1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年三月三十一日(木曜日)
午前十一時十五分開会
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委員の異動
三月三十日
辞任 補欠選任
河野 謙三君 安井 謙君
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出席者は左のとおり。
委員長 江藤 智君
理 事
岡本 悟君
金丸 冨夫君
岡 三郎君
吉田忠三郎君
委 員
木村 睦男君
源田 実君
谷口 慶吉君
中津井 真君
平島 敏夫君
前田佳都男君
松平 勇雄君
相澤 重明君
大倉 精一君
木村美智男君
瀬谷 英行君
浅井 亨君
岩間 正男君
国務大臣
運 輸 大 臣 中村 寅太君
政府委員
運輸大臣官房長 深草 克巳君
運輸省鉄道監督
局長 堀 武夫君
運輸省航空局長 佐藤 光夫君
事務局側
常任委員会専門
員 吉田善次郎君
説明員
外務省国際連合
局専門機関課長 伊藤 政雄君
運輸大臣官房審
議官 中野 大君
日本国有鉄道常
務理事 川上 寿一君
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本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査
(海水汚濁防止条約に関する件)
(航空に関する件)
○踏切道改良促進法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
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001・江藤智
○委員長(江藤智君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
委員の異動について報告いたします。
去る三十日、河野謙三君が委員を辞任され、その補欠として安井謙君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/1
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002・江藤智
○委員長(江藤智君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。
海水汚濁防止に関する国際条約に関する件について質疑を行ないます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/2
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003・相澤重明
○相澤重明君 国際条約の中の海水汚濁に関する問題について政府側の若干の経緯をひとつお尋ねをしたいと思うのでありますが、まず一九五四年に、油による海水の汚濁の防止のための国際条約、これがつくられたのは、当時何カ国で批准をされておるのか、御答弁いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/3
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004・伊藤政雄
○説明員(伊藤政雄君) 三十一カ国でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/4
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005・相澤重明
○相澤重明君 この条約が批准された後に、この条約が、さらに多くの独立国が誕生した後において、改正をすべしという意見があったと思うんですが、そういうことがございましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/5
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006・伊藤政雄
○説明員(伊藤政雄君) この一九五四年の条約は、イギリスの政府が中心になってつくったものでございます。その後、国連の専門機関でIMCという機関ができることになりまして、これが政府間海事機関でございますので、そのIMCOにこの条約をもう少し審議させようということで、六二年にIMCOが発足するのを契機として、もう一度この条約のテキストの改正を考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/6
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007・相澤重明
○相澤重明君 その結果はどういうことになったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/7
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008・伊藤政雄
○説明員(伊藤政雄君) 一九五四年の条約は、現在までに三十一カ国それに批准をいたしております。ところが、六二年の改正のほうは、改正が発効するに必要な一九五四年の条約批准国の三分の二がまだそれを承認しておりませんので、六二年のほうは未発効になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/8
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009・相澤重明
○相澤重明君 その三分の二が確保できなかった理由はどういうわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/9
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010・伊藤政雄
○説明員(伊藤政雄君) 現在まで一九六二年のほうに承認を与えておりますのは十八カ国でございますが、この十八カ国のうちに非常に多くの主要な海運国が含まれておるわけでございます。しかし、三分の二に至らないのは、六二年のほうが五四年の条約よりは若干内容的にきびしいものでございます。そういう点で、おそらく推察いたしますのに、日本のように、各国も事情があり、そのほうには入り切れない国が多いのだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/10
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011・相澤重明
