1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年五月七日(月曜日)
午後一時十一分開会
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委員の異動
本日委員伊藤顕道君辞任につき、その
補欠として吉田法晴君を議長において
指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 武藤 常介君
理事
赤間 文三君
剱木 亨弘君
中田 吉雄君
委員
上原 正吉君
大泉 寛三君
川上 為治君
小林 英三君
吉武 恵市君
近藤 信一君
椿 繁夫君
加藤 正人君
衆議院議員
発 議 者 首藤 新八君
政府委員
中小企業庁長官 大堀 弘君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞寿君
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本日の会議に付した案件
○商店街振興組合法案(衆議院提出)
○継続調査要求に関する件
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001・武藤常介
○委員長(武藤常介君) これより商工委員会を開会いたします。
初めに、委員の異動について報告いたします。
さる四日、曾祢益君が辞任され、その補欠として向井長年君が委員に選任されました。また、本日、伊藤顕道君が辞任され、その補欠として吉田法晴君が選任されました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/1
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002・武藤常介
○委員長(武藤常介君) それでは、まず、商店街振興組合法案を議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は順次発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/2
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003・近藤信一
○近藤信一君 私は、ただいま議題となっておりまする商店街振興組合法案について、まず、法案の内容の質疑に入る前に、二、三の点について提案者にお尋ねをしたいと思うのであります。
それは提案者も御承知のように、商店街の諸君が、この振興法案が一日も早く成立することを非常に期待しておられることは、これは事実でございまして、私どももこの法案に対しては賛成をするものでございまするが、ただしこの商店街振興組合法が、衆議院段階におきましてわずか三十分でこれが成立したということが新聞にも報道されておりますし、特に議員立法がそうした会期末にほんのわずかの時間でこれが国会をまかり通る、政府から提案された中小企業のいろいろな法律案というものがなかなか委員会で通らないのに、これがわずか三十分でまかり通った、こういうことで批判をしておるわけであります。こういうことは、私は、従来もしばしばあったことでございまするが、特に国会の終末に議員立法が簡単に通るということは、はたして議会政治の今日建前からいって、そういうことは、私は議員としても当然の権利ではございまするけれども、もう少し慎重にやるべきでなかろうかと、こういうふうに考えるわけでございます。こういう点について提案者の御見解をお尋ねいたしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/3
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004・首藤新八
○衆議院議員(首藤新八君) 近藤委員の御意見まことにごもっともでありまして、政府案と議員提案とを問わず、議案はできるだけ慎重に取り扱うべきだと思うのであります。ところが、本法案は三月に提案されたものでありまして、しかも社会党からも大体同種類の提案がされております。したがって、社会党と自民党の間におきまして、この内容につきましてしばしば実は検討いたしたのであります。よって外部の第三者から考えますと、いとも簡単に通過したという印象を与えておるかもしれませんけれども、実際は相当慎重に、かつ長期にわたって、あらゆる角度からこれを検討して参ったものでありまして、ただいまお話の、慎重にやるべきだという線に沿って、これは実は審議して参ったものでありますので、この点は御了承願いたいと思うのであります。したがいまして、討論採決の前におきまする審議もわずか三十分間でこれが済んだということは、以上申し上げたような経過によったのでありまして、あわせて御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/4
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005・近藤信一
○近藤信一君 いま一点は、商店街組合から私どもも陳情を受けまして、この組合の成立については私ども重要だと思っております。
そこで、お尋ねしたいことは、商店街を含めて今いろいろと中小企業の法律案というものがたくさん成立しておるわけなんです。それらの中小企業立法でこの商店街振興というものが十分でないという点から、この法律案というものが提案されたものと私は思うのです。そこで、どういう点が基本的にこれを出さなければならなかったというその理由、この点を一点お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/5
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006・首藤新八
○衆議院議員(首藤新八君) ごもっともでありまして、本案を特に団体法、あるいは今日までありまする協同組合法等によらずして、特別に立法いたしましたゆえんのものは、御承知のとおり、今日まで行なわれておりまする中小企業対策の組合法はほとんどが業種別の実は団体であります。いわゆる縦の組織であります。したがって、商店街はこれとは逆に横のあらゆる営業の集団をしておる場所であります。したがって、縦のいわゆる業種別の組合を、これ適用いたしまするのにかなり無理がありますると同時に、もう一つは、今回の立法の目的は、商店街自体の実は環境整備をいたす、その環境全部を振興いたしたいという実は考え方に立っておりまするから、従来の協同組合法、あるいはその他の法の内容は、いわゆる業者でなければならぬということが必須条件でありますが、今回は定款のきめるところによりますると、必ずしも業者でなくてもいい、この商店街に居住しておりまする、極端に申し上げますれば全く何もしていない無職の方、これも入ってもよろしい、あるいは銀行、保険会社等もこれも入ってよろしい、要はその商店街の区域に居住しておりまする者が全部これに加入いたしていく、そして商店街そのものの環境の整備と向上をやるという意図が二つでき上がるわけでありますので、そこでこういうふうな別個の立法をいたした、こういうことでありますので、これもあわせてひとつ御了解願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/6
