1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年三月八日(木曜日)
午前十一時二十分開会
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出席者は左の通り。
委員長 村松 久義君
理事
天埜 良吉君
金丸 冨夫君
谷口 慶吉君
大倉 精一君
委員
江藤 智君
重宗 雄三君
天坊 裕彦君
鳥畠徳次郎君
平島 敏夫君
前田佳都男君
坂本 昭君
松浦 清一君
白木義一郎君
国務大臣
運輸大臣 斎藤 昇君
国務大臣 安井 謙君
国務大臣 川島正次郎君
政府委員
運輸政務次官 有馬 英治君
運輸省海運局長 辻 章男君
運輸省船員局長 若狭 得治君
運輸省港湾局長 坂本 信雄君
郵政省電波
監理局長 西崎 太郎君
事務局側
常任委員
会専門員 古谷 善亮君
説明員
運輸省港湾
局参事官 岡田 良一君
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本日の会議に付した案件
○特定船舶整備公団法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○船舶職員法の一部を改正する法律案
(第三十九回国会内閣提出)(継続案
件)
○運輸事情等に関する調査(都市交通
に関する件)
○参考人の出席要求に関する件
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001・村松久義
○委員長(村松久義君) ただいまより委員会を開会いたします。
特定船舶整備公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
前回に引き続き質疑を行ないます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/1
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002・大倉精一
○大倉精一君 前回におきましては、公団法の恩恵を受ける資格の認定、範囲等について不明の点があったので、このきょうの委員会で明確にしてもらいたい、こう要望しておきましたから、この点について説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/2
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003・坂本信雄
○政府委員(坂本信雄君) 港湾はしけなどの対象業者と港湾運送事業法上の免許のことについて御説明申し上げます。
港湾はしけ等の対象業者としては、免許業者の中から選考することが望ましいのでございますが、既存登録業者におきましては、申請の期限がことしの九月末まで有効でありますので、現在大半の港湾運送事業者は、免許申請を行なわずに登録のままで事業を営んでおる現状でございます。それで、本改正法律案におきましては、附則で、港湾はしけ等の共有事業者として従来の登録業者をも含めております。共有事業者等の選考は、公団が個々の業者について行なうものでございますが、運輸省といたしましては、はしけなどが著しく不足している港湾を対象といたしまして、また共有事業者といたしましては、法律で定められております資金調達の困難な港湾運送事業者等で、かつ、はしけ等の使用料の支払いの確実なものを考えております。登録事業者につきましては、はしけなどの共有の対象となった者が、あとで免許を受けられなくなっては問題でありますので、港湾はしけ等の船主決定にあたりましては、当方と公団と緊密な連絡をとりまして、登録事業者については港湾運送事業の免許の審査の内規を持っておりますが、それに照らしまして十分審査をいたしまして、免許が受けられる者に限って割り当てることにいたしておりまして、今後問題の生ずることのないようにいたす所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/3
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004・大倉精一
○大倉精一君 まあ大体免許の申請についての方針が、今の発言でもってわかったわけでありますが、もう一つお伺いしておきたいのですけれども、当事者として非常に重大な問題が起こるんじゃないか、というのは、十月一日が登録から免許の切りかえなんです。おそらくそのまぎわになって申請書類がどっと殺到する。そういう場合の事務処理について非常に困難があると思うのですが、そういう点についての対策は立っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/4
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005・坂本信雄
○政府委員(坂本信雄君) 港湾運送事業者のほうは、申請を九月末日までに出せば現在の営業上何ら支障がございませんので、なかなか積極的に申請をいたして参っておりません。われわれといたしましては、審査の内規も示しまして、できるだけ早く申請を出すように指導しておりますが、現在の段階では、まだはかばかしくない状況でございます。なお、今後一そう申請を早く出させるように努力をして参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/5
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006・大倉精一
○大倉精一君 ちょっと速記をやめて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/6
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007・村松久義
○委員長(村松久義君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/7
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008・村松久義
○委員長(村松久義君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/8
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009・松浦清一
○松浦清一君 この前の委員会に欠席をいたしまして、ほかの委員から御質問があって、答弁があったかもしれませんが、これはもう公募を始めているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/9
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010・坂本信雄
○政府委員(坂本信雄君) まだいたしておりません。まだ法律が通っておりませんので、いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/10
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011・松浦清一
○松浦清一君 申請がまだ出ていないというのはどういう意味のことですか。今あなたの発言で、そんなようにおっしゃったんですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/11
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012・坂本信雄
○政府委員(坂本信雄君) 今のは港湾運送事業法上の問題でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/12
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013・松浦清一
○松浦清一君 わかりました。
これは法律が通りましたら、即日公募をいたしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/13
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014・坂本信雄
○政府委員(坂本信雄君) 実際の選考を個々に行ないますのは公団でございまして、この法律が通りましてから公団と協議いたしましてやることになりますが、即日というわけには参らないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/14
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015・松浦清一
○松浦清一君 まあいつこれは本会議を通るかわからぬでしょうが、成立をしましたらどのくらいの期間をおいてこれを公募をする御予定でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/15
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016・坂本信雄
○政府委員(坂本信雄君) 法律が通りましてから、実際の資金を大蔵省のほうから公団のほうに回してもらわなければなりません。それからになりますので、今は、まだ予測が私どものほうとしてはいたしかねております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/16
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017・松浦清一
○松浦清一君 大蔵省の指示とはどういう指示でございますか。予算が通りますね、そうすると、はしけを作るのに予算をどう使うかという指示が大蔵省から重ねてあるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/17
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018・坂本信雄
○政府委員(坂本信雄君) 審査のほうは運輸省が方針を示しまして公団がいたしますが、法律が通りますと、資金運用部資金を公団のほうに回してもらうことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/18
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019・松浦清一
○松浦清一君 そうすると、公団が自主的に公募を開始して選考するというのじゃなくして、やはり大蔵省が資金の使い方についての干渉をするわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/19
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020・坂本信雄
