1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和四十年四月一日(木曜日)
午後一時三十四分開会
—————————————
委員の異動
三月三十一日
辞任 補欠選任
鬼木 勝利君 柏原 ヤス君
四月一日
辞任 補欠選任
和田 鶴一君 植木 光教君
柏原 ヤス君 浅井 亨君
—————————————
出席者は左のとおり。
委員長 山下 春江君
理 事
二木 謙吾君
吉江 勝保君
小林 武君
委 員
植木 光教君
近藤 鶴代君
笹森 順造君
中野 文門君
中上川アキ君
野本 品吉君
千葉千代世君
浅井 亨君
発 議 者 千葉千代世君
発 議 者 小林 武君
国務大臣
文 部 大 臣 愛知 揆一君
政府委員
文部政務次官 押谷 富三君
文部大臣官房長 西田 剛君
文部省体育局長 前田 充明君
事務局側
常任委員会専門
員 渡辺 猛君
—————————————
本日の会議に付した案件
○日本育英会法の一部を改正する法律案(千葉千
代世君外四名発議)
○オリンピック記念青少年総合センター法案(内
閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/0
-
001・山下春江
○委員長(山下春江君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。昨日、鬼木勝利君が辞任され、その補欠として柏原ヤス君が選任されました。また、本日、和田鶴一君、柏原ヤス君が委員を辞任され、その補欠として植木光教君、浅井亨君がそれぞれ選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/1
-
002・山下春江
○委員長(山下春江君) 日本育英会法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、発議者から提案理由の説明を聴取いたします。千葉委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/2
-
003・千葉千代世
○千葉千代世君 ただいま議題となりました日本育英会法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
日本育英会は、昭和十九年に制定された日本育英会法に基づいて設立されて以来、国家的な育英奨学事業として人材開発と教育の機会均等に大きく貢献してまいりました。しかし、その事業等については今後なお一そうの改善を加えることにより、その発展を期待しなければなりませんが、当面、特に急務と考えられる次の三点について改正を施そうとするものであります。
その第一は、幼稚園の教育の職にある者の貸与金返還免除に関する問題であります。近年、幼児教育の重要性が認識され、幼稚園教育は年々拡充してまいりましたが、幼稚園教育の充実、振興をはかるため、その教員の確保は緊急な課題となっておりますので、その対策の一つとして、幼稚園の教育の職についた者については日本育英会の貸与金の返還免除の措置を講ずべきものと考えます。
第二には、文部大臣の指定する養護教諭養成機関によって養成された養護教諭に関する問題であります。養護教諭の充実、確保は、学校教育の当面の重要な課題でありますが、その充足はきわめて困難な状況にあります。しかるに、現在、文部大臣の指定する養護教諭養成機関に在学する者は、日本育英会の学資貸与の対象となっておりません。この養成機関で所定の単位を修得した者に対しては養護教諭の免許状が授与されており、免許法によって同一の資格を与えられるものが、その就学した教育機関の差異によって、差別的取り扱いを受けることはまことに不合理であるばかりでなく、養護教諭の養成、確保の面からも障害となっているところであります。したがって、学資貸与の対象の決定は政令で規定すべき事項ではありますが、指定養護教諭養成機関に在学する者への学資貸与の道を開くとともに、それら養成機関において学資の貸与を受けた者が養護教諭として勤務した場合には、大学等に準じて貸与金の返還免除の措置を講ずべきものと考えます。
第三には、昭和三十六年における日本育英会法の改正前に教職員になった者に対しても、これを貸与金返還免除の対象とする遡及措置の問題であります。昭和三十六年の日本育英会法の改正によって、貸与金の返還を免除される職のうちに、大学等における貸与金については従来の義務教育に従事する教員のほかに、高等学校、大学、高等専門学校等の教育の職を加え、大学院における貸与金については従来の大学のほか中学校、高等学校、高等専門学校等の教育の職を加えて公布の日から施行され、その施行の際、現に大学等に在学する者に対しては、その在学期間中に貸与した貸与金については返還免除措置が適用されたのでありますが、それ以前の貸与契約により学資の貸与を受けた者については返還免除措置が講じられなかったのであります。
