1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年三月一日(火曜日)
午後九時四十九分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 江藤 智君
理 事
岡本 悟君
金丸 冨夫君
岡 三郎君
吉田忠三郎君
委 員
木村 睦男君
谷口 慶吉君
天坊 裕彦君
中津井 真君
平島 敏夫君
前田佳都男君
松平 勇雄君
吉武 恵市君
相澤 重明君
大倉 精一君
木村美智男君
瀬谷 英行君
浅井 亨君
中村 正雄君
岩間 正男君
国務大臣
内閣総理大臣 佐藤 榮作君
大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
運 輸 大 臣 中村 寅太君
政府委員
内閣官房長官 橋本登美三郎君
大蔵省主計局次
長 武藤謙二郎君
大蔵省理財局長 中尾 博之君
運輸政務次官 福井 勇君
運輸大臣官房長 深草 克巳君
運輸省鉄道監督 堀 武夫君
局長
運輸省鉄道監督
局国有鉄道部長 原山 亮三君
事務局側
常任委員会専門
員 吉田善次郎君
説明員
日本国有鉄道副
総裁 磯崎 叡君
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本日の会議に付した案件
○国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
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001・江藤智
○委員長(江藤智君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案を議題といたします。
これより質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/1
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002・大倉精一
○大倉精一君 きょうは総理が御出席を願っておりまするので、若干の問題についてお尋ね申し上げまするが、きのうも瀬谷君のほうから慎重審議をするという発言があって、委員長も了承されておりまするが、きょうはもうすでに十時です。いまから私に慎重審議でもってやれということは非常に無理だと思うんですけれども、ぜひ明日以降の委員会におきましても継続して質問をさしてもらうことをまず冒頭に委員長にお願いし、確認をしたいと思います。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/2
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003・江藤智
○委員長(江藤智君) できるだけ努力いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/3
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004・大倉精一
○大倉精一君 まず冒頭に国鉄の当局にお伺いしますけれども、運輸審議会の答申の理由の中に、「昭和四十年度においては、このまま推移すれば、約九七〇億円程度の欠損が見込まれ、経営状態は極度に悪化している。」、こういう理由がついております。この「極度に悪化している」という内容ですね、これをひとつ向いたい。と同時に、どうしてこうなったかという理由をまず冒頭にお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/4
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005・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) 現在のまま昭和四十年度を国有鉄道が推移いたしますと、いまお説のとおり、約九百億ぐらいの収支の赤字になるということが推定されます。これは、御承知のとおり、昭和三十九年度におきましては、公にいたしました損益計算書並びに貸借対照表でおわかりのとおり、約三百億の赤字が出ております。さらにこれに対して約六百億の欠損が加わるわけでございます。その理由は、おおむね二つございます。一つは運輸収入の伸び悩みでございます。当初四十年度予算を組みます際には、貨物輸送の伸びその他を勘案いたしまして、対前年比約六百億ぐらいの増収ができる予定でもって四十年度の予算を組んだわけでございますが、その後貨物輸送が思うように伸長いたさない、石炭輸送も予想外に低調であるというふうな貨物輸送の大幅な減少とともに、新幹線の列車増発が多少おくれまして、年度当初から五十億にする予定でございましたところ、種々の理由でこれがおくれまして秋に延びたということなどがからみまして、本年度におきまして対予算約四百五十億前後のマイナスが生ずるということになったわけでございます。その点につきましては、すでに補正予算の第二号並びに第三号でその補正をお願いしたわけでございます。
さらに、四十年度中におきますところのベースアップその他に基づく人件費の増並びに借り入れ金の増加に伴う利子の増加等によりまして、結局経費は予定どおりに増加したにかかわらず、収入のほうが思うとおり伸びなかったというために、昭和三十九年度の三百億の赤字が、さらに六百億前後増加いたしまして、おおむね九百億近い収支の赤になると、こういう数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/5
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006・大倉精一
○大倉精一君 九百億――約一千億ですけれども、一千億の赤字を出すということは、これはたいへんなことなんですよ。まあ国有鉄道であるから補正予算でもってやってもらうということになるのですけれども、これが民間の企業であったらもうたいへんなことだと思う。特に私は、この国鉄当局の、非常に重要なる使命を持つ巨大企業体の経営に当たる責任者ですね、この責任者はこういう事態に対しまして非常に大きな責任を感じなければならぬと思うのですけれども、そういう点についてどういうぐあいにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/6
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007・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) その点につきましては、総裁はじめ非常に幹部一同責任を痛感いたしております。何と申しましても、経費の増はともかく、収入が予定どおりあがらなかったということが大きな赤の原因でございます。もちろん四十年度予算につきましては相当意欲的に増収を見込んだのでございますが、それにもかかわらず、たとえ一般の景気の低迷があったにいたせ、その予算に対して大幅な収入の欠陥を生じたことは、何と申しましても私ども経営者の能力の不足のいたすところでございます。そのことにつきましては、責任を痛感しておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/7
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008・大倉精一
○大倉精一君 赤字の原因についてはいろいろとあると思うのですけれども、特に政治的な問題としまして、総裁もたびたびおっしゃっているのですけれども、公共負担というものが非常に大きくのしかかってきている。特に、経営があぶなげなくいっておるときにはいいんだが、最近のような場合には、公共負担は全く迷惑する、こういう発言もあります。これは歴代総裁が口をそろえて同じことを言っております。参考のために申し上げますというと、昭和三十六年の速記録を見ますると、当時の十河さんはこう言っている。「公共性と企業性の調和ということはこれは非常にむずかしい問題でございまして、一言にこうだとは言えないと思います。」、ずっと途中省略をしまして、結論的に、「あまりに企業性に走ってもいけないし、公共性ばかりもいかない。そこはほどほどにやらなければいかぬ。」、こう言っている。ということは、公共負担というものを、独立採算制による企業体という、こういうようなあいまいな性格の中で運営をしておられる、こういうところに私は一つの原因があると思う。これは運輸委員会において当初以来各委員が問題にしておったところです。そこで私は、ずっと聞いておると、責任の所在がはっきりしないような気がする。こういう状態をほっておいた政府は、これは一体責任を感じているのか、こういうことについて、責任を感じなくていいのかということになる。ですから、論議を聞いておりますと、国鉄総裁は、まことにどうも申しわけない、こう言いますけれども、こういう事態についていわゆる黙っておった、何にもしなかったという政府にも非常に大きな責任があるのではないかと思うのですけれども、運輸大臣いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/8
