1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年三月三日(木曜日)
午前十時三十二分開議
出席委員
委員長 砂原 格君
理事 秋田 大助君 理事 加藤常太郎君
理事 佐藤洋之助君 理事 内藤 隆君
理事 栗原 俊夫君 理事 畑 和君
理事 森本 靖君
綾部健太郎君 小渕 恵三君
金丸 信君 木部 佳昭君
志賀健次郎君 徳安 實藏君
服部 安司君 南 好雄君
片島 港君 原 茂君
松井 政吉君 佐々木良作君
出席政府委員
郵政政務次官 亀岡 高夫君
郵政事務官
(大臣官房長) 鶴岡 寛君
郵政事務官
(監察局長) 山本 博君
郵政事務官
(郵務局長) 長田 裕二君
郵政事務官
(貯金局長) 稲増 久義君
委員外の出席者
専 門 員 水田 誠君
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三月二日
簡易保険及び郵便年金資金の運用範囲拡大等に
関する請願外三件(井原岸高君紹介)(第一四二
九号)
同外一件(松田竹千代君紹介)(第一四三〇号)
同外三件(今松治郎君紹介)(
第一四五〇号)
同外一件(藤本孝雄君紹介)(第一四五一号)
同(船田中君紹介)(第一四五二号)
同(八木徹雄君紹介)(第一四五三号)
同(大泉寛三君紹介)(第一四七八号)
同外二十二件(森本靖君紹介)(第一四九五号).
同外一件(湯山勇君紹介)(第一四九六号)
同外十七件(秋田大助君紹介)(第一五一四号)
同(森本靖君紹介)(第一五四六号)
同(八木徹雄君紹介)(第一五四七号)
同外一件(小笠公韶君紹介)(第一五六八号)
同外六件(關谷勝利君紹介)(第一五九六号)
高知県佐川町西佐川地区に無集配特定郵便局設
置に関する請願(森本靖君紹介)(第一五四五号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
郵便振替貯金法の一部を改正する法律案(内閣
提出第六一号)
郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関
する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第
六四号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/0
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001・砂原格
○砂原委員長 これより会議を開きます。
郵便振替貯金法の一部を改正する法律案及び郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
質疑の申し出がありますので、これを許します。栗原委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/1
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002・栗原俊夫
○栗原委員 昨日、同僚森本委員からポストに対する犯罪の状況について質疑がしてありますが、まずその状況をお伺いいたしたい。
〔委員長退席、佐藤(洋)委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/2
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003・長田裕二
○長田政府委員 昨日、ポストの放火につきましての御質問がございました。昭和三十九年度におきます差し出し箱の被害は年間四百十六件ございました。被害を受けました郵便物数は約五千通にのぼりました。この被害は三百七十四件、約九〇%は柱のポストでございます。四十二件、約一〇%がかけ箱でございます。かけ箱の比率は、全国的に見ますと全体の半分以上でございますが、犯罪によって被害を受けましたのは犯罪件数の一〇%程度、比較的少なくなっているわけでございます。
なお、この被害の内訳でございますが、中に火を投げ込んだものが三百十件、それから汚物のようなものを投入しましたものが七件、それから中にあります郵便物を盗み出しましたものが三十七件、その他の方法によって内容品を損傷いたしましたものが六十二件というふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/3
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004・栗原俊夫
○栗原委員 われわれ常識的に考えて、よくこれは新聞に報道されているものからだけしかうかがい知れないわけですが、火を投げ込むというようなこと、汚物を投げ込むというようなこと、こういうことはあり得るように思ったけれども、郵便物を盗み出したり損傷したりする、こういうようなことは率直に言って初めて耳にするようなことなんですが、盗み出すというような状況はどういうような状況で、どんなものが盗まれておるのか。これは盗まれちゃったのだからわからぬのだろうとは思うけれども、どんな状況ですか、その点について御説明いただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/4
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005・長田裕二
○長田政府委員 中に釣り針のようなものを入れてつり上げたりするようなものもございます。それから、ときに大きなものを入れて途中でつかえておった郵便物を持ち去るというようなこともあるようであります。なお、先ほど申し上げました六十二件のその他の損壊という中には、ポストに組みついてポストを押し倒すというようなものも少し入っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/5
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006・栗原俊夫
○栗原委員 そういった損壊のほうは事後によく確認できると思うのですが、盗み出すほうは、先ほども私ちょっと触れたのですが、盗まれたものがわからぬだろうというのは、盗まれたそのこと自体がなかなかわからぬのじやないかと思うのだけれども、盗まれたことはどういうことで確認するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/6
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007・長田裕二
○長田政府委員 犯罪を犯して、監察官が張り込んだりしまして検挙した者が三十九年度で二十二名、全部部外者でございますが、その際の被害などから、算出してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/7
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008・栗原俊夫
○栗原委員 これは現行犯をつかまえるとか、あとで犯人をつかまえて、犯人が盗んだ、こういう自供があれば、それを一つのよりどころとして盗取ということがはっきりしてくると思うけれども、つり出していったりなんというものは、現行犯あるいは犯人の自供がない限り、何をつり出されたのかわからぬようなもんだけれども、この辺はどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/8
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009・長田裕二
○長田政府委員 私がお答えしましたのは間違っておりまして、検挙されました者の自供その他によって大体確認できるものだけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/9
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010・栗原俊夫
○栗原委員 火を投げ込んだという案件が三百十件あるようでありますが、これはみんないわゆる立っておるポストですか。かけ箱に火を投入すれば、これは間違えれば家が延焼するわけですが、そういう案件はないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/10
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011・長田裕二
○長田政府委員 かけ箱につきましては、全体で四十二件で件数も非常に少のうございますし、最近のかけ箱は木からだんだん金属に変わってきている点もございます。そのため家まで焼けたというような例はまだ聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/11
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012・栗原俊夫
○栗原委員 いずれにいたしましても、こうしたポスト、かけ箱犯罪というものの絶無が一番好ましいのですが、いきなりそういかないとしても、この数字によると、かけ箱がポストに比べれば非常に犯罪率は少ない、こういうことがうかがえると思うのです。そこでお尋ねいたしますが、切手類の売りさばきをやっておる店にはすべてかけ箱はかかっておると思うのですが、この売りさばき所以外にもかけ箱はあると思います。その数、比率等はどんなぐあいになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/12
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013・長田裕二
○長田政府委員 ただいまのお話のように、かけ箱はほとんど全部売りきばき所にかけられているわけでございますが、駅構内などに大型のかけ箱を設けております。これは統計によりますと、十七個ということになっております。もうちょっと実は多いのじゃないかと思いますが、手元にあります統計では十七個ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/13
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014・栗原俊夫
○栗原委員 ちょっと十七個というのが何だかわからない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/14
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015・長田裕二
○長田政府委員 かけ箱十七個というふうに統計に出ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/15
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016・栗原俊夫
○栗原委員 十七個というのが私しろうとで意味がわからないのです。いま少しくしろうとにわかるように説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/16
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017・長田裕二
