1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年四月五日(火曜日)
午前十時三十三分開議
出席委員
委員長代理 理事 佐藤洋之助君
理事 秋田 大助君 理事 加藤常太郎君
理事 上林山榮吉君 理事 栗原 俊夫君
理事 畑 和君 理事 森本 靖君
綾部健太郎君 小渕 恵三君
金丸 信君 木部 佳昭君
小泉 純也君 志賀健次郎君
徳安 實藏君 本名 武君
南 好雄君 安宅 常彦君
大柴 滋夫君 片島 港君
金丸 徳重君 中井徳次郎君
前田榮之助君 松井 政吉君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 郡 祐一君
出席政府委員
郵政政務次官 亀岡 高夫君
郵政事務官
(大臣官房長) 鶴岡 寛君
郵政事務官
(監察局長) 山本 博君
郵政事務官
(郵務局長) 長田 裕二君
郵政事務官
(貯金局長) 稲増 久義君
郵政事務官
(簡易保険局
長) 武田 功君
郵政事務官
(人事局長) 曾山 克巳君
郵政事務官
(経理局長) 淺野 賢澄君
委員外の出席者
専 門 員 水田 誠君
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四月一日
委員小渕恵三君辞任につき、その補欠として賀
屋興宣君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員賀屋興宣君辞任につき、その補欠として小
渕恵三君が議長の指名で委員に選任された。
同月五日
委員原茂君辞任につき、その補欠として金丸徳
重君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員金丸徳重君辞任につき、その補欠として原
茂君が議長の指名で委員に選任された。
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四月一日
電波法の一部を改正する法律案(内閣提出第一
一六号)
放送法の一部を改正する法律案(内閣提出第一
一七号)
同月四日
簡易保険及び郵便年金資金の運用範囲拡大等に
関する請願(本名武君紹介)(第二三一八号)
同(森本靖君紹介)(第二三四二号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
郵便法の一部を改正する法律案(内閣提出第三
一号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/0
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001・佐藤洋之助
○佐藤(洋)委員長代理 これより会議を開きます。
委員長の指名により、私が委員長の職務を行ないます。
郵便法の一部を改正する法律案を議題といたします。
前会に引き続き質疑を続行いたします。中井徳次郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/1
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002・中井徳次郎
○中井委員 郵便法の一部を改正する法律案に関連をいたしまして、十二時ごろまでお尋ねをいたしたいと思いますが、時間のほどは、私の質問もわりあい簡単だから、早く済みましたらひとつ早くお昼をとって——いつもこの委員会はどうもかなり長くなります。そういうことも考えながら私もお伺いをいたしたいと思います。
本論に入ります前に、一つだけお尋ねをいたしたいのであります。
少し変わった事項でございますけれども、最近切手収集といいますか、これが日本におきましてもたいへん盛んになっておるようでございまして、一年に一回世界でもって、回り持ちのようで万国切手の展覧会ですか、博覧会ですか、そういうものをやっておる。それにも日本からマニアがたくさん参加をいたしておるというふうなことを聞いておる。東洋ではまだこの会合が開かれたことがない。そこで前島先輩が日本の郵便事業を始められましてから、聞くところによりますると、一九七一年ですか、昭和四十六年はちょうどその百年目に当たる。そこでその機会に日本におきましてもそういうものを開いたらどうかという話があるようであります。郵政当局としてそういうことをお聞きになっておりまするか。またお聞きになっておれば、それに対してどういうお考えでありまするか、ちょっとこれは大臣に伺ってみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/2
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003・郡祐一
○郡国務大臣 いま中井さんからお尋ねの点は、日本の国内の郵趣団体と申しますか、郵便切手に趣味を持っております団体もかなり強い希望を持っておるようでございます。
FIPと申しまするか、あの国際郵趣団体のいたしまする催しは、確かに非常に権威のあるものでございまして、聞いてみますと、昨年でございますか、ウイーンで開かれましたものも非常に盛大で、世界各国から参加しておるようでございます。ただしこれに費やしました費用は、日本の金にいたしますと約七億円くらい使っておるそうです。非常に大がかりなものをいたしております。したがいましてFIPに認可を申請いたしましていたしまする展覧会は、ちょっと経費の点で、いままでも希望はするけれども日本ではというような考えで、したがってFIPの認可を得ていたす分でない展覧会は大いに奨励したらよろしいというような段階でまいっております。しかしながら御指摘のように一九七一年は百年に当たって、日本が開催国になって会議を開きまする際には、いろいろな点で日本でも画期的な催しをいたしたいと思います。これは現在私もいろいろな、たとえば病院、医療関係の施設等を、外国に見せても恥ずかしくないだけの用意をいたすだけの準備をしようなどということを考えておりますが、いまおっしゃいました世界切手展というのは、一九七一年の際にはひとつ開けるつもりで用意をいたしたいというぐあいに考えております。しかしこれは郵趣団体等ともよく話をしてみたいと思っておりますけれども、一つのいい機会として考えるべきものじゃないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/3
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004・中井徳次郎
○中井委員 FIPというんですか、どういう略語か私も存じませんが、ぜひひとつそういうふうな積極的な意味で取り上げてもらいたいと思いますし、いまちょっと伺うと、ウイーンにおいては七億円ばかりの経費ということですが、その場合郵政当局といいますか政府といいますか、そういうものは記念事業としてこの経費の分担についてどういうふうなお考えでありますか、それをちょっと最後に伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/4
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005・長田裕二
○長田政府委員 ただいま大臣から御説明申し上げましたFIP、国際郵趣連盟の主催によります世界切手展は非常に権威のあるもので、大がかりでいたしますので、ウイーンの場合でも七億円くらいかかったそうでございます。その経費は、ヨーロッパ等におきましては郵趣家自体が非常に財力を持っており、自分の展示品を競争するわけでございますから、一種の競技会のようなものでございますが、相当の経費を出しても自分が入賞したいというようなこともございます。それから切手商にその場の面積を少しずつ貸しまして、これからもある程度席料といいますか、会場費を取る、入場料も相当高く取るというようなことでやっておりますが、オーストリア政府も切手の発行によりましてある程度その財源を満たしたようでございます。日本の場合は晴海の見本市の会場などでも借りましてやるということを予定いたしますと、これに似たような規模のものをやるとして四億円くらいかかるそうでございます。そういう経費を、いまのたてまえではちょっと郵政省としては出せそうもございません。これはFIPに加盟しております郵趣団体が申請してやるわけでございまして、郵政省が直接責任を持ち、あまり前に出てやるというようなのと少し筋が違いますので、現在のたてまえでは金をそう出すわけにもまいらないようなわけでございます。世界のやり方を見ますと、そこの入場券がなければ、そこでなければ買えない切手を発行し、その入場券と抱き合わせで実際には入場しない人に世界的に切手を売りさばくというようなことをやっている例などもあるようでございます。先ほど大臣申し上げましたように、相当経費もかかりますことと、日本ではまだこのFIPの主催する世界切手展をやるほど郵趣界の基盤が充実していないとか、あるいは近隣国がそれほど充実しておりませんために、展示品で非常にいいものがそろうかどうかということも問題でございます。また入場者も世界各国から大ぜい集まってくれるかどうかということなどもございまして、一九七一年度のものをあらかじめこういう形で申し込んでおくということがいいかどうか、権威のある郵趣家の方々といろいろお話をしましたが、それと切り離して、日本の郵便の百年祭ということの行事の一環として、FIPと切り離した形の切手展を相当やったらどうかというような意見のほうが有力でございました。ただ郵便事業百年ということは非常に意味のあることでございますし、各国とも、ヨーロッパの国々は大体百年を経過いたしましたけれども、百年祭を相当充実してやっていることも事実でございますし、英国の王室の収集品のように、なかなかよそへ出さないものも、郵便事業百年目というような催しには進んで展示をしている例などもございますので、いずれにしましても充実しました切手の世界的な展示会は開きたいと考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/5
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006・中井徳次郎
○中井委員 FIPとまた別に百年祭で政府の主催でおやりになる、あるいはFIPとの間の資金の分担その他について、いま伺えばいろいろと問題があるようでございますが、しかしながら、いずれにいたしましても、大臣の御発言からひとつこれは積極的に取り上げていただきたいと思いますが、こういう趣味のものでありますし、特に日本の切手は、私も詳しいことは知りませんが、昔の二十銭か何かの切手がたいへん世界でも珍しい。そういうものもたくさんあるように私は伺っております。ヨーロッパとアジアとのつなぎの役にも立ちましょうし、いま値上げの問題で議論をしておってこんなことを言うのはどうかとも思いますが、しかし、もう七一年には千五百億ないし二千億の予算になるでありましょう。したがいまして、経費を出すことについて法的根拠等も十分御研究願わなければいかぬが、いずれにしても物心両面の政府としての応援をぜひ願いたいと思うし、七一年になれば社会党が天下をとっておるかもしれませんが、そのときにも大いに元気にやる、こういうことは大いにやるべきだというふうな感じがいたします。どうか積極的に取り組んでもらいたい。重ねて大臣のお考えを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/6
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007・郡祐一
○郡国務大臣 私も、万国郵便連合を日本で開催いたします年は、日本の郵便業務といたしましても画期的な時期を、むしろ積極的にその時期をとらえたいという気がいたします。したがいまして、経費の点は可能な方法を考えますけれども、おっしゃいました世界切手展等につきましては、ひとつできますように努力をいたしたいと思います。お話しのように、こういうのは超党派的にいい知恵をおかしいただくようにお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/7
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008・中井徳次郎
○中井委員 そこで本論でございますが、私は郵便のことは全くのしろうとでございますので、利用者という立場からお尋ねを進めていきたいと思います。
まず第一に、逓信委員会に参りまして皆さんのお話を聞いておりますと、たとえば第一種においてはこうだ、第二種においてはこうだ、こういうお話なんですが、私は、一種は何か、二種は何か、一向わからぬ。調べてみますと、私は一種がはがきだと思っていましたら、一種が手紙だそうで、二種がはがきだそうです。なぜこんな名前をつけるのですか。手紙類、はがき類としておけばいいのに、なぜ一種とやったり、二種とやったりするのか、それがわからぬ。子供のような質問ですが、これから入りませんとどうもわからぬ。皆さんだけがわかっておって、利用者がわからぬようなものを一体どうしてやるのか、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/8
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009・長田裕二
○長田政府委員 仰せのように、書状、はがき、印刷物、そういう名前をつけてやるやり方もございますし、外国にもそういう例はずいぶんあるわけでございます。日本の分類は少し変わっておりまして、二種以下は比較的安い料金にしている。一種は従来信書の中心をなします筆書した書状が中心でございますけれども、そのほかに封をしましたものは全部一種というやり方をとっております。内容が安いものに該当するかどうかということがわからないものは全部高い料金のものだという意味から、従来密封したものは全部一種だ、そういうやり方をとっているわけでございます。それから五種にしましても、実は印刷した書状は信書でありましても五種のほうに入る。そのほかに印刷物、ダイレクトメール、小型の商品等が五種に入っているわけであります。明治三十三年の郵便法の改正以来こういうたてまえでまいっているわけであります。今回その中の一種と五種とを統合いたしますと、二種のはがき、三種の定期刊行物、四種の、これは例示してございますが、通信教育とか盲人用の点字とかあるいは農産物種子、今回お加え願います学術用刊行物、二種、三種、四種のそういうもの以外は全部新しい一種に統合されますので、その面では、種別ごとの何種がどういう内容かというようなことはあまりなくなるのではないかと思います。お説のような点もたいへんごもっともでございますが、明治以来そういうやり方で従来きておったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/9
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010・中井徳次郎
○中井委員 私は、いまの回答なんかまるで国民には何のことだかさっぱりわからぬと思う。あなた方だけで事業をしておる。一種とか二種とか、そんなわけのわからぬものをやって、これは教科書ででも一種は手紙です、二種ははがきですと、全国の小学生にこれを教えているのですか。それだけ返事してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/10
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011・長田裕二
○長田政府委員 一部の教科書に郵便関係のこういうことを含めました記事が載っておったのを見たことはございますが、一般的にそう広くあれしているわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/11
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012・中井徳次郎
○中井委員 けしからぬと思うのです、こんなものは。これこそ郵政職員だけのことです。こんなものは一億の国民をばかにしておる。高いところから見て、一種だ二種だと言っておる。切手買いに行ってもわかりません。私だって知らぬ。三種だけ覚えています。新聞を発行するときに定期的にどうやらこうやらと、電話をかけるとそれは三種ですとか四種ですとか、へ理屈ばかりたれるから覚えている。こんなもの世界じゅうにありますか。ザ・ファーストとか、ザ・セカンドとかエクストラクラスであるとかそんなものありますか。昔はあったのかもしれませんが、これは民主主義におよそ違背をする名称だと私は思うのです。どうして一種を手紙類とか手紙としないのですか。それを聞かしてください。手紙とすると何か非常にぐあいの悪いところがあるのですか。それを聞かしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/12
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013・長田裕二
○長田政府委員 従来手紙を二つに分けまして、印刷したものとそれ以外の筆書したものという分け方をとっておりまして、印刷したものはほかの印刷物と同じように五種にし、筆書したものと密封したものが一種という分け方をとっておりました。そういう分類をしましたので、こうなっておるわけでございます。
外国の例といたしましては、アメリカでは一種、二種——というような分け方をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/13
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014・中井徳次郎
○中井委員 これはごく一部の局内の取りまとめなんだ。しかも電報文にしても、はがきでも手紙でも四字だ。第一種、第二種——電話かけたってそっちのほうが長いことかかる。あなたは印刷しておると言うけれども、われわれはてがみを印刷して封をして何千通と出しますよ。だから、印刷をしたものなんというのは、皆さんのごく一部の人が開封をしておるものとかいうだけであって、おそらく郡さんも大臣になって、これはむずかしいなと思ったろう、こう思うのですよ。そういうことは国民全部がむずかしいと思うだろう。そういうことを知っている者があたかも専門家であるがごとき、それで仕事をしている、こういうものの考え方を改めてもらえぬか。これは改正する意思はありませんか。第一種や第二種というのをはがき類、手紙類、定期刊行物とか印刷物とか——みなそこで笑っているが、あなた方専門だから笑っているが、人は何も知らぬ。これはほんとうですよ。これは全国投票したら私が勝つにきまっておる。こんな一種、二種、五種とかなんとか、種を送るというのでも、明治の時代にはやったことでしょうが、それをそのまま持ってきて四種の蚕種をどうやらこうやら、これは日本で養蚕が非常に盛んなころの一つのなにで、それをそのまま戦後二十年たってもやっていらっしゃる。三十三年にそういう制度になった、それまではどうでありましたか。明治五年から三十三年まではどういうふうなことでありましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/14
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015・長田裕二
○長田政府委員 明治四年には有封書状、それからたとえば第三種につきましては太政官その他の日誌並びに新聞紙、そういうように分け方をしておりますのですが、明治三十三年以前は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/15
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016・中井徳次郎
○中井委員 そのほうがわかりやすい。たとえば新聞紙、月に一回しか出さぬものはあかぬとか、十日に一ぺんのものは週刊とかなんとか変える意思はありませんか。いま間に合わぬのならこの次必ず変える——これほど人をばかにしたものはない。あなた方は商売になりました。特別会計だ、五現業だ、大いにやっていますと言うけれども、ちっともやってない。郵便局の窓口へいったって一種、二種、三種と書いて、またずっと説明している。そんな説明要らぬ。一種、二種、三種なんて国民には関係はありません。手紙は幾らや、十円が十五円になった。五割上がったのだ、えらいこっちゃな、こういうことなんです。この問郡さんいらっしゃったと思うのですが、私は放送局の聴視料のことを聞いた。聴視料を一回納めたらもう二十年、三十年でも納めぬ、一回払いというものをこしらえぬか、みんなおかしな顔をして聞いていたが、それは放送というものは何ぞやということがわからぬからそういうことをせぬのだ。新聞、電信電話、鉄道と同じように考えておる。しかし実際は、本質は放送というものはまるで違うのですよ。一回納めたら同じことで、聴視者には全然関係ない、そういうようなことで、国民の側から見て一種、二種、三種、四種にする、今度五種を廃止して一種に統合する、何を統合するのかわかりません。国民のための郵政であるならばそういうことを私は考えてもらいたい。どうです。いまどうしても廃止できなければこの次、来年なら来年こういう区分の名称をやめる、私は何も区分をやめろと言うのじゃありません。はがき類、手紙類というふうにやってなにすればみんなよくわかるように思うのです。時間が制約されておりますから、私はこのことだけでもずいぶんお尋ねしたいと思うのだが、最後に大臣いかがです。これ将来あなた直すあれはないか、こういう民衆に郵政事業をなるべくわからぬようにむずかしくするというふうなことはやめたほうがいいと思うが、いかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/16
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017・郡祐一
○郡国務大臣 一番端的に、二種のはがきというのは、はがきといえばこれはすぐわかるわけでございますね。あと一種、三種、四種、これは符牒で、うまく簡単にあらわしますのに、さしあたっては、別に事務の味方をするわけではございませんが、一種、二種、三種、四種で一応通じるように、むしろわかり方がいいように思いますけれども、私は、郵便のような業務はほんとうに国民の大多数が一番わかりやすい親しみ得るあらわし方にするようにとおっしゃいます意味はよくわかります。そんな点でくふうしなければいかぬ点はたくさんあると思います。さしあたってはこういうことでお願いしておりますが、そういうお気持ち、精神ではひとつ全体を見直したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/17
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018・中井徳次郎
○中井委員 あなたあまり現実的だから、この法案を通したいのでいろいろ言っているが、これはどうしても直さなければならぬ。
それじゃもう一つ具体的にあげるが、郵便書簡というのが出てきましたな。郵便書簡は何だろうと思ったら、封緘はがきですな。いまごろ郵便書簡とは何ですか、このむずかしい郵便書簡。簡単の「簡」というのが書簡の「簡」かもしれないが、いまごろ書簡と言うておる人がありますかな。郵便書簡、反対だな。もっとわかりやすいいい名前はなかったですか。どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/18
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019・長田裕二
