1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年三月二十二日(火曜日)
午前十時三十五分開議
出席委員
委員長 中川 俊思君
理事 大石 武一君 理事 田口長治郎君
理事 舘林三喜男君 理事 本名 武君
理事 赤路 友藏君 理事 東海林 稔君
理事 芳賀 貢君
伊東 隆治君 池田 清志君
小枝 一雄君 坂村 吉正君
白浜 仁吉君 田邉 國男君
高見 三郎君 中川 一郎君
野原 正勝君 藤田 義光君
森田重次郎君 江田 三郎君
西宮 弘君 松浦 定義君
湯山 勇君 中村 時雄君
出席政府委員
農林政務次官 仮谷 忠男君
農林事務官
(農林経済局
長) 森本 修君
農林事務官
(農地局長) 大和田啓気君
農林事務官
(畜産局長) 檜垣徳太郎君
委員外の出席者
農林事務官
(農林経済局金
融課長) 今村 宣夫君
農林事務官
(畜産局参事
官) 太田 康二君
専 門 員 松任谷健太郎君
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三月十九日
農林漁業団体職員共済組合法の改正に関する請
願(大久保武雄君紹介)(第一八八四号)
同(大西正男君紹介)(第一八八五号)
同外一件(石田宥全君紹介)(第一八八六号)
同外一件(久野忠治君紹介)(第一八八七号)
同外八件(小島徹三君紹介)(第一八八八号)
同外九件(小平久雄君紹介)(第一八八九号)
同(田中武夫君紹介)(第一八九〇号)
同外八件(田村元君紹介)(第一八九一号)
同外六件(渡海元三郎君紹介)(第一八九二
号)
同外一件(中野四郎君紹介)(第一八九三号)
同外二件(丹羽兵助君紹介)(第一八九四号)
同外四件(原健三郎君紹介)(第一八九五号)
同外一件(福井勇君紹介)(第一八九六号)
同外十一件(藤尾正行君紹介)(第一八九七
号)
同(山田耻目君紹介)(第一九一三号)
同(稻葉修君紹介)(第一九一四号)
同外七件(江崎真澄君紹介)(第一九一五号)
同(浦野幸男君紹介)(第一九一六号)
同外九件(上村千一郎君紹介)(第一九一七
号)
同(大竹太郎君紹介)(第一九一八号)
同外二十件(亀山孝一君紹介)(第一九一九
号)
同外四十六件(木村俊夫君紹介)(第一九二〇
号)
同外四件(小島徹三君紹介)(第一九二一号)
同(佐藤觀次郎君紹介)(第一九二二号)
同外五十一件(正示啓次郎君紹介)(第一九二
三号)
同(田中武夫君紹介)(第一九二四号)
同外三十四件(田村元君紹介)(第一九二五
号)
同外一件(辻寛一君紹介)(第一九二六号)
同外六件(渡海元三郎君紹介)(第一九二七
号)
同外二十四件(中井徳次郎君紹介)(第一九二
八号)
同外三件(中垣國男君紹介)(第一九二九号)
同(中野四郎君紹介)(第一九三〇号)
同外三十四件(野呂恭一君紹介)(第一九三一
号)
同(長谷川四郎君紹介)(第一九三二号)
同外一件(原健三郎君紹介)(第一九三三号)
同外二件(福井勇君紹介)(第一九三四号)
同外二十五件(藤井勝志君紹介)(第一九三五
号)
同外二十件(山本幸雄君紹介)(第一九三六
号)
同外一件(早稲田柳右エ門君紹介)(第一九三
七号)
同外六件(渡辺美智雄君紹介)(第一九三八
号)
同外二十四件(有田喜一君紹介)(第一九五六
号)
同外一件(今澄勇君紹介)(第一九五七号)
同外一件(受田新吉君紹介)(第一九五八号)
同(加藤高藏君紹介)(第一九五九号)
同外六十四件(川崎秀二君紹介)(第一九六〇
号)
同(砂田重民君紹介)(第一九六一号)
同外一件(田川誠一君紹介)(第一九六二号)
同外一件(原健三郎君紹介)(第一九六三号)
同外十六件(藤尾正行君紹介)(第一九六四
号)
同外六件(船田中君紹介)(第一九六五号)
同外六十九件(坊秀男君紹介)(第一九六六
号)
同(堀川恭平君紹介)(第一九六七号)
同外一件(山本勝市君紹介)(第一九六八号)
同外二十八件(山本幸雄君紹介)(第一九六九
号)
同(石田宥全君紹介)(第一九七〇号)
同(三木喜夫君紹介)(第一九七一号)
同(山田耻目君紹介)(第一九七二号)
同外四件(山本勝市君外一名紹介)(第一九九
九号)
同外一件(石野久男君紹介)(第二〇〇〇号)
同外四件(上村千一郎君紹介)(第二〇〇一
号)
同外二件(浦野幸男君紹介)(第二〇〇二号)
同(落合寛茂君紹介)(第二〇〇三号)
同(清瀬一郎君紹介)(第二〇〇四号)
同外八件(小島徹三君紹介)(第二〇〇五号)
同(下平正一君紹介)(第二〇〇六号)
同外八件(高瀬傳君紹介)(第二〇〇七号)
同外二十四件(丹羽兵助君紹介)(第二〇〇八
号)
同(濱地文平君紹介)(第二〇〇九号)
同外五件(原健三郎君紹介)(第二〇一〇号)
同外二件(福井勇君紹介)(第二〇一一号)
同外四件(藤井勝志君紹介)(第二〇一二号)
同(藤田義光君紹介)(第二〇一三号)
同(古川丈吉君紹介)(第二〇一四号)
同(山本勝市君紹介)(第二〇一五号)
同外十一件(渡辺美智雄君紹介)(第二〇一六
号)
同外一件(赤城宗徳君紹介)(第二〇四四号)
同外一件(板川正吾君紹介)(第二〇四五号)
同(田中彰治君紹介)(第二〇四六号)
同外十五件(渡海元三郎君紹介)(第二〇四七
号)
同外二件(中垣國男君紹介)(第二〇四八号)
同外六件(原健三郎君紹介)(第二〇四九号)
同(松田竹千代君紹介)(第二〇五〇号)
同外四件(久野忠治君紹介)(第二〇六〇号)
同外二十件(田中彰治君紹介)(第二〇六一
号)
同外一件(中垣國男君紹介)(第二〇六二号)
同外一件(藤枝泉介君紹介)(第二〇六三号)
同(堀川恭平君紹介)(第二〇六四号)
同外六件(松山千惠子君紹介)(第二〇六五
号)
同外二十六件(山手滿男君紹介)(第二〇六六
号)
同外二件(今澄勇君紹介)(第二〇六七号)
同(受田新吉君紹介)(第二〇六八号)
同(春日一幸君紹介)(第二〇六九号)
同外十一件(佐々木良作君紹介)(第二〇七〇
号)
家畜共済制度の改正等に関する請願(福田繁芳
君紹介)(第二〇一七号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
農業近代化資金助成法の一部を改正する法律案
(内閣提出第九七号)
農業信用基金協会法の一部を改正する法律案
(内閣提出第九八号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/0
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001・中川俊思
○中川委員長 これより会議を開きます。
農業近代化資金助成法の一分を改正する法律案及び農業信用基金協会法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。芳賀貢君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/1
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002・芳賀貢
○芳賀委員 最初にお尋ねしたいのは、この近代化資金法が制定されたのは昭和三十六年でありますが、当時当委員会において、近代化資金の原資は、これは農協の自己資金を融通して、それに対して、国が都道府県の行なった利子補給に対して二分の一の補助をするという仕組みになっておったわけでありますので、そういうような消極的な補給制度では所期の目的を達することができないではないか、少なくともこの融資を受ける農民の場合においては、五分以内の金利負担でこの近代化資金法というものが運営されるようにすべきであるという当初からの議論があり、また法律が制定された場合においても、そうした趣旨の強力な附帯決議を当委員会においては付しておるわけであります。その後たびたびの本法の改正の場合においても、この点は委員会として強調しておる点でありますが、いまだにこれが実現しないということについては、非常に遺憾であります。この点は、農林大臣が後刻出席されました場合においても政府の見解をただしたいと思うわけでありますが、その前に、農林省当局として、この五分以内の実質金利にするという努力を今日まで行なったのかどうか、その点を明確にしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/2
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003・森本修
○森本政府委員 近代化資金の貸し出しの際の末端の金利のお話でございますが、われわれとしましても、近代化資金制度の重要性にかんがみまして、できるだけ末端金利を引き下げる方向で検討をしておるわけであります。御案内のように、三十七年には当時七分五厘でありましたものを六分五厘に引き下げ、また今回基準金利の引き下げ等とも関連いたしまして、個人施設については六分に引き下げるというふうなことで、できるだけ末端金利を引き下げるように努力をしてきておるわけであります。ただ、御案内のように、系統原資を使っておる関係がございまして、そういう関係からいきますと、系統における預金金利との関係あるいは系統の資金コストといったようなものとの関連もにらむ必要がございますので、そういう点で、今回は六分程度で——国会の附帯決議を十分われわれとしても前からいただいておりますけれども、一応六分程度で今回は末端金利をきめていったらどうかということにいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/3
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004・芳賀貢
○芳賀委員 いま局長の答弁によっても、政府が利子補給の額を増額するということでなくて、いわゆる系統の原資の資金コストの低減ということを理由にして、基準金利を従来の九分五厘から九分に引き下げる。その五厘引き下げになった分だけが、末端の借り入れる生産者に対して負担が軽減されたということであって、政府の積極的な努力によって金利負担が軽減されたということとは全く違うと思うのです。その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/4
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005・森本修
○森本政府委員 御指摘のとおり、今回の末端金利の引き下げは、単協の基準金利の引き下げに伴うものであります。したがいまして、政府及び地方公共団体の利子負担率は別段変わらないということになっておるわけであります。そういうことで、ただ、ざっくばらんに言いますと、いろいろな予算折衝の過程におきまして、組合の合理化をいたしましたときには、あるいは政府の利子補給を負担すべきであるというような議論もあったわけでありますが、われわれとしては、そういうことは絶対困るということで、そのまま末端金利の引き下げに影響させるということで、今回の四十一年度改正はやろうとしておるわけでございます。先ほど申し上げましたように、末端金利はできるだけ低くしたいということは、願望としてはわれわれとしても十分持っておるわけでありますが、御案内のように、預金金利は、一年定期などは五分六厘ということに実はなっております。単協の原資を使うということでありますと、やはり金融の常道として、そういった預金金利との関係といったようなことも当然にらんでいかなければなりませんから、そういった関連を考えますと、六分程度というのは、ある意味では引き下げとしてもかなり限度に近いところに来ておるのではないか、そういう感じがしておりますが、なお将来十分検討いたしまして、農家の金利負担の軽減というふうなことについても、できるだけひとつ配慮し、努力をしていきたい、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/5
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006・芳賀貢
○芳賀委員 次に、今度の政府の利子補給の場合には、大体大きな変化はありませんが、ただ、農林中金だけに対して政府が直接の利子補給を行なうことができるという改正が出ておるわけでありますが、この法律の体系からいうと、都道府県がまず利子補給を行なって、その都道府県の行なった利子補給のおおよそ二分の一をたてまえにして、政府が都道府県に対する補助という形で利子補給を行なっておるわけですが、この点は、将来この近代化資金のたとえば毎年の資金計画というものがふえて、今年度の場合には、昨年の七百億円に対して百億円増の八百億円ということになっておるわけですが、結局この近代化資金の利子補給対象のワクが拡大されるに従って、この制度を強力に都道府県においても推進していくことになれば、相当の都道府県の利子補給額というものは増額になるわけです。この点については、従来同様に都道府県が行なった分に対して二分の一をたてまえにしてやるということが最も妥当な措置であるかどうか。やはりある程度年数が経過して現在のような段階に到達した場合においては、あくまでも国と都道府県が折半方式にしておくということについては問題があると思うのです。将来都道府県が熱意を持ってやる場合には別でありますが、そうでない場合には、できるだけ近代化資金の導入を避けるというような消極的な扱いをするような気配も生じないとは限らぬわけでありますが、この点は政府としてどう考えておりますか。負担区分を改めて、たとえば三分の二を国が負担するとか、そういう時期に達しておると思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/6
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007・森本修
○森本政府委員 現在の状態では、都道府県が利子補給なりあるいは出資に対する負担が過重であって、近代化資金の運用のネックになっておるというふうには、必ずしもまだそこまでいっていないのではないかという感じが率直に言っていたします。三十九年の実績によりましても、農業行政費の約五・一%というような、全国をおしなべますと、そういう関係になっております。ただ、御指摘のように、将来融資ワクがだんだんふえてまいりますと、それにつれて都道府県として自動的に利子補給の額がふえてくるというようなことでありますので、将来そういうふうな事態になってまいりますと、都道府県の財政負担についても、国として相当配慮をしなければいかぬという時代があるいはくるのではないかと思っております。そういうふうなこともございまして、今回、基金協会に対する出資の分については、都道府県の負担が四十一年度から軽減するようなことで考えております。先日も御説明申し上げましたが、従来のような方式でまいりますと、四十一年度は都道府県の出資に要する補助金は八億くらいになります。今回の保証制度の改正によりまして、基金協会の資金の造成額が軽減をされてまいります。そういう関係から、従来の方式でいけば八億くらいかかるものが約二億程度で済む、こういうふうなかっこうになっております。そういうことでありますから、全体として、近代化資金に要する地方財政の負担をそういう形で軽減をはかっていけるというふうに思っております。お尋ねの、将来の資金ワクがふえてくれば、地方公共団体に対する利子補給のあり方も変えるのかどうかというお話でありますが、それは将来における近代化資金に要する地方負担、それから地方財政全体の状況をにらんで、われわれとしても十分検討すべき問題であろう、そういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/7
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008・芳賀貢
○芳賀委員 次に、先ほど局長から話のありました基準金利の問題ですが、これは単協、信連、中金というものに区分して、それぞれの系統段階における最近の資金コストの状態、あるいは近代化資金法から見た基準金利の段階のあり方について説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/8
