1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年六月九日(火曜日)
午前十時五十分開会
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委員の異動
六月四日
辞任 補欠選任
高山 恒雄君 田畑 金光君
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出席者は左のとおり。
委員長 前田 久吉君
理事
赤間 文三君
上原 正吉君
近藤 信一君
田畑 金光君
委員
川上 為治君
岸田 幸雄君
剱木 亨弘君
豊田 雅孝君
吉武 恵市君
大矢 正君
鈴木 一弘君
国務大臣
通商産業大臣 福田 一君
政府委員
通商産業政務次
官 竹下 登君
通商産業大臣官
房長 川出 千速君
通商産業省繊維
局長 磯野 太郎君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞壽君
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本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○参考人の出席要求に関する件
○連合審査会に関する件
○繊維工業設備等臨時措置法案(内閣
提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/0
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001・前田久吉
○委員長(前田久吉君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
まず、委員長及び理事打ち合わせ会の協議事項について御報告いたします。
本日は、理事の補欠互選を行ない、電気事業法案について参考人の出席を求める件の決定を行ない、肥料価格安定等臨時措置法案について農林水産委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることの決議を行なった後、繊維工業設備等臨時措置法案について質疑し、討論採決を行なうことになりましたから、御承知願います。
なお、次回は、議事の都合で十一日は休み、十二日午後一時から開会いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/1
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002・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 次に、委員の異動について御報告いたします。
六月四日、高山恒雄君が辞任され、その補欠として田畑金光君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/2
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003・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 次に、理事の補欠互選についておはかりいたします。
委員の異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、その互選を行ないます。互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/3
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004・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に田畑金光君を指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/4
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005・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
電気事業法案審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/5
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006・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 御異議ないと認めます。
なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/6
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007・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/7
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008・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 次に、連合審査会に関する件についておはかりいたします。
肥料価格安定等臨時措置法案について、農林水産委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/8
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009・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/9
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010・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/10
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011・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 次に、繊維工業設備等臨時措置法案を議題といたします。
前回に引き続き、質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。——別に御発言もなければ、案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/11
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012・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 御異議ないものと認めます。
それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/12
