1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年五月十八日(火曜日)
午後一時五十分開会
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委員の異動
五月十八日
辞任 補欠選任
鈴木 一弘君 小平 芳平君
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出席者は左のとおり。
委員長 豊田 雅孝君
理 事
上原 正吉君
大谷藤之助君
中田 吉雄君
向井 長年君
委 員
植垣弥一郎君
川上 為治君
岸田 幸雄君
剱木 亨弘君
斎藤 昇君
前田 久吉君
椿 繁夫君
藤田 進君
鈴木 一弘君
奥 むめお君
国務大臣
通商産業大臣 櫻内 義雄君
政府委員
公正取引委員会
委員長 渡邊喜久造君
公正取引委員会
事務局長 竹中喜満太君
通商産業大臣官
房長 熊谷 典文君
通商産業省鉱山
局長 大慈彌嘉久君
通商産業省石炭
局長 井上 亮君
通商産業省公益
事業局長 宮本 惇君
中小企業庁長官 中野 正一君
中小企業庁次長 影山 衛司君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞壽君
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本日の会議に付した案件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査(日本貿
易振興会法及びアジア経済研究所法の改正に関
する件)
○私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法
律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/0
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001・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
まず、委員長及び理事打ち合わせ会の協議事項について御報告いたします。
本日は、委員会提出法律案に関する件の御決定を願ったあと、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案並びに総合エネルギー調査会設置法案の審査を行なうこととなりましたから、御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/1
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002・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) それでは、これより議事に入ります。
産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、日本貿易振興会法及びアジア経済研究所法の改正に関する件の調査を進めます。
本件につきましては、中田君から委員長の手元に、日本貿易振興会法及びアジア経済研究所法の一部を改正する法律案の草案が提出されておりますので、この際、まず提案者から草案の趣旨について説明を聴取いたします。中田吉雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/2
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003・中田吉雄
○中田吉雄君 ただいま議題となりました「日本貿易振興会法及びアジア経済研究所法の一部を改正する法律案」を発議する理由及びその草案につき御説明申し上げます。
この法律案は、これら二つの特殊法人の余裕金の運用方法に改正を加え、これを中小企業向け資金としても運用できるようにしようとするものであります。御承知のとおり最近わが国では日本貿易振興会、アジア経済研究所及び国民生活研究所等、公団、事業団、基金その他の名称による特殊法人が多く設立されており、その数は政府出資のある法人だけでも昭和三十九年度末で五十に達し、政府出資額は合計三千四百七十億円の多きに上っています。今国会でもまた幾つかの新たな法人が生まれております。そしてこれら特殊法人が業務上の余裕金を持った場合に、これがいかなる形で運用されるかと申しますと、大体において、第一に国債その他債券の保有、第二に資金運用部、郵便貯金、銀行その他金融機関への預金、第三に金銭信託という形をとっているのでありますが、細部についてはそれぞれの特殊法人によってかなり異なった取り扱いをいたしております。債券保有にいたしましても、まれには全然許しておらないものもあり、許す場合にも国債のみを認めるもの、さらに主務大臣指定の有価証券の保有を認めるもの等があり、預金にいたしましても、多くは資金運用部、銀行、郵便貯金の三者を認めているのが普通でありますが、場合によりましては、主務大臣指定の金融機関への預金とするものもあり、農林省所管の特殊法人のごときは、一つの例外もなく農林組合中央金庫への預金等と機関名を明記するなど種々の形があります。また金銭信託は中にはこれを認めない特殊法人もままありますが、多くはこれを認めておるのが現状であります。
これら運用方法のうち、債券の保有については国債とあわせて主務大臣指定の有価証券の保有をも認めることが最近の傾向であります。申すまでもなく金融債は一般に貯金よりも有利であり、流動性に富み、かつ政府の監督も厳重に行なわれておりますので安全であります。ことに商工債券、農林債券のごときは、その資金が中小企業、農林水産業に融資されて、高度成長下に立ちおくれた部門の近代化、高度化に貢献し、ひいては日本経済の健全なる発展に資するものであります。したがいまして、特殊法人の余裕金の運用方法として、当然保有を認めるべきものでありまして、政府もこの点にかんがみ、今国会に提出し、最近成立をみました「石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案」におきましては、第三十七条の三を改正し、石炭鉱業合理化事業団も今後は主務大臣指定の有価証券にも余裕金を運用できるようにしているのであります。しかるに、この日本貿易振興会法及びアジア経済研究所法においては依然として旧のままその保有を認めておらないのであります。両者の余裕金の運用先をみますと、アジア経済研究所は普通銀行十行、信託銀行四行、日本貿易振興会は普通銀行十三行、信託銀行五行であり、貿易振興会の余裕金は約四十億円あって、これを銀行預金、金銭信託として運用しているのであります。わが国貿易において中小企業製品の輸出が五割以上を占めることに思いをいたしますれば、貿易振興を目的とするこれら二法人が、中小企業向け金融機関である商工組合中央金庫の発行する債券を保有することで余裕金を運用することは当然許されてもよいと思うのであります。したがいまして、今回この点を改正し、商工債券等も保有できることとし、中小企業金融の資金源充実の一助にしようとするのが本法律案を提出する理由であります。
法律案の内容は、二法における業務上の余裕金運用に関する規定を改正して、通商産業大臣の指定する有価証券を保有することもできることとし、通商産業大臣がこの指定をしようとするときは大蔵大臣と協議することを要することにするものであります。
