1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年四月二十六日(火曜日)
午前十時四十八分開議
出席委員
委員長 天野 公義君
理事 浦野 幸男君 理事 河本 敏夫君
理事 始関 伊平君 理事 田中 榮一君
理事 板川 正吾君
内田 常雄君 海部 俊樹君
神田 博君 黒金 泰美君
小宮山重四郎君 田中 六助君
二階堂 進君 三原 朝雄君
早稻田柳右エ門君 石野 久男君
大村 邦夫君 島口重次郎君
田原 春次君 麻生 良方君
栗山 礼行君
出席国務大臣
通商産業大臣 三木 武夫君
出席政府委員
通商産業政務次
官 進藤 一馬君
委員外の出席者
議 員 麻生 良方君
中小企業庁長官 影山 衛司君
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本日の会議に付した案件
官公需についての中小企業者の受注の確保に関
する法律案(内閣提出第一四二号)
官公需の中小企業者に対する発注の確保に関す
る法律案(板川正吾君外十八名提出、衆法第二
二号)
官公需の中小企業者に対する発注の確保に関す
る法律案(麻生良方君外一名提出、衆法第三四
号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/0
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001・天野公義
○天野委員長 これより会議を開きます。
去る二十日付託になりました麻生良方君外一名提出、官公需の中小企業者に対する発注の確保に関する法律案を議題とし、提出者から趣旨の説明を聴取することといたします。麻生良方君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/1
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002・麻生良方
○麻生議員 ただいま議題となりました官公需の中小企業者に対する発注の確保に関する法律案の提案理由を御説明いたします。
国が各種の経済政策をもって、大企業と中小企業との格差を是正し、中小企業経営の安定をはからんとしている現在、国民購売力のうちの相当量を、恒常的に中小企業に向け、安定需要を振り向けることが必要なのでありますが、このためには、国が自己の裁量によって政策どおりに運用できる予算面支出をもって、まず中小企業に対する相当量の発注を確保することが、最も望ましいのであります。
この点は、すでに現行の中小企業基本法第二十条の「(国等からの受注機会の確保)」の条項にこの旨に関する基本方針を明示しております。ここに提案する本法案は、この方針の実施措置でありまして、わが党が立党以来、国会ごとに提案し続けてきたところであります。
本案は、第一に、国、地方公共団体、公共企業体等が、サービスまたは物資を調達するため、請負、買い入れその他の契約をする場合に、中小企業に対して、調達総額の一定割合を政令をもって確保し、こうして中小企業の活動を維持せしめ、中小企業の健全な発達をはからんとするものであります。
第二に、このように官公需要の一定割合を中小企業に対して確保するために、内閣総理大臣は、毎年度、中小企業官公需確保審議会の答申に基づいて、その割合を決定し公表しなければならない義務を持つこととし、各省各庁等の長は、その公表された割合に達するよう中小企業に発注するようつとめる義務を負わせるものであります。
第三に、このような一定量の発注を確保するために、中小企業者に対しては、契約の特例を定めて、中小企業者のみに一般競争契約をせしめることができることとし、また各省各庁の長及び地方公共団体や公団、公社の長は、毎年度、中小企業に対する発注実績を監督官庁に報告する義務を負わせます。また、それぞれの監督官庁の長は、それぞれの官公機関が一定量の発注を中小企業者に対して発し得るように必要な勧告を行なうことができるものであります。
第四に、内閣総理大臣の諮問機関として、中小企業官公需確保審議会を設置して、ここで毎年度中小企業に発注すべき割合の決定、その他の事項について意見を具申できるようにしておくものであります。
なお中小企業に発注すべき一定割合につきましては、政府の昭和四十一年度経済見通しによりますと、財政の財貨サービスの購入は七兆千五百億円と想定され、これは国民総生産の二三・二%に達しておりますので、国民所得の配分面におきましても、そのうちの少なくとも五割見当は中小企業に発注するよう、発注目標を掲げて政令をもって、物品発注、製造発注、工事発注等にわたり、今後の発注量を増加するよう検討することを強く要請するものでありまして、政令で定める一定割合は、このようにして既往の発注実績を上回らしめるのが当然と考えるものであります。
以上、この法律案の趣旨であります。
何とぞ慎重審議の上、御賛成あらんことを希望いたしまして、説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/2
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003・天野公義
○天野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/3
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004・天野公義
○天野委員長 次に本法案に加えて、内閣提出、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律案、及び板川正吾君外十八名提出、官公需の中小企業者に対する発注の確保に関する法律案、以上三法律案を議題とし、審査を進めます。
質疑の申し出がありますので、これを許します。大村邦夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/4
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005・大村邦夫
○大村委員 私は、これから政府提案の官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律案を中心として、若干質疑をしたいと思います。
今日までの時点における中小企業者に対する官公需の確保については、御承知のように国の関係は、中小企業基本法の第二十条に、また地方公共団体に対しましては、同法の四条でそれぞれ規定をされております。これらは「必要な施策を講ずるもの」とか、あるいはまた「国の施策に準じて施策を講ずるように努めなければならない。」とかいうふうに、大まかな方針が定められておりますが、政府は、いわばこの方針に基づいて、どういうふうに具体的な指導なり運営をはかってきたか、この点について、まずお尋ねをしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/5
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006・影山衛司
○影山説明員 お答え申し上げます。
基本法の第二十条におきまして、つとに国が官公需の発注にあたりまして、中小企業者の受注の機会を増大すべきだというふうにいたしておるわけでございますが、政府におきましては、その趣旨にのっとりまして、確保につきまして従来から官公需契約の手引きというものを過去三年度にわたりまして作成いたしまして、その契約の手続等の周知徹底をはかりまして、中小企業者が手続のふなれ等のために、受注の機会を失うことのないようにつとめてまいったわけでございます。
それから、さらに関係官庁との関係におきましては、中央におきまして連絡会議を随時開きまして、中小企業者に対しまして官公需をできるだけ発注いたすようにということで連絡及び要請をいたしてきたわけでございまして、それに基づきまして、たとえば最近におきまして早大蔵省の所管いたしております予算決算会計令におきまして、随意契約あるいは指名競争契約の限度額を引き上げまして、これによりまして、中小企業者が随意契約あるいは指名競争契約ということに参加し縁る機会を増大いたしたようなわけでございます。あるいは建設省におきましても、参加資格の格づけ等におきまして、中小企業者に対する配慮を十分にしなければいかぬというふうな施策を講じておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/6
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007・大村邦夫
○大村委員 ただいまの答弁によりますと、まず第一に、官公需契約の手引きの作成ということがありました。私はこの中身は見ておりませんが、推測するのに、これは中小企業者がそういう官公庁における需要の契約制度を知らないために受注の機会を失う、したがって、そのことを周知徹底するということでありまして、このことが即官公需の確保につながってはおりますが声確保を期するということにはならないと思うのです。