○長田政府委員 ポストは売りさばき所と切り離して置くような例もございまして、駅の構内などは乗客の便利のためにポストだけ置いてあります。その場合に、比較的大きなかけ箱を置く例が多うございまして、その個数が手元にあります資料によりますと十七個というふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/17
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018・栗原俊夫
○栗原委員 つまり売りさばき所以外にかかっておるかけ箱が十七あると、こういうことなんですか。どういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/18
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019・長田裕二
○長田政府委員 ちょっと私数字を誤解しておりました。大きなかけ箱が十七個、そのほかに小さなかけ箱もあるわけでございますが、いまその小さなかけ箱の内訳につきまして、私はよく正確な数字を存じておりません。六万二千ばかりありますかけ箱のうちに売りさばき所と離れまして置かれているかけ箱の数をいまはっきり何個と申し上げるまでの資料をただいま持ち合わせておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/19
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020・栗原俊夫
○栗原委員 当局の方針として、今後こうしたかけ箱をどのように増置していく方針であるのか。電話のほうでは例の無電話部落に対する農村赤電というものが、初めは二百戸の戸数があって電話のないところへ引く、これが百戸になり八十戸になり、さらには昨今は三十戸から三十戸を割った集落であっても無電話であれば農村赤電を引こう、こういうところまでサービスが進んできておるわけですが、このかけ箱というものは、いままで農村等の人口の比較的少ないところでは、売りさばき所にあればあとは設置されていないというのがおそらく通常の状態だと思うのです。今後そうしたいわゆるポスト、かけ箱によるところの集配、投函ができる施設というものをふやしていく考えがあるのか。そしてふやしていくとすれば、どういう基準でふやしていこうとするのか。あるいはかけ箱を置こうとすれば、かけ箱を置くところには売りさばき所もあわせて置くようにしようとしておるのか、この辺の考え方を御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/20
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021・長田裕二
○長田政府委員 売りきばき所の設置基準は、実はかけ箱のあります五十メートル以内くらい、その他切手や印紙の需要の特に多いところというようになっておりますが、かけ箱の設置基準は、必ずしも売りさばき所と結びつけておりません。都市内郵便区の市内地では二百五十メートル以上他のかけ箱との距離があって、それによって便益を受けます戸数が二百戸以上のところは置く、それから郵便区の市外におきましては、距離と享便戸数に応じましてそれぞれ置くようになっております。戸数の非常に少ないところ、千五百メートル以上の距離があれば三十戸程度でもかけ箱、郵便ポストを置くということになっておりますので、近所に売りさばき所を引き受けるようなものがなくても、そういう地域については置き得るわけでございます。なお、きのうも申し上げましたが、年々千五百前後くらいずつポストはふえておりますし、それからそのポストの内容も、これから私どもが手配いたしますポストは、ほとんど大都市内の二方面ポストが主力になりまして、それが現在の赤いまるいポストにとってかわります。赤いまるいポストはそれぞれ地方のほうへ回してまいりますので、かけ箱のほうはだんだん少なくなってまいります。ポストの増置計画は、ただいま私どもは今後五年くらいの間に七千余り置く方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/21
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022・森本靖
○森本委員 関連。先ほどちょっと気にかかる点がありましたが、そのポストへ郵便物を入れて郵便物が出かかっておるのでそれを取られたところがある、そういうのはどのくらいありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/22
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023・長田裕二
○長田政府委員 私、統計としてまとまったものを承知いたしたのではありませんので、そういう犯罪を犯した人があとの話としてそういうことをした、あるいはあったということでございまして、数は正確に承知しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/23
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024・森本靖
○森本委員 それはポストですか、かけ箱ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/24
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025・長田裕二
○長田政府委員 都会のポストでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/25
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026・森本靖
○森本委員 何かそれを改良する方法を考えなければ、何回も何回も回数が重なってくるのじゃないですか。たとえばポストの大ききを大きくするとかあるいは二つ置くとか、そういうことを考えなければこれは回数が重なるのじゃないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/26
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027・長田裕二
○長田政府委員 ポストの大きさ、取り集めの度数などに関係いたしますが、私が聞きました例では、非常に大きな郵便物を無理にあの口から入れましたためにそれが下まで落ちなかったというような例でございますので、これはポストに入れます郵便物の大ききにもちょっと関係いたしまして、差し出す人の判断あるいは常識にもまたなければならないかとも思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/27
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028・森本靖
○森本委員 ポストに入れていい郵便物は何々ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/28
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029・長田裕二
○長田政府委員 種類といたしましては書留郵便物その他書留と相伴います特殊取り扱いの郵便物で、小包は入れないことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/29
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030・森本靖
○森本委員 小包を除いた以外の種類は全部ポストに入れていいんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/30
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031・長田裕二
○長田政府委員 通常と、特殊郵便物につきましては、速達だけは入れてもいいことになっておりますが、それ以外の特殊郵便物と小包は入れないたてまえになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/31
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032・森本靖
○森本委員 そうすると、大きいものを詰め込んだのは何種ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/32
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033・長田裕二
○長田政府委員 五種郵便物だったと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/33
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034・森本靖
○森本委員 それは入れていかぬ郵便物ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/34
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035・長田裕二
○長田政府委員 種別として入れてはいけないということになってはおりませんのですけれども……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/35
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036・森本靖
○森本委員 いま入れていかぬと言ったじゃないか。通常と書留だけと言うたじゃないか。五種は違うじゃないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/36
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037・長田裕二
○長田政府委員 通常で一種から五種までは入れてもいいたてまえになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/37
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038・森本靖
○森本委員 小包を除いて一種から五種までということになると、入口に当然入らぬものが出てきます。それだったら、今度の郵便法の改正によって五種がなくなりますが、しかし、小包以外のものは全部入れてよろしいということであるとするならば、いまのポストの入口では入らぬものが出てきますよ。大きなものは入りませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/38
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039・長田裕二
○長田政府委員 郵便法に基づきます郵便規則の六十四条で、種別としては先ほど私が申し上げたように入れ得るわけでございますが、「但し、容積が大きいため、又は一時に多数のものを差し出すため郵便差出箱に差し入れることが困難な場合には、これを郵便局に差し出すことができる。」ということで、郵便局に差し出さなければならないという規定にはしていないわけでございますけれども、差し出し人も、自分の郵便物が安全に届くというような見地からこういうふうにしていただきたいとも思いますし、また差し出し人の常識からも大体そういうふうにしていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/39