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007・近藤信一
○近藤信一君 最後にもう一点お尋ねいたしますが、商店街で御商売をしておられる方々は、資本的にもまた非常に零細の人が多いと私どもは思うのです。そういう点で、私どもはやはりこの商店街の方々を育成するというのか、そういうことは重要なことだと私は思うのであります。ただし、これはしばしば私どもいろいろな、商工会のときにも質問をした点でございまするが、私はそんなことはないと思うのですけれども、商店街にはいろいろと普通言いならされておる言葉から言うと、ボスの支配下にこれが掌握されるのじゃないか、こういう私は危険を含んでおるというふうにも考えられる。全体がそうであるとは私は言いません。そういう点で、そういうことに対する何かの規制というふうなことはお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/7
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008・首藤新八
○衆議院議員(首藤新八君) ボスもボスによりけりでありまして、いわゆる悪質のボスと、ほんとうに指導者としての適格性を持っておるボスと、二通りあると思うのでありまして、今、近藤委員の御指摘のは、要するに前者の悪質なボスのことだと思うのでありまするが、しかしそういうことは、ずっと前に、昔にはあったかもしれませんが、もう今日民主主義の発達した時代では、おそらく私はそういうものは皆無であろうと、また、かりに存在いたしましても、おそらく人の信望を仰ぐことはできませんから、たとえ役員になりますにも、これは無記名投票でありますから、そういう方は排斥される。決してそういう御心配は、私は現在におきましては思惑はないものだと、こういうふうな実は感じがいたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/8
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009・近藤信一
○近藤信一君 そこで、今度は長官にお尋ねしますが、長官は今まだ御出席なかったのですけれども、私、今商店街振興組合法案の議員立法で提案されたその重要性について、二、三の点について質問したわけです。今、提案者から御答弁を聞きますると、非常にこれは緊急を要する非常に重要な法案である、そういうことを私聞きまして、ごもっともだと、こう思うのです。そこでこういう重要な法案を政府として本来ならば私はやるべきじゃないか。ところが、政府はこういうことについて、今まで一向に触れていなかった。ただ中小企業問題のほかの立法ではいろいろと今日まで私ども本委員会でも審議をしてきたのです。ところが、商店街の特別立法というふうなものは何ら今まで聞いたこともないのですが、政府はこういう点について、商店街振興についてのお考えを今まで持っておられたのか、いなかったのか、この点お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/9
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010・大堀弘
○政府委員(大堀弘君) 商店街の組織化の問題につきましては、私どもといたしましてもかねがねその重要性を感じておりましたのでございますが、先般当委員会において御可決いただきました団体法案の改正の際にも、実は当初団体法案の中に商店街組合の名称を入れて、あの行き方でやるという案で考えておりましたのですが、商店街の重要性にかんがみまして、やはり別個の特別法規を必要とするのじゃないか、そういう見地でわれわれとしても並行して検討して参ったわけでございます。先ほど首藤先生からお話がございましたかと思いますが、従来の組合のほかに、制度のほかに、一種の町作りのような観念を入れて新しい立法がされておるわけでございまして、私どもとしてもそういった考えで関係各省と検討して参ったわけでございますが、政府としては実は具体的な点について結論をまだ得られなかったわけでありますが、今国会に政府提案としてお願いするという段取りに参らなかったわけであります。しかし今回出ました法案が大へんりっぱな法案でありますので、われわれも本法案が成立いたしますれば、御趣旨を体して施行に遺憾なきを期して参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/10
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011・近藤信一
○近藤信一君 今御答弁では、検討はしてきた、ただし中小企業団体組織法の改正案が今度の国会で提案された、検討はしてきたけれども、この法案が独立した単独立法としては提案するまでにならなかった。私に言わせれば、政府は熱意がない。そういうところから各党が一斉に出した、こういうふうに私は考えるのです。そうすると、政府はただ団体組織法だけの改正で、この商店街振興ができるというふうにお考えになって、検討はしてきたけれども、今度の国会には間に合わなかったという御答弁でございましたが、そういうふうに私は解釈してもいいのですか、政府は熱意がなかった、ほんとうにやる気があれば出たと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/11
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012・大堀弘
○政府委員(大堀弘君) 私ども決して熱意がないわけではございません。鋭意検討して参ったのでございますが、予算関係等の事項について、なかなか政府部内で案を作ります運びまで参りませんでしたことは、はなはだ遺憾に存じておる次第でございます。決して熱意がないわけでもなし、また現在の団体法の改正で、あの範囲内におきますことは、商店街の商工組合という形でできないことはないのでございますけれども、やはり新しい町作りという構想を入れました案としてまとめるまでの取り運びができなかったことは、はなはだ残念に存じておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/12
