1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年十二月十一日(火曜日)
午後一時四十九分開会
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委員の異動
十二月十一日
辞任 補欠選任
阿具根 登君 北村 暢君
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出席者は左の通り。
委員長 村山 道雄君
理事
石原幹市郎君
下村 定君
鶴園 哲夫君
山本伊三郎君
委員
大谷藤之助君
栗原 祐幸君
源田 実君
小柳 牧衞君
塩見 俊二君
林田 正治君
北村 暢君
横川 正市君
鬼木 勝利君
小林 篤一君
国務大臣
農 林 大 臣 重政 誠之君
政府委員
農林政務次官 大谷 贇雄君
農林大臣官房長 林田悠紀夫君
農林省畜産局長 村田 豊三君
林野庁長官 吉村 清英君
水産庁長官 庄野五一郎君
事務局側
常任委員会専門
員 伊藤 清君
説明員
農林省畜産局参
事官 丹羽雅次郎君
農林省畜産局流
通飼料課技官 神橋 健一君
農林省農林経済
局肥料課技官 佐賀 直功君
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本日の会議に付した案件
○農林省設置法の一部を改正する法律
案(第四十回国会内閣提出、第四十
一回国会衆議院送付)(継続案件)
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001・村山道雄
○委員長(村山道雄君) これより内閣委員会を開会いたします。
委員の異動がありましたので報告いたします。
本日、阿具根登君が委員を辞任され、補欠として北村暢君が委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/1
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002・村山道雄
○委員長(村山道雄君) 農林省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案は、委員各位すでに御承知のとおり、筋四十回国会に内閣から衆議院に提出され、同院において継続審査の後、第四十一回国会において修正議決の上本院に送付された議案であります。本委員会におきましては、先国会末に付託されましてから、重政農林大臣の提案理由説明を聴取し、同大臣及び関係当局に対し質疑を行ないましたが、結論を得ず、継続審査の議決を得て今日に至っているわけであります。
ただいま申し上げましたとおり、本案についてはすでに説明を聴取いたしておりますので、先例により、これより質疑を行ないます。
政府側から重政農林大臣、大谷農林政務次官、林田政府委員、吉村政府委員、庄野政府委員が出席いたしております。
質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/2
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003・北村暢
○北村暢君 きょうは、前の臨時国会で一応質問がとぎれておりますので、それに引き続いて質問をさしていただきたいと思います。
今度のこの設置法の一部改正案は、農林省にとっては相当大きな機構改革でありますし、さらに農業の転換期にあたりまして、農林諸政策の転換期にあたりまして、いわゆる構造改善事業その他の政策問題とも非常に関連をする重要な法律改正だと、このように考えまするので、ぜひひとつ慎重に審議をさしていただきたい。他の委員会から参りまして発言するのでありますが、ひとつ委員長においてもそういう点を十分しんしゃくをして質問させていただきたい、このように冒頭にお願いを申し上げておきます。
きょうは午後でもありますし、時間が半端になるようなことのようでもございまするので、なるべく簡単な問題からお尋ねいたしたいと思います。
まず、肥料と飼料関係の検査所の合併の問題が出ておりますけれども、この飼料検査所と肥料検査所と合併しなければならない理由、特に肥料検査の今後のあり方、こういうものについてどのようにお考えになっているのか。まず、この点からお伺い申し上げたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/3
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004・重政誠之
○国務大臣(重政誠之君) 御承知のように、肥料検査の重点と申しますか、そういうものはやはり有機質の肥料にあると思うのです。菜種かすでありますとか、豆かすでありますとか、綿実かすとかいうようないろいろな有機質の肥料が検査の重点である。無機質の化学肥料のほうは、大体において硫安にしましても何にしましても成分がきまっておるものでありますから、重点はやはり有機質肥料にある。えさは御承知のとおりに有機質のものでありますから、それらの点から参りまして両方別々にしておく必要はないんじゃないか。成分検査をやるしからすれば、これはやはり両方一緒に取り扱ったほうが便利ではないか、こういうふうな観点からこれを合同しようというようなことになっておるのであろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/4
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005・北村暢
○北村暢君 ただいまの答弁で、肥料の検査と飼料の検査が成分検査で分けて置く必要がないから一緒にするんだ、こういう理由のようでございまするけれども、これは肥料と飼料とは本質的には非常に違う、そういう異質のものを検査ということで、単に成分検査ということで一緒にしてしまう、これは非常にしろうと的な考え方で、実際の検査の実行からいって、これは私はそうはいかないのじゃないか、このように思うんです。今大臣もおっしゃるように、肥料のほうは化学肥料で無機質物ですね。無機質物の成分検査、これが主体である。しかも、そういうことでございますし、飼料のほうはこれは有機質、有機物でありますから、分析の方法そのものについても、分析されている形からいえば分析だから違いないんだと、こういうのですけれども、実際方法その他においても違う。直ちに肥料の分析の装置でもってえさの分析ができるかというと、これはできないんです。しかも、最近における飼料の形というものは非常に変わってきている。特に従来ならば、まあえさということで、豆のかすであるとか、あるいは油かすであるとか、こういうようなかすというものを飼料にしておった、そういう観念の飼料というものが飼料であったそういう時代ではなくなってきているということですね。したがって、かすの観念というものから非常に大きく変わっている飼料検査、これが今後飼料検査において非常に重点を注がなければならないものでないか。また、その需要量においても非常に飛躍的に増加しておる。そのための強化ということについては当然だろうと思うのですが、一方肥料のほうは、これはメーカーそのものがえさに比べればはるかに大企業である。しかもメーカーの数も少ない。えさのほうについては、もう千差万別である、こういう点からいって、根本的に肥料と飼料とは本質的に違う。そういう異質のものを一緒にするということについては、根本的にこれは誤りでないか、このように思うのです。この点については、一体そう単純に考えていいものだろうかどうだろうか。飼料は、かす類というようなものが、いわゆる高蛋白の低カロリーというようなものであったものが、今後は穀類を中心として、そして低蛋白の高カロリーのえさに転換をしておる、こういう実情なんです。したがって、そういうものの分析と無機物の分析とはこれは違うんじゃないか。したがって、常識的な、分析だから一緒にしていいということは、これはいろいろな面において、実施の面において不合理な面があるのです。これは技術的ないろいろな見解を聞きましても、私はそういうふうに聞いておるのです。で、行政的に、単に定量分析であるから、方法が分析であるから一致するのだ、こういうことではいけないんじゃないかと思うのです。そこら辺のところは、十分検討されたものでしょうか、どのように考えておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/5
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006・重政誠之
○国務大臣(重政誠之君) 分析だから肥料と飼料を一緒にするのがよろしいのだと実は言っておらないのです。肥料には無機質の肥料と有機質の肥料とあることは御存じのとおり。有機質の肥料は——これはえさは御承知のとおり有質機であるから、その分析方法等については、これはえさといい肥料といい、その用途が違うのであって、内容は同じようなものがあって、そこで重複する。だからその面においては、これは統合したほうが便宜であろう。無機質の肥料は、これはものが違うのですから、分析方法も違うのだから、これは統合したからといって、その点が非常に便利になるとは考えられないのでありますが、有機質肥料の分は、統合すればこれは重複を避けることができる、こういう意味において、これは統合をすることが合理的なのではないか、こういうふうに考えておるわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/6
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007・北村暢
○北村暢君 それじゃ納得しませんので、これはね、肥料検査のほうは御存じのように、肥料取締法という法律なんです。それからえさのほうの検査は、これは飼料の品質改善に関する法律、こういう法律なんです。それで、それによってできている検査、しかも本質的にこの肥料検査所の性格が違うのです。ということは、肥料のほうは強制検査です。そして登録をしてないものは売れない。しかも今、肥料には有機質の肥料と無機質の肥料とあると、こういうふうに言われておりますけれども、有機質の肥料の検査は、検査の対象になっておらない。それは肥料には緑肥もあり堆肥もあるでしょう、そういうものは検査官の対象になっておらないのですよ。検査の対象になっているのは、無機質の肥料なんです。大臣は農政に詳しいはずなんだが、それを混同して答弁せらせるというのはおかしいじゃないか。それから飼料のほうの検査は、これは任意登録なんです。しかもこれは法律の題名にもありますように、品質を改善するための指導的な役割が非常に強い、肥料のほうもその品質改善ということもあるでしょうけれども、これは定量分析の結果、基準に合っているか合っていないかということによって取り締まりをすることが大体目的の法律です。そういうことで本質的に違う。これはどうしても私はこの法律の建前からいっても、異質のものを無理やり合併する、こういうことになる、これは行政指導上も非常に困るのです。ということは、今申したように、肥料のほうは強制検査であるから取り締まるということが先決である。検査を受けるほうから言えば、感じがそういうものなんだ。ところが、飼料のほうは、品質を改善することが目的のために、品質に合わないものは登録を受け付けない、こういう性格のものなんですね。検査をするのは、形はそうなんですけれども、根本的な精神の違うものを一致させるというところに非常に無理があるのじゃないか、このように思うのですが、その点はどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/7
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008・重政誠之
○国務大臣(重政誠之君) これは無理はないのですよ。今あなたが言われた肥料の検査の、有機質というのを、レンゲや堆肥の検査をするということは、あんた法律を読んだらすぐわかる、販売肥料を検査する、販売肥料には無機質と有機質とあるということを私は言っておるのです。わかりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/8
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009・北村暢
○北村暢君 わかります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/9
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010・重政誠之
○国務大臣(重政誠之君) それから第二の、法律が違う、法律の目的が違うと、こう言われるが、それはおのおのの法律に従って検査の目的が違っておっても、取り締まりをやる、あるいは改善をやる、そういう場合の、実際の検査の方法というものは、成分の検査なり分析なんです。これは同じことなんです。だからちっとも無理じゃない、このほうが合理的なんですよ、御了承願えますかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/10
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011・北村暢
