1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年三月十六日(金曜日)
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議事日程 第二十二号
昭和三十七年三月十六日
午後二時開議
第一 商法の一部を改正する法律
案(内閣提出)
第二 平和条約第十一条による刑
の執行及び赦免等に関する法律
を廃止する法律案(内閣提出、
参議院送付)
第三 下級裁判所の設立及び管轄
区域に関する法律の一部を改正
する法律案(内閣提出、参議院
送付)
第四 法務省設置法の一部を改正
する法律案(内閣提出)
第五 放送法第三十七条第二項の
規定に基づき、国会の承認を求
めるの件
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○本日の会議に付した案件
日程第一 商法の一部を改正する
法律案(内閣提出)
日程第二 平和条約第十一条によ
る刑の執行及び赦免等に関する
法律を廃止する法律案(内閣提
出、参議院送付)
日程第三 下級裁判所の設立及び
管轄区域に関する法律の一部を
改正する法律案(内閣提出、参
議院送付)
日程第四 法務省設置法の一部を
改正する法律案(内閣提出)
通商産業省設置法等の一部を改正
する法律案(内閣提出)
運輸省設置法の一部を改正する法
律案(内閣提出)
日程第五 放送法第三十七条第二
項の規定に基づき、国会の承認
を求めるの件
競馬法の一部を改正する法律案
(内閣提出)
午後二時八分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/0
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001・原健三郎
○副議長(原健三郎君) これより会議を開きます。
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日程第一 商法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第二 平和条約第十一条による刑の執行及び赦免等に関する法律を廃止する法律案(内閣提出、参議院送付)
日程第三 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/1
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002・原健三郎
○副議長(原健三郎君) 日程第一、商法の一部を改正する法律案、日程第二、平和条約第十一条による刑の執行及び赦免等に関する法律を廃止する法律案、日程第三、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/2
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003・原健三郎
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。法務委員長河本敏夫君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔河本敏夫君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/3
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004・河本敏夫
○河本敏夫君 ただいま議題となりました三法案につきまして、委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、商法の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は、現行商法の株式会社の計算規定が、企業会計の理論や会計実務に適応しない点がありますので、これを合理化し、あわせて経済界の要望に応じて、株式会社等の事務を簡素化しようとするものであります。
本案のおもなる内容は、第一、資産の評価について、現行商法は、原則として時価以下主義をとっているのに対し、本案は、原則として原価主義を採用し、評価益の計上を禁止すること、第二、繰り延べ資産の範囲を拡張し、開業のための費用、試験研究、新経営組織の採用、資源の開発、市場の開拓等のため特別に支出した費用を資産として認める一方、これらの資産を計上したときは配当の制限を受ける場合があるとすること、第三、特定の支出及び損失に備えるためのいわゆる負債性引当金の計上を新たに認めること、第四、株式会社の支店の所在地を定款の記載事項としないこと、その他株式会社の事務並びに登記手続の簡素化をはかるため、所要の改正をすること等であります。
さて、法務委員会におきましては、三月三日本案が付託せられて以来、慎重審議を重ねましたが、詳細は会議録に譲りたいと存じます。
かくて、三月十五日、質疑を終了し、討論に入りましたが、別に発言もなく、直ちに採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって政府原案通り可決いたしました。
次に、平和条約第十一条による刑の執行及び赦免等に関する法律を廃止する法律案について申し上げます。
本案は、平和条約第十一条による刑の執行及び赦免等に関する法律の適用対象者がなくなったので、同法を廃止しようとするものであって、これに関連して、法務省設置法の一部を改正して、巣鴨刑務所を廃止し、戦争犯罪受刑者の刑の執行及び赦免等の事務に関する規定を削除するものであります。
本案は、三月十四日参議院より送付され、同日当委員会に付託されまして以来、委員会におきまして慎重審議を重ねましたが、詳細は会議録に譲ります。
かくて、三月十五日、質疑を終了し、討論に入りましたが、別に発言なく、採決いたしましたところ、多数をもって本案は政府原案通り可決いたしました。
最後に、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は、最近における市町村の廃置分合、交通の利便等に伴い、簡易裁判所の名称及び管轄区域を変更しようとするものであります。
その内容は、第一、長野県の岩村田簡易裁判所を佐久簡易裁判所と改名すること、第二、福岡簡易裁判所外五つの簡易裁判所の管轄区域を変更すること、第三、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の別表について、所要の整理を行なうことであります。
本案は、三月十四日参議院より送付され、同日当委員会に付託されまして以来、熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲ります。