○政府委員(坂本信雄君) 参事官のほうが詳しいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/20
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021・岡田良一
○説明員(岡田良一君) 公団では業務方法書を作りまして、それについて大蔵省の承認が要るのですが、業務方法書がきまれば、あとは公団が自分でやるということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/21
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022・松浦清一
○松浦清一君 業務方法書、それはどういう性質なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/22
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023・岡田良一
○説明員(岡田良一君) 公団が公団の業務をやる場合に、どういうやり方でやるかということをきめまして、それを政府の承認を受けてやるということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/23
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024・松浦清一
○松浦清一君 そうすると、その選考の基準を出すわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/24
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025・岡田良一
○説明員(岡田良一君) 基準等はその中には入らないと思います。実際の仕事のやり方だけで、基準はそこには入らないわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/25
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026・松浦清一
○松浦清一君 選考の基準というのはどういうところに置かれる御予定ですか。たとえば資本の内容だとか、現在やっておる業務の内容だとか、そういうもののこれは適格であるとか、不適格であるとかいう基準はできると思うんですがね。それはどういうところに基準を置かれる御予定なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/26
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027・岡田良一
○説明員(岡田良一君) これはまだ詳細には決定いたしておりませんが、先ほど局長から申し上げましたように、資金の調達の困難なものであるということが一つの要件になります。その次には、やはり国の資金を貸すわけですから、十分償還が確実であるということが一つの要件になります。そのほかに、先ほど申しました免許等の関係を考慮いたす必要がありますが、その他の詳細の点につきましては、公団と運輸省がよく相談をいたしまして今後決定いたすわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/27
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028・松浦清一
○松浦清一君 資金の調達困難というのはまあわかるのですがね、どの程度のことを指しておられるのでしょうね。戦標船は最初それをやろうとしたときには、今おっしゃるように資金の調達困難の者にやるのだと。そして開銀のほうから融資を受けられる者についてはこれからはずすのだ、そういう形でやり始めたところが、ちょっと旧債が多過ぎるとかなんとかいうことで、借金の多い者は選考から漏れたのですね。資金の困難というのはどの程度なら適格者として認められるか。お前は借金が多過ぎてだめだということがおそらく起こり得ると思いますが、それは何か方針がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/28
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029・岡田良一
○説明員(岡田良一君) その点につきましては、まだ、どの程度の借金があればどうというようなことについては、公団と打ち合わせをしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/29
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030・松浦清一
○松浦清一君 そうするとこれが通りましてもだいぶ暇がかかりますね、そういう基準等を大蔵省と相談してきめられるというなら……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/30
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031・岡田良一
○説明員(岡田良一君) 全然新しい制度ではありませんので、今まで定期船、旅客船なり戦標船について仕事をやっておりますので、大体それにあまりはずれたことはやらないと思いますので、全然新しい制度をやるほど時間はかからないと思いますが、まあ若干の時日は要すると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/31
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032・松浦清一
○松浦清一君 そうしますと、その選考基準は戦標船等の選考基準に準じてやるのだと、こう了解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/32
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033・岡田良一
○説明員(岡田良一君) まあ戦標船とか旅客船のやり方を参考にしまして、また港湾運送業としていろいろ特殊性もありますので、そういう点も考慮に入れてやることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/33
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034・大倉精一
○大倉精一君 大臣にお伺いをするのですけれども、公団法に関連をして当委員会では別段附帯決議をいたしませんが、ただ衆議院におきましては別途この問題に対する要望決議がされておりますが、これに対する大臣の所見をちょっと伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/34
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035・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) 衆議院の運輸委員会におかれましては、船舶公団法の改正にあたりまして、はしけ、引き舟等だけでなしに、今後港湾荷役の能率を増進せしめるためには荷役の機械というものを整備をする必要がある。これについてもはしけ、引き舟同様に措置をして、港湾荷役の能率を増進すべきであるという決議をいただきました。私ども、当時公団法改正にあたりまして、やはりそういうような考えをもって進んだわけでありますが、今回の予算その他の折衝にあたりまして、まず第一歩前進という意味で、荷役機械の点は見送らざるを得ないことになりました。しかし、これでよろしいとは思っておりません。この次には最善の努力をいたしまして、この方面にできるだけ近い機会に実現のできるようにいたしたい、かように存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/35
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036・大倉精一
○大倉精一君 そうしますと、できるだけ近い機会に荷役機械等についても、はしけ、引き舟と同じように資金調達困難な面については政府においてめんどうを見ていくんだと、そういう措置をやっていくんだと、これはこの公団でやらせるんですか、あるいは別にお考えになっているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/36
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037・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) 今日の融資の方法、開銀とかあるいは中小企業金融公庫等の資金のあっせんをはかりますことはもちろんでございますが、しかし、できるならば公団の形でやりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/37
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038・大倉精一
○大倉精一君 それはやはり法的な裏づけがないといかぬと思うんですが、そういうものもお考えになって、もちろん国会あたりにお出しになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/38
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039・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) 来年——この次の機会に、できるならばこの公団法の改正をする努力をいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/39
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040・大倉精一
○大倉精一君 さらに、さきにも私はいろいろお尋ねをしておったんですけれども、ピーク時におけるところのはしけの補充ですね、つまり予備はしけといいますか、これは非常に方法は困難だと思いますけれども、これは何らかの方法で考えなければならぬと思うんですけれども、荷役機械同様に何らかこういうことも考える必要があると思うんですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/40
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041・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) 全く私もさように考えます。十分検討をいたしまして適切な方途を考えたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/41
