1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年三月十八日(木曜日)
午後二時二十一分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 小柳 勇君
理 事
亀井 光君
岸田 幸雄君
阿部 竹松君
大矢 正君
鬼木 勝利君
委 員
石原幹市郎君
大竹平八郎君
高野 一夫君
堀 末治君
松平 勇雄君
山下 春江君
田畑 金光君
国務大臣
通商産業大臣 櫻内 義雄君
政府委員
通商産業省石炭
局長 井上 亮君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞壽君
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本日の会議に付した案件
○臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案
(内閣送付、予備審査)
○石炭鉱害賠償担保等臨時措置法の一部を改正す
る法律案(内閣送付、予備審査)
○石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法
律案(内閣送付、予備審査)
○産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律
案
(内閣送付、予備審査)
○電力用炭代企精算株式会社法の一部を改正する
法律案(内閣送付、予備審査)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X00819650318/0
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001・小柳勇
○委員長(小柳勇君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。
去る二月十一日、予備審査のため付託されました臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案、石炭鉱害賠償担保等臨時措置法の一部を改正する法律案、及び、同月十二日に予備審査のため付託されました石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案、及び、同月二十二日に予備審査のため付託されました電力用炭代金精算株式会社法の一部を改正する法律案、
以上五案を一括議題とし、順次提案理由の説明を聴取いたします。機内通商産業大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X00819650318/1
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002・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) まず、臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
臨時石炭鉱害復旧法は、昭和二十七年に制定され、過去十二年間に同法により約百七十億円の鉱害復旧が行なわれてまいりました。
しかしながら、今日なお石炭及び亜炭鉱業による残存累積鉱害量は、数百億円に達し、今後の採掘による将来発生鉱害量は毎年十数億円にのぼることが予想され、国土保全及び民生安定の見地から深刻な問題となっております。
このため、早急に全国鉱害の実態を調査し、実情に即応した鉱害復旧の促進対策を講ずる所存であります。しかし、最近の鉱害復旧事業における復旧費の値上がりは著しいものがあり、鉱害賠償義務者の負担は著しく増大してまいっております。したがって、この鉱害賠償義務者の負担を軽減し、本法の目的である国土保全及び民生安定の見地からする鉱害の復旧が円滑に行なわれるようにするため、国等の負担分を適正にする必要があります。
この改正案の内容は、国等の負担分を適正化するとともに、総合的復旧の効果を確保する見地から、家屋等の復旧工事にかかる国及び県の補助率について現行の二分の一を百分の六十五に引き上げること及びこれに伴う関連規定の改正を行なおうとすることであります。
以上がこの法律案の提案理由及び内容であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことを切望する次第であります。
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次に、石炭鉱害賠償担保等臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
石炭鉱害賠償担保等臨時措置法は、一昨年七月、鉱害賠償担保のための積み立て金制度と鉱害賠償促進のための融資制度を設ける目的をもって制定され、その実施機関として同法に基づき鉱害賠償基金が設置されているところであります。同基金は、今日までに約十億円の賠償担保金を管理するとともに、約十七億円の賠償資金の融資を行なってまいりました。
しかしながら、今日、石炭鉱業による残存鉱害量は、なお数百億円に達し、今後の採掘による将来発生鉱害量も毎年十数億円に達するものと見込まれております。
このような実情に対処するためには、残存累積鉱害の処理を促進し、また鉱害の発生を極力防止する対策の拡充につとめることが必要であります。このため、その対策の一環として鉱害賠償基金の従前の業務を強化いたしますとともに、将来発生鉱害を極力防止するため、同基金の業務として、新たに鉱害防止工事の所要資金の融資業務を加え、排水処理、ボタ山崩壊防止、坑内充てん等の工事資金の融資を行なわせることといたしたのであります。
