1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年三月二日(火曜日)
午前十時二十八分開議
出席委員
委員長 長谷川 峻君
理事 大西 正男君 理事 關谷 勝利君
理事 田邉 國男君 理事 山田 彌一君
理事 久保 三郎君 理事 肥田 次郎君
理事 矢尾喜三郎君
有田 喜一君 浦野 幸男君
小渕 恵三君 川野 芳滿君
佐々木義武君 塚原 俊郎君
西村 英一君 増田甲子七君
小川 三男君 勝澤 芳雄君
島上善五郎君 泊谷 裕夫君
野間千代三君 山口大太郎君
竹谷源太郎君
出席国務大臣
運 輸 大 臣 松浦周太郎君
出席政府委員
運 輸 技 官
(港湾局長) 佐藤 肇君
運輸事務官
(鉄道監督局
長) 佐藤 光夫君
委員外の出席者
労働事務官
(職業安定局雇
用調整課長) 遠藤 政夫君
自治事務官
(財政局財政課
長) 岡田 純夫君
日本国有鉄道常
務理事 豊原廉次郎君
専 門 員 小西 真一君
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二月二十六日
委員勝澤芳雄君辞任につき、その補欠として永
井勝次郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員永井勝次郎君辞任につき、その補欠として
中澤茂一君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員中澤茂一君辞任につき、その補欠として勝
澤芳雄君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十七日
委員泊谷裕夫君辞任につき、その補欠として山
花秀雄君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員山花秀雄君辞任につき、その補欠として泊
谷裕夫君が議長の指名で委員に選任された。
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二月二十六日
鉄道敷設法の一部を改正する法律案(内閣提出
第一三号)(参議院送付)
三月一日
日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(内閣
提出第一〇六号)
港則法の一部を改正する法律案(内閣提出第一
〇八号)(予)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
鉄道敷設法の一部を改正する法律案(内閣提出
第一三号)(参議院送付)
日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(内閣
提出第一〇六号)
港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案
(内閣提出第二六号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/0
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001・長谷川峻
○長谷川委員長 これより会議を開きます。
鉄道敷設法の一部を改正する法律案、及び、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/1
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002・長谷川峻
○長谷川委員長 提案理由の説明を聴取することといたします。松浦運輸大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/2
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003・松浦周太郎
○松浦国務大臣 ただいま議題となりました鉄道敷設法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
御承知のように、鉄道敷設法は、本邦に必要な予定鉄道線路、鉄道建設審議会の設置等につきまして定めたものでありますが、この法律は、大正十一年に制定されたものでありまして、同法の別表、すなわち予定鉄道線路につきましては、経済事情の変化等に伴いまして、十数次の改正を行ない、今日に至っております。
最近における東京都及びその周辺並びに琵琶湖周辺の交通事情等の変化にかんがみまして、鉄道建設審議会では昨年六月二十五日、日本鉄道建設公団の基本計画の変更につきまして答申を行なった際、鉄道敷設法別表中三路線の起終点を変更する必要がある旨言及し、さらに同年十二月二十一日に、同法別表に一路線を追加することを適当と認める旨の建議を行なったのであります
政府といたしましては、これら答申及び建議の趣旨に基づき、本邦に必要な鉄道交通網を整備することによって、必要な鉄道輸送需要を充足し、もってわが国の経済発展に貢献いたしたい所存でありますので、ここに改正法律案として、御審議を願うことにいたした次第であります。
改正案の詳細な内容につきましては、別に御説明申し上げることといたしますが、改正の要旨は別表に一路線を新たに追加し、また別表中の三路線の起終点を変更することであります。
以上が、この法律案を提案する理由であります。
何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
引き続いて、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案の提案理由の説明を申し上げます。ただいま議題となりました日本国有鉄道法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
今回の改正の第一点は、日本国有鉄道が業務の運営上特に必要な場合に現物出資ができることとするものであります。
現在、日本国有鉄道は、本法第六条の規定により限定された事業に投資できる道が開かれておりますが、「予算で定めるところにより、」ということで現金出資のみに限って行なってまいりました。日本国有鉄道のその後の業務の運営の実情にかんがみ、また、日本国有鉄道の資金または施設の能率的、効率的活用をはかるためにも、この際、現物出資をすることができることとする必要があるのであります。これによりまして、現状においては早期に実現することが困難である各種輸送サービスが円滑に実施し得ることとなり、ひいては日本経済の進展にも寄与できるものと考える次第であります。
しかしながら、日本国有鉄道が他の事業に投資することについては、日本国有鉄道の使命に照らし、適切と認められるものに限られるべきことは当然でありますので、現物出資については、その業務の運営に特に必要がある場合に限定した規定とした次第であります。
改正の第二点は、日本国有鉄道の発行する鉄道債券に一般担保を付する規定を設けることであります。
日本国有鉄道は、本法第四十二条の二の規定により、資金の調達のため鉄道債券を発行することができることになっております。この鉄道債券には、その一部について政府保証がついている以外は何の担保もついておりません。
これに反して、日本電信電話公社をはじめ、他の公社、公団の発行する債券には、いわゆる一般担保が付されており、民法の一般の先取特権に次ぐ先取特権を債権者に与えております。
日本国有鉄道が民間資金を活用して長期の資金調達をはかるため、今後鉄道債券の発行規模をさらに拡大するにあたりまして、担保が付されていないことが、他の公社、公団債等に比べて発行条件や流通面で不利な立場に置かれることは十分に考えられるところであります。したがいまして、鉄道債券にいわゆる一般担保を付することにより、鉄道債券の消化の促進と円滑な流通をはかることが必要であると考える次第であります。
以上の二点がこの法律案の骨子でありますが、このほかに、本法第三条に規定する日本国有鉄道の業務のうち採炭を削除することといたしております。これは、志免鉱業所の廃止により現実にその業務がなくなったこと及び将来も日本国有鉄道が採炭事業を行なうことが考えられないことのために削除することとしたわけであります。
以上がこの法律案を提案する理由であります。
何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/3
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004・長谷川峻
○長谷川委員長 次に、両案について補足説明を聴取することといたします。佐藤鉄監局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/4
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005・佐藤光夫
○佐藤(光)政府委員 鉄道敷設法の一部を改正する法律案の概要について、まず御説明申し上げます。
今回新たに追加する線路及び変更する線路につきまして、法律案に記載した順序で概要を御説明申し上げます。
第一に、新たに別表に追加する「五十ノ五東京都国分寺附近ヨリ神奈川県小倉附近ニ至ル鉄道」でありますが、この鉄道は現在工事線となっております武蔵野線の国分寺付近より分かれ、既設の国鉄南武線の南側を通過し、神奈川県小倉付近、すなわち国鉄新鶴見操車場に至る約二十六キロメートルの鉄道であります。
本鉄道は、武蔵野線の延長ともいうべき性格の線でありまして、急増しつつある東京及びその周辺の貨物を都心を経由することなく輸送しようとする、いわゆる外郭環状線の一部を形成するものであります。この鉄道は丘陵地を通りますので、短いトンネルをつくる必要がありますが、その他は特別な構造物もなく、工事は比較的容易の見込みであります。
第二に、「五十三ノ二神奈川県塩浜附近ヨリ千葉県木更津附近ニ至ル鉄道」でありますが、これは現在工事線となっております京葉線、すなわち「五十一ノ一東京都品川附近ヨリ千葉県木更津附近ニ至ル鉄道」の起点品川附近を神奈川県塩浜付近に変更するものでありまして、別表における予定鉄道線路の記載順序を整理する関係上、「五十一ノ二」を削除し、「五十三ノ二」として一号加えたものであります。この京葉線の起点を変更することによりまして、進展しつつある東京湾津工業地帯の造成計画に対応し、あわせて品鶴貨物専用線及び新鶴見操車場の救済をもはかろうとするものであります。変更部分の鉄道は、延長約十四キロメートルでありまして、埋め立て地及び六郷川を通過いたしますので、路線は平坦ではありますが、橋梁が多く、技術的には比較的困難な工事となる見込みであります。
第三に、現在工事線となっております湖西線、すなわち浜大津-塩津間の鉄道について、起点浜大津を京都府山科に、終点塩津を沓掛付近に変更しようとするものであります。この湖西線は、別表中「七十七滋賀県浜大津ヨリ高城ヲ経テ福井県三宅ニ至ル鉄道」及び「七十七ノ二滋賀県今津ヨリ塩津ニ至ル鉄道」の二線を組み合せてつくられたものでありますので、したがって、各号別に滋賀県浜大津を京都府山科に、塩津を沓掛付近に改めるものであります。