○北村暢君 御了承はしないのです。御了承はしないのですが、そこでお伺いしたいのは、これはもう学説的に言っても、分析の方法が違うのですよ。で、肥料の分析は分析の方法がある。それからえさの分析は分析の方法があって、これはもう明らかに学説的にも分かれているのですよ。ですからね、それがたまたま場所を一緒にするという形でやるということであれば、まあ場所が一緒だということで一緒にしていいのだ、こういう理屈も成り立つでしょう。しかしながら、今後におけるえさ行政というものは、現在の農林省の行政組織の機構の面からいくというと、これは縦割り行政になっているわけです、畜産局関係でえさ行政をやる、そういうことで縦割り行政になっている。それからまた、この肥料検査所は、農林経済局の所管なんだ、そういうことで、二局にまたがっているものを一緒に持ってくるというところに私は問題があるのじゃないか、このように思うのです。それでお伺いしたいのは、一体農林省の方針として、植物の肥料関係というものと動物関係のえさ、こういうものとを、検査ということで、様態が似ているからということで一緒にするということについては、そういう総合的な機構に今後持っていく、こういう農林省の方針なのかどうなのか、この点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/11
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012・重政誠之
○国務大臣(重政誠之君) ちょっと御質問の趣旨がわかりませんが、例をあげて申しますれば、かすは肥料にも使い、えさにも使う。その成分検査は同じ方法なんですよ。えさに使おうが、肥料に使おうがその成分検査は同じ方法なんです。であるから、それを何も用途によってこれは肥料だ、これはえさだというので検査を必ずしも別にしておかぬでもいいじゃないかというのがこれの趣旨なんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/12
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013・北村暢
○北村暢君 大臣、肥料にする大豆かすとか、それは肥料になりますよ。魚粉だって肥料になるのですから。しかしながら、そういうものの化学肥料の検査のウエートと肥料検査の量的なもの、一体どういうような検査をやっているのか、ひとつ資料として、これはどこか見ればあるのですけれども、出していただきた、そういう検査は一体やっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/13
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014・重政誠之
○国務大臣(重政誠之君) その量はまたあとでひとつ統計を出させますが、硫安にしても、尿素にしても、過燐酸にしても、大体工場生産のものであるから、そこで住友化学の硫安が二一%、昭和電工は何ぼ、これはほんとうは大体わかっておる、こういうものは。でありますから、それの肥料検査ももちろん重要な対象であるが、肥料検査のほんとうに必要なものは有機質なんです。有機質と無機質をまぜたりあるいは有機質だけの配合肥料とかいうようなもので成分を表示しておるが、その成分がはたしてあるかどうかということは、ほんとうに検査の重要な対象なんですよ。無機質の単肥などというものはもうきまり切っている、工場生産だから。有機質のほうはそうはいかない。そういうことになるわけなんです。だから肥料に使っておる量が無機質が何百万トンで、有機質のほうが百何十万トンだ、ただその量だけによって判定は実際はできないですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/14
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015・北村暢
○北村暢君 そうすると、登録件数が三十六年で一万一千八戸三十三件です。それで仮登録が八、そういうことで登録されておるのだが、このうち幾らが有機質で、幾らが無機質ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/15
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016・林田悠紀夫
○政府委員(林田悠紀夫君) 資料を持ち合わせておりませんので、件数につきましては、あとで御説明させていただきたいと存じますが、今当然それは登録の件数とか、そういう検査の点数は無機質が多いわけですけれども、要するに検査の上において無機質は、大臣から今お話のありましたように、一定の成分を持っておるわけで、化学工業が非常に進んでおりまするので、成分にあまり変化がないわけなんでございます。それで肥料検査のほうで問題にしておりまするのは、そういうものを配合いたしまして、有機質肥料と一緒に配合いたしましたりあるいは高度化成というような特殊の肥料を作ったというような場合に検査が問題になるわけでございまして、そういう意味におきまして飼料の有機の成分の検査と大体同じようなことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/16
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017・北村暢
○北村暢君 それはしろうとの考え方でしてね。同じ操作で分析はしないのですよ。実際私は飼料検査所と肥料検査所のもので調べてきているのです、実際どうやるか。今度神戸と名古屋ですか、新しく実験室もできているようですけれども、これは装置は別々にするんですよ。同じ機構でもって同じにやるんじゃないですよ。あなた方はどういうふうな予算の取り方をしているか知りませんけれども、その装置を、実験室を作った形を見てごらんなさい。今大臣のおっしゃられることだというと、豆かすを使うのは肥料であろうと飼料であろうと分析の方法は同じで、豆かすは肥料の分析の方法で飼料のほうも事足りるのだ、こういう考え方だったら、あなた方の、昭和三十七年度、ことしの予算組んだ予算書を持ってきてごらんなさい、これはそういうふうになっておりませんよ。そういうふうにはできないんですよ。できないものをできると強弁せられる、こういうところでそういうふうに公言されるということについてはそれはどういうふうになっているのか。豆かすなら豆かすをすりつぶす道具ぐらいはそれは一緒に共通に使えるかもしれない。それはそういうことができるかもしれないけれども、分析の方法は違うんですよ。だから装置が違うんです、これは。肥料の装置でえさのほうの分析はできないんですよ。そういうことは区別されておらないのですか。それは一緒にできるとおっしゃるのですか。それだったならば、何も肥料課と飼料課と分ける必要はないと私は思う。そういうふうにはなっていませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/17
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018・重政誠之
○国務大臣(重政誠之君) 飼料課と肥料課と分けるのは用途に従って分けているのであって、蛋白を検出する分析の方法、肥料のほうでは窒素と言い、えさのほうでは蛋白と、こう言うておるようですよ。だからその分析の方法はだんだんと進んでいくのであるから、従前の方法とあるいは最近の方法とはそれは違うことはあるかもしれぬが、しかし、原則的にいえば、これはその方法が著しく違っているとは私は考えていない。私はそのほうの専門家でないから、技術の専門家でないから詳細に御説明するわけにいきませんが、大体の考え方としては、私も長い間えさもやっているし、肥料もやっている。だから常識的にこれを言えば、同じ蛋白の量を検出する方法がえさに使う部分と肥料に使う部分と同じ豆かすを分析する場合に違わなければならぬとは私は考えておらない、これは常識的に。なお必要があればこれは説明員を呼んで技術的に説明させます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/18
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019・北村暢
○北村暢君 ぜひ技術的に説明して納得のいくようにしていただきたい。それでなければ大臣の説明でやったらこれはみそもくそも一緒くたになってしまう、そういう理屈でいけば。これは一緒にするということは理屈としては成り立つと思う。しかし、私の調べた範囲ではそういうふうになっておらない。それで私は納得をしないわけなんです。ですから納得できるのであったならば、技術者を呼んで、ひとつ実際に肥料検査所の人とそれから飼料検査所の人と一緒に来ていただいて、そうしてどういうふうになるのかということを立証をしていただきたいと思います。これはもう詳しく質問をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/19
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020・重政誠之
○国務大臣(重政誠之君) 後ほど専門家を呼んで御説明させますが、これはまた、かりにあなたが言われるように分析の設備方法が違うとしても、これが同じところにあれば、人的間にはこれは同じような知識を持って、まあかりに違っておっても大同小異だろうと思うんだ、私は。そうすればこれを一緒にするほうがより能率的であるということは私は言えるのじゃないかと思うんですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/20
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021・北村暢
○北村暢君 それじゃもう一つお伺いしますが、そういうものは肥料と飼料でなくて行政的に一緒にしたほうがいい、こういうものであったならば、農林省の中にまだそういうものはたくさんありますよ。一つの例をとれば動植物検疫所というのがありますよ。動物検疫所と植物検疫所。これはかつては一緒だったのです。動植物検疫所だったのです。しかも港湾行政の一元化という点からいったならば、これは当然行政組織的にいえば一元化したほうがいい。こういう理屈が成り立つ。ところが、これは従来一緒であったものが今日動物検疫所、植物検疫所と分かれているのです。それで所管も農林経済局と畜産局と分かれておる、そういうふうになっているのですよ。これはだれが見ても、この検疫ということで一緒であり、個所も一緒でありながら分かれているのですよ。なぜそれじゃそういうものを一緒にしないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/21
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022・重政誠之
○国務大臣(重政誠之君) これはちょっと違いはせぬですか。動物の病気と植物の病気とこれは違うものが多いんじゃないですか。それだから、これは同じ人間でこれをやるというわけにはいかないんじゃないかと思うですな。そこで、この場合は、かりに例を豆かすにとっていえば、同じ豆かすなんだから、その蛋白なら蛋白の検出をやる、窒素のあれをやる。今の動植物検疫所というものは、動物の病気と植物の病気とは違うんだから、同じ技術官でやれない、おのおの専門家でやらなきゃいかぬというところに違いがあるんじゃないかと思うんだ、私は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/22
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023・北村暢
○北村暢君 ですから、これは行政的に言えば一緒のところにあったほうが港湾の組織の、今臨時行政調査会で検討されておるでしょう。港湾行政を一元化するということで、関税その他検査、いろいろな輸出入関係の問題、そういうような問題が行政組織上として出てきている。それでもなおかつ一緒にできないでいるというのは、動物と植物で分かれておる、そういう大臣の考え方で分かれておるんだと思うのですよ。昔は一緒にやっておった。ところが、これは肥料の問題についてと飼料の問題ですよ。肥やしとえさという場合……あなた肥やしとえさですよ。同じ豆かすでも肥やしとえさというものの違いは、これは一体どうするのですか。みそもくそも一緒にするということは、そういうことを言っているのですよ。肥料というのは肥やしなんだ、動物の食べるのはえさなんだ。そのみそもくそも一緒にしたものの考え方、今日そういう飼料と肥料の考え方ではいけないのです。そういう考え方ではだめなんです。だから、私は一緒にするということは、行政面からいって今後に非常に大きな支障が出てくる、こういうふうに思んです。したがって、一方は動物であり、一方は植物だから技術的に違うんだと、こう言う。これも私の見解からいえば違うのです。したがって、一緒にすべきじゃない。しかも肥料関係は全国六カ所か七カ所あるのでしょう。えさの検査所は東京に一カ所しかないのですよ。えさの重要性からいって今後強化てしいくというのだったならば、えさの関係で強化すべきなんです。それじゃ無機質の化学肥料というものは、これについては大会社でもって、そんなもの検査する必要ないのだ、こういうふうにいわれているようですけれども、実際に今農林省から配布された資料の中に、一体有機質と無機質の、登録肥料というのはどういうことになっているかということすら分けておらない。あなたが出した、審議してくれと言ったこの資料の中にあるのですよ。調べてごらんなさい。あなたからの資料の中に入っている。その内訳すらもわからない状態なんです。それでいてこの肥やしとあれを一緒にしたような議論をはいて、一緒のほうがいいのだ、これでは納得しませんよ。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/23