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009・森本修
○森本政府委員 まず、単協におきます資金コストの状況でございますが、単協のほうは、最近二、三年の状況を申し上げますと、三十六年には資金コストは約六分六厘程度、それから三十七年も六分六厘七毛、それから三十八年は六分七厘九毛といったようなことで、やや資金コストが漸次高まってきておるというようなかっこうでございます。これは預金のほうでも定期性の貯蓄がふえてきたようなかっこうもございますし、あるいは人件費の増というようなこと、要するに、調達の金利が高まる、それから間接費がやや漸増するというようなことから、こういう推移を示しております。貸し出し金の利回りのほうは、それに逆——というとおかしいのですが、傾向を見ますと、三十五年には九分五厘程度でありましたのが、三十七年は九分二厘、それから三十九年には九分といったような形で出てきております。ただ、そういう関係で、コストと運用の間に多少逆のような動きを示しておりますけれども、御案内のように、資金量が相当ふえてきておりますので、単協における信用事業の利益といいますか、そういうものを見てまいりますと、ここ数年来相当大きく増加をしてきておるというような傾向に実はなっております。大体単協における状況はそういう形でございます。
信連のほうは、資金コストは三十七年が八分二厘程度、それから三十八年が七分九厘、それから三十九年が八分一厘というふうな形でございます。いずれも預金の集まりぐあい等によりまして、多少その年度年度に変動がございますので、きれいな傾向としてはちょっと読み取れませんけれども、農林省の調査ではそういうふうな形になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/9
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010・芳賀貢
○芳賀委員 信連段階の貸し出し金利ですね、それからもう一つは、中金の資金コストはどうなっておるのか、その点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/10
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011・森本修
○森本政府委員 中金のほうは、調達資金コストとしましては、三十九年度は——実はこれは単一金融機関でございますので、資金のコストをあまり正確といいますか、ぴしゃっと端数まで申し上げるのはどうかと思うのですが、三十九年度はほぼ八分五厘前後、それから四十年度は七分七厘前後、それから四十一年度は七分一、二厘といったような形に推移するものと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/11
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012・芳賀貢
○芳賀委員 なお、信連、中金の資金の種類によっても違いますが、実際の貸し出しの金利、それはおおよそどうなっているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/12
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013・森本修
○森本政府委員 先ほども御指摘がございましたように、貸し出し金の中にはいろいろな種類のものがございますので、大体プールをして申し上げますと、三十九年度では農中のほうが九分一厘程度、それから信連のほうは九分六厘程度、そういうふうな調査の結果になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/13
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014・芳賀貢
○芳賀委員 そこで、この基準金利が九分五厘が九分ということになるわけですが、その場合、中金に対しては政府から直接の利子補給を行なうわけですが、中金に対する利子補給はどの程度考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/14
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015・森本修
○森本政府委員 中金が直接貸しをするわけでありますから、末端金利が六分の場合には利子補給が一分五厘、末端金利が七分の場合利子補給の率が五厘、基準金利としては七分五厘というふうなことで考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/15
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016・芳賀貢
○芳賀委員 そうすると、四十一年度の七分一厘が中金の平均コストということになると、一分五厘の利子補給をしてもらえば、中金としては相当有利になるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/16
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017・森本修
○森本政府委員 相当有利といいますか、七分一厘程度に対して七分五厘の基準金利といったような形になりますから、多少の諸経費等も要ると思いますので、まあこの程度で適正な水準ではないか、そういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/17
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018・芳賀貢
○芳賀委員 その点がちょっとわからないですね。中金にそういうゆとりを与えるような補給というものは、はたして必要かどうかですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/18
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019・森本修
○森本政府委員 通常単協などを考えましても、御案内のように、従来は九分五厘なり、あるいはまた今度九分といったようなことで、基準金利を設けますけれども、単協が近代化資金の原資を信連等から借ります際には、一分程度の利ざやができるというふうなことで、実は計算をいたしております。近代化資金を貸し出しますには、やはり借り入れ先に対しましてよく審査をする、あるいは調査をするといったようなことも必要でございますし、また、貸し出した後においては、ある程度債権の管理といったような事務も出てまいります。また、役所に対していろんな諸報告をしなければいかぬといったような、いわゆる事務人件費も若干かかってまいりますので、先ほど申し上げましたようなバランスで、中金に対して基準金利が高過ぎるというふうなことには必ずしもならないのではないか、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/19
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020・芳賀貢
○芳賀委員 私の聞いているのは、今度の改正によって中金の直貸し分に対して国が直接の利子補給を行なうということになるわけですね。その場合の利子補給の一分五厘というものは、現在の中金の資金コストの事情、あるいは国全体が趨勢としては低金利の方向に向かっているというときに、中金自身に直接国が補給する場合の一分五厘というのは、相当ゆとりがあるのじゃないかということを指摘しておるわけです。それ以外の資金は、たとえば単協が自己資金のほかに転貸資金を調達するわけでありますが、それは農林省から出された資料に基づいても、単協の資金調達の分については、中金からの転貸資金はわずかに〇・二という割合ですね。これはほとんど中金には単協が依存していないということが明らかになっておるわけです。信連の場合も、中金からは転貸資金というものは全然受けていないのです。そうなると、単協並びに信連段階においては、現在は中金から資金を仰がなくとも、自己資金でこれは調達できるということになるわけですから、中金の貸し出しということになれば、中金の直貸しということにしかならぬわけですね。ですから、その場合に、七分一厘の範囲内であるいは七分でコストが形成されておるという場合においては、これは何も一分五厘補給する必要はないのじゃないですか、一分なら一分でいいのじゃないですか。何もこういう制度に中金を参加させて、こんな制度から中金が貸し出しの上の運営利益をあげる必要はないと思うのです。むしろ貢献させるほうが大事じゃないかと思うのですが、その点はいかかですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/20
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021・森本修
○森本政府委員 先ほど申し上げました四十一年度の計数というのは、実は四十一年度の見込みといったようなことになっておりますので、七分一厘あるいは二厘というのは、画一的にそういうことになるかどうかといったような問題が一つございます。それからもう一つは、御案内のように、単協のほうでありますと、先ほども申し上げましたように、コストとしては六分何厘といったようなコストになっておるわけですが、それに対して九分五厘ないし九分というような基準金利を設けておるといったようなことを考えますと、一つは、資金コストという観点からだけで基準金利を考えていいものだろうか、やはりその金融機関の通常の運用の利回りといったようなことも基準金利を考える際には考慮してもしかるべきではないか、こういうふうな感じもございまして、われわれとしては、農林中金の運用のことを考えますと、必ずしも七分五厘という基準金利は高い水準ではないのじゃないか、むしろある程度勉強をした基準金利を四十一年度からきめていこう、そういうふうな感じもいたしておるわけであります。そういう点からいきますと、先ほど来申し上げておりますように、七分五厘の基準金利というのは、そう中金に対して過大な基準金利を与えたというふうには見えないのではないか、そう思っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/21
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022・芳賀貢
○芳賀委員 次に、信連段階の業績をちょっと説明してもらいたいと思うのです。これは二つに分けて、単協が調達する場合、三十九年の資料によると、約五〇%は単協の自己資金で調達するわけですね。次に信連からの転貸資金が三四%ということになっておるから、これは相当割合が高いわけです。したがって、近代化資金として単協が信連から転貸資金を受ける場合のこれも、やはり一定の基準があると思うのです。これはどの程度の金利で信連から単協に流させるようにするか、その点です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/22
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023・森本修
○森本政府委員 従来、基準金利が九分五厘でありました当時は、単協の近代化資金の原資の信連からの供給は八分五厘程度でございました。今回基準金利が九分になるわけでございますから、信連からの単協に対する近代化原資の供給は八分というふうなことで実行する予定になっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/23
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024・芳賀貢
○芳賀委員 次に、近代化資金によっても、資金の供給源を、たとえば農協の行なっておる共済事業を実際に担当しておる共済農協連等の資金の活用ができることになっておるが、実績によると、ほとんどこれはゼロに近い状態ですが、これは何か特別の理由があって、共済連からの資金供給は行なわれないのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/24
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025・森本修
○森本政府委員 御指摘のように、共済連のほうも近代化資金を貸し付けることができることになっておりますが、共済連の資金の運用の一元化といったようなことがございまして、共済連が持っております金は信連を通じて運用するといったようなことにもなっておりますので、信連に一たん入りまして、そして信連から近代化原資として末端に供給されるというふうな形に運用いたしておるわけであります。そういう関係から、統計上そういう整理をいたしますと、共済連そのものの貸し出しの額が非常に少ないというふうには見えますけれども、信連資金として活用されておる、そういうふうに御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/25
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026・芳賀貢
○芳賀委員 これは局長も御存じのとおり、共済連の資金は、預金ではないから、金利はついていないわけですね。つまり、これは掛け金が原資になっておるわけです。ですから、資金コストからいえば、信連の資金よりもコストは相当低いということになるわけですから、それを従来のように信連を通じて活用するということになれば、これは何も意味がないのですね。都道府県単位の共済連というのは、単協が直接の会員になっておるわけですから、共済連に近代化資金等に運用できる資金源があるという場合は、むしろ共済連からその構成員である単協に運転資金として貸し出しをするというふうに改める必要があると思いますが、その点はいかでですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/26
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027・森本修
○森本政府委員 御指摘のようなこともあると思いますけれども、何ぶん先ほど申しましたように、共済連の持っております金の一元的な運用といったような従来からの指導方針といいますか、そういう申し合わせ等もございますので、現在はお手元にあるような形に実はなっておるわけであります。もちろん、共済連に対し、近代化資金の直接貸し付けというような希望がございますれば、できるだけそれにこたえていくということは必要であると思いますが、当面はやはり先ほど申し上げましたようなことで、信連に預けて、それを近代化原資として活用するといったような道も、一面従来の経緯からいいますと、設けておく必要があると思います。いずれにしても、御指摘のようなことについては、十分ひとつ検討し、合理的な考え方でやっていきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/27
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028・芳賀貢