湖西線は、完成の暁には、東海道本線と直結して国鉄裏縦貫線の一部を形成するものでありますが、起点が浜大津となっておりますと、東海道本線への取付け工事が非常に困難となることにかんがみまして、起点を東海道本線山科に変更するものであります。また北陸本線への取付け地点につきましては、本線の制限勾配である千分の十以下の勾配をもって近江塩津駅に取り付けることが困難であることが調査の結果判明しましたので、終点塩津を変更して沓掛信号付近において北陸木線と直結しようとするものであります。
工事は、起点を山科に変更する部分については、延長約三キロメートルの長大隧道が一ヵ所できるほかはおおむね容易の見込みであります。終点を沓掛付近に変更する部分については、線路が山腹沿いに建設されるため短いトンネルが若干できますが、工事は比較的容易の見込みであります。
以上がこの法律案の概要であります。
引き続いて、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案の概要について御説明申し上げます。
日本国有鉄道法の一部を改正する法律案につきまして逐条的に御説明申し上げます。
先ず第三条関係について申し上げます。
本条の改正は、日本国有鉄道の行なう業務の範囲の規定を整理したものであります。
現在、日本国有鉄道は鉄道事業等の業務に必要な採炭を行なうことができることになっておりますが、昨年六月の志免炭鉱の閉山以来、採炭を行なっておりませんし、また、今後においても採炭の必要性は考えられないので、日本国有鉄道の業務範囲から採炭を削り、条文の整理をはかることとした次第であります。
次に、第六条及び第四十七条関係について申し上げます。
第六条の改正は、日本国有鉄道の現物出資について規定したものであります。
現在、日本国有鉄道は、その業務の運営に必要がある場合には運輸大臣の認可を受けて関連事業に投資てきることになっておりますが、これは、予算で定めるところによりしなければならないこととされております。しかるに、当面の問題として名古屋臨海鉄道への現物出資の必要が生じており、また、今後においてもこの種の出資の必要性が考えられますので、今回、日本国有鉄道の投資についてその業務の運営に特に必要がある場合に限定して現物出資をすることができる旨を明らかにし、日本国有鉄道の業務の運営の改善をはかることとした次第であります。
第四十七条は、この現物出資の認可について大蔵大臣と協議することについて規定したものであります。
次に、第四十二条の二関係について申し上げます。
本条の改正は、鉄道債券の債権者の先取特権について規定したものであります。
現在、鉄道債券の債権者の先取特権については、特に規定が設けられておりませんが、鉄道債券の消化の促進と流通の円滑化をはかるため、他公社等と同様に鉄道債券の債権者に民法の一般の先取特権に次ぐ先取特権を付与し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受けることができることといたした次第であります。
次に、第五十五条関係について申し上げます。
本条の改正は、報告義務違反に対する罰則規定を整理したものであります。
日本国有鉄道は、投資先の輸送施設の使用状況等について報告義務を課せられておりますが、報告義務の根拠がこの前の法律改正(昭三七、法八十六号)により第六条より第五十四条に統合いたしましたため、今回これに関する罰則についても整理をはかることとした次第であります。
最後に附則は、この法律の施行期日について規定したものであります。
以上がこの法律案の概要であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/5
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006・長谷川峻
○長谷川委員長 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/6
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007・長谷川峻
○長谷川委員長 次に、海湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。
質疑の通告がありますので、これを許します。野間千代三君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/7
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008・野間千代三
○野間委員 いろいろ問題がございますが、特に地方債の問題について少しお伺いしたいのですが、初めに今度の新五ヵ年計画が四十四年を目標にしてつくられておるわけですけれども、この前の新聞発表によりますと、昭和五十五年を目標にして二兆六千二百億円、それから昭和六十六年を目標にして三兆二千億円の投資を考えて港湾の荷役量の増加に見合う港湾整備をしたい、いわばこういうビジョンというふうに発表されておりましたが、そういう考えでいま運輸省としては全国的な港湾整備を進めたい、こう考えておられるわけですね。
それで、大体そうなりますと昭和六十六年を目標にして五兆何千億円というような膨大な計画が行なわれるわけですけれども、まず最初にこの新五ヵ年計画の五千五百億円の中に地方債によって資金を考えられておる金額はおおよそどのくらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/8
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009・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 この間内定いたしました五千五百億円のうち、地方単独分というのが六百五十億円あるわけでございます。それを引きました四千八百五十億円のうち大体大ざっばでございますが六割が国費でございますので、残りが地方債その他地方の財政負担になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/9
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010・野間千代三
○野間委員 五千五百億のうちでは六百五十億円が地方負担ですね。それから四千八百五十億円のうち約四割が地方債になる。それ以外に機能整備に関連をする一千億円が別にあるわけですが、これがやはり地方債になるわけですね。新五ヵ年計画は大体そういう資金の見通しをもって始まる、そういうふうに考えていいわけですね。そういたしますと、大体そういうふうな割合でこの五十五年の目標あるいは六十六年の目標というものは進められていくというふうに想定してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/10
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011・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 四十四年までは一月末に閣議了解を得まして、これにつきましては自治省その他ともお話し合いをいたしておりますので、地方債につきましては自治省その他も賛成しておるわけでございます。さらに長期の五十五年ないし六十五年の見通しにつきましては、具体的に負担の問題を検討するよりも事業の規模というものを想定しただけでございますので、地方債その他についてははっきりしたことは申し上げかねると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/11
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012・野間千代三
○野間委員 大体そういうことであろうと思いますが、ただそうなってまいりますと、地方債の負担の額が今度の四十四年までの状態でまいりました場合には二兆六千二百億円あるいは三兆二千億円という膨大な金額ですから、五千五百億円の場合と比較をしましても昭和六十六年までに地方自治体の財政が起債によって負う負担は相当な額になるというふうに考えざるを得ないと思うのです。ですからまず第一にこれほどの金額で港湾整備をする、それだけ日本の経済の伸長を考えておるというふうになりますから、地方債が負担をする部分、そういう問題についてはなお多く検討する必要があるのではないかと私は思うのです。その点はどうなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/12
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013・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 おっしゃられましたとおりに、最近港湾の整備が伸びてまいりましたので、地方負担というものは相当増大いたしておりまして、溶湾管理者のやはり悩みでございます。この問題につきましては港湾管理者の財政が確立しておらない限りにおいては円滑なる整備ができないわけでございますので、港湾審議会に新たに管理部会というものを設けまして、海湾財政をいかにして確立させるかということを現在検討しているわけでございますが、簡単に申しますと、使用料が安い、したがって、この地方が起債その他によって資金をまかなったものの回収がなかなかできないということが大きな原因であるわけでありまして、この使用料を適正化してまいりまして、地方財政を圧迫しないように今後考えていくべきだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/13
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014・野間千代三
○野間委員 地方財政が一これは港湾のみてはないのでありますが、関連をして、特に港湾に対する地方債の関係などで、地方財政に対する圧迫になっている、これは御案内のとおりなんですが、そういう関係がいま管理部会で使用料を中心にして検討をされているということですが、やはりこの使用料には耐用年数の問題もあるでしょうし、何かいたしますから、私はそう膨大に上げることもできないだろう。私は、いま使用料が非常に安くて、上げなければならぬというふうには思います。ですから、使用料を上げて、地方財政の負担を軽減をするという点については私も賛成なのでありますが、使用料だけではなかなか解決がつきにくいんじゃないか。そうしますと特別とん税の譲与税だとか、あるいはこの前泊谷委員が言われたように、各種の国なりあるいはそれぞれに入っている収入が相当ございますね、そういうものを含めても検討する必要があるんじゃないかというふうに思うのですが、その辺はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/14