○長田政府委員 現在簡易てがみと呼んでおりますのですが、これも相当郵便物の規格の面などではたいへん私どもはけっこうなことだと思いますのですが、簡易てがみをもって厚く御礼申し上げるというと、何か粗末のような感じがするから、名前をこの機会に変えようではないかということで、私どもの部内ばかりでなく、外部からもだいぶございまして、どういう名前にするかということをいろいろ検討いたしました。航空書簡のほうは、あれは航空書簡という名前は従来からつけてやっておるわけでございます。郵便てがみというと、何だか郵便物を全部ここで独占するようなことにもなりますし、いろいろ考えましたあげくに、航空書簡——書簡という字は少しかたいような感じがしますが、いままで現に使われて規定にもなっているというようなことでもあるしということから、郵便書簡という名前に落ちついたわけでございます。なかなかどうもいい案がございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/19
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020・中井徳次郎
○中井委員 さっきからの話を聞きましても、皆さんは、百のうち一つか二つ例外があったりすると、事務手続上非常に困るから、したがって、名前もそれに集約する、こういうことになる。やはりお役人の仕事ですね。それはお役人のほうがしんぼうしなければならぬという基本的な考え方がない。手紙という、手紙の中にも、切手を張ってない手紙もありましょうし、恋人同士のラブレターで道で渡すやつもありましょう、そういうものがあるから、手紙という字句を使ってはいけないということは私は、常識的でないと思うのですね。郵便書簡買うてきてくれ、これは言いにくいですね。どうですか。こういうものは、私は、料金の値上げを調べております間に非常にそういうことを気づきましたので、いまうしろで前田委員からも発言がありましたが、きょう質問するというのでちょっと雑誌を読んでみたら、戸塚文子さんが委員か何かに入っておるけれども、あの人一人です。あとは逓信官僚の古手が何やら委員に入っておって、なれ合いだ。こういうものも気づかない。私は、どうも郵便書簡、これは買う気しませんわ。売れませんぜ。もっと何かいいものを考えなさい。第一種、第二種、それから郵便書簡、そういうことについて、きょうすぐに返事せいとは言いませんよ。どうも皆さんだけの独善といろか、独断的なものがあって、あえて私はそれを——それは理由はあるのでしょう。だから、あえて悪いとは言いませんが、しかし国民的ではありませんな。特別会計になってから、二十年、うしろのほうで考えておる。郵政のことばかりやっておるから全体がわからぬのですよ。しかし郵政だけで日本は動いておるわけじゃありません。鉄道もあれば、電信電話もあれば、お役所もあれば、中小企業もある。一ぱいある。その中の一つの部分ですから、やはりわかるようにしてもらいたいね。この郵便書簡というものは、なかなか売れませんよ。これはよほど便利じゃありませんとね。
次に移ります。もうこんなのをいつまで聞いておってもしかたがない、わかってさえもらえばいい。今度の改正にいけないから、この次——社会党は反対ですよ。(「やるかやらぬか聞かなければだめですよ、中井さん、こんなことを毎年やっているんだから。」と呼ぶ者あり)それはそうだ。毎年やっておるのか。
どうです。その一種、二種、それから郵便書簡、こういうものの考え方ですね。いまうしろからも大いに激励してくれたのですが、大臣いかがですか。これはいつまでたっても、こういうことをやっておりますと、このいわゆる官営といいますかね……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/20
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021・郡祐一
○郡国務大臣 郵便書簡ということばに落ちつきますのは、私も経過はある程度心得えておりまして、どうも郵便てがみというのが、一つのものを買いに行きますときに、てがみをくれいと、こう言いに行く。どうもことばが落ちつきません。おっしゃるように、書簡ということばはずいぶんこだわりを感じました。ただ、航空書簡ということばで一つの形が、一つのもののことが従来あらわれておりまするから、それで、書簡ということば——かたいとは思いました。思いましたけれども、はがきを買いに行く、郵便てがみを買ってこいというと、てがみを買いに行くというような感じになって、どうも少し何かごつい名前のほうがはっきりするだろうということで、航空書簡、郵便書簡というのに落ちつきましたので、これはどうもあまりいい名前とも思わないながら、落ちついたことばであります。それで、そうしたことばの意味では、ことばの使い方ということでは、ほんとうに中井さんのおっしゃることは考えにゃいかぬ点はいろいろあると思うのであります。ただ、郵便書簡ということば、少しごつくいたしました意味は、いまのような経過をとったのでございます。精神、お気持ちの点ではよく承りました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/21
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022・中井徳次郎
○中井委員 あの意味もちょっと、私、初めて聞いたのだが、郵便てがみといったら悪いというのは、これはちっとも悪くないと思うな。手紙買うてこい、さあ買うてこいといってどうして悪いかな。それはちゃんと使い分けていますよ。はがき出したよ、手紙出したよというのと、はがき買うてこいというはがきとは、それは国民は使い分けておるな。これはどうしても私どもは、もっとあっさりとした考え方になってもらいたいと思いますがね。これはこの次の機会に、こういう郵便のいわゆる世間で使われておることばを使ってもらう、私は強く要望しておきます。こんなことじゃもうだめですな。
それから次に、何か皆さんの説明を聞いてみますると、昭和四十年度五十何億か赤字であった、こういうのでありますが、特定郵便局あたりでは電信電話の仕事もしておられると思うのであります。そこで、郵政業務と電信電話業務との経理面の関係でございますが、ことしの郵政の予算は総額は一千億ですか一千億少しですか、私ものんきであまり勉強もしていないのですが、その中で、電信電話の経費がどれくらいで、収入がどれくらいであるか、それをちょっと御説明が願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/22
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023・淺野賢澄
○淺野政府委員 結果的には電信電話公社からの受け入れということになりまして、委託を受けて郵政省が電信電話を行なっておることになります。ですから、結局公社からの受け入れということになりますが、そのお金は四百六十二億になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/23
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024・中井徳次郎
○中井委員 一年の郵政収入の中の何割になってどうなっておるか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/24
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025・淺野賢澄
○淺野政府委員 一年間の収入は三千二百二十七億円でございます。そのうちで郵便関係が千五百二十七億、それから為替貯金が七十二億、それから、いまの電信電話の受託、これは四百六十二億でありますが、これと貯金会計からの受け入れが五百十五億、保険会計から五百四十五億、その他いろいろ委託を受けておりますが、そういったものを入れました委託が、三千二百二十七億のうちの千五百七十四億、約五〇%がこういった受託会計になっておりますが、受託会計の四百六十二億は電話、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/25
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026・中井徳次郎
○中井委員 その受託会計の根拠はどういうことでありますか。たとえば、四百六十二億を収入したその根拠はどういうことでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/26
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027・長田裕二
○長田政府委員 昭和二十四年に郵政省と電気通信省に分かれまして、その後郵政省設置法の三条、公衆電気通信法の第七条によりまして、郵政省が電信電話のある地方の地域におきます業務の委託を受けて行なっておるわけでございます。それで、郵政大臣と公社総裁との間に締結されております基本協定、それから郵務局長と公社営業局長との間に締結されております細目協定によりまして、業務の委託を受けて行なうのに必要な経費を公社から繰り入れてもらうということになっております。年々その経費を双方が協議決定して公社から受け入れている状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/27
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028・中井徳次郎
○中井委員 理論的な数字がありますか。いまの両君の説明はさっぱりわからぬが、三千二百二十七億のうち、いま郵便のほうに関連するものは半分、千五百二十七億しかない。あとはどういう根拠でどういうものがあるか、その根拠をひとつ話していただきたい。そんな、郵政大臣とだれだれと契約したとかそういうことではなくて、単価はどうなっておるか、何がどうかという——毎年やるんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/28
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029・長田裕二
○長田政府委員 ただいま経理局長が申し上げました四百六十二億二千百万円のうち、業務の委託を受けて行ないます部分は四百四十九億五千四百万円でございます。残りの十数億は公社の電話料金を窓口で納めて取り扱います関係でいまの電信電話の委託、受託の関係とちょっと変わっておりまして、主として委託、受託の関係について申し上げます。
予算のほうは年々——ちょっとその前に申し上げますが、現在委託を受けて業務を行なっております局が一万六千九局ございます。そのうち、電話の交換を五千二百局、電報の配達を行なっておる局が七千二百十局ございます。業務の規模を申しますと、電報の取り扱い数は、三十九年度におきまして発信が二千六十四万七千通、着信が二千三百十万四千通ございまして、それぞれ公社の全体の取り扱い数の二三%ないし二六%を占めておるわけでございます。それからなお、昭和四十年の三月末、三十九年度末現在の有料電話加入数は八十二万でございます。これも全体の一三%でございます。この業務を取り扱いますに必要な職員が、四十一年度の予算におきまして五万五千九百四人要るわけでございます。この経費を公社から受け入れるわけでございますが、予算のほうでは、必要な人員を算定いたしましてこれに必要な単価をかけ合わせる、物件費等につきましては、それぞれ人頭、庁費等を積み重ねて積算するわけでございます。予算の面はそういうふうに積み上げますが、実際公社から受け入れます金額の決定につきましては、双方で協議しまして別途単金方式によってやっておるわけであります。初めのころは、電報一通幾ら、市外通話何通使ったから幾らという積み上げのやり方をやっておりましたが、そのやり方ではあまり手数がかかって困りますので、昭和三十七年からやり方を変えまして、昭和四十一年度のことで申し上げますと、たとえば電話につきましては、電話交換を行なっておる局は電話交換一局について月額二十二万六千二十円、それから電話の一加入について千九百六十八円、こういう単価をきめました。それから電信につきましては、夜間も取り扱っておる局一局について月額十万七千六百七十円、それから、つい最近まで試験的に行なっておりまして電信の合理化に伴ってもう少し範囲を広げることになると思いますが、夜間上位集中局——夜間は電報電話局のほうに事務を引き上げる局、その上位集中局は一局について月額一万三千三百九十円、それから昼間窓口をやっております局は一局について一万四千九百十円、それから電報の配達をしております局は六万八千百四十円、こういうようなかなり集約しました範囲にまとめまして計算を簡略にしております。年々人件費の高騰あるいは物件費の過不足等を見込みまして、両者協議してこの単金をきめておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/29
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030・中井徳次郎
○中井委員 一応の御説明がございましたが、ちょっと聞いただけでもかなりざっぱなものですね。電話交換月に二十二万六千二十円とか、一加入当たり千九百六十八円とか……。どうですか、この資料は私どもの手元にきておりますか、いまの四百六十二億の決定した内訳なり資料なり。まだでしたら、ぜひ出してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/30
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031・長田裕二
○長田政府委員 予算の積算には、先ほど私が申し上げたように五万五千人からの人件費の単金あるいは物件費の単価等から四百四十九億あるいは貯金窓口で扱います電話料金を加えました四百六十二億円、それぞれの積算が予算の内容としてできております。もしなんでございましたら、後刻お届け申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/31
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032・中井徳次郎
○中井委員 単金方式というものをひとつ出してもらいたい。
それから貯金会計ですが、あなたがおっしゃっておる五百十五億、これはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/32
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033・淺野賢澄
○淺野政府委員 これは貯金の現在高が二兆五、六千億ございますが、これを大蔵省に預けておりまして、これによって六分五厘の利子をもらってまいりましたのが貯金会計の収入になります。その収入のうちから郵政事業特別会計のほうに費用としてもらってまいりましたのが五百十五億になります。この五百十五億円で、貯金事業に従事いたします人件費、物件費を全部出すわけでございます。結局郵政事業会計がありまして、その横に貯金会計があるわけでございます。貯金事業の収支を、運用利子とそれから支払い利子と経費、これを経理しておりますのが貯金会計でありますから、こっち側から他会計繰り入れの形で郵政事業会計に事業実施上必要なお金を五百十五億入れている、こういう形の会計になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/33
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034・中井徳次郎
○中井委員 それでは裏から聞くが、去年は幾らだったか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/34
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035・淺野賢澄
○淺野政府委員 四百二十二億でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/35
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036・中井徳次郎
○中井委員 こういう五百十五億というのは、一般銀行や相互銀行あるいは信用金庫等の経費の面とどういう関係にありますか。少し低額になっておるかどうですか、経費の比率は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/36
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037・淺野賢澄
○淺野政府委員 詳細は貯金局長から申し上げることにしたいと思いますが、一応現在は銀行、信託銀行等に比べまして、安くなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/37
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038・中井徳次郎
○中井委員 私は先ほどから電信電話のことも聞いておりますが、とにかく電信電話の一年の会計は五千億を突破しようとしておって、そのうち電報は二三%も扱う、電話は一三%も扱っておって、そうして皆さんとしてはたくさんもらったつもりでおるが、四百六十二億であり五百十五億であるという。こういうところに、先ほど冒頭に皆さんの古い考えに基づく一種、二種なんという名前やら、郵便書簡やらというものがあるが、それと同じように、今度は逆にみんな郵便会計に吹きだめのようにたまっておる。あまりよくないものばかり、みんな引き受けてやっておる。一年の郵便貯金その他の業務をやって、そうしてわずか五百十五億をもらっている。電信電話をやって四百六十二億。私は非常に少ないように思うのです。したがいまして、今度の郵便法の一部を改正して五円のはがきを七円にするというふうなものよりも、こういうものをどうしてもっと徹底的にメスを入れていかないのか。皆さんのきまじめさは私はわかりますよ。きまじめ過ぎるのですが、いじけちゃっているのです。そういうことをすっと聞いただけで私は非常に感ずるのですが、いかがですか。こんな四百六十二億ばかりもらって、特に電報なんというのは大赤字で、電報はこういうふうにいなかへも配達しておりますというて、新聞や雑誌にどんどん出ますが、これはほとんど郵便局の電報ですね。そうして金は四百六十二億もろうている。それは原価計算のやり方にもいろいろありましょう。私は国鉄でも同じようなことが言えると思うのです。国鉄の諸君が議会で質疑しますと、東海道は黒字でございます。山手線も黒字でございます。しかしローカルは赤字でありますので困ります。それならローカルをやめてしまえと私は言った。ローカルをみんなやめて、日本は東海道と山手線だけ残しておいたらどうだ。原価計算をして、いいところだけとられてしもうて、悪いところをみんな郵政局は引き受けている。こんなところは倍ももらわなければならぬ。東京あたりでバタバタに乗って電報配達をしている者と、北海道あたりで、山の雪深い中を歩いていっている人と同じ賃金で——それは大世帯ですからそういうこともありましょう。ありましょうけれども、全体として見た場合に、何か押されている。郵政大臣は監督されているから強いだろうと思っておりますが、郡さん、あなたは一人だからそうはいきませんよ。私は、こういう五円を七円にする、あるいは十円を十五円にする。この間も何か皆さんの原価計算をこちらで聞いておりました。そうしたら赤字だとか黒字だとかいっておりましたが、原価計算をする基本のデータの立て方が、何か少し変わっておるのじゃないか。それは五百十五億の中で、そればかりやっているところもずいぶんございましょう。しかし窓口はほとんど一本ですからね。皆さんとしては、配達するのにこれでもずいぶんよけいもらっておるように思っているのじゃないでしょうか。そこに問題があるように思います。いまの電話料金なんというものは、運営費だけじゃありません。どんどん建設する建設費に一年に何百億といって投資をしておる。これは原価計算からいえばぼくは間違いだと思います。それはほんとうは利益であるべきであります。利益を回して投資をしている。そういう余裕があるならば、皆さんのほうのそのパーセンテージぐらい回してもらったらどうだと私は考える。減価償却なども、電電公社の減価償却は一千億を突破している。国鉄の倍くらいあります。新しい機械を入れなければならぬ、理屈はそうです。そうかもしれません。しかし現実の面としては、現状でそれだけそのまま電信電話を運営しても、十年、二十年もたぬですからね。そんなひどい減価償却の高い率——放送局でも私は言いましたが、そういうものをやはり皆さんの話の中で加えていかないと、ただ経費だけでいいというようなことを言うから、この四百六十二億で満足しておるのじゃないですか。今度の郵便法の一部改正で、一体何ぼ増収になるのでしたかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/38
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039・淺野賢澄
○淺野政府委員 ことしの予算でまいりますと、二百八十六億円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/39
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040・中井徳次郎
○中井委員 失礼だけれどもたった二百八十六億だ。これは貯金会計から百五十億と、電信電話から百四十億もろうたらもういいのだ。どうせ赤字だから、あと二、三年しんぼうしなさい。これははがきを五円を七円にするとか、郵便書簡という名前をつくるとか、考え方がどうもみみっちいといいますか、三百億。それでわれわれに対しては三十万人の職員のベースアップを、どうしてもこういうものがないとできないというが、そんなことは別です。幾らでもほかに方法がある。どうですか。電信電話あるいは貯金会計三千二百二十七億円の予算のうち、半分以上がほかの事業の収入、しかも仕事もそうでございましょう。それから仕事の量を計算して、たとえそれが四分六になりましても、ほかの会計のものが四分ですよ。しかしこの四分のものがほかでけっこうもうかっておる。大蔵省預金部は六分五厘、あれは最近高利貸しみたいだ、私らに言わせると。幾らでもそういう経費が、百億や百五十億皆さんががんばれば——電信電話もそうです。個別に経費を計算するとそうかもしれませんが、向こうの収入を見なさい。しかも先ほど言いましたように、それは郵便局にあるような小さな交換台は、収入は少ないかもしれません。国鉄の赤字と同じです。しかし、それがないことには、東京や大阪の大電話局の収入は黒字にならないのです。そういうことなんです。相関関係があるのに、単位で皆さんが計算するから、四百六十二億しか出てこない。これは相手のあることです。かけるのは大阪や東京の大きくもうかっておる電話局でかけておるのです。向こうからもかかってくるのだから。そういう計算をしておるから、この三百億ばかりの赤字——ことしは五十億だったか。まあ節約をすれば三百億で三年もたそうというのですから……。三年か五年か、あとで伺いますが、どうもわかりません。この四百六十二億の内訳、それから財投の五百十五億の根拠、これをひとつこの次の委員会までに、私にわかるように出してみてください。質問はその点だけは保留をさしてもらいます。これは保留をさしてもらって、研究をさしてもらう。
次に移りますが、今度皆さんの計画によれば、何かだいぶん機械化をやるとかなんとかいって、大臣が数億の飛行機を買うというような話をなさるのですが、これは三百何億かの増収になれば、これはやはり建設費を値上げでもって相当持たして機械化をやろうというらしいのだが、どういうふうな具体的なものを考えておられますか、それを伺っておく。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/40
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041・長田裕二