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009・中村寅太
○国務大臣(中村寅太君) 国鉄は、御承知のように、公共企業体として、国民の福祉を増進することを目的としたものでございまして、その公共性と企業性との調和をとっていくということで運営していくものであると、かように考えますので、私は国鉄が今日まで背負ってきました公共性からくる一つの負担、これは国鉄のたてまえから考えまして、やはり当然背負うべき範囲で、今日までは背負ってきたのである、かように考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/9
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010・大倉精一
○大倉精一君 まあ調和ということは最近のはやりことばのようですが、総理もよくお使いになりますが、公共性と企業性が調和するといっても、これは精神訓話なんです。どうやって調和するのか。政府の責任で、こうやれば調和するのだ、そういうものがなければ……、精神訓話的に、調和してやっていけるのだ、これははたして具体的にできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/10
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011・中村寅太
○国務大臣(中村寅太君) 私は、国鉄の使命がやはり公共性を持っておるところに、国家の経営が健全な経営でいくというたてまえを、独立採算制のたてまえを持っておりますが、そういう一つの企業性、その企業体が公共の福祉を目的としておる、そういうところに公共負担というものが生まれてきた根拠があると思います。その点、国鉄がになう公共性の限界というものをどこに置くかということは非常にむずかしいと思います。私は、今日の国鉄が背負っております一つの公共性というのは、いままでの段階ではやはり国鉄が背負っていくべきであると、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/11
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012・大倉精一
○大倉精一君 私は国鉄を擁護しようという意図はないのです。国鉄に対する経営責任は明日ひとつ追求したいと思う。きょうは総理がおいでになりまするので、特に政府の政治責任について私は所見を伺っておるわけです。たとえば、国鉄総裁の諮問機関に、日本国有鉄道諮問委員会というのがある。これは統計は古いようですけれども、昭和三十八年五月十日のものを見てみまするというと、まあ途中は省略をいたしまするが、狭義――狭い意味に解釈をする公共負担というものを政府が負担すれば、たとえば四十五年度末の借り入れ金残高が二兆四千二百七十八億円ということになっておるが、これが公共負担をかりに政府が、広義のもの、たとえば低開発地方に敷くレールとか、こういうものをのけて、狭義の公共負担だけを負担して、この二兆四千二百七十八億円が一挙に一兆一千八百十三億に減少する、こういうことを指摘しております私は専門家じゃありませんから詳しいことはわかりませんが、この諮問委員会が総裁に答申する以上は、責任を持って答申しておると思う。こういうような状態を続けておる。ここに私は政府の非常に大きな政治責任がある。しかも、行き詰まってくるというと、公共性と企業性を調和してやってもらうのだと、こうおっしゃる。さらにまた、今日の行き詰まった状態というものは、これはいま始まったことじゃないと思うのですね。年々累積したものだと思う。でありまするから、年々累積してくる、漸次悪化してくる状態というものを、単に公共性と企業性の調和調和と言って、精神訓話だけでやってきておる。そこに私は政治的に非常な大きな責任が潜在をしておるのじゃないかと思う。たとえば、きょう藤山さんの答弁を連合審査会で聞いておりましたが、運賃というものは毎年毎年の情勢の変化に応じて逐次上げていくのがいいのか、あるいはずっとためておいてばかっとやったほうがいいのか、非常に検討を要しますというような答弁がありました。私はこれは総理みずからにあとからお伺いしたいと思うのですけれども、こういう年々、特にいまの経済状態なり物価状態なりというものは異常なものですよ。そこへ持ってきて、倍増計画によって輸送量の増大というものも画期的なものです。そういう画期的の年がだんだん続いてきておる。しかも、政府は黙って知らぬ顔をして、調和調和と言ってきておる。こういうところに、五カ年計画を変更しなければならぬというような重大な問題が起こってくる。したがって、いろいろな事故や故障が起こるということも、いやしくも年度年度においてたいへんな切り詰めをやってきて、いろいろなところを手を抜いておる、こういうところに非常に大きな原因もあるのじゃないかと思うのですよ。ですから、私は、この際、この公共性と企業性、しつこいようですけれども、これは私は基本問題だと思う、中心の問題だと思う。こういう状態に国鉄をほったらかしておいて、そうして精神訓話だけやっておるということについては、これが続く限りにおいては、これは毎年毎年いつも運賃のたびに繰り返さなければならない。昭和三十二年、三十六年の速記録を見てみますと、同じことをやっておる。同じ答弁なんです。特に三十六年におきましては、当時の木暮運輸大臣は、いわゆる戦傷病者の運賃割引等若干政府が持つようになった。これは一つの原一則をつくったもんだという、速記録を読んでもいいのですけれども、公共負担の原則を確立したものだ。したがって、この原則というのは、国鉄の将来にとって非常に大きなマイナスになるのであろうと発言をし、答弁をしておられるのですね。そういう原則をつくっておきながら、それを何もやっていない、ここに大きな私は問題があると思うのですが、運輸大臣どうでしょうか、これをやり得なかった原因、理由ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/12
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013・中村寅太
○国務大臣(中村寅太君) 私は、政府は国鉄に対しましてはいろいろの面でやはり力をかしてきておる。これは、財政投融資等につきましてもできるだけの処置をしておりますし、さらに、本来は当然国鉄がやるべき新線の建設等は、建設公団をつくりまして、それによって新線の建設をやっていく。そうして国鉄に貸与していく。採算の非常に合わないようなローカル線等におきましては、無償で貸与する。こういうような形で、やはり政府といたしましては、できるだけ国鉄の経営を健全化していく方向に努力をしてきておるのでございます。また、公共負担といわれております面に対して直接政府が金を出しておらぬということは、これは私も認めますけれども、あらゆる面で国鉄の健全なる経営に政府は責任を持ってまいっておる、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/13
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014・大倉精一
○大倉精一君 建設公団もやったとおっしゃるのですけれども、これは最近における政府の一般の傾向ですよ。一般財政の重荷を軽くするために、公団をつくったり、公社をつくったり、そういうものを全部国民の負担にしてきておる。こういう一つの風潮といいますか、こういうものがあると思う。特に建設公団におきましても、資金が一体どうなっておるかという問題もある。でありますから、私は、公共負担は前からいろいろ問題になっておるけれども、少なくともこの際、政策的な面、国策的の面――国策を行なう部面は、政府がめんどう見るというと語弊がありますが、当然これは税金で負担すべきじゃないかと思う。これは議論の分かれるところである。
