1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年二月四日(木曜日)
午前十時四十三分開会
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委員の異動
二月三日
辞任 補欠選任
堀本 宜実君 八木 一郎君
北條 雋八君 鬼木 勝利君
二月四日
辞任 補欠選任
上林 忠次君 後藤 義隆君
三木與吉郎君 中野 文門君
八木 一郎君 堀本 宜実君
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出席者は左のとおり。
委員長 柴田 栄君
理 事
栗原 祐幸君
伊藤 顕道君
委 員
後藤 義隆君
塩見 俊二君
中野 文門君
堀本 宜実君
村山 道雄君
中村 順造君
田畑 金光君
国務大臣
法 務 大 臣 高橋 等君
大 蔵 大 臣 田中 角榮君
通商産業大臣 櫻内 義雄君
運 輸 大 臣 松浦周太郎君
国 務 大 臣 高橋 衛君
政府委員
防衛政務次官 高橋清一郎君
防衛庁長官官房
長 小幡 久男君
防衛庁教育局長 島田 豊君
防衛庁参事官 麻生 茂君
防衛庁参事官 志賀 清二君
防衛施設庁長官 小野 裕君
防衛施設庁総務
部長 沼尻 元一君
防衛施設庁施設
部長 財満 功君
経済企画庁長官
官房長 村上孝太郎君
法務大臣官房司
法法制調査部長 鹽野 宜慶君
大蔵大臣官房長 谷村 裕君
通商産業大臣官
房長 熊谷 典文君
運輸大臣官房長 堀 武夫君
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本日の会議に付した案件
○運輸省設置法の一部を改正する法律案(内閣送
付、予備審査)
○法務省設置法の一部を改正する法律案(内閣送
付、予備審査)
○国の防衛に関する調査
(青森県三沢射爆場における航空自衛隊機の誤
射事件に関する件)
(太田大泉飛行場及び水戸射爆場の返還問題に
関する件)
(米軍の航空機事故に関する件)
○通商産業省設置法の一部を改正する法律案(内
閣送付、予備審査)
○経済企画庁設置法の一部を改正する法律案(内
閣送付、予備審査)
○大蔵省設置法の一部を改正する法律案(内閣送
付、予備審査)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/0
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001・柴田栄
○委員長(柴田栄君) これより内閣委員会を開会いたします。
まず委員の異動について御報告いたします。
昨日北條雋八君、本日上林忠次君、三木與吉郎君が委員を辞任せられ、その補欠として鬼木勝利君、後藤義隆君、中野文門君が選任せられました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/1
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002・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 運輸省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。松浦運輸大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/2
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003・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) ただいま議題となりました運輸省設置法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
今回の改正の第一点は、運輸省の所掌事務に、委託による飛行場の工事の施行に関する事務を加えることであります。
飛行場の工事は、特殊な技術と経験を要するものでありますので、地方公共団体等が飛行場を設置する場合、みずからその工事を実施することが困難な場合も生じますので、そのような場合、必要と認めますれば国が委託に応じられることといたしたのであります。
改正の第二点は、港湾審議会に港湾の管理に関する重要事項を調査審議させることであります。
港湾審議会は、港湾計画等港湾の開発に関する重要事項を調査審議する機関でありますが、最近における港湾の急速な発展、港湾整備五カ年計画の改訂等に伴い、港湾管理者の財政基盤の強化、港湾施設の効率的使用の確保、広域港湾のあり方等港湾の管理に関する諸問題についても検討する必要が生じてきたのであります。したがいまして、従前からの港湾の開発の問題とあわせてこれらの問題についても同審議会で調査審議することといたしたのであります。
改正の第三点は、臨時鉄道法制調査会の廃止に伴う関係規定の整備を行なうことであります。
臨時鉄道法制調査会は、鉄道に関する法制に関する重要事項を調査審議するため昭和三十八年四月に設けられたもので、その存続期限は本年三月三十一日までとされております。同調査会は、発足以来二十数回にわたる審議を重ね、近くその審議を終わる運びとなりましたので、このたび同調査会の廃止に伴う関係規定の整備をいたすことといたしたのであります。
改正の第四点は、港湾建設局の所掌事務に飛行場の建設、改良及び災害復旧に関する国の直轄の土木工事の施行に関する事務を加えることであります。
飛行場の建設等の工事は、現在、航空局と航空保安事務所で行なっておりますが、地方支分部局である航空保安事務所は航空機の運航の安全に関する事務を主としております関係上、その工事の大部分は本省の航空局で行なっており、そのため、工事の実施においてとかく円滑を欠く状況であります。したがいまして、今回、土木工事を専門に実施しております港湾建設局にこの飛行場の建設等の工事に関する事務を移し、所掌事務の合理化をはかることといたしたのであります。これに伴いまして、港湾建設局の管轄区域に若干の修正を加えることといたしました。
改正の第五点は、事務の円滑な処理をはかるため、運輸省の常勤の職員の定員を三万二千五百六十一人から三万二千七百三十四人に改めることといたしたことであります。
このほか、空港整備事業の事務費を港湾整備勘定で経理するため、この法律案の附則で港湾整備特別会計法の一部を改正することといたしております。
以上が、この法律案を提案する理由であります。
何とぞ、慎重審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/3
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004・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 本案の自後の審査は、都合により後日に譲ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/4
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005・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 法務省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。高橋法務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/5
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006・高橋等
○国務大臣(高橋等君) 法務省設置法の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明申し上げます。
この法律案の改正点の第一は、法務省における定員規模の適正化をはかるため、法務省の職員の定員を改めようとする点であります。
法務省におきましては、法務省設置法第十三条の十七において、その職員の定員が定められているのでありますが、今回の改正は、これを、法務本省について九十八人増加しようとするものでありまして、右の人員は、すべて法務省における業務の運営の適正化をはかるための新規増員であります。なお、この増員は、法務局及び地方法務局における登記事務の増加に対処し、並びに少年院を新設するため真に必要やむを得ないものであります。
改正点の第二は、鈴蘭台学園の名称及びその位置を変更するとともに、青森県東津軽郡平内町及び帯広市に少年院を新設しようとするものであります。まず、鈴蘭台学園の施設は、その老朽の度がはなはだしいのみならず、同学園の構内には公道が縦貫しており、さらに周辺地域一帯が近年住宅地として急速に開発されている等の事情にかんがみ、現在においては少年院の所在地として不適当な環境となってまいったのであります。そこで、政府といたしましては、早急に同学園の施設を他に新営すべく鋭意努力いたしました結果、兵庫県加古川市所在の国有地の一部を新施設の敷地とし、近く少年院を開設し得る運びとなりましたので、同学園の位置を右加古川市に変更するとともにその名称を播磨少年院と改めようとするものであります。次に、少年院における教化活動を充実強化して、非行少年に対する矯正教育を有効適切ならしめるため、少年院を増設する必要があると認められますので、青森県東津軽郡平内町及び帯広市に新たに青森少年院及び帯広少年院を設けようとするものであります。
最後に、法務省設置法の別表の整理についてでありますが、村を町とする処分に伴い、法務局及び地方法務局の名称、位置及び管轄区域を定めている同法の別表三について整理の必要が生じましたので、所要の整理を行なおうとするものであります。
以上が法務省設置法の一部を改正する法律案の趣旨であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/6
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007・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 本案の自後の審査は、都合により後日に譲ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/7
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008・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 次に、国の防衛に関する調査を議題といたします。
ただいま政府側より高橋防衛政務次官、小幡官房長、麻生、志賀両参事官、島田教育局長、小町防衛施設庁長官、沼尻総務部長、財満施設部長が出席いたしております。
質疑の通告がありますので、これを許します。伊藤君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/8
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009・伊藤顕道
○伊藤顕道君 新聞の報道によりますと、去る二日の日に、米軍の三沢基地近くで、航空自衛隊のF104Jが標的を誤認して誤射したという事件がございました。もう日もだいぶたっておりますので、この真相をありのまま詳細具体的にまず御報告いただき、その報告に基づいて若干質問をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/9
