1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年二月二十二日(木曜日)
午前十時三十五分開会
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委員の異動
二月二十一日委員荒木正三郎君及び安
田敏雄君辞任につき、その補欠として
中村順造君及び相澤重明君を議長にお
いて指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 村松 久義君
理 事
金丸 冨夫君
谷口 慶吉君
大倉 精一君
委 員
江藤 智君
大野木秀次郎君
重宗 雄三君
天坊 裕彦君
鳥畠徳次郎君
平島 敏夫君
前田佳都男君
松浦 清一君
白木義一郎君
加賀山之雄君
政府委員
運輸政務次官 有馬 英治君
運輸省海運局長 辻 章男君
事務局側
常任委員会専門
員 古谷 善亮君
説明員
運輸省港湾局参
事官 岡田 良一君
運輸省自動車局
業務部長 向井 重郷君
建設省都市局参
事官 鶴海良一郎君
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本日の会議に付した案件
○特定船舶整備公団法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○運輸事情等に関する調査
(都市交通に関する件)
○小委員会設置の件
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001・村松久義
○委員長(村松久義君) ただいまより委員会を開会いたします。
委員の変更について御報告申し上げます。
昨二十一日、荒木正三郎君、安田敏雄君が辞任せられ、中村順造君、相澤重明君がそれぞれ選任されました。
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002・村松久義
○委員長(村松久義君) 次に、特定船舶整備公団法の一部を改正する法律案(閣法第三九号、衆議院送付)を議題といたします。
御質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/2
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003・大倉精一
○大倉精一君 はしけの問題については、昨年の夏以来の港湾の船込みの実態からして、政府においてはその対策を立ててきた、その一環としてはしけの問題が出てきたと思うのですけれども、この政府で立てられた船込み対策及びその後におけるところの実効について、この際御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/3
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004・有馬英治
○政府委員(有馬英治君) 詳細につきまして、局長が本日参りませんので、参事官が参っておりますから、岡田参事官からお答えいたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/4
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005・岡田良一
○説明員(岡田良一君) 船込み対策についてどういう対策をとったかということでございますが、昨年の八月以来、船込みの原因につきましていろいろ検討しておりまして、結局、港湾全体に対するバースの問題から、はしけ、労務者、倉庫と、この全面的な点に問題があるということがわかりましたので、全面的な対策を立てて参りました。で、昨年の九月の十五日の閣議決定によりまして、予備費約六億を支出いたしましてバースを緊急に整備をする。それは主として早く整備できるようなブイに主体を置いてとりあえず整備をする。それからはしけにつきましては、開発銀行及び中小企業金融公庫によって資金の融資を受けて整備をする。それから労務者対策といたしましては、労働省のほうで遠方から、たとえば炭鉱離職者とか、そういうふうな人をとりあえず港湾地帯に移しまして、そこで炭鉱離職者対策の一環として労務者を充実させる。それからなお、労務者を固定させるために、労務者住宅を作るということで九百三十人分の労務者住宅を六大港に雇用促進事業団の手で設置するということ、これもやはり予備費で決定いたしました。そのほか、いろいろな対策をとっておりますが、主たる対策といたしましては、そういうふうなことをいたしました次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/5
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006・大倉精一
○大倉精一君 その実効については、いかがですか。どういう実効−−対策の効果が出てきておるか、現在ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/6
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007・岡田良一
○説明員(岡田良一君) どの程度の効果があったかということは、たとえばバースの問題にいたしましても、これはすぐに一カ月、二カ月にはできませんので、これはやはり年度一ぱい、三月一ばいかかるというようなことであります。はしけにいたしましても、開銀融資、中小企業金融公庫の融資もなかなかすぐに融資ができませんので、これは実はなかなかうまく参らなかったものでありますから、今回特定船舶整備公団で、はしけを作るというような方策を、あらためてとったわけでありますが、労務者住宅につきましても、大体十二月一ぱいにそれぞれ住宅が整備されまして、労務者が入っておりますが、したがいまして、こういうふうな施設関係の対策については、すぐに実効が上がったかどうかということは、施設整備に時間を要するために、まあなかなか実効がすぐに上がらないわけでありますが、別途に各港湾に対策協議会というものを設けまして、現在の施設並びに労務者を、できるだけ有効能率的に活用する方策をとりまして、たとえば揚げる場所がなくてはしけが倉ばしけになってたまっているような場合には、できるだけ揚げる場所を、港湾管理者並びに政府においてあっせんをいたしまして、はしけに詰まっている物を揚げるとか、上屋が荷物がたまっております場合には、上屋の荷物を荷主に早く引き取ってもらって、上屋をあけて促進をする、そういうふうな対策をとりまして、昨年の十一月ごろから非常に港湾の船込みというものは減少して参っております。これはもちろん輸入引き締めの関係で、入港船舶が減少したということにもよるわけでありますが、やはりその間に各港においてとりました総合的な対策が、効果があったものと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/7
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008・大倉精一
○大倉精一君 労務者対策についての効果はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/8
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009・岡田良一
○説明員(岡田良一君) 労務者につきましても、労働省で非常に力を入れてやっていただきましたので、常用労務者も相当数字がふえておりますし、大体二千人程度昨年の七月から十一月までに常用労務者がふえておると思いますが、なお今後、業者の手においても住宅を整備する。雇用促進事業団の住宅のほかに、業者自身の住宅を整備するというふうな方策もさらにとって、常用をふやすような方向に努力いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/9
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010・大倉精一
○大倉精一君 特に労働者問題については、船込みの激しい時期あるいはそうでない時期と、いろいろ港の仕事は繁閑の波があるのですが、そういうようなものに対しても、労務者の問題についても、当面の対策じゃなくて、根本的な対策が必要だと思うのですけれども、そういう点についてはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/10
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011・岡田良一
○説明員(岡田良一君) 根本的な対策といたしましては、やはりできるだけ常用化を促進するという方策をとっていきたいということで、実は昨年の九月に港湾運送料金を値上げいたしました際にも、労務者に対する退職金を大幅に見込むとか、労務者の福祉のための金を、トン当たり幾らという金額を原価計算に算入いたしまして、それを積み立てて、労務者の福祉に対する資金として活用していくというふうな対策をとっております。なお労働省を中心といたしまして、今回総理府に港湾労働等対策審議会というものを設けるように、総理府設置法を改正いたしまして審議会を設けまして、その席上においてもこの問題を中心として取り上げて検討していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/11
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012・大倉精一
○大倉精一君 労働者の問題は、港湾労働等対策審議会を設けるということですからして、その面に期待を持つとして、それでは現在、はしけについては何ばいくらい足りないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/12
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013・岡田良一
○説明員(岡田良一君) はしけの問題ですが、やはり港湾の労働者と同じように、港湾の取り扱い数量というものが非常に変わりますので、幾ら足りないということを−−最も荷物が殺到したときを基準にいたしますと、たとえば昨年の八月ころを基準にいたしますと、非常に足りないという数字が出ておりますし、最近のような状況ですと、大体現状でまかなっておるというふうな状況が出ておりますので、一がいに……。現時点において幾らくらい足りないということは言えるわけですが、ある程度の期間において足りないということを判定することはなかなか困難でありますが、運輸省といたしましては、大体経済成長五カ年計画の線から荷動きを推定いたしまして、その線を中心にして、はしけの不足量というものを算出いたしております。現在六大港におきまして、大体九十万トン前後のはしけがございますが、これを大体五%見当ふやせば当面はまかなっていけるのではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/13
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014・大倉精一
○大倉精一君 今度の法律案によって、公団の仕事が、はしけを共有方式で作るというものがふえたわけですけれども、この年度々々においてはしけをどれだけ作るかということの決定は、どういう手続を踏んできめるのか、何を基準にしてきめるのですか。たとえば来年度、三十七年度なら三十七年度には何ばい作ろうということは、だれがどういう方法できめるのか、何の基準できめるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/14
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015・岡田良一
○説明員(岡田良一君) 政府といたしましては、経済企画庁を中心として策定されます、たとえば三十七年度ですと、三十七年度の経済見通しに従いまして決定いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/15
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016・大倉精一
○大倉精一君 それはだれがきめるのですか。だれがどういう手続できめていくのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/16
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017・岡田良一
○説明員(岡田良一君) 運輸省が一応原案を作りまして、これはやはり予算に関係する問題でありますので、大蔵省と相談をいたしまして決定をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/17
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018・大倉精一
○大倉精一君 これは局長にひとつお伝え願いたいと思うのですが、本年度何ばい必要であるかということは、あるいははしけがどれだけ、荷動きがどれだけ、その他いろいろあると思うのですが、どれだけ作ろうということについてはその港−−六大港ばかりではなくて、地方の港にも非常に問題があると思うのですけれども、これを決定するについては、経済企画庁の経済見通しがこうだから、だから何ばいだということは、これはなかなか関係がつかぬと思うのですがね。どうもその辺がぴんとこないのですよ。どういう手続でだれがきめるのか。何を基準にしてきめるのか。いまさっきのお話でありますというと、大へん忙しいときもあればひまなときもある。現在ではおおむね充足をしている。であるから過去五カ年間の荷動きの状態を平均をしてきめるというようなお話がありましたが、そういうようなきめ方でいいんですかね、これは。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/18
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019・岡田良一