そこで、時間がありませんから、総理にお伺いしたいのですけれども、あなた国鉄のことは一番よく御存じだと思うのですけれども、どうでしょう。こういうような状態になる、いわゆる一千億もの借金をつくるということは、たいへんなことなんですよ。一体この責任はどこにあるのでしょうか。そうして、国鉄というものはこのままでいいんでしょうか。これは、国鉄は日本の輸送の根幹ですから、交通運輸政策の根幹をなすものです。この国鉄をこのままにしておいていいならば、あるいはこの責任をはっきりこの際しなければならぬのではないかと思うのですけれども、この際総理の御所見をひとつお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/14
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015・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまもお話にありますように、これは国鉄は国家の交通の大動脈です。したがいまして、いろいろ計画もし、またそれがりっぱなサービスを提供するように最善の努力を払う。また、そういう意味で、国民もこれの運営その他について注文つけて、ただいま一千億に近い赤字が出た、これは予算に比べてそのとおりじゃない、そこを先ほど来副総裁からその理由など一応説明しておる。私は、こういうことはやはり経営の主体である一時的には国鉄の責任だ、かように思います。ただいま、国鉄の経営にあたって、公共性と企業性、また過去において政府は一体どういうようなめんどうを見ているか、こういうお話があります。この公共性、あるいは企業性と、こういう、これは調和ということで過去において説明されている一番わかりいい話をすれば、国鉄はこれだけの線区を持っているが、もうかっている線区もあるし、もうからない線区もある。会社だったらおそらくもうからない線区はやめるだろう。これは、その公共性があるからそういうことはやめささないのだ。また、地方開発のためにこれまた必要だ、こういうことになるのだ。また、貨物の運賃にいたしましても、過日もここで説明をいたしたのですが、貨物のいわゆる負担力があるとかないとか、こういうような表規をしておる。これはやはり公共性という立場に立って、同じょうに貨物百トン送っても、品物によって運賃が違う、こういうようなことになっているわけなのです。こういう点で公共性があるわけなのです。しばしば指摘されますのは、国の政策として割引その他をしいているのじゃないか、こういうところが問題になっておると思います。それは、貨物のほうの運賃にしても、また旅客運賃にしても、そういうものが問題になっておる。これは政府において見るべきではないか、こう言われるのです。これも過日私この席からお答えをいたしたのですが、とにかくきのうきょう始まったわけではない、長い一つの歴史がありますから、そういう点で、これはやはりそういうことを含めて企業としてのバランスをとる、いわゆる独立採算制でものごとを見ている、こういうふうに解釈してもらわないと困る。だから、新しく今度は戦傷病者あるいは傷痍軍人等の輸送、これを無賃にする、こういうような社会保障的な施策をするときに、そのときには、これはもう新しいものだからごめんこうむりたいということで、これは政府が負担する、こういうような処置をとったと思います。でありますから、いわゆる企業性と公共性との調和というのは、それはただことばだけではなくて、実際に個々の運賃あるいは輸送そのものについてくふうされておるものだと思います。また、そういうことについて国自身ももちろん、大きく見ましては、政府自身が責任を持たなければならない。一次的には国鉄経営者の責任だと、かように申しましても、国家の基幹大動脈がうまくいかない、こういうことになると、政府自身が批判を受ける、これは当然のことだと思います。また、政府自身はそういう意味で政治的な責任を持っておる。だからこそ、今日まで、不十分ではあるけれども、低利長期の資金を調達する、それについて特別に協力する、かような状態だと私は思っております。新幹線をつくるにしましても、外資まで導入して、そうして新幹線をつくらしたというようなこともあるのでありますから、政府自身が全然関係しない、こういうものではございません。それらの点は、政府もそのとおりだし、またこうして国会自身もおそくまで御審議をいただいておる。これも私は、国鉄をよくしよう、こういう御協力だと、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/15
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016・大倉精一
○大倉精一君 まあ私は、これはあとから国鉄のほうにいろいろ注文をつけたいと思っておったのですけれども、簡単に公共性と言いますけれども、これはほんの一部の利益のために行なっているのを公共性という場合もありますね。たとえば貨物運賃にいたしましても、これははたして割引の範囲なり、あの程度が正当なのか、これは検討の余地がある。これはどんどんと私のところにも陳情がいろいろ来ますよ。これもやってくださいちこれもやってくださいという陳情が来ますよ。そうすると、しかたがないから、これもやってやる、これもやってやる、こういうものを全部切符でもって負担しているのです。特にこの貨物運賃というのは、これは貨物輸送力はほとんどふえておりません。しかも、この割引の中には、あるいは他の輸送機関との競争という意識もあるでしょう。そういうものはひとつ国鉄のほうでやってもらわなければならぬが、とにかく私は、いまの赤字の問題というもの、あるいは極度に悪化した――こういう表現ですね、極度に悪化したということについては、当面国鉄が直接の責任だということになれば、その責任ははっきりしてもらわなければならぬと思うのです。これは昭和三十六年も同じことだった。昭和三十二年も同じことだった。しかも、昭和三十二年の計画がだめになった。十河さんは、二度と再びこういうような失敗を繰り返さないようにやります、こう言っている。こういうところは国鉄だけに責任を負わしていいものかどうかということを私は疑問に思うから、総理にお伺いするわけです。しかも、今度の運賃値上げが、三〇%が二五%になったのですね。それで一月一日が二月十五日になった。このいきさつも、しろうと考えで新聞をずっと読んでみましても、まことにふかしぎなきめ方だったのですね。つまり言うならば、物価の担当大臣である藤山さんが米価審議会に御出席になって、そうして今年度は五・七%に押えます、こういうことで大体四月一日ということをお考えになっておったのだが、その数時間後に、あなた政党のえらい人が六人ばかり集まって、そうして二五%、二月十五日にする――数時間後です。もう、言うならば、物価担当大臣の面目丸つぶれということになるのですね。しかも、このときには、運輸審議会で十一月十七日聴間会が開かれているまっ最中にそれがやられてしまった。しかも、一体三〇%を二五%にする、一月一日から二月十五日にするという根拠は一体どこにあるのか。この前もそうです。たしかこの前は一七%でしたかの申請が、これは自民党で一三%に削られてしまい、資金計画がすっかり狂ってしまった、この計画もできない、こういうことがあった。これは一体どこが責任を持つのです、こういう責任。これはやはり直接には自民党の責任でしょう。そういう点はどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/16
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017・中村寅太
○国務大臣(中村寅太君) 国鉄運賃の是正の実施時期、それから率をきめましたのは、大倉委員は、自民党の何人かの幹部が集まってきめたように仰せられましたけれども、実はそうではございません。十一月の何日でございましたかと思いますが、日にちははっきり記憶いたしませんが、国鉄運賃是正の実施時期につきまして御相談する会を持ったのでありますけれども、そこで大体二月の十五日ということで、実施の時期は十五日を目途としてやろうということで一応意見の一致を見たのであります。たまたまそのときに、党の幹部の方で率もきめたらどうかというような意見も出ましたので、そのとき私はちょうど運輸審議会の最中でもあるし、しかも、公聴会の開かれておるときにそういうことをやられたのでは困る、そういうことをすべきではないから、それはひとつやめてもらいたいということで、私は文句を言いまして、それは取りやめた。私は運輸審議会の答申を待って、運輸審議会の答申を尊重いたしまして、大体値上げの率は二五%、かようにいたしたのでございます。ただ、その過程におきまして、いろいろ誤解を生ずるようなことがあったようでございました。私は今後はそういうことのないように十分気をつけて処理をしてまいりたい、運営してまいりたいということをこの前お答えしたので、その点はひとつ御了解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/17
