1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年四月十三日(水曜日)
午前十時四十三分開議
出席委員
委員長 砂原 格君
理事 秋田 大助君 理事 加藤常太郎君
理事 上林山榮吉君 理事 佐藤洋之助君
理事 内藤 隆君 理事 畑 和君
理事 森本 靖君
綾部健太郎君 小渕 恵三君
金丸 信君 木部 佳昭君
佐藤 孝行君 志賀健次郎君
徳安 實藏君 服部 安司君
南 好雄君 安宅 常彦君
大柴 滋夫君 原 茂君
前田榮之助君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 郡 祐一君
出席政府委員
郵政政務次官 亀岡 高夫君
郵政事務官
(大臣官房長) 鶴岡 寛君
郵政事務官
(監察局長) 山本 博君
郵政事務官
(郵務局長) 長田 裕二君
郵政事務官
(貯金局長) 稲増 久義君
郵政事務官
(簡易保険局
長) 武田 功君
郵政事務官
(人事局長) 曾山 克巳君
郵政事務官
(経理局長) 淺野 賢澄君
委員外の出席者
郵政事務官
(経理局審議
官) 石井多加三君
専 門 員 水田 誠君
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本日の会議に付した案件
連合審査会開会に関する件
郵便法の一部を改正する法律案(内閣提出第三
一号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/0
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001・砂原格
○砂原委員長 これより会議を開きます。
この際、連合審査会開会の件についておはかりいたします。
ただいま本委員会において、審査中の郵便法の一部を改正する法律案について、物価問題等に関する特別委員会から連合審査会開会の申し入れがあります。これを受諾し、連合審査会を開会することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/1
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002・砂原格
○砂原委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
なお、連合審査会は、物価問題等に関する特別委員長と協議の結果、明十四日午前十時三十分より開会することとなりましたので、さよう御了承願います。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/2
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003・砂原格
○砂原委員長 次に、郵便法の一部を改正する法律案を議題といたします。
前会に引き続き質疑を続行いたします。畑和君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/3
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004・畑和
○畑委員 いままでの多数の質問者の質問によって、相当多方面にわたって、法案に関する問題、いろんな問題が浮き彫りにされたわけでありますが、私はまず最初に、広い一般的な問題について質問をして、それからそのあとにこまかい条文の質問をしたいと思います。
まず質問いたしたいのは、今度の審議会の答申と、今度の政府の提案の間の食い違い、その点についてお聞きいたしたいと思う。それと申しますのは、答申によりますと、昭和四十年度の見込み物数約九十六億通に対して、同四十五年度において約百十六億通、年平均増加は四億通程度と見込まれる、この物数の見込みがだいぶ違うんだ、そのために結局その食い違いができている、こういうふうに私も大体想像するんですが、これは一つの大きな原因だと思うのでありますが、そのように一応書いてあります。これを基礎として現行料金体系のもとで収入を推計すると、五年間で約七千百億円になる、こういうふうに五年間の収入を推定して、合計七千百億円、こういうふうに書いてある。それから一方支出の面では建設資金の適当な借り入れを予定したりいたしましても、なお最小限度この期間に約九千六百億円の経費を要するものと想定しなければならない。そうすると、したがって今後五年間、四十一年度から四十五年度までの五年間の見通しを基礎とする場合には、この差額が不足をする。七千百億円と九千六百億円、これの差額二千五百億ということになりますか、それが不足をする。そうすると、この五年間で平均三六・八%の増収を確保し得る料金改定が必要だ。こういうふうに言っている。ところでこの五年間というので。しかもこれだけ料金のアップということでは、見通しの問題もあるし、また一挙に多額に上げるということではということで、答申ではこれを三年間に限ってみた。四十一年度から四十三年度まで。その計算の方法でまいると、収入の見込みが四千百億円、それから経費のほうは建設資金借り入れ額を除いて約五千二百億円、そうすると差額が千百億円になる、こういうこと。五年間の場合が先ほど言った二千五百億、三年間の場合の差額が千百億、こういうようなことで推定をいたしております。
それで、五年間の場合には三六・八%の増収をはからなければならぬ、三年の場合には、これでいくと平均の値上げ率は約二九・五%の計算になる、アップになる、こういうことです。ところで、その結果、いろいろ答申で一種は幾らにしろ、二種は幾らにしろ、こういうような答申がある。
ところで、その答申とは今度の案は違っております。もちろん違っておる。こういった違いからも出てくることもあるかと思いますけれども、ただあまり違うので私質問するのですが、今度の案によりますると、五年間の予定で二八・八%のアップだ。
以上のことは間違いないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/4
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005・亀岡高夫
○亀岡政府委員 ただいま政府委員の仰せのとおりでございます。間違いございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/5
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006・畑和
○畑委員 一方今度は五年間で二八八%、こういうことになると、だいぶ答申の際の数字と食い違っておる。答申では、五年間の推算で三六・八%、三年間で二九・五%のアップ、今度の案では五年間でしかも二八・八%、こういうアップになる。先ほど言ったとおり、答申と違う。値上げ率や何かおのおの違うところもありますが、しかし、それにしても、あまりにもどうも違いがあり過ぎると思うのです。これは審議会での審議の際のいろいろデータ、資料が、物数の問題を中心としてだいぶずさんだった、こういうことが私言えるのではなかろうかと思う。しかも、あのときとだいぶたっているといっても、そんなにたってない。答申が出たのが去年の十二月九日ですね。そう何カ月も審議をやっているわけではない。それで、この案が提案されたのが、本会議で趣旨説明があったのがことしの三月十七日、こういうことで、そう時間がたっているわけでもないけれども、これほど違うのはどういうわけか。値上げをしなくてはならないというので、だいぶ郵政省当局のほうが吹き込んで、データを、少し物数などは過小に出して、答申のほうでこれでは値上げをたくさんしなくちゃならないということになることを考えに入れて、審議会のほうへいいかげんの資料を出したのではないか。あるいは、審議会のほうがそれとも非常にずさんだったか。この辺がわからない。この辺の食い違いをひとつわかるように説明してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/6
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007・長田裕二
○長田政府委員 お説のように、郵政審議会の答申の際の基礎資料、特に郵便物数の動向についての見込み方と、このたび当委員会に出しました資料の基礎になっております物数見込みとは、相当の食い違いがございます。郵政審議会の答申の基礎になっております今後の物数の見込につきましては、実は昭和四十一年度は、対前年比、昭和四十年度と比べまして四・五%郵便物数が増加する。これが逐次逓減いたしまして、四十二年度では四%、四十三年度は三・五%まで下がりまして、以後横ばいする、そういう見通しを立てていたわけであります。当時そういう見通しを立てましたにつきましては、実は最近数年来郵便物数がずっと逓減してまいりまして、前回の値上げをいたしました昭和三十六年度が対前年比七・六%、三十七年度七・四%、三十八年度六・七%、三十九年度五・七%というふうに逐次減ってまいりまして、四十年度におきましても、特に収入の面におきまして、年度の初めごろに前年と比べて四%前後しかふえない、そういう状況でございました。私どもはこの状況を、経済情勢と結びついた一時的な減少傾向なのか、それとも日本の郵便物数の一つの大きな流れをあらわしているものなのか、どういうふうに解釈するかということでいろいろ検討いたしたのでございます。外国の例などをとってみますと、アメリカ、イギリスともに、最近六年間の年増加率は二・六%でございます。ドイツ、フランスなども、実質的に見ますと三%前後ということなどから、日本の郵便もぼつぼつこの欧米諸国の郵便の増加率に近づいてきているのではなかろうかというようなことから、この際あまりに楽観的な見通しを持つことは相当警戒しなければいけないのじゃないか、英米ほどに二・六%までほどは減らないにしても、三%台くらいまで落ちていく、いまその過程ではないかという見通しに立ちまして、先ほど申し上げましたように、四十一年度四・五%、四十二年度四%、四十三年度以降三・五%という見通しを立てまして、これによって収入の見通しを立てたわけでございます。
支出につきましては、これは現在もうとりやめになりましたが、中期経済計画等も参考にいたしまして、人件費の増加率を定期昇給込みで年七%強を見込んで出しております。その他物件費等につきましても、種類によりましてそれぞれある程度の値上げ率を見たりして出したわけでございます。
その後、答申を受けまして政府の料金案を決定する段階にまいりますと、四十年度の物数の動向などもだんだん明らかになってまいりました。郵政審議会にお出ししました資料は、八月ごろつくりました資料で、四十年度の初めの、ほんの数カ月ぐらいのものを基礎にしておったのでございます。予算も固まり、料金決定案を固めるころは、もう十二月の資料でございまして、年度の半ばの資料は相当手に入っておったわけでございます。そういうものを検討いたしますと、郵便物数も、私どもが収入のほうとあわせて考えたほど、そうは減っておらないような状況が見えます。かたがた景気対策あるいは物価対策等につきましても、非常に精力的な努力が政府によって行なわれ出しております。また今後の郵便の動向につきましては、郵便業務の正常化の努力あるいは航空機搭載等の開始等もからみ合わせますと、日本の郵便はいま直ちに英米のような増加率の近くまで落ち込んでしまうということではなしに、まだもうしばらく五%前後は維持し得るのではなかろうか。郵便の信用回復等もからめ合わせますと、まだ外国と比べまして一人当たりの郵便物数は百通に満たない状況でございますし、アメリカの三百五十通、イギリスのほぼ二百通まではかりにいかないにしましても、百数十くらいのところまではまだ伸びる力を持っているのではないか。私どもの努力をからみ合わせますときに、年五%台くらいまで回復し得るのではないか、そういうような見通しに立ちまして、収入をまた見直した次第でございます。
支出の面につきましても、当初の三年間は別といたしましても、それ以後につきましては若干模様も変わってまいる。昭和三十年から三十三、四年ころまでの物価の安定した時代というものも、あるいはそれに近いような状態というものもあらわれる可能性はないわけじゃなかろうというようなことなどから、収入を主といたしまして、支出についても若干の再検討を加えました結果、五年間くらいは大体もち得るのではないかという見通しに立ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/7
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008・畑和
○畑委員 そうすると、物数の見込みの違いが収入の面の圧倒的な違いだった、中心の違いだった、それでさらに支出の面でも予測していた審議会での審議の際のデータよりももっと節約をして少なくできる、こういうような両方の要因が働いて、そして、答申では三年間で二九・何%だったけれども、五年間についてそれで二八・八%で済む、こういうような見通しがついたからこの程度になった、こういうようにおっしゃるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/8
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009・長田裕二
○長田政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/9
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010・畑和
○畑委員 そこで、あまり責めるわけじゃないけれども、あまりに短期間のうちにこう変わるのでは、一体今度の提案のデータがこれでまた評価が違ってくるのではないかという心配をわれわれはするのです。いまの局長のお話だと、去年の上半期の初めころのデータが結局審議会でのデータになった。ところでその後の時間の経過で、今度の答申のデータになったのは、そうするといつころのものがデータになったのですか。その片一方は去年の何月ころ、片一方は去年の何月ころ、それでおっしゃってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/10
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011・長田裕二
○長田政府委員 十一月ころまでのデータであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/11
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012・畑和
○畑委員 片一方は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/12
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013・長田裕二
○長田政府委員 これは六月ころまででございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/13
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014・畑和
○畑委員 そうすると、六月と十一月とこう違うのでは、ぼくは心配だな。そうするとまた今度のやつが動いてくる可能性がないではない。初めのうちはだいぶ不景気だった。公債政策などがまだはっきりしない時代だったかどうか知らぬけれども、そういうことも今度は織り込んでやったのかもしらぬが、とにかくわずか六カ月くらいの違いでこう違うようではちょっと困ると思うのです。世界の趨勢、先進国の郵便物の伸びがだんだん鈍化しておる状態、これはいろいろ私は電話や何かの普及ということもあるし、もうちょっとしたことは電話で済ましてしまう、日本も確かにそういう傾向がどんどん出てくると思う。われわれも、めんどうだから手紙は書かない。電話が普及してくると、電話で返事をもらってしまう。そのほうが早い、安いというような関係もあって、それでだんだん電話や何かの普及と同時に郵便でやるのが少なくなる、こういう傾向もあると思う。確かにだんだん先進国ほどそういった傾向はあると思う。その傾向に非常に気を奪われて伸び率を非常に少なく見積もったけれども、その後のデータと公債政策や何かの関係を考慮に入れて、日本の場合はそんなことではない、まだまだ伸び率があるというふうに修正をされたと私は思うのですが、修正されたにしてはあまりに短期間でのデータが違い過ぎるのじゃなかろうか、こういうふうに思うのです。その辺どうお考えになりますか、これはひとつ大臣のかわりの次官にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/14
