1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年三月二十四日(木曜日)
午前十時五十七分開議
出席委員
委員長 中川 俊思君
理事 大石 武一君 理事 田口長治郎君
理事 舘林三喜男君 理事 本名 武君
理事 赤路 友藏君 理事 東海林 稔君
理事 芳賀 貢君
伊東 隆治君 池田 清志君
金子 岩三君 小枝 一雄君
坂村 吉正君 笹山茂太郎君
田邉 國男君 綱島 正興君
丹羽 兵助君 野原 正勝君
野呂 恭一君 藤田 義光君
松田 鐵藏君 森田重次郎君
江田 三郎君 兒玉 末男君
西宮 弘君 松浦 定義君
湯山 勇君 中村 時雄君
出席政府委員
農林政務次官 仮谷 忠男君
農林事務官
(農林経済局
長) 森本 修君
農林事務官
(畜産局長) 檜垣徳太郎君
委員以外の出席者
農 林 技 官
(農林経済局統
計調査部経済調
査課長) 堀江 亮次君
農 林 技 官
(農林経済局統
計調査部農林統
計課長) 和気 洋君
専 門 員 松任谷健太郎君
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本日の会議に付した案件
農業近代化資金助成法の一部を改正する法律案
(内閣提出第九七号)
農業信用基金協会法の一部を改正する法律案
(内閣提出第九八号)
農林水産業の振興に関する件(乳価問題)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/0
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001・中川俊思
○中川委員長 これより会議を開きます。
農業近代化資金助成法の一部を改正する法律案及び農業信用基金協会法の一部を改正する法律案を一括議題といたします。
両案に対する質疑は昨二十三日すでに終了いたしております。
これより両案を一括して討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
まず、農業近代化資金助成法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/1
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002・中川俊思
○中川委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
次に、農業信用基金協会法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/2
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003・中川俊思
○中川委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/3
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004・中川俊思
○中川委員長 この際、芳賀貢君外二名から、ただいま可決いたしました両案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
趣旨の説明を求めます。芳賀貢君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/4
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005・芳賀貢
○芳賀委員 ただいま可決されました農業近代化資金助成法の一部を改正する法律案及び農業信用基金協会法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党並びに民主社会党を代表いたしまして、附帯決議を付するの動議を提出いたします。
まず、案文を朗読いたします。
農業近代化資金助成法の一部を改正する法律案及び農業信用基金協会法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、農業近代化資金制度の円滑な運営をはかるため、左記各項の実現に努めるべきである。
記
一、北海道等地域によっては国定化負債が重圧となって農家の経営改善意欲を阻害している実情にかんがみ、自作農維持資金の積極的活用等所要の措置を講ずること。
二、貸付条件については一般金融情勢と農業経営の現状に即し、金利を年五分以内に引下げる等その改善措置に努めること。
三、農業信用保険協会の資金に対する手当については時期的にも余裕をもって政府からの交付金の交付等により遺憾のないよう措置すること。
四、農業信用保険協会の業務運営の実績等を勘案し、将来包括保険に一本化することを検討すること。
右決議する。
以上であります。
附帯決議の内容については、先日来の当委員会における質疑の中におきまして、委員の発言あるいは政府の答弁等において明らかになっておりますので、この際趣旨の説明を省略いたしまして、附帯決議について委員各位の満場一致の御賛成を御期待申し上げるわけであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/5
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006・中川俊思
○中川委員長 本動議について別に発言もないようでございますので、直ちに採決いたします。
ただいまの芳賀貢君外二名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/6
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007・中川俊思
○中川委員長 起立総員。よって、両案に附帯決議を付することに決しました。
この際、ただいまの附帯決議について、政府の所信を求めます。仮谷農林政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/7