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018・大倉精一
○大倉精一君 これは運輸審議会のあり方については、あしたゆっくりひとつやりたいと思っておりますが、あんなものをつくっても、あなたの党できめなければ、ようきまらぬじゃないですか、あれは。第一、何やら審議会の、何々調査会、いろいろありますけれども、あれは一体どういうものですか。あとで聞きたいと思いますけれども、要するに、自民党政府は、国鉄がこれだけなければやれないというのを削ってしまう。まあ、片っ方は一月一日ということを言っておる。片っ方は四月一日と、それを足して、二月十五日だと、そうして、その差額ですよ、三〇%にしただの、二五%にしただの借り入れ金の差額が昭和四十六年度には四千数百億になる、そういう差額が出る、借り入れ金、借金が余分になるのです、利子も。これはだれがやらせたかというと、自民党政府がやらしたのじゃないですか。ですから、そういうことについて、私はやはり自民党政府としても任責の一半をになってもらわなければならぬと思います。特に国鉄は、この前の三十六年も言ったのですけれども、あなたのほうは十七%要求して、一三%に削られてしまったのだけれども、これで計画ができるのかと言ったら、そうしたら十河さん、何とか努力してやっていきたいと思います、こう言っております。努力してやっていけるなら、運輸審議会も何もでインチキだと思う。今度でもそうでしょう。三〇%を二五%に削られてしまって、そうして実施時期もだんだん延びていってしまった。これは一体できるのかと、できぬならできぬとはっきり……。それを、できますとか、努力しますとかなんとか言って、だんだん今度は十五日が延びてしまって、どうするのだと言うと、五十億、六十億足らぬが、これは金もこしらえます、企業努力もします、そういうことでできるなら、これまたインチキと言ったら語弊がありますけれども、少しサバを読んだと言われてもしかたありませんね。きょうも盛んに予算委員室で問題になりましたけれども、こういう問題についても、さっぱり政府はめんどうを見ずに、精神訓話だけで企業努力せい企業努力せいと言っても、これはもう、そう努力できるものではないですよ。従業員の首を切るとか、賃金ダウンする以外にはないのですけれども、そういうことで、すべては国鉄に責任あり、こうきめつけてしまうのは、私はどうも納得できない。私は国鉄を擁護するわけじゃないのですが、この国鉄に全責任を持っておられる政府の責任、これまた、自覚してもらわないとぐあいが悪いが、いま御答弁によりますと、直接的にはという御答弁があった。直接的には国鉄が責任を持つのだ――政府の責任はどういうことになるのですか。政府の責任の性格というものは、どういうふうになるのですか、それを御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/18
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019・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 一千億の赤字、これは一次的には国鉄経営者の責任です、かように答えました。もちろん、政府は責任ないわけじゃございません。すべてのことに全責任を負っておるのでございますから、国鉄の経営につきましても、これは抽象的ではございますけれども、政府の責任において処理しなければならない、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/19
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020・大倉精一
○大倉精一君 責任を持っているということはわかった。わかつたならば、一体、極度に悪化したという、こういうぐあいに国鉄がなったという責任は、政府はどういう形で見るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/20
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021・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) この国鉄の運賃改正、先ほど一月一日とか、あるいは二月十五日とか、いろいろな話が出ておりますが、運賃改正は、昨年国鉄の運賃改正をストップしたときに、もうすでに運賃改正をしなければならない状況に置かれておる、こういうのでございます。当時におきましては、政府は、昨年中にもこの運賃改正の議をはかりたい、かように実は思っておりましたが、当時の補正予算その他では、それはできなかった。また、この公共料金の引き上げというものは、あまりいい処置ではございません。ことに消費者米価の引き上げもするし、またさらに国鉄料金も引き上げる、こういうことだとこれは国民生活に対しての圧迫も大きい、こういうことで、政府自身は、国鉄の企業努力もさることだし、また合理化もさることですが、とにかく、運賃改正をしなければ、国鉄の赤字に対する対策はできない。しかし、国民の生活に対する圧迫、これもひとつ政府が考えなければならぬ。そこで、その時期なり、またその上げ幅なり、こういうことでできるだけ国民の生活を圧迫しないように、こういうので二月十五日という日を選んだのであります。そうして、先ほど来お話しになっておる二五%と、こういうことが一応考えられたということでありまして、ただいま御審議をいただくというように進んだわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/21
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022・大倉精一
○大倉精一君 まあ抽象的なお話ですけれども、そういう面についても具体的に出てきているんだから、それは政府自民党がやったことなんだから、あなた方やったことについては、これはやっぱり責任を持ってもらわなければならぬ。もう一つ、私は、政府が責任を持たなければならぬ一つの点があると思うんです。それは、国鉄が五カ年計画あるいは七カ年計画を策定をする、あるいは卸売り物価なり、経済の伸びなり何なりを策定する場合に、全部これば政府の資料によっているでしょう。経済企画庁というものがある。ですから、その政府の資料によっているのですけれども、政府は、たとえば物価の見通しあたりはすっかり狂ってきますね。国鉄は卸売りで買うと言っておりますけれども、経済万般が予定よりもずれる、たとえば四十年度におきましても、当初予算のときには四・何%に押える、こういう物価を七・五%と、藤山さんの言によりますと非常に大幅な狂いが生じてきておる。ですから、政府のそういう経済政策あるいは計画、これに従って国鉄は計画を立っても、この計画が狂えば国鉄の計画も狂ってくる、狂っておれば、これは経営がだんだんだめになってくる、こういう面においても、政府はやはり責任を感じてもらわなければならぬと思いますけれども、そういう点については、あれは、国鉄自身の見通しが悪いんだからだめだ、こうなるのでしまうかね、これは。つまり、言うならば、国鉄は国有鉄道でありまするから、政府のつくった万般の数字を基礎にして輸送力の伸びなり増収のことなり、あるいは、その他の問題について、あるいは人件費の値上がり、こういうものを見通しをつけて何ヵ年計画を立てる、これは見通しが狂ってくる、狂ってきた場合には、国鉄自体の計画も狂ってくる、こういう点についても、政府はやはり責任というものを感じてもらわなければならぬと思うのですがどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/22
