1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年二月十六日(火曜日)
午後一時三十五分開会
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委員の異動
二月十日
辞任 補欠選任
谷口 慶吉君 上林 忠次君
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出席者は左のとおり。
委員長 松平 勇雄君
理 事
天埜 良吉君
金丸 冨夫君
吉田忠三郎君
委 員
木暮武太夫君
平島 敏夫君
松野 孝一君
相澤 重明君
小酒井義男君
浅井 亨君
中村 正雄君
政府委員
運輸政務次官 大久保武雄君
運輸省鉄道監督
局長 佐藤 光夫君
運輸省鉄道監督
局長 佐藤 光夫君
運輸省航空局長 栃内 一彦君
事務局側
常任委員会専門
員 吉田善次郎君
説明員
日本国有鉄道副
総裁 磯崎 叡君
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本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査
(日本国有鉄道の運営に関する件)
(航空に関する件)
○鉄道敷設法の一部を改正する法律案(内閣提出)
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001・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) ただいまから委員会を開会いたします。
初めに、委員の異動について御報告をいたします。
去る二月十日付をもって谷口慶吉君が辞任し、その補欠として上林忠次君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/1
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002・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。
前回に引き続き質疑を行ないます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/2
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003・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 その前に、全日空の事故の問題について、何か航空局として事故の報告しなくてもいいのですか。いつもの例ですと、当然これは政府側が、事故が起きているわけですから、報告をして、その関係をただして、審議に入るのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/3
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004・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) ちょっと速記をやめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/4
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005・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 速記を始めてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/5
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006・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 さきの委員会で国鉄の長期計画についての資金が問題になるということが明らかになって、その資金調達の具体的な方策をどうするかということで、運輸大臣並びに国鉄の関係の人々に伺っておったところです。運輸大臣お見えでございませんから、さらに今後の問題としては、運輸大臣の出席を求めてあとあと伺いたいとも思いますから、委員長のほうでそういう手配をしていただきたいと思います。きょうは、したがって、国鉄側に若干さらに質問を加えますけれども、先般の運輸大臣の答弁では、七カ年計画で、つまり政府は、中期経済計画というものと並行して、資金は政府が責任を持つ、こういう言い方をいたしたわけです。私どもといたしましては、非常にその点では疑問な点がありますので、実際国鉄を経営いたして、副総裁のほうとしてどう考えているかということについて、しぼって私は質問をしたい、こういうふうに思うのであります。
長期計画を計画するにあたっては、かなりの経過と経緯がございます。この基本問題を扱うにあたりましては、御承知のように、基本問題懇談会なるものを曲がりなりにも設置を起しめて、そこでいろいろ各界の人々が会合いたして検討を加え、昨年十一月二十七日の日に意見書を政府側に提出をしている。この中でも、私どもが考えておったように、やはり何といたしましても資金調達に非常に力点を置かれ、第一に掲げ、第二には政府の出資に非常に強い意見を持った答申になっているというように私は認識をしております。そこで、ひとつ伺うわけですが、この間の運輸大臣の答弁で、たいへん威勢のいい、胸を張ったような答弁をしておりましたけれども、私は必ずしも、今日の国鉄の営業収益等々、それから今後の経済の客観的な推移等を見て、そう楽観すべき事態ではないのではないか。私は国鉄で多少職を奉じておった関係上、内容はもちろん、運輸大臣よりはその点については私は熟知していると自任しても差しつかえないと思うのです。そういう立場で検討を加えますと、非常に先き行き不安な気がしてなりません。とりわけ今年の場合におきましても、御承知のように、不安定な要素が多分にある。これは前回の委員会で申し上げて、運輸大臣が努力をすることになっていますから、その点は省略をいたしますけれども、一体国鉄側としては、来年度口六体的に長期計画の二年度にどういったつまりこの計画の資金調達をなさんとしているのかどうか。もうちょっとわかりやすく申し上げますと、このままではやはり昨年の暮れに出てまいりました運賃値上げの問題が論題として出てきはしないかというような気が私はするのです。ですから、たまたま総理大臣が今年の場合は、運賃の値上げをしない、こういうことを天下、国民に明らかにした段階で、苦しまぎれに先ほど申し上げたようにきわめて不安定な予算を編成する、こういうことになったと思いますが、前の運輸大臣の答弁と今日置かれておる国鉄のつまり財政等々を考えて、どうも私どもはまだそういう危惧の念を払拭することはできない。ですから、国鉄は、実際ざっくばらんに言って経営の担当は運輸大臣がいたすわけではありませんから、担当をいたします皆さんのほうとして、二年度のこの長期計画にかかわる資金の調達はどう考えているのか、お聞かせ願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/6
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007・磯崎叡
○一説明員(磯崎叡君) ただいまの古田先生の御質問は、実は私どもが今年から始めます第三次長期計画の遂行上一番重要なポイントでございまして、この点が過去半年間国鉄基本問題懇談会におきましても最も論議された点でございます。さしあたり初年度につきましては、前回の当委員会で御質問に対しましてお答え申し上げましたとおり、約七百億といういままでに例のないいわゆる特別縁故債という形でもって、一応三千億の投資ベースでもってスタートすることになったわけであります。私どもといたしましては、実は懇談会の過程におきまして、しかも懇談会には、幸い関係各省の次官——大蔵次官、あるいは運輸次官、経済企画庁事務次官等関係各省の次官もメンバーに入っておられましたので、私も委員の一人といたしまして、極力政府の出資につきまして、あるいは財投の増加につきましても、いろいろ委員会において申し上げたのでございますが、結局、ただいま先生の御指摘の十一月二十七日に出ましたこの懇談会の答申におきましては、御承知のとおり、政府出資は政府が必要であると認めるときは国鉄に追加して出資することができるときめられているが、なお、当面国鉄が希望するような出資は困難であるけれども、今後の問題として出資あるいはこれにかわる負担金等についてぜひ検討しよう、こういう相当いままでに例のなかったような前向きな答申を中に入れてもらうということで、とりあえず四十年度の出資についての私どもの要求を取り下げたと、こういう形になってきておるわけであります。