○芳賀委員 私の指摘しているのは、いまここで指摘したわけではなくて、これは従来から、この近代化資金制度の改正のときの議論とか、あるいはまた共済連のいわめる蓄積資金に対する活用の問題等は、従来も当委員会において取り上げられておるわけです。最近の趨勢を見ても、農協の貯金の伸び率よりも、共済事業、各種共済の伸び率のほうが、伸長度合いというものははるかに高いのです。結局、共済事業における蓄積が従来から見ると相当高まっておるということは、これは現実の問題なんですね。その蓄積の原動力というのは、これは単協の組合員である農民が直接共済事業に参加して、その掛け金が蓄積になってあらわれておるわけですから、これを単協を通じて末端の組合員に有利に活用させるということは、これは当然のことだといえるわけです。そういう点が、従来ときどきの指摘にもかかわらず、積極的に行なわれていないわけですから、その隘路が、たとえば都道府県段階において共済連の資金を信連を通じて流さなければならぬという、そういう理論的な根拠はないと思うのですね。会員外に流すというのであればこれは問題があるとしても、直接の会員である単協に対して共済連から有利な資金を流す、還流するということは、これは農協事業としても当然なことであると思うわけであって、その場合、共済事業に対しては、農協法の中にも共済規定というものが明らかになっており、これに対する監督の権限は農林大臣、大蔵大臣が行なうことになっておるので、そう手軽に扱うことはできないとしても、その点は、十分政府として合理的な指導方法というものを確立した場合においては、十分運営できると思うのです。すでにもうこれは実行すべき時期であるとわれわれは考えておるわけですが、この点をさらに明確にしてもらいたいと思います。事務当局が積極性がなければ、大臣にあとで質問をしても、これは期待のある答弁にはならぬわけですね。これはぜひ局長から明らかにしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/28
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029・森本修
○森本政府委員 御指摘の点は、十分よくわかります。また、共済連資金の一元的運用といったようなことも、従来から一つの問題になっておるわけでございますから、近代化資金の活用のしかたにつきまして、できるだけ共済連資金を末端に流すのがいいといったような希望もあり、そういうことが適切な場合には、そういった方向でも十分指導していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/29
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030・芳賀貢
○芳賀委員 この問題を掘り下げれば相当時間がかかるわけですから、きょうは深く究明はしませんが、これは適当な機会に——適当といっても、来年とか再来年というわけじゃないのですよ。心なくとも今国会の会期内に共済連資金の活用の問題について、農林省においても、問題を整理して、前向きに、これはどうやるとか、こうすればこうなるというような、そういう具体的な対案というものをぜひ出してもらいたい。これは政務次官、どうですか、そういうことはできないと思うか、やればできると思うか、お答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/30
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031・仮谷忠男
○仮谷政府委員 確かにおっしゃる点はあると思うのですが、府県によりましては、共済連と信連が一体になっていろいろ運営している面があります。そんなものもありますから、一がいにこれをきちっときめるのはどうかというふうにわれわれも実は考える面もあるわけですが、しかしまた、実質的にはせっかくの農民の共済の資金を系統に十分活用させるという面から考えてみますと、先生のおっしゃる面もあると思うので、これは少し検討させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/31
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032・大石武一
○大石(武)委員 ちょっと関連して政務次官にお尋ねしたいのですが、いまの御答弁はちょっとあやふやな答弁で、政務次官の答弁としては少し足りないと思うのです。政務次官としては、もう少しはっきり言える立場ですから、いますぐ技術的にどうこうということは言えないと思いますけれども、ここはできるだけ近代化資金の金利を安くして農民の負担を軽くして、そうして農民の農業経営の拡大発展をはかることが一番正しいことだと思うのです。そういう意味からいって、共済連の金というものは当然農民の金ですから、そんな金をできるだけ安く農民に使わせることが妥当だと思うのです。そういう意味で、この問題を前進的に解決する御意思があるかないかは、はっきり御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/32
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033・仮谷忠男
○仮谷政府委員 決して責任のがれを言っておるわけではありません。私は実態を自分でいろいろ経験しておるものですから、そういう感じがするわけなんです。確かに低利で農民に十分活用させるという点については、これはもう共済連も信連も同じ農民を基盤にした組織でありますから、当然のことでありますが、いまの場合は、共済連の金を信連に預けて、信連から結局下へおろしていくか、共済連から直接単協へいくかという問題になっておるのですが、ところが、府県にいきますと、共済連と信連というものはほんとうに表裏一体の形で運営しておるという面もある。それを逆に共済連の分だけを引き裂いて単協に持っていこうということになると、県段階において、農業団体の分裂というと言い過ぎかもしれませんけれども、何かそういうふうなことで、水をさすような結果になる。せっかく一体になってやっておるのを水をさすような面もあるわけで、そういうような面、金融秩序の面、その他いろいろな面を勘案いたしまして、その県の実情に即して、そういうことが本来の趣旨であって、そういうことが希望されるなら、そういう方向に進めていく、少し現実の問題として検討しなければいかぬものですから、一律には割り切れない面もありますので、現実に運営上の問題点を感じておるので、あいまいといえばあいまいな答弁をしたわけですが、前進さすことについては、決して先生のおっしゃることに異論はございません。そのつもりで努力してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/33
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034・大石武一
○大石(武)委員 いまの気持ちはわかります。私は、共済連と信連との関係がどうこうというような詳しいことはわかりませんし、技術的なことは、いま答弁を要求しているんじゃないのです。ただ、共済連の金は金利のつかない金です。その金を安く農民に利用させることが根本的に大事な問題だと思います。共済連と信連との関係をどうするか、単協との関連をどうするかということは、技術的な問題ですから、そのことについては、合理的な調和のとれる形でやっていただきたいと思いますけれども、ただ、近代化資金を安く使わせるところに根本の問題があるのですから、そのことについてのただいまの御答弁で、御決意のほどはわかったように思います。そのとおり解釈してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/34
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035・仮谷忠男
○仮谷政府委員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/35
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036・芳賀貢
○芳賀委員 いま政務次官の言われたのは、私ただいま聞いていると、経済局長の答弁よりも相当後退しておると思う。仮谷さんは、漁業関係は長年やってきておられると思いますが、農協の事業については、未熟といっては失礼ですけれども、大体しろうとの域を脱していないというのはやむを得ないと思うのですね。これは共済連としても、会員である単協を通じて、たとえば組合員の建物の資金であるとか、いろいろな直接共済事業と関連のあるものについては、単協を通じて貸し出しを実際は行なっておるわけです。ただ、近代化資金ということになると、直接共済事業の取り扱っておる建物とか、あるいは福利施設の場合と趣が違うわけですから、問題は、信連と共済連があたかも信用事業を競合してやるようなことになると、これは弊害があり、問題が混乱する、ここに実は問題点があるわけです。それで、一応余裕金については、一般の融資等に充てるためには、信連を通して単協に流すということにしておるわけですが、しかし、国が法律を設けて、特に近代化資金制度というものをつくって、そうして国家もあるいは都道府県も利子補給等をやって、できるだけ低利の資金を農協の系統資金を活用して使わせるということになれば、やはりそれに直接共済連が参加するということは、これは矛盾はないと思うのですね。ただ、共済連のほうが信連よりも相当下廻る金利で貸し出しをするということになれば、それが信連あるいは中金にとっては脅威になるわけですね。自己保存のために共済連の金を信連を通じて流さなければならぬということは、これは信連としてもけしからぬ話だと思うのです。ですから、こういう点は、農林省としてよく事情を承知しておられるし、われわれとしても、全面的に金融的な事業をやるというのではなくて、せめてこうした近代化資金制度等の場合、単協が自己資金で調達できない場合は、信連はもちろんでありますが、共済連からも直接資金の供給を受ける道を開くということにすれば、相当大幅な改善ができるのじゃないかと思うわけでして、その点をいままで農林省は三十六年以来積極的に取り組んでいないのですよ。だからこの際、きょうどうするというわけじゃありませんが、今国会中にもう少し具体的な検討を行なって、その際こういうような道があるとか、やれるとかいう点を別の機会に論議すべきでないかということを私が指摘したわけであって、それに対する次官の御意思を先ほど伺ったわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/36
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037・仮谷忠男
○仮谷政府委員 十分に検討いたします。共済連関係は農政局の担当になっておりますから、十分ひとつ勉強いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/37
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038・芳賀貢
○芳賀委員 次にお尋ねしたいのは、今回の改正によりまして、従来の貸し付けの期限の十五年を二十年以内に改める、三年以内の据え置き期間を七年に改めるということに改正されるわけですが、以内ですからして、どの資金は何年ということは、これは法律には明らかになっておりませんで、結局政令にこれをまかせて、そうして各種類別に償還年限あるいは据え置き期限というものをきめることになっておりますが、先般の提案理由の説明によると、期限延長した場合の恩恵というものは、全面的に及ばないような趣旨の説明になっておりますが、この点については、もう少し具体的にこの改正が行なわれれば、償還年限とか据え置きの延長等は、どういう種類の資金に適用するという点を明確にしてもらいたいわけです。
あわせて、この法律が改正になれば、当然政令の改正もするわけですから、従来もこの法律の改正案等は出しても、それに基づく政令や省令をどうするかということは、委員会が要求しなきゃ出さぬのが農林省の悪いくせなんですね。ですから、用意してあるとすれば、政省令の改正案等についても、言われなくても当然委員に配付するのが至当だと思いますが、その用意ができておればすぐ配ってもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/38
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039・森本修
○森本政府委員 償還期限を十五年から二十年に延長いたしましたのは、主として、今回新しく融資対象に加えます環境整備資金が、かなり固定資本としても長期にわたるものである、償還もかなり長いだろうというふうなことを考えまして、十五年から二十年に延長をする。それから据え置き期間を三年から七年にいたしますのは、従来の果樹植栽あるいは新しく加えます育成資金、これが据え置き期間三年では短か過ぎるというようなこともございまして、主として果樹の植栽及び育成資金について据え置き期間を延長したいということで、法律案を御審議いただいておるわけです。
政省令案等につきましても、大体いま申し上げましたような趣旨で整備をする予定でございますが、必要がございますれば、できるだけ早い機会に御提出をいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/39
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040・芳賀貢
○芳賀委員 委員長に申し上げますが、先ほど私が言ったとおり、法律案を委員会で審議する場合、その法案の中に、政令に基づくとか省令に基づいてということが、条文の中にうたわれておる場合が非常に多いわけです。それは法律の精神に基づいて政省令にこれをゆだねるということになるわけですから、当然新しい法律が出たとかあるいは改正案が出た場合は、それに明記されておる政令の内容はどうであるとか省令の内容はどうかということは、これは法案審議上重要な点になるわけです。そういうのは当委員会等においてはときどき指摘はするが、なかなか一緒に出さないわけです。仕事がおくれておるといえばそれまでです。ですから、今後はやはり法案が提案された場合は、それに関係のある政省令等の案については、同時に委員に配付するようにすべきだと思う。委員長からも特にこの点を注意すべきだと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/40
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041・中川俊思
○中川委員長 政府委員に申し上げますが、ただいま芳賀委員から御指摘の点は、しごくごもっともだと思いますので、自今そういう問題が生じました場合には、参考資料としてできるだけ御提出を願いたい。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/41
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042・芳賀貢
○芳賀委員 次にお尋ねしたいのは、毎年近代化資金の利子補給対象の資金総額は増額になっておること、これはけっこうなことでありますが、これをたとえば五年あるいは十年と計画的に見た場合に、農林省としてどういう構想を持っておるか。今後五年間にこの近代化資金というものをどれだけに伸ばすとか、あるいは十年計画の場合にはどうするかという案があれば、この際示してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/42
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043・森本修