それからさらに、中央連絡会議のことも申されましたが、これも私はそれだけ各省庁なり関係の向きについて拘束する力はない、単なる要請にすぎないと思います。
それから限度額の引き上げについては、これは一応了といたしますが、これもいわゆるそういう場に参加することができるという機会を与えられたのであって、そのことによって中小企業者に対する官公需の確保がはかられるということには必ずしもならないと思います。そういういろいろな欠陥があるので、したがってそれを補完しなければならない。さらに今日、不況であるから、従来の確保すらあるいは期することができないというそういう配慮で、いわば補完的な、あるいはまたそれをさらに増大するという立場から今度の法律案ができたと思います。
そこでお尋ねしたいのは、この法律案を施行した場合に、従来の実績がどのように変化をするのか、長期の見通しについてお尋ねをしたいわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/7
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008・影山衛司
○影山説明員 先ほど先生から御指摘がございましたように、従来の措置では不十分な点もございますので、今回、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律案を提案いたしまして、できるだけ中小企業者に官公需の分け前がそちらに行くようにという種々の措置を講じてまいることにするわけでございますが、この法律を施行いたしますことによりまして、具体的にどの程度の効果があがっていくかということにつきまして、今後の問題でございますので、私どもも、もしもこの法案を通していただきましたならば、それに即してひとつ各省と一緒に努力していきたいというふうに考えておりますが、御承知のように、昭和三十八年度の官公需の中で、中小企業者向けのシェアは四三・八%というふうに中央、地方を通じてあったわけであります。私どもの今後の目標といたしましては、中小企業者の生産または輸出に占めるシェアというものが全体で大体五〇%程度でございますので、少なくとも当面の目標といたしまして、全体を通じて五〇%程度までは持っていくように努力をしたいというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/8
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009・大村邦夫
○大村委員 ただいまの御答弁では、大体めどを五〇%にしてそれまで引き上げるように有効な措置を講じていきたい、こういうことでございました。しかし私は、この法案全般をながめまして、はたしてそこまでの目標が達成できるのかどうか、いろいろ疑問を持つものであります。
以下、逐次その点について御指摘を申し、意見を申し上げてみたいと思います。その前に、参考までに、昭和三十八年度以降の官公需総量に占める中小企業の割合、これをひとつ御説明願いたいと思います。三十八年、三十九年——四十年度はまだ必ずしも正確に出ていないし、推計かと思いますが、その点について御提示を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/9
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010・影山衛司
○影山説明員 お答え申し上げます。
三十八年度におきます実績でございますが、これは中央と地方を通じまして中小企業が受注を受けました金額が五千三百八十七億ということになっておりまして、それが全体の比率が四三・八%ということになっておることは、先ほど御答弁申し上げたとおりでございますが、その後、三十九年度につきまして各省と連絡をいたしまして実績をとっておりますが、大体中央につきましては集計ができ上がっておりますけれども、まだ地方公共団体分の集計が十分にできておりません。大体中央夢につきまして官庁、公社、公団分が約九千七百二十五億というような金額にのぼるかと思うわけでございます。地方公共団体を含めまして大体一兆五千億円くらいな実績が三十九年度には推定されるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/10
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011・大村邦夫
○大村委員 割合はどのくらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/11
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012・影山衛司
○影山説明員 割合は、中央につきましては、三十八年度が大体二八%程度でございましたけれども、三十九年度につきましては、金額は七千二百五十九億円から九千七百二十五億円に上昇いたしておりますけれども、比率につきましては、三十八年度の官庁、公社、公団分二八%、それが多少下がっておりまして、二六%強ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/12
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013・大村邦夫
○大村委員 ただいまの実績、割合、横ばい状態ですね。それに最近御承知のように不況でございますから、かなり強力な施策を講じないと、政府、通産省のお考えの五〇%の目標にはなかなか到達しにくいということが言えると思います。
そこで、第一条の目的の項についてお尋ねをしたいのですが、政府案によりますと、その目的におきまして、「中小企業者の受注の機会を確保するための措置を講ずることにより、中小企業者が供給する物件等に対する需要の増進を図り、」云々、こういうようにありますが、「受注の機会を確保する」というのは一体どういうことを意味するのでしょうか。私ども社会党、あるいはまた、ただいま提案理由の説明がございました民社党は、御案内のように「発注を確保する」、政府案に直せば受注を確保する、「機会」ということばは使ってございません。これはかなりその含む内容というものが、ただことばのニュアンスとしてだけでなしに含まれる意味として相当な差があると私どもは考えます。いわば政府のこの目的にうたってある「受注の機会を確保する」云々というのは消極的である。なぜその機会の確保という「機会」を入れなければならないのか、そこら辺の理解に苦しむのですが、その点御説明願いたいと思います。
なお、私は、この条文全体を見まして、この目的の機会の確保というこの精神が以下ずっと各条に消極的につながっておるということが指摘ができると思うのですが、そういう意味からもぜひこの私が質問しました受注の機会の確保という「機会」はどういう意味かということを御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/13
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014・影山衛司
○影山説明員 お答え申し上げます。
政府提案の法案につきまして、「中小企業者の受注の機会を確保する」というふうに規定をいたしておるわけでございますが、これをこういうふうに規定いたしました理由を申し上げます。
第一は、この法律の母法となっておりますところの中小企業基本法におきまして、第二十条において、国等からの受注機会の確保をはかるべしというふうに規定をいたしておりますので、それに基づきまして、受注機会の確保というふうな表現をいたしましたのが第一でございます。
それから第二点といたしまして、社会党提案あるいは民社党提案の法案につきましては、発注の確保というふうに、契約をする際に直接中小企業のほうのシェアを確保するというふうな表現になっておるわけでございますが、精神におきましては私どもの規定しておりますのと同じでございますけれども、ただ、ニュアンスといたしまして、中小企業者のために受注を確保すると申しましても、やはり高くてもあるいは品質が悪くても中小企業者のために官公需を向けてやらなければいけないというところまでは、御承知のとおりに、国の調達というものが税金等の血税等をもってまかなうものでございますので、そういう点につきましてある程度の制約はございます。そこで、できるだけ中小企業者がそういう官公需契約に参加をするところの機会、チャンスを与えてやるということによりまして——たとえば入札の資格、基準を定める際あるいは入札者の指名の際あるいは随意契約の相手方とする場合、そういう場合にできるだけ中小企業者を参加させる、あとは、中小企業者がやはり良質、廉価のものを提供するということによりまして、中小企業者の受注の確保というものもおのずとそれによって出てくるわけでございますので、受注の機会を確保するということによりまして、発注なり受注を確保するという目的を達成したいというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/14