しかしながら、今後やってまいります二兆九千七百二十億円の投資の内容をひるがえって考えますと、何と申しますか、まず保安対策あるいは通勤輸送等の、ほとんどさしあたり利子を負担する利益さえもあげ得ないような工事が半分以上でございまして、わずかに電化あるいは車の増備等につきましては相当の利益をあげるにいたしましても、大部分を占めます保安対策なりあるいは通勤輸送対策というものは、場合によりましては主要幹線の複線化にしましてもすぐには利益をあげない。したがって、工事の性質上、どうしても利子を伴わない資金でなければ国鉄経営自体が非常に危殆に瀕するということも計数上明らかでございますし、ひるがえって、いまの予算をお認め願いました際の四十年度末の国鉄の長期負債は、実に一兆をこすことになるわけでございます。すでに現時点、三十九年度末におきまして八千億を超過いたしておりまして、これに四十年度の借り入れ金その他を加えますと、四十年度末には一兆をこすばく大な長期負債になります。したがって、六分五厘といたしましても、利払いだけでも六百五十億くらいかかります。さらに、もうすでに期限のきている債務がございますので、これの償還額でも年間五百億をこえるということで、約千億以上のものはほとんど利払いと借金の返済に追われてしまう、こういう非常に奇形な形の財政状態をたどらざるを得ないということになりますので、どうしてもある程度の自己資金が必要になってくる。で、この点につきましても、ずいぶん懇談会において論じられました。運賃の問題等、各方面から論ぜられましたが、これも、ある時期には運賃を上げざるを得ない、しかしながら、その影響その他を考えて、物価全体の立場から慎重に検討しょうと、こういう非常に抽象的な結論で、一応懇談会の結論は出ておるわけでございますが、私どもといたしましては、昭和四十一年度以降の問題につきましては、四十年度の下半期以降におきまして、この懇談会できめられました財投の増加、あるいは政府出資または政府の負担金の拠出、あるいは運賃収入の増加、この三つの問題を総合的に政府で検討された上で、四十一年度以降の投資規模をきめ、さらにその原資の調達方法をきめていただきたい、こういうふうに考えております。御承知のとおり、去る十二月二十五日にこの懇談会の決定を経済閣僚懇談会で承認されましたが、その承認されました文書の冒頭に、「政府はこの計画を遂行する」と、こういうふうに政府自体がこの計画について非常に大きな責任を持つことを経済閣僚懇談会の決定で明らかにされ、さらに、年がかわりましてことしの一月二十二日の閣議におきまして、それを再確認していただいておりますので、私どもといたしましては、この財投の増加、政府出資負担金の拠出、あるいは運賃収入の増加、この三つをどういうふうにまぜ合わせて四十一年度以降の国鉄の長期資金見通しを立てるかということは、四十年度における非常に大きな問題として見ていただかなくちゃならないと思っていますが、いまさしあたり運賃をどうするとか政府出資をどうするとかということを申し上げる段階でもございませんが、私どもといたしましては、この三つの点を総合的に勘案していただき、そして日本全体の経済の発展の中における国鉄の地位をよく理解していただいた上で、この問題に一応の回答を与えていただきたいと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/7
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008・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 副総裁の演説は、これはもういまの立場上そんな程度より出ないとぼくは思うが、それでは、二年度目になっていまのお答えでは、すべて政府待ちだ、あなたのその答えを集約しますと。これでは、われわれの心配している点は、国民の心配する点は解消できません。そこで、概略来年度どの程度の投資をするのか——それは、五千億とか、あるいは三千八百億とか、そういう数字でけっこうですが、どの程度考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/8
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009・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) この点につきましては、ことしの投資が予算にきめられた三千億のほかに三百億の債務負担行為がございますので、もし、これが順調に消化されますと、初年度が三千三百億ということになりますので、昭和四十一年度以降は大体三千八百億前後の投資を二、三年続ける、最後の三年が大体五千億ベース、これは懇談会の決定にございますとおりのものでございますが、大体初年度三千三百億、次年度三千八百ないし三千九百億、それから第五年度から第七年度まで大体五千億というふうなスーケルで考えてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/9
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010・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 そこで、来年度は三千八百億前後の投資規模でやりたいという国鉄側の要請ですね。これは、長期計画を立てて、そういう裏づけを考えてやるのは、経営者としては私は当然のことだと思うのですけれども、これはとやかく申し上げないが、問題なのは、あなたも答えたように、国がこの計画を遂行するにあたっても、一体財投をどうするのかという問題と——財投といってみても、しょせんは借金ですからね、財投だけに依存するということはこれまたたいへんなことだと思うのです。思うのですが、そういう話は別の問題にして、とりあえず財投にある一つの資金調達の依存度を高めなければならぬということだけははっきりしていると思うのです。それともう一つは、日鉄法の五条二項に明らかに国が出資をしなければならぬし、できる道が開かれておりますね。この間運輸大臣もここで答弁しておりましたが、今日まで国鉄に政府が出資したものなんというものは、こんなものはつめのあかどころじゃありませんよ、出資などという表現をいたすこと自体が私は問題があると思う全くゼロにひとしい。ですから、ここのところを大いに私は、経営者として、いま答弁したようなかっこうじゃなくて、少なくとも政府の諮問機関たるものがその意見書を答申してあるわけですから、そのことを認めて、五カ年計画を七カ年計画に延ばして、中期経済計画か何か知らぬが、お題目のようなものを盛んに佐藤内閣が言っておりますが、それとあわせてやるというのですから、私は当然政府が責任を持たなければならぬと思うので、こういう点にひとつ経営者としてはもっと積極的にぼくは政府に迫っていいんじゃないか、こういう気がします。それからもう一つは、ことしの予算はまだこれは審議中でありますけれども、政府原案がきまって今日国会に出されているこの過程の中で見ても、前々から私どもか議論しているように、きわめて不安定です。したがって、来年度の三千八百億というものを一応想定して投資規模を考えているとすれば、特別に国鉄の運賃収入が天文学的な数字で上がってくれば別問題ですけれども、私はそうは上がりようもないような気がするので、そこに私どもが心配する点がある。だから、この運賃の関係というのは、必然的にここの中で私はとやかく論ぜられる段階になってきはせぬかという心配をするので、来年のことを言えば鬼が笑うというけれども、国民のほうがよほどりこうですから、ちゃんと、国鉄がやろうとしていることは、政府が、いかに運輸大臣がりっぱな答弁をしても、その裏があるということを知っているわけですから、ここのところごまかしのないようにやはり経営者としても考えていかなければならぬとぼくは思うから聞いているわけです。具体的に政府出資に対してどう考えているのか、これが一つ。これは日鉄法の五条の第二項をどう一体国鉄が認識するかという問題、それとあわせて、今日までに国鉄は、ある意味においては私は、国の産業経済を進めるためにたいへんな、われわれの能力では表現のでき得ない強い、公共性という美名のもとに国鉄にしているものがあると思う、国鉄側に依存している面があると思うのです。そういう結果が、具体的に公共負担の関係になってきたり、あるいは貨物の運賃にしても、国鉄の運賃制度などというものは、これは国鉄がかってにやっているわけじゃない。政府の政治の方向としてそういうものが出されているわけですから、こういう関係にしても、いま副総裁が答弁したように、すでに八千億の借金がある。今年を過ぎれば一兆をこえる、こういう負債を背負う原因になっていると思うので、今日まで国鉄がしいられている公共負担に対してどう一体経営者は考えているか、こういう点をひとつ私は二番目に聞いておきたいと思う。