○長田政府委員 郵便の近代化の関係では、一つは局内の機械化が非常に大きな比重を占めるかと思いますが、局内のうち、まず窓口関係といたしましては、料金計器、あるいは切手、はがきの自動発売機、郵便の計数はかり等を、四十一年度におきましても相当高額に予算成立させることができました。たとえば料金計器について申しますと五百十台、切手、はがきの自動発売機それぞれ百台、はかりは、これは各種ございますが、今後四、五年のうちに私どもが当面これだけあればと思っているのをほぼ満たせるような数字の初年度が、予算で成立しているわけでございます。さらに、局内の機械化のうち、窓口はただいま申し上げましたが、自動選別機、自動取りそろえ押印機、把束機等は、それぞれやはり四十一年度で相当数予算化されております。
それから、将来の通常郵便物の自動区分に備えまして、自動読み取り装置の開発を昨年あたりからやっております。郵便に将来番号を付しまして、それを機械に読み取ってもらって自動的に区分をするということを目ざしまして、自動読み取り装置の開発を現在進めているところでございます。
近代化の問題で、こういう機械がある程度整備されまして、局内作業の能率を上げるにつきましては、郵便物自体がある程度規格化されていなければ能率を上げることができませんので、昭和三十七年以来、通産省と協力いたしまして、通産省のほうに要望いたしまして、封筒の規格化を進めてまいりました。JISの規格化でございます。最初はほとんど無限と思われるくらいの規格のありました封筒が、だんだん数が減ってまいりまして、昨年の二月に十七種類、ことしの二月に十五種類まで整理をされたわけでございまして、今回の郵便法の改正におきましても、そういう事態と相呼応いたしまして、全体の最大限を引き下げ、最小限を引き上げると同時に、その範囲の中で、機械化にも適し、郵便作業にも相当能率をあげることのできる範囲のものを定形郵便物として定め、料金あるいは送達に若干差をつけまして、全体の郵便物がその方向に自然になってくるということを期待しているわけでございます。
機械化につきましては、なおただいま申し上げましたほかに、大きな集中局を現在建設中でございます。東京都内に二つの小包専門局が来年中ぐらいに完成に至るのではないかと思われます。それから大型郵便物を処理する局、これも来年の四月に稼働することになるかと思います。これらの局につきましては、それぞれ小包の区分機あるいは搬送設備等、かなり斬新なものを備えて能率をあげることにいたしておるわけでございます。
それから、外務関係では、郵便事業には外務関係が非常に重要でございますが、集配の機動化あるいは専用自動車化等につきましても、昭和三十六年ごろからだんだんやってまいったのでございますけれども、今回の料金値上げを契機といたしまして、機動車は、いままでの更改のほかに、軽自動四輪車二百四十三両をはじめといたしまして、三千百三十九両新たに増備いたし、今後五カ年の間に望ましい姿にまで到達できることになるかと思うわけでございます。
なお、外勤作業に深い関係を有します住居表示につきまして、昭和三十七年の五月に自治省を中心としまして、自治省提案によって住居表示に関する法律が制定されまして、自後、住居表示の作業もだんだん進んでおります。初めの間あまり進捗率がよろしくありませんでしたが、このところ東京都をはじめとして、かなり全国的に進んでまいりまして、一時的には、新しい住居表示と旧来の町名、番地と混在いたしまして、若干の混乱はございますけれども、これが完全に実施されました暁には、日本の郵便の外勤作業にもあまり熟練度は要しなくなり、相当能率もあがり、合理化されるものというふうに期待しているわけでございます。
その他、先ほどちょっとお話のございました飛行機の関係では、東京、大阪を中心にいたしまして、全国の二、三カ所を除きます県庁所在地あてに、前日の夕刻までに出しました郵便物を翌日中に配達するという体制をとるべく、現在いろいろ内々に準備を進めているところでございます。
郵便の近代化の問題としております目ぼしいものをただいま申し上げましたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/41
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042・中井徳次郎
○中井委員 いまだんだん長田君の話を聞いたが、これは料金と関係ないのがずいぶんある。別に住居表示なんて料金値上げしなくたってできるのだから、そんなものはだめだな。
それでヨーロッパあたりへ行きますと、いまから四十年か三十年はど前か、大都市の地下をチューブでつないで、ずっと郵便物を運んでいる、飛ぶようにしていっている、いま日本ではあるのですか、どことどことの間にどういうふうに……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/42
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043・長田裕二
○長田政府委員 仰せのように、ロンドンにもパリにも、地下を走らせる郵便専用の電車といいますか、そういうような専門のものがございますが、日本にはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/43
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044・中井徳次郎
○中井委員 まだないのか。もう四、五十年前だそうですが、中央郵便局と国会あたりどうです、簡単にすぽんとみんな送っては。
またもとに戻るけれども、私は何かものの考え方がぎつぎつして賛成いたしかねますな。自動販売機を百台買うのだというが、百台ばかりでそんなに間に合わぬし、切手、はがきなどじょうずに七円で買えますか。故障ばかりして、また半分くらい眠ってしまうのが日本のやり方だと思うのですが、大都市の地下輸送くらいはひとつ早くやったらどうです。どこでもやっておる。そういうことはかえって不便なんですか。これはどうです。
それからもう一つ気がついたのだが、この間から郵政大臣が飛行機、飛行機と言うから気がついたのだけれども、いま郵便物は、たとえば東京から四国の高松というところに出しますと、どういう経路で高松に着くのですか。ここの郵便箱に私が入れると、どういうふうにして高松に着くか、それから伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/44
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045・長田裕二
○長田政府委員 ここのポストに手紙をお入れになりますと、取り集め自動車によって東京中央郵便局に運ばれます。東京中央郵便局の局内の区分作業によりまして香川県あるいは高松という部類にまとめられまして、数が相当まとまりましたところで郵袋に封入されて、あの地下道を通って東京駅のホームから鉄道郵便車の中に積み込まれます。一部汐留のほうで積み込まれるものもございますが、いまのととろ東京駅が主体でございます。それから、あれは直通の列車もございまして、郵便車のついている直通列車の時間がちょうど手ごろでございますと、そのまま高松まで運ばれまして、あそこの担当者の手によりまして赤自動車に積み込まれて高松郵便局に配達されるわけでございます。直通列車がない場合には、時間帯等の関係で岡山乗りかえで中継されることになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/45
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046・中井徳次郎
○中井委員 そうしますと何段階もあるわけですが、一級国道ですか、ほとんど全面舗装がここ一、二年の間にでき上がるのです。長い間鉄道にたよっておったのですが、ここからたとえば静岡にいくという場合に、東京郵便局からそういう鉄道の貨物便を出すというふうなことはどうなんですか。これまでやっておるのですか、考えてないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/46
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047・長田裕二
○長田政府委員 小包などで量が非常に多いような場合には、臨時に貨物便に入れて送ってもらうわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/47
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048・中井徳次郎
○中井委員 私は、日本の現状においては鉄道から切り離してやる時期にきていると思う。飛行機だなんて、そんなことを言うのもそれはいいことかもしれませんよ。しかし積んだりおろしたりして、ぼくはいなかの局に行くと郵便局の人が来ていますね。こんな狭い日本では、一々受け渡しをしてたいへんだと思うのだ。何か郵便逓送会社とかなんとかいう、あなた方の傍系会社みたいなものがあるのじゃないか。あれはどういう仕事をしているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/48
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049・長田裕二
○長田政府委員 郵便を運ぶのを専門にし、あるいはかなり重要な営業種目にしております会社が全国で六十六ばかりございます。日本郵便逓送会社はそのうち一番大きな会社でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/49
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050・中井徳次郎
○中井委員 六十六もある。具体的に何をしているのです。それを伺いたい。六十六もあるのが、どこからどこへ何を運んでおるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/50
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051・長田裕二
○長田政府委員 たとえば東京の例を申しますと、東京都内の各局の運送、あるいは都下の相当の距離のところまで、近郊の目ぼしい都市までは、汽車によるよりも自動車のほうが便利でございますので、自動車で相当の距離を運送しております。それから局と駅の間とか、あるいは郵便物の取り集め、あるいは大口の配達等にも使われております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/51
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052・中井徳次郎
○中井委員 そういう契約はどうしているのです。責任の所在は。途中で盗まれたり事故が起きたときはどうしている。大問題です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/52
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053・長田裕二
○長田政府委員 郵便物運送委託法に基づきまして契約をし、それによりまして必要な事業上の要請はしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/53
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054・中井徳次郎
○中井委員 私は冒頭言いましたように、しろうとですからお尋ねをしておるのだが、六十六もあるのはいま初めて聞いたし、そのようなことは非常にずさんかつ危険なような印象を受ける。また二つや三つならいいです。東京とか大阪あるいは北九州あたりでちょっとやってみろというのはいいけれども、そこまできたら全国統制をとってやるべきであるし、それからそういうふうになるなれば、これは直営でやらねばならぬ。そうして鉄道と切り離して郵政だけでやる。九州とか北海道は飛行機でいくとか、四国は飛行機でいくとか、そういうことをもっとどうして積極的に考えていかないのですか。六十六もそんなものを、あっちへちょっとこっちへちょっとというように二台か三台持っておるような会社こしらえて——それはどういうことかぼくは全然わからぬ。どうですか。国民はそんなこと知りませんよ。そうして何か料金値上げだなんて言っておるけれども、そういうところの契約もあるでしょう。まさかそういう人たちは赤字でやっておるわけじゃない。結局皆さんが赤字をしょっておるということになるのですね。これはどうなんです。こんなもの全部洗い直させる。それから国鉄との関係、私鉄との関係、これもぼくは整理の時期にきていると思う。郵政大臣どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/54
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055・郡祐一
○郡国務大臣 現在契約によって動いております動き方、私が聞いておりますところでは、わりに能率よくいっておるようには聞いておりますけれども、ただ経営が次第に苦しくなってきておるということも省内の説明で聞いております。したがいまして、そういう意味合いでもひとつ洗い直す時期にはきておるかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/55
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056・森本靖
○森本委員 関連して。その六十六というのは、バス会社の委託運送のやつも入っておるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/56
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057・長田裕二
○長田政府委員 地方の局、駅とその近辺、短かい路線を持っておるようなものも込めましたが、バスの委託はまた別でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/57
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058・森本靖
○森本委員 そうすると、バスの委託と合わせると、一体幾らになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/58
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059・長田裕二
○長田政府委員 バスの託送をやっております会社が百八十九社でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/59
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060・中井徳次郎
○中井委員 これは私はびっくりしました。郵便というものは信書の秘密を守らなければならぬし、丁寧にやらなければならぬ。営利を目的としないで、収支とんとんでやるというりっぱなお話、世界じゅうそうであります。そういうものに下請機関としてある。必要があって、一、二行なってみるということはわかりますが、六十六もあって、しかも国鉄や私鉄との関係はどうなっておるか。いま大臣ちょっと御返事がなかったが、もう日本の交通機関は戦後非常に変わっているのだ。変わっているのに、旧態依然たるものをやって、それでいいのかどうか、こういうことです。さっき冒頭に、ぼくはそこのポストにおさめたらどうなるかと聞いたら、東京の中央郵便局から国鉄へ持っていって、そうして宇野で乗りかえて、また高松で郵便局へ持っていく、それより自動車でずっと歩いたらどうだ。横浜、小田原、静岡、みんな局の中に入れるのだ。そんなものは別に飛行機でなくたって、夜中に十時ごろ出発したら朝六時には大阪に着く。安うて、楽で、みんな局へどんどん着く。大きなトラックをつくればよろしい。トラックの中で整理すればよろしい。何で鉄道に頼まなければならぬのですか。どうです、もうそういう時期にきていると私は思うのですが、いかがですか大臣。北は青森、南は鹿児島というわけで、そうして遠距離だけは飛行機で運ばせるのもけっこうです。時間の問題でしょう。それから夜中に配達しないのですからね、朝八時までにぴちっと着いたらいいのです。そういうようなことでもっと経費の節約にもなりましょうし、お互いに非常に楽にもなりましょうし、他機関のごやっかいにもならぬし、六十もそんなものをつくらぬでもいいと思うが、どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/60
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061・郡祐一
○郡国務大臣 確かに交通事情が非常に変わりましたことは認めなければならないことだと思います。したがいまして、近県への自動車便というようなものはもっともっと増強しなければならぬかと思います。ただ鉄道につきましては、経費の点等から見ますならば、自動車よりも相当安くいっておるのだと思います。しかし、交通状態全体の変化というものは頭の中に入れて考えなければいけないことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/61
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062・中井徳次郎
○中井委員 鉄道は経費が安いなんということは、大臣、理論的な根拠がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/62
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063・長田裕二
○長田政府委員 一キロメーター一キログラム運ぶ賃率にとってみますと、航空運送料は、これはただいま速達を運んでいるのですが、二十八銭、それから鉄道の郵便車の場合は一銭三厘、それから専用自動車では、これは型によっていろいろ違いますが、中型車をとりますと九銭一厘ということで、やはり現在のところ鉄道が非常に安い状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/63
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064・中井徳次郎
○中井委員 一銭何厘というのは鉄道ですか。——それはあなた方の言う郵送というやつは、全国の端々であまり郵便物が多くないところでは、大きな自動車一台持って六十ばかりの関係会社をこしらえて運ばせているから九銭何ぼにつくのだ。そんなことは一貫してやりなさい。私はもう鉄道に負けるとは思わぬな。第一、郵便局から国鉄へ運ぶ経費はどうなるのですか。向こうで受け渡しをしてまた取りにくい経費はどうなるのですか。そういうものを全部自動車でやれば簡単にいける。東京−九州、別にかまいませんよ。何でもない。ゆうゆうと郵便物だけ持っていってやれる。すぐに郵便局の裏へだあっと入る時間はきまっておる。何時に来る。こんなあっさりしたことぐらいどうです、やれぬですか。大臣、六十も関係会社があるというが、そんなもの統合してやれますよ。いま各県の県庁の所在地くらいまでは東京からほとんど舗装されておるでしょう。ですから私はできると思います。鉄道もほっとするでしょう。あまり高くない料金で責任だけは持たされて、そして何時に載せなければならぬとか、何時と何時ということになるでしょう。どうですか、至急研究してもらいたい。そういうことでもやるのかと思って私は見たんです。そうしたら、何だ、自動販売機を百台買うとか、何か郵政省らしいというか非常にみみっちいんだな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/64
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065・森本靖
○森本委員 郵政大臣なり郵務局長はもっとしっかりした答弁をしてもらいたいと思うのです。いま郵政大臣はちょっとあなたからの報告を聞いて聞きかじった答弁をしたわけだ。もっとそれは、長距離については、物数の問題、その他の容量等の問題から、鉄道郵便についてはこれを継続していこうという考え方を持っておるけれども、今日のような近距離の鉄道郵便は大体将来は廃止をしていこう。これについては専用自動車便を走らせていこう。さらに今度は、県庁所在地に対する東京からのものについては、高等信だけは現在の速達と同じように郵便飛行機に積んでいこうという一つの輸送形態についても、今度のいわゆる料金改定を契機としてかなり大幅な一つの輸送形態の体系を考えているというふうな、もっとしっかりした答弁をきちんきちんとしていかなければだめですよ。料金改定をするかわりにこれこれの国民に対するサービスの改善は考えております。なるほど中井委員のおっしゃることごもっともです。その方向に従って今日郵政省としてもある程度考えておりますということがなぜきちんきちんと答弁ができないのですか。現実にやろうとしておるのじゃないですか。もっときちんとした答弁をしていくべきですよ。だから長距離輸送については、いまの段階においてはまだまだ鉄道郵便を要するけれども、今日の近距離についてはもはや自動車便にこれを取りかえていくという方向をとっておる、こういうふうにきちんとした答弁をしてくださいよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/65
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066・上林山榮吉
○上林山委員 関連して一問だけ伺っておきたいのですが、値上げを契機としてそれぞれ改革を加えて便宜をはかっていくという方針に対しては私は賛成なんですが、ただその際のやり方について、先ほどの答弁をお聞きしますと、ただいま森本君からも意見があったように、どうも十分準備ができていないような気がしたので具体的な例を一つだけ聞くわけです。
自動販売機を百台つくるということは、方向はいいと思いますが、その百台はもう試作の域を脱したのかどうか、これから試作をしようとしておるのかどうか、さらにその販売機は一体実用に適するものだと思っておられるのか、たとえばはがきを七円にした場合に、はがきの自動販売ができるのかどうか。非常に複雑な機械をつくらなければできないだろうと私は思うのです。一番いいのは五円とか、あるいは十円とか、そうしたようなもののつくり方は数が重なるに従って計算がやりやすい、能率も上がる、こういうことになるのですね。ただ、先ほどの答弁を聞いて、百台の自動販売機を用意してサービスの改善をするのだということは、抽象的にはそうかなと思われるけれども、具体的にはなかなか、われわれはまだ具体的な説明を聞いていないのでわからない。その自動販売機の内容をもっと具体的に聞かしてほしい、こういうわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/66
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067・長田裕二
○長田政府委員 切手、はがきの自動販売機初年度分百台ということを申し上げましたので、非常に規模が小さいという御指摘も受けまして、規模の点につきましても仰せのとおりであります。以後、その次の四十二年度からは千台ずつ計画しているわけでございます。その内容ですが、実はいままでの自動販売機は、切手につきましては、十円入れて一枚ずつミシン目のところから切れて出てくるものでございます。それからはがきにつきましても、同じく十円玉を入れて二枚ずつ出るというのでございますが、切手につきましてもなかなか切れが悪い、出てこないということなどがありまして、あまり効果をあげておりませんでした。今度料金を改正いたしますと端数になるわけでございますので、その面では直接一枚とか二枚とかいう形で売るわけにまいりません。はがきにつきましては売りにくうございますので、むしろ十枚まとめて五十円とプラス二十円、あるいは百円を入れて三十円のつりが出るというようなこと、切手につきましては一枚一枚ではなくてむしろ切手帳百円とか二百円とかというもの、いろいろ組み合わせの切手帳を売るということにしたいというふうに考えております。なお試作品が、いまそれぞれ二台と四台、切手、はがきにつきましてできておりまして、まだそこらの欠陥など直す作業をやっているところでございます。将来相当できてまいりましたら、とりあえずは、非常に窓口の混雑いたしますところに置きまして、現在よく苦情を申されます、料金を聞いてそれからまた切手を買いに出されてまた並ぶというような問題の解消に、料金計器の配備とあわせて役立てたいと思っております。さらに進みまして郵便局の外に、時間外に販売するように立てる。将来につきましては、ホテルとかあるいは売りさばき所に置くことも研究しておりますが、ただいまそこらについては、あまりはっきりした計画をまだ固め切るところまでいっておりません。