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023・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) これは全部政府の責任だと言われるわけでもないだろうと私は思いますが、先ほど来申しますように、一次的には国鉄の経営者の責任です。政府は全体についての責任を持っておる。先ほどお答えしたとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/23
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024・大倉精一
○大倉精一君 総理、きょうは時間もないし、まあ行き違いになりますからやめますけれども、私は総理に要望したいことは、この際、ほんとうにどうでしょう、国鉄というものを一体まじめに一ぺん考え直してみる必要があるのじゃないですか、あなたは真剣にということばをよくお使いになるのですけれども、国鉄というものは、外国}違いますからね、いろいろの事情が、日本の国鉄の場合は。でありまするから、国有鉄道というものをこの際、あり方をひとつ検討をする、しかも、政府の国鉄に対する施策というものもこの際検討をする、こういうことが必要ではなかろうかと思うのです。あなた先ほど、割引等の公共部面の問題についての歴史があるとおっしゃつたけれども、しかし、今度は貨物運賃については、もう歴史をすっかり乗り越えて四等級にしてしまって、そうして原価主義ですか、あるいは重量主義ですか、遠距離逓減はやめる、こういう画期性のある――歴史はあるんだけれども、やはりいつまでもじゃなくて、現在の段階においては、国鉄というものを真剣にやはり考えてみる、どういう結論になるかわかりませんよ。わからぬが、惰性でなくて、この際やはり考えてみる、検討してみる、こういうお考えはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/24
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025・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) まあ国鉄のあり方について、一ぺん考えてみたらどうかというお話ですが、私は確かに考えてみる、また検討する必要のあるものだと、かように思います。それはまず、その経営の形態をいかにするかということも含めてですが、これはたいして、まあいまさら国鉄、国有国営にということでもないだろうと思いますけれども、ただ、私、経営上のいろいろの資産内容というもの、これはたいへんな状況になりつつあると思います。運賃改正は、もうたびたびお話いたしましたように、四、五年程度は運賃は改正しない、こういうことを申しておりますが、借り入れ金、非常に多額にですよ、これは借り入れ金をしなければ、新しい計画の実施はできない。まあ最近は、特に金をかけましても収益のあがらないような施設、たとえば立体交差だとか、そういう保安施設を増強しなければならないとか、あるいは過密ダイヤのまあ線増等も考えなきゃならぬ。これらは金がかかるだけで、それによって直ちに収入がふえるというものではないと思います。それらのものを大体借金でどんどんやっていくわけでありますから、そういう借金のあり方についても、これからどうしていくか、一度考えてみるべきじゃないかと、過去におきましても、これらについて諮問あるいは懇談会、調査会等で答申は出しておると思いますが、しかし、最近においては金額が特に多いし、今度の第三次長期計画ならば、おそらく、払うべき一兆円と合わして四兆円近いものがあるのじゃないかと思います。そういうことを考えてみますとね、これはやはり経営の主体をいかにするのか、そういうことをも含めて検討すべき問題だと、かように私思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/25
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026・大倉精一
○大倉精一君 まあ大体答弁のわかっておることはもう質問はやめます。たとえば、公共性と企業性はどっちが優先かなんて質問しても、むろん公共性でございますけれども、まあ企業性も非常に重要でございまするからというような答弁になるだろうと思うから、これはやめます。やめますが、私は公共性よりも、やはり国鉄さんはいま商売ですね、ちゃんと石田さんはっきり言っている、急行はもうかりますからどんどんふやしますと言っている。それはそれでいいです。いいですけれども、しかし、もう少しやっぱり公共性というものをやらなければいかぬ、これはやめましょう、これはもう時間がないから。
ただ最後に、なぜこんなに国鉄運賃が問題になるかというと、これは国鉄の経営内容もあるでしょうが、この時点における運賃論議というものは、いわゆる物価ですね、物価、この経済情勢、物価の情勢を抜きにした運賃論議というものはナンセンスだと私は思う。ですから、ここに国鉄さんのほうでは、たいして影響がないとおっしゃる。それから経済企画庁のほうも〇・三%程度でたいしたことないとおっしゃる。しかしながら、この運賃値上げの理由等を見てみますと、物価に対する影響も大きいのでということも書いてある。そこで私は総理にお尋ねをしたいということは、過去において一年間公共料金のストップをしました。これは物価が手に負えなくなって、一年間とりあえず応急措置としてストップをなされたのですけれども、今日の場合、これは一体、物価に一番影響のある国鉄をはじめ、その他のものを上げることができるような物価の状態になっておるというぐあいに御認識になっておるのか、その点どうでしょうかね。ここが非常に国民も聞きたい。しかも、物価政策といいますけれども、きめ手になるものはない。総理も、物価はきめ手になるものがないとおっしゃる。あるいは企画庁長官は、構造的な問題だから抜本的にやらなければいかぬとおっしゃる。しかし、物価というのは今日的な問題ですよ。いまの問題なんです。ずっとこういって向こうへいってという問題じゅない、いまどうするかという問題。でありまするから、一年間ストップという、非常にこれは重大な措置です。重大な措置ですよ。そういう措置をおやりになったものですけれども、はたして、いまこの時期に、さっきは、二月十五日ということはいや国民経済も考えてというお話でございましたけれども、二月十五日であろうが、あるいは三月一日であろうが、四月一日であろうが、この時期に上げるという、そういう物価の情勢になったかどうかということですね、これをひとつ総理に直接お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/26
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027・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) この公共料金を一年間ストップする、これはわが国ばかりじゃない、外国にもそういう例がある。そういうことをやっておる。それが一番心配になりまするのは、期間が経過した後一体どうなるだろう、又ストップしたその間はいいが、期間が経過したら一体どうなるか、そのことを考えると、そう簡単にも実は割り切れない。過去におきましても、そういう意味で、このストップした後の処理はなかなか悪いです。これはやっぱり経済上の問題ですから、どういうような影響があるかということ、これを一応考えてみる。企画庁長官が答えたように、またおそらく運輸大臣も答えただろうと思いますが、いわゆる今回の鉄道運賃の値上げ、これが物価に与える影響は比較的小さい。そうすると、やっぱり国鉄自身の経営のことも考えてみなければ、十二分のサービスを提供するということが本来の使命ですから、それを十分果たすことができれば、これで一時的に与えた打撃は帳消しになるのじゃないか、こういうことを考えるわけであります。したがいまして、時期あるいは上げ幅等々はもちろん考えなきゃなりませんけれども、国鉄におきましても、運賃改正後のサービスが非常によくなる、あるいは輸送の増強ができる、こういうことでまた経済の活発な活動に資する、こういうこをにもなる、かように私は思いますのです。必ずしも上げないというだけが考え方でもないだろう、かように思うわけであります。それで今回これか上げようというような計画をしたのですが、私が非常に心配しておりますのは、鉄道運賃の場合だと心理的影響が非常に大きいのです。だから、いわゆる上げた影響度が〇・三だとかいうようなことでなしに、鉄道運賃も上がった、今度はいままでの十円の切符が二十円になった、こういうような表現がしばしばされる、そこらにむずかしいものがありますから、物価というものを考えます場合には、ただいま申し上げるような影響の心理的なものも見のがしてはいけない、かように思うので、運賃の値上げ、これは特に私どもは慎重にしなければならぬ、かようなことでございます。その意味では、大倉君の御指摘のとおりだと、かように私は思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/27