この改正は、高等学校進学者の急増に対処するとともに科学技術者の育成を促進する目的で、高等学校、大学、高等専門学校等に優秀な教員を確保するための政策として行なわれたものではありますが、法による利益の供与はできるだけ均てんさせることが望ましく、同じく重要な教育の職にありながら、その卒業年度の相異によって貸与金の返還免除の措置に差異が生じることはきわめて不合理、不均衡と言わなければなりません。教育の現場においても、このような不均衡の存在は教員相互間に好ましくない影響を与えているのであります。また、昭和二十八年における義務教育に従事する教員及び学術研究者を誘致するための貸与金返還免除措置についての改正の際には、原則として昭和二十五年度にさかのぼって適用されたのであります。同じく教育の職にありながら、義務教育に従事する者と高等学校等に勤務する者とを差別することは、不合理、不均衡と言えましょう。それゆえに、このような不均衡を是正するため、昭和二十五年度以降に学資の貸与を受けた者についても、貸与金の返還免除の措置を講ずべきものと考えます。
以上、本法律案の提案理由を申し述べましたが、次に、その内容について簡単に申し上げます。本法律案の内容の第一点は、大学における貸与金の返還を免除される職に、幼稚園の教育の職を加えることとしております。第二点は、文部大臣の指定する養護教諭養成機関で学資の貸与を受けた者について貸与金の返還免除の措置を講ずることとしております。第三点は、昭和三十六年における日本育英会法の改正法の施行前の貸与契約により昭和二十五年度以降に学資の貸与を受けた者について貸与金の二分の一以内の返還免除の措置を講ずることとしております。なお、この法律は、公布の日から施行することとし、この法律施行の際、現に大学に在学する者に対し、その在学期間中に貸与した貸与金についても適用することとするとともに、改正後の幼稚園についての貸与金の返還免除に関する規定は、この法律施行前の貸与契約により昭和二十五年度以降に貸与した貸与金についても適用することとしております。
何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/3
-
004・山下春江
○委員長(山下春江君) 以上で、本法案についての提案理由の説明聴取は終わりました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/4
-
005・山下春江
○委員長(山下春江君) オリンピック記念青少年総合センター法案を議題といたします。
本法案については、すでに提案理由の説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。御質疑のある方は順次御発言願います。
なお、政府側より、愛知文部大臣、押谷文部政務次官、西田官房長、前田体育局長が出席しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/5
-
006・小林武
○小林武君 第一にお尋ねいたしたいのは、この宿泊、研修施設を利用して、法人みずからが青少年の心身の鍛練、その他心身の健全な発達をはかるため必要な業務を行なうということを書いてありますけれども、この点についてはどういう内容のものをやるのか、もう少し具体的にその構想を承りたいわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/6
-
007・愛知揆一
○国務大臣(愛知揆一君) このセンターの業務といたしましては、一つは、各種の青少年団体等が行ないます研究会、講習会などの研修の活動に利用してもらいたい、こういうわけでございますが、第二として、この法人みずからが行ないまする研究会等を主催する場合も予想いたしておるわけであります。この法人自体がみずから青少年のために研究集会や講習会等を主催することを、いま申しましたように、予想いたしておるわけでございますが、これはどちらかと言えば、現在のところは第二義的でございまして、おそらくただいま申しました第一義的のもので、さしあたりは施設の利用活動等が一ぱいになるのではなかろうかと予想いたしておりますが、どういう自主的な活動を主催いたしますかにつきましては、評議員会等の議を経て理事長等におきまして十分研究をしてもらうということを期待しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/7
-
008・小林武
○小林武君 実は私は、あの施設をオリンピック青少年総合センターとして利用するということについては非常に賛意を表しておるわけであります。ただ、その賛成の条件といたしまして、あの施設が単なる旅館、宿泊施設に貸すというようなことは、これは非常にもったいない話だと思うわけです。いま大臣のお話では、やはり宿泊施設というようなことが主であって、みずから心身の発達、あるいはその他スポーツの振興というようなことの催しをするというようなことについては従のようなお話がございましたけれども、このいずれを主とし、従とするというような意味でなくて、私の希望するのは、この両者がちょうど車の両輪のような形で実施されまして、単なる修学旅行の宿泊施設になったり、あるいは見物のための宿泊施設になったりするというようなことは避けたほうがいいのではないか。どこまでも青少年のスポーツに対する気持、それを愛好するところの精神、それからその実技訓練、練習というようなものにひとつ意を用いるというところも十分やはり取り入れてもらいたいと考えるわけでありますので、この点についてはどうなんでしょうか。とりあえず、まだ役員もきまらないことでありますから、どういう具体的なことをやると言われてもちょっと答弁に困るかと思うのですけれども、大体、車の両輪というか、そういうものを総合的に、宿泊とそれとつきもので行なうというような考え方に立っておらないわけですか、どんなものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/8