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024・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 さっき北村委員のほうから植物防疫と動物検疫、これは一緒になっていたけれども、また分けた。それは違いはしないかという大臣の話。これは前は植物防疫と動物検疫はそれぞれ独立していたのですよ。一方の動物検疫は畜産局、植物のほうはこれは農林経済局。分かれていたのですよ、それを一本にしたのですよ。一本に動植物検疫所という一つの組織を作ったのです。というふうに私は記憶しているのです。ところがまた分けたのですよ。今日御承知のとおりに動物検疫と植物防疫とそれぞれ分かれている。それと似たような形が今飼料と肥料に出ているのじゃないかということを心配するわけです。私さっきそれを聞いていて、大臣が誤解されているのじゃないかと思うのですね。ちょっと私誤解のないようにひとつ話をしたのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/24
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025・重政誠之
○国務大臣(重政誠之君) 誤解しているのじゃないのですがね、ただこれは行政上の、一緒にするというのであって、動植物の検疫所となっておろうと、動物検疫所と植物検疫所と分かれておろうと、物が違うのですから、これは動物の病気と、植物の病気とは違うのだから、一緒にしても、建物の一緒のところで、おのおのそれを検査をやったり、防除のいろいろのことをやるというようなこと、これはもっぱら行政の便宜の問題であるわけなんです。今肥料検査と飼料の検査を一緒にするというのも、これもやはり行政の便宜のためにそうやったほうがいい、こういうふうに考えている。なぜ便宜であるかといえば、今申し上げたように、同じもので、物は一つであっても、その用途が違う。しかし、分析をやったりなどするのは、蛋白がどれだけある、何がどれだけあるということを分析するのであるから、これは一緒にしたほうが便宜である、こういうふうに考えてやっているのであります。こういうことを私は御答弁申し上げたわけです。それはそうでないほうがいいのじゃないかともこういう御意見なら、それはまたそれも一つの御意見です。これは要するに意見の相違ですから、どうもこれはいつまでやっても……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/25
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026・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 大臣、目先で話しちゃだめですよ。農林省は植物防疫と動物検疫と一緒になったやつを一本にした、一本にしたところがまずいからまた分けた、というのが農林省の過去の政策の中にあるのじゃないかというふうに私は言っているわけです。今それと全く同じようなケースですよ。そうじゃないですか。私はそういうふうに記憶しているのです。だから機構は小さいですよ。肥料検査所にしましても、飼料検査所にしましても。だからといって大所高所から大ざっぱな話をされては困るというのですよ。そこに働いている人は仕事の虫みたいに一生懸命仕事をしているのですよ。大臣がそういうふうな大ざっぱな話をされちゃかないませんよ。非常に苦労したんです。植物防疫、動物検疫は非常に苦労したんです。そうしてまた二つに分けたんですよ。そういう経緯があるから、今北村委員が詳細にこれについて話をしているんです。お互いにこれはもっと突き詰めて話をしようじゃないですか。私はそう思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/26
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027・重政誠之
○国務大臣(重政誠之君) 意見の相違ですよ。これは私が何もこれを一緒にしろと言って原案を作ったのでも何でもない。これは事務のほうの専門家がこういうほうがいいというのでやったのだから、これを私といつまでやっても同じことなんだから、要するに、専門家とひとつお話を願いましょうか、それは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/27
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028・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 打ち切り。そんなことはない。官房長のところで話をまとめて答弁してもらいたい。だめだよ。委員長、いいかげんな話はだめだ。官房長のところで専門家の意見を聞いて、官房長のところでちゃんと答弁してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/28
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029・村山道雄
○委員長(村山道雄君) 詳細の問題は、事務当局から聞いていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/29
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030・北村暢
○北村暢君 休憩してやるんならやる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/30
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031・石原幹市郎
○石原幹市郎君 この問題は、あとで専門家が説明するというんだから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/31
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032・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 そんな話をされちゃ審議できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/32
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033・重政誠之
○国務大臣(重政誠之君) 本案は、あくまで私の答弁は、今大臣が大ざっぱにこういうことを作られちゃ困ると言われるから、それで私はこう言ったんです。私の命令によってやったのじゃないということを言ったんです。ということは、やはり専門家が原案を作ってやったのを私が適当であると思って提案をしているのだから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/33
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034・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 休憩。だめだ。与党委員長しっかりしなさい。官房長まとめて答弁しなさい。こんな大きな問題をいいかげんに答弁されちゃ困る。官僚が作ったので、私が作ったのじゃないというようなことを言われたんじゃかなわない。しっかりしてもらいたい。官房長、取りまとめて答弁。それまで休憩。審議ができますか。石原理事は自治大臣までやった理事だから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/34
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035・石原幹市郎
○石原幹市郎君 大臣は責任をもって提案されているんだからね。大臣はこのほうがいいと思って提案されたのだから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/35
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036・重政誠之
○国務大臣(重政誠之君) もちろんそうですよ。これは私は確信をもって提案しているんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/36
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037・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 そんなことは言わぬじゃないですか。官僚が作ったんだ、こういう話じゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/37
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038・重政誠之
○国務大臣(重政誠之君) それを私が適当であると思って確信を持って言っている。それでいろいろ説明したでしょう。いろいろ説明しても了解ができぬというんだから、意見の相違だと言うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/38
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039・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 その意見の相違と言うからおかしいんで、役人が作っても、大臣がいいと思って提案したのだ、そこまで言ってもらいたいんだ。さっきのはしり切れトンボで、こっちまで頭へきちゃった。(「進行進行」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/39
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040・北村暢
○北村暢君 進行というよりも、今言った専門家の意見、満足な答弁されていないわけですからね。それで強弁しているというふうに、私はそう思うのだけれども、実際ほんとうに大臣は行政組織的にいって、それがいいと心得ておられるのかどうなのかという点については、まだ私は疑問がある。これは、従来はやはり経済局の所管と畜産局の所管なんです。そうしてえさの検査というのは、やはり将来畜産局関係と密接な関係を持っていかなければいけない。またそういう関係にある。しかも、えさとそれから肥やしという問題は、これは行政的に区別するとするならば、まだほかの方法があるのですよ。検査にしても肥料の検査ばかりじゃない。肥料検在所ばかりじゃない、えさの検査所ばかりじゃない、食糧もある。まだそのほかに検査関係やっているものがあるのです。したがって、この系統的からいうならば、えさも、今日のえさというものは、先ほど申しましたように、豆かすも肥料である、えさである、こういう以前に小麦、大麦、こういう穀類としての食糧、人間の食べる食糧と動物の食べるえさ、これのほうがずっと近いのですよ、ものの考え方としては。今後そういう食糧という観点から行政が一元化されていかなければならない。たとえば穀物検査所関係で輸入のえさは穀物検査所で検査しておりますね、輸入のえさ、そういうことになっているだろうと思うのです。農林省の検査、穀物検査、輸入のえさですよ。食糧じゃないですよ。これは穀物検査所で検査をしておるのです。それからこの試験、指導という、優良なえさを作っていく、そういう指導という建前からいくというと、これは人間であろうと動物であろうと栄養学的な基礎に立っておる。したがって、これは食糧研究所の研究と非常に似てくるのです。これはそういう点からいくというと、このえさの検査機構というものは、今申したような、どうせ畜産局のものがほかのものと合併していく、経済局関係の肥料検査と合併するというようなことでもいいというのだったならば、かえって肥料と合併すべきでなくて、これは食糧庁関係の飼料、飼料川の検査、輸入飼料というのはそこで検査しているのですから、穀物検査所でやっているのですから、そういうところと一緒になっていくべきである、そういうことこそ正しい行政の合併の仕方、統合の仕方じゃないか、このように思うのです。これは同じ農林省の所管の中にあるのですよ、これは。これをどういうふうにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/40
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041・重政誠之
○国務大慶(重政誠之君) 検査はいろいろやっておりますが、同じ字は検査でありましても、輸入食糧とか輸入のえさとかいうのは、何も分析してどうこうするという検査じゃないのです、御承知のとおりに。数量があるかどうか、米についても、御承知のとおり、生産検査というのをやっておるでしょう。これは分析も何もするのじゃないのですよ。その乾燥の度合いがどうか、等級をきめるのに検査をする。輸入食糧だって、小麦の輸入についての輸入検査だってそういうわけなんです。ですから、おのずからその検査の目的が違ってその内容が違ってきておるのですから、なるほど食糧に近い、こう言われればそういう部分ももちろんあるわけでありますが、検査の内容が違うのですから、そういうわけにはいかない、これは。やはり検査の内容からいって成分検査等からやはり有機質量の検査に近いのです、このほうが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/41
