1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年三月二十二日(火曜日)
午後一時三十九分開会
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出席者は左の通り。
委員長 山本 利壽君
理事
川上 為治君
古池 信三君
栗山 良夫君
委員
赤間 文三君
井川 伊平君
上原 正吉君
岸田 幸雄君
斎藤 昇君
鈴木 万平君
阿部 竹松君
近藤 信一君
国務大臣
国 務 大 臣 中曽根康弘君
政府委員
科学技術庁原子
力局長 佐々木義武君
通商産業政務次
官 内田 常雄君
通商産業省通商
局長 松尾泰一郎君
通商産業省鉱山
局長 福井 政男君
通商産業省石炭
局長 樋詰 誠明君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞寿君
説明員
通商産業省通商
局振興部長 柿坪 精吾君
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本日の会議に付した案件
○商工会の組織等に関する法律案(内
閣送付、予備審査)
○日本原子力研究所法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○アジア経済研究所法案(内閣提出、
衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/0
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001・山本利壽
○委員長(山本利壽君) これより商工委員会を開会いたします。
まず、商工会の組織等に関する法律案を議題といたします。政府より提案理由の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/1
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002・内田常雄
○政府委員(内田常雄君) ただいま議題となりました商工会の組織等に関する法律案について提案理由を御説明いたします。
中小企業問題につきましては、その重要性にかんがみ、政府といたしましてもかねてから諸般の施策を講じて、その解決に努力いたして参ったのでありますが、中小企業の中でも中規模事業者と小規模事業者との経営格差は、非常にはなはだしいものがあります。しかるに従来の中小企業対策においては、この小規模事業者に対する施策は必ずしも十分とはいえず、特に地方の町村における小規模事業者の対策の強化は緊要とされているところであります。
この対策強化のためには、もちろん金融措置、税制措置等についても考慮する必要があり、政府としてもこれに意を注いでおりますが、小規模事業者の特質を考えますときは、これらの事業者のためには、その実情に即した資料の収集、提供、経営及び技術に関する相談、指導、事業資金の借り入れのあっせん、各種事務の代行等の業務を不断に行なう組織を確立することが最も肝要と考えられます。
このような業務を行なう組織としては、市部においてはすでに商工業の総合的改善発達をはかるための組織として商工会議所の制度があり、小規模事業者に対する事業をある程度行なっておりますのに対し、町村等の郡部においてはこのような制度がありませんので、主として町村における商工業の総合的改善発達をはかるための組織を確立する必要があると存じます。
このような必要性に基づき、すでに現在までに主として町村において二千六百以上に及ぶ商工会が自然発生的に誕生しておりますので、これを法制化することが適当と考えられますとともに、いかに組織を定めましても小規模事業者の資力の状況からしては、国及び地方公共団体が積極的な助成を行なうのでなければ、十分な事業活動を期待することができないので、その助成措置についても法定する必要があると考えられるのであります。
このような見地から今回本法律案を提出いたした次第でありますが、次に本法律案の概要について御説明申し上げます。
この法律案の骨子は、商工会の組織について定めるとともに、商工会及び商工会議所の行なう小規模事業者のための事業について国の助成措置を規定するものであります。
第一に、商工会につきましては、これを本法に基づく特殊法人とするとともに、その営利活動を禁止し、またその地区につきましては、市町村の廃置分合等若干の場合の例外を除いて、一の町村に一の商工会を設けることを原則とし、商工会議所とも地区を重複して設立することのないように定められております。商工会の事業については、商工業に関する相談、指導、情報、資料の収集、提供、講習会、展示会の開催等その地区内の商工業の改善発達のために必要な事業を行なうこととされておりますが、その加入脱退は自由でありまして、地区内に半年以上事業所を有する商工業者であれば、すべて会員となることができるのであります。商工会は、その地区内の商工業者の半数以上が加入するものであれば、通商産業大臣の認可を受けて設立することができるのであり、その管理は、総会、総代会および役員を通じて行なわれるものであります。また、商工会の公共的性格から通商産業大臣の所要の監督規定も設けられております。
第二に、商工会及び商工会議所の行なう小規模事業者のための事業を促進するための措置として、国がその経費の一部を補助することができるように定められておりますが、この国の助成を行なうための予算措置といたしましては、ただいま御審議中の昭和三十五年度一般会計予算案におきまして、小規模事業指導費補助金として総額三億九千二百万円を計上いたし、小規模事業者のための対策の強化拡充を期している次第であります。
以上本法律案の提案理由の概略を申し述べましたが、何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/2
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003・山本利壽
○委員長(山本利壽君) 本案の審議は後日に譲ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/3
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004・山本利壽
○委員長(山本利壽君) 次に、日本原子力研究所法の一部を改正する法律案を議題といたします。
これより質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/4
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005・山本利壽
○委員長(山本利壽君) 速記を起こして。
別に御発言もなければ、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
本案を可決することに賛成の方は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/5
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006・山本利壽
○委員長(山本利壽君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって可決すベきものと決定いたしました。
なお、議長に提出する報告書の作成等につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/6
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007・山本利壽
○委員長(山本利壽君) 御異議ないものと認めます。よってさように決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/7
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008・山本利壽
○委員長(山本利壽君) 次に、アジア経済研究所法案を議題といたします。
前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/8
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009・栗山良夫
○栗山良夫君 前回の委員会におきまして、アジア経済研究所法案の御説明を政府側から伺いました点について、まだ資料的にも、説明の内容におきましても、不足する部分について私は指摘をいたしておきましたが、ただいま資料が提出されているようでありますから、これについてごく要点を重ねて御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/9
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010・山本利壽