-
009・愛知揆一
○国務大臣(愛知揆一君) これは車の両輪というお話がございましたが、そういうふうな考え方でございます。ただ実際上、宿泊の施設としても、千数百人のことでもございますし、相当、第一の役割についてはかなりの希望等があって、これを選別する等について相当骨が折れるのではなかろうかと予想しておるのであります。しかしながら、先ほど第二義的と私申しまたけれども、センターみずからが行なう青少年の心身の鍛練ということについては、私どもが現在考えておりますところは、たとえば指導計画をセンターとして作成をして、規則のある生活態度の指導一健全な心身の訓練というようなことを第一の基本的な目的にしますからには、それに応じたような青少年センターみずからの計画実施というものは当然考えてしかるべきである。それについて具体的にどうかということにつきましては、一応いま考えておりますのは、たとえば勤労青少年、これはいろいろの企業体などにつとめておる青少年の集団の研修、たとえば生活態度の問題であるとか、あるいは意見を相互に発表し合うとか、あるいは文化講演を聞くとか、映画会を行なうとか、あるいはまた農林漁業等に従事している青少年の集団研修というようなこともやりたいものの一つである。これは青少年センターみずからが企画実施するほうのカテゴリーに入るのではなかろうか。あるいはまた体力向上のための自主的な運営としては、ボーイスカウトであるとか、ガールスカウト等の合宿訓練であるとか、あるいはスポーツの種目別の練習方法の研究会であるとか、あるいはまた社会教育の面から言えば、地域あるいは職域の青少年団体の指導者の合宿の研修というようなことも入っていいのではないか、かように考えておるわけであります。この法律案にございますように、こうしたような事業のほかに、東京オリンピック大会の記念でもございますので、大会関係の図書や用品などを収集したり、あるいは図書室や展示室も開設する、あるいはまた、過去の何回かのオリンピック競投大会の関係資料なども広く収集して展示をしたいというようなことは、これは総合センター自身のやはり計画に基づいて、これは初めから計画し、実行したいということも入るかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/9
-
010・小林武
○小林武君 ただいまの説明でかなり詳しく承りましたけれども、先ほど私が申し上げましたように、宿泊設備に堕してしまうというようなことがないようにしたいということになりますと、この国立競技場との関連において、やはり相互にこれがお互いを利用するといいますか、お互いが、スポーツ振興という立場から、青少年のスポーツ振興という立場から協力し合ってやらなければいかぬと思います。そういう点についてはどうなんですか。十分の両方の連絡といいますか、協調するというような方式についてはお考えがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/10
-
011・愛知揆一
○国務大臣(愛知揆一君) もちろん、これは協調利用をしていかなければならないと思いますので、さような点から言いましても、わざわざこの評議員制度というものも考えてみたわけであります。それから、特に関係するような具体的の施設としては、日本青年館もございますし、学生会館もありますし、国立競技場のスポーツマン・ホテルというものもございます。あるいは九段会館というものもございますが、それらの利用等の関係などは総合調整と申しますか、考えていかなければなるまいというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/11
-
012・小林武
○小林武君 大体いままでの質疑で、その面では大体お考えのことはやや明らかになりましたが、しかし、先ほど申し上げましたように、宿泊設備としてのあの規模の大きさを考えますというと、この運営ということがなかなか容易ならぬということを先ほど見て帰ったわけであります。したがって、その宿泊設備としての運営のほうに力が非常にそがれて、そして、この名前に銘を打ってありますような、青少年のオリンピックを記念した総合センターであるということのこういう面が置き忘れられるというようなことがないようなひとつ運営のしかたというものを、今後、まあ役員等がきまりましてからは、一そう計画を密に立てられてやっていただきたいと思うわけであります。この点を要望申し上げます。
それからもう一つですが、これはまああとでちょっとお尋ねしたいのでありますが、このオリンピック村のあとの施設のうちで、国税庁の職員宿舎に予定されているものが若干あるわけでありますが、これはやがて返還されるというようなことにも聞いているわけでありますが、私はそういうものの返還を予想いたしますというと、青少年のスポーツの振興にもたいへんけっこうでございます。これも大いにやっていただきたいが、もう一つ、これは文部省の所管になるのか、厚生省の所管になるのかということになると、かなり問題があるかと思いますけれども、どちらの所管になるについても、パラリンピックですか、この身体障害者のスポーツに関する施設として、私は何らかの施設を利用してやるというようなことをお考え願いたいという希望があるわけであります。特に、オリンピックの後に行なわれましたものを若干私どもが見たところによりますというと、日本が特にその面ではおくれているのではないか。これは単なる競技ということではなくて、そのことによって身体障害者が生きるというような意欲をわき立たしておるということを考えますと、スポーツの一面からだけでなくて、やはり非常な大きな効果を持っていると、このように考えますので、その辺に思い切ったやはりある施設というようなものに金をかけられたらどうか。これは文部省が金を出すのか、所管のものか、厚生省のものか、わかりませんけれども、そんなことのなわ張りの問題は抜きにいたしまして、そういう考え方を持っているのですが、文部大臣としては一体その点についてどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/12