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042・北村暢
○北村暢君 先ほどの有機質の検査、無機質の検査、これの問題なんです。今大臣のおっしゃられるそちらのほうに重点が、肥料検査も有機質検査というものが重点であるということになれば、検査の方法なり、何なりという問題についてそういうことは言い得るでしょうけれども、行政的からいけば、行政の組織からいけばこれは機構改革なんですから、しかも行政のやりやすいように、これは当然人事権、指導監督という面も出てくるのですよ。そういうものですから、行政のやりやすいように機構というものはあるべきだ、こういうふうに思うのです。したがって、私は、先ほどから動植物検疫所の問題も出して言ったのですけれども、これは動物検疫所、植物検疫所だけの問題じゃない。畜産関係の試験関係もそういう考え方に立っておる。畜産試験場というものが従来あった。これが畜産試験場というものを農業試験場の中に入れて、畜産部というものにした。過去においてそういうことをやった。ところがどうしてもうまくいかない。そしておととしですか、去年ですか、また畜産試験場というものを農業試験場から分離して作りましたね。そういうことになっているでしょう。だから動物関係と植物関係、こういう関係で、やはり行政的にそういう観点から、一ぺん農業試験場に合併した畜産試験場を再び昨年畜産試験場として独立さした。そういう点からいって、この畜産関係の所管事項というものは、やはり畜産局の指導監督下に置くということが、私は行政のあり方として、行政のやり方としてそのほうが都合がいいのじゃないか、このように思うのです。それが今度は農政局の指導監督機構の中に入るわけですね。今度のできました肥飼料検査所というのは農政局の所管になる。したがって、畜産局とは間接的になる。人事の面においてもそういうことにならざるを得ない。そういうことで実際に今肥料検有所で働いている技術者、飼料検査所で働いている技術者、これは技術者みんなプライドを持っておりますよ。肥料の検査の技術者が直ちに飼料のほうにかえる。先ほど言った行政的な違いもある。直ちにそういうふうにはいかない。こういうふうに判断しておりますが、そういうほうがいいんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/42
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043・重政誠之
○国務大臣(重政誠之君) 私は寡聞にして農事試験場と畜産試験場を一緒にしたということは聞いておりません。これは昔から畜産試験場は畜産試験場、農事試験場は農事試験場、植物、動物違うわけですから、今まで変わりないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/43
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044・北村暢
○北村暢君 一緒になったのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/44
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045・重政誠之
○国務大臣(重政誠之君) 一緒になったということは私は寡聞にして知りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/45
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046・林田悠紀夫
○政府委員(林田悠紀夫君) 農業試験場と畜産試験場の関係でございますが、おっしゃいますように、農業を総合的に研究しようというようなことがありまして、西ケ原の農業技術研究所といたしまして、そのときに畜産の研究を農業技術研究所ですることにしたわけであります。ところが、だんだん専門が分化して参りまして、畜産とか、園芸の重要性が増しまするにつれまして、一方におきましては農業の研究を総合するという農林水産技術会議が農林省にできましたので、そこで総合するということにいたしまして、畜産とか園芸を再び農業技術研究所から離して別にいたしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/46
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047・北村暢
○北村暢君 したがって、今までやはりこれは試験場の中にあって、今でも試験場によっては畜産部というものが残っているのです。畜産試験場ということで全部なったわけじゃない。千葉の畜産試験場は畜産試験場ということになっている。北海道の畜産の試験研究をやっているのはまだ畜産部といって農業試験場に残っております。したがって、これも将来は分離していくのじゃないかと思いますが、そうして上のほうの農業技術会議でもって調整をとればいいということになれば、当然北海道の試験場にある畜産部はこれは独立してもいいだろうということになると思います。そういう思想に統一されれば、そういうことになってくる。したがって、やはりこれは畜産試験場というのは技術会議では統合するけれども、畜産行政と蓄政行政は密接不可分にやっていく、そうして畜産局とのつながりというものはそれは総合する面においては技術会議でやりましょうが、畜産プロパーの問題については、これは当然畜産局と密接不可分な形でいく、これはあたりまえなことなのであります。そういうことで総合するものが、こういう形で一緒になったり離れたりするものが農林省の機構の中に歴史的にあると思います。したがって、私は今大臣のおっしゃいますように、意見の相違ということで強弁しておられますが、一緒になったものがまた分かれるというようなことが起こってくることを心配する。しかもこれが一緒にしたことによって相当な混乱がやはり起きてくる、そういう面を実は心配するのです。ということは、どういう混乱かというと、これは肥料検査所のほうは現在六カ所か七カ所に分かれて検査所があるわけです。そうして人員も九十一名でやっている。飼料のほうは東京に一カ所でもって二十六名、しかもこの二十六名の人員のうちほんとうの飼料検査の分析に当たっている人は十二名しかいない、あとの十名はこれは事務関係、それからまた本省へ四名定員を取られているので、わずか二十六名しかいないうち本名に四名持っていかれて検査所にはいないのです。そういう実態にある。しかもその十二名の分析する技術帝のうち約半数はまだ一人前じゃない、したがって、六名の人でこの飼料の検査に当たっているのです。東京に一カ所でもって全国の飼料の検査をやっているわけです。したがって、この分析をやる技術者は常に東京におらなければならない、それから一部の人は全国を歩いてサンプルをとらなければならない、こういう飼料の検査行政として、検査所と簡単に言われているけれども、そういう非常に窮屈な検査に甘んじてやってきている。これを今六カ所に肥料と飼料の検査所ができるといった場合に、この六名の一人前の検査をできる人を分散配置して飼料の検査がうまくいくかというと、これは停滞するんです、実際は。機能を発揮することができなくなっちゃう。そういう問題が出てくるんですよ。簡単な問題でない、これは。ことしの段階で名古屋と神戸に実験室と検査室を増設したようでございますが、そこへも人が行かなければならぬ。それじゃあこの肥料の関係の人が直ちにえさのほうの実験室に入って仕事ができるのか。これはそう簡単にはいかないわけです。したがって、このえさの検査機構としては、これは能率低下ということが起こってくるんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/47
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048・林田悠紀夫
○政府委員(林田悠紀夫君) 肥料と飼料の検査の問題でございまするが、これはやはり同じように農芸化学を出ましたり、あるいは応用化学をやっておった、いわゆる化学者が大体検査をするのでございます。それで飼料の検査は、仰せのように、今東京に一カ所でございます。それで肥料が六カ所あるのでございます。それで今度これを一緒にいたしますると、えさが非常に多くなって参りましたので、えさの検査をぜひふやしてやらなければいかぬという問題がございまするので、それで肥料の化学者もえさの検査もでき得るわけでございまするから、むしろこれを一緒にいたしまして、全国的にえさの検査もやり得るようにしたらいいじゃないかというような見地からやったわけでございます。それで定員といたしましては、現在肥料検査所が九十一人で、えさの検査所が二十六人で、百十七人でございまするが、それを今度ふやしたいということを考えておりまして、三十七年度に百二十二人の定員にするようにしておるわけでございます。それでそういうふうなことによりまして定員をふやし、機構を拡充いたしまして、肥料と飼料の検査を統一的に、能率的にやりまして、飼料の検査に遺憾なからしめたいというような考え方を持っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/48
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049・北村暢
○北村暢君 まあ人員もふやすというんですが、たった五名ふえるんですよね。これは課長だの何だのという者がふえてくるんですから。そういう人しかふえないんです、これは。そんな程度のものです、たった五名では。一カ所であったものが六カ所になる。そうすると現在のえさの検査所から名古屋とか神戸へ行くんですか。行かないんですか。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/49
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050・林田悠紀夫
○政府委員(林田悠紀夫君) 肥料とえさを総合させながら検査をさせていきたいという考え方を持っておりまするので、この定員の増の五人につきましては、振りかえとかあるいは定員化とか、そういうもので増加するわけでございまするが、その各検査所の間におきましては、必要でございましたならば、その間に人員の異動をやるということももちろんできるように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/50
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051・北村暢
○北村暢君 大臣、たった十二名、実際に分析そのほかやる人が十二名おる。そのうち六名がまあ一人前じゃないわけですよ。たった六名しかいないのですよ。これを今名古屋、神戸へ分散するわけです。移すわけなんですよ。たった六名の人をね。飼料の検査数量というものはもちろん膨大にふえてきておる。したがって、将来はそういうふうに分散していくことも、それは技術者を養成して、そうして分散することもいいだろうと思うのです。またしなければならないだろうと思う。ところが、現状においてこれを分散配置するということは、検査の機能そのものが運用上からいって非常な支障を来たす、こういうことを実際にえさの検査の関係者は言っておるのです。これは間違いない。分散したら三倍の能率が上がるかというとそうはいかない。一カ所をまず強化してそこで養成されて三カ所に分かれるというならいいんだけれども、今のわずか十二名の人員を直ちにこれを分散して目的は達せられるかというと、そうは簡単にいかないと思う。こういう段階にあるようです。これは関係者からよく聞いたのですけれども、そういうことのようであります。したがって、もう要望としてはまず東京のこの検査所を充実してもらいたい。人員も増加してもらいたい。本省に四名も畜産局で取り上げておいて、わずか二十二名のうちから四名も本省へ定員を取っていっちゃっている。こういうことをやっておって強化充実するなんていったって、まずそういうようなことを改めて、検査所を充実して、それから一つやるならやってもらいたいというのがその関係者の要望なんです。そういう実際に検査に当たっている人の意思を無視して、肥料が六カ所あるから六カ所にするのだ、これでは六カ所全部配置するわけにはもちろんいかない。全部で十二名しかいない。しかも一人前のは六名しかいない。したがって、この六名の人を六カ所へ分散配置することはできないでしょう、実際問題として。したがって、名前だけは肥料検査所というものができますけれども、その肥料の人が直ちに飼料ということで業務運営がスムーズにいくのかいかないのか、地域的なものを担当してうまくいくのかいかないのか、これは実費的に業務ができないという結果に、これはブランクが出てくることはもう否定できない。したがって、先ほど官房長が説明されているように、実際問題としてこの肥料の人は農芸化学出ているのだからちょっと頭を切り換えれはできるのだと、こういうふうなことでしょうけれども、そうは簡単にいかないです。これは必ずブランクが出てくるという問題が出てくる。したがって、これの統合は、決して行政上はプラスにはならない。一時的なブランクは、将来においてはどうか知りませんけれども、一時的なブランクというものが必ず出てくる。このブランクを作らないでやることが、私は行政的に必要なことだろうと思うのですよ。非常にこれは無理をしている、このように思うのです。したがって、これは私はやはり一時見合わしたらいいんじゃないか、ごく簡単なことですから見合わしたらいいんじゃないか、こう思うのです。神戸と名古屋のえさの実験室はもうできたのですか、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/51