○相澤重明君 わが国においては、国際条約については討議をするなり、あるいはまた批准を行なおうとするようなことが議論されたことがあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/11
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012・伊藤政雄
○説明員(伊藤政雄君) 六二年の条約会議のときに、わが国も代表団を送りまして、この条約の改正に積極的に協力したわけでございます。その代表団を送る前にも、何とかしてこの条約に入るという考えからいろいろ検討したわけでございます。それから、その会議が六二年に終わったあとで、こういうテキストができたということで、また関係各省とも協議をいたしたわけでございますが、依然としてまあ主管庁である運輸省あるいは通産省側で国内的な問題をお持ちなことが判明いたしまして、そのために今日まで、批准の国内的な態勢が整わないということで、批准できないままに至ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/12
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013・相澤重明
○相澤重明君 六二年にはわが国の代表も派遣して積極的に取り組む考えでおったが、帰ってきてみたならば、関係各省庁の意見が結局は統一できなかった。つまり、よいと言うものもあるし、まだそこまで足並みがそろって条約批准を受ける態勢に国内はなっていない。その国内の態勢が足並みがそろわないというのは、各省庁の場合でいくと、どこが積極的にこの条約を受けようとしておったのか、どこがその隘路があったのか、どこの省の関係でそういう隘路があったのか、その点について、いまのお話ですとかなり議論がされたと私は思うので、ひとつ御披露願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/13
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014・伊藤政雄
○説明員(伊藤政雄君) 私その当時の詳しい事情は分明でございませんが、いままでの記録を見てまいりますと、やはり一番の問題は先ほど申しました運輸省と通産省の関係であったようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/14
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015・相澤重明
○相澤重明君 運輸省が条約批准を行なうべきだという考え方の立場に立っておって、通産省がこの油等の問題をはじめとしてどうもまだそこまで国内の態勢が整わない、こういうことなんですか。ただその当時自分が参画していなかったからわからないということでは、政府委員としての答弁には私はならぬ、こう思うのです。いま少し説明していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/15
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016・伊藤政雄
○説明員(伊藤政雄君) 関係各省とも、この条約会議の対策を考える場合に、全部御協力をいただいております。したがって、条約ができ、あるいは改正が行なわれたあとも、関係各省とも全部何とかして入らなければならぬというお気持ちにはお変わりなかったことと思います。ただ、その条約の批准に伴う国内的な義務があるわけでございますので、このおのおのの義務について主管の官庁でどういう問題があるか、その点を慎重に御検討になっていたように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/16
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017・相澤重明
○相澤重明君 この五四年の条約批准が世界で行なわれた当時とは若干変わって、六二年にはむしろ幾らかきびしくなるような、内容的にも考えられるわけですが、いま言った、わが国が六二年に代表を送って、そうして積極的に取り組もうとしたけれども、国内の態勢がそこまで整わなかった、そのときの提案というか、内閣の中でこの問題の取りまとめ役として出たのはどこですか。外務省ですか、運輸省ですか、通産省ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/17
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018・伊藤政雄
○説明員(伊藤政雄君) 運輸省が取りまとめの立場におられたと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/18
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019・相澤重明
○相澤重明君 運輸省はこの海水汚濁に関する当面の所管の責任省としての立場で私は問題を提起されたと思うのでありますが、これら条約関係については外務省はどういう立場をとるのですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/19
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020・伊藤政雄
○説明員(伊藤政雄君) 一般的に申しまして、外務省といたしましては、条約ができ上がりますと、それを批准することについて、関係各省、特に主管省の側で批准に対して困難がないかということをまず確かめまして、国内的に困難がないということで批准手続を進めることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/20
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021・相澤重明
○相澤重明君 六二年にわが国の代表が行ったというのは、どこの省のどういう人なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/21
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022・伊藤政雄
○説明員(伊藤政雄君) その当時の日本代表のリストをただいま持ち合わせておりません。首席代表は在イギリス大使館森公使でございまして、それに運輸省、通産省、その他関係各省の方々が東京から補佐としておいでになったと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/22