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008・仮谷忠男
○仮谷政府委員 ただいま決議いただきました附帯決議につきましては、御趣旨を十分尊重いたしまして、誠意をもって努力いたしてまいりたいと存じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/8
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009・中川俊思
○中川委員長 なお、ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/9
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010・中川俊思
○中川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
〔報告書は附録に掲載〕
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/10
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011・中川俊思
○中川委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
質疑の申し出がありますので、これを許可いたします。芳賀貢君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/11
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012・芳賀貢
○芳賀委員 この際、四月一日から実施される加工乳の不足払い制度の運用の問題等を中心といたしまして、政府に対して問題となる点をただしたいと思うわけであります。
この問題につきましては、昨年当委員会において法案審議の際、実施さるべき時期に問題となる点については、相当時間費して審議をしておりますので、昨年の委員会の審議の中で、実行段階において危惧されるような点については、委員会としてもいまだに政府を全面的に信頼するわけにはまいりませんので、それらの問題を中心としてお尋ねしたいと思うわけであります。
第一の点につきましては、不足払いの法律の実施にあたりまして、生産者の生産したなま乳に対する保証価格を設定することになっておるわけでありますが、この保証価格の決定については、従来の畜産物価格審議会に農林大臣が諮問をいたしまして、審議会の意見を徴して、三月末日までに農林大臣が保証価格並びに基準取引価格等については告示しなければならぬということになっております。また審議会に対する諮問の事務につきましては、聞くところによりますと、明二十五日並びに二十八日、二十九日の三日間にわたって、保証乳価の問題あるいは畜肉等に関する審議会が開かれるというふうに承知しておるわけでありますので、政府においても万々準備完了と推察しておるわけであります。そこで、ただいま申し上げました保証乳価の算定方式等について、まず、局長から詳細に説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/12
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013・檜垣徳太郎
○檜垣政府委員 御質問のとおり、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の施行に伴いまして、四月一日から新しい加工原料乳に対する価格制度が発足をいたすわけでございます。その準備といたしまして、御指摘にありましたように、加工原料乳の生産者の段階における保証価格の決定、それから生産者と乳業者との現実の取引をいたしますための基準となるべき基準取引価格の決定等、政府として決定告示をする必要があるわけでございます。そのために、法の規定に基づきまして、畜産物価格審議会に諮問をいたしまして、その答申を受けた上で、早急にこれらの価格を決定をいたしたいというふうに準備を取り進めておる次第でございます。審議会は、明二十五日、二十八日、二十九日の三日間にわたって開催をするよう予定をいたしております。
そこで、加工原料乳の保証価格の算定の方式につきましては、法律にもございますように、加工原料乳の主要生産地における生乳の再生産を確保することを旨として算定をする、その他経済事情、需給の関係等勘案をすべき勘案事項がございますが、基本的にはただいまのような考え方に立って決定をすべきものと心得ておるわけでございます。
具体的に、しからば再生産の確保を旨とするという場合、いかなる算定方式をとるかということでございますが、この算定方式自身も、審議会に対する諮問の内容の一部になるが、価格決定にあたり留意すべき事項の内容をなすものだと思いますが、政府として諮問の際の参考資料として算定をいたします場合の方式としては、加工原料乳地域におきます価格設定年度、つまり昭和四十一年度の生乳推定生産費を算出をいたしまして、これに農林省で調査をいたしました加工原料乳地帯における価格決定年度の推定集送乳経費というものを加算いたしましたものをもって、保証価格として取りきめたいというふうに考えておるわけでございます。まず、保証価格の算定の方式についてお答えをいたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/13
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014・芳賀貢