なおこの際私は、五十になんなんとする特殊法人の余裕金の運用方法についても近く再検討を加え、これが法体系を整備し、かつ商工中金等へも預金ができるように改正することが必要であることも付言させていただきます。
最後に、この発議をお許しくださった商工委員全員の各位に対し、満腔の感謝の誠をささげたいと思う次第であります。
以上がこの法律案を発議する理由及びその草案の要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げるものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/3
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004・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 以上で趣旨説明は終了いたしました。
本草案に関し御質疑、御意見等がございましたら御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/4
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005・向井長年
○向井長年君 いま提案理由の説明がございましたように、この法案は社会党の中田委員が発議されまして、各党、会派、商工委員が共同賛成をして理事会で決定されたものでございますが、当然かかる改正は政府みずからがやらなきゃならぬものだと、こう考えるわけなんです。こういうことが今日までやれ得なかった理由、それからこの法案に対しての所見を通産大臣から伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/5
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006・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) いまから二週間ぐらい前であったか、本委員会の質疑応答の中に、本日の問題についてお尋ねがございました。私も余裕金をそういうふうに利用するということは非常に好ましいと、こういう見地に立ちまして、政府が提案をするようにということでございましたが、ただいま趣旨説明をなさいました中にもございますように、政府みずからがこれをいたす場合に、なお多数の他の機関もございます。そういたしますと、事務手続上からいたしますと、それぞれの機関あるいはその機関の所属する各省というようなふうに全部手続をしてまいりますと、非常な時間を要するということがわかりました。これではどうも政府からやる以上は全部の機関を通じて考えなきゃならない、こういうようなことで御相談を申し上げておりましたところ、ただいまの御説明のとおり、ジェトロ、アジ研についてまずやるべきである、こういうことでございましたので、たいへん恐縮に思いましたが、そのようなお取り計らいについては、私どもとしても異論がないところでございまして、委員会で御発議がございますれば、われわれはそれに賛成をいたしたいと、かように申し上げたのが経過でございました。ただ、さかのぼってそれよりも以前にもっと考えるべきでなかったかと、こう御指摘がございますれば、その点は私どもとして反省をしなきゃならないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/6
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007・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 他に御発言もないようでございますので、中田君提案どおり草案が確定いたしました。よって木草案を、日本貿易振興会法及びアジア経済研究所法の一部を改正する法律案として本委員会から提出することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/7
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008・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、本会議における趣旨説明の内容につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/8
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009・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/9
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010・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 次に、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案につきましては、お手元に配付いたしましたように、衆議院において修正されておりますので、御了承願います。
それでは、まず政府委員から補足説明を聴取いたします。渡邊公正取引委員長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/10
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011・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) ただいま議題になっております私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その内容を簡単に補足説明いたします。
改正案の内容は次の四点であります。
第一は、金融業以外の事業を営む国内の会社で、その資産が一億円をこえるものについて株式所有報告書提出の義務を課しておるのが現在の法律でありますが、それを総資産五億円をこえるものに改めようとするものであります。
第二は、会社の役員または従業員がその会社と競争関係にある国内の会社の役員の地位を兼ねた場合、これらの会社のうちいずれか一つの会社の総資産が一億円をこえるとき役員兼任の届け出義務を課しているのでありますが、それを総資産五億円をこえるときに改めようとするものであります。
第三は、公正取引委員会事務局の地方支分部局として新たに仙台地方事務所を設置しようとするものであります。
第四は、公正取引委員会事務局の定員二百六十六人を十一人増員して、二百七十七人とすることであります。
第一及び第二の改正点につきましては、現行法は、昭和二十八年の法改正以来総資産一億円に据え置かれてきたもので、この間経済の伸展に伴い会社の資産規模は著しく拡大しているので、現行のまま据え置くときは、中小規模の企業にまで提出義務を課すこととなりますので、これらの事情を考慮し、経済の伸展に対応して会社の資産規模を引き上げようとするものであります。
第三及び第四の改正点は、公正取引委員会事務局の機構及び定員の改正であります。これは、最近における物価対策、中小企業対策、消費者行政等の重要性にかんがみまして、公正取引委員会の機構を充実整備し、これらの行政に当たろうとするものであります。公正取引委員会の機構につきましては、従来もその充実に努力してまいりましたが、最近は、物価対策の一環としての違法な価格協定の取り締まり、不当景品数、不当表示の防止、下請事業者の利益保護、歩積み両建て預金の規制等、その業務はますます広範かつ重要性を増しておりますので、現在の機構、定員をもってしては必ずしも十分であるとはいいがたい状況にありますので、本改正により機構の充実強化を行なおうとするものであります。