○説明員(岡田良一君) 過去五カ年ではありませんので、今後五カ年の見通しによってきめるわけですが、もちろんその前に業者のほうからも希望を取りまして、港別の荷動きの予想等を港湾管理者から取りまして−−その点も勘案いたしまして取りますが、全体の合計の数字につきましては、やはり経済企画庁の計画によってきめております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/19
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020・大倉精一
○大倉精一君 そうしますと、大体まあ経済企画庁の計画によってきめるという話ですけれども、この荷動き、たとえば今までよりも五%荷動きがふえればはしけを五%ふやせばいいかというと、そういう計算ではいかぬと思うのですね。ですからそのきめ方あるいはそのときの基準というものは非常にむずかしいと思うのですけれども、なかんずく港湾の仕事の特質といたしまして、たとえば月なかまではひまであるけれども、月末には集中配船がきて、非常に仕事が多い。あるいは季節によって非常に船込みの多い季節とそうでない季節がある。はしけが問題になるのは、船込みの非常に多い時期が問題になる。集中配船の時期が問題になるわけです。ですから平均した数字でもってはしけを作っていても、結局集中配船なり船込みのときに足らぬということになるわけですよ。やはり依然としてはしけの問題が残るわけですが、そういうときにおける供給不足については、どういう措置をとられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/20
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021・岡田良一
○説明員(岡田良一君) 非常に足りない時期になりました場合には、たとえば回転率をある程度上げてやっていくというのが従来のやり方でありまして、回転率の面でその辺の調整をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/21
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022・大倉精一
○大倉精一君 まあそれは簡単に回転率といいますけれども、回転率を増すについては、たくさんの要素があるわけだと思うのですね。労働者の問題もありましょうし、あるいはまた倉庫の問題もありましょうし、バースの問題もありましょうし、あるいはまた背後における鉄道輸送の問題もあるでしょう。いろいろな問題がありまして、そう簡単に回転率と言ってみたところがいかぬと思うのですが、そこで、この経済見通し、荷動き見通しといいましても、これはなかなか不確定のものでありますので、港湾の、先般のような非常に船込みの激しい時期もこれからくると思うのですけれども、そういうために備えて、たとえば公団で予備船を持つとか何とかという方式は考えられないものですか。そうでないと、結局その平均で作っておいても、非常にひまなときにははしけが余ってもてあましておる。反面において、これが船込みになってきた場合に、結局、はしけの問題が大きな問題として残る。やはり倉ばしけという問題も出てくる。ですからして、何らかの方法によってそういう場合に、はしけを供給する供給源というものがやはり作られなければならぬと思うのですが、そういうような考えはないでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/22
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023・岡田良一
○説明員(岡田良一君) 今回の船込みの対策としても、政府なり公団なりがはしけを持って、それを貸し出すというような方策をとったらどうかというような御意見もあったわけでありますが、やはりはしけを持ちますと船夫の問題もありますし、予備はしけでも常時やはり船夫をつけないといけないというような問題もあって、なかなかすぐに実行することは非常に問題がありますので、各港におきまして現在考えておりますことは、現在大阪あたりでも考えておりますが、大阪港において業者の協同組合のようなものを作りまして、そこで一応はしけを保有しまして、そこで需給調整をやっていく、そういうふうな考え方を各港ごとに現在考えさしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/23
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024・大倉精一
○大倉精一君 結局これは、はしけの問題もそういうことが必要であるが、人間の問題になるということだと、これはもうはしけの問題に限らず、港の問題はすべて人間の問題に帰着するわけですが、そういうものを総合しながら、問題になる船込み時における対策というものを立てる、つまり平均した数字をもって物事を処理していくということは、問題になる船込み時の対策にはならぬと私は思うんですね。ですからこれはやはり業者が共有するという方法もあるでしょうけれども、せっかく公団というものを作ってこういうめんどうを見ようというときであれば、その公団においてそういうものをめんどうを見るということを、具体的にひとつ−−今度は間に合わぬにしましても、将来やはり考えてみる必要があるんじゃないか。そうでないと、やはり港は日本の玄関ですから、ここでふん詰まりになってしまったのでは、いかに経済成長なり貿易成長なり言ってみたところが、なかなか容易なものじゃない。しかも現在この船込みが激しくなってくると、滞船等もたいへんなものらしいですね。あるいはまた日本の港は込むからといって、運賃も高くなってくるという、そういうたいへんな影響もあるのですね。そういうことから考えてみるというと、やはり公団方式というようなものの中にそういう非常事態に備える手段もこの公団みずから考えていく、公団の負担によって、あるいは民間と共同負担でもかまいませんけれども、こういうふうなことを将来やはり考えていかないというと、船込み時における問題はやはり依然として残ってくるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/24
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025・有馬英治
○政府委員(有馬英治君) 運輸省といたしましては、当初三十七年度予算編成にあたりまして、いろいろな方式を考えたのでありますが、仰せのような公団方式というものも一つの有力な意見としてございまして、関係方面とも打ち合わせいたしました。しかしながら、実際問題として、現状において運営していく場合には、業者との関連もございます。また諸般の財政的な問題も三十七年度におきましてはございまして、とりあえずこれでいこうということで今回の措置をとったわけでございますが、仰せの点はもっともな御趣旨でありますので、今後十分三十八年度予算編成にあたって検討を続けていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/25
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026・大倉精一
○大倉精一君 将来検討されるということですから、ぜひひとつこれは期待をしたいと思いますけれども、さらに進んで、公団で−−今度の法律案でもってはしけ、引き舟等となっておりますけれども−−やはりさっき言われたように、はしけの回転率を多くするということになれば、これに付随するところの荷役機械なりあるいはその他のものもやはり公団がめんどうを見なければならぬのじゃないかと思うのですけれども、それは今度含めておらぬように思うのですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/26
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027・岡田良一
○説明員(岡田良一君) 荷役機械につきましては、初めは一緒に含めていきたいというふうに考えておったわけでありますが、いろいろ検討いたしました結果、資金のワクの関係、その他荷役機械につきましては、現在ほかに、はしけの場合は船舶と異なりまして担保力の対象にならないわけでありますが、荷役機械につきましては、大部分が自動車抵当法による担保力もありますので、そういうふうな点もありまして、一応公団の対象から落ちたわけであります。しかし、今後荷役機械につきましては、さらに整備する方法をよく検討いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/27
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028・大倉精一
○大倉精一君 これはほかに何か荷役機械についてはあるようですけれども、それはそれとして、荷役機械とはしけというのはくっついたものだという考えを持たないと、はしけだけぽつんと作っておいて、これでもってやれと、ところが荷役機械については、業者が、たとえば移動クレーンとかマグネット・クレーンなんていうものは、みんな自分では持てないですよ。そういうものが付随しないというと、とても港のはしけの効率なんていうものはなかなか上がらないと思う。これはスクラップがあるということになると、マグネット・クレーンを使ってやらないと船がいたむということもあるでしょうけれども、そういうものと並行しないと、はしけの効率というものはよくならぬと思うのです。ですから当然はしけと荷役機械というものはくつついたものであるという考え方から、しかもそういう荷役機械というものは、はしけ業者といいますかね、業者負担ではなかなか手が届かない、こういう見方があるものですから、当然私は公団としてめんどうを見るべきである、こう思うのです。これは金だ、資金だといいますけれども、現在の民間の状況からいえば、そんなものはやっぱりどんどん注ぎ込んでやらなければいかぬと思うのですがいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/28
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029・有馬英治
○政府委員(有馬英治君) 仰せの通りでございまして、三十七年度予算編成にあたりましては、はしけは抵当にはならないにしても、一応船舶的なものでございまして、したがって、この公団でも、似たようなものでございますから、一応そういうことで踏み切ったわけでございますが、荷役機械とかその他のものになりますと、少し範疇が違うのじゃないか、こういった公団に実質的には入れたいけれども、格好としてどうか、また本質的にどうかというような問題もございまして、したがいまして政府関係の金融機関でそういう施設をめんどうをできるだけ見てもらうようにするということでございましたのですけれども、実質は、実際問題としては、仰せのとおりでございまして、先ほどこの法律案が衆議院を通過いたしましたときにも、三党共同で特別な機関を作ってはどうかというような要望決議をいただきまして、したがいまして運輸省といたしましては、その御趣旨に従いまして、今後十分検討して、何らか具体的な方法に一歩前進さしたいという考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/29
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030・大倉精一
○大倉精一君 これは特定船舶整備公団なんかでは、どうも荷役機械というものはというお話でありましたけれども、大体表題、名前が悪いかもしれません。だから特定船舶整備公団という名前を何か変えて、そういうものを含んでやれるような名前で、名実ともにはしけ、荷役というものが能率的に動けるようにしてやるということが必要だと思うのです。これは後ほど各会派のほうとも相談しながらそういう要望をつけたいと思っております。なお、この問題については検討しなければならぬ面がありますので、質疑は次回にさらに保留したいと思います。本日はこの程度で……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/30
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031・加賀山之雄
○加賀山之雄君 関連してちょっと伺っておきたいと思います。今、はしけの問題が出ておったのですが、荷役機械の話も出ましたが、はしけが足りない足りないといいながら、特定の港等においては船込みのときに、あるいは上屋が足りない、荷役力も足りない、沿岸のそういったことから、はしけが倉庫の代用をする、いわゆる倉ばしけになっちゃうというようなケースがあるわけです。これはそういうときには特にはしけの回転率をよくしなければならぬのに、一方倉ばしけがある、こういうことは非常な矛盾なんで、そういう陸上施設の足りないために倉ばしけ等になって、はしけの運用効率が悪くなっているというような例が、たとえば特定の港を例にとってもいいのですが、船込みのときにそういうことがあるのかないのか。あるとすれば、どれくらいのものが倉ばしけになって回転率を妨げているか、そういう点についてちょっと伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/31
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032・岡田良一
○説明員(岡田良一君) 倉ばしけの点でありますが、確かに昨年の船込みの当時にはそういう現象がありまして、特に神戸等においては非常にはなはだしかったように思います。その原因といたしましては、一つは陸上における倉庫なり、また野積み場のような、揚げる施設がないために、そのままはしけに取って置くということが、そのほかの原因もいろいろあると思いますが、主たる原因としては、陸上における倉庫及び野積み場が一ぱいであるために揚げられないという点がおもな原因であったように思います。そこで、上屋等につきまして、できるだけ荷主に早く引き取ってもらうような運動をやりましたり、臨時に国有地を野積み場に一時的に借用いたしましたりしたわけでありますが、倉ばしけと申しましても、何日以上が倉ばしけかという定義は別にございませんので、神戸で昨年の夏一番ひどいころに調査いたしました資料では、一週間以上荷物を積んで停留しておるはしけが全体の三分の一になっておったというふうな数字も出ております。最近においては非常にそういうものは減少しておると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/32