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015・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 この間、泊谷先生からお話がありましたように、港湾を通じての国の収入と地方の収入とを比べてみますと、確かに関税その他によって国の収入というものははるかに多いわけですが、ただ、これは、この間申し上げましたように、直ちにこれを国の港湾整備に対する負担というように結びつけるということは非常に困難な問題があると思いますので、これは今後検討していきたいと思います。ただ欧州、たとえばイギリスの例などを見ますと、あくまでもこれは港湾を管理する母体が起債をいたしまして、それを使用されること、いわゆる利用者負担をさせて償還をしていくという原則を貫いております。ただ日本の港湾におきましては、明治以降という非常に歴史が浅いということがありまして、これは国が基本的な施設をつくる場合に相当程度の負担をしていくという、現在そういうことになっておりますので、これを国の負担分をふやすということだけではなしに、やはり企業経営的に考えてペイするように、また利用する人は適正な対価を払うべきである、こういう方向で問題を解決していきたいということで、現在管理部会においてもそれを中心にして検討しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/15
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016・野間千代三
○野間委員 もちろん国の負担分をふやすということだけでは、やはり管理をしているのが地自口治体ですから、それだけでやるということには私は問題があると思いますが、確かにそれはそうなんですが、したがって、いまのような負担区分は、外郭施設の四分の三ですか、は国ですね、それ以外の上屋、機能施設、道路等は全部これは地方自治体ですね。これは確かに外郭施設は収益をあげますから、そういう点ではそういう区分はあるんでしょうけれども、外郭施設だけでは、しかもそれはだんだん近代化するわけですね。それから港湾労働の問題も出てきます。厚生施設も相当ふえる、変電所も近代化するというふうになってまいりまして、相当中身の充実が、外郭の充実と比較をすると相当負担がふえてくるというふうに思われますね。したがって、外郭施設ばかりでなく、その他の部分に対する国のほうの負担といいますか、そういう部面も検討をする余地があるのではないかというふうに思うのですが、その辺はどうなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/16
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017・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 外郭施設につきましては、横浜、神戸におきましては全額国が負担しているわけでございます。それから航路につきましても同じように全額負担をしております。埠頭をつくります場合に、岸壁とか物揚げ場につきましては国が四分の三を負担して四分の一を管理者が負担するということになっておりますが、さらにいまおっしゃられましたようにその上に上屋をつくるとか、これは全部管理者負担になります。それから臨港道路、臨港鉄道をつくりますときには、五割は管理者の負担である。そういう費用が相当多額にのぼるわけでございます。岸壁につきましては、これは係船料という形で使用料が取れるわけでございます。臨港道路の場合、それから臨港鉄道のような場合には大体使用料を取っていないというのが原則であるわけです。といって、この道路を通過する自動車から一々、道路公団がやっている道路のように取るということも不可能でございますので、アメリカ等の例を見ますと、総合的なチャージを課しておるわけでございまして、管理者の負担を軽減すると申しますか、負担を償還していく方途としてはやはり総合的なチャージというものも一つの考え方ではないかということで、そういう問題を検討しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/17
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018・野間千代三
○野間委員 そういう総合的なチャージという方面で地方自治体の負担を軽減するというよりも、収入をふやして軽減をしていくというほうが重要です。それはそういうふうに検討していただきたいのですが、いま局長の言われたような負担区分を固執されるのではなくて、いま申しましたように近代化をするにつれての支出が相当ふえてまいりますから、そういう方面での検討もやはりあわせて進めていったほうがいいのではないかというふうに思います。これは希望として申し上げておきます。
それで、いま局長さんのちょっと言われた、外国の場合に公債によって行なわれる、その場合の、外国の例でいって、償還年数はどのくらいになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/18
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019・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 償還年数については、いまここに資料を持ってきておりませんので申し上げかねますが、大体利率は日本に比べて非常に安くなっておるように記憶しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/19
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020・野間千代三
○野間委員 それで、いままでほかの委員の方からも、いろいろ論議が行なわれました中で、大体地方自治体が負担をする区分についてもう少し軽減をしたり収入を増加するということで、地方の負担を軽減をするということについては行なわれておるのですが、また従来も論議が行なわれておったと思いますが、この地方起債の償還年数というのがやはり相当重要な問題になるのではないかというふうに思うのです。たとえば耐用年数などを考えながら料金や手数料などがきまってくると思いますが、一方償還年数は大体区分によってどういうふうになっておりますか、一応御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/20
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021・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 償還年数は、機械の場合、土地の場合、それから上屋の場合、おのおの違っておるのでございますが、大体三年据え置きの十年償還というのが標準のようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/21
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022・野間千代三
○野間委員 たとえば上屋の場合には耐用年数が大体三十年から五十年くらいのようですね。それに比較をして、三年据え置きで十五年以内に償還をする、この十五年の中には三年を含んでいるわけですね。そうすると、たとえば極端な話が、上屋をつくる用地を買う、岸壁等をつくるというようなことでそれらの資金を地方債で発行する。そうなりますと、少し極端な話が、建設途中にすでに償還をしなければならぬということになるわけですね。これが相当地方財政に与える影響が大きいと思うのです。ですから、償還年数をもう少し長くするということはできないことはないと思うのですが、それはどういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/22
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023・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 この問題は、いまおっしゃられましたように、耐用年数と償還年数を比べましたときに償還年数のほうが非常に早いわけでございます。したがいまして、管理者といたしましては、いまよりも償還年数を延ばしてもらえれば財政収支の面から楽になるという要望もございますし、われわれはこの施設についての償還年数を延ばすということもあわせて検討しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/23
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024・野間千代三
○野間委員 自治省の財政課長さんにちょっとお尋ねしたいのですが、これはいま局長さんの言われましたように、償還年数の問題はいま始まったことじゃなくて、港湾の問題、地方債の問題等で相当長く論議が行なわれておったというふうに記憶をしておるのですが、なかなかその実現をされていないというようなことですが、自治省内ではどのように考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/24
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025・岡田純夫
○岡田説明員 おっしゃいますように、起債の償還の負担の問題がございます。これは交付税の計算ではあくまでも減価償却方式をとっておりますが、一方事業をすみやかに進めなければならぬといったような要請の両方からの問題がございまして、したがって、地方債の償還が比較的早く始まるといったようなことがございますので、起債は起債としてつけるときには、必ずしも交付税で見た差額だけにいわば限定しないで、ある程度実情に即してゆとりを見た許可方針をとっております。全体としましては、地方負担につきましては交付税とそれから地方債をもって要するに完全措置をいたしております。おっしゃいますところの起債の償還年限等の問題につきましては、毎回起債の詮議ないし計画策定の際に国の財政当局と絶えず協議をいたしております。今後のやはり大きな改善を要する点ではあるまいか。これは港湾ばかりではありませんで、ほかにも種々の施設関係事業について同様なことが指摘されておると思います。できるだけ努力いたしてまいりたい。四十年度の一つの課題であろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/25
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026・野間千代三