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040・森本靖
○森本委員 これはいずれ郵便法のときにやりますが、法の欠陥ですよ。そういう場合にはポストに持っていかずに郵便局に持ってこなければならないというふうに郵便規則を変えるべきなんですよ。そういうことは、気がついた場合には一つ一つ変えていかなければ何回も何回も同じようなことを繰り返すということになるわけで、そういう点については郵便法を受けたところの郵便規則を改定すればいいわけであって、やはり進歩するか前進するか、そういう方向に——進取の気性というか、そういうものを郵務当局の官僚の人たちも持ってもらいたいと思うわけです。
それからもう一つ、先ほどの栗原委員の質問で、切手売りきばき所の問題でありますが、八十五条適用地における切手売りさばき所というのはありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/40
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041・長田裕二
○長田政府委員 それはないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/41
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042・森本靖
○森本委員 八十五条適用地というので切手売りきばき所がない人は、どういうふうにしてはがき、切手を買っておりますか。実情を調べたことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/42
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043・長田裕二
○長田政府委員 八十五条適用地の人たちは、原則としましては自分あての郵便物を郵便局に取りに行くことになっております。ただ、郵便局に取りに行くのが原則でございますが、途中に郵便の配達場所を指定して、そこで受け取るという道もあるわけでございます。郷便局で買うのが大部分と思いますが、指定の配達場所の近辺の売りさばき所で買うことも当然あり得るのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/43
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044・森本靖
○森本委員 考えておりますと言って、あなた方実情を調べたことがないでしょうが。私の選挙区には八十五条適用地というものが非常に多い。それで実際問題として配達している場所、その場所あたりにも切手売りさばき所がないところがある。そうすると郵便物を受け取る場合にはそこまで行ったらいいけれども、今度は出すときにはとっとっと郵便局まで行かなければならぬ。八十五条適用地というのは、郵便局から非常に距離が遠いので、八十五条適用地というものができておる。にもかかわらず実際に出す場合には郵便局まで行かなければならぬ、こういう不便さが相当あるわけでありますが、そういう点について郵務当局として具体的に調査をしたことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/44
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045・長田裕二
○長田政府委員 各郵政局で調査いたしましたものの結果は持っております。ただいまのお話の、そういうところにポストがあるかどうかという点につきましては、制度その他の関係からないものと私どもは考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/45
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046・森本靖
○森本委員 そこでやはり手数料の問題にかかわるわけでありますが、今度の場合三千円を五千円に引き上げておるわけでありますけれども、そういうふうな八十五条適用地等における切手売りさばき所というものは、実際に売りさばき所を設置しても、もうもうけにはほとんどならぬわけです。実際には国民にサービスを郵政省がしなければならぬものを代行して行なう。一カ月にわずかはがきであれば十枚か二十枚しか売れないというところが相当あるわけであります。ところがいまの手数料では午前八時から午後六時までやられたのではとてもじゃないがやれぬというところで、この切手売りさばき所の引き受け人すらないというのが実情であろうと思うのですが、そういうところこそ目の届かない、光の届かないところでありますから、こういうような手数料については特例を設けて、そういうところは一つの報償費なら報償費を出して、売ることをお願いするということを逆にこっちからやらなければならぬような場所ではないか、こういうふうに考えるわけです。今回のこの手数料の引き上げにあたって、そういう点のあたたかい配慮というものをやったことがあるかどうか、省議で検討してみたかどうか、ひとつ御回答を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/46
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047・長田裕二
○長田政府委員 ポストの増置の計画につきましては先ほど申し上げたとおりでございますが、できるだけポストと売りさばき所は関連することが望ましいわけでございまして、ポストを置きます近辺におきましてはなるべく売りさばき所を私どもは置くようにしてまいりたい。従来からもさような方針で進んでおります。いままではどちらかと言えば受け身で、希望者を募って、希望者がなければこちらから頼みに行ってまでやってもらうということがあまりなかったのではないか。ただいまのお話のようにそういうような体制ではなかったかと思っております。
手数料の面につきましては、最低保障の引き上げで、ある程度そういう部門につきましても報いることができると思っておりますが、今後はただいまお話しのようにポストをつくる場所を伸ばしていきますと同時に、売りさばき所につきましても、ある程度こちら側が積極的な心がまえで進んでいくようにしてまいるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/47
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048・森本靖
○森本委員 八十五条の適用地にはポストがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/48
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049・長田裕二
○長田政府委員 取り集めに参りませんので、ポストは大体ないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/49
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050・森本靖
○森本委員 だから結局その土地にはポストも切手売りさばき所も両方ともない。酒屋に三里というわけではないけれども、郵便局に何里ということで、山を二山も越して行かなければならぬ、こういうような現実になっておるわけであります。だからそういう点については何らかの救済措置というものを考えてもらいたいということが数年来の、こういう八十五条適用地の人々の念願になっておるわけであります。だから私はこういうふうな手数料の引き上げの際に、そういうところのいわゆる切手売りさばき所の設置と、さらにポストの設置については、これは確かに要員問題に関係してくるわけでありまして、郵便料金あるいは郵政事業特別会計から見ますと、非常に不合理な点が出てきますけれども、しかし郵便事業の平等化という点からするならば、やはりそういう点についてはほうっておいてはいかぬ。金の出し惜しみをしてはならぬ、こういう観点に立っておるわけであります。そういう点についても、私は今回の手数料の引き上げの際に、こまかく配慮を払って検討していただいたものであるというふうに考えておったわけでありますが、いま郵務局長の答弁を聞いておりますと、やはり損をするところは損をする、こういうふうにいまの答弁では受け取れるわけでありますが、あなたの部下の各課長も、それぞれ郵政局の部長もやっておる人間もたくさんおるわけであって、いま私が言ったような事柄については、郵政局長をやったことのあるあなた自身も、これはおそらく広島においてはそういう管内があることでもありますので、そういう目の届かない日の当たらないところについてもあたたかい思いやりを郵便事業としてはやっていくということをやってこそ、私は初めて今後の郵便事業というものが国民と密着をしていく、こういう点も考えていかなければ、ただ大都市の郵便事業というものの利用改善をして、大いにそれを宣伝していく。それは単なる郵政事業の合理化だけであるということではなかなか納得しがたい。そういう点をもっとこまかく配慮してやっていかなければならぬ、こう思うわけでありますが、ひとつ今後——おそらくこの問題は郵務局の局議で協議せられていないでしょう。はっきり言っておいてもらいたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/50
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051・長田裕二
○長田政府委員 八十五条適用地の対策につきましては、何回か局内で打ち合わせたことはあるのでございまして、先ほど申し上げました配達場所の指定とか、あるいは共同受け箱の設置、途中まで両方から歩み寄って共同集団的な受け箱をつくる。そこまでは配達する、取りに来てもらう、そういうようなことの推進などしまして話し合ったことがございます。共同受け箱の設置場所あたりにポストを積極的につけていくということも一つの解決方法かと思われますし、またただいまお話しのように、そういう場所につきまして売りさばき所もこちら側から積極的につくるように働きかけていく、そういう問題も今後の問題として考えてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/51
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052・森本靖
○森本委員 それは両方から来て共同して、要するに受け渡し場所をつくるということはまあいいけれども、その場合に四百五十円の最低料金で売りさばき所を引き受ける人があるかどうかということですよ。はっきり言うと、今回のこの改正案でいきますと、五千円が最低になるわけでありますから、一カ月四百五十円もらってそれを引き受ける人があるかどうか。そういうところへこそ実際に切手を売る、はがきを売る量が少なくても、報償費として何千円か逆に出して、郵便局のほうから売ることをお願いいたしますということをやってこそ初めていいのじゃないか、そういう点を事こまかく考えてやらなければならぬのではないか。いわゆる受け渡し場所についてはわかりました。これは私がやかましく言うのでそういうことを検討したのだろうと思いますが、今回のこの切手手数料引き上げに際して、そういうところにおけるいわゆる切手売りさばき所の設置問題等について、はたしてこの四百五十円程度で引き受ける人があるかどうか、そういう点まで事こまかく検討したことがあるかどうか、こういうことであります。なければないでけっこうであります。なければ次の機会に、さらに今後郵務当局においても、そういう内容については事こまかく——これは手数料の改定という形ではその他の手数料との問題があって、なかなかむずかしいと思います。しかし、そういう場合には、たとえば郵便局のほうから別途に報償費とかあるいは奨励費とかという名目で出せると思います。そういうようなやり方を研究したことがあるかどうか、こういうことを聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/52