-
013・愛知揆一
○国務大臣(愛知揆一君) これは私としてはもう全面的に賛成でございます。このセンターについては、名前がきわめて長ったらしい、オリンピック記念青少年総合センター、この名前が私どもとしては実は苦心の作でございまして、要するに、文部省だけのなわ張りでこれを一元的に統制して使うというような考え方ではいけない、これは厚生省所管の身体不自由な方々に対しても、やはり青少年を大いに心身ともに伸び伸びとやっていただきたいということをはじめ、その他の各省庁の関係のところも、よい企画はぜひ取り入れて活用していただきたい、そういう意味で、この名称もくふうしたくらいでございますから、ただいまの御提案につきましては全然賛成でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/13
-
014・小林武
○小林武君 それから、内容の点でもう一つお尋ねいたしたいのでありますが、この第三の目標のそのあとに、「法人は、これらの業務を行なうほか、この法人の目的達成に支障のない限り、その設置する宿泊研修施設を一般の利用に供することができることといたしております。」とありますが、私この点について絶対いけないというところまではいきませんけれども、これはやはりなるたけ差し控えたほうがよろしいという、なるたけ、よくよくあいたときにはというぐらいにお考えになったほうがどうかという気持ちを持っているのです。たとえば、いろいろな方面の研究とか何とかにお使いになるのもけっこうですけれども、どうもそういう面の、何というか、使用の率が非常に大きくて、まあ終わればひとつそのあとで慰労会というようなことで、一ぱい飲んで慰労するという、そういうものがあすこの中に行なわれるということは、ちょっとやはり性格上あまり好ましくない。で、私はまあそういう種類のものでないもので一般の方に利用されるということも全然認めないというわけにはいかぬと思いますけれども、なるたけこの面にあまり使わない、青少年中心、それから、いま申し上げたような身体障害者のそのスポーツ関係のこととか、そういう面に全くの重点を置いたひとつの運営のしかたというものを考慮していただきたいと思っているのですが、こういう面についてはどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/14
-
015・愛知揆一
○国務大臣(愛知揆一君) これは宿泊研修ということを第一の目標にしておりますので、この第四項でございますか、その場合におきましても、集会所的に、クラブ的におとなが入り込んで一ぱい飲むというようなことは予想いたしておりません。そういう希望があっても、これはそういうことには応じないようにするのが正当であると考えております。なお、この条文上でいいますと、あるいは個々の条文を採用しなければならぬかと思いますけれども、たとえば、もし余裕がかりに将来ありますような場合に、海外の留学生、特に東南アジアの人たちその他が、適当な宿泊の施設に入りますまでの暫定の期間、若干宿屋に不便があるというようなときには、若い人であればとめてあげてもいいのじゃないかというようなことは、余裕のある場合には考えてもいいのではなかろうか、さような程度に考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/15
-
016・小林武
○小林武君 大体その点については質問を終わりまして、そういう仕事の内容等をいろいろ考えてみまするというと、この法人の運営の適正をはかるための役員、職員というものは、私は特にこういう初めての施設でございますから、重要であると思うのであります。いろいろあると思いますけれども、私はやはり先ほど申し上げましたように、目的の中に単なる宿泊施設ではないということ、やはりスポーツというようなものの角度から、いろいろの運営の中において、いいアイデアを出すような人が役員にならぬというと、まずいというような気がするのです。そういう配慮をしないで、ただ宿泊所がうまくそろばんが合うとか合わぬとかいう話ばかりでは、これはまずいと思うのでありますが、この役員その他については、文部大臣はどうでしょうか、そういう考慮を払っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/16
-
017・愛知揆一
○国務大臣(愛知揆一君) 役員につきましては御指摘のとおりでありまして、全然新しい施設であるということ、それから宿泊研修ということが目的であるということ、この二点に着目して適材を選びたいと思っております。ただ、しかし、この法律案並びに予算を通じましての問題でございますが、開設と同時に任命し得るものは理事長一人だけでございまして、理事は一人もないわけで、理事長と、あとは管理に当たるような人だけでもって発足しなければならないというようなことで、なかなか理事長の選任には苦慮をいたしておるようなわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/17