第三番目には、この予算表を見ますと、旅客の収入が四千三百九十九億、前年と対比して五百六十七億の増収を見込んでいる。たいへんな増収見込みだと思うのです。そこで、昨年の十月から営業を開始した新幹線の関係が、非常に皆さんの努力によって成績が当初予定したよりもいいカーブを描いている。ですから、かなり私は、この関係では見込まれているものであろうし、また見込まれていく要素になっていると思う。しかしそれは限度があるので、一体今年の昭和四十年度予算で四千三百九十九億、増収の五百六十七億に対して、新幹線の関係はどの程度の増収を見込んでいるかということを明らかにしてもらいたい。それから、来年度三千八百億投資していく中で、一体、今年の四千三百九十九億という旅客収入の一応の目標を立たが、来年度はどの程度のものを立てるのか、この点についてもここで明らかにしなければ、この間運輸大臣が答弁したようなことには私はならないような気がするので、参考までに第三番目もあわせて聞かせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/10
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011・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) ただいまの御質問、御質問の順にお答え申し上げます。
第一の御指摘の、国有鉄道法第五条第二項でございます。これは、御承知のとおり、必要あると認めるときは政府は国鉄に追加して出資することができるというふうにきめられておりまして、一応この法文上から見ますと、政府以外の出資を禁止した形にはなっておりませんけれども、実際問題といたしまして、国鉄に対して政府以外に出資してくれるものはないというふうに考えるのは当然だと思います。したがって、現時点におきます国鉄の資本金八十九億でございますが、これが全額政府出資という形になっていると同じように、今後の追加投資も当然政府が全額出資してくださるものというふうに確信する次第であります。一方、いままでの政府の国鉄に対する出資はわずかに四十九億であり、しかも、現在の国鉄の約二兆円にのぼる財産は、ほとんど現在までの運賃の集積であるわけでございますので、私どもといたしましては、国有鉄道という当然な姿からして政府が国鉄に当然ある程度の出資をしてくれるのは、この条文の明らかに期待しているところであるというふうに考えております。したがって、この政府出資の問題につきましては、今後とも関係御当局に対しまして執拗にこの出資をお願いしてまいるというつもりでおります。なお、過般の懇談会の空気から申しましても、その意見は相当学識経験者の中にも正論として大体うなずかれておりまして、いろいろ関係省の次官がおられましたので、答申書はこういうふうなあいまいな書き方になっておりますが、相当委員の中には、私どもと同じように強い積極的な意見で、何とかしてこの際政府が少しでも国鉄に出資すべきじゃないかという相当強い議論があり、そして大蔵当局とされましても、さしあたり四十年度はできないが、何とかできるだけのことは考えなければいけないというふうなことを申したこともございますが、今後ともこの点につきましてはあらゆる努力を重ねまして、政府の出資をお願いしてまいりたいということを考えておりますが、ただ、いまの全体の財政状態から見ますと、いわゆる産投特別会計がせいぜい七、八百億しかないという現状から申しますと、国鉄が多額な要求をしてもはたしてそれに応じ得る国家財政かどうかは一応別でございますが、私どもといたしましては、あくまでも今後の政府出資を強硬にお願いしてまいるという覚悟でございます。
それから次に公共負担の問題でございますが、この点はすでに諸先生方も十分御承知の点でございますので詳しくは申し上げませんが、実は私どもといたしましては、政府に対する貸しという、ことばは非常にきたない表現でございますが、まあ政府にかわって、旅客運賃にいたしましても、貨物運賃にいたしましても、産業の発達、あるいは文教政策、あるいは文化政策、そういった面で政府の政策の一翼をになって今日までまいっているわけでございますが、三十八年度の公共負担の実績が約八百三十億、三十九年はもっとふえているはずでございますが、まあ大体九百億近くなっているというふうに推定されます。それで、これをかりに三十二年度から累計いたしてみましても、すでに四千億近い金になるということに相なりますので、何とか、過去の国鉄の運賃に余力があり、国鉄の財政に余力のあった時分はこれはもう当然公共企業体としてこういったことに対して御協力するのはあたりまえでありますが、これほど財政が窮乏し、利子負担にさえ追われている現状においては、このうちの幾分でもとにかく返してほしいということを強く要望し、これはあるいは農林省あるいは文部省の予算等とも関係するかとも存じますが、いずれにいたしましても、現在の収入の全体が六千億何がしに対しまして、約九百億近い公共負担というものは、相当ウエートとしては大きなウエートでございますが、これはいずれかの形で国鉄に戻していただきたいということを強く、要望し、今後とも、運賃の問題と関連いたしまして、この問題は政府の善処方をお願いしなくちゃいかぬというふうに考えております。
三番目の旅客収入の点につきましては、前回の委員会におきまして吉田先生から非常に詳しい御質問がございまして、一応、いかにしてこれを達成するか、しかもこれが非常に困難な目標であるということは御説明申し上げましたが、その中の新幹線の関係でございますが、現在の予算ではこの中に七百六十六億の収入を見込んでおります。ことしの収入が大体二百二十億ぐらいになっております、決算で。そうすると、ここで約五百四、五十億の増収を考えておるわけでありますが、これはもちろん、一方に東海道の現在線の減収ということが当然ございますので、これがまるまる収入増加ということにはなりませんが、一応昭和四十年度の新幹線だけの収入は七百六十六億、これをこの六千億の内訳に——正確に申しますと、旅客収入の四千四百億の内訳に七百六十六億を入れてある、こういうふうに御説明いたしたいと思います。また、来年度以降の、四十一年度以降の旅客収入の想定でございますが、これは非常にいろいろな見方もございますが、ことしの収入の算出の基礎となりましたのは、やはり日本の経済の伸びなり、過去の実績から見ておりますが、輸送量の伸び率が、大体企画庁の見込みの数量その他を勘案いたしますと、対前年六・四%ぐらいの伸びが過去の実績において見られております。このほかに新幹線の、ただいま申しましたいわゆる誘発量と申しますか、いままでの傾向値にプラスになるものがことしの予算では約三十億人キロぐらい見ておりますが、これを来年度いかに見るか。ことに、新幹線がことしの秋から両数もふえますし、列車回数が約五十回に増回できる見込みでございますので、これらを一年間に計算いたしますと幾らになりますか、いまちょっと数字を持っておりませんが、そういったものも含めまして、旅客収入の伸びを平均六・四%、それに新幹線の誘発量等を見ますと、大体全体として七%ぐらいの増加になっております。さらに、それに対しまして、単価と申しますか、賃率の増加が考えられますので、その賃率の増加をかけ合わせまして、現在の段階におきましては旅客収入がことしの四千四百億に対しまして約六百億前後の増加はしなければならぬというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/11
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012・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 副総裁、大体あなたの説明でわかりましたが、そうしますと、ことしの場合は四千三百九十九億、その中に新幹線の関係を七百六十六億見込んだ。そうして去年との比較の中で五百六十七億の増収をことしは見込んでおるわけですけれども、これには新幹線関係として二百二十億が含まれている、こういうのですね。そういう理解でいいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/12
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013・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/13
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014・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 わかりました。