この改正案の主要な内容は、基金の業務に新たに鉱害の防止のための措置に必要な資金の貸し付けの業務を加え、かつ、これに伴い基金の名称を現在の鉱害賠償基金から鉱害基金に改めることといたした点であります。
以上がこの法律案の提案理由及びその内容であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことを切望する次第であります。
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次に、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
御承知のとおり、エネルギー革命の進行に伴い、わが国石炭鉱業は、現在、きわめて困難な状況に置かれております。
政府といたしましては、このような事態に対処するため、従来から、第一次石炭鉱業調査団の答申及びこれに基づく石炭対策大綱に沿って、石炭対策を強力に推進してまいったのでありますが、その後の事態の推移には予想以上のものがあり、いまや従来の施策をより強化する必要が生じているのであります。
このような情勢に対処するため、昨年再び石炭鉱業調査団が編成され、今後とるべき施策について鋭意検討が進められまして、昨年十二月、答申の運びに至ったのであります。
政府といたしましては、答申の直後、この答申を尊重しつつ石炭対策の強化をはかる旨の閣議決定を行ない、今後の石炭対策の基本的方向を明らかにした次第であります。
この方針に沿い、石炭対策推進のための立法措置の一環として、今回石炭鉱業合理化臨時措置法の一部改正を提案いたした次第であります。
この法律案の内容の第一点は、長期的な観点に立って石炭鉱業の安定と石炭の長期安定供給を確保するため、従来の近代化資金貸し付け制度に加え、新たに石炭資源を開発するための新鉱開発資金の貸付制度を創設することとし、石炭鉱業合理化事業団にその業務を行なわせることとしたことであります。この制度は、通商産業大臣が急速、かつ、計画的にその開発を行なら必要があると認めて指定した地域の石炭資源の開発に必要な資金の相当部分を無利子で貸し付けるものでありまして、その償還期間、貸し付け対象設備その他については、従来の近代化資金の場合よりも有利な条件を定めることといたしております。
改正の第二点は、現行の整備資金の保証制度を拡充し、年間生産数量五十万トン以下の中小炭鉱が、その事業を改善するために必要な資金を銀行から借り入れる際に、事業団がその債務保証をすることができるものとしたことであります。
政府は、石炭鉱業に占める中小炭鉱の重要性にかんがみ、その金融の円滑化をはかるため、従来から種々の措置を講じてまいりましたが、この際、新たに運転資金についての信用補完制度を創設し、もって中小炭鉱の経営を改善していくこととしたものであります。
改正の第三点といたしましては、廃止する炭鉱に交付する交付金の財源として、採掘権者または租鉱権者が、毎年事業団に納付する納付金の額の限度を石炭の数量一トンにつき現在の二十円から三十円に引き上げることとしたことであります。
これはスクラップ・アンド・ビルド政策の推進に伴い、四十二年度までのスクラップワクを拡大する必要があり、その財源確保のために、納付金をトン当たり十円引き上げることが必要となったことによるものであります。
第四の改正点は、鉱区の調整をより容易に行ない得ることとしたことであります。
鉱区の調整は、資源の合理的開発と有効利用等の観点から積極的に推進する必要があり、このため、従来のような鉱区が錯綜する地域においてのみならず、鉱区が隣接する場合においてもその鉱床の合理的、一体的開発、鉱業の円滑な実施等の見地から見て必要と認められる場合には鉱区の調整を行ない得ることといたしました。
なお、以上のほか、事業団の余裕金の運用の方法の拡大、事業団の監事の権限の強化等の改正もいたしております。
以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同下さいますようお願い申し上げます。
次に、産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
御承知のとおり、エネルギー革命の進行に伴う石炭鉱業の不況と、これに対処するための合理化の進行に伴い、産炭地域の経済は急速に疲弊し、種々の深刻な問題を生ずるに至りました。
政府といたしましては、このような事態に対処するため、従来から、産炭地域に石炭鉱業にかわる新たな鉱工業等を導入することによってその発展をはかるため、諸種の対策を講じてまいりました。
この結果、相当数の企業の産炭地域への進出がみられるに至りましたが、昨年の石炭鉱業調査団も指摘したように、いまだ地域振興の中核となるような産業の成立をみず、地方公共団体の財政の悪化もあって、経済的疲弊の影響が各種の好ましくない社会状況を現出しているのが産炭地域の現状であります。
こうした状態に対処するためには、地方財政政策や社会対策措置を講ずると同時に、資金の確保や税制上の優遇措置とあわせて、道路、港湾等の公共事業を促進して、産炭地域の産業基盤の急速な整備をはかることにより、中核となる企業の導入、育成をはかることが不可欠の要請であります。
また、これと同時に、住宅や厚生施設などの生活基盤の整備が産業基盤の整備と均衡を保って行なわれるのでなければ、せっかく整備された産業基盤も、真にその効果を発揮することができないことは言うまでもありません。