○森本政府委員 御案内のように、農家の資金需要の把握というのは必ずしも容易ではございません。それからもう一つは、近代化資金のほうとしましても、今回の改正などによりまして、融資の対象がふえてくるといったようなこともございます。今回の融資対象を拡大いたしましたものが、たとえば中期運転資金でありますとか、あるいは環境整備資金が、はたしてどの程度融資の実績を示してくるかといったようなことによっても、融資ワクが将来変わってくるわけでございますので、現在のところは、大体従来御案内のように百億あるいは五十億といったようなことで、毎年資金ワクを増加してきております。将来もその程度の資金ワクの増大は当然しなければならぬと思っておりますが、四十一年度に新しい融資対象を加えた結果、どういうふうな実績を示すかというふうなことも考慮いたしまして、将来の長期的な資金の見通しを立てたい、こう思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/43
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044・芳賀貢
○芳賀委員 その点は、たとえば農林省から出された資料によっても、この近代化資金の認定額が毎年の計画を下回っておるわけですね。これは需要が少なくてこういう結果になっておるのか、相当需要はあるが、これをまあ選別して認定した結果、年度計画に達していないのか、その事情はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/44
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045・森本修
○森本政府委員 近代化資金が発足いたしました当初の二、三年は、いわゆる予算上のワクを各県に割り当てまして、資金の消化をしておる。むしろその当時においては、需要のほうが資金ワクよりも多少上回るといったような形があったようでございます。ところが、最近、御指摘がございましたように、予算上のワクに対して消化が必ずしも一〇〇%いかない、だんだん消化率が落ちてくるといったような状況でございますので、現在の近代化資金のワクの運用としましては、まあざっくばらんにいいますと、各県の必要額、ほしいという額に対しては各県別のワクは特に設けないで、十分需要に対して資金ワクを配分していく、そういうふうな形で運用しております。したがって、消化率が下がってまいりましたのは、特にワクの配分がまずくて消化ができないといった実情にはここ二、三年ないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/45
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046・芳賀貢
○芳賀委員 私どもの調査の結果から見ると、決して近代化資金に対する需要、これに対する依存度というものは低下しておるとは考えられないのですね。結局農民の側から見れば、やはりこういう制度資金というものに対しては相当期待を持って借り受け希望はあるわけですが、まあ実際の資金は、これは政府資金ではありませんから、単協あるいは系統の自己資金を貸し出して、その分に対する政府あるいは都道府県の利子補給ということになって、一面においては信用保証制度等はあるし、今回また保険制度で強化するということにはなっておるが、結局生産者の希望あるいは需要に対して、信用度合いの調査とか確認というような作業の中で、相当これはふるい落とされる場合が多いと思うわけです。そういうことで、実際の面から見ると、最初の計画の九〇%あるいは八〇%程度に終わるということになっておると思いますが、その間の障害あるいは隘路等というものは、これは農林省としても調査されておると思いますが、そのおもなる点に対して局長から実例をあげてもらいたいと思います。需要はあるけれども、どうして結果的には消化されないかという点ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/46
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047・森本修
○森本政府委員 貸し出しの末端の担当者でありますところの農協が、農家からの借り入れの申し込みがあって、それを十分借り入れの希望に応じて処理をしてないといったような関係を言っておられるかと思いますが、その実況は、どの程度借り入れの申し込みがあって、どの程度受け入れているといったような比率みたいなものは、必ずしも計数的にははっきりはしないのでありますが、私どものほうで十五県ばかり県を選びまして、そういった実態を調査しておるわけです。したがって、これが十五県ですから、全国必ずそういう姿かということになりますと、ちょっと明確ではないのですが、十五県のそういう調査によりますと、農協が、近代化資金の借り入れの希望がありまして、受理をいたしましたのが、三十九年の状況では大体九五%受理をしておるという形になっております。したがって、この調査によれば、それほど農家の申し込みに対して拒絶をしたり、あるいは保留したりするということは少なくともないのじゃないかというふうな感じがいたしております。県によりあるいは地方により多少実情は違うと思いますが、全国おしなべますと、そういう状況になっております。
そこで、申し込みが残念ながら受けられなかったといったような事由でございますが、どういう場合にそういう形になるか。いろいろ調査の項目がございまして、あるいは借り入れ者の側の事情によって十分希望に応じられないといったようなものもあるようでございます。たとえば事業計画が必ずしも十分でない、あるいは信用力が十分でない、自己資金が活用できるではないかといったようなそういった事由によって、借り入れを残念ながら受けられないといったようなものがかなりのウエートにのぼっております。なお、組合側の事務の能力が不足しておる、あるいは貸し付け資金が十分でないといったような事由によって、農家の借り入れ希望を残念ながら受けられないといったようなケースも多少はあるように、調査の結果は出ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/47
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048・芳賀貢
○芳賀委員 いずれにしても、三十六年は利子補給の承認状態が九三・七%、三十七年が九五%、三十八年が九三・四%、三十九年が八三・八%と、制度開始以来毎年毎年実績が低下しているわけですね。こういうことになると、結局農民がこの制度に対して全面的な期待を持っていないとか、熱意がないというような理由づけのようなことにもなって、制度が後退するようなことになると、これはたいへんだと思うわけですからして、そういう点については欠陥を発見して、十分是正してもらいたいと思うわけです。
それで、この点に関してもう一つお尋ねしたいのは、都道村県で、地域的に見ると、近代化資金の活用状況に非常に不同があるわけですね。これも農林省の資料に基づくわけですが、たとえば北海道の場合には、三十九年度には全体の五・五%程度しか近代化資金を利用していないわけですね。北海道モンロー主義で私が言うわけでもないが、この制度の性格から見ると、北海道の農業の場合には、特に積極的にこの制度を利用すべきであると思うにもかかわらず、他の東北、関東、北陸、東海、近畿、中国四国、九州の各ブロックに比較して、北海道が最低なわけなんですけれども、これは農業の生産規模とか、あるいは生産力、あるいは今後の発展の度合い等から見ても、地域的に見ると、北海道がこういう全体の五・五%なんというのはおかしいと思うのですね。これは農林省のせいだというわけじゃないですよ。どういうわけでこうなっているか、私もちょっと理解に苦しんでおるわけなんですが、局長はこの現象というものに対してどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/48
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049・森本修
○森本政府委員 ちょっと私、北海道がどういう事情で借り入れが十分進まないかという点は、残念ながらそこまで勉強が足りませんので、その理由ははっきり申し上げる用意がございませんが、ただ、最近の模様を見てまいりますと、全国の近代化資金の貸し出しの伸びに比べまして、まあもとが小さいといえばそれまででございますが、三十九年及び四十年の見込みを申し上げますと、全国の伸び方に比べて、北海道の伸び方のほうがやや上回るようなかっこうになっておる。具体的に申し上げますと、三十九年は全国の対前年比が約一〇三%というふうな形になっておりますが、北海道では一〇九%くらいの伸び率、それから四十年度は、これは見込みでございますが、全国の伸び率が一三〇%くらいを見込んでおりますが、北海道のほうは一五〇%くらいというふうな見込みになっておりまして、最近の伸び率としては、全国よりも多少上回りつつあるのではないか、そういう感じがしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/49
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050・芳賀貢
○芳賀委員 この点は、私も理由の発見にちょっと迷っておるわけですが、たとえば利子補給をやる場合に、北海道は道がやるわけですね。ですから、公共団体が積極的な利子補給をしたくないという場合には、これは抑制する方法はあるのでしょう。そういうことはないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/50
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051・森本修
○森本政府委員 都道府県で利子補給についてどういう運用をされておるかということになるわけですが、私の聞いた限りでは、それほど都道府県で利子補給を締めておるといいますか、そういうふうな形は、全国的には少ないというふうなことを聞いております。ただ、先ほど申し上げましたように、北海道でどういう形で運用されておるか、必ずしも私実はつまびらかにしておりませんので、その点について、しかとお答えをする用意がございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/51
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052・芳賀貢
○芳賀委員 結局、北海道庁が利子負担をあまり好まないという場合には、そういう抑制措置が都道府県段階でできるとすれば、そういう政策上の作用が、これは全くけしからぬことであるけれども、そういう理由も一つはあるわけですね。もう一つは、農家の固定負担の現況から見ると、やっぱり北海道が、内地の府県から見ると、非常に一戸当たりの固定負債が多いわけですね。したがって、単協あるいは信連が自己資金から貸し出しするわけでありますから、その単協の組合員のいわゆる信用力等を検討して、結局、信用力がない者には積極的に融通ができないという、そういう金融機関的な判断から立つと、なかなか、組合員は希望しておるが、そういう受信力の問題で十分これが伸びないということも一つの理由になると思いますが、そういう点はどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/52
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053・森本修
○森本政府委員 これは抽象的なことで恐縮でございますが、そういう事情も多少は影響があるかと思いますが、何ぶん北海道について具体的にどういう事情で先生御指摘のような事情になっておるか、私実はいまちょっと存じませんので、十分ひとつ取り調べをさせていただきたい、そういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/53
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054・芳賀貢
○芳賀委員 私の判断では、私自身が北海道の単協の組合長をやっている関係もありまして、北海道庁が利子補給をしたくない態度ということは別として、単協が自己資金から融通するという場合は、一方において保証制度もあるが、組合員に対する信用力の問題で、単協によってはこの資金を積極的に扱わないというのも、実はないわけではないのです。そうなると、この近代化資金の積極的な活用の障害をなしているのは、やはり農家の固定した負債が原因でもあるということになるわけですね。そうなると、この間も、マル寒資金のときにちょっと触れましたが、近代化資金を借り入れる前の前提条件として、相当額こげついた負債のある組合員に対して、それをどういうふうに除去して、近代化資金の活用によってその農家の農業の伸展をはかってやることができるかという問題になると思うのです。現在は、自作農維持資金制度が、制度としては農家の負債整理の一翼をになっておるわけですが、これだけでは十分であるとは考えられないわけですね。そこで、国の制度として、特に専業農家を中心とした農家の負債整理をやる場合には、どういう制度あるいは方法が一番効果的であるか、好ましいかという点についても、農林省としては相当検討を進められておると思うわけです。ですから、この機会に局長から具体的な説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/54
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055・森本修
○森本政府委員 農家のほうに従来の負債が多くて、近代化資金が十分借りられないといったような関係の問題であろうかと思いますが、あるいは従来のような保証制度の形でありますと、具体的に申しますと、地方の信用基金協会が八〇%しか保証しない。したがって、あとの二〇%は単協がリスクを負って農家に金融をしなければならない。そういうふうな状態でありますと、単協としても、信用過多といいますか、借り入れ金が多い農家に対して、貸しつけを渋るというふうな傾向は出てくる可能性があるわけであります。ところが、今回、しばしば御説明を申し上げましたように、四十一年度からは原則として一〇〇%信用基金協会が保証する、こういうことにするわけであります。そういうことになりますと、少なくとも今後近代化資金を貸し出すものについては、たとえ近代化資金で貸しましたものが焦げつくというふうなことになりましても、貸し金の一〇〇%は基金協会から代位弁済を農協としては受けられるわけでありますから、この点についての障害は、四十一年度からはかなり軽減されるというふうになると思います。これは十分でないかもわかりませんが、近代化資金に限っては、そういうふうな保証制度の改正をすれば、いま申し上げましたような点は相当改善になるのではないか、そういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/55
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056・芳賀貢
○芳賀委員 この保証制度の問題は、これは同時に審議しておるわけで、あとで数点お尋ねしたいと思っておったわけですが、いまの答弁だけを取り上げると、それでは単協として、返済能力が十分でないと認められる組合員についても、今度は保証制度が完ぺきになって、一〇〇%保証することになるから、心配はないという取り扱いをしてもいいということなんですか。いいとか悪いとかじゃなくて、農協としては、各種の貸し付け金とか、いろいろ組合員によってあるわけですから、この利子補給が若干あっても、なかなか——資金を貸し付けても計画どおりの回収はむずかしいと思って、貸し出しをちゅうちょしているものもあるわけですね。ところが、今度は信用保証制度が完ぺきになったので、そういう組合員に対しても相当弾力性を持たして貸し出す、しかし、回収は困難なことは最初からわかっているわけだから、その場合には、保証協会が一〇〇%保証の任に当たるから、単協は心配ないだろう。局長の説明はそういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/56