そこで、航空局の方が来ましたから、私はここでその関係にきょうのところは譲りまして、あとあとさらに国鉄関係の予算関係で質問をしたいというふうに思いますから、委員長のほうとしてもひとつそういう心づもりでいていただきたいと思います。
ただ、最後に、これは国鉄にだけ申し上げるというわけにはいかないと思うのです、長期計画の関係はですね。ですから、次回の委員会に運輸大臣の出席を願いまして申し上げようと思っておりますが、いままでに、概略だけれども、国鉄の副総裁の、来年のつまりこの自己資金と称せられる運賃収入の伸びというものは一般平年度と比較して天文学的な数字で伸びるということじゃないということだけはここで立証されたと思う。さすれば、明年度投資を考えておられる三千八百億というものについては、ことしより以上にその財源あるいは資金の調達に、当面して経営を担当している国鉄側がどえらい私は苦労をする、努力などという表現じゃ済まされないと思う。どえらいことになると思う。したがって、この日鉄法の五条の二項、あるいは、いま副総裁もお答えになりましたように、もう約一千億に近い公共負担の関係、それからもう一つは、今年度の予算を提案するにあたって、政府は国鉄に対して、公共企業体としていま一そうの経営合理化をはかるなんという文句を使って、さらに、幸いに、副総裁、その末尾のほうに、わが国の経済が発展するために政府は指導し、監督すると、こう銘打っているわけですから、ここを踏まえて私は国鉄側は積極的にこの計画を認めたわけですから、この資金調達ができなければ、この計画というものは空文にひとしい。絵にかいたぼたもちと同じですよ。もとより計画は挫折しますから、ですから私はより従前から見て先ほどちょっとことばが悪いなどと言っておりますが、たいへんことばはいいですよ、ああいうことは政府はほんとに確かに国鉄に借金を背負っていると思うのですよ。ですからそういう点で、政府に今日までの借金返済を私は経営者として強く迫っていただきたい。われわれ微力でありますけれども、当然国会の場でこういう問題については、これは国民経済に影響することだけに、これは検討もしなければならないし、協力しなければならないというふうに思っておりますから、こういう点でひとつ御努力をさらにお願いをしておきたいというように思います。
なお、あとあとこの次の委員会にひとつ前もって申し上げておきますけれども、新幹線は御承知のように、昨年の十月の一日から開業しました。あの開業は、あなた方自体もそう考えていると思うけれども、オリンピックという特殊事情がありましただけに、かなり私は無理をした営業開始だと見ているわけです。もとより職員の諸君も、そういうことを十分認識しているから、いろいろな問題点があったにせよ、今日まで協力をしていたと思う。しかし実際開業して、もうそろそろかなりの日数が経過していますから、そうした問題は、新幹線の営業上の事故の問題はさることながら、たくさんの問題が出てきているんじゃないかと私はこう思う。これについて、私は具体的にこの次の委員会で指摘をしたいというふうに思いますから、これに答弁できる方を準備をひとつしていただきたいということを申し添えて、きょう国鉄の関係については、次回に譲りたいというように思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/14
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015・相澤重明
○相澤重明君 国鉄にちょっと確認しておきたい。
前回の当委員会で通産省が考えておる石炭のトンネル会社の話をして、そして運輸省並びに国鉄は、これに抗議をしなくちゃいかぬということを私から申し上げたのですが、話のしかたとしては、いろいろなしかたがあったかもしれないけれども、結論的にどうなったのか、当委員会で一応報告をしてもらいたい。政務次官もおるのですから、政府並びに国鉄側から結果を報告してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/15
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016・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) いわゆる石炭共販株式会社の問題につきましては、非常に先生方に御心労をかけましたが、実は昨日の石炭合理化審議会におきまして、正式に国鉄を除外することが委員会としても認められたわけでございます。通産当局といたしましては、すでにちょうど一週間ほど前になりますが、もうあの案は無理だということがわかりまして、実は私と石炭局長と直接最終の取りきめをいたしましてあの話を一切御破算にする、そうして電力だけの問題に限定するということを約束いたしましたが、さらに石炭合理化審議会にかける必要があるということで、昨日合理化審議会の総会がございまして、そこの席で通産当局からそういう説明がございました。きょう報告がおくれてたいへん申しわけないと存じますが、正式には昨日決定になった。おかげさまで石炭共販株式会社からは国鉄を除外するということにきまったわけでございます。いろいろ御心配いただいてありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/16
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017・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 先般の航空事故に関して、運輸省当局から発言を求められましたので、この際これを許します。栃内航空局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/17
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018・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) 先般の全日本空輸所属の貨物機の事故につきまして御報告申し上げます。
ただいまお手元に配付いたしました資料がございますので、この資料をもととして御説明いたしたいと思います。
まず、事故の概要でございますが、これに書いてございますように、全日本空輸株式会社所属ダグラス式DC13型・JA五〇八〇号機、乗組員は二名でございますが、貨物百四十三個、合わせて千八百六十・三キロでございますが、これを搭載しまして、二月十四日三時五十分大阪国際空港を離陸し、計器飛行方式により、航空路グリーン4を東京国際空港に向かい飛行いたしました。
次いで、同機は河和レンジ、これは愛知県にございますが、河和施設でございます。河和レンジ通過の際、「河和通過四時二十五分、浜松通過予定四時三十九分」と管制本部に通報いたしまして、その後消息を断ちました。したがいまして、河和通過の時点ははっきりとしておりまするが、その以後何らかの事故が起こったというふうに推定されるわけでございます。
そこで、次は、航空局は五時十二分以降通信捜索をまず開始いたしました。通信捜索と申しますのは、諸種の通信計器を動員いたしまして関連の飛行場その他に問い合わせをする、あるいはレーダーの捜索を依頼するというような捜索でございます。これを開始いたしましたが、それでは消息がつかめなかったので、海上保安庁、防衛庁、警察庁に捜索を依頼いたしました。その結果、航空機等の出動がございましたが、ここにございますように、海上保安庁につきましては飛行機一機、ヘリコプター一機、巡視船艇十二隻、航空自衛隊は飛行機三機、ヘリコプター一機、海上自衛隊は飛行機一機、全日空、これは当該会社でございますが、飛行機三機、こういうような飛行機、船艇が出たわけでございます。その出動区分につきましては、次に書いてありますように、海上保安庁においては、六時三十分名古屋の航空保安事務所から四管本部に、七時東京航空保安事務所から三管本部にそれぞれ情報が入ったので、次のとおり措置をいたしました。
四管本部は、七時三十五分管下部署に対し所属船艇の出動を指令し、巡視船艇十隻を配置して捜索に当たらしめた。
三管本部は、八時十二分下田、清水各保安部及び羽田航空基地に対し、所属船艇、航空機の出動を指令、巡視船艇二隻及び航空機二機が捜索に当たった。
四管本部通信所は、八時二十七分、鳥羽保安部通信所は九時十分、それぞれ遭難機に関する一般船舶向けの緊急通信を放送した。
十時五十分ごろ、全日空捜索機及び中日新聞社機から、それぞれ篠島付近の海域において、これは渥美半島の付近でございますが、事故機の浮遊物と推定されるものを多数発見したとの情報が入り、続いて、十時五十分ごろ、巡視艇ゆうかぜが当該物件を揚収した旨通報があったので、自後、捜索方針を当該区域に重点を置いて捜索することとした。