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023・相澤重明
○相澤重明君 その当時の代表団一行の氏名をひとつあとでお出しをいただきたいと思うのであります。
そこで、具体的に私は、この一九五四年の油による海水の汚濁の防止のための国際条約、その内容について若干聞いておきたいと思うのですが、この条約に対しわが国がそこまで統一的な態勢が整わないという理由のおもなるものは何でしたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/23
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024・中野大
○説明員(中野大君) 条約を批准いたしますのには、国内法をまず整備しなければならないわけでございまして、その際に、国内法で整備するにあたりまして、条約との関係で大きな問題点としまして三点ございます。まず、廃油投棄の禁止をします区域を定めなければならないという点が第一点でございます。それから第二番目に、廃油を受け入れて処理する施設を陸上に設置するという問題でございます。それから第三番目に、船舶に漏油を防止する装置を設けなければならないという問題がございます。これらの三点につきまして、条約を批准するために整備しなければならないわけでございまして、ことに受け入れ処理施設としましては相当な経費もかかるわけでございますし、またこれらの施設を設置する義務者はだれになるかといった点の検討も必要でございまして、国内法の整備までに至らなかったという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/24
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025・相澤重明
○相澤重明君 いまの審議官の答弁では、たいへん国内法を整備するには予算がかかる、金がかかる、こういうお話でございましたが、その金のかかるというのは、どのくらいの──当時、六二年のわが国の代表団がおいでになってお帰りになってから、そういうことを審議するのにどのくらいの予算が一体かかるとお考えになっておったでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/25
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026・中野大
○説明員(中野大君) 先ほど五四年条約のお話でございましたので、その五四年条約の場合には、なおアメリカあたりも批准だいぶおくれておりましたし、またいま先生のお話ございました六二年の条約改正の機運がたまたま起こっておりましたので、そういった未批准国の動向も見ながら六二年条約に出席したわけでございます。それで、その出席しましたあと、運輸省としまして、関係各省庁で、先ほど外務省からお話がありましたように、連絡会議を開きまして、施策要綱をつくりまして、法案のようなものもまとめてみたわけでありますけれども、いまの所要額としましては、当時まだ計算するという段階には至っておりませんので、記録を見ましても、当時の所要額としてのそういった計上のものは見当たらないようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/26
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027・相澤重明
○相澤重明君 実際にはあれでしょう、六二年に政府が代表を、各省庁の者も含んで、首席は先ほどの外務省のお話のように在英大使館からどなたかおいでになったかもしらぬけれども、いずれにしてもわが国の代表団がおいでになって、最初のうちはアメリカ等と一緒になってこの改正に対するところの問題点をできるだけ取り上げられるということで実は期待を持ってわが国は出席をしたのか、それとも一九五四年のこの基本の条約、これをひとつわが国はやはり支持していく、あるいはこの六二年の改正案で期待を持っていくと、こういう場合とあったと思うのです。そのいずれだったのですか、わが国は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/27
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028・中野大
○説明員(中野大君) 五四年も出席しまして、あと三ヵ月後に署名をしたわけでございますが、その場合は後に受諾するという条件で署名したわけでございます。また、六二年の条約においてもそういうことでございまして、いずれにおいてもそういう受諾を条件として署名したという状況になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/28
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029・相澤重明
○相澤重明君 なに、六二年と五四年と同じ考え方でおるって、どこにそれは書いてあるのですか。つまり、五四年のときには署名したけれども、六二年のときには署名していすか。それ説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/29
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030・伊藤政雄
○説明員(伊藤政雄君) 中野審議官の御説明のように、一九五四年の条約は受諾を条件としてわが国も署名しておりますが、六二年の場合は、最終議定書という会議の経過みたいなものだけに各国が署名いたしまして、テキストにはどの国も署名いたしておりません。日本も署名しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/30
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031・中野大
○説明員(中野大君) 六二年の関係につきましては、外務省の御答弁のとおり訂正さしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/31
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032・相澤重明
○相澤重明君 そうだよ。別に書いてないもの。
