1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年三月十二日(金曜日)
午前十時四十一分開議
出席委員
委員長 森山 欽司君
理事 正示啓次郎君 理事 廣瀬 正雄君
理事 福永 一臣君 理事 三池 信君
理事 井谷 正吉君 理事 岡本 隆一君
逢澤 寛君 天野 光晴君
稻村左近四郎君 大野 明君
木部 佳昭君 木村 武雄君
佐藤 孝行君 丹羽喬四郎君
堀内 一雄君 山本 幸雄君
渡辺 栄一君 金丸 徳重君
久保田鶴松君 原 茂君
堀 昌雄君
出席国務大臣
建 設 大 臣 小山 長規君
出席政府委員
厚生事務官
(国立公園局
長) 今村 讓君
建設政務次官 白浜 仁吉君
建設事務官
(大臣官房長) 鶴海良一郎君
建設事務官
(計画局長) 志村 清一君
建設技官
(河川局長) 上田 稔君
委員外の出席者
運輸事務官
(鉄道監督局民
営鉄道部長) 岡田 良一君
建設事務官
(道路局次長) 三橋 信一君
参 考 人
(兵庫県土木部
参事) 松波 肇君
参 考 人
(芦有開発株式
会社常務取締
役) 川島 通弘君
専 門 員 熊本 政晴君
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三月十日
委員稻村左近四郎君辞任につき、その補欠とし
て村上勇君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員村上勇君辞任につき、その補欠として稻村
左近四郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月十二日
委員佐藤孝行君及び中嶋英夫君辞任につき、そ
の補欠として濱田幸雄君及び堀昌雄君が議長の
指名で委員に選任された。
同日
委員濱田幸雄君及び堀昌雄君辞任につき、その
補欠として佐藤孝行君及び中嶋英夫君が議長の
指名で委員に選任された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案
(内閣提出第四八号)
道路に関する件
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/0
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001・森山欽司
○森山委員長 これより会議を開きます。
道路に関する件について、調査を進めます。
本日は、本件調査のため、参考人として、兵庫県土木部参事松波肇君、芦有開発株式会社常務取締役川島通弘君の御両名の御出席を願っております。
参考人の方々には、御多忙中のところ、本委員会に御出席をいただき、ありがとうございます。どうぞ、忌憚のない御意見をお述べくださるようお願いいたします。
なお、参考人からの意見聴取は、質疑応答の形式で行ないたいと存じますので、御了承願います。
質疑の通告がありますので、これを許します。堀昌雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/1
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002・堀昌雄
○堀委員 二月二十三日の予算委員会の第五分科会におきまして、私は、芦屋市にあります芦有開発株式会社が申請をいたしました、土地収用法に基づく土地収用の件について論議をいたしました。当委員会におきまして、その後の案件につきまして、具体的な事案をつまびらかにしながら、この問題についての問題点を少し明らかにして、今後の、もっぱら営利を目的とする企業体が行なう土地収用のあり方について、政府の見解をただしていきたい、こう考える次第でございます。
最初に、兵庫県が、実はこの土地収用の事業認定をする権限を持っておるわけでございますので、まず県の側から、この、いま私が申し述べました「土第一九七八号の一」という件の手続に基づいて、土地細目の公告が行なわれました事案についての経過を、ひとつ御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/2
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003・松波肇
○松波参考人 ただいま御質問のございました芦有道路の事業の認定問題でございますが、ただ、細目公告の段階とおっしゃられますのは、ちょっと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/3
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004・堀昌雄
○堀委員 事案がどういう事案であるかを明確にするために、私は「土第一九七八号の一」で土地細目公告をされたその案件、こういう表現を使っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/4
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005・松波肇
○松波参考人 事業認定の申請が、三十五年の七月に、会社から申請されたのでございますが、この道路につきましては、全線約十キロ程度ございまして、そのうち第一期工事といたしまして、約二キロ程度のものを、三十五年の三月に一応認定しております。その後約八キロ二百余りの区域におきまして、先ほど申しました、三十五年七月二十一日付をもって、事業認定の申請が起業者からなされたわけでございます。それにつきまして、その内容等を検討いたしました結果、この道路は道路運送法に基づきますところの道路でございますので、土地収用法三条の規定に該当するということがまず第一点でございます。それから第二点は、起業者がこの工事を遂行する十分な能力と意思を有しているということの明らかな点であります。
なお、土地の合理的な利用あるいは公益上の利用という問題につきましては、この事業の計画は道路運送法に基づいてやっておりますし、当然道路運送法によりますところの免許規定によってやっておる事業でございますが、道路運送法の技術的な問題につきましては、省令で一般自動車道構造設備規則という規則がございまして、それにいろんな技術的な面が記入されております。事業認定官庁におきますところの認定の段階におきましては、それぞれ内部におきまして、技術的な問題、そのほか自然公園法の関係、それから砂防法の関係等がございますので、部内のそれぞれの主管課――道路課あるいは計画課、砂防課等で技術的な面につきまして十分検討いたし、なお現地も十分調査いたしました上で、それぞれの主管課と協議いたしまして、現道路八キロ二百余並びにバスストップ、駐車場等もいろいろ技術的な面を検討いたしました結果、これは計画どおり一応認定すべきであるという結論に達しましたので、認定をいたしましたような次第でございます。
なお、この問題は、もちろん事業認定前の問題といたしまして、運輸、建設、自然公園法の関係でございますとか、厚生省、各省庁に十分事業者としても協議をいたしまして、現路線を決定いたします上におきまして、三路線ないし四路線程度比較検討をしました結果、現在の路線が最良の線であるということで、バスストップあるいはインターチェンジ等を含めましたもので、一応それぞれの各省関係の法令に基づく問題につきましては認可を受けておる問題でございますし、なおバスストップあるいはインターチェンジ、駐車場等の位置の問題ということもございますが、この問題につきましては、それぞれの縦断勾配あるいは縦断的視角距離の問題というものも検討されてまいりまして、一応認定をいたすということになったわけでございます。
なお、本地域におきましては、自然公園法の国立公園の特別地域となっておりまして、一応公園事業を執行する上におきましても、相当制約がございます関係上、自然公園法の見地からも十分検討をされておりますので、一応この認定につきましては、それぞれ土地収用法第二十条におきますところの要件を具備しておると認定いたしまして、事業の認定をいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/5
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006・堀昌雄
○堀委員 いま県の参事のほらで答えられましたことは、全く形式的には私もそのとおりだと思います。ただ、私がここで論議をする気になりましたのは、一体土地収用法というものは、本来憲法が保障しております私有権について制限を加えるわけでありますから、土地収用法の取り扱いというものは、かなり慎重な取り扱いがされる性格のものではないかということが第一点であります。そこで、その慎重な取り扱いということと形式との問題になりますけれども、ちょっと県のほうにお伺いをいたしたいのは、あなたのほうで申請が出ましたとき、大体申請は七月二十一日くらいに出されたのではないかと思うのですが、三十五年七月二十一日ではないかと思うのですが、この時点における、その隣接いたす土地の所有の状態については、あなたのほうではつまびらかにした上で、これは認定をされたのですか。その点をちょっとお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/6
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007・松波肇
○松波参考人 申請書の内容から見ますと、そういう点は明記されておりません。だがしかし、認定にあたりましては、一応そういう点も調査いたしております。しかし、先ほど申しましたところの技術的な面がございまして、あの地区は地すべりの地帯であるというようなことも伺っております。それからそういう路線の線形の問題、あるいはバスストップ、駐車場というものの設置の位置という問題につきましても、やはり地すべりの問題等を勘案いたしまして、断層地帯を避けるというような点もいろいろ技術的に問題のある地区でございますので、そういうものも検討をいたしまして、なるほど起業者の所有物でございますが、いろいろな勾配の点で、そういういま申しましたような技術的な点を勘案いたしまして、一応決定をしたような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/7
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008・堀昌雄
○堀委員 道路局の次長にお伺いをいたします。
いま県の側の答弁では、地すべりのある地域であるということが一点。それから、技術的にいろいろと検討して隣接地は知っておった。起業者のものであることを知っておったけれども、あの地域をきめたのだ、こう言っております。
そこで、皆さんのお手元に、実は建設省の側でつくっていただいた地図をお配りをしておりますが、ちょっとこの地図をごらんをいただきたいと思います。この地図で、太い線がまん中に走っておりますのが、これがいまの芦有開発道路でございます。そしてこの地図のちょうどまん中のところに橋がございます。この橋が大体境界線となりまして、実は所有関係が分かれておるわけでございます。その所有関係の状態につきましては、この薄い紙をこの上に重ねてごらんをいただければ、その所有関係が明らかになるように、実は図面を作成をいたしております。ちょっと経緯がありますので、私から最初にこの経緯を申し上げておきますと、実は外側にずっと線で囲んである地域が、当初辰馬、紅野両氏の所有地であったところでございます。右のほうに横線で囲んでおりますのが奥池といいまして、この地域におけるきれいな池でございます。ここに、皆さんもう一つお手元に出ておりますけれども、昭和三十二年に、芦屋市が突然この辰馬、紅野両氏の所有地に対して、市の占有権を主張をしてまいるという事実が起きてまいりました。それがわかったのは辰馬氏側の話によりますと、この奥池周辺を京阪神急行電鉄が毎年キャンプ村を設置するために賃貸契約を結んでおった。ところが、たまたま賃貸契約が行なわれない状態になった。おかしいと思っておったところが――これは山の中でありますから、おかしいと思っておったところが、三十三年の二月に、芦屋市はこの地域は市の占有地であるということを主張してまいりました。そこで三十三年二月十一日に、この人たちは異議の申し立てを芦屋市にいたしましたけれども、芦屋市は、三十二年四月十四日付をもちまして、正式に公文書で、その境界線については異議の申し立てば認められない、こういうことで、昭和三十三年の六月二十一日に、辰馬氏のほうは仮処分の申請をいたしまして、訴訟が十月八日芦屋市に対して提起をされた、こういうことになっておるわけであります。一応訴訟が係属をしております最中に、芦有開発株式会社と芦屋市の間で、瑕疵になることを承知の上で、売買が成立をしたようでありまして、そこで訴訟の当事者が交代をして、芦有開発株式会社が辰馬さんたちの訴訟の相手方になる、こういうことになっておった経緯があるわけであります。訴訟がずっと係属しておりましたけれども、昭和三十五年の五月十三日に、芦屋市から、この当該地の占有権は、辰馬氏たちが芦有開発に土地を譲渡することを条件にして、占有権を取り消します、前回の公文書を取り消しますという申し出があったので、そこで辰馬氏側としては、自分たちの所有地を一方的に市が占有を主張しておったことに対する訴訟でありましたので、そこで和解が成立をして、これらの土地は芦有開発に譲られるということになったわけでございます。実際的に譲られたのは、昭和三十五年六月の二十日に譲渡が行なわれているということでございます。
そこで、このDという形で書いております地域が今度の収用の対象になっておるところでありますけれども、いまの県側の発言によりますと、ここでなくてはならなくて、猿丸橋と書いてある橋から左のほうへ約八十メーターくらいありますが、この地域について、それでは、そういうインターチェンジはつくれなかったのかどうか、という問題が実は出てまいるわけであります。なるほど、土地の合理的使用ということは、技術的に一番便利であれば、それにこしたことはもちろんありません。しかし隣接地に起業者の土地があるときに、人の土地を収用をして、そこにそういうインターチェンジをつくる。同時に、こちらで、起業者の土地でつくるときには、収用をしようといえ土地に比べればやや不十分であるけれども、しかし可能な条件はある、不可能ではないという条件が片一方にある。程度の差の問題になってくると思うのであります。
そこでこれを図面のほうでごらんをいただきますと、この道路が通っております等高線の中では――これは、私写真を持っておりますが、皆さんにお目にかけにくいのでありますが、大体芦有道路が下から、左のほうから上がってくるわけでありますけれども、それから五百十メートルの等高線を越えて橋までは、大体同じような高さになっておるわけであります。ところが、その次は、橋を越えましてからは、五百二十メートルの等高線のところまで斜面になっております。そこから次の等高線の間が、約百メートルくらい平たん地になっておる。これは地図でごらんいただいても大体の見当がつくと思うのでありますけれども、横に山が沿ってきておる状態というのが、実は芦有側が持っておられる土地のほうが、山側の斜面がゆるやかなんです。それから谷のほうに対しても、実は斜面がゆるやかです。次の辰馬氏の所有地のほうが、山側も斜面が急になっておることは、図面でごらんいただければ明らかになっております。下側も、谷が深くなっておることは、この図面をごらんいただければ明らかであります。奥池駐車場と書いて、色が塗ってあります部分が、これが問題の地点であります。ですから、私は現地にも行ってまいりましたけれども、これは比較対照の問題で、こちら側にインターチェンジをつくることは不可能だとは思わないのですけれども、道路局側の見解を伺いたい。その差としては、こっちのほうがいいということはわかります。それは私も認めます。しかし、他人の土地を収用してそこにつくるか、自分の土地につくるか、多少の便、不便の差はあっても、そこは、いまの他人の土地を収用するか、自分の土地を使うかという差と、いまの程度の差との関係というもので、問題の判断は生じてくるのではないかと思いますが、いまの県の説明のように、橋を越えた手前は地すべり地帯で、橋の向こう側は地すべりは起きないのだというような実証ができるのかどうか、そこらの点を含めて、いまの問題について、お答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/8
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009・三橋信一
○三橋説明員 ただいまの御質問は、この橋をはさみまして、左のほうに駐車場をつくるということが絶対不可能なことかどうか、あるいは地すべりの問題が必ず起こるということが言えるのかどうかという御質問だと思います。私ども道路運送法におきます一般自動車道の許認可を扱っております。これは運輸大臣と共管でございます。実は一般自動車道の許可申請が出てまいりますと、その一般自動車道が使います土地の所有者がだれであるかということは、実は私どもの権限の範囲外の問題でございまして、自分の所有地でなくても、買収してつくっていいという立場にまず立っておりますことを、最初に申し上げておきたいと思います。
そこで、この会社の申請といたしましては、現在の奥池駐車場をやっておりますいまの問題の個所でございます。これの計画で実は出てまいりました。そこで、私どもといたしましては、ここに駐車場をつくることが妥当かどうかという検討をいたしました。ここへ駐車場をつくりますことは、これはこの道路の駐車場としては適当であり、かつ合理的であるということは、当然認められました。したがって、工事施行認可をしたわけでございます。そこで、ただいまの御質問の、こちらの反対側のほうへつくる場合どうかということでございますが、この地域につきましては、この等高線がちょっと出ておりますこの六百五十から六百六十のあたりに――ブループリントのほうでございますが、地すべりのあとがございます。これが猿丸橋から左のほうの側へ消えてきておる。と同時に、五百四十あるいは五百三十あたりに、地すべりの可能性が常時あるというふうに、私ども聞いたわけでございます。そこで、ここへつくることは絶対に不可能かどうかということになりますが、これは私どもといたしまして、私どもの技術のほうで認定いたしますと、これは、金をかければ不可能ではないだろうということは申せると思います。ただ一つ別の問題がございます。と申しますのは、この自動車道そのものが、駐車場を含みまして、国立公園の事業になっております。そこで、この猿丸橋から左のほうの地帯は赤松林がございまして、これを切ることを厚生省が許さないといろ指導があった、ということを私ども聞いておるわけでございます。したがいまして、金をかければ絶対不可能だということは申せないかもしれませんけれども、一方、国立公園の事業としてのその面におきまして、木を切ることが許されないというふうに承知しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/9
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010・堀昌雄