なお、この旨を防衛庁及び愛知県警に対して通報するとともに、海上保安庁の巡視船艇及び航空機は、引き続き当該区域を中心とする捜索に従事いたしました。
十五時に、巡視艇ゆうかぜより当該物件を名古屋に空輸の上、全日空関係者に確認させたところ、遭難機とは関係のないことが判明したので、直ちに捜索救難活動を展開した。捜索範囲は次のとおりでございます。
西は鈴鹿山脈、北は名古屋、南は河和南方四十浬、東は浜松以東グリーン4全域、当該飛行機が航行する予定になっておった航空路でございます。
十五日、日の出とともに捜索救難活動を開始したが、いまだ発見されるに至っていない。航空機等の出動状況は次のとおりであります。米軍航空機二機、自衛隊航空機十四機、海上保安庁航空機二機、巡視船艇十隻、全日空航空機八機。
十六日の捜索予定については、捜索範囲及び捜索方法を再検討するとともに、十五日の態勢、すなわち十五日に出動した勢力をもって捜索するよう関係機関に要請してございます。
なお海上保安庁は、十五日と同様の態勢で捜索を続行する予定でございます。
以上が、今回の事故の経緯でございます。なお別紙に当該航空機の要目あるいは機長、操縦士の経歴、なお全日空の会社の概況、また最後に当時の気象状況を名古屋と浜松に分けて添付してございます。
以上が大体の状況でございまして、残念ながら現在まで、まだ機体が発見されておらないというような状況になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/18
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019・相澤重明
○相澤重明君 ちょっと質問したいのだけれどもね、航空局としてはこの事故機の製造年月日を見ると、昭和十七年と、こうなっているんだがね。普通、こういう輸送機についてはどのくらいのものが適当であるのか、そういうことは考えたことがあるのかどうか、お聞きをしたいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/19
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020・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) 輸送機の製造の年からどのくらい使えるかという問題につきましては、以前から事故のあるたびに御質問を受けております。でこれにつきましては前にもお答えしたと思いますが、航空機の寿命というものは理論的に考えますと、部品の交換というものを徹底的にやっておりますので、相当の期間二十年ぐらい、あるいはもっと使いましても別に問題ない、理論的には、極端に言えばいつまでも使えるということが言えるわけでございます。ただ、なぜそれでは古い飛行機が次第に使われなくなるかという点は、安全上の問題で——問題というよりも、それだけの部品を徹底的にかえるということがむしろ不経済になってくる。それだけの部品をすべて交換するということで、飛行機が全く生まれかわるような状態になるまでやるということよりも、むしろ新しい飛行機を買ったほうがいいではないかという経済上の問題、あるいはこれはまた別個のいろいろ経済上の問題でございますが、旧式の飛行機でございますと、スピードがのろい、あるいは旅客機であるならば快適性に乏しいというようなことで、むしろ競争上の関係あるいは旅客に対するサービスというような点で、新しい飛行機にかえていくということでございまして、飛行機が古くなって危険であるから、新しい飛行機にかえるというようなことは行なわれておりません。したがって、いつまで使えるかという問題は、理論的にはすべての部品を取りかえていけば、かなりの期間、使えるということが言えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/20
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021・相澤重明
○相澤重明君 いまの局長の答弁を聞いていると、飛行機の性能なりあるいは構造なりが全然変わっちまうようになっていけば幾らでもいい、こういう話だと、古いものでもよいものは長もちするということわざがあるけれども、そういうものの考え方なんだね、いまの答弁を聞いていると。これは私はそういう考えが少し問題じゃないかと思うのですよ。いまの時代に二十年、三十年の古いものを、なに、これはオーバー・ホールすればいいとか、構造、内部を改造すれば新しいものと同じだなんという考え方自体が、私は少しおかしいんじゃないか。今日のようなこういう発達する社会の中で、こういう長期に使えるのだという考えは、無理をしなけれどいけないということになると思うのですよ、これは。安全性については全然違わない、こういう答弁だけれども、ものの考えとして補強でしよう。構造を改善するということは補強ですよ。もとのものじゃないんです。もとのものでなければ、これはどうしたってできたときより悪くなっていくということは理論的ですよ。それでなければ新しいものをつくる必要はないんじゃないかと私は思うのだが、そういう点が、いまの局長の答弁だというと、いや、もうこれは耐空といいますか、いわゆる飛行というか、そういうものについては全然何年たっても変わらないのだというような答弁は、私は少しおかしいと思う、というふうに私は思うんですよ。それは、同じナットを使ったところで、あるいはまた部品を使ったところで同じというものはないはずです、これは構造を改善するんだから。そういうところに私は事故というものはすき間風から漏れるということもあるけれども、起きるのじゃないかと思う。なぜよいものにかえていかないかということは、やはり資本主義社会だからもうからなければいけない。もうけるためには無理をしなければいけない。無理をするというのは、新しいものを投資をたくさんするよりは、古いものでも間に合わせれば、それでかせがせればいい、こういうことに帰着しないかな。私はこれを見て、昭和十七年でしよう、二十四年目ですよ、まる二十三年でしょうが。そんなに使っても、いやそれは変わりがありませんなんという答弁では私は納得できない。まあ、確かに飛行機だから不安全だというものを飛ばすはずはないと私は思う。それは思うけれども、えてしてそういう感覚でものの判断をする。そういうところに私は運輸省航空局の私は問題があると思う。どうなんです、これは。航空局長は幾年でも、二十年でも三十年でもいいという考え方をいま述べているんだけれども、ちょとこれは問題じゃないかな。あなた方は、今日のような競争の激しい社会で、やはり近代化するような方向にすべての生産業者が進んでおる中で、またそれでなければ安全性ということが保障されないわけです。幾ら古いものだってオーバー・ホールすればいいとか、改善すればいいということは、私は理屈が立たんと思う。地上の、鉄道のレールだってそうだと思う。レールの摩耗をしたものを補強をしたからそれでいい、そういうことにはならぬ。やっぱり古いものはいつかはそういうぼろが出てくる。このいうことに私はなると思う。そういう点でいまの局長の答弁どうなんですか。そういうものの考えなんですか、運輸省は。いま一度答弁してください。どうも納得できぬ、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/21
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022・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) 私が理論的には相当長くもつと申しましたのは、永久にもつということを申し上げたんじゃないのでございまして、たとえば、船で言えばキールの部分に相当するようなもの、こういうようなものをかえてしまうということは、あるいは私は専門家でございませんが、物理的にやってやれないことはないと思いますが、おそらくそういうことは実際問題としてはしない。そうすると、そういうものの、耐空証明というものの検査の際にどういうふうになっているかということによって、あるいはこれはもう使えないという時期は私はやはりくると思います。したがって、私は無限ということではないのでございますが、したがって、いつまでだいじょうぶかというようなために耐空証明というもので検査をやっておる。したがいまして、その検査をする場合には、部品を取りかえまして、ただいまのおっしゃいました例で、鉄道のレールでいえば、古いレールを新しいレールに取りかえるというような形において部品の交換をやって、そして検査の上、これで十分ということで使っておるということでございます。それから、先ほど申しましたように、日進月歩の時代でございますから、新しい飛行機がどんどん入ってくるということは事実でございます。しかし、それは古い型の飛行機が危険であるから新しい飛行機にかえるというよりも、むしろ別個の理由でもって新しい飛行機が入ってくるということでございまして、古いというだけで、すなわち危険であるということではなく、むしろそれをよく検査をしまして、危険であればもちろん使わせない、しかし、部品の交換によって安全性が確保されれば、それをさらに何年ということで使わせていく、こういうことでやっておりますので、決して私は航空機のそういう取り扱いが非常におかしいというふうに私は考えておりませんし、諸外国におきましても、そのような方法によってやっておるというふうに聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/22