-
018・小林武
○小林武君 役職員の総数が五十八人、そのうち非常勤が二人というようなことでありますが、これは発足のときにあたっては、これらの役員を全部そろえて出発するというわけにはちょっといかぬのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/18
-
019・前田充明
○政府委員(前田充明君) 四月にこれが発足するわけでございますが、発足いたしますと、中の改装、それから体育館の新築等、そういう事務がほとんど大半でございまして、いわゆる運営ということは四十一年の一月から開始をいたします。したがって、そのときには五十六名の満ぱいをするわけでございますが、当初四月は、おもな人は理事長と事務局長、それから技能労務員と申しますか、そういうような人、合計十名で発足をいたしたい、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/19
-
020・小林武
○小林武君 ちょっと体育局長にお尋ねいたしますが、きょうあれを見て、これを、何というか、相当清潔を保ちながら、いかにもオリンピックを記念する、そういう青少年の研修の場であるというようなことになると、私は非常なたくさんの、やはり何といいますか、清掃であるとか、末端の管理に当たられる方が相当数必要だと思うのですが、それらを含めて、その程度の数でよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/20
-
021・前田充明
○政府委員(前田充明君) たとえば清掃等の人は、これはその日その日で雇っていくようなものがございますので、これは常勤の者だけで五十六名でございます。したがって、きれいにするとか、そういうような人はその日その日で雇っていくわけでございますので、一応人数には入れてございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/21
-
022・小林武
○小林武君 文部大臣にお尋ねいたしますが、このオリンピック記念の青少年総合センターになる選手村のあとの施設について、国税庁の職員宿舎として使用する六棟の問題があるわけでありますけれども、このことについてはどうなんですか。大体、大蔵省との関係において話し合いはついているのか、六棟のものを返すのか、あるいは今後どういうふうに処理すのか、永久にあすこを使うとかいうようなことについて、どうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/22
-
023・愛知揆一
○国務大臣(愛知揆一君) 文部省としては十六棟を初めからこのセンターに出資してもらうことを希望いたしまして、昨年末の予算折衝等を行なったわけでございます。ところが、この施設については、実に多くの希望の計画があったようでございまして、いろいろ経緯はございましたが、私どもの要請というものが原則的に関係方面の承認するところとなって、それをもとにして法律案並びに予算案の御審議を願っているのが現状でございます。したがって、残りの六棟については、なるべくすみやかなる機会に、追加出資をしてもらうということに、関係の向きと話し合いができておったわけでございます。したがって、今後の計画といたしましては、十六棟全部がこのセンターのものになるということを前提にして、今後の改修、その他の計画を推進していく、さしあたり今後二カ年間くらいの間は、直接活用し得るのが十棟、そして大蔵省の臨時緊急の用にぜひ充てたいというのは、まさに臨時緊急の用途のようでございますから、それが済み次第、法律の規定するところに従って追加出資をする。こういうことに政府部内は話がまとまっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/23
-
024・小林武
○小林武君 その点については、文部大臣の御答弁で私もやや安心をいたしましたが、どうぞひとつ、この六棟については、必ず早い機会に、二年以内にこれが総合センターのものになるように、ひとつ特段の御努力をいただきたいと思います。
私の質問はこれで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/24
-
025・千葉千代世
○千葉千代世君 ここに建坪の延べが出ておりますけれども、土地は大体何坪なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/25
-
026・前田充明
○政府委員(前田充明君) これは別表のところに、五万五千四百七十一・一六平方メートル、これが土地でございます。それから建物はコンクリートの九棟、それからもう一棟、合計十棟、それで二万八千八百六十六・六三平方メートル、これだけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/26
-
027・千葉千代世
○千葉千代世君 それから運営費ですが、補助費のほうを見てみますと、千五百万円が、総収入見込みと支出の差額の分が補助になっておりますね。これからずっと正式に発足して次にずっといく場合には、毎年補助のようなことをやるのですが、足りない場合には。独立採算になっているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/27