○委員長(山本利壽君) 前回の委員会におきまして栗山、吉田両議員から要求がありました資料が提出されておりますので、この際、その内容について説明を聴取することといたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/10
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011・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) まず最初に、昭和三十五年度の事業計画、資金計画、収支予算をお配りいたしておりますので、それから説明させていただきます。
第一としまして、基本方針は、昭和三十五年度は研究所の特殊法人化、それから諸体制の充実強化、三が事業活動の本格化をはかるということであります。それぞれについて若干の説明をいたしております。その点は省略させていただきまして、各事項につきまして、IIのところにございますが、説明さしていただきます。
特殊法人化であります。これは、今御審議を願っていることでありまして、政府が一億円を出資し、民間も出資を行なうと書いてありますが、これは今のところ二千万円の予定でございます。現在の財団法人の一切の権利義務を、この新しい特殊法人に承継をいたしまして、財団法人は解散になるわけであります。
この、組織、人員につきましては、機構を強化し、人員を拡充するということであります。機構は、会長、所長のもとに副所長を一人置くことになり、理事を二人に改めます。また、調査研究部を二つにしまして、調査第一部と調査第二部というようにするわけであります。それから人員の増加につきましては、課長、所員六名を十名に増加する。一般職員は、定員を四十二人から六十二名に増加する。これによりまして、三十五年度の定員は、役員、職員を含めまして八十三人、海外派遣員二十四名を加えまして、総人員が百七名の予定であります。
それから「新組織を図示すれば、次のとおりである。」、これは省略さしていただきます。
3のところでは、まず、国内調査でありますが、三十四年度に引き続き、長期的調査計画に基づき、具体的プロジェクトを設定し、国内文献調査の充実を期するということであります。その(1)が調査体制の強化であります。まず、調査研究部を二部に分かちまして、地域別、事項別の調査研究体制を作り、内部スタッフを増員し、職員の調査研究水準の向上をはかるとともに、広く部外専門家及び調査研究機関の協力体制を作る。(2)が調査プロジェクトの設定であります。参与会、調査協議会のほか各種研究機関との協議を通じまして、広く調査研究のテーマの設定についての意見を求め、これを総合専門委員会に諮って所長が定めるというのがまず第二であります。(3)が、研究委員会の編成と運営、それから次の(4)が委託研究の実施ということでありまして、一応調査研究といたしましては、この(3)と(4)に規定するのがその主力になるのでございますが、(3)のところでは、調査研究、研究所の主体的立場に立ちまして、学界あるいは民間調査機関のほかに官・財界の専門家ないし実務担当家の参加を求めまして、主査を中心とした数名の委員からなる委員会を編成し、共同研究の組織的運営をはかるということで、まず研究所が主体的な地位には立つのでありますが、数名からなる委員会を編成しまして、共同研究の組織的な運営をはかっていくというのが、まずやり方の第一歩であります。委員会としまして、二十六の委員会を八カ月間運営するものとし、極力早期編成をはかり、文献調査の進捗に伴い、必要に応じ現地実態の調査を実施し、調査研究の充実を期する。まず二十六の委員会を編成しまして、そこでテーマを作って、まず文献調査をやり、文献調査で不十分のところを現地に人を派遣して現地の実態調査をやる。こういう行き方であります。次には、部外に対して委託研究を実施するわけでありますが、研究所が設定した課題につきまして、特に部外専門家に研究を委託することによって効果が期待されるものについては、研究委託をやる。そのやり方に、特別研究と個人研究と一種類ございますが、特別研究というものは、特定の専門家を中心としたグループに研究を委託する。とりあえず五テーマばかりを予想しておるわけであります。個人研究の方は、グループでなしに、その筋のほんとうの専門家、個人に委託をするわけであります。個人の独創的な研究能力に期待して十五テーマばかりを考えているわけであります。
それから4が現地調査でありますが、その(1)としまして、研究委員会による国内文献調査のみでは解明し得ない諸問題については、現地において実態を調査することが必要である。このためには、三十五年度は現地調査員二十五名を派遣するが、これらの調査員は、同時に各国の資料事情を調査し、資料を収集し、さらに各国の調査研究機関との連係に努めることとする。(2)に、現地調査員は、研究委員会を構成する職員及び部外専門家から選出するものとし、一班二、三名を原則とする。(3)、調査の実施に当たりましては、在外公館、在外各機関等の積極的な援助を要請するとともに、現地の調査研究機関、大学、官庁等と密接に連係をとりまして、効率的な実施をはかる。(4)といたしまして、調査の具体的方法については、先進国各機関の過去の業績を研究するとともに、従来の実績を検討して、研究所独自の科学的方法の確立に一段の努力をする、ということであります。
第五は、海外派遣員の派遣でございます。職員を海外に派遣駐在させまして、現地調査と現地語の修得を行なわせるために、三十四年度におきましては、年度末にバンドン、バンコック、ベイルート、ボンベイ、カイロ、カルカッタ、香港——香港は二人でありますが、ジャカルタ、カラチ、キール、マニラ、メルボルン、ニューデリー、シンガポール、ラングーンの各地に十六人の海外派遣員を派遣したのでありますが、三十五年度は、これらの派遣員が実際に活動を開始することを期待しておるのであります。なお、三十五年度末には、新たに八人の派遣員をサイゴン、ダッカ、コロンボ、テヘラン、バグダッド、アンカラ等の各地に派遣する予定であります。海外派遣員の任務は、次に規定いたしますような調査研究の実施、研究機関の活動状況等の報告、資料の収集及び資料事情の報告であります。
研究所の広報活動といたしまして、第六以下に規定しておりますが、広報活動の第一は出版でありまして、当研究所の調査研究成果を広く一般に紹介をして、その利用に供するために、三十四年度に行なった調査研究の成果を調査研究双書の形で逐次出版する予定であります。和文機関誌は当分の間隔月刊としますが、英文機関誌は季刊として刊行する予定であります。その他資料月報等のものも刊行する予定であります。それから次にゼミナール及び講演会を開催する。また、アジア研究を刺激するための論文募集等もいたす予定になっておるのであります。
次は第七といたしまして、研究所の資料の収集整備をすることであります。第一に資料の収集であります。前年度の方針を強化しまして、資料の購入、交換、寄贈等により資料の収集を行なう。それから収集の対象地域は、海外全地域に及ぶのでありますが、アジア、南米、アフリカ、特にアジアに最も重点を置いておるということ。それから事項別に見ると、経済、財政、金融、産業、資源、統計及びレファレンス・ブックに重点を置いております。資料購入費が千二百万円程度を予定をいたしておるのであります。それから次にレファレンス・サービスを強化拡充をしていく。それから閲覧室を解説する予定にいたしております。またアジア関係資料の総目録編さんもやりたい。それから各種の委員会における協力体制も整備していきたいと思っております。
それからその次の事業は、第八といたしまして、現地語の研修ということをやることも考えております。三十四年度に引き続きまして、主要現地語、ビルマ、タイ、インドネシア、ヒンドウ、ウルドウ、アラビア、中国の七カ国語について、特別研修会を開催いたしまして、職員のみならず、部外研究家を対象に現地語の基礎教育講座を開く予定になっておるのであります。大体事業計画としてはその通りであります。
それから次に資金計画でありますが、収入といたしましては、政府出資が一億、それから民間出資が二千万円、いわゆる出資金が一億二千万円になるわけであります。次に、海外経済事情調査事業費の補助金としまして、国から投入するものは約一億五千万、それから民間の賛助会費収入を二千三百万円余予定をしております。次に雑収入、繰越金、繰越事業費等が若干ずつありまして、収入の合計が三億一千九百万円余になる。出資といたしましては、資本金が、先ほど申しましたように一億二千万円、管理費が七千六百万円余、事業費が一億一千九百万円余、予備費が三百万円余というようなことでございます。
収支予算の方は、それを収入、支出に書き直したにすぎません。
それからその次の管理費の勘定でございますが、ごらんの通り人件費、庁舎借上維持費、事務費、備品費、交際費の合計が七千六百万円余でございます。
それから事業費勘定といたしまして、先ほど御説明を申しました調査研究所の各種の事業別の費用を書いておるのでありますが、資料収集事業費、それから広報活動事業費、国内調査事業費、海外調査事業費、研究員海外派遣事業費、合せまして一億一千九百万円余に上るのであります。