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015・亀岡高夫
○亀岡政府委員 畑委員も御承知のとおり、昨年当初から上半期にかけましてすでに日本の経済情勢が御承知のような非常にどん底といわれる情勢にあったわけでございます。したがいましてそういう影響が物数にも響いてまいりまして、そういう資料を基本にして見通しを立てましたために、郵政審議会に提案したときの資料と、その後の政府の景気回復の努力並びに物価安定対策等の強力な推進によりまして、さらに画期的な公債政策等を採用いたしました等の、経済上から見まして非常に激動期といわれる段階でございまして、半年の期間という——平常の年でございますると、たしか畑委員のような御疑問も出るかと思いますが、昨年は特殊の年であるということで、こういうわずか半年の間に見通し等についてさらに配慮を加えなければならなかったという事情等も御了承をいただけるものと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/15
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016・畑和
○畑委員 これは結局、結果的にはこの五年間で二八・八%くらいで済んだということだから、やはり国民の負担が軽くなったということだから、喜ぶべき現象ではありますけれども、これはあまり見込み違いもはなはだし過ぎると思うのです。この辺もっと慎重な検討をしていただきたいと思うのです。これは要望でございますので、これ以上深追いはしませんけれども、あまりに食い違いがひど過ぎるので、この点最初に質問をいたしたわけであります。今後ひとつ気をつけてもらいたい。物数の伸びの割りなんかも、今度の資料によるとだいぶ前と違っておりますね、非常な違いだと思うのです。このとおり伸びれば非常にけっこうだと思うのです。これがまた減るようだと今度はあなたのほうの責任になりますから、これはよほど企業努力も要りますけれども、げたを預けておきますからね。一度少なく見積もってまた多く見積もって、今度また少なくなりまた値上げしてくる、こういうことじゃ困るから、その辺はよほど慎重にやらなければ困ります。
それからその次に伺いたいのは、提出いただきました資料のとじてあるやつ、これによってちょっと質問をいたしたい。これで見ますと、収入が四十一年、四十二年、四十三年、四十四年、四十五年と五カ年間計画として出ていますね。収入合計が七千二百五十二億九千万円ということです。これが五年間の総収入。その中に直接収入と間接収入がございますが、この間接収入というのは何ですか。まず聞きたい。これはどなたでもいいですから答えてください。例を言ってくれますか、二百二十五億一千四百万円、どんなものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/16
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017・長田裕二
○長田政府委員 間接収入は、雑収入の郵便割り掛け分、それから放送収入を加えましたものから歳入歳出金取り扱い費を減額したものでございます。雑収入は、これは収入印紙の売りさばきの手数料あるいは宿舎の貸し付け料、病院収入、そういうようなものを各事業の合計割合と申しますか、そういうものでそれぞれの事業に割りかけて戻すわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/17
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018・畑和
○畑委員 そうしますと、いま言った収入の合計が五年間で七千二百五十二億九千万円、それから支出の合計が九千百九十三億一千五百万円、それの結果の差し引きが第三番目に出ておって、千九百四十億二千五百万、これだけ差し引き不足である、こういうことになりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/18
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019・長田裕二
○長田政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/19
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020・畑和
○畑委員 その次の増収額というのは、今度値上げをするとこれだけ各年度で増収になる。その五年間の合計が千九百四十四億二千九百万円ということになる。こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/20
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021・長田裕二
○長田政府委員 仰せのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/21
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022・畑和
○畑委員 それからまた次の、剰余金、これは一番最初の四十一年度五十九億八百万円、この四十一年度の剰余金は全部建設財源に充当、こういうことですね。それから四十二年度はそのまま残る。四十三年度は結局はこれだけ赤字である。四十四年も赤字、四十五年も赤字。そして全部を合計すると、建設財源のほうへ充当したものを考慮に入れれば大体パーだけれども、建設勘定そのまま出しちゃったことになると最後の五年間のしりは五十五億四百万円不足だ、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/22
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023・長田裕二
○長田政府委員 仰せのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/23
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024・畑和
○畑委員 そういたしますと、この五カ年間で大体とんとん、建設勘定に入れただけ不足する。これはどうなんですか。最後には建設勘定との関係はもう出し切りになるのですか。どういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/24
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025・長田裕二
○長田政府委員 損益計算上はとんとんということになりますが、建設の財源に充当してしまいましたので、それをまたあらためて引き出して使うということは、売却でもいたしませんければできないわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/25
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026・畑和
○畑委員 そこで次にまいりますが、この表のC以下ですね、近代化の五年間の総合計はこのとおり間違いないですね。一番最後のしりになっていますが、百七十二億六千六百万円。近代化関係の機械化関係、それから航空機搭載、番号制度、これらの近代化合計が百七十二億六千六百万、これは間違いないですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/26
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027・長田裕二
○長田政府委員 一応近代化をどういうものをあげるかということにつきましては、いろいろ考え方がございますが、その中からここに機械化とか航空機搭載とか番号制度とか、非常に新しいものと言いますか、そういうものだけを抜き出しましてお目にかけたわけです。この金額は間違いございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/27
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028・畑和
○畑委員 そこで伺いたいのですが、これは大臣に聞かなければならぬのだけれども、あとで大臣には聞くとして、——もっとも事務当局のほうの答弁で、それが私に氷解できればそれでいいのですけれども……。私、昨夜調べておりましたら、ちょっと疑問になったのです。この前大臣は今度の値上げ増収分のうちから、どのくらいの割合が近代化に振り向けられるものであるか。とにかく積極面もある、佐々木さんの質問に対してそう答えた。ただ単に足りないというだけじゃありません。こうして近代化を同時に進めるのです。そういう積極的な目標も一つある。大体どのくらい近代化に使うんだ。こう言ったら目の子勘定で約三割です、こういうふうなお答えをなさった議事録を私見たのですが、ところで、いまこれを拝見しますると、増収額総合計五年間で千九百四十四億余り、そのうち近代化は合計で百七十二億だ、こういうことになると、一割にも満たないというような計算になりますが、これは何かほかの理由があるのですか。それとも大臣の考え違いというのか、その辺大臣がおるといいのですけれども、この辺事務当局で多分こういうことの間違いだろうとか、あるいは間違いでなくて実はこうなんだ、これこれで答弁には間違いないんだというようなことがございましたら、ひとつ事務当局のほうでかわって答えてもらってもよろしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/28
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029・長田裕二
○長田政府委員 四十一年度につきましては、先日大臣も申されましたが、剰余金を五十九億建設のほうに振り向けております。局舎の問題も近代化の一環というふうに考えれば考え得るかと存じます。それからこれはいろいろな見方でございますけれども、たとえば電話などにつきましては、将来電話の増設をする資金ということが非常に大きな問題になっております。郵便につきましてはあまり目立ちませんし、しかもこちらが積極的にいたすこともないものですから、従来そういう考え方をとっておりませんが、たとえば年に五億通ずつ郵便がふえてくる。これをこなしていくということも従来の程度のものを送達していくということから見ますと、いわば電話の増設にも匹敵するというような考え方もなし得るのではないかというふうに考えます。そのために必要な人員、年々四千人余りというもの、あるいはそれの人件費あるいは物件費等も、やはり郵便事業が伸びていくために当然必要な経費、人件費の単価のアップはちょっとそういう中に考えるわけにはまいらないかと思いますが、物量のふえますのに対応する人件費、物件費の増加というものは、そういう把握のしかたもできないわけではないのではないかというふうにも考えられるわけでございます。
それから四十二年度につきましては、この表でごらんのとおりに、機械化、航空機搭載、郵便番号だけで五十五億、この年はわりあいに多い年でございます。五十五億を局舎のほうにも振り向け得ますので、剰余金が約二十億近くありまして、合わせますと七十数億になるわけでございます。これらに増員等の問題あるいは集配運送量の増加、都市内あるいは近郊、近県に対します増加、これはここに金額は別に抜き出してはおりませんけれども、そういうものを考慮いたしますと、ほぼああいうような数字にもなり得るのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/29
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030・畑和
○畑委員 それにしてはちょっと差があり過ぎるね。百七十二億、このほかにいま言った最初の建設資金五十九億——約六十億をプラスすると二百三十億になる。これだけははっきりしておる。ところでいまあんたが言われたようなことで近代化をすればするほど、人手は節約できるようなものだけれども、また同時に人も要るというふうな反面も確かに出ているわけですね。そういう点で人件費もかさむということで、あれやこれやでこうおっしゃるんだと思うのだけれども、千九百四十四億という増収額の総合計、これの約三割だと申せば、約六百億近くの数字にならなければならぬ。いまのお話によると、私たちはまだその半分にも満たないような感じがするのです。どうも三割積極的に近代化に使っておりますということはちょっと言い過ぎじゃないか。せいぜい二割くらいということじゃなかろうかと思うのですが、あなたの説明だけだと詳しいデータになっておりませんから、ちょっと私には了解しにくいのです。しかしこの辺は大臣が答えたのですが、あなたもやはり三割というくらいに考えておられますか。その辺はこまかく計算すれば三割くらいになる、概略はあなたはいろいろおっしゃったけれども、しかしちょっと三割にはならぬ。大臣の数字が多過ぎたと思うか、それともそれでいいのか、その辺はどうなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/30
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031・長田裕二
○長田政府委員 四十二年度までにつきましては、集配運送費の増高とか、あるいは物件費等の一部も加えますと、ほぼ三割近くなるのではないか、そういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/31
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032・畑和
○畑委員 いま議論しておってもなかなか先へ進まぬから——私はちょっと疑問に思いましたから、この点を申し上げたのです。
それから、その次にひとつお伺いしたいのは、郵政事業特別会計、それと簡易生命保険並びに年金の特別会計、それと郵便貯金の特別会計、この三者の特別会計の関係をひとつ説明していただきたいのです。それから、郵便事業特別会計の中には、郵便事業とはということで、郵務だけではなくて貯金、保険、みな入っております。もちろん郵政省が全部をやっておるわけですから、別にきちっと簡保なら簡保、貯金なら貯金ということには分けられない。主要貯金局ならはっきり貯金の一本だけれども、末端の局あたりはいろんな仕事をしておる。そういう関係もあって、ずばりと割り切れない。したがって、貯金関係で諸掛かりや何かも負担しなければならない、保険関係でも同様だというようなことで、そういうために一応入れておるけれども、その中でまた簡保と貯金のほうは、別の特別会計になって区別をして明確にするということになっておると思うのですが、その辺はどういうことにやっておられるか聞きたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/32
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033・石井多加三
○石井説明員 お答え申し上げます。