そこで、六二年には十八カ国がいわゆる改正の提案をしたんだけれども、先ほども申し上げた三分の二の多数を取ることができなかったと、これが現実にいまだに改正ができないという理由でしょう。そうじゃないの。運輸省はそれをどう理解しているの。おそらく、私の持っておるこの条約関係改正の条約案等を見れば、六二年のこの提案をしておる十八ヵ国ではきめ得なかった、したがって、今日では、やはり依然として五四年のこの条約が基本である、私どもこう理解をしておるのですよ。で、署名は六二年には日本は参加をしておってもしておらないのですよ。これは十八カ国がそういう改正をしようという趣旨だけ述べただけでもって、これは決議をされていない。こういうことからいって、わが国としては改正のほうに期待を持って出かけたということなんですか。運輸省はどうなんですか、一体。いま少し明確にしてくださいよ。運輸省、答弁してみろよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/32
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033・中野大
○説明員(中野大君) 改正に期待を持っていたという御質問に対しまして、当時、私も、記録でそういった点は残っておりませんので、期待という御質問の点がちょっとわかりかねるのでございますが、もちろん、五四年条約も、先ほど申し上げましたように、受諾を条件として署名して後受諾するという態度でございますし、また六二年条約につきましても、先ほど外務省のお話がございましたような意味で出席いたしてございまして、これらにつきましてどういうふうに今後処理するかといった点につきまして関係省庁でいろいろ打ち合わせをいたしておったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/33
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034・相澤重明
○相澤重明君 日本が六二年の改正にいわゆる積極的な賛成をしなかったということになるのですか。それとも、私が先ほど申し上げたように、いや六二年の改正に期待を持って出席をしたということになると、これはまるっきり方向が違うわけです。そうでしょう。そこで私の聞いているのは、三十一カ国が一九五四年に批准をし、日本も批准して、その後国会ではできなかったけれども、その出時署名をして、できるだけ批准をするようにという気持ちで当時は行っておった。ところが、六二年になると、十八カ国が改正案を提起してきた、その改正案を提起してきたときに、いま私が聞いておるのは、日本はこの十八カ国の改正に期待を持って、世界のほかの国もこれに参加をしてくれる、だろうという期待でおったのか、いやどうもあの十八カ国の提案をしておることは芳しくない、したがって、これには期待でなくて、この十八九国の提案には反対であるという態度なのか、こういう点はきわめて大事だから、どちらで出席をしたかということを聞いておるわけです。外務省でもいいよ、どちらでも。運輸省と両方言ってみろよ、大事なところなんだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/34
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035・伊藤政雄
○説明員(伊藤政雄君) 六二年の条約がどういう内容になるかということは、なかなか事前に予測できないのでございまして、会議の間にいろいろな修正提案その他がたくさん出て、結局現在あるようなテキストができ上がったわけでございまして、したがって、推察いたしますのに、代表団が出席する前は、もちろんこの改正テキストの審議に大いに協力しようということで出たわけでございますが、しかし内容的にでき上がったものは非常国内的にもむずかしいものになったわけでございまして、したがって、その結果、五四年と同じように、たやすく入れるという見込みでは帰ってこなかったのだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/35
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036・相澤重明
○相澤重明君 どうなんですか、局長にお尋ねしますが、この十八カ国の中にはアメリカは入っておらないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/36
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037・伊藤政雄
○説明員(伊藤政雄君) 入っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/37
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038・相澤重明
○相澤重明君 そのアメリカが入れなかった理由は何とお考えですか。つまり当時の十八カ国の改正案の中に、「一時的に北アメリカの大湖並びにそれらに接続し及び附属する東はカナダ、ケベック州モントリオール」というようないろいろなアメリカ側にたくさんの問題が提起されておりますね。そういうような問題が、いま局長の言う、出席するまでは各国の意見というのはたくさんあった、特に海軍軍艦あるいは海軍補助船、こういうような問題まで提起をされて、最初の海軍補助船というものは、さらに軍艦の範囲内まで大きな影響を及ぼすようになってきたというような問題、先ほどの説明の地域的条件、こういうようなものは、この十八カ国の提案者の意思に、たいへん期待に反したということが多いのじゃないですか。この条約の中で、改正案の条文を見ると、そういう点が、この一九五四年の条文の中からの差を、私はそういう点が若干あるのじゃないかという気がする。これは私は条約の内容を見ただけですよ。見ただけで、当時私どもはまだ具体的な報告を受けてないから、私はお尋ねするわけなんですが、そういう地域的あるいは種別、あるいはそういう軍事的目的、こういうようなものが、一九五四年の基本条約から見ると、六二年の改正条約案はどうも受け入れることがむずかしい、こういうことでアメリカ側がこの中に参加ができなかったということはないのですか。これはもっともっとそのほかにたくさんの理由もあると思うのですが、そういう点はどうですか。これは専門家にひとつお尋ねをしたいわけなんですがね、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/38
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039・伊藤政雄