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015・大村邦夫
○大村委員 ただいまの答弁の中で私ども、聞き捨てならぬ点があったと思うのです。これは社会党、あるいは民社党案もそうだと思うのですが、私どもは、この官公需について、その内容は、財源的な裏づけが国民の血税であるということは十分承知しておるのです。したがって、中小企業を守るという立場から何が何でも、会計の原則といいますか、予算の公正かつ効率的な使用に留意するという点を無視しておるわけじゃないのです。ただ、御承知のように、今日、中小企業あるいは農業部門が暗い谷間で呻吟しておるよって来たる原因は何なのか。総理も言われるように、高度経済成長政策のひずみでしょう。そのひずみはだれがつくったのでしょうか。その議論はあえていたしませんけれども、そうしてきますと、ここにはかなり考慮をしなければならない問題がある。したがって、私どもは予算の効率的なあるいは公正な運用を期するけれども、それを重視すると中小企業に対する官公需の発注の確保というのはなかなか期しがたい。そこら辺の調整の問題については私どもといえども十分配慮をしておるつもりなのです。それをそういうふうにとられるとはなはだ迷惑だということをまず申し上げておきます。
それから私が言うまでもなく、大企業と中小企業と同じスタートラインに立った場合に、どっちが一体強いのか。大企業は御承知のように資本力も強い、信用度も高い、あるいは技術革新もやりコストも低い。そういうものと、比較的人手を要し、技術革新も近代化もおくれておる中小企業が同じスタートラインに立って、良質廉価——質の悪いものを買えという意味で私ども申し上げておるのじゃないのですが、廉価ということになると妥当な価格、その妥当な価格とは何ぞやということになると、やはり質が同じであれば安いほうがいいということにおのずからなっていくのじゃないでしょうか。そういう点について政府のほうはあまりにも事務的にお考えじゃないか。チャンスを与えるというが、なるほどこの実績はかなりあります。先ほど説明されましたように四十何%、これは私はアメリカあたりと比べてかなりの実績がわが国においても確保されておるということは言わざるを得ないのですけれども、しかしその実績が出ておるからといって、手放しで喜ぶことはできないでしょう。仕事をしないでおりますと、中小企業は従業員をかかえどうにもならない、出血をしてでもそれに応ぜざるを得ない。そういう傾向も私はなきにしもあらずと思うのです。したがって、機会を与えるというのでなしに、やはり与えるほうは発注を確保し、与えられるほうは受注を確保する、そういう立場でこういう法律というものは考えていかなければならないと思うのですが、その点いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/15
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016・影山衛司
○影山説明員 お答え申し上げます。私の先ほど申し上げました趣旨と、先生のおっしゃいます趣旨と全く趣旨においては同一なわけでございまして、社会党の案あるいは民社党の案が、高くても悪くても、中小企業者のほうに官公需を回せということを書いてあるわけではございません。ただ、ニュアンスの差といたしまして、やはり受注の機会を確保してやることによって、自主的な中小企業者の努力というものも喚起してやらなければいけないということも考えまして、そういうふうな規定のしかたをいたしたわけでございまして、会計法の体系の範囲内におきましても、たとえば同質同価の場合には中小企業者のほうにこれを回してやるというふうな規定のしかたも政令段階でできないわけではございませんので、そういうふうな会計法の体系も頭に置きまして、中小企業者のために受注の確保をはかってやるという方向でこの法律を運用していきたいというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/16
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017・大村邦夫
○大村委員 同じだということになれば、もう少し明確にしたらどうでしょうか。大企業も中小企業も同じような機会を与えてもらって、同じスタートラインに立ってスタートすれば、私はやはり大企業のほうが強いと思うのです。これは一般的な常識だと思いますが、そういうことはお考えになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/17
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018・影山衛司
○影山説明員 大企業と中小企業を同じスタートラインに置いて競争させるということは、必ずしも私どもは考えていないわけでございまして、たとえば先ほど冒頭に説明いたしました随意契約あるいは指名競争入札の場合の限度額を引き上げました場合も、これは随意契約におきましてたとえば百五十万とか百八十万とかいうふうな金額の小さいもの、これが随意契約ということで実績等を見ましても、ほとんど中小企業者が恩恵に浴しておるわけでございまして、その範囲を今度また相当程度上げまして、中小企業者が実際上これに入っていけるように、大企業はそういう小さい契約のほうには入っていくはずもございませんので、そういうところの運用のよろしきを得まして、できるだけ大企業と中小企業者とのスタートラインは、中小企業者のほうに有利にというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/18
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019・大村邦夫
○大村委員 そのランクを引き上げて、同じ仲間といいますか中小企業者同士に公正かつ自由な競争をさせる、これは必ずしも私は悪いとは思いません。そこで関連してお尋ねしますが、ランクを設け、これから以上は大企業だという場合に、その大企業が直接手をくだしてその仕事をしておるのかどうなのか。具体的な例をあげてみますと、ある大きなお役所ができる、その場合に何々建設という建設業者と契約を結ぶ、それには、契約高が幾らで、さらに契約される側の建設業者は従業員は何人以上で資本金が幾ら幾らなければならないという規制もあると思うのです。しかし現実に、その仕事を大企業が請け負った場合に、大企業が直接手をくだしてその従業員、いわゆる資格要件になる範囲内で仕事がなされておるのかどうなのか、私は必ずしもそうでないと思う。そうしてきますと、大企業とか中小企業とか、請負金額によってきめるというのはいささか矛盾があるのではないか、そういう議論も成り立つと思うのです。そこら辺についてどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/19
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020・影山衛司
○影山説明員 お答え申し上げます。たとえば建設省が最近中小建設業者の受注機会の確保をはかるために、公共工事の発注に対しましてランク制を設けまして、その直近上下のものには参加し得るけれども、下のほうのランクには手を出したらいけないというふうな資格基準をきめまして、発注標準を厳守して、中小工事にはみだりに大手業者を指名しないようにするというふうな実際上の行政指導を建設省のほうも一生懸命やっておられるようでありまして、そういう点で私どもは心配ないというふうに考えておりますけれども、なお一そうそういう面におきましての指導というものは必要かと考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/20
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021・大村邦夫