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042・大倉精一
○大倉精一君 そういうことを近い将来においておやりになることは非常にけっこうだと思うんですが、さらに進んで、せっかくの機械あるいはせっかくのはしけ、そういうものを有効に運用するがためには、その他の万般の措置を併用しなければならないわけですが、なかんづく私は労務管理と背後輸送の関係が非常に重大だと思うんですけれども、むろん倉庫、置き場等の関係も、あるいはバース等の関係もありますが、背後輸送、労務関係に特段のひとつ配慮を願いたいと思いますが、それに対する御意見を最後にお尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/42
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043・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) ただいまの点につきましては、前回の委員会で私が申し述べましたとおり、御意見全く同感でございます。この点についても全力を注ぎたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/43
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044・村松久義
○委員長(村松久義君) ほかに御発言ございませんか。——御発言がなければ、質疑を終局し、討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/44
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045・天埜良吉
○天埜良吉君 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております特定船舶整備公団法の一部を改正する法律案につきまして賛成の意を表するものであります。現在わが国の主要港においては船込みの現象が著しく、そのために国際収支、国内生産その他わが国の国民経済の上に種々の悪影響を与えているのでありまして、その大きな原因の一つに、はしけ不足があげられるのでありますが、本法の施行により、このはしけ、その他の港湾運送用船舶の急速な増強ができるわけであります。
船込み解消のためには、岸壁、ブイ等の設置により、バースを増すこと、あるいは保管施設の増強あるいは労務の確保とか荷役機械の整備、はしけの増強等の総合的な施策の推進が必要であることはもちろんでありますが、ここに、はしけに、直接関連して、水切り、あるいは揚げ荷の荷さばきに充てる荷役機械の拡充強化が、はしけの増強に並行して直ちに必要であるのであります。せっかく増強されたはしけが、水切りあるいは揚げ荷さばきの不足のために回転率が上がらなかったり、あるいは倉はしけ的な使用に陥ることのないように、政府はこの際港湾運送用の荷役機械の増強のために、資金のあっせん、財政措置等に一段の力を入れられることを要望いたしまして、本法律案に賛成をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/45
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046・大倉精一
○大倉精一君 社会党を代表いたしまして、特定船舶整備公団法の一部を改正する法律案に対しまして賛成の意見を申し述べます。
先ほど運輸大臣からこれに関連をしますところの荷役機械並びに労務あるいは背後関係等については、近い将来に実現するように努力をしたい、こういう御発言がありましたので、私も大いに意を強うしたわけであります。申すまでもなく、港湾問題は非常に幅が広く、奥が深く、なかなか容易ならぬ内容、要素を含んでおりまするので、港湾問題は、はしけだけではこれはもう解決し得ないことはこれは言を待ちません。なかんずく、やはり港湾の問題を処理していくのは人間でありますから、港湾労働者の問題については格段の御努力をされる必要があると思います。特に経済成長の根幹をなすものは輸送であり、なかんずく国の入口である港湾に一つの大きなネックがきておりまするから、そこに働くところの労働者は、これまた前時代的な労働条件に現在なおかつ置かれているということから、労働組合に対する対策というものが、これは余裕を許さぬ問題であります。社会党におきましても、近く港湾労働法を提出したいと思っております。そういう問題につきましても格段の一つ御協力をお願いしたいと思います。
さらにまた、今背後輸送につきまして格段の努力をすると言われましたけれども、これまた具体的に一つ御努力願いたい。
さらに最後に申し上げたいことは、この公団法の恩恵に沿する範囲が、なおかつ必ずしも明白じゃないという点があります。この法律の趣旨というものは、資金調達の非常に困難な業者に対して必要なはしけを供給するというものでありますから、問題になりますのは、十月一日から免許制度になるボーダー・ラインにある業者、この業者に対するこの法案の恩恵については、万遺憾ないように御措置を願いたいと思います。
以上申し述べて賛成の討論といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/46
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047・松浦清一
○松浦清一君 ただいま天埜、大倉両委員が申し述べましたのと同様で賛成をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/47
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048・村松久義
○委員長(村松久義君) ほかに御発言はございませんか。御発言がなければ、討論を終わり、採決いたします。
本案に賛成の方は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/48
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049・村松久義
○委員長(村松久義君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
報告書の作成等については、委員長に御一任を願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/49
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050・村松久義
○委員長(村松久義君) 次に、船舶職員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
前回に引き続き質疑を行ないます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/50
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051・大倉精一
○大倉精一君 前回の委員会におきましてオート・アラーム、いわゆる人間のかわりをしようとする非常に重要な役割を果たさなければならぬオート・アラームというものにつきまして、私自身全くしろうとで、これが全然信頼がおけるものやらおけないものやらわからない。だから、しろうとがなるほどこれなら航行の安全、人命につきましても差しつかえないという納得のできる専門家の御説明を要求しておきましたので、本日は専門家の御説明をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/51
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052・村松久義
○委員長(村松久義君) 本日は郵政省の西崎電波監理局長と、同じく三枝航空海上課長が来ておりますので、その説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/52
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053・大倉精一
○大倉精一君 しろうとによくわかるようにひとつお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/53
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054・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) オート・アラームの技術的な説明ということでございます。実はきょう資料を用意すべきであったのでございますが、ちょっと間に合いませんので、書きものにした資料はあとでひとつ提出させていただきたい。それで、本日はごく概略オート・アラームというものがどういうものであるかということにつきまして御説明さしていただきたいと思います。
御承知のようにこの海上における船舶の航行の安全ということは、もちろん陸上側におきましても十分そういった体制を整備する必要があるわけでありますが、それと同時に、何と申しましても広い海域における航行の安全ということになりますと、船舶相互において援助するという体制の確立が必要でございます。早い話が、船舶が遭難に瀕したという場合には、御承知のようにSOSという電波を出しまして、それを近くを航行しておる船舶が聴取いたしておりますれば、それによって遭難の事態というものは発見することができるわけであります。こういったことを機械的にやる方法はないかということで、これは昔からいろいろ研究されてきておるわけであります。このオート・アラームというものが実用になるということで、国際条約においてこれの使用が認められたのは一九二九年でございます。一九二九年以後、世界的に条約によって根拠を得て実施をされて参った。そうしてこれはどういうのかと申しますと、実はSOSを出す前に、この船が遭難に瀕したときに警急信号というものを出すということになっております。これはどういうのかと申しますと、モールス符号でトン・ツーで短点、長点というのがございますが、その長点の一つの長さが四秒、それからその次に一秒間の間隔を置く、こういうのを十二回繰り返すわけであります。すなわち十二の長点をもって構成されておる特殊の信号があるわけであります。これを警急信号とわれわれ呼んでおりますが、全部でしたがって一分間になるわけであります。そのいわゆる警急信号というものによってベルが作動する、こういう仕組みになっておるわけでございます。したがいまして、船が遭難した、そうすると警急信号を出す。そうすると近くにいる船がもしこのオート・アラームすなわち日本語では警急自動受信機と申しておりますが、これを装備いたしておりますれば、その信号によりましてオート・アラームが作動してベルを鳴らす、こういう仕組みになっておるのが今御質問のオート・アラームでございます。まあ大体その機構というものはそういうことになっておるわけでありまして、これは現在もうほとんど各国の外航船は全部装備しておる、こういう状況であります。また、安全条約のほうにおきましても、これをいわゆる人の耳による聴守の代用として採用することを認めておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/54