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028・大倉精一
○大倉精一君 これは総理のおことばですけれども、一貫していませんね。ものを上げるときには、〇・何%でたいしたことないとおっしゃる。ところが、一年間ストップされたときには、宮澤経済企画庁長官、高橋長官はこう言われました。この公共料金というものは物価に及ぼす影響がきわめて大きいのである、物価値上げのムードをつくりだすきわめて重要なものであるからして、非常手段として一年間ストップするのだと、こうですね。しかも、そのときに物価問題懇談会があった、その懇談会が一年間ストップを答申した、したけれども、閣内ではけんけんごうごう論議があったと聞いております。ありましたけれども、やはり彼らの意見が大きいから一年間ストップをされたとおっしゃる。今度は、運賃値上げになると、この前の運輸大臣も、運賃が生活費に及ぼす影響は〇・どれだけあるかわからないとおっしゃる。私はわかりませんよ。〇・三とか〇・二とかいうことは、現実に十円が二十円になったりしますから、そういうふうに一貫しないということは、どうも私は国鉄の問題に対する政府の認識が場当たりじゃないかと思うのです。それから、一年間ストップをするということ、これも非常手段としてやむを得ませんが、一年間ストップをするということは、これは政策運賃、政策料金ですね、すでに経済原則から離れたものですよ。権力が操作したものですよ。そうすれば、これに対応する措置もなければならぬが、政府はこの間精神訓話をやったから、やっかいな問題が起こってきておるんですね。何か措置しましたか、一年間ストップをして。私企業ですよ、営利企業において一年間ストップをして、政府は何か対応措置をしましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/28
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029・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま鉄道が一年とめたと、それで政府は一体どうしたか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/29
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030・大倉精一
○大倉精一君 いや鉄道ばかりじゃない、私企業……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/30
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031・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) これはですよ、とにかく、そのときは鉄道の仕事というか、積極的な支出のほうは押えないという意味で、これは財投その他で融資の方法をとったということであります。その他の問題で、これは池田内閣の時分に一応とめたことがあります。しかし、私は経済上の問題であまりとめたことがいいことではなかったと、かように思っております。だから、ただいま申し上げますように、政治的な問題は別といたしまして、やっぱり経済的な問題は経済原則によるのが本筋じゃないだろうか、かように思っているわけでありまして、これはやっぱり政治的な圧力だけでとめましても、経済現象がそれで変わるわけではない。その経済現象が変わるためには、もっとほかの手を打たなければならぬ、並行して打つべきものがある、かように思いますので、それらのものをあわせて御勘案願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/31
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032・大倉精一
○大倉精一君 まあ多くは言いませんけれども、国民一般は、佐藤さんはどうもぐるぐる変わってくるのじゃないか、そういうことを言うのですね。四十年度の予算をつくるときには、これはもう超重点的に使って、あくまでも健全財政を堅持する、ほんとうかしらんと思ったら、途中で七千億の公債を発行すると言いだしましたから、国民はあれあれということになってしまった。あるいは国鉄運賃も、また本年度は上げない、本年度は上げないとおっしゃった。これはえらいこっちゃということで方々から言って、まあ一月一日になったんですけれども、何かどこかで言ったのを見ると、本年度と言ったのじゃない、本年はと言ったんだ。どうも私は、国民諸君は、どこへ行くんだろう、佐藤丸の経済政策は一体どっちへ向いていくんだろう、佐藤政策は安くなるだろうと思ったら物価にはきめ手がありませんと言うから、もうさっぱりわけがわからなくなってしまった。そうしたら、米が上がった、鉄道運賃が上がった、何が上がったということになり、そうして公益事業、公共的な事業と称するものが、公益的であるがゆえに、政府の経済政策の失敗と申しましょうか、そういうものの責任を負ってストップした。これは運賃がストップした、水道料金は上がっていく、そういうようなことで、非常にこの間の矛盾は、確かに佐藤さんも矛盾だと思っておられると思う。ところが、一昨年の十一月ですか、来年の一月になったら公共料金ストップは時間切れになる、どうするんだと、こう言ったら、公共料金ストップは継続していきます、しかし、やむを得ぬものはケース・バイ・ケースでやります――ケース・バイ・ケースという英語は、これは便利な英語で、御都合、そのときどきにやるということですが、そういうことで、私はどうも物価政策というものは一貫していないように思う。あるいは農業物価の安定のために委員会をつくった。ところが、じゃあ安定のために価格政策、何をやったかといえば、一年間にたった一億円より予算をつけていない。こういうことで、いまわれわれ論議をして、こんなにおそくまでやっておるということは、国鉄運賃というものが物価に対してたいへんなことになる――たいへんなことになるということはオーバーかもしれませんけれども、少なくとも、物価値上げムードをかもし出していく非常に大きな原因になっておる、こういうことからこんなおそくまでやっておるのです。私はきょうは委員長に、おそいからやめなさいと言ったところが、どうしてもやるからと言うから、これだけ総理に一応聞いておきたいと、こう思ったのですけれども、物価の見通しはどういうふうになるのでしょう。企画庁長官は、大体来年度五・五%に押える、その次は三%に押える、こうおっしゃっていますけれども、四十一年度はどうでしょう。五・五%にとどまるでしょうか。その見通しはどうでしょう。これは国民諸君が、総理のことばですから非常に期待をしておると思うのですよ。どういうお見込みになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/32
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033・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) どうも佐藤内閣何をやるかわからぬという御批判ですが、これは大倉君だけのような御批判のように思います。国民のほうから見れば、健全財政を貫くという――これはぼくもはっきり出しております。別に公債を発行しても健全財政をこわしちゃいないと、これはもう信頼しております。また、これはしばしば説明いたしましたように、とにかく、財政の規模、これが大事なのでありまして、いわゆる、みだりに流れていないと、こういうところでその健全性は貫いている、かように思っております。また、経済自身はすでにもう立ち直りの形があらわれつつあります。もういわゆる不況克服、この効果はあがりつつある、私はかように考えております。ただいま、物価は一体どうなるのかというお尋ねでございますが、この物価の問題も、企画庁長官かお答えしておりますように、ことしは五・五、これを目標を達するように、あらゆる努力をする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/33