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053・長田裕二
○長田政府委員 手数料の率あるいは最低保障という形でもっぱら検討してまいりまして、それ以外の方法まで十分検討いたしてはおりません。一面その土地の方々の郷土愛等にも期待いたしますと同時に、ただいまお話しのような点もあわせまして今後の施策を進めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/53
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054・森本靖
○森本委員 重ねて言っておきますが、たとえば現在でも東京とか大阪において、同一区分の場合は一緒にして差し出し人が差し出した場合は報償費をやって差しつかえないことになっておるわけでしょう。これは料金法によってやっておるわけじゃないでしょう。省内におけるいわゆる報償費としてやっておるわけであって、これは郵便料金には関係のないやり方でしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/54
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055・長田裕二
○長田政府委員 お尋ねのように、差し出し人が相当の努力をして、こちら側の手数が相当軽減されるということに対しまして、差し出人に対して、その協力をするために必要なアルバイトの賃金程度のものを報償費として出すことにしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/55
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056・森本靖
○森本委員 その報償費は郵便局の料金には関係なしに、省内自身のやり方としてやっておるわけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/56
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057・長田裕二
○長田政府委員 仰せのように、法律の根拠と申しますよりは、むしろ予算措置としてやっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/57
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058・森本靖
○森本委員 だから、私が言っておりますのは、そういう大都会で郵便局の都合のいいほうにだけ報償費を出して、実際は郵便局、郵政省がサービスをしなければならぬけれども、実際に売りさばき人がおらぬ、ぜひひとつここでは切手や収入印紙を、すまぬけれども売ってくれぬか、こういうふうに頼む場合には、逆に今度は郵便局のほうから報償費を——もともともうけには絶対ならぬけれども、売ってやろうという人々に対しては、逆に報償費を若干出していいのではないか、それがこの最低保障額の四百五十円ではとてもいまの物価高からするならば無理じゃないか、そういう面も少し郵政省としては身がって過ぎる。もうけにならぬことは一切やろうとしない。郵便というものはそんなものではない。その郵便の根本の精神を忘れたならば、この郵便料金の値上げに対しては大反撃を加えますよ。やはり郵便というものは国民に対して平等にサービスを展開していく、万国共同であるというところに郵便の大きな使命があるわけであります。そういう点からいって、いま言った八十五条の適用地で実際に売りさばき所の引き受け人はないというところについては、逆に郵政省のほうから売りさばきをお願いする、こういうことも郵政省としては考えていいのではないか、こういうことを私は言ったわけです。もし今回そういう点が全然なかったとするならば、そういう精神を持ってこそ初めて郵便事業というものが生きてくるということを私は言いたいわけでありますので、ひとつ郵務当局としても、今後こういう内容については、局議においても省内においても十分に討議をしていただきたい、こういうことを申し添えておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/58
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059・長田裕二
○長田政府委員 実はそういう八十五条適用地のようなところの改善等に関連いたしまして、今度の料金改正で郵政審議会等でもいろいろ論議されました場合に、あまり収入のないところに少し手数や経費をかけ過ぎるのではないか、そのために料金コストを非常に高くしているのではないかというような論議なども相当ございまして、それにつきまして私ども実はただいま先生のお話しのように、料金を引き上げるという際に、現行のサービスでもある程度問題があるのに、それをさらに引き下げるということはとてもやるべきではないというように考えるということを申してまいったわけであります。しかしそういうような事実もあることは相当あるわけでありまして、一面ではそういうことも考慮しながら、しかし基本としてはサービスを全国あまねくだんだん改善していく、そういう方向で私どもこの問題についても取り組んでまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/59
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060・栗原俊夫
○栗原委員 ただいま森本さんから、八十五条適用地域を中心にして郵政のサービスぶりについて鋭く追及があったわけですが、大体同じようなサービスをするものに電話あり、また電波でサービスをするNHKあり、こういうことなんです。この三者を並べてみると、どうも郵政が一番サービスが悪い、なっておらぬと言っても言い過ぎではない。NHKあたりでは難視聴区域が見聞きできるように努力すると同時に、当面共同視聴施設のためにはばく大な助成金、補助金を出しておる。また一方電話のほうでは、これは農村赤電という姿で無料で電話を引いておる。それが今日では三十戸単位くらいまで電話を引くようになった。政務次官、よく聞いて間違いのないように答えてくれませんか。農村赤電のあの施設費は公社がみずから持っておるのですか。どこからか補助しておるのですか。これを明らかにしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/60
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061・亀岡高夫
○亀岡政府委員 電電公社が全部持っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/61
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062・栗原俊夫
○栗原委員 いまお聞きのように全く不引き合いの地域に、やはり公共性を尊重して通信手段を与えなければならぬということで農村赤電というものを設定し、しかもそれが三十戸程度の部落にまで無料で施設を供与する、こういうところまでサービスがいっておるわけです。NHKはNHKで、先ほども言うとおりこれは聴取料は同じであるけれども、これを聞こえるようにするために次々に中継所相当のものを新設する、それでもなおかつ難視聴のところには、共同視聴の施設をするためにばく大な補助金を出す、こういうところまでやっておる。こういうときに、郵政のほうの郵便物の配達あるいは発送ということについて、発送についてはポストという問題がありましょうし、またポストがあれば当然そこには切手、はがきの売りさばきがなければならぬ、こういうことでございます。先ほどのお答えによると、五カ年に今後ポスト、かけ箱合わせて七千ふやそう、こういうことですが、七千そういうものをふやしますと、地域的にどのくらいの集落のところまで施設ができるのか、こういう点をひとつ御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/62
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063・長田裕二
○長田政府委員 現在八十五条適用地は、個所にしまして三千六百、戸数にしまして一万二千戸くらいでございます。そのほかに、冬季だけの八十五条適用地が九百個所まだあるわけでございますが、冬季の面につきましては、これは春から秋までは取り集めも配達もしているわけでございます。八十五条適用地の解除の方向につきましては先ほども申し上げ、年々百五十戸ぐらいずつ大体進んでいるかと思っておりますが、ポストをそういう場所にどういうふうにつくっていくかということにつきましては、現在の八十五条適用個所を五年間にどういうふうにして、その地域内に幾つのポストをつくるかということまでの精細なる資料は手元にいま持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/63
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064・栗原俊夫
○栗原委員 私は、少なくとも農村赤電を引いておるようなところへは、すでにポスト、売りさばき所の設置してあるところが多いと思いますけれども、農集を引いてなおかつポストもない、売りさばき所もないというところは相当たくさんあると思うのですよ。こういうところぐらいまでは、やはり郵政としても、公共の事業としての郵便事業、こういうものの手を伸ばしていくべきではないか、こう思うのです。そうして、先ほど来売りさばきの問題についても、はからずも局長のほうが、いままでは申請があったからというような立場でおった。しかし、それだけではいかぬと思うのですよ。これから先こそがほんとうに郵政のほうのサービスを発揮する場面だと思うのです。これからそのサービスを発揮する場面は、おそらくこれは四百五十円ぐらいもらったって、やろうと申請してくるものは一軒もない。そういうところこそ、先ほど森本君の言うとおりお願いを申してポストも立てさせてもらう、かけ箱もかけさせてもらう、切手も売りさばいてもらう、こういう姿勢で穴を埋めていく、こういうことにしなければならぬと思うのです。かりにポストだけ置いても、その地域に切手類の売りさばき所がなければ、入れることはできるけれども、切手は別のところに買いに行かなければならぬ、こういうことになるわけですから、決してできたことが不便になるわけではない、便利になるけれども、それだけでは完ぺきでないと思うのです。したがって、今後都会地、特に先ほどお話のあった駅等の人の蝟集するところで、ポストはあるけれども、そこ自体には売りさばき所はない、こういうことは理解できますけれども、地域的に入っていけば、ポストと売りさばき所は、これは二にして一のものです。これは別個にあっていいものではありません。ポストがあるところには必ず切手があるのだということでなければ、ポストをつくってもらった利便を受けることにならない、こういう立場で、ひとつ比較的数の少ない地域へもポストを置くと同時に、売りさばき所もつくる。しかしその売りさばき所は四百五十円でやりましょうと飛び込んではこない。これにどう対処していくか。こういうことが問題になってこようかと思うのですが、ひとつこれらに関する所見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/64