なお、運送につきまして先ほど森本先生から仰せのありました点は、実は大臣もそういう趣旨のお答えをし、私もそれを補足するつもりでございましたが、十分届かぬままに、先ほど御指摘がありました。近県等につきましては専用自動車を相当充実する、遠距離府県庁所在地については一、二種航空搭載を実施していく、その中間等につきましては列車便を当面利用していく、あるいは小包等につきましても列車便を利用していく、そういう体制でまいるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/67
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068・上林山榮吉
○上林山委員 私は、五円のはがきというものは、これは庶民大衆のものであるから、でき得べくんば現状のままがいいという主張をした一人ですけれども、きまった以上云々いたしませんが、ただ私がその趣旨から申し上げたいことは、いま一まとめに買う人については、そういう自動販売機で便宜を与えるけれども、いわゆる庶民の人たちがわずか買うものについてはあまり思いをいたしていないということがわかったのであります。私はそういうところにいまひとつ——機械が試作の域を出ていないというなら、こういう機会にそういう配慮を加えるべきだ、十枚でなければどう、二十枚でなければどう、切手は一冊でなければどう、あるいは全部を取りまとめてでなければどう、一括販売なんだね。私は、これはある程度値上げをすることはやむを得ないけれども、それを画一的に値上げをしてはいけない、と同時に、一体庶民のものになっておるもの、あるいは庶民大衆に対するいわゆる配慮が足らぬのじゃないか、私は自動販売機一つ取り上げてみても、あなた方の努力は多とするけれども、どうもこまかい配慮というものが、いわゆる末梢神経が十分活動していないように思われる。試作の域ならば、このチャンスにそういうところを考えてもらいたいと思うが、ただいまの方針はもう全然その方針でいくのかどうか、あるいはその試作のものもわれわれも見てみたい、逓信委員会として当然そういう試作の時期にあるものについては見てみたい、これに対する答弁を求めておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/68
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069・長田裕二
○長田政府委員 一枚、二枚はがきを買うような者に対する配慮の面等につきましてのお話がございましたが、私どもよく承りまして、今後どういうふうにしたらその御趣旨が実現できるか、研究いたしたいと存じます。
なお、自動販売機につきましては、しかるべき機会にお持ちいたしましてごらんに入れたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/69
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070・中井徳次郎
○中井委員 だいぶ問題がたくさん出まして、そのまま何か十分な検討なしにいっておるわけですが、いま森本君から——彼は非常にくわしいですから、何か御意見があったが、近県だけでも大体自動車でやるのですか、その辺のところ、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/70
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071・長田裕二
○長田政府委員 全国の府県庁所在地の少し遠いところにつきましては、十月から一、二種郵便物を航空機に載せたいと思っております。それに関連いたしまして近県のほうがお留守になっても困りますので、東京、大阪の東京都内、大阪市内等の郵便の配送、送達をしっかり固め、ひいては近県にも専用自動車便を延ばしてまいりたいと思っております。ただし、近県につきましては、航空搭載のように、十月一日からとこまで——いま宇都宮と大宮はどうとかいうようなところまでは十分固め切っておりませんが、その方向で今年度、昭和四十年度以降計画も強力に進めてまいるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/71
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072・中井徳次郎
○中井委員 私が頭に描いておるものと結論を言いますと違いますね。私の言うのは、全国をトラックでやれ、それから枝を出していけ、モモ買うてみたり、カキ買うてみたり、国鉄も使うわ、飛行機も使うわ、トラックも使うわ、郵便局員が困る。航空でいくもの、今度は五時になったら鉄道に行かぬならぬです。またトラックがくる。飛行機はいいです。大臣は、飛行機、飛行機と言っている、ぼろ飛行機だという話ですけれども、それは私も実物は知らぬが、まあ飛行機で九州や北海道はけっこうですが、あとは全部トラックで徹底してやったらどうかというのが私の意見、そして郵政がそれをやる。そんなものあなた何でもないことだ。しかも料金が非常に経費がかさむというが、そんなことはないのです。それは専門にやらなければいかぬです。昔と違いまして道がよくなりましたから、ガソリンの消費量もずいぶん減ると思います、ゴーストップがふえるところはかかりますがね。ですから遠距離になればそうかからない。わずかばかり入れて運ぶから経費が高くなるのです。それからローカルだと経費が高くなるが幹線ですから、私はもう思い切って、郵便は日本はここまできたら鉄道を離れて——これに理由がないわけではないのです。いま一、二具体的理由を言います。皆さんにまかすと何ともならぬから言うのですが、私の郷里なんだが、近鉄という日本で一番大きい私鉄がある。これができてから四十年になるのです。去年ようやくその近鉄を使うようになって、それまでは近鉄は四十年前から通っておっても、そこを通っておる前の私鉄及び国鉄を利用する。近鉄は一時間に六本通っておる。その私鉄と国鉄は三時間に一本である。それを使って一ぺん契約したからずっと五十年ですか契約しておるわけです。したがって、私のほうからは東京へ手紙が翌日着きましても、県庁の所在地は三日かかるのです。だから一番困るのは、弁護士から私は文句を受けた。数日前に近鉄の中で会いましたところが、先生どうだ、今度逓信委員というのでいるわやと言いましたら、それはひとつ、私は長年苦労している、東京へ書類を出すと翌日着くが、県庁所在地の裁判所に出すと三日かかるので非常に困っておる、これは四十年ほうっておかれました、こう言っておりました。運動したので去年かおととし変わったそうですが——まあそんなことは片づいたことですからいいですが、結局他の機関にものを頼むということになれば、去年どおりだとかなんだとかいうことになる。いま思い切ってもう全部トラック便でやれ、私のこの意見、大臣どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/72
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073・郡祐一
○郡国務大臣 御意見よく承っておきます。
ただ、遠距離のところは、どうしても経費の点で、国鉄とだいぶ違いがあるようであります。しかしその点は私ども、もっとこまかい計算を十分——ことに自動車の発達に伴って御指摘の点の計算はさっそく十分いたしてみます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/73
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074・中井徳次郎
○中井委員 国鉄と経費が違うなんて、それはしろうと——しろうとと言っては失礼だけれども、それじゃ全国でトラックがあれだけ栄えて、いまや日本の貨物は鉄道よりもほとんどトラック——毎年トラックの扱い量が一割以上どんどん上がっていく、これはなぜか。それは経費にかまっておれぬということもあるでしょうが、口で言うほどかかっておらぬということもあると思うのです、実際、運送業者としてはですね。そういうことをもっと取り上げてもらいたいものだと思います。十二時までということですが、こんなことでまだ半分も質問していない。
次に、ちょっとこまかいところを四、五点伺っておきます。書き損じたはがきを取りかえるのに手数料二円、前よりは前進だと思うが、これはそのはがきを買ったところに行ってどうしてかえてもらえないのですか。かえるのに遠いところに行かなければならぬ。はがきを売っておるところは全部かえてくれるかどうか、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/74
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075・長田裕二
○長田政府委員 ただいまのところ、私どもは全国の集配局で交換に応ずるということにしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/75
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076・中井徳次郎
○中井委員 なぜそんなことをするのですか。なぜ全部ではいかぬのですか。そんなことではだめだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/76
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077・長田裕二
○長田政府委員 実は無集配局でも相当陣容の充実しているところもございますが、無集配局は局長一人、局員一人というようなところなどもございますし、また交換の手続が会計上の問題にもかかわってまいりますので、集配局程度にとどめたいと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/77
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078・中井徳次郎
○中井委員 切手売りさばき店ではかえてくれないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/78
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079・長田裕二
○長田政府委員 売りさばき所にいたしますと、実は売りさばき所に手数料を払ったりする複雑な関係が出てまいりますので、売りさばき所での交換はやらないことにしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/79
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080・中井徳次郎
○中井委員 ちっともわかりませんね。何で売りさばき所でかえたらいけないのですか。あなたのさっきの説明、ちっともわからぬ。それが第一種、第二種とか郵便書簡とかいう思想と一致するので、どうなんですか、皆さんの仕事がそんなにしにくくなるの。はがきをきたなくしたのでかえてちょうだい、はいかえましょう、それをためておいて、今度郵便局に千枚はがきをもらいますというときに、これだけはかえましたよと言って持っていく、どこがぐあいが悪いのです。ぼくは、集配局でないとかえないという、これほど官僚的なことはないと思う。きたなくしたらみんな売っているところに持っていく。これは、鉄道はどうですか。ツーリストビューローはかえてくれないかな。御存じかな、皆さん。東京から大阪行きの切符を買うて、あくる日それを取り消す、たしかあれは十円で取り消してくれたと思うのですが、ツーリストビューローはやってくれないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/80
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081・長田裕二
○長田政府委員 手数料などとも関係がございましょうが、ただいまお話しのツーリストビューローでは二十円ぐらいの手数料になっておるそうでございます。郵便局のほうも、はがき等の交換、場合によれば数も相当こまかな数にもなりかねませんし、売りさばき所にいたしますと、毎月どういうふうに計算していくか、何枚と考えていくか、それから一たん売りましたものをまた受け入れて新しいものを渡す、その手続が会計上交換払いという形にも、これは内部のことでございますが、なっておりまして、そういう事務を処理できるものを配ります範囲等が内部の組織の面からも問題もございますので、集配局程度でございますと、地方に参りましても、局に参る機会は相当あることからいたしまして、内部の手続のこと、それから公衆の利便のこと、双方の、ちょうど歩み寄りの点がそこらあたりではないかというふうに考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/81
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082・中井徳次郎
○中井委員 国民を相手にして歩み寄りなんてことはないのです、あなた方はいわゆるオフィシャルサーバントですから。これは絶対反対です。何でもありません、取り扱い店でかえたらいいんです。私は、この点だけは、こまかいようなことですが、絶対反対です。これは切手の販売店まで行ってかえてくれる——私の生家は販売店で、私は子供のときに切手を五年間売っておりましたので、言うのです。切手を売るなら同じ権利だな。郵便局の窓口で、はがきはかえてくれる、郵便局のそこまで行かんならぬ。同じはがきが、あのうちへ行ったらかえてくれぬ、それはどういうことなんでしょうかね。そんな——ものを売るとか商売するとか、そういう考え方は皆さん全然ないので、郵便を取り扱ってやる、国民よ出せと、こういう思想ですね。それがわからぬというのでは、ほんとにあなた方は石頭ですぞ。私の十時半からの質問、ようわかっておるかな。中井委員かってなことをぬかしておるな、一時間そのうち問いといたらしまいやなんて、ほんとに皆さんだめですね。一ぺん、郵政省の局長以下全部、一年くらい休暇とってよう遊んでおると、そうするとよくわかるかもしらぬぞ、実際。これは、親切やるなら、そこまでやりなさい。これはもう承服できません。
それから、年賀はがき……(「結論はついておるのか」と呼ぶ者あり)もうみんなついておる。私は反対だ。(「省令だよ」と呼ぶ者あり)省令ですか、それは省令を改めなければならぬ。いかがですか、大臣。これはやりなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/82
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083・郡祐一
○郡国務大臣 これは、やはり窓口事務が——これは、一枚でも、どんな郵便局でも、また売りさばき人が扱うということになりますと、ふくそうすると思います。やはり、書き損じを取り扱いますところは制限いたしませんと、そのためのふくそうというものは、公衆の便宜をはかっていく上から、避けていかなければいけないと思います。おのずから、どこかに限度を置かなければいけないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/83
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084・森本靖
○森本委員 これは大事なことだから言っておきますが、私は、この条項を改正したということについては、改正についての精神はいいですよ。しかし、もともとこれはどういうところから起きてきたかというと、印刷業者が、年賀はがきその他について印刷し損ずるときと、それから、はがきへ印刷をし損ずることが非常に多いから、これはひとつ交換をしてくれるようにということを、印刷業者から陳情が非常にあって、結局この条文になってきたわけです。だからその場合に、たとえばそこに「その一部をき損し、印刷を誤り、」「これをその料額印面に」と、こういう法律の改正であるとするなら、それは大臣のいまの答弁でけっこうだ。しかし、その「印刷を誤り、又は書損じをしたものについて、」はと、こういうことが入った以上は、小学校の一年生が一枚のはがきに書き損じをして、それを郵便局に持ってきても、これをかえないということは言えないのですよ、この立法の趣旨からいうならば。この第十九条の改正の趣旨からいうならば、一枚持ってきても二枚持ってきても、たとえ無集配郵便局であろうと、郵便局は責任を持ってかえなければならぬ。それだったら、初めからそのいわゆる陳情があって改正をするということになるならば、「その一部をき損し、印刷を誤り」云々でいいわけだ。ところがこの法律の中に、書き損じたものについてはこれを交換するということを明示しておいて、それを省令において制限するということはできないはずであります。そんなあちゃこちゃなやり方はないのですよ。これは、私はやはり中井委員が言っておるように、少なくとも、これはどこでも、郵便はがきを売っておるところについては、持っていったら、一枚でも二枚でも交換をするという精神でなかったら、やめなさい、こんなやり方は。欺瞞ですよ。だから、こういう法律を改正するときには、非常に技術的に気をつけなければならぬ。もともとこの改正は、いま言ったような陳情の趣旨から出てきておるのだから。ところが、一般国民に広く及ぼそうということで、「印刷を誤り、又は書損じ」ということを、あなたのところは入れている。これを入れた以上は、それは小学校の一年生が書き損じをしたものを一枚でも二枚でも持ってきて、郵便局でかえてください、こう言ったら、これはかえなければならぬ。それじゃなかったら、省令において、この立法の精神を制限するということになるわけです。それだったら、初めからこんな改正案出さなければいいんだ。これははっきりしておいてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/84
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085・安宅常彦
○安宅委員 関連してですが、この問題はこういうふうにきちっと、書き損じたものについてまで書いておって、そして二十枚以下はだめだ、集配局しかかえられないとあなたのほうで独断専行的にやっても、この法律自体が省令、省令と一ぱい書いてある。こういうのは一つの——そのまま体質的に、大臣、持っているのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/85
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086・郡祐一
○郡国務大臣 実質的に申しまして、先ほど森本さんのおっしゃった交換というのは、結局いままで立法化しませんでしたのは、安いものでありましても、やはり会計手続上の手続を要すること、それから事務のふくそうを招く、こういう理由で、いままでおくれてまいりました。そして、このたびの改正の中に加えることにいたしました。それで、いま安宅さんが御指摘のように、この法律によります委任命令できめることでございますから、施行命令でもちろん書ける問題ではございません。しかしこの法律を御審議いただきます際に、委任命令としておきめをいただきますことであり、手数ということと実際の実益ということを考えまして、枚数を制限いたしますこと、委任命令によってお願いいたしますこと、これは法律的には問題ございませんけれども、事柄の実質から申しましても、私は筋が立つものだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/86
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087・森本靖
○森本委員 いまの大臣の答弁は、絶対納得いかないのですよ。この施行によって、この法律を束縛するというやり方は、はっきりいっておかしいですよ。これは、だから私が最初から言っておるように、これを汚染し、その一部をき損し、印刷を誤り、その料額印面にあらわされた料額、こういう文章であるとするならば、いまあなたが言ったようなことでも、ある程度了解はできるわけです。ところが、そうでなしに、「印刷を誤り、又は書損じをしたものについて、」云々、これが入ったわけですよ。郵政省の親切心から入れた以上は、一枚であろうと二枚であろうと、郵便局がある限りにおいては、交換しなければならぬわけです。それだったら、初めからやらなければいい。そんな答弁では、この十九条については、これは絶対先へ進みません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/87
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088・郡祐一
○郡国務大臣 理屈を言うようでありますが、いま森本さんのおっしゃった施行によってというのではございませんで、委任省令によってきめようというのでございますから、法律的な問題は、私は別だと思います。これは法律上は何ら問題はない。それからまた、印刷だけでなく、書き損じということを入れるということは、私は立法政策として正しいのだと思います。しかし、これはいままで問題のありました、会計手続上手数がかかるとか、それから窓口がふくそうするとかいうような理屈は、こういう規定を置きますれば当然続いてまいります。そういたしますれば、そこでどこかで限度を置くということは、当然立法上考えなければいけない、そういうことをひとつ委任命令で書かせていただこう、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/88
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089・森本靖
○森本委員 その大臣の答弁は非常におかしい。それならば、集配郵便局と無集配郵便局の場合、たとえば高知県の山の中で、集配郵便局に行こうとしたら十里くらいかかるところがある。無集配郵便局の場合だと、まだ近くにある。ところが、その無集配郵便局に行ってもかえないということになったとしたら、この立法の精神からいって、はっきり言ったらだめなんです。そんなことを、この省令によって委任したとはわれわれは考えたくない。ただこれをどういうふうにやるかということについては、これは省令に委任したということであって、郵便局に行ったら、どこの郵便局であろうとかえるということについては、この十九条の四項で認めておると思う。ただし、それをどういうふうな手続をもってかえるかということを、省令に委任したとしか考えられない。かえる、かえないということまで委任をしたとは、われわれは、この立法からいっても考えられない。それは、一枚無集配郵便局に持っていったらかえないということまで、省令にその委任をゆだねておるとは考えたくない。そういう考え方は、立法の精神から言ってもおかしいと思う。だから郵政省としてもまた、ここでやった以上は、当然われわれがいま言っておるような意見が出ておるということを考えて、この立法過程を考えなければならぬと思う。それを何も考えずに、安易に、ただ単なる陳情があったからといって、これを入れた。入れた以上は、全国民に平等にやるべきであります。そんななまはんかな答弁では、先に進みません。やめです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/89