○堀委員 いまのお答えは、私かなり初耳なことが多いわけです。いま厚生省を呼んでおりますから……。その赤松林を切ってはならぬということは、ここはいま住宅地帯を開発をして、どんどん木を切っておりますね。これはあとで芦有に伺いますが、私も現地を見てまいりまして、かなり木が切られております。それから、もし地すべりの危険があって、駐車場に対して危険なら、これは建設省か、どこが認めるのか知りませんが、そんなところに家を建てるというのはまさに危険ですね。駐車場にも使いようがないというようなところに家を建てるといったら、さらに重大な危険を周囲に与えるのではないか。現在、芦有開発会社は、いま私が申し上げております当該地点を、分譲地として、一坪三万円でお売りになっておるという実情がございますが、それなら、私はそんなことがあるとは思いませんでしたが、こちら側が危険だということになれば、当然道路そのものを防護するための何らかの措置がとられなければならぬと思います。山側に対して、地すべりその他を防護するために道路をつけたのですから。ところが、それは何ら手をつけていないのです。そうして、そこは住宅地帯として、いまどんどん分譲をされて、適当に家が建ちつつある。一体そういうことで、はたして、いまの建設省側の答弁で、その駐車場がこっち側でなければいかぬということになれば、政府のそういう問題に対する認許可の問題は、私は非常に重大な問題があとに含まれているのではないかと思います。
それから、赤松林の問題については、厚生省が来てから伺います。
それから、私も絶対に不可能ではないと思いますし、現在この地域の右側のところは、路外、というのですか、道に使われて、簡易駐車場というのですかね。芦有の川島さん、あそこのところは何というかっこうで使っていらっしゃるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/10
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011・川島通弘
○川島参考人 あれは、現在、先生がごらんになりましたように、広くなっておりますのは、あそこは追い越し区間、あるいは緩和区間として、自動車を一時ゆるい速度でやって、残りの急ぐ車はあそこで追い越してよろしいという、パッシング・レーンということで使っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/11
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012・堀昌雄
○堀委員 これは舗装されておる部分でございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/12
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013・川島通弘
○川島参考人 そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/13
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014・堀昌雄
○堀委員 あの横に舗装されていない部分がまだありますね。外側にずっとかなり広い範囲でありますが、あれは何でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/14
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015・川島通弘
○川島参考人 あれは、大体国立公園で定めるグリーンベルトを造成する区域になっております。これから植栽いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/15
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016・堀昌雄
○堀委員 実は、私は現地を見てまいりまして、技術的にはどれだけの困難があるのかということが、もうひとつ納得ができません。それからもう一つは、ここは駐車場となっておりますけれども、皆さんのお手元に差し上げております図面のCというところに、芦有開発会社がすでに路外の駐車場のほうはおつくりになっておるようであります。ですから、いま当面問題になっておるのは、接続点といいますか、インターチェンジという区域になりますか、それをつくるための土地の問題が、現在問題になっておると思うのでありますが、私はもう一つ、これは建設省側にお伺いをしたいのですが、現在ここは道路とおぼしきものは一本あるだけなんです。これからそうやって土地を売って家を建てられれば、人間が多少そこに来るようになるかもわかりませんが、現在は人口が幾らというような状況に実はないわけです。そして、この周辺が非常に開発ができるかというと、いまお話を聞かれたように、またあなたもおっしゃったように、国立公園の特別地域になっておりますから、無制限に何でも建てていいということになっていない地域なんですね。そうすると、私は接続点をつくるとしても、たとえば名神高速道路が接続点を持っておるような、そう大げさなものでなくても、必要最小限度のものでいいのではないか。実は道路のほうで計画をされたときは、これは非常に理想的な案としてお立てになったと思うのです。聞くところによると、こういう計画は、二十年の将来を見通しておやりになるんだということでありますけれども、しかし実は二十年を見通しても、この山の中をそう開発できる条件というのは、限度が実はあるわけなんです。町ならば二十年たてば非常に変わりますけれども、この山の中で、国立公園である特別地域を開発するのに、私はそんなに大げさに、自動車が次から次へと、もうきびすを接して通るから、相当高速で通らなければならぬようなインターチェンジが必要かという問題が二番目にある。ですから、この点は、最初はこのプランは、いろいろなそういう客観的な事実に基づいて書かれたプランではないと思うのです。理想的なプランを、建設省側で道路を書いた。そこで全体の中で、ここらが体系的には望ましいから、ここへ一つそういう理想的な接続点を設けて、路外駐車場をつけて、これは机上のプランであったろうと思いますから、問題は、こういう複雑な条件になってきた場合には、これの土地収用をかけられておる、駐車場と表現はなっておりますけれども、実は接続点ですが、接続点に使い得る土地その他は、再検討が可能なのかどうか、建設省側としては、最初に認可した、これは一切動かせないのかどうか、いろいろな客観情勢の変化があるわけでありますから……。そこで再検討は可能かどらかという点をちょっと伺いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/16
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017・三橋信一
○三橋説明員 ただいまの御質問でございますが、理想的なインターチェンジあるいは理想的な駐車場を考えたのではないかということでございますが、申請によりますその計画は、大体交通量といたしましては、四十年度の計画交通量といたしまして、全線つまり芦屋から有馬の間は、休日に三千七百台くらい、平日に二千四百六十台くらいが走るだろう。それから一部線つまり芦屋から奥池あるいは奥池から有馬、これは休日には七百六十台、平日には二百七十五台が見込まれるであろうというようなことを前提といたしまして、この地域に駐車するものはおおむね百五十台くらいが必要であろう。そこでこの百五十台の駐車場、これにはバスストップを併設いたしますが、それとインターチェンジに使うスペース、これがどのくらい要るかということで、八千二百坪くらい要るということの申請になっております。その計画につき接して、おおむね妥当であろうということで、私どものほうではこれを認可いたしたということになっております。
なお、ここでちょっと先ほどのお答えに一点つけ加えさしていただきたいと思いますが、確かに、この猿丸橋の左のほう、これは地すべりのあともございますが、六百五十メートルのあたりの下のほうには、その可能性のあるところもございます。地すべりが決定的に起こるか起こらないかという判断でございますけれども、この駐車場をつくりますために、インターチェンジを含めまして、八千二百坪の土地が要る。そういうことになりますと、これは林を全部切って、平な土地をこの道路の両わきにつくらなければならぬ、そういうことにした場合に、地すべりの危険が非常に多いということを、実は先ほど申すつもりでございましたが、申し落としました。それだけつけ加えさせていただきます。
〔委員長退席、三池委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/17
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018・堀昌雄
○堀委員 芦有開発の川島さんにお伺いしますが、いま予定で、四十年度、休日二千七百台、平日二千四百六十台という見込みでお出しになったようですが、最近の実情はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/18
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019・川島通弘
○川島参考人 きょうはそのデータを持ってきませんでしたが、大体、現在ではその見込み数量の、いろいろな事情がございましたけれども、六割五分程度になっているのじゃないかと思います。これは県道の開設、有馬からの連絡道路、それらがおくれましたために、全部がおくれているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/19
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020・堀昌雄
○堀委員 そこで、いまのお話で、地すべりの問題は、平らな土地にすれば地すべりの危険がある、しかし地すべりというのは、いま由比ガ浜でもいろいろな処置をしていますけれども、これは技術的に措置をすれば、不可能なことじゃないと思う。平たくして、そこに何か防壁をきちんとすれば、地すべりの地域は一切危険だということなら別ですけれども、技術的には不可能ではないんだと思うのですが、その点をちょっと確認させていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/20
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021・三橋信一
○三橋説明員 絶対不可能だとは思いません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/21
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022・堀昌雄
○堀委員 そこで、いまの問題は、お聞きをいただいたように、私は相対的な問題であって、必ずしもこちら側につくることが不可能ではなかったということは、一応確認をしたいと思うのです。
そこで、次の問題に入るわけでありますけれども、土地収用というものは、最初に申し上げましたように、私権に対する大きな制限でありますから、最初道路局の次長のほうでも、隣接地の買収による処理をするということに触れられておるわけですね。大体こういう場合に取り扱うとすれば、順序としては、まず買収ということですね。話し合いによって、その土地を買い入れるということが先行しなければならないのではないか。大体私は国なり地方自治体等がそういう措置をしておる場合には、相当長期間にわたって粘り強く懇切丁寧に、当事者との間に話し合いを進めて、どうしてもうまくないというときには、土地収用が行なわれるということに、一般的にはなっているんじゃないか。ただ道路のように幅の狭いもので、そこに非常に所有者がたくさんあるというようなものは、場合によっては、そうでないかもしれません。しかし、私は、現在尼崎市で経験をしておりますけれども、尼崎市の西大島地区にある道路を拡張をしたいというので、実はその道路は南のほうからかなり北のほうまで入ってきておるわけです。それからあと大体五百メートルくらいが処理をされれば、次の二号線という県道にそれが接続できるという条件があるわけです。その問題が、事案が起きて、尼崎市がその当事者と話し合いを始めてすでに四年を経過しておりますけれども、まだ依然として話が進んでいない。しかし、市のほうでは、何とか話し合いで解決をしたいというので、土地収用法も適用をしないで、まだ根気強く実は話し合いを続けているというのが、私が最近地元で知っておる経験の一つなのであります。ですから、土地収用の問題というのは、国なり地方自治体が行なう場合には、かなり慎重にかつ懇切丁寧に粘り強く買収交渉がされるというのが、大体たてまえではないか、私はこう思うのですが、この点については、計画局長のほうで、一般的な原則としては、そういう努力が払われるのが、私は当然ではないかと思いますが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/22
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023・志村清一
○志村政府委員 ただいまのお話のとおり、通例は相当粘り強く話し合いをした結果、土地収用の事業認定をするのが例でございます。ただそのために非常に時間がかかり過ぎまして、大事な仕事が進まないということで、なるべく早く事業認定をとるようにという指導は、建設省の直轄事業に関しては、やっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/23
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024・堀昌雄
○堀委員 そこで、この事業認定が、実はさっき県のほうでもお話がありましたから、道路とこの部分は一緒に申請されておる、この駐車場といいますか、何か……。そうですね、これは一つの案件として申請されておりましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/24
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025・松波肇
○松波参考人 御承知のように、一件で申請されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/25
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026・堀昌雄
○堀委員 そこで、なるほど道路につきましては、私は時間的に、やはりこっち側を半分なら半分建設をしてきて、すぐにその次の道路にかかりたいけれども、困るという場合には、私は、道路の問題としては、ある程度話い合いがあって、非常に時間がかかれば問題は別だと思うのでありますが、個人の所有地が八千坪余りも収用されるしいうことに対して、本来なら、私はこれは二つで申請がされておれば、もう少し問題は別個であったのではないかと思いますが、大体たまたま一本になっておるという点に、ちょっと私は取り扱い上問題があるのではないか、そういう気がするのです。県のほうで、この点の指導は、道路は道路、接続点は接続点として、別々の申請をしたほうがいいのではないかという話があってよかったのではないか。それは所有権の状態を県は知っておった。県に申請があった場合に、これは隣との所有権の状態を知っておった。私はそうであったほうが望ましかったのではないかと思う。それは県の側として親切が足りなかったという点だけで、適法でなかったというわけにはいかぬ。それは形式上は適法であったと私は思います。
そこで川島さんにお伺いをしたいのは、あなたのほうは、この買収の経緯についてどの程度、何回ぐらい、どういう形でお話しになったのか。要するに、原則的には、他人の土地を収用するわけでありますから、先ほどからの話のように、懇切丁寧に粘り強く、ひとつ買収の話をされるのが私は原則だと思います。どのような話し合いをされたかを、ちょっとお伺いをしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/26
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027・川島通弘
○川島参考人 お答えいたします。
この辰馬さんの土地があることは、先ほど堀先生がおっしゃいましたとおり、ずいぶん早くから知っていたわけなんです。それでございますので、もうすでに私がこの計画をいたしました三十二年を過ぎまして、いよいよ事業が申請の段階に入りました三十三年におきまして、すでに辰馬さんのほうに私のほうが交渉に行っております。その間に、市と辰馬さんとの境界争い、この際にも、当然その裁判を引き継いだのでございますので、向こうのほうの雑古弁護士がうちにも参りまして、双方話し合って、ここに駐車場、インターチェンジができる、どらか御協力願いたいということは、昭和三十三年紛争のときらか三十五年まで、続けてやっております。その間、日本盛のお酒の社長さん、それからもう一人だれだったですか、知名人の方もお入りになりますし、銀行の頭取の方も行かれる。その間ずいぶんいろいろな方かあっせんされまして、現在の兵庫県の県警の総務部長をしていらっしゃいます富永さんも、当時西宮の署長でございましたので、富永さんが、ぜひそれはその会社とよくお話し合いになったほうがいいのじゃないか、そういうことで、三十五年の九月五日に、辰馬家に私が参りまして、この土地につきまして十分交渉いたしました。そのとき、やあたいへんよく話はわかりましたということでございました。これは道路建設中にも仮処分を受けまして、うちの道路が建設不可能におちいったときにも、辰馬さんに参りまして、あわせて道路敷並びにこの駐車場については懇願いたしたのでございます。それで、ここに書いてありますだけで十三回でございますが、それ以外に、私の記憶でいけば、二十五、六回になるのじゃないかしらんと思います。これは私のほうの会社の社員、私のほうの社長、私のほうの会長その他中間に立たれた方、特に日本盛の社長さんなんかは、辰馬さんあなたは土地をたくさん持っていらっしゃるのだから、特に山の中で、少し協力されたらどうかというお話し合いもあったように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/27
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028・堀昌雄
○堀委員 いまの川島さんのほうのお話では、二十五、六回、日にち等はどうもあまりつまびらかでないようでありますが、私が調査をした範囲では、正式に土地収用の対象地の問題については、昭和三十四年九月十六日に、川島さん、あなたが西波止町の辰馬さんの家に来られて、辰馬力さん、誠一郎さん、それから広田豊太郎、この三名が同席をして、いまの自動車の駐車場の地図を示してお話があったそのときに、もし分譲に応じなければ収用法にかけますよ、こういうふうにおっしゃった、こういうふうに言われておるのですが、この点はいかがなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/28
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029・川島通弘