○芳賀委員 いま聞いているのは、そういうことでなくて、算定方式が当然必要なことは言うまでもありませんので、その算定の内容をなすそれぞれの要素等について、どういう方式でやるかという点であります。それで、問題を区分してお尋ねしますが、いまの局長の答弁からいいますと、四十一年度の推定生産費を策定する場合の対象は、全国の各都道府県において、数量の大小とかあるいは飲用乳、加工乳の割合の相違はあるが、一〇〇%加工乳だけを出す都道府県とか、あるいは一〇〇%飲用乳というような、そういう一方だけの生産あるいは販売の都道府県というものは、これはないわけですね。したがって、主要なる生産地だけに限定して推定生産費をきめるということは、主要でない都道府県における加工乳を販売しなければならない生産者に対して、その地域の生産事情あるいは経済事情というものを反映させることができるかどうかということが問題になるわけです。われわれ社会党としては、昨年御承知の牛乳法案を提案して審議を行なったわけですから、社会党の牛乳法の内容というものは、局長も御存じのとおりでありまして、われわれとしては、局部的な地域における生産費というものを採用するということに対しては、否定する立場に立っておるわけですから、原則論についてここで論議する考えはありませんが、全国各都道府県において政府が実行する制度のもとで、加工牛乳というものを農林大臣が認定して、生産者団体を通じて販売されるということになれば、一局部的な地域だけの生産費で全体を律するということは、相当矛盾が出てくると思うわけですが、その点はどう考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/14
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015・檜垣徳太郎
○檜垣政府委員 この加工原料乳の再生産の確保を旨とするという場合に、その再生産の行なわれる地域というものをどう考えるかということは、法案審議の際にも詳しく御説明を申し上げたつもりでございますが、法律の第十一条の一項の第一号におきまして、「生産される生乳の相当部分が加工原料乳であると認められる地域における生乳の再生産を確保することを旨として農林大臣が定める」ということに相なっておりまして、これは私が申し上げるまでもなく、芳賀先生は酪農、乳業の問題にたいへんお詳しいわけでございますが、飲用乳の比率の非常に高いところは、受け取り乳価の決定的な支配力を持つものは飲用乳価である。したがって、加工原料乳の価格水準のいかんが生産量にいかに影響を及ぼすかということは、加工乳のウエートの多い地域について考えることが至当であるという考え方に立っておるものでございます。現実に、ただいま私どもが試算しております地域は、飲用乳の比率が全生乳の生産量の五〇%を割る地域、つまり、北海道、青森、岩手、山形、福島、長野、鳥取の一道六県の地域における生乳生産費というものを基礎といたしまして、保証価格の算定をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/15
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016・芳賀貢
○芳賀委員 そうすると、法律でいう「生産される生乳の相当部分」というのは、いまの説明でいうと、その都道府県の地域において生産される生乳の数量の二分の一をこえる数量が加工乳に充てられるという地域を対象にしたわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/16
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017・檜垣徳太郎
○檜垣政府委員 加工乳ということを法律上の定義で申し上げますと、逆に申せば、この制度によります不足払いの交付対象となる乳が加工乳でございますから、飲用乳でないものがすべて加工乳であるというわけには法律上はならないわけでございます。ただ、生乳の相当部分が加工乳になっておるというふうに認められる地域ということについては、認定の問題が加わりますので、私どもとしては、この際考え方として、飲用乳比率が五〇%未満の県は法律でいう主要加工原料乳地帯として認め、その地域の生産費を基礎として算定することが実際的である、また法律上もそれは許されることであるというふうに考えましたので、法律上の厳密な解釈から申しますと、多少先生の御質問と差異があるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/17
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018・芳賀貢
○芳賀委員 委員長に申し上げますが、統計調査部長は来ていますか。——きょうは与党の行事があるそうで、時間が限定されておるので、私としてはちょっと困難するわけですが、問題点を一々あげますから、それに対して簡潔な答弁を願いたいと思います。
そこで、結局北海道ほか六県、一道六県の原料乳の主要なる生産地域を対象にして推定生産費をつくるということでありますが、価格決定上一番大きな要素となるのは、乳牛の飼育頭数ですね。一戸当たりの経営規模というものは大体乳牛何頭であるか、これがやはり生産費に大きく響くわけですが、この点については、北海道ほか六県のそれぞれの一戸当たりの乳牛の平均飼養頭数というのは当然わかっておると思いますから、これを明らかにしてもらいたい。
次は、米価の生産費等については、反当の平均収量というものが、生産費の上では相当重要な役割りを果たすわけですから、ここでは結局一頭当たりの一年間の生乳の生産数量というものが、当然ウエートとなるわけです。したがって、年間生産量というものは、同じ種類の乳牛であっても、地域によって、気候条件等によって相当違うわけですから、一道六県別の一頭当たり一年間の生乳の平均生産量。
その次には、結局生産費の中に占める家族労働の評価というものが非常に問題になるわけでありまして、これも生産費の上から見れば、乳牛一頭当たりに一年間要した家族労働時間、さらにまた生乳百キログラム当たりに投下された家族労働時間等は、当然生産費となってあらわれてくるわけですから、これも地域によってある程度の差異がありますから、北海道並びに対象六県における一頭当たりの家族労働時間並びに百キログラム当たりの家族労働時間、あわせて参考までに、雇用労働に対する時間についても明らかにされておると思いますので、この点を明らかにしてもらいたい。