○野間委員 この他にも確かにたくさん地方債の問題があるわけですね。問題がありますが、たとえば水道などの場合には大体三十年くらいになっておるのじゃないかと思うのです。その他道路あるいはいろいろなものが大体が三十年くらいが償還年数じゃないかというふうに思うのですが、港の施設の問題だけ――いま言いましたように、たとえば用地の場合には十年、岸壁のように五十年の耐用年数を持っているものでも二十年というのが実態のようですけれども、特別に他の償還年数よりもきわめて短いというのは港湾だけのように見受けるのですが、これは何か特別の理由があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/26
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027・岡田純夫
○岡田説明員 特別な理由で特に短くしているということはございませんで、もちろんおっしゃいますように、三十年等長期にわたるものもございますが、十五年ないし十八年ぐらいの償還のものが多いと考えております。港湾につきましては特に短いというふうには判断いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/27
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028・野間千代三
○野間委員 港湾の場合に、これはもちろん他にも三十年でないものがたくさんあるでしょうが、たとえば水道なり地下鉄なり、あるいは発電なり、そういうものでは大体三十年ぐらいになっておると思います。そういうものと比較をしてみて、港湾施設の償還年数が相当短いというふうに思えます。それが地方財政に与えている影響が相当大きいというふうに見なければならぬ。そういう部分が非常に大きいわけですね。ですから、もちろん前の問題の収入の増加とかあるいは負担区分の改善とか、そういう方面での地方財政に対する措置が必要でございますから、それはそれで進めてもらわなければなりませんけれども、しかしそれはそれとしても、なお地方債による負担が相当多額であることは想定がつきますので、それがいまのような償還年限が続く限りは、やはりその部分での自治体に与える影響は否定できないというふうに思います。
しかもこれはまだきまったことではないのでしょうが、港湾公団というような構想を伺ったこともございますけれども、港湾公団の構想の中にはやはり公団が公債を発行するというような部分があったように記憶をしておるのです。その構想の中での償還年数は三十年ぐらいのように考えられておったというふうに記憶をしておりますけれども、これは確定したものではないのでしょうから、いまどうこうは言いませんが、しかしそういうふうにたとえば公団のような形になった場合には、三十年になる、地方の自治体で地方債で行なわれる場合には十年、十五年ということになるということは、これはどういう関係になるのでしょうか。課長さん、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/28
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029・岡田純夫
○岡田説明員 港湾公団の問題と申しますのは、まだ私、協議を経ておらぬと思いますので、何とも申し上げかねると思います。お答えとは多少あれかもしれませんけれども、おっしゃいますような起債償還年限を合理化し、延長するという方法で考えるということを、一方で交付税のほうで減価償却方式、これは主として法人税の減価償却年数その他を参考にしておるわけでありますけれども、これをむしろ短くするいろいろな近代化等の要請がありまして、比較的早く回収しなければならぬといったような問題があります場合とのタイアップの意味から、減価償却をむしろ短くするというふうなことも研究しなければならぬのじゃあるまいか、それにはやはり交付税の総額というものをもう少しゆとりのあるものに持ってまいりたい、そうすれば減価償却も相当程度見込み得ることになるのではないか、その両面からやはり考えていかなければならない問題であろう、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/29
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030・野間千代三
○野間委員 それはけっこうなんです。ですから、交付税の問題なりあるいは減価償却の問題なり、もちろんそれはそういうふうに総合的に検討していただいてはじいていただくのは、これは当然必要なことですから、それはそうしていただきたいと思います。
ただ私が申し上げたいのは、やはり地方財政がいま非常に逼迫をして、各地方ともこれが政治問題に発展をしてきているという状態です。しかも特に港を持っておる都市において、港の建設から基因をする地方財政の逼迫ということは否定ができないという状況にございます。ですから運輸省の局長さんあるいは課長さんの言われるような各種の方法で地方財政を補っていくということは、これは当然総合的な施策としてやっていきたいと思いますが、ただそれであるから地方債の償還年数はいままででいいというふうには言えないと思うのです。これはその辺に今日までいろいろ論議をされておった問題もあるでしょうし、実態として最初申しましたように、港湾がこれから特段と整備を急がれておる、そうして昭和六十六年までには五兆円にのぼることも考えながら、港湾の整備をしなければならぬという状況ですね。
そうなってまいりますと、しかもこの地方起債によってまかなわれる部分が他の企業、他の公営企業と比較をしてみて、これは相当な金額になるわけですね。これは否定できないと思います。したがって、私は他の各種の方法によって地方財政を補うということは当然であるけれども、やっていかなきゃならぬけれども、なお、この残されている地方債の問題を早急のうちに解決をして、そうして新しい、先ほどの六十六年に向かっていく計画を建てる際の資金の考え方をつくるべきではないかというふうに思うわけです。
そこで、地方債の償還年数については、すみやかに結論を出して、しかも対象として、他の地方公営企業との償還年数もございますし、また、特に港湾施設の場合には耐用年数が相当長いのですから、したがって、収入によってまかなっている部分も相当長年月に及ぶわけですね。しかも建設の期間が相当長いわけですね。そう一年や二年ではできるものではございません。局長の言うような有効な港の施設をつくる場合には、やはり相当の規模につくらなければならぬというふうに考えているわけです。したがって、地方で困っているような建設途中に償還をするというようなことのないように、地方債の償還年数を考えておく必要があるというふうに思います。これは、運輸省としては別に償還年数を長くしてもらうことに異議はないと思うのですけれども、結局自治省なり、あるいは大蔵省なりの問題になるわけで、あるいは資金の回転ということも多少関連するのではないかと思うわけですが、しかも公団などが考えられた場合には、三十年というようなことも考えられておったようですから、これは早急のうちに地方債の償還年数の延長について結論を出す必要があるというように思うのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/30
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031・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 いまおっしゃられましたとおりであると思います。したがいまして、管理部会の中にも地方財政の権威者を委員として持っておりますので、そういう委員の方々の御意見も伺いまして、管理部会でそういう結論を出していただくと同時に、自治省、大蔵省ともよく折衝いたしまして、御趣旨に沿うようにやっていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/31
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032・野間千代三
○野間委員 この前、二、三日前の新聞報道で、首都圏整備法の改正か何かが出ておったと記憶しておりますが、その際に、整備の資料などについて、利子補給をするというようなことがちょっと出ておりましたが、これは自治省のほうにお伺いしたいのですが、いま償還年数の延長の問題ということで検討が行なわれているんですか、どうですか。自治省内部では港湾の地方起債の償還年数の問題は論議になっておるんですか、おらないんですか。自治省の方、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/32
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033・岡田純夫
○岡田説明員 私は直接担当責任者でないので、はっきりしたことは申し上げられませんが、償還年数全体の延長問題という姿で検討は進めております。ただ、その中で、港湾をどのように検討いたしても、そこまでは全般的な問題としては延長問題は考えておりません。あくまでも地方財政
一般の面から取り上げておる問題でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/33
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034・野間千代三
○野間委員 地方自治体の起債の償還年数全般については論議になっている。これは水道の問題があり、交通の問題が待徴的に最近あると思う。それはそうなんであろうと思いますが、その中で、港湾の問題については担当が違うとおっしゃいましたが、港湾の問題については、特段の港湾の問題としての検討は行なわれてまだいないというふうに考えてよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/34
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035・岡田純夫
○岡田説明員 十分承知いたしておりませんので、あとから御報告申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/35
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036・野間千代三
○野間委員 それでは、内容がまだ正確にはっきりしませんので、これは希望として申し上げておきますが、地方債全体のいまのような状況の中で、水道、交通その他地方公営企業の問題がいま相当クローズアップされまして、地方債の問題が論議されておりますが、これは、中には永久債というようなことも論議が出ていると思います。きのうの予算委員会でも、特に外国のように百年なりあるいは四十九年なりというふうにすべきじゃないかということも論議が行なわれております。これは、ただ単に水道なりあるいは交通なりの問題としてだけ検討されているということでは片手落ちではないかというふうに思いますので、自治省のほうで検討される際に、ぜひ港湾の償還年数を含めてひとつ十分な検討をいただきたいというふうに思います。特に自治省のほうでは、地方財政、特に港を持っている地方自治体の港湾の施設の投資に関連をする地方財政の圧迫といいますか、影響といいますか、そういう点についての問題はよく御存じのはずですから、特にそういう方面についての御検討をいただきたい、前向きでの御検討をいただきたいというふうに思います。