○大村委員 十分な指導ということですが、私は実態を見て非常に心配になる点があるわけです。それはいま申しましたように、ある大きなお役所ができるような場合に、大建設業者が請け負い、しかしその仕事は事実上はみな下請にやらせておる。そうするとうまい汁というのは大企業だけが吸う、そして下請業者はそのおこぼれ。そして契約の対象は、金額は何ぼ以上の場合は大企業だ、中小企業の入る余地も全然ない、そういうようなやり方についてはもう少し政府としても考えてみなければならぬのじゃないか。中小企業の限度額は上がった、そこまでは大企業の進出は阻止できる。しかしそれはお互いの競争がさせられ、しかも熾烈である。良質廉価が求められる。もちろん大企業といえどもそうでしょうけれども、しかしいま言いますように建設事業等についてはほとんどが大建設業者は契約の相手方になるだけであって、実際の工事は下請企業がやっておる、こういう実態については私はもう少し考えてみる必要があるのではないか。話が飛んで恐縮ですが、労働災害が起きます。一体どこどこが請け負ったんだ、だれがそういう事故を起こしたのかいろいろ追及してみると、責任の所在が必ずしも明確でない。どこやらの組あるいはきのうあたりに募集したような下請企業の臨時者が重要な仕事をして、そうして事故を起こしておる、こういう実態が過去において幾度かありました。事故のことから言うのじゃありませんが、この法案は中小企業者を政府みずからが守るという立場からきめられておるが、しかし、そこにはなおかつ考慮してみなければならない点が幾つかあるじゃないか、その一つとしていま大建設業者あたりがトンネル的に、ただ自分のところののれんと信用度で契約を結んで、実際は中小零細企業の下請にそれを請け負わせて値たたきをやる、こういう点についても、なお私は規制をしていくとか、何らかの措置を講じていかなければならないと思います。大臣大体おわかりになったと思いますが、いま中小企業に対する官公需の発注確保に関して、いろいろ意見を申し上げておるんですが、そういう中の一つの意見として、いま申し上げました。大臣のお考えがあればひとつお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/21
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022・三木武夫
○三木国務大臣 いま長官から——私もここで聞いておって、この法律は非常にこういう法的な背景を持って、やはり運用の面というものは非常にあると思います。いま請負の場合を例に引かれて、中小が下請をやっておるじゃないかというが、なお大きな工事で責任の主体ということになってくると、あまり自分の力に余るような工事を中小が請け負ってやるということも、そういうものができるだけの責任というようなことから考えて、実際問題として非常にむずかしいと思います。そういう点で、これは実際の個々のケースでいろんな場合があると思うんです。できるだけこういうふうな法律をつくって、しかもそのことによって——官公需の場合に、みな大企業ならこれはめんどくないですね。大企業にいろいろ注文を出せばめんどくないが、頭の中で中小企業に仕事を与える余地はないかということをみな一ぺん考える義務をこの法律は要求しておるんですね。こういうのができたんですから。こういうものがないときには、いろいろ通知を出しても、やはり法律とは違うんですね。あれば一ぺん頭の中で考えてみるということが中小企業の需要を確保していく上においてやはり相当な前進になるんじゃないか。この法律は、いろいろ義務づけてはないですから、これは、この法律を背景にして運用の面というのは非常に大事だと私は思っています。これをまた、実際にこういう法律を背景にしてやってみれば、いろいろ将来改善していく余地も出てくるが、第一歩として政府が中小企業の受注確保に対して相当前進の姿勢を示したということは評価をしていただきたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/22
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023・大村邦夫
○大村委員 大臣のその最後の、前進の姿を示したことを評価してくれということですが、私はだいぶ頭隠してしり隠さずで、底が抜けていると思うのです。まあその意見はあとで逐次申し上げます。
ただいま大臣に御答弁願ったことは、重ねて言うまでもないと思いますが、官公需の発注の場合に、その契約の相手方を、建設工事等の場合では幾らぐらいまでは中小企業、それから上は大企業というようにランクを設けてあります。あるいはまた競合する場合もあるでしょう。しかしこれ以上は中小企業は進出をしてはならない、その契約をしてはならないという、その大企業のワク内の契約をされる部分に、大企業の特権的なものが確保されていないのか、つまり実際の仕事は、大企業がのれんだけで、工事は中小企業にたくさんやらしています。そういう場合に、大企業は手つかずで、いわばもうけておるじゃないか、だから分離発注といいますか、それは確かにめんどうですが、そういう点もかなり検討してみる必要があるんじゃないか、この法案の中でそういうことが具体的に示されておる、方針としてもというなら、私はあえて言いませんけれども、必ずしもそうなっていないので、御意見として申し上げます。
なお、先ほどから論議の中心になっているのですが、受注の機会を確保するということと受注を確保するというごとはかなり違うと思うのです。しかし、長官は精神的には同じようなもんだとおっしゃる。だとするならば、その中小企業基本法を受けてこういう表現を使わざるを得なかったと言われますが、私は、必ずしもそうでなくてもいいだろう、同じなら——長官は全く同一という意味でおっしゃったのではないと思いますけれども、大体同じなら、私ども社会党なり、民社党が発注の確保という表現を使っております。そういうふうに修正できないもんでしょうか。そのことがよりこの法を強化する道だと考えているわけですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/23
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024・三木武夫
○三木国務大臣 これは会計法上も、公正でやはり良質、低廉という一つの原則があるわけですから、中小企業だからといって、会計法上の原則を破るわけにはいかないので、表現としてはやはり機会だと思いますね。自由主義社会において大事なことはやはり一つのチャンスということだ。何でも教育の機会均等とか、そういう機会というものが自由主義社会において大事なんで、そのものを必ず確保せんならんということになってくると無理が起こりますよ。だから、競争の原理の上に立つ以上は、やはり機会という表現のほうが私はいいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/24
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025・大村邦夫
○大村委員 大臣なかなかうまいことを言われますが、しかし、あなた、資本主義の中における経済というのは自由競争である。しからばその自由競争が公平妥当に行なわれているかというと、私どもからいえば必ずしもそうではないわけです。おたくのほうでは公正な自由競争という、それが阻害されているという立場から調整をやってみたり、勧告操短をやったり、いろいろなことをやっている。これは国の産業政策上必要だ。しからばその自由競争というのは、経済というのはどこに行ったのだというと、いろいろ議論のあるところです。そういうことを思い浮かべながら、大臣うまいことを言っておられるなと私は感じました。こればかり論議をしてもいたし方ありませんが、これが非常に以下各条に精神として生きている、いわば消極的な態度になっているという意味からいろいろ申し上げたのですが、長官先ほど、ランクをもうけているから大企業と中小企業とそれぞれ同じスタートラインに必ずしも立たされるものではないとおっしゃいましたね。それは原則としてわかりました。わかりましたが、第二条の一項四号に「特別の法律によって設立された組合及びその連合会であって政令で定めるもののうちその直接又は間接の構成員たる事業者の三分の二以上が前三号の一に該当する者であるもの並びに」云々とありますね。そうしますと、その前に二条で中小企業者とは何ぞやという定義がございますね。だから、三分の二以上がこういう者であって、他はそうでなくていいということになりますね。これは事業協同組合等もそうだろうと思うのです。そのときには、そのそれ以外の者でいいという以外の者は何を指すのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/25
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026・影山衛司