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055・大倉精一
○大倉精一君 たいへん便利なものですけれども、これはトンツー、トンツーとオート・アラームががらがら鳴って、オート・アラームがまた自分で何かやるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/55
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056・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) その結果、このオート・アラームが作動しますとベルを鳴らす、それによってどこかに遭難が起こっておるということを知るわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/56
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057・大倉精一
○大倉精一君 どこかに起こっておる。それはオート・アラームが知らせるわけですか、どこかに起こっておるということを……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/57
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058・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) そうしますと、今度は通信士がもしかりに執務していない場合にも、そのベルによりまして、どこかに遭難事故があるということがわかるものです。したがいまして、その普通の無線の受信機によって、いろいろとどこの船がどこで遭難をしておるか、そういう事態がわかるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/58
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059・大倉精一
○大倉精一君 そうすると、これは目ざまし時計みたいなものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/59
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060・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) 端的に申しますとそういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/60
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061・大倉精一
○大倉精一君 これは都合のいいものだが、それはこわれませんか。どんなものですか、この機械は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/61
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062・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) もちろん機械のことですから、全然事故が絶無だということは言えませんけれども、とにかくまあ先ほど申し上げましたように、世界各国で実用しておりますし、それから日本の製品も国際水準にはきておる、こういうふうにわれわれ考えております。実用には支障がない、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/62
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063・大倉精一
○大倉精一君 まあこれががらがら鳴って、故障のない場合にはそうであるかもしれないが、故障のあるときはどうなるのですか。故障が起こったときにはその船が沈没してしまうのですが、どうしますか。そういうことは起きませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/63
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064・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) まあ故障は絶無でないと申し上げました。もっともこれはこの近くを航行している船がほかにあればすべてに一様に作動するわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/64
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065・大倉精一
○大倉精一君 それはほかにあればいいんですが、仮定であって、なかったらどうする。まあこれは全然しろうとですから、質問がとっぴかもしれませんけれども、しんぼうしてひとつ答弁してもらいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/65
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066・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) オート・アラームが故障になれば、またベルが鳴るようなしかけにはなっております。したがいまして、正常な状態であるかないかということはわかるわけでございます。それからオート・アラーム自体が故障になるということは、私としてはその例は聞いておりませんけれども、しかし理屈としては絶無ではない、こういうことを申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/66
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067・大倉精一
○大倉精一君 故障があってもベルが鳴るというのは、故障のときをベルで知らせるというわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/67
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068・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) そういうわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/68
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069・大倉精一
○大倉精一君 そこでこのオート・アラームはそういうことで非常に便利なんですけれども、無線通信ですね、トンツー、トンツー、これを聞かなければならぬですが、聞いて返信しなければならぬのですが、それとの組み合わせ、関連というものが問題なんですが、そういうものは実験の結果はどうなんですか。いつごろ実験なさったんですか。どういう程度に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/69
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070・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) このオート・アラームの試験としましては、郵政省としましては、昭和二十八年から九年にかけて、最も空電の多い地帯すなわち雷等によっていろいろ間違った動作が起こるということもこれは理論的にあり得るわけです。そういう点の実験をやりました。それで、当時は必ずしも機器のいわゆる国産機の発達状況というものが今ほどは進んでおりませんので、多少問題の点はございました。しかし、その後における技術の発達によりまして、とにかく先ほど申し上げましたように、国際水準には到達している、こういうふうに判断いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/70
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071・大倉精一
○大倉精一君 そうしますと、二十八年、九年ごろに試験をなすったというんですけれども、どういう要領でなさったんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/71
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072・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) 世界的に見まして、一番空電の多い地域、これが三つございます。一つはインドネシアからマレーのほう、それからもう一つはアフリカのほうでございます。それからもう一つはカリビア海、したがいまして、こういう最も空電のひどいところでできるだけシヴィアな条件で試験したほうが参考になるということ一で、この三つの地域に向けて、三回にわたって調査団を派遣いたしました。それで実際に船に当時でき上がっておりましたオート・アラームを装備しまして調査いたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/72
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073・大倉精一
○大倉精一君 そうしますと、それは空電の多い地域において、オート・アラームという機械そのものだけを実験なさったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/73
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074・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/74
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075・大倉精一