それから次に別の資料で、アジア経済研究所の三十三年度及び三十四年度におきます事業概要を示した資料でございますが、まず第一表は総括表でありまして、先ほど御説明申し上げました国内調査の中には、いわゆる研究委員会を主体とする調査と、それから特別研究と個人研究に分れていて、それぞれ支出額を計上しております。それから海外の調査、資料収集、広報活動、研究員の海外派遣、現地語の研究に分れるのでありますが、三十三年度におきましては支出が約千五百万円、それから三十四年度は約七千万円の支出になっておるのであります。
それから第二表におきましては、今の国内調査のテーマを規定しておりますが、まず、この国内調査の第一のやり方であります研究委員会によるやり方、三十三年度分としましてインド班、インドネシア班等につきまして、ここに規定しておるようなテーマにつきまして、主査があり、その委員会を構成する委員の数、それに対する支出額をそれぞれここに書いてある通りであります。
それから第三表は海外調査でありまして、三十三年度分であります。テーマとしましては、インドの五カ年計画の資金事情を初めといたしまして、タイ、ビルマ、インドネシア等につきましてここに規定しておりますような調査員を現地に派遣をしたというわけであります。
それから第四表は、三十四年度におきます研究委員会方式によるテーマ、それから主査、支出見込額等を規定しておるのであります。かなりいろいろな種類のテーマを選んだのであります。
第五表も三十四年度分でありますが、特別究研は、先ほど申しましたように、特殊の研究グループに委託をしたものでありますが、イスラームの経済思想以下各種のテーマにつきまして、ここに規定してあります人々に——人々というよりはこの人たちを中心とするグループに研究を委嘱した意味でございます。
第六表は特殊の専門家に、ここに規定しておりますようなテーマにつきまして、たとえば一番上のインドの経済開発における工業立地の研究というような、そういうテーマにつきまして、この白山源三郎さん、その個人に委託研究をしたものであります。以下それぞれこのテーマにつきましてその専門家に委託をしたものであります。
それから第七表は、これは三十四年度におきます海外調査の分でありますが、インド以下各調査国につきまして、それぞれのテーマにつきまして、ここに書いてありますような人々を現地に調査員として派遣をしたのであります。
第八表は、これは三十四年度でございますが、やや海外に長期派遣の格好で研究員を派遣いたしたのをかかげておるのであります。
大体以上で、簡単でございますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/11
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012・山本利壽
○委員長(山本利壽君) それではこれより本案について質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/12
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013・栗山良夫
○栗山良夫君 少し細部にわたりまして、いろいろ伺いたい点が出て参りましたが、まず最初にきょういただきました事業計画、資金計画、収支予算ですか、この点について伺っておきたい。この委託研究なんですが、この委託研究をする相手の研究所というのは、この財団の調査協議会ですか、そこできめられるわけですか、どこのどういう民間の研究所に委託するかということをきめるは。部外の専門家に研究を委託すると、こう書いてあるのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/13
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014・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) その最終の責任はもちろんこの研究所の所長が責任をもって、この特別研究あるいは個人研究にいたしましても、きめるのでありますが、どういうグループを選ぶか、どういう個人を選ぶかにつきましては、この参与会につきましても、あるいは調査協議会等の意見を聞いて、最も効果的にこれらの調査ができますように、有能なる調査所なりあるいは具体的な個人、これをきめていくということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/14
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015・栗山良夫
○栗山良夫君 そうして決定された研究所に対する委託研究費なんというのはどういうふうにして算出されるわけですか。あまり質問が簡単でおわかり願えないかと思いますので、もう少し申しますと、たとえば研究委員会でテーマを、いろいろ三十四年度のいただきました表でもずっと書かれておりますが、テーマだけを書き出して、これで調べてくれということであれば、なかなか資金がはたして調査研究するのに適当であるかどうかということの判断がつかないと思います。ですからこういうテーマをきめて、しかもその細部にわたってどういうような内容のものを取りまとめられたいというような注文が出ますのか、その辺はどういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/15
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016・柿坪精吾
○説明員(柿坪精吾君) 実はいろいろなテーマによって、その中身は膨大なものもございますし、簡単なものもあるわけでございますけれども、海外研究のやり方というものにつきまして、研究所は研究所本来の人間をもって研究のやり方、そのスケール等を考えまして、それに基づいてこういうものについては何単位ぐらいの調査活動をしなければならないかという見当をつけてやります。ただし、その点はいまだそれほど確立いたしておりませんので、若干の動きがございますけれども、一つ科学的な調査方法というものを研究所自身として考えまして、こういう地域の場合は、どういうテーマでやればよろしいかというようなこと、もちろんそのためには委託される側でどういう研究をするかということ、それは相談ずくで逐次まとまっていくわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/16
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017・栗山良夫
○栗山良夫君 委託研究費ですね、これの算定はどういうふうにおきめになるのですか。たとえば研究に要する文献、資料そういうようなものの購入費は、この研究所がみずから購入して研究者に貸し与えるか、あるいはそういう資料なり図書の購入費まで委託研究費の中に包含されておるのですか。あるいは補助者などもたくさん使うようなこともあるでしょう。そういう人件費の出し方についても、一定の基準があると思うのです。委託研究費は、こういうテーマについてこういう研究を願いたいということを、委託する場合に基準がなければならないと思うが、その点どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/17
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018・柿坪精吾
○説明員(柿坪精吾君) 実は第四表に出ております研究委員会、これは内部の研究委員会でございますが、その場合に委員手当、原稿料というようなことで、原稿料につきましては、これは内部の委員会でございますが、委託研究の場合におきましても、同様の基準で、大体報告書として何枚ぐらいのものでまとめてもらいたいというようなことで、その原稿料として何ぼ、それから資料につきましては、どういう資料が要るからということで、一部はその委託された先で買っていただく、それとともに、将来研究所として置かなければならないものについては、研究所の方で買ってそれを使ってもらう、両方がございます。いずれにしましても、できるだけそういうふうな原稿料あるいは買う資料、そういうものの一応単位を作りまして、それの目標をどの程度にするかということでおのずから——もちろん徹底的に一つのテーマを数年がかりでやるということになりますと、幾らでも多くなりますけれども、大体そういうめどをつけてやっていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/18
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019・栗山良夫