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057・森本修
○森本政府委員 近代化資金といえどもやはり資金の融通でございますから、当初から一〇〇%これは返済能力なしというふうなものに対して融資をするかどうかは、非常にむずかしいところでございす。ただ、私の申し上げましたのは、多少リスクがありましても、近代化のために必要な資金を融通するという一つの制度金融の眼目でございますから、いままでよりは、単協としては自己負担がなくなるわけでありますから、資金の融通については積極的になるだろう、そういうことを申し上げておるわけでございまして、全然返らない見込みのものに対して単協が融資をするかという御質問に対しては、そこのところは、資金の融通といいますか、金融の制度でありますから、やはり一定の限界があるというふうに御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/57
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058・芳賀貢
○芳賀委員 そこで、先ほど指摘しました固定負債の整理に対して、国としてはどういうような改善策があるかという点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/58
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059・森本修
○森本政府委員 北海道におきます負債が、内地に比べてかなり借り入れ金が大きいという点は、私どもも承知をいたしておるわけでございますが、ただ、そのうちで、はたして固定した負債がどの程度あるかということになりますと、実はまだ十分調査が行き届いておりません。そういう実情でございますので、一体どの程度の状況になっておるかということをもう少ししさいに検討さしていただきたい、その上でわれわれの考えもひとつまとめさしていただきたい、そういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/59
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060・芳賀貢
○芳賀委員 先日マル寒法の審議のときにも、マル寒法に基づく改善計画を立てた場合に、総括的な計画を立てて、並行的に負債整理資金あるいは家畜導入資金等については一括貸し出しの方法でやるという、そういう農林省の方針が示されたわけでありますが、そういっても、現在制度的に見ると、自作農維持資金が、大体災害の場合に貸し出すのと、それから農業維持のために、これは負債整理ということで貸し出しておるにすぎないわけですが、これがどの程度効果的に働いておるか。いまから四年前に、自作農創設維持資金制度というものが分解されて、農地取得等については公庫法の中に取り入れられているわけですね。残ったのは維持資金法ということになっておるわけですから、この四年間にわたる、単に維持資金法となってからの法律の運用の成果とか実態というのはどうなっておるか。これは災害資金として貸し出す場合と、それから一般資金として主として負債整理等に充当する場合の区分ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/60
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061・森本修
○森本政府委員 それは後ほど整理をいたしましてお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/61
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062・芳賀貢
○芳賀委員 これは政策上の問題になるわけですが、私としては、近代化資金を貸し出す場合の障害になっておる農家の固定した負債、これを解決するということが同時並行的に行なわれるということになると、相当大幅に改善されると思うわけです。農協においても、組合員である農家の負債が相当固定化しておるという傾向にあるわけですから、協同組合自身としても一定の計画を立てて、たとえば五年とか七年とか十年計画にこれを切りかえて、そうして農協自身の努力で、この分に対しては相当低率な金利とか条件を付するということでやっておる農協もありますが、しかし、単協の力というのはおのずから限度があるわけですから、思い切ったことはできないわけです。したがって、近代化資金というものは、単協の原資に対して利子補給するということになるわけですから、その場合、でき得れば今後専業農家として困難を打開して、将来完全な自立農家になるという、そういう目標と努力を備えておる農家に対しては、やはり近代化資金の対象を拡大して、無制限というわけにもいかぬが、近代化を進めるためにどうしても障害になるというような内容の明らかな固定負債等については、この制度の中に取り入れるか、あるいはまた自作農資金の改正をするか、方法は今後検討するとしても、そういう措置はどうしても必要になると思うわけです。それができないということになれば、いやおうなしに兼業の方向にいくか、脱農しなければならぬということに追い込まれるわけで、将来あくまでも農業でがんばってやっていきたいという農家もあるわけですから、それに対して農林省としては一体どういうような具体的施策が必要であるかということになると思うのです。これは重要な点だと思いますから、局長単独ではあれですが、農林省として考えがない、無為無策だというようなことでは許されないと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/62
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063・森本修
○森本政府委員 御承知のように、四、五年前、自作農資金で固定負債を借りかえるといいますか、整理をしたのでありますが、その後三、四年たちまして、一体どういうふうな状況になっておるか。先ほど申し上げましたように、私どものほうでもひとつよく見さしていただいて、その上でないと、一体どういう手だて、あるいはどの程度のことをどういう手段でやるかというふうなことが、ざっくばらんに言って出てこないわけであります。そういう意味から、北海道の負債の問題については、その実情がどうなっておるかということをできるだけひとつ検討させていただきたいというふうに思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/63
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064・芳賀貢
○芳賀委員 いま局長の言われたのは、三十六年に自作農の法律の附則改正をやったことをさしておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/64
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065・森本修
○森本政府委員 私が申し上げましたのは、そのときのことを申し上げておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/65
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066・芳賀貢
○芳賀委員 あれは問題があるのですよ。あのときの事情は、農林省と与党が共同謀議をやって、社会党のわれわれ委員が出席しない時期を見計らって、そうしてああいう、全くインチキのようなものですけれども、一方的に単独採決を委員長提案というような形でやったわけなんです。あれは非常に物議をかもしたわけですが、あれで北海道の負債整理が終わったなどと考えるのは全く間違いなんです。あれは農林省が北海道庁をおどしあげて、調査の結果、あと三十何億円しか固定負債がないじやないか、それには三十六年度一年限りという据え置き年限の若干の延長と、それから北海道について貸し付け限度を四十万円に引き上げるということでやれるじゃないかということで、三十六年度だけやればこれは終わりというような、全く無暴な押しつけをやったわけですよ。ところが、その後、その固定負債が北海道で解消されたかというと、そのくらいのことでは何にもならないのです。しかもその障害はもう終わったではないかということで、全然北海道に対する重要な施策が進まなくなってしまったわけです。それがまた作用をして、その間冷害、凶作等もありましたが、結局最近は、現実に固定負債が相当ふえておる。これはたとえば北海道における農業の構造改善とか、あるいは近代化、機械化等が相当進んでおりまして、そのための生産面に対する投資が、資金の借り入れというような形であらわれておることは事実ですが、そういう前向きの設備資金とか資本投下が行なわれても、農業の収益性の低さというものは、なかなか計画どおり資金の償還ができないという事情に置かれておるわけなんです。そういうことも大きな理由となって、最近はまた急速に固定化負債が増大しておるという傾向に実際あるわけです。この点はやはり農林省としても速急に調査を進め、実態を把握して、適切な措置を講じないと、いまでは全国の食糧とか農業生産の一大拠点として国としても期待しておるわけですから、その地域におけるこうした思わしくない実態というものは、早期に発見してそれに対処するべきだと思うわけです。この点はあとでまた農林大臣にも尋ねますが、農林省の中で一番大事な担当局長として、速急にこれは調査を進めるとか、実態を掌握するということで努力してもらいたいと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/66
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067・森本修
○森本政府委員 先ほど来繰り返しておりますように、北海道の借り入れ金ないしは負債の状況については、ひとつできるだけしさいに検討さしていただきたい、こういうふうに思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/67
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068・芳賀貢
○芳賀委員 次に、信用基金協会法の改正について、二、三お尋ねしたいと思います。
まず第一点は、この制度ができましてから今日まで、都道府県単位に基金協会というものが設けられておるわけでありますが、協会の基金の造成の事情、あるいはこれは公共団体と農業団体等が基金に参加して出資する該当者ということになっておりますが、内容的に、基金造成の状態とか各会員の出資の状態等が、初期の期待どおり進んでおるかどうかという点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/68
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069・森本修
○森本政府委員 現在のところでは、基金の造成については、その必要額が造成されておるというふうに私どもは見ております。三十九年度末の状況では、近代化資金に要する基金としまして、全国合計をしますと、八十六億基金を造成いたしております。その内訳を見ますと、約半額が都道府県の出資でございます。また、その半分が実質上国の補助である。こういうことは御承知のとおりであります。あとの半分が民間によって造成をされておるわけですが、その民間の内訳を見ますと、要するに五〇%が民間でありますので、単協が約二〇%、信連が約一四%といったような形でありまして、その他市町村が約一割というふうな内訳になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/69
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070・芳賀貢
○芳賀委員 基金関係の詳しい資料があれば、あとで提出してもらいたいと思います。
そこで、いま言われた公共団体と農業団体との内訳でありますが、都道府県は相当出資をしているようでありますけれども、この信用基金協会法の審議の場合も、末端の市町村が積極的に基金に参加して出資すべきであるという議論も行なわれておるわけですが、その後の状態は、市町村の出資というものはあまり進められていないようにも聞いておりましたし、いまの局長の説明によっても、現在においては、割合から見ると、あまり進んでいないと見受けられるが、これはどういうわけで市町村が協力しないのか、理由はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/70
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071・森本修
○森本政府委員 市町村のほうも、最近の出資の状況を見ますと、全体の出資に対する市町村の出資割合というのは、わずかずつでありますけれども、上がってはきております。たとえば三十七年度末では市町村の割合が約六・九%、三十八年度では八・四%、三十九年は先ほど申し上げましたように九・二%ということで、市町村の出す割合は漸次ふえてはきておるわけであります。ただ、市町村のほうの割合がふえても、現状では一割程度ではないかというふうなお話でありますが、何ぶんにも都道府県がかなり負担をしておることもございますし、それから単協あるいは信連等も、やはり自分たちの原資を活用してもらうのだということで、出資に協力しております。そういう事情からこういう割合になっておるものと思います。ただ、市町村がそれほど活発でないという事情がございますれば、われわれとしても、そういう点については十分指導なり示唆なり、そういうことについてやっていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/71
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072・芳賀貢
○芳賀委員 次に、先ほど保証額については一〇〇%に今度は改定されるという説明もありましたが、実績は一体どうなっていますか。たとえば毎年度の利子補給の承認額に対して保証申し込み額がどのくらいになっておって、いわゆる保証の依存率はどのくらいの割合か、そういう点はわかると思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/72
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073・森本修
○森本政府委員 全体の資金の融通額に対しまして、保証の依存割合といいますか、それは最近上がってはきております。一応数字で申し上げますと、融資に対して保証をしました割合が、三十七年度が五七%、それから三十八年度は六〇・五%、三十九年度は六〇・九%ということで、保証の依存率は上がってきております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/73
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074・芳賀貢
○芳賀委員 今回の改正が行なわれた場合、今度は保証額一〇〇%ということになれば、それに対応する基金の造成とか保証の実行という問題が、当然実施段階で出てくることになるが、その点の計画はどういうことになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/74
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075・森本修