○大倉精一君 その結果いろいろな実験をなさった方、あるいは研究をなさった方の意見がまちまちであるそうですけれども、これはあとからお伺いするとしまして、そういう機械を載っけて一名だけで操作をして、そうして長い間航行しておる間における仕事の実情について実験なさいましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/75
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076・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) それはしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/76
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077・大倉精一
○大倉精一君 運輸省のほうではいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/77
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078・若狭得治
○政府委員(若狭得治君) 運輸省においても、そういう実験はやっておりませんけれども、諸外国の船舶は、貨物船はすべて今、大倉委員のおっしゃったような状況で航行を実施いたしておりまして、もうすでに先ほど電波監理局長から御答弁がありましたように、国際条約において取り上げられたのは三十年近い前のことであります。その間の実験の結果から見て、外国の例を見まして、そういう点についても心配ないというふうにわれわれ考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/78
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079・大倉精一
○大倉精一君 私は船のことはしろうとでわかりませんけれどもね。今まで聞いておりますところの実験というものは、早い話が目さまし時計は確実に鳴るか鳴らぬか、どこか向こうで雑音があっても、やはりがらがら鳴る、故障があったらやはりそれもがらがら鳴る。こういう目ざまし時計の鳴る実験だけであって、それを使って一体航行の安全の問題とかあるいは気温の問題とか、万般の問題があるのだが、しかも外国がそうだからといって、文献によるだとか、あるいは外国船によればといって自分のことを研究しておらぬじゃないですか。これは悪いことです。たとえば交通問題でもそうでしょう、ニューヨークヘ行ってニューヨークの都市交通を研究して、ニューヨークはこうだから、あるいはロンドンへ行ってロンドンの都市交通はこうだからといって、まるっきり事情の違う東京に当てはめようとする。日本は日本の事情があると思うのですね。地理的の事情あるいは気象関係の事情、いろいろの事情があると思う。あるいは船にいたしましても、船の中の状態あるいは船員の給与の状態、勤務状態、いろいろなものが外国と違う。顔が違うと同じように違うと思う。それを日本なりに実験をせずに、外国がやっているからそれでいいということで、この大事な航行の安全あるいはその他の万般の問題に影響のあるものを、実験しないでやるということは、どういうものですか。政務次官どういうものですか、こういうことは。どうも不安で仕方がありませんね、しろうとの私には。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/79
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080・有馬英治
○政府委員(有馬英治君) 機械がもし故障があればというような御心配、私もそう思いますが、それは先ほどの御答弁のとおりでございまして、試験はせぬ、外国の実例を見て、もう心配がないということがけしからぬということでございますが、その点は運輸省といたしまして、この法案を出す際におきましても十分検討いたしまして、安全であるという結論に達したわけでございます。ただ、仰せのように、もし二人も三人も続けて船に無線士を乗せ得ることができるなら、それはさらにいいことだろうと考えます。けれども、その他の条件から、できるだけそれを少なくしたい。しかも最低限これで大丈夫だという結論を得まして、この法案を出したような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/80
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081・大倉精一
○大倉精一君 まあ一般の答弁としてはそうだろうと思うのですけれども、その結論の得かたが、外国ではやっておるという態度ですね、で、もう機械の実験であればこれは私はわかりませんけれども、雷の鳴るような状態を現出してやる手もあるだろうし、いろいろあるだろうと思うのですけれども、問題は、人間に取ってかわろうというのですから、機械が人間に取ってかわった場合に、はたして人間と同じような処理が万般支障なくやっていけるものかどうか、これが問題。これは先ほども言ったように、日本は日本の事情がある。日本周辺の海の事情は、外国周辺の海の事情とまた違う。いろいろあると思うのですね。たとえば百六十度以東、におけるところではだいぶ違う、状況が。私はよく知りませんけれども……。ですから、これはやっぱり人間一人でやるというのなら、人間一人乗せて万般をやらせてみて、よしこれで支障がないと、こうならなければ私は安心とは言えないと思う。この機械は大丈夫でございます、物を売りにきたのじゃないから、幾ら大丈夫な機械を持っていっても、現実にやってみなければだめです。機械そのものにもいろいろな問題があるらしい。しかも先ほどの説明によると、もう一回お伺いしてもいいですが、昭和二十八年度にはやったのだが、その時分には、いろいろな問題があった。あったが、技術が進歩いたしまして今日は云々とありましたが、その後技術的な試験はやっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/81
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082・有馬英治
○政府委員(有馬英治君) 仰せの御心配はごもっともだと思うのでございますが、これから運輸省としても何もやらないというわけじゃないのでございまして、御承知のように施行期間が猶予がございます。法が通りまして、すぐこれを実施するわけではございません。したがいまして、その間御心配のようなことがないように全力をあげて私どもは警戒をし、また、できるだけの実験に近いことをしていく、そういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/82
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083・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) 今日の政務次官の御答弁を補足させていただきます。
御承知のように、こういった非常に航行の安全に重大な影響があるという関係から、郵政省としましてもこのオート・アラームにつきましては、型式検定という制度を実施しております。英語で言いますとタイプ・アプローバル、これはその機器の性能が国際的な基準を満足しているかという国としての権威のある試験をやっておるわけであります。それで、これにつきましては機械的な試験、それから電気的な性能の試験、できるだけ実用状態における試験、こういったようなことをやって参っておりまして、現在、全部でたしか六つの型式のものが承認されておるわけであります。そういうわけで、これが国際水準の線を満足しておるということを郵政省としては承認——オーソライズしておる、こういう格好になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/83
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084・大倉精一
○大倉精一君 なるべくひとつ日本語でお答え願いたいと思うのだけれども、国際水準に達したとおっしゃるけれども、前の場合には二種類あった、今聞くと六種類ある。これに対する技術試験といいまするか、そういうものに対して現地に向かってはやっていないということですね。だから問題じゃないでしょうかね。ですから今、次官のおっしゃったように余裕期間があるとおっしゃったけれども、余裕期間内にそういう不安というものは埋めていくという話がありましたけれども、私はそういう不安を埋めていくのだというものがあれば、そういう不安というものを解消してからやって差しつかえないと思う。これはたいへんな問題だと思う。なお技術的なものは、電波法のほうでやりますから、こちらはよくわかりませんけれども、大体その電波法なんというむずかしいものに直結するものを運輸委員会でわれわれにやれというのは大体無理なんで、だからこういうとんちんかんな質問になる。どっちにしたって、無理でも何でもやらぬならぬからやっておるけれども、そういう不安な点があるというなら、その不安な点をなくしてしまってから立法化すべきじゃないですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/84
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085・有馬英治
○政府委員(有馬英治君) 私どもは先ほど申し上げましたように、不安な点は現在のところ解消しておってないという立場に立っております。したがいまして、なおさらに念を入れて、猶予期間の間にこれを試験して万全を期したいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/85
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086・大倉精一
○大倉精一君 きわめてこれは不確定なんですね。それにまた私は仄聞しますと、昨日の逓信委員会ですか、その前の逓信委員会等におきましても、これによってもたらす影響等については、政府部内においても必ずしも意見の一致を見ていない、ある人がああだこうだ言って、見ていない。そのために委員会も休憩になったという話も聞いておりますし、さらにまた二十八年の実験の結果によりましても、専門家の中には、あるいはそのメンバーの中には、これをもって直ちに人にかわるべきものだというととは言えないという意見もあるそうであります。そうなってくると、この機械、このシステムそのものが不安定だという疑問を残したままに、この法案の審議というものはいかがかと思うんですね。委員長、そういう点はいかがでしょうかね。これは私は別に他意あるわけじゃありませんけれども、機械そのもの、あるいはこの機械を使ったこの無線通信の組織といいますか、機構といいますか、これは船舶通信の革命ですね。ですからこれはよほど自信がなければいけないと思う。ただ外国がやっておるからというだけでわれわれがさようしからばというわけにはいかぬと思う。ですから、もう少し私は技術的に、逓信委員会あたりの技術的な審議の結果も見ていきたいと思うんだが、この段階においては、この取り扱いは別途にひとつまた協議をする必要があると思うんですが、委員長いかがなものでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/86