それから第四の点は、家族労働に対する評価の問題ですが、これは昨年も委員会において相当時間を費やして論議した結果、政府の責任者である赤城農林大臣が委員会において最終的な答弁をしました内容は、主要な加工乳の生産地域内における農業以外のいわゆる他産業、米価等でいう他産業ですね、あるいは製造業、他産業の平均的な労働賃金と、その対象地域内における自家労賃というものは、均衡のとれる状態にすべきであるということが明確になっておるわけです。したがって、これは非常に大事な問題でありまして、われわれ社会党が都市均衡労賃をとれという主張は、これはやはり全国規模におけるものでなければならぬわけでありますが、変則的に政府としては一道六県を対象にするということであれば、われわれとしては了解できませんが、そういうたてまえで生産費を作成するということになれば、その地域における、北海道並びに六県における他産業の労賃というものはどういうふうになっておるか、これもやはり北海道あるいは各県によって若干の相違があると思うわけであります。北海道の場合には、御承知の寒冷積雪の地帯ですから、むしろ北海道だけをとれば、全国平均の都市労賃よりもあるいは上回るというような数字が出てくると思います。しかし、東北における四県、それに長野、鳥取県等も加わっておるわけですから、これは加工乳、あるいは加工乳でなくてその道県における生乳の生産量によって加重平均等することになるかどうかは——これは私がつくるわけでなくて、局長のほうで作業しているわけですが、とにかく北海道外六県における自家労賃に対応すべき他産業の労賃というものがどういう金額になっておるかということも、明らかにしてもらわなければならぬわけであります。
そのほかも問題になる点がありますが、まず、この四点の内容について、口頭の説明でもよろしゅうございますし、そういうものは全部あるはずですから、あらかじめ資料としてこちらに出してもらって、それに基づいた説明をしてもらってもいいと思うわけであります。
それからもう一点、これにあわしてお伺いしたい点は、この法律では、主要な生産地域における生乳の再生産を確保することを旨とするということになっておるが、これでは不十分であるということで、この法案が成立したとき、委員会においては附帯決議を付しまして、その内容は四点にわたっておるわけでありますが、附帯決議の第二に、「保証価格の算定に当っては、牛乳及び乳製品の需要の増大に対応して生乳の拡大再生産と生産者の適正な所得が確保されるよう配慮し、酪農民の生産意欲の昂揚に努めること。」と、特に法律の運用については、それが単に単純な再生産確保ということではなくて、需要の増大に対応できるいわゆる拡大再生産ですね。具体的にいえば、昨年の十月十二日に農林省が公表されたいわゆる酪農近代化方針、これは六年間に生乳の生産を倍増する、北海道においては六年間に三倍にするというような、相当雄大な計画でありますから、これを実行するためにも、単なる再生産では追いつかぬわけですね。拡大再生産というか、拡大大再生産というか、そういうものをこの価格決定の場合においても十分盛り込まなければ、拡大再生産あるいは生産者の適正な所得確保ということはできないわけですから、これは特に勘案事項としてプラスアルファで措置されていると思いますから、この点についてもあわせて説明をしてもらいたいわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/18
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019・檜垣徳太郎
○檜垣政府委員 御質問をいただきました中で、主要加工原料乳の生産地域の飼養頭数規模別の数字、それからそれぞれの平均泌乳量、労働投下量等の数字につきましては、実は手元に持ち合わしておりませんで、ただいま審議会を前にしまして資料の調製中でございますので、別途資料として御提出いたしたいというふうに思います。
それから生産費における労賃の評価がえの問題でございますが、これはいろいろと議論の多いところであろうかと存じます。私どもは一応審議会に諮問をいたします場合の参考資料として提出をいたします試算としては、主要生産地域におきます生乳生産農家と同一市町村もしくは近傍市町村における農業臨時雇用賃金をもって自家労働の評価をいたすという方式を用いて算定をすることといたしております。
最後に、生乳の生産拡大、酪農の振興に寄与するような価格の決定をすべきであるという御決議につきましては、私どもはよって算定されました保証価格というものを農民に保証し、基準価格との差額を不足払いとして交付をするという措置をとり、飲用乳の比率をさらに需要の増大に対応して増大をしていくという措置をとりますならば、御期待に沿い得ることは必ずしも困難ではなかろうというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/19
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020・芳賀貢
○芳賀委員 畜産局長が、あらかじめ予定された本日のこの機会に、一番大事な資料を持ってこないというのはおかしいじゃないですか。きょう突然あなたの知らぬ間に理事会できめて、さあやれということであれば、用意不十分ということもあるが、これはもう先日から出してあるわけですね。特に二十五日には畜産審議会が開かれるが、これは法律上当然審議会に諮問することになっているから、委員会としてはそれをとやかく言うわけではないですよ。しかし、この委員会において昨年精力的に審議した法律が四月一日から実施になる場合、どういうように行政責任においてこれをわれわれの考えておったように運営するかということは、これは国会としても重大な問題です。したがって、審議会には当然これは政府の任務として諮問するが、委員会においてこの問題を取り上げるということは、むしろ少しおそきに失しておるわけですよ。しかし、審議会が終わったり、あるいは価格が告示になってからでは、これは全く手おくれということになるわけですから、ぎりぎりおくらしてもきょうしかないということになるわけですね。そういうことがわかっておって、一番大事な昨年の論争点になった問題の資料を持ってこないというのはおかしいではないですか。檜垣さんとしてこれは善意で忘れてきたかしらぬがが、ほかの局長ならことさらに忘れてきたとしかわれわれは取れぬですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/20