○森本政府委員 ただいま申し上げましたのは、全体の融資額に対して保証に乗っておる金額の割合でございます。御指摘の点は、保証の限度が八〇%から一〇〇%になることによる変化、こういうお話であります。そこで、私どもとしましても、そういうふうな保証の限度を高めてまいりますと、当然保証の融資額に対する依存率が増加してくるであろうというふうに思っております。信用基金協会の関係、あるいはさかのぼりますれば中央の保険協会のほうにも響いてくるわけでありますが、従来先ほど申し上げましたように、六〇%ちょっとといったような依存率になっておりますが、保険なり保証の設計としては、六七%くらいには少なくとも当座は上がってくるであろうというふうな計数で試算をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/75
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076・芳賀貢
○芳賀委員 次に、具体的な取り扱いとして、債務保証の実行の事例ですが、たとえば単協が自己資金で貸し出しを行なって、それに利子補給がつくわけですが、その場合、単協が基金協会に対して保証を申し込んで求めるわけですね。それで結局、借り受け人の組合員がこの計画どおり返済ができない、そういう場合もあるわけですね。その場合のために基金制度があるわけですから、したがって、農協が自己資金を貸し出して回収できない場合には、保証協会が肩がわりして、そして金融機関である単協に実際上の損失を及ぼさぬということになるわけですが、その場合、単協の場合においても、求償権というものは基金協会に完全に移って、そして協会が直接債務者である組合員に債権の回収を行なうという仕組みになっておるのかどうか、その点はどうなんですか。信連の場合と単協の場合と、それぞれ実務上の差があると思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/76
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077・森本修
○森本政府委員 御指摘のような関係にはなっております。つまり、農家が借り受けた金額を返済できないという場合には、単協に対して基金協会がかわって債務を弁済する、いわゆる代位弁済をすることになります。代位弁済をいたしますれば、形式的には求償権は単協から基金協会に移ることになります。ただ、基金協会としましても、いろいろ借り受け者の事情もございましょうから、みずから債権の回収に当たるということでなしに、単協に事務を委託して、その債権の管理をしていただく、そういうふうな運用になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/77
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078・芳賀貢
○芳賀委員 その次は、単協が自己資金で充当できない場合、当然これは信連とか中金から転貸を受けて貸し出すことになるわけですが、中金の場合にはそういう必要が生じてきませんが、信連段階から借り受けるという場合には、農林省の資料によっても、三十九年が三四、五%ということになるのですね。その場合の返済不可能というときに、回収の責任は当然単協にあるが、本人がこれを返済しない、そしてその資金が信連の資金であるという場合は、その場合の債務保証というものはどういうふうなことになるのでありますか。単協が代位弁済をする責任がはたしてあるのか。実際は信連が信連資金から単協に近代化資金の目的で融通している場合は、債務保証が行なわれた場合、信連が直接借り受けた生産者に請求して回収するのか、単協の代位弁済が必要かどうかという点と、その間の事情は、実際事務を取り扱う場合にどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/78
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079・森本修
○森本政府委員 近代化資金の原資を信連から供給を受けて、単協が貸し出す場合の話でありますが、農家から借り入れ金が返済にならない、そういうことになりますと、基金協会が単協に対してかわって金を払うことになります。したがって、単協としては、その基金協会から代位弁済を受けた金額を信連に対して弁済をする、資金の流れとしてはそういうふうな形になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/79
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080・芳賀貢
○芳賀委員 それはこういうことですか。信連資金を農協を通じて組合員に転貸するわけですね。その場合、回収ができない場合は、やはり基金協会が保証弁済をする、そうして弁済した金額を基金協会から単協に与え、単協が信連に対してそれを弁済するということになるのですか。もう一回その点をちょっと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/80
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081・森本修
○森本政府委員 述べられたとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/81
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082・芳賀貢
○芳賀委員 それから信連が直接貸す場合は、これはどういうふうになっているのですか。信連貸し出しとか中金貸し出しというのもあるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/82
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083・森本修
○森本政府委員 信連が直接貸し出しをいたします場合にも、先ほど単協で申し上げた関係がそのまま当てはまるというふうになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/83
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084・芳賀貢
○芳賀委員 その点は明確になりましたが、いままでの取り扱いの経過からいくと、基金協会が保証弁済をしたという金額はまだあまり大きくはないと思うが、そういう実例もあるわけですね。そういう実例が起きた単協等に対して、その後、たとえば信連の資金等を流す場合とか、あるいは近代化資金の単協からの申し込みに対して、実績上何々農協は回収能力のない組合員に近代化資金を貸し出すからして、結局基金が保証弁済をしなければならぬということを理由にして、その後の資金の流れに対して相当厳重な規制が行なわれるという事例が実はあるわけなんです。そうなると、何も基金協会とか保険協会というものは必要なくなるのじゃないですか。そういう場合に備えての裏づけ制度というものが、基金とか保険という形で強化されるにもかかわらず、完全に回収ができないとか、成績がよくないということを理由にして、近代化資金の認定が進まないとか、自己資金以外の資金を要求した場合に、それが目的どおり流れてこないというようなことになった場合においては、この制度自身が非常にゆがめられて運用されるということになると思いますが、そうなれば、何も改正なんかする必要はないと思うのですよ。最初から厳重に回収能力のあるものだけ選別して貸せば、協会も保険も要らぬということになると思うのです。実際実務段階ではそういう現象があるのですよ。農林省はそんなことはないと言うかもしれないが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/84
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085・森本修
○森本政府委員 一つは、長期的な資金でありますから、貸し付けをいたします場合には、回収の見込みがあるというふうなことで貸し付けをいたしまして、その後数年を経過して、事情が変わって、回収ができないといったような場合があるわけであります。その点が一つと、それから先ほどちょっと御指摘の点が十分わかりかねるのですが、私どもが今回保証制度を改正するというふうにいたしましたのは、基金協会のほうの組織なりあるいはやり方なりというのが、今後償還が本格的になってくると、必ずしも体制が十分ではないのではないか、こういうふうなことで改正をするようにお願いをいたしておるわけです。その主要な点は、基金協会のほうは、御案内のように、先ほどのようなことで皆さんから基金を出資していただいて、その基金をもとにして保証し、代位弁済をやっていく、こういうことになっておるわけです。しかし、現実には、その運用の状況を見てまいりますと、代位弁済をするということになれば、基金を取りくずして代位弁済をしなければいかぬ。そうしますと、一つには、その基金が基金協会の事務、人件費をまかなうもとになっておるといったようなことがございます。それから基金を取りくずしてしまいますと、保証を続けていくにはさらに出資を増加しなければいかぬといったようなことがあるわけです。そういう点から十分農家の保証に対してもこたえられない、あるいは一たん延滞が起こりましても、代弁を積極的にやらないというふうな心配があるわけであります。そういう心配を、一つは中央の保険機構を設けまして、基金協会のリスクを半分程度中央で持ってやるということがあります。それからなお若干部分は基金協会のほうの危険負担が残るわけでありますから、それに対しては中央から融資をすることによって、直ちに基金を取りくずさなくても代位弁済ができる、そういうふうなことに仕組みを改善しようということになっておるわけであります。その両者を併用いたしますれば、基金協会のほうは従来よりも保証を積極的にするであろうし、また延滞が起こった際の代弁も積極的にやるだろう、こういうふうに考えておるわけであります。御質問の趣旨と十分合っておるかどうかわかりませんが、私どもが改正をしようと思っておりますねらいは、そういうふうな点にあるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/85
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086・芳賀貢
○芳賀委員 局長の説明は、それは表玄関の説明で、それでいいのですよ。実際の問題として、単協内において基金から代位弁済をしてもらわなければならぬというような実例が起きた場合、その後の近代化資金の貸し出しの実態とかあるいは承認等の事例を見ると、それが一つの理由になって、だんだん制限されるとか窮屈になるとかいうような報復的な措置が、いままでは見受けられるわけです。そういうものが容認されるとすれば、基金制度も何も要らぬということになるわけですね。そういう事例が出た場合に、報復的にあとは貸し出しの承認を制限するとか、信連資金をあまり流さぬとかいうようなことになると、単協において相当熱意を持ってこれを農家に取り扱ってやろうとしても、だんだんできないということになるのです。何も計画的に代位弁済をさせるつもりで組合員に貸し出しをするわけではないですからね。その点はやはり末端まで十分目の届くような指導体制というものを十分立てておく必要があるのではないかというふうに思うわけです。
それから代位弁済の実行の時期は、十年資金とか十五年資金というものになっておるわけですから、その問いろいろな事情によって返済できない年次も出てくるわけですが、その場合には延滞ということになっていくわけですか。結局は十年あるいは十五年の返済期限を経過して、さらに返済が完了しておらない金額に対して代位弁済をするのか、途中でこれは発動ができるか、その点はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/86
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087・森本修
○森本政府委員 代位弁済のほうは、お尋ねのケースで申し上げますと、それぞれ長期資金を借りましても、一年一年据え置き期間が過ぎれば要返済額というのが出てまいります。その一年一年の要返済額が滞りました場合に、代位弁済が発動できる、こういうような形でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/87
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088・芳賀貢
○芳賀委員 では、その年次の分が滞った場合に代位弁済ができる、そういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/88
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089・森本修
○森本政府委員 それぞれの年度における要償還額が滞りましたときにも、代位弁済が発動し得る、そういう仕組みでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/89
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090・芳賀貢
○芳賀委員 あと二、三点でとどめておきたいと思いますが、畜産局、農地局来ていますか。——それでは畜産局は参事官が見えていますから、お聞きしますが、今回の改正によって、家畜導入資金のほかに、今度は育成資金が貸し出されるようなことになるわけですが、いろいろなものを貸し出したほうがいいということにもなるが、従来の家畜に対する資金貸し出しの方法から見ると、今度は主として飼養するえさ代だとか、その部面に対してまでも近代化資金を貸し出す必要があるという最も大きな理由は、どういう点にあるわけでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/90
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091・太田康二
○太田説明員 芳賀先生も御承知のとおり、従来、牛、馬、綿羊、豚等につきまして、もちろん限定はあったわけですが、これが家畜購入資金につきましては、近代化資金でめんどうを見ていたことは御承知のとおりでございます。ところが、いま申し上げたような牛でございますと、肉用肥育素牛は除きますが、搾乳牛あるいは繁殖素牛の経営、あるいは豚も繁殖用豚の経営等につきましては、その経営の実態を見てまいりますと、初産時までの育成あるいは初産時から販売代金回収開始までの飼養管理費というのが相当の額になるわけでございます。しかもその育成期間等を考えてみますと、長いものは二十九カ月、短いものでも十五カ月くらいかかる。したがって、その間のいわゆる中期の運転資金、先生おっしゃいますえさ代とか、それから材料費、建物、農機具修理費、あるいは賃料、料金、こういった中期の運転資金というものがかなりの額になるわけでございまして、従来家畜の導入資金を見ていたものにつきましては、家畜育成資金というものを貸し付け対象にいたしまして、家畜とセットにしてそういうものを融通することによって、少しでも畜産経営農家の金利負担を軽減するということが、畜産経営の拡大のために役立つというような趣旨で、今回中期の運転資金を利子補給の対象にいたした、こういう次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/91
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092・芳賀貢