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052・林田悠紀夫
○政府委員(林田悠紀夫君) 神戸と名古屋の実験室につきましては、現在設計をしておりまして、もう間もなく入札に付しまして作るということにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/52
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053・北村暢
○北村暢君 そうしますというと、まだ着工はしておらないということのようですね。しかし、それにおける予算の、増築の予算要求の内容を見ますというと、えさの検査の業務をやるような適当な予算になっていない、施設になっておらない、こういうことは知っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/53
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054・丹羽雅次郎
○説明員(丹羽雅次郎君) 一応分析ができるような施設を設置することで予算を計上いたしております。目下のところ設計の段階でございまして、実施に至っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/54
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055・北村暢
○北村暢君 その予算の内容からいきますというと、えさの分析をする際に、脂肪、蛋白こういうものを検出する際に、今粉砕機ですね、粉砕をする機械、こういうものはすり鉢でごりごりごりごり手ですっているようなことは今やっておらない。それが肥料のほうはそれで間に合う。ところが、えさの場合はそういうことをやっておらない。非常に高度化しているわけです。技術も機械化されておる、そういう施設というものはあるのですか、ないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/55
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056・丹羽雅次郎
○説明員(丹羽雅次郎君) 機械による粉砕法を考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/56
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057・北村暢
○北村暢君 それは機械による粉砕を考えているだけで、予算には載っておらぬですが、どうするのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/57
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058・丹羽雅次郎
○説明日興(丹羽雅次郎君) 予算に計上いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/58
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059・北村暢
○北村暢君 予算に計上しているということのようですけれども、それではその建設の予算の内容を出していただきます。それは計上してないはずです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/59
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060・丹羽雅次郎
○説明員(丹羽雅次郎君) ただいま手元に持って参りませんので、後刻御提出いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/60
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061・北村暢
○北村暢君 後刻提出されるというのですが、実際そういうことが人事なんですよ。大臣はこれを統合すれば検査はうまくいくと思ったらそうじゃないのだ、今言ったように統合したことによって一時的にはどうしても準備ができておりませんので、こういうことを想定してえさの検査所が準備をしていればいいのですけれども、仕事はどんどんふえてくる、人員はふえない。逆に本省に持っていかれる。非常な、どちらかといえば労働強化、それが機械化されてきて、何とかかんとかやっておるという段階なんですね、それを、これを拡充するからといって態勢も何もなしに今のままで拡充強化する、一カ所のものを六カ所にふやす、こういうやり方でスムーズにはいかないですよ。しかも予算関係はあとから提出するということですけれども、国会の答弁で、いいかげんな答弁じゃないのだろうと思いますけれども、実際に私の調べた範囲だと今言った施設その他についても簡単に増築した程度で、実際に検査の仕事がスムーズにいくような形にはなっておらないのです。その万全の態勢があるならば私はとやかく言いませんけれども、そういうふうにはなっておらない。設計を見ましてもそういうふうにはなっておらない。ということはえさの検査の施設と肥料の施設とこれは違う、そしてえさの場合は肥料よりは場所的にも何からいっても簡単なもので済まない。粉砕機一つにしても違うのです。したがって、そういうような施設が名古屋、神戸における設計予算、これを見ましてもまことに不十分なんです。その不十分なものに、しかも能率低下するものをやれというのです。大臣の権限で大臣はちょいちょいおれの責任でやらせるとこう言われるけれども、非常に迷惑することを責任でやられたって困る、これは関係者が困るだけじゃなくて、やはり飼料の検査行政全体についてやはり問題が出てくるのです。スムーズにいかないのです。そういう点があるから非常に機構改革としては小さな問題ですけれども、私は慎重にやってもらわなければならない、このように思うのです。そういうことは十分検討されてやられたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/61
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062・林田悠紀夫
○政府委員(林田悠紀夫君) 三十七年度の飼料検査所の予算の要求につきましては、先生も御承知のように、八千八百二十五万三千円でございまするが、要求をいたしておりまして、施設関係といたしましては、仰せのように、神戸と名古屋の施設をやるということにいたしておるわけでございます。それで検査のいろいろな器具につきましては、検査の鑑定事業とかあるいは運営費とか、そういうふうな肥料の中におきまして器具を毎年拡充しておる、整備しておるということでやって参っておる次第でございまして、東京につきましては、まず仰せのように、東京をりっぱに拡充いたしまして、それから各六カ所につきましても、今後この設置法が通りましたならば順を追って拡充整備をいたしていきたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/62
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063・北村暢
○北村暢君 予算関係についてはあとで資料を出すと、それから登録件数の問題についての有機質、無機質、これはまだわからないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/63
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064・林田悠紀夫
○政府委員(林田悠紀夫君) 三十六年度につきまして申し上げますると、全検査点数が一万六千四百九十四点でございまして、そのうちの有機質が千五百二十六点でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/64
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065・北村暢
○北村暢君 一万六千四百九十四点のうち、有機質が千五百二十六点、これは大臣おっしゃるように、その量の多い少ないでは比較にならない、重要性はこの有機質の一千五百二十六点のほうが重要なんだと、こういうようなお話でしたが、それで成分違反件数についてのものはどういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/65
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066・林田悠紀夫
○政府委員(林田悠紀夫君) 違反件数につきましては、検査点数と非常に異なった様子を示しておるわけでございまして、三十六年度で全違反件数が四百九十四件ございます。このうちで百三十二件が有機質でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/66
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067・北村暢
○北村暢君 結果的にいけば、先ほど言ったように、大臣もおっしゃったように、検査点数では問題にならないのだ、こういうことは、違反の件数から見れば、有機質のほうが違反が多い、こういうことだろうと思うのです。確かにそういう点は言い得るのだろうと思うのですが、一体肥料関係の検査が、これだけの人員で今まで仕事をやってきて、しかもこれが今度えさの検査もやる、こういうことになってくるようですけれども、そういうふうに肥料関係の検査に余裕の人員が出てくる、こういうことなんですか。定員については五名の増加であるが、実際に言って、五名の増加というのは、どう見たって、これは管理者がふえてくるのではないかというふうにしか考えられない。そうすれば、えさの検査を数量的にも充実強化しなければならない。そういう点からいけば、これは肥料のほうはもう適当で、余ってくるから、えさのほうへ振り向けていけばいいのだ、それで人員はふやさなくても仕事はやっていけるのだ、こういうことなんですか。
それから、県の肥料と飼料の検査に携わっている者は一体どのくらいおるのか。これとの関係はどうなっているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/67
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068・林田悠紀夫
○政府委員(林田悠紀夫君) 肥料と飼料の検査をやっておる者の定員につきましては、先ほど申し上げたとおりでございまして、同じ化学者でございまするから、肥料の化学者を、検査をやっておる者に飼料の検査をも一緒にやらせるということによりまして、能率的に検査が行なっていけるというように考えておる次第でございます。
それから県の肥料の検査でございまするが、これは各県にほとんどみな肥料検査官というものがおりまして、現在総数で百二十人おりまするが、大体一県当たり三人かおる次第でございまして、国の検査の十分及ばないところを県のほうで補って検査をしておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/68
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069・北村暢
○北村暢君 飼料のほうはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/69
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070・林田悠紀夫
○政府委員(林田悠紀夫君) 飼料のほうは四十四人おります。これはもちろん、県におきましては、飼料ばかりをやっておるのでなくて、飼料と肥料を兼ねてやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/70
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071・北村暢
○北村暢君 これは四十四人というのですけれども、各県に一人程度いる、やはりこういうことだろうと思うのですが、そういう肥料と飼料の検査官を兼ねておるなんという者はおるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/71
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072・林田悠紀夫
○政府委員(林田悠紀夫君) これは先生よく御存じのことだと思いますが、たとえばえさでございましても、えさはみな配合されまして、その中にいろいろな異物を混合しておるということが、えさの検査の非常に重要な問題になるわけでございます。そうなりますると、その異物が大体肥料の成分と同じようなものを混入しておるわけでございまして、たとえば貝がらをこなごなにしまして、何かわからぬようなものを混入しておるというようなことになりまして、肥料検査官が飼料検査官を兼ねまして同じようなことをやっておるというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/72
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073・北村暢