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033・大倉精一
○大倉精一君 続けて関連しながら今のでお伺いしたいのですけれども、上屋が一ぱいになった、倉庫が一ぱいになったというお話でありますけれども、私はこの港に対する国鉄の配車の状態、これはどこの港でも貨車が来ない、貨車が足りないという声が充満しておるのです。これはもう港ばかりじゃなくて、方々にあると思いますけれども、特に船込みの場合におけるところの協力ということに対して、どういう工合な対策なり、あるいは協議なりをしておられるのか、この状況を伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/33
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034・岡田良一
○説明員(岡田良一君) 貨車の問題でありますが、これは各港に港湾対策の協議会を作りまして、そのメンバーとして、その地方の駅長なり鉄道管理局長に入っていただきまして、その席上で業者の方からの要望を出しまして、そこで処理しておるわけであります。なお、そこで処理のつかないような問題につきましては、本省に連絡をしていただきまして、私のほうから省内の国有鉄道部を通じまして国鉄のほうと折衝して解決に当たっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/34
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035・大倉精一
○大倉精一君 その、上のほうで折衝して解決に当たったということですけれども、それで解決つきましたか、どの程度につきましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/35
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036・岡田良一
○説明員(岡田良一君) 上のほうに上がってきました事案としては、横浜の事案が一つあったわけでありますが、これは鉄道のほうに連絡をいたしまして、その後貨車回りがよくなったというふうに聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/36
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037・大倉精一
○大倉精一君 これは確かに港湾ごとに対策協議会というものが各業界なり、あるいは鉄道の駅長さんなり局長さんなり出て作っております。で、ここで一様にどこでも貨車が足りないということを決議しておるはずですよ。これを国鉄の方も聞いておいでになるから、それがきまればすぐさっと貨車が回ってこなければならないのだが、回ってこないのが現実である。そういう協議会の方々が東京の本省まで来て大臣なりあるいは総裁なりに陳情なさる。そうしますと、一時はひょこひょこと回ってくるかもしれぬ。二、三日たつと、まただめになってしまうということですね。そういうような現象が方々にあることを聞いておるのですね。これをやはり解決しないというと、この問題はなかなか容易に解決できないと思うのです。むろん国鉄の貨車も足りませんから、港湾だけに集中するわけに参りますまいが、しかし船込みの激しい時期においては特段のやはり国鉄でも配慮をしてもらわなければならぬ。きょうは国鉄の方はおいでにならぬが、この次の委員会には、ひとつ国鉄から来てもらってこの問題についても十分いろいろと話をしていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/37
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038・金丸冨夫
○金丸冨夫君 一つお伺いしたいのですが、この新しい措置をとって、はしけの不足を補おうということなんですが、大体目標は六大港だということも聞いておりますし、しかし少なくともこういう法案ができ、またそれに対して三十七年度の予算を取ってあるならば、運輸省としても、各港湾にさしむき業者から一体こういうものに対する融資関係その他についての具体的申し込みがどういう程度にあったか。また、それの基本として本年度はどの程度できるという大体の見通し、計画というか、そういうものはあるはずなんですね、それはどんなになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/38
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039・岡田良一
○説明員(岡田良一君) 昨年、船込みの一番激しいときに業者の要望をまとめましたのでは、全国で大体三十万トン以上の数字が出ておりましたが、最近ではこれは相当減っておると思いますが、現在この五億の資金で二万五千トンくらいのはしけを作ろうと計画を立てておりますけれども、港別の配分その他につきましては、なおいろいろなはしけの融資のこまかい手続関係が現在決定しておりませんので、業者から正式に希望もまだ集めておりませんが、昨年の様子を見ましても、相当たくさんの希望が出るのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/39
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040・金丸冨夫
○金丸冨夫君 今の希望というものについて、少なくともこういうものを具体化するということについては、具体的に願書が出なくとも、どこでどういう業者が−−業者もちゃんとわかっておることですから−−特に六大港を中心とするということであるならば、大体わかるのじゃないですかね。そういうものがなくてこの法案を出して予算を取っておるということじゃ、ただ、わあわあ言って、基本がしっかりないのにこういうものを整備し、また予算を取るということにもなると思うのですが、その点はひとつ、やはり業者にも国民にもはっきりわかるように、どういう計画であるというふうに、もうすでになっておるのだということを知りたいのですがね。この次でもよろしゅうございますから、こういう大体の計画ですね、見通しでもいいのです。どの港においてはどのくらい、合計二万五千トンなら二万五千トンとか、こういうところをひとつ出してもらえませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/40
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041・岡田良一
○説明員(岡田良一君) 昨年、開銀なり中小企業金融公庫の融資をまとめましたときには、たとえば開銀に約六万トン程度、中小企業にも五万トン程度の要望が出ておりました。今回はまだ条件がはっきり確定しておりませんので数字をまとめておりませんが、早急に数字をまとめたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/41
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042・金丸冨夫
○金丸冨夫君 それじゃそれをお願いいたします。
それから次にもう一つ、先ほど加賀山委員がちょっと触れましたが、結局横浜にいたしましても神戸にいたしましても、はしけの不足という問題は、結局倉はしけになるということが主なんですね。そうすると、倉はしけの解消ということには全力を尽くして、いろいろ協議会等でやっておられるでしょうが、要は、結局内容を考えるというと、大体二つあると思うのですね、一つは、倉庫あるいは運輸省で御指摘のように、荷揚げ場というものが狭隘である、そうして一ぱいになっておるからできないということと。それから一つは、荷主が非常にルーズな考えをもって、送っておいて、それをすぐに引き取っていくということについて、倉庫に一たん入れるということになると非常に経費がかかる、つまり割高になってくるということで、できるだけがんばって、そしてそういう措置をとらないような方向に持っていくというのが大体実情なんです。だから、こういう方面については、いわゆる受荷主、発荷主との連絡を、そういう協議会によくとらして、そうして必ずしも倉庫に入れずによろしいというような場合は、それは引き取りをさせる、そうでなければ倉庫に入れるぞというようなことを確認して輸送させるというようなことを、やはり指導していかなければならないだろうと思う。それが一つ。
それから各主要港の状況から考えても、やはりこういう輻湊の際には、倉庫がどうしても足らないという状況になると思うのですが、この倉庫自体というものについて、今度の倉はしけと関連して、具体的にどういう手を打たれているか、それをお聞きしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/42
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043・岡田良一
○説明員(岡田良一君) 荷主の引き取りの促進の点につきましては、各港でも荷主とやっておりますし、本省でも通産省、農林省及び関係団体のほうにそれぞれよく趣旨を説明いたしまして、早急に引き取るようにいろいろ連絡いたしております。なお、上屋につきましては、長期に置きますとだんだん上屋の使用料率が上がるような仕組みを港湾管理者のほうで前から考えておったところもありますし、船込みになってからそういう対策をとったところもございますが、そういうふうにいたしまして、上屋をできるだけ早く、経済的にも搬出せざるを得ないような態勢にしております。それから、倉庫の問題につきましては、昨年三十六年度の普通の開銀資金のほかに、船込み対策として特別の開銀資金を交渉いたしまして、約一万六千坪の倉庫を追加として新設いたすことにいたしました。なお、三十七年度として現在二十二億ほどの資金を開銀に要求いたしておりますが、それによりまして約六万坪の倉庫を港頭地帯に新設したいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/43
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044・金丸冨夫
○金丸冨夫君 それからもう一つ。いかだ業者であるとかはしけ業者というものに、至急にこういうものの建造について融資をするというようなことですが、やはりこの場合においても、先ほど大倉委員のお話のように、つまりあるピークの場合においてこれを補う構想というか、そういうもので、はしけを持つということを、公団においては困難であるというお話でしたが、少なくともこれをおのおのの業者に作らせるということになれば、これに対する総合運営というか、そういう点について、これは各港湾においてできておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/44
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045・岡田良一
○説明員(岡田良一君) 総合運営の問題ですが、われわれのほうといたしましては、業界に対して、できるだけ公団のはしけについては一元的な受け入れ機関を作って、そこで共同配船をするような方向に持っていきたい、こういうことで、現在業界のほうと相談をいたしている途中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/45
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046・金丸冨夫
○金丸冨夫君 これは、たとえば港湾の協議会あたりで、みな共同配船をするようにやっていくという建前でやっているわけですか。そうすると、公団と業者との間の関係、たとえば使用に対する方法ですね、そういうものについての財政関係はどうなるのですか、経費関係、まだそれはきまっておらないわけですか、今からですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/46
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047・岡田良一
○説明員(岡田良一君) その点につきまして、現在港別に一元的な受け入れ会社なり組合を作りまして、そこが公団と契約をして融資を受けて、その会社が今度は業者にまた貸しをするというふうな構想が一番実行可能で能率があがるのじゃないか、しかも、その船を共同配船にするという考え方がいいと思って、相談をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/47
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048・金丸冨夫
○金丸冨夫君 そうすると、いかだ業者に直接ではなくて、そういう総合的な運営のできることを考えに入れて、そういうものの集団に金を貸して作らせる、こういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/48
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049・岡田良一
○説明員(岡田良一君) 運輸省といたしましては、そういうふうな受け入れ機関を望ましいと思っておりますが、業界のほうでもいろいろ御意見もあるようですから、最終的にまだ決定いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/49
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050・金丸冨夫