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010・高橋清一郎
○政府委員(高橋清一郎君) 三沢射場の誤射事件につきまして御報告申し上げたいと存じます。
二月二日の十時三十分ごろでありますが、青森県三沢射場におきまして空対地の射撃訓練中の航空自衛隊第二航空団所属F104J二機編隊の二番機、操縦士は板垣肇二等空尉でありますが、この二番機は、三沢射場標的南方約二キロの高瀬川放水路工事現場にありました佐川組所有のブルドーザー等五台を標的と誤認いたしまして、その付近を誤って射撃いたしましたような次第でございます。人員、物件につきましては幸いにいたしまして被害はございませんでした。
なお、本件は操縦士の過失によるものでございます。まことに遺憾にたえません。深くおわび申し上げる次第でございます。なお、詳細につきましては政府委員より説明させます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/10
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011・島田豊
○政府委員(島田豊君) ただいまの事故の概要につきましては政務次官から御説明いたしたとおりでございますが、細部につきまして若干補足して御説明申し上げたいと存じます。
この編隊は、千歳の第二航空団を出発します前に、現地の標的の状況等につきまして説明を受けて出発しておりますが、この射撃を実施いたします十時三十分の約十分前、十時二十一分、標的を確認いたしますために、海面に沿いまして南から北にかけまして高度約二百フィートの上空で通過をいたしております。その後、標的上空通過後に右旋回して海上に出まして、第一番機は射撃線に入り射撃を終了いたしました。同じ要領で十時三十分に正規の進路に入って射撃をいたしたのでありますが、問題の二番機は一番機の後方約二千五百フィートの間隔で追従いたしましたが、標的の位置と判断いたしました地点に黄色の物体数個を視認しましたので、射撃を射距離約二千フィートから約千六百フィートの間、高度約三百フィート——百メートルでございますが——で射撃をいたしたと、こういうことでございます。当時の射的は三メートルの立方体の標的を六個設置いたしておったのでございますが、これは黄色で、当時非常に天候が悪くて、雲高が約二千八百フィート、視程が三マイル、海上におきましてはみぞれが降っておったという天候でございまして、地上は雪におおわれておりますので、黄色い標的を設置いたしておりますが、たまたま標的と誤認いたしましたこの佐川組の工事現場にありましたブルドーザー等の物体がやはりこれも同じ黄色でございましたので、そこに標的と誤認したという実情でまいったのでありますが、そういうことで標的と誤認いたしまして、工事現場に向かって射撃した、こういうことでございます。ただいま政務次官から御説明ございましたように、これは操縦士の過失でございまして、まことに遺憾にたえない次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/11
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012・伊藤顕道
○伊藤顕道君 御説明によって概要がわかったわけですが、政務次官の、また相次いでの御説明でも、これは操縦士の過失だというふうに簡単に片づけておるわけです。私はそうじゃないと思うのです。そういうことについては、順次順を追うてお尋ねしたいと思いますが、そこで、あまり問題がなかった、損害はなかったということですけれども、このことについても大いに異論があるわけです。なるほど生命、身体、そして民家の財産等には支障なかったのでありましょうけれども、その人心に与えた不安という、精神上の不安というものはぬぐうべくもないと思うのです。精神上のものについては、問題にしないといえば話は別ですけれども、そういうことではないと思うのですね。人心に不安を与えたということについては、大いに問題がある。しかも民生安定ということを高らかに標傍しておる防衛庁が、そういう民生の安定という点からだけ考えても、精神上の不安はぬぐうべくもない。こういう問題については、順を追うてお尋ねするわけですが、まずお伺いしたいのは、F104Jに搭載しておるいわゆる機関砲ですね、これは具体的にはどういう口径とか、威力ですね、こういうものについてまず第一番御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/12
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013・島田豊
○政府委員(島田豊君) F1O4に搭載しております機銃は二十ミリ機銃でございます。当日使用いたしましたたまは訓練弾でございます。当日は二百発搭載しておりまして、性能といたしましては一分間に四千五百発を発射できる機関銃でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/13
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014・伊藤顕道
○伊藤顕道君 そこで、ブルドーザーを標的と誤認して誤射したわけですが、そのたまは幸いに射撃があまり的確でなかったので、むしろ幸いがあって、もしブルドーザーに当たれば、ブルドーザーには操縦士が乗っておったわけです。射撃が不正確であったので、人命は助かったわけです。こういう威力を持った、しかもたまが一発でも当たれば、人間のからだは吹っ飛んでしまうと思うのですが、幸い射撃に関する限り未熟であったので、いいぐあいに標的を避けた。そういうことでありますけれども、新聞などの報道によると、前後の距離は約一メートル、それが百メートルに及んで発射された。そういう実情をもう十分御調査の上と思うので、そういう点についてもお知らせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/14
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015・島田豊
○政府委員(島田豊君) 当日発射されました弾丸は八十四発でございますが、一台のブルドーザーの左右二メートル内外の地点に着弾いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/15
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016・伊藤顕道
○伊藤顕道君 それでは私の問いにまだお答えしてないのですが、前後大体どのくらいの距離に、地上に落ちるものか、そうして延長は、最初のたまから最後のたまの距離ですね、こういうことが一緒に関係するわけですね。市街に、もしその辺に民家があったら、たとえば百メートルの距離であったとすれば、ブルドーザー自体は幸い無事であったけれども、百メーメトル前方の民家に当たったとか、そういうことになるわけですね。その距離はどのくらいですか。間隔と想定の距離。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/16
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017・島田豊
○政府委員(島田豊君) 距離、間隔につきまして私案は詳細にまだ調べておりませんが、当日の事故の状況を申し上げますと、二メートル内外の地点に集中的に着弾したというふうに承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/17
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018・伊藤顕道
○伊藤顕道君 まだ調査していないという、これはちょっとおかしいですね。もうその当時、いち早く大新聞は論調をそろえて、その距離は、まずたまとたまとの距離は約一メートルで、最初のたまから最後のたまの間は約百メートル、こういうことはちゃんともう新聞は報道しておる。そう根拠のないことではないのですね。現地に行って現地で調査した結果そういうことになっておるわけです。しかも先ほどの御説明では、この二十ミリの、これはバルカン砲だと思いますね。バルカン砲でしょう。一分間に五千発近くも発射される。こういうことだと、結局人間の住んでおる近くではなかなかこういう射撃は不適当だと、こういう地点で、たとえ標的の近くでも射爆場の近くでこういう訓練をやることは非常に危険だと、そういう結論になると思いますね。当日は、たまたま八十四発撃ったということでありますけれども、一分間に約五千発近く発射されるということであると、その五千発のたまとたまとの距離が約一メートルと計算すると膨大な距離になるわけですね。したがって、こういう点についてはどういうふうに認識しておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/18
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019・島田豊
○政府委員(島田豊君) 現在、104の対地射撃はこの三沢の射場で実施したのが初めてでございます。したがいまして、射場の状況に応じまして射撃についてのいろいろな基準を定めまして、そういう場外にこれが飛散するというような事故が起こらない方法で射撃をする、こういうことになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/19
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020・伊藤顕道
○伊藤顕道君 ただいまもお伺いしたように、標的と誤認したブルドーザーは標的から約千五百メートルほど離れておったということなのですが、これはピストルとかあるいはライフル銃の射撃場であるならば、その射撃場から千五百メートルも離れておればまずまず安全とわれわれでも認められるわけですね。ところが、これは空対地の、しかもマッハ二以上も出し得るF104Jからの射爆だとすると、これはわれわれが計算してみても一秒狂うと地上では約六百メートルの距離になるわけですね。一秒間に、ちょっと観測を間違うと。こういうことになると、二秒間間違うと千二百メートルということになるので、よほど人家から離れたところにその射爆場を置かないと相当危険が伴うのではなかろうかと、われわれしろうとでもそういうふうに感知されるわけです。この点はどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/20
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021・島田豊
○政府委員(島田豊君) この三沢の射場は、当日は南から北に向けまして射撃をいたしておりますけれども、本来は東西、要するに海面に向かって射場の範囲が設定されておるわけでございますが、当日は非常に、先ほど申しましたように、海上の天候が悪くて気象条件が悪いので臨時的に南から北へ、こういう射撃をしたのでございます。したがいまして、当然ただいま伊藤委員からお話ございましたように、非常にスピードが速い飛行機でございますので、操作につきましては十分そういう点は考慮に入れて訓練したということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/21