○影山説明員 御承知のように、事業協同組合組織というものを中小企業の対策の中心にして私どもは推進いたしているわけでございますが、先生よく御承知のように、中小企業者の範囲内だけで団結をするというのも一つの方法でございますが、やはりその指導者というものが非常に大切なわけでございまして、そういう指導者層というものは、元来は中小企業者でございましたけれども、それが卒業いたしまして、中小企業者の範疇から出ていっておるというような人たちもおりますが、そういう人は経験等が豊富でございますので、非常な指導力を持ちまして、そういう人たちの協同組合に対する参加というものを拒むわけにはいかないわけでございます。そういう趣旨で、中小企業の協同組合関係につきましては、大体三分の二までは中小企業者でもいいけれども、あとの三分の一につきましてはそういう卒業者も加わってもいいというふうな指導もいたしておるわけでございます。そういうわけでございますので、その趣旨から申しまして、形式的には、これをただ読みますと、三分の一は大企業でもいいのだということになるかと思いますけれども、私どもの考えておる趣旨はそういうことでございます。もしもそういうふうな根っからの大企業がこれに参加しておるというふうな協同組合に受注のチャンスを中小企業のこの法律に基づいて与えるかいなかということにつきましては、たとえば共同受注に基づきます分け前が組合員に公平に行き渡りますように、内部の規約が完備しておるような協同組合というものを、資格審査をやります際にそういう条件にするというようなことも一つの指導の方法かと存じますので、そういう趣旨でやっていきたいと思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/26
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027・大村邦夫
○大村委員 指導面で十分留意するということなんですが、私どもは法の論議をやっているわけなんですが、この法から見ると、明らかに、卒業生とは何ぞやというと大企業なんですね。大企業といって、大独占じゃないにしても中小企業の範疇からはみ出た、あなたの表現を使えば卒業者なんです。そういう人が指導的な役割りにおれば、なおさらその事業協同組合と国または地方公共団体あるいは公社等が官公需の契約を結んだ場合に、自分だけの都合を考えてというわけじゃないでしょうけれども、私は、指導的な立場にある中小企業卒業者にそれが流れていくおそれが多分にあるのじゃないか、そういう懸念を持つわけです。といって、それを除外するといっても、こういう法律ですから、契約から除外するということは何も書いてないわけですから、私はそこまで行政指導としてできるのかどうか、はなはだ疑問にも思うのです。
と同時に、もう一つ関連してお尋ねしたいのですが、事業協同組合等に発注した場合に、逆に言えば事業協同組合が受注した場合に、その組合員に対する適正公平な配分というのはだれがやるのですか。いま言われた指導者がやるのですか。それと、それから契約後の品質不良とか、契約不履行、そういうものに対する責任は一体だれにあるのですか。そこら辺についてお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/27
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028・影山衛司
○影山説明員 第一番目の問題でございますが、そういう指導方針というものが裏づけを持って行なわれるかどうかということでございますが、私どもといたしましては、現在のところ第四条におきまして「中小企業者の受注の機会の増大を図るための方針を作成する」ということになっておりますので、その際に協同組合の共同受注という場合に、そういう内部の規約等が完備しておるというふうなことを方針としてうたうつもりでございます。そういうことで、配分の点につきましては、やはり内部の規約というようなもので全般にうまくこれが均てんをしていくというふうな規約をつくるように、あるいは責任体制につきましても、協同組合全体といたしまして、共同責任体制がはっきりしておるということが必要でございます。そういう点も内部規約というようなところで定めさしていきたいというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/28
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029・大村邦夫
○大村委員 ただいまの御答弁では、いわば受け入れ体制が完備しておるところ、こういうことなんですが、その前に、完備をこちら側から要請するだけでなしに、そういう完備ができるような指導というものが私は必要になってくると思います。そういう積極的な指導というものは今後行なわれますか、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/29
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030・影山衛司
○影山説明員 お答え申し上げます。
協同組合が共同受注体制を整えまして、協同組合としてそのメンバーの中小企業者が生産の場合に、協業化で大いに近代化も進めていく、受注量も確保できるという方向に進むということは、私どもの中小企業対策の一つの大きな柱でございますので、そういう方向で大いに努力いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/30
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031・大村邦夫
○大村委員 わかりました。しかしこれは実際の運用は非常に私はむずかしいと思います。長官もおわかりいただけると思いますが、その点については十分配意を願いたいと思います。
それから次に第二条の二項ですか、「この法律において「国等」とは、」といって、以下説明がされています。第一条の目的の中では「国等が」云々ということで、いろいろその目的がうたわれておりますが、この中に地方公共団体がございませんですね。目的の中からなぜ地方公共団体を除外して、別条でこれに準じ云々というように定められなければならなかったのか、その理由をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/31
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032・影山衛司
○影山説明員 お答え申し上げます。
まず中小企業基本法の第四条でございますか、「地方公共団体は、国の施策に準じて施策を講ずるように努めなければならない。」というふうに書いてございまして、第五条で「政府は、」「必要な法制上及び財政上の措置を講じなければならない。」というふうに書いてございまして、基本法の体系におきましては、地方公共団体の施策というものは国の施策に準じて施策を講ずるという体系になっておるわけでございます。それと地方自治団体というものは、地方自治の自治ということがございますので、それを尊重いたしまして、そういう目的の立て方あるいは法律の体系というものにいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/32
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033・大村邦夫
○大村委員 そうしますと、社会党なりあるいは民社党の、目的の第一条「国、地方公共団体及び公社等が」云々、こうありますが、これは基本法からいって、この両案というのは立法のしかたは間違いなんでしょうか。あなたにちょっとお聞きしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/33
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034・影山衛司
○影山説明員 お答え申し上げます。間違いと申し上げておるわけでございませんで、基本法も一つの法律でございますので、それと違った体系の法律もでき得るわけでございます。だからそれは間違いであるわけでございませんが、私どもといたしまして、政府といたしましては、中小企業基本法の体系に即して規定をするということが最も基本法に忠実なゆえんでございますので、そういうふうにいたしたまででございまして、間違いであるわけでございません。同じく法律でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/34
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035・大村邦夫
○大村委員 そういう御答弁のしかたもありましょうが、準用と同列と私は違うと思うのです。準用するというのは準ずるのですから、必ずしもそれと同一じゃないのです。同列じゃないと思います。私はそこら辺がちょっとあなたの答弁が納得できない。あるいはまた先ほども受注の機会を確保云々の中でも、基本法の体系を受けて云々と言われましたが、大臣は別です。そういうふうに基本法基本法と言いながら、いろいろ各条できめてあることが非常に消極的である。その逃げ道としていま基本法云々、体系云々ということが使われたような印象を受けます。そうだとは必ずしも言いません。しかし大綱において、ただ基本法を受けて云々というが、社会党も民社党もそう違わないのですから、私はえらいがんばるようですけれども、受注の機会云々を受注の確保にしてもいいじゃないかというように考えるし、また「国等は」云々は社会党や民社党のように「目的」のところで「国、地方公共団体及び公社」というように公共団体も含めて私はこの中に規定してもいいのじゃないか、こういうふうに考えるわけです。これは何ですか、間違いでないとすればそういうふうにしていいと思うのですが、どうしてもそれはやれない理由があるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/35