○金丸冨夫君 それでは大体の構想、おもだった申し込みと、今度のこの法案について、さしむき三十七年度実施し得る目途と申しますか、そういうものがございましたら、それをこの次にひとつ見せていただきたい。私は以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/50
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051・松浦清一
○松浦清一君 海運局長にちょっとお尋ねしたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/51
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052・村松久義
○委員長(村松久義君) 本法案ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/52
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053・松浦清一
○松浦清一君 本法案に関連して、戦標船のことで、ちょっと改正部分ではないのですけれども、簡単に聞きたいのです。三十六年度の戦標船の解撤新造のうち、公団部分が八隻一万三千トン建設して、十三隻一万六千トンの解撤を行なって十一億円の公団予算を使っている、こういうふうなことですが、公団部分の予算が八億円であったのですが、三、四億円は三十七年度分予算の中に食い込んでいるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/53
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054・辻章男
○政府委員(辻章男君) 今お説のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/54
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055・松浦清一
○松浦清一君 そうしますと、三十七年度の公団分の解撤資金十九億七千万円のうち、石炭専用船の三億七千万円を引いた残り十六億円、つまり三億円食うと十六億円ということになるわけですか、純粋の三十七年度に使える金は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/55
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056・辻章男
○政府委員(辻章男君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/56
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057・松浦清一
○松浦清一君 十六億円で石炭専用船の三隻分を総トン数に直して建造予定量の二万五千トンから差し引くと、純粋の戦標船、公団で作るのは何トンになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/57
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058・辻章男
○政府委員(辻章男君) 約一万五千総トン程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/58
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059・松浦清一
○松浦清一君 そうすると、三十六年度と大して変わりませんね。隻数で何隻予定をされておるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/59
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060・辻章男
○政府委員(辻章男君) これは見込みでございますが、隻数で大体八隻程度と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/60
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061・松浦清一
○松浦清一君 そうすると三十六年度と変わらないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/61
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062・辻章男
○政府委員(辻章男君) 大体、石炭専用船の分を除きますと、お説のとおり三十六年と大差ないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/62
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063・松浦清一
○松浦清一君 これができ上がりますと、あとまだ解撤をしなければならぬ戦標船は何トンぐらいに押さえておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/63
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064・辻章男
○政府委員(辻章男君) 戦標船の解撤の問題は、御承知のように公団方式のものと開発銀行と大体その二つに分かれておるわけでございますが、これはまあ見込みとしまして、小さなものは公団関係にくるんじゃないかということを前提にいたしまして、私どもの算定ではなお約六万総トン程度が希望者があるんじゃなかろうか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/64
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065・松浦清一
○松浦清一君 それは、開発銀行とそれから公団分と両方合わせてですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/65
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066・辻章男
○政府委員(辻章男君) ただいま申し上げましたのは、公団関係にくるものと思われるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/66
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067・松浦清一
○松浦清一君 開発銀行のほうはどのくらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/67
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068・辻章男
○政府委員(辻章男君) 約十四万総トンと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/68
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069・松浦清一
○松浦清一君 その残り分はあと何年計画でおやりの予定でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/69
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070・辻章男
○政府委員(辻章男君) おそれ入りますが、今ちょっと聞き取りにくかったのでございますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/70
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071・松浦清一
○松浦清一君 残りの分は何年計画で完了する予定でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/71
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072・辻章男
○政府委員(辻章男君) これは御承知のとおり安全の見地から申しまして、本年度を含めて三カ年でこの戦標船を解撤するものは一掃したい、かように考えておりますので、三十八年度には残りのものを全部解撤を完了いたしたい。現在のところ、さように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/72
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073・松浦清一
○松浦清一君 この公団分の募集の開始は、今度は何月ごろでございますか、予定は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/73
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074・辻章男
○政府委員(辻章男君) まだいつ募集を開始するかということはきめてないのでございますが、実は開発銀行の分につきましては、俗に雨だれ式と申しますか、そのつど順次開発銀行のほうに、船主のほうから解撤に関係するものについては申し込みをいたしておりますので、それは先着順と申しますか、審査の済みましたものから順次具体化していくというような方式をとっておりますが、公団分につきましては、本年度同様、やはり時期を区切って公募いたしたい。その時期につきましては、まだ具体化いたしておりませんが、大体この夏ごろまでにはそういう運びに至るだろう、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/74
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075・松浦清一
○松浦清一君 石炭専用船の部分は、これはおそらく現在の小型の戦標船の船主ではとてもできないのじゃないかと思うのですが、これはやはり石炭輸送に関係の深い大手筋がやるようになるだろうと思うのですがね。これの解撤をあれしなければならぬので、その部分は中小船主の持っておる小型の戦標船を買い集めて、これに見合うトン数を解撤するというような条件がつけられておると思うのですが、大体そういう工合に予想されておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/75
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076・辻章男
○政府委員(辻章男君) 石炭専用船の解撤につきましては、やはり一般の戦漂船の処理と同じように、戦標船の解撤を義務づけております。で、今お話がございましたように、石炭専用船を作る船主がもし戦標船を持っておりませんならば、どこか適当なところからそれを買い入れてつぶすというふうなことになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/76
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077・松浦清一
○松浦清一君 けっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/77
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078・村松久義
○委員長(村松久義君) ほかに御質疑ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/78
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079・大倉精一
○大倉精一君 ちょっと速記をやめて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/79
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080・村松久義
○委員長(村松久義君) 速記をやめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/80
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081・村松久義
○委員長(村松久義君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/81
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082・大倉精一
○大倉精一君 資料を要求します。
各港別のはしけの現有数と不足数。ただし、名港別というのは、六大港及びその他問題がある港でけっこうですから、統計のあるものをひとつ出してもらいたい。時期としましては、現有数という現の意味は、あなたのほうで統計のとれておる、たとえば何月何日現在というものでけっこうですから、そういう時期における統計をひとつ出してもらいたい。
その次には、倉ばしけの実態ですね。これも非常にむずかしいだろうと思うのですけれども、この六大港並びに問題のある所の倉ばしけの実態。これを、できれば注釈をつけて、こういうものだという注釈をつけて統計のとれておる資料を出してもらいたい。
それから、次は横浜港あたりで倉はしけの原因別にいろいろ調査されておるようですけれども、貨車不足によるもの、荷役力の不足によるもの、倉庫、上屋の不足によるもの、これに起因する原因別の倉はしけの状態ですね。これは横浜港あたりで調査しておられるようですから、調査しておられる所だけでけっこうですから、その資料をお出し願いたい。
以上、要求いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/82