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013・大矢正
○大矢正君 私は社会党を代表し、ただいま議題となりました繊維工業設備等臨時措置法案に対し、政府に以下若干の希望意見を付し、賛成の討論をなさんとするものであります。
本法案は、過去長期にわたって続けられてまいりました繊維工業の操短体制を解決し、世界の大勢であります開放経済、さらには公正かつ自由な競争を基調とした繊維工業を樹立するための目的を持った法案であり、その点においては、われわれも全く同様の意見と賛意を表したいと存じます。ただ、本法案に盛られました個々の内容にわたりますると、いま当面しております繊維工業が、はたして本法案のみによって、国際経済の中における競争にたえ得るかいなかとなりますと、どうもこの法案のみをもってしては、世界の解放経済に対処していくには、内容的にも質的にも力が弱いのではないかという考え方を持っております。先般来私は当委員会におきまして、一つには今日の繊維が後進国の生産力の強化、自給度の向上、それに伴っての海外進出という問題があり、また諸外国のわが国の繊維輸出に対する規制措置等があり、対外的にも多くの問題をかかえている産業であります。あるいは合成繊維、化学繊維等の急速な発展に伴って、綿業界、綿紡績は著しい後退を余儀なくされております。こういう需要構造の変化も見のがすわけにまいりませんし、また、本法案の中で盛られておりまする過剰な設備の廃棄にいたしましても、政府が資金をみずから提供することによって急速にこれを買い上げ処理をする、ないしは多額の資金の供給によってこれを買い上げる等の措置がない限りにおきましては、法の目的にあります三年間の期限のうちに完全に過剰設備を解消し、自由な競争が行なわれる体制ができるかいなかという点になりますれば、大いに疑問のあるところであります。あるいはまた、今日の若年労働力の不足は著しく、将来の繊維産業に不安を与えております。同様にまた設備の近代化、労働力不足に伴う連続化、あるいはまた自動化等に要する資金の確保につきましても、本法案には盛られていないという欠陥があり、そういう意味において、はたして今日日本の産業の中で重要な役割りを果たしている繊維産業が、将来ともにその役割りを果たしていけるかどうかという点についても、同様に多くの疑問のあるところであります。したがって、以上の諸点につきましては、政府において十分行政面において対処せられるよう心から希望をいたしたいと存じます。
以上をもちまして、簡単でありまするが、私の賛成の討論を終わりたいと思います。
なおこの際、私は日本の経済の中における繊維産業の重要性にかんがみ、次のごとき附帯決議を当委員会の決議とするよう、委員各位の賛成をお願いいたしたいと存じます。ただいまから附帯決議の案文を朗読させていただきます。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/13
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014・赤間文三
○赤間文三君 私は、自由民主党を代表いたしまして、本法案並びに大矢委員提出にかかる附帯決議案に賛成をいたします。
繊維製品の輸出は、これまでわが国輸出の構造においてその大宗を占めており、昭和三十七年度においては十二億ドル、全輸出額のうち約二六%を占めておるのであります。最近における産業構造並びに輸出構造の重化学工業化の大きな趨勢の中におきましても、輸出産業といたしまして、なお重要な地位を占めておるのは御承知のとおりであります。このように重要輸出産業でありながら、繊維産業の実体をしさいに検討をしてみまするときに、綿紡績を中心といたしまして多くの過剰設備をかかえ、過当競争にあえぎ、慢性操短体制にあって、その実情は決して容易でないものがあります。わが国紡績業の歴史は操短の歴史であったと言って過言でないと私は思います。過剰設備の処理を目的とした現行法が、昭和三十一年に制定をせられましたにかかわらず、その主目的であった過剰設備の廃棄は思うように進みません。むしろ副次目的であった短期需給調整に法律運用の重点が移行をしていくような実情にあります。このため、現行法の期限が昭和四十年の六月であるにもかかわりませず、すでに昭和三十六年秋ごろから現行法の改廃問題が論議をされて、ここ数年の間、業界において、また繊維工業設備審議会において、あらゆる角度から現行体制について検討が加えられ、結論として、過剰精紡機の廃棄を促進させる措置をとることによって繊維工業の合理化をはかり、企業の創意の働く自由競争基盤を確立して、わが国繊維工業の国際競争力を強化するための本法案が提出されましたことは、きわめて適切な措置であると考えるのであります。しかしながら、繊維産業を重要輸出産業として維持していくためには、内外の情勢は決して楽観を許さないのでありまして、そのためには、附帯決議にも言われておるように、どうしてもまずわが国輸出につきましては、徹底的に経済外交の実をあげなければならぬと考えております。私は、この点でイタリアその他の国よりも経済外交という面が劣っているのじゃないかと常常から考えております。次にまた、積極的にこの金融、税制と、こういう面におきましても、いまよりももっと思い切った方策を立てるべきではないかと存ずる次第でございます。その意味で附帯決議案を妥当なものであると考える次第でございます。
私は、本法案並びに附帯決議案の意図するところが十分に実現せられて、わが国繊維工業が決して斜陽的な産業ではなく、アフリカといわず、あるいは東南アジアといわず、もっと繊維産業のPRを行なうとともに、熱意と総力を発揮していくならば、私は相当まだ繊維工業の将来というものが考えられると確信をいたしております。こういう意味におきまして、何とぞ繊維産業振興のために格段の御努力を賜わりまするように特にお願いを申し上げまして、本法案に賛成する次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/14
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015・鈴木一弘
○鈴木一弘君 私は公明会を代表して、本法案並びに大矢委員提出にかかわる附帯決議案に賛成をいたすものであります。
この法案によりますというと、一対二の割合で過剰設備を処分していくことになります。このようにして近代的な生産性の高い機械というものを備えるようになれば、結果的には生産過剰におちいる心配もある。そこで少数工場によるところの集中生産制がとられるということも考えられてまいります。さらに現在合繊紡がかなり強くなってきておりますけれども、この合繊紡については資力がかなりなければならない。設備を充実していくのに、資力のある大手でなければできないというような状態になっております。そこでこのような状態から、中小紡績に対しては、これから先の激烈な自由競争に臨んでいくについての大資本からの攻撃というものの危険がありますし、さらに三年後には、いかなる糸も一つの機械で引けるようになれば、さらに不安定な状態になっていく心配もあります。また中小紡の中に商社系列から繊維メーカー系列に入るものもありますけれども、それにも入れないような系列外の中小紡というものは脱落をしていく心配もある。こういう点について十分に、この附帯決議案にございますように、この精神を生かして、金融、税制そのほかについての措置というものを強く強く政府において行政措置として行なわれることを要望して、その意見を添えて、賛成の討論にかえるものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/15