○川島参考人 それはちょっと私記憶はないのですが、そういうことは、まだ交渉の段階では言わないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/29
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030・堀昌雄
○堀委員 こちらは三人でありますので、その当時、そういうふうにおっしゃった。
その次に、昭和三十四年の十月十七日に、川島さんが雑古弁護士のところへおいでになって、辰馬誠一郎、広田豊太郎、雑古弁護士同席の上で、やはりいまの買い入れを申されて、このときも収用法にかけてもとりますよ、もしそうなれば、水道、ガス、電灯、電話等も、つけることについてはわれわれのほうは協力できませんよ、こういうふうにおっしゃっておる、こういうふうになっている。これは弁護士が同席をしておりますから、この点は明確な事実として、私は確認をいたしたわけでありますが、そこでさらにいろいろとお話しになっている点は、三十五年三月十五日に、万代荘というところで、おたくの平野会長――平野斎一郎というのは、おたくの会長ですね。それから辰馬力、誠一郎、それから広田豊太郎氏、これが同席をして、その席では、いまお話しの仮処分の土地の分譲を早くしてもらいたいという話、三十五年六月十五日には、やはり西波止町の辰馬さんの家で、平野会長、金井社長、あと西村、下条、雑古、それから辰馬力、誠一郎、広田豊太郎同席で、これは土地譲渡に関する覚え書きというのが交換されておる。これはいまの、おたくに譲渡された日にちになっているのですね。三十六年三月三日に、酒造会館で、いまお話しの日本盛の伊藤さんと、平野さん、金井社長、それから外一名、辰馬力、広田豊太郎で、このときにやはり駐車場売却の依頼はありました。しかし、そのときには、要するに、換地ならばひとつ応じましょうという話をしましたけれども、そのままで話は具体的に進まなかった。その以後、今度は代表者でない会社の方は二、三回お見えになった。しかし、当事者側としては、これは重要な問題で、会社を代表する取締役等の方がお越しになるのが当然で、子供の使いのようなもので話に応ずるわけにはいかないということであった、こういうふうに私どもは確認をしておりますが、この点の事実ですね。要するに、さっき私が申し上げた、三十四年十月十七日に雑古弁護士の宅で、もし収用法にかけてとるというようなことになれば、水道、ガス、電灯、電話等も、つけることについては協力できません――まあつけさせませんというような趣旨のことをおっしゃっておる。これは雑古弁護士から私は聞いたのですけれども、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/30
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031・川島通弘
○川島参考人 お答えいたします。
雑古さんと私は前から知り合いでして、とにかく川島さん、あの話はなかなかむずかしくてかなわぬ、こういう雑古さんの話もありまして、雑古さんのところへ行ったのでございます。そのとき、私も一々筆記はいたしておりませんので、記憶がどの程度確かかわかりませんが、向こうさんのおっしゃったのは、とにかくここは売りもせぬ、貸しもせぬ土地だ、ということを言われたことを私は記憶しております。それから、万一売るのだったら、当時でございますが、広田さんが、五千円なら売ってあげてもいいよ、五千円で買いなはれ、こういうお話があったのを記憶いたしております。それで、ここの開発については、いま電気、水道、ガス、こういうようなお話がありましたが、これはお互いに協力しないとやっていけないというような意味のことは、言ったかもわかりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/31
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032・堀昌雄
○堀委員 厚生省の国立公園局長にお伺いをいたします。このいま私が議論をしております土地の状態、おわかりでございましょうか。芦屋の奥池地域一帯。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/32
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033・今村讓
○今村政府委員 私は、現地に参ったことはございませんが、先生からお話がありまして、至急勉強してまいりましたので、大体の見当はつくつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/33
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034・堀昌雄
○堀委員 国立公園法は、ああいう特例地域を指定をしました場合には、建物その他については、一応条件があるわけですね。どんなものを建ててもいいということにはなりませんね。
〔三池委員長代理退席、委員長着席〕
そこで、ちょっとこれを頭に置いて聞いていただきたいのですけれども、おたくが分譲を受けられた土地の中に、路外駐車場の山手に、ひし形の土地がありますね。それと奥池に接した部分の土地と、あなたのほうでは辰馬さんのほうに交換を申し出られた、辰馬さんのほうでは、この土地については交換を認められたというふうに聞いておりますけれども、これは事実でしょうか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/34
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035・川島通弘
○川島参考人 お答えいたします。
この交換につきましては、私は直接交換のことについてタッチしなかったのです。私のほうの平野会長が、辰馬さんの希望によってこういうふうに交換をしたんだということを、当時私は事務当局でございましたので、伺った、この問題に関しましては、それだけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/35
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036・堀昌雄
○堀委員 そこはあなたがタッチされなければ、辰馬さんの側では、あなたから、芦有開発からの申し入れによって換地した、こう言っておられるので、話は別ですが、芦有開発社会は、こうしてここら辺の土地を手に入れたら、国立公園局長、高い鉄さくといいますか、これをずっと自分の土地の周辺に現在張りめぐらして、中に一般の人が入れないようにして――これは私有地であるから何をしてもいいというならば別ですが、この池の周辺に入るために入場料を取っているのです。一体、国立公園というものの中に、これはなるほど私有地があるということは、こういう形態ですから当然あり得ると思います。しかしその私有地が、これまでは、私有地であってもそういうことがされていなかったのに、ある営利会社がそこを買収したら、とたんにその池の周囲に全部――全部じゃありません、まあ、西のほうというのですが、道の近いほうに、立ち入り禁止のように、ほとんど高さにして三メートルくらいありますかな、鉄のワクをつくって、そこに金網を張ったもので全部周囲を囲って、そしてその中に入るのには入場料が取られる、こういう事実があるのですが、国立公園というのは、特定地域でそういうことをしていいんですか、どうなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/36
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037・今村讓
○今村政府委員 これは非常にむずかしい問題でございまして、原則からいいますならば、国民がすべてどこへでも行って楽しめるというかっこうにしたいという希望は、われわれ持っておりますけれども、ただ私有地は、これは国立公園ではございませんが、たとえば読売ランドとか何とかランドというものがときどきございまして、その入園料を取るということについて、国立公園の内部については、なるべくそういうかっこうにしてもらいたくないけれども、私有地について、特別に園地事業、あるいは遊園地事業というかっこうにして、そういうふうに一定の料金を取ってやるというものを、全部やめろという権限というものがございませんので、これに類したのは多少あるわけです。阿蘇の噴火口のところは、阿蘇町が、所有権は自分のほうにあるからというので、入園料を取るので、三年ほどすったもんだやりまして、それは結局やめさしたことになりますけれども、ただこれは町でありますから、相当話し合いがきいたわけでありますけれども、こういう国民の地を、一つの園地事業といいますか、遊園地事業というかっこうでやられるというものにつきましては、全部やめろという根拠は、いまのところないわけであります。好ましいとは思っておりませんけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/37
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038・堀昌雄
○堀委員 それまでの前の所有者は、この地域に何らそういうものをしないで、一般の市民の、国民の用に供しておって、ただ、たとえばその地域を、京阪神電鉄が夏キャンプ村に使うというときに、京阪神電鉄は、辰馬さんのほうに賃貸契約をして、そこを借りて使っておった。大体、芦屋奥池というのは、前所有者の場合、キャンプ地その他に、一般的に国民に開放されておった土地なんです。ところが芦有開発会社が買ったら、とたんにへいをつくっちゃって、おまえら入らせませんよ、金を出した者だけ入りなさい、これは営利会社の典型的なやり方だと思うのです。だから私は、この問題をずっと見ておりますと、大体において芦有開発会社はまさに営利会社でありますから、金もうけをしてはならぬとは言いません。しかし金もうけの仕方は、いろいろな国なり国民なりの要請の範囲を配慮しながら行なわれるのが適当なのではないか、私は、こういう判断をするわけです。ですから、せっかくこれまで阪神間の者にとって、奥池というものが一般的に開放されておったものが、そういう特定のかっこうにされて、おまけに最近は国立公園の中でハワイのフラダンスとかなんとかいうような行事が催されるようになって、まさにそういう自然の公園の姿が、人為的な、要するに都市のまん中におけるがごとき、キャバレーの中におけるがごとき状態に置かれておるという事実は、国立公園法の趣旨からいって、どうですか。特定地域ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/38
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039・今村讓
○今村政府委員 それはおっしゃるとおり、国立公園の中には、特別保護区域といって、草一本抜かぬで保存したいという区域、それから特別区域――いまの問題になっておりますところは特別地域でございます。それは、御承知のように特別保護地区まではいかないが、相当大事なところ、それから市街地に近くて、ほとんど規制をしなくてもそれほどでもないという普通地域、この三つに分かれております。いまのところにつきましては、中間の特別地域になっております。問題は、最近のいわゆるレジャーブームと申しますか、非常に需要が多いせいですか、観光ブームというのがございまして、たとえば箱根にしましても、どこにしましても、土地を買って、土地所有権に基づいて、そこに十階建て、二十階建てというふうな大きなホテル、あるいは端的に言いますと、ヘルスセンターみたいなものが相当出てくるわけであります。ところが、それに対する許認可権というものが、県を通じて厚生省に上がってまいりますが、それに対しては極力押える。たとえば特別地域あたりになりますと、十三メートルぐらいでとめてもらわないと困る、あるいは色彩がどうだというふうな条件を付して、大きなものは取り下げてもらう、こういう指導はいたしておりますけれども、根本問題は、いまのような観光ブームから申しますと、どうしても必要なところは、少なくとも国有地なり県有地なりというふうなかっこうにでもしないと、所有権に基づいて持ってきたものについて、一々それは困るそれは困ると言いますと、損失補償要求というのが当然出てくるわけです。その辺のかね合いで、どういうふうなかっこうにするかというのが、実は自然公園法の今後の運営につきまして、観光ブームにどう対処するか、いろいろ案を練っているところでございます。いまおっしゃいましたこの地点につきましても、相当大きなホテルだ何だというふうなものが出てくるならば、当然、景観の維持のために困ると、厚生省としては申し上げなければならぬものだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/39
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040・堀昌雄
○堀委員 いまの局長の話を聞いていると、法律はあるけれども、なきにひとしいようなものですね。やはり法律をつくって国立公園を自然公園として保存しようというならば、あなたのほうで、これはできないんだなんていうようなことで黙っているのは、行政官として適当でないのではないか、やはり本来の目的の方向を逸脱するようなことがそういう所有権に関して起きるのならば、それについては、法律をもって何らかの措置をしなければ、国立公園法なんというようなものはあってなきにひとしいものではないかと私は思うのです。私は、答弁はなはだ不満です。少なくとも、まこういうふうな全体の動きの中で、自然が阻害されつつある状態の中では、もうちょっと私は建設省も考えてもらわなければいかぬと思うけれども、関連のある運輸省観光局もそうだろうと思うし、厚生省のあなたのほうも十分話し合いをして、せめてそういう国民のいこいの場所が、単なるレジャーブームのためのものに利用されるだけになっているということは、非常に重大な問題だと思うのです。これは諸外国ではそういうことはないですよ。私も海外を歩いてきましたけれども日本ほど、自然なり風致なりに対して、そういう私的な権利を主張して、とんでもないものがどんどんできる、岡本さんが横におられるけれども、京都の駅前にとんでもない塔を建てて、いまわれわれ新幹線であそこに入ってみると、本願寺の屋根とその横にとんでもないものがありますと、全然ああいう風致は阻害されておるのです。非常に最近そういう傾向があるので、その点はもう少しあなたのほうで、指導をきちんとして、処理をしてもらう必要があると私は思います。
時間がだいぶ進みましたので、話を少し進めておきたいと思いますけれども、要するに、いまお話をいたしてまいりました経過というのは、これは水かけ論でありますから、その話し合いの経過がどうなったかについては、これは両当事者でも呼ばない限りは問題が解決をしません。私はそこまでやる気はございません。ただ、問題は、時日的な経過から見ますと、土地の仮処分が解除されたのが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/40
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041・岡本隆一
○岡本委員 ちょっと関連して。
国立公園局長、お急ぎのようですから、関連してお伺いしたいと思います。
いま御答弁の中に、国立公園の中へいろいろな施設を設けたい、所有権に基づいたところの施設を設けたいということを申し出た場合に、これを押えようとすると、補償の要求が出て困る、こういうふうな御答弁がございました。これは私非常に重要な問題であると思うのです。それで、やはり土地の所有権については、あらゆる人が今後ともある程度制限を受けなければならない、こういうふうな時代が来ていると思うのです。だから、土地というものをその所有権に基づいて自由奔放にどのように使ってもよろしいという、こういうふうな考え方というものは、国民全体が考え直さなければならない。だから、都心であれば、やはりこれから後は立体的に高く空間を使うという義務を持たなければ、住宅問題は解決しないし、同時にまた、都市の郊外になって、国民がみな余暇を楽しむような地域、国民が緑を求めて安らぎの場を求めるというふうな風致地区、この風致地区には、現在やはり建蔽率の制限等がありまして、風致の保存のためには、建物も自由に建てられないし、あるいはまた建物の形式も制限を受けておるということは御承知のとおりなんです。そうすると、それじゃいまそういうふうな風致地区に対して何らかの補償の要求が出ておるかといえば、その地域の住民からは何もそういう要求は出ておりません。しかし、いま局長が言われるようなことを、政府みずからがことばにされますと、それじゃ補償してくださいという強い要求が出てもこれはしかたがないことになりますよ。私は、あなたのいまのおことばは、これは為政者として非常に重大な失言である、こう思うのです。これだけは取り消しておいていただきたいと思うのです。当然、土地の所有者というものは、その地域、地域に応じて、やはり適当に――これから後は、土地の利用区分というようなものも、われわれは確立していかなければなりませんし、その利用区分が確立されましたなれば、その地域に土地を持っている人は、みんなそれぞれその利用区分に従ったところの利用をしていかなければならないのであります。自由奔放の使い方はできないことに、これからなっていきます。またそうしなければ、日本のこんな狭い国土というものは有効に使うことはできないのです。にもかかわらず、政府の首脳部の一人であるあなたが、国立公園の管理について、そのようなルーズな考え方を持っていられるということは、私はこれはたいへん重大な問題だと思います。だから、そういう点は、ぜひひとつそういう考え方を改めていただきたいということが一つでございします。
その次には、いままでの所有者が、一般の人に、キャンプをしようと何をしようと、さあ自由にいらっしゃいということで開放しておった。しかし、民有地でございますから、キャンプするのにはある程度の料金は取ったでしょう。しかしながら、入るのにはいままでの人は取らなかったのです。しかしいままでの電鉄会社が土地を借りて、キャンプするのなら幾らか金を出してください、あるいはキャンプ村を開設して、キャンプを貸すのについては金を取る。しかしながら池のほとりを歩くのについては金は取らなかったというふうな状態で、これは開放されておったわけです。ところが所有者が変われば、が然かきねをして、さくをして金を取る。これは私はもってのほかだと思うのです。しかも国立公園の中で、そういうことが行なわれておるというふうなことは、これはやはりあなたのほうは適当な行政指導をもって禁止されるべきだと思うのです。そういうふうなことをいまからでもおやりになる意思があるかないか、そのことをお伺いいたしたいと思います。