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083・岡田良一
○説明員(岡田良一君) ただいまの資料のうち、早急にできるものは早急にお出しいたしますが、若干調査に時間を要するものにつきましては、若干の時間をいただきたいと思います。調査して提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/83
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084・大倉精一
○大倉精一君 これは、本来はこういうものは調査しておられなければいかぬと思うのですがね。まあできてないようですからして、われわれに、この法案について参考になるような資料は、早急にひとつお出しを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/84
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085・村松久義
○委員長(村松久義君) ほかに御質疑ございませんか。−−なければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/85
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086・村松久義
○委員長(村松久義君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。
質疑の通告がございますから、この際、御発言を願います。大倉委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/86
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087・大倉精一
○大倉精一君 先般の委員会におきまして運輸省当局に要求をしておきましたが、今般発表された警視庁の大型路線トラックの昼間都心乗り入れ規制、これによるところの、どういう現象が起こるか、どういう影響が起こるかということを調査してもらいたいということをお願いしておきました。道路面においても、あるいは経済面においても、あるいは輸送面においても、そういう点の調査。それからさらにまた自家用乗用車、自家用車の−−これは乗用車と限らず、自家用車の都心乗り入れ規制には、どういう方法があるかということを運輸省として調査、検討してもらいたいということを要求しておきました。
それからさらに、交通緩和に対する運輸省としての案を提出してもらいたい、こういう工合いに要求しておきましたが、これに対する御報告を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/87
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088・有馬英治
○政府委員(有馬英治君) まことに申しわけないのでございますが、衆議院のほうの委員会その他分科会がございまして、局長が今日出席できませんので、ほんとうにすみませんが、部長が参っておりますので、向井業務部長からお聞きとり願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/88
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089・村松久義
○委員長(村松久義君) 自動車局業務部長向井重郷君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/89
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090・向井重郷
○説明員(向井重郷君) 先ごろ大倉委員のほうから御要求のありました資料でございますが、お手元に本日自動車数というほうの実態的な調査は御提出申し上げたわけでございますが、規制の影響という点につきましては、これがいかように運賃に影響して参りますものか、あるいは自動車数の増加を幾ばく必要とするか、あるいはまた保管場所その他荷さばき場所の増設は、どの程度にしなければならないか、あるいはまた荷主、受け入れ側の態勢の整備というものは、どの程度にすべきものであるかというような、きわめて広範な調査を必要といたしますので、本日までに御提出申し上げることができなかったわけで、まことに相すまないわけであります。ただいま極力東京陸運局のほうを使い、またあらゆる調査機能を動員いたしまして調査いたしているわけでございますので、遠からずひとつ御提出申し上げられると思います。
ただ、概括的にわれわれが今感じておりますことは、ただいま申し上げましたような諸点について、相当影響があるということが言えるわけでございます。詳細については、後刻また御報告申し上げます。
それから自家用自動車の規制の案でございますが、これも自家用自動車に対する規制−−これは乗用車の部面、それから貨物車の部面、いろいろ分かれるわけでございまして、ただいまこれも交通対策本部、それから閣僚懇談会というような方面で、鋭意、運輸省のみならず、各省の知恵を集めて研究をしているさ中でございます。この前の当委員会の席上でも、警察庁のほうからも御答弁がありましたような次第でございまして、ただいまそれについては、鋭意作成中であるという段階でございまして、直ちにこれを今、どうしたらよかろうかというようなことについては、目下その案というものについて具体的に、どの路線をどういう種別のものについてするかというようなものまで結論を出しかねているのが現状でございます。この点については、さよう率直に申し上げまして、極力早く、また当局案というものを作成したいと思いますので、御了解願いたいと思っております。
それからまた、運輸省としての規制案いかんということでございますが、これは先ほど当委員会にも運輸省全体の見解ということで、道路交通上の問題点についてというのに、大体尽きているように思うのでございます。さっそくそれを御提出申し上げます。
ただ、私どもが考えております方向を申し上げてみますと、交通の規制というものにつきましては、まず三つの原則があろうと思うのでございます。それはまず第一に、規制というものに伴って、その経済全般に及ぼす影響というものが最小限にとどむべきであるということが第一の原則でございます。それからまた交通規制の効果というものを、これまた最大限に発揮するようなものでなければならないということ、それから第三番目には、規制によりまして、ともかくいずれも被害をこうむるわけでございますが、その被害が公平に負担さるべきことというような、大きな三つの原則があるのではなかろうかと思うのでございます。さらにそれにつけ加えまして、規制の実行しやすさという点もあるかと思います。いま一度申し上げますと、影響の最小限度であること、効果の最大限に発揮されるようなものであること、それから、こうむる被害負担というものが広く全般に公平に負担されるようなものであるべきこと、さらにつけ加えて、実施しやすいものであることというようなことが、この原則になって参ると思うのでございます。
そういうような意味合いから、警察庁の方でお考えになって、一応案としてお示しをいただいておる第一次の車種別の交通規制というものについて、各項ごとに一々検討しておるわけなんでございまして、ただいま大倉委員の方から御提出のありました影響度の調査というようなものは、その中の最も大きな部面を占めるわけでございます。そういうふうなわけでありますので、当省としてのこれに対する考え方、ただ単に、第一次の車種別交通規制に対するばかりでなく、交通規制全般の問題、すなわち交通混雑緩和というものについての全般的な問題というものについて考えを進めておりまして、これを交通対策本部のほうにいろいろと申し上げ、各省とともに協力いたしまして、現在案を練っておるというのが実情でございます。交通上の問題点というものにつきまして、後刻また行政措置を要するものと、それから行政指導でできるものというような工合に分けて書いておるのがございますので、御提出申し上げたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/90
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091・大倉精一
○大倉精一君 どっかの新聞にも、ちらっと出ておったんですけれども、警視庁の案に対する対案を運輸省として今作っておる、作業中であるということを聞いたんですが、それは対案を作っておいでになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/91
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092・向井重郷
○説明員(向井重郷君) 対案というような性質のものでは実はないわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/92
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093・大倉精一
○大倉精一君 運輸省案……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/93
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094・向井重郷
○説明員(向井重郷君) 交通規制全般に、運輸省として交通取締り上の案を当方で作成するというようなことも、そこまでの力も権限も実はないわけでございまして、そういうような意味で、ただ影響度その他については、運輸事業を監督しております建前から、十分にこちらで調査できるわけであります、そういうような点を加味して、ただいま申し上げましたような規制の原則というものに最も適当な案を作ってもらうべく、いろいろと運輸省としての考えを交通対策本部、あるいは閣僚懇談会という方面に申し述べまして、そういう案を作るべく努力をしているという次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/94
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095・大倉精一
○大倉精一君 大臣がおいでにならぬから次官にお伺いするのですけれども、新聞を拝見いたしますと、大阪は大阪でもって、また独自の車両規制をおやりになる、こういうふうに聞いております。これは私は非常に重大問題であって、路線トラック等に焦点を向けていくという場合におきましては、大阪は大阪、東京は東京というわけにはいかぬと思うのです、これは。
たとえばまあ昼間の乗り入れ禁止ということになれば夜間に入ってくる。そういう距離の附近まできていなければ、夜間に入ってこられない。大阪も同じような現象になっている。かりに大阪は、路線ばかりではなくて、市内の小型トラックを規制する、集配トラックまで規制するということまで考えておられるようですけれども、これは東京は東京、大阪は大阪、名古屋は名古屋という工合に、ばらんばらんにおやりになるということは、現在の道路運輸事情から言って当を得ないと思うのですよ。これは閣僚懇談会等において、こういう問題に対する規制なり、あるいはこの検討なりは、どういう工合に進んでおられるか。おわかりになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/95
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096・有馬英治
○政府委員(有馬英治君) 交通緩和の緊急対策について、閣僚懇談会でやっておりますことは御承知のとおりであります。運輸省といたしましては、したがいまして、この閣僚懇談会に主張すべきものを、そのつど用意してかかっているわけでございます。仰せの大阪、名古屋、あるいは東京、別々に規制をやっている。もちろん御趣旨のとおりでございまして、地方々々には、特殊な事情もございましょうけれども、交通制限の対策は、一元的であるべきことが望ましいと思っております。
さらにまた先般衆議院の本会議におきましては交通緩和に関する決議案が決定いたされまして、その中にも、そういうことがうたわれておりまして、政府といたしまして、特に運輸省といたしまして、そういう決議の御趣旨に従って、今後やっていきたいという考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/96
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097・大倉精一
○大倉精一君 まあ衆議院の決議もありましたが、私のほうでも、何らかの意思統一をしたいと思っておりますけれども、大臣にさっそくお伝え願いたいことは、大阪は大阪、東京は東京、大阪の警察は大阪の警察、東京の警視庁は東京の警視庁という、まあほとんど独自の案をやられるということであっては、これはいわゆる路線運行と言いますか、そういう面から非常な混乱を起こすと私は思っておりますので、その案は、やはり一定した方針がなければならぬと思うのですね。一定の方針のもとに、都市に特徴的なものをおとりになるのはけっこうなんですけれども、一定の方針がなければならぬと思うのですから、それは閣僚懇談会等において、勝手にやらないように、ひとつこの際、何といいますか、釘をさしてもらうということが必要だと思うのですが、これは大臣にぜひひとつ、お伝え願いたいと思います。