以上、簡単でありますが、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の内容につきまして御説明いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/11
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012・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 以上で補足説明は終了いたしました。
それではこれより質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/12
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013・鈴木一弘
○鈴木一弘君 最初に伺いたいのは、一億円を五億円に改めたわけですが、二十八年の法改正のとき以来資産が一億円に据え置かれた。で、いまの提案理由の説明を伺うと、そのままでおくと、だいぶ中小企業にまで提出義務を課すようになってきたという話なんですが、二十八年の当時に一億円以下のもので、現在は一億円以上五億円以下という範囲に入ってきたものはどのくらい実際問題として現状あるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/13
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014・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) いま御質問になりました、二十八年当時総資産一億、それがその後現在どうなっているかといった点についての寝は詳細な調査は遺憾ながら持っておりません。ただ、総資産と資本傘の関係を見てまいりますと、大体いろいろな統計から、現状においては総資産一億のものは資本金が大体一千万円ぐらいのもの、それから総資産五億のものは大体資本金が五千万円ぐらい、こういった一応の対応関係は見られるようであります。で二十八年当時、この総資産一億というところでもっていろいろな報告を出しましたのは、全国の会社に対しまして、会社数として当特約四千四百社、パーセンテージにしまして全一体の会社の一・四%という数字がございます。それから昭和三十八年について見ますと、ずっとその一億円が続いておりますために、会社数が三万、それから全会社に対しましてのその三万の数字の割合が約五%、こういう数字がございます。総資産を五億円に改めますと、全会社に対する比率が一・二%ぐらいになるのじゃないか。それで大体二十八年当時におきまして、会社全体に対しての割合が一・四%という数字にかなり近い数字のものが一応提出義務を課せられる会社になるのじゃないか、こういった程度の推定の数字はございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/14
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015・鈴木一弘
○鈴木一弘君 そうすると、こういうことですね。いままで総資産一億円以下であったものが今回五億円に上がると、その一億円から四億円までの間に上がってきたものの数というのははっきりいまつかんでいらっしゃらないわけですね。いまの答弁ですと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/15
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016・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) 要するに、二十八年当時一億円以上で、五億といいますか、そこの間に一億円以下であったものが現在において一億ないし五億の範囲へ上がってきたものの数は、まあ正直言いまして、その後新しく新設された会社とかいろいろございますものですから、いま御指摘のような数字になりますと、まあその後増資によってふくらんだものというものをトレースしていかないと、現在においては一億ないし五億というものでも、その後の新設会社と、それから当時からもうすでにそうであった会社、それから当時は一億以下であったけれども現在五億、こういう三つのカテゴリーに分けて考えてみないと的確な数字は出てこないわけですが、その三つの分類というものが現在の資料におきましては遺憾ながら整備してない、こういうわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/16
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017・鈴木一弘
○鈴木一弘君 五億円にしたために減る数はどのくらいですか、会社数で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/17
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018・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) 三十八年度の場合におきましては五%である、それで約三万の数字であります。今度の改正によりますと、一・二%程度になるわけですから、簡単にちょっと考えてみますと、まあ四分の一程度に減る。したがいまして、三万の四分の一といいますか、七千五百程度が残りまして、二万二千五百程度のものは提出義務はなくなるのじゃないかと、こういうふうな数字になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/18
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019・鈴木一弘
○鈴木一弘君 どうも公取委員長ははっきりした資料から言われないので、目の子勘定みたいな感じを受けるわけですけれども、三十八年の会社数でなく、少なくとも三十九年あたりの会社数、でいっていいわけなんですが、そうすると、いま一つここで伺っておきたいのは、それでは傾向として総資産一億のものが二十八年のときに四千四百社であったが、三十八年には三万社になって、現在五%になっているというわけですから、一年間にふえてくる数は大体見当がつくわけですね。それはどのくらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/19
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020・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) まあこれも概括的な数字で非常に恐縮でございますが、二十八年当時における数字が四千四百、それから三十八年でもって三万ということになりますと、十年間に約二万五千ふえた、こういう数字でございまして、まあ毎年同じようにふえているとは限りませんから、一年間に二千五百ずつふえるというのもどうかと思いますが、十年間に二万五千程度ふえたということは言い得ると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/20