地方債の問題についてはまたいずれ申し上げますが、一つだけあと追加をお願いいたしたいのですが、管理部会で、いまお答えのように地方財政の問題等と関連をして、港湾行政、港湾管理、港湾の財政、そういう問題について相当深く論議が行なわれているというふうに伺っているのですが、これはそのとおりですね。これは港湾審議会の一部門として検討が行なわれているわけですね。
それで、これは私まだ不勉強でよくわからぬのですが、これは私ども運輸委員会の立場では、港湾問題としてきわめて重要な問題でございますので、いま特に行なわれている管理部会の論議というのはきわめて重要であると思うのですが、この管理部会の一これはもちろん最終的な答申が出るのでしょうが、答申の出るまでのうちの中間といいますか、中間論議の段階での報告が運輸委員会等で行なわれる予定はありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/36
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037・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 この部会は、実は四十年度から設置法の改正で認められたわけでございますが、地方財政を含めて港湾管理の問題が非常に重要でございましたので、運用でもって、昨年の九月から大体毎月一回ずつ会議を開いておるわけでございます。現在やっておりますのは、この管理者の会計が官庁会計方式をとっておる結果、赤字その他が出ましても、それをどのように手直しすべきかということがはっきりいたしませんので、これを企業会計方式に改めてバランスシートをつくる。それをいろいろ批判をしてもらっておるのと同時に、先ほど来申しました諸外国の例その他も事務局から提出いたしまして審議を願っておる。そういうものがまとまりつつありますので、この三月ないし四月には現地の意見を聞く。それに対してはあらかじめ質問を用意いたしまして管理者の意見を聞く。現地で討議をいたしました結果によって、第一次的な委員会としての答申案をつくる予定にいたしております。したがいまして、これができますのが来年度予算に間に合うということをわれわれとしてはお願いいたしております関係上、七月ごろになるのではないかと思います。その結論が出ました節には、この委員会に御報告申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/37
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038・野間千代三
○野間委員 大体経過としてはわかりましたが、できましたら、答申ができる論議の過程で、報告ができる部分については、ひとつ適切な時期にお聞かせいただきたいと思います。
それから、論議の途中に出ました外国の港の公債の償還年数。資料ができましたら御報告願いたいのです。
以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/38
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039・長谷川峻
○長谷川委員長 久保三郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/39
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040・久保三郎
○久保委員 自治省からおいでになっておりますが、資料の要求をひとつしておきたいのです。それは港湾財政の、これはことしはちょっと無理でしょうが、三十八年度決算で、これは港湾別でなくてもよろしいですが、重要港湾というか、六大港ぐらいに仕分けしてそれぞれの港湾財政の大体の材料はあると思うので、まとめて次会審議の際までに出していただきたい。それからいま野間委員から要求のあった材料も、同様に、次会は五日に予定されているようでありますから、それまでに出していただきたい、こう思います。
それからこれは港湾局長にお尋ねしたいのですが、いま港湾審議会の管理部会の審議についてお話がございましたが、管理部会で取り上げて討論し、答申する予定のもの、その一つはいまの港湾経理を企業会計方式にすべきだということですね。それ以外に管理部会として討議する内容は何か。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/40
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041・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 港湾管理部会においてわれわれが諮問をして答申をお願いしておる問題は、
一つは財政基盤を強化するということでございます。もう一つは、効率的な使用がどうしたらできるかということでございます。三番目は広域行政ということが最近言われておりますが、港湾につきましても、広域港湾という考えに立つ管理方式というものはどうしたらいいか、この三つでございますが、主としてこれはおのおの関係があると思うのでございますが、第一次的に重点を置いてやっておりますのは、効率的運営というものを通じていかにして財政基盤を確立するかということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/41
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042・久保三郎
○久保委員 広域行政という中には、ポートオーソリティの問題を含めて審議するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/42
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043・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 当然この問題を取り上げて、本格的に進めてまいりますときには、ポートオーソリティといわれるような、すなわち各地方行政の母体から離れた、独立した港湾管理母体というものが考えられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/43
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044・久保三郎
○久保委員 次には、港湾運送事業者、それとの関連で港湾労働者の問題、今国会に港湾労働法案が提案されておりますが、そういう問題にも言及しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/44
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045・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 ただいまのは、管理部会に港湾労働の問題をかけるかということでございますが、港湾労働の問題につきましては、総理府に港湾調整、審議会というものができまして、これが港湾労働を中心とする港湾労働者の運用その他に
ついて審議することになっております。したがいまして、当管理部会といたしましては、そのような問題はやらないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/45
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046・久保三郎
○久保委員 それは港湾運送事業者についての問題は、討議の対象にしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/46
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047・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 港湾運送事業法の問題につきましては、われわれは新しく来年度の予算におきましては、合理化審議会のようなものをつくりたいという希望は持っております。しかし間に合わない。そういうものをつくって審議をしていって間に合わないということであれば、その管理部会におきまして現在お願いしているものがめどがつくようであれば、この運送事業法の問題もこの審議会でやっていただいたらということで、両方なお持っておりまして、まだいずれにするかということをきめておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/47
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048・久保三郎
○久保委員 そこで港湾運送事業者の免許切りかえというか、そういうことを先般質問をいたした、わけですが、三十四年にできて、三年間の猶予期間を置いて、その期間中申請したものはできるものもあるしできないものもある、その期間中に申請をしないものはだめだということでありますが、法律からいけば、その三年間に申請すれば業者としてはよろしい、あと役所というか運輸省としてはゆっくりやっても別に法律違反ではないですね。だからゆっくりやっているということではないでしょうが、非常にマンマンデーに見えるわけですね。こんなにマンマンデーにやるならば、当然いまの港湾運送事業者の体質改善をあわせて――幅の広い体質改善ですね、これをあわせておやりになることが当然だと思うのです。
たとえば企業の集約、それはもちろんへたにやりますと、これが従属を強める、あるいは系列下請ということになりかねない問題でありますから、これを機械的に集約というわけにはいかぬと思うのです。だから、そういう問題を含めておやりになっているならいいのだけれども、どうもそうじゃなさそうにも見えるし、多少はそういう考えもあるようにも見えるし、大体これはどっちなんです。法律にあるところのいわゆる基準に照らして免許をやっていくというところに精を出してきた、かたがたいま少しそういうことも考えてきたというふうにもとれるのだが、それはどういうふうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/48