それから、今大体の原則について運輸省にお伺いしたのですけれども、初めのほうはいいと思うのですよ。経済生活に対する規制を最小限にして、交通緩和の効果を最大限にするということはけっこうだと思う。それから他の二つについては、弊害を公平にするということ、あるいは実行しやすいということ、これはまことにごもっともなようでありますけれども、私はこれは、もう少し踏み切ったものでなければならぬと思う。被害を一体どこに向けるか、どこに重点を置くようにするかという重点主義でないといけないと思うのですよ。交通戦争と言われているように、今は交通非常時なんですよ。この交通非常時に、経済生活には被害を最小限にして、交通緩和の効果を最大限にするというこの二原則の建前がありながら、被害を公平にするということは、これは私は少し間尺が合わぬのじゃないかと思う。この際私は、東京の道路なり、あるいは交通施策の整備される間においては、この施策を重点的に向けなければならぬ。これには私は当然公益優先ということを、これは原則の根源にしなければならぬと思う。公益優先。これがためには、個人の私生活に関するものは若干遠慮してもらうというような方針でないというと、個人の私生活のほうも公益のほうも被害を公平にするということになると、これは適当な措置ではないと思う。さらに実行しやすいという点については、これはごもっともな話でありますけれども、ともすればやすきにつきやすい。警視庁の案は、やすきについているわけですよ。自家用車を規制しなければならぬのだけれども、これはむずかしいから、トラックは簡単にやれるから、まずトラックをやってしまえということであっては、これは大へんな間違いだと思う。大へんな迷惑をすると思うんです。
ですから、この際やすきにつくんじゃなくて、実行しやすいというんじゃなくて、これはやはり実行もむずかしいけれども、苦労してもやるという、そういう気概がなければ実効を上げ得ないと思うんです。ですから、終わりの二つの原則は御検討願いたいと思う。
この前私は、商工会議所の都市の貨物輸送小委員会ですか、あそこへ傍聴に行ってきましたけれども、千葉大学の清水教授でありましたか、非常におもしろい意見を言っておりました。今、交通戦争と言われておるから、交通戦争のもとにおいては当然この対策は非常対策でなければならぬ、非常対策と言えば、公益優先はいわずもがな、こういうことを言っておりました。でありますから、私はこの際、前から主張しておったんですけれども、やはり公益優先という対策の筋を通してもらう。そこにやっぱり警視庁と若干異なった色あいが出てこなければいかぬと思う。ですから、きょうできていないというお話でございましたけれども、こういうものについては、警視庁がああいう案を発表したならば、この案によってどんな影響が出てくるかということは検討しておかないといけなかったのじゃなかろうかと思う。これはないというのですから、さっそくひとつ作ってもらいたいと思います。
そこで、私は自家用乗用車に限定して言うならば、これを買うなというわけには参りません。通行するなというわけには参りません。ですから、自家用乗用車を買って、熱海やあるいは箱根へ郊外ドライブを楽しむということは規制するわけにいきません。いきませんが、少なくとも都心に入ってくることを遠慮してもらうということは、これは精神訓話だけではいけませんので、自然に、都心に入ってきても仕方がないという状態を作り上げるよりほかに方法がない。ニューヨークにおいても、この前私は、国際観光協会のニューヨークの事務所長さんに会ってニューヨークの現状も聞いてきました。あるいは先般のラジオの「都民の時間」におきましても、パリの交通担当官が、パリの現在の交通状況においては、将来は個人交通から集団交通に移行するよりほかに方法はないということを言っておりましたが、それがために私は、この自家用乗用車が都心に乗り入れてくるのを制限する方法は、やっぱり都心におけるところの駐車その他の制限以外にないと思うんです。そういう方法をとるについて、まだ検討が進んでいないというんですけれども、どうですか、検討されて、いろんな方法があると思うんですが、その中で、たとえばこれこれの方法というようなお考えはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/97
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098・向井重郷
○説明員(向井重郷君) 大倉委員の御質問の御趣旨、まことに御同感なんでありまして、前段の公平の原則、また実行しやすいというような点につきましては、まさに私どもも、そういうことを考えておるわけなんです。
この交通規制にあたりましては、一体何を疎通させるために規制を行なうのかという根本的な議論があるわけです。おっしゃるとおり、産業経済、日常生活というものに必要なものを運ぶために交通規制が行なわれるということが根本的な問題であろうと思います。したがいまして、大倉委員の言われました公益優先ということは、最もこの際考えなければならぬことであろうというふうに私ども考えております。
したがいまして、そうなって参りますと、どうしても今言われましたような自家用乗用車、最もこれが多数の交通量を占めているわけです。そういう方面に規制を及ぼす以外に手はなくなって参るということも、これまたはっきりしているわけです。その手段といたしましては、やはり今大倉委員の言われました駐車禁止あるいは路上放置の取り締まりということを、さらに徹底して行ない、そうして道路の通行に対する道路の容量というものをさらに拡大するということが最も望ましい措置でありまして、交通規制のまず第一の前提とも言うべき、そういう駐車禁止、路上放置の取り締まりということが、まず第一に出るべき問題であろうと考えておるわけです
この点につきましては、当省の意見としても、それからまた交通対策本部のほうの取り締まりの要綱としても、こういう方向に向かって進んでいることと私どもも考えているわけでございます。具体的にどの地域かということになると問題になるわけでありますが、著しく交通が混雑しているという都心部の、そういうような部分がまず第一に対象になるべきものであろうと私どもは考えておるわけであります。
大倉委員のお考えに全く私どもも同感なわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/98
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099・大倉精一
○大倉精一君 これは警視庁のほうは、四月からやるといって現場が頑張っておりますから、早くいろいろな考えを出さないと、時期をはずれたんでは何にもならぬと思うのですね。
そこで、路上駐車禁止等が路面の幅を多くするというお話がありましたけれども、私は、路上駐車禁止あるいはその他の規制によって、目的は、そこへ乗用車を持っていっても用をなさないという状態を作る、たとえば三越なら三越に行くと、乗用車を置く幅がないので、どなたもお困りになっている。これは乗用車を持っておる人が困っているのであって、地下鉄で行く人は、何も困っていない。じゃどういうところへ行く。乗用車を置く場所をもっと広げたらいいじゃないか。そうすれば、有閑マダムは、口紅一本買うのにも、三越に行くことになるんです。これは建設省の方がいるようですから、お伺いするのですけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/99
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100・村松久義
○委員長(村松久義君) 大倉君、運輸省はここで一応区切りをつけて、それから建設省へ移りたいと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/100
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101・大倉精一
○大倉精一君 それでは建設省のほうは、あとでお伺いするとしまして、私は運輸省のほうに注文したいことは、まだ案ができていないようですけれども、自家用自動車ないしは自家用トラックとも言いますかね。今商店で、自動車を買うということが、税法上非常に得なんですね。ですから、どこでも買うようになって、小僧さん、と言っては失礼ですが、店員さんが乗用車と同じように乗り回しておりますけれども、これなんかも問題になると私は思うのですけれども、そういうものを都内に入れないというか、と同時に、郊外のある特定の場所に自家用乗用車なり、そういう駐車場の設備をやっぱり考慮しなければならぬと思うのです。
ですから、むしろ僕は、都心に駐車場の設備を考慮するよりも、郊外のある位置に駐車場を考慮しなければならぬと思うのですが、そういうことも運輸省として、対案と言いますか、方法も考えてもらいたい。今日の段階では、運輸省としてもまだ案ができていないといいますから、これ以上申しませんけれども、特にそういうことと、先ほど申しましたように、被害の公平ということは、これは慎重に考えてもらいたい。被害の公平ということは、まことにあっちにもこっちにも当たりがいいようですけれども、そういうことでは、なかなかこれは工合が悪い。やっぱりどこかのだれかが憎まれ者にならぬと、工合が悪いようですから。ですから、公益優先ということを考えなければならぬということと、それから実行しやすい−−実行しやすいということでなくて、実行できることと言ったほうがいい。実行できないことを考えたってしょうがありませんから。そういう点について、さらに検討を加えてもらいたい。早急にひとつお願いします。きょうはできていないといいますから、これ以上質問しません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/101
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102・有馬英治
○政府委員(有馬英治君) ただいま交通問題につきましては、交通対策本部並びに閣僚懇談会で案を討議しております。したがいまして、大倉委員のお説につきましては、ただちに本日、大臣に報告をいたしまして、閣僚懇談会で十分反映できるようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/102
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103・鳥畠徳次郎
○鳥畠徳次郎君 私、簡単に二、三、政務次官とそれから業務部長にお尋ねいたします。
交通緩和という問題、同時に交通規制という問題は、今や国をあげての大きな問題になっております。同時にまた、わが国の経済成長というものに対しても、多大な関連を持っておるというようなこと、これはいうまでもありません。また同時に、社会問題としても非常に大きな問題であろうと思いますが、私、きょうの当局から出された自動車の数ですかね、こういうような資料も、先ほどからちょっと見ておりますが、その他の資料、いわゆるデータの提出なんかにも非常に手間どっておるということですね。非常に交通規制、緩和がやかましくいわれる中には、いろいろの条件がたくさんあると思うのです。それはもう第一線の街頭の問題もありましょうし、また許可、認可という問題もありましょうし、またその中でも、貨物あるいは乗用車、あるいは自家用営業用という多岐にわたっておることは、これはいうまでもないことでありますが、大体にこの資料を見るというと、昭和三十二年から三十六年までの平均を見るというと、自動車の指数から見るというと三五〇−−三六〇になっておる。一〇〇の指数が大体三倍半になっておるということは、はっきりここに出てきておる。
そこでこの間からちょっと私は陸運関係の要員を調べてみたのですが、昭和三十年に本省で二百十八人の者が三十七年に三百十五人になったということ。それから陸運関係では三百八十九名の者が七年後に四百四十三名ですから、七年の間に五十人ふえたということです。そもそもこの日本のわが国の陸運局を設定したというような、必要なその実際の根本から考えても、これは車の数の増加するということは、これは当然のことで、非常にいいことなんです。ただ、これを取り締まるとかあるいは免許するとか、許可するとか、その他の一つの緩和をする、規制をするという問題であると、結局結論的に、やっぱり資料がなければどうにもならぬと思うのです。ただ、紙や無計画でやるものではないと思うのです。私は第一線の規制、緩和についてのいろいろの意見を持っておりますが、これは、この次の問題といたしまして、まず人が多いということは必ずしも能率が上がるということはいえないと思うのです。しかしながら、今の行政要員から見ると、昭和三十年を平均しますと一〇〇のものが一三一にしかなっていないということです。三割ふえた。それで自動車の数が三倍半になっておるというところに、これは大きな一つの欠陥があると思うのです。
こういう点について今日まで、これは今の運輸省の皆さんだけじゃなく、ここ何代かの運輸行政の面においてなり、大蔵省なり、関係方面へ人員の要求なんかは、どのくらいやっておったか、それに対して、一体どのくらいの増員を認めたものかというようなことについて、ひとつ数字で示してもらいたいということ。また同時に足りないということは、よくわかっておられると思うのですが、われわれ横から見ておってもわかるのですが、しかしそれに対して運輸省が手をつかねて黙って見ておるということはないと思うのです。今日までの、その増員に対する折衝の経過は、どうなっておるかということを、ここでひとつ政務次官から承りたいと思うのです。
もう一つ簡単に申し上げます。いわゆる要員の獲得ですね。それから先般運輸委員会で祝田橋から、汐留、札ノ辻の現場の視察をやったときです。そのときに、実際に交通整理に当たっておる人の定員から見ると、札ノ辻なんか一日に二人のおまわりさんが一時間交代にやっておるという状態なんです。それで大体一日にどのくらい通るかといえば、大体十二、三万台通っておる。十万台、十二、三万台の交通があるにもかかわらず、二人や三人の交通整理のおまわりさんでは、これは交通事故が起こるのは当然だし、また健康上から見たって、あのどんどんと排気ガスを吸って、それで一時間や一時間二十分交代でやるということは、あまり過酷な、人情を無視した行き方じゃないか。これは運輸省に申し上げるのではありませんが、これはひとつ警察庁の長官のほうに、あなたのほうとの関連がどういうふうになっておるか。これはほかの、運輸省の所管でないから、われわれは関係がないという問題ではないだろう。あくまでも一貫した関連性を持っておることは、これは言うまでもない問題である。
こういう問題について、今日まで警察庁とあなたのほうと、どういう折衝があったか。それから今後この規制あるいは緩和あるいは事故の絶滅というような観点から考えて、これに対して、どういうふうに対処しようというお考えであるか、この二点について政務次官並びに業務部長の所信をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/103