郵政事業特別会計と郵便貯金事業特別会計、それと簡易生命保険郵便年金特別会計、それぞれただいまお話にありましたとおり別々の特別会計になっておりますが、郵政事業特別会計におきまして、貯金それから保険の両特別会計から委託を受けまして、郵便貯金あるいは簡易保険の事業の運営を委託されておるわけでありますが、その委託されて運営するに必要な経費を、予算上必要なだけをそれぞれの貯金、保険の特別会計から繰り入れをしてもらって、郵政事業特別会計においてこれを一本にして運営をしていっておるというふうに相なっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/33
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034・畑和
○畑委員 そうすると、郵便事業特別会計の中にこれが一番の大きなもとであって、郵務関係などはそれ一本だ。ところが簡保と貯金のほうは別の特別会計があって、それと郵政事業特別会計との間で経費の負担その他について繰り入れたり繰り出したりする、そういう関係になっておる、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/34
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035・石井多加三
○石井説明員 郵政事業特別会計においてそれぞれ貯金、保険の両会計から委託を受けてやって、郵政事業特別会計においては、郵便事業のみならず貯金も保険もまとめて経営しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/35
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036・畑和
○畑委員 そうしますとどういうことになるのでしょうか。特別会計だからあくまで簡保と貯金のほうは別になっておりますけれども、しかし大きな意味では郵政事業特別会計の中に入るというような見方はできないのですか。全然別ワクですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/36
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037・石井多加三
○石井説明員 それぞれ別々の特別会計でございますので、ただいまの御質問のように入るということは考えられません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/37
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038・畑和
○畑委員 私も、特別会計になっておる以上、入るとは思わないのですが、ですけれども、その間で繰り入れたり繰り出したりすればいいわけで、それで私は、今度の値上げの問題に関連しましてほかの方から質問されましたけれども、簡保や年金は利用者がきまっておって、もうけがあればそれに配当したりというような関係で、ほかに繰り出したりすることはできない。性質上これは無理かと思うが、貯金のほうなどは、それをやる意思がありさえすれば、今度の値上げをしないで、貯金の剰余金を郵政事業特別会計に繰り入れをして、それで郵便料金の値上げをせずに、あるいはするとしても小幅にすることができる、こういうことはやればできるのではなかろうかと思うのです。この点はどうでしょうか。やるつもりならできると思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/38
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039・稲増久義
○稲増政府委員 郵便貯金特別会計をつくりました趣旨は御承知のとおりであります。郵便貯金特別会計法の四条におきましても、「郵便貯金の事業の業務の取扱に関する諸費及び同事業の業務に必要な営繕費は、郵政事業特別会計の歳出として支出する」というふうな項目がありまして、その四条のたてまえから、われわれは繰り入ればいたしますが、事業に必要な経費だけを繰り入れればいい、こういうことに相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/39
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040・森本靖
○森本委員 そうすると、この場合毎年毎年残っていく剰余金は最終的にはどうするのですか。その条項はどこにあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/40
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041・稲増久義
○稲増政府委員 九条でございます。「この会計において、毎会計年度における損益計算上利益を生じたときは、これを積立金に組み入れて整理するものとする。」損益計算上積み立て金に繰り入れております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/41
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042・森本靖
○森本委員 積み立て金としてだが、剰余金として積み立てていって、その金額がどんどんふえていったらどうなるということになる。どこへ使うというのか。いまの率でいけば、年間六十億ないし七十億はふえていくわけだ。すでに現在四十一年で三百億こしているわけですから、これは四、五百億になるのはもうあと一、二年でなるわけだ。そういう意味では、貯金特別会計の剰余金については、この九条によって積み立てていっても、その金を一体最終的にどこへ使おうとするのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/42
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043・稲増久義
○稲増政府委員 この積み立て金は、今後の金利の変動その他事業の近代化、機械化等に抽象的には使うわけであります。ただいまどんどんふえていくのではないかというお話でございますが、御承知のとおり支払い利子も、いわゆる貯金の種類が定額に片寄ってまいる傾向がございまして、支払い利子もふえてまいります。繰り入れ等につきましても、人件費のアップ等で今後相当繰り入れもふえてまいりますというふうなこと、あるいは郵便貯金の伸びも、ここ数年のような対前年度三〇%、四〇%増加というようなこともございませんので、それこれ考えまして、われわれ現在これらを前提といたしまして剰余金を考えますと、だんだん減ってまいる。それと呼応いたしまして、利ざやもだんだん減ってくる。四十七年ころには、剰余金で年間三十三億ぐらい、利ざやで〇・〇四というふうに、だんだん剰余金も利ざやも下がってまいりますので、どんどんふえるというような考え方は持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/43
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044・森本靖
○森本委員 四十七年で三十何億になるという計算ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/44
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045・稲増久義
○稲増政府委員 ただいまはその年度で百億くらいずつふえておりますが、四十七年ころになりますと、その年度で三十三億ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/45
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046・森本靖
○森本委員 それは四十七年度には結局四十何億剰余金が出る、こういうことであって、そうすると四十七年度にはいまの計算からいったら剰余金が何ぼになっておるか。いま四十一年だから、四十七年度にはもう五百億をこしておるはずだ。そうだろう。四十七年度に四十何億ですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/46
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047・稲増久義
○稲増政府委員 もちろん五百億以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/47
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048・森本靖
○森本委員 だから、いまの答弁ではその五百億以上こしたような金を、はっきりいってそんなに使うことはないわけですよ。その余った金はどこへ使おうとしているのか。漫然として毎年毎年積み立てていって、結局私が言うように、最後には大蔵省にとられるのじゃないか。それは全くばかげた話じゃないか。だから今年度三百十何億あるとするならば、郵便料金の値上げが二百八十億ですから、とにかく二百八十億というものをこの中から出しておいても、今年度はやろうと思えば郵便料金の値上げはしなくても済むということがいえるわけです。
そこで、第四条の場合ですけれども、第四条の場合でも、これは要するにいまの繰り入れの単価をふやせばこれは問題ないわけだ。大蔵省がそれを承認するかしないかだけの問題であって、法律的には、第四条があっても、いまの三百十億円の積み立て金の中から二百億前後郵便貯金特別会計から郵政事業特別会計に入れようということに政府が政策的にきめれば、法律的に違反でないでしょう。これは経理局長に聞いておきたいが、その場合法律的に違反ではないでしょう。政策的にきめたら法律違反じゃないはずだよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/48
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049・石井多加三
○石井説明員 お答えいたします。
郵政事業特別会計に繰り入れします額につきましては、この業務に必要な経費はというふうになっておりますので、必要でないものまでを繰り入れすることはできないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/49
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050・森本靖
○森本委員 その必要な経費として、政策的に、たとえば郵便貯金特別会計から、大体一点単価当たり何ぼという形でおそらく繰り入れていると思いますが、その単価を上げればいいわけであって、法律上はこれは違反にはならぬと思う。だから第四条を有効に、いわゆる政府が政策としてそれをきめて、そうして一点単価を上げて郵政事業特別会計の中ではどんぶり勘定で使えば、これは法律違反にはならぬと思う。時の内閣で、これを閣議決定して、そういうふうにやろうとした場合に、それは法律違反になるのかね。法律違反にはならぬはずだ。要するにあくまでもその場合は郵政事業特別会計に繰り入れる単価を上げるわけなんだから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/50
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051・石井多加三
○石井説明員 単価の問題につきまして、それを必要でない範囲にまで単価を上げるということは、やはりできないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/51
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052・森本靖
○森本委員 必要であると認めてやればいいわけじゃないか。そこは政策の問題だから、法律違反になることはやってはならぬけれども、政策としてたとえばそれじゃ郵便料金が一点単価当たり十円なら十円というものを十五円なら十五円に値上げして入れればいいわけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/52
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053・石井多加三
○石井説明員 郵便貯金特別会計法の一条の「郵便貯金の事業の健全な経営に資し、その経理を明確にするため、」という特別会計設置の精神に違反することになると思いますので、ただいまおっしゃるようなことはできないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/53
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054・森本靖
○森本委員 これは読んで字のごとく、「郵便貯金事業の健全な経営に資し、その経理を明確にするため、特別会計」云々ということであって、実際問題としては、下のほうでは、貯金やら郵便やら電信やら電話を一緒にやっているわけだから、あなたのほうはそれを分計定員として無理に分けているのだから……。それじゃ試みに聞いてみるが、この貯金の特別会計から郵政事業特別会計に繰り入れをしている、いわゆる繰り入れの基準はどういう基準になっておりますか。一般市中銀行と比べてどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/54
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055・稲増久義
○稲増政府委員 郵便貯金と銀行とのコストの比較でございますれば、郵便貯金はコストといたしまして六分五毛でございまして、普通市中銀行は五分八厘八毛でございますが、これは支払い利子率の当座の無利子の点がございまして、支払い利子率が非常に安くなっておりますので、コスト全体はかようでございますが、事務費に関連いたします経費率だけを見ますと、郵便貯金が一分八厘三毛、全国銀行の事務費の率は一分九厘一毛五糸ということで、郵便貯金のほうが経費率は下でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/55
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056・森本靖
○森本委員 その答弁ではわからぬ。それじゃもう一ぺん聞くが、要するに六分五厘で預託してやっておるわけですが、一般市中銀行の場合は、実際問題として貸し付け金利は平均してどの程度になっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/56
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057・稲増久義
○稲増政府委員 八分から一割程度と聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/57
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058・森本靖
○森本委員 八分から一割ということになると、郵便貯金の場合は六分五厘でやっておるわけだから、市中銀行から見ると国営ですから相当の差が出ているわけでありますが、しかしそれにしても六分五厘でやってさえ三百十何億というものがもうかっている。ましてや一般の民間市中銀行というものはどれだけもうけがあるかということがおよそ想像がつくわけでありますけれども、いずれにしても第一条の「郵便貯金の事業の健全な経営に資し、」云々ということによって、これを繰り入れすることができないといまの答弁では言っておるけれども、実際問題として郵便の単価としては六分五毛ということで繰り入れをしておるわけですか、郵便貯金特別会計から郵政事業特別会計に繰り入れするところの基準は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/58