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034・大倉精一
○大倉精一君 たいへんどうも何をやるかわからぬというようにお聞きになったと思うのですけれでも、そうじゃなくて、言われるところと出てくるところが違うものだから、みんなどうかしらんと思うということを申し上げている。まあ、国民諸君がそういうぐあいに心配をしないように、特に物価、いま五・五%というぐあいにおっしゃったけれども、これまた、よくなりつつあると、去年も、日銀のほうで金融緩和したら、秋ごろに大体よくなって、つま先上がり、こうおっしゃったけれども、やはりそうでない、まあ経済は生きものですから、計画どおりいかぬから、見通しと違うこともあるでしょう。あるでしょうが、そういうこんとんたる中で――私は思う、経済政策をこんとんたる中で――混乱と言っちゃ語弊がありますけれども、七千何百億円の公債発行をしなければならぬという、こういう非常事態における運賃論議ですから、普通一般の場合における論議と違うと思う。こういうところも、総理もひとつ十分御認識を願いたいと思うのです。あるいは、さらにまた、先ほどおっしゃったけれども、正常化をすれば物価も安定するのだとおっしゃる。磯崎さんも、どっかで、こういうぐあいに輸送が増強されれば、物価は下がるのだとおっしゃる。しかし、そうすれば下がるのだとおっしゃったって、七ヵ年計画ですからね。七ヵ年もずっといって、向こうへいったら下がってしまう、そんなばかな話はない。いまの問題ですから、今日の問題でありますから、応急手当てと抜本的な手当てと両方併用してもらわなければならぬと思うのですけれども、これはもうこんなおそく、やめますけれども、きょうはあなたと平行線になりましたけれども、一体、国鉄がこういうふうな極度に悪化したということは、責任がどこにあるか、どうもはっきりしません。これははっきりしない。物価の問題もはっきりしない。二月十五日の問題もはっきりしない。はっきりしないまま平行線ですけれども、これをやると夜が明けちゃいますからやめますけれども、ともあれ、この国鉄の運賃の問題というものは、物価には非常に影響があるということだけは、ひとつ心にとめておいていただきたい。
委員長、それであと、国鉄に対する質問はいろいろありますけれども、明日にしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/34
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035・江藤智
○委員長(江藤智君) ちょっと大倉委員にお尋ねしますが、総理に対する御質問はこれで終わりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/35
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036・大倉精一
○大倉精一君 終わります。ただ、ほかの人の質問があれば、また疑問が出てくればやります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/36
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037・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 最後に大倉君のいろいろ御忠告、ありがたく私も拝聴しておきます。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/37
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038・江藤智
○委員長(江藤智君) 浅井君、もう時間があれですから……。総理、浅井君が保留があります。それから中村君が一言ありましたね。――簡単にひとつお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/38
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039・浅井亨
○浅井亨君 先日来、総理がおいでになったらと、こう思ってお待ちかねいたしておりました。きょうは幸いおいでになりましたので、私もきょうははっきりと総理から、日本国民全体が今度のこの運賃値上げについては非常に大関心を持っておる――先ほどの総理のお話の中にも、いわゆる精神的な問題が非常に大きいと、そういうふうにおっしゃったと思っております。いかにも国鉄のこの料金の改定というのは、いわゆる民衆の一番生活に影響のあるものだと、こういうふうに感じ取ってしまっているのが現在の状況だと思うのです。この料金の改定によりましてこれはたいへんなことになった、こういうふうにみな感ずるであろうと思いますし、事実、このような大幅な、また種々の物価が高騰しているさなかにおきまして上がりますと、これは非常なショックを受ける。私自身もショックを受けているわけなんです。だから、ほんとうの庶民大衆はずいぶんとショックを受けることであろうと思うのです。そうすることは、現在の佐藤さんの政策に対してどうこうというような批判も起こってくる。ほんとうにこまかくわかっているという人は少ないわけでございますから、これは非常な関心を寄せられると同時に、また、りっぱな証拠を示していかなければならないとは思うのです。そこで私は申し上げたいのは、今日まで政府が答弁しておりますところによりますと、一つの例でありますが、いわゆる海運問題に対しては、造船ですね、これには利子補給をしている。だけれども国鉄にはやらぬのはどういうわけだ、こういう質問をしますと、あれは戦争にょって壊滅したがゆえに特例なのだ、こういうふうにおっしゃっているわけです。それでは、国鉄のほうはやはりそのような戦時中に酷使をした、それで、ほとんどいわゆる第一期の五ヵ年計画ですね、それは修理で終わってしまった、このように国鉄当局は言っております。そうすると、同じように、この国鉄もその疲弊どん底に至ったということは、これは政府の責任じゃないか、こういうふうに私は思うのです。そうするならば、これも特例だ、こういうふうに思うのです。なおかつ、いわゆる国有鉄道基本問題懇談会ですね、あすこでは、三千億の出資をしてやるべきではないか、こういうふうに言っております。それを無視して、そして現在何らの出資もしてやらないというところに、公共性と企業性という問題でずいぶん問題になってくるのじゃないかと思います。それはお聞きすれば、今日までいろいろと補給はしてきた、こうおっしゃっておりますけれども、これは一般国民大衆では感じないことでありますし、ほんとうに現時点におきましては、諸物価も上がっておりますし、また、あれもこれもと上がるのだからたいへんだ、こういうふうな気持ちを持つことは事実だと思いますし、この点をひとつはっきりした線をお出しになりませんと、これはちょっと納得できないのじゃないか、こういうふうに思うわけなんです。この点ひとつ詳しくお話し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/39