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065・長田裕二
○長田政府委員 基本的な考え方としましては、先ほど申し上げましたように、私ども八十五条適用地につきまして、いろいろな方法でこれの改善につとめてまいるわけでございます。ただ一つ問題は、先ほども御指摘のありました農村公衆電話などとの比較で、そういうものはできて改善されていくのに、郵便は一向改善されない。あるいは改善の速度が非常におそいという問題はございます。実は最近偶然個人的に知りましたような場所でも、一昨年は電灯がついた。昨年は農村公衆電話がついた。しかし郵便のほうはどうにもならぬ、何とかしろというお話でございまして、いろいろあれしますと、現在配達しております道路から九キロ、十キロぐらい離れたところに五戸とか四戸とかいううちがございまして、平均しまして一日二通ぐらいの郵便がある。いままでは道路がとても悪くて、とても一人で一日がかりでしかそこへ行けなかった。道路は林道ができて改善はされたけれども、大体三時間近くかかるというようなことでございまして、その部門だけについて考えますと、何とかしなければならないという気持ちにもなるわけでございます。他面、一人の半分ぐらいの労力をそこにかけなければできない。いわば明治初年以来の先輩が非常に範囲を広げてりっぱにやってまいりましたのですが、その後特に最近に至りまして、人件費その他が高くなってきたという問題とからみ合わせまして、電話その他の改善と比べて、なかなか遅々として歩みが早くないということも一面ではやむを得ない事情もあることを御了承願いたいと存じますが、基本的には先ほど申し上げましたようないろいろな方法で改善してまいるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/65
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066・栗原俊夫
○栗原委員 いまの局長の答弁、苦衷はよくわかるけれども、答弁の内容は、八十五条適用地を中心にものを考えているようです。私の言うのはそうではなくて、八十五条の適用地とその他の地域、二つを考えているのです。八十五条の適用地については、八十五条適用地の特殊な対策を立てなければなるまいと思っております。私が主として力を入れて訴えておるのは、八十五条適用地でないその他の地域の中に、三十戸、四十戸集まっておるところが、みんないわゆるポケットになっておるわけでしょう。そういうところへ、やはりサービスの手を伸ばしていくべきではないか、こういうことを考えるわけです。それはもちろんポストがなければ、切手がなければ、郵便を出そうとすれば、売りさばき所に買いに行って、ポストに入れる以外手がないのだから入れておりますよ。おれのところには売りさばき所もないしポストもないから、切手も買わない、手紙も書かない、そんなわけにはいきませんよ。幾ら不便でもやっておりますよ。やっているから、それでいいのだということではないと私は思うのです。やはりそういう四、五十戸のような部落にもポストを置き、売りさばき所も設定していくというサービスをする段階にきているのではないかということを言っている、これに対する考え方を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/66
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067・長田裕二
○長田政府委員 実は先ほどもほかの委員の御質問の際に申し上げましたのですが、現在のポストの設置基準からまいりまして、既存のポストから千五百メートルぐらい離れておりますと、享便戸数が三十戸程度でもポストを置くことになっております。現実にはまだ置かれていないところもあるかもしれませんが、私どもとしては、基準としてはそういうところに置くことにしているわけでございます。あと当該局の定員事情等もあるかとも思いますが、そのような地域につきましては、これからも先ほど申し上げましたポストの増置の問題に関連して取り進めてまいるつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/67
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068・栗原俊夫
○栗原委員 千五百メートル以上離れておるというけれども、それは千五百メートルが千メートル離れても、なかなかやっかいなものですよ。私はしろうとだから具体的な問題は知りませんけれども、見ていると、いなかのほうは配達する人がポストをあけて集めておるようですよ。そういうことになれば、五百メートル離れた一つの集落が五十戸ある。そこにも配達があるのですから、行ったついでにポストをあけて持ってくればいいのじゃないですか。そこら辺がわからぬ。わざわざ別仕立てでそこへ集めに行くということになると、なかなか原価が高くつくだろうと思うけれども、配達には入って行くのだから、入って行ったついでに集めてくる。そういうことで集めるという数がふえれば、勢い持って歩く品物等の関係もありまして、いままで十カ所回っておったのが、今度は八カ所になるというような線は出てくるでしょう、いままでやっていなかったものを新たに付加するのですから。しかしそのくらいのことは、やはり郵政が負担をしてサービスを増強すべきではないか、こう考えておるわけですよ。千五百メートルというのは少し遠過ぎますな。千五百メートルというのは、口で言えば千五百メートルだけれども、千五百メートル歩いて切手を買ってくる。うちへ帰ってまた千五百メートル歩いて入れに行く。二回往復すれば千五百メートルの四倍で六千メートルになりますよ。こういうことはやはりサービスとしてはやるべきだと思うのですよ。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/68
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069・長田裕二
○長田政府委員 戸数の変動等で、私どもただいまの基準のところでまだ設置していないところもあるのではないかというふうに考えておりますが、現在の基準の中に入ります場所についてポストの設置を推進いたしますのと並行いたしまして、ただいまの先生の現在の基準を変更すべきではないかという問題を、いろいろ具体的な事情等も調べましてよく検討さしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/69
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070・栗原俊夫
○栗原委員 距離でばかり規制しているけれども、私は距離よりもやはり集落だと思うのですよ。だから赤電あたりも 距離よりもやはり戸数を基準にして農村の赤電を引いています。初めは八十戸、七十戸、昨今は先ほども言ったとおり三十戸ばかりまとまった部落で農村赤電話を引く、こういう形になっておるわけですが、ポスト、売りさばき所等もそういうぐあいに、その部落の戸数が三十戸以上なり四十戸以上あるというところにはやはりめんどうを見てやるべきではないか。基準を考慮なさるときに、距離も必要でありましょうけれども、距離と同時に、そういうもののない、しかもある単位で離れた一つの農村集落、地域集落というものも基準の一つの大きなものさしにして考慮してもらいたい、こう思います。
以上申し上げて、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/70
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071・佐藤洋之助
○佐藤(洋)委員長代理 畑君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/71
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072・畑和
○畑委員 振りかえのほうについて質問をいたします。
振りかえのほうでは、払い込みと振りかえと振り出しと、こういうことになっておりますが、その大体の手続をひとつ最初に教えてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/72
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073・稲増久義
○稲増政府委員 お答え申し上げます。
払い込みは、個人が郵便局のほうに参りまして、何か商品を買いました場合に、代金をこれこれの口座に払い込んでくれというふうな要求がございますと、郵便局はそれを受け付けまして地方貯金局のほうに送りまして、地方貯金局ではその金を加入者の口座に入れまして入れたことを加入者に通知する、こういうことでございます。振りかえは、個人が自分も口座を持っておりまして、その口座に入っている金を他人の口座に振り込んでくれという要求で、これも郵便局を通じまして地方貯金局ではその手続をいたしまして、地方貯金局から申し込み者のほうには移した、移されたほうに対しましてもこういう金が入ったという通知をいたします。最後のものは、これは本人払い出しと他人払い出しとありますが、大体は他人払い出しでございまして、自分の口座の金をだれそれに払い出してくれという要求をいたしまして、地方貯金局からその振り出し証書をその方に送る、その方は郵便局で現金にかえる、こういう仕組みでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/73
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074・畑和
○畑委員 そこで伺うのですが、振りかえ料金が、今度通常振りかえ一これは金額に関係ないですね。これが三十円が十五円になる。そこで尋ねるのですが、郵便料金が今度上がる。封書で十円が十五円になるというときに、これは三十円が十五円。いま聞くと、振りかえのときは両方に通知するのですね。片方の口座のほうと片方の口座のほうと、両方に通知する。そうすると封書で二通出すわけです。そうすると、普通の個人が出す場合だと、封書でやる場合には三十円払いますね。けれども郵便局がやるから、それは郵便事務としてやるから料金はただといえばただだけれども、郵便料は逆に上がる。十円が十五円になる。十五円が二通だから三十円になるはずだ。ところが前の三十円というのは、十円ずつの封書で二度やるから二十円、それで十円もうけだ、こういう計算かもしれぬけれども、今度の場合は、郵便料金が上がるのと逆に三十円が十五円になる、こういうことになると、幾ら郵便局の仕事は料金を払わないと言ったって、これは損になりゃせぬか。どういうわけでこれは下げたのか。うんと利用してもらいたいということのために下げたと思う。思うけれども、郵便料金の値上げと関連して下げ過ぎやせぬか、こういうような感じがする。それで聞くのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/74