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022・伊藤顕道
○伊藤顕道君 新聞の報道によりますと、米軍の三沢基地の射爆場は東西に長くて南北に短い、こういうことになっているようですが、そういう前提に立って、平素の訓練はいわゆる東西に長いのだから、西から東の太平洋上に抜ける、こういう日ごろ訓練を繰り返しておった、こういう説明なんですが、これが間違いがあればひとつ指摘していただきますが、そういう前提に立つと、当日はたまたま東の太平洋上が非常に天候が悪かった。したがって、ふだんやらない南から北へやった、しかも地図を調べますと、標的とブルドーザーは南北大体一直線上にあるようですね。どちらも、たまたまブルドーザーも黄色いけれども、標的も大体黄色であった、そういう建物であった。こういうことで、この当日のパイロットがどのような訓練程度であったかということについては、後ほど伺うこととして、これはそういうことであれば、しかも、天候が非常に悪い中で南から北に、ふだんやらない南から北への訓練をやった、そういうところに相当無理があるのではなかろうかと思うのですね。最初の御説明では、これはパイロットの過失であったと簡単に片づけている。そのパイロットが特に劣悪の技術の持ち主であれば、これはまた過失ということも言い得ましょうけれども、説明によると、二尉である、二尉でしょう。相当訓練した者、後ほどいわゆる滞空時間とか、そういう航空歴については詳細お伺いいたしますが、こういう前提に立つと、最初過失だ過失だと片づけているのですけれども、これはちょっと残酷ではなかろうか、こういう情勢、客観情勢から見ても。この点はどうだったんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/22
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023・島田豊
○政府委員(島田豊君) 本人は、後ほど御質問がございますれば、飛行時間等について御説明いたしますが、相当な経験を持っているのでございます。そして、一番機は標的に向かいまして、射撃をいたしまして、別に特に支障があるような事態ではなかったわけでございます。やはり、本人が十分最初、一回上空をパスいたします場合に、標的を確認しているということが非常に大事なことでございまして、その辺の本人の視認の状況につきましては、なお、詳細に調査いたしまして、その上でないと結論を出すことはできませんけれども、やはり大きな原因は誤認だというふうに考えます。また、さらにそういうふうに、南北の射場の距離が非常に狭いという点から、標的の確認等につきましては、特別の注意を払ってやるべきではないかというふうに考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/23
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024・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この問題はいまお伺いしている点が一つの大事なポイントだと思うのです。
そこで、大臣の出席を要請したわけです、非常に重大ですから。衆議院の予算委員会に御出席中というので、真にやむを得ないということで、政務次官お見えになっているようですから、政務次官としてはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/24
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025・高橋清一郎
○政府委員(高橋清一郎君) 実を申し上げますと、この空対地射撃訓練としましては、自衛隊発足より以来初めての場でございます。それだけに技術面等におきまして、未熟の点が、なお、今後大いに検討を要するという面が確かにあったということがはっきりわかった場面ではなかろうかと思うのであります。そういう点から考えますると、これは大きな今後の訓練の場におきまして、示唆となりまして、こうもしなければならぬ、こうした場合にああもしなければならぬというような、こまかい配慮を伴う場面が、まず検討を要する面が大いに出たと、はっきり正直に申し上げたほうがよかろうと思うのであります。そうした場合におきまして考えた場合、まことに遺憾なことであり、誤認ということで片づける意味ではございませんけれども、今後正姿勢をもちまして、こうした事故が二度と出ませんように、シビリアンはもちろん政府内等々におきましても密接な連絡をとり、指導そのよろしきを得たいと覚悟をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/25
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026・伊藤顕道
○伊藤顕道君 最初の御説明では、政務次官等にも繰り返しお伺いしておるように、これはパイロットの過失であると言い切っているわけです。で、何らこういう悪条件下に無理強行したということについての反省は一言もなかったわけです。重ねてお伺いしているうちに、今後十分この点は検討をしたいと、やや遺憾の意を表している。これは最初お伺いしたように、真相ありのまま御報告いただきたいということをお願いしたわけです。あやまちを二度繰り返してはいかぬという立場からお伺いしているわけです。そういう点からいうと、はなはだ遺憾だと思う。私どもしろうとが考えても、先ほど来説明しておる一秒間狂えば六百メートルも、地上ではそういう離れた距離になってしまう、こういう情勢の中で、しかも南北には非常に距離が短い。ふだんは長い東西でやっている。当日は天候が悪い上に、しかも距離が短い。南北の距離を南から北へ、しかも一直線上にブルドーザーが、同じ黄色い色をしておった。ブルドーザーも標的も黄色かった。これは間違うのがむしろ当然ではなかろうかとさえ考えられる。一面ですよ。一面過失もあったでしょうけれども、誤認だから確かに過失ではあったでしょうけれども、ただ過失だけで片づけられる問題ではなかろう。こういう点で真相をお伺いしているわけです。したがって、ありのまま御報告いただかないと、お答えいただかないと、この問題は解決しないと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/26
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027・島田豊
○政府委員(島田豊君) 今後の対策につきましては、ただいま政務次官からお話がありましたが、長官の指示を受け、空幕のほうで航空総隊司令官なりあるいは飛行教育集団司令官に対しまして、かねてこういう飛行の安全、事故の防止ということにつきましては厳重に注意をいたしておるところでございますけれども、この事故にかんがみまして、標的の誤認防止という点につきましては、特に射場内外の偵察を慎重に綿密に実施いたしまして、標的、あるいは標的にまぎらわしい物件の状況につきましては、事前にパイロットに十分な説明をする。また、射撃にあたりましては、標的及び標的間の境界線、射場の境界線の確認を慎重に行なうということ、それから射場の状況、たとえば地表の状況でありますとか、当日の天象、気象の状況等を十分考慮いたしまして、訓練につきましても無理のない訓練を実施するということ、それから射場の使用統制権者と十分密接に連絡いたしまして、射場の統制を厳正に実施する。たとえば非常に悪天候の場合には、その射撃訓練を中止する、こういうようなことで、今後の事故防止対策をはかるように指示をいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/27
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028・柴田栄
○委員長(柴田栄君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/28
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029・柴田栄
○委員長(柴田栄君) それでは速記を起こしてください。
それではただいま質疑の途中でございまするが、この際一時中断いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/29
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030・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題として、提案理由の説明を聴取いたします。櫻内通商産業大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/30
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031・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) お許しを得まして御説明を申し上げます。
お手元に資料を差し上げましたが、通商産業省設置法の一部を改正する法律案について、その趣旨及び提案の理由を御説明申し上げます。
改正の第一点は、通商産業省の本省に貿易振興局を設置することであります。
当省は、激しく変動する国際経済情勢に即応した通商政策を適時適切に展開すべく、現在、通商局において、各般にわたる輸出振興関係の事務、低開発国に対する経済協力関係の事務、近来とみに交渉の深まったガット、OECD等国際機関関係の事務、各種通商協定、貿易取りきめ等二国間交渉関係の事務、輸入自由化関係の事務などきわめて広範囲にわたる事務を鋭意遂行しつつありますが、近時その事務屋の著しい増大を見るに至っております。のみならず、その多くは対外経済交渉を伴う関係上高度の判断を要するものであるため、一人の局長をもってしてはとうていこれに対処し切れない状況になっておりますとともに、他方現在の通商局の規模は各省内部部局に例を見ないほどの膨大なものとなっており、組織面から見ても一人の局長の内部管理能力の限界をこえている実情にあります。
したがって、現在の通商局を二局に分割して円滑な事務処理体制を確立することが、この際、急務であると考えられ、現下の最大の政策課題である輸出の振興とこれに密接に関連する経済協力とを一体として強力に推進するものとして貿易振興局を新設したいと考える次第であります。
なお、貿易振興局の設置に際しましては、機構の膨張抑制の見地から、現在の通商局の輸出振興部はこれを廃止することといたしております。
改正の第二点は、定員百三十九名の増加であります。
定員につきましては、その新規増加は厳にこれを抑制するとの方針で臨んでおりますことは申すまでもありませんが、今回の定員改正は、特許庁の審査審判事務の促進、試験研究所の機能の充実等真にやむを得ない事項について最小限度の増員を行なおうとするものであります。
以上が、この法律案の提案の理由及びその概要でありますが、改正点はいずれも焦眉の急となっている事項でありますので、何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/31
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032・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 本案の自後の審査は、都合により後日に譲ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/32