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013・近藤信一
○近藤信一君 もう一点だけ質問しますが、政府は商店街振興法について検討を加えてきた。今度ここで議員立法としてこれが成立するわけですね。本日本委員会でこれが成立すれば、本会議に直ちに提案されるから成立するわけです。その暁に政府は商店街振興のために努力をしておる、それから検討も加えてきた、こういう今の御答弁でございましたから、将来もっとよりよい法律案というものを政府から出すお考えがあるかどうか。この商店街振興法案を政府が単独で出すあれがなければ、これをさらにいいものに修正されるというふうなお考えでも持っておられるかどうか、この点を最後にお伺いして、あと法律案の内容についてはまたあとから御質問いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/13
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014・大堀弘
○政府委員(大堀弘君) 現在のところは、私どもも検討中でございますけれども、本法案が非常によくできておりますので、ただいま直ちにこれをどうするかという考え方はございませんですが、本法案が成立しました上は、施行の段階を通じて、なお改憲を要する点がございますれば、われわれとしてはいたしたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/14
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015・中田吉雄
○中田吉雄君 近藤議員が質問されましたので、簡単にお尋ねしたいと思うのですが、現在商店街組合は任意団体としても、あるいは中小企業等協同組合法による協同組合組織でもできますし、さらに今回通りました一たしか通ったと思うのですが、中小企業団体の組織に関する法律の改正によってもできるのですが、さきに首藤議員から御説明のあった、種類の違った、環境の整備という二点だけで、この単独立法を必要としたのでしょうか、その点ひとつ首藤議員からお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/15
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016・首藤新八
○衆議院議員(首藤新八君) お説のように、協同組合あるいはまた任意団体が全国の商店街に相当組織化されております。しかしながら、先ほど申し上げましたように、いずれもがいわゆる任意または協同組合、特に協同組合においては業種別の縦の組合がこれに入るということが条件になっております。任意団体のほうは商店街の方が全部入れますけれども、あくまでもそれは任意団体でございますから、法的な裏づけがなく、この執行が非常に弱い面がございますので、したがって任意団体を組織いたしましても加入者が非常に少ないというようなことで、運営がとかく円滑に運んでいないうらみがあったのでございます。この際、この欠陥を補いまするために、少なくとも何らかの業をしている者はむろん全員入ってもらうと同時に、業に関係のない方もこれに入ってもらって、一面においては業者の振興をはかり、一面においては商店街全般の発展向上をしていこう、特に御承知のとおり、現在の経済界で一番おくれておりますのが商店街と申し上げても過言でないと思います。いわゆる近代化が一番おくれておるのでありまするので、この際、この近代化を積極的に推進する必要ありということも相当大きなウエートになりました。この両方の目的を達成いたしたい、かような考え方が一番目的になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/16
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017・中田吉雄
○中田吉雄君 この商店街振興組合法による商店街振興組合を設立する場合、これが通れば今度中小企業団体組織法の商店街組合に関する事項は削除するのですか、そのまま残しておくのか、あるいは修正する考えがあるか、その点長官のほうから伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/17
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018・大堀弘
○政府委員(大堀弘君) 団体法改正案が政府提案せられました後に、本振興組合法案が議員提案になりまして、商店街商工組合の規定は一応団体法の中に残っておりますので、体系といたしましては、抜本的に法律規定の整理が完全にできておりませんと考えるわけでありまして、この点につきましては、将来重複しております規定についてさらに改善の方法について検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/18
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019・中田吉雄
○中田吉雄君 そうしますと、二つあればどっちでもやれるということになると、いろいろ支障もあると思うのですが、そういう支障はないかどうか、将来検討するとすれば、どっちか削除するということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/19
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020・大堀弘
○政府委員(大堀弘君) 商店街組合につきまして特別の立法ができますれば、おそらくこのほうを多くの方々が利用されることになろうかと思いますが、その重複の点につきましては、将来あるいは削除するか、そういった点について検討いたしたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/20
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021・中田吉雄
