1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年三月二十四日(木曜日)
午前十一時五分開議
出席委員
委員長 砂原 格君
理事 秋田 大助君 理事 加藤常太郎君
理事 上林山榮吉君 理事 栗原 俊夫君
理事 畑 和君 理事 森本 靖君
金丸 信君 佐藤 孝行君
綱島 正興君 徳安 實藏君
服部 安司君 南 好雄君
大柴 滋夫君 片島 港君
前田榮之助君 佐々木良作君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 郡 祐一君
出席政府委員
郵政政務次官 亀岡 高夫君
郵政事務官
(大臣官房長) 鶴岡 寛君
郵政事務官
(郵務局長) 長田 裕二君
郵政事務官
(経理局長) 淺野 賢澄君
委員外の出席者
議 員 森本 靖君
専 門 員 水田 誠君
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三月二十四日
委員本名武君辞任につき、その補欠として綱島
正興君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員綱島正興君辞任につき、その補欠として本
名武君が議長の指名で委員に選任された。
三月十九日
簡易保険及び郵便年金資金の運用範囲拡大等に
関する請願(秋田大助君紹介)(第二〇二五号)
同外三件(關谷勝利君)(紹介)(第二〇二六号)
同外二件(毛利松平君紹介)(第二〇二七号)
東京都向島地区に郵便局設置に関する請願(天
野公義君紹介)(第二〇二八号)
福島県浪江町津島地区等のテレビ難視聴解消に
関する請願(齋藤邦吉君紹介)(第二〇七三号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
郵便法の一部を改正する法律案(内閣提出第三
一号)
郵便局舎等整備促進法案(森本靖君外九名提
出、衆法第二六号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01319660324/0
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001・砂原格
○砂原委員長 これより会議を開きます。
内閣提出にかかる郵便法の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01319660324/1
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002・砂原格
○砂原委員長 まず提案理由の説明を聴取いたします。郡郵政大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01319660324/2
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003・郡祐一
○郡国務大臣 ただいま議題となりました郵便法の一部を改正する法律案の提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
この法律案は、郵便事業の円滑な運営とこれに要する財源を確保するため郵便に関する料金を改正するとともに、郵便物の種類体系等を整備して業務の能率化を進め、あわせて利用者に対するサービスの改善のため、所要の規定の改正を行なおうとするものであります。
まず、郵便に関する料金の改定について申し上げます。郵便物の料金は、昭和二十六年に全面的な改正を行ないまして以来、昭和三十六年に第三種郵便物及び第五種郵便物の料金について若干の調整を行なったほかは、改正を行なわず、収入の基礎である書状及びはがきの料金につきましては、今日まで十五年間据え置かれたままとなっております。
このように、郵便料金の中心をなします書状、はがき等の料金が、長期に安定し得ましたのは、戦後の復興に伴って物数が着実に増加し、これを基礎とする郵便収入も、順調に伸長したためでありましたが、最近では、事業収入の増加も鈍化の傾向を示し、一方ベースアップ等による人件費の高騰運送費の増加、局舎・施設の整備拡充等のため、事業財政はきわめて苦しくなってまいりまして、昭和四十年度は、当初予算において、すでに五十六億円の収入の不足を生じている状況でございまして、このままの状態では、来年度以降相当多額の赤字が予想されるに至っております。
また、業務の正常な運行の確保、事業の近代化、機械化等の推進のための諸経費の増加も考慮しなければなりません。そこで、この際、郵便料金について所要の改正を行ない、事業収支の健全化をはかろうとするものでございます。
改正の方針といたしましては、料金の引上げはこれをつとめて低位に押えることとし、全体の増収率は二八・八パーセントにとどめるようにいたし、また、通信教育、学術雑誌、定期刊行物等については、その特殊性を十分考慮いたしました。