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049・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 これは、三十七年の九月に一応免許切りかえの申請が終了したわけでございます。それの審査をいたしておりまして、三十八年度にはたしか、最初の一年では二十数%の進捗であったと思いますが、三十九年末でございます、これでは八五%までなっておりまして、残りはあとわずかでございます。しかし、この中にはいまおっしゃられましたように基準に該当しないということから免許ができないというようなものが多いわけでございまして、それを現在合同、合併その他によって基準の線に達するようにという指導をしておるわけでございます。これがなかなか進まないものでございますから、地方の海運局長を通じまして、三月、この年度末をもって打ち切る。ただ三月三十一日ですぐこれを却下するということも、努力の過程にあるものにつきましては気の毒な面もありますので、三月から三ヵ月ぐらいの猶予期間を置きまして、なお基準に達しないものにつきましては却下したい、で、一応この三十九年度末をもってこの問題を打ち切りたい、さように考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/49
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050・久保三郎
○久保委員 基準に達しないものについては切り捨てる以外にない、こういうことであるのですから、これはそのとおりで大筋はいいと思うのです。その場合、そこで働く港湾労働者の問題等もやはり考えながらやらぬと混乱が起きると思うので、この点は私のほうから強く要望しておきます。
それと同時に、たとえばいままで免許を許したものは運送事業の一から四までというか、そういうふうにいろいろ種類がございますが、それはやはり法改正の精神にしっかり適合したものばかりとは言えないと思うのです。いままでの港湾運送事業のあり方というかそういうものからいって、従来の形態を整えながらわずかに港湾運送事業法の改正の基準に当てはまったというだけだと思うのです。そうなりますと、なるほど一つの効果はあるが、いま強く要請されている港湾運送事業の近代化あるいは基盤の強化というものはいまだしの感が非常に深いと思うのです。そういう意味でこれからどうされようとするか、その御方針はどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/50
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051・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 ただいま申し上げましたように、法律が改正になりましたあと始末がまだできておらないということでございますから、まず早急にこれのケリをつけるということが第一であります。それに引き続きまして、いまもお話がございましたように、新しく切りかえられた業者が免許の基準どおりの業態であるかどうかということでございます。これを監査を励行することによりまして、基準に近づけるということがこれからの当面の仕事だと思うのです。さらに新しくこれを集約化して、昨年三月の海湾労働等対策審議会の答申に沿うような業態にどういうようにして持っていくかということがその次に起こってくる問題でございまして、われわれといたしましては、それについてまず現在の港湾運送事業法の改正によるべきものと行政指導によるべきものとを分けて、改正によるべきものは次の国会に出すように準備する、行政指導によってこれを集約化するということにつきましては、その手段として中小企業近代化法の対象業種にするというようなことを現在考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/51
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052・久保三郎
○久保委員 そういたしますと、もう港湾運送事業者の実態はつかみましたね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/52
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053・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 つかんでおると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/53
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054・久保三郎
○久保委員 つかんでいるとすれば、これを内面指導するなり何なりすることが可能ですね。
ところで、港湾労働法案が実は提案されているわけなんだが、これは二年間の猶予をしておくということなんだが、それはどういう理由で二年間――これは提案者である労働省がいま来ぬから、共同責任というか関係の深い運輸省の港湾局長に聞くのですが、二年間というのが何かあるそうだが、その二年間なぜ延ばしたのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/54
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055・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 これは私ども直接の担当ではございませんが、二年以内ということになっているようでございます。その二年以内というのは、あの労働法の中で実施に移し得るものと実施に移すためには労働者と雇用しておる事業者の近代化というものがある程度進んでから移したほうが現実にマッチするものがある。こういうことで二年以内に港湾運送事業の近代化というものを進めて、それにあわして例の定数を決定をして、日雇い労働者に対して調整手当を出す、こういうものをやるべきだという趣旨のように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/55
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056・久保三郎
○久保委員 いまお話しのように、港湾運送事業者の近代化を進めるのには大体二年くらいかかりそうだ、だからとこう言うのですが、いままで少しお話を聞きましたが、計画はあるのですか。計画がなくて二年以内というあれは出ないと思うのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/56
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057・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 現在考えている案を申し上げますが、四十年度においてわれわれがいまのような近代化を行なうということをもとにして考えておりますのは、第一に港湾運送事業団体の組織を強化すること、これは前にも申し上げましたように全国で千八百八社、六大港で千百三十三社というような数がございまして、これが大小さまざまで、また沿岸、船内、はしけというように業種が分かれて横の連絡が強く、縦の系列化がないというよないろいろな問題がございますので、これら全体の団体の総意がかたまらなければ一方的に役所の力だけではどうにもならないということから組織の強化ということを第一にやるわけでございます。
次には、先ほど申しましたが、免許の切りかえというものをここで終結いたします。それからもぐり業者等の取り締まりというものも当然それが行なわれますれば引き続いてやることができます。なお、そのほかに港湾公共福利施設分担金というものが料金の中にございますが、そういうものを活用して福利施設をつくっていく、また荷役作業の機械化をやっていく、それから先ほど申しましたように中小企業育成に関する制度を活用していく、こういうことを大体四十年度に実施することを予定しているわけであります。
さらに四十年度において企画する事項といたしましては、先ほど申上げましたように港湾運送事業を合理化するための審議会というものを四十一年度においてつくる。それからまた運送事業法の一部を改正する、この準備をいたしまして、四十一年度におきましては合理化審議会、これは仮称でございますが、そういうものの意見を聞いて今後の合理化の構想をきめるし、またいまの法律の改正によりましてさらに基準を高める等によってこれを集約化と合理化の道へ進めていく。それから四十一年におきましては、さらにその審議会の意見を聞いてできた近代化の方式によって四十二年には近代化したような業態に事業者を持っていく。大体二ヵ年で近代化を進めたいという案を持っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/57
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058・久保三郎
○久保委員 合理化審議会というか、そういうもを四十一年度に持ちたい、こういうことでございますね。私どもの見方からいけばいまの免許基準の切りかえ、こういうものの作業と実際は並行してそういう審議会を必要ならば持ってやるべきだと思うのです。ところがいまのお話だと、毎年持つというのは少しどうかと思うのですが、並行して持つことはできないのですか。四十年度から持つというのがたてまえじゃないですか。いままでも港湾運送事業の近代化、合理化というのは各方面から強くいわれてきたわけであります。それから去年の三月の答申ですね。これにも重点的に取り上げられているわけです。だから当然この答申を受けてやるとするならば、そういう合理化審議会は四十年度予算あるいはその制度の中に優先的に取り上げて並行しなければならない。その結果として港湾労働法は直ちには施行できないとするならば、これは話はわかります。ところが何か、手順とか順序とかを並べればいいのです。何もあとにする必要は毛頭ない。むしろ先行すべき筋合いのものです。これはどうして来年度四十一年度になるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/58
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059・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 おっしゃられましたとおりでございますが、実はこれは四十年度の予算において当然要求すべきであったかもしれません。ですが、われわれとしては、四十年度においては港湾審議会に管理部会を設けて、まず港湾管理者の財政を確立するということに重点を置きました結果、今年度の予算には盛ってないわけであります。したがいまして、来年度予算において新たにこれを要求したい、こういうわけでございますが、先ほど申し上げましたように、これは予算の問題でございまして、この問題を急ぐという観点から、このルートを踏まないで、現在ある管理部会を活用することができないかということもあわせて検討しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/59