○栗山良夫君 国内における調査はある程度今おっしゃったような工合いでできるかもしれないが、この海外調査の場合はですね、そういう漠然としたことではほんとうに効果のある調査研究等ができないのじゃないですか。なぜかと申しますと、たとえばこの第八表に研究員海外派遣というのがありますが、支給額を見ると、一体どの程度の期間向こうへ滞在するのか知りませんけれども、一人大体三十万円か四十万円ぐらいですね。船で行くのか、航空機で行くのか知りませんけれども、三十万円ないし四十万円台の金額を計上して、これで研究員の海外派遣をしても、これはおそらく何もできないでしょう。あるいはこういう海外派遣をする人が主たる任務を持っていて、そうして付帯業務として委託研究を海外で行なってくる。それの手当的なものをこういう工合にして見込んであるということであるのか、その点がよくわからないですね。バンドンへ中沢忠義という人が出かけて、支給見込み額は三十二万四千円だ、一体これで何ができるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/19
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020・柿坪精吾
○説明員(柿坪精吾君) 実はこの海外調査の方につきましては、これは短期間でございますが、これにつきましては旅費滞在費、定額がございまして、そのほかに調査費として一日六ドルを支給する、それから研究員の海外派遣は長期間向こうにおりまして調査するものでございますので、滞在費をつけまして大体平均で三百ドルぐらいになります。そのほかに一カ月百ドルの調査費を渡しております。お手元にお配りしております参考資料の第八表、これは実は三十四年度の計画が実際に出れることになりますのは二月から三月でございまして、一カ月分しかこれは計上してございません。従って三十二万四千円というのは、それに片道旅費をつけた三月一カ月分でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/20
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021・栗山良夫
○栗山良夫君 この八表、一カ月分ということはわかりましたが、これらの人はおおむねどれくらいいるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/21
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022・柿坪精吾
○説明員(柿坪精吾君) 海外調査につきましては大体二カ月、あるいはそれ以内ということでございますが、研究員につきましては、おおむね二年の目標で現在計画しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/22
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023・栗山良夫
○栗山良夫君 八表は研究員ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/23
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024・柿坪精吾
○説明員(柿坪精吾君) これは二年でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/24
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025・栗山良夫
○栗山良夫君 それからこの七表の方はどうなりますか、海外調査と書いてあるが、これは単位が一つ上がって、百万円から二百万円台になっておりますが、これはやはり一カ月ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/25
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026・柿坪精吾
○説明員(柿坪精吾君) 海外調査の方は旅費、行くときの旅費と帰るときの旅費、向こうの滞在費も全部入りまして、これは完結する費用でございます。ただここに出しました資料は、三十四年度分だけ取りましたので、海外調査につきましては大体完結いたしておりますので、百万円以上の台になっておりますが、先ほどの第八表は、まだ始まって一カ月程度でございますので、行くときの旅費、支度費、それと一カ月以上の滞在費しか入っておりませんので、たまたま研究員の方が少なくなっておりますけれども、一年を通計してみますと、これは期間も長いし、研究員の方が高くなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/26
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027・栗山良夫
○栗山良夫君 第七表の海外調査というのは、おおむね何カ月くらい行くわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/27
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028・柿坪精吾
○説明員(柿坪精吾君) 二カ月でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/28
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029・栗山良夫
○栗山良夫君 これが二カ月。これは往復の旅費と向こうの滞在費と、それだけですか、そのほか研究に要する実際の費用は……、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/29
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030・柿坪精吾
○説明員(柿坪精吾君) 先ほどお答えいたしましたように、一日六ドルの調査費が滞在費のほかにつきます。それと第八表の、この長期に滞在する研究員は一カ月百ドルの調査費がつくことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/30
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031・栗山良夫
○栗山良夫君 二カ月。そうすると、ここでこまかいことを伺いますが、たとえば統計の人数、これは二人なり三人のグループとしてこれだけですか、グループとして。一人当たりだと大体平均していると見ていいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/31
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032・柿坪精吾
○説明員(柿坪精吾君) 実は二カ月以内の海外出張でございますので、むしろ旅費の方が非常に大きなウエートを占めますので、距離によりまして非常に差が出て参ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/32
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033・栗山良夫
○栗山良夫君 なぜ私が愚問めいたことをお尋ねするかと申しますと、直接個人の名前をあげて、該当者があったかと反問されると私もちょっと困るのですが、要するに公的な調査機関の依頼を受けたというので、海外、特に東南アジア方面を旅行し視察した人が、どんどん個人名でもって日本の国内へ原稿を送って、コマーシャルの雑誌とか、その他の文献に紀行文を寄せあるいは経済事情等を報告されておる向きがあるのですがね。そういうものは、混淆していることは絶対ありませんが。この調査目的で海外に渡った人は、少なくとも研究所へ報告する前に、自分の個人の意思で一般のコマーシャルの雑誌その他の文献に原稿を送るとか、こういうようなことは絶対ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/33
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034・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) そういうような点につきましては、具体的に、海外へ行ってもらう人につきまして契約書といいますか、そういうようなことはやらないという契約を取っておるわけです。少なくともこれまでのところそういう事例は全然なかろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/34
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035・栗山良夫