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033・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 次に、経済企画庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。高橋経済企画庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/33
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034・高橋衛
○国務大臣(高橋衛君) 経済企画庁設置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
この法律案におけるおもな改正点の第一は、経済企画庁に、新たに国民生活局を設けること、第二は、国民生活向上対策審議会を改組すること、第三は、経済企画庁の職員の定員を改めることであります。以下その内容の概略を御説明申し上げます。
まず、国民生活局の設置について申し上げます。
わが国経済は、近年の著しい発展によって、産業構造の高度化、国際競争力の強化、所得水準の向上、雇用状態の改善など目ざましい成果をあげてまいりました。しかしながら、他方、この間において、ややもすれば、国民生活の質的な面がおろそかにされがちとなり、さらに、その向上を阻害するような諸事情も見られるようになっておるのでありまして、今後は、これらの阻害要因を積極的に取り除くのみならず、経済成長の成果が真に国民福祉の向上に結びつくよう強力な施策を推進すべきであると思われます。
このような課題に対処していくために、この際独自の使命を持った国民生活行政が新しく展開されることが必要であると考えられます。この国民生活行政の理念は、経済発展と社会開発とを調和的、均衡的に推進し、完全雇用を達成し、所得の向上とその格差是正をはかるとともに、物価の安定、生活環境の整備、社会保障の充実などにつとめ、国民全体が豊かで合理的な生活を享受し得るような高度の福祉社会を実現することであります。
そのため、第一に、将来の合理的な国民生活の水準と構造を究明し、その実現のため、経済諸資源が適正に配分されるよう、各種の施策が果たすべき役割りと位置づけを行ない、総合的、計画的観点から施策の推進をはかっていくことが必要であります。
第二に、消費者物価の上昇や新製品の出現、販売競争の激化等による商品選択の困難、生活環境整備の立ちおくれ等国民の日常生活の面で保護ないし改善されるべき分野がきわめて多くなっておりますので、この面においても総合的観点から一般消費者の保護、生活環境の整備その他国民の日常生活の改善、物価の安定等の諸施策を積極的に推進し、国民の福祉向上に資することが必要であります。
このような考え方のもとに、各省の関係施策を調整し、その斉合性を保持しつつ、国民生活の安定及び向上に関する総合的な施策を強力に推進するため、経済企画庁に新たに国民生活局を設置しようとするものであります。
この国民生活局の設置につきましては、さきに、第四十六回国会に総理府設置法等の一部を改正する法律案の一部として提案いたしたのでありますが、臨時行政調査会の答申を待って再検討すべきものとして修正削除されました経緯にかんがみ、同答申との関係につき検討いたしました結果、同答申の趣旨は、国民生活局の構想と大筋においては合致するものと思われますので、前回案につき一部修正を行ない、一般消費者の保護に関する規定を独立させましたほかは、実質的に前回と同案といたしております。
次に、国民生活向上対策審議会の改組について申し上げます。
さきに御説明申し上げました国民生活局の設置に関連いたしまして、現行の国民生活向上対策審議会を改組して、国民生活審議会とすることにいたしております。その趣旨は、国民生活行政推進の要請に対処するための国民生活向上対策審議会の今後の使命にかんがみまして、臨時行政調査会答申の消費者行政評議会の構想等を考慮し、その性格にふさわしいものといたしたものであります。
次に、定員の改正について申し上げます。
さきに御説明いたしました国民生活局の設置に伴いまして、経済企画庁の審議官一人を減らし、その定員を同局に振りかえるとともに、関係事務の充実を期するため、十一人の定員増加をいたしたいと考えている次第であります。
なお、本年十月一日からOECD駐在官一人を予定しており、これを外務省の定員に振りかえることといたしております。
以上のほか、国民経済計算審議会の存続期限が本年三月三十一日で満了することになっておりますので、同審議会廃止に伴う関係条文の整理をいたしております。
以上が、この法律案の提案理由及び概要であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/34
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035・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 本案の自後の審査は、都合により後日に譲ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/35
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036・柴田栄
○委員長(柴田栄君) では中断をいたしておりまする国の防衛に関する調査を議題といたし、伊藤君の御質疑を続けていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/36
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037・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この航空自衛隊保有の陸上の射爆場について調べてみますと、北海道千歳の近くに島松という射爆場があるだけなんですね。ほかにはない。その島松も非常に狭い。そして冬になると雪が降って使えない射爆場なんです。そこで、北海道からわざわざ三沢とか水戸こういう米軍の射爆場を借りて訓練をしておるというのが実情であろうと思うのです。そういう結果、どうしても無理が生ずる。無理が生ずるということは、結果論からいうと、人命軽視ということになるわけですね。そういうことになろうと思うのですが、この点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/37
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038・島田豊
○政府委員(島田豊君) 現在空対地の射撃に使用しておりますところの射場は御指摘のとおり、島松の射場、それから米軍が管理しておりますところの三沢射場並びに芦屋の射場、これでございます。ことにF104の射場につきましては、ただいまお話のございましたように島松が現在使用されておりませんので、非常に限定をせられております。今回初めての射撃でございますけれども、こういう射場につきましては、十分な面積をとりまして射撃なりあるいは爆撃につきまして危害が起こらないように防止するのがたてまえでございまして、今後におきましてはそういう広大なる射場の獲得ということにつきましては私どもとしても努力すべきであるというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/38
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039・伊藤顕道
○伊藤顕道君 私のほうからお伺いすれば、防衛庁は、決して人命については軽視しない、これを前提としなければならぬ、こういうことを従来から答え続けてきたわけなんですね。しかし結局、先ほどからお伺いしておるように、南北に狭いそういう射撃場で、出せば二マッハも出るようなF104Jの空対地の射撃訓練、こういうことになると、しかも当日はたまたま東の太平洋側非が常に荒れておったので視界もよくきかなかったでありましょう、したがって、ふだんやらないそういう悪条件下、しかもなおかつ二重に、ふだん訓練をやっていない南から北への訓練をやったわけですね。こういうことになると、これは相当無理な訓練をしいたということにならぬですか。先ほどの過失ということに結びつくわけですが、それは一部過失も確かにありましょう、誤認したのですから確かに過失もありましょうけれども、誤認せざるを得ないような悪条件下であったということも大きな問題だと思うのですね。先ほど来お伺いしておるように、そういうことをしいていうと、結果論としては無理を強行するということはパイロット自体の人命軽視にもなるし、もし事故があれば国民にも被害を与える、あるいは生命あるいは身体あるいは財産にこういう問題が起きてくるわけですね。しかもこういう問題は米軍といわず、自衛隊機といわず、あやまちは繰り返されてきているのですね。こういう点で、よほどここで抜本的に対策を講じないと、佐藤内閣は人命を尊重するという大きなスローガンを掲げていま訓令されております。その佐藤内閣の一官庁である防衛庁が無理な訓練を強行するということは人命軽視ということにつながるわけですね。そうするとおかしいじゃないですか。佐藤内閣の訓令にも沿わないということになる。こういう点は非常にこの問題の一番ポイントだと思う。非常に大事な問題です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/39
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040・高橋清一郎
○政府委員(高橋清一郎君) 自衛隊の訓練の場合におきましては人命尊重ということが第一前提であらねばならない。これは当然なことでありますし、今日までの訓練もそうした面につきましては常に心がまえをそうした面に持ちましてすべての予定計画、行事の内容というものがきめられてまいったわけでございます。先ほど申しましたように、この事件につきましては空対地訓練というものが初めてだったということから出てまいりました結果でもあろうと思うのでありますけれども、しかし、とにかく日本のこうした狭隘な地域におきまして、まあ解釈のいかんによりましては、どうも訓練の度合いが過ぎるぞと、この程度の内容でいいかということを指摘される面もあろうと思うのでありますけれども、与えられた防衛庁の任務、自衛隊のとってまいりました職務遂行の場といたしましては、あとう限りの熱意を持ち、行事計画等につきましても無理のないような仕組みをとりまして今日までまいってきておるわけでございます。したがいまして、訓練の問題になりまするならば、どのような天候不順時でありましても、もうそういう今回のような誤射事件が起きないようなところまで熟達しておるというところまで行っていなければならぬのでございまするけれども、何にいたしましても、今回初めての訓練だと、再度申し上げますが、そういう面でありますだけに、やはり人間の、こういう言い方はどうかと思うのでありますけれども、やはり人間であります、そのときの心理的状況その他もありまして、こういう不祥事を惹起した、まことに申しわけないと思うのでございますけれども、当庁といたしましては、とりあえずこうした天候が悪かったということが原因でございますならば、一応この際天候不良時におきましては射撃を中止するということを部内でまとめた次第でございます。したがいまして、またもう一つは、射場の内外の状況につきまして事前に操縦士にこまかいところまで徹底さすという熱意をとろうという仕組みをとりましたような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/40