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060・久保三郎
○久保委員 そこで労働省が見えましたからお尋ねするのですが、提案されたと思うのでありますが、港湾労働法案ですね。これはいま海湾局長に聞くと、二年以内に発効するということで、直ちに発効ということにはならぬそうであります。そのおもな理由は、あなたのほうはどういうふうに解釈しているか、なぜ二年以内というふうにしたのか、その理由は何でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/60
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061・遠藤政夫
○遠藤説明員 港湾の中の施行期日につきましては、この法律の中の各規定につき、二年以内の期日を定めて施行する、こういうことにいたしておる次第でございます。これはおもにこの法律の中の骨子をなしております港湾労働者の登録制度、これに伴います手当の支給制度でございますとか、あるいは退職金共済制度、こういった制度につきましては、新しい制度でございますので、これを円滑に運営いたしますためには、相当の準備期間も必要でございます。そういった関係から、二年以内に準備が整い次第実施に移すということで、二年以内ということにいたした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/61
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062・久保三郎
○久保委員 詳細にはお答えがないようでありますが、去年の三月に答申があったですね。その答申があってからもう一年、政府部内では、言うならば一年間あまり真剣に取り上げていない。労働省は別かもしれませんが、それに関連する港湾局のほうも、労働省から法案の骨子というものを見せられてから考えましょうということであって、実は答申を読んでいなかったんじゃないか。読んでもこれはそう直ちにはできないというような前提的な考えがあって、いまのような説明がなされるんじゃなかろうかという疑いを持つわけです。本来ならば、去年の三月に答申を受けて、直ちに政府部内ではそれぞれの関係各省において連絡をして、これをやる場合にはどうか、それに応じたところのいわゆる対策も直ちに講じようじゃないかというのがほんとうなんですね。ところが全然そういう対策もなくて、先ほど港湾局長の言うのは、近代化、合理化の審議会も、しかも四十一年からつくっていこうかなんという話なんですね。こういう話を聞いていると、まじめにやるつもりがあるのかないのかわからぬ。われわれは、なるほど労働関係ばかりじゃなくて、港湾全体の立場からものを見ようとして考えているのです。ところがそういう公平な見方からしても、二年以内にやろうなんて、はなはだしくお粗末しごくですよ、法律としても。だからいままで港湾局長がお答えになった以外に、労働省あとから来たからわからぬと思うのだが、問題点は、作業の進み方が直ちにできないということ、あなたからも一部ありましたが、それ以外にはないのですか。たとえば調整手当ですか何か知りませんが、そういうものを出すのに準備が要るとか、どういう準備が要るかわかりませんけれども、その理由はもう少し詳細にお願いしたいです。それ以外にもあるでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/62
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063・遠藤政夫
○遠藤説明員 この法律の骨子は、この法律の適用を受けます名港に必要な港湾労働者というものの数をきめまして、これを登録制度によって確保していこうというような全く新しい考え方を取り入れております。これを法律の趣旨にのっとりまして、円滑に運営いたしてまいりますためには、現在の職業安定機関の機能、体制、こういったものにつきましても、十分な拡充整備をはかってまいらなければなりませんし、また手当の支給につきましても、いろいろな新しい徴収の問題でありますとか、手当の支給のための準備でございますとか、こういった問題がございますので、慎重を期しますために、かなり長期の準備期間を設けることにいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/63
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064・久保三郎
○久保委員 それは表向きの話であって、実際は違うでしょう。海湾局長に聞きますが、私は率直に聞きたいのですよ。表向きの話ばかり聞いていても、ちっともわからぬ。そんな手続の話なら、やはり半年なら半年の間猶予を置けばこれはぴたりできるのです。しかもいま予想される港湾労働法の適用港は、大体六大港くらいにしようか、こういうことでしょう。問題があるところはそういうところです。だからそう全国の北から南の果てまでやろうというのじゃないのですね。逐次及ぼそうというのですね。一番問題になるところといえば、京浜とかあるいは大阪とか、あるいは神戸とかいろいろありましょう。そんなところでしょう。だからそういう話を聞いているとちっともわからぬ。言うならば、これはどこから出た資料だかわからぬが、この前もちょっと言ったかもしれないが、大体労働者の登録制とか出頭手当の支給とか、それによると、港湾運送事業者の経費がふえてきてかなわぬから、その面が一つ困るというのでしょう。これは運輸省の責任ですよ。だからそういうことをやるのにちっとも前向きで――管理部会はこれから審議するそうでありますが、その結論が出るのに半年はかからぬでしょう。これは港湾運送事業者が負担に耐えかねるようなことを強要するわけにもまいりませんね。だからこれに対しての改善策も半年かかれば大体どういう――やるということになれば半年もかからぬでしょう。それをやらぬでいて、どうも港溶労働法のほうを延ばすのは本末転倒ではないかと私は言いたいのですよ、二ヵ年以内となっているからだけれども、二ヵ年以内となっていれば、二年までかがらぬということを考えて提案しているのでしょう。これは提案者のほうだが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/64
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065・遠藤政夫
○遠藤説明員 この法律の中の総則関係、たとえば適用港湾の決定でございますとか、あるいは施設の整備でございますとか、あるいは雑則にございます各適用海湾に設けられます地区職業安定審議会の設置でございますとか、こういった規定は法律が公布されますと同時に実施いたしまして、この法律の実施の準備をいたす考えでございます。主として登録制度に伴いますものにつきましては、先ほども申し上げておりますように、全く新しい制度でございまして、このための新しい組織機構等も準備いたさなければなりませんで、こういった準備のための期間を設ける意味で二年以内ということを定めておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/65
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066・久保三郎
○久保委員 だから二年以内というのは幅があるということですね。善意に解釈しまして二年以内は最悪の場合。では、いまから作業を始めてプログラムは、応問的にどの程度か聞いておきたいのです。中身は港湾労働法が社会労働委員会にかかったときにわれわれも審議に参画します。だからそのプログラムを、これはむしろ港湾局長に聞いたほうがいい。港湾運送事業者の問題が主ですね。問題点はそうでしょうな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/66
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067・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 この二年以内というのは私どもがつけたのではないわけでございますが、答申ができるまでの間におきましても、この港湾労働の問題はずいぶん長い期間かかっているわけでございます。また答申ができましてからも、各省の連絡協議会のようなものをやっておるわけでございますが、何ぶん問題が非常に複雑であるために、われわれが努力しても時間がかかるということだと思います。もう一つは労働の問題だけから、これをいかに保護しようといたしましても、やはり機械化というものが進んで――元来港湾労働者というものは、労働そのものは過酷でございますが、技能的なものであると思います。これを技能的なものであるようにするには、やはり機械化というものを進めなければ確保ができない。したがいまして、そういう機械化が促進したときに並行して、この労働法が施行されれば目的を達し得る、こういうような見解に立たれて二年というものが設けられたのではないかと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/67
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068・久保三郎
○久保委員 港湾局長、それはそういうふうになればいいということなのであって、何も荷役が近代化、機械化されなくてはできないということではないのですよ。今やっているんだ。いまやっているのでしょう。だから近代化、機械化を全部やって、もう人間はほとんど要らぬということになれば別ですよ。そんなことはあり得ないのだから、それは理屈なんで、これは港湾局長、先ほどお述べになった運輸省としてのプログラムをお出しいただきたい。どの辺までにどういう事業体の近代化、合理化はしたい、それから労働者のほうは労働省もありますが、二年以内というプログラムを出していただきたい。港湾の中身じゃなくて、外側だけいま申し上げましたから、二年以内にはこういうふうな手続でこういうふうにできますというプログラムをこの五日までに出してください。
それからもう一つ聞きますが、港湾福利厚生協会の問題であります。これは三十九年度の事業は大体どの程度やっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/68