○栗山良夫君 今まではなかったというわけですか、まあ、それじゃそういうことに私は一応了承しておきます。今後は少なくともそういう意味での公私混淆を絶対にしないようにこれは厳重に監督される必要があると思うのです。もし費用が足りないために、そういう費用の捻出のために、あるいは本人が悪意でなくやられることがあるかもしれない、あるいは出発するときに、特定のそういうコマーシャルの研究機関と私契約をして出かけていく、そうして仕事の報告をするということもあるかもしれない、あるいはまた直接のテーマと関係のないことを調べて、そういうところに、そういう便宜に供されることがあるかもしれません。しかしまあ、いずれにしても、こういう法律でもってできた研究所の特別任務を帯びて海外に行くという人が、そういう内職的なことをもし行なうということになれば、相当権威にも関することでありますから、絶対しないようにしてもらいたい。そういう一つ御確約を願い、厳重な監督上の確約を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/35
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036・内田常雄
○政府委員(内田常雄君) 栗山委員のお話ですが、私はお言葉を返す意味ではありませんが、私の感じでは、アジア経済研究所から公費をもらって研究を対象にした、この研究の成果をみだりに民間に発表するというようなことは、これはまあ厳に戒むべきことと思いますが、ものにもよりけりで、たとえば軽い紀行文を新聞に載せるとか、あるいはコマーシャルということになりますか、雑誌に載せるとかというようなことも含む御意味でありましょうか、私はまあその程度ならば、紀行文のようなものならば差しつかえない向きもあるのじゃないかと思いまして、ちょっと発言を求めた次第でありますが、いかがなものでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/36
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037・栗山良夫
○栗山良夫君 そこは非常にラインが引きにくいのだけれども、その点はよほどきちんとしておきませんと、公私混淆をするおそれが私は多分にあると思いますよ。ですから今あなたのおっしゃったような工合に何か基準があればいいのですよ。研究所の方は、ここまではよろしい、ここまではいけないという基準があればよろしいが、ケース・バイ・ケースで問題が起きたときに、まあこれはよかろう、これはちょっと行き過ぎであったろうというようなことで物議をかもすようなことがあってはいけないと私は思うのです。同じ紀行文でもそれはいろいろ書き方がありますからね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/37
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038・柿坪精吾
○説明員(柿坪精吾君) 実は第七表の海外調査につきましては、国内委員会でテーマを持ちまして、それで十分研究をしまして、研究し足りないところはこれこれということで、実は現実を申しますと、非常に大きな荷物を背負わして行っておりまして、とても余裕はないのじゃないかと思われます。それから海外研究員につきましても同様なことでありまして、非常に研究所としまして大きな荷物を持たしております。それともう一つは、研究につきましての成果につきましては、自分で勝手な発表をしないという約束を初めにちゃんと契約で取りますので、その点は起こらないと思います。また起こらないように十分監督いたしたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/38
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039・栗山良夫
○栗山良夫君 なぜ私がそういうことを申すかと申しますと、これはカレント・トピックスの研究に行かれるなら、別に私はやかましいことは申しませんけれども、法律に示している基礎研究なんですから、あくまでもある意味ではアカデミックな研究だと言ってもいい、そういう研究に専念をするために出発した人が、コマーシャルの要するに要請にこたえられるような、そういう上調子な研究に没頭することがもしあるとすれば、これはやはり派遣の趣旨に反することになります。ですから、その辺のところは十分やはりけじめをつけておかなければいかぬのじゃないか、こういう意味なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/39
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040・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) まことにその通りに考えております。全然そのコマーシャルがそういう調査研究所と契約を結んでか何か情報を送るというようなことは、全然予想だにもわれわれはいたしておりません。ここに書きますと、非常にテーマは簡単でございますがそのテーマの中に、こういうこと、こういうことというような具体的なものがあるわけでございますから、少なくともそれに関し、そのテーマに含まれておる事項について、この調査研究所以外のところに、そういう情報を提供するというようなことは、全然考えもしておりませんし、もちろんそういうことがあってはならないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/40
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041・栗山良夫
○栗山良夫君 それから前回のこの委員会のときにも私はだいぶん局長にしつっこくお尋ねをしたのでありますが、これらのその対象とされておる国々の事情を調査する場合には、とにかく経済の問題であっても、後進国の開発とかあるいは貿易の促進とかいう国の一つの大きな目的を達成するための基礎研究をやるのだから、従って、その場合には純然たる経済問題でなければいけないのか、最近特に目まぐるしい動きをしておる国々の政治、外交等の方針等についても基本的な研究をすべきではないかという、こういうことを尋ねたことについて、それはまあその法律の文面には、そういうことは書いていないのだが、実際には行ないましょう、こういうことでありました。ところが、そういうふうにそのまま正直に私了解しておったのですけれども、この間もらいましたこの表によると、全部これテーマというものがきめられてあって、そういうものが入ってくる余裕はほとんどないのですね。これは特に労働事情とか、経営とか、資本とか、そういうようなことはありますが、一番大事な問題がこのテーマとして入り得る余裕がないような気がいたしますが、その点はどうですか。この第六表に、中国の政治体制というのが一つありますね。それから第五表に、中国における農業の社会主義改造とか、これは経済問題ですけれども、政治関係というと中国の政治体制、これは私どもは中国の政治体制は研究しなくても大体わかるが、東南アジアとか、その他の国々の政治体制というものはよくわからない。実際問題として。ですからそういうものが今後インドネシアの政治体制とかあるいはビルマの政治体制とか、そういうようなものが選ばれるのか。この間、説明を受けましたときのように、そういうものはなまで出さないで、何かの調査テーマの中で関連せしめて取り上げるとおっしゃるのか、その辺のところはどういうことになりますか。前回の御答弁だと、いきなり政治体制なんていうことはテーマにしないとおっしゃったのだが、第六表には中国の政治体制というテーマが出ておるのです。その点はいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/41
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042・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) 実は現在の財団法人がまだ発足しましてから、率直にいいましてごく短期間でございまして、調査したりあるいは研究はいろいろあるようでございますが、今御説明申し上げましたようなところに一応とどまっておるわけであります。今後は、もう少し各方面についての調査も進捗していくことを期待いたしておるわけでございますが、まあ今先生御指摘の政治体制等につきましても、もちろんこの基礎的な、総合的な経済調査に関連をする面もかなりあるものと思いますから、これは政治体制についても、決して調査しないというわけではございませんが、さしあたりの東南アジアの政治体制というようなことになると、調査に出た者が調査するというよりは、現在の在外公館にもかなり調べもございますので、そういうものをできるだけ活用する。先般も申し上げましたように調査を効果あらしめるためには同じことをあっちこっちダブってやるということが一番能率を害しまするので、現地に出た者が在外公館等とも十分連絡をとりまして、そこで大体調べられていることであれば、それで間に合わせるということがいいと思うのでございまして、そういう意味におきまして、先般御指摘のような政治体制等につきましては、大体現地の在外公館でおおよその調査ができているのじゃないかと思うのであります。このアジア経済研究所の目的とするところは、そういうことよりも、ほんとうに基礎的な経済情勢でありまして、まずそれを重点にしていくべきではないか、何分こういう財団法人の現在におきましても、また将来にありましても、最初の二、三年間というものは、なかなか職員の養成にしましても、大へんなことでありますし、充実するにも時間がかかるということで、初めからなかなか完璧を期し得ませんが、逐次人員の充実に伴なって、あらゆる方面に調査の範囲を拡充していくべきではなかろうかと思います。お尋ねに対して十分なお答えになっておらぬかもしれませんけれども、当面の政治体制ということになると、在外公館を活用した方がいいんじゃないかというふうな感じがいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/42
