない限り」「自由を有する」。従って制限する場合には、公共の福祉に反するという場合に制限をすることができるわけでございますが、この場合におきましては、結局保健衛生上、すなわち保健衛生上公共の福祉に反するという場合にはこれを制限することができるし、しからざる場合には制限をすることはできない、そういうふうに解釈すべきだと考えるのでございますが、ただいま例として申し上げた場合に、もう一軒丸ビルに薬局を加えるということが、保健衛生上支障を生ずるか、あるいは公共の福祉に反するか、そこの判定が問題になると思うのでございますが、そういうケースについて考えてみましても、私ども反すると考えることはこれはむずかしいと思うのでございます。そういう意味において、一定の区域に薬局がすでに相当数あるから、それ以上には新たに許さないのだ、そういう意味での適正配置ならば、これはやはり適当でないと私どもも考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/50
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051・高野一夫
○高野一夫君 丸ビルの例は、それはまだあとから出る話であって、それは実際論。そういうことを言うならば、外国で適正配置をやっているのは、一体どうしてやっているか。厚生省はちゃんと調べておられる。私も調べてきている。そんなことを言うならば、それじゃここで町が市が切れる、向こうが何とか村になる。その隣接地に薬局がある場合には、隣りの村の隣接地に置けるか置けないかという問題も出てくる。こんなことは外国ですでに解決して適正に配置をやっている、法律でもって。それは実際論だから今ここで議論する必要はない。どうせここに出てないのですから。ただ私が言うのは、適正配置というのは、開局制限は別として、これがなぜ憲法違反であるか、こういうことなんです。
そこであなたは内閣法制局と同じようにやはり適当でない。憲法二十二条の公共の福祉に反しない限りと、このうちに該当しない、こういうことを言っておる。そうするとずいぶんこれは勉強されておったと思うのですが、一つ伺いたいのは、薬事審議会においては、憲法論議がどの程度出されたかどうかということです。十分憲法論議を戦わし得るそういう専門家が特別委員になっておられたか、なっておられなかったか。この辺を当委員会において一応明確に速記に残しておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/51
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052・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 薬事審議会にはもちろん憲法学者と称するものはこれは構成員に入っておりません。
それから直接その委員会等においてその人たちの意見を聴取したことはございません。しかし、私どもといたしましては、十分それらの点について検討をいたしまして、それに基づいて発言はいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/52
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053・高野一夫
○高野一夫君 局長に伺いたいのですが、昭和三十年一月二十六日最高裁判所の大法廷で公衆浴場の適正配置は憲法違反でないという判決が出されておる。これを御承知でありますか、御承知であるならば、いかなる理由のもとに最高裁が憲法違反でない、この距離制限的適正配置が憲法違反でないと、こういう判決を下したものか、その辺のことをお調べになっておるかどうか伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/53
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054・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) その判決は承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/54
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055・高野一夫
○高野一夫君 なお一つ十分次回までに、その判例を一つ研究しておいてきてもらいたい。私が法制局に依頼いたしまして、十分この判例について研究をしてもらった、それによりますと、こういうような理由で公衆浴場の、ふろ屋の適当配置は憲法違反でないという判決が下った。その第一点は、これは非常にこうかんなものでございますが、これを三点に要約すると、第一点は、一体公衆浴場というのは何なるか、それは多数の国民の日常生活に必要欠くべからざるものであって、多分に公共性を伴う厚生施設である。