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023・相澤重明
○相澤重明君 私はいまの答弁ではやはり承服できないね。博物館行きのようなものを飛ばして、安全性があるなんというようなことをぬけぬけと言う運輸省航空局自身が私はおかしいと思う。それはもうけるためですよ。投資を少なくすればそれだけもうかるということですよ。損をしないでいかに合理化していくかということにのみ頭を置いていると、そういう答弁になってくるわけだ。私はやはりそういう考え方が、結局単なる技術者のそういうものの判断というものが、無理を乗務員にさせているのではないかと思うのだ。 これは、たとえば百五十ノットでもっていいと、しかし、 コースというものをあらかじめきめられておって、飛行時間もきめられておれば、これは二百キロまで性能がありますといえば、この二百キロを無理しても出す。しかし、古いのと新しいのとでは、同じ速度を出すのだって、それは違いますよ、何といったって。だから、あなた方、そういう技術上構造改善をすれば、これはもう幾らでも飛べるんだということは、話の筋としては、これはだれでも確かに飛べるということは間違いないと思うのです。飛べないものを飛ばすはずがない。けれども、その飛び方が、結局は乗員に無理をさせるような結果になるのではないか、一つは。だから指導方針としては、古くなった、そういう二十年も三十年もいいのだというようなことは、私はこれは根本的に考え直すべきだと思う。そんなに採算がとれないはずないでしょう、あなた。二十五年も三十年も働かさなければその飛行機の償却ができないものですか、どうでしょう。昭和十七年にこの飛行機を製造したときには、どのくらいの価格だったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/23
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024・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) 私はこの飛行機の製造のときの価格、あるいは全日空がその後購入したときの価格を存じませんが、償却は税法上の償却、たしか七年だったと思いますが、この七年でやっておると思います。ただ、この点はちょっと不確実な点もありますので、ある程度保留しておきたいと思いますが、で、全日空につきまして、当該会社につきましては、当初のうちはなかなか財政状態が思わしくなくて、いわば償却をするというだけの収益が上がらなかったわけでございますが、最近におきましては、かなり収益も上がりまして、機材の償却というものは十分にやっておるということでございます。そこで、なおかつ償却をしたあとある程度の利益が出ておりますので、これをもって、わずかではございますが、配当をやっておるということでございます。それからしたがって、私の想像でございますが、当該DC−3につきましても、償却は済んでおるというふうに考えております。
なお、こういう古い飛行機のものを使ったほうが有利であるか、あるいは新しい飛行機を使ったほうが有利であるか、企業経営だけの観点で考えますと、それは必ずしも一がいに言えないというふうに考えます。
たとえば、最近におきまして、いわゆる幹線のジェット化ということが言われておりますし、一部実施しておりますが、この幹線のジェット化につきましては、ある意味では日本の国内の幹線をジェットを飛ばすのは、早過ぎはせぬかというような議論もございますが、いや、航空旅客に対するサービスとして、やはり早いジェット機でもって飛ぶほうがサービスになるという考え方もございます。また、採算上から言いましても、ジェット機は確かに高いわけでございますが、スピードが早いということ、また客席が多いということで、いわば古い飛行機をそのまま使うよりも、早い飛行機でもって大いにお客さんを運ぶということのほうが安いという考え方もございます。したがって、また別個に考えますと、このDC13につきましては、現在は旅客の利用に全日空でも供してはおりませんが、このように貨物機として使っておる。まあ貨物機として使っておるのは、安全性の問題ということではなく——これはまあ私のひとつの考え方でございますが、お客に対しては、古い飛行機ではなかなかお客さんがいわば好まない。ジェット機の旅客機が飛んでおるときに、DC−3なんていうのはサービスにならぬのじゃないかという非難もあるであろう。しかし、貨物の場合に、しかもこれは夜間便でございますので、貨物の飛行機としては、考えようによれば、償却の済んだこういう飛行機でもって貨物を運ぶというのも一つの方法ではないかと、かように考えております。
なお、乗務員の労務の問題でございますが、これはおのおの労働時間というものに規定がございまして、その規定の範囲内で就労しておるわけでございますので、古い飛行機に乗ることによって、特にその意味で過労になるということはないのではないか、あるいは、考えようによれば、DC13というようなきわめてポピュラーな、多く使われた飛行機というもの、しかも、安全性が非常にあるといわれて、世界的に有名な飛行機、こういうもののほうが、あるいは操縦そのものから申しますと、スピードはおそうございますが、比較的容易であるというような点もあるのではないか。したがいまして、一がいに労働の強化になるということも言えないのではないかと、かように考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/24
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025・相澤重明
○相澤重明君 ますますもって私から言わせれば話がけしからぬ答弁だ。なぜかというと、いまはロケットでない限り、無人機でない限り、やはり人の注意力というものはこれはもうたいへんなものですよ。やはり二人でしょう、乗っているのは。副繰縦士は一人でしょう。操縦士と副繰縦士と二人でしょう。これはもうこれより節約ができないでしょうが、まさか、一人というわけにもいかぬでしょうが、ほんとうの話が。戦闘機じゃあるまいし——戦闘機は敵の中に突っ込んでいくというのなら、これは一人でもいいかもしれぬが、普通の生命財産を扱う場合になれば、最低ですよ、二人というのは。いまのこの近代設備の飛行機だったらもう副操縦士も二人も三人もおかなきゃ実際できないでしょう、それだけのいわゆる労働力というものは。注意力といいますかね、いわゆるベテランの者でも、これはやはりそれだけの気は使うですよ。また、あたりまえですよ。空から落ちてしまえば、それが満足に残るなんてことはないですよ。アメリカのパイロットなら、自分でパラシュートで抜けちゃって、飛行機がどこへ、日本の民家に落ちようとかまわないけれども、おそらく現在の日本のパイロットだったら、やはり飛行機を何とか安全に、事故が起きても、最小限度に食いとめようという、飛行機もろとも手配するでしょう。まあアメリカの飛行士は、パイロットは、練習をやっておっても、自分があぶなくなればパラシュートでおりちゃって、それで飛行機はどこへ行こうがかまわない。これは、厚木の海軍基地で、館野さんのうちの人たちの四人も五人も一ぺんに死んだときの事故の原因でもあるのです。そういうのは、各事故を調べてみればよくわかる。だから、私は、この飛行機で二人の乗員というのは最低限度だと——普通の場合ですよ、だから、その人たちが、結局、古い飛行機を改造したものに乗っているわけだ、これは。現実にそうでしょう、昭和十七年製造だというんだから。だから、それは、私は、飛行士の労務契約といいますか、労働契約といいますか、そういうものがあるから、だからそれに指定されたとおりの時間で乗っておりますから心配はありませんなんというようなことは、これは少なくとも、そういう国会答弁というものは……、全く内容を検討しないでそういうことを言うということはけしからぬと私は思う。