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087・村松久義
○委員長(村松久義君) 大倉委員にお答えします。委員長としましては理事会の諸君の御協議によりまして、慎重にひとつこれを取り扱うという方針で進んでおります。ただいまの技術の問題に関しましても、さらに進んで調査をする必要がありますれば、これはまた理事会の決定に従って調査をさらに進めてもけっこうだと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/87
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088・大倉精一
○大倉精一君 慎重に審議をするということの中には、やっぱり私はこの法案を通して、こうしても大丈夫であるということをこの委員会で確信をしなければならぬと思うのですが、今までのしろうと並みの質問に対するお答えから申しますると、どうも不安なんですね。実験してない、実際やってないということですね。ですから、そういうものについて、この委員会で取り上げるのは私は疑問を感ずるんですが、一応この問題の取り扱いを委員長理事会において協議をすることにしたいと思いますから、さようひとつ委員長取り計らいを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/88
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089・村松久義
○委員長(村松久義君) 協議をすることにいたしましょう。なおこの際、松浦委員いかがです、御質問がありますれば……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/89
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090・松浦清一
○松浦清一君 質問は山ほどありますけれども、きょうはやらないんです。私はこの間から聞いておると、オート・アラームという、その技術論争はやっておるけれども、ここはその技術論争をやるところじゃないと思うんです。参考のために専門的なお話を承ることはけっこうだけれども、技術論争は、これは逓信委員会でやるべきで、もう少し経済性のある本質をこの法案は持っているのだから、そういう点についての論争をやるべきだと思うのです。そのためには、私は運輸大臣の出席も必要だし、それから、これからの海運政策を一体どうやっていくかということについては、総理の見解も大蔵大臣の見解も聞きたいのですから、だから、提案趣旨の中にも述べてあるように、できるだけの合理化をやって国際競争にたえる力を養っていかなければならぬ、こういう趣旨でこの法律案は出されているわけです。こういうことをやらなければ、日本の海運が国際競争にたえる力を持ち得ないのか、こういう根幹に触れる議論をしませんと、オート・アラームがどうだこうだということは、逓信委員会でやったらいいと思うのですよ。私はあえてだまって質問をしていないのは、こういう観点に立っているからです。ただいまの話を聞いておっても、国際条約がどうだとか、国際水準がどうだとか、そういうことをおっしゃるけれども、一体日本の政府が国際条約できめられても全部承認していますか。していないじゃないですか。国際水準どうだ、世界の先進海運国がやっておるようなことを日本政府がやっておりますか。この問題だけにしわ寄せをして、法律を出してきてぎゅうぎゅうやるということは間違っていると思う。その点で私は論争してみたいと思います。ここでその技術論争をやることはやめたがいいと思うのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/90
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091・有馬英治
○政府委員(有馬英治君) 松浦委員の仰せまことにごもっともだと思います。私どもが法律案を出しましたゆえんもそういった建前からこれをお願いしておるわけでございまして、ただ、不安であるか不安でないかという問題について、実際的な前例もあることでございますので、この程度であるならば大丈夫だということで出しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/91
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092・村松久義
○委員長(村松久義君) なお松浦委員にお答えをいたしますが、御発言の趣旨を含めまして、今後の議事進行に関して理事会において決定をいたしたいと存じます。さように御承知を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/92
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093・松浦清一
○松浦清一君 私、希望があります。予算委員会でも終わって、総理大臣それから大蔵大臣、経済企画庁長官の出席を求めて、その席で私は質問をしたいと思います。理事会においてしかるべくお取り計らいを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/93
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094・村松久義
○委員長(村松久義君) 理事会において決定をいたします。
では、本日の質疑はこの程度においてやめまして、次回にさらに理事会の協議の上において議事の進行をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/94
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095・松浦清一
○松浦清一君 なお、理事会で御協議をいただきますとき、参考に申し上げておきますけれども、今度の今審議されておる三十七年度予算の中には、いろんな方面から海運の助成について要求をしたはずです。運輸省もその方針を立てられたのです。それに対して政府はゼロ回答をしているわけです。海運の力を国際競争にたえていかれるようにしたいというのであれば、その大もとをやっていかなければだめなんです。人間を減らすということだけにしわ寄せをするというような、そういう政策に対しては賛成はできない。その論争を総理と私はやっていかなければならぬと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/95
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096・村松久義
○委員長(村松久義君) では本日の質疑はこの程度で終了をいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/96
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097・村松久義
○委員長(村松久義君) 次に、前回決議をいたしました都市交通の逼迫解消に関する決議案に対する政府の所信は、これは政府の出席を待っていたしたいと思いますので、暫時休憩いたします。
午後零時二十分休憩
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午後三時三十五分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/97
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098・村松久義
○委員長(村松久義君) 休憩前に引き続いて委員会を再開いたします。
運輸事情等に関する調査を議題といたします。
当委員会は、一昨六日、「都市交通の逼迫打開に関する決議」を行なったのでありますが、本決議に対して安井国家公安委員長より所信をお述べを願います。なお、川島行政管理庁長官も御出席でありますので、あわせて御所信を述べていただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/98
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099・安井謙
○国務大臣(安井謙君) わが国の交通事情はまことに容易ならざる様相を呈しております。ことに交通事故の続発等、都市における交通の混雑の慢性化は、社会的に見ましてもまことに重大な問題と考えております。このとき、本委員会におかれまして都市交通の逼迫打開に関する決議を議決されましたことは、まことに時宜を得たものでありまして、深く敬意を表する次第であります。私は国家公安委員会委員長といたしまして、交通事故の防止、交通の円滑な確保につきましては深い責任を痛感しているのでありまして、今後とも都道府県警察における交通取り締まり強化さらに諸施設の整備を推進いたしまして、交通の円滑化、事故防止に最善の努力を払うつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/99
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100・川島正次郎
○国務大臣(川島正次郎君) 交通行政が各省庁に分かれておりまして、これを一元化すべしという御決議は私どもとしてもまことに同感でございます。行政管理庁におきましても、また最近発足いたしました臨時行政調査会におきましても、これを取り上げて研究をすることにいたしております。結論的にどうなりますか、まだ申し上げかねるのですが、研究に着手しておることはここで申し上げておきます。同時に、ここにありまする「現在の閣僚懇談会の運営を強化し、」ということにつきましても、関係閣僚間の連絡調整を密にいたしまして、交通事故の解決に力を尽くしたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/100
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101・村松久義
○委員長(村松久義君) この際、御質疑があれば許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/101
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102・大倉精一