第二点は、公衆浴場が一カ所に偏在すると、多数の国民が日常利用するにあたって非常なる不便を来たすおそれがある。
第三点は、これも非常に厚生省の参考になることだと私は思う。乱立する場合には浴場経営に無用の競争を生ずるし、その経営を困難ならしめる、ひいて浴場の衛生施設の低下など、好ましからざる影響を来たすおそれがある。一カ所にたくさん集まると、無用の競争をする。それで経営が困難になる。そして公衆浴場その健康管理に必要なこの施設、その衛生施設に欠陥が出てくる。この三つの理由をあげて、ほかにもあるが、一番の大きいこの三つの理由をあげて、公衆浴場の適正配置は憲法違反であるという福岡で訴えられた裁判が、最高裁に来まして、そして最高裁は大法廷で三十年の一月二十六日に憲法違反でないと。そして公衆浴場の方には法律にりっぱに距離制限的適正配置が厳として存在している。これを病院、診療所と薬局に当てはめてこの三つの理由を考えてみたらどうですか。そうすると病院、診療所も薬局も私は同じだと思う。そういうものを引っくるめて大きな医療機関といたしまして、そういう医療機関は多数の国民の日常生活に必要欠くべからざる厚生施設だ。公共性を伴うしかも健康管理に必要なふろ屋よりもさらに生命保持に必要な厚生施設である。そうすると、この公衆浴場の第一点の理由は、医療機関に関する限りは、病院、診療所、薬局に関する限りは、それより強い意味を持って私はこれが生きてくると思う。
第二に、公衆浴場が偏在すると多数の国民が利用することができない。非常な不便を来たす。病院、診療所が偏在する、薬局が偏在すると、生命の保持に必要なその施設を多数の国民が利用するにあたってきわめて不便である。国民皆保険も何もできないじゃないか。これが第二点。さらに病院、診療所、薬局についてはこの第二点はさらに強い意味を持って私は浮かび上ってくるはずだと思う。
今度は一カ所に乱立すると、無用の競争が起こる。経営が成り立たない。ひいて公衆浴場の衛生設備の低下を来たす。病院、診療所が一カ所に集まって競争が激しくなる。そうすると、病院、診療所の経営がむずかしくなるから、自然といろんな薬の常備あるいは機械の改善というようなものもおろそかになる。薬局が一カ所に集まって、これはまた病院、診療所以上に販売営業をやっている施設である。それが一カ所に集まって無用の競争をする。そしてその経営が困難になる。それで薬局の調剤室、試験室も設備が不完全になる。あるいは常備薬も不完全になる。こういう生命の保持に必要な施設として非常な欠陥を来たすおそれがある。こうなるならば、公衆浴場に対する第三の判決はより強い意味を持って医療機関には適用ができるはずである、私どもはこう考える。こう考えてくるならば、ただ単にあなたたちが一がいにこの二十二条があるから適正配置が憲法違反だ、憲法違反だと簡単に判断されることは私は早計だと思う。これが早計で、もしも二十二条で薬局やら病院、診療所の適正配置がだめだというならば、当然ふろ屋などの適正配置はなおだめだ。しかし、最高裁はそういう判例を残している。戦前の大審院判決に該当する、日本における条文解釈に最高権威のある判例、それがりっぱにこういうような判例を残しておる。それでさらになおそれは違憲であるという議論もありましょう。合憲という議論もありましょう。それだからさらに十分論議を戦わして、これが違憲だとか合憲だとかという結論を出すならばいいけれども、適正なる薬業の発展、適正なる診療機関の発展、進歩、それを心がけなければならぬ厚生省が劈頭から憲法違反だ、憲法違反だ、こういうことで、せっかく国民皆保険をやろうとしながら、この適正配置はだめなんだ、こう早計にきめてかかることは、私は少し早計に過ぎると思う。これは内藤政務次官はどうお考えになりますか。まあその意見はよろしいです。そういうふうに簡単率直に違憲だと、こう厚生当局がおっしゃることは、これは私はとんでもない早計だと思う。そこで今度は、厚生省はようやく一年ぶりに医療制度調査会が発足し、例の医療法の改正を準備する。それから当然、病院、診療所の適正配置の問題がここに起こってくる。そうしてわれわれ党内においては、国民皆保険に対しまして、こういう病院、診療所、薬局の適正配置の問題をすでに取り上げて、これから議論を始めようとしている、こういうわけであります。ただ、今度の法律は、薬事審議会の答申を基礎にしてやられたのだから仕方ないとしても、簡単率直に憲法違反だ、憲法違反だの議論でもって押し切られるならばともかく、自分御自身がそういう考え方を固めてしまうということは、私はこれは早計だと考えております。そこで、今これは私の解釈は、法律専門家の意見を徴しての解釈であります。