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075・稲増久義
○稲増政府委員 ただいまのお説、その観点からだけ見ますと、さようなお考え出てまいると思うのでございますが、われわれは振りかえの料金をきめますときに、個別の原価主義と申しますか、そういうものでなく、総括的な収支のバランスを見まして、料金をきめておる次第でございまして、御承知のとおり振りかえ制度の本流は、何と申しましても通常振りかえにあるわけでありまして、たまたまわが国におきましては、この制度がいろいろな理由がございましょうが、普及いたさず、せっかくのいい制度が現在その効果を発揮していないというふうな観点から、振りかえ制度の伸長、すなわち通常振りかえ制度の普及というふうな点を考えまして、原価計算等からいたしますればさようでございますが、振りかえ全体の収支を償うというふうな観点から十五円でいい。しかも十五円にいたしましたのは、大体通常振りかえは、定期継続振りかえ方面にたくさん使ってもらいたいというふうな気持ちもございまして、それらの各公益事業者の集金コストが大体十五円前後というふうに承っておりますので、十五円くらいにすれば、こういう方面の御利用がございまして、制度が普及するというふうなことも一つの観点でございますが、一応全体の総括原価主義と申しますか、全体の収支のバランスから十五円でいいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/75
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076・森本靖
○森本委員 それはこの間私が言ったように、郵便振替貯金だけの結局総括原価主義をとるのであって、郵政事業は御承知のとおり郵政事業特別会計の方式をとっておるわけです。だから実際問題としてその原価計算主義をとるとするならば、その無料で送るところの通信事務の郵便料金というものも、これを実際に払うものとして計算をしなければならぬわけだ。たまたま通信事務として無料でやっておるからそういうことが成り立つけれども、原価計算主義をとるとするならば、実際に十五円というものの料金を払ったものとして計算をしなければならぬ。だから振替貯金のほうは、振替貯金のほうだけの計算しかとってない。だからそれに対して十五円の郵便料金を加算をしたとするならば、郵便振替貯金の会計というものは総括的にはマイナスになる、こういう結果になると思うのですが、これは総合的に考えてどうですか、政務次官。振替貯金は振替貯金、郵便事業は郵便事業だけで考えるべきものではない。これはいま畑さんが言ったように、十五円の通常振りかえであっても、十五円と十五円の料金がかかるわけでありますから、実際には三十円の料金がかかるわけであります。だから貯金局長は貯金局長で、貯金局のことだけしか考えなくて、原価計算、原価計算と、こういっておる。しかし郵政事業特別会計全体から見たらそうはならぬのじやないか。これはもうちょっと明確な答えができなければいかぬ。これは貯金局長じゃなしに、もっと上のほうの人が回答しなくちゃならぬから政務次官になるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/76
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077・亀岡高夫
○亀岡政府委員 郵政事業に特にたんのうな森本委員、百も承知で御質問のことと思いますが、御承知のように、郵便事業あるいは保険事業、それぞれ性格を異にいたしておるわけでございます。そして各事業それぞれ収支の均衡がとれるということを主眼にして行なわれておるわけでございます。したがいまして、郵便料金の改定の際には、あるいは森本委員仰せのとおり、通信事務ということで、実際的には料金も取らずにやっておるわけでありますから、理屈の上からいけば森本委員のお説も原価計算等については考慮しなければならないのかもしれませんけれども、郵政当局としては、現在そういう立場をとらずに原価計算等を行なっておると私は了承をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/77
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078・森本靖
○森本委員 そうすると、結局振替貯金における赤字を郵便事業のほうで補っておる、こういうことになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/78
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079・稲増久義
○稲増政府委員 振替の事業だけの収支の総称というふうな観点でございまして、ただいまのところ、先ほども申し上げたかと思いますが、通常振替で赤でございましてもその他の業種でカバーする。全体として収支は四十年度におきましても、収入が五十一億六千九百万円、支出が五十一億三千五百万円、約三千四百万円の黒字と相なる次第でございまして、四十一年度の予算におきましても四千八百万円ほど黒が出るというふうに振替事業といたしまして、収支が……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/79
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080・森本靖
○森本委員 それはわかっておるのです。何回も答弁を聞いて。しかし実際にその場合に十五円の郵便料を払ったら赤字になるだろう。十五円の郵便料というものを通信事務で無料でやっているから、そういう計算になるけれども、結局、一体十五円の郵便料と三十円の郵便料の差はだれがかぶっておるのか、それを聞いておるわけです。だから振替貯金の会計では、確かにあなたの言うとおりの計算になるわけです。実際にその郵便料金を払ったら赤字になるはずだ。その赤字はどこでかぶっているかということをはっきりしてもらえさえすれば、この場面はいいわけで、それは郵便料金のほうでその赤字をかぶっておる、こういうことになるのじゃないですか、郵務局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/80
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081・長田裕二
○長田政府委員 実は郵便貯金事業と郵便事業とは、ともに助け合いの形になっておりまして、窓口の現金の出し入れ等につきましては貯金部門に依存しておるところが多分にございます。そういうふうな関係等もありまして、貯金局のほうは、ただいまお答えしたようなことになっているのかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/81
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082・森本靖
○森本委員 だから貯金のほうの答弁は、貯金のほうの答弁でよろしいと言っておるわけです。しかし現実に振替貯金の会計はそういうふうに黒字になっても、かりにそれが実際問題として郵便料を払ったとしたら、相当な赤字になる。その赤字は一体どこでかぶっているのかといえば、郵便料金の中でかぶっておるのじゃないか、こう言っておるわけです。そうでしょう、現実には。振替貯金の場合は振替貯金特別会計というものがある。郵政事業特別会計に振替貯金のほうから、いわゆる貯金特別会計から繰り入れをするけれども、振替貯金の会計では確かに黒字になっておる。黒字になっておるけれども、実際問題として十五円の郵便料を払ったとしたらそれだけ赤字になる。だからそのものは実際問題としては会計法上では出てきていないけれども、実際には郵便料金のほうでかぶっておる、こういうことになるわけでしょうが。郵便料金にかぶせておる、そのおかげで振替貯金のほうは黒字になっておる、こういうことでしょうが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/82
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083・稲増久義
○稲増政府委員 ただいま振替も郵政事業特別会計の中に包含されておりまして、郵便料につきましても、一応支出としてそれ相当の経費はコストの中に見積もっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/83
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084・森本靖
○森本委員 それじゃ郵便振替貯金のこの中で、特に郵便料の支出を何ぼ見ておる。それから現実に郵政省における郵政事業特別会計の中で、郵便料金を何ぼ見積もっておりますか、通信費として……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/84
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085・稲増久義
○稲増政府委員 手元にございます四十年度の振替貯金の収支比較という表の支出の面では、無料郵便料として四億六千五百八十万円ほど一応見込んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/85
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086・森本靖
○森本委員 そうすると四億何ぼというものは何ぼの金額にして計算しておるわけですか。十五円で計算しておるのですか。三十円でやっておるのですか。定期継続振替の場合……。そんなにもうかるはずはない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/86
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087・稲増久義
○稲増政府委員 ただいまの数字は四十年度の予算の数字でございますので、当然改定前の数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/87
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088・森本靖
○森本委員 いま審議をしておるのは四十一年の問題を審議しておるわけであって、四十一年には、要するに七月一日から書状が十五円になるわけですから、十五円になれば往復で三十円になるわけで、定期継続の振替が十五円とするならば、畑さんが言っておるように十五円の赤字になるはずです。四十一年度の通信費の無料郵便物の収支は何ぼに組んでおるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/88
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089・稲増久義
○稲増政府委員 一応われわれといたしましては、現在仰せのとおり、定期継続振替は赤に立つわけでございますが、利用増から将来はこれだけで黒になっていくというふうな考え方から出発いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/89
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090・森本靖