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090・前田榮之助
○前田(榮)委員 この問題は、私は憲法上からも問題が出てくるのではないかと思います。憲法第十四条には、「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信條、性別」といって、その次に「政治的、経済的」、経済的が入っているんですよ。「又は社会的関係において、差別されない。」無集配局というのは、なかのほうに多い。そういういなかの、生活に恵まれておらないところの者が差別されるんですよ。これは厳密にこの憲法第十四条を——いろいろな理屈はつくでしょう、しかしこの憲法の精神にはっきりと違反することは間違いない。しかもこれをやらなければならない非常に困離な条件がどこにあるかという問題ですが、いまの説明を聞いてみますると、その条件もそうたいした問題ではない。新しいものと古いものと、汚染して使えないものをひょっとかえたら、何でもない話です。そのためには、二円の手数料がどこでも取れる。そう困離なこともないのに、弱い者いじめのような、国民に差別を与えるということは、憲法第十四条にも違反するのではないですか。そういうようなことをしいてやらなければならぬことはない。やってみなさい。やったって、そうたいして困離なことはない。そのことがほんとうに国民に忠実なゆえんだと私は思う。この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/90
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091・郡祐一
○郡国務大臣 憲法十四条の平等の原則は、これはよく例に引かれることでありますが、非常な山奥で、いろいろ国の設備が不十分だ、都会が便利だ、そうした差というのは起こり得るのでございまして、この場合でございましたら、いかなる単位で、いかなる方法で、いかなる手数料、そういう条件に差異がありましたら、憲法十四条の違反であります。しかしながら、条件そのものが平等でありますならば、それこそ憲法十四条の平等の原則がそのままに法律にあらわれておりますから、憲法論として、私は何ら平等の原則には反しないと思います。むしろ郵便そのものの実際の仕事の上から、どの程度が適当であるかということで判断をしてよろしいことと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/91
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092・前田榮之助
○前田(榮)委員 やはり大臣の官僚的な頭で御判断なさる。同じ条件とか条件でないとかおっしゃっても、現実に、無集配局はかえない、集配局はかえてやる、こういう条件がつくわけです。そういう場合の条件というものは、これは常識的に考えて、いなかのほうに多い、それから不便なところに多い、こういうことは現実にわかっておるじゃないか。そういう現実にわかった常識的にわかったものに差別をすることは、私はこの条文そのものは憲法違反であるとは考えられぬが、こういう条件をつけたのです。しかし国民の待遇に差別をすることはあってはならぬはずなんです。しかも弱いところへは強い力を加えて、その差別をなくするのが政治の効果であると思う。その効果の反対のことをやっておる。憲法の精神から逆なことになっておる。これはひとつ考えなければならぬ。ただ形だけ、理屈だけつけばよろしいのだ、こういうことは、中井君がたびたび言われておるように、官僚のする仕事なんです。そういうことについて、実際郵政省のほうにどれだけ損がある、どれだけ手数がかかって、どれだけ費用がかかるのか、これをお考えになって、これのために、どうもこの改正は赤字が一千億も出るから困る、とこういうなら、これは考えなければならぬ。そうじゃないでしょう。簡単なことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/92
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093・長田裕二
○長田政府委員 このたびのこの改正の十九条の四が一番発動されますのは、年末年始のころではないかというふうに考えるわけでございます。そのころは、実は郵便局も一年のうちでの最繁忙期でございますし、窓口も相当混雑いたします。窓口でこの事務をやらせるのがいいか、あるいは会計のほうでやらせるのがいいかということを、いろいろ検討したのでございますけれども、仕事のことの内容も、一たん売ったものを引き取ってまたかわりに新しいものをやる、普通の販売と違いますので、それから、ただいま申し上げました、年末の一番忙しいときに、窓口で、こういうことでほかの利用者にあまり支障を来たしては、などということを考え合わせまして、実は内務のほうでこの仕事は処理をするほうがいいということを考えたわけでございますが、無集配局はほとんど窓口だけでもございます。集配局、あるいは特に普通局等になりますれば、これは普通局に限りませんけれども、内務のほうの経理担当の者などもある程度、局長ないし局長のスタッフとしておりますし、そういうようなこともあわせ考えまして、こういう手続に考えた次第でございます。確かに、できるだけ広い範囲で、少ない数でも交換に応ずるということは、利用者の面から見ればたいへん喜ばしいことでございますけれども、同時に、事業のほうの犠牲と申しますか、あるいは、ひいてはほかの郵便のその他の利用者との関係をあわせ考えまして、この程度で、こういうことで改正さしていただきたいと思ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/93
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094・森本靖
○森本委員 そうすると、あなたのいまの考えでは、集配郵便局の内務の人がやるということにするならば、はがきをかえてくれという人が来た場合には、郵便局の中まで入ってきて、それを言うのですね。窓口でやらぬわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/94
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095・安宅常彦
○安宅委員 あなた、そういうこまいことを言うのだったら、いま憲法論をやっているのだから、そういうときにこまいことを言うなら、もっとこまいことを言いますが、一番先に窓口へ行くでしょう。なぜ窓口でかえてくれないか。局長のところへ行かなければならない。局長のところはどこから入るのかなどということで、窓口がごたごたしたら、もっと込むじゃないか。あなた何言っているのだ。そんなインチキな答弁では困りますよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/95
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096・長田裕二
○長田政府委員 この書き損じのものの交換をやることになりました場合には、いままでの体制では済まないところがだいぶ出てくるかと思います。内務のほうの会計担当のものがこの事務をやる場所を、現在の内務事務だけやっております体制を少し変えて、利用者が行きやすいような形に、ある程度直さなければならないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/96
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097・森本靖
○森本委員 これは局長、現業のことをちっとも知らぬので、そういうことを言っているのであって、そういうことは実現不可能ですよ、いまの場合において。全国の六千から七千ある集配局に対して、普通局ならいざ知らず、特定郵便局の集配局に対して、郵務局長さん、出たとこ勝負のような答弁はやめてもらいたい、そういうことはできない。だから現実に交換をするならば、窓口の切手、収入印紙、はがきを売りさばくところで、売りさばき人がこれをかえるということをやらなければ、できないのですよ。切手、収入印紙を窓口で売りさばいているところでかえるとするならば、無集配郵便局でかえても、それほどの手数にはならぬと思う、こういうことになるわけです。だから、たとえば国会においても、国会内郵便局では取りかえぬわけでしょう。いわゆる集配郵便局へ持っていかなければかえないわけなんだから。そんな不便なことはできませんよ。これはやっぱり無集配郵便局といえども、一枚といえども、かえるという制度にしなければいかぬ。それならそれで、そういうことができないというなら、初めから十九条の四はやめたらいい。それを、十九条の四というように書いた以上は、国民に平等にこれを利用させるようにしなければ筋が通らぬですよ、はっきり言って。あなたはいま会計云々と言っておるけれども、とてもじゃないが、会計の内務の者がこれを担当するということは不可能ですよ。窓口だから、切手、収入印紙、はがきを売りさばくところで人間をふやすとかなんとか考えて、そこで取りかえ交換をするほか、方法はない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/97
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098・安宅常彦
○安宅委員 もっとふえんしますがね。たとえば、私のところの郵便局では、庶務、会計というのは二階にあります。たいていの郵便局の設計はそうなっておりますよ、このごろ建っておるやつは。見てごらんなさいよ。現物は下、窓口は下です。庶務、会計、局長室はみな上だ。どうするんだね。できやしないようなことを答弁しないでください。あなたはきょう、建設局というか、建築局に聞いてみろ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/98
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099・長田裕二
○長田政府委員 実は売りさばき所との関係で、現在でも原則として集配局ですが、交換払いという制度もありますし、今度はそれが少し数が多くなるというようなことかと思いますけれども、現在ある程度やっております。その範囲を非常に、無集配まで原則として広げますことは、先ほど申し上げましたようなこともありまして、なかなかむずかしい、やりにくいことと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/99
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100・中井徳次郎
○中井委員 先ほどからだんだん話を伺っていると、ぼくが冒頭に言ったのとちっとも進展がない。憲法論がいろいろ同僚議員からありましたが、見方を変えて、それではお尋ねするが、はがきは原価一枚幾らですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/100
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101・長田裕二
○長田政府委員 製造費は、大体三十銭くらいでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/101
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102・中井徳次郎
○中井委員 三十銭のものを売って、書き間違えて、窓口へ持ってきて、二円取るんだ、一円七十銭もうかるのだ。何を言うとるんだ、手続がいいの悪いの、売りさばき所であろうがどこであろうが、みんなかえなさい、これは。絶対です。三越でパンツを買って、よごれておったからかえに行くのに、社長のところへ行くのかね。そんな商売ありますか。商売でないと言われればそれまでだけれども。とにかく君たちは業務でやっているのだ。そんな業務はありません。同僚議員は無集配局なんと言っている。ぼくはそんなものは反対だ。絶対はがきを売っているところで全部かえる。そうでなければ話にならぬじゃありませんか。そういうものの考え、そのことのために手続が幾らかかっても、それはやらなければならぬ。青砥藤綱の金探しじゃないけれども、そういう国民に対する理念の問題だ それをやらなくちゃ問題にならぬじゃないですか。七円のはがきを書き損じて、そして二円払って五円もうけるために、二里も三里も歩いて郵便局長室へ、窓口ではしかられて、どうして書き違えたなんて言われて、また裏から回って二階へ行くという、そんなばかなことありますか。じょうだんじゃありませんよ。原価が三円も四円もしているなら——原価三十銭で、二円手数料をとって、何を言っているんですか。それは手続はあるかもしれません。会計法上あるかもしれない。それはやったらいい。さっき聞けば、法律でなっているから、省令ですか、政令ですか、それから委任の項目だというて、大臣ががんばる。それもけっこう、それはそうかもしれません。大臣がそこまで恩情を持って、委任でみんなやるというならいいが、集配局だけということでは、それこそ羊頭を掲げて狗肉を売るもので、これはだめですよ。これまでは郵政局はもうけておったんでしょう。書き違えたら、はがきの扱いをせぬで、五円で売るだけで、もうけておったわけです。不労所得だな。これは不労所得だった。これまでは五円のはがきを十枚買ってきて、二枚書き違えた、もう破ってしまった、あなた方は不労所得だ。三十銭のものを五円で売った。これは十九条の四ですか、各窓口で、売っておるところで全部かえられるということにならなければ、これはほんとうに国会議員として、絶対に承服できない。国民の立場から承服できない、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/102
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103・長田裕二
○長田政府委員 先ほど、製造費三十銭と申し上げましたが、現場で交換するものにつきましては、部内の運送あるいは売りさばき等の経費も込めますので、大体一円六十銭前後になるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/103
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104・中井徳次郎
○中井委員 ぼくが三十銭で四円七十銭もうかっているじゃないかと言ったら、いや一円六十銭かかっていると言う。そんなことじゃない。それも五円かかるというなら言いなさい。問題は国民に対するサービス、奉仕の問題ではありませんか。そんなことを言っていたら笑われますよ。大体、集配局なんて言ったって、どういうのが集配局か知りませんよ。皆さんだけ知っているのだ。郵便局はみんな同じように思っている。その程度です。
私は、まだあと六項目ほどお尋ねしたいのです。災害の場合のことやら、年賀はがきのことやら、いろいろなこともあるのですが、この点はちょっとこれ以上私は進むわけにいきませんから、また日を改めて、この点から質問させてもらう。私はこういう考えです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/104
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105・安宅常彦
○安宅委員 私は、そのために、資料要求をしたいのです。
全国の郵便局の中で、集配郵便局——あなたのほうでそう言っているのだが、会計課が窓口に近接している、つまり一階にあるのと、二階にあるのと、全部調べて資料を出してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/105
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106・佐藤洋之助
○佐藤(洋)委員長代理 本会議散会後再開することとし、この際、休憩いたします。
午後零時四十四分休憩
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午後三時五十三分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/106
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107・佐藤洋之助
○佐藤(洋)委員長代理 これより再開いたします。
郵便法の一部を改正する法律案について質疑を続行いたします。金丸徳重君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/107
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108・金丸徳重
○金丸(徳)委員 御提案になっておりまする郵便法の一部改正案につきまして、実は私は料金改正というものが世間で強く言われておりまするので、それに集中されておると思って法案の内容を勉強さしてもらったのでありますが、だんだん見ていきますというと、料金改正だけではなくて、制度の根本に触れてきておるような点がそこここに見えてまいりました。これにつきまして、大臣はどういう態度をもってこの改正案に臨んでこられたのか。おそらくこの料金の全面的改正というようなことは、戦後のインフレ時代においてはたびたびやられたことでありますが、その前におきましても、またその後におきましても、めったにやられたことではございません。特にこの一種、二種などの料金改正は、ここ十五年間やられなかったという意味におきまして、料金の全面的な改正ということも、まさにこれは郵便事業史上画期的なこととも思われますし、そればかりではなしに、たとえば五種を廃止したというようなことをはじめといたしまして、いろんな点で制度の基本に触れてくるような点も見えてまいりました。そういたしますというと、郵便法史上歴史的な大きなことだと思います。これについては相当の検討もし、それから腹がまえもできてやられたと思うのでありますが、これらにつきまして、大臣はどういうふうな態度及び方針をもって臨みますか、まずそれからお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/108
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109・郡祐一
○郡国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、このたび郵便料金の改定をいたしましたが、同時に種類体系の整備というような、ある程度思い切ったと申しまするか、金丸さんがおっしゃいますように、画期的な問題に取り組みました。これが第二点。それから法律にあらわれておる部分、あらわれておらない部分がございますが、利用者に対するサービスの改善、この三点に柱を置いたつもりでございます。それで種類体系の整備ということ、これはしなければいけないことでありますと同時に、あまり軽々しく手をつけますことは相ならぬことだと思います。しかしながら、信書の送達というものを主眠といたします郵便の送達速度を確保していくというような点になりますると、郵政審議会の答申にもございましたが、種類体系を整備いたしまして、そうして機械の処理もできまするようにというようなことを考えることがどうしても必要であろう、こういう判断に達した次第でございます。したがいまして、これは前にも御指摘があった点でございますが、私どもも利用なさる方への周知の方法等は講じなければ相ならぬと思いますが、あるいは一種と五種の統合だけでなくて、それ以外のものについても、種類体系の整備といえば問題はあると思います。思いますが、現在、一種並びに五種の中でも、印刷はいたしておりますが、信書に当たります部分が非常に多い状態でございますから、このたびのように種類体系を整備いたしますると、ほとんど信書の大部分というものは新しい一種の中に入ることに相なりまするし、その定形の中でこれの航空機搭載等、特に送達速度を速めることに努力いたします結果、将来の事業の能率をあげるという点と、サービスの向上という点が同時にはかられるだろう。それで料金の改定をいたします機会に、あわせて相当大きい改正になりましたけれども、この種類の体系の整備に踏み切った次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/109
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110・金丸徳重
○金丸(徳)委員 郵便史上といいますか、事業史上に大きく歴史的に残る事業に御着手になったわけでありますから、私はこの機会にそういう仕事に着手なさるとしまするならば、ほんとうにいまの時代に合うような根本的な改正をといいますか、方針を立てておやりになるべきではないかと思う。私がこの席であらためて申し上げるまでもございませんが、わが国の郵便事業の内容は、先ほども問題になりましたように、たとえば一種、二種というような古いことばが依然として使われておったりというばかりでなしに、またいまの交通、運輸事情の進展といいますか、また片一方におきましては、電信電話、電気通信の発達というようなことからいたしまして、明治初期あるいは明治時代の郵便事業の経営観念をもってしましては間に合わないような時代になってきておると思います。ある時において、これに根本的なメスを入れて、それこそ新しい時代に合うような近代化された観念と方法とをもって、信書その他の物の送達に当たるということでなければならないと思うのであります。午前中の委員会でも、逓送方法といいますか、郵送の方法なんかにつきましては、鉄道から離れて、いまの時代に合うような根本的な方法を考えなければならぬのじゃないか、そういうことこそが大切であろうという意見も出ました。私もそういう考えを持っておったのであります。ただしかし、この時というものはむずかしい時だと思います。いまがいいか、それとも次のもっと検討を積み重ねた時がいいかということはたいへんその見通しがむずかしいことだと思います。大臣は、経営が困離になり収支が赤になった、それからまた、いろいろ機械化しなければならないというような時をつかまえて料金以下の改正に着手した、そのついでにこの根本論に触れていきたいというようなことでありますが、そのために私は何か中途はんぱなものになっておるような気がするのであります。しかし、そういう根本論は次のことといたしましても、郵便事業の根本の思想に触れることにつきましては、やはりここではっきりしておかなければならぬと思います。
先ほど郵便の種類をはっきりするということからして一種と五種を統合された、これは私はたいへんなことだと思います。といいますのは、郵便事業は大体信書の送達というのが主眼であって、そしてその他の物の送達というものはこれに付随した、言ってみまするならば副業的に扱ってきた。そして、その信書の送達というものを主眼にやったために、これは人間の社会生活の一番基本であるということからして、この信書の送達の事業についてはいろいろ法律上の保護もあったわけであります。また、従業員は、そういう大事な仕事であるからということで、かつては非常に安い賃金といいますか、中で、苦しい雨風の中をも苦労と思わずにこの仕事に誇りを感じてやってきたと思います。それはもっぱら信書の送達という聖なる仕事に携わっておるからということに基本があったと思います。だから、郵便事業というものは、その聖なる仕事、大事な仕事を根幹として、そしてその他のものについては多少おくれても、粗雑があっても世間でがまんしてもらうという方向で来たと思います。ところが、今度は五種が入ってきまして、五種の中にはなるほど印刷書状というものもあるかもしれませんけれども、中には最近の傾向といたしましては、例のダイレクトメールというような、まことに広告物などが多くなっておりましょうし、その他小型のものも入っておりますから、これは信書とは全くその思想を異にしてまいっておる。これは第一種、第一種というか信書、本来の意味の通信物とその他のものとが一緒になって第一種という観念で扱われるということになると、私は郵便というものの仕事のとうとさに何か夾雑物が入ってくるのではないかという心配を持つのでありますが、こういうことについて、大臣は今度の改正についてもはっきり観念を確立されておられたのか、いかがでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/110