その次は、私は川島さんにお尋ねをいたしますが、やはり土地の所有者は、――国土というものは国民全体のもの、したがってその土地の所有者はやはりそういう考え方に立って、国民のために有効に利用する、もちろん自分が家を建てて住むということも有効利用です。同時にまた、農耕を営むということも有効な利用です。だからあなたのほうも、さくをして立ち入る者から金を取る、しかもいままで自由にそこを散歩できたものが、ハイキングでも、入るのに金を出さなければそこを通れないということにしてしまうことは、所有権の主張にいたしましても、これは少し行き過ぎではないかと思う。そこに一定の、たとえばキャンプとかレストハウスとかいうものをおつくりになって、それを事業としてそこで利益を上げられる、これについては、あなたのほうの所有地でございますから、私は別に何も申し上げることはございません。しかしながら、かきねをして、そこを通るのに金を取る、その中におそらく私有道路などもございましょうし、池のほとりを回遊する道路もあろうが、そういうところの通行料金まで取るということは、私は少し行き過ぎであろうと思うのでございますが、そういう点、これはお改め願いたいと思いますが、この機会に御見解を承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/41
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042・今村讓
○今村政府委員 最初の損失補償の問題につきましては、私の説明が不十分であったと思いますが、実は自然公園法を三十二年につくられますときに、全面改正になったわけでありますけれども、その中で、三十五条でありますけれども、損失補償という規定が一項入っておるわけであります。それは、自然公園といえども、やはり国民の権利義務、財産を無視してやってはならないという当時の雰囲気が相当強く、通常生ずべき損害という範囲がいろいろ問題がありますが、最近直接的に国がこれに補償金を出したという例はなしに、事前に話し合いでまあそうおっしゃらないで、ということで、大体おさめておりますが、やはり中には、相当ぎりぎり詰め合いになりますと、それじゃどうする、出すかというような、ことばは悪いのですが、すごまれるという場合が、実はときどきあるわけであります。原則としましては、おっしゃるように都市計画なり何なりと同じように、やはり公共のための一つの財産権の制限ということでありますから、補償なんかしないという考え方に徹したいのですが、法律上この辺に解決すべき問題があるということを、実は申し上げたわけであります。
それから第二点の徴収の問題でありますが、これは先ほど堀先生に申し上げましたように、一定地域を限って入園料を取るということは好ましくないということで、全国あちらこちらにおいてそういう企画がありますのを、あるいは現実にやっておるのを、話し合いでやめさせたという例はございます。そのときに、たとえば休憩所あるいは食堂というようなものに入る入り口で取る料金は、これはやむを得ない、しかし一定地域について立ち入りの料金というのは困るということで、大体話し合いは聞いてもらっておるということであります。実は申しわけございませんが、そこの地域でそういうことになっておるのは、私初めて伺ったわけです。料金の問題につきましては、ひとつ大いに研究してみたいと思いますが、大勢としては、そういう方向に動いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/42
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043・川島通弘
○川島参考人 お答えいたします。この問題で、いま岡本先生から御質問を受けましたが、私非常に皮肉に感じますのは、この付近を国立公園にしてほしいということを、昭和二十五、六年ですか、私が芦屋市のほうにむしろ要請したというような立場で、いま国立公園は非常に縛られておりますので、よくそのことを市の当局から、あなたが国立公園にここを編入してもらえと言ったじゃないか、というふうに言われております。これはそういうのでちょっと非常に苦しんでおるのでございますが、ここの奥池の園地でございますが、ここにつきましては、会社としては最初料金を取る意思はなかったのでございます。また現在もほんとうの趣旨からいけば取りたくないのでございます。ただ、これは非常に悲しい現実でございましたが、無料開放のときに、もう日曜日、祭日を過ぎますと、ごみの山ができてしまう。それから私のほうで浮かべておりますボートには、土を入れてまん中に沈める、放してある白鳥には石をぶつける、シカは追う、木は全部折ってしまう、実に惨たんたるものでございまして、これの費用の捻出先がなかったのでございます。それで、たまりかねまして、市当局のほうに、奥池の池の水は市の所有じゃないか、だからその管理をひとつ市のほうでやってくれないか、そうでないと、われわれはもうとうていこれ以上できない、市の所有地内でごみの山ができる、どれだけの不法なことが行なわれるとどうにもしようがない、市の職員にも来てほしい、こういうことを助役のほうに申し入れたのでございます。ところが、市としては、そういう予算の措置はとうていできない、だからどらもしようがない、こういうお答えでございました。それでたまりかねまして、市のほうは――国立公園内ですから、どんなことでも国立公園のことは厚生省のほうに御相談に行き、また県のほうの公園緑地のほうにも御相談に行きまして、一体これはどうしたらいいでしょう、実に弱っているのだ、そうして芦屋市からは池の水が汚れているといってしかられるし、会社の立場はないのだ、こういうことで、そのときに、京都のお寺でも、昔はみなただで見せたのを、このごろ十円、二十円取るようになったから、ひとつ少しお金を取ってやればどうだろう、こういうことで、それからあらためて市の副申をつげて、たしか市の副申をいただいておると思いますが、県のほうを経由いたしまして、厚生省に、園地の事業計画をお願いに上がったのでありますが、そのときにも、国立公園のほうには、いま岡本先生のおっしゃるとおり、入場料をとるということは好ましくない、レストハウスとかそういうものでひとつもうけたらどうか、こういう御意向もありましたのですけれども、それは理想論としてはそうですが、四方八方からハイカーが入る。ことに非行少年、少女が非常にはびこる、警察でももう手をやいてしまったのであります。これは非常に問題になりまして、そういうことで、それじゃ一応さくを張って、入場料は最低限の三十円をいただいたらどうか、こういうことで申請いたしまして、池の全部でなくて、池の周囲といたしましては大体三分の二程度でございますが、これにさくを張りまして、この中で将来シカ、クジャク、白鳥、これを放し飼いにする。最近は中華人民共和国に対しまして、珍しいツルの輸入をお願いしまして、それらもけっこうだということで、ツルの禽舎を建てる、そういうことを着々進めておりまして、国立公園法の精神を逸脱しない範囲内においてやっておるわけでございます。これにつきまして、最近開発銀行のほうからもお見えになりまして、なるほど俗化せずによくやってくれる――全部芝生を張りまして、去年も三千万円も入れてこれを改良いたしました。現在市民感情なり皆さんの御意見を聞きますと、非常によくなっている、安心して家族を遊ばすことができる。いままではビールびんはわざわざ割って池に沈める、あるいは松の木に針金をくくりつけて、人が着物を破るようにするとか、そういう実にひどいことがあったのでございます。そういうものを張りましてからは、一つの事故もなくなりました。警察のほうも非常に喜んで、もういまでは三十円を取るということに対して、ほとんど私たちは批判を聞いておりません。まあそういうことが、この非行少年たちのことがなくなって、この管理が、われわれの世話は要らない みんなごみを捨てないという状態になれば、喜んでこれは無料にしたいと思います。こういう実情である限り、会社としては、それじゃ市あるいは県が、国が、――国立公園ですから、国がこの管理を引き受けてくださる、経費も引き受けて、掃除もいたしましょう、そうであれば喜んで――三十円では全然引き合わないのです。そういう状態でございますので、会社といたしましては、不本意ながら、この入園料を現在いただいておる。そのかわりこのさくを利用いたしまして、その中において、日本で珍しい動物とともに自然の中で遊ばす、そしてこの付近の禁猟区につきましても、これは会社側から特に、六甲山だから禁猟区にしてほしいということを願い出まして、これが市のほうで採用になり、県のほうで採用になり、この辺一帯が禁猟区になった。しかしいまだに野犬が多くて、十分目的が達せられない。そうしますと、やはりその園地内に放し飼いにしておきますには、さくを張って野犬の防止をしなければならぬ。こういう費用の出どころがないわけでございます。三十円にして、会社が収支とったら完全な赤字です。赤字ですが、それによって、非常にきれいな奥池という園地が現在保たれておるというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/43
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044・岡本隆一
○岡本委員 これは環境を整備するためには費用がかかるから、だからその整備費をみんなに出してもらうんだ、それは一面ごもっとものようでもございます。しかしながら、そういうふうなことになりましたら、あらゆる風致地区というもの、名勝の地というものは全部そうなんです、みんな遊びにいくのですから。だから景色のいいところ、あるいはいいところへはみんな遊びにいくのですから、そういうところは、みんなそういう施設をやらなければなりません。だから、そういうことになってまいりますと、奈良も三笠山の入園料だけはたしか十円取っていたと思うのです。十円ぐらいならいいと思うのですがね。しかしながら、それでも私は、三笠山で十円奈良市が取っているということも、奈良市がよくよく公共団体として金がないから、まあああしてやっているのだ、そういうことなら、あなたのほうは、あなたのほうがその土地をお買いにならずに、芦屋市に寄付するなり、あるいは芦屋市でそういう公園を維持してもらって、そして公共事業として、芦屋市がまた使用料を取るというのなら、誤解を受けないで済む。あなたのほうがやはり三十円という入園料を取って、そういうような施設を設け、そして池の周辺を三分の二にわたるところの地域を占拠してしまうということになりますと、それじゃ、その入園料を払わなければ、もうそこへ行った人は、ハイキングで行った人は、一応池をべっ見して帰るということになって、池のそばでお弁当をつかうとか、静かにそこで楽しむ、しばらくそこで休むとかということは、ほとんど不可能にされているのではないか。だからそういう点については、あなたのほうは少し考え方が――これは維持管理してやっているのだから、恩に着せて金を取るというふうなことですが、少し反省される必要があるのじゃないか。もしそういうふうな施設でもって金を取りたいなら、せめて半分くらいを開放されて、そしてたとえばあやめ池の遊園地とか生駒の遊園地というように、子供さんが遊ぶ施設、いろいろございますね、ああいうようなものを設けて、ああいう施設によって料金を取る。ただそこへ入るだけのために金を取るというようなことは、これはおやめになったがよろしい、おやめになるべきであると思うのです。またそういうようなことで、営利会社が名勝地の私有地をどんどん買い占めていって、一ぺんそこへ入るものからはみんな金を取るというようなことになったら、これは一体どうなっていきますか。これは公園局長、だんだんそういうふうなことになりつつあるのです。至るところがそういうようなことになっていきますから、これはそういう点で、国の行政として、至るところ名勝の地が、私有地がどんどん買い占められて、一歩入るにも、そこを通るにも金を取られる、すべての名勝の地が営利の対象になっている、こういうふうな傾向が生まれつつあるということは、国民のために悲しむべき傾向であると思います。だから、そういう名勝地についての自由なる通行、国民の権利というものは保全しておいていただきたいし、またそこで利を求めようとする人は、適当な施設を設けてその利益を求めるべきであって、そこを通行するだけでもって金を取る、そういうふうなことは許さるべきことでないと思います。これはひとつ、今後そういう指導方針をもって臨んでいただくようにお願いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/44
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045・堀昌雄
○堀委員 そこで、終わりに川島さんにもう少し伺っておきたいのは、あなたのほうでは、三十五年三月一日から仮設建物用地、骨材置き場等に千二百坪の土地を、辰馬さんのほうから、三十七年二月末までお借りになっておったと思うのですが、これはどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/45
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046・川島通弘
○川島参考人 お答えいたします。
これは自動車道建設について必要な材料置き場ということで、自動車道の法令にも、借りることができることをうたってあると思います。そういうことで、お願いしまして、お貸し願いました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/46
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047・堀昌雄
○堀委員 それから、あなたのほうの道路に使われた敷地の八百五十坪は、辰馬さんたちのほうは無償で提供しておりますね。ところが聞くところによると、無償で提供しておっても、受領書ももらえないのだ、あなたのほうで受け取りましたという受領書も出していないというのですが、一体これはなぜ受領書を出しておられないのですか、その二点お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/47
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048・川島通弘
○川島参考人 受領書の件はいま初めて先生から伺ったのでございまして、これは帰りましてから、よく調べます。
それから八百五十坪ですか、これを道路敷地として御寄贈を受けておることは事実であります。ただし、この土地を、うちのほうとしては有償で受けたいということを再三申し上げたわけですが、無償でないと渡さないということでございましたので、そういうことになりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/48
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049・堀昌雄
○堀委員 それから、あなたのところの会社は、開発銀行から融資がございますね。一体幾らでごございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/49
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050・川島通弘
○川島参考人 一億円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/50
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051・堀昌雄
○堀委員 この経緯については、開発銀行の問題は、私どもの所管委員会でまた論議をいたしますからよろしいのですが、公式に確認をいたしておいたわけであります。
そこで、いままで申し上げましたことを皆さんもお聞きをいただいて、御理解をいただきたいと思うのは、いまのこの芦有道路というのは、これは申請が出て認可をしたということで、そのことに問題はございませんけれども、実は阪神間から有馬に参りますのには、かつて予算委員会で申しましたけれども、神戸からもいい道路がすでに通じておりますし、大阪からもいい道路が現在通じておるわけなんですね。ですから、ここはどうしてもなければならない道路ではなかったと私どもは思っておるのです。これが第一点です。ただ芦有開発という会社が設けられて、そうしてこの道路をつくる。同時に道路の周辺を開発することによって、会社としての利益も得ようということになっておったと思うのです。このいま私が申し上げました隣接地は、現在どういうことになっているかと申しますと、土地収用については、六百円余りをもって土地収用の申請をされておったようでありますが、その隣接地は芦屋市内の便利な土地が三万円台で買えるということで、芦屋奥山高級住宅地分譲というのが、芦有開発株式会社で現在行なわれているわけです。片方の土地は土地収用にかける。いま時間がたっておりまして、あなたのほうにもいろいろ経費をかけてやったという言い分はありましょうけれども、片方の人の土地は六百円余りで申請をして、自分のところは、インターチェンジその他には一切手を触れさせない条件がつけてあって、こっちのほうは坪三万円で売って、会社のほうとしては利益が出つつあると思うのですが、この対照的な事実を考えてみますと、私どもは、これは一般的な常識として、どうにも何か納得のできない感情が残るわけです。ですから、土地収用法というものの本来の目的は、私はこのようなことのためにあるのではないのだ、これは大臣に、この前も予算委員会でお話をしましたけれども、土地収用法というものが少なくとも営利事業の――営利性を少し出しておりますのは、さっきの奥池のさくの問題、入場料等の問題も一つあるのですが、風致を害しているわけなんです。せっかくきれいな池があるのに、高さが三メートル、幾らかちょっと伺いますが二メートル五十か三メートル、私の背より高いかきねが三分の二も設けられて、風致を遮断をしておるわけです。これなどは私はまことに露骨な営利性のあらわれだと思うし、おまけに、人の土地は安く土地収用にかけて、そうして自分の土地は全部三万円で売るなどというようなことは、これはもう私は土地収用法の乱用という感じがいたしてなりません。そこで私は大臣に申し上げておきたいのは、予算委員会でも申し上げておきましたように、今後営利会社が土地収用を行なう場合においては、これは何らかの行政上その他の検討をひとつお約束を願いたいと思うのです。これは私がここでここまで取り上げておりますのは、私は辰馬氏の利益だけを代弁しようと思っていない。今後に起こるであろうところの、営利会社が土地収用を一般の国民に対してするあり方を、国や地方団体その他の公共的な起業者と同列にすべてを見て、土地収用法を考えるということには、率直に言って、私は反対です。私はそれの象徴的な姿だと思って、予算委員会から引き続き、当委員会において論議をいたしておるわけです。どうかひとつ、その意味において、行政上の取り扱い等を含め、私はどういう措置をしていただくということを申し上げはいたしません。ひとつ大臣の側において、私が本日ここで申し述べましたいろいろの案件についての会議録をごらんをいただいた後に、事務当局と御相談をいただいて、少なくとも憲法に定められておる国民の私権を制限をする以上は、それなりの理由は、国民みなが納得のできる条件にしておいていただかなければ困るのではないか、こう思いますけれども、大臣いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/51
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052・小山長規