○森本委員 将来は利用増によって黒字になるというのはどういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/90
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091・稲増久義
○稲増政府委員 利用件数がふえまして、取り扱い金額がふえ預託高が多くなる、預託収入の利子が多くなる、こういう循環でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/91
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092・森本靖
○森本委員 そうすると四十一年度の予算においては、運用収入と料金収入との割合はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/92
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093・稲増久義
○稲増政府委員 ちょっと数字をいま探しておりますが、料金が七割五分、運用収入のほうは二割五分ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/93
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094・森本靖
○森本委員 運用収入が二割五分ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/94
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095・稲増久義
○稲増政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/95
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096・森本靖
○森本委員 運用収入が二割五分、料金吸入が七割五分で組んでおって、定期継続の振りかえがどんどんどんどんふえていって、それによって実際問題として運用収入によって黒字になるという答弁はどこから出てくる。実際問題として郵便料金が三十円かかる。それを十五円しか料金を取らない。それがどんどんどんどんふえていったら運用収入によって黒字になる。それだったら、そのパーセンテージが逆になっておればそういうことが言える。ところが料金収入が七五%で運用収入が二五%では、いまの貯金局長みたいな答弁にはならぬと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/96
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097・稲増久義
○稲増政府委員 漸次利用の増大とともに預託利子がふえてまいりまして、私たちの計算によりますれば四十五年度あたりになりますと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/97
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098・森本靖
○森本委員 四十五年度のことを言ってやせぬ、四十一年度のことを言ってるじゃないですか。だれが四十五年度のことを言うた。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/98
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099・稲増久義
○稲増政府委員 四十一年度では赤字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/99
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100・森本靖
○森本委員 初めからそういうようにちゃんと赤字なら赤字と言えばいいわけです。
それで、ついででありますから、ちょっと聞いておきたいのですが、気にかかることは、郵政省の郵政事業特別会計の中において、無料郵便というものについては、これは予算化をしておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/100
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101・長田裕二
○長田政府委員 予算化はしておりません。内部的には一応の数をあげまして、相互にたとえば貯金事業のほうに支払うべき分、そういうようなものを一応は立てておりますが、予算化はしておらないわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/101
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102・森本靖
○森本委員 その無料郵便物は一応どの程度に見ておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/102
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103・長田裕二
○長田政府委員 ただいま私数字をちょっと持っておりませんが、二十数億一応計算を立てているのではないかと思っております。三十億近くだったと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/103
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104・森本靖
○森本委員 三十億ということになりますと、はがき、封書にしてどの程度になりますか。三十億で足りますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/104
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105・長田裕二
○長田政府委員 現実に出されます無料郵便物、それの計算等につきまして、いまちょうど手元に資料を持っておりませんが、過去何年か少しずつの増額できているわけでございます。四十一年度につきまして、おそらく先ほど申し上げましたような程度の数字ではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/105
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106・森本靖
○森本委員 それではちょっと聞きますが、三十億の二十分の一のその四分の一の金額で封書とはがきで何通になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/106
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107・長田裕二
○長田政府委員 二十分の一で一億五千万、それの四分の一でございますと三千七百五十万でございますから、十五円封書にいたしますと、二百五十万ぐらいになると思います。はがきにいたしますと、約五百五十万ということになるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/107
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108・森本靖
○森本委員 高知県で約二百三十局ありますが、それで郵便局が通信事務のはがきと封書を一日大体どの程度出すか御承知ですか。集配郵便局、それから普通郵便局が定期的に出さなければならぬ報告書類をどの程度出すか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/108
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109・長田裕二
○長田政府委員 ただいま承知いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/109
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110・森本靖
○森本委員 私がいまやった計算方式で一ぺんやってみてください。これは数字が合わぬと思います。一類証拠書類から郵便の報告から全部合わせますと、相当のはがきとそれから封書類のものがいかなければならぬことになりますが、三十億とすれば、それの二十分の一のその四分の一で割りますと、大体高知県の数が出てくると思います。その数を郵便局の数で割ってまいりますと数字がわかりますが、おそらくその数では足らないのではないかと思います。試みに電話料は幾ら予算に組んでおりますか。これは経理局長がおらぬとわからぬと思いますが、そのこともひとつよく調べておいてください。次の機会に質問をすることにします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/110
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111・畑和
○畑委員 いまの問題はそれだけにして、それに関連して政策的な話がいま出た。要するに、民間の債権債務の決済を円滑にしていく、いままでに利用されておらなかったのを利用させる、そのために取り扱い高もふえる。したがって一時は赤字でも、だんだんよくなっていく、こういうようなことでした。ところが外国の例は振替料金なんかはどうなっておるかひとつ承りたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/111
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112・稲増久義
○稲増政府委員 日本におきましては、この制度は御承知のとおり口座を持っておりますものが千人で四人、外国では大体百人以上というような普及率でございます。そのために料金関係におきましてもほとんど振りかえは無料で、取り扱い残高の運用収入によりまして、通常振替はほとんど例外なしに無料でありますし、その他払い出し等もごく一部の国を除きましては大体無料でやっておるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/112
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113・畑和
○畑委員 そうなると、いますぐというわけにはいかぬだろうけれども、そういった口座の数が多くなるというようなことになれば、逐次よくなるだろうけれども、いまは逆にマイナスではないかという質問を私はしたのだけれども、そうじゃなくて将来の見通しということになれば、いまの諸外国の例からすると、もっと普及をすれば当然振替料などは無料で済むだろうと思うのですが、将来の展望について政務次官ひとつ御意見をお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/113
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114・亀岡高夫