○中田吉雄君 この同業組合でない、業種の違ったものも対象にし、環境整備するというのは、なかなかこれは一つの重要なねらいだと思うのですが、それにはこの第十三条の商店街振興組合の行なう事業という内容は非常に重要だと思うのです。しかし、これをやるには商店街振興組合に対する助成措置として「予算の範囲内において、政令で定めるところにより、組合に対し、補助金を交付する」と、こういうふうになっているのですが、私この十三条を一々拝見しまして、たとえば保管というようなこと、これは商店街の業種の違ったものが、そこに倉庫を持って、なかなか店舗に収容するだけの施設はない、駅の近くにある日通の倉庫に保管を頼むより、はるかにいいと思うのです。業種の違ったものがやったり、その近くのものだけが保管したり、非常にこれは便利がいいと思うのです。そういう業種の違ったものが建てているものも私は知っていますが、非常にこれは妙味があると思うのです。しかし十四条を見ますると、倉荷証券が出せるようにということになりますと、相当倉荷証券が発券できるようになると、倉庫というものはなかなかこれは規格があって、相当な長期の資金の借り入れを受けるとか、よほどな施設がないといかぬと思いますが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/21
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022・首藤新八
○衆議院議員(首藤新八君) この法律の保管という最終の目的は、御説のように、やはり倉荷証券が発行できるというところまで持っていきたいというふうに考えておりますが、しかしそれまでにはやはり相当の段階を必要とすると思いますから、とりあえずは適当の倉庫を組合で借りるなり、あるいはその他の方法によりまして、業者のものを預かる、しかも低賃金で預かる、そしてこの利益を与えるというような方法がいいのではないか。それでこれをやった経験からだんだん上ずみになりまして、最後には倉庫証券の発行までできるりっぱな倉庫を持つようにしたいと考えております。こういう考え方に立っておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/22
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023・中田吉雄
○中田吉雄君 私はそういうのができればけっこうですが、なくても、倉荷証券は発券できぬでも、近接している業種の違ったものでも、倉庫を持っておれば、自分のところの店舗は小さくとも、非常にこれは便利なものだと思うのですが、そういう点で非常にけっこうだと思うのです。それから十三条一項の四号にはこういうことが入るのでしょうか。私、最近若干の中小企業の人に接触してみても、そこに使われる人が、その商店に住み込むというのは、とにかく家族の人が監視するというわけではないのですが、もう住み込みということで、給料が少し高くても、ごちそうがあっても、なかなか店員として来ないのです。ですから将来どうしても中小企業がこの雇用者を確保するためには、共同の宿舎というものがなしには、これはもうほとんど私はできないと思うのですが、この四の中にはそういうものも入っているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/23
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024・首藤新八
○衆議院議員(首藤新八君) 全くお説のとおりでありまして、現在この従業員に対する施設の不完全なものは、小売商段階が一番ひどいと思われるのであります。最近相当まあ自覚をいたしまして、共同宿舎とかあるいはまた単独の宿舎を備えておるものもありますけれども、まだまだ初歩の状態にありまして、全般的にこれは普及するには容易でないと思うのであります。したがってこの際、組合が指導的な立場をとりまして、すみやかにそういう宿舎の完備を推進するということがこの際最も必要だ、こういう考え方に立っておるのでありまして、この条項は御説のようなそういう面を取り入れた、目的とした条文であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/24
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025・中田吉雄
○中田吉雄君 私は優秀な定員を確保するには、勤務場所と宿舎を別にしなくては、もうとにかくそこに一日中おるのはうっとうしくてしょうがない。朝の九時から晩の五時なら五時というのでなくては、近代的な雇用制度は確立せぬと思うのですがね。
それから第八ですがね、この駐車場なんです。これは、私鳥取県ですが、もうほとんどの小売店が今自動車を持っているのです。乗用車あるいはライトバンの車を持って駐車場に非常に困っている。こういうのは、業種は違っても、近くにあれば、これはもう当然、最も緊急を要する私は共同施設だと思うのです。これ、たいへんけっこうだと思うのですが、そこでこういう第十三条のようなことをやりますためには、予算の範囲内で政令の定むるところによると——これまでの中小企業庁のやられておることは、大体は問題点は指摘して予算が少しずつついている。ほんとうに中小企業を振興するにはいろんな手が打たれる。もっと画期的な財政投融資、それと補助金なしにはだめだと思うので、結局この法律が生きるかどうかは、そういう画期的な施設があるかどうかだということですが、この点、首藤議員と大堀長官の御所見を聞いて、私は大体問題点はもうあげてあるの、だから、ただちょぼちょぼと……集中的に持続的にやはり手を打たぬと、この法律が生きぬと思うが、それに対する御所見を伺って、私の質問をやめたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/25
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026・首藤新八
○衆議院議員(首藤新八君) 全くごもっともでありまして、私たちもその点を非常に痛感いたしております。この八のいわゆる駐車場の問題でありますが、個々の商店が自動車を持って、この個々の自動車の置き場にも困っておる。いわんやお客の自動車を、現在の情勢から考えますと、どうしても相当広い場所を確保いたして、そして便宜をはかるという時代になってきたと思うのでありまして、これは個々の力ではとうていできないことでありまするから、組合がやはりこういう問題を重点的に取り上げて、そうして実行すべきだという考え方で立法したわけであります。
そこで政府の補助でありまするが、今日までも共同事業に対しましては若干の補助があります。ただしそれはスズメの涙にしか値しないような少額でありまして、かような相当の資金を必要とするものに対して、今後いかにすればこれを獲得できるかということでありまするが、すでに御承知のとおり基本法を三党で提案いたしておりまして、同時にまた国会の空気も、この際、中小企業を重点的に振興せしむべきであるという気分が今日ほど濃厚になっておることはないのでありまして、政府も、中小企業庁が極力各省の協力を求めております。また衆議院の商工委員会におきましても、明日大蔵省関係あるいは通産関係の首脳者を委員会に招致しまして、この問題を特に取り上げて、実はこの質問を展開する予定をいたしておるのでありまして、今後御意見に従って、できるだけ多額の補助金が出まするように精進いたしたい、かように実は考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/26