○大倉精一君 本委員会の決議に対しまして、両大臣からそれぞれ御所信の表明を承ったのですけれども、川島長官にはこの前も御出席をいただき、いろいろ御意見を伺い、またさらに最近における毎日新聞の交通閣僚の公約ですか、あの記事の中でも拝見しましたが、あの中の交通行政を一元化するということについては、全く私も同感であります。ただ、安井長官の御所信の中で一番気にかかっておるのは、やはり公益優先というのが決議の骨になっておるわけであります。そうして、さらにまたこの決議をする場合におけるところの趣旨説明をお聞きになっておりませんので、そのいきさつ等についてもおわかりにならぬかもしれませんが、これはやはり非常に急速に逼迫をしてくる都市の交通事情、この中で閣僚懇談会等においていろいろ努力をなすっていただいておるわけでございますけれども、なお各省庁間の意見必ずしも一致を見ていないということで、非常に難行しておるという状態から、本委員会としてもこれは黙するわけにいかぬ、こういうことでこの交通難の打開に対しまして、こういう工合にすべきであるという一つの意思統一をしたわけなんですね。そこで、安井大臣にお伺いするのですけれども、決議の一番にあるところの取り締まりを強化をしてもらいたいということ、これはたとえば路上の駐車禁止等については、実際問題として要員が不足をしておりまして、現地においては大体三分の一ぐらいしか要員を充足できない、こういう状態なんですね。こういう状態をどういう工合に打開していくか、そういう点からまず手を打たなければならないと思うのですが、公安委員長、どうお考えになっておられるか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/102
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103・安井謙
○国務大臣(安井謙君) この決議の第一の取り締まりを強化し、特に路面駐車というものを厳重に取り締まれという趣旨につきましては、まことにごもっともだと思っております。私ども精を出しまして大いに路面駐車の禁止区域における駐車を排撃をしておりますが、何分にも駐車場を持たないあるいは車庫、駐車場所を持たない車が反乱しておる。そこを追い出せばよそへ行って、また行って、といったようなことで、一方を追えば一方へ散るというようなことが現状であることも事実でございまして、私ども、ことに駐車禁止の場所を今後広げていくし、また禁止場所については厳重にやっていきますが、それに並行しまして、駐車場なり駐車の施設、車庫、そういうものをどうしても持たせるような制度に早急に直していかなければならない、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/103
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104・大倉精一
○大倉精一君 まことにけっこうと思うのですけれども、ただ駐車場の問題につきましては、この前も川島長官にお伺いし、御意見も伺ったのですけれども、都心における駐車場ということについては、これはやはり運用面についてよほど気をつけないというと、かえって都心に交通量を流入する要因になるおそれがあるわけです。現にニューヨーク等におきましても、最近の新聞を見てみますというと、都心に駐車場を作るということは、これは無用の投資であるということで、計画を廃止したという事実もあるわけなんです。先般は川島長官は、今、安井大臣のおっしゃったように、中小企業や——商店に車をたくさん持っておる現状を放置するわけにはいかぬから、その入れものを作ってやらなければならぬという意見があったのです。これは私は共同車庫のようなものだと受け取って、ごもっともなことだと思っております。さらに先ほど申しましたように、郊外から都心に入って来る車を抑制するがために郊外所要の場所に駐車場を作る。そこで車をとめて都心に入って来るという施設が必要だということを新聞で拝見しておりましたが、まことにそうでなければならぬと思うのですね。で、まあそういう施設と並行させなければなりませんけれども、当面の問題としまして、やはり路面駐車禁止ということは相当区域を拡大し、あるいはまたその取り締まりをさらに徹底するという、こういうことを私はしなければならないと思いますので、これはひとつ安井大臣も特に関心を持っていただきたいと思います。
もう一つの公益優先という第二項は、非常に大きなウエートを持っておるのですけれども、これは何か世間ではこの委員会と地方行政委員会と対立しておるとかなんとかいうような、そういうことをいわれておるように聞いております。あるいはまたわれわれ——私自身も労働組合出身だと同時に、通運業者出身の者でありまするので、われわれがものを言うと、何かそっちのほうの擁護のように聞こえますけれども、そうでなくて、公益優先という意味は、端的にいいまして自家用車というものを抑制するということを都市交通規制の場合においては大いに考ええなければならぬじゃないか。警察関係におきましては、あるいは大臣御存じかもしれませんが、自家用車はむずかしいからまずトラックをということでありますけれども、私はこれは少し考えが逆じゃないかという気がするんです。この前も少し私は論争したんですけれども、交通というものは車を流せばいいかというと、そうばかりじゃないと思うんです、交通というものの本質は。これはより多くの物とより多くの人を運ぶことなんですね、移動させることなんです。その手段として車という問題が出てくるんですけれども、車を流すということは交通の一つの手段なんです。端的にいうならば、一人乗っておる自家用車が十台通っても十人しか人が動いていない、バスが一台通れば五十人から六十人も動かすことができる、こういうことから、やはり都市交通の逼迫した現状を打開する——将来はともかく、この現状を打開するというこの段階においては、大量交通機関、大量輸送機関というものに優先的に重きをおかなければならぬのじゃないかと思います。そういう根本の考えについて、安井大臣から伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/104
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105・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 公益を優先に考えなきゃいかぬじゃないかという御決議なり御趣旨につきましては、われわれ全面的に賛成でございます。そうすると公益の実体は何かというと、一体人間かトラックか、あるいはバスといったような問題になりますと、それはそれぞれの立場で非常にめんどうな考え方がそれぞれあろうと思います。で、なるほどトラックやバスよりも乗用車を優先的に規制すべきじゃないかというお考えも一つの理屈として私ども確かにあると思います。さしあたってみまして、実際のこれの規制の方法というものが非常にむずかしいという点、それから何といっても人間様があっての荷物だという感じも実はいたしますし、そういったようなことから、同じようなウエートでトラックと乗用車をぴしゃっと縛れということは実施上はなかなか困難じゃなかろうか。まあ諸外国の例を見ましても、昼、大きなトラックとか、いわゆる荷物を積んだ車はあまり町を通らないというのが通例のようでもありますし、そういったものをある程度考えていかなければならぬのじゃないか。ただ、これをやりますといろいろな経済的な反響やあるいは不便も出てきます、そういう点についてはむろん十分考慮しながら、なるべく犠牲を少なくし、不便を少なくしてやらなければならないと思っておりますし、また警察の方面と運輸の方面の関係で若干の意見の食い違いがあったようですが、これは幸い川島長官の大所高所からの御調節もありまして、非常に事務的にも歩み寄りをいたしておりまして、話し合いも非常に順調に進んでおるというような状況になっておりまして、これはやはり当委員会においてもいろいろな角度から御鞭撻を贈わっておる結果だろうと思いますが、目下のところ、あまり大きな意見の食い違いでにっちもさっちもいかないといったようなことは今後あまり起こってこないのじゃないかというふうにも考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/105
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106・大倉精一
○大倉精一君 まあ基本的な問題についてここで論争をすれば切りがないことでもあるし、あるいはまたかえってそれが、おれは委員会でこう言ったから、これは曲げられないということがあっても困りますから、私は徹底的に論争はいたしませんけれども、先般も川島長官も何が公益かというお説がありましたが、これはやはり論争の一つの大きなテーマだと思うんですね、現在免許行政が——これは公益であるからということで免許をされておるんですけれども、免許をしておるものが必ずしも公益かどうかというお話もありましたが、これは大いにまた閣僚懇談会等において論議を願いたいと思いますけれども、私はこのバス、ハイヤー、タクシー、トラック通運というものが、事業そのものが必要であるか、免許の必要があるから免許をしておるんだということであるのか、それも一つあると思う。もう一つは、やはり交通調整というものもあるでしょう、いろいろな要素があると思うんですけれども、ともかく今あなたがおっしゃったような考え方でいきますというと、公益というものは一体何だということになるわけです。それで、人間があって荷物があると、こうおっしゃるけれども、私は公益というものは、人間のためによりたくさんの役に立っておるものが公益だと思うのですね。さらに、優先して役に立たなければならぬのが公益だと私は思うのです。ですから、すべては人間のためにあると、ここから出発すべきだと思うのですけれども、こんなふうに考えておりますけれども、要するに、車が幾らあっても動けなかったら、車は、これは不便至極なものですね。諸外国の例もおっしゃいましたけれども、諸外国におきましても、都市交通政策の基本というのは、大量交通機関、大衆輸送機関というものが交通政策の基本になっておる。現在自民党の政調会の研究員である青木慶一さんも「鉄道必勝論」という本をお書きになっておりますけれども、これを見ましても、アメリカの自動車文明というものは、これは行き詰まっておる、失敗しておるのだということを言われております。あるいは、先般「都民の時間」で、パリの交通関係の担当官の放送もありましたが、パリにおいても、現在のパリの交通難を打開するには、やはり大量輸送機関というものがプライベート交通に先行しなければならぬ、こういう意見を言っております。これは世界的な傾向だと思うのですね。ですから、この機会に私はお考えを願いたいことは、当面の対策、当面の対策といって、当面とりあえずのことだけやればいいかというと、そうでなくて、この場合、ほんとうの都市交通はいかにあるべきかという将来の構想を立てて、それに合うところの当面の対策ということでないといけないんじゃないかと思います。