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059・稲増久義
○稲増政府委員 それぞれ積算いたしまして、この率で繰り入れておるわけじゃございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/59
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060・森本靖
○森本委員 その積算の根拠を示してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/60
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061・石井多加三
○石井説明員 貯金の業務の取り扱いに必要な人員、それからいろいろの物品あるいは奨励費といったようなものを積算いたしまして、それを予算で繰り入れをしてもらっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/61
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062・森本靖
○森本委員 これはいずれ自分の質問のときやろうと思っていたが、ちょうどいい時期でありますから、これは非常に大事なことでありますので……。
あなたのほうは、いま盛んにこれは法律上できないということを言っておるけれども、それなら一体積算の単価はどういう単価であるかということを聞いておるわけだ。いまのような答弁では答弁にならぬ。積算の単価というものは、具体的に一体どういうような単価であるかということをこまごまと出してこなければ、それが正しいかどうかわからぬ。だって四十七年には五百何十億も余るというような貯金特別会計の勘定だろう。しかも一般の民間市中銀行は八分から一割の貸し付けを行なっておる。ところが郵便貯金については六分五厘しかない。それにおいてすら四十七年には五百億をこす剰余金が出ると言っておるわけだ。だからそういうことを考えた場合には、一体それじゃ郵便貯金特別会計から郵政事業特別会計に繰り入れをする健全な繰り入れの方法というものはいかなる方法であるか、その内容の積算根拠というものを明らかにしてもらわぬことにはわからぬわけじゃないですか。これは経理局長が来なければだめだ。経理局長は一体どこに行ったのだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/62
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063・稲増久義
○稲増政府委員 抽象的に申し上げますと、予算に基づきまして郵便貯金固有の経費につきましてはその全額でございます。また共通の経費につきましては、定員比によりまして分担いたします。建物等に伴います経費は、貯金が使っておる坪数の比率によりまして分担をいたします。抽象的にはそういう三つのやり方になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/63
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064・森本靖
○森本委員 固有の金額、定員によるもの、建物の坪数、これではちっともわからぬ。私の言うのは具体的にどういうふうになっておるかということです。たとえば国会内の郵便局においては、一体貯金特別会計から繰り入れる単価はどうなっているかということを具体的に出してこなければわからぬじゃないか。だから郵便貯金の定員当たり幾らなら幾ら。建物の坪数が何ぼなら何ぼ。固有の業務については全額というのはどういう意味かね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/64
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065・稲増久義
○稲増政府委員 為替貯金事業に従事しております従業員にかかわる人件費、物件費でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/65
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066・森本靖
○森本委員 そういうのは、特定局ではどういうふうに出すのか。たとえば窓口で為替貯金と郵便を一人で全部やっておるところはどういうふうに出すのかね、無集配局では。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/66
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067・長田裕二
○長田政府委員 新しく郵便局をつくったりする場合におきましては、たとえば二人局、三人局などがございますが、三人局の場合に例をとりますと、予算では貯金事業が一・一人を分担いたします。郵便が〇・五人、保険と電気通信が〇・一人ずつで、共通部門が一・三人を分担いたします。この場合具体的な人はそういうふうに分けるわけにはいきませんが、計算上はこういうものを累積いたしまして、貯金事業が無集配局で何人、集配特定局で何人というふうに出しまして、その人件費あるいはそれに必要な物件費等を積算して出すわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/67
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068・森本靖
○森本委員 それでは四十一年度の郵便貯金特別会計から四十一年度の予算における郵政事業特別会計に繰り入れておるところの積算単価を明らかにしてもらいたいと思います。いわゆる郵便貯金特別会計から郵政事業特別会計に繰り入れておるところの総金額の積算根拠を明らかにしてもらいたい。——これは法律違反じゃない。政策としてやらぬだけだ。
〔発言する者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/68
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069・砂原格
○砂原委員長 発言を求めて御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/69
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070・石井多加三
○石井説明員 お答えいたします。
四十一年度の予算では、先ほど貯金局長が申しました事業上の直接費と申しますのは、職員の五万三千九百九十一人、これが直接の人員でございますが、それの関係の給与、その他経費がございます。それらを合計いたしまして五百四億三千八百四十七万という数字でございます。職員俸給で二百三十五億等、いろいろございまして、そのほかに総がかり費がございますが、その五百七十二億の分担を事業別の定員で割り振りまして、貯金の関係の割り振られたものを予算上繰り入れることになっておるわけでございます。なお詳細は別途資料をつくってお出ししたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/70
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071・森本靖
○森本委員 いまの答弁でわかったことは合計五百四億、給与が二百三十五億、これだけだ。あとの積算単価は一つもわかっていない。要するに私が聞きたいのは、給与の二百三十五億というのは五万三千九百九十一人を割って出した単価だろうと思う。これは郵政事業特別会計の他の職員と均衡をとって割ったものであろう。ところがその他の物件その他についての単価、建物の単価、積算根拠、こういうものについてはまだ明らかになっていないわけだ。私はここで長いことこの問題はやろうとは思いませんけれども、ただ、これは郵務局長も——大臣がこの間答弁したことと、いまの答弁とはちょっと違うんだ。というのは、大臣はこの間この問題については、余っているということはよくわかっている、使おうと思えば使えるけれども、今度の場合は政策的に使わないんだというふうな意味の答弁をしておったと思うのです。きょうになって、これは法律上絶対に使うことはできないんだ、こういう答弁ですが、これは法律上使えないということはないはずなんだ、実際問題として。これは、繰り入れの単価をある程度政策的に上げれば使えるんだ。郵政省が大蔵省の肩を持つ必要はないんだ。もう一ぺん経理局長はっきり答弁してくれ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/71
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072・淺野賢澄
○淺野政府委員 いきさつを承っておりませんが、現在の郵政会計、貯金事業特別会計、保険との関係から参りまして、業務上必要なるお金を郵政会計に繰り入れるようになっております。したがいまして、先生おっしゃいますように必要なお金は当然郵政特会に繰り入れることになるのでございますが、困りますのは、貯金にしましても、保険にしましても、郵便にしましても、人件費が大半でございますとおのずからそこに幅がきまってしまいまして、物件費の面はわずか二割くらいしかございません。その物件費の内容を見てみましても人件費的な義務費が多うございますから、単価をふやすという面につきましては非常に幅が狭くなってくるわけでございます。したがいまして実際の面におきまして、予算の折衝段階におきましても大幅にふやして持ってくるということはできないように相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/72
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073・森本靖
○森本委員 できないように相なっておると言うが、この第四条で単価をふやせばできるんだろうと言っておるんだよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/73
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074・淺野賢澄
○淺野政府委員 たとえば既定経費等を見ておりましても、これは先生のおしかりを受けるかもしれませんが、人に伴う経費を上げろということになりましたら、上げられますが、実際問題としまして各省同じ基準でやっております。それから、こういう事業の場合には若干多く見てくれておりますが、これは事業全体、やはり同じ一つの基準が出てまいっております。したがいまして、国の方針としてきめればおっしゃいますように可能ではございましょうが、しかしそれはやはり、やりましても一定の幅がございまして、ほとんど目に見えて大きな額になるのはむずかしいのではないか、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/74
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075・森本靖
○森本委員 そうするとその剰余金はどこへ使うんだね。四十七年度には五百億をこすという剰余金はどこへ使うのかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/75
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076・淺野賢澄
○淺野政府委員 ただ、いまそういうふうに申し上げましたが、とは言いながら新しいサービスアップ、こういった面には極力、いたずらに利益金をふやすばかりでなく御指示のようにこれは繰り入れを行なって使っていかなければいかぬと思います。ただこれは貯金事業に使っていくことになっております。貯金の面におきます窓口サービスとか、それからPRに伴う経費とか、こういつたものには極力大蔵と折衝いたしまして使ってまいらなければならぬ、これはおっしゃるとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/76
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077・森本靖
○森本委員 おっしゃるとおりでございますと言ったところで、まだ使う計画は一つもないわけであって、四十七年には五百何十億になるということをいま貯金局長が答弁しておるわけだから、その貯金特別会計に——あなたのほうは貯金とか保険とか郵便とかというふうに、なるほどこれは予算の構成ではぴしっと分けておる、しかしながら実際に仕事をしておる者は貯金であれ保険であれ郵便であれ、みんなどんぶり勘定の仕事を下ではしておるわけだ。だからその金が入ってきてみんなに潤うことになれば、郵政事業の従業員としては何ら文句を言うはずはない。下では貯金も保険も郵便も一緒に込めて仕事をしておるわけだ。その証拠にあなたのほうでは総合服務でしておるじゃないか。貯金は何ぼ、保険は何ぼ、郵便は何ぼという定義をはじいておりはせぬじゃないか。あなたのほうは十名でこれをやりなさい、こういうことでやっているんだろう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/77
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078・淺野賢澄
○淺野政府委員 総合服務の局におきましても、たとえば特定局を設置いたしました場合に、貯金の定員の持ち分を三人のうちで一・五人、こういうふうにいたしますように、予算上におきまして一応はっきり分けております。したがいましてそれに相応する分につきましては業務上必要なる経費として全部貯金会計から持ってまいっておるわけであります。総合服務局におきましても一応貯金の分担は定員の面からもそういう点は明確にいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/78
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079・森本靖
○森本委員 それは書類上明確にしているだけであって、人間を〇・五とか一・五とかに分けられるかね。書類の上で君たちが分けておるだけのことであって、現場におる人間を〇・五だから首から上をちょん切って使うのか。そうじゃない、これは貯金が忙しいときには貯金もやるし、郵便が忙しいときには郵便もやる。ただ年間をずっと区別して一応の計算上はじいておるだけのことであって、実際に下で仕事をしておる者は、あなた方のように、あなたは経理局長、あなたは貯金局長というふうに、そう判然と分かれていないのですよ。貯金も保険も郵便も同じように仕事をしておるわけだ。忙しいところはお互いに助け合ってやっておるわけです。そういうふうな実際の現場の実態からして、ここに郵便事業特別会計でそれだけの剰余金があるというなら、何もこれを宝の持ちぐされみたいに積み立てておく必要はない。こういうのがいま社会党が盛んに言っておるところの筋なんです。特にいま物価問題を論ぜられておる最中において、何も郵便事業特別会計というものに——郵便事業というものが相当赤字になりつつあることは現実の問題としてこれはだれしも認めざるを得ない。ただしかし今後これだけものがどんどん上がって、物価上昇については、政策的にも総理大臣は五・五%で物価をとどめたい、こういうことを言っておるわけです。そういうときに二百八十億も上がるということは、やはり他の物価にはね返っていく。その場合に、できることならば今後一つも値上げをしないというやり方がよかろう。それをやるにはいま言った方法があるのだ。実際に三百十億円からの郵便事業特別会計の剰余金があるわけだから、それを政策的に使ったらどうか。君たちは法律上使えません、こう言うから、それじゃ大臣の意見と違うじゃないか、大臣は政策的に使おうと思えば使えるけれども、それはいたしません、こういう答弁をしておるわけだ。そのように意識統一をしてから大臣答弁してくれ。ちょっと経理局長に聞いてみてくれ。それは法律上できませんと言っただろう。ところが大臣は、政策的にそういうことはやりません、こう言っておるのだよ。——経理局長じゃだめだ。大臣が最終的に意識統一して答弁しなければだめだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/79