料金改正の内容を申し上げますと、まず、第一種郵便物は、これまでの第五種郵便物を統合し、これを形状によって、定形郵便物と、非定形郵便物に分け、定形郵便物は、二十五グラムまで十五円、五十グラムまで二十円、非定形郵便物は、五十グラムまで二十五円といたしました。
この結果、書状につきましては、二十グラムまでのものは、十円から十五円になりますが、二十グラムをこえ二十五グラムまでのものは、二十円のものが十五円と安くなる面もございます。なお、これまで十二円の売価であった簡易てがみは、名称を郵便書簡と改め、十五円で発売することにいたしております。
はがきにつきましては、五円を七円とし、年賀はがきの低料扱いは、廃止いたしたいと考えております。
第三種郵便物は、従来の百グラムごとに二円を、百グラムまで三円とし、百グラムをこえるものは、五十グラムごとに一円を加えることに改めました。
第四種郵便物につきましては、通信教育のためのものは据え置き、農産種苗等は従来の二円を六円に改め、また、学術雑誌を新たに加え、百グラムごとに十円といたしました。
なお、特殊取扱料金につきましても調整を行ない特に速達料につきましては、従来均一料金でございましたものを、重量別に四段階に分け、それぞれの料金を設定いたしました。
次に、この法律案におきましては、郵便物の容積及び重量の制限につきまして、その最大限は引き下げ、最小限は引き上げるようにいたしております。改正内容を具体的に申しますと、通常郵便物の容積の最大限につきましては、長さ四十五センチメートルを四十センチメートルに、幅三十センチメートルを二十七センチメートルに、厚さ十五センチメートルを十センチメートルにし、第一種郵便物の重量の最大限を六キログラムから四キログラムに改めることといたしております。最大限の引き下げによって差し出すことのできなくなる通常郵便物は、現状から見ましてほとんど皆無でございます。最小限につきましては、長さ十二センチメートルを十四センチメートルに、幅七セチメンートルを九センチメートルに改めることといたしておりますが、最小限の改正につきましては経過期間を設ける等の配慮をいたしております。また、小包郵便物の容積の最大限につきましては、取り扱いを容易にするため、長さ百十センチメートルを一メートルに、長さ、幅及び厚さの合計二メートルを百五十センチメートルに改めることといたしております。
第三に、この法律案におきまして、業務の能率的運行をはかるため、料金の割引き制度を設けることといたしております。
これは、郵便物の取り扱い量が特に多い郵便局に第一種郵便物または第二種郵便物を、一時に三千通以上、府県別の区別等をして差し出される場合、その料金の合計額の百分の十以内の範囲で料金を減額して、利用者の御協力に報い、ひいては、郵便物の集中する郵便局の作業を軽減し、全体の流れを円滑にいたそうとするものでございます。
第四は、書留制度について若干の改正を行なうことといたしております。まず、書留郵便物を亡失または棄損した場合に郵政省が差し出し人に賠償する限度額を、現金については五万円を十万円に、物品については五十万円を百万円にまで引き上げることとし、また、損害要償額の申し出がない場合の賠償額の限度を千円から三千円に改めることといたしております。
さらに、現在の書留の取り扱いのほか、引き受けと配達の記録を行ない、万一、亡失または棄損した場合には、二千円を限度として損害を賠償し、料金も安い、新しい簡便な書留の取り扱いをいたすこととしております。
第五は、非常災害の場合に、被災者の救助活動を行なう地方公共団体または日本赤十字社にあてて、一般の方々が救助物資を送られる場合、その小包郵便物の料金を免除いたそうとするものであります。
第六は、書き損じをしたり、印刷を誤ったりしたはがきの交換ができるようにしようとするものであります。はがきを誤って書き損じたり、印刷を間違えたりすることは、間々あることでありますが、これが全くむだになるのは避けるべきであり、交換に応じることとするのが適当だと考えられますので、一定の手数料をいただいて、交換いたすように改正しようとするものでございます。
第七は、現在なお、法律に違反して現金を普通の手紙の中に入れて送られる事例が見受けられますので、これに対しまして、必要な措置を設けようとするものでございます。
郵便法では、法令に違反して差し出された郵便物は、差し出し人に還付することとしておりますが、現金在中の普通郵便物をそのまま返すのは、法律で普通郵便物に現金を封入することを禁止している趣旨にも反しますので、今後は、書留と同様の取り扱いをしてお返しすることとし、なお、その際、今後法律を守っていただく意味も含めまして、書留料の二倍に相当する額の還付料をいただくようにしようとするものでございます。
以上のほか、この法律案におきましては、料金受け取り人払いの手数料を省令の定めるところにゆだね、また、私書箱使用料を免除できる場合の規定を設け、あるいはまた、昭和三十六年六月当時、すでに建築中のものまたは建築されていた高層建物に対する受け箱設置義務の適用猶予期間を昭和四十二年十二月三十一日までにする等の改正を織り込んでおります。