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021・檜垣徳太郎
○檜垣政府委員 御質問の要旨はあらかじめ承っておりましたが、この問題に関します御質問は、基本的な問題から算定技術の細部にわたりますことまで、これは正直申し上げまして、芳賀先生からいかなる御質問が出るかということは、たいへんうかつといえばうかつでございますが、判断をいたしかねたこともございますのと、先ほど御要求がございました資料数字の内容というのは、審議会に対します参考資料として配付する一連の資料として、現在実は印刷中でございまして、そういうことから、私ども自身も、それらの数字については、印刷が完備しますまでめいめいとしては持っておらない。現行の段階で私どもも説明を聞き、かつそれに調整といいますか、判断を加えてまいったのでございまして、故意に資料の携行を怠ったということではございませんので、本日の夕刻までにはそれらの資料も整備をするわけでございますので、整備次第御注文の資料は御提出したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/21
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022・芳賀貢
○芳賀委員 それでは統計調査部長が出張でおらないそうですので、統計調査部の担当官にお尋ねしますが、ことしの三月十八日付で、統計調査部から四十年の牛乳生産費調査結果が速報の形で出されておるわけです。昨年以来、統計調査部は、牛乳の生産費の調査の場合に、飼養頭数別の生産費調査をやられておるわけです。したがって、飼養頭数別の、一頭から三十頭に至るまでの各段階の生産費、あるいは全国平均ということで出ておるわけですが、これは都道府県単位に集計はされておるわけですからして、おそらく私がいま畜産局長に尋ねました加工牛乳の生産費を出す場合の主要な地域、つまり、北海道、青森県、岩手県、山形県、福島県、長野県、鳥取県、私は福島県がいままで入っていなくて、徳島県と思っておったのが、局長のほうで徳島はなくなって福島と言われたので、そのとおりだと思いますが、この一道六県における各県の平均飼養頭数、これは当然わかると思うわけですね。それから統計調査部の調査ですからして、都道府県単位における一頭当たりの年間の生乳生産量も当然わかると思うわけです。都道府県別の一頭当たりの家族労働時間あるいは雇用労働時間、百キログラム当たりの労働時間等も明細にわかるわけでありますからして、この一、二、三の点については、全国でなくてもいいです、北海道ほか六県の分だけでいいですからして、この際、統計調査部のほうからむしろ説明をしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/22
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023・堀江亮次
○堀江説明員 統計調査部の牛乳生産費は、ただいま先生からお話しになりましたように公表いたしましたのですが、われわれのほうでやっております生産費の集計方法は、まず全国段階におきまして、各農家の個票を全国の階層別に集計いたしまして、それでいろいろ問題点を検討いたしまして、それが済みましたら、今度は都道府県単位の再集計に入りますが、都道府県単位あるいはブロック単位の集計はすでに終わって、いま検討中でございまして、資料としては本日まだ公刊になっておりませんが、検討中の段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/23
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024・芳賀貢
○芳賀委員 四十年はわからないのですか。生産費は出たが、中身がわからないというのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/24
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025・堀江亮次
○堀江説明員 先ほど御指摘の労働時間、労働報酬、賃金等、いずれも最初に申しましたように全国段階で積み上げまして、それから府県段階のものは、やはり戸数がかなり少ないものでございますから、代表性の点で、たとえば小さい階層に偏しておればこれを修正するというふうな作業がございますので、いつも若干猶予をいただいて、毎年速報のほかに黄色い分厚い本で公表いたしてございますが、これがちょっと検討と計算に手間どっております。それから労働時間等もそれに合わせて、付帯事項として全部知れる限りのものは黄色い厚い年報で公表いたしまして、それの公表のあれは四月の中旬ごろには刊行になる、かような予定であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/25
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026・芳賀貢