かくて、三月十五日、質疑を終了し、討論なく、直ちに採決に付しましたところ、本案は全会一致をもって政府原案通り可決せられました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/4
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005・原健三郎
○副議長(原健三郎君) これより採決に入ります。
まず、日程第一及び第二の両案を一括して採決いたします。
両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/5
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006・原健三郎
○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告の通り可決いたしました。
次に、日程第三につき採決いたします。
本案は委員長報告の通り決するに御異議はございませんか。
〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/6
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007・原健三郎
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
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日程第四 法務省設置法の一部を
改正する法律案(内閣提出)
通商産業省設置法等の一部を改正
する法律案(内閣提出)
運輸省設置法の一部を改正する法
律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/7
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008・田邉國男
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、日程第四とともに、内閣提出、通商産業省設置法等の一部を改正する法律案、運輸省設置法の一部を改正する法律案を追加して三案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/8
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009・原健三郎
○副議長(原健三郎君) 田邉國男君の動議に御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/9
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010・原健三郎
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
日程第四、法務省設置法の一部を改正する法律案、通商産業省設置法等の一部を改正する法律案、運輸省設置法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/10
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011・原健三郎
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。内閣委員長中島茂喜君。
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法務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)に関する報告書〔本号末尾に掲載〕
通商産業省設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)に関する報告書
運輸省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)に関する報告書〔会議録追録に掲載〕
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〔中島茂喜君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/11
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012・中島茂喜
○中島茂喜君 ただいま議題となりました三法案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、法務省設置法の一部を改正する法律案について申し上げますと、本案の要旨は、第一に、法務省の定員を四百二十九人増員すること、第二は、川崎入国者収容所の名称及び位置を改め、横浜入国者収容所として横浜市に置くこと、第三は、鹿児島入国管理事務所鹿児島空港出張所を新設すること等であります。
本案は、去る一月二十五日本委員会に付託、二月一日政府より提案理由の説明を聴取し、慎重審議の上、三月十五日、質疑を終了し、日本社会党を代表して山内委員が反対討論を行なった後、採決の結果、多数をもって原案の通り可決いたしました。
次に、他の二法案について申し上げますと、
通商産業省設置法等の一部を改正する法律案の要旨は、第一は、通商産業省の国際経済協力に関する任務、権限を明らかにし、通商局に経済協力部を新設するとともに、同局の振興部を輸出振興部に改めること、第二は、軽工業局にアルコール事業部を新設すること、第三は、札幌及び福岡の通商産業局の鉱山保安監督部を局に昇格すること、第四は、工業生産技術審議会を化学工業生産技術審議会に改め、鉱業審議会及び電気事業審議会を設置するほか、地下資源開発審議会等五つの審議会を廃止すること、第五は、通商産業省の定員を四百九十一人増員すること、第六は、通商産業省の所掌する科学技術に関する事項につき、工業技術院の連絡調整機能等を明確にするとともに、同院の官房及び調整部を統合して総務部を新設すること等であります。
運輸省設置法の一部を改正する法律案の要旨は、第一は、本省の付属機関として港湾技術研究所を設置すること、第二は、館山市に海員学校を設置すること、第三は、運輸大臣の諮問機関として海運企業整備計画審議会を設置すること、第四は、自動車審議会を廃止すること、第五は、航空交通管制本部の所在地を東京都北多摩郡久留米町に改めること、第六は、気象庁研修所の名称を気象大学校に改めること、第七は、運輸省職員の定員を千三百三十三人増員することであります。