○北村暢君 それは官房長、適当な答弁だろうと思うのですけれども、えさの中に入っている無機質というのは、ミネラルだけですよ。それ以外の無機質なんてありゃしない。あとはみな配合飼料です。しかも今日のえさというのは高度化してきておる。というのは、えさ一つとってみても、人間の食べるものよりははるかに高級なえさができてきている。栄養から予防薬的なものから入った、これはもう人間が食べれば完全飼料的なものに、今日そういうものにえさというものは変わりつつある。これはたいへんなものなんです。そういう高度なものに、えさというものが変わってきている。したがって、先ほど言った、従来の、かすがえさだという観念と、今後のえさというものの観点は非常に変わった。人間の食べるものより以上の合理的な、栄養価値のある、しかも予防薬的なものも入った、非常に進歩した——えさというものが高度化されて配合飼料というものが出てきている。したがって、これの検査はそれだけにやはりむずかしくもなってくる。そうして、また量的にもたいへん多くなってきている。しかもえさは、これはまだ肥料に比べれば、はるかにメーカーは多くて、大規模なメーカーというのは、肥料に比べてうんと少ない。肥料であるならば、大体二十社か二十四、五社でもって大部分の化学肥料は作っておる。これは、検査からいっても割合単純なんですね。ところが、えさについては非常に変わり方が激しいのですよ。内容的に違ってきている。したがって、今後のえさの検査というのは強化されなければならない。そういうような意味から、全国六カ所、えさの検査を強化しよう、こういうことなんでしょうけれども、実際には今お話しありましたように、たった五名の定員増加しかないのでしょう。それで肥料関係の人をそれに振り向けるというのですが、したがって、この肥料の検査の比重というものが、今後の見通しとして非常に楽になって、肥料の検査の人間は余っているということなんですか、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/73
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074・林田悠紀夫
○政府委員(林田悠紀夫君) これは数字的に申し上げさせていただきますると、三十六年に肥料の検査が一万六千四百九十四というふうに先ほど申し上げましたが、その中で違反件数が四百九十四でございます。それは三%ということになります。えさのほうを見てみますると、同じ三十六年に一千十二件検査をやりまして、違反が三百十ございます。で、それは三〇・六%というふうになっておりまして、肥料の十倍あるということになるわけでございます。それで肥料は次第に高度化されて参りまして、えさも、先生おっしゃいますように、だんだん高度化されて参っておりまするが、まだ肥料の比ではないわけでありまして、したがって、肥料の、特に無機質におきましては、もうあまりそう検査の問題は起こらぬというような事態にまでなっておるわけでございます。したがって、肥料の検査をやっている人にえさの検査も兼ねてやっていただくということが、最も合理的じゃないかというふうに考えられる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/74
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075・北村暢
○北村暢君 ですから、私のお伺いしたいのは、今の説明ちょっとわかりませんけれども、検査の点数は三十四年から三十六年、これは変わっていないでしょう。それから違反の件数も若干少なくなっているだけで、五百三十四件のものが四百九十四件で、これも若干少なくなっているだけで、肥料については今までの業態、業務の内容と変わっていないのです。そして、今までそれじゃ余分な人間がおったのかということになるのですが、そうではないと思うのですよ。ところが、あなたの資料を見てごらんなさい。飼料のほう、えさのほうを見るというと、登録件数は、三十四年が九百六十一件であったものが、三十六年は千三百七十一件、これは飛躍的にふえているでしょう、登録件数は。ところが、検査の点数は三十四年が一千百二十件であったものが三十六年は五百十七件しか検査点数はやっておらぬ。半分以下しか検査しておらぬ。そういう結果になっておる。登録件数がふえて、検査点数が逆に減っている。これは一体どういうことなのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/75
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076・林田悠紀夫
○政府委員(林田悠紀夫君) 先生のおっしゃいます数字でございまするが、肥料の違反を先ほど三%と申し上げました。これは三十六年の数字でございますが、ここに出ておりますのは三十四年以後のが出ておりまして、たとえば二十年の初めごろとか、あるいはその前の数字になりますると、これは雲泥の差があるものと存じます。今ここに持っておりませんですけれども、それがもう二十七、八年ごろになりますると、肥料は高度になって参りまして、あまり違反がないということでございます。それからえさの検査の点数につきましては、えさは登録はだんだん多くなって参っておりまするが、検査は任意に抜き取りで検査をいたしておりまするので、大体今の陣容ではこの程度の検査よりできないというようなことで、検査点数が多くなっていないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/76
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077・北村暢
○北村暢君 いや、あなた、これをよく見てしゃべって下さいよ。私の聞いているのは、三十四年のときにもうすでに肥料のほうは検査点数が少なくなって、違反も少なくなっているのだと、したがって、三十四年のときの数字ではすでに肥料のほうは人員が多かったということになるのですか。三十六年はほとんど業務内容においては変わりがないのですよ。したがって、三十四年も人間が多かったし、三十六年においても同様だから多かったのだ、そういうことになるのかどうなのか。それからえさのほうを見ますと、登録件数がふえて、登録件数においては、先ほど数字を読んだように、約四割方ふえている。検査点数は逆に半分以下に減っている。これは能力がなくてこういうふうなことになったのか。こういう三十五年まで千百十九件の点数をやったものが、三十六年は一挙に五百十七件、半分に減っているわけでしょう。したがって、これは人がなくてこういうことになったのかどうなのか。そのために、こういうふうになるから人員を増加して強化するということなんだろうと思うんですけれども、その場合に定員が五名しかふえないんですから、しかもこれは管理職的な人であるということになれば、実質的にこれは検査の内容そのものにおいては、検査官から言わせれば充実されていない。肥料のほうの人を持ってくるというんだから、したがって、肥料の人はこれは余るのかどうなのか。今までと事業量は同じであったとするならば、これは、今まで三年間も四年間も肥料の人は余っているとすれば、同じ業務内容だから遊んでおったという結果になるんじゃないかと思う。要らない人を置いておいたということになるんじゃないか。それとも、業務内容が合理化されて機械化されて、三十四年から三十六年の間に、肥料の検査のやり方が非常に合理化されて人間が余ってきたんだと、何か理由がなければそういうことにならないんじゃないですか。それを聞いているんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/77
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078・林田悠紀夫
○政府委員(林田悠紀夫君) ちょっと恐縮でございますが、先般四十一国会におきまして配付いたしました資料は、飼料の検査点数が五百十七件になっておるわけでございます。それでこれは三十六年の十二月末の検査点数を示しておるわけでございまして、この三十四年、三十五年に対応いたしますものは千十二件でございます。きょうお配り申し上げました資料につきましては、会計年度で示しておりまするので、訂正をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/78
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079・北村暢
○北村暢君 それでは登録件数はどうなんです。登録件数も十二月ということになるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/79
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080・林田悠紀夫
○政府委員(林田悠紀夫君) 登録件数につきましても、先般のは十二月三十一日現在の登録件数を出しておりまして、今回の資料におきましては、三十七年三月末の登録件数を出しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/80
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081・北村暢
○北村暢君 この前の国会の資料と今度の資料、確かにきょうもらった資料では、登録件数は三十六年で千百四十三件、あとでもらった資料が。前の資料が千三百七十一件。これは三十七年三月三十一日現在。では、三カ月の間に登録件数が減ったということになりますね。そして検査点数がふえた。これはどういうことなんです。いいかげんな資料を出しているんじゃないですか、これは。どれを信用すればいいんだ、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/81
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082・林田悠紀夫
○政府委員(林田悠紀夫君) これは、前の資料におきましては一−十二月間で、今度のが四月から三月までだと考えられますが、なお詳細よく調査いたしまして、後ほど御説明申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/82
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083・北村暢
○北村暢君 そういう答弁というのはないよ、あなた。これは三十六年の十二月三十一日まで。その当時は四月からやはりやっているんで、一月からこれだけを暦年でやっている官庁統計なんてありゃしない。これはどっちも四月からにきまっている、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/83
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084・林田悠紀夫
○政府委員(林田悠紀夫君) はなはだ恐縮でございまするが、印刷が間違っておりまして、千百四十三件と申しまするのは千四百四十三件でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/84
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085・北村暢
○北村暢君 それで大体様子はわかりましたよ。で、様子がわかったんですから、それじゃあ、この飼料のほうは、先ほど来言っているように、業務量は確かにふえてきている。これは登録件数が相当ふえているのにかかわらず検査点数が変わらない、こういう結果が出ておりますね。したがって、これは能力がなくて検査ができなくてこういうことになっているのだろうと、こう判断せざるを得ない。したがって、もう違反件数についても大体類似の例年の成績が出ている。でありますから、飼料のほうの検査を強化しなければならないということは、この表からも明らかにわかる。しかし、先ほどの、何度も質問しているのですけれども、肥料のほうはどうなんですか。業務内容はほとんど変わりませんよ。それで業務内容が変わらないのに、これをえさのほうへ人を持っていこうというのでしょう。えさの検査もやらせようということでしょう。仕事はふえるわけですよ。そうした場合に、これは人員をふやさなくてやっていけるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/85
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086・林田悠紀夫
○政府委員(林田悠紀夫君) この検査の方法でございまするが、検査をいたしまするのに、たとえば肥料が倉庫にある場合とか、あるいは工場にある場合、あるいは駅頭にある場合というような場合に、検査官が回っておりまして、それを抜き取って検査をするというのが多いわけでございます。それで運営費をつけましたならば、そういう検査の場合に、えさも兼ねて検査をできるということができまするので、もちろん今後人員の点は十分考えていきたいと存じまするが、今のところはこれで検査が可能なものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/86
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087・北村暢