○小山国務大臣 この間、予算委員会でお話がありまして、私が二つ、これはひとつ私のほうでも調べてみようと言ったことがありました。一つは、例の公示をするときに、少数の場合には一人一人やったらどうだろうというお話で、私も一応それはもっともなように聞こえたものですから、調べてみましたら、事業の認定をするときには、まだだれが所有者であるかわからないときに認定をするのだそうであります。ですから、その場合に、一体権利者がだれであるかということまで調べてやりますと、事業の認定が非常におくれますので、そこで、だれが所有者であるかわからずに、この路線について事業認定をするという形をします。そこで少数の場合には、今度問題になっておりますようなインターチェンジの場合は少数者なんですが、その場合にも、事業認定の場合に通知をすることは無理のようでありますが、ただ事業認定のあとで、土地細目の公示というのがありまして、土地細目公示のときには一人一人行くわけですから、これはおのずからそこで権利者のほうで、ここは事業認定になったということはわかるわけですから、そこでこの問題はやむを得ないというふうに了解をしまして――これはどうも、私があそこで申し上げたのは、私自身も少し考え違いをしておったように思いますので、これを申し上げておきます。
もう一つは、いま収用を与える団体の規制の内容について区別をしたらどうだという話がありまして、この点も検討してみたのですが、収用を与える団体は、たえとば法律上こうこういう制限を加えておりまして、そこでもすでに制限を加えてあるのです。同時に、誤解があってはいけませんが、収用というのは、権利を収用することはできますが、価格を収用することはできない。価格は時価でやるわけなんですから、したがって、その点は、公共団体であろうとも、あるいは営利事業を一部やるような団体であっても、その収用そのことによって、権利の移転は強制的になる部面が出てきますけれども、価格については収用委員会がきめることになりますので、この点は、その地方公共団体としからざる団体との間に区別をすることはなかろう、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/52
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053・堀昌雄
○堀委員 全然納得できません。いまの案件は、県はいまここへ参りまして、事業認定をするときには、所有関係がわかっていたと言うのです。いいですか。はっきりわかっていたんです。わかっていても、通知しなくてもいいのですか。わからないで通知しなかったというのなら話はわかります。しかしいまの事業認定の方針は、要するにそのことを法律が想定をしておるのは、非常に長い道路をやるときに、その道路の中をどんな人が所有しているかわからない場合に、それを全部調べて通知をしなければ事業認定ができないというのでは困るという面から出ているのであって、わかっておっても通知しなくてもいいというのではなくて、わかっておればできるだけ知らせてやるのが、私は法律の趣旨であると思います。ところが、県は、さっきわかっておったと言うのです。わかっておったけれども通知してないのですよ。土地細目の公告があるまで、二年有余もほったらかしておるのです。これはいまの答弁で明らかになっておるのですから、それでは、私は法律の趣旨が適法に生かされていると思わないのです。だから、私が最初申し上げたように、八千坪もある地域を収用するに際して、道路を長くとるのなら話は別ですが、一つの地域であるときに、一体これはだれの所有かくらいは、その県なり国が判断をしたっていいでしょう。して悪いことはないのですよ。だから、私は大臣がこの前答えられたのはそれで私はあたりまえだ、常識的だと思うのです。法律というものは常識的な解釈が先行するものですよ。国民の全般が理解するのですから、だからその点については、私はいまの大臣の答弁では納得いたしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/53
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054・小山長規
○小山国務大臣 あのときの話は、法律を改正したらどうだという話でしたから、私は法律改正論として研究してみたわけなのです。法律を改正するのは、そういうような前提があるから無理なんです。だからいまの場合に、これは妥当であるか妥当でないかというお話なら、それはわかっておるのに通知しなかったということは、法律違反ではないかもしれぬけれども、妥当な取り扱いだとは思っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/54
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055・堀昌雄
○堀委員 だから、私は法律を書きかえろというのではない。そのことは現行法でいいですが、しかし、省令なり何なりで、できるだけ努力しなさい。それの所有関係を、いまのいろいろの問題との関連において、できるだけ努力をして、わからないときは、本法のとおりでいいと思うのですよ。しかし少なくとも省令なり政令なり何かで――法律の趣旨は、決して黙ってやっていいということではないと思うのです。わかる範囲内で努力をすべきだと思うので、その点については、そういう行政的な措置の中での取り扱いがもしあるならば、いまの違法ではないけれども、必ずしも望ましくないということは、排除される可能性があるわけですね。その点については、やはり私の考え方をひとつ取り入れていただきたいのですが、大臣いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/55
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056・小山長規
○小山国務大臣 この告示をする場合は、告示というものは、公告する場合もあるし、いろいろな方法があるわけですから、したがって、告示というものは手紙でやったって告示になるわけですから、現行法でもそれはできるはずなんです。ですから、それを特定の人の場合にやらなかったことは、おっしゃるように、多少妥当な措置ではなかったかもしれません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/56
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057・堀昌雄
○堀委員 私は、何もこの案件だけでなくて、今後こういうことをできるだけ未然に防いで、やはり憲法の定める国民の所有権を尊重する方針を明らかにしてもらいたい。これはかね合いの問題ですから、私はさっきもちょっと触れたのですが、国や地方公共団体がやるときには、かなり慎重にやっておるのです。そこらに多少問題があろうかと思いますが、いまあなたのおっしゃるように、公告といろものは手紙でもよいということなら、その範囲でひとつ調査を進める。それは道路の細いところはなかなか無理かもしれませんが、いまのような広い面積のところは、特にそういう配慮をしてもらいたいということが一点。
それからもう一点は、いまあなたのお話ですと、その価格は収用委員会が時価できめるのだからいいということですね。なるほど価格は収用委員会できめると思いますが、しかしその権利が先に移行している場合に起こる価格の問題というものは、私はやはり自由な条件における価格の問題とはいささか違うのではないかと思います。そこで私が申し上げたいのは、あなたは、起業者が国であろうと営利団体であろうとかまわないとおっしゃるが、私はそうは思わないんですよ。だから、そこらについても、私はもう少し検討していただきたいと思います。こうしなさいということを言うわけではありませんが、この問題は少し検討が必要な問題じゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/57
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058・小山長規
○小山国務大臣 いま堀委員の言われるそういう事態になってみると、どうもやはりおっしゃるような何か考えなければならぬのじゃないかというふうな気もするわけでありますが、それを今度広範に一つの法律の内容として出すことについては、それが法律上書けるのかという疑問があるわけであります。そういう意味で、先ほどはお答えしたわけでありますが、いま堀さんの言われるのは、これをなお乱用するようなことは困るということなんですから、そういう趣旨で、ひとつ考えてみたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/58
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059・堀昌雄
○堀委員 それでは、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/59
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060・森山欽司
○森山委員長 岡本隆一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/60
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061・岡本隆一
○岡本委員 堀委員の質問を聞いておりまして、二、三不審に思う点をお伺いしておきたいと思います。
最初に、この問題の一番の紛争の原因になっておる土地の所有権の問題でございますが、松波参事にお伺いいたしますが、この土地は最初辰馬さんと紅野さんという二人の共有の土地であった。そして、昔はそこでかんてんづくりをやり、後にそこで牧場をやっておられた。ところが、数年前に突然芦屋市のほうから、その半分の土地が市のものであるということを主張し出して、その係争中に、芦屋市が、芦有会社に、この所有権を争っておる係争中の土地を売っておるのです。そのことが私にはふしぎなんです。なるほど土地の所有権が芦屋市にあると主張されることは、それはよいと思いますが、まだだれの所有か係争中であるということは、所有権が明らかでないと思います。その明らかでない土地を、芦屋市が第三者に売っておるということは、これは私どもが横から聞きまして、どうもふに落ちない、何かそこに不明朗なものがあるということを一つ感じます。
その次には、今度は芦屋市が、係争中の土地を芦有会社に売ったから、だからあなたのほうが芦有会社に売るという所有権をあなたに認めてやろう。所有権をあなたに認めてやるかわりに売れ、譲渡を条件に訴訟の解決をしておるというのですね。少なくとも地方公共団体ともあろうものが、土地の所有権をめぐって紛争が起こったときに、自分のものであるとはっきりしてから売るなら売ればいいのであって、そういうふうな、所有権がまだ係争中であるというものを売っておいて、しかも今度は係争の妥協の条件として、向こうに所有権を移転させるというふうなことで裁判を起こすということですね。このことの中に、また私は何か不可解で割り切れない――地方公共団体ともあろうものの行動として、私はこれはどうしても説明がつかないというふうに思うのでございますが、その間の事情について、松波さんはそれをどのように聞いておられますか、その点について御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/61
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062・松波肇
○松波参考人 お答えいたします。
訴訟の内容については、私ども当然タッチする必要もないわけですから、聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/62
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063・岡本隆一
○岡本委員 それでは、それは疑問点として残ります。だからその問題になっておる土地というものが、非常に暗い影を持った土地ということになってまいります。
そこで、今度はもう一つお伺いしたいのですが、事業認定をされたインターチェンジをつくるということ、そのインターチェンジの造成事業ですね。これは何を目的としたインターチェンジであるのかということです。これは普通公有の道路との接続というものがインターチェンジの目的であると思う。だから、少なくとも一般の自動車の通行できるような道路と接続していなければ、これは公共事業とは認定しがたいと思うのでございますが、何を目的とした事業として、このインターチェンジを公共事業として認定されたか、こういうことを承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/63
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064・松波肇
○松波参考人 お答えいたします。
このインターチェンジにつきましては、奥池周辺の公園事業が決定されております。その園地に通ずる道路が当然必要であるわけです。それがために、ここへインターチェンジをつくるということで、当初からいろいろ検討された上で、予定地になっておりましたわけですから、そのまま認定をいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/64
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065・岡本隆一
○岡本委員 そうすると、さっきの図を見ますと、ここに駐車場がございますね。Cというところです。これはもちろん有料駐車場ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/65
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066・松波肇
○松波参考人 この駐車場は無料の駐車場でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/66
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067・岡本隆一
○岡本委員 それはどこの経営ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/67
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068・松波肇
○松波参考人 これは芦有の設置しましたインターチェンジでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/68
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069・岡本隆一
○岡本委員 芦有がつくったところの無料駐車場に対するインターチェンジということでございますが、これは、そういうふうな形で公共事業としてつくられたものとすると、現在無料である限り、これは永久に無料であるべき性格であると思います。つくって直後、無料にされておるのですからね。そうしてその無料の駐車場へ来るために、公共事業としてインターチェンジをつくっているのですから、将来とも、私は無料にしておかなければならない、こういうふうに思いますが、これは建設大臣の御見解を承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/69
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070・志村清一
○志村政府委員 岡本先生のおっしゃっておられるCの駐車場でございますが、これは、私聞いておりますところでは、芦有の園地内開発のための駐車場のようでございます。公の性格のものではございません。したがって、ただいま無料で開放しているようでございますが、私ども第三者的な立場でいえば、なるべく無料でほしいと存じますが、あとは、会社のものでございますので、会社がどうなさるか、ちょっと申し上げにくいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/70
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071・岡本隆一
○岡本委員 いまの松波さんの御答弁では、現在無料である駐車場へ通じるインターチェンジであるから、公共事業として認定した。だから公共事業として認定されるのに重大な要素を、この駐車場が持っていると私は思う。ところが、駐車場でございますから平たん地でございます。だからここは駐車場でそのまま置こうと、ホテルを建てようと、宅地にしようと、あとはこれはどのようにでも転用できますけれども、悪く解釈いたしますと、駐車場をここに設けておいて、それを大きな理由として、インターチェンジを公共用地として認定さして、それで土地の収用権を背景にして用地取得をする、それが済んだらインターチェンジ、駐車場をやめて、そのあとどんなものにでも転用できる、こういうふうなことであっては、これは私は、土地収用法というものが、まきに仮装のもとにうまく悪用されるということになってまいると思うのです。もちろん松波さんのおことばでは、この駐車場へ通ずるということだけが唯一の目的ではない、公園地へ連らなるための駐車場だ、しかしながら話を聞きますと、私も一度行ってみてもいいと思うのですが、自動車でこのインターチェンジをおりてきても、この駐車場へ行く以外に、もう駐車する場所もないし、外にも出られない。これから広い道路を開発しなければなりませんが、将来うんと広い公共道路がほかにもすでに開発されておって、それに通じるインターチェンジであるというのであれば、私どもそれは理解できます。現在、それにこの奥池から自動車で外に出られる道路というものは一本もない。全然公共の道路には通じない。ただ通じるのは、この駐車場とそれからいま造成中の宅地だけ、こういうことになってまいりますと、このインターチェジというものは、公園のためのインターチェンジというよりも、私は宅地開発のためのインターチェンジと理解いたしております。宅地開発のためのインターチェンジを、公園のためのインターチェンジとうまくカムフラージュしているというふうに私には理解される。そこに私は問題があると思う。だから、これは計画局長にお尋ねしますが、民間の宅地造成、これに対してインターチェンジをつくというふうなことでそれが進んでおるのですね。それが、今度新住宅市街地開発法ですか、一昨年の国会で成立したのですね。あれでは公共団体が道路なんか管理することになりましたから、公共用地になりますが、しかしながらこれは現在その適用を受けてない、事業主体が違いますからね。だから、そういうふうな民間の宅地造成事業に通ずる道路をつくるのに、土地収用法が適用できるのかできないのかということです。これは私は重要な問題です。まずそれからお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/71
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072・志村清一