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080・郡祐一
○郡国務大臣 私はやはりこういう特別会計そのもののあり方というのは、この貯金の特別会計は剰余金を将来——確かに私もこの計画はもらっておりますが、これはいつか森本さんが御指摘になったように予算の上であらわれているのはほとんどございません。したがって、剰余金は剰余金のままでいっておる、積み立てられております。しかしながら郵便貯金のために使うということは考え得ることでございましょうけれども、いまのああいう特別会計のあの立て方でいけば、あの特別会計の精神というものは、やはりそれを他に持っていくということは考えていない特別会計の立て方だと思います。ただ先ほどお話しのございました、これは実際全体を見て、予算のときの折衝だと思いますが、繰り入れを少しでも有利にいたすというようなことは、ことしの予算の折衝での繰り入れの状況というのは、あれで、あれが限度だということじゃなくて、繰り入れというのはもっともっと折衝の余地があり、そこに少し力を入れてみるほうが得と申しますか、いいことだなという感じはいたします。しかし特別会計そのものは、やはりそれぞれの特別会計の独立性と申しますか、特殊性を保っていくのだということかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/80
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081・森本靖
○森本委員 特別会計の独立性を保っていくということは大臣のおっしゃるとおりでありますが、ただ私が言っておるのは、そういう場合に剰余金がそこにせっかくあるのであるから、保険特別会計の剰余金については、これは先ほど畑さんも言われたとおり、配当金その他について回さなければならぬから、これを使うということはちょっとおかしいけれども、貯金事業の特別会計の剰余金については、これを政策的に今年は郵政事業特別会計にちょっと余分に入れたい、そうしてこの値上げについてはある程度おくらすならおくらすというふうな政策を時の内閣によって決定するとするならば、これはやり得る。しかし不幸、今度の内閣については、いわゆる特別会計を取りくずすということは考えていない、郵便の値上げを考えておる、こういうことになっておるけれども、やろうと思えばこれはやれるであろう、こういうことを言っておるわけなんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/81
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082・郡祐一
○郡国務大臣 法律的に銀行と保険と運送と同じような資本の系統でかりにやっておるとする。しかしその事業、事業はそれぞれ現に別々にやっていくのだということが特別会計の三つの立て方なんじゃないかと思います。したがいまして、政策的にと申しましても、ものが考えられないということでは——考えられないと言い切ることはいかがかと思いますけれども、それぞれの特別会計の精神は、やはりそこは彼此融通し合わないというのが精神で特別会計ができておる、こういうふうに読んだほうがすなおなんじゃないかと私は思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/82
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083・森本靖
○森本委員 だから特別会計はそういうかっこうにおいてでき上がっておるけれども、しかしながら現実に内閣がとっておるところの物価対策上の政策として郵便貯金特別会計についてはこれだけの剰余金があるから今年はとりあえずこの中から借り入れをするということはぼくはやれると思う。たとえばこれを繰り入れるということは不可能であっても、借り入れをするということは可能であると思う。大臣、これは法律上可能でしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/83
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084・郡祐一
○郡国務大臣 これは実質は、どうせ財投に入って持ってまいりますから、いまの制度でいけば、財投から持ってくるということになりますね。
〔委員長退席、佐藤(洋)委員長代理着席〕
そのこと自体は、そういう意味合いでの借り入れの道というのはあるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/84
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085・森本靖
○森本委員 そうすると、この借り入れというのは財投という形において一応やれる。しかしなおさらにこの郵便貯金特別会計の予算の単価を一応政策的に水増しをしてこれに繰り入れをするということはある程度でき得る、私はこう見ておるわけです。それはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/85
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086・郡祐一
○郡国務大臣 ただ私は、実際問題としては、そのある程度というのがわりに小さい幅になるのじゃないかと思います。しかしこれは私は予算のときに——ことしの予算はすでに成立いたしておりますが、予算のときに考えるべき問題の一つだと思います。繰り入れを、もう少し理屈をつけて——同じ世帯の同じ屋根の下だからということじゃなくて、理屈をつけて繰り入れをふやすということを主張する余地のあることだと私は思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/86
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087・畑和
○畑委員 いまの場合、こういうことはできないのですか。いまの現行法の解釈だと、そういった繰り入ればできない、しからば、この郵便貯金特別会計法、これを臨時立法で何とかするという形なら、無理でもできますか。そういうことならできますか。できる、できないの問題なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/87
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088・淺野賢澄
○淺野政府委員 現在の状況も、特別会計法上、貯金特別会計法におきましてきめられておりますので、できないわけでございます。特別会計法が変わりましたら、これはもちろん可能でございます。ただこれは大蔵で、特別会計法全体同じ見方にいたしておりますので、私ども事務的に考えますと、非常に困難だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/88
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089・畑和
○畑委員 ほかの特別会計ではそういうことがないから、この郵便貯金特別会計法だけを変えるということは、その均衡の関係でできないだろう、しかしやろうと思えばできる、こういうのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/89
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090・淺野賢澄
○淺野政府委員 従来の金融財政関係のあり方といたしまして、国で直接やっております分につきましては、こういった場合、非常に厳格な線がやはり引かれておるように見ております。それで、公社にでもなれば、出資したという形になれば、これはまた少しは変わってまいりますが、従来の各特別会計の関係を見てみますときわめて困難のように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/90
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091・畑和
○畑委員 それは国会で改正すればできないことはないと思うのです。ていさい上ぐあいが悪いということはいえると思うが、やろうと思えばできると私は思うのです。だから今度の場合などは、物価政策上、今後一年間はひとつ何とか値上げしないでやりたい、物価にはねかえるからやりたいということであれば、そういうことで内閣が意思決定をして、それで国会に提案するということになれば、ていさいは少し悪いけれども、できないことはない。大いに大義名分もある意味で立つのですね。物価は値上げしたくない、一年延ばしたいというようなことで、そのために郵便貯金特別会計から一定の金額を郵政事業特別会計に繰り入れるということを法律できめればできないことはないと私は思う。ていさいが悪いということはいえると思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/91
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092・淺野賢澄
○淺野政府委員 先ほど申し上げましたのは、貯金事業からということでなく、特別会計同士でということで実は申し上げておりましたが、かりに貯金事業といたしますと、貯金事業特別会計と貯金法とが一体になっております。したがいまして、今度は預金者に対する関係が出てまいりますと、郵便に繰り入れるということになってきますと、貯金事業の性格も若干からんでまいりますから、そうすると事務的な立場ではその点は申し上げられません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/92
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093・畑和
○畑委員 まあそれは簡保というのはわりにはっきりしているのですね。郵便貯金になると利用者が非常にばく然としている。簡保は利用者がはっきりしている。だけれども郵便貯金は確かに貯金する人、それだってたくさんあるから初めて剰余金も出てくるわけなのだ。けれどもつながりの度合いが違う。そういう点であなたは厳密に解釈して郵便貯金の事業だけはこれは別なんだ、そういう貯金する人たちを対象として、ほかに使うのはやっぱりぐあいが悪いんじゃないかという意見のようだけれども、しかしこの郵政事業全体として見て、簡保の金を繰り入れるなら別だけれども、貯金のあれを繰り入れる、それでこの際郵便の料金の値上げを一年なら一年見送る、そのためにこういうことにするのだということなら私は筋が立つのじゃなかろうか、こう思ったのです。その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/93
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094・淺野賢澄
○淺野政府委員 結局貯金の場合になりますと、運用の問題がからんでまいります。三十六年までは貯金はずっと赤字でございまして、三十六年に特利がつきました。六分から六分五厘になりまして以来黒字になったのでございます。ということは運用の主体が郵政省にはございませんということのうらはらになってまいります。もしかりにその利益金がどんどん郵政事業に入ってまいります場合には、特利の問題が関係してまいります。ですから運用の問題と一緒に判断してまいりませんと、いまの段階におきましてはそれと切り離しては判断はむずかしい。これは事務的な判断で恐縮でございますが、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/94
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095・森本靖
○森本委員 これは郵政省はそういうへっぴり腰ではだめなんだよ。はっきり言っておきたいのは、これは大臣もよく聞いてもらいたいと思うのだが、三十六年に改正したのは、あのときにたしか五百億円程度郵便貯金事業特別会計については赤字があったはずなんだ。これは要するに預託金の金利が低いから、いわゆる赤字については当然向こうから補てんしてもらうということで、郵政省としてはこれはもらったものと解釈をしておったわけです。ところが大蔵省としてはこれは貸してある金だぞ。確かにこれは予算の上においては郵政省に対する貸し金になっておるわけです。しかしそれをあのときに帳消しにしたわけです。一応予算上はもう全部なくなってしまった。そこでそれからこっち六分五厘にしたから剰余金が出てきたんですね。それはあなたのお説のとおりだ。そこで大蔵省としては借金の棒引きがどうしても腹が立ってたまらぬ。とにかくあの金額はどうしても返してもらいたいというふうに彼らは考えておるのではないか。だからこの調子でいくと、この剰余金が先ほど言ったように四十七年に五百何億になるまで、大蔵省がこれだけ剰余金あるならひとつ返してもらおうかというときになって取り上げられるおそれが多分にあると思う。その証拠には、今年も、これはおそらく郵政省のミスだったと思うが、私が何回も言っておったように、貯金はこういう剰余金があるからサービス事業というものを始めろ、郵便貯金サービス事業コーナーでもつくってサービス事業をやれ、こういうことを言っておった。ところが郵政省肝っ玉が小さいから、いわゆる定額貯金の貸し付けだけの法案をつくって大蔵省に持っていってけられてしまった。それでは何にもならない。一銭も取らずに、アブハチとらず。私の言ったような大ぶろしきで持っていけば一部分は通ったと思う。実に政策的にへたくそだ。そういう点で、経理局長が答弁しておることについては、遠慮しいしい答弁するということはいいけれども、やはり郵政省として言うべきことは堂々と言ってしかるべきだと私は思う。だからやはりこのような場合には、できれば、郵政事業特別会計が苦しいからそういう場合には使わせてもらいたいと思います、しかし現行法上ではなかなかむずかしい、ということならわかる。しかしそういうことを一言もよう言わぬ。それがどうしてもいかぬとするならば、郵便貯金事業のサービスについてはもっともっとこの剰余金から使わしてもらいたいと思っておりますと、何か建設的な意見がやはり私は郵政省としては堂々とこういう委員会を通じて出てもいいのじゃないか。何かこう大蔵省におそれいったようなその態度というものが、非常に私は郵政省百年の大計から残念に思う。これはひとつ大臣からそういうことについては遠慮なしにものを言うように、何か同じ大学を出て本省の局長になっておっても大蔵省の局長と郵政省の局長と格が違うように思っておるかどうか知らぬけれども、同じ局長だから遠慮する必要はない。もっとも実際のいまの予算折衝を見ておると、経理局長が主計官にぺこぺこ頭を下げるというような予算折衝をしておる。主計官といえば郵政省でいえば課長と同じなんだ。そういうところにいまのいわゆる官庁の弊害もあるけれども、いずれにしても私は郵政省の官僚諸君も郵政事業の発展のためにはもっと遠慮なしにずばりずばりと大蔵官僚に対してはものを言うという一つの習慣とくせをつけてもらいたい。この点ひとつ大臣からはっきりとした御答弁を願っておきたい、こう思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/95