なお、この法律案の施行期日は、周知その他準備もありますので、本年の七月一日を予定しております。
以上提案理由及び主要な内容を申し上げましたが、今般の法律改正により料金が改正され事業収支の均衡が得られました暁には、事業の近代化をはかり、郵便物の確実、迅速な送達につとめ、国民各位の御期待にこたえるべく懸命の努力を傾ける所存でございます。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01319660324/3
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004・砂原格
○砂原委員長 次に、森本靖君外九名提出にかかる郵便局舎等整備促進法案を議題とし、審査に入ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01319660324/4
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005・砂原格
○砂原委員長 まず提案理由の説明を聴取いたします。森本靖君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01319660324/5
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006・森本靖
○森本議員 ただいま議題になりました郵便局舎等整備促進法案について御説明を申上げます。
郵政事業は、国民文化の向上と、経済の急速な伸長に伴いまして年とともに発展し、取り扱い数は最近著しく上昇し、今後さらに激増することが予想されます。
これに対し国民の付託を受け、事業を円滑に処理するためには、郵政省は適正な要員の配置と執務上の施設とを完備することが必要でありますが、とりわけ郵便局舎の整備は緊急問題といわなければなりません。
現在の郵便局舎の状況は、全国で一万五千八百八十六局、昭和四十年三月末日現在設置されていますが、そのうち郵政省の所有するものはわずかに千七百局で、他の一万三千九百八十六局は借り上げによる局舎であります。しかもその借り上げ局舎の九五%までが個人所有のものであるために、国有局舎に比較して、通風採光等が非常に悪いというばかりでなく、老朽、かつ狭小のものが多くありまして、公衆の利用上においても職員の執務上からも早急に整備する必要があります。この法案はこの趣旨に基づいて制定しようとするものであります。
次にこの法案のおもな内容について申し上げます。第一に、この法案は公衆の利便を増進し、事務能率の向上をはかるために、老朽、狭小の郵便局舎を郵政省みずからの手によって建築、修繕、模様がえ等を行なうことを明らかにしています。
第二に、郵政大臣は郵便局舎等整備審議会の議を経て、昭和四十一年度以降十カ年における郵便局舎等整備計画を作成し、閣議の決定を求めるということであります。
第三に、郵便局舎等整備十カ年計画の実施に算する経費の財源については、政府は各年度に新たに積み立てられる簡保積立金の二十分の一を下らない額を郵政事業特別会計に貸し付ける措置を行なうこと及び郵便貯金特別会計における剰余金からの一部貸し付けを行なうことをきめるとともに、その他においても財政の許す範囲において必要な措置を講ずることといたしております。
第四に、各省、庁の長及び大蔵大臣または関係市町村長は、郵政大臣が申し出たときは、郵便局舎等整備計画の円滑な実施に協力することにしております。
第五に、郵政省に委員十二名以内で組織する郵便局舎等整備審議会を設置して、郵便局舎等整備に関する重要事項について調査、審議し、また郵政大臣に意見を述べることといたしております。
第六に、政府はこの郵便局舎等整備促進法の実施に要する経費の財源に充てるため、郵政事業特別会計法の一部を改正して、一般会計からこの会計に繰り入れすることができることとしました。
なお、この法案実施にあたって昭和四十一年度以降十カ年間に必要とする経費は約千五百二十億円であります。
以上のとおりでございますので、何とぞ十分御審議くださいましてすみやかに可決くださいますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01319660324/6
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007・砂原格
○砂原委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
次会は、明二十五日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01319660324/7
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