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111・郡祐一
○郡国務大臣 金丸さんの非常に長い御経験と知識からのお話を、私も非常に参考になる感じで伺っておるのであります。それで郵便というものは結局これからなるべく機械力を導入し、あるいは働く人たちにも手数がかからずに働いてもらいますためには、なるべく一本化いたすと申しますか、郵便物と小包、この二つのくくりにして扱っていくということが必要なんじゃないだろうか。これは郵政審議会でも近代化の答申でそんな御指摘がございました。しかしそういう理想はあり得るけれども、一挙に三種、四種というものを統合してしまうということは、かえってものが混雑をいたすのではないだろうか。もし種類体系の整備を、現状を土台にしながら進めていくためには——私組合の方といろいろ話し合いをしますときにも、繰り返し組合の方は、自分たちは機械化を反対するものではないのだと言われる。いかに機械がふえましても、やはり人の力を非常に借りる種類の事業でありますし、だから機械化は極端に持っていきながら、物がふえて、それに対する人間もふえていく仕事でありますので、組合の方は、機械化は自分たちは反対しないのだ、そこを誤解しないでくれと言われることは私もそのとおりだと思います。そこで今度機械化ということ——私郵政大臣を拝命いたしまして感じましたことは、口では言うておるが実は機械化というものはこれからのものである、そして郵便料金に手を加えますときに、これは世間で御批判を受けましたが、普通はがき大といえば何のときでも一つの大きさの見当をつけておる、この形を変えることにどれだけの意味があるのだろうと私自身が思ったのであります。しかしいろいろ伺って、機械にかけていくためには郵便物の定形化ということと、特に信書送達速度を早めていくためには定形化をしなければ相ならぬということ、ことにはがきがいままでのようなはがきでは機械に乗りにくいのだということでありまするならば、この機械化と種類体系の整備ということをいたしたい。それから、ただ種類体系の整備という点だけからいさましたら、もう一度突っ込んでみたやり方というのは私はあっただろうと思います。しかしそこまではまいりませんでしたのは、三種郵便物と四種郵便物の現状、これはにわかに一つにしてしまってはかえって扱いが困難なのじゃないだろうか。現状を土台にして、可能な限りの種類体系の整備をいたそう、こういう考え方で手をつけてみた次第でございます。おっしゃるような気持ちで、しかしとにかくできるところまではこの機会にやってみたいものだ、これがこのたびの法律の改正であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/111
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112・金丸徳重
○金丸(徳)委員 なるべく機械化して、速達もしくは正確な郵便、その使命を達成したいために苦心なさっていらっしゃるそのお気持ちはよくわかります。それからもう一つ、種類体系を整備しろというような意見が郵政審議会からも出ておることを私も承知いたしております。したがって、種類体系を新時代に合うような、大臣のことばをかりて言いますならば、機械化に合うような方向で検討を進めるということにつきましては私も賛意を表するものであります。だが私は、種類体系を整備するという郵政審議会の答申の中には、はっきり、「本来の通信を優先的に処理しうるよう現在の」云々、こう書いてあります。この郵政審議会の、通信を優先的に処理するという大きな前提を置いておるにつきましては、先ほど私が申し上げたように、信書の送達という本来の使命に夾雑物を入れたくない、これを優先するという体系だけは確立しておきたい、こう思います。したがって、通常郵便物と小包郵便物とを分ける、それから通常郵便物を一種、二種、先ほどのことばで言いますれば、これは信書、それからその他のものと分けるということだと私はよくわかるのであります。三種以下を一つに考える。まさにそうであろうと思う。これはいままでは一種、二種を高等信という名で呼んで、その他の三種以下は非高等信であった。非高等信というのは逓送上もおくれてもよろしい、取り扱い上も若干の粗雑があっても——あっていいとは言いませんけれども、あることもやむを得ないということを前提としておるわけであって、そういう意味における種類の整備であると、私は、これこそ時代に合うような形において、新しい郵便事業というものの出発をすることができると思うのであります。今度の場合におきましては、一種と五種を統合しておるということであります。すなわちその統合のねらいは、扱い方を簡易化したい、しかも定形と非定形とに分けるということであります。私は、その定形と非定形とに分けて取り扱い上、簡易化する、スピード化するということについては賛成ですけれども、残念ながらそういたしますと、今度は、従来の第一種ならざるものが入ってきます。現場におきましては、このカバンの中の、この束は大事な信書である、第一種であるという観念が薄らいでいきやしないか。これは、私は郵便事業を経営することについては、非常な堕落のように思われてなりません。大臣は、あえてこの堕落を覚悟して、それよりもいまの定形、非定形というようなことをねらって、あるいは機械化というようなことをねらって、あえてこの信書の尊厳を乱すような体系をとられたのかどうか、今後もそういうような方針でいくのかどうかということをお伺いしたい。もしどうしてもそうスピード化しなければならぬからということであるならば、同じ定形の中でも信書というものについて、これは信書の中にはいままででも夾雑物が実際にはあったかもしれません。しかしそれはやむを得ざるのことである。実際は、信書という観念で扱っておる。そこに私は従業員の誇りがあった。郵便事業のとうとさがあった。これは、私はこの際、こういうような理由のために乱したくないように思うのであります。たいへん繰り返すようでありますけれども、いかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/112
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113・郡祐一
○郡国務大臣 非常に貴重なお話承りまして傾聴しておったのであります。私も、一種の中で定形と非定形に分けますと、おそらく信書の九八%は定形のうちに入るであろう、こういう見当を——それは五種と申しましても先ほど申しました印刷書状でややウエートは違うと思いますけれども、四六%はやはり信書と見るべきものが印刷で書かれておるということを私は部内で聞いております。そういたしまして、今度定形という形にいたすならば、一種の定形の中に信書に当たるものの九八%というものは含まれるであろう。そうすると、一種の中の定形というもの、これと非定形との間の、せっかく一種に統合しながら定形、非定形と分けることによって、また一種の中に実は二つのグループがあるんじゃないかという感じ、これは私がしろうとであるために、素朴にそう考えるのかもしれませんが、一種といいながら定形、非定形と分けることによってその中の郵便事業の目玉に当たる、ケルンに当たるようなのは、やはり定形のほうなのだということになると、そこにはっきり分かれてしまうのだという感じを私は、一時持ったのであります。しかしながら、そういたしましても、しかしそれでむしろ五種のほうに印刷書状であっても信書に当たるものが相当入っておる。それが今度定形として一つになる。そのことと、今度は、とにかく機械に乗るんだ、機械化を急がなければいけない。大体これが今後久しきにわたる体系のもとになるのならば、そのことは少し定形、非定形——これはやや完熟してまいると思いますが、いまのところ法律をこしらえている、いま御審議を願っている私自身が、定形、非定形ということばに少しまだこだわり、抵抗を感じるぐらいですから、一般御利用者の間にはよほどよく御説明しなければいかぬと思います。とにかく金丸さんのおっしゃることはよくわかるのであります。私どもの扱い方あるいは理屈の筋を立てるのと、今後の機械化、送達速度を確保しようというねらいと、この二つのねらいを組み合わせましたので、あるいは理屈として少し一貫せぬところがあるかと思いますけれども、ものの扱い方としてはやはり落ちつくところはこういうことなんじゃないだろうか、そういう判断をいたしております。したがいまして、一種の定形というものの送達速度を高めていくこと——すべてのものの送達数は非常に早まればけっこうでありますが、そこまでいくまでの間は私ども一種の定形というところに一番重点を置いてものを考えていきたいという仕組みで運んでいこうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/113
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114・金丸徳重
○金丸(徳)委員 五種の内容は多く印刷書状であろうというようなお考えのもとにこれに着手されたようでありますが、私は最近の傾向として印刷書状が五種の相当部分をなしておることは、これは認めたいと思います。ただ、このお出しになった資料の中を調べてみますと、三十九年度で第一種が十六億通に対して第五種は十八億通になっております。そしてこの十八億通の内容というものは、これは私の想像ですけれども、なるほど大臣の言うところの印刷書状郵便物、本来の郵便物と考えていいようなものも相当ふえてきておるとは思いますが、最近の傾向といたしましては、広告などが急激に多くなっておるのじゃないですか。そうしてここ数年間の増加状況率を見ますとすこぶる多い。たとえば一種が、二十七年度を一〇〇といたしまして三十九年度二八〇というのに対して三五八というふえ方をしておる。それも三十年以降急激にふえておって、これはおそらく世間で問題にされているところのダイレクトメールなるものが相当影響してくるのではないかと思います。この傾向は今後もさらに続くと思う。広告費などがどんどん増されておりますし、印刷あるいは紙というようなものがだんだん楽になってきておるということからいたしまして、私はそういう広告物を郵便の名において出す、郵便事業を通じて出すということがますますふえてまいると思います、この傾向が示しているように。そうしますと、しまいにはひさしを貸しておもやを取られる形が起きはしないか、郵便物の大部分、第一種と称する郵便物の大部分は実は広告物であるというようなことにならぬとも限らない、そういうことを心配いたすものですから、広告物と本来の大事な通信とはさい然と分けておくという従来からのとうとい方針というものはいまにわかにくずしてはいけないと思う。ゆるがしてはいけないように思うので、もし自分たちが運んでおるものが広告物だった、料金こそなるほど一種と同様であるけれども、内容は広告物だったのだというようなことになってきますと、これを取り扱うほうの人としてはたいへん残念だと思うのです。そして郵便事業というものが、信書の送達という非常に魂のこもった仕事から単なる物の運送屋になってしまう、配達業になってしまって、それは牛乳の配達あるいは新聞の配達とあまり変わらないようなことになりはしないか、このことを私はおそれる。これは思想的な、観念的なことではありますけれども、非常に大事なことだと思うものですから、その点を大臣がはっきり腹の中におさめて、そうしてそういうことに対する何らかの措置を講じながら、現段階において機械化のためにあるいは経費を安くするためにこういう方法をとった、あるいは料金をよけい取りたいためにこういう方法をとったということであるならばそれもやむを得ないでしょうが、それをはっきりしておいてもらいたいと思うのです。郵便事業の信書の送達というもとは何らくずすものではない、その姿勢ははっきりと堅持しながら、いま便宜上こういう方法をとっておるとしますならば、それをこの機会にはっきりしておいてもらいたいと私は思う。なぜ私がこんなことを申し上げるかといいますと、今度の提案の理由を私は繰り返して実は読ましてもらったのです。けれども、そのことについて一つも触れていない。実はそれが大切だったと思うのです。それを世間にはっきりしてもらいたかった。そして郵便事業の思想の上には何ら変わりないということを、大臣の提案理由の中にでも言ってもらっておけば、こんな時間をかけてこの問題について食い下がらないのでありますが、それがなかったものですから、この機会でもよろしいですから、ひとつその点をはっきりしておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/114
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115・郡祐一
○郡国務大臣 おっしゃるとおり、郵便法の五条でございましたか、信書送達の独占の、郵便法に定めております精神は貫き通さなければいけないものでありますし、それから御指摘のございました、現在の五種の半ばはやはり先ほど申しました印刷書状になっております現状から、このたび一種と五種の統合はいたしましたけれども、五条にいう信書独占の、国が独占いたします責任とまた誇りというものは特に強調をいたし、精神においては一向変わっていないということを肝に銘じまして、また全職員にも徹底させ、国民の皆さまにもその気持ちははっきりお訴えするように、映しますように努力いたします。そういう気持ちをさらに強くいたしまして徹底させることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/115
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116・金丸徳重
○金丸(徳)委員 改正の問題の第二点といたしましては、料金関係につきまして、従来郵便物は非常に全国均一であり、また料金も単純といいますか、たとえば二十グラムごとに云々というような方法でまいったのであります。これは簡易に低料でしかも迅速に送達するというねらいである限りにおきましては、そういう方法をとったことが最も賢明であったと思いますし、これは近代的な郵便事業の創始者たるローランド・ヒルの思想もそうであった。日本でそれを受けまして前島密さんが取り入れられたときにもそういうことであったのであります。自来ずっと全国均一制、料金の段階も単純制であったのでありますが、今回の改正を見てみますと、均一制はくずしてはおらぬようですけれども、それでも、たとえば三千通以上出した場合には幾らか差し引いてやろうとかというような均一ならざる事態も出てきます。もっとも、そういう点につきましては市内郵便はその点の一つの例外であったのでありますが、さらにそういう例外を取り入れてきたということと、もう一つは、これは大きなことだと思うのですけれども、従来は二十グラムごとであった。今度は二十五グラムにして、それからさらに二十五グラムを増せば十円増すというようなことになったのです。これは単純制ではないのですね。一つの郵便物の基準単位は十五円だけれども、その次の二十五グラムになると十円増しとかなんとかいうことが取り入れられておるようであります。これも郵便事業の運営思想的に言いますと私は大きな変革だと思うのでありますが、事業の合理化ということを考えますとまさに全国均一ということもおかしな話であります。それから一つの郵便物が重くなれば重くなっただけ倍、三倍という料金になる必要もないのではないか。ということは取り扱いも一度でいいし、配達も一度でいいのに三通分と同じような料金を取るということは、これこそ確かに合理的でなかった。けれども、なおかつその不合理をあえてしてきたのは単純化、均一化ということがより公衆のためによかったことでありましょうし、扱い者としても非常に楽だった、こう思うのでありますが、今回はそれを大きく合理化さんとしたためでありましょうか、不単純といいますか、複雑化してきた。これは一体どういうお考えの中で出てきたのか、今後ともそういう合理化に向かって進む一段階を画したのか、それとも何かの理由があってこういう方法を便宜的におとりになったのかどうか、その根本の思想というものはどういうことでありましょうか、お伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/116
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117・郡祐一
○郡国務大臣 御指摘の均一、単純な料金が望ましいという原則は、非常に、大事な原則だと思います。それでこのたびも一方では原価的に見ましたりいたしまして料金の改定はいたしておりますけれども、やはり均一、単純という点ではつとめてその原則を維持したいと思いまして、二十五グラムまでが十五円、五十グラムまでが二十円という二段階にいたし、それからそのあとは五十グラムごとに十円を加えてまいりますというわりに単純な、ただ定形、非定形というぐあいにいたし、一種と五種を合わせましたためにどうも切りかわりの際は少し複雑なような感じがいたすのでございますけれども、これは金丸先生のおっしゃったような気持ちを私どもも料金の際にいつも頭に置いて考えてみると、これは少してまえがってかもしれませんけれども、十五円と二十円の初めの土台の刻みがある。それから五十グラムをこえるものについては土台が二十五円で、あとは十円、十円、十円という刻みになるのだということで、もちろん原価のことも考えながらですが、均一、単純の原則はよく頭に置きながらやったというつもりでございます。
それから割引料金のほうは、これはまた別の理由で、外国などにも例がありますようですし、むしろそうしたことによって取り扱いの手数が省けますものをこれはひとつ別のものの考え方で取り上げてみた。しかしおっしゃるように、いままでに比べれば少し均一、単純がぼやけてきたではないかという御指摘があれば、その点はややそうかと思いますけれども、この程度の改正でも均一、単純という原則の上にこしらえ上げているのだというぐあいに、この点も国民の皆さんに御理解をいただきたいものだ、私はこう思っております。ですから御意見のところはよく拝聴いたしておりましたが、私どもも郵便料金は複雑になってはいかぬぞ、均一、単純という気持ちは貫き通さなければいかぬぞ、こう言いながら扱っておった種類の結果がこれでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/117
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118・金丸徳重
○金丸(徳)委員 均一、単純という大原則をくずしたくないという大臣のお考えから出たとしますとこれはたいへんな変革だと思うのですよ。現場の者といたしましては、また公衆といたしましても、考え方といたしまして、いままでとはだいぶ違って一々目方をはかったりしなければならぬようなことになってきた。それに、これもさっきの五種統合の事柄ですけれども、非定形のほうではさらに複雑化しているように私には読めるのでありますが、これはどうなんですか。重量が重くなれば料金が安くなるというような——いまの大臣の御説明だけではそうだったのですけれども、非定形の場合には重量が増すとそのわりあいに高くなるというように思われるのです。これは私の読み方が悪いのでありましょうか。これは郵務局長から説明をしてもらうといいのですが、ひとつその点、私の読み間違いかどうかをお教えを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/118
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119・長田裕二
○長田政府委員 ただいまの仰せのように、二十五円からスタートいたしまして、あと五十グラムをこえるものについては五十グラムまでごとに十円ずつ重ねてまいりますので、五百グラムになりますと百十五円ということになるわけでございます。その次の段階の料金は、そういう飛び方をいたしませんで、五百グラムをこえて一キロまでのものについては二百円、そういう料金にしてあるわけであります。簡単という面では、五百グラムにわたるものを同じ料金ということですから、非常に簡単でございますけれども、原則の立て方が少し変わってまいりまして、どうしてこういう料金にいたしましたかという点でございますが、通常郵便物と小包郵便物は、大きな面では内容も変わって二つの大きな種類の流れになっておりますけれども、やはり一キロと五百グラムぐらいの間ですとかなり行き来がある。どちらで出すかということを考えるような場合が多うございます。小包のほうは地帯別の料金をとって、距離によって料金差がついております。これが先ほど申し上げましたような原則で十五円の基礎にあと十円ずつずっと五十グラムごとに加えていく料金をとりますと、一キロと五百グラムの間の料金が小包料金と非常に錯綜いたしまして、距離によっては小包のほうに従来行っておりましたものが通常のほうにどっと流れてくるようなことが考えられまして、機材とか作業場のしつらえ等が大体小包と通常では変わっておりますのが、非常に混合してまいります。それともう一つは、従来の五種の料金は一キロで二百円でございました。それから従来の一種の料金は一キロで五百円ということになるわけでございます。そこらの小包のほうとのあまり混雑がないように、交流があまり起こらないようにということと、それから従来の五種の料金あるいは一種の料金のいきさつ等を考えまして、五百グラムをこえて一キロまでのものを二百円というふうにいたしたわけでございます。さらに一キロをこえますものにつきましては一キログラムごとに五百円という料金を立てまして、これは非常に割り高といえば割り高でございます。従来の一種から比べますとやはり安くなっておりますけれども、従来の五種の系統から見ると割り高と申せるわけですが、もっとも従来は五種では一キロまででございましたから、比較になるものは従来の一種だけということで割り安ということにはなっておりますけれども、しかし体系自体から見ますと割り高ということになるのは、もう争う余地のないところでございます。これにつきましては、実は通常郵便物を扱う用具、作業場等はどの程度のものを基準にするかということでございますけれども、郵政審議会の近代化の答申にもございましたが、あの際は、もっと低い段階で小包と分けてしまえということでございました。しかし、一キロをこえますものは非常に少数ではございますが、裁判関係の書類とかあるいはその他銀行関係などで、通信文を添えた業務用書類という形である程度まだ残っております。四キロをこえるものはございませんが、一キロと四キロの間である程度残っておりますので、全部一キロをこえる一種というものを制度的になくしてしまうわけにはいかない。しかし、作業場その他の関係でこれがやたらにまざるというような形になっておりますと、全体の能率をあまりあげることができなくなってくる、さような点からいたしまして、一キロをこえるものについては、従来の一種よりは少し安目でありましても、あまり安くない。できれば、一キロをこえるものにつきましては、ひとつ少しこまかく——かってなことを申すようでございますが、こまかく分けて出していただいたほうが、大きな意味では作業の能率があがるというようなことの思いなども込めまして、ああいう料金にしたわけでございます。確かに上のほうが割り高 初めが少し高くて、まん中は五十グラムごとに十円、最後のほうが少し割り高ということになっておりますが、初めのほうはコストあるいは収入という問題とのかね合いでそうきめております。上のほうは、これは全体の作業能率をあげるという意味からやむを得ないものは出していただく、その料金は従来よりは安い、しかし今度は新しい料金の段階からいえば少し割り高、そういうような料金にしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/119
