1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年三月三十一日(水曜日)
午前十一時四十分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 石井 桂君
理 事
木島 義夫君
後藤 義隆君
稲葉 誠一君
和泉 覚君
委 員
植木 光教君
大谷 贇雄君
源田 実君
鈴木 一司君
鈴木 万平君
中山 福藏君
宮澤 喜一君
山高しげり君
政府委員
法務政務次官 大坪 保雄君
法務大臣官房司
法法制調査部長 鹽野 宜慶君
最高裁判所長官代理者
最高裁判所事務
総局総裁局長 寺田 治郎君
最高裁判所事務
総局人事局給与
課長 宮崎 啓一君
事務局側
常任委員会専門
員 増本 甲吉君
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本日の会議に付した案件
○裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
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001・石井桂
○委員長(石井桂君) これより法務委員会を開会いたします。
裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。本案に対し質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/1
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002・稲葉誠一
○稲葉誠一君 行(二)の電話交換手、自動車運転手、汽かん士、庁務員、昇降機手等、これは要求はしたのですけれども、全然認められなかったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/2
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003・寺田治郎
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) お説のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/3
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004・稲葉誠一
○稲葉誠一君 これはどの程度要求したのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/4
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005・寺田治郎
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) これは、先般お手元に提出いたしました「昭和四十年度増加要求等人員表」の一枚目の上の表にございますとおり、行(二)職員四百五十三名を要求したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/5
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006・稲葉誠一
○稲葉誠一君 電話交換手は、たとえば一座席二名という割合に規則というか実際の制度でなっているんですか。現状はどういうふうになっているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/6
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007・寺田治郎
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) これは、別に規則というようなわけではございませんけれども、電話一座席について一人でございますと、手洗いにも行けないということになりかねないわけでございますので、普通、やはり一座席には二人いるように配置をいたしておる、こういうわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/7
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008・稲葉誠一
○稲葉誠一君 配置しておるのですが、現実にはそういうふうに配置しておらないんじゃないですか。現実にはどういうふうになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/8
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009・寺田治郎
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) これは実際にも一座席のところは二人大体配置になっておりますが、電話二座席ございます場合に、二座席四人ということがいわば理想でございますけれども、しかし、二座席の場合には、いろいろ交代等をし合えば三人でまかなえる、あるいは、三座席なら、六人でなくて四人なり五人でまかなえると、こういうような関係で、その座席の倍数どおりには配置されていないと、こういう実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/9
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010・稲葉誠一
○稲葉誠一君 行(二)の職員に一般事務官の仕事を現在させておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/10
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011・寺田治郎
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) これは、原則としてはさようなことはございませんけれども、御承知のとおり、簡易裁判所等は五百七十カ所近くございますし、そういう関係で、事務量として行(二)一人配置しても、一人分の十分の仕事が必ずしもないというようなところで、補充的に事務的な仕事を手伝わしておる例は実際にございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/11
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012・稲葉誠一
○稲葉誠一君 どの程度ありますか。それはどういう仕事を手伝わしておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/12
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013・寺田治郎
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) これはちょっとどの程度ということは数字的には申しにくいわけでございますが、いずれの場合にもしかし行(二)職員の事務量の五〇%以上やらせるということはございませんので、結局、行(二)の仕事を主体にして、そして二〇%なり三〇%事務的な仕事を補助させる。これは、大部分において簡易裁判所等小さな裁判所でそういうことが行なわれておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/13
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014・稲葉誠一
○稲葉誠一君 これはおもにどんな仕事ですか。ことに略式命令や支払い命令は行(二)職員に書かせているんですか、簡易裁の場合に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/14
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015・寺田治郎
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 結局、事務的な補助事務ということでございますが、そういう面でものを書かせるということもないではございません。ただ、そういう裁判事務の重要なものは、そういった人にはできる限り手伝ってもらわないで、むしろ司法行政の事務的なものを手伝ってもらうように指導いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/15
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016・稲葉誠一
○稲葉誠一君 いまこれはあなたもはっきりわかっておらないかもわかりませんが、裁判所の職員が公務で死亡したりして、そうしてそれがいわゆる公傷かどうかというようなことで争いになっておるのが何件ぐらいありますか、具体的な例として。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/16
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017・宮崎啓一