○志村政府委員 道路法による道路でございますと、収用法の適用がございます。収用法第二十条の規定によりまして、条件に合致すれば、収用が可能であります。本件は、一般自動車道としまして、土地収用法の収用対象事業に掲げられております。その意味で、一般自動車道として、並びにその付属施設としての駐車場並びにインターチェンジというものに該当するものとして、事業認定されたものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/72
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073・岡本隆一
○岡本委員 そうしますと、宅地造成のためには収用ができない。この駐車場があるから、その道路の付属設備としての駐車場に通ずるインターチェンジということで、収用法が適用される、こういうことになってきておりますね。そうすると、この駐車場というものは、そういう事業認定を受けるような公共事業であるとするならば、これは永久に姿を消しては困るのです。また姿が変わっても困りますね。だから、この駐車場は無料の駐車場である、その無料の駐車場に通ずるところのインターチェンジだ、こういう意味において事業認定がされるのであって、このCは相当広い土地でございますが、これが、事業認定を受ける要素の一番大きな柱になっておるということだ。これだけははっきりしておかないと、インターチェンジはつくったわ、それがいつの間にか駐車場が姿を消してしまう、それでもともとの目的は土地開発のためのインターチェンジだった、こういうふうなことになったんでは、非常な詐欺的な行為になりますが、もしそういうふうなことになった場合には、政府のほうはどうされますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/73
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074・志村清一
○志村政府委員 ただいま問題になっております個所につきましては、インターチェンジとバスストップ、駐車場を含むものでございまして、一般自動車道として必要な駐車場、インターチェンジ、バスストップの敷地として、八千坪程度が問題になったわけでございます。先ほど岡本先生の御指摘になりましたC地点は、園地の中の園地用の駐車場でございまして、現在係争になっております収用対象のものとは違うわけでございます。
なお、詳細につきましては、参考人のほうが実情をよく知っておりますので、参考人からお答えさせたらいかがかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/74
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075・岡本隆一
○岡本委員 聞いていることに対する御答弁が的をはずれています。どこ用の駐車場でありましょうとも、ともかく駐車場があるということです。これがインターチェンジを設ける、インターチェンジを公共事業と認定する大きな柱になっておるのだから、この駐車場というものは、将来永久に駐車場たる義務があるといいますか、駐車場にしておく義務がある。これが消えたら理由がなくなるのですよ。私がいま言うように、仮装的にこれを一時駐車場にしておいて、あとまたこれを有料の駐車場にしてじゃんじゃんもうける。公園にどんどん車が入ってきますから。現在はインターチェンジがないから、ここへ行くのはたいへん不便だから、金を取っても、幾らも行きませんよ。だから、いま道ばたを駐車場に使っている。ところが、今度いよいよインターチェンジができましたら、ここへどんどんバスが繰り込みます。そうなれば一台三百円、五百円、こういうことにたちまちなってくるだろう。これは、インターチェンジをつくるのに金がかかりましたとか、あるいは道路の整備に金が要りますからとか、同時にまた、これは有料道路ですから、ここへ来るのにも金が要るのですが、しかしながらやはりそれに対して維持費が要りますからというふうなことで、さらに営利の対象にされるということは当然予想されることです。だから、これは明らかに道路の付属施設でありますが、しかしながら、明らかに営利を目的といたした事業なんです。だから、そういうものをつくられるのに、われわれがこの図面を見ても、そういうものをつくりたければ、自分の土地につくればいいのです。自分のところでできないことはありません。さっき堀君に写真を見せてもらいましたが、写真を見ても、この猿丸橋のそばから入っていく細い道路があるのです。これを拡幅すれば、十分そこへ入る道路はとれるはずです。ところが、それをあえてしないで、他の所有者のところへ、ばさっと土地収用の網をかけていくというふうなこと、これは明らかに土地収用法の悪用です。これは公共事業に名をかりた権力の乱用です。だから、そういうことをそのままうのみにして、事業認定されたのがさも当然であるかのような御答弁が、先ほどから計画局やあるいは道路局のほうからなされるところに、私にはどうしてもふに落ちないところがあるのです。だから、その点をもっと明らかにしておいていただかぬと、私は問題が将来に残ってくると思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/75
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076・志村清一
○志村政府委員 この事業認定につきましては、県の事業認定でございますので、詳細具体な問題については、私どもで調査いたしておりません。ただ、異議の申し立て等がございましたり、あるいは訴訟というふうな救済手段があるわけでございます。そのいずれも出ていないわけであります。十分詳細は承知いたしておりませんが、しかし原則論として申し上げますと、先ほど申し上げたようなことでございます。
なお、一般自動車道等の私企業につきましては、当然別途の法律に基づきまして、料金等についてチェックをいたします。公共の利便に適するようなかっこうの指導を、これは運輸省でございますが、行なっておるわけでございます。そういうものをバックにして、一般自動車道並びにその付属施設である駐車場等につきまして、収用に耐え得る事業として、土地収用法に規定されておるその規定に沿って、県等においても事業認定をいたしたという実態だと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/76
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077・岡本隆一
○岡本委員 もう一度県のほうにお尋ねいたしますが、このインターチェンジが、私は事業認定の理由の一番大きな柱だと思いますが、そういうふうな考え方に立って認定されたのではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/77
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078・松波肇
○松波参考人 お答えいたします。
この道路の問題につきましては、もちろん有料道路でございますから、インターチェンジあるいはバスストップ、駐車場というふうな問題も、道路運送法の関係で、技術的な面と構造関係につきましてはいろいろ規定されております。そういう問題につきまして、もちろん先ほど来お話がございました、駐車場に通ずるものであるとか、そういうものではなしに、一応あの付近全体に、公園事業として、いろんな公園施設を行なうわけなんです。それの認可もあるわけなんでございます。そういうものに通ずるインターチェンジということと、道路そのものに対する付属物ということにつきましては、先ほど計画局長から御答弁がございましたが、一応道路の付属物という考え方もあるわけですから、道路の付属物、あるいはまた園地の開発に伴うインターチェンジということで、認定をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/78
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079・岡本隆一
○岡本委員 この道路は、これは道路法に基づく道路なんですか、軌道法に基づく有料道路なんですか、どっちなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/79
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080・三橋信一
○三橋説明員 これは、道路運送法に基づきます一般自動車道でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/80
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081・岡本隆一
○岡本委員 そういう考え方に立って、公園に通ずる道路の付属物、こういうことでございますが、先ほどから話を聞いておりますと、数年前に土地を、芦屋市が所有権を主張した係争中に売り渡して、係争中である所有権が芦屋市にあるかどうかはっきりしないうちに買っておる。しかもそれが条件で和解をしておる。そして、その過程の中で、国立公園に指定してくれ、国立公園に指定をしてもらいたいということを言い出してきておる、こういうふうなことから、一面――それはいいですよ、観光施設としての開発事業として考えればいいですよ。しかしながら、やはりある一つの目的でずっと進めてきて、それに通ずる、そのつくり上げた観光施設として、営利を目的とした観光施設をつくり上げて、そこへ通ずる道路としてのインターチェンジをつくるんだ、こういうことになってまいりますと、私どもは、なるほどそれは観光事業が公共事業であるということも存じております。しかしながら、公共事業が同時に営利事業なんだ、だから、こういうふうな場合に、あまり土地収用法というものが遠慮会釈なしに使われると困る。私はこれから後もう少し、局長が見えましたから、お話を聞いてみたいと思いますが、私はこういう土地収用法というものは、国民の権利を大きく制約するものでありますが、同時にしかしながら、それを発動さした人は、やはりそういうふうな強権を背景にして取得した土地の管理については、やはり国民の福祉に沿うように管理しなければいかぬと思いますし、あんまり営利追求一本であってはいけないと思うのです。自分の土地がありながら――その公園に通ずる何はすでにたくさん持っているんですよ。この図面で見れば、Aの一の地区、非常に広大な地域がある。これを通って何ぼでも公園にも行ければ、駐車場にも行けます。その自分の所有地はすっかり宅地にしてしまう。そして、先ほど堀委員のお話しのように、坪三万円で宅地造成して売る。そしてよそさんの土地へどかっと収用の網をかけていく、こういうようなことでありますと、これは全く自分の営利のために土地収用法を乱用しておる、こういうふうにしか理解できません。だから、こういうふうな目的でばっさり綱をかけようとするところの事業認定そのものの中に、これは大きな問題があります。だから、これは県のほうでそういう事業認定をしたら、それじゃ建設省のほうはどのように、その認定の中に疑義が出たり、問題が出てまいっても手のつけようはないのですか。その点ひとつ聞いておきたいのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/81
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082・志村清一
○志村政府委員 県が事業認定をいたしますと、事業認定をした旨の報告が建設大臣に参ることになっております。それと同時に、通常事業認定をいたしました場合におきましては、土地所有者等が不服がある場合には、いろいろ意見書の提出を行なうわけであります。また事業認定が行なわれました後におきましても、その事業認定が適当でないと考えた場合には、行政不服審査法に基づきます不服の申し立てができるわけです。単に事業認定の告示があった事業だけでなく、土地細目の公告がありました後におきましても、そういう不服の訴えができる。その他いろいろな諸手続が土地収用法に定められておりますが、そういったつど不服の申し立てができることになっております。また不服の申し立てで十分でないとお考えの方は、当初から訴訟で争えることになっております。そういうような事態におきまして、建設大臣が異議の申し立てについて調査をして調べる、あるいは訴訟において、いろいろタッチするというふうなかっこうで、従来仕事を進めてまいっておる状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/82
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083・岡本隆一
○岡本委員 そういうことでございますと、いずれ不服の申し立てその他を通じて、建設大臣がこの問題にタッチをされなければならぬ時期が来るであろうと思いますが、そういう場合には、私どもがいまここで議論しましたような意見を十分参考にして、善処されるように要望をいたしておきたいと思います。
これで、芦有道路関係のことは終わります。どうも御苦労さまでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/83
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084・森山欽司
○森山委員長 この際、松波参考人、川島参考人に委員会を代表してごあいさつを申し上げます。
本日は、遠路御出席をいただき、長時間にわたり御意見をお述べ下さいまして、ありがとうございました。御礼申をし上げます。
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/84
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085・森山欽司
○森山委員長 質疑を続行いたします。岡本隆一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/85
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086・岡本隆一
○岡本委員 ちょうど土地収用法に関連した問題が出ましたので、私は、昨年土地収用法改正のときに問題点として出しました、道路であるとか、あるいはまた高架線、あの高架下の空間利用の問題についてお尋ねしたいと思うのですが、昨年、土地収用法改正のときに、土地収用法を背景にして取得された土地の管理が、やはりその私権に基づいて自由奔放な管理が行なわれている。だからそれが非常に町の美観をそこねております。高架の下が物置きにされている。そこは穴ぼこだらけ、でこぼこだらけのトタン板で囲われておったり、あるいは非常に古びたきたない木で板がさされたりいたしておりますが、これはオリンピック期間中にも問題になりまして、河野さんがああいうのは改善させろというふうなことを言われた、というようなことが新聞にも出ておりましたが、そういうようなことで、一般的に、一たん土地収用法を背景にして土地を取得しますと、その後の管理は完全にその事業体の所有権の思うままに管理されておるという悪弊がございますので、これを改めてもらわなければ困るということを強く申しまして、私はその際、その事業本来の目的以外に使う場合には、公共の福祉に沿うように管理しなければならぬということを、土地収用法の中に一条入れろということを強硬に主張したのです。ところがその際、そういうふうな修正は困るから、ひとつ原案どおり通してくれ、そのかわり、そういう地域の管理については間違った点を十分改めさせるからということで、綾部運輸大臣に当委員会に来ていただきまして、綾部さんからも、岡本さん、あなたの言うことはもっともだから、そのとおり必ずさすからというかたいお約束があって、その約束のもとに、昨年の土地収用法の改正が成立したのです。ところが、その後見ておりますのに、通達を出されたぐらいのことで、何も改善のあとが私には見えない。だから、一体運輸省はその後どのように改善のための努力をされ、そしてまたその成果がどのようにあがっているか、一年近くになりますから、ひとつここで、その辺のところをまず御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/86
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087・岡田良一
○岡田説明員 ただいまのお話の点でございますが、昨年のたしか五月ごろだったと思いますが、運輸大臣が参りまして、行政指導でやるということを申し上げたわけでございます。その後、参議院のほうの建設委員会の附帯決議といたしまして、「土地収用法の適用対象事業の用に供するため取得した土地の管理については、しばしば公共の福祉に適合しない事例が多いのはきわめて遺憾である。よって政府は、可及的速やかに各事業法において事業の用に供するため取得した土地を公共の福祉に適合するよう管理することについて所要の法改正を行なうべきである。」ということもございましたので、まず法的改正という点についていろいろ検討いたしたのでありますが、土地収用法によって収用した土地についてであれば、多少法律的にも関係があるわけでございますけれども、土地収用法によって収用した土地ではなく、土地収用法によって収用し得る事業の用に供する土地というふうになりますと、いろいろな土地収用法の事業が規定してございますので、各事業について、すべてその事業が取得した土地についてはこういうふうになるという点に、法律上いろいろ問題もございますから、現在まだ最終的結論は得ておりませんが、現在検討いたしておるわけでございます。しかし運輸省といたしましては、大臣の趣旨もございますので、国鉄それから鉄道建設公団及び各陸運局、それから私鉄経営者協会に、それぞれこういう趣旨で、高架下の利用については、公共の福祉に適合するように管理をするように指導されたいという通牒を出しまして、現在に至っておるわけでございます。実は昨年の九月にこの通牒を出したわけでございますが、まだ、その結果についてどの程度まで進捗しておるかということについて、資料を集めておりませんけれども、昨年、先生から御指摘のございました近鉄関係のところにつきましては、出てくる前に調べましたところ、資材とかそういうものを整とんいたしまして、夜間は照明設備を整備し、それから、あき地については、周囲に有刺鉄線を張りめぐらして、無用の者が入ることができないように、乱用されないように措置をしておる、それから不法占拠者の土地については、非常にあたりに迷惑を与える場合が多いので、その占拠の土地については極力他に移転するように現在努力をしておる、という状況でございますが、その他の地域につきましては、なお今後調査をいたしまして、全国的なものを取りまとめたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/87
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088・岡本隆一