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104・有馬英治
○政府委員(有馬英治君) 要員の問題について、運輸省の立場だけから申し上げますと、自動車行政は仰せのとおり、結論的に申しますと、機械化する面というものは、きわめて少ないのでございまして、結論は、やはり人間を必要といたします。しかも技術のできたものが必要でございます。したがいまして、そういう観点から三十七年度予算編成にあたりましても、所要の人員を要求したのでございますが、御承知のように、今回政府におきましては、行政管理庁を中心にいたしまして定員は増加しないという大原則を立てて予算編成にあたりました。私ども運輸省といたしましては、少なくともこの自動車行政だけは別である、普通の各省の定員増加とは性質を異にするということで、種々強調いたし、また財政当局とも、またその他関係各方面に強調したのでございますが、できるだけ今年度は定員をふやさない、必要がある場合に、省内における配置転換その他人事の融通によって解決をしていけというようなことで、若干の要員は増加いたしたのでございますが、仰せのように十倍、しかもその一割、十分の一の増員で、要員については、自動車の増加率に比べて全く問題にならない状況でございまして、それをカバーするのがとうてい足りないような現状でございます。今後この点については、一そう関係方面に対して、実情をさらに強く訴えて、後年度に向かって要員の整備に努力していきたいと思っております。なお詳細のことにつきましては、業務部長からお聞きとりを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/104
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105・向井重郷
○説明員(向井重郷君) 定員の増加の折衝経過というものにつきましては、今政務次官のお答え申し上げたとおりであります。各年度の実は要員の数でございますが、これはちょっと、今資料を持ち合わせておりませんので、三十七年度五十九、昨年度が七十幾つというようなことで、これにはまた、臨時職員を定員に振りかえるというような問題も含んでおりますので、その数字をもう少し確定いたしましてから、後刻資料でもって御報告申し上げたい、御了承を願いたいと思います。
それから交通事故の防止、たとえば交通整理の警官などとの関係ということでございますが、私のほうでは事故防止につきましては、まず第一に、車両検査というものをみずから運輸省の手で行なっているわけであります。きわめて厳重に検査を実施しております。そのために昨今は車両の欠陥に基づく事故というものは逐年減少しております。自動車千両当たりの事故というようなもので見ましても、非常な減少率を示しているわけでございます。そのほか自動車の整備工場のほうの整備の技術を監督するというようなことで、その方面でも相当の実績を上げておるものと私どもは確信しております。
それで路上における最近増加しております自動車の事故でありますが、これは主として、やはり運転関係の若年者あるいは未熟者というようなことに原因しているわけで、警視庁のほうにおきましても、めいてい者の取り締まり——昨今免許証の取り上げを含む相当強力な取り締まりを実施しておることは御存じのとおりでございます。警官の配備その他につきましては、それぞれ必要に応じて取締り当局において指示しているわけでございます。その点については、配備計画その他については、私どものほうでは詳細承知しておるということではございませんので、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/105
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106・鳥畠徳次郎
○鳥畠徳次郎君 ただいま政務次官の御答弁によりますと、いろいろ要求しておるが充足はなかなか困難だと、私も実際の国民負担、国民経済というような点から考えれば、決して増員を必ずしも期待するものではありませんが、今の運輸、ことに陸運行政から考えると、これは好むと好まざるとにかかわらず、重大な時期にぶつかっておると思う。それで、ただいま次官の御答弁の中に配置転換云々ということがありましたが、そういう御計画は実際おありでありますか。おありならば、いつごろから、そういうふうにやられるか。私はたいへんしつっこいように申し上げますけれども、最近の陸運行政の面の許可、認可、あるいはまた届出というようなものは非常に渋滞しておると思う。早いので半年ぐらいかからなければ、どうにも答えが出ない。ずいぶん長いものになるというと、一カ年あるいは二カ年も出先の陸運事務所であるとか、あるいは陸運局で、机の中に入れっ放しになっておるということは、これは、そういう人員の問題からもくるし、もう一つ、そいつは実際に経済の面に密着しておるから、すべての事務が停頓してしまうのです。イエスかノーかはっきりしなければ、そういう点は、どこへいっても、今こういう仕事をしておるから、この仕事が終わらなければ、これにかかれないというようなことばかり言うておる、出先の陸運局では。それでは、ほんとうの経済成長なんて、それはから念仏に等しいものなんで、何といっても、これは重ねて皆さんの御奮起を願って、そしてひとつ人員も必要人員を獲得する、そしてさっき大倉委員の要求されたような資料を、すべてそういうデータを立ちどころに三日か五日の間に、どんどんとこの委員会なんかに提出できるようにしてもらわなければ、全く行きあたりばったりで無計画で陸運行政をやられたら、これはたいへんだと思う。
それからまた、内閣全体で見て、増員はまかりならぬ——一応原則としてはけっこうだと思いますが、さらに最近盛んに言われておる低開発地方の開発というようなことと同じことで、いわゆるそのときによって取捨選択をして、そして重点的に仕事をやるということは、これは当然だと思う。そういう点に、もう少し運輸省は大胆に内閣のすべての最高機関にタッチするというような気がまえでやってもらわなければ、運輸行政は船舶といわず海運といわず陸運といわず、すべてが経済の基本であろうと思う。こういう点に対していつも、まま子扱いにされているような感じがするので、はなはだ私は遺憾に思っております。
こういう点は、いずれかの機会に大臣の一応所信を承りたいと思いますが、どうか皆さんのほうでも、さようにひとつ御強調願わなければならぬと、かように考えて、私はこれで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/106
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107・有馬英治
○政府委員(有馬英治君) 鳥畠委員から、懇切な激励の言葉をいただきまして、まことに感謝にたえない次第でございます。
配置転換はやっておるかという今御質問でございますが、これは政府が今回の予算編成にあたりまして原則として打ち出したことでございまして、私どもも、その趣旨に決してそむくものではございませんが、遺憾ながら自動車行政につきましては、配置転換は運輸省といたしましては、なかなか困難な実情でございます。したがいまして、与えられた定員の増加で最高の能率を発揮する以外に方法はございません。したがいまして、御激励のお言葉にございましたように、今後は一そう、定員の増加に努力をいたすつもりでございます。同時にまた、一般論といたしまして、運輸省の地位について御激励の言葉がございましたが、全く同感でございまして、今日運輸省並びに運輸大臣の地位というものは、経済行政の上で最も重要な地位であると私どもは確信いたしております。
したがいましてお説の趣旨に従いまして、一そう奮闘するようにあらゆる努力をいたします。またお説につきましては、直ちに大臣にも御報告いたしまして、そういった実効が上がっていくように努力いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/107
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108・向井重郷
○説明員(向井重郷君) 鳥畠先生の行政事務の遅滞という点についての御質問でございますが、まことにごもっともな次第でございます。現在までバスの路線の事案、その他を初めといたしまして、相当に免許事務が停滞をしておるわけでございます。私どもも、その処理に苦心をしておるところでございます。私どもは現在千百件ばかりバスの事案がございますが、このたまっておりますものを一掃するために、特段の手を今打っております。要すれば、三月末を目途として、従来たまっておりましたものを一掃したい。そういうような工合に地方陸運局を督励して調査を完了し、これを本省において処理をしたい。できることならば、一掃をしていきたい。新年度からは、そういう処理を完了しました上で、現在本省にあります大臣権限事項となっておるものを大幅に地方陸運局に委譲いたしまして、いたずらに地方陸運局と本省の間に、文書が往復して時間を空費するというようなことのないように、さらに事務手続を訓令などで明確化いたしまして、現在たまっている事案の一掃を期し、スピード・アップを心がけていきたい。
今、鳥畠先生の言われましたようなことは、新年度から、これをなくすという決意で今仕事を進めておりますので、何とぞ今後ともひとつ、御支援のほどをお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/108
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109・村松久義
○委員長(村松久義君) 運輸省に対する御質問は、これでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/109
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110・大倉精一
○大倉精一君 建設省の参事官にお伺いしたいと思います
近く提出を予定されておりまする駐車場法案について、この意図、目的について、概要をひとつ御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/110
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111・鶴海良一郎
○説明員(鶴海良一郎君) 駐車場法の改正につきまして建設省は検討を重ねてきたわけでありますが、近く閣議を経まして、国会の御審議をお願いすることになると思います。
現在建設省で考えております駐車場法の改正点について概略申し上げますと、まず第一に、駐車場整備地区についてでございますが、この駐車場整備地区と申しますのは、現在の法律では、自動車交通の輻湊する地区におきまして、この整備地区を指定いたしまして、この指定がありました場合におきましては、取りあえずは、路上の駐車場施設を整備いたしまして駐車の規制をいたしますが、計画的に路外の駐車場を作って参りまして、逐次路上駐車を路外の駐車に移していこう、そういう地区でございます。
ところが、現行法におきましては、この地区は、建築基準法に定めております商業地域にだけしか指定ができないというふうになっております。この駐車場法施行以後の実情を見ますと、これでは非常に不十分であります。これを周辺まで広げまして、周辺においても、路上の駐車を減らしていきまして、路外の駐車場に移していくということをする必要があるという判断をいたしまして、この点につきましての改正を行ないたいというのが第一点であります。
それから第二点でありますが、現在駐車場法によりまして、大規模建築につきましては、建築をいたします場合に、駐車施設を付置しなければならないというふうに、公共団体の条例で定め得るようになっております。この条例で定め得まする範囲でありますが、地域的に申しますと、先ほど申し上げました駐車場整備地区と、それからその周辺、それにつきましては、条例で駐車施設の付置義務を課し得るということになっております。また、規模について申し上げますと、面積が三千平方メートル以上のものについて義務を課し得るというふうになっております。これを若干強化する必要があるという認識に立ちまして、今度の改正におきましては、区域並びに規模につきましても、条例で義務を課し得る範囲を広げたいというふうに考えておるわけでございます。
どういうふうに広げるかと申しますと、現在付置義務を課し得る区域は、先ほど申し上げましたように駐車場整備地区とその周辺となっておりますが、今度は、まず第一に駐車場整備地区と、それから商業地域全般につきまして、そういう義務を課し得る、駐車場整備地区に指定されておらない商業地区につきましても、そういう義務を課し得るようにしたいというふうに考えておるわけでございます。と同時に、それらの地域以外の地域につきましても、特に駐車需要を増すような用途に使われる建物につきましては、条例で付置義務を課すことができるようにしたい。こういうふうに義務を課し得まする区域を広げております。
それから規模でありますが、現在三千平方メートル以上の新築、増築について義務が課されておりますが、先ほど申し上げましたような、特に駐車需要を増すであろうような用途に使われるものにつきましては、三千平方メートル以上のものにつきましても、条例の定めるところによりまして義務を課し得るようにしたい、こういうように改正したいわけであります。なお、従来は用途がえにつきましては、何ら規制がなかったわけでございます。今度は、用途を変更する場合にも、同様に付置義務を課し得るようにしたい。この二点が、今度の改正案の眼目になっております。
そのほか、技術的にいろいろ改正を考えておりますが、たとえば一級国道の指定とか、これは道路法によりまして建設大臣が管理しております。ところが、駐車場法におきましては、道路管理者たる公共団体だけが路上駐車場の設置ができるようになっておりまして、指定区間につきましては設置をする主体がなかった。今度は、そういう国が直轄管理しておりますものにつきましても、公共団体が路上駐車場を設置できるようにする。あるいは都の場合について申し上げますと、たとえば、ある駐車場整備地区の中には、いろいろな種類の道路が入っております、都道あり区道あり。これをばらばらに路上駐車場を設置いたしたのでは統制がとれませんので、その場合には都でまとめて、そういう施設を作っていくというふうな特例を設ける、そういった技術的な改正を考えております。