○最高裁判所長官代理者(宮崎啓一君) 裁判所職員が職務遂行中に災害をこうむって死亡したというふうなケースで現在かなりこの点の認定について調査を実施しておるというケースは二件ございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/17
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018・稲葉誠一
○稲葉誠一君 要点だけ説明願いたいんです。それでまあ見通し等については、いまここでかえって聞くのはあれかと思いますから聞きませんが、事件の要点だけちょっと説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/18
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019・宮崎啓一
○最高裁判所長官代理者(宮崎啓一君) 一件は、横浜の地裁で、本年の二月一日の午前六時二十分ごろに、横浜地裁の汽かん士、いわゆるボイラーマンでございます、それが朝役所へ参りまして、これから仕事にとりかかる直前に脳卒中によりまして倒れまして、同日の夕方なくなったというケースがございます。その場合に、本人がすでにここ数年前から高血圧で治療を受けておったというふうなこと、あるいは本人が年齢が七十二歳でございまして、もうここ四、五年前から年齢の点、あるいは高血圧症を持っておるというふうなことから、退職してはどうかというふうなすすめをしておったわけでございますが、本人のほうが引き続き勤務したいと。ただ、横浜地裁の場合、裁判所では汽かん士と汽かん助手と二名おるわけでございますが、あそこの庁舎は検察庁と共同して使用しておるために、ボイラーは一つのボイラーで裁判所、検察庁と両方使っておる。そういうことから、検察庁からも職員が二名出てきまして、結局四名でボイラーの仕事をしておったわけでございます。そうしますと、その四名のうちで不幸にしてなくなった方が汽かん士の資格を持っておるということから、実際の力仕事はやらずに、監督的な意味で職員を配置しておった。その方が仕事にかかる直前になくなったということから、そのことが死亡と公務の間にいわゆる相当因果関係があるかどうかという点につきましてのかなりきわどいケースでございますから、現在調査中というのが一件ございます。
それからもう一件は、いま手元に資料は持ち合わせございませんが、二年くらい前に、宮崎の地方裁判所の刑事の裁判長が午前に法廷を一回やりまして、午後一回やりまして、法廷が終わりまして判事室へ帰りましてその日の仕事について若干陪席の裁判官と話し合いをしている途中に、ちょっと便所へ行くというふうに言われて便所へ行かれる途中の廊下で、やはり脳卒中で倒れて同日なくなったというケースがございまして、この判事の方もやはり数年前から高血圧病で治療しておったというふうなことでございまして、ただ、その発作が起こる一カ月くらい前に大阪に出張された、あるいは、もう一カ所宮崎の近ぺんでございますが、日向、延岡辺に出張されたというようなこともございまして、本人の職務の過重性と病気災害の発生との間に因果関係があるかという点がやはりかなりきわどいケースでございますから、これも現在調査中で、以上の二件が現在かなり問題のケースとして継続しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/19
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020・石井桂
○委員長(石井桂君) ほかに御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/20
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021・石井桂
○委員長(石井桂君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/21
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022・稲葉誠一
○稲葉誠一君 私は、この裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対して賛成をいたします。
ただ、この際、自由民主党、日本社会党、公明党、第二院クラブの共同提案をもって、左のとおり附帯決議を提出したい、こういうふうに考えますので、その案文を朗読をさせていただきます。
裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府並びに最高裁判所は、近時における訴訟遅延の現象にかんがみ、裁判事務の適正迅速なる処理を図るため、裁判官、裁判所書記官、その他の裁判所職員を、大幅に増員するとともに、それに伴う庁舎その他の施設の拡充整備に特段の努力をすべきである。
右決議する。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/22
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023・石井桂
○委員長(石井桂君) ほかに御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/23
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024・石井桂
○委員長(石井桂君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより採決に入ります。裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/24
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025・石井桂
○委員長(石井桂君) 全会一致と認めます。よって、本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、稲葉君が討論中に述べられました自由民主党、日本社会党、公明党及び第二院クラブの共同提案による附帯決議案を議題といたします。
本附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/25
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026・石井桂
○委員長(石井桂君) 全会一致と認めます。よって、自由民主党、日本社会党、公明党及び第二院クラブの共同提案による附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、法務省当局及び最高裁判所当局から、それぞれ発言を求められておりますので、それを許可いたします。大坪政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/26
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027・大坪保雄
○政府委員(大坪保雄君) 政府といたしましては、ただいま御決議になりました附帯決議の趣旨を十分尊重いたしまして、今後極力努力をいたしてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/27
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028・石井桂
○委員長(石井桂君) 寺田総務局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/28
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029・寺田治郎
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 裁判所に対し、まことに御理解ある御決議をいただきまして、感謝にたえません。上司に御決議の趣旨を報告いたしまして、今後その実現に誠心誠意努力いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/29
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030・石井桂
○委員長(石井桂君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/30
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031・石井桂
○委員長(石井桂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
次回の委員会は、四月六日午前十時から開会いたします。
速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/31
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032・石井桂
○委員長(石井桂君) 速記をつけてください。
本日はこれをもって散会いたします。
午前十一時五十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X01419650331/32
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