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021・鈴木一弘
○鈴木一弘君 そのふえ方はあとで資料で出してくれませんか。
それから、そういういいかげん——いいかげんというとおかしいですけれども、正確な数字によらないで法改正の問題が出てきたのですが、提案理由の説明の中に、中小企業にまで提出義務を探すと、こういうことで云々というわけですが、まあ独禁法の目的からいえば、中小規模の企業でも報告をしてもらわなければならぬものが品種によっては、品目によっては出てくるだろうと考えられるわけです。これは非常に膨大な、いわゆる提出義務があるために、そういった種類の壁があるために事務的に処理がしきれなくて困るから変えようというものなのか。まあはっきりと現行のままでいったんではわざわざ提出義務があって、出させても非常にむだであるというような理由からくるのか、その辺のところですね、この提案理由の説明の奥にある理由を伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/21
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022・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) 先ほども申しましたように、総資産でもって把握しておりますために、まあ資本金との対応関係を見てみますと、大体一億円の会社というのは、資本金にしまして一千万円くらいの会社ではないか、それで総資産五億というのは資本金にして五千万円くらいの会社ではないか。で御承知のように、中小企業基本法の考え方としまして、まあ五千万円以下の資本金の会社は一応中小企業として把握している。したがって、まあ一億から五億までの総資産のものも一応そうしたカテゴリーに入るものじゃないだろうかということが考えられます。御承知のように、こうした株の所有あるいは役員の兼任ということの届け出を出しますゆえんのものは、結局そうした中小の会社による一定の取引分野における競争制限が行なわれ得るかいなかということをつかもうというのが、この株式所有なり役員兼任を出させるゆえんなんです。もちろんそういったところで、全国的な規模における競争の実質制限が起こり得るということは、これはめったに考えられないわけでございます。ただ、それにしましても地方的な意味のものが考えられるというわけでございますが、大体従来の経験からしまして、その程度のところまで上げてみましても、中央的な競争制限というものがすぐそこでつかまえ切れないということで、非常に弊害を持つということはめったにあるまい。もちろん届け出の義務は免除されましても、地方的な実質的な競争制限があれば、これは別途法上は適用されるわけでありまして、こういう届け出の義務を課しているということは、そうしたものを把握する有力な手がかりにしたいという意味の条文だと思います。それこれ考えていきますと、一つは中小企業の方にこういったような届け出を出させるといったようなことについては、やはり手数を省くということもあっていいのではないだろうか。臨時行政調査会というのが現在通産省を中心に開かれておりますが、この調査会におきましても、こういったような点について考えたらどうかといったような勧告もございまして、われわれのほうとしても、こういった点は引き上げても支障がないのではないか、こういうような一応の考え方に立ちまして改正案を提出したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/22
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023・鈴木一弘
○鈴木一弘君 それだったら、総資産一億円というのをやめて資本で押えたらどうなんですか。中小企業云々の問題が非常に強ければ、資本金幾らということにしたらどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/23
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024・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) 従来の考え方からしまして、会社の力を知るのに資本金で見るのがいいか、総資産で見るのがいいかということは、いろいろ議論のあるところだと思います。独禁法の考え方といたしましては、資本金よりやはり総資産のほうで抑えるほうが会社の実力はより正確に把握できるのではないか。他人資本と自己資本、自己資本における積み立て金とそれから資本金の関係とか、いろいろ複雑なそこに構成があるわけでございまして、会社のやはり力を示すものは総資産というところで押えたほうがいいじゃないか。そのたてまえをずっととってきておりますので、今回の改正において特に資本金に置き直すという必要はないじゃないかというので、総資産というものの考え方はそのまま踏襲しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/24
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025・鈴木一弘
○鈴木一弘君 それだったら並列して総資産で五億円、資本金五千万円以下、こういうような並列した押え方もあったのではないかということも考えられるわけですが。その辺の御考慮はなかったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/25
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026・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) それは確かに一つの考え方であろうとは思いますが、先ほど以来申し上げますようなわけで、総資産で大体会社の力が証明されるのではないかということを中心に考えまして、資本金とどちらに該当するかといったような複雑なこともしなくてもいいのではなかろうかということで、その点につきましては、従来の例を踏襲したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/26
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027・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/27
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028・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 速記をつけて、
都合により暫時休憩いたします。
午後二時二十分休憩
〔休憩後開会に至らなかった〕
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01919650518/28
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