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036・影山衛司
○影山説明員 お答え申し上げます。御承知のように地方公共団体におきましては、すでに相当の中小企業向けの官公需の調達の実績がございます。都道府県におきまして三十八年度におきましては六八・五%、市において五八・六%、特別区あたりでは七六・三%というように、特別に要請いたしませんでも、これは地方の地元業者を活用すること、とりもなおさずそれが中小企業者を活用するということになりまして、相当の実績をあげていっていただけるわけでございます。そういうわけで特に同列の規定をいたさなかったわけでございますが、しかしながらこの法律の第七条におきましては「地方公共団体は、国の施策に準じて、中小企業者に受注の機会を確保するために必要な施策を講ずるように努めなければならない。」というふうに明確に義務規定を設けておりますので、それに従いまして地方公共団体のほうでも同じような施策を講じていただけるものということを期待しておるわけでございまして、その実績の確保につきましては、自治省を通じまして実績の確保をはかっていきたいというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/36
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037・大村邦夫
○大村委員 そうしますと、実績があがっておるから同列には考えなかった。あくまでも準用だ。だから準用と同列は違うということですね。
それではお尋ねいたしますが、第四条の「(中小企業者に関する国等の契約の方針の作成等)」ですね。それからさらに第五条の「(国等の契約の実績の概要の通知)」これを受けての第六条の「(各省各庁の長等に対する要請)」こういうものもすべて国に準じて行なうのですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/37
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038・影山衛司
○影山説明員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/38
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039・大村邦夫
○大村委員 次に第三条の「受注機会の増大」についてお尋ねいたします。先ほどからもいろいろ御説明がありましたが、「予算の公正かつ効率的な使用に留意しつつ、中小企業者の受注の機会の増大を図るように努め」る、中小企業者だから何が何でも一定の割合をきめてその中に押し込める、それに発注するんだ、こういう方針をとらないということを言われましたが、これはもちろんもっともなお考えだと思います。しかし「予算の公正かつ効率的な使用に留意しつつ、中小企業者の」云々という、こういう同列に持っていきますと、私はこれは「中小企業者の受注の機会の増大」ということを考えた場合に若干そこに矛盾するような感じがするのです。それが矛盾をしないでうまく調整ができるのでしょうかどうでしょうか。たとえば予算の面を重視すると同質廉価でしょう。質は大企業製品、中小企業製品といえども同じだ。差があればまたそこは別ですが、しかし質が同じである場合には廉価つまり低廉ですね、安いほうということになると思います。この面をあまり第一義的に唱えると中小企業の入る余地は少なくなっていくのじゃないか、こういうように考えるのですが、その点はいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/39
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040・影山衛司
○影山説明員 お答え申し上げます。
「予算の公正かつ効率的な使用に留意」することと「中小企業者の受注の機会の増大を図る」こと、この両者が相矛盾しないかという御質問でございますが、私どもといたしましては先ほど冒頭に申し上げましたように、中小企業者のために受注を確保するために高くても悪くてもというふうには考えていない。その点につきましては意見が一致したわけでございますが、それではこの「予算の公正かつ効率的な使用に留意しつつ、」という意味でございますが、これは会計法の体系の範囲内で「中小企業者の受注の機会の増大を図るように努める」という趣旨でございます。それではその会計法の体系内で中小企業者に対して特別の措置がとれるかどうかということでございますが、それにつきましては先ほど来御説明申し上げておりますように、予算決算会計令の特別といたしまして、指名競争入札あるいは随契に付することができる場合の予定価格の限度額の引き上げをやっておるわけでございますが、それも一つの特別措置でございます。それから建設省がやっておられますような競争参加者の資格基準及び格づけにつきまして特別の措置をとる、あるいは地元業者につきまして分割発注の措置をとるというようなことも、これは会計法上の体系内におけるところの特別措置でございます。それから良質安価という点でございますが、これはやはり予算決算会計令の特例の範囲内で、まだこれは最終的にはきめておりませんけれども、中小企業製品と大企業製品とが同質同価の場合には中小企業のほうに落としなさいというような指導もやってやれないことはないというふうに考えておりますので、会計法の体系の中におきましても中小企業者の受注機会の確保のための特別措置は十分やっていけるというように考えておるわけでございまして、両者の考え方に矛盾があるわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/40
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041・大村邦夫
○大村委員 会計法体系の中において許される行為はそれはあるでしょう。あるでしょうけれども、やっぱりその前提になる原則というものがあるでしょう。それはここに表現してあるように「公正かつ効率的な使用」こういうことだと思うのです。これはどう論議をしてみても、このことを表面にあまり強く打ち出しますと、私は以下考えられておる中小企業者の受注の機会の増大とかあるいは確保とかいうことは、やっぱりかなり減殺されていくと思うのです。できにくいと思うのです。これは一般論ですね。もう常識なんですよ。専門屋でなくてもこのことはわかるのです。この調整をどうしていくか。あなたは体系内において云々と言われましたが、それでも消化できない場合があるのです。やはりその前提になるものがあるのです。これが非常にむずかしいところなんですね。先ほど大臣は運用のしかたによっては、これから運用が非常に大事だと言われました。確かに大事です。よくなるのも悪くなるのもそれは運用次第でしょう。この調整を一体どういうふうにするか、もう一回御説明を願いたいと思います。いまの説明ではどうも私にはよくわからない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/41
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042・影山衛司
○影山説明員 お答え申し上げます。
その調整でございますが、第四条に書いてございます「中小企業者の受注の機会の増大を図るための方針」の作成の際にあたりまして、この方針の中には、後ほどまた御説明する機会がございますが、量的な目標とその裏づけになる施策を盛るわけでございますので、そういう方針の中におきまして、そういう点の調整を十分にしていきたいというふうに考えております。
それからまた、特にここに「予算の公正かつ効率的な使用に留意しつつ、」という規定を設けました理由でございますが、これは当然のことだという御意見もあるわけでございますが、たとえば国鉄あたりのほうで非常に心配いたしておりますのは、従来の国鉄あたりにおきまして、たとえばトンネルあるいは新幹線の例の土手を築くというような場合に、中小企業者に発注したために、それが安全性が害されるというようなおそれもあったわけでございます。そういうふうに、安全性であるとか人命の尊重であるとかいうようなことにつきましても、そういうところをあからさまには書かれませんけれども、「予算の公正かつ効率的な使用に留意」するのだということを書くことによりまして、そういう趣旨もあらわしたわけでございまして、事情はひとつ御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/42