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016・田畑金光
○田畑金光君 私は民主社会党を代表して、本法案に賛成するとともに、大矢委員提出の附帯決議案に賛成いたします。
この法律案は、綿紡績を中心とする慢性操短体制を打確し、企業の創意を生かしながら、自由競争基盤を確立するため、過剰精紡機の凍結、廃棄を中心として、わが国繊維工業の再編成をねらいとするものであり、その方向はおおむね妥当なものと認めます。しかしながら、国内においていかに十分なる体制を整えても、一たん目を、わが国繊維工業を取り巻く諸情勢に転ずるとき、そこには容易ならぬ大きな壁が立ちはだかっております。すなわち、先進諸国の斜陽化せる繊維工業保護のための輸入制限強化への動きと、後進国の自給体制の整備から、さらに進んで輸出体制へ移行する動きという両面の圧力を受けて、わが国輸出構造において大きい比率を占める繊維製品輸出に重大な問題を投げかけております。これらの対外関係の諸問題について適切なる対策がとられなければ、いかに国内体制に意を用いましても、その効果はとても期し得ないと考えます。この意味から、附帯決議案にもありますように、経済外交の一そうの推進を希望するものであります。
次に、本法案に盛られている過剰精紡機の廃棄の方法、すなわち二錘の廃棄に対して一錘の割合で新設または凍結解除を認めることによって、スクラップ・アンド・ビルドを行なおうとする方法は、結局において資金力のある大企業には比較的容易で、中小企業が最も大きい影響を受けることは明らかであります。さらに、廃棄設備の政府による買い上げ措置の要望が業界に強かったにもかかわらず、本法案には
この措置は採用されておりません。本法案の目ざす過剰精紡機の廃棄が促進されるかどうかは、一にかかって税制、金融上の優遇措置がどの程度とられるかにかかっていると言えるのであり、これらは多く行政措置にゆだねられております。したがって、本法施行にあたり、政府はこの点について特段の配慮をされることを切に願います。
また、特に本法実施にあたりまして、過剰設備凍結の共同行為について、従業員の地位を不当に害することのないように、失業対策、最低賃金制の確立、中高年齢層の再就職への促進と助成措置等についても特段の留意を払われるよう希望いたします。
なお、政府は、繊維工業設備等臨時措置法案に対する附帯決議の趣旨にのっとり、繊維製品の輸出増進と対日差別待遇・輸入制限撤廃、金融、税制上の優遇措置、労働者の地位向上と最低賃金の確立等に、先ほど申し上げましたように行政指導の完全を目ざし、さらに対米綿製品交渉、これに引き続いて欧米を中心として見られまする毛製品輸入制限への動きなどを的確に把握し、長年つちかってまいりました輝かしい日本繊維産業の確固たる地位が確保できますよう、きめこまかな繊維行政指導をされますように切に望みまして、私の賛成討論を終わることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/16
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017・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/17
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018・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより採決に入ります。
繊維工業設備等臨時措置法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/18
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019・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 全会一致と認めます。よって、本法案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、討論中に述べられました大矢君提出の附帯決議案を議題にいたします。
大矢君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/19
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020・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 全会一致と認めます。よって大矢君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対して、福田通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。福田通産大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/20
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021・福田一
○国務大臣(福田一君) 今回の繊維工業設備等臨時措置法案の御審議を進めていただきますにあたりましては、繊維業界が持っておりまする病根を詳しく指摘をしていただき、さらにまた開放経済体制に向かっていかなる点に注意をしなければならないかというような点について、各委員から非常に御懇切な御意見の開陳をいただきました。いままた、ここに五項目になるところの附帯決議を、決議していただいたわけでございます。
通産省といたしましては、この審議の過程における皆さま方の御熱意と、さらにはまた、この附帯決議の趣旨を十分尊重いたしまして、今後行政運営に誤りないよう努力をいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/21
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022・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 次に、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X03319640609/22
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023・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
本日はこれをもって散会といたします。
午前十一時十三分散会
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