そこでこの判例をお貸ししますから、一つこれをごらん置き願いたい。厚生省にもあるはずであります。そうすると今度はひいて、これは販売業の各種業態が非常に多い、これの整備ということに、やはりこの考え方は引用されるわけであります。一カ所に集まると、無用の競争が出てきて、そして経営を困難ならしめて衛生施設に欠陥を生ずるおそれがある。公衆浴場のように薬局も無用の競争を起こして、そして経営を困難ならしめ、薬局施設としての機能を発揮することができなくなる。病院、診療所しかり、こういうことになるならば、この裁判の判例のこの点を引用してくれば、国民の健康管理に必要な公衆浴場、生命の保持に必要な病院、診療所、薬局というものの、こういう公衆衛生的の施設の低下を来たすことは絶対いかぬ。そのためには経営を安定ならしめなければならないという反語も出てくる。無用の競争を避けさせるのは当然である。これは適正配置の一つの大きな理由になっている。それは当然、今度行政措置として、この経営を困難ならしめるような措置はやめなければならぬ。そうすると、経営を困難ならしめるようなことは避けなければならぬ。すなわち適正配置に持っていくと同時に、病院、診療所の成り立たなくなるような別の要素があるなら、それは排除すべきである。薬局の経営が成り立たなくなるような、経営を阻害するような別の要素があるなら、これは当然排除すべきである。こういう議論は、当然法制の専門家の意見としても出て来ております。そういたしますと、二十五条の一号、二号、三号に書いてあるような各種の販売業が乱立している。特例販売業者は九万七千、いかに品目を限定しても。中には学問のない人までおって総計十何万の人が薬を扱っております。そしてそれぞれ一番基本の大事な薬局の経営等に非常なここに危険性を現在起こしている。当委員会で取り上げた乱売対策もしかり、そうするならば、こういう病院、診療所、薬局の経営を安定ならしめる方法をとるためには、どういう方法をとっても、それは憲法違反でないという議論は当然出てくる。それだから、こういう判決の重大性を考えられるならば、ここに種々雑多ないろいろの販売業があるから、ある程度、整理ができそうなものじゃないか、整理することが何で憲法違反だ。ただ、現状やむを得ずいろいろな妥協で、そうなっているからやむを得ないけれども、私はこの法律を直ちにここで修正しようとか、何とかということは考えませんけれども、今後のものの考え方として、これは重大な点だから、十分一つ研究して置いてもらいたいと思う。すなわちこの判例をもとにしただけでも、適正配置の問題、そして種々雑多のいろいろ業態があって、そしてそれは正規の業態の経営上に非常な支障を来たらしめている。それを整備する、整理する。この二つの問題が直ちに憲法違反だ、二十二条に沿わないものだ、こういう考え方は私は少なくとも行政の衝に当たっておられる人たちはそれは捨ててもらいたい、こう思うわけです。従って、事実その行政の衝に当たっておられる、薬事行政あるいは医療行政に当たられる厚生省といたしましては、十分この点について法律専門家と協議をされまして、私の言うことが非常にがむしゃらな無理なことを言っておるのなら別な議論もなり立つだろうが、私の議論も最高裁の判例をもとにしてりっぱに成り立つはずだと、これも私だけの意見じゃございません。これも法制局の専門家に十分検討してもらいまして生み出した一つの見解であります。だから、私の言うことが間違ってたら法制局の言うことが間違っている、こういうことになる。私は法制局に文句を言わなければならぬ、こういうことになりますので、この点は十分一つ次回までに、もう時間もないようでありますから、研究おきを願いたい。当然これは今後国会内部の各党の政策審議、政務調査の関係において国民皆保険のほんとうの実績を上げるために、当然全体を含めた医療機関の適正配置ということはおそらく社会党でも、民社党でも、無所属の方でも、同士会の方でもお考えになっているに違いないと私は思います。われわれの方でもすでに取り上げて検討を進めております。どういう結論が出るか、まだそれはわからぬ。わからぬけれども、これは最初から憲法違反だと、あなた方の言うようにはっきり断定しておくならば、何も法律がたくさんそろっているのに専門家が適正配置を取り上げるはずがない。こういうわけでありますから、どうかこの問題については、この法案の審議において将来の問題があるので、十分研究をしてこの国会において適正配置その他の整備の点ができないというならば、将来適当な機会に再改正する段取りもまた考えなきゃいかぬ。こういうわけでありますから、十分一つ研究をされて、この審議の機会にお互いの見解をここに速記録に残しておきたいと思うのです。もうその点はなお一つ研究をされた上で、私の方もあらためて論議をかわすことにいたしたいと存じます。