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043・大村邦夫
○大村委員 この会計上の原則を生かしていきますと、いま長官も言われましたように、危険度、危険負担といいますか、そういうものがかなり考慮されていくことになると思います。その歯どめとしては、従来の実績から信用度をながめ、あるいは業務実績等を考えて、これは危険度が高いとか低いとか考えられると思うのですけれども、各省といえども係官がおるわけでありまして、そういうものがいろいろ指導するような場合、あるいは契約をその人がやるのではありませんけれども、一応の担当者としてあるのであるから、やはり業務実績がかなり高くて信用度の高いところに契約をすれば無難でございます。万一つまずいたときに、やはりその担当官の責任になっていくのです。官庁というところはそうでしょう。民間企業でも例外ではないと思います。そういう心配のあるところは勢いよけられるわけですね。よけられがちであります。責任が問われぬというなら別ですよ。ああいう業者と契約してこういうことになった、おまえの調査が悪いのだ、こういうようになっていくと思うのです。したがって「予算の公正かつ効率的な使用」ということについては、ある程度の幅といいますか、中小企業を守るのだというのを第一義的に立てて、それにこれをくっつけていくというたてまえで運用してほしい。そのためには、社会党がいま提案しておりますように、総理大臣によって、官公需契約の発注総量に対して占めるべき割合をきめる、そういう中小企業向けの割合をきめておけば、私はそこについては、先ほどから指摘をする「予算の効率的な」云々という、それが第一義的になって中小企業に対する官公需が確保されないという心配、懸念はなくなっていくのじゃないか。先ほどから私ども申し上げますように、どんな悪質、高価なものでも契約をしなさいとか、あるいは発注しなさい、そういうことは申し上げていないのです。しかし、往々にして危険性が——「予算の効率的な使用」という面が正面に出ているのであるから、あるいは中小企業に対する発注が制約をされがちになるから、そこで歯どめとしてはまず一応のめど、先ほど通産省のほうでも五〇%云々と言われましたが、そういうめど、割合というものをきめて、そうしてそれに今度「予算の公正かつ効率的な使用」というものを考えていく、そういうふうにしていけば、私はもっともっとこの法の精神というものが生きていくのじゃないかと思う。あなたのほうも、めどは一応きめるのですね。あとでまた聞きますけれども、先ほどちょっと、大体五〇%を目標にとおっしゃった。それなら、一応めどをこの中できめるようにしたらどうなんです。それは、何が何でも、どんなことがあってもそれだけは確保しなさい、そういう極端なことを私どもは申し上げておるのじゃない。そういう立場をひとつ了解していただいて、ぜひ一応の割合といいますか、めどというものを設定するように、あるいはまた公表するように考慮してほしい、これは大臣あたりに聞きたいところなんですが、その点どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/43
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044・影山衛司
○影山説明員 お答え申し上げます。
会計担当者ができるだけ中小企業者のほうに発注するという態度を避けるという傾向のあったことは、御指摘のとおりでございますけれども、今度この法律を提案いたしましたのも、まさにそういうことがあるからでございまして、第三条におきまして「予算の公正かつ効率的な使用に留意しつつ、」とは書いてございますが、やはりその範囲内で「中小企業者の受注の機会の増大を図るように努めなければならない。」というふうにはっきり書いてございまして、少なくとも道義的あるいは政治的な免責というものはこれによって確保されておるわけでございます。あと具体的に会計法上の免責という点につきましては、先ほど御説明いたしましたように、会計法の体系内におきましても、いろいろと中小企業者のために受注機会を増大してやるための特別措置は規定できるわけでございますので、その範囲内におきましては弾力的な規定のしかたあるいは運用のしかたをいたしまして、それによりまして発注担当官の法律的な免責というものもはかっていくということにいたしたいと考えておるわけでございます。
それから社会党の提案の中にございます一定割合を指定業種別に確保するという点でございますが、私どもも二の点につきましてはいろいろと議論をいたしたわけでございます。それで第四条のほうで「方針を作成する」ということになっておりますが、この方針の中にどういう事項を盛るかということでございます。一番理想的な形といたしましては、あるいは社会党の御提案のように一定割合をきめるということが理想的な形かもわかりませんけれども、現在の実施の段階におきましては、あるいは発注機関別——防衛庁あたり、運輸省あたりにおきましても、飛行機を発注したり、艦船を発注したりというようなことになりますと、発注機関別にやはり割合というものが相当異なっております。それから業種別にこれを決定するというようなことにつきましても、実務面を考えますと、非常にむずかしい点がございます。
そこで先ほど御説明いたしましたように、最低のめどは全体として五〇%ということは頭に置いておるわけでございますが、たとえば毎年度の方針を作成するという場合におきましては、そういう方針の中の目標的なものにつきましては、あるいは積み上げ方式でやるとか、あるいは前年度の実績に比べて予算が一〇%なら一〇%ふえたから、それを目標にするとかいうようなことからスタートしていきたいというふうに考えております。もちろんこの方針の中に割合がきめられないわけではございません。そこで、理想的にはそういうところにいくのかもわかりませんが、順次そういうところに持っていきたいということで、わざと「方針」というふうにいたしましたのも、そういう弾力的な運用ができるということを頭に置いて書いたわけでございますので、十分社会党あるいは民社党の御趣旨も頭に入れた上での規律でございます。御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/44
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045・大村邦夫
○大村委員 そうしますと、この方針の中には、一応の目標というのは、必ず規定されるわけですか。——されますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/45
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046・影山衛司
○影山説明員 そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/46
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047・大村邦夫
○大村委員 それは先ほどお話しになりましたように、当面五〇%程度、あるいはまたその後の予算等の増高の傾向にかんがみて弾力的にそれを定めていきたい、こういうことなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/47
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048・影山衛司
○影山説明員 現在の四三・八%を五〇%に持っていきますのは相当な努力が必要でございますので、方針の中に明確に書くか書かないかは別といたしまして、当面のめどは私どもといたしましても五〇%ということを頭に置いておるわけでございます。具体約な方針といたしましては量的な目標を掲げるということをいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/48
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049・大村邦夫
○大村委員 その量的な目標はやはり一応のめどでしょうから、その四〇%とか五〇%に通じていくものでしょう、そうじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/49
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050・影山衛司
○影山説明員 まだ四十一年度の方針につきましてはこれから検討いたしていくわけでございますけれども、考え方といたしましてはできるだけ中小企業者のためにシェアを拡大してやるという方向で、割合はなかなかむずかしいのでございますけれども、量的な目標あるいは伸び率とかいうようなことをも頭に置いて目標を定めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/50