○芳賀委員 それでは四十年度がいますぐ間に合わないとすれば、三十九年度の酪農基本統計というものがありまして、これは御存じだと思いますよ。この三十九年度の基本統計では、都道府県別の飼養農家戸数、飼養総頭数、一戸当たりの飼養頭数まで全部相当明細に出ておるわけです。一年間に若干の変化はあったとしても、そう大幅な変化はないと思います。これによりますと、北海道は平均一戸当たり六・二頭、青森県が三・六頭、岩手県が二・七頭、山形県が一・八頭、福島県が二・四頭、長野県が二頭、鳥取県が二・五頭、こういうことになっておるわけですが、現在のものはこれと相違ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/26
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027・和気洋
○和気説明員 県別の飼養農家数あるいは頭数につきましては、いま芳賀先生のおっしゃった三十九年の調査が私どもの手元にあるわけであります。その後のものはまだ詳細ができておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/27
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028・芳賀貢
○芳賀委員 統計調査部にお尋ねしますが、統計調査部の生産費の調査のほうが、食糧庁や畜産局のやる生産費の計算よりも、同じ農林省でも政策的なものを混入しないだけでも正直だと思うのです。そこで、この主要な生産地域における生産費を、推定でありますけれども、策定するということになった場合に、この一道六県の地域が散在しておると思うわけです。東北においての四県は大体接続しておるようでありますが、長野県となると非常に飛び離れておる。あるいは鳥取県はまたずっと離れておるということになる。そういう状態の中で、県別の飼養頭数にしても、北海道は北海道全体の平均が六頭である。そのほかは三頭程度のところもあるし、二頭程度のところもある。少ないのは二頭以下というところもある。こういう非常に不同のある地域の飼育頭数、したがって、これは生産乳量も全部載っていますが、私が局長や統計調査部に説明するなら、何も国会議員をやっている必要はないんですからね。農林省の役人になっておったほうがいいということになるので、そういうことで時間を費したくはないが、そちらに何も資料がないから、やむを得ないのですよ。地域条件とか生産条件の違った道府県を無理やりに七つなら七つ集めて、そこで適正な生産費というものが一体できるものかどうか、これを統計調査部として専門的にどう考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/28
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029・堀江亮次
○堀江説明員 お答えいたします。
生産費調査につきましては、御承知のとおり、地域別、頭数階層別にいろいろ差がございまして、それらをやはり地域別にも正しくする、しかも階層別にも見れるというふうなことになりますと、一つの県内の主要生産地域について、おおむね絶対数で三十程度以上ないと、かなりの傾向を見るにも困難である、かように存じております。したがいまして、現在統計調査部としては、牛乳生産費は千五百戸実施はいたしておりますけれども、その後飼育形態その他が分化してまいりまして、飼育頭数が、県内でも主産地に非常に形勢が明白になる、かような事態になりますれば、その地域に県内としての傾向を見れる程度の標本を配らねばいかぬ、かようなことになりますので、現在のところは、県内地域ですと、どうしても標本数が十五か十六程度の戸数になりまして、それでは傾向を見るに、正直に申しまして、ちょっと自信が持てない。そこで、既存の千五百戸のワクは一定にいたしますけれども、昭和四十一年度から大蔵省から選定がえの予算をいただきまして、加工乳地帯と市乳地帯に分け、加工乳地帯には濃密に標本を配当するよう計画いたしております。現在までのところは、県単位では十五、六戸しか集まりませんので、やむを得ずブロック単位に集めて、階層別の平均値をまずある程度読めるものまでに仕上げて、その上で、百キロ単位当たり生産費でありますれば、生産量によって加重平均するとか、一頭当たりの飼育費でありますれば、頭数によって加重平均する、かようなことで、現在のところ全国平均を出しております。今後の方向、しては、限られた標本ではございますが、御指摘の方向によって生産費の計算をいたしていきたい。そのための選定がえは昭和四十一年度に予定してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/29
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030・芳賀貢
○芳賀委員 次に、先ほど局長から、自家労働に対する賃金の評価については、その地域における農家が雇った臨時雇用労賃によるという答弁でありますが、これはまことにけしからぬ答弁なんですね。これは去年の不足払い法の議事録を読み直せば、そういうことをいまさら言うわけにはいかぬことになっているのですよ。昨年も、初めのうちは、畜産局長はそういうようなことを盛んに言っておりましたが、結局それは、論理的にもそういうことは不可能である、臨時雇用労賃を農家の自家労賃に当てはめることは不可能である、そういうことをすべきでないということで、この問題は去年勝負がついているのです。それだけでなくて、これは去年の五月十五日の最終的な総括質疑の中で、赤城農林大臣から委員会に明らかにしておるわけです。その発言の点だけを引用しますと、赤城農林大臣が「御承知のように、保証価格につきましては、この法律案に規定されておりますが、生乳の生産条件及び需給状況その他の経済事情を考慮し、主要加工原料乳地帯における生乳の再生産を確保することを旨とされておりますので、主要加工原料乳地帯における生乳の再生産、この場合の労賃等の換算といいますか、どういう労賃を標準としてとるかということであると思いますが、これは先般御答弁申し上げましたように、都会の製造業者、こういうものをとるデータのようなわけにはまいりません。」これは地域別にやるということで、なかなかできかねるというわけですね。