そこで、もう一点くらい……十分研究を、まあ私はいろいろなことをこれから問いたいのでありまするが、これは各委員からもいろいろ御質疑があると思うので、一点一つきょうのうちに……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/55
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056・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 その前に関連して。私も今の高野さんの二十二条の公共の福祉云々という憲法論が出ているわけですがね、それで私は医療の施設の適正化という問題で今日だいぶ進んで参ったし、公共の福祉、福祉国家を目ざした今日の日本の憲法というのは、やはり生存というものをみんな責任を持って国民の生存権、社会保障的義務、二十五条ですね、そういう面から見ると無医村、無薬局地帯、そういう施設の適正な配置の問題と非常に関係をしてくると思いますから、この単に二十二条を振り回して憲法違反ということでなしに、もっと深く国民がすべて公共の中で生きていくという新しい日本の憲法の精神をどう生かしていくかという関係において一つ今の高野さんのお話でお答えを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/56
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057・竹中恒夫
○竹中恒夫君 関連して。私も今の当局の答弁に対しまして非常に疑義と不安を持つのですが、いわゆる登録制と許可制、あるいは登録制と指定制という問題があるのです。先年健康保険法の改正のときに、そのときの厚生当局、保険局あたりの意見では、登録制と指定制と許可制という間に一つのはっきりした区別をつけた説明をなさってわれわれ了承したわけです。医師が保険医であることはこれは当然なアクセサリーだ、登録は、その登録については選択制がないわけです。医師であるという資格がある限りは、国民皆保険の改正にあたって医師であれば保険医であるということはこれは必然の結果であって、いわゆるこれは登録制だと、医師でない者が病院、診療所を開設して医療機関たらんとする場合は、ます診療所開設の許可が要る。これは決して登録制とは趣が違いまして、先ほど御説明のように、登録制に要する基準よりはより選択的なんです。あるいはきびしいところの制約のもとに許可制がおりるわけであります。そのときの厚生当局というものの解釈なり説明と、今日の登録制と許可制に対する解釈なりが違うということでは、非常にわれわれとしても今後も不安を感じるわけですが、明確に統一したはっきりした解釈を下してもらわなければいけないと私はこう思うのです。
それから今の許可制の問題につきまして、許可制になすった目的がやはり適正配置ということを考えてするというのであるのか、あるいはまた、ほんとうの意味合いはそうむやみにできたらいけないので、指導なり監督をする上において許可制にしてそうしてやるという監督上の必要上から許可制にするのか、いわゆる医療機関の適正配置という意味からするのか、そうした点についても許可制にした目的を明確に御答弁を私は願いたいとこう思うわけです。いずれ明日またそのことにつきまして質疑を重ねる機会があるそうでございますから、私からもその点について触れてみたいと思うのですが、最近医療機関の整理が医療制度調査会というものが発足してわが国の医療機関のあり方を大きな立場から論議する段階にきておるんですからして、国民皆保険を前提としての医療機関の分布状況というものが憲法に抵触するのかせぬのかということも大きな問題だろうと思います。ひとり薬局の問題ではないと思います。医療機関全体の問題であろうと思いますので、十二分に今後法理的な御研究を願い、なるほど憲法の上から言うと、一つ個人の権利を阻害することがあるが、同時に、公共の福祉ということを考えた場合にこれを押えることもできるということは他のあらゆる立法にあるわけです。そういう点もあわせて一つ御研究を願って、根本方針の確立をしてもらいたい。特にお願いするわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/57
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058・高野一夫
○高野一夫君 今の私の問題、藤田委員あわせて竹中委員の問題については、明日一つ十分御研究の上御説明を願いたいと思います。