しかしながら、産炭地域の地方公共団体は一般にその財政状態が悪化しており、産炭地域振興上必要なこれらの公共事業を十分に実施することが困難な状況にあります。
したがいまして、国がこのような地方財政上の隘路を解消し、産炭地域における産業基盤及び生活基盤の整備のための公共事業が促進されるような措置を講ずることが必要であると考える次第であります。
この法律案は、このような考え方をもととして、国が産炭地域の地方公共団体に対して財政上の援助をすることとし、これに必要な規定を産炭地域振興臨時措置法に改正追加しようとするものであります。
改正規定の主な内容は次の二点であります。その第一は、道県に対する援助措置として、地方債の利子補給を行ならことであります。道路、港湾、住宅等政令で定める事業が産炭地地域内で活発に行なわれ、関係道県が通常の負担額以上の負担をすることとなった場合に、その部分について発行を許可された地方債について、その利子支払い額の一部を補給することといたしております。
第二は、市町村に対する援助措置として、国の負担割合の特例を設けることであります。道路、港湾、住宅、厚生施設、教育施設等政令で定める事業を、市町村が通常の事業量をこえて実施した場合、国の負担割合を通常の割合の二割五分増しの範囲内で引き上げることといたしております。
なお、これらの措置の適用期間につきましては、地方債の利子補給については、利子支払いが長期にわたることにかんがみ、昭和五十五年度までといたしており、また、国の負担割合の特例については、産炭地域振興臨時措置法の失効の年度までといたしております。
以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
次に、電力用炭代金精算株式会社法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
エネルギー革命の進展に伴う石炭鉱業の構造的不況に対処して、政府におきましては、従来から第一次石炭鉱業調査団の答申及びこれに基づき閣議決定された石炭対策大綱に沿って、施策の充実につとめてきたところであります。
しかしながら、その後の事態の推移には予想以上のものがあり、このため、昨年再び石炭鉱業調査団が編成され、慎重審議の後、昨年十二月、今後のとるべき施策について答申がなされました。
政府といたしましては、この答申を受けて、これを尊重しつつ石炭対策の強化をはかる旨の閣議決定を行ない、今後の石炭対策の基本的方向を明らかにした次第であります。
石炭鉱業の再建をはかるためには、需要の確保、鉱山の近代化、合理化等による生産体制の確立、労務者の確保、企業収支の改善等を総合的に進めていくことが必要であることは言うまでもありませんが、石炭鉱業の現状から見まして、企業収支の改善は、これらの諸施策の中心として特に強力に推進する必要があり、このため、政府は、石炭企業に対して、政府関係機関の既往貸し付け金にかかる利子補給等の措置を講ずることとするとともに、需要部門に対して炭価の引き上げを要請することととしたのであります。
そのためには、石炭需要の大宗を占めている電力用炭について、炭価の引き上げを実効あらしめ、かつ、その供給を円滑にするための措置を講ずることが必要不可欠であり、今回、電力用炭代金精算株式会社を改組して、その機能を強化することが適切であると考えた次第であります。
この法律案は、電力用炭の価格の安定、積み地電力会社と揚げ地電力会社との間における炭価引き上げ幅の調整、石炭の供給の円滑化等をはかるため、電力用炭代金精算株式会社の名称を電力用炭販売株式会社とするとともに、その電力用炭代金の一手受け渡し事業を廃止し、それにかえて電力用炭の一手購入及び一手販売に関する事業等を行なわせることといたしますとともに、この事業に関し、主として次に申し述べますような所要の規定を定めたものであります。
その第一点は、電力用炭販売株式会社の事業の実施についてであります。
この会社は、石炭の販売業者及び電気事業者から電力用炭の販売及び購入の申し込みがあり、その申し込みの内容が合致しているときは、これに従って、通商産業大臣が定めた購入価格及び販売価格により電力用炭の購入及び販売を行なわなければならないことといたしました。
第二点は、電力用炭の購入または販売の契約の制限についてであります。
石炭の販売業者及び電気事業者は、電力用炭の販売または購入の契約をしようとするときは、電力用炭販売株式会社としなければならないことといたしました。
第三点は、電力用炭の供給の円滑化をはかるための通商産業大臣の指示についてであります。
通商産業大臣は、特定の地域において電力用炭の供給が著しく不足した場合等には、電力用炭販売株式会社に対し、その供給の円滑化をはかるため必要な措置を講ずるよう指示するものといたしました。
以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださるようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X00819650318/2
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003・小柳勇
○委員長(小柳勇君) 五法案に対する質疑は、これを後日に譲ることといたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時三十七分散会
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