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120・金丸徳重
○金丸(徳)委員 大臣、いまお聞きとりのように、やはり一種、五種を統合するという場合に小包のほうのことをねらって考えなければならぬような複雑な問題をはらんでおる。それから料金の均一化、単純化は尊重しておるといいながら、非常に複雑になっておる。私は、事業の合理的運営ということを考える限りにおきましては、そういうときもあろうかと思います。思いますけれども、いまのときにおいて、いまの考え方の中において、こういう複雑なことを一気にやられることが、はたしてどうであろうかということを心配するのです。一種についてのみやられるということであるなら、またそれはいいんですけれども、五種が入ってきたがために、初めは高くて、まん中が安くて、最後はまたとても高くなるというような複雑な料金体系というものは、現段階においてはとるべきではなかったのではないか、こう思うのです。なぜとらなければならなかったかといえば、先ほど申し上げたように、五種問題を取り扱わなければならぬためのずいぶん無理な統合ということが原因になっておるのではないかということを思ったわけです。しかし、これについては先ほど大臣から答弁がございましたから、これ以上追及しないことにいたします。ただ私は料金の均一化、単純化の原則をくずすという方向を今後に向かって合理化のためにとる。その合理化というのは料金の合理性のためにとるということであるならば、よほど世間にもそのことを宣伝をするといいますか、扱い者のほうにも習熟をさせる期間というものをおいていかなければならぬのじゃないか。郵便というものはきわめて簡単に料金計算ができるというのが少なくとも今日までの郵便事業に対する国民の考え方であったのです。今度はそいつが複雑になりましたということですから、それは私はよく両者のほうにも理解を求め、従業員にも習熟してもらわなければならぬ。このほかにも、私がざっと拝見いたしましたところによれば、今度の法改正につきましては、たいへんに問題があるように思います。あえてこの大事業に携わって、しかも勇断的に、決断的にこれに着手なさった大臣の勇猛心に敬意を表するわけですけれども、問題は、今後かなりの対策を必要としやしないか、こう思うものですから、一応私の考えを申し上げておきます。
そこで、時間がたってしまって困るのでありますが、今度の改正の根幹ともいうべき料金の問題に触れてまいりたいのでありますが、一体いままでの郵便料金というものが適当であるかどうかにつきましては、私自身も疑問を持っておりました。サービスのよりよき向上をはかるという意味におきましては、ある時期において、ある方法によって、何とか考えなければなるまい、あるいは料金そのものにも手をつけなければならぬときがあろうかとも考えております。そのような意味におきまして、私は先般予算委員会において大臣にもその向きのことは申し上げておきました。ただ、いまの時期、いまの方法においてはたして適切なりやということについては私は疑いを持っておったのでありますが、しかしそこで料金に手をつけるということでありまするから、少しお伺いをいたしたいのであります。
わが国の現在の郵便料金が適当なりやの判断というのは、いろいろな角度から考えられると思うのでありますが、その中で大臣のほうからお出しになっておられるところのこの資料によってのみ判断するといたしますと、たとえばわが国国内の一般物価と比較してみますれば、なるほど郵便料金は安いと思われます。一々ここで申し上げるまでもございません。郵便料金は一〇〇であるのに対して電話などが二〇〇になっておったり、鉄道は今度また相当上がっておるというようなことで、その他のものが上がっておりまするから、これらと比較いたしますと、この辺で右へならえをするということも考えられそうであります。しかし同時に、これを外国の郵便料金と比較してみるとどういうことであろうか。これはその前のページに出ておりますが、たとえば一種書状というものを見てみますると、二十グラムのものにつきまして日本が現行では十円。これに対しイギリスが十六円八十銭、アメリカが十八円、スイスが十六円六十六銭、ドイツが十八円、こういうことであります。これは日本の物価水準、賃金水準とこれらの諸国の賃金水準など等を比べてみますると、日本は決して安くない証拠になりそうであります。これらにつきましては検討をなさって、いまの料金改正案を適当だと御判断なさっておられたのか。それとも外国の郵便料金などは参考とする必要がない、わが国はわが国独自の考えでいくべきだということでいったんだ。もう一つは、外国がこれほど安い料金をもって扱い得る何か他の原因があるのかどうか。これもきっと検討なさっておられることと思うのであります。それらにつきましてここで御表明願えたらありがたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/120
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121・郡祐一
○郡国務大臣 詳細はまた政府委員から申し上げますが、物価によりまして調整いたしました各国の購買力を見まして料金の傾向を見たのでありまするが、これらに比べましても、まずこのたびの料金の改定をしてみて、これは各国の物価で調整してみましても、まず各国並みかあるいはそれよりやはり幾らか日本のほうが安いぐらいになっているのではないだろうか。ただ、これはある程度諸外国の消費者物価の見方にもよるのだと思いまするが……。それから料金を低率に押えられている外国の理由という点になりますと、やはりアメリカでは何と申しましても一割程度でございまするけれども、一般会計から繰り入れております点がやはり影響をしておると思います。その他の諸国になりますると、ここに掲げておりまするような国は、いずれもやはり国民一人当たりの物数がかなり多くなっております。この点がやはり郵便事業の経営がわりにスムーズにいっておる原因じゃないだろうか。その点は事実イギリスの郵政大臣などにも本年会いましたときに確かめてみました。やはり物の伸びに一番郵便では自分の国でも助けられておるけれども、やはり今度も自分が大臣になったので二度目の料金値上げを考えなければいけないくらいの状態にあるとか、結局そういたしますると、これらの各国に比べまして、日本の物というのはまだ伸びが非常に少のうございます。それらの点に、特に日本の郵便事業の窮屈さがあるというぐあいに考えております。物価に引き伸ばしました料金の模様は郵務局長から申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/121
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122・長田裕二
○長田政府委員 ただいま大臣から購買力の価値、それから物数が非常に多い、あるいはアメリカでは一般会計から六億ドル、七億ドルくらい補給しておるというお話がございましたが、もう一つの問題は、実ははがきと封書、書状との比率でございます。日本では、御承知のように、一種と五種を合わせたものにほぼ匹敵するはがきが出回っておるというわけであります。したがいまして、この書状が十円、はがきが五円ということになりますと、一通当たり一、二種、五種平均いたしますと七円五十銭かその近所が平均の収入になりますが、ここに掲げてあります諸国では、ほとんどこのはがきの封書に対する比率はもう微々たるもので、とるに足らないわけでございます。したがいまして、一通当たりの平均収入は、かりにイギリスが十六円八十銭と十二円六十銭ということになっておりましても、一通当たりの収入はほとんどもう十五円をはるかにこえて十六円近くかと思われますし、そういうような点も、日本が七円五十銭前後であるのに比べて十五円、十六円近くというようなことも一つの原因かと存ずるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/122
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123・金丸徳重
○金丸(徳)委員 それにしても、かりに書状を十五円にするということは、ほとんどイギリスと同じくらいの料金になるのですね。スイスが十六円ということになるとほとんど同じようなことになる。どうもこれだけを比べますと少し高いように思う。ただ、はがきについては、これはまさに日本は安いということが言われます。日本が五円に対してイギリスが十二円、それからアメリカが十四円、スイスがちょっと安いですけれども、ドイツも十三円、フランスに至っては十八円、こういうようなことになっておりまして、これははがきは確かに安いようでありますが、こういうことについては今度の改正ではどういうふうな参考意見を持って臨まれたのか。といいますのは、私はこれは料金体系のところで触れたかったのでありますが、われわれはいままで長い間、書状の半分がはがき料金、こう考えておった。はがき料金が半分に足らなかった場合もあるし、それから半分以上の場合も例外的にはあったですけれども、大体三銭と一銭五厘、それから五円と十円だ、こういうことできた。今度の場合、いま十五円と七円ということで半分以下ではありますが、大体そういうことできたのですが、これをこのまま続けていかれる方針なのか。それは不合理であると見て、それにもかかわらず、現段階においてはまあこの程度でやむを得ないと考えてこのようなことになったのか。これも外国のこうした例を参考にしながらここで御意見をはっきりさせておいていただきたい、こう思う。これは大臣からお答え願ったほうがよろしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/123
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124・郡祐一
○郡国務大臣 そういう考え方でむしろ私ども、十五円、七円——率直に申しますと、はがき日本では利用される人が非常に多い。はがきをもとにしてものを考えながらいくべきではないだろうか、こんなことも当初においては考えました。しかしながら、まず一対二というようなところで料金を従来もきめており、それから、これはまた後ほどお尋ねがあろうかと思いますけれども、四十一年度のはがきの原価が六円九十銭でございましたから、そういう計算が出てまいりました。そういう原価のほうから見てまいりまして七円というものを押え、それで二対一ぐらいの率で十五円と七円というところは穏当なところではないだろうか、そんな考え方で十五円と七円という改定の値段をきめることにいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/124
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125・金丸徳重
○金丸(徳)委員 私がお伺いしたいのは、それについて根本的な検討をなさったのかということであります。せっかく郵便事業の大改正に着手なすったわけでありますし、それから、新しい時代を目がけ、それに合うような郵便事業の経営の基礎を固めようとなさったわけですから、外国でも二対一という方針はとっておりませんし、それから、これは後に問題にしなければならぬわけでありますが、現にはがきの原価というものは相当高くなっておる、こういうことも考え、さらに、これもいまお示しになった数字によってわかるのでありますが、はがきの伸びは、一種信書の伸びよりも低い。いわんや五種とあわせて考えてみますと、一そう低い、低くなる傾向を持つと考えますと、いまはなるほどはがきの使用率は外国よりも高いかもしれない。将来はやはり先進国と同じようなはがきの使用率になりはしないか、こう思うのです。そうしますと、はがきの料金は安くていいという考え方は変えておかなければいけないように思うのであります。それについて検討もされ、将来の見通しもなさって、しかしいまはこうだということであったのか、将来といえどもそういう方針をとっていくという考え方でこの改正に御着手なさったのか、こういうことを承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/125
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126・郡祐一
○郡国務大臣 私も、物数の伸びといたしましては、一種の——今度ので申せば手紙の一種でございますが、手紙が伸びていってくれなければいけませんし、はがきのほうは、同じ料金の切手を使うならばやはり外国並みに絵はがきはふえてまいりましょうが、この郵便はがきという形では、むしろ伸びはほかの伸びに比べては鈍化する傾向を日本でも示すのであろうというような推定はいたしております。その点では金丸さんのおっしゃいましたと似た考え方を持っております。ただ、いまのところでは、はがきの料金として手をつけるのはこの程度が限度であろうという考え方をいたしましたけれども、将来はむしろこれからの物数の状況に応じて一種と二種との料金の比率というようなことは新しく考えるという問題が、将来の問題としてはあるのじゃなかろうかと思っております。はがきがいつまでもいままでのように——むしろはがきのほうが主になっていくような形というものは、もうこれからは著しく変わってくるということは、おっしゃるように私ども考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/126
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127・金丸徳重
○金丸(徳)委員 まあ外国と比較して、私は一種については、相当高いんだという、こういう考え方を持っていたので、これは外国はどうであろうかということでありますから、ただ議論を進める上におきまして一応申し上げたのであります。肝心なところは、現在の郵便事業がはたして事業としてペイしているかどうかということで、入ってこなければならぬ。大臣もこのままでいくと、ますます赤字が累積してくるであろう。やらなければならない仕事はたくさんあるのにもかかわらず、独立会計の中においては、とうてい処理できないから、料金に手をつけることであったろうと思う。したがって、今度は、次の問題といたしましては、現在の各種類の郵便物がそれぞれの体系の中でどういうふうに、支出に対して収入があるかということを調べてまいらなければならないと思うのであります。お配りになられました資料によりますと、これは三十九年度の原価のようでありますが、一種については、若干の黒、二種については相当の赤、それから三種につきましては、これは相当莫大な赤と報告されておる。これは、一通当たりの計算でありますが、こういうことからいたしまして、四十年度は目下集計中であろうと思うのでありますが、どんなお見込みになっておりますか。各種類別の——四十年度はまだいけないとしますれば、やはり三十九年度にならざるを得ないのであります。第一種については、収入はこれもお配りになりましたあれによってわかっております。第一種におきましては、百七十七億という数字でありますが、支出のほうは、各別に見ると、どういうことになりますか。一通当たりの差は出てきておるのでありますが、総額においてどういうことになりますか。これは、この差を通数にかければ出てくることですが、何かそういう数字を持っておられましたら、ひとつお示しをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/127
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128・淺野賢澄
○淺野政府委員 ただいま御質問のうち、二点でございますが、お手元に差し上げてございますのは、三十九年度でございます。四十年度になりますと、これに六、七%近いものが高くなっていくのじゃないかと思います。たとえばはがきでございますと、決算の結果六円三、四十銭までいくのじゃないか、かように考えております。
それで全部で幾らになるかというお話でございますが、大体物数をかけますと出てまいるわけでありますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/128
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129・金丸徳重
○金丸(徳)委員 これは三十九年度でいいから、収入がさましたら、これに応じて支出が——たとえば第一種の原価といいますか、支出がどれくらい、こうありますと、第一種でどれだけもうかって、第三種で総額どれだけの損をして、第三種はどれだけ損をしたというしろうとわかりがしていいのです。そのしろうとわかりの中から、私はしろうと論を展開していこうと思うものだからお伺いするのです。詳しい数字でなくていいから、これに合うような数字をあげていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/129
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130・淺野賢澄
○淺野政府委員 恐縮でございますが、大ざっぱに申し上げます。
一種でまいりますと、大体におきまして二十億ぐらいの黒になるのではないかと思っております。それから二種におきましては、四十六、七億ぐらいの赤になるのではないか、大体こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/130
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131・金丸徳重
○金丸(徳)委員 三種はどのくらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/131
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132・淺野賢澄
○淺野政府委員 新聞等低料扱いの分が、五十七、八億、その他の三種は七億余り、四種の通信教育が七千万余り、盲人用点字は、これはただでございますが、六千万円弱、農産種苗におきまして二億五千万円ぐらいの赤。五種で十六億ぐらい黒になっております。
書留が……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/132
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133・金丸徳重
○金丸(徳)委員 それはまあいいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/133
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134・淺野賢澄
○淺野政府委員 それにことしになりますと、六、七%ないし七、八%のものがちょうど人件費の上がりました分だけプラスになってまいります。さよう御承知を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/134
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135・金丸徳重
○金丸(徳)委員 そういたしますと、大体四十年度の見込みというものは一種においてはほとんどパーというくらいの数字になりそうですね。そのかわりには二種、はがきについては五十億、もしくはこれをこすかもしれない。それから三種、低料三種におきましては、これはもっと赤がふえてきて六十億以上になるかもしれない、こう思われる。これは概算ですから間違ってもそう大きな間違いはあるまいと私には思われるのであります。
そこで大臣、事業の合理化を大きく標榜して経営に当たっておられるわけでありますが、事業の合理化は基本的にいいますと料金の適正といいますか合理化でなければならない、そう思うのであります。郵便事業は決してもうかる必要はないのでありますが、さりとて赤を出すということも困ることだと思うのでありますが、こういう歴然たる不合理のことにつきましては、今後これをめざして進まれる大臣としては、どういう対処のしかたをなさっておられたのでありましょうか、基本的な考え方、態度をひとつ承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/135
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136・郡祐一
○郡国務大臣 全体の考え方といたしましては確かに三種の低料扱い、この辺の原価割れが非常に大きいものでございます。したがいまして、料金だけの点を考えますると、この辺は一挙にではございませんが、ある程度原価に近づけてまいるということは、私は筋としては考えられることだと思います。ただ実際を見ますと、三十六年の改正のときにも三種を上げまして、一種、二種に手をつけておりませんでした。そうした沿革から見て、また三種というものについて特に文化的と申しまするか、意味を認めて低料扱いというのはかなり長く慣熟した扱いになっておりますので、このたびの程度の上げ幅にいたしたのでございますけれども、そして総括原価主義で割り振っていってみればこのたびのような程度と存じまするけれども、私はそれぞれの料金を考えていくときには、もう少しそうした点は将来だんだんと原価割れを少なくしていくというようなことに、各種別について考えることは必要なことだろうと思っております。しかしこのたびの程度くらいに、二十六年でとにかく一種と二種と手をつけて十五年手をつけなかった、三種以下については三十六年に手をつけた、そうすればこのたびの程度の手のつけ方というのはまず各種別の中での均衡はとれているんだ、こういうぐあいにこのたびは考えております。しかし将来の問題は、私も御指摘のように問題があるだろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/136
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137・金丸徳重
○金丸(徳)委員 合理的にしなければならぬというねらいの中では、むしろぼくは今度の改正によってかえって不合理さが増してきているのではないか。なるほど第三種におきましては五割増しというようなことになっておりますが、しかしこれも先ほどのように料金が逓減するのですか、少しよけいに出したのを安くなるのでしたね。私の読み方が悪いのかもしれませんが、というようなことからいきまして、なるほど一通当たりの基本は五割上がったかもしれませんけれども、全体といたしましてはそれほど上がっておらぬのじゃないか。上がっておらないということは、元来は思い切ってこれを上げなければならないところの合理的必要性があった、合理化論に対する必然性があったはずなんです。けれどもそれはかえって大臣が考えられたとは逆に開きが大きくなる、不合理さがよけいになるような気がいたしてならないのであります。私の読み方が悪いのか、そういう色目を持って見ているからそうなったのか、この点は私は三種というものが文化上大へん貢献をなしてきた制度であることはこれを認めたいのであります。けれども、それは明治、大正の時分においては確かにそうであったかもしれませんけれども、現段階においてはそれまでやられる必要はない、これほどの大きな赤字を出してまで低料扱いをしなければならないのか、明治、大正のころと同じようにどうしていまもあるのかについては、私は大へん疑問を持つものであります。