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096・郡祐一
○郡国務大臣 特別会計としてそれぞれ独立した立場にあるということは前に申し上げたとおりでありまするけれども、郵便貯金を預金者の利益に還元させる、決算のときに繰り戻しをされることは別としまして、預金者の利益のために預金者サービスのために、積み立てておる利益金というものを使ってまいる、そうした預金者還元の方法については、いま御提案の構想も一つの構想だと思いますが、これは何か構想を立てるということは私は郵政省として預金者にこたえる道だろうと思います。このことは確かにおっしゃいますように、ことしはだいぶいろいろな法律を考えました。もし貯金だけについて考えればあるいはもう少し大構想ができたかもしれません。今度は大構想を郵政省は立てなければいけない時期だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/96
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097・安宅常彦
○安宅委員 たいへんこまかなようですが、それでは経理局長、さっき郵務局長が答弁の中で、たとえば特定郵便局の定員の配算率ですか、それを言いました。たとえば貯金が一・五だとか言っておりましたが、一・五だとかなんとかいうこの計数というのは何年くらいずっと続いているのですか。最近変わっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/97
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098・淺野賢澄
○淺野政府委員 これは相当前からこの比率でやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/98
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099・安宅常彦
○安宅委員 そうでしょう。だからあなたのほうは頭がかたいんだよ。国民年金が押しつけられ、失業保険が押しつけられ、いろいろなものが十何ぼかあるということだったな。貯金局長、そうでしょう。そんなものが毎年毎年だんだんふえていくんだ。やっているのはほとんど貯金の窓口だよ。そうでしょう。郵便の窓口はそんなものはほとんどやってないよ。その比率を、まるでヘビが棒をのんだみたいにしてあなたのほうでしっかり握っておるのだ。それがいかぬじゃないですか。そうなったらその比率は変えなければならないのじゃないですか。当然変えるべきだと思う。だから貯金の窓口の人は国民年金のほうも勉強しなければならないし、失業保険というものはどうなっているかも勉強しなければならないし、勉強するひまはどこにある、それからその参考書を買う金もない。いろいろあるのですけれども、あそこの女の子なんかきゅうきゅうやっている。そういう場合に貯金の、つまり郵政特別会計に繰り入れる金額というものは、当然定員の配算率から何か、たとえばそういうものを、仕事を押しつけられたということばを私は言いますが、その場合に金額の単価はこのたび上がった、ことしは上がったと言いましたが、このごろやっと上がっただけであって、それまでひどい目にあってやってきたでしょう。それでもまだ不十分だと思う。そういう場合の定員の増加といいますか、そういうものを大蔵省で認めてくれるのですか。金は少し上げてくれたけれども、そういう事情はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/99
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100・淺野賢澄
○淺野政府委員 ありていに申し上げまして……。はっきり申し上げますが、若干実情に沿わない点もあるかとも思います。したがいまして、昨日も御注意もございましたが、ことしは私どもも分計その他につきまして実情に合っておるかどうか、そういった点一切調べ直しをいたしたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/100
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101・安宅常彦
○安宅委員 料金値上げを提案してから調べ直すと言ったって、まるでどろぼうをつかまえてなわをなうようなものではないか。そういうものをちゃんとして合理的にして、それでも間に合いませんから郵便料金を値上げさせてもらいますと言うなら、話は別ですよ。そうでしょう。それを、郵便貯金のほうがたいへん忙しくなって、実情に沿わないとあなたは言っているのです。そういう、一・五を一・七ぐらいにするとか、それはあなた方事務当局でやれることです。大蔵省が認めるか認めないか、けんかすればいいじゃないか。そうしておいて、剰余金なんか、それこそ貯金事業のために積み立て、金が少し減ったって一向差しつかえないという理屈は当然立つでしょう。それを法律的にやれませんなんて答弁をするから、こんがらかってくるのです。それはどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/101
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102・淺野賢澄
○淺野政府委員 実は一・五とか一・七とか申しますのは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/102
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103・安宅常彦
○安宅委員 たとえばの例を言っているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/103
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104・淺野賢澄
○淺野政府委員 逐次私は申し上げますが、三人局の場合、これは内部問題になってまいります。これは内部問題で、ただしこれが貯金会計に対するつけにもなります。つけを業務費としてもらいます。先ほど来お話のございました、貯金からもう少し繰り入れたらどうだ、こういう御指示のございました点にもはね返ってくるかと思いますが、そういった点を、冷静に、もう一度実情に合うように調べ直しまして、来年度は絶対間違いないようにいたしたい。従来もやはり逐次そういった点は調べておったわけでございますが、ことしはひとつまた想を新たにしまして、その点をよく調べてみたい、こういうふうに考えております。いままでも非常に実情に合ったようになっておるつもりではありました。一そう調べたい、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/104
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105・安宅常彦
○安宅委員 たとえば総合局の場合の一つの例を言ったので、貯金が一・七になったら、郵便のほうがかりにいままで〇・九であったとしたら、〇・七ぐらいにして計算し直す、そうすれば、当然郵政特別会計のほうの人件費とか業務費とかそういうものの負担率が減って、赤字をそんなに計上しなくてもよろしいという理屈になる。これは特定局の場合だけを私は言っているが、普通局も同じです。サービス向上のためにこういうものを使うと言うが、サービス向上の一番の根底はどこですか。親切に、一生懸命に、預金者が不便を感じないように、窓口の定員をふやしたり、そういうことをするのが一番の基本じゃないですか。機械化ばかり考えたってだめですよ、あなた。だから、そういうふうにするためには、当然貯金の定員の配算率というものをちょっと一%ぐらい変えただけで、この金というものはばく大な金になります。たいした金になりませんなんて、あなたごまかしているけれども、たいした金になる。計算してごらんなさい。しからばもう一回聞きますが、何年前からその基準を使っておるか、はっきり言ってください。相当以前とあなたは言ったけれども、いつからですか、はっきりしてください。明治何年だ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/105
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106・淺野賢澄
○淺野政府委員 おそらく終戦後は変わっていないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/106
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107・安宅常彦
○安宅委員 その前は。はっきりと言えと言っているのだから、調べてくださいよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/107
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108・淺野賢澄
○淺野政府委員 ちょっとわかりませんが、おそらく終戦後は間違いありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/108
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109・安宅常彦
○安宅委員 おそらくではだめですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/109
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110・淺野賢澄
○淺野政府委員 調べましてお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/110
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111・安宅常彦
○安宅委員 しからば、貯金の特別会計で引き受けているのでしょう。いろいろな業務外収入とかなんとか郵政特別会計にあるけれども、しわ寄せば全部そういうところにいっている。何か政府から、役場あたりでやらなければならぬものを、みなあなたのほうでしょい込んいるね。しょい込んでいる前から基準というものは変わっていないのです。それだけは言えるでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/111
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112・淺野賢澄
○淺野政府委員 その点につきましては三人と申しましたが、新しく置く場合でございますが、仕事がふえてまいりますと、この局は恩給事務が非常に多い。たとえば萩なら萩に恩給生活者が非常に多い。そういったときに、それに見合う分の定員というものはプラスしておるわけでございます。ただ私が申し上げましたのは、やはり年々歳々変わってまいりますから、そういった点でもし間違っておったらいけませんから、もう一度そういった面は当たってもらいます。しかしもらうことはもらっておるわけでございます。それで現在においては、一応それぞれの局においてはやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/112
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113・安宅常彦
○安宅委員 あとはやめますが、要するにそういう数字というものは移動するのですよ。移動するのがあたりまえなんです。特に恩給をよけい払う局の例をとったけれども、一般論として、基礎論として、そこから数字が間違っておって、恩給を払うのが多いようなところには少し足してやったり何かして、あなたのほうのほしいままに、あなたの主観的な判断によって、あっちへやったり、こっちへやったりすることはできるということであって、そういう意味では一般会計に繰り入れる方法というものは幾らでもあるのであって、貯金の特別会計だから法律的にそんなことはできませんなどという答弁は当たらないでしょうということを聞いているのです。法律的に違反だと言ったのは、経理局長の横にいる人だけれども、私からいま言われても、法律的にできないという答弁をあなた繰り返しますか。それだけをあなたに聞きたい。法律的にちゃんとできるじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/113
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114・淺野賢澄
○淺野政府委員 私からかわりましておわびいたしますが、業務上取り扱いに要するものにつきましては、おっしゃいますように、当然それに見合ったものを郵政会計に入れるように相なっております。その点でよろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/114
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115・安宅常彦
○安宅委員 またそういうことを言う。これは政策の問題で、たとえば総合局の基準の例を私はとりましたけれども、それじゃ貯金は総体から見て一・五だとか、そういうことをきめた数字が間違っておるという判断に立って、それを一・七ぐらいにし、郵便を〇・九を〇・七ぐらいにかりにしたとする。そうすると、それは貯金のためにやったという理由をあなたは言いますけれども、結果的には、郵政特別会計のほうが、そのために赤字を計上する額が非常に少なくなった、あるいは黒字に転化するか、それもその後の情勢の変化によってわからぬが、そういう数字のやりくりはできるはずだ、こういうことを言っているのです、いまの特別会計からいっても。結果的にはそうなるじゃないですか。そうなりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/115
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116・淺野賢澄
○淺野政府委員 どうも御趣旨に沿うように明快な御答弁ができないわけでありますが、予算の編成のときにおいて、最も正しいと思うところで、一応その数字の中に入れております。ただ事情が変わりました場合には……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/116
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117・安宅常彦
○安宅委員 まあいい。予算の編成というものは一つの政策でしょう。そういう意味で、現在の特別会計からだって、あなた方のそういう判断、あるいはみんな大蔵省ともいろいろ協議し、国会がそういうふうにしなさいときめた、法律でこういうものをきめたから、法律どおりやらなければならぬという理屈にはならぬでしょう。畑さんがさっき言われることだってできるでしょう。それをあなた方は法律的にできませんと言っているから、私は、そういう予算の査定のときの話、基準というものは、それは一つの政策ですよ。幾らでもそういう基準というものは変えられるじゃないですか。法律的にこうだとちゃんと書いてありますか。法律に書いてないでしょう。書いてないから、あなた方はこういう基準でということで運用をやっているでしょう。その基準を若干変えるということはできるでしょう。それが法律上できないということはどこから出てくるか。法律上できないということは出てこないでしょう。どうなんです。予算のときのそういう基準というものは、一つの政策に基づいた基準なんだ。そうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/117
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118・淺野賢澄