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041・中村順造
○中村順造君 関連質問しますが、私は戦力を持っておる自衛隊を否定しておる社会党の立場ですからね、よくわからないんですが、先ほど来の質疑応答を聞いておりますと、何か日本の空対地の演習場は一カ所だというようなお話ですね、あとはアメリカのを借りてやっておる。しかもこれは射爆場ですが、もちろん日本の土地を貸しておるわけですが、アメリカの場合は、これもわれわれは否定しておるんですが、日本で演習しても、またアジアの情勢によっては日本以外の土地に行って、攻撃上飛行機を使う場合が考えられるわけです。現実においてもしばしばそういうこともありましたしね、しかし、日本の場合はそういうことを考える必要がありますか。自衛隊というからには、もちろん憲法の定めるところによって外国の領土を攻撃するようなことは考えられないわけですね。そのFOというのは優秀な戦闘機ですが、これは一体航空自衛隊というものは日本の至るところにありますが、地上を攻撃するということが想定されるんですか。それから考えていくと、なるほどいま日本の射爆場というのは北海道の千歳の近くに一カ所だということですが、あまり必要がないからそういうことで一カ所しかない。あと必要があれば、アメリカが使っておるのを借りて使う。こういうことから判断しますと、日本の飛行機が地上攻撃をしなければならぬという想定がどこから生まれるわけですか。それをまず聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/41
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042・島田豊
○政府委員(島田豊君) ただいまの御質問は、非常に防衛に関する基本的な問題でございまして、私教育局長といたしましてややその所管事項からはずれておるような感じがいたしますが、訓練の状況につきましては、航空機は本来防空を任務といたしておりますけれども、やはり地上戦闘におきまして、それを航空の面から支援をするということが考えられますので、したがいまして、空対空の演習のみならず、こういう空対地の演習訓練も必要とされておるということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/42
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043・中村順造
○中村順造君 教育局長じゃちょっと答弁しにくいとおっしゃるから、どなたか答弁のできる人を出してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/43
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044・麻生茂
○政府委員(麻生茂君) 航空自衛隊の戦闘機についての任務であろうと思うのでありますが、航空自衛隊の戦闘機の任務が防空戦闘に当たるというのが主たる任務であることはすでは御承知であろうと思うのでありますが、それ以外に付随的に、万一敵の上陸が日本の本土に行なわれたという場合において、陸上自衛隊がこれを国外に撃退するために戦闘するわけでありますが、その陸上自衛隊の戦闘に航空自衛隊が支援協力をして地上射撃をやるあるいは爆撃を行なうということは、これは考えられるわけでございます。そのための訓練をやる、こういうわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/44
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045・中村順造
○中村順造君 いまの説明だと何か日本の本土に敵前上陸がなされると——ブルトーザーがよく戦車に似ておるかもしれませんが、戦車で日本の本土に一大戦車集団が敵前上陸をしたという場合を想定するから飛行機の演習をさせる、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/45
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046・麻生茂
○政府委員(麻生茂君) そういう考えに立脚しておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/46
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047・中村順造
○中村順造君 どこの国が敵前上陸するのですか、日本に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/47
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048・麻生茂
○政府委員(麻生茂君) われわれはどこの国を仮想敵国であるということを具体的にはきめておりませんけれども、万一いかなる事態が生じた場合におきましても、国土の安全というものをはからなくちゃならぬという考え方に立脚をいたしまして、右のような考えをとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/48
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049・中村順造
○中村順造君 最近はどうか私は知りませんが、前は帝国陸軍海軍があった時代には仮想敵国というのがあったわけですが、これをほぼこういう時期にはこういうことが想定されるということで敵前上陸あるいはこっちから先制攻撃をする、こういうことが私は軍人ではありませんが、そういうことは一般論として考えられておったわけです。それなら納得できます。たとえばその仮想いわゆる想定の上に立ったことなんだが、いま私どもはかりに百歩を譲って了承できるとして、いわゆるF104ジェット戦闘機はいわゆるいま前段に読まれた空対空いわゆる空襲に備えるあるいは原子爆弾を積んだ飛行機がきたときに要撃をする、こういう場合の想定には納得することができないこともない。あるいは潜水艦で攻撃される、これは近代戦として特にいろいろな国の潜水艦がいつ日本に近寄って日本を遠くから攻撃する場合も考えられる、今日の潜水艦の能力では。そういうものをあるいは飛行機によって攻撃をする、こういうことは考えられるのだが、およそ敵前上陸をして本土に戦車集団が上がってきたものを攻撃するようなそんな近代戦の自衛隊の作戦というのはどうですか、問題があるのじゃないですか。いろいろな日本の本土に戦車が上がってきて、それを飛行機で要撃しなければならぬ、これは仮想の中に入りますか、近代戦の。もしそれが自衛隊の作戦担当者はどなたか知りませんけれども、そういうことを想定するならこれは自衛隊そのものに私は問題があると思うのですよ。どうですか、その点答弁できますか、どなたか。潜水艦ならこれは海の上でやればいい、もし練習をするなら。私が言ったように、潜水艦が想定の中に入るとするなら海の中に標的を設けてやればいい。あるいは空中戦を想定するならしばしば空中戦の模擬戦でもやればいい。いま先ほど来伊藤委員が言っておられるように、非常に危険な、一秒間間違えれば一キロも違うところにたまが飛んでいくというようなところに、なぜ狭い国土の上で、しかもいままでの経緯を聞いていると、あまり必要がないからあまりやったこともない、現実には地上の射爆場というものは、日本の航空自衛隊が持っているのは一カ所しかない。こういうふうないままでの経過がある中で、天候の悪かったあるいはこれは私は本人には気の毒かもしれませんけれども、これは業務上の過失ですよ。誤認をするということ、これは人間だから私はそのことは責めはしませんけれども、およそ奇想天外な想定じゃありませんか。いままでの経過から見ても、そう無理をするところに、先ほど来言われておるような問題が出てくる、こういうことじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/49
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050・麻生茂
○政府委員(麻生茂君) 陸上自衛隊としましては、万一敵の侵略があった場合に備えるということを考えておるわけでございますが、それに対して航空自衛隊が陸上自衛隊の戦闘に協力するということは、当然考えられてしかるべきことではないかと私は思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/50
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051・中村順造
○中村順造君 私は関連質問だから長くやりませんが、結局そこまで議論をすれば、自衛隊がそれでは何のために必要なのか、そこまでまたさかのぼらなければなりませんから時間がないからやりませんけれども、まず私はそれは地上の場合は地上の場合としての想定ができるでしょう。もちろんいわゆる本土の上であるいは地上戦がなきにしもあらずという大ざっぱな観念なら、これは仮想できます。しかし、飛行機を今度使ってやるときには、飛行機なり潜水艦の任務というものは、およそ近代戦に即応した任務を授けるところにこれは合理性があるでしょう。マッハ二というような非常にスピードのある飛行機をそれは地上戦でも使われるかもしれませんけれども、およそこれは砂漠の上でやる戦争とかなんとかいうなら別ですけれども、この狭い日本の本土に敵前上陸をされた、それをマッハ二の戦闘機で要撃をしなければならぬというようなそんな仮想を立てるところに、一口に言えば考え方の古さ、作戦の古さというようなことがしろうとのわれわれにも考えられるのですが、これは議論はいたしません。議論はいたしませんが、要するに、先ほど次官も言われたように、それらの問題を含めてこれは無理だと、およそ仮想の上に立った想定そのものが無理であると同時に、実際にやっておられることが、伊藤委員が指摘されたようにこれは無理ですよ。無理なところにあやまちが出てくる、こういう結論にならざるを得ないと思うのですが、次官、どうですか。それだけ私は次官のお答えを聞いてもうけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/51
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052・高橋清一郎