-
028・前田充明
○政府委員(前田充明君) 大蔵省ができるだけ独立採算にしたいという希望を持っているようでございますが、私どもとしては、こちらで正当に運営をいたしまして、足りない部分は国の補助でいきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/28
-
029・千葉千代世
○千葉千代世君 足りない分は国の補助と申しましても、一応限度があると思うのです。ですから、その点はやってみなければわからないでしょうけれども、およその検討はどのくらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/29
-
030・前田充明
○政府委員(前田充明君) 足りない部分は、平年度では、これは全く推測にしかできないのですが、一応六千万円くらいになるのではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/30
-
031・千葉千代世
○千葉千代世君 これはいつから入って運営できるというか、実際的に仕事を始めるのはいつごろですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/31
-
032・前田充明
○政府委員(前田充明君) 実際的には来年の一月からでございますから、今年度については三カ月だけしか現在としては見込んでおりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/32
-
033・千葉千代世
○千葉千代世君 それから小林委員が先ほど伺われたのですけれども、この中央に青少年総合センターができますというと、各地方でもかなりそういう点が、話が進められているように聞いているわけです。たとえば体育大会をやる機会にやるとか、それから青少年のスポーツセンターとまでいかないでも、青少年も、それから地域の人もみな一緒にやれるような構想もあるように聞いているわけですが、そうしますというと、中央の運営ということがかなり影響すると思う。で、国立青年の家ができますときに、昭和三十四年でしたか、初めて私、あそこに伺って開所式を見て、そのときに運営状況について聞いてみたのです。そうしたら、指導に当たる方ですか、国立青年の家の中で、そういう運営に当たっている人に、どうですか、青年方が喜んでやっていますか、と言ったら、喜んでいますけれども、いまの青年はスリッパが足りないとか、御飯が足りないとか、そんなことばかり言っている、そういう意見があったのです。一方、青年のほうから聞くというと、監督ばかりされにいくようで、まあ善意であるけれども、窮屈だと、こういう意見を聞くわけです。そこで、国立青年の家とこの青少年センターのほうは性格も違いますし、特にはりはりして明るく元気にやらなければならない。そうすると、国立青年の家のほうを見ますと、かなり年配者だけがそういう運営に当たっていますね。私はこれは希望としてですけれども、やはり若手も少し入れて、そうしてまた女の人も少し入れて、女子がいるわけですから。そうしてやはり零囲気をつくったらいいんじゃないかなと、そういうふうな運営が望ましいということ、それからきょう見て、食堂と宿舎がかなり遠いのですね。あれは青年たちですから、雨が降ったり嵐があったときにはレインコートを着て行けばいいわけなんですけれども、あそこに三度三度行かなければならないのですが、何かいい方法を考えられません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/33
-
034・前田充明
○政府委員(前田充明君) 運営のしかたについては御趣旨のことは私どもも考えておりますので、できるだけ御趣旨に沿いたいと思いますが、食堂と建物との間の問題でございますが、これは廊下をつくれば雨が降った場合にぬれなくてもよろしいわけですけれども、どうもあそこは廊下をつくりますのは、いかにもかっこうが悪いしいたしますので、現在としては、まだ私どもとしてはこれを雨にぬれないようにつなぐ計画は持っておりません。これは実際に運営してみて、またいろいろ研究はいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/34
-
035・千葉千代世
○千葉千代世君 これは私研究してほしいと思うのです。というのは、病気の方でしたら食事を運ぶでしょうけれども、やはりそれに準じた方もおりますので、こちらのほうは廊下をつくれないのです、ここが道路になっていて。上のほうを何か少ししたら、高い廊下でなくて、土手のほうをちょっと考えたら、これは私はしろうとなんですけれども、何か御配慮いただくようなことができたら御検討いただきたいと思います。以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/35
-
036・二木謙吾
○二木謙吾君 私は要望があるのでございます。せっかくオリンピック記念青少年総合センターができるのでございます。その目的を達成するということについては、この運営いかんということが非常に大事な問題であります。それについてはやはりここに役員あるいは理事長、あるいは理事、監事あるいは評議員、こういう人がその人を得るといなとによって、私は非常な成果の上がり方に差ができると思いますから、そういう人の人選に当たっては、特に慎重に御選考をいただいて、適材を選んでいただくよう要望をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/36