○淺野政府委員 私ども事務的な立場で申し上げますので、非常に窮屈になりまして申しわけございませんが、その点につきましては、国会で法律をお直しいただきましたときには、もちろん私どもそれに従ってまいりますので、よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/118
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119・畑和
○畑委員 枝葉が出てだいぶあれになりましたけれども、その次にちょっとこまかいことを、条文に基づいてひとつ質疑をいたします。
今度の改正で第五種が第一種に統合され、一種はいままで書状と開封にしないものということであったけれども、今度は「開封としないもの」という点が削られて、「筆書した書状を内容とするもの」はそのままで「郵便書簡」が加わって、そのほかに今度は第二種、第三種、第四種に該当しないものすべてが含まれる、こういうことになった。この前も質問がありましたが、いま第一種というのは信書だ、封書だというふうな概念でございましたけれども、そういう概念はもうなくなったと思うのです。いままでの歴史的なものもあって、書信は大事にするのだという意味で一種ということにしたけれども、その辺ちょっとぼけてしまったというような金丸さんの御意見がございました。私、確かにその点ごもっともだと思います。しかし第五種のダイレクトメール等を第一種に統一してやっていくという趣旨から、そういった古い観念はやめて一種に五種を包含させた、したがって一種の定義がだいぶ変わってきた、こういうことは了解いたしております。そこでお尋ねいたしたいのは、その中でも定形、非定形、こういうことになってしまった。定形の制限がこれに書いてあります。それ以外のものは非定形で、定形は一定の料金だ、非定形のほうはそれより割り高となるということ、これもわかります。ところで定形のほうが、長さが十四センチメートルから二十三・五センチメートル、幅が九センチメートルから十二センチメートル、こういうものだ。それから、厚さその他の形状は別に省令できめるということになっておる。それ以外の形のものは非定形ということになると思うのですが、これでいいのでしょうか。いっそのこともっと規格化したほうがいいような気がする。急にするのは無理だということで、経過規定などもありまして、それもすぐは実施しないようになっておるようですけれども、いっそのこと定形化するならもっときめちゃって、そうすれば自然と封筒などもそのくらいの封筒しかつくれなくなる。これは若干無理かもしれぬけれども、どうせ定形、非定形と分けるならば、何センチから何センチまでという幅をもっと縮めるか、あるいは極端に言えば、長さは幾ら、幅は幾らということにきめる、そういうことをしようと考えたことはないか。例の区分函、自動押印機、こういうものをフルに使うとすれば、やはりそこまで持っていかないと、うまく機械にかからぬのじゃないか。そういう点は、この程度のものでちゃんと差しつかえなくかかるということならばいいと思いますが、大衆はある程度余裕があったほうがいいですからね。けれども、一方機械化を進めていって、区分機にうまくかかるようにする——区分機の開発がもっと進めばその点いいのかどうかわかりませんけれども、その辺のことはどうでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/119
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120・長田裕二
○長田政府委員 お説のように、一種の郵便物につきましても、ただ定形ということで一定の大きさの幅をきめるだけではなく、一つのものをはっきりきめてしまうということになりますと、確かに取り扱い作業の面におきましても、また機械にかける面におきましても、幅を持たせるよりやりやすいことは事実でございます。現に内部の議論におきましても、そこまでいくべきではないかという議論も相当ございましたし、郵政審議会の一昨年の御審議の際にも、そういう議論があったわけでございます。ただ現在私どもが非常に希望しておりますのは、一つは現在の小さいほうの区分函が十分活用できる範囲であること、それから当面考えられております機械化、たとえば選別機あるいは取りそろえ押印機、それからまだ十分は開発されておりませんが、書状の自動押印機、こういうようなものの現在までに発達しております段階、あるいは近い将来に見込まれます発達等を見込みますと、一種類にしなければ非常に能率が下がるというところまでまだまいっておらないような感じがいたします。他面利用者のほうも、ただいまお話のございましたように、いろいろ嗜好などがございまして、大体非常に作業がやりやすく、現在考えられる機械にかかりやすい範囲のもの、これは世界の郵便関係者が集まりまして、ここらにきめてここに当面持っていこうじゃないか、こういうようなことできめまして、私どももこれを受けたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/120
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121・畑和
○畑委員 そうしますと、この定形の寸法や何かは、世界の郵便の連合とかできめた何センチできめていこうというきめに従っているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/121
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122・長田裕二
○長田政府委員 一昨年の第十五回の万国郵便会議で決議がなされまして、この次の東京で開かれる会議でこれを正式に決定いたそうということで、いまから封筒業者その他関係者に強く働きかけて、こういう方向に持っていくようにお互い努力しよう、そういう決議がなされたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/122
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123・畑和
○畑委員 そうすると、この寸法の長さや何かもいま言った国際的な寸法ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/123
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124・長田裕二
○長田政府委員 仰せのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/124
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125・畑和
○畑委員 そうすると、ほかの諸外国でもまだまだもっと規格を窮屈にするところまでには至っておらない、それはやはり機械その他の関係でまだそこまで進んでおらない、それをするほどまだ機械ができていない、しかしこれならばまだ現在の機械ならかかりやすい、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/125
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126・長田裕二
○長田政府委員 仰せのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/126
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127・畑和
○畑委員 それからこの定形、非定形を別として、全般で、これは最高と最低が一種、二種問わずですか。通常郵便物と小包郵便物について、長さ、幅、それから厚さ、重さ、こういう点でまず最小限と最大限がきまっておる。いままでもきまっておった。それを最大限を少し縮小して、最小限はもっと拡張したというか、もっとアップした、こういうことになって、この幅がなるべく少なくなるようにしたというふうなくふうが見られておるわけですが、これはサービスという点では、それだけ大衆がいろいろ気を使わなければならないと思うのです。その意味では制限が強化されたと思うのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/127
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128・長田裕二
○長田政府委員 小包につきましては、この長さを、従来の百十センチを一メートルにし、長さ、幅、厚さの合計二メートルを百五十センチに縮めたわけでございますが、取り扱いの実態から見まして、この新しい大きさ以上のものはほとんど見られません。昭和二十六年の改正の際に、実はこの現行の大きさのものにいたしましたわけですが、この大きさは日本の小包郵便の市場でも相当大きくなったほうでございます。何か、のこぎりとか、そういうものが当時送られたようでございますが、最近はそういうものは全部ほかの運送手段によっておりまして、小包としての利用は新しい大きさでほとんど支障がないわけでございます。通常のほうでちょっと問題になりますのは、最小限が、従来長さ十二センチ、幅七センチでございましたのを、十四センチと九センチにいたすわけでございますが、これはいま比較的使われております八・五センチの幅の封筒、官庁などでも相当使われておりますが、それとの関係で一つ問題になるわけでございます。これにつきましても、封筒業者は昨年の十一月からこの製造をやめておりますし、この二月のJISの規格委員会で幅八十五ミリの封筒はもう規格からはずれまして、全般としてはもう閥もなく市場からなくなっていくことが予想されておりますので、そう大きな支障はないものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/128
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129・畑和
○畑委員 大衆へのサービスについては制限が強化されるのだから、それだけ大衆としては困るかもしれぬけれども、しかし、方針としてはこうした最大限を小さくし、最小限を大きくする、これでできるだけ統一の方向に向かう、これは趣旨はけっこうだと思います。
そこで、いつかカレンダー業者か何かから陳情書が来たと思うのですが、これは経過規定か何か置いてもらわぬと実は困る。一年か何かもう何とかしてしまったということで来ておったと思うのですが、経過規定を見ますと、最小限のほうは、経過規定の三と四ですか、これによって、まだ四十三年の終わるまでは従来のとおりでよろしいということになっているようです。第一種と、それから全部の最小限の制限、これについてはいいらしいですが、最大限については、ほとんどそれに触れるものはない、こういうような説明だったけれども、何かカレンダーの点はこれに触れるのじゃないだろうか。それで連中困っていて、何とかしてくれぬかということで、私のところに文書が来ていたように記憶しておりますが、その辺はどうなんですか。
〔佐藤(洋)委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/129
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130・長田裕二
○長田政府委員 カレンダーの業者とはよく事情をお互いに話し合いましてやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/130
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131・畑和
○畑委員 それから、またちょっとこまかいのですが、第十七条の一番最後のところ「郵政大臣は、取扱上支障がないと認めるときは、必要な取扱条件を定め、容積において第一項の長さ、幅及び厚さの各々二倍を、重量において二十キログラムを超えない小包郵便物を取り扱うことができる。」こうなっているのです。これのこまかいことになりますが、「第一項の長さ、幅及び厚さの各々二倍を」というのはどこへかかるのですか。「小包郵便物」なんですか。そうじゃなくて通常郵便物のことなんですか。「長さ、幅及び厚さの各々二倍」ということになると、小包のほうは何か全部で、長さ、幅及び厚さ三つの合計で何センチメートル、こういうことになっているのですか。この辺がどこへひっかかるのかわからぬ。それをちょっと説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/131
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132・長田裕二
○長田政府委員 この末項は「小包郵便物」のところにだけかかるわけでございます。したがいまして、現行で参りますと、長さが二百二十センチ、それから長さ、幅、厚さの合計が四メートル、こういうことになるわけでございますから、新しいほうでは二メートルと三メートルということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/132
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133・畑和
○畑委員 それのおのおのの二倍までにというのですね。——わかりました。
その次にお聞きいたしたいと思うのは、定形郵便物のほうで「その厚さ及びその他の形状が省令で定める基準に適合するものであること。」こうなっておるのですが、これはどんな省令で基準をきめるつもりなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/133
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134・長田裕二
○長田政府委員 大体一センチ程度の幅を考えております。それから形状につきましては、著しい凹凸がないというようなことを省令で条件にいたすことにしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/134
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135・畑和
○畑委員 その次に第二十二条、第二種郵便物、それの第四項ですか、「郵便葉書は、その表面に差出人及び受取人の氏名及び住所又は居所以外の事項を記載し、他の物を添附し、又は原形を変えてこれを差し出すことができない。」 これはわかりました。要するに表には氏名や居所以外のことは書けない、こういうことなんですが、「但し、郵政大臣は、省令で別段の定をすることができる。」こうなっておるのは、これは絵はがきや何かのことですか、表に書けるのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/135
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136・長田裕二
○長田政府委員 絵はがき等のこともございまして、表面下半分までは書けるということと、それからまたシールとか収入印紙などを張ってもいいというふうに、若干限定して省令で規定いたすことにしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/136
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137・畑和
○畑委員 これは普通裏に書いて、表半分線を引いて下にも文言がある。それはいま省令で許されておるのですか。絵はがきなんかもこれでやるのですか。——わかりました。