で、こういう点について、先ほども郊外におけるところの駐車場というお話が出ましたけれども、これも先般トラック・ターミナルの問題も当委員会でやりましたが、運輸省自体のトラック・ターミナルに対する構想ができていない。できていないのです、トラック・ターミナルに対する。トラック・ターミナルというのはどんなものか、どうやって運用するか、実はこういうようなものも、やはり、そういう根本的な考え方というものをしっかりそこに持っていないというと、ばらばらになってくるのではないか。今、安井さんは、運輸省と警察庁のほうではそう大した根本的な食い違いはなくて、話し合いが進んでいるとおっしゃいましたけれども、これは妥協の所産になるかもしれません。なるかもしれませんけれども、根本的には公益優先であるのか、あるいはこの際公益はがまんをしてもらうというのか、こういう根本的な違いが出てくるのですね。こういう点をひとつよく御論議を願いたいと思う。と同時に、確かに自家用自動車、乗用車というものは規制しにくい。しにくいということは、これは直接規制はできませんよ。そのことは、私、端的に言って、自家用乗用車の直接規制はできないと思います。そこで、先ほど申しましたように、都心、都内の主要地区におけるととろの路上の駐車禁止、これを徹底することによって、これはもう自家用車を持って入って来ても仕方がないという、そういう状態にしなければならぬと思うし、外国でもそういう状態になってきておるようです。ただし、ニューヨークあたりでは、お医者さんとか、あるいは報道機関等に例外のものがあるらしいのですけれども、何か最近の新聞を見ますと、ニューヨークにバーンズという非常に交通関係の権威者がやって参りまして、そして医者に対する特権もチェックせよというようなことを言って、お医者さんの団体とたいへんな論争があるようです。こういう工合にして、都市における自動車交通の様相というものは変貌してきている、こういうことを安井大臣、ひとつお考えを願いたいと思うのです。そういう点について今御意見を伺っても、ああそうかと言うわけには参らぬと思うのですけれども、よくお考え願いたいと思う。特に道路建設といいましても、私は道路が幾らできても、自動車の増加には追いつかないと思うのです。でありまするから、これは世界的な傾向である。現在の通産省の方針を見ましても、メーカーは軒並みに増産計画です。大増産、大量販売、マス・セールスの時代です。現代はこういう時代ですから、私はこの際、都市における自動車交通を見直してもらうことを強く強調したいと思うのです。安井大臣、何かこれに対して御意見があったら……。ただお断わりしますけれども、おれは運輸委員会でこう言ったから、違ったことは一声えないというようなことでなく、軽い気持でひとつ御意見をお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/106
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107・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 率直に言いまして、乗用車のほうをちょっと押えることを本気で考えろと、こういう御意見だろうと思います。私どももその合理的な方法があれば、これも一緒にやりたいと思っております。これはほんとうにそう思っているわけですが、なかなかいい方法がありませんので……。といって、今これを都心地へ乗り入れを禁止するということは、実際上私は不可能だと思います。せめてふえるやつを、むぞうさにふえるものをできるだけ押えていくというような意味から、自家用車といえども、車庫なり常置場所の設置を、法律化して条件づける、こういうことも必要だろうと思います。また運転の免許にしましても、年令、あるいはその人の環境等につきまして、できるだけ厳選をして、非常な危険な運転のないようにという観点から、しぼっていくというようなことによって、ある程度のセーブはできる。そのほかに認定でもできて、非常に妙手があるというようなことがあれば、それについて私ども考えていきたいと思っております。やはり昼間の大都市の今の状況なら、まだ交通は、乗用車をとめて、トラックを動かせというふうにはちょっといきかねるのではないか。むろん今のように、両面から考えていくことは必要ですが、やはり公益優先という建前はとりながらも、ある程度のトラックの規制というものは、もうこれからやむを得ないのではないかというふうに私どもは考えているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/107
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108・大倉精一
○大倉精一君 今都心にある商店、中小企業の持っている車は、置き場所がないから、道路に置いてある。これは救ってやらなければならない。これは大臣のおっしゃるとおりと思うのです。問題は、外部から入ってくる車が、都心の繁華街の混雑する所にとまって用足しをするということを禁止するということ、路面駐車禁止、これは、考えれば何らかの方法があると思うのです。ないからといって野放しにしておけば、これはトラックをとめてもどんどん入ってくると私は思う。しかも最近ミーちゃんハーちゃんまでも、といっては失礼だけれども、車を買う。学生までも車を買って通学するというマイ・カー・ブームです。これを野放しにしておいて、都民のパンであるところのトラックあるいはバスを制限するということは、私は本末を転倒しておると思う。もうこれ以上申しませんけれども、先般も、幸い小牧の空港で大野伴睦先生とたまたま会って、三十分間ぐらいロビーで雑談的に考えを述べて、理解を深めるように努力しました。大野副総裁にはどうやら御理解願ったと私は思っておる。これはもう各省庁間のなわ張りとか業界の擁護とかなんとかという根性ではなくて、全くこれは超党派的に、あるいは超派閥的に、あるいは超何々、すべてに超然として考えを立てないというと、ほんとうに都市交通というものは大へんなことになる。しかも大臣はこの程度でやれるとおっしゃったけれども、現在でもどんどん、どんどん工事がふえてきている。もうこの四月から、オリンピック道路の工事も始まってくる。そうなってくると、全く東京の交通というものは憂慮すべきものである。このときに、どんどん自家用車が通って、トラックが昼間通れないとなったらどうなるか。しかも建設途上にあるところの建設資材はどうなるか、それに必要なる物資はどうなるか。夜間運べといっても、一体夜間それを受けるところがあるか、どうさばくか。私はこの際、まあ舌足らずでもって語弊があるかもしれませんけれども、オリンピック道路も作らなければならぬ、あるいはそういうこともやらなければならぬというこの際この時期に、しばらくの間は都心に乗り入れてくることを辛抱してもらう。車を買っちゃいけないというのじゃない。どんどん郊外でドライブを楽しんでもらってけっこうだが、当分の間は都心に入ってくる車というものは遠慮してもらいたい、こういう考えを持たなければならぬと思いますけれども、これはひとつ、きょうは論争が中心じゃありませんから、閣僚懇談会等において、まずやはりそういうお考えがあるならば、本委員会の趣旨を相なるべくならば百パーセント生かして、早急にひとつ実施をしてもらうように要望したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/108
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109・白木義一郎
○白木義一郎君 一問だけ。いろいろもう大問題として論議されている問題ですので、申し上げたいことも言わずに、ただ一つだけ申し上げたいことは、この車を規制する点に重点が置かれてありますけれども、今、御承知のとおり方々に被害が起きてくるわけです。それで、公益優先というようなこともありますし、また都民の立場からいうと、大きなトラックがぶんぶん、ぶんぶん町の中を走られるのは非常に迷惑な感じを持っているわけです。それで問題は、道路を作ればいい、しかしこれも緊急には間に合わないと同時に、魚でもウサギでも通る道はきまっているのだ。いろいろなことを考えますと、どうしても車を規制するわけにもいかないし、といって現状をそのままにしておくわけにもいかない。特に長官は、今度は選挙を目の前において非常につらい立場にあるのじゃないかと思うのですが、そこで、やはり何もしないで選挙を迎えるわけにもいかないし、下手すればこれは選挙に影響もある。反撃も受けるというようなことを考えると、なかなかふん切りもつかないのじゃないかと思いますけれども、ここで車を規制するという考え方も当然ありますが、道路を規制していく、思い切ってすぱっと一方交通にしてしまう。そうしますと今ある道路が二倍に使える。道路を広げた勘定になるわけですね。そこで車に乗っている人たちは、目的地に行くのには多少迂回をして行かなければならない。しかしその間走っている。走っていれば乗ってるほうは満足するものなんです。それは動かなくなって二十分待たされる二十分と、走っている二十分とでは感覚が非常に違うわけなんです。ですから狭い日本で道路を広げるという考え方も、これは限度があると思いますし、家屋のように上に伸びていく、それから下に伸びていく以外に、狭い日本ではあり得ない。これははっきりした問題なので、そこで緊急の問題として、全部幹線の道路は一方交通にしてみる。思い切った方法がとられないと、この問題はいつまでたっても国民の納得を得られないというように、まあしろうと考えで考えておりますので、それだけひとつ御参考までに申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/109
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110・村松久義
○委員長(村松久義君) 質疑はこの程度で終了いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/110
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111・村松久義
○委員長(村松久義君) 次に、参考人についてお諮りいたします。
去る三月一日の本委員会において、日本船主協会、全日本海員組合及び学識者よりそれぞれ一名の参考人の出席を求めることを決定いたしたのでありますが、委員の方々の要望もありますので、通信の実際の技術面に当たられている方を一名参考人に追加いたし、来たる十五日木曜日に参考人の意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/111
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112・村松久義
○委員長(村松久義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01219620308/112
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