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043・栗山良夫
○栗山良夫君 これは、実際運用に入った細部の問題で、国会でそこまで追及なり、質問を受けなくてもいいとおっしゃるかもしれないけれども、これもテーマを選ぶ参与会なり調査協議会の、何といいますかね、基本的な考え方というものが思想統一されていないというと、出てくるテーマが、なるほどその一つをとってみましても、非常に重要なことかもしれないが、非常に散漫的な、総合性のないテーマが部分部分出てきて、結局研究所を作った趣旨にもっと近づけ得るものが近づけなくなるということになりはしないかとおそれるんですが、たとえば第六表をごらんになってもわかりますが、東南アジアの米作技術と日本の米作、これは非常にいいテーマだと思いますがね。その次にアジアの米作国における経済構造、こういうものも非常にいいでしょう。そこに中国の政治体制、インドの官僚制度というものが出てくる。そうすると、先ほども申しましたように、砂糖の問題が今度はひょこんと出てくるとか、どういう参与会なり、調査協議会の方でこの経済研究の基礎調査をやろうとするか、その基準をどこにもっておいでになるか。そういうことが、この個人研究なり、特別研究なり、研究委員会等で取り上げられたテーマだけを、ずっと拾い読みしても、頭の中でちょっと整理がつかない。どういう方針でやっているかということが、これは参与会なり、調査協議会の仕事だろうと思うんですけれども、これだけ見ただけじゃほんとうに整理がつきませんよ。雑然と入っているというだけで、それだから申し上げているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/43
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044・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) 実は前回にも御説明申し上げたかと思うのでありますが、調査のやり方につきまして、率直に申しまして、会長なり、所長なりを全面的に信用してまかせるという根本的な考え方をとっているわけでございまして、従いまして、通産大臣の監督命令にいたしましても、最小限度にとどめるという基本的な態度をとっているわけであります。もちろん参与会なり、調査協議会におきまして、十分議題等につきましては協議を願うわけでありますが、われわれ通商局なり通産省のものが思いつきで、こういう点はどうだこうだというよりか、ああいうりっぱな所長を擁して、また専門家の集まりでございますので、これにまかした方がいいのではないかという気分で今日まで実はきておるわけであります。われわれがなまはんかな知識でいろいろ言う方がいいか、実は非常に疑問に思っておりまして、あるいはもう少し一定の方針なり原則をもって関与していく方がいいかどうか、実はわれわれ自身も、自信も実を言うとございませんものですから、専門家のグループに一切おまかせしていく。あるいはそういうことが間違いであるということであるならば、われわれの方でも考え直さなくちゃならぬかと思うのでありますが、これまでのところ、やはりそれは専門家にまかしておく方がいいんじゃないかということできたわけであります。従いましてこのテーマ類も、一、二の批判はもちろんあろうかと思いますが、われわれとしては、現在の各方面の専門家、学者等が寄って考えられたテーマであるので、若干個人的なある考えのものもないことはないのでありますが、悪口を差しはさまない方がいいんじゃないかと、実は考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/44
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045・栗山良夫
○栗山良夫君 それは権威者が集まっておられる研究所だから、通産省の方としては一任をしたいという気持は私よくわかります。わかるけれども、少なくともこの経済研究所を指導する場合には、この経済研究所がいかにこの基礎研究を行なうといっても、やはり一つの国の目的というものに沿って考えなければいけないのですね。そうすると、今、国の目的というものは何かというと、貿易の自由化も今問題になっておりますが、こういう後進国の双務協定的な貿易というものは非常に暗礁に乗り上げていく、自由化に進んでいけば……。そういう世界的な貿易自由化の風潮の中で、双務協定的な貿易でなければ進み得ない後進国との貿易関係は一体どうするか、そういうようなことについての基礎研究というものは、やはり一つの目的の中心でなければいけない。もう一つは、後進国の開発という問題について、これはやはりプラントの輸出による工業化ということもあるでしょうし、またその工業化された力によって日本の乏しい工業原料を輸入するための原料開発ということもあるでしょう。そういうようなことの、国の持っておる目的、大きな目的ですね、そういうものは、やはり政府がきめられて、そういうことについていろいろ調査したいことはあるだろう、あるだろうが、少くともこういう緊急性のある重要な基礎研究というものは早くやるべきだ、そういうことで毎年々々目標というものを定めて、そしてそれに沿うような成果を期待していく、こういうことでなければならぬと思いますが、どうですか。今局長のおっしゃることはあまりにも白紙委任的な、マンマンデー的な考え方だと思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/45
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046・柿坪精吾
○説明員(柿坪精吾君) 実はこれはその前の御質問に対するお答えになろうかと思いますが、第四表に研究委員会というのがありまして、それから第五表で特別研究、それから個人研究、そういうふうに三つに分類いたしておるのでございますが、研究所本来の組織的な調査活動というものは、むしろこの第四表にございまして、これは統計、資本、労働、技術、貿易、開発、地域研究、こういう大きなグループで、その中をまた細分いたしまして、基礎的、総合的な形を整えていこうということでやっております。で、先ほどごらんいただきました特別研究と個人研究、これは実は民間に、研究所以外にその関係の専門家がおられる、おられた場合に、その人に一つテーマを出しまして、今まで埋もれておる資料なり、そういうものを発掘しまして、研究所としてそろえていきたいということでやっておりますので、やはりたまたま埋もれているものを発掘いたしますので、こういうふうになっておりますけれども、研究所本来の大元といたしましては、基礎的、総合的ということで第四表の研究委員会、これで組織的なことをやろうということになっております。
それから先ほどの御質問で、そのときどきの政策決定に直接つながった調査をやってもらうかどうかという問題、これはもちろんそういうふうに利用できれば、なおけっこうなんでございますけれども、それをやっておりましたのでは、基礎的な研究がおろそかになって、自由化が起きればその方へ全部かかりっ切りということでは、非常にその研究所の利用範囲も、何か政策的な面でしか利用できないということになりまして、一般のこういう後進地域と貿易あるいは経済関係を持つという人が、いかなる要求があっても、そこへ行けば資料があるというふうな、そういうふうな形のものにするためにはいけないんじゃなかろうかということで、もちろん政策決定の場合には、ここの資料を見れば役立つ、基礎的な面はそこへ行けばわかるということにいたしたいのございますけれども、今の段階はその基礎的なものをそろえるのが精一ぱいでございまして、それ以上政策をどうすればいいかというようなことを、ここで研究するには、研究所の建前からいきましても、若干本来の任務をおろそかにするもとじゃなかろうかというふうな考え方を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/46
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047・栗山良夫