○政府委員(高橋清一郎君) お説ごもっともの面多々あろうと思うのでございますが、しかし、本来自衛隊の任務といたしまするものについては、先生御承知のとおりであります。先ほども伊藤先生のお問いに対しまして申し上げましたように、狭い国土で、そうしてまたあまり度合いをこえての訓練の場があってはならないというようなことも、日常こまかいところまで配慮を実はいたしておるのでございます。人命尊重を第一義とし、そうして与えられました自衛隊の任務を遂行するという前提のもとに、あらゆる面におきまする侵略の場合において自衛隊のとるべき任務いかん、その日常訓練いかんということに主眼を置きまして、今日までのいろいろな点につきまする検討、訓練というものが出てまいっておるわけでございます。いろいろ度が過ぎているのじゃないか、自衛隊のやっておる訓練の内容についてはいかんということにつきましては、いろいろまた御意見もあると思うのでございまするけれども、私どもとしては私どもなりの、またいろいろ今日までとってまいりました態度を是といたしまして、自衛隊隊員に対しましては士気の高揚をはかり、与えられた任務遂行に邁進するようにという常日ごろの説諭をいたしておるようなわけでございます。事情を御勘案賜わりまして、今日の事故につきましては、ぜひひとつ再度申し上げることになりますけれども、あとう限りこうした事故の二度と繰り返しませんように一そうの配慮をいたしたい、こう思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/52
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053・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いま問題になりましたのは、防衛の基本問題についてはこれは他日に譲ることにして、なお若干質問を続けたいと思いますが、この天ケ森の射爆場ですね、これは小野防衛施設庁長官の関係だと思いますが、調べてみますると、二十四年、同地区の原野とか採草地約三百八十ヘクタールを接収して米軍の三沢基地の専用の射爆場としたわけですね。そこで、自衛隊が空対地の射爆をやる際には、北海道に一カ所、先ほど言った千歳の近くの島松という射爆場があるけれども、かなり、冬は雪で使えない、こういう実情で三沢とか、水戸、こういうところに逗留をして訓練をやる、こういうことが実情でしょう。考えてみると、日本の領土の一部を、日本の自衛隊が米軍にお願いをして、米軍の訓練のあいておるときだけ使わしてもらっている、こういう現実があるわけですね。そうでしょう。この点について、一体、どうも国民感情として割り切れぬ問題がある。日本には防衛の——いいか悪いかは、そういう基本問題をいま言っておるのじゃないですよ。そういう仮定に立って論を進めた場合でも、いい悪いは別問題としてやった場合で毛、日本の領土には、日本の航空自衛隊に必要なものは一つしかない。しかし、冬は使えない射爆場、使えない射爆場は、ないのと同じです。そうでしょう、実質は使えないのだから。冬は雪が降って使えないということは、もう全然ないということです。米軍に対しては、こういう射爆場を与えている。米軍が使わないときだけ特にお願いをして使わせてもらっている、こういう現実ですね。これはどうもわれわれには割り切れない問題がある。こういう点について御解明をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/53
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054・小野裕
○政府委員(小野裕君) 対地射爆訓練場の問題については、いま御指摘のとおりの実態でございますが、これはわが航空自衛隊の、何と申しまするか、整備と申しますか、発展と申しますか、そういうような見地から対地射爆撃の訓練の利用度が逐次ふえてきた。それに対して固有のそういった射場を持っていない。これは現実においてそのとおりでございますが、ただ、お話のような点につきまして、米軍に提供しておるこの射爆場を共同で使うということにつきまして、もう少ししっかりした立場を立てたいということについては、いろいろ検討しておるわけであります。たとえば共同使用というような形ではっきりした関係をとりたいということは研究を続けております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/54
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055・伊藤顕道
○伊藤顕道君 私は米軍の三沢基地近くにある射爆場、三沢基地を私は現実に行って知っておるわけです。実情はよく見ておるわけです。そういうところは適当な場所とは考えられないわけです。そういう問題とは離れてみても、いまの論理は成り立つわけです。しかも、なおかつ三沢の射爆場については、先ほど言ったように、超音速のF104Jの空対地射爆訓練としてはきわめて不適切である、こういうふうに断言せざるを得ないわけです。これは人間が機械を使うのですから、絶対にあやまちがないということはあり得ないと思うのですね。米軍もそして自衛隊も、後ほどまたお伺いしますが、そういう過去においてあやまちを繰り返してきた。あやまちがあるごとに、今後は極力努力をしてあやまちを二度繰り返さないようにいたします、もう答弁はきまっておるわけです。そのつどつど必ずそういう御答弁があるわけなんです。今後は繰り返さない。にもかかわらず、こういうあやまちは繰り返し繰り返し行なわれておる、これが現状なんです。したがって、ここで問題なのは、人間が機械を使うのだから、あやまちがないことを切望するわけですけれども、ときにあやまちがあるでしょう、真にやむを得ない事情で。そういう場合でも、なおかつたとえそれが墜落してもその下にいる国民の生命身体、財産には、特に生命身体には危険がない、こういう地区での訓練が徹底的に必要ではなかろうか。先ほど来の問題として、佐藤内閣は人命尊重を標榜しておる。したがって、その一環の官庁である防衛庁としても人命尊重という基本的態度の上に立ってすべてを計画し進めていかなければならぬ。これは理の当然だと思うのですね。にもかかわらず、一たんあやまちが不幸にしてあると、必ず問題を起こしておる。幸いに人命身体には危険は今回はなかったでしょう。それはたまたま射撃訓練が不的確であったから、たまたま生命の脅威は免れたわけです。あれが的確にブルドーザーに機関砲のたまが一つでも当たったら、これは問題はさらに大きく発展すると思うのですね。今度の場合は不幸中の幸いとして人命身体には死傷はなかった。たまたまなかったということであって、今後ないということは期せられぬわけですね。こういう問題をあわせて考えてみたときに、ここらに一つの問題点があるのじゃなかろうかと考えられるわけです。こういう点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/55
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056・小野裕
○政府委員(小野裕君) この種の射撃訓練場というものが絶対安全な地点に設定でき得ますならば、申すまでもなくけっこうなことでございますが、御承知のように、今日の実情といたしまして、他に適地を求めて移るということは容易なことではありません。そういう意味におきまして、事故の起こらないように最善を尽くしまして、万全を期しまして、現在のところでやらしていただく以外に方法がない、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/56
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057・伊藤顕道
○伊藤顕道君 ここに標的を誤認して誤射した板垣二尉の話の一端として報導されたものを見ますと、本人は三沢の米軍射爆場ではこれまで数回訓練を行なっており、標的の位置はよく知っておった。この日は天候が悪かったので、いつもと違うコース、すなわち西から東でなく、南から北へと、そういうコースをとり、射場に入ったのだけれども、ほんとうに標的だと思ったと、もうそこに一つの誤認という問題が出てきたわけですね。だから過失には違いないわけです。しかし、いまでも標的だと思っているくらい相当自信を持っているわけですね。結局、過失ではあったけれども、過失だけとして片づけられぬ問題であるということは先ほど来お伺いしてきたわけです。そこで板垣二尉の航空歴その他の実績は一体どの程度のものか、これを概要だけ御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/57
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058・島田豊
○政府委員(島田豊君) 本人は三十年六月、第一期の航空学生として自衛隊に入っております。今日までジェット機によりますところの飛行時間が千五百五十二時間、F104の飛行時間が二百十一時間、これは二月二日、当日現在の飛行時間でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/58
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059・伊藤顕道
○伊藤顕道君 ジェット機の航空歴は千五百時間以上ということになると、相当のベテランということが言えると思うのですね、その時間のほうから見ますと。しかも二尉にもなっている。働き盛りという、精鋭の一人だというのですね。そういう訓練を受けたパイロットですら、そういうパイロットですらこういう誤認という問題が起こるわけです。しかも、こういう悪条件下に、そういう超音速のF104Jからの空対地射爆訓練ということになると、これは容易でない問題が今後繰り返されると思うのです。たまたまこの目標の誤認による誤射という問題は、自衛隊としては初めてではあったでありましょうけれども、今後もあり得る問題だ。そこで問題は、今後一体防衛庁としてはどういう手を打つのか、こういう問題に帰結できると思うんですね。あやまちを二度繰り返さないために。新聞などによると、厳重に注意するよう防衛庁としては通達を出した——なかなか通達一本でこういうことは解決する問題じゃないと思うんですね。防衛庁自体としても、先ほど来一部御説明のあった、いわゆる悪天候下に無理をしない、そういうことをも含めていろいろな施策が早急に検討されておると思う。そういうことに対する今後の対策についての、詳細、具体的なものはまだ出ないでしょうが、そういう基本的なかまえをひとつ政務次官からお聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/59
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060・高橋清一郎
○政府委員(高橋清一郎君) こうした事故のたび重なる不祥事につきましては、まことに申しわけないと思うのでありますが、いまの三沢射場の事故からまいりまするとりあえずの対策といたしましては、先ほども申し上げましたのでありますが、天候不良時の場合等におきましてはひとつ射撃はやめる。操縦士につきましてはもっとこまかいところまで徹底さすということを、先般の防衛庁幹部会におきまして、とりあえずの問題といたしまして、当面の対策として直ちにとりました内容のものでございます。なお、こまかいことにつきましては局長から説明させますが、今後の、これらの問題、続いておりまするから、根本的な、しからばどうあらねばならないかということにつきましては、長官ともよくひとつ連絡をとりまして、近くそうした具体的施策を講ずるという面におきまする協議会を持ちたいと思います。とりあえず、具体的な問題につきましては局長から説明させます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/60
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061・伊藤顕道