○芳賀委員 そこで、肉牛も当然対象になるわけですね。最近の畜肉対策というものは、相当農林省としても強力に進めてもらわなければならぬわけですが、その場合、いわゆる肉牛用の子牛を家畜資金で導入する。それから肉牛だから、何年も搾乳して販売代金をあげるというわけにいかぬのですね。ですから、肉牛の場合には、一定期間飼育して、それを肉用に販売するということになるわけですが、乳用牛とは全然扱いが違うことになると思うのです。ですから、畜産振興事業団等においても、これは別な法律でありますけれども、牛肉の輸入等については事業団が扱うというような構想のようでありますが、今度の近代化資金の扱いの中で、一体肉用牛等の導入や飼育というものに対しては、どの程度の計画で対処する予定でおるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/92
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093・太田康二
○太田説明員 肉牛の問題でございますが、肉牛の問題につきましては、現在の近代化資金では、御承知のとおり、肉用の繁殖雌牛の導入について近代化資金の対象になっておるわけでありまして、肉用の肥育素牛につきましては、御承知のとおり、きわめて短期間で現金が回収されるということでございますので、これは本来いわゆる組合系統金融の融資分野になじむものだということで、近代化資金の対象にはいたしていないわけでございまして、肉用繁殖雌牛の自家生産、あるいは購入した肉用繁殖雌牛を哺育し、これを育成し、その生産物の販売を開始するまでに要する現金支出の経費を貸し付け対象にするということでございます。われわれが想定いたしております経営では、大体自家育成あるいは購入のものでそれぞれ考えてみますと、初産時までの育成費が、大体自家育成の場合は二十八カ月、月齢六カ月物の子牛を購入する農家の場合には約二十二カ月、さらに子牛を販売年齢まで哺育する期間が六カ月かかりますので、三十四カ月ないし二十八カ月かかるわけでございまして、この間のえさ代あるいはその他の現金支出、これを近代化資金の対象にいたしまして、国と県で利子補給をいたしまして、金利を引き下げて、農家の方の金利負担を少しでも軽くしよう、こういう計画でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/93
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094・芳賀貢
○芳賀委員 それじゃ肉用の素牛は、従来同様対象にしないということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/94
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095・太田康二
○太田説明員 肥育用の素牛については対象にいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/95
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096・芳賀貢
○芳賀委員 それは対象にしなくてもいいということなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/96
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097・太田康二
○太田説明員 一つには、肉用素畜導入事業という補助事業で、国が肉牛について別途の補助制度でやっておるということは、先生も御承知のとおりでございまして、これは末端金利が五分になるように、国と県でそれぞれ二分ずつ利子補給いたしまして、集団的に肉用の素畜を導入しまして、農家に預託肥育をして、一定期間預託をしたあと、それを共同出荷してその販売代金を回収し、それで農家に肥育料を支払うという別途の補助制度がございます。いま一つの理由といたしましては、肉用素畜につきましては、本来は組合系統金融で融資をするに最もふさわしい分野だ。と申しますのは、いま申し上げましたように、短期に代金の回収ができるというふうに見ておりますので、別途先ほど申しましたように集団的に個別農家の経営を拡大するための肉用素牛導入事業という補助事業をやっておりますが、近代化資金では肉用素畜は対象にいたしておりません。かような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/97
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098・芳賀貢
○芳賀委員 乳用牛の場合も、子牛が全部牝牛だけで生まれるとは限らぬわけですね。牡と牝と半々ぐらいということになる。従来は乳用の牡というのは価格も安いし、簡単に処理されておったが、これも全国の出産量から見ると、相当な数になるわけです。これらを完全な肉用にして肥育させて、国民生活にも貢献するということになれば、これらの飼育等についても、これは補助の対象になるのか。牡犢が生まれて、肥育して肉用にしたいという場合には、いま参事官が言った対象になるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/98
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099・太田康二
○太田説明員 実は乳用の雌牛に対しましての導入資金につきましては、現在近代化資金で対象にいたしておりますし、その育成資金につきましても、今回対象にしようということにいたしております。乳用牡犢につきましては、いま先生のおっしゃったとおり、従来は生まれまして一週間くらいで屠殺される。しかし、われわれの今後の政策の重点といたしまして、いま御指摘のございましたように、乳用牛につきましても、これの肉利用の積極的な開発をはかってまいらなければならないということでございますので、乳用牡犢につきましても、今後いままでのように一週間程度で殺されることのないように、ひとつ乳用牡犢の百五十日ないし百八十日ぐらいの育成というようなこともやってまいらなければならないというふうに考えております。そのための施策といたしまして、現在われわれが検討中のものは、最も問題になりますのは、牡犢の育成のための脱脂粉乳の手当ての問題があるわけでございまして、これにつきましては、今回、乳用牡犢を集団的にやろうという農業団体等に対しましては、どういうルートを通じてその脱粉を流したらいいかというような問題もあるわけですが、そういった問題を含めまして、パイロット事業として、これを積極的に援助してまいりたい。なお、国の福島の牧場におきましても、ややおくればせではございましたが、本年度、乳用牡犢の育成というような事業を新しく開始するという予算も要求いたしておりまして、福島の種畜牧場でも、乳用牡犢の育成並びにこれにからむいろいろな問題を解明するための事業を始めるということにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/99
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100・芳賀貢
○芳賀委員 次に、農地局長が見えましたので、二点ばかりお尋ねしますが、今回の近代化資金の末端金利が、基準金利五厘引き下げによって、それぞれ六分五厘は六分に、七分五厘は七分ということになるわけです。非補助の小土地改良の場合は、これはまあ現在も五分資金ということで特例で扱っておるが、しかし、全面的に五厘引き下げになるという機会であるし、この土地改良は五分で安いから、そのままでいいというわけにいかぬと思うのですよ。ですから、土地改良の場合には、これをさらに引き下げる必要があると思いますが、全体五厘引き下げになっておるという場合は、これは例外なしにその五厘分は下がるというふうに解釈して差しつかえないわけですか。具体的には五分が四分五厘になるということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/100
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101・大和田啓気
○大和田政府委員 土地改良に関係いたします近代化資金の利子率は、一般的には五厘下げるのだから、これも下げることはどうかという御質問の要旨だと思いますけれども、現在すでに五分というきわめて低利でございますので、今回の基準金利の引き下げにあたりまして、土地改良関係では五分を下げるというふうには、現在のところ考えておらないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/101
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102・芳賀貢
○芳賀委員 いや、下げるのじゃなくて、基準金利が五厘下がるのだから、自然に下がるでしょう。それは補給を同じようにやっていけば、黙っていたって五厘下がるんですよ。だから、そのままということになれば、その分に対しの補給率を下げるということになるのですね。そうじゃないですか。土地改良関係だけにうしろ向きにけちなことを考えているなんて、ちょっとおかしいじゃないですか。公庫資金の場合は、非補助は三分五厘でしょう。だから、近代化資金による非補助の小団地についても、公庫が三分五厘であれば、これも三分五厘になるようにするのがあたりまえなんですよ。われわれとしては当然そうなるべきだと考えておるが、いまお尋ねしたのは、基準金利が総体に五厘——これは農協のコストが五厘下がったわけだから、政府の努力じゃないわけですね。したがって、従来どおりの補給を行なっていけば、五分のものは四分五厘に自動的に下がるということになるので、その点は農林省としてはどう考えておるかという点なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/102
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103・大和田啓気
○大和田政府委員 ただいま申し上げましたように、基準金利の引き下げにあたりまして、五分を引き下げるべきかどうかについて、議論はいたしましたけれども、土地改良資金、公庫で現在五分、三分五厘という二つの体系を持ってやっておりますが、近代化資金についても五分の利下げはいたさないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/103
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104・芳賀貢
○芳賀委員 そうじゃないですよ。農協の金利コストが五厘下がったのだから、政府が下げるとか下げぬという問題じゃないのです。農協が自分で五厘下げるわけだから、これは好ましいことでしょう。だから政府の補給が変わらなくて、農協が自分で五厘下げれば、結局末端金利は五厘下がるということになるですよ。これは全部他の資金もそうなっていますよ、政府は今度の場合には何にも努力していないですよ。農協が努力して五厘下げているわけだから、何も自慢することにはならぬが、その努力というものは、実際に借り受けする組合員である農家に及ぶのがあたりまえなんで、及ぼさぬというのは、これは問題になるですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/104
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105・大和田啓気
○大和田政府委員 これは実は土地改良資金の関係の融資の利子の体系とも関連いたしまして、基準金利は下がりますけれども政府の補給がこれに応じて一般の改良資金と同じようにはまいりませんで、近代化資金における土地改良資金の利子は依然として五分ということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/105
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106・芳賀貢
○芳賀委員 それはおかしいじゃないですか。公庫の非補助は三分五厘でしょう。補助残が五分でしょう。補助対象にならない小団地に対しては五分で、これは差別的になっているのですよ。本来は三分五厘にするのがあたりまえだが、なかなか公庫資金を貸さないので、結局近代化資金にやむを得ず依存しているのですよ。ほんとうは三分五厘のほうを借りたいが、貸してくれぬから、まあ五分でがまんすることになっておるのです。農協の金利が五厘下がるのだから、何もこの分の利子補給を減らすというのはおかしいじゃないですか。これは大和田局長になってそういう方針にしたわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/106
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107・森本修
○森本政府委員 実は御指摘のようなことも検討いたしたのでございますが、元来、この土地改良の資金は、昔の改良資金のほうから引き継いできた資金でございまして、前回三十七年に一般の資金の金利を下げましたときも、土地改良全体の金利のバランスといったようなことを考えまして、この金利はいじらなかったというような経緯がございます。御指摘のように、基準金利が下がるのだから、これも当然そうすべきではないかというお話は、十分わかるのでありますけれども、何といいましても、いろいろな金利の体系といいますか、バランスといったようなものも十分考えなければいけませんので、むしろこの土地改良の分は、従来は政府の利子補給分が一般に比べて厚かったといったような関係にも逆に受け取れるわけであります。そういったいろいろな経緯なり、あるいは土地改良全体の金利のバランスといったようなことを考慮いたしまして、御指摘の点は十分わかるのでありますけれども、とりあえず四十一年度はこれでひとつ出発をさせていただきたい、そういうふうにわれわれは考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/107
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108・芳賀貢
○芳賀委員 この土地改良の融資の体系というと、何が基礎になるのですか。国の制度資金が基礎になるでしょう。その場合には、非補助は三分五厘ですし、補助残が五分だから、これが体系じゃないですか。これと合わすということになると、当然近代化の非補助の五分が不当に高過ぎるのであって、体系にそろえるとなれば、これはすみやかに三分五厘に直さなければならぬということになると思うのですね。それが体系じゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/108
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109・森本修
○森本政府委員 まあ、金利の体系というようなむずかしい話になりますとあれですが、大体公庫のほうは、融資単独の大規模のものを五分ということで非補助のものはやっております。いわゆる非補助小団地は三分五厘ということでやっております。従来の土地改良資金の利用状況を見てまいりますと、大体は公庫の非補助小団地に希望か殺到いたしておりまして、ほとんどそれを利用しておる。近代化資金のほうは、あるいはお手元にもお配りしてあるかと思いますけれども、融資の希望なり実績なりがわりあいに少ない。ウエートからいきましても、全体の一%弱といったような形になっておるわけであります。そういう点からいきますれば、先ほど来申し上げておりますように、近代化資金のほうは利用の程度も少ないといったようなこともありまして、公庫の三分五厘資金がむしろ大部分使われておるといったような実情からいいまして、それほど大きな御迷惑をかけることはないのではないか、こういうふうに考えまして、先ほど来御説明申し上げておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/109