「しかし、その主要加工原料乳地帯の他産業の賃金というものとやはり均衡のとれるようなものをとったほうがいいんじゃないか。ただ、臨時の雇いというと、非常にこれは高下がありまして、高い場合もあります。また臨時でも非常に低い値段もありますが、大体は他産業のその地帯の賃金などをとったほうが私は妥当じゃないかと思いますが、これはどうも価格決定にあたりまして相当専門的に、また審議会等におきましても十分意見を聞いて、決定しなければならないと思いますが、私はそういう方向がいいんじゃないか、こういうふうに考えております。これが農林省としての最終的なこの労賃に対する態度ということになるわけです。これに対し、私がさらにだめ押しをして、「この点は、当委員会としても、非常に与野党を通じて大事な点でありますので、それでは大臣のいまの法案に対する御説明は、法律に基づいて保証価格をきめる場合には、価格算定の主要な調査上の対象地域における他産業の労働賃金というものと、生乳生産者の自家労賃と、均衡をさせるような配慮というものを講じて、自家労働費の評価を行なうようにしていきたい、そういうように理解してよろしゅうございますか。」赤城大臣はこれに対して、「そういう方向には考えているのでありますが、具体的には米の場合にもありますように、他の製造業につきましても全部をとるとか、」全部というのは全規模のことであります。「三十人をとるとか、五十人をとるとか、いろいろそういう問題もあります。そのほか、具体的に算定をやるときにはいろいろの資料によって相当問題があろうと思いますが、考え方は、私はそういう方向で考えたらいいんじゃないか、こう思うのです。」こういうことになっているのですよ。その前に局長が、農林大臣がこういうような答弁をしたときに、横からそれを横取りして、臨時雇用労賃でなければならぬようなことを盛んに言った結果、私と一時間ぐらい議論した結果、とうとう勝負がついた——というと、どっちが勝ったということになりますが、そこは言いませんが、そういう雇用労賃ではだめだということになったのですよ。それをいまごろ、あすの審議会を前にして、雇用労賃を考えていますというのはおかしいじゃないですか。あなたがいま農林大臣であり、また総理大臣であれば別ですよ。私はそういう人格において議論をしたいと思いますが、昨年赤城農林大臣が国会において明確にしたこの方針というものを局長の立場でくつがえすということは、これは絶対できないと思うのですね。この点は政務次官から明らかにしてもらいたい。仮谷さんは昨年理事ですからね。これは理事間で問題点を集約して、それに基づいて、私が皆さんにかわって締めくくりの質問をやった記録が、いま読んだ内容になっているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/30
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031・仮谷忠男
○仮谷政府委員 昨年の赤城大臣の御答弁、いまよく承知いたしましたが、その間のいきさつはひとつ畜産局長からさらに重ねて申し上げることにして、御理解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/31
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032・檜垣徳太郎
○檜垣政府委員 四十八国会におきます法案審議の際に、赤城前農林大臣からただいま速記録をお読み上げになりましたような発言がありましたことは、私も同席をいたしておりまして承知をいたしております。ただ、これは多少私のかってな言い分になるかとも思いますが、赤城農林大臣としては、酪農業の最終的な行政運営の目標としては、酪農に投入する自家労賃が、当該地域における他産業労賃と均衡するような姿に結実することが望ましいという政治理念を常々持っておられたことを私ども承知いたしておりまして、そういう立場からの赤城農林大臣の政治的理念としての表明として、私どもよく理解もできるのでございます。現実の保証乳価の算定をいかにするか、また、その際に最も重要な自家労賃の評価がえをいかにするかということは、これは、私は、全農産物の価格制度についてのルールとしても、考え方としても、当該農産物の商品としての性格なりあるいは需給事情なり制度全体の仕組みなり、そういうものを十分に配慮を加えました上で、再生産確保の価格水準を政策的に決定をすることが妥当であるというふうに考えるのでございます。赤城農林大臣の御発言の中には、私どもの補佐不十分の点もあったかと思いますが、農業臨時雇用賃金というものが非常に不安定な性格のものを持っておるのでないかという、そういう御理解の上に立っての御発言であった。御承知のように、農業臨時雇用賃金につきましても、他の一般賃金水準の動向に影響をされつつ現実の農村における労働市場の価格として、生きた労賃水準として動いておるのでありまして、こういうものを使うということについては、私は赤城農林大臣がお答えになりましたこと、また赤城農林大臣がお答えしましたことを行政的に取り上げます場合には、これは確かに表現といいますか、段階としての違いはございますけれども、基本的には臨時雇用労賃を用いることに矛盾はないというふうに考えておるのでございまして、この点は、大臣の御発言は御発言としましても、政府全体として、いかなる価格水準をとることが適切であるかという判断によって、最終的には決定さるべきものかというふうに心得ておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/32
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033・芳賀貢
○芳賀委員 それでは現職の所管大臣がいかように責任を持って発言をしても、それは事務当局から見れば価がない、その下におる担当の局長とか課長の考えのほうが正しいということですか。これは重大な発言ですよ。この点だけを明らかにしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/33