○伊藤顕道君 基本的な心がまえを伺ったわけですから、詳細については他日に譲りたいと思います。
そこで、最後にこの問題について一点お伺いしますが、水戸の射爆撃場について地元から強い声で移転問題が出ておることは、防衛庁、よく御存じだと思うんですが、ところが、これが三沢の今回の問題に関連しまして、こういう問題があると、地元では一そう移転要求が強くなっておる、こういうことを聞いておるわけです、現実に。ここに手元にありますが、水戸対地射爆難場返還に関する要請書、茨城県の県会議長が二百万県民を代表して、こういう要請書が現実にあるわけです。これは私が言うまでもなく、過去において事故は三百余件も起きておるわけです。とうとい人命が二十名に及んで犠牲が払われておる。しかも、付近には日本でただ一つの原子力センターをかかえておる非常に危険な地区である。こういう問題が、この三沢基地の問題と関連して、いま茨城県民が、こうやって基地の移転を、強く返還を要請しておるわけです。これが関連がございますので、この問題について、ひとつ防衛庁としてのお考えをこの際お聞きしておきたいと思うんです。過去において三百件もあやまちがあって、二十名も人命がそこなわれておる。これは容易ならぬと思う。しかも、いま指摘したように、原子力センターをかかえておる非常に危険地区で、そういうあやまちが繰り返されておる。したがって、茨城二百万県民があげてこの返還を要求しておる。こういう問題が、三沢のこのあやまちを契機として一そういま強まっておるわけです。こういう問題をどうなさるおつもりか。民生安定を標榜しておる防衛庁としては、これを一笑に付すわけにはいかぬと思うのす。大きな課題として緊急に検討すべき問題の一つであろうと思うのです。こういう観点からこの問題に対する基本的なお考えをお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/61
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062・小野裕
○政府委員(小野裕君) お話のように、水戸の射爆難場の返還の問題は多年の懸案でございまして、地元からの強い要望がございます。私どもといたしましても、何とか解決をいたしたいと考え、米軍ともいろいろ折衝をしてまいったのでございますが、米軍といたしましては、関東あるいはその周辺というか、この関東地区にどうしても一つ要るんだ、かわりをつくってくれなければどうにもならない、こういうようなたてまえでございます。そういうことから、私どもといたしましては、そうした区域内で他に移す場所があるかないかということにつきましていろいろ検討を続けてまいり、また、現にいろいろな調査をしておるわけでございますが、まだ私どもとして、ここは、というような適地をきめて交渉をする、あるいは計画をするという段階までになっていないことはまことに残念に存じます。
なお、その過程におきまして、先ほど申し上げました、米軍側がかわりの射場がほしいというその条件でございますが、なかなかきつい条件でございまして、まあ一口に言うならば、現在程度ないしは以上の条件のそろった射場がほしいということを条件にしておりまするのでありますので、それではとうてい今日の日本の国土の中で考えられませんので、そうした具備条件というものを緩和してらもえないものかどうかということについて、これまた米軍といろいろ下折衝をしておるわけでありますが、この点につきましても、米軍側としてはなかなか譲る気配がございません。結局今日の段階といたしましては、米軍に対してさらに重ねてそうした代替地の条件を緩和することについて同意してくれるようにという折衝と、また私ども、かわりになるような適当な土地の物色と申しまするか、調査と申しますか、そのほうに力を入れておる、こういう段階であるということを申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/62
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063・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いま一つ関連してですね、これは三十二年以来私は数十回にわたって当内閣委員会でお尋ねしている問題ですね、太田大泉の返還、飛行場返還問題、これもあやまちということになると、あるときはジープが落ちてきた、あるときは電気通信機あるときはドラムかん、こういう、そのつどあやまちは繰り返さないということで、太田大泉市民の頭上でそういう投下訓練をやっておる結果、あやまちでこういう三つの大きな事件があったわけです。この問題をいま詳しくお伺いする予定もございませんし、また時間もありませんので、現在の経過、今後の見通し、そういうものについてごく概要だけを御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/63
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064・高橋清一郎
○政府委員(高橋清一郎君) 過般の本委員会におきまして、先生からもこの問題につきましては御指摘ございました。その後長官、施設庁長官でありますが、よく横の連絡をとりまして、何とかできぬものかということでいろいろアメリカに対します折衝等続けてまいったわけでございます。その見通し、経緯ということにつきまして申し上げたいと存じます。
この太田大泉飛行場の返還につきましては、アメリカ側といたしましては、どうしても代替施設が提供されない限り返還に応じないということを実は明らかにしておるのでございます。したがいまして、日本側といたしましては、現存の駐留軍または自衛隊の施設を代替地といたしまして使用することの可能性について検討するようアメリカ側に求めたわけでございます、検討することにつきまして……。アメリカ側につきましては、その後の回答でございますが、相馬原演習場などを中心にいたしまして数カ所の候補地について具体的に検討したのであるが、いずれも代替地としては適当ではないという申し出を受けたような次第でございます。しかしながら、お話がございましたように、関係の皆さま方の非常な御熱意もございますので、そういう回答を得たからというてすぐあきらめるという気持ちはございません。一そう熱意をもちまして今後とも当庁といたしましては再考慮方を強く要請するという態度をとる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/64
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065・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この問題は、先ほども一点指摘申し上げたように、三十二年以来、当時の赤城防衛庁長官以下歴代の長官が期日を明確にして返還するということまでこの内閣委員会で私に確約しておるわけです。そういう事情にもかかわらず、いまだに御報告のあった程度に終わっておるわけです。この問題はきょうは予定ではございませんで、ただ関連があったからお伺いするのですが、近くこの問題はあらためてお尋ね申し上げますから、誠心誠意自信を持っていかに努力したか、具体的にこのような努力をしてきた、こういうことの御答弁ができるようにひとつ早急に手を打っていただいて、近くお尋ねする私のお尋ねにお答えいただきたいと思います。
そこで、この問題を終わりますが、なお新聞の報道によると、やはり二日の日に埼玉県下の入間川べりで米軍横田基地の所属のT33のジェット練習機、これが燃えながら落ちてきたと。そして、米軍のパイロットが二人、死体がばらばらになって川原辺に落ちたという、こういう問題があったわけですね。これも先ほども指摘申し上げたように、あやまちは繰り返さないということであるのに、なお依然としてこういう問題が続いておるわけですね。そこで一時間の関係もありますからきょうは詳しくはお伺いいたしませんが、まずその概要を、ひとつ真相をありのまままずお伝えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/65
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066・高橋清一郎
○政府委員(高橋清一郎君) 真相を申し上げます。
二月二日の十八時三十七分ごろでありますが、横田基地所属のT33練習機が西武町大字野田九千九百九十の一及び狭山市大字笹井四十七番地付近に墜落いたしました。機体は四散し、塔乗員二名が即死いたしましたものでございます。本事故によりまする損害は、目下所管の東京防衛施設局及び入間川防衛施設事務所におきまして調査中でございますが、現在判明しておりますものは次のとおりでございます。
西武町大字野田八百十三、早川勝太郎所有家屋一部を破損、その他山林、茶畑等に相当広範囲にわたり被害があるもようでございますが、被害程度は軽微でございます。人身に対する被害はございません。
事故発生と同時に東京防衛施設局事業部長でありますが、及び入間川事務所の所長等を現地に派遣いたしまして、被害者及び関係市町村に対し見舞いをいたさせました。
なお、本事故によります被害に対しましては、御存じの地位協定十八条によりまして早急に賠償を実施する所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/66
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067・伊藤顕道
○伊藤顕道君 御説明によると、人命に損傷はなかった、被害も寡少であったと、こういう御説明で、たまたまこれは不幸中の幸いで米兵二名のこういう犠牲で済んだわけですけれども、やはりそうかといって、たまたまそういう結果であったので、現に事故の中心地から約七百メートル離れた早川さんのお宅にはやはり車輪など家の中に飛び込んで一部損傷しているわけですね。それは、車輪が人間に当たったらどういう結果になるか。たまたま建物でよかったわけですね。というように、先ほど来お伺いしておるので多くをお伺いいたしませんけれども、これは何といっても、たまたま生命身体には異常はなかった。物的な被害もごく寡少であった、だからいいということは言えないと思う。やはり先ほど申し上げたように、その地区住民に与えた精神上の不安の念は一掃すべくもないと思うのですね。
そこでお尋ねするわけですが、こういう問題があったとき、防衛庁としては、米軍のどなたに対して防衛庁のどなたがどういうようないわゆる申し入れなどを行なうのですか。こういうことの報告を聞いたことがないのですが、こういうことについては、今度の問題は、問題にもよりましょうが、非常に重大な問題の際にはどなたが行くとか、いろいろ程度の差はあっても、今回はどういうことであったのか、そういうことを後日のためにお聞かせいただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/67
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068・小野裕
○政府委員(小野裕君) 米軍機の事故等がございました場合の取り扱いでございますが、事故の発生そのものと申しますか、あるいは事故防止の根本の対策というような問題につきましては、これは外務省の御所管でございます。米軍で事故発生を認知した場合には、直ちに外務省に通報する。外務省から各方面に御報告がございます。また、いろいろと米軍あるいは政府としていろいろな措置をとるというときには、これまた外務省からの連絡になるわけでございます。