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051・大村邦夫
○大村委員 そこでその方針の作成については第二項さらに第三項でいろいろと規定をされておりますが、この方針の要旨を公表し、さらに時日の経過に伴って実績というものが生まれてまいります。その実績に対しては通商産業大臣に各省各庁の長は通知をすることになっていますね。私どもの社会党案は御承知のように、あるいは民社党もそうなっておりますが、「報告書を提出しなければならない。」というようになっております。通知と報告というのは、私はこれまたかなり中身が違ってくると思うのです。報告書の私どもの考え方はそれを査察し、さらに勧告というふうに通じていっておる。政府案のほうは通知をし、今度はその結果に基づいて必要と思われるときには適当な措置をとるように要請をすることができる。先ほどの機会の確保とそれから発注の確保というように違う点も申し上げましたが、随所にそういうようにいわば私どもの出しておる法案とはかなりやわらかな、逃げ道があるといいますか、そういうような政府の法案のようにとれてしかたがないのですが、私が指摘しますと、考え方としては同じだと言われますが、いまの通知にいたしましても、それじゃ通知をした場合に、その結果一応のめどに到達しない、通産省がこれこれまでは到達したいと考え、また一応各省庁の長と通産大臣が協議をして大まかにきめたその方針とはかなり隔たったものが出た場合に、それじゃどうしてそれを実行するかといえば、これは要請なんですね。こういうことを言っては失礼ですが、通産大臣と各省の長は同列だと私は思うのです。それほど各大臣を区処するだけの権限はないと思うのです。勢いそうなってきますから要請という程度に終わると思うのです。これを強くするためには、私は総理大臣がそういうことを行なえば、これは勧告はできます。そこにやはり一つの問題点があると思うのですが、要請を実行してくれなかった場合にはどうするのですか、しかたがないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/51
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052・影山衛司
○影山説明員 「通知」あるいは「要請」ということばを政府提案には使っておるわけでございます。それから「報告書」あるいは「勧告」ということばを社会党の案には使ってあるわけでありますが、役所同士の間でございますので「通知」あるいは「要請」ということばを使っておるわけでございます。たとえば「勧告」というようなことばも、役所同士の間での勧告という例がなきにしもあらずでございますけれども、たいてい民間との関係で勧告をする、それを実施されない場合は公表するというような措置があるわけでございますが、それは対民間関係のものに多く使われておるわけでございます。役所同士の用語例といたしまして「通知」あるいは「要請」ということばを使ったわけでございますが、明らかにこの法案の部面では「通知するものとする。」とか「措置をとるべきことを要請することができる。」ということになっておりまして、そういう権限が与えられ、あるいは通知の義務というものが規定をされておるわけでございますので、「報告」と書いても「通知」と書きましても、義務を課せられておって通知をせざるを得ないわけでございます。その点については御心配のことはないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/52
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053・大村邦夫
○大村委員 「通知」でも「報告」でも、私はそれには拘泥いたしません。問題はその実績によって報告なり通知によって、かくかくまで到達してほしいという一応のめどに到達しなかった場合、それから打つべき手があるのでしょう。その場合の措置の方法として「要請することができる。」これは私は単なる用語の表現のしかただけの相違ではないと思うのです。「要請」と「勧告」はかなり内容的に違ってくると思いますが、これは「要請することができる。」でしょう。先ほど申し上げましたように通産大臣と各省庁の長とは同列であって、役所間であるからというその裏には、やはり同列の各省庁に勧告をするとかなんとかいうのは、これはできないことでしょう。そういうことを考えるならば、もう少し法の強化、こういう法律を忠実に、しかも実効をあげるという立場から、内閣総理大臣の所管のもとに置いて、内閣総理大臣が各大臣に勧告する、これはできるでしょう。そういうようにもう少し強化できないものかと言っているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/53
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054・影山衛司
○影山説明員 要請の前提といたしまして方針を決定いたします際に、この第四条の第二項に書いてございますように、あらかじめ各省、各庁の長と協議をいたします。そういう実施の確認をある程度ここで各省庁から取りつけるわけでございまして、さらにこれを閣議の決定という形で持っていくわけでございますので、これ以上の実施の確保の措置というものはないのじゃないかというように考えておりますが、そういうふうに各省各庁のほうでも自分の考え方を明らかにして方針作成に協力をしてくれております。閣議の決定を経ておりますので、要請ということにつきまして内閣総理大臣に無理にお願いをしなくても、そういう方面からの方針決定の際の裏づけがございますので、通産大臣及び主務大臣がこれに要請をいたしました際には、必ず各省庁はこれに応じてくれるものということが全体の法律の趣旨から読み取れるわけでございますので、必ずしも内閣総理大臣ということは必要ないと思います。
さらに通産大臣及び主務大臣ということを特に書きましたのは、この各省各庁の長は発注官庁側の各省各庁でございまして、通産大臣及び中小企業者の行なう事業の主務大臣と申しますのは、受注をいたします中小企業側の代弁者としてこれを規定いたしておるわけでございますので、そういうふうに直接に代弁をする大臣が特に要請をするということが最も適当なんじゃないかというふうに考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/54
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055・大村邦夫
○大村委員 私がさらに心配になる点は、そうは言ってみても、先ほど指摘をしました会計上の原則、予算の公正かつ効率的な運用という予算使用上の問題が顔をちらつかして、閣議では決定した、お互いに各大臣は確認をして努力をしたが、しかし会計法上の問題からいかんともしがたかった、こういうことで逃げられると私は思うのです。といって、私どもの言うように割合を設定しても、何が何でもそれにはめ込まなければならないというのではないのですから、それは若干の幅はあると思うのです。しかしその幅の高低については、かなり政府案のほうがゆるやかである。いや、もうお互いに閣議決定したのだから、これ以上のものはない——これ以上のものはあるのです。法律があります。お互いにそういうように了承をして確認をしたものについて、それを破約するとかあるいは実行しないというようなことは、良心の面からもいろいろ問題のあるところでしょうけれども、そうきめてみても、努力をしてみたがどうにもならなかったと言えばそれまでではありませんか、別に目標はないのですから。私は、そういう点についてはなおかつ政府としても考えてみる必要があるのじゃないかと思う。あなたの言われるように同列じゃない。閣議決定したのだから、そうして所管省の長が確認をしたのだから、それは大体守ってもらえるもので、それが守られなければ、通産大臣の勧告的な要請ができる。はたしてできるかどうかちょっと私疑問ですが、あなたの言われることを一応信用いたします。
以上いろいろ申し上げましたが、答弁からすれば、私どもの考え方とあまり相違がないということが大体明らかになったと思う。そうすれば、より明確に法律をつくったほうが混乱が起きなくて済むのじゃないか、こういう考え方も生まれてきます。その点についてはまた先輩なり同僚のほうからいろいろ意見があると思います。
きょうはこれで質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/55
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056・天野公義
○天野委員長 次会は、明二十七日水曜日午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X03119660426/56
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