○北村暢君 これは大臣にお伺いしたいが、全体の問題なんです、これは。ということは、最近農林省の中で、機構は作るのですね、ところが人員がついていかない。これは林野関係の営林署の増設、御存じのとおり、北海道十五の営林署を増設する。それに対して人員はひとつもついていない、こういうことなんですね。で、この前のどこかの営林署の開所式にも検事正があいさつされている。その営林署の誘致については政治家は一生懸命やるけれども、新しい営林署ができて、りっぱな庁舎ができているんだが、人員がひとつもついてこないということを聞いている。国会議員は営林署の誘致なんかに血道を上げないで、そういうところに政治的にわしが持ってきたといばらないで、定員というのは国会でできるのでしょうから、ぜひひとつ定員をふやすことをやって下さいと、どこかの開所式の祝辞の中で検事正がそういうあいさつをした。私も聞いた。そういうことで機構はふえるのですけれども、人員がついていかないのですよ。これもその例なんです。機構はふえるのですよ。人員はふえない。これでは非常に困るのですよ。明らかに、これは先ほどこの資料にも出ているように、飼料の、えさの検査については業務量が今後とも飛躍的に伸びていく。この可能性は農業政策の畜産三倍、果樹二倍というのですから、えさがふえていくのはあたりまえなんだ。したがって、この検査も充実しなければならない。これは当然なんです。それについて人員はわずかに管理職的な人が五名ふえる、この程度でしょう。一カ所であったものが六カ所に分散するわけです。そうしたならば、やはり人員というものを考えなければならないのじゃないかと思うのです。これは農林省の機構についてすべてそうである。今、ことしの予算か来年度予算でしょう、北海道の食糧事務所を一カ所を三つにふやす。この場合も人員増加の要求というものは考えておらない、こういうことでしょう。これは全部についてそういうことが言い得ることであって、それで一体仕事ができるというふうに判断されておるのか。そこはやはりこの機構が大きくなったらひとりでに人員がふえるのじゃない、人員をふやすのは困ると言うのだったら、機構を大きくしなければいい、そのように思うのですけれども、やはり機構をふやしたからには人員をつけてやる、この配慮が必要だと思うのですけれども、どうでしょう、大臣はどういうふうに処置されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/87
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088・重政誠之
○国務大臣(重政誠之君) これはまあ全般にわたっての問題ですか、御承知のとおりに、公務員の数は年々増加していっておるというようなところから、前にも、方針として人員はなるべくふやさぬという方針をしておるわけであります。ところが、どうしても今のお話しのように機構の改革の必要なものは、どうしてもやらなければならぬということになる。そこで、結局は配置転換をやって、できるだけふえることのないようにしていくより仕方がない、こういうことになっておるわけであります。これは全体としては十分な人員であるけれども、局部的にいけば足りないというのが、現在のこれは偽らざる私はあれだろうと思うのです。それは不必要ということはないけれども、比較的そういうものは必要のないというところの人員は、これは本来ならやめるべきであるけれども、これはやめられぬと、こういうことになるもんだから、今のような矛盾が起こってくるわけでありまして、できるだけ配置転換によって支障の起こらないようにひとつ心がけていくつもりでおるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/88
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089・北村暢
○北村暢君 一般的な考え方として大臣のその人員をふやさないというのが方針だ、これはいいのです。しかしながら、政府の方針でも、新しい事業について人員をふやさないという方針ではないでしょう。要らないものは確かに削っていかなければならない。要るものにも、やっぱり新規事業については定員を全然認めない、こういうことではないでしょう。政府の方針としてもそういうふうにはなっていないはずです。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/89
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090・重政誠之
○国務大臣(重政誠之君) まあ例外的にどうしても必要だというものには、若干認めていっておりますけれども、大体の原則は、配置転換でやるということになっております。だから、予算でもなかなか増員は認められないというのが現状、実情であるわけであります。これはどうも一長一短があると私は思うのですが、今のように、あまり必要がなくなったところは、その減員をしているところへ増員をする、こういう私はすっきりした考えでいけば、それはいいと思うのですけれども、ところが、やはりこういう事務官ならそういうことができるのですが、技術的な職員になりますと、なかなかそういうわけにいかないというようなことで、現実の問題としては支障の起こる場合もあるわけでありますが、しかし、これはあくまでも原則でありまして、例外的には、万やむを得ない場合に限っては、人員の増加を一応認める、こういう方向でやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/90
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091・北村暢
○北村暢君 ただいまの大臣の、配置転換で、比較的この業務が楽になってきたのは忙しいほうに移していく、これはあたりまえです。それはそれでいいのです。ところが、問題は、今具体的に肥料と飼料の問題については、肥料のほうは業務内容が減ってきて、そして余裕ができてきた。それでえさの検査のほうに回すのだ。これなら話はわかるのです。私は了解する。ところが、この資料を見ますと、業務内容は登録件数からいってもふえている。それから検査件数についても、やや現状維持、違反件数についてもやや同じ、そういうことで、ここでこの表から見る限りにおいては、業務内容がひまができたというふうにはとれないのです。したがって、先ほどから何回も聞いておるように、この業務内容の中でどっか改善されて、合理化されて、人間が浮くようになってきたのですかどうですかと聞いておる。そして、そっちのほうに回すというならわかると思うのですよ。ところが、これから判断すれば、そういうふうにはなっていない。この表から見るというと、業務内容は依然として同じ。そうして、えさのほうに向けるというから、残った者は今までよりも仕事をよけいやらなければならぬということだ。それも仕事が非常に余裕があったというならそれなら了解するのですよ。ところが、そういうふうにはとれないのだが、どうだろうか。それからえさの検査のほうは、業務内容がやはり飛躍的にふえてきておる。これはもうはっきりしている。したがって、これは検査人員を強化しなければならぬ。これは当然だ。したがって、これはどっからか持ってこなければならない。そういう問題だと思う。ですから、そこのやりくりのところが一体どうなるのかということを具体的にお伺いしているわけですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/91
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092・重政誠之
○国務大臣(重政誠之君) これは極力実際やってみて、それで手が足らぬということになれば、どうしてもこれは増員の要求をしなければならぬと思いますが、さしあたりの問題としては、当初私も申し上げましたように、実際一番手がかかるのは有機質のほうなんですから、そこで無機質のほうは工場生産で大体そうたいしためんどうなことではないのです、御承知のとおりに。でありますから、場合によれば、無機質のほうの検査を、従来どおりにやらずに、若干は無機質のほうの検査を減しても有機質のほうに持っていくと、こういうふうな操作も一応は考えてみていいのではないかというふうな考えもあるわけです。それでまあやってみまして、どうしてもいかぬということになれば、これは増員するより仕方がない。こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/92
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093・村山道雄
○委員長(村山道雄君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/93
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094・村山道雄
○委員長(村山道雄君) それでは速記をつけて下さい。
ただいま神橋説明員——畜産局流通飼料課技官及び佐賀説明員——農林経済局肥料課技官、この両名が出席いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/94
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095・北村暢
○北村暢君 先ほど来質問しておりました。いわゆる技術的な専門の部内ではっきりしない問題でございますが、いわゆるえさのほうの分析は、有機質の分析、これが主体である。それから肥料のほうの分析は、検査点数からいっても九割近いものが無機質の分析である。無機物の分析である、こういうことなんですが、それは大体有機質の分析と無機質の分析とこれは違うことははっきりしているのでありますから、これはいいのでありますが、肥料のほうの有機質の分析とえさのほうの有機質の分析、これは同じ装置によってやるのかどうなのか、こういうことなんですね。現実にどういうふうになっているのか。また、今後この分析の装置は、一緒の装置でできるものかどうなのか。目的が違うんですから、ある程度のことはできても、装置も違うんじゃないか。私はそのように輝いておるものですから。この点について、ひとつどういうふうになっているのか御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/95
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096・神橋健一
○説明員(神橋健一君) 流通飼料課の神橋でございます。えさの分析のほうの説明を申し上げます。えさの検査と申しますと、いわゆる化学的な分析法と物理的な鑑定法と二つございます。で、化学的な分析法はどういうふうなものをやるかと申しますと、まず水分が一つございます。それから粗蛋白質の分析がございます。それから粗脂肪、それから粗繊維、粗灰分、こういうふうな五つが分析の対象としてなっております。そのうちの水分は、これはサンプルをとりまして、これを高温乾燥器に入れまして、百三十五度の温度で二時間乾燥いたしまして、そして冷却をして差額を出すというのが水分でございます。それから粒蛋白質につきましては、これはケルダール法によりまして、硫酸分解をやりまして、そしてこれを窒素定量をいたしまして、窒素から蛋白に換算いたします。六・二五倍を乗じまして蛋白換算いたします。したがいまして、蛋白につきましても一応窒素の定量をやりまして、それから係数をかけまして蛋白として出す。これが粗蛋白質の分析でございます。そのほかに、粗脂肪、粗繊維につきましては、これはえさだけのものでございます。これはサンプルをエーテルによりまして浸出いたしまして、その浸出物の全量を定量いたします。それから繊維は、サンプルを硫酸液と苛性ソーダ液、並びにアルコール及びエーテルで順次処理いたしまして、残存したものを繊維として定量いたします。灰分は、サンプルを全部灼熱をいたしまして、残ったものを定量して百分比で求めております。これが化学的な分析方法でございます。
その次に物理的な鑑定方法が一つございます。これは使う器具は顕微鏡でございます。肉眼及び顕微鏡でございます。それからまた比重計をもちまして、そしてそれから出たものを、一応植物の繊維とか、あるいはまたそのほかの鉱物質の一つの物体とかいうふうなものを顕微鏡によって検出いたします。その対象は、これは動植物の質の異物でございます。たとえばもみがらとか、あるいは落花生の粉末とか、こういうふうな異物があるかどうか。それからまた砂というふうなものがあるかどうか。こういうふうなものを、顕微鏡検査によりまして、物理鑑定法によりまして——これは鑑定でございますが、その双方を総合いたしまして検査の鑑定を下すわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/96
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097・北村暢
○北村暢君 肥料のほうは、無機質のほうもどうやるかということを、この際いい機会ですから、ひとつ御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/97
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098・佐賀直功
○説明員(佐賀直功君) 肥料の中にはアンモニア性窒素、硝酸体窒素、あるいは尿素体窒素、いろいろな窒素の形によって肥料の種類が種々違います。それで有機の分析につきましては、その中の蛋白を硫酸で分解いたしまして、ケルダール分解法によってアンモニアとしての窒素を出して定量する。これはえさのほうと同じでございます。
それからアンモニア性窒素、これも分解過程が、有機質窒素と有機質に硫酸分解いたしますが、その過程がないだけで、あとの窒素の定量についていは、アンモニア性窒素については同じ方法でございます。