そこで私は、きょうは質問をそうすると思わなかったから、資料要求をしておきたいと思う。この飛行機が昭和十七年に製造されたときには幾らで買ったのか。何回構造を改善をしたのか。オーバー・ホールを何回やったか。それで、先ほどの税法上の問題ではあるけれども、一体、これは償却はどのくらいでやっているのか。
それといま一つは、不幸にも、乗員の機長、副操縦士の方がいまだに行くえがわからぬと、こういうことは、労務契約があるかもしれぬけれども、どういう内容なのか。これは出してもらいたい、これは全日空からとって。どういうふうに、操縦士の場合に、あるいは機長の一カ月間のいわゆる行動はなっておるのか、出してもらいたいと思う。それで、特に、いま、計器飛行ですから、おそらく政府の言うように、安全性はだいじょうぶだということを言っておるだろうと思うけれども、特にこれは夜ですわね、飛んでおるのは。そうでしょう。四時何分かだね、これは。だから、そういうことからいけば、この人たちは、この人たちというか、こういう貨物飛行機は、昼間よりは夜飛ぶのが多いんじゃないか、このコースについては。そうすると、やはり幾らなれておるといっても、私は、やはり先ほど申し上げたように、かなり神経的にも使うだろうと思うのですよ。そういうことからいって、この人が一カ月に何日乗るのか。一つ行動が何時間なのか。そういうようなことを、ひとつ調べて報告してもらいたいと思う。で、全体のこの乗員の、そういう勤務日程というものはあるだろうから、そういうものと、それからこの人たち二人のものも、一カ月間のものを取り寄せてもらいたい。そうしないと、私はやはり、なれておる人だからだいじょうぶだとか、飛行機が構造改善をされておるから心配がないというようなことだけでは、事故なんて起こらぬというようなものじゃない。事故が起きたというのは、何らかの欠陥があったはずですよね。だから、いわゆる天候の問題があったのか、機械にそれだけのミスがあったのか、操縦士のミスがあったのか、いずれかは知らぬけれども、何かの欠陥がなければ、事故は起きない。天候もさしてそう悪条件だったということも、別にこれは報告はないでしょう。エアポケットの中に入ったとも書いてない。そういうことから考えると、それも調べて報告してもらいたいと思うが、私は何らかの欠陥があったからこそ事故が起きたのであって、その欠陥を追及していかなければ、やはり今後の航空機の事故というものをなくするわけにいかないわけです。だから、私のものの言い方が少しきつかったかもしれぬけれども、要は事故をなくすることが、われわれとしては一番大事なことだと思う。これは貨物だったからまだいい、これは旅客だったらたいへんなことです。旅客の事故も日本ばかりでなくて外国だってずいぶん大きい事故があるわけです。だからお互いに航空機の事故をなくすることにみなが努力しているのだけれども、現実にこの起きた事故を見ると、私はそういう欠陥がありはしなかったかという心配があるわけです。そういう点でいまの資料要求をしておきますが、ひとつ次回に政府の御答弁をいただきたい。私はそれで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/25
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026・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) ただいま御要求の資料はできるだけ早く整えます。またおっしゃいますように、私どももこういう事故が起きましたときに、何らかの欠陥があったという点は、全く私もさよう考えます。したがって、どこに欠陥があったかということをよく調査いたしたいとかように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/26
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027・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 政務次官おいでですから、政務次官に伺っておきたいと思うのでございます。今度の事故は、ただいま概略が報告されましたから承知をいたしました。いまのところ、局長の答弁を聞いておりましても、原因は不明であります。ですから、その原因なりあるいは事故の起きた理由がわからないままに議論するのはどうかと思いますけれども、とにもかくにも事故が起きてからかなりの日数がたっておりますが、いまだに原因がわからぬ、こういうことでございます。何とはなしに、いま相澤先生もおっしゃったように、貨物輸送ですから、まだその国民に与える心理的な影響というものは、やや旅客機と違いまして若干軽減されていると思いますけれどの、私はこの事故が起きるたびに、政務次官、この航空局の局長以下、幹部の方々がおしかりをこうむるようなことは非常に残念に思うのです。と申し上げますのは、これは日本の航空事故というのは、統計で見てまいりますと、諸外国から見ましてかなり高いのですね。しかも、この全日空は私の知っておる範囲でも、これで五、六回大きな事故を起こしております。こういう経緯から見て、この際は運輸省としてやはり捜索というものをひとつもう一回振り返ってみて、法律上に欠陥があるとすれば、法律をできるだけ運輸省が統一的に捜索のできるような改正をする必要があるのじゃないか、こう思うのです。とりわけ、今回の場合は、われわれはニュースあるいは新聞だけで判断することはよいかどうか別として、せっかくこの捜索をした。ところがただ単なる一個の浮游物を発見して、直ちにその捜索を解除する、こういうふうな事柄から、まことに貴重な三時間半というものは空費した、こういうことがテレビあるいは新聞紙上にも出ています。しかも当初この捜索の中心的な役割りを果たしておったのは、おそらく名古屋かどこかの航空保安事務所だと思うのです。その場合に、そうしたところから何らの指示もなくて、海上保安庁のほうが捜索解除の指示を出したということ、そういう事柄から、結果的にもいま申し上げたような三時間半も貴重な時間を浪費してしまう、こういうことになったと思うのであります。これは、私が運輸政務次官に特にいま申し上げようとしている意味は、毎回、事故が起きると、何かしら、お互いこういう関係の省庁が、責任のがれのために、いろいろ問題が起きてまいりますれば、その言い分を言っているので、今度の場合も、それに類することが——これはまあ航空局長、新聞だけで私はちょっと申しわけないと思うのですが、新聞にもそれらしきことが書いてある。航空局の浜田さんは、法律上わがほうとしては、それほど強い行政上の指示という措置はとられないのである、こういう言い方をしてみたり、あるいは、これに関係したそれぞれの関係の省庁も、あたかも、わがほうの責任じゃないというようなことが、この朝日新聞に出ています。もっとも、これは真意はわかりませんが、出ている。しかし、これを読んだ国民の人々は、一体どういう心境になるか。まあ国民の側から見ると、いいかげんなもんだと、こういう感じ方になるんじゃないか、こう思います。しかも、その発見した場所から名古屋港まで運んできて、これが違っておったと、こういう事柄などというものは、まことに信頼がおけないと、この捜索に当たる関係各省庁の機関というものが見られるのじゃないか。そういうことを非常に心配するあまりに、運輸政務次官に聞くのです。
問題は、やっぱり私は、事故はだれしも起こすために念願してやっている人はないと思う。みんな少なくとも、この飛行機のみならず、各般にわたる運輸交通機関の事故というものは起きないように念願していると思う。しかし、起きた場合には、やはりその事後の対策をすみやかに樹立しなきゃならぬ。とりわけ、飛行機の場合などは、救難そしてまたその捜索、こういうことをスピーディーにやらなければならない性格だと思うのです。
そこで、私は、そういう立場から考えてみると、今度の場合は、そういう点、いささか欠けていたのではないか。しかも、こういう悪い面は、去年の八月に八丈島で藤田航空の飛行機が墜落をしたあの場合にも、ややこれに類似した現象が出ています。ですから、明らかに、この新聞報道機関等についても、捜索体制については八丈島の二の舞いであると、こういうきめつけ方をしておりますが、私は、これが事実だとすれば、当然の批判だと思うのであります。ぜひ政務次官、これを契機に、再びこういう汚名、汚点を残さないようにするために、私は、この捜索体制というものをやはり統一的に確立するように、法律的に欠陥があれば、その法律を直す、あくまでも、やはり私は、運輸省なら運輸省が中心になって、一貫した捜索のできるように、その体制をつくり上げなければならぬものではないか。こう思うので、どうお考えになっておりますか。この関係につきましては、防衛庁の関係もある、それから海上保安庁の関係もありますけれども、捜索の地域、区域等についても、それぞれ省庁のなわ張り争いの関係から、非常に蹉跌を来たしていると、そういうような意味のこともここに書かれております。