なお、路外駐車場の設置につきましては、非常に多額の金が要るわけであります。これにつきましては、国は都市計画として決定されたものにつきましては、資金の融通またはあっせんに努めなければならないということを明らかにするというふうな改正を考えております。
以上が、今考えております改正の骨子でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/111
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112・大倉精一
○大倉精一君 要するに都市における駐車場を、さらに批大しよう、広げようという趣旨だと思うのですがね、中身は、いろいろあると思うのですが、そういう目的だと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/112
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113・鶴海良一郎
○説明員(鶴海良一郎君) 駐車場と申しますか、特に路外駐車場の整備を促進しあるいは建物に付置する駐車施設の整備を促進するという趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/113
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114・大倉精一
○大倉精一君 これは建設省は、都市交通規制の問題ですね、混雑緩和と非常に密接な関係のある問題だと思うのですよ。そういう点について、たとえば運輸省なりあるいは警察庁なりあるいは閣僚懇談会なり、そういうところとの連絡は、どうなっておったのですか、これはやはり協議をされたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/114
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115・鶴海良一郎
○説明員(鶴海良一郎君) 内閣に置かれておりまする交通閣僚懇談会でございますが、これは、建設大臣もその一員になっております。またその下に、事務局も事実上置かれておるのでありますが、これまでにも建設省から一人出ております。それでこの駐車場法の改正の骨子につきましては、そういう機関を通じまして、閣僚懇談会にもお諮りしまして了承を得ておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/115
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116・大倉精一
○大倉精一君 これは大臣がおいでにならぬから、今、ここで政策的なものについてお尋ねをするのもどうかと思うのですけれども、私個人の考えとしましては、都心に駐車場を設けるということは、よほど検討しなければならぬと思うのですよ。
先ほどもちょっと私は触れましたけれども、自家用乗用車等の都心へ入ってくるもの、これは不要不急の自家用乗用車ですよ、入ってくるものを制限しようとする場合には、駐車施設の問題、駐車規制の問題が非常に大きな関連性を持ってくるのですね。ですから都心に駐車場を作る、あるいは広げようとすることによって、さらに都心に、そういう乗用車を誘致をする結果になる。むしろ駐車場を作る義務を負わせるというならば、都市交通の政策上関係各省庁が十分連絡の上、郊外といいますかね、そういう所要の場所に所要の駐車場を作る、こういうことをやはり交渉されるのが、東京都の場合においては至当じゃないかと思うのですね。これは、あなたになにしてもしようがないと思うのですが、私はこの際、先ほど申しました千葉大学の清水教授の言を借りれば、東京都の都市交通は、世界で最もまずい、劣悪だと言われておるけれども、そうじゃない、世界で最も優秀なる都市交通だという話をしておられました。その理由は、
一千万人という人口は、名実ともに世界一だ、何といったってこの一人万人の人間を動かし、これに必要な物資を東京都は動かしておる、具体的に。しかも東京都の道路面積は一〇%にも足りない、世界で最も劣悪なる道路面積で、この劣悪なる道路面において、世界一の人口を抱えて動かしておるということは、これはもう東京都の交通というものが世界で一番だ、何もニューヨークやロンドンへ行く必要がない、日本にいらっしゃいということを言いましたが、私は、これはその秘訣は、どうしてこんなたくさんの人口を、こんな狭い面積で動かしておるかといえば、これはやはり、日本の東京では大衆交通機関というものが発達しておる、それ以外にないのです。この大衆交通機関が発達しておるという東京の交通を今度は、そうじゃなくてアメリカの思想の輸入によって、いわゆる自動車文明の謳歌時代に入ってきた。われも自動車、あれも自動車、マイ・カー、マイ・カー時代が謳歌されて、そうして、わずか一〇%にも足りないような道路の東京の中で、個人の自動車の個人交通がどんどん出てきた。これは私は、アメリカ式の都市交通政策を取り入れた失敗だと思うのです。アメリカにおいても、自動車交通は、ニューヨークあたりにおいても失敗だ。これはもう行き詰まっておるといえるのですね。ですから、今日の行き詰まりは、私はこの東京都の大衆交通機関によるところの都市交通政策というものから、アメリカ式の自動車による交通というものを取り入れた、その結果が、今日のふん詰まり状態を来たしていると思うのです。
ですから、それを是正しなければならぬ。今、都心に駐車場の法案というものを作って、そうしてここへ、ますます乗用車を誘致するような方策をとるということは、これは現在の交通政策の私は大きな矛盾だと思うのです。これはひとつ、近々に閣議に了承を得て提案されるということですけれども、これは運輸次官、さっそく大臣にもお伝え願いたいと思うんだが、閣議決定を、ちょっと控えてもらいたいと思う。これこそ閣僚懇談会において、いわゆる都市交通の規制の面と関連しながら、この法案というものをさらに検討されて、それから閣議に移してもらいたいということを強く私は要望したいと思う。これを建設省の独走でぽっと出して、提案したいというようなことはつつしんでもらいたいと思う。特に川島長官も、最近トラック業者の大会か何かで、どこかへ行かれまして、東京都内には国有地が七十万坪もある、これを開放して駐車場を作るというようなことを川島長官も言っておられるが、これはたいへんな私は錯覚じゃないかという気がするのです。
そういう点で、今、参事官から答弁があるようですから、御発言をいただいて、運輸次官は、ぜひこの駐車場法案というものは、現在問題になっている都市交通と関連しながら検討してもらうということで、閣議決定、国会提出ということを、少し待ってもらいたいということです。参事官のほうから、何か御発言があると思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/116
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117・鶴海良一郎
○説明員(鶴海良一郎君) 建設省が、独走してこの法案を作っているというお話でありますが、その点は、そうでないので、先ほども御説明しましたように、やはり閣僚懇談会において御了承を得た上で、進めているという点をひとつ御了承願いたいと思います。
それから、駐車場を作るということが、都市交通の混雑に拍車をかけているという御趣旨なんですが、そういう面もあるかと思います。ただ、建設省といたしましては、現実には駐車場があるわけですが、それが路上にあることは好ましくない、将来は路外に持っていきたい。その路外の位置につきましては、いろいろ意見があろうと思う。都心に作るよりは周辺がいいだろうとか、いろいろありましょうが、現実に都心において、路上に駐車場があるということが、これは交通能力をダウンさせておりますゆえんでもありますから、それを排除したいというねらいを持ってやっておるのでございます。交通緩和の一助にはなるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/117
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118・大倉精一
○大倉精一君 交通関係の閣僚懇談会で了承を得たというお話ですが、これは私は、先般新聞で承知したのですけれども、運輸大臣が衆議院の予算委員会かどこかにおいて、都心における駐車場の拡張建設は、これは都心に車を誘致する結果になるので、必ずしも拡張を考えていないという発言があった。それを、翌日か何かに、新聞にぽかっと駐車場法案を出すということが出たわけです。それで私は、これはおかしいという気がしたのです。ですから、その点がどうも、私は了解ができないのです。
ただ、今のお話で、路上駐車は好ましくないから、これを路外駐車にする、その場所は、都心にするか郊外にするかということは検討するというお話がありましたから、それは了解するわけですけれども、どうもさっきの発言によりますと、都心における駐車の設備の拡大、たとえば基準も拡大させる、確かに自動車に乗っている者にとっては、これはもっと駐車場がないというと、実際困るのです。今東京では、自家用車に乗っていきますと、駐車場がないから、飯を食うにも困るのです。困るけれども、だから今検討しているのは、路上駐車を禁止する。こうなれば路外駐車場もないから、だからこれは乗用車に乗っていっても用が足せないから、地下鉄で行くかバスで行こうかということになるわけです。それがためには、当然路面電車の車両もふやす、あるいはバスの台数もふやす。あるいは二階建てのバスというようなことも、いろいろ並行して考慮しなければなりませんけれども、そういうことを検討している最中に、あなたのほうが都心に駐車場を設けるということになると、少しちぐはぐになってくる。警察は警察、建設省は建設省、運輸省は運輸省のばらばらの考えになってくる。今私は運輸省のほうに要求して、交通緩和の施策として、一体、警察の言うところの対策を立てたならば、ああいう規制のもとに、どういう影響があるか調べてみたい、それについて、さらに運輸省としては、交通調整という面において、運輸省としてはどういう案があるか、ひとつ考えていただきたいということをやっている最中ですから、これは次官、ひとつ直ちに閣僚懇談会、閣議決定、国会提出ということではなくて、やはりもう一回閣僚懇談会に持ち出して、総合的な現在の段階における交通規制の問題に関連しながら再検討するように、大臣にお伝え願いたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/118
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119・有馬英治
○政府委員(有馬英治君) 閣僚懇談会における相談の実情につきましては存じませんが、今、大倉委員から仰せの点につきましては、直ちにその意のあるところをお伝え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/119
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120・大倉精一
○大倉精一君 きょうは時間もあまりないようですから、これで終わりますけれども、この次の委員会に、閣僚懇談会の座長は三木さんですか、行政管理庁長官をやっておいでになる川島さんも入っておいでになると思います。これは各省庁間にわたっておりますので、川島さんに、この次の委員会に御出席を願いたい。要求をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/120
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121・村松久義
○委員長(村松久義君) ただいまの御要求は、理事会を開いて決定いたしたいと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/121
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122・村松久義
○委員長(村松久義君) この際、小委員会の設置についてお諮りいたします。
本日の委員長及び理事打ち合わせの結果、今国会において、最近の都市交通の諸問題の調査をいたしておりましたが、その取りまとめのため、都市交通に関する小委員会を設置いたしたいと存じます。ただし、小委員会及び理事会において取りまとめのため必要ありと認めました場合においては、さらに進んで調査をすることができることは当然でございますので、さような趣旨において小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/122
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123・村松久義
○委員長(村松久義君) 御異議ないと認めます。
つきましては、委員の数、小委員名及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じます。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/123
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124・村松久義
○委員長(村松久義君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。
本日は、これにて散会いたします。
午後零時四十分散会
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二月二十日本委員会に左の案件を付託された。
一、特定船舶整備公団法の一部を改
正する法律案(予備審査のための
付託は一月二十九日)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X00819620222/124
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