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027・剱木亨弘
○剱木亨弘君 今の点にちょっと関連してですが、この法律を立法した一つの目的は、もちろん協同組合ではできない面とか、あるいは町作りとかというような意味があったと思いますが、任意団体では、せっかく政府の援助と申しますか、やはりその法的根拠を与えたほうが援助するのに非常に適当じゃないか、これが一つの目的の中に私はあったと思うのであります。特にまた今中田委員の言われましたように、共同宿舎であるとか、駐車場であるとか、共同倉庫であるとか、いろいろ共同施設が多いと思いますが、これらの問題については、単に、この補助金も必要でありますが、あるいは金融措置とか、あるいは税法上の措置とか、こういうものも将来は考えてやらなければならぬと思います。こういう点について——これは質問じゃありません。政府のほうにおかれましても、ぜひ強力にこの立法の趣旨に沿うように、ぜひひとつ御努力願いたいと思いますが、この点につきまして御意見をちょっと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/27
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028・大堀弘
○政府委員(大堀弘君) ただいま御質問のございました点について、実は政府部内で検討いたしましたところで、この一番実は問題点になりましたのが補助金の問題でございます。それでこの協同組合あるいは商工組合、同様でございますけれども、この振興組合ができましても、こういった法律に基づいてやるのはもちろんでございますが、こういった組合に対して、あるいは組合連合会に対して、機関経費といいますか、人件費とか事務費の補助ということは、政府として従来やった例がないわけでございまして、商工会あたりになりますと、あるいは中央会あたりは、これはまた組合と違った指導事業をやっておりますのでいたしておりますが、こういう組合に対して機関経費の補助をいたした例はないのでございます。その意味におきまして、この点については政府として今日お約束できるような段階まで至っていないわけでございますが、ただ事業につきまして、ただいま首藤先生からお話がございましたように、私どもとしても共同施設補助という、近代化補助金の中の組合等に対する共同施設費補助という項目がございますが、これによって組合の共同事業に対する補助はいたしておるわけでございます。現にやっておるわけでございまして、さらに厚生関係からいいますと、住宅建設についても、現に建設省の建てております住宅建設の中に、中小企業向けは今年度は半分以上になっております。これは特ワクといたしまして半分以上になっております。さらに最近発足いたしました年金福祉事業団、これがやっております病院とかその他の医療施設あるいは厚生施設、こういうものに対する金融ないし建設ということについて、年金福祉事業団がやっておりますことは、これはまるまる中小企業のためにやっておるわけでございます。こういった意味で、そういった面の対策は相当充実して参っておりますが、問題はこれらの施設について五人未満の従業員に対する適用が現在のところないわけでございまして、商店街等については、私どもはこの点は抜け穴になっておる。したがって、こういった面に対するやはり財政面あるいは金融面の対策を樹立しなければいかぬということで、大蔵省にも強く要請をして参っておるわけでございまして、私どもとしましては、ただいま申し上げましたような共同施設費補助あるいはそういった厚生施設に対する政府の施策、さらに中小公庫なり商工中金なりの金融対策とあわせて、今後こういつた組合の一そうの充実ができますように努力して参るつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/28
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029・赤間文三
○赤間文三君 関連して、私、一言だけお願いをかねて。この商店街振興組合法案は非常に私どもけっこうだと思います。こういう法律ができましたならば、十分ひとつ効果があがるように格別やってもらいたい。それで通産省にちょっと一言お尋ねしたいのは、どうも、中小工業という面についてはあらゆる面から従来施策もあるように思うんだが、比較的に商業についての施策というものが割合に配慮が少なかったんじゃないかと思う節がある。私は通産省としてもやっぱり商業方面の小売商業、小売店、そういうものの整備改善ということに一そうのひとつ注意を払ってもらうということが大事じゃないか。そういう点からいっても、この商店街の振興法ができたのはいいと思うのですが、今後は特にひとつ、工業は言うに及ばず、商業方面にさらに力を入れていただく。ついてはたとえばこの商店街ができれば、さっそくたとえばアーケードというようなものを作られるときには、必要であると認められるならば、補助金を出すとか、今お話のあった共同の倉庫あるいは環境整備あるいは小売商店の設備を近代化する、建物のきたない店に補助をやるとか、手入れ費を出すとかして、店を近代化して、間接的にはデパートにも対抗ができるように、またこれができると、一区画が完全に商店街が一つの商店のごとく専門化もするし、環境も整備されると、思い切って、この機会に、ひとつ、このいい法律ができるのだから、それについては、今劔木さんからお話があったように、金融の措置というものはもちろんのことであるが、私も、補助金なども、思い切って組んでもらう必要があるのじゃないかと思うのですがね。要するに、今までの商業に対する施設補助その他のものが、やや、どうも私は少なかったと、これを機会に、でき得る限り、あらゆる面において振興策を講じてもらいたいと思います。それについて、何か、私の言うことについての感じがありましたら、簡単に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/29
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030・大堀弘