で、ほかの問題は、これはどこの行政の問題にしても、こういうことが非常に国会で議論されている問題だが、とりわけ、私は、こういう航空事故の遭難捜索、救援等については、いささかもこういう批判をされるような役人根性を出して、なわ張り争いをするようなことはけしからぬことだと思うのです。こういう点、一体、運輸政務次官——きょうは大臣もおりませんから、国の行政の責任者として、あなたは今後どうしようとしているのか、この点を私は聞かせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/27
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028・大久保武雄
○政府委員(大久保武雄君) ただいま吉田さんの御発言の、全日空の貨物機の事故につきまして、いまだ機体の発見を見るに至っておりませんことは、まことに私どもといたしましても責任を感じております次第でございます。二人の操縦関係の人の行くえはわかりませんし、万一、これが旅客機であった場合のことを想像いたしますならば、ほんとうにたまらないような気持ちでございます。
ただいま御指摘がございましたように、まあ航空事故の起こりましたときの遭難機の所在の問題というものは、非常に困難な要素を含んでおります次第でございます。はるか、だいぶ前になりますが、日航の「もく星号」が三原山で遭難いたしまして、多数の人命が失われましたときも、やはりその機体の所在ということにつきまして、相当一時問題を起こしたように、私は記憶いたしております。その後、御指摘の遭難事故につきましても同じような問題がございましたのでございまして、今回また全日空の貨物機が、その遭難後所在が不明である、かようなことでございます。
そこで、この捜索は、ことに日本の周辺に海を控えておりますので、海か山かといったようなものも含めまして、また、航空路が、こういう特別の天候異変等につきましての不規則な航路をとるということも想定をいたしますならば、非常にこれは判断も困難なところであろうかと存ずる次第であります。しかしながら、そういう諸般の前提を越えてそういう遭難機を捜索するということが、この捜索に従事する諸機関に課せられた任務でもございますので、これらの諸機関の人員は、平素からさような事故に際しての捜索の万全を期するような訓練並びに研究を重ねておくべきものである、かように私は考えております次第でございます。
そこで、それらの諸機関がそれぞれの分野におきまして捜索をいたしまして、それらの中心となって指示し、その捜索の中心になる機関ということになりますと、これはちょっと行政法上むずかしいかと存じますが、要請という方向になろうかと思いますが、その中心となる機関と申しますか、それが現在、航空保安事務所であります。そこで、それはまだ、そういう要請をするにしたって力が弱いじゃないか、もう少しこれは、こういう大事な事故についての指揮とか、もう少し強力な権限を与えるべきじゃないか、必要ならばそれは法制化すべきじゃないか、かようなお尋ねであったように存ずる次第でございます。私どもも、要請ということにいたしましても、人命を含んでの、また、貴重な財産を含んでのことでございますから、諸機関が十分最大の要請にこたえての活動を続けるべきであると存じますけれども、今後、特別の法制をつくることにつきましては、吉田さんの御意見も尊重いたしまして研究いたしたいと存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/28
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029・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 防衛庁、海上保安庁との関係もありますから、次回に私はその関係の諸君を要請しますから、本委会員に出席させるように手配していただきたいと思います。そのときに、もっとこの問題については質問をするつもりでおります。
ただ、政務次官、あなたも検討努力をするということですが、検討努力だけでは簡単に済まされないと思う。去年の八月の事故以来、運輸省はかなり積極的に、その関係省庁に対して、文書を作成をして、つまり、協定書のようなものを作成をして努力されていたはずなんです。ところが、いまだに、それが協定成立したということもわれわれは聞いていないし、新聞紙上を見ますると、それができていない。ただ単なる覚え書き程度で扱っているのであるというふうに聞いている。これも直偽はわかりません、航空局長に聞かなければね。私は、いまの段階で答弁は必要ありませんからけっこうですけれども、新聞には、その覚え書きさえ、横の連絡は非常によくない、とりわけ、今回の場合は、防衛庁と海上保安庁と、さらには、運輸省とのこの救難体制をいかにするかということで足並みがそろわぬ、こう書いていますね。足並みがそろわない。プラスして、たった一個の浮遊物を発見したために、今度は、海上保安庁はかってに捜索中止を指示してしまう。そのために、三時間半も空費してしまった。こうなると、政務次官ね、それは、いまの法律上は確かに、なかなか、各省庁のいま言ったような関係があるから、統制をとって指示したり、命令するようなことになっていないので、困難だと思うが、そういう事柄が今回限りじゃないわけですから、すでにもう去年の八月に、そういう経験を経ているわけですから、ぜひ、これからは——再び起こしたのですね、三たびこういうことがないようにするためにはどうするかということになれば、権限の問題はさることながら、法律的に、やはり救難活動なり、あるいは捜索活動なり、そういうものの体制をきちんとつくり上げていくということなら、法律で、ひとつここでつくり上げていく以外にないと思うのですがね。そういう意味で、いまあなたのお答えの、努力するとかなんとかということでなくて、真剣に運輸省として関係各省庁に、去年の事故以来、いまぼくが申し上げたよりは、性格的に弱いけれども、協定書みたいなものをつくり上げていたことは、われわれも仄聞しているのですから、それをもっと積極的に、しかも、ぼくがいま言ったような性格づけで近い将来に実現するように、私は努力をしなければならぬのじゃないかというふうに思うのですがね。こういう点は、ぜひ運輸政務次官、あなた在任中に、事務次官と相談をして、航空局の局長とも相談をして、運輸大臣を補佐する責任が私はあると思いますから、検討してみていただきたいと思うのです。ただ単に、ここだけの答弁じゃなくて、私は次の委員会でも、その後の検討の進捗状況を聞きますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/29
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030・大久保武雄
○政府委員(大久保武雄君) ただいま吉田さんから御発言がございまましたように、事、多数の人命にもかかわる問題でございまするし、私も、航空の遭難事故の問題は、かつて経験をいたしましたこともございまするし、全力をあげて最大の効果を発揮するように努力いたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/30
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031・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 本件については、一応この程度といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/31
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032・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 次に、鉄道敷設法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑のある方は、順次御発言を願います。——本案に対する御質疑は、本日のところ、ないようでございますので、本案に対する残余の質疑は次回に譲ります。
次回は、二月十八日午前十時開会の予定とし、本日はこれにて散会いたします。
午後三時五分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X00419650216/32
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