○岡本委員 そのときの議論では、土地収用法を発動して取得された土地だけでなしに、そうでなくても、とにかく鉄道ができる、道路ができるということであれば、いやと言っても土地収用法でやられるのだから、いやでもみんな売り渡すのです。ですから、土地収用法を背景にした事業というものは、相手方の占有権を否定しておるのですよ。だから、そういうふうに取得された土地というものは、周囲に迷惑をかけぬように使っていかぬといかぬ、こういうことで、大体そういうふうな方針でやっていきましょう、こういうことになったのでありますから、その後の監督は、その議論の趣旨に沿ってやっていただかぬと困る。それから、いまあなたの御答弁によりますと――その議論のありましたのは去年の五月二十二日です。それから六月の二十日前後に、参議院で附帯決議がつけられております。その附帯決議に基づきまして、建設省から七月三十一日にあなたのほうへ通達がいっております。それも一カ月余りかかっておるが、とにかくこれは計画局長名で運輸省鉄道監督局長あてにいっているのですが、お役所の仕事というのは、こんな通達一枚出すのに四十日かかっておる。これは少しマンマンデーだなと、この書類をいただきまして思ったのですが、局長にお願いしておきますが、局長もかわられたのですから、これからあなたがひとつびしびしばりばりやっていただきたいと思います。それから、私がここでそういう議論をして、綾部さんが約束されたのが五月二十二日で、九月になっても何らそういう改善の模様が見えないから、私はここで質問をいたしました。それが九月の十一日です。どうなっておるか、そうしたら、そのときあなたは、いやもうそういう通達を出してございます、出しておるなら、その通達の写しを見せてくれと言ったら、あなたのほうからいただいたのが九月十日付です。私が十一日にここで、全然何もやってないじゃないか、話が違うじゃないかと質問したら、いややってございますという御答弁で、その写しを見せてもらったら、出ておるのは十日付です。これはその答弁をしてから、出しておかぬといかぬからというので、十二、三日ごろに十日付のものを出されたに違いない。私が言わなんだら、まだまだほったらかしておいたに違いない。そんなふうなことだから、今日になってもまだ、その後改善の状況については何ら統計はございません、調べてはございません、どのようになっておるかわかりません、私が指摘した近鉄については、いま電話で調べてきました、電話で近鉄を調べたら、いやあれはこないにしてございます、それはどのように言うたか知りません。しかしながら、その内容たるや実にうつろなものです。現実に私の近くのことですから、あれだけ議論した成果がどないになっておるか気をつけて見ております。だけれども、まあまあ同じことです。だから、幾らここで大臣が約束されても、それが事実実行に移されなければ何にもならぬ。こういうふうな土地収用法を背景にして取得された土地というものは、付近の住民に迷惑を及ぼしてはいかぬ、これは当然です。そんな迷惑を受けなければならぬようなものは絶対に売りませんよ、放しませんよ。ところが所有権を取得したら、高架の鉄道ができました。鉄道が通ってやかましいのはそれはしんぼうします。その高架下を遊ばせておくのはもったいないから、古鉄屋の倉庫に貸した。朝から晩まで古鉄のたたき直しでかんかんやられたのでは、隣の人間はたまったものではございません。そうしたら、今度その次にそこへ工場が建ちました。朝から晩までごうごうという旋盤の回る音です。だから、上は電車を走らせますが下は工場にいたします、こういうことが条件で、その地域の住民は土地を売り渡しているんじゃないのです。だから、そういうふうな点について私は指摘したわけです。ことにそれはもう古い話で、近鉄になって、大資本になってから後ですよ。駅のそばの高架下を飲み屋街にしているのです。非常に風紀が悪い。だからもう娘さんなんかはその高架下のところを通れなくなるというふうに、管理が営利第一主義になってきておる。だから、そういう営利第一主義を直しなさいということを指摘しておるにかかわらず、そういうふうな管理について一向に改善の模様がございませんから、私は申し上げているのです。このことは私が私自身の近くで見聞きしているから、たまたま例として申し上げるのですが、こういうことは至るところで行なわれているに違いない。そしてその当時、いや小田急にしても、その他東京の郊外電車の高架下はみんなむちゃくちゃだということは、そのときここにおられた他の委員諸君がみんな口をそろえて言っておられた。これから後はどんどん、鉄道にいたしましても、道路にいたしましても、ほとんど高架になるでしょう。高架になったら、その高架下の管理というものは、もう完全に自分の所有権だというふうな主張をすることは許さるべきでない。これはやはり高架になっただけでも空間をふさがれるのですから、だから通風を阻害するというようなことも考えなければいかぬ、騒音を出さぬようにというようなことも考えなければいかぬでしょうし、また爆発物をたくわえるとか可燃性のものをたくわえるというふうな、そういうふうな危険性のあるところの使い道にはしないようにするというふうなことも考えなければならないでしょうし、また従来すでにそういう高架下が他に使われておって、長い間に権利が発生してしまったものについては、これはその権利を排除するということはなかなか困難でしょう。これはやむを得ないと思う。しかしながら、それから後の移動についてはそういう点の十分な配慮が行なわれて、その高架下の管理については、公共の福祉に沿うように十分努力をしていかなければいかぬ。そのことを、私がこの委員会へわざわざ綾部さんに来ていただきまして、とくとお願いをし、綾部さんも、必ずやります――またそういうふうな条件で、この法案は成立しているのです。法案が成立したら、あとは涼しい顔で、もうくそくらえではいかぬですよ。やはりそのときにした約束というものはちゃんと守っていただかぬといけないと思うのです。
ひとつ建設大臣にお願いをいたしておきますが、そういう経緯がございますので、その当時は河野さんでございましたが、また運輸大臣も今度は松浦さんにかわっておられますが、ひとつあなたから、松浦さんにお話しを願いまして、やはりそのときにされた約束をもう一度、ひとつごめんどうでも速記を見ていただきまして、そのときの議論の経緯なり、そういうふうなものについての御理解を十分願って――いままではただ議論のしっぱなし、綾部さんがここで約束しっぱなしにされております。そういうふうな管理の現状を、やはり国会のこの委員会できちんと約束されたことについては、きちんと成果をあげていただくように、ひとつ大臣のお骨折りをお願いいたしておきたいと思うのでございますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/88
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089・小山長規
○小山国務大臣 いま承っておりますと、もっともな議論であります。私からも、松浦運輸大臣には、しかとお伝えいたします。
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/89
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090・森山欽司
○森山委員長 次に、治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
前会に引き続き質疑を続行いたします。
この際、本案について、私からお尋ねいたします。
いわゆる洪水常襲地帯の問題でございますが、河川法案の審査をめぐり、第四十三国会及び第四十六国会において、岡本委員が強く主張され、種々論議がなされたところであります。ところで、第四十六回国会において、河川法案が修正議決された際に、いわゆる洪水常襲地帯に関する規定は、第十六条第三項といたしまして、「河川管理者は、工事実施基本計画を定めるに当たっては、降雨量、地形、地質その他の事情によりしばしば洪水による災害が発生している区域につき、災害の発生を防止し、又は災害を軽減するために必要な措置を講ずるように特に配慮しなければならない。」といろ条文が挿入されました。政府はその後、いわゆる洪水常襲地帯について、新五カ年計画の策定にあたり、いかなる考慮を払ったか、その他いかなる行政措置を講じたか、また今後の方針はどうなっておるか。いわゆる洪水常襲地帯は、治山治水上重要な問題でありますので、ここに特に政府の見解を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/90
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091・小山長規
○小山国務大臣 治水事業は、水害を防止し、軽減し、国民生活の安定と経済の発展に寄与するために行なうものでありますが、わが国河川の整備の現況からいたしますと、しばしば水害が発生するおそれのある場所は、全国にわたってまことに数多く、また広い地域に及んでおります。治山治水緊急措置法に基づく新治水事業五カ年計画の策定にあたりましては、これらの水害が多発する地域に対して、全国的に特段の考慮を払い、河川の改修、多目的ダムの建設、砂防及び地すべり対策、あるいは内水排除対策等の事業を積極的に盛り込む方針のもとに、ただいま作業を進めておる次第であります。
また、新河川法に基づく工事実施基本計画につきましては、とりあえず一級水系に内定しておる十五水系のうち、利根川水系等九水系の計画案を、河川審議会に諮問して審議中でありますが、この計画の立案にあたりましても、いわゆる洪水常襲地帯については十分配慮しており、今後引き続き策定する予定の水系分につきましても、特段の配慮をいたす所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/91
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092・森山欽司
○森山委員長 岡本君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/92
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093・岡本隆一
○岡本委員 いま、私がお尋ねをいたしたいと思っておりました水害常襲地帯の問題について、委員長からお尋ねいただき、大臣から御答弁をいただきました。非常に努力したいという御意向はわかりますが、お答えが抽象的でありますので、もう少し具体的にお尋ねをいたしてみたいと思います。
大体、治山治水緊急措置法という法律のできた目的そのものが、治水はもう緊急的にやらなければいかぬのだ、戦後の相次ぐ災害にかんがみて、このまま一日もなおざりにできない、だから治水には非常に重点的な投資をやっていかなければならぬ、こういう考え方で、この法律が制定されたことは御承知のとおりであります。ところが、今度は、中期経済計画では、この治水投資が公共投資の重点目標からはずされているのです。これは、片方で、政府は緊急措置法を政府提案により今国会に出してきておる。ところが中期経済計画では、公共投資の重点目標からはずしておる。これは相矛盾したことである、このように思うのでございますが、これは建設大臣にお伺いするのは無理かもしれぬと思います。むしろ高橋さんに来ていただいてお尋ねすべき筋合いのことかもしれない、と思うのでございますけれども、この前も来ていただいて、再三呼び出すのもどうかと思って、私は御遠慮申し上げたのでありますが、ひとつそういう点の矛盾点を、政府のほうはどうお考えになっておられるのか、承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/93
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094・小山長規
○小山国務大臣 この中期経済計画では、重点目標からはずれておるじゃないかというお話でありますけれども、私は実はそう考えていないのであります。今度の中期経済計画で、十七兆八千億の公共投資をやるのでありますが、それには最初、治山治水で九千億というふうに書いてありますのが、いろいろな予算の折衝の過程において、一兆一千億ということになりましたのでありまして、むしろ政府はその点では非常に重点を置いておる、こういうふうに私は考えておるわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/94
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095・岡本隆一
○岡本委員 重点を置くのに、たとえば並列的に二十本も三十本もの方向に重点を置いたら、これは重点をどこにも置いていないとも言えるわけです。この中期経済計画の中に、今度の公共投資の重点の方向は、まず第一には住宅及び生活基盤の施設の強化、その次には道路その他の交通通信施設、三番目にはおくれた農林水産業の基盤強化、この三本を重点に置くということをはっきりうたっておるのです。それでその治水事業については、それは、いろいろな治水のことを書いたところには、治水も重要だというふうには書いてはございますが、しかしながら重点目標としては、公共投資は、今度はこの中期経済計画では、三本に置くのだということをはっきり言っておるわけです。それで、今度は緊急措置法、さらにまた後期五カ年計画ということばは後期五カ年計画であってもいいのです。それを新五カ年計画、こういうふうな名前に変えて、それで緊急措置法の改正をやる。こういうことになってまいりますと、まあそう言われる程度に、こういう改正を出される程度に、重要視しているのであるという意思表示にはなるかもしれませんが、しかしながら、私はそういう点において、どうも少し治水についての考え方が国は軽く見ているのではないか、こういうふうに思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/95
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096・小山長規
○小山国務大臣 どうもこの点は岡本さんと見解が違いまして、ことばの上にはそういうふうに書いてありますけれども、数字の上では、十七兆八千億円の公共事業費の配分のところをごらんいただくとわかるのでありますが、それには、いまおっしゃったもののほかに、治水とか治山とかいろいろあるわけであります。そのうちで、治山治水の配分計画は九千億となっておるのが、実際のこの五カ年計画では一兆一千億、こういうふうにしてあるわけです。ですから、ことばがどう書いてあろうと、その数字は非常に重要視した配分計画をやっておる、こういうふうに私は見ておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/96
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097・岡本隆一
○岡本委員 きょうはもう時間がございませんから、次の委員会のときに、五カ年計画の数字について、もう少し詳しく掘り下げて質問をしていきたいと思います。
きょうは、委員長が先ほどせっかくお尋ね下さいましたので、水害常襲地帯の問題をもう少しお尋ねしておきたいと思うのでありますが、中期経済計画の目標はひずみの是正に置いておる、こういうことでございます。そうすると、治水事業の中では、やはりひずみの是正、これは水害常襲地帯の解消ということがひずみの是正になる。年に二へんも三べんもどっぷり水につかるというようなところをまずなくしてやるということが、ひずみの是正の一番大きな仕事だと思うのですが、大臣の御意向いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/97
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098・小山長規
○小山国務大臣 いまおっしゃったような意味もあります。同時に、治水の問題は、岡本さんは川のほうの専門家ですから御承知ですが、たとえば去年大水害が起こったということになりますと、非常になまなましい記憶がお互いにあって、ここが重点じゃないか、こう思うわけですけれども、たとえば、利根川なら利根川の例をとってみますと、もし利根川の流域に大きな雨が降って、もし堤防が破れたとなったときの惨害を考えれば、これはどんな惨害が起こるか、ほとんど想像できないくらいの惨害が起こるわけですが、そういうふうに最近に起こったからとかあるいは回数が多いからということだけでは、やはり治水計画というものは成り立たぬと思うのです。やはり全国的に見まして、河川の過去における洪水の土砂というものは当然考えなければなりませんが、そのほかに、洪水が起こった場合惨害を及ぼす範囲、それの大小ということも考えておかなければならぬ、そういう意味で、今度の五カ年計画をつくるにあたりましても、重要水系あるいはいまおっしゃったような過去においてしばしば洪水の来たようなところというようなものを考えながら、計画を立てていくわけなのでありまして、そういう意味では、やはり全国的に見ていかなければならぬのじゃなかろうか、こういうふうに思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/98
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099・岡本隆一
○岡本委員 おっしゃるような、守らなければならぬ国民経済、そのための治水計画というふうなものは、治水の全体計画の中として進めていかなければなりません。しかしながら、そういうふうな計画以外にやはり水害常襲地帯というものがだんだんつくられていくのです。このことは、私は前から委員会で何回も申しておりますが、とにかく、上のほうで改修が進みます、そうすると上のほうは全然水害がなくなります。そうすると、その水はけはどんどんよくなるだけに、下に早く集まってきます。どこかに狭窄部がありますと、その狭窄部で、上のほうが水害に始終やられている間は全然水害がなかった地域が、だんだん水害が起こるようになる。河川事業が進めば進むほど、狭窄部の上では水害が激しくなるのです。だから、二次的に、洪水地帯というものは河川事業のおかげでつくられていく。そのことは、たとえていえば砂防が一番おくれております。そうすると土砂が流れてきます。河床が上がれば川をどんどん上げていきます。上げていけば、結局水を上げれば、今度は内水排除の問題が起こってくる。そうすると、ある都市とかある地域の都市の一番の下流部の合流しなければならぬ地域、そういう地域には、内水排除の問題が起こってまいります。そういうふうにして、どんどん河川事業が進めば進むほど、二次的につくられてくる水害常襲地帯というものができてくるわけです。ところが、今日の河川事業は、計画はどんどん進められていきますが、そういう面についての配慮が欠けるところがある。だから私がいつも申し上げておる。たとえば七年に五回とか五年に三回――それは、その考え方で、あるいはまあ財政の都合もあるから、そのきめ方については強く拘泥いたしませんが、少なくも七年に五回水害があれば、それは水害常襲地帯であると言っいいだろうと思う。現にそういう地域は幾らもあります。そうすると、そういう地域の水害がなくなるような配慮というものは、特に優先的に講ずる必要がある。また現実にそういうところは、これから後もずっとそういう特別の特段の配慮行なわれない限り、半永久的に、同じような頻度で水害を受けていかなければならない地域になるわけであります。だから、そういうようなところは、経済の成長とともに国民生活は守られていって、治水事業が進む。しかしながら全部そこへしわ寄せを受けている、こういうふうな地域になってくるわけでありますから、少なくもひずみ是正ということを言われる限り、そういう地域の解消ということには、やはり特段の配慮が行なわれ、優先的な事業計画というものが進められなければならない、こう思うにかかわらず、そういうふうな、中期五カ年計画の中にも、私はそういう配慮が行なわれておるように思えない。だから私は、今度のこの緊急措置法の改正を機会に、やはりはっきり、そういうふうに計画を立てなければならぬというふうなことに修正してもらいたい、こういうふうな要望を出しておるのでございますが、どうでしょう。政府として、そういうふうな修正を受け入れられる用意がございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/99