○政府委員(大堀弘君) ただいま赤間先生から御指摘ございましたように、私ども反省してみますと、確かに商業対策の面について、工業対策に比べて不十分ではなかったかということを感じております。その意味におきまして、実は、基本法の施行その他の問題も含めて、現在スケジュールを組んで、検討をさらに進めていく準備をいたしておるような次第でございますが、私としましては、特に、商業対策、流通機構及び末端の小売り商、問屋を通ずる流通面についての、いわゆる商業対策について、この際、抜本的に掘り下げて、対策の面の充実を期して参りたいという考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/30
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031・川上為治
○川上為治君 私は、衆議院で修正されました点について、二点、念のためお聞きしてみたいと思います。
第一点は、これは第九条の問題ですが、この商店街振興組合を作ります場合に、最初の案としましては、一般の小売商業だけではなくて、商業全般について商店街組合ができると、こういうことになっておりまして、この第九条の、「二分の一以上が小売商業」と、こういうような文句ではなくて、たしか三分の二以上が商業と、こういうことになっていたと思うのですが、そうなりますというと、八条によりまして、もちろん、卸売業者のほうも商店街の組合に参加し得るのでございますけれども、第九条の修正によりまして、卸売業者の密集している地帯、大部分が卸売業者の地帯については、これは商店街組合はできないということになるわけですが、たとえば東京でいえば横山町、ほとんどこれは卸売業者だけだと思います。ところが、この横山町においては、いろいろな共同的な事業をやりたい。たとえば共同駐車場の問題も、あそこは非常に問題になっていると思うのですが、ああいう地域については、この法律の恩典には浴さないということになってくるのじゃないかと思うのですが、私はむしろ小売商業だけではなくて、広く一般商業にしておいたほうがいいのじゃないか、こういうふうに考えますが、どういうわけで、この点を小売商業というふうに修正されたのか、その点をひとつ、お伺いしたいと思います。
そうして、そういうことになりますというと、結局問屋の商店街というものについては、協同組合でいくよりほかないということになっていくと思います。そうしますというと、協同組合に対する政府の助成と、この商店街振興組合に対する助成、これは相当違ってくるのかどうか。違ってくるというようなことになりますというと、先ほど申し上げましたように、問屋が非常に密集している地帯については、この法律によったほうがベターだということになってくるわけですが、その点はどういうふうにお考えになりますか。これが第一点。
それから第二点は、これは念のために特に聞いておきますが、第十三条の事業のところで、第七の「組合員の従業員の集団的雇入れ及びその従業員に係る賃金」云々とありますが、この賃金等の「労働条件の改善に関する事業」という中に、賃金協定が入っておりますか、入っておりませんか。もし入っているとするならば、独占禁止法との関係がどういうことになりますか。その点をひとつ、念のためにちょっと聞いておきたいと思います。
もちろん私は、商店街振興組合法案については、現在の小売の商業者等に、そうした情勢等からみまして、どうしても、こういう特殊な法律が必要だということは考えますが、今申し上げました二点について、簡単でけっこうですから、お伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/31
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032・首藤新八
○衆議院議員(首藤新八君) 川上委員の御質問の第一点でありますが、御承知のように当初は商店街——小売であろうと卸であろうと、全部包含するという建前で参ったのであります。それが小売商になりましたのは、実は社会党との話し合いで、これのほうが現実に適するのではないかというお話から、こういうことに修正をいたしたのであります。
そこで御指摘のいわゆる問屋街の集団地、東京で申し上げますれば、横山町その他二、三の場所が指摘されましたが、しかしそういうところにも、小売商はやはり三十軒以上は必ずある。したがって、必ずしもこれを小売商ということに変更したからといって、問屋のほうが非常に不便を感ずるようなことばないのではないかという実は考え方から、これを修正したわけであります。
もう一点の賃金の問題でありますが、御承知のとおり、小売商の従業員に対する待遇というものは、ほかの団体に比較しまして、相当おくれているものが多いということが、一般に認められているのでありまして、したがって、最近のように人が不足するということになりますると、一番それの影響を受けているのが、小売商だと申し上げてもいいと思うのであります。そこで人があまりにも少なくなりますから、そうしてあとの採用が非常に困難である。好むと好まざるとにかかわらず、業者のほうでは、思い切った待遇をしなければならぬという実は気持になるのであります。その結果が、今までは非常に安かったが、今度は非常に高い待遇をするものが若干出てくるのでありまして、しかもそれがために、その町のいわゆる標準の賃金よりも、そこだけが特に高いということで、他の業者に対しての大きな刺激がありまして、こういう面に、各商店が非常に苦しんでおりますので、この際、組合がやはり中に入って、この商店街だけの適当な標準賃金というものを作ることが適当ではないか。いわゆるアンバランスを是正いたして、適当な賃金を作ることがいいのではないかという実は考え方でありまして、この協定の問題でありますが、御承知のとおり、最低賃金法ができております。そうしてそれは地域別に、業種別に、最低賃金をきめることができることになっておるのでありまして、これは同一の業種ではありませんけれども、しかし商店街という同じ場所に居住しておる者に対しましては、やはりこれの精神に沿った、組合が中心となって、一定の標準賃金をきめるということは、これは可能であり、またそうすべきであるという考え方に実は立っておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/32
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033・川上為治