-
037・山下春江
○委員長(山下春江君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/37
-
038・山下春江
○委員長(山下春江君) 御異議ないと認めます。
二木委員から、委員長の手元に修正案が提出されておりますので、この際、本修正案を議題といたします。
まず修正案の趣旨説明を願います。二木委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/38
-
039・二木謙吾
○二木謙吾君 本案の施行が四月一日から不可能になりましたから、修正案を提出したいと思います。
まず、修正の案文を朗読いたします。
オリンピック記念青少年総合センター法案に対する修正案
オリンピック記念青少年総合センター法案の一部を次のように修正する。
附則第一条を次のように改める。
(施行期日)
第一条この法律は、公布の日から施行する。
附則第十条から附則第十五条までを一条ずつ繰り下げ、附則第九条中「附則第七条」を「附則第八条」に改め、同条を附則第十条とする。
附則第八条を附則第九条とし、附則第七条を附則第八条とする。
附則第六条の見出しを削り、同条を附則第七条とする。
附則第五条の次に次の一条を加える。
(経過規定)
第六条青少年総合センターの最初の事業年度は、第二十一条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、昭和四十一年三月三十一日に終わるものとする。
本修正は、本案の四月一日施行が不可能となりましたので、これを公布の日とするために必要な修正規定であります。
何とぞ御賛成をお願い申し上げます。(「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/39
-
040・山下春江
○委員長(山下春江君) それでは原案並びに修正案について討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。−別に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/40
-
041・山下春江
○委員長(山下春江君) 御異議ないものと認めます。
これよりオリンピック記念青少年総合センター法案について採決に入ります。
まず、二木委員提出の修正案を問題に供します。二木委員提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/41
-
042・山下春江
○委員長(山下春江君) 全会一致と認めます。よって、二木委員提出の修正案は可決されました。
次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/42
-
043・山下春江
○委員長(山下春江君) 全会一致と認めます。よって、修正部分を除いた原案は全会一致をもって、可決されました。
以上の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決し短いたしました。
この際おはかりいたします。先ほど理事各位の御協議で決定いたしました附帯決議案を便宜私より提案いたします。
まず、案文を朗読いたします。
オリンピック記念青少年総合センター法案に
対する附帯決議(案)
オリンピック記念青少年総合センター設置の目的にかんがみ、政府は、オリンピック選手村跡の施設中、国税庁職員宿舎として使用予定の土地建物(六棟)を、二カ年以内に追加出資するとともに、青少年の心身の健全な発達を図るため、その運営に十分な配慮をなすべきである。
ただいまの附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/43
-
044・山下春江
○委員長(山下春江君) 全会一致と認めます。よって、ただいまの附帯決議は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決しました。
文部大臣より発言を求められましたので、これを許します。愛知文部大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/44
-
045・愛知揆一
○国務大臣(愛知揆一君) ただいまの御決議につきましては、関係当局と協議の上、その趣旨がすみやかに実現されるようにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/45
-
046・山下春江
○委員長(山下春江君) なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/46
-
047・山下春江
○委員長(山下春江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時二十一分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01219650401/47
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。