ただ、実際問題といたしまして、こうした事故のあとの補償でございます、賠償でございます。この支払い事務といいますか、それに従いまして、その原因、情報等の調査、こうした仕事は防衛施設庁の担当でございます。で、補償事務が私どもの担当でございますので、私どもも最初から関係するわけでございます。大体、事故そのものということにつきましては、防衛施設庁の直接の関係ではございませんが、ただそう申しましても、あとの始末の問題もございますし、今後のいろいろ改善の問題もございますので、私どもも勉強はいたしているわけでございます。さらにそうした情報がございまして、これは軍から正式の通報もあり、また、その他警察あるいは私どもの出先あるいは自衛隊、こうした方面で情報をキャッチしましたときに、それぞれ関係方面に連絡があるわけでございます。私どもは、外務省の筋と現地の筋と両方から事情を知るわけでございますが、先ほど申し上げましたように、基本的な筋は外務省でございます。それからこの事故の原因の究明とかあるいは事故の今後の防止の対策というようなことにつきましては、これは当然日米双方でいろいろと検討しなければなりませんので、大きな問題については、合同委員会においてこれを取り上げるわけでございまして、その合同委員会も、事故防止委員会という下部の機構を持っておりまして、これが日米の、しかも各方面の関係者をもって組織しておって、重大な事故等につきましては、その原因を追及し、また、今後の対策を検討するというのをその委員会でいたしておるわけであります。その委員会にも、私どものほうも関与いたしておりまして、いろいろと米軍側とのいろいろな共同調査的な調査なり、研究なりをいたしまして、その結論が一致したときに合同委員会にこれを提示する。合同委員会として日米両政府においてそれについての措置を合議する、こういうような手順でこうした問題は取り扱っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/68
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069・中村順造
○中村順造君 いまの問題と関連して、二、三委員長にお願いしたい。
先ほど射爆難場の返還の要求の交渉をしている、こういうことですが、何か聞いておると、よその領土を日本が貸してもらっているような話だ。本来はこれは日本の領土だ。かわりを要求するとかなんとか、それはいろいろ交渉はされておるでしょうが、一体だれが交渉しておるのか、その交渉の当事者をこの委員会に呼んでもらいたいと思う。先ほど伊藤理事が話されたように、交渉の当事者はだれか、どういうような話をしておるのか、だれがしておるのか、相手方はだれか、それをはっきりしてもらいたい。
それからもう一つは、先ほど私は、いわゆるマッハ二だというような非常にスピードのある戦闘機で空対地の射爆撃の演習はやるべきでないという私の考え方だが、施設庁長官は、ますます需要がふえた、それで非常に苦慮しておると、こういう話だから、まるで私と百八十度反対のことを考えておられる。だから、それは施設庁長官なり教育局長の管轄か知らぬけれども、これはやはりいろいろ考え方があるんだから——いま聞くと、日本の国へどっかの国の戦車が敵前上陸して、それを飛行機で防ぐというような話、そういう考え方かと言ったら、そのとおりだと言われるから、戦車が敵前上陸したとき防ぐには、戦車ごうを掘ったり、あるいは砲兵でこれを守ることもできるし、いろいろな方法があると思うんだ。そこに議論がいろいろあるわけです。それを飛行機で防ぐのか、攻撃するのか、あるいは戦車ごうを掘ったり、いわゆるジークフリート線、ああいうような線と、いろいろ作戦的な方法があると思う。ただ施設庁長官とか教育局長だけの範囲でなしに、ここで何も作戦の議論をする必要はないけれども、事故があったということは無理だから、むしろそれから逆算するとそんな演習までやる必要ないという議論になるかもわからぬから、そういう議論のできる対象の人をこの次は本委員会に呼んでもらいたい。大臣じゃわからぬですからね。大臣は何か軍人の上がりらしいけれども、現役の人を呼んでください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/69
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070・小野裕
○政府委員(小野裕君) 米軍に対して施設区域を提供する仕事は実は防衛庁、さらにその中で防衛施設庁——私とものほうの所管になっております。ただ、日米双方の交渉関係につきましては、これは申すまでもなく御承知のとおり、地位協定によりまして日米合同委員会の合意を得て提供し、あるいは返還を求めるということになっておりまして、日米合同委員会は外務省のアメリカ局長が日本政府の正式代表、私がその代表代理というような形になっております。これには関係各省の局長クラスの方が数名、日本政府の代表の代理の形で参加しておられます。この合同委員会が、その最終的な日米折衝をいたしまして、その結果は閣議の御了解を得て決定するわけでありますが、その合同委員会が、この米軍に対して提供している施設の問題を扱う場合に、さらにその下部機構として、施設特別委員会というものがございまして、これがまた日米双方のまた各関係者が委員になりまして、折衝をしているわけでありますから、その施設特別委員会は、実は私が日本側の代表者になっております。米側は府中の在日米軍司令部の施設担当の第四部長、あるいはあちらでは参謀副長と言っておりますが、施設担当の参謀副長が、その施設関係の委員会の先方の責任者、この施設特別委員会には、これまた関係各省の方に参加していただいておりまして、いろいろの問題をそこで検討をし、決定を得ましたならば、あるいは合意ができないならできないとして、これを合同委員会にあげまして、合同委員会は、ただいま申し上げましたように、日本側の代表は外務省のアメリカ局長でございますが、先方の代表は在日米軍の参謀長でございます。この両代表のもとに、関係委員が協議をして、合同委員会の協議を進める、こういう段取りになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/70
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071・中村順造
○中村順造君 いま説明聞くと、これは大蔵大臣、待っておられるから、私はこれ以上やりませんが、言いたいことを言うというのが今度の佐藤総理の考え方だから、アメリカに対しては。いまの話を聞くというと、機構的にも実に複雑なんだね。あなたの立場は、ちょうど非常に大事なところだけれども、中間ぐらいの地位なんだ。だからその合同委員会で、強力にそのことを日本国を代表してやるというならば、もちろん大臣も言うだろうしね。当面その担当がアメリカ局長なら外務省のアメリカ局長を呼んで、一体だれがどういう交渉をしているのか、これはいまの水戸の問題なんか重大な問題です。長い間の問題−しかも本院でも衆議院でも、科学技術特別委員会では、返還せよという決議をしているわけなんだ。その院できまったことを、そんな出先の行政機関で、そんなものを無視してかかるところに問題があるのですよ。だから今度は私がいまちょうど聞いたら、アメリカ局長が当面の責任者だと、こういうことだから、、アメリカ局長は今度呼んでもらって、伊藤理事が先ほど次の機会にと言われたから適当な機会に呼んでもらって、それから現役の——いまなぜ飛行機で対戦車の演習をどんどん危険をおかしてやらなければならないかということを解明したいのです。この次、ひとつお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/71
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072・柴田栄
○委員長(柴田栄君) ほかに御質疑はございませんか。——他に御発言がなければ、本件の調査は、本日はこの程度にとどめます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/72
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073・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 次に、大蔵省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。田中大蔵大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/73
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074・田中角榮
○国務大臣(田中角榮君) ただいま議題となりました大蔵省設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
この法律案は、大蔵省の国有財産局に置かれている臨時貴金属処理部を廃止すること、銀行局に保険部を設けること、長崎税関に鑑査部を設けること及び定員の規定を改正すること等の諸点について所要の改正を行なおうとするものであります。
まず、第一に、国有財産局の臨時貴金属処理部を廃止することであります。臨時貴金属処理部は、接収貴金属等の処理に関する法律により、昭和三十四年に設置され、接収貴金属等の認定、返還等の事務を行なってきましたが、その後、事務処理は、順調に進んでおりますので、この際、臨時貴金属処理部を廃止しようとするものであります。
なお、接収貴金属等に関する事務については、引き続き国有財産局において処理することといたしております。
第二は、銀行局に保険部を設けることであります。最近における保険事業の発展は目ざましいものがあり、これに伴い、保険行政も一段と複雑化してきておりますので、このような事態に対処するため、保険行政機構の一そうの整備、充実をはかる必要があります。
第三は、長崎税関に鑑査部を設けることであります。現在、税関の機構は、長崎税関を除き、総務部、監視部、業務部、鑑査部の四部制をとっております。長崎税関においては鑑査の事務を業務部において行なっておりますが、鑑査事務の重要性にかんがみ、責任体制の明確化、関税行政の充実強化をはかるため、長崎税関に鑑査部を設置しようとするものであります。
最後は、定員に関する規定であります。税関の事務量の増加に伴う第一線税関職員の増員百四人、国税事務の円滑な執行をはかるための国税職員の増員二百人、造幣局一人、合計三百五人を増員しようとするものであります。
以上が、この法律案を提出いたしました理由及びその概要であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/74
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075・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 本案の自後の審査は、都合により後日に譲ります。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十九分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00319650204/75
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