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110・芳賀貢
○芳賀委員 それでは、これは農林省として非補助小団地の申し込みがあった合場には、一〇〇%公庫資金で貸し出しできるというわけですね。それなら、この近代化のほうは抹殺したほうがいいんじゃないですか。希望どおり全部やってやるというなら、それでもいいでしょう。農家の場合は、近代化でなければならぬとか、公庫でなければ気に入らぬというわけじゃない。条件が有利で、申し込みの資金が確実に期限内に到来するということであれば、それでもいいわけですから、その辺を統一して、それは公庫なら公庫一本でやるならやるということを明確にすれば、どうせ改正の機会ですから、不利になるような法律の条項を生かしておく必要はないから、削ればいい。ちょうどいい機会じゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/110
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111・大和田啓気
○大和田政府委員 近代化資金の土地改良関係は、御承知のように、非常に小さなものでございます。公庫に参りますのは、三分五厘といえども、近代化資金よりやや大きいのが通例でございます。最近の実績におきましては、五分の公庫資金あるいは三分五厘の土地改良資金、この需要一〇〇%をまかなっているとも言い切れませんけれども、資金の需要と供給との関係でそう大きな違いはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/111
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112・芳賀貢
○芳賀委員 だから、どっちか一本にしぼったほうがいいんじゃないですか。一〇〇%公庫で出すとすれば、そのほうが三分五厘であって、償還も長いのでしょう。そういうような指導をしたほうがいいんじゃないですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/112
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113・大和田啓気
○大和田政府委員 近代化資金は、非常に小規模で、簡単に農協から金を借りるというものであります。公庫のほうは、ややそれに比べて規模も大きくて、融資の手続はそれほどややこしいことはございませんけれども、おそらく近代化資金の借り入れに比べれば、やや手間取るという関係もあると思います。したがいまして、個人あるいは何人かの共同で小さな土地改良をやります場合に、土地改良資金を農協から借り入れるということは、私はそれはそれなりの意味があって、それを廃止して全部公庫に持っていったほうが農家にとって便利だというふうにも必ずしも考えないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/113
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114・芳賀貢
○芳賀委員 これは政務次官にお尋ねしますが、従来も、小規模の土地改良であってもこれは補助対象にすべきであるという、そういう主張がずっと続けられておるわけです。しかし農林省が採択基準というものを設けて、小規模に対しては補助対象から除外しているわけです。そういうこともあって、結局非補助小規模土地改良区については、せめて貸し付け条件だけでも緩和するということで、この三分五厘の制度は生まれたわけですね。最初は基金を設けて、その運用利回りで補給して三分五厘にするということから出発して、現在公庫の貸し出しということになっていますが、そういう点から見ても、小さいのは三分五厘で、それよりまだ小さいのは五分でいいというのはおかしいじゃないですか。どうも農林省の役人の言うことはわれわれには通じないのです。小規模の非補助を三分五厘にすることになって、それよりまだ小さい規模のほうは五分になっていいというのは、これはどうも理由が明らかでないですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/114
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115・仮谷忠男
○仮谷政府委員 どうも私、この議論をいま初めて聞くのですが、確かに金利体系としてはいろいろ疑点があると思うのですけれども、ただ、近代化資金の場合は、たとえば個人でも借りられるし、数人共同してでも借りられる。いま非補助小団地の三分五厘資金は、大体土地改良区あたりが団体で借り入れをする。そういう面で若干借り受ける対象者も違っておるのじゃないかと思われるし、いずれにしても、百姓がどちらか希望するものを自分で選択して借り入れができる、そういう余地もあるわけでありまして、そういうところからいまのような問題が生じたのじゃないかと実は思っておるわけで、いまの場合、これ以上の決定的なお答えを申し上げるには、いささかまだ調整ができておらぬわけでございます。そういうふうな点で一応御理解いただきたい。この問題は、ひとつ検討しなければならぬ問題だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/115
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116・芳賀貢
○芳賀委員 どうも仮谷さんは、最近答弁技術がうまくなっていろいろ言われるけれども、結論的にどうするというきめ手がなかなかないですね。これは政務次官としてやむを得ぬ現象かもわかりませんが、ただ、農協が金利を五厘下げるわけですから、そこからいま論議を進めておるわけです。政府の努力でなくて、農協自身の金利を五厘下げるわけだから、従来の扱いのままいっても、総体に五厘下がるのではないか。だから、土地改良は特別扱いに五分ということで、この点は政府としても努力されておることはわかりますが、農協の下げた分は、当然五分からも下がるということになるのです。黙っておっても四分五厘になるじゃないかということを私が指摘したわけです。ならぬという答弁が納得できないのですよ。そうなるということであれば、何も繰り返して質問する必要はないわけです。重要問題だから、皆さんで明快に答弁ができないとすれば、これは保留して、農林大臣から直接明らかにしてもらいたいと思うのです。それでもいいですよ。むりやりにこう答弁せいと言っておるわけじゃないから、それじゃ農林大臣に回しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/116
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117・森本修
○森本政府委員 先ほど来申し上げておりますように、近代化資金は、いろいろな制度を取り込んだような形で出発をいたしましたので、あるいはその当時、白紙に絵をかくということであれば、はたして三十六年ごろに五分の金利で出発したかどうかという点が一つあろうかと思います。ただ、既存の改良資金を引き継いだといったような形で、他のものに比べて、むしろ大きい利子補給率をこのものは適用してやってきたというような経緯があるのでございます。御指摘の点は、確かに四十年度から四十一年度への推移というようような点にしぼりますれば、基準金利が下がるわけであるから、末端金利もそれにつれてすべての資金を下げるべきであるというふうな御議論が成立するわけでございますけれども、近代化資金資金が発足いたしましてから今回までの経緯といったようなことをそれぞれ資金別に考えますと、われわれが考えておるようなことで、他の土地改良資金との関係、あるいは近代化資金の今回までのいきさつ、発足当時の経緯といったようなものを考え合わせれば、大体この小土地改良について現行の程度の金利でいきたいということで、ひとつ御理解をいただきたい、こういうふうに申し上げておるわけであります。四十年から四十一年にかけてのその動きだけを取り上げますと、先生のおっしゃられるようなことも当然出てくると思いますけれども、発足いたしましたとき、それ以来の経緯といったようなことを考えますと、この程度の金利でひとつ出発さしていただいたらどうか、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/117
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118・芳賀貢
○芳賀委員 これは保留するということにして、あと最後に、今度の改正によって、これは近代化資金の関係でありますが、法人以外の団体に対して近代化資金の貸し出しを行なうという点と、それから今度は保険協会を設けることによって、農林中金に対して融資保険の対象にするというような点については、提案理由の補足説明には載っておりますけれども、われわれとしては十分まだ理解できかねる点もあるので、この点を局長から明確にしておいてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/118
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119・森本修
○森本政府委員 法人格のない団体に対して、どういう資金を貸し出すかというお話でございますが、それは今回融資対象に加えました環境整備資金を貸し出す予定でございます。
それから、農林中金と信連その他の融資上の分野の話でございます。これは先般もお話がございまして、われわれとしまてしは、あくまでも農林中金が直接貸しをするのは補完的な制度である。したがって、全国的な受益の範囲を持つような施設をつくるといったような場合、あるいは信連では融資がむずかしいといったようなもので、借り受け者の希望があれば、中金が補完的に貸し出しをする。こういう趣旨で、直接融資の道を開くことにしたわけでございます。信連が貸し出せるといったようなものについてまで中金が貸し出しをするといったようなことは、なるべく避けていきたい。したがって、その点につきましては、融資の申し込みが中金に直接ありました場合にも、一応地元なり関係の信連に照会をいたしまして、信連のほうでは、融資の対象としては貸し出しがなかなかむずかしいというふうなことを確かめた上で、農林中金に貸し出しをしていただく、そういうふうな形で調整をしながら、進めていただくように指導したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/119
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120・芳賀貢
○芳賀委員 社会福祉関係の場合、説明にも農協の行なう組合病院などが載っておりますが、これは全国的に見ても、規模の大きいのは、厚生連、厚生農業協同組合連合会等の行なっておる病院、あるいは単協の経営しておる病院とか、あるいは数個の単協が共同の形で経営している農協病院とか、こういうものに大体区分されると思うのです。ですから、病院等の施設の場合には、農協としての法人格を持たないものに対して、これを対象にする必要はないんじゃないですか。簡易水道等の場合は、これは農協の組合員が主体となって施設する簡易水道、あるいは部落単位のいわゆる小規模の公民館的なものをいうのか、この場合であっても、維持管理等は、法人格を持った農協とかあるいは生産組合法人等が、簡易に運営できないという問題はないと思うのです。そういう条件を与えて指導すれば、法人格を持たないものにやらすよりも、むしろ充実して責任を持ってやらせられると思うのです。この点はちょっとおかしいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/120
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121・森本修
○森本政府委員 もちろん、御指摘のように、農業協同組合あるいは農業協同組合連合会が施設をつくる、あるいは管理するということが可能なものにつきましては、融資としても、農協ないし連合会に融資をするつもりでおります。ただ、今回融資対象として、融資の相手方として法人格のない団体を加えましたのは、どうしてもそういった既存の法人格を持つ団体ではできにくいものもあるいは出てくるのではなかろうか。たとえば部落等で簡易水道を共同で引く、あるいは集会所をつくるといったような場合には、農協では話し合いがつかない、部落で任意団体のようなものをつくってやるほうが話がまとまりやすいというふうな場合に、資金の融通の道が開かれていませんと不便であろうということで、今回は借り受けの相手方に法人格のない団体を加えることにしたわけであります。既存の団体あるいは法人格のあるものがやられる場合には、もちろん、それでやっていただいたほうが融資の関係でも明確になるわけであります。お説の点については、そのようなことでひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/121
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122・芳賀貢
○芳賀委員 その場合に、これは法人でやれるとか、これはどうしてもできないとかいう認定は、どこでやるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/122
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123・森本修
○森本政府委員 認定のほうは、市町村なりあるいは県なりが当然相談に乗るわけでありますから、そういう人に十分部落の人あるいは村の人がよく御相談願って、これはやはり農協では無理で、部落の申し合わせ組合と申しますか、任意団体でやらなければうまくいかないというふうな場合に、いま言ったようなことで運用していきたいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/123
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124・芳賀貢
○芳賀委員 それでは、きょうはこの程度にして、あと保留した問題は、農林大臣が出席されたときに質問をすることにします。
ただ、最後に、先ほど言いましたように、いま審議の三法案に関係する政省令等の必要な部分に対しては、法律が上がる前に必ず出してもらいたいということ。それから、最近の農協系統の貯金あるいは預金とか、貸し出し金のそういう実態、これは都道府県別にできるだけ資料にして出してもらいたい。これは委員長からも指示してもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/124
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125・仮谷忠男
○仮谷政府委員 先ほど委員長からも御注意がありましたように、できるだけ整備をして出すようにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/125
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126・中川俊思
○中川委員長 次会は、明二十三日午前十時より理事会、十時半より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01619660322/126
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