○栗山良夫君 私は国がやはり一つの目的を持つということは一向差しつかえないし、そうしてもらわなければならぬと思う。それに対して政策の決定をしなければなりませんが、政策を決定するのに基礎的な知識がなければできないから、そういう意味で基礎的な研究をする、そういうことには賛成するわけです。それはしかし考古学の研究じゃないわけですからね、これは珍らしいことなら何でも基礎研究をやるというものじゃないんですから、建前からいけば。そこにやはり生きたものでなければいかぬということを私は申し上げておる。それだから、今の私の質問を若干誤解されているが、私は基礎研究をやめて政策決定の資料を集めてもらいたいということを言っておるわけではありません。政策決定をするのには、やはり基礎研究がなければできない。そういう直接、国が今求めておる重要なことに対して基礎研究をまず急いだらどうだろう、こういうことが必要ではないかということを申し上げておる。そういうことになると、最近の日本の動きからいっても、このテーマを見てみると、あまり雑然としておって、一つの方針というものが貫かれていないんじゃないかということ、もっとも中には重要なものはありますよ。全部と私指摘いたしませんが、それは若干やはり政府として再検討して経済研究所を動かされる余地がありゃしないかということを申し上げておる。先ほどの局長の御判断は、これでいいんだ、経済研究所の方は権威者がいるからまかしておけば、万事そつなくよろしくやると、こういうことでありますが、それではいけないんじゃないかということを私は申し上げておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/47
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048・柿坪精吾
○説明員(柿坪精吾君) 実は研究委員会で、大きく統計関係、資本関係、労働関係というふうに、基礎的、総合的な分野をきめまして、その中で——その中でもいろいろなテーマがあり得るわけでございまして、その選定につきましては、参与会で、学界あるいは各省の人も出ておりまして、そういうところでこういうことをされた方がいいのではなかろうか、あるいは自分としてはこういう資料でやってもらいたいというふうな意見が出ます。それとまた別途この研究所といたしましては、学界、官界、財界に対してアンケートを出しまして、どういうことを早くやらなければいかぬかということをやっていきます。そういうものを総合いたしましてきめておりますので、政府として、と申しますか、各省が自分でほしいような資料につきましては、ある程度注文はできるのであります。ただし、それだけでこの研究所を引きずり回すという形にはならぬようにいたしておりますが、そういう希望は十分述べられる形になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/48
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049・栗山良夫
○栗山良夫君 私が申し上げていることが十分理解されてないかもしれないし、私自身が言葉が足りないかもしれませんけれども、あくまでも基礎研究でよろしいわけですから、そういう意味での政府としての行政指導をしていただく必要があると思う。たとえば、最近でも、ベニヤ板の材料のラワン材、フィリピンの方でベニヤ合板の工場ができて、原木が日本へなかなか入らなくなる。一体どうしたらいいのだということで、業界では一生懸命やって、今度ほかの地区に相当な資源があるから、それを開発しようというので一生懸命努力されていることは局長よく御承知だと思います。そういうことでも、やはり基礎研究というものがあれば、幾らでもこちらが余裕を持って対処していかれるのですね。これはほんの一つの例にすぎませんけれども、あくまでも生きた経済、日本の経済にすぐに問題が起きたときには利用できるような基礎研究でありたい。また、現に必要が起きておる問題に対する基礎研究でありたい。こういうことなのですから、そういうことで一つお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/49
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050・古池信三
○古池信三君 関連して資料の関係で。先ほど栗山委員も指摘されておったのですが、資料の第八表、研究員の海外派遣、この費用が非常に少ないじゃないかと思って聞いておりましたが、一カ月分である、そういうお話であったわけです。ところが、三十五年度の収支予算の方の数を見ますと、研究員の海外派遣事業費というものが三千三百四十万円ですか、そういうふうになっておるのですが、そうすると、今の一カ月分で逆算すると半年分くらいしかないですね。その点はどういうふうな関係になっておるでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/50
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051・柿坪精吾
○説明員(柿坪精吾君) 実は第八表の方は往きの旅費と一カ月分が入っております。そういたしまして、三十五年度の見込みといたしますと、これは旅費が全然抜けております。旅費は含ますべきでございますけれども、二年間滞在いたしますので、ことしの二月、三月に出発いたしまして、来年中は飛行機での往復をいたさないということで、滞在費だけになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/51
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052・古池信三
○古池信三君 旅費というものは、一カ月分に入っているのは片道だけでしょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/52
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053・柿坪精吾
○説明員(柿坪精吾君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/53
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054・古池信三
○古池信三君 そういたしますと、六百七十四万ですか、この支給見込額の中の旅費の分はどのくらいになるでしょう。片道の交通費は。——要するに、私がお尋ねするのは、三千三百万というのは少な過ぎはしないかということの疑問を持ったものですからお尋ねしている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/54
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055・柿坪精吾
○説明員(柿坪精吾君) 精密に計算してみないとわからないのでございますが、今概略計算をいたしますと、三十四年度の六百三十七万のうち、旅費が一約四百万であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/55
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056・古池信三
○古池信三君 四百万。そうすると、帰りの旅費も四百万ぐらい要るとしますと、結局二千九百万ぐらいのもので十六人の人を養うということですね。それで十分なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/56
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057・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) この三千三百万は、先ほども御説明申し上げましたように、約二年単位でいきますと、帰りの飛行機賃等は三十六年度の方に入って参りまして、大部分が滞在費と、それから月手当といいますか、くらいになる。もっとも、三十五年度に新しく派遣する人間が、最前もこの資料で御説明申し上げましたように、若干ございます。そういうものも、行くときの航空賃等は含みますが、こまかく計算をしますと、今三十四年度末に飛行機賃を払って出しました人間の滞在費と、それから月百ドルの調査費、それから新しく三十五年度に数名派遣します者の旅費等を含むということになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/57
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058・栗山良夫
○栗山良夫君 この前からのつながりですが、三十五年度の予算を拝見すると、この予算には資金計画及び収支予算においても、プログラムからいっても、アジア地域以外の地域の調査というものはまだ入っていないということですね。三十五年度の計画には入っていませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/58