○川上為治君 この第九条の問題については、今首藤議員のほうから御説明がありましたが、私はちょっと、まだ疑問を持っているのです。たとえその小売業者が三十名あるいは若干それをこえましても、問屋のほうがはるかに多いという場合においては、ここに書いてありますように、「かつ、総組合員の二分の一以上が小売商業……」こういう限定がありますから、横山町のごとき問屋街——非常に問屋が多いという所においては、やはりできないということになってくるのではないかと私は思うのです。そうなってきますというと、前の法律のほうが広く書いてあって、そのほうがかえって私はいいんじゃないかと思います。私はやはり衆議院で修正されたのは、その点において、どうも少し間違っておるのじゃないかというような気がいたしますが、まあそれは、そういう場合においては、協同組合でやればいいんだ、協同組合で十分仕事ができるんだ、同時にまた、協同組合に対する助成金も、この商店街振興組合と同じようにやるんだというようなことでございますれば納得しますけれども、非常に差等がありますというと、そういう点をわれわれとしては、やかましく突っ込まなければいかぬと思うのです。その点をひとつ申し上げておきたいと思います。
それから第二の点の賃金協定の問題については、これは今お話がありましたように、私もこれでできるものと、こういうように解釈いたします。ただ、その独占禁止法との関係は、御説明がなかったのですが、これは八十条を見ますというと、一応独占禁止法の適用外だ、こういうことになるけれども、ただし書きがありまして、「不公正な取引方法を用いるとき」とか、その下に書いてありますようなそういうような「不当に対価を引き上げる……」こういうような場合においては、独占禁止法に引っかかる、こういうことに解釈してよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/33
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034・首藤新八
○衆議院議員(首藤新八君) お説のとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/34
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035・上原正吉
○上原正吉君 関連……。
ちょっとお尋ね申し上げますが、小売商業と卸商業と、どうやって区別なさるかという……。どんなお考えか。今、現在の商人で、卸だけはやるが小売はやらないという商人は、まあごく大商人以外にはなかろうと思うのです。横山町のごときでも、あれはもう一向平気で小売をやります。小売も、このごろだんだん大口になって来まして、いわゆる団体消費というものがふえて参りましたから、小売店の商いよりも団体相手の小売のほうが、はるかに商いが多いというような実例がたくさん出て来るのであります。私は、現在において、小売商業と卸商業とを区別するということは、実際問題としては不可能じゃないかと思うのです。その点については、どういうふうにお考えになりますか、ひとつ承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/35
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036・首藤新八
○衆議院議員(首藤新八君) 実は、そこまでは検討しなかったのですが、いわゆる社会通念から考えて、小売商に販売を目的とする店舗が卸である。そして大衆に物を直接売るのが小売商だという、いわゆる社会通念から考えて立法いたしたわけでありますが、御説のように、一方では卸をやるが、一方では小売もやっているという店も、実際問題としてたくさんあろうと思いますが、こういう小売面を扱っているものは当然この組合に入る資格は出てくるというふうに了解しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/36
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037・上原正吉
○上原正吉君 そこで、その小売を兼業しておるものは、この商店街振興組合を作ることができると、こう解釈したほうがわかりが早くていいと思うのですが、そういうふうに……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/37
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038・首藤新八
○衆議院議員(首藤新八君) ただいま申し上げましたように、かような方法で考えてやりたいと、まあこう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/38
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039・近藤信一
○近藤信一君 今ちょっと、下から呼ばれておりますから、二、三の点一括して質問いたします。簡単でよろしいから御答弁願いたいと思います。
商店街の振興は、これは何と言いましても、顧客のサービスという点を考えなければ、私は振興ということはなかなかむずかしいのじゃないか、こういうふうに私は考えるわけなんです。それでまあいろいろと十三条の中にも、事業計画がたくさん並べてあります。
そこで私は、先ほど川上委員からも質問がございましたが、第十三条の一項の七号ですね、「組合員の従業員の集団的雇入れ及び」云々とありますが、実際私も、いろいろ聞かされているわけですが、せっかく高い旅費を使って、そうして連れて来る。ところが一カ月か二カ月で、ちょいとなれたころに、みんなそれが帰ってしまう。というのは、大体賃金の問題、その他の施設の問題で、今日やはり産業が若干上向いているという関係で、大かたの人たちが、就職希望者は大きいところをねらうわけであります。せっかく連れて来たところが、今度その友だちからスカウトされて、よそへ変わってしまう。こういうケースが幾つもあるわけなんですね。そこで、どうしても店員の雇い入れということは、非常に私は困難になるのじゃないか、この法律が通れば、やはり運用上の責任というものは、これは政府が持つわけなんで、そういう点で、これは政府からも御答弁願いたいのですが、一体この法律が通ったならば、こういう点について、どういうふうな御指導をなさっていかれるお考えであるか、これがまず第一点。
それから十三条の二項の中に、「商店街振興組合は、前項第四号の規定により締結する火災により財産に生ずることのある損害をうめるための共済契約においては、共済契約者一人につき共済金額の総額を三十万円をこえるものと定めてはならない。」、こう三十万円と規定してありますが、今御承知のように池田内閣の所得倍増からくるところの物価倍増になり、三十万円で、焼けた場合には一体何が買えるか、こういうことを私は考えるのですが、この三十万円と最高をきめられた根拠というものは、一体どこにあるのか。