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034・檜垣徳太郎
○檜垣政府委員 お話は、行政府の長である大臣の判断ないし決定というものが、最も権威あるものであり、また行政府の職員はそれに従うべきではないかとの御趣旨の御発言かと存じますが、その点は、私もそのとおりであると存じます。ただ、価格制度の運営をどうするかということは、さらに政府全般として決定される方針によっては、行政長官としての御発言の中にも、直ちに実現するものとしないものとがあるということは、必ずしも例がないわけではないだろうというふうに私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/34
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035・芳賀貢
○芳賀委員 それでは佐藤内閣としては、当時の赤城農林大臣の発言は、これは間違いであった、そういう統一見解がその後できたのですか。赤城はけしからぬ、農林大臣ではあるが、佐藤内閣としての政府の方針に反したような発言を農林委員会でやったのはけしからぬということで、政府の最終的なそういう何か態度とか方針がその後きまっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/35
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036・仮谷忠男
○仮谷政府委員 お答えいたしますが、決してそういうふうにきまったものじゃございませんと私は思っておりますが、赤城大臣の昨年の答弁も、芳賀先生のいろいろな御質問に対して、大臣自体の個人的な思想といいますか、考え方も申し上げたし、そういう趣旨で大臣もいきたいというふうに発言をしたのじゃないかと私は思う。ただし、そのあとで、審議会等でも十分にやはり検討したいというふうなことを申されておるわけでありまして、われわれも、そういう趣旨のもとに今後酪農問題を解決していくという一つの考え方を持っていることは間違いございません。ただ、そのことを直ちに技術的にそのまま具体的にあらわしていくということになりますと、いろいろと価格決定の問題についても、他の市乳価格の問題等も比較検討せなければならない、技術的な面において相当困難な問題があるので、赤城大臣の発言というものは、あくまでもその趣旨は生かしていかなければならぬけれども、直ちに全面的に取り入れてやるということに困難がある、そういった意味で局長が答弁なさったのじゃないかと思うのですが、そういう点については、ひとつ現実の問題として御理解をいただくようにお願いをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/36
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037・芳賀貢
○芳賀委員 これは不足払い法を最後に通すか通さぬかというときの、最終的な締めくくりの質問を、しかも理事会において政府に対してただすべき問題点というものを整理して、大体七項目と思いましたが、それを整理して、私が皆さんにかわって質疑を行なったわけなんですよ。ですから、これは事前に政府側にも、これこれの点について大臣から明らかにしてもらいたいということを、その場限りのやりとりではなくて、常任委員長控え室で、この附帯決議の問題とか、数次にわたって話し合いをして、修正案をどうするとか、そういうことで扱った点ですから、これは大臣の所信表明に対する政策論争の場合の発言とは全然違うのですよ。大臣の責任ある答弁をわれわれは了解したから、初めて会期切れぎりぎりに参議院においても成立した経過は、これは御存じだと思うのですよ。しかも大臣が数度にわたって、農村の臨時雇用労賃というものは非常に浮動性のものであるし、質的にも、農村の労力不足というものは臨時雇いでカバーしておるが、内容的には、同じ臨時の雇いが一日働いても、専業の農家の自家労働の質とか能率に比べた場合に、生産性において一対一というわけにはいかぬじゃないか。そういう点は、時の統計調査部長から、生産費の調査をやる場合に、臨時雇用の生産性と専業農家の労働の生産性というものをどういうふうに評価がえしたかということまで、この委員会では当時やっておるわけです。最後に、農林大臣が臨時雇用労賃は取らない、そういうものを当てはめるのはいけないということを明確にして、しかし、米価のように全国規模の都市均衡労賃ということにいくのは至当であるが、主要なる生産地帯における他産業の労賃ということになると、そういう資料を一々出すということは技術的にもなかなか困難性があるので、実施までの間、十分これは調査して、そして妥当な、その地域における他産業との均衡労賃というものをまとめ上げて、そうして、保証乳価を決定する場合にはそれでやりますということを、これは確約しているのですよ。いまになってそれが違うなんというのは、これは全然問題ですよ。これは農林委員会だと思ってばかにしていると、とんでもないですよ。農林委員会だって、予算委員会だって、同じ権威を持っているわけですからね。農林なら気やすく何を言ってもかまわぬなんというものじゃないですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/37
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038・中川俊思
○中川委員長 この際、暫時休憩いたします。
午後零時二分休憩
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〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X01819660324/38
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