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040・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまのお話ですが、運賃の値上げ、これはまあ国民から見たらたいへんだというお話、そのとおりでございます。それほど鉄道の運賃は国民生活に溶け込んでおる、その生活の一部だ、かように実は思うのでございます。だから、この運賃値上げというものが、非常にそういう意味で慎重でなければならない、このことは御指摘のとおりであります。また、それを同時に、別な言い方をすれば、いま生活に溶け込でおると、かように申しましたが、それほど国鉄の機能というものが国民生活とぴったりと一緒になっておる、こういうものだと思います。ただいま、造船については利子補給があったが、鉄道についても同じように壊滅した、あるいは酷使した鉄道なんだから、利子補給してもしかるべきじゃないか、こういうお話ですが、私は、ただいま国民生活に溶け込んでおる国鉄、そういう立場から見、また、国鉄という、国営であった過去の問題から見ましても、いわゆる政府の一部だ、かように私は思うのでございます。だから、予算の編成におきましても、船会社とは違う、そういう意味で、大蔵省とこれは一体になって国鉄の経営には力をいたしている次第であります。だから、運賃収入も見るが、同時に外資も、また国内においては財政投融資の計画もしている、こういうことで、低利長期の資金も獲得しておるわけであります。だから、これは私はむしろ、ただいまのお話によりまして一そうはっきりすることは、これは政府の一部だ、かように私ども見ていかなければならない。だから、その運賃の値上げそのものも大事だ、また、先ほど利子補給という、これは対立するのじゃないですから、政府の一部を、片一方、一般会計から特別会計へ利子補給する、こういうことまで実は考えなかったのですけれども、また、ことしもそれをやろうとは実はしておりませんけれども、先ほど大倉君からも提案がありましたが、一度、経営その他について根本的に検討すべき時期ではないか、こういう御注意がございました。私もそれに、お答えいたしましたように、こうたくさん借金をするようになれば、これは鉄道の経営からも一度、検討しなければならないんじゃないか、こういうことを申しました。それは、ただいま申し上げるように、政府の出資あるいは利子補給、こういうことをも含めての問題でございます。ですから、いまはやりませんけれど、今後そういうものがやっぱり検討される、これはほんとうに国鉄が国民生活の一部だ、かように考えますと、この経営者も責任が重いでしょうし、われわれ政府もこれと真剣に取り組んで、そして、その仕事がりっぱに成り立つように、これは十分考えていかなければならぬ、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/40
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041・浅井亨
○浅井亨君 国鉄の基本問題懇談会ですね、ここが先ほどお話しましたが、三千億くらいの出資をしてやったらどうだろう、こういうふうに言っているわけなんですね。これに対しては、どのようにお考えになっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/41
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042・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま、この三千億の問題は、国鉄の要望でもございますが、ことしは御承知のように、実際計上しておりませんし、また、ただいま運賃の御審議をいただいておるのでありますから、運賃改正後の収入状況等を見まして政府が考えるべきだろうと思いますが、ただいま申し上げますように、すぐ簡単にこの利子補給だとか、あるいは助成、これはちょっと困難だろう、かように思いますが、全体の経営本体から考えなければならぬように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/42
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043・中村正雄
○中村正雄君 私は質問する意思はないわけで、保留になっている総理大臣の答弁だけ願えればいいわけなんですが、運輸大臣から連絡がないと思いますので、再度質問いたしますが、今度の運賃問題、第三次計画の問題の基礎が、政府からの提案理由にありますように、日本国有鉄道基本問題懇談会の意見書が中心になっていると思うのです。この意見書の中の最後のほうの項に、国鉄におきまする営業活動における自主性の拡大という意見が出されております。政府はこの具体的な問題について、どういうふうにお考えになっておるか。この前の質問で、運輸大臣では答弁できなかったので、総理がお越しのときに総理から答弁願いたいということで保留された事項でありますので、政府の方針をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/43
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044・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) この四項ですね。これはまあ、こういう趣旨の答申を得ておりますので、この懇談会の結論について十分考えなきゃならないと思いますが、ただ、まあ、先ほど来お話が出ているのを聞いておりますと、あるいは、その国有国営に、むしろこれとは逆な方向の御意見ではないかと思うような節もあります。実は、私、この国有国営の最後のときに、実はいまの公社を、自分自身で考え、また、自分自身でその方向へ持っていったのであります。ところが、その後できた電電公社と比べてみると、国鉄のほうが先にできただけに、やや運営上窮屈なような気がする。もっと公社にするならば、経営の、何というか、監督あるいは指導というか、こういうものも、もっと大幅に権限が委譲されていいんじゃないか、かように実は思っておるのであります。まあ、そういうことも先ほど来の話で、具体的には、これどうしたらもっと拡大ができるのか、そういうことを十分検討してみたのであります。いままでもしばしば言われていることですが、一番卑近な例ですが、経営上も困るだろうが、たとえば組合との折衝等につきましても、当事者能力が全然ないとか、こういうようなものも、それは経営主体から見ましても、考えてみなきゃならぬ問題だろうと思います。そういうことが抽象的に言われておる。これを今後さらに掘り下げてどういうような方向に持っていきますか、さらに検討してみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/44
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045・中村正雄
○中村正雄君 ちょっと違うのです、内容が、いまの答弁は、私の質問とは。時間もありませんから、具体的にはけっこうですが、総理がおっしゃった答弁は、営業活動における自主性の拡大という内容とは幾ぶん違った面が多いと思うのです。おそらく、具体的には政府としてもどうこうきめてはおられないと思いますけれども、少なくとも、政府としては、この意見書については賛意を表せられておると思うのです。そうすれば、この項について、少なくとも、いつまで続けられるかわかりませんが、佐藤内閣の続く間に、何らかの具体的な意見を出してもらいたいという点においての御意見を聞きたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/45
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046・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) いま私が申し上げましたのも一つのその例だと思いまするが、営業活動という表現をしております。営業活動についてはもっと範囲が広いんでしょうから、そういう意味では、自由な活動ができるように、いままでいろいろ制約がある、予算的な制約が一つの問題でしょう。もう一つはやはり運賃収入、運賃のことも書いてありますが、やはり全部が国会の審議を経なければならない、こういう点も、これはせっかく御審議をいただいておる際に申しては誤解を受ける筋ではございますが、何らか自主性がないんではないか、かようにも私は思うのであります。こういう点もやはり国鉄が活発な経営ができるようにすべきだ、そういう意味の協力はすべきじゃないか、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/46
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047・江藤智
○委員長(江藤智君) 次回は明日午前十時より開会いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後十時五十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01019660301/47
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