右二法案は、一月三十一日、二月十二日、それぞれ本委員会に付託され、二月一日、二月十三日、それぞれ政府より提案理由の説明を聴取し、本日、質疑を終了し、討論もなく、採決の結果、右二法案はいずれも全会一致をもって原案の通り可決いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/12
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013・原健三郎
○副議長(原健三郎君) これより採決に入ります。
まず、日程第四につき採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/13
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014・原健三郎
○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
次に、通商産業省設置法等の一部を改正する法律案外一案を一括して採決いたします。
両案は委員長報告の通り決するに御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/14
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015・原健三郎
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告の通り可決いたしました。
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日程第五 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/15
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016・原健三郎
○副議長(原健三郎君) 日程第五、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/16
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017・原健三郎
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。逓信委員長佐藤虎次郎君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔佐藤虎次郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/17
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018・佐藤虎次郎
○佐藤虎次郎君 ただいま議題となりました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件に関し、逓信委員会におきまする審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
この議案は、日本放送協会の昭和三十七年度収支予算、事業計画及び資金計画について国会の承認を求めるため、去る二月十九日内閣から提出されたものであります。
以下、議案の内容について御説明いたしますと、
まず、昭和三十七年度収支予算において例年と異なる重要な点は、受信契約制度の根本的改正であります。すなわち、協会が受信契約者から徴収する受信料の月額は、本収支予算を承認することによって国会がこれを定めることとなっており、現在は、受信料月額として、テレビ三百円、ラジオ八十五円を各別個に徴収しておるのでありますが、この現行制度は、テレビジョンが生活の必需品化するほどの普及を見た今日の情勢に適合しないところが多く、最近顕著になって参りましたラジオ受信契約数の減少も、実際の聴取態様とは遊離した状況にあることが認められますので、放送受信の実情に即応した適正な契約体系を樹立するため、本収支予算においては、現行制度を改め、放送受信契約を、協会の行なうすべての放送の受信についての契約とラジオのみの契約との二種類とし、それぞれの受信料月額を三百三十円及び五十円と定め、もって、協会の財政基盤の安定と受信契約者の負担の軽減をはかることといたしておるのであります。
次に、収支予算の規模は、収入、支出ともに総額五百七十五億一千四百万円余でありまして、前年度に比しいずれも百十八億二千八百万円余を増加し、内訳は、資本収入百二億八千六百万円余、資本支出百五十七億一千六百万円余、事業収入四百七十二億二千七百万円余、事業支出四百十三億九千七百万円余、予備金四億円となっております。
さらに、事業計画におきましては、新たに策定されました六カ年計画の初年度として、ラジオ及びテレビジョン放送の全国普及と国民の要望するすぐれた放送の実施とを基本目標として、放送網の整備拡充、FM実験局の増設、放送番組の充実刷新、通信高等学校の設立その他放送利用の促進、国際放送の拡充、調査研究の強化、経営管理の合理化等の諸施策を強力に推進しようといたしております。
また、資金計画は、前述の収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金に関する計画であります。
以上の収支予算等に対し、郵政大臣は、これをおおむね適当と認める旨の意見書を付しております。
逓信委員会におきましては、去る二月十九日本案の付託を受けまして以来、数次にわたって会議を開き、政府及び協会当局より説明を聴取し、質疑を行なったのでありますが、その詳細は会議録に譲ることといたします。
かくして、委員会は、去る十五日、本案に対する質疑を終了し、引き続き討論を行なったのでありますが、その際、自由民主党を代表いたしまして秋田大助君、日本社会党を代表いたしまして畑和君、民主社会党を代表して受田新吉君は、いずれも本案に対し、賛成、日本共産党を代表して谷口善太郎君は反対の意見を述べられ、次いで、採決の結果、多数をもって本案はこれに承認を与うべきものと議決いたした次第であります。
なお、採決の後、委員会は、理事廣瀬正雄君の動議により、自由民主党、日本社会党、民主社会党の三党共同提案にかかる次の附帯決議を多数をもりて議決いたしたのであります。
附帯決議
政府並びに日本放送協会当局は、
左に掲げる事項の実施につとむべきである。
一、難視聴地域の解消対策を積極的に推進すること。
二、国際放送の充実並びに拡張をはかること。
三、放送番組の向上、とくに教育、教養番組の充実につとめること。
四、経営の合理化、能率の向上をはかり、もって従業員の待遇改善に
努力すること。
右決議する。であります。
これをもって委員会の報告といたします。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/18