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100・小山長規
○小山国務大臣 実は、この五カ年計画の立案にあたりまして、岡本さんと河野さんとの問の速記録を拝見しました。それで、その当時、四十三国会で、河野建設大臣が、治山治水緊急措置法を改正して、治水事業五カ年計画の計画の作成にあたっては、水害常襲地帯を優先的に考えるという法律をひとつつくろうじゃないかという返事をされております。そこで、今度のにそれを入れなくてはいけないんじゃないかということを考えまして、いろいろ検討してみましたところが、二つ問題があります。
一つは、河川法で、すでに計画をつくるときには、そういうものを十分考慮してつくらなければならぬということが、その後の国会の修正で、そういうふうに河川法に書いてあります。そこで、この問題は、したがって、法律的にはそれでもうすでにこの河野さんの言明は済んでおるもの、こういうふうに考えたのが一つ。もう一つは、岡本さんの言われる優先的というのが、重点的にということであれば、われわれもわかるのでありますけれども、優先となりますと、たとえば利根川をほったらかしておいても、信濃川をほったらかしておいても 財政の配分はまずそこに優先してやれということになりまして、私が冒頭に申し上げたような治水の計画とそぐわなくなりますから、そこで、この五カ年計画を策定するにあたりましても、あるいは河川法の、先ほど申し上げましたように、今度の一級河川の計画をつくるにあたりましても、そういう地帯、いわゆるおっしゃるような、上が改修が進んできたために、下の、狭窄部ばかりがひどい目にあっているじゃないかというような点については、重点的に今度の五カ年計画の計画配分をやろう、こういう考え方で進んでおるわけであります。したがって、法律的には、河川法の改正で十分であろうということで、今度のこの治山治水緊急措置法をつくるにあたりましては、河野さんが言われたその部分については、河川法で解決が済んでおるという見解のもとに、今度われわれのほうの原案には入れなかったわけであります。したがって、修正については、もうこれでひとつごかんべん願いたいという考え方なんであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/100
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101・岡本隆一
○岡本委員 この河川法では、いま私の要望をいれたんだということでございますが、そのときには、いまおっしゃるように、災害常襲地帯というものを政令で規定することにしよう、たとえて言えば、七年に五回というふうな水害を受けたところは災害常襲地帯ということにする、そういうことになれば、そこへは優先的な予算の配分がある、こういうふうにしなければ、その地域の住民にとってあまりかわいそうじゃないか、こういうことを強く主張したのでございますが、第十六条の第三項のような、きわめてなまぬるい微温的な表現で、これでかんべんしろということであって、いやこれじゃ承服できないということで河川法には、私どもの党は反対し、また反対討論をやったわけです。しかしながら、こういうふうな表現で終わる過程の中で、とにかく治山治水緊急措置法は来年どうせ改正するんだから、そのときにまた考えようじゃないか、だから岡本君これでしんぼうしろ、こういうことで、それで消極的に協力したんですよ。つまり反対はしたが、とことん――まあ反対の態度ではあったが、法案の成立には協力したんです。だから、反対したからこれは徹底的に抵抗したということではないんです。しかしながら、徹底的に抵抗せずに法案の成立に協力したということには、そういうような話し合いが、委員長次室でも、当時瀬戸山さんだとかそれらの人との間でやりとりが行なわれて、議論をしてきまった。つまりそういうふうな経緯もありますから、私はやはりこれはひとつもう少しこの治山治水緊急措置法の中に、少なくもひずみ是正のために、そういう新五カ年計画をつくるのなら、そのひずみの、何といいますか、一番の焦点になっている水害常襲地帯に対する配慮を特に強く打ち出すということを考えてもらいたいというのが、私の申し上げている点なんです。
例として一つあげましょう。そうしたらおわかりになっていただけはせぬか。これはたとえていえば、淀川水系――淀川水系では、御承知のように、宇治川と、木津川と、それから桂川とございます。ところがその宇治川には天ケ瀬、それから木津川には高山ダムがすでに工事が進められている。ところが桂川にはないのです。その桂川には、私がいま申し上げているところの亀岡という水害常襲地帯があります。これは上田河川局長の出身地だから、河川局長もよく御存じだ。私は河川局長の気持ちを代弁して言っているのでもあるのですよ。しかし河川局長は、個人としては動けませんから、そういう点については、何といいますか、積極的に、自分の郷里のことだからといって、それはどうという発言はなさらないし、またそういうこともなさらないと思います。それが公正であってりっぱだと思いますが、しかしながら、とにかくそういうふうな水害常襲地帯があるところの桂川の上流にダムをつくれということで、日吉ダムという計画だけは載っています。ところがそれより先に、日吉ダムが日程にのぼる前に、木津川の上流に、高山ダムの上にもう一つ青蓮寺ダムをつくる。これはきちんと五カ年計画の中に入っている。そこに私は優先措置ということを言う理由があるのです。木津川は、高山ダムができましたら一応の流量調節はできる。だから今度は全然野放しにされているところの桂川筋にダムをつくることのほうが――青蓮寺につくろうと日吉につくろうと、いずれにつくっても、これは水に変わりはないのです。だから大阪に流れていけば、工業用水であろうと、飲料用水であろうと、いずれにも使える。別に色が変わるわけでもありませんし、においが変わるわけでもありません。にもかかわらず、青蓮寺のほうにダムがつくられる。だから私は、この五カ年計画に、そういうふうな水害常襲地帯に対する優先的な配慮というものが欠けている。私が知っている例として、そういうものをあげることができるわけです。だから、やはりそういうふうな配慮が全体として欠けている。その現象形態、露頭の一つが、その淀川治水計画の中に出てきている、こういう点を私は指摘するわけです。だからこそ、私はいま言うような優先措置というものを設けろ、こういう主張をする理由なんです。これで御理解願えると思いますが、ひとつ大臣のほうで、それじゃ淀川の青蓮寺と日吉とどっちを先にされるのか、そういう点を勘案してやはり法律的な強制力を持たせないといけないと私が主張する点を、どうお考えになるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/101
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102・小山長規
○小山国務大臣 その桂川のダムの問題については、あとで河川局長から申し上げますが、一般的に言いまして、岡本さんの言われんとするところ、また目的とされておるところは、私はよくわかるのです。それはできればそういう法律がつくられることは望ましいのです。ただ、五カ年計画なら五カ年計画という計画をつくった、一兆一千億という範囲内で優先してやれということになりますと、法律は優先ですから、そうすると、ほかのところはほったらかしてもよろしいという趣旨になりますね。そういう場所が非常にたくさんあれば、せっかくの治水の五カ年計画が成り立たなくなるのじゃないか。だから、これが財源が幾らでもある、公債でも何でも発行して、財源は幾らでもつくるんだという前提に立てば、まずそこに重点を置いて、そしてそれからなおほかに配分しよう、こういう見解も成り立つと思うのです。ところが、これは釈迦に説法ですけれども、こういうふうに、五カ年計画では幾らの金を使おうというときに、法律上優先という権利を与えれば、ほかのところは後劣になる。そうなってくると、治水計画は成り立たなくなる。そういう趣旨で、法律に書くことは、これはかえってうそをつくことになる。こういう見解のもとに、法律で水害常襲地帯を指定してやることは、現在の財政状態あるいは治水計画の総額という点からいって、無理だ。しかしながら、河川法に書いてあるとおりに、そういう、いわゆる水害常襲地帯といわれるようなところは、計画実施の場合には重点的に配慮しろ、こう書いてあるから、それはひとつ忠実に守っていきましょう、そして五カ年計画の財源の範囲内において重点的にやっていきましょう、こういう考え方で、法律の改正はわれわれとしては困ります、こう申し上げておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/102
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103・上田稔
○上田政府委員 お答え申し上げます。
岡本先生は、川のほうにつきましても専門家であらせられますので、非常にお詳しいのでございますが、私ども技術者でございますが、川というものは、先生もいつもおっしゃいますが、生きておりまして、一カ所ある程度強くいたしますと、そのほかのところがまた弱くなる、その次のところをまた強くすると、次が弱くなる。したがって、川というものは、水系全体を一貫して見ていかなければいけないものでございまして、そういう意味で、今度の新河川法は水系を一貫して見ていく。これも先生が前からおっしゃっておった理論でございます。このとおりに、現在、改修方式というものを考えまして計画をいたしております。これは河川の改修技術に合った方式でございまして、そのとおりにやっておるわけです。したがいまして、先生、いま淀川に例をおとりになりましたが、淀川におきましては、たとえて申しますと、宇治川という川がございますが、その宇治川と木津川と桂川、これはいずれの流量がふえましても――たとえば宇治川は非常に緩流でございます。緩流というのは、勾配が非常にゆるうございますので、どの川で水が出てきても、宇治川にずっと上っていく、こういうようなことでございます。したがいまして、木津川の流量がふえる、そうすると、やはり宇治の六地蔵あたりが水につかる、こういう現象が起こってくるわけでございます。桂川がふえましても、やはり木津川の水がふえてくる。それで宇治川の六地蔵付近というのは、どっちかといいますと、先生がいま言われる常襲地帯というようなものに当てはまるような地帯でございます。こういうものを少なくするためには、水は上流でなるべくためて、そして川に入れば早く流すという方式をとっておるわけでございますが、そういう意味で、淀川の改修というものは、上流にためるために天ケ瀬のダムをつくり、また木津川では高山ダム、青蓮寺ダム、宇多川ダムと、こういうダム群をつくろう。またそのほかに、先生の先ほど言われました桂川の改修のためにも、これは上流にダムをつくらなくちゃいけないのじゃなかろうか、こういうことで、桂川が被害を受けましたのはたしか昭和二十八年だったと思いますが、二十八年に非常に大きな災害を受けました。その後しばらく災害を受けておりませんでしたが、三十四年でございますか、伊勢湾台風のときにまた被害を受け、それから引き続いて、被害を三年ばかり続いて受けておったのでございますが、こういうことで、国といたしましても、これはすぐに改修の方式をもちろん立てなくちゃいけないということで、調査費を入れて調査をいたしておるわけでございます。これは地元の府のほうとも連絡をとりまして、そして両者ともに集まっていろいろこうしたらいいじゃないかということで、改修方式を研究しておったわけでございます。そういうふうにして、いま先生がおっしゃったような、たとえば一年間に二回受けるようなところ、こういったようなところはほうっているのじゃないか、たとえば河川の水系の中で、そういうところはほうっているのじゃないかということをおっしゃいますが、そういうところは水系一貫してやっていくということで、私どもは全体にわたって計画を立て、そして一番あぶなそうなところ、一番人的被害並びに経済的の被害といったようなものをお受けになるところを主体に、工事をやっておるわけでございます。そういう意味におきまして、河川改修計画というものは、そういう地帯をほったらかしにしておいて、そういうものは一番あと回しにしていいのだというような考え方では決してやっておりませんので、そういう点を考えて、考えてやっておるわけでございます。したがいまして、先生の言われるように、それでは常襲地帯というものを指定したらどうだということでございますが、その常襲地帯といいますのは、いわゆる常襲地帯と先生がおっしゃいますが、その地点をもし直してしまいますと、そのほかのところがまた変わってくるわけでございます。この亀岡の例はちょっと悪うございますが、たとえば、大きな川で岩木川なら岩木川をとりまして、その川の無堤地区がずっとたくさんあります。ある一カ所の一番低いところの無堤地区、しかも被害が非常に大きいという無堤地区を守りますと、そのほかのところがいわゆる先生の言われる常襲地帯になってしまう。それはもう無数に全国的にございますので、こういうものはすべてその水系全体をにらんで、改修をやっておるわけでございますので、そういう点で、指定すると申しましても非常にその点がむずかしい。ただ私どもは、それではむずかしいのに重点をどうして置くのだということでございますが、その水系の改修計画というものをにらんで、いま、ここをこう直したら、どの程度にほかのところに影響するだろうかということを常に考えつつ、そしてまたそういうところは特によく考えなくちゃいけませんから、特にそこについては配慮をして、計画を立て、工事を実施していくということにしておるわけでございます。そういう点で実際にやっておりますし、またそういう指定ということは実際上非常に変化をしていきますし、困難であるし、それを優先してといいましても、それではほかのところといっても、次にそれを直したら、いままで半分直しかけたところがこれまた非常な危険になりますので、今度はそっちがそうなるということになって、これは河川改修そのものずばり、常襲地帯といいますか、いわゆる常襲地帯というのは、その河川、水系全体が常襲地帯のようなものに考えられるわけでございますので、そういう点で、ひとつそういう点は建設省におまかせいただいて、やらせていただきたいと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/103
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104・岡本隆一
○岡本委員 それは、河川局が専門に責任を負って河川管理をやっていただくのでございますから、万事私どもはおまかせをしておるのでございますが、しかしながら、おまかせしておる中にも、やっぱり気になってしようがないことがあちこちにございますから、私どもこういうことを申し上げるので、おまかせしておけば万事済むのなら、もう委員会での論議も何も要らぬことになるわけです。それで、仰せでございますけれども、川は上をいらえば下に響く、右をいらえば左に響くということは、私もかねがね専門家から教えていただいておりますので、重々心得ております。しかしながら、それにも増して、やはりしわ寄せを受ける地域があるわけですね。いまお話しの六地蔵なんかはその常襲地帯でございましたが、いまは築堤の計画もどんどん進められまして、来年あたりはその宿命から解放されるというふうなことで、住民は非常な希望を持って、いまその築堤の計画に協力をいたしておりますね。しかしながら、亀岡盆地であるとか、あるいは川崎さんの、ことにあなた方の先輩の稲浦さんの出身地の伊賀上野の盆地なんかは、いまだに前途まっ暗なんです。だから、そういうような前途まっ暗なところについては、何かやはり配慮をして、その住民が、たとえていえば十年たったら水害がなくなるのやろうか、せめて十年、十五年で水害がなくなるのじゃないかというぐらいの希望を持てるようにダム計画をしても、まずその計画の策定から、さらに用地買収から、工事からいえば、計画を立てても、十年たたぬと実際はそのダムの効果というものは出てまいりません。そういうことになりますと、やっぱりその地域の住民に、何年か後にはこの悩みが解消するのだという希望を与える必要がある。ところが、そういうような非常に大きな悩みを持って、年に一回、二回、どっぷりつかっておる、しかも、相当の住家が並んでおる、もちろんそれは、私が申し上げるのも、常襲地帯という考え方の中には、原野が何ぼつかっても、それはほっておいたら――そんなに気にする必要はございませんね。だから、やっぱりある程度の規模、それからまた守るべき経済施設、ある程度の住民というふうなものを対象にして、そういう考え方で常襲地帯というものを、これは建設省のほうで、この程度以上のところを常襲地帯にしようじゃないかということで、専門家のあなた方が考えてつくっていただけばいいのであって、水のつくところみな常襲地帯にしろ、こういうことを私は申し上げているのではないのです。だから、やっぱり水害のために年々歳々非常な苦しみを受け、経済的な被害も大きい、損害も大きいというところを常襲地帯として指定すべきではないか、こういうことを申し上げておるのでございます。
しかし、きょうはもうおそうございますから、これから先の議論は、またこの次の委員会に持ち込むことにさせていただきまして、本会議は二時からだそうでございますから、まことに、大臣あるいは局長、おそくまで御迷惑でございましたが、あとはまたこの次の機会に持ち越したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/104
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105・森山欽司
○森山委員長 次会は、来たる十七日水曜日、午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会いたします。
なお、来たる十六日火曜日、午前十時より農林水産委員会と連合審議会を開会することになっておりましたが、都合により、開会時間を午前十時三十分に変更いたしましたので、御了承願います。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時四十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00819650312/105
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