そしてこれを今度は先ほどの外国の例によって調べてみたのでありますが、外国におきましては第三種は、イギリスのごときはむしろ一種よりも高くとっておる。大臣のお手元にあるから、ごらんになればわかるのでありましょうが、アメリカは一種が十八円に対して三種は十円八銭、それからスイスが十六円に対して八円何がし、これはスイスでははがきと同じ料金をとっております。日本で置きかえてみますと、現行料金では五円ということになるのであります。これが日本ではいま二円、イギリスなんかは先ほども申しましたように、はがきが十二円なのに三種は二十一円、こういうことで三種が高い。私はこれはわが国の郵便事業の三種の料金の将来を示唆しておることになりはしないかと思うのであります。特に三種を高くする必要はないと私は思う。できるだけ安くしてやりたい、やらなければならない、やったほうがいいとは思いますけれども、先ほど申しましたように、一番大きな赤字の原因をなしておって、そしてそれがために大臣が意図しておるところの機械化、近代化ということができないような経理の状況におとしいれてまでこのようなことに——先進国といってはいけないかもしれないけれども、少なくとも欧米の一流の国、日本も一流でありますが、そういう国と比較にならぬほどの差を認めることはどうであるか。何かの機会にこれを是正する方向へ持っていかなければならぬはずだと思うのですけれども、今度も開きはむしろ開いておるような受け取り方の改正をされておる、これはどういうことでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/137
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138・郡祐一
○郡国務大臣 三種の将来の料金の問題は考えなければいけない問題はあろうと思います。ただ、いままでの沿革なりいままでの料金の扱い方で一応こういうきめ方をいたしておりますが、御指摘になりましたこの資料にございます外国料金の比較なんでございますが、これはごく簡単に一つの新聞等の例を掲げておるようでございますが、これは各国ともやはり新聞雑誌についてはかなりこまかい規定を持っておるようでございまして、また詳しいことは政府委員から申し上げますが、アメリカあたりを聞きましても、何かここに出ておりますのは、ああいう大きな国でありますから非常に遠い距離のものをここに掲げておるようでございますが、比較的近い距離のはアメリカでは新聞一通一セント、それから雑誌等についても教育雑誌だとか非営利の雑誌等については八分の一セントとか、非常に低率のものをきめておるようでございます。それでこれは先ほどお話しになりました単純均一という点から、日本は単純均一になっておりますが、私もアメリカの実例に非常に詳しいわけではございませんけれども、アメリカではこの新聞、雑誌にあたりますものを非常にこまかく分けてきめておりまして、普通のアメリカの新聞でございますから、わりあい地域的の新聞が多いようでありますが、そうしたものについては非常に安い。いま申しました一セントというようなきめ方をするし、非営利の出版雑誌については極端な安さをしているというようなふうでございまして、必ずしもこのあり方としてはすぐに日本の三種との比較というのはアメリカの場合はむずかしいように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/138
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139・金丸徳重
○金丸(徳)委員 私は新聞その他ああいう学術雑誌、そうした非常に文化に貢献するもの、社会の進歩に貢献するものについてできるだけ低料に輸送してやる、手元へ届かしてやるということがたいへん大事なこととは思います。ただそれを郵便事業で受けとめなければならぬか。同時にその他の郵便物の収入によってまかなうことがはたして大臣のねらう合理的なことであるかどうかということについて疑問を持つものですから、それで大臣のお考えを承ったものである。それがまさに不合理とは思うが、従来の伝統もこれあり、やむを得ずこうやりたのだということであると、これは何ともなにしようがないのですが、私は先ほども申しましたような事業の経営の基本に触れてまで今度の改正に着手なさった大臣の勇断に信頼して、これは経理的にいうと一番の不合理です、これに何かの解決策を講ぜられなかったのか、ほかの料金からまかなうということがとうてい不合理だとするならば、これは一般会計のほうからでも、たとえばアメリカでやっているようなぐあいに考えられなかったかどうかということ、これこそ大きな改正の勇断の対象であろうかと私は思ったのでありますが、いかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/139
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140・郡祐一
○郡国務大臣 一般会計からの繰り入れというようなことは、料金に手をつけます当時から各方面からの御意見としても承っておりました。しかしいままでの郵便事業の会計のあり方、また四十一年度予算の国の財政状況からこの点はこの際に解決することはできない、結末ですべてを総括原価主義でまかなう結果になりました。ただ第三種の料金の点は、全体の種類、体系を整理していきますと、この際確かに途中で刻みあたりを変えておりますために、さらに上げ幅が小さくなっている点はございますけれども、しかしまず改正の料金としては、この際はこの程度ということで判断をいたしましたけれども、問題としては確かに三種というものは、これからの物全体の伸びぐあい、また三種のこれからの伸びぐあいがどうなるかということを考えます場合に考えなければいけない問題だということは考えられます。三種がもっともっと伸びていき、赤がこの程度の上げ幅ではかえってどんどんふえていくというようなことも考えられないことではございませんから、問題は将来には——料金の総括原価主義、原価主義と申し上げながらここに問題があるんだということは確かにおっしゃるとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/140
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141・金丸徳重
○金丸(徳)委員 六十億をこすような赤を本年度においても考えなければならぬような状況なのであります。六十億といいますと、これは郵便事業にとってはたいへんな数字だと思われるのであります。そしてもう一つは、第三種がふえるような傾向があっては困るというような御意見でありましたが、これはふえる。ふえざるを得ないと思います。この料金でいきますと、新聞取り扱い店その他における賃金はますます上がってきましょうし、ことに山の中などにつきましてはもう郵便で出すことが一番安いということになってくると思う。その範囲、数量はますます増してくると思いますから、ことし六十億であっても来年はさらに一割も二割も増すということになっていって、一番大きなガンになろうかと思います。このガンが部内における他の料金によって解決してはならないとすると解決の方法を他に求めなければならぬ。これはもうだれが考えても言えることなのであります。ここで、ことしはこれで六十億だったが来年は八十億になった、再来年はさらに増して百億になったというようなことになると、これはたいへんなことになりますから、いまから大臣はそういう心がまえでもってこれも政治的に善処しておいていただきませんといけないと思うのであります。私がここでこんなことを言うまでもありませんけれども、いなかのほうにいきますと、一種、二種、本来の郵便事業というものの物は少なくて、かばんの中はほとんどダイレクトメールだとか新聞だとか週刊誌だとかいうようなもので一ぱいになってしまっておる。しかもこれはますます重くなってくる、大型化してくるということであって、郵便屋、化して新聞屋になってしまった。それで地方におきましては郵便屋さんということを言わぬで、新聞屋さんと呼ぶなどという嘆きの声を聞いているようなことであります。郵便局で新聞を配達していかぬなどということを私は言うわけではありません。ありませんけれども、本末転倒するようなことになっては現地のほうにおける扱い者としてもいやじゃないか。いわんやそれがそろばんの持てるような形であるならばまだしもであります。たいへんな赤字を出しながら新聞屋さんに化するということは残念なことではなかろうかと思う。この改正の時期において大臣はかく将来の見通し——将来のためにかく決意をしておるということがこの席上はっきりでもしますれば、私どもまた現地へ行ってこれを説くことができるのであります。ほかに方法がなかったらやむを得ないんだということではあまりにも情けないではないかと思うのであります。この点、もう一度大臣の固い決意を承っておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/141
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142・郡祐一
○郡国務大臣 このたびこういう改正をこういう時期にいたしましたので、これからの物の動きぐあい、物相互の間の移り変わりぐあい、こうした点は十分実情をはっきり把握いたしたいと思います。そしてこれを出発点にして、将来の計画はさらに綿密に立ててみることにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/142
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143・金丸徳重
○金丸(徳)委員 これは押し問答になりますから、大臣から決意を——少し私はなまぬるいのでありますが、それ以上言っていただいても現段階ではあるいはやむを得ないということになろうかとも思います。しかし、大事なことでありますので、ひとつ一そうの御勇断を願うことといたします。
もう一つ、私ははがきのことにも触れたいのでありますが、時間もだいぶ過ぎておりますから省略するといいますか、これは他の機会におきまして他の委員から検討なさってくださると思います。
そこで、私はこの郵便事業が料金面において非常な不合理の点もかかえており、そのために要らぬ苦労をしておるということがはっきりいたしましたし、これについて将来の改正も方向づけてもらわなければならぬということもはっきりいたしましたが、もう一つ今度は事業自体の経費の点につきましてやはりもう少し考えてみなければならぬ点もあろうじゃないかと思います。それは郵便事業の経費といいましても、人件費それから物件費、こういうものに分けられて、与えられました資料によって調べてみましても、特に郵便事業がよけいな人件費を使っておるとか、あるいはよけいな物件費を使ってぜいたくをしておるとかいうことも考えられません。私にはそう思われる。きわめて小心翼々として一銭のものも節約し、一つの鉛筆をも大事に使って経営しておると了解いたしております。のにもかかわらず、こういうふうな経営困難におちいった原因の中には、いまのような収入面における残念さが重なってきたからとも思いますが、もう一つ振り返ってみますと、経費の点について残念な点が思われるのであります。それは、郵便事業の伝統、長い間の積み重ねのやむを得なさであるのかもしれませんけれども、私は、局舎の家賃ですね、これが相当数重荷になっておると思うのです。これはちょっと参考にお伺いするのですが、局舎の家賃は年々どれくらいずつ払っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/143
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144・淺野賢澄
○淺野政府委員 本年度は、局舎料といたしましては二十九億五千万円であります。ただし、これは普通局と特定局と両方でございます。四十年度が二十二億三千万円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/144
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145・金丸徳重
○金丸(徳)委員 二十九億余りの家賃というものは、普通局も若干あるかもしれませんけれども、大部分は特定局であろうかと思います。この家賃は、もし特定局、普通局ともに、国家事業の当然の姿として、国で建てたというものであるならば、要らなかったはずなんですね。明治の初めから、所要な建物は建てて、その中で事業を運行したとすれば、家賃は要らなかった。それがいろいろの事情があって、今日まで多くの局舎は借りて経営してきた。借りて経営したということは、やすきについた、建てるだけの力も金もなかったから、ということでありましょうが、この家賃は、現段階におきましては、たいへん惜しい金のように思うのです。年々三十億ぐらいずつ使っていますならば、たいへん惜しいことのように思う。三十億という家賃を、もし払わなくても済んだとするならば、その金が相当にほかのほうに使えておったからだと思います。それをもし自転車に回すというならば、もっとよりよき自転車が配給できたでありましょうし、バイクもどんどんと配給できたかもしれなかった。自動車の一台ぐらいは集配局には配給できたかもしれなかった。それができずに、非常に非近代的な現業の状況に堕したのも、この家賃というものが相当遠因をなしておったのだろうと思います。家賃も払えないような低料で扱っておったというところに、あるいは原因があったのかもしれませんけれども、現段階において、これは夢のような話であるかもしれません。あるかもしれませんけれども、もし家賃を払わなかったらばという気持ちは、ここで起こしてもいいのじゃないかと思うのです。こういうことについて、大臣は、基本的にはどういうお考えを持っておられましょうか。事業経営が非常に苦しくなっておったのには、こういう過去のいろいろな積み重ねが積もり積もって、こうなってきたと思うのですが、いかがでありましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/145
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146・郡祐一
○郡国務大臣 確かにおっしゃるとおり、いままでの積み重ねがここまできたのであります。このままの状態でいけるものでもないと思います。ただ何ぶんにも、問題がだいぶ重なっておるときでございます。郵政省としても考えなければならない問題だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/146
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147・金丸徳重
○金丸(徳)委員 この点は、ほかの機会におきましてもずいぶん論議されたところだと思います。時間がないのにくだくだしく言うこともいかがかと思いますけれども、私はこの点を解決する、もしくは解決の方向に進めるべき、いまの時期ではないかと思うのです。料金を改正するという一つのチャンスをつかまえて、過去のそうした積み重ねの中から重圧となっている問題を解決する方向へ進むということも、これまた郵便法の全面的改正という大きな歴史的機会においては、逃がしてはならぬ問題だと思うのです。これをただ単に、過去においてなってきたのだからいかんともしかたがないという考え方では、あまりにも残念に思うものであります。何かここで新しい方向づけなり、それに対する大臣の決意というものを表明なさるわけにはまいらないのか。先ほどもくどいように申し上げたのですけれども、おそらく郵便法始まって以来の大改正に、大臣は着手をなさっておられる。私は思想的には大きな変革だと言ったのです。そのようなときなのですから、少なくとも、ここでいままでの一切のことを片づける方向に、一歩強く踏み出すということがあってもいいように思う。どうでありましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/147
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148・郡祐一
○郡国務大臣 私も、同じようなものを新しくこしらえるよりも、借り入れるほうが安いのだから、というような役所の考え方は、あまりに消極的じゃないかということを言うておる一人でございます。ただ、現在のところ、大都市等の、借り入れようとしても借り入れられないようなところの建築のほう、国有のほうを急いでおります。そうした状態で追われている状態でございますから、将来の問題としては十分考えますけれども、いまのところ——決して借りたほうが安いからというような、目の先のことだけを申しておるつもりはございませんが、必要な国有のほうをとにもかくにも急ぐ、それに次ぐ問題として考えさせていただく、こういうようにお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/148
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149・金丸徳重
○金丸(徳)委員 次の問題として考えるということは、大臣の決意を大きく実現の方向に向かって、次の時期をねらうというふうに私は了解したいと思います。そうでなければならないと思うのです。
そこで、そのほかいろいろこまかい点につきまして触れてまいりたいと思いますが、時間のなにもありますから、ただ一言最後に。これは私の意見になるのでありますが、今度の改正におきましても取り上げられたのでありますけれども、たとえば郵便事業は、なけなしの金をさいて、盲人用点字だとか、あるいは盲人点字用の用紙というものは無料で送達するという、たいへん善政を施しておられるのであります。私はそういう意味におきましては、これは善政と申し上げたいのでありますが、ただこれは事業の何から言いますと、少なくとも合理的ではないのですね。それから学術雑誌についてのみ低料輸送を今度も掲げておられるのでありますが、低料輸送を希望する文化的、社会的な価値のあるものは、学術雑誌だけではなかろうと思います。そのほかに、たとえば通信教育というようなものについての資材でありますとか、あるいは種子その他についても低料輸送を考えておられます。これも、私は教育上の用具その他については、低料を望むものは通信教育だけではなかろうと思います。そして社会的にいっても、低料輸送が価値あるものというものは、通信教育だとか盲人用点字だとか学術雑誌だとかいうふうにあげてあるものだけではないと思いますが、そういうことをあげてくるというと、われもわれもと言って要求されてくると思います。どこで一体食いとめられるのか。これは事業経営からいいますと合理的ではないと思うだけに、これについては何らかの制限なり腹づもりがなければいけないと思うのでありますが、こういう制度を取り上げて、さらに今度の改正におきましても、学術雑誌について特に掲げてあるものですから、それについて、大臣はどういうお考えで、このほうをさらに拡張されようとなさっておられたのか。拡張の将来の見通し、限度というものをどこに置いておるのか。そういうものは広げれば広げるだけ、そうでなくても赤字になるところの郵便事業というものは、一そう赤字の原因を広げていくように思うのです。これは善政ではあるけれども、たいへん困ることになりはせぬかと思う。大臣のお考えを承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/149
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150・郡祐一
○郡国務大臣 確かに、学術に関する刊行物を低料扱いにすることは望ましいことでありますから、いたしたのでありますけれども、学術団体から継続して年一回以上発行する刊行物という条件でまいりましたときに、その学術団体の範囲等を限定することは、ある程度弾力を持たして考えたいと実は私は思っております。しかし、それはある程度権威のあるもので証明されなければいけないものだと思います。したがいまして、われもわれもという点は、かなり強くチェックしなければならない問題とは思いますけれども、いわゆる学術団体というものを非常に窮屈には考えずに扱ってまいりたい、この程度のことを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/150
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151・金丸徳重
○金丸(徳)委員 これにつきましては、大臣の提案の説明においても特に触れておりまして、おそらく今度の改正点につきましては、胸を張っておやりになったことではないかと思いますが、私は、基本的な考え方といたしましては、郵便事業というものの近代化をはかろうとするということになりますと、料金の合理性ということが先立たなければいけませんし、したがって、善政というようなことだけであってはいけません。いわんや、社会政策的な要素というものは取り入れてはいけないようにさえ、私は思うのです。もし、社会政策的に事業を考えなければならないということであるならば、これはもう基本的に、特別会計という範疇から出ていかなければいけないと思います。特別会計という大きなワクの中で働く限りにおきましては、社会政策というような考え方からはだんだん遠のいていかなければならないと思うのです。これはたいへんむごい言い方ではありまするけれども、私は事業の合理性、近代性を考えるから、そういうことを強く申し上げておるわけです。しかるにもかかわらず、今度もまた、学術雑誌ということを胸を張ってお出しになったばかりでなく、その他の点につきましても、何か世間ていを考えたといいますか、善政ぶったようなところがそちこちに出てまいるのであります。もちろん私は、それはいいことではありますが、それがただ、郵政事業従事員の善意を示すとか、お人よしを示すというようなことになってはいけないと思うのです。郵便事業は創始以来八十年、九十年、もう百年近いですが、元来が社会奉仕的な気持ちで進んでまいっておる。それが今日非常な事業経営の苦労をもたらした原因であろうかとも、私は思うのであります。しかし、その社会奉仕的な感じというものは、事業を非常に非近代的、非合理性におとしいれた大きなもとでもあろうと思う。そこで、今度のような合理化、近代化を目ざした大きな改正のときにおきましては、少なくとも考えの根本については、そこから脱却した思い切った非情性をも発揮してもらわなければなるまいと思うのであります。従業員の考え方の中において、そういうき然とした態度で仕事に携わる、世間にも納得してもらうということが必要ではなかろうか。
私は、三種以下の問題について、特にそういうことを考えましたものですから、大臣に特に要望を申し上げて、今度の改正につきましても、これから検討さるべき事項がたくさんあろうかと思いまするので、あわせてひとつその基本的なことについて——何か釈然としないものを残したままでこの時期を送りたくない、こう思うものでありますから、たいへんくどいようになったのでありますが、私の言わんとするところを御了解願えまするならば、この辺で大臣の御決意を承って、私の質問を終わることといたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/151
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152・郡祐一
○郡国務大臣 お話しの点、全くごもっともでございまして、今度の法律の改正でも、いままでの当委員会あるいは国会での御議論、郵政審議会の御議論等も取り入れてはおる部分が、いまの御指摘になりました点その他諸々ございます。しかしながら、それを貫きましての運用というのは、この料金の改定というものを国民にお願いいたしまして、私どもなり従業員一同非常な責任を持つのでございますから、そういたしますと、ある意味では、どこまでも事業本位に、非情の場合も起こると思いますけれども、それで、長い事業の生命というものを守り抜くという気持ちでいってまいりたいと思います。したがいまして、これをもとにしていろいろな点で広げていくような世上の御要望がありましても、そうした点については、断固とした態度で事業を守り抜くことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/152
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153・佐藤洋之助
○佐藤(洋)委員長代理 次会は、明六日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後五時三十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01819660405/153
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