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069・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 福利厚生協会は、大体地区で申しますと、北海道、東北、日本海、それから東京、川崎、横浜、名古屋、四日市、大阪、神戸というのは港湾ごとにできております。それから中国、四国、九州というのも、これはブロックごとでございまして、中国と四国は近くできるわけでございますが、まだこの活動はしておりません。
これらの活動を概略申し上げますと、北海道におきましては、大体一年の拠出金が、この分担金として拠出される分が千六百八十五万円でございまして、三十九年から四十三年までの五ヵ年計画で、厚生施設四ヵ所、病院を一ヵ所増築する、こういう計画を持っております。それから東北は大体年間の拠出金が八百四十八万円でございますが、四十年度から四十三年度まで四ヵ年計画で、厚生施設、これは休憩施設でございますが、こういうものを十三ヵ所つくりたい、こういう計画を持っております。なお日本海は、年間が大体千二百五十万円でございますが、これで四十年度から四十三年度までに、厚生施設としては休憩所と宿泊、診療所、休憩施設が八ヵ所と宿泊、診療等の施設が二ヵ所を予定しておるわけであります。東京は年間が二千五百万円でございまして、三十九年度には女子寮、それから炊飯施設、診療所、冷暖房施設というものを整備しております。それから横浜につきましては三十八年、三十九年を合わせまして、労働者の住宅その他をつくるための土地の取得とそれから炊飯所、また運搬用の自動車その他を購入しておるわけでございます。それから名古屋におきましては、三十六、七、八年とかかりまして、病院の整備、それから住宅の整備というものをやっております。それから神戸は、年間大体三千二百万円でございますが、三十九年度におきましては、労働者センター、訓練所、炊飯施設等を整備しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/69
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070・久保三郎
○久保委員 それでこの協会の仕事は、いまお話がありましたが、間違いなく十分にやっているのかどうか、それからこの監督はどこでやっておられるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/70
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071・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 これは労働大臣と運輸大臣の共管でございますが、出先の海運局においてこの監督はやっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/71
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072・久保三郎
○久保委員 来年度は、総括的にどの程度の事業を見込んでいるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/72
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073・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 これは先ほど申し上げましたのは、四十年度の事業をちょっと申し上げるのをはぶきましたが、これはおのおのが独立して財団法人としてやっているわけでございますので、全国の集計というものはないわけでございますが、たとえば横浜を例にして申しますと、四十年度におきましては、一億三千万円をもって住宅をつくる、このうちで分担金に該当する分が六千三百万円で、残りの六千七百万円は借り入れ金によることになっております。それから労働者センターは、これは労働省がつくられる分だと思いますが、これに対して三百万円を分担する、こういうようになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/73
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074・久保三郎
○久保委員 それでは来年度の計画をやはり資料として出してください。
最後に運輸大臣に申し上げますが、御存じのように港湾労働法案が提案されているわけです。そのいきさつを知らぬわけではありませんが、何か去年の三月に答申を受けて法案が出てきたことは歓迎すべきことかもしれませんが、どうも二年以内なんていう、あまり例が少ない法律が出てきた。これはそういう原案で出てくるのでありますから、それはそれなりに理由がありましょう。ありましょうが、これを積極的に実施に移すということが必要である、それにはお聞きのとおり港湾局の港政課を中心とする港湾行政の面が必ずしも力強く拡充されているとはわれわれは考えていないのです。免許切りかえの事業にしても、むずかしいことではあるが、もう締め切ってから三年もたとうとする、だから予算編成の時期にも私ども運輸大臣にお話をしたときに、港政課を中心とする要員の問題もやはり考えていただきたいということも申し上げているわけですが、これからどうやられるかわかりませんが、これを積極的にやるという場合には、やはり地方海運支局というか、海運局というか、そういう関係も含めて、前向きでこの港湾労働法が一日も早く実行に移されるというための協力が必要だと思います。いやいやながらどうも労働省から出されて、われわれのほうは港湾運送事業者だけを見ている、そんなことはとてもできかねる、まあしかたがないから、二年以内ということでお茶を濁そうというのではとんでもない話だと思います。ですから前向きで真剣にやるのかどうか、これはひとつあなたから御答弁をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/74
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075・松浦周太郎
○松浦国務大臣 港湾問題について、前者は野間さんが主として財政問題についてお尋ねになりました。久保さんは労働問題についてお尋ねになったのでございます。
まず財政問題について一言申し上げておきたいと思いますが、今日の日本の長期安定経済政策は、設備投資及び技術革新において十三、四億の投資が行なわれておりますことは御承知のとおりであります。したがいまして、生産力は年々増加の一途をたどるでありましょう。国内において資源が乏しいわが国は、原料を入れて製品を出さなければならぬ。港湾に対する労働力というものは、従来の数倍働かなければならぬ状況になっております。しかしまた国の経済力も、最小限度に見ましても、先ほどは六六年までという長いお話でございましたが、そういう長いことを見ましても三・五%から七%の範囲内の伸び率を見るでありましょう。あるいは短期間で見るならば、五%ないし七%を見ることができるでありましょう。したがって、そういうことになれば、後進地域の開発ということに対しましても、国は御承知のように年々相当力を入れておりますから、地方の財政経済に対しても相当負担力ができてまいりますから、それとあわせて、いままでは外郭だけを国家が負担しておりましたが、さらに一歩進めて、国家の負担をもう少し多くするとか、あるいは先ほどいろいろお話のありましたように、償還年限を長くし、利率を安くするというようなことも考えなければならないと思うのであります。そういうことにして、日本の特定六大港湾だけではなしに、各地方港湾も相当の労働力を持つように、経済的には行なっていかなければならないというふうに考えます。
この労働問題に対しましては御指摘のとおりであって、せっかく港湾労働法をつくっても、二年間たな上げにするのはおかしいじゃないかということでございますが、これは港湾労働の実情を見ると、直ちに行なえない状況になっております。したがいまして、先ほど労働省並びに港湾局長から答弁いたしましたように、総理府に港湾調整審議会あるいはこれに対します管理部会というようなものもつくりまして、財政上あるいは工事上あるいは公共的な運営という方面のことも、ともに考えていく。
同時に私は考えなければならぬことは、日本の港湾の施設、つまり荷役施設というものがほとんど人力によっております。ハンブルグであるとかニューヨークであるとかいうようなところの港に行ってみれば、いろいろな式のクレーンが林立いたしておりまして、クレーンのうしろにはエスカレーターがあるとか、あるいはインクラインがあるとか、あるいはその他の倉庫までの輸送機関があり、あるいは穀物ならばサイロが並んでおるということで、ボタン一つで全部の作業ができるというようなところにおる港湾労働者は、日本の各輸出港におる労働者の方々のような苦役はいたしておりません。したがって、私どもはいま前段に申し上げましたような上屋その他岸壁等に対する国費の見方も少し多く見てもらうとともに、これに対する地方債の年限延長、利子の低減というようなことを考えていくとともに、荷役施設というものを、二年間ではできないけれども、これは積極的にやっていかなければならぬ。同時に私は、この二年間に労働手帳を完全につくり上げられるかどうかということさえ、一部のものについては心配いたしております。そういうような現状でございますから、私も労働省におりまして、その点は石田君とずいぶん相談いたしましたが、しかたがないからつくることはつくって、二年間に軌道に乗せようじゃないかということが、ほんとうのわれわれの相談した話し合いでございます。でございますから、できた以上は二年間に何とかしてこれを軌道に乗せる、そのためにはできるだけ国費も多く入れまして、この荷役設備もよくし、ほんとうは他の近代的な科学工業や重工業、基幹産業の勤労者のような教育ができていないのです。この港湾労働者の私は民度を上げるということも一つの大きな仕事であると思うのです。これが今度の法律に載っていないそうでございますが、これは法律に載らなくても、労使が相談し合って、現在の港湾労働者という方々の民度を上げて、そうして労使の協調がよくできまして、真に三位一体の作業が行なわれるようにするのでなければ、ほんとうの運営はできないのではないか、そういう方向にこの法律を完全に利用できるように、全力を物心両面からいたしていきたい、私はかように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/75
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076・長谷川峻
○長谷川委員長 他に質疑はございませんか。――質疑もないようでありますので、これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
次会は来たる五日金曜日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00819650302/76
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