それからもう一つは、出資の点でございますが、二十条に「組合員又は会員は、出資一口以上を有しなければならない。」二項のところにもっていって、「出資一口の金額は、均一でなければならない。」と、こういうふうにあるのです。で、これは首藤さんも御承知のように、商店街に加盟する組合員には、段階や段層はたくさんあると思うのですね、ほんとうにその日その日を生活しなければならぬという小売商もあるし、まあ比較的裕福に暮らしているところの小売商もあるわけなんです。これを均一にされた根拠というものは一体どこにあるか。こういうことによって脱落していくということも生まれてくるのじゃないかということが私は憂慮されるのですが、この点いかように考えておられるのか、以上でございます。
まだたくさんございますけれども、ちょっと下から呼ばれておりますので、この点だけ御質問して、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/39
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040・首藤新八
○衆議院議員(首藤新八君) 第一点の集団雇用の問題でありますが、御承知のとおり現在の雇用難の場合、特に小売商が個々の店で新規採用と言ったって、なかなかそれは困難でありますが、組合が中に入って集団雇用すれば簡単であるということで、これを特に書いたわけであります。
そこで、先ほどお話のありましたように、いわゆる名前の大きい会社に魅力を生じて、機会があればそういう方面に移動するという例もまた決して少なくありません。したがって、それを防止するということも組合の一つの大きな事業でありますが、それがためには、宿舎の完備であるとか、あるいはその他慰安の設備であるとか、いわゆる福祉面において強力な施設を完備する必要がある。そうして、必ずしも大会社へ行かなくても、不愉快なあれはないという環境を作り上げるということが、一つの大きな事業でなければならぬと実は考えておるのであります。
第二点の三十万円の限度でありますが、御承知のとおり火災共済組合がありまして、それはやはり中小業者を対象とした共済事業でありまして、限度は百五十万円、事情のあるときには、これは二百万でも許されておりまするが、大体少額の保険であります。したがって、この法案で規制してありまする金額を、これを相当引き上げますると、この火災共済と競合することになりまして、非常なトラブルを起こすおそれがありますので、そういう面を特に考慮いたしまして、そしてまあこういう金額に押えたということであります。
出資の問題でありますが、御承知のとおり組合員は皆同等の資格でありますから、したがって、出資もやはり一口の金額は、最低でありましても同じ金額であることが原則でなければ、かえってそういう面から、またトラブルを起こすおそれがありますから均一にした次第であります。したがって、財政的に余裕のある方は二口でも三口でも、それは本人の希望によりまして幾ら持っても、それはいいことになっておりますので、少なくとも組合員であるとするならば、最低の出資だけは平等に持つことが必要でなかろうかという考え方に立っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/40
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041・大堀弘
○政府委員(大堀弘君) ただいま首藤先生からお話がございましたとおりに私ども考えておりますが、従業員の問題につきましては、やはり人の問題でございますので、私どもといたしましては、人が集まるべくして集まり、とどまるべくしてとどまるように、待遇の問題でありますとか、あるいは環境、厚生施設、そういった面について、今後さらに一そう充実をしていく。このためにまた政府としても金融面なり財政面の必要な援助をしていく、こういうことで進めて参りたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/41
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042・武藤常介
○委員長(武藤常介君) 他に御質疑はありませんか。——他に御発言がなければ、本案の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言がなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
本案全部を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/42
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043・武藤常介
○委員長(武藤常介君) 総員挙手と認めます。よって本案は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条により、議長に提出する報告書の作成等につきましては、慣例により委員長に御一任を願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/43
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044・武藤常介
○委員長(武藤常介君) この際、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
さきに議長の承認を得て調査を行なって参りました産業貿易及び経済計画等に関する調査を今国会閉会後も継続して行なうこととし、本院規則第五十三条により議長に継続調査要求書を提出することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/44
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045・武藤常介
○委員長(武藤常介君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。
なお、要求書の作成等につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じます。
ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/45
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046・武藤常介
○委員長(武藤常介君) 速記をつけて。
本日は、これにて散会いたします。
午後二時十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X03019620507/46
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