その次に第二十三条、第三種郵便物についてちょっと聞きたいのですが、第三種郵便物の認可という文言が確かにあるものでも、それを出すときには、差し出し人の名前はその発行所でなければならぬということは、どうもどこを見てもなさそうだ。そのほかについては、発行人が出すとかなんとかいうことがあるけれども、これには何にも書いてない。ときどきまとめて第三種をとったものをわれわれは配付を受けて、それでわれわれは出すことがあるのです。そのときに、その辺がどうなっておるのかわからないのですが、たとえばわれわれの機関紙の「社会新報」、それをわれわれがまとめてあれして個々の人に出すというときに、差し出し人の名前はだれにしなくてはいかぬとか、それから差し出し局がきまっておるのかどうか。そうだとすれば、それは省令か何かできまっておるのか。どこででも出していいのなら便利だけれども、何かそうでなさそうだ。その辺、差し出し人の名義と差し出し人の局、これのきまりがあるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/137
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138・長田裕二
○長田政府委員 第三種郵便物全般につきましてはそういうことは要件になっておりませんので、低料三種、今度で申し上げますと三円の三種のものだけにつきまして、発行人または売りさばき人・からきめられた郵便局に出す、これが低料の一つの要件になっております。一般にお出しになる場合には全然制限はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/138
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139・畑和
○畑委員 そうしますと、月一回以上というやつは何ら制限がない、ただ毎月三回以上発行するいわゆる低料の分、それの場合には、やはり発行者の名前で、しかもその届けているところで出さなければだめですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/139
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140・長田裕二
○長田政府委員 仰せのとおりでございます。し、たがいまして、私的に、また発行人や売りさばき人の名前以外の名前を使いまして差し出します場合は、内容が日刊新聞等でございましても、低料でないほうの料金になるたてまえでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/140
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141・畑和
○畑委員 わかりました。そうすると、この低料のほうは、「毎月三回以上発行する新聞紙、官報及び公報」、こういうことになってますね。そうすると、これは、毎月三回以上発行する定期刊行物であっても、新聞紙や官報や公報でなければだめだということですか。低料扱いにならぬということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/141
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142・長田裕二
○長田政府委員 仰せのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/142
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143・畑和
○畑委員 それからもう一つ、第三種の認可の基準ですね。これは「あまねく発売されるものであること。」こうなっておるのです。これは「発売」となっているのですね。売るということになっているのです。売らなければならぬ、あまねく売るものでなければならぬ、無料のものはいかぬ、無料で配ったとしても、少なくとも定価が幾らとかなんとか、一部何円と書いてなければいかぬということになるのかどうか、その点聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/143
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144・長田裕二
○長田政府委員 まあお互い同士の間で交換するようなもの、配付するようなものなどは一応入らないたてまえでございまして、同窓会誌とかそういうようなものは入らないわけでございます。やはり定価もつき、また発売されるというのがたてまえでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/144
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145・畑和
○畑委員 実際にはこれはずいぶん——そうでなくて、定価を形だけつくって、それでほかの目的でやっているのは、この問どなたか質問しましたけれども、私は相当多いと思うんですよ。だから、そういうものに相当低料の——今度の場合も低料でないやつが六円そのまま、いままで「重量百グラム又はその端数ごとに六円」、これは従来どおりなんです。ほかを全部値上げしておるのに、第三極のこれを全然値上げをしておらない。ほんとうにこれに書いてあるような要件を具備するものならいいんだけれども、実際、法の網をくぐってほかの目的のやつがずいぶん多い。われわれ政治関係のあれで見てみましても、ずいぶん多いと思うのです。こういうのに従来どおりの六円というのは、ちょっとふに落ちない。それから低料扱いの場合でも、今度は二円のやつを三円にした。五割増しですね。五割増しといえば五割増しということになるけれども、これをグラム数にとってみると、百五十グラムを例にとれば、従来も今度の改正でも両方とも四円である。百三十グラムでも両方とも四円、百六十グラムになって初めて四円のものが五円になる。こういうことで、これは相当値上げをしたようなものの、結果的には相当優遇されている、こういうことになる。それで、前からも資料を出していただきましたが、この第三種だけでもう五十何億の赤字だったと思います。これによってやりますと、赤字はもう覚悟の前で、ますます上がってくる。それをほかの第
一種、第二種あるいは特殊扱い等でカバーをする。第四種も特別に政策的なことがあり、これは了解できますけれども、第三種ももちろんこれは公共のためということが理由になってはおりますけれども、この点ほかのものがかぶるということは、どうもわれわれとしては納得ができない。それをもしどうしてもそういうことをする必要があるのならば、先ほどもいろいろ論争されましたけれども、いま言った貯金の特別会計から繰り入れとかあるいは借り入れとかいうようなことで、あるいは一般会計からこういうものは負担する、こういうことが私は適当だろうと思うのです。これは答申はどうなっておるかというと、答申の場合は六円扱いのものを十円扱いにしろ、それを今度の法律案では、六円を従来どおり、それから二円の場合を答申では五円と六円と二色に分けておりますね。それを一色にしちゃって三円、こういうことでこれはだいぶ答申との差がある。答申の場合にも、公共的あるいは文化政策的なことから安くするのはわかるけれども、そうしなければならぬけれども、しかしやはり限界ですか、それを考えて「限界費用に近い額をもってその料金とするのが適当であると判断した。」これにはっきり書いてありますね。「かかる政策的な考慮は、一般会計からの繰入れなどの方法によるのが適当ではないかと検討した。しかし、従来の経緯等も考慮し、結論として、一般利用者に負担をかけないためにも、限界費用に近い額をもってその料金とするのが適当であると判断した。」から、したがって、ぎりぎりのことで、いま言ったような二円を五円あるいは六円、それから六円を十円、こういうふうに答申しておる。それだのに、この答申に違反して——違反してと言っては何だが、あえてこれにそむいて、マイナスを覚悟でマイナスをさらに拡大する、そしてほかのほうの一種、二種あるいは特殊扱い等によってカバーをするというやり方、私はよほど積極的な意見、考え方があったからだと思うのです。この点は、くどいようだけれども、ひとつ郵政大臣のほうから——どうして、この答申でここまではっきり言ってあるものを、あえて値上げ幅をほとんどなくして、ますます赤字を拡大したか、それでほかにカバーさせるようにしたかという点がどうも納得できない。それならば、国家的な見地から政策的にやらなければならぬとすれば、なぜそれだけ一般会計から繰り入れてやらなかったものかというふうに思われるのです。この点をひとつ、くどいようですが、郵政大臣に見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/145
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146・郡祐一
○郡国務大臣 私も、審議会の答申の直接の経費に見合う程度にということは、目標として筋の通ったことだと思います。ただ何と申しましても、やはり五割を率では値上げしておるという状態でありましたし、第三種郵便物というのが、いろいろ私のほうも調べてみましても、必ずしも好ましくないのもあることもよく承知しておりますけれども、しかしやはり文化的な社会的な意義があるのだから、これは一つのなれてきている低料金でもあるし、まず五割の引き上げでこの際はとどめておこう、しかし、直接経費に見合う程度にということは、これはいつも頭に考えながらいかにゃならぬことであろう、こういうぐあいに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/146
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147・畑和
○畑委員 どうもちょっと私らその辺が理解できないのですがな。今度のこの改正にあたって、答申とだいぶ違うのですね。第三種だけはそういったわけで——第四種も若干同じようなところがありますけれども、第三種の場合だけはともかく据え置く、あるいはほんとうの申しわけだけの値上げになっておる。その反面、この答申の考え方に違って、よけいに値上げしておるのがありますね。書留の普通の場合なども、五十円を六十円にした。それから簡易の新しいやり方、これも四十円という答申を五十円にした。それから速達も、二百グラムまでが四十円という答申を五十円にした。五百グラムまで六十円のものを七十円にした。こういうふうに、だいぶ答申よりもよけいにしておるのが多い。それなのに、これだけは変えない。あるいは、むしろほんとの申しわけ程度。しかも、これが一番マイナスの額の多い宗たるものだ。こういうことは、ちょっとわれわれ納得できない。この点どうですか、ほかのほうと比べて。ほかは、答申はこれだけでと言っておるのに、それよりよっぽど上げておるのですよ。三種だけはほとんど据え置きだ。どうしても納得できない。どういう積極的な理由があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/147
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148・長田裕二
○長田政府委員 結局、総体として経費をまかなうということからいたしまして、ただいまのお話の三種のこともございますし、また、それ以外につきましても、通信教育につきましては五円という答申でございますが、その受講者の実情などから、四円に据え置いた。農産種苗を四種からはずしてしまうことに答申がございましたが、現在の農産物の品種の改良などをからみ合わせまして、まだやはり残しておいたほうがいいというような観点から残しましたり、あるいは、書籍小包につきまして、答申ではいままでの小包料金程度にとどめるということでございましたけれども、全国津々浦々の購読者が同じ負担で書籍が見られる、といったようなことも考えなければいけないじゃないかというような観点から、書籍小包に料金均一制度をつくりまして比較的安くしたこととか、そういうことなどが重なりまして、他方、書留、速達等につきましての料金が若干高目にならざるを得なかったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/148
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149・畑和
○畑委員 書留料もいま言った六十円と五十円、こういうふうになっておる。これはなかなかばかにならぬですな。書留、速達、これはみんな一緒にくっつけてやる場合が多いと思うのですね。それから、配達証明、内容証明、そういうものと書留とは必ず一対でなければならぬいとうことになっておりますね。内容証明も書留の扱いの分だけしかやらぬ、配達証明も同様、こういうことになっています。速達は別ですけれども、しかし速達も、同時に書留でやる場合が多い。それから特別送達、これなどもだいぶ上がる。たとえば例を一つとりますけれども、これはどれくらいになるのでしょうかね。書留で内容証明、配達証明である文書を出す。その一枚の内容証明の場合に幾らのやつが幾らになるか。二枚の場合には、いままでは内容証明の証明料だけで九十円、それが今度は二枚になると内容証明だけで百五十円になる。それのほかに書留料がまたくっついて上がってくる。それから基本料金も上がってくるということになって、その基本料金と書留料と内容証明料を全部加えて、それでいままでのあれでやれば、普通のやつで幾ら、今度合計して幾らになるか。これを内容証明で、一枚と二枚の場合をちょっと計算してみてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/149
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150・長田裕二
○長田政府委員 値上げ幅は、書留で二十円、配達証明で十円、内容証明が最初の一枚四十円、あとのが二十円で、九十円になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/150
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151・畑和
○畑委員 九十円値上がり。従来は幾らですか。幾らのうち九十円上がるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/151
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152・長田裕二
○長田政府委員 前は、基本料の十円、十五円を込めて百四十円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/152
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153・畑和
○畑委員 百四十円が九十円上がるか。——いいですよ。これで終わります。
とにかくそういった計算をちょっとしてみたところでも、ずいぶんの大幅になると思うのですよ。基本料金が上がった上に、速達が上がり、書留が上がり、そういうものが上がって——みんな一般の人はどんどんこういった早いものあるいは確実なものを利用するんですね。基本料でやりさえすればたいしたことはないだろう、こう言うけれども、やはり早くて確実なものを選ぶ。そういうことになると、えらい上がってくる。そういうことからも、私は相当家計にも響いてくるだろうと思う。そういうことでも、われわれとしては、どうもこの値上げ幅は過大に失するという考え方です。これは答弁する必要はございません。
以上で、もうおなかも減ったようですから、これで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/153
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154・砂原格
○砂原委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02219660413/154
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