○亀岡政府委員 利用数の増加に従いまして、手数料は漸減をして理想的な姿としては手数料を取らずにやっていきたいという目標を立てておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/114
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115・森本靖
○森本委員 ちょうどいま外国の例が非常にいい例ですが、日本の振替貯金とだいぶ違うわけですが、外国の場合その運用収入によってほとんどまかなわれているようでございますが、その運用利率は幾らになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/115
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116・稲増久義
○稲増政府委員 大体平均いたしまして、七分かちょっとそれをこしているくらいではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/116
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117・森本靖
○森本委員 日本の場合は幾らですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/117
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118・稲増久義
○稲増政府委員 ただいま資金運用部に預託いたしまして、最長七年もので六分五厘であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/118
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119・森本靖
○森本委員 局長が答弁をするときにはそういう重要なことを答弁しなければ意味ないですよ。いいですか、はっきり言って、いま畑さんが質問をしている点は、重要な点はそこにあるわけですよ。ことに運用収入がふえるふえるといったところで外国の場合は七分、こちらは六分五厘で、五厘違えば相当違ってくるわけでしょう。だからやはり日本の場合でも、現在の六分五厘が七分にでもなれば、まだまだ相当違ってくるという点を、やはりこういう機会に郵政省というものは明らかにしていかなければならぬと思うのですよ。そういう点、ちょっと頭の回転をもう少し貯金局長が鋭くやって答弁をしていけば質疑がスムーズにいくわけだ。大体何の質問をしているかということを察していかなければ答弁は意味ないのだよ。いま初めて運用利率の内容がはっきりしたわけですが、外国は運用収入でほとんどやっておる。日本の場合には料金収入が七五%である。ところが今度はそれを運用収入に変えていきたい。だんだんふやしていきたい。確かにその方向はよろしい。しかしそれと同時に現在の運用収入も外国並みに七分以上にするならば、振替貯金というものは利用がよけいに増してくる、こういうことになってくるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/119
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120・稲増久義
○稲増政府委員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/120
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121・畑和
○畑委員 もう時間もくるようですから、その次にお聞きしたいのですが、今度払い込み及び払い出し料金を五百円以下の場合だけ引き下げた。ところでお聞きしたいのですが、いままでの統計をとったのがありますか。五百円以下の件数とそれから五百円から千円までの件数、それから上の割合を、統計をとったのがあればひとつ聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/121
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122・稲増久義
○稲増政府委員 通常払い込みにつきましては、五百円以下は件数の割合といたしまして一一・四%でございます。五百円から千円までのものが一七・三%でございまして、一番多いのは千円から五千円までが大体四五%というふうな数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/122
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123・畑和
○畑委員 そうすると、五百円以下というのは案外少ない。一一%ということなんですが、そうすると下げてもたいして意味ないような感じがします。ぎょうぎょうしく五百円以下というのを新しく設けて、それを料金を下げた、五百円以上千円までは同じだ、それからまた上も同じだ、こういうことなんです。いま聞くところによると、五百円から千円までが一七%ですか、それから千円から五千円までが四五%、こういうようなことを聞くのですが、そうすると、やはり現在多く利用されているのは五百円以上のほうがはるかに多いということなんですね。そこで、五百円以上の料金も下げることをなぜしなかったのか、金のやりくりでできないといえばそれまでですけれども、わずかに一一%のものをちょっと値下げをして、そのかわりに利子をやらない、こういうことでは、それはもうかるのはあたりまえなんです。それ以外にもっとうまく理屈のつくようなことがありそうですね。ちょっと表面から見るとりっぱに見えるけれども、たいして保護になっていない。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/123
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124・稲増久義
○稲増政府委員 私どもが今回料金値下げをやりましたのは、御承知のとおり振替制度の利用の増大、口座振替を伸長させるという点に重点を置いております。それからもう一点は、利子を廃止いたしました原資二億四千万ほどに四十一年度は相なりますが、その原資の範囲内において値下げをしたい、この二つの制約を受けまして、まず第一点の口座振替を先ほど申し上げましたような理由から十五円にいたしまして、そうすると今度は二億四千万円値下げの幅のほとんど大半をそれで使いますので、若干の余裕も残さないと、四十年度の値下げしました利用度あるいは利用形態の変化等を的確につかめませんので若干の余裕を残し、その余裕によりましてできるだけ処理の迅速化をはかりたいということ等の理由もありまして、そういたしますと、五百円の少額送金が若干割り高になっておるというふうな点を考えまして、原資の点から五百円以下の値下げというふうな制約に相なったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/124
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125・畑和
○畑委員 話を聞けば少しはわかったような気がするのですが、どうも納得がいかない。五百円から千円までのものは一七%で相当多いと思うのです。またその上も千円から二千円くらいが相当多いんじゃないか。そうしますと、それを少し値下げすべきだったと思うのです。
それから振りかえの料金などは、これは口座から口座への振りかえだから相当金を持っている連中が多い。だからそんなに損はしない。さきに言ったように、郵便料金が上がっておるのに郵便料金の値上がりをカバーすることができないほど下げて、逆に払い込みや払い出しのほうをたいして下げない。ただ五百円以下の分だけ新しくつくってそれだけ下げた、こういうことではどうも私は矛盾しておると思う。振替預金のほうは、将来の展望は別として、そんなに遠慮して下げないで、こちらのほうの一般大衆が一番利用する五百円以上二千円くらいまでのところをもう少し小刻みにして少し料金を下げるというような配慮をなぜしなかったか、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/125
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126・稲増久義
○稲増政府委員 ただいまもちょっと申し上げましたとおり、今回の料金値下げの考え方といたしまして、口座振りかえ特に定期継続振りかえの利用の増進を第一の目標にいたしましたので、これが集金コストが十五円というふうなことで、十五円まで下げない場合は現在ほとんど利用者がないという状態でございますので、これをどうしても十五円に下げなければいかぬという最大な観点からこれを十五円に下げましたので、その値下げの原資でございます利子の廃止の分の残りということで、他の諸種の料金を下げたというふうな点が五百円以下にとどまったということでありまして、今後の利用実態等からわれわれが考えておりました以上に余裕が出ますれば、次の段階で考えさせていただきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/126
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127・畑和
○畑委員 あと一点ばかり質問します。
公金ですね。公営企業料金、これについては特殊振りかえというので規定がありますね。この公金の払い込み料金は幾らになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/127
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128・稲増久義
○稲増政府委員 公金払い込みの料金は、一件につきまして十五円プラス取り扱い金額の千分の五でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/128
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129・畑和
○畑委員 これのほうは下げないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/129
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130・稲増久義
○稲増政府委員 このほうは、昭和三十九年度の公金払い込みの一口の平均金額が四千五百円でありまして、その平均料金は三十八円でございます。これを現在の通常払い込みでありますと五十円取られますので、平均的には十二円平均料金が安くなっておるというふうなことで、現在の通常払い込みの料金に比較いたしましてなお割り安であるというような点から、今回は値下げの原資の関係もありまして、このままにいたした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/130
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131・佐藤洋之助
○佐藤(洋)委員長代理 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時五十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00719660303/131
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