それから硝酸体窒素、尿素体窒素、これはまた別の方法で、たとえば発酵菌をやってやるとか、そういう別の方法で定量をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/98
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099・北村暢
○北村暢君 今の説明で、肥料のほうの有機質の検査、有機質肥料の検査はどうやるかということですね、それから、装置が同じであるが、装置が同じものでいいものか。化学分析の一部の目的の、窒素の含有量とかなんとか、それは同じというようなふうにも受け取れるのですけれども、特にこの分析の量の面とかということは、えさの場合は非常にたくさんのサンプルを——先ほどもちょっと質問したのですけれども、粉砕する、粉にするやり方なんかでも、肥料のやり方とは全然量において違う。したがって、非常に機械化されてきているということが、装置の問題として問題になっているわけです。したがって、これを手で一々粉砕するということになれば、これはたいへんなことになるので、そんなものは今どきやっていない。で、非常に高度な脂肪分の検出だの何だのというのが、非常に化学的、機械化されてきている、こういうふうな問題がある。肥料の検査には、それほどの装置をしなくても検査はできるという問題が出てきて、装置の問題については、やはり技術者として考え方が、やはり重点の置きどころが違うのじゃないか、こういうふうに思うのです。したがって、そういう点について実はお伺いをしたかったのであります。どうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/99
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100・佐賀直功
○説明員(佐賀直功君) 有機物中の肥料の窒素の定量法というのは、これは昔からケルダール分解法、これが一般の方法になっておりまして、えさに限らず、肥料に限らず、こういうものに共通した一つの分析法になっております。ただ、肥料とえさとのその分析方法において、たとえばビーカーを、片一方は二百CCのビーカーを使う。片一方は百五十CCのビーカーを使う、そういう規定の違いは多少ありますけれども、ほとんどが同じ原理でございますし、同じやり方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/100
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101・北村暢
○北村暢君 そうするというと、現在の肥料検査所での装置そのままで、えさの分析もできる、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/101
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102・佐賀直功
○説明員(佐賀直功君) それはいわゆるそういうサンプルを、たとえば肥料のほうでは二・五グラムとってやっております。えさのほうはあるいは五グラムかそこら、多少多いかと思いますが、そういう違いだけでありまして、窒素の定量につきましては、同じ方法でございますから、できるはずでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/102
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103・北村暢
○北村暢君 えさのほうの関係から私の聞いた範囲だというと、装置において違うと、こういう説明を受けておるものですから、その大学の研究室における窒素の分析で、その原理は同じか知りませんけれども、肥料とえさとの検査の目的というものが違うことによって装置も違うのじゃないかと、こういうような説明を受けておるものですから、現実に、今の肥料検査所の機械、装置でもって、えさのほうの検査と分析というものがやれるのかどうか、この点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/103
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104・神橋健一
○説明員(神橋健一君) 窒素の硫酸分解というふうなところは同じでございまして、えさのほうは、これは間接蒸留をやっております。そして一ぺんとったものを、もう一ぺんそれを薄めまして、そしてそこでやっておると、したがいまして、それがもし失敗しても、まだ材料があって、初めからやり直さなくて、すぐやれる。ところが、肥やしのほうは、直接、それと両方、だから、結局技術的な面と、あとのガラス器具の問題でございます。その辺は、窒素のものにつきましては基礎的なものの機械は同じでございまして、ガラス器具の分だけ除けば、技術的な面とやり方は同じでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/104
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105・北村暢
○北村暢君 そうしますと、神戸と名古屋に新しく実験室を作るというのは、どういう趣旨で作られるのですか。新しく作らなくても、今までの装置でできないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/105
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106・神橋健一
○説明員(神橋健一君) えさのほうは、窒素と脂肪、繊維というものが中心になっておりますが、脂肪の分析装置、それから繊維の分析装置、こういうようなものを新しくそこに施設する必要があると思います。それから蛋白質につきましても、これは扱う量が、肥やしの、今まで扱っておった窒素の分析装置プラスえさのほうの分析の量がふえて参りますから、その面の量の、器具の増設と、それから新しいものにつきましては、脂肪それから繊維というものが、新しく新設いたします名古屋、神戸につきましては、予定されておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/106
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107・北村暢
○北村暢君 そうすると、科学的に同じものであっても、検査をする量によって同じ装置を二つ作らなければならないと、こういうことなんですか。一つの装置でもって、えさも肥やしのほうも一緒にできると、こういうものですか。これは、理論的にはできるのですけれども、えさの検査課と、それから肥料の検査課と、二つ課ができるのだが、そのできた課が別々にやらないで、装置は一緒のものを使ってやる。検査をするサンプルの量の問題からいって、それれを一つで兼用してできるかどうか、こういう問題はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/107
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108・佐賀直功
○説明員(佐賀直功君) 従来は、肥料はサンプル二・五グラムとっております。えさのほうは、大体五グラムとっております。したがいまして、大体、倍とっておるわけでございます。したがいまして、えさのほうは少し容器が大きくなっておるわけでございまして、これは、肥料のほうでは公定分析法というもので規定しておりますから、この面を、二・五グラムか、あるいは五グラムか、どっちかのほうに一本化すれば、これは一本になり得るものでありますが、公定分析法によりましては、サンプルのとり方から分かれておりますので、現在は二本になっておるのでございます。しかし将来、調整すれば、これは一本になり得るものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/108
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109・北村暢
○北村暢君 いや、そのサンプルのとり方の問題はいいですが、サンプルの量ですよ。サンプルを何千点——一千点だとか二千点だとかいう問題です。サンプルを二・五グラムのものを、千点とってきて検査するのと、それから、えさの何千点というものの検査するものと、機械は同じ機械でもそれはこなせる。その試験をやる時間的な問題ですね。それで一緒になって一つ装置でやれるのかどうなのか、こういうことをお伺いしている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/109
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110・佐賀直功
○説明員(佐賀直功君) それがロットごとに、大体肥料でいいますと、一かますで二百グラムとって参ります。それを全部粉砕いたしまして、そうして縮分いたしまして、二・五グラムに均一なものにするわけでございます。したがいまして、何千点量的に多くとりましても、分析するときのサンプルの量というものは、これは二・五グラム、こういうふうに規定しているのでございまして、量を多くとったから分析がむずかしいと、こういうものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/110
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111・北村暢
○北村暢君 そういうことを聞いているのじゃないですよ。甲の会社で作っているものと——みんな違うものでしょう、サンプルをとってくる場所が違うわけですよ。その点数のことを言ってるんです、私は。それは関係ないのですか。たとえばね、特にえさなんかは、一定の基準というものがあるわけですね。それに合っていればこれは登録してもいい、それでなければだめだと、こういうことになるわけですね。その場合に、千差万別のえさが出てくるわけですね。これは一つ一つ分析しなければならないわけです。その分析するのに、時間的に、そういう全国から持ってくるやつを、今までは一カ所でやっておったわけですね。そういうものが、機械がしょっちゅうずっと分析の過程をたどっておってね、サンプルの種類が千なら千ここに寄るというと、何か検査点数では肥料のほうが一万六千から一万七千でやっているわけです。えさのほうは一千ぐらいやっている、こういうことです。そういうものが一つの装置で全部こなせるのかどうなのか、こういうことです。一応分けてやらなくていいのかと、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/111
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112・神橋健一
○説明員(神橋健一君) このえさの点数は、これは今御説明ございましたように、一つ一つの銘柄をとって参りまして、それが一銘柄十回とって参りました場合でも、これは一つとして分析していくわけなんですが、これは確かにこの分析の数は、今まで、たとえば名古屋につきまして申しますと、名古屋は今まで名古屋の管内の肥料の装置というふうなことのお仕事をなさっておったのじゃないかと思いますが、そこにえさのほうが参りますと、東京でやっておった名古屋管内の分のえさがそこで分析される、こういうふうな格好になろうかと思います。したがいまして、肥やしの分析の機械の動く時間なり量にプラスして、えさの分がそこで全体として動く。ただしこれは、今まで肥やしがずっとおやりになっておった中の一部分、窒素のほうはいろいろ昔のやり方から変わってきたというふうなことから、有機質については、あるいは今までよりもその分があくというふうな長所の面もございましょうし、またそれにさらにプラスして、逐次検査をさらに強化拡充していくことと、今まで一工場一年に一回ないし二回やったところを、これはさらに徹底する意味で三回やるというふうな立ち入り検査の量によりまして、さらに将来そういうものになりますと、窒素につきましても、装置の増設というようなことが必要じゃなかろうかというようなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/112
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113・北村暢
○北村暢君 大体わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/113
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114・村山道雄
○委員長(村山道雄君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/114
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115・村山道雄
○委員長(村山道雄君) 速記をつけて。
他に御質疑はありませんか。——他に御発言がなければ、本案の質疑は、本日はこの程度にとどめます。
本日は、これにて散会いたします。
午後四時十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104214889X00219621211/115
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