そこで私はもう一点だけ調べておいてもらいたいことは、この薬の業界において小売と卸が兼業になっているものがたくさんある。小売業者自身兼業は困るんだから卸と小売とはっきり区別してくれという強い要望がある。一方の卸の方も小売と卸の分離が最も適当であると要望している。両方の意見が一致している。なぜそれをこの法律の中に分離してないのかどうか。これは薬事審議会においてどういうような、いわゆる何といいますか、論議が戦かわされたのであるのかどうか、それを説明を願いたい。きょうでなくてもあしたでもよろしゅうございますから。それでこの商工業を取り扱う通産省関係は明確に卸と小売りを分離しております。たとえば中小企業団体組織法で商工組合を作る、この両方一緒の商工組合は許されません。卸は卸の商工組合、小売は小売の商工組合を作るわけです。これは御承知の通りです。そうして兼業する場合には届出なければならぬと、こういうことまで出ている。団体法には別に卸と小売の定義は出ておらない。定義は出ておらぬが、実際問題として卸と小売の定義がむずかしいかもしれぬけれども、これは常識として日々の商行為においてもう行なわれている言葉であるし、そうして事実そういうふうな業態になっている。それを医薬品の場合にどうして定義が下せないのか、また、定義を下すことがむずかしいというならば、そのむずかしいために分離することがやはりだめなのかどうか、どうもこれが私にはわからぬわけです。それで薬事審議会の論議も一ぺん聞いたように思うけれども、忘れたからあらためて当委員会で全員が聞かれるようなふうにして薬務局長から詳細に、厚生省は医薬品に関する限りは小売と卸を一緒くたに販売業とする方がいいんだと、こういうふうな考え方ならば、なぜそうなのか、これを一つ明日の委員会において十分はっきりと明確にされたい。そうして事実はまた一面私はあなた方の立場を考えるならば、ほんとうは厚生省もこれを分離したいのだけれども、どうもむずかしい点がいろいろあるので、実際問題としてできにくいのだと、こういうのか、その辺の理論と実際論とを両方から厚生省はここに今度の薬事法改正に卸と小売の分離という点についての審議会の経過から、厚生省政府委員の解釈をはっきりしておいてもらわなければならぬ。ということは、医薬品のすでに商工組合ができている。当委員会がやかましく言って佐藤公取委員長もとうとう踏み切らざるを得なくなった、薬局、薬種商が一体となった商工組合です。そうすれば、小売と卸を兼業している人はどうなるか。そして純然たる卸をやっている人たちがこの団体法による小売商工組合に入れない。そうすると、この団体法によって商工組合を作らせて、そうして経済の安定をはかるように今あなたたちは指導をされるようになった、これは非常にいいことだと思う。そうすると、卸と小売を区別しないことは、団体法の組合を結成することと、団体法の法律の精神と非常に矛盾してきやしないか、こう思うわけです。非常にある場合にはお困りになることが必ず出てきますよということを私は申し上げておきたい。絶対に困らぬか、あるいは困ることもあるかもしれぬが、それは切り抜けるとこういう確信があるのかどうか、これもあわせてきょうは四時ごろまでのお約束ですから、答弁は明日十分先ほどの問題とあわせて研究おきを願って——委員長答弁は明日でけっこうですから、これだけ質問しておきます。
それからあとは随時また、ほかの委員からいろいろ研究も質問もあるでしょうし、私もまたその間に適当に質問していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/58
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059・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) ちょっと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/59
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060・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 速記を始めて下さい。
両案に対する本日の質疑は、この程度にしたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/60
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061・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないものと認めます。
本日は、これで散会いたします。
午後四時三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X02819600427/61
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