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019・原健三郎
○副議長(原健三郎君) 採決いたします。
本件は委員長報告の通り承認するに御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/19
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020・原健三郎
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告の通り承認するに決しました。
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競馬法の一部を改正する法律案
(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/20
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021・田邉國男
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、内閣提出、競馬法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/21
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022・原健三郎
○副議長(原健三郎君) 田邉國男君の動議に御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/22
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023・原健三郎
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
競馬法の一部を改正する法律案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/23
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024・原健三郎
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。農林水産委員会理事丹羽兵助君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔丹羽兵助君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/24
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025・丹羽兵助
○丹羽兵助君 ただいま議題となりました内閣提出、競馬法の一部を改正する法律案について、農林水産委員会における審議の経過及び結果について申し上げます。
本案は、昨年七月、公営競技調査会から出されました答申の線に沿って、地方競馬の施行主体及び競馬の実施面等につきまして改善を加えようとして、提出されたものであります。
そのおもな内容を申し上げますと、
第一に、地方競馬の施行者は、原則として都道府県とし、従来著しく災害を受けた市町村等が行なってきた競馬は、財政上の必要性を考慮して、自治大臣が農林大臣と協議して指定するものに限り、一定期間を定める等条件を付して競馬を行なうことができることにいたしております。しこうして、現在指定を受けているところの市町村については、昭和四十年三月三十一日まで競馬を行なうことができるよう経過措置を設けております。
第二に、競馬の実施方法については、的中率を高め、射幸心の過熱を避けるため、勝馬投票法については、重勝式を廃止し、その種類を単勝式、複勝式、連勝単式及び連勝複式の四種とし、必要に応じてこれらを規制し得ることとするほか、競馬開催の回数、日数、日取り等についても、自粛のための規制措置を講ずることができることといたしております。
第三に、地方競馬の施行者は、馬の改良増殖その他畜産振興をはかる経費に充当するため、地方競馬の収益の一部を地方競馬全国協会に交付するとともに、都道府県は、競馬の収益をもって、管内の畜産振興事業のほか、社会福祉の増進、教育文化の発展等の経費の財源に充てることといたしております。
第四に、新たに地方競馬全国協会を設立し、馬主及び馬の登録、騎手の免許、審判員等の養成等の業務を行なわせるほか、畜産振興事業に対し補助することができることとし、これに伴い協会の組織、業務運営等について所要の規定を設けております。
本案は、二月二十二日付託され、三月八日提案理由の説明を聴取し、同月十三日から十六日まで四日間にわたり質疑を行ない、その間、日本中央競馬会の理事長及び理事を参考人として招致してその意見を聞く等、慎重に審査しました結果、本日、討論を省略して採決に付しましたところ、多数をもって原案通り可決すべきものと決定した次第であります。
なお、本案に対しましては、畜産振興のため、政府は積極的な予算措置を講ずべきであるが、さらに中央競馬会の国庫納付金の畜産振興費への充当額は、これが上積みという趣旨で措置し、また、地方競馬法の益金の使途についても、中央競馬会の国庫納付金にならって畜産振興等に充当するよう指導すること等、八項目にわたる附帯決議が付されましたことをつけ加えまして、報告を終わります。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/25
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026・原健三郎
○副議長(原健三郎君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/26
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027・原健三郎
○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/27
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028・原健三郎
○副議長(原健三郎君) 本日は、これにて散会いたします。
午後二時三十四分散会
出席国務大臣
法 務 大 臣 植木庚子郎君
農 林 大 臣 河野 一郎君
通商産業大臣 佐藤 榮作君
運 輸 大 臣 斎藤 昇君
出席政府委員
郵政政務次官 大高 康君
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005254X02519620316/28
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