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059・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) 法律によりまして、アジアを重点に調査をして、その調査研究を妨げない範囲においてその他地域に及ぶということになっておるわけでございます。三十五年度につきましては、テーマの数を先ほど申し上げたのでありますが、具体的にテーマそのものにつきましてはまだきまっておりませんので、この幾つかありますテーマのうち、全然アジア地域外のものということになりますと、われわれも含めないというほどの自信は実はないのでありますが、三十五年度といたしましては、アジア地域が中心になって行なわれるだろうというふうに感じております。しかし、まあ幾つかあるテーマの中に、一つぐらいはその他地域のものも全然ないともちょっと言い切れないような状況にございますので、これは、先ほど来申しておりますように、参与会、調査協議会等専門家の間で具体的な決定がされるわけでありますが、われわれとしては、アジアを中心にまずとりあえずは研究をしてもらうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/59
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060・栗山良夫
○栗山良夫君 「第一項の業務を妨げない範囲内において」ということですね。この字句は、私はない方がいいという意見を持っておるのですが、これはいずれ最後に法案を上げるときに一ぺん御相談を願いたいと思っておるのですが、それはそれとして、「第一項の業務を妨げない範囲内において」という意味は、今度設立せられる研究所の機構の拡張は行なわないという前提のもとにこれを書かれておるのですか。あるいは研究所の機構は年を追って拡張していく、こういう前提に立っておいでになりますか、この点を伺っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/60
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061・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) 先ほどの三十五年度の事業の中におきましても、もちろん現在は財団法人でございまするが、人員等かなり拡充する予定になっております。たとえば課長、所員六名を十名に増加するとか、あるいは一般職員も四十二人から六十二人に増加するとか、海外派遣についてもそうでありますが、かなり増加するのでありますので、年とともにわれわれは人員の増強、機構の拡充をはかっていきたい、こういうように考えております。そうなれば勢いアジア以外の地域にも調査の手が拡げ得るというふうに考えておるのでありますが、ともかくさしあたりのところは、アジアを中心にしていくのが、まあこの一億円の資本金なり、また事業費の補助金の将来を考えてみましても、そうむちゃくちゃな増加は要求できないといたしますれば、アジアを中心にしていくべきで、アジアを中心に調べていきましても、数年経てばだんだん調べ終わってくるわけでありますから、そうなれば他の地域も調査したいとわれわれは考えておるわけであります。決してアジア以外の地域についてはやらないということではないのでありまして、重点をアジア地域に置きたいという意味であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/61
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062・栗山良夫
○栗山良夫君 今のお話を伺うと、事務的にも、また現機構上から言っても、能力を算定すれば、アジア地域で精一ぱいだ、そのところで研究を進めていくという御意見のようですが、それはそれでわかりましたが、しからば将来アフリカ地域とか、ラテン・アメリカ地域もアジアと同じように基礎研究しなければならないという重要性が出てきたときには、アフリカ経済研究所あるいはラテン・アメリカ経済研究所というものを新たに別個にお作りになるおつもりか、あるいはこの研究所をさらに拡張して行かれるおつもりなのか、それはどっちですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/62
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063・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) 前回御説明申し上げたかと思うのでありますが、別途閣議の了解事項がございまして、今後類似の機関を設けないということにされておるのであります。アジア経済研究所のほかに、ラテン・アメリカ経済研究所とかあるいはその他のアフリカ経済研究所というものは設けない建前になっておるのであります。その意味におきまして、この調査研究所が全世界地域をカバーするというふうに、われわれは考えておるのであります。しかしながら仕事の手順から申しまして、まずアジア地域から着手するのだというつもりで、この第二十二条の第三項に掲げておるように「第一項の業務を妨げない範囲内において」というようなことになっておるのでございまして、あくまでも建前は全世界という、そういう意味でわれわれは考えております。ただ重点をアジア地域からまずスタートするのだ、こういう考え方であります。従いましてアジア地域という言葉以外の地域の名前をつけた研究所を設けるつもりは今のところないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/63
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064・栗山良夫
○栗山良夫君 これは私希望を申し上げておきますが、少くとも「第一項の業務を妨げない範囲内において」という字が入っているにしても、「アジア地域以外の」云々ということを規定した以上は、少くともこのアジア経済研究所は、この業務の二割かあるいは二割五分ぐらいはアジア地域以外のことに手をつけなければいけないのじゃないか、また必要性からいっても、そうだと私は思います。それで海外調査で、アフリカやラテン・アメリカまで足を伸ばすことの当否は別といたしまして、国内調査でも、そういう方面は非常に調査が進んでいないわけですから、従ってこれも行政指導の面であろうと思いますが、同じく少なくとも二割や二割五分ぐらいはこちらの方へ調査の力を向けるという工合に私はやってもらいたいと思うのです。今のような行き方でいけば財団法人の看板を変えるだけですよ。どんなに考えても、この間うちからその疑問がまだ頭を離れないのですがね。財団法人の看板をアジア経済研究所という看板に変えて、今まで資金的に少し固まっておったから、その資金の手当を楽にしようということに過ぎない。それだけだと思うのです。それじゃこの法律が泣くのじゃないかと思う。非常に大きな看板を掲げている、提案理由も堂々たることが書いてあるけれども、中身はそういうものだ。看板を変えるためにこれだけ大騒ぎをして、国会で審議をする必要はないので、そうでなくて、やはり一つの法律を作ってここまで雄大な構想で乗り出すということであれば、これはそこまで進めてもらいたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/64
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065・阿部竹松
○阿部竹松君 栗山先生の発言は、私は希望を申し上げるのだと言ったのだから、希望に対して反論があれば別だけれども、議事進行について。栗山先生の質疑が希望ということに変わったから、一たん大体打ち切るべき段階だと思いますので、人もおらぬから本日は散会せられむことを提案いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/65
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066・山本利壽
○委員長(山本利壽君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/66
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067・山本利壽
○委員長(山本利壽君) 速記を起こして。
本日の審議はこの程度にとめます。
本日はこれをもって散会いたします。
午後三時十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01619600322/67
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