○説明員(伊藤政雄君) 御指摘のございましたように、確かに六二年条約は五四年条約に比べて地域の点が非常に厳格にされております。ただ、アメリカが先ほど申しました十八の中に入らないのは、その点だけか、あるいはほかにあるのか、その点は私分明にいたしておりません。確かにその地域がむずかしくなったという点は明らかな相違として考えられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/39
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040・相澤重明
○相澤重明君 運輸省はどういうふうに、この条約の中に、そういう五四年の批准された条約、六二年のこの改正案、これに対してアメリカがこの十八カ国の中に入り得なかった理由というものは那辺にあるか、こういうようなことについて、国際情勢なりアメリカ側との話をお聞きになった、そういう点でどういうふうにお考えになっておるか、ひとつ御説明いただきたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/40
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041・中野大
○説明員(中野大君) 六二年条約は、これは外務省からお話し願うほうが筋かと思いますけれども、現在まだずっと受諾国はふえているわけでございます。現在十八カ国は受諾になっておりますので、まだまだこれから受諾する国が出ればふえるわけでございます。したがいまして、これで終わるというわけでは私どもないように思っておるわけでございます。それからなお、五四年条約でも、アメリカとしましては六一年にやっと受諾をいたしたわけでございますが、その当時の記録によりますと、アメリカが五四年条約を受諾するにあたりまして、油水分離器を義務づける条項とか、あるいは先ほど私が申し上げました主要港に適当な残留物を受け入れる施設を設けなければならないという条項、こういった点について、何かいろいろアメリカとしても検討しておったようでございまして、したがいまして、受諾しましたのも六一年になって初めてアメリカも受諾したということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/41
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042・相澤重明
○相澤重明君 私の聞いておるのは──五四年の条約のときにアメリカが入っておるということは私も知っておるわけです。それから六二年の改正条約が提案されたときに、アメリカがなぜこの十八カ国の中に──いわゆるアメリカが入れば十九カ国になるわけだ──そういうふうに、アメリカがどうして改正案に入り得なかったか、こういう点を聞いているわけです。だから、その入り得なかった理由は、地域的条件でアメリカ側にきわめて強い規制を出しておる点が私は見受けられるわけですよ。しかも、その条約の内容をずっと調べてみると、国際的にますますこの問題が大きくなろうとするときに、軍事的目的等も含まれてきつつある、こういうようなことでたいへんきびしくなっておるから、なかなかこれでは受け入れることがむずかしいと、こういうようなことが、アメリカ側がこの十八カ国の改正案に積極的に参加できなかった理由なのではないか。そのほかにももちろんあるだろう。あるだろうけれども、地域条件がきわめてきびしい、この改正案を見ると、それは軍事目的についても規制を加えてきておるというようなことからいって、私はかなりそういう点が、六二年のときには多くの国が──いわゆる三分の二以上確保することができなかったという悲劇がそこにあったんじゃないかと思うんですけれども、そういう点を運輸省はどう考えているのか、こう言って聞いているわけです。だから、六一年にアメリカが五四年の条約の批准を行なっておると、そんなことはわかっておる。わかっておるけれども、六二年の改正についてアメリカ側の考え方はとうだったかということを運輸省は1先ほどの局長が言うように、日本の国会でこれを受諾をして批准をすれば、提案者は運輸省になるでしょう、先ほどの説明でいけば。そうすると、運輸省が、相手の国なりどこの国がこの条約にどういう考えで批准をしておるか、どこの国が批准をしておるかということぐらいわからなかったら、これは国際条約を批准することなんか提案できやせぬ。そういうことを聞いているんですよ、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/42
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043・中野大
○説明員(中野大君) お尋ねの六二年条約についてのアメリカの考え方という点でございますが、五四年条約につきましては、先ほど申し上げましたように、前に調査したものがございますが、六二年条約につきましては、なぜまだ批准していないかという点につきましては調査してございませんので、もちろんこれから日本としましてこれに対処するためには、そういう事情も十分調査しなければならないと思っておりますから、今後調査いたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/43
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044・相澤重明
○相澤重明君 全くお粗末だよ。六二年──いま六六年じゃないか。しかも、これだけの産業公害に大きな影響を持つこの油の海洋投棄等の問題について、政府が、関係各国は国際条約についてどういう考えを持っておるか、どのように支持をしておるか、またこれを成功させようかというようなことが、最も世界の中でウエートを持っておるアメリカがどういう考えでおるかぐらいのことが、四年もたっていてまだ十分調査もしてないというような、全くこれは国際情勢についての認識の足りない点を積極的に暴露しているようなものですよ。私も今度本院の代表で列国議会同盟へ出さしてもらいますけれども、全く日本のそういうやり方が時代おくれということになる。私は、もっと的確に情勢を把握しなければ、衆参両院の本会議なり関係委員会で、この海水の汚濁に関する条約批准なんということを提案されたって、答弁できないじゃありませんか。そんなことじゃ、困ると思う。やっぱり担当の運輸省だったら、もっと積極的に、具体的に調査して、各国はこういうに、本件で──おそらく先ほど審議官が答弁するように、これからは好むと好まざるとにかかわらず世界の趨勢はこういう条約を批准しようという機運になっていくんですよ、だんだんふえていくんですよ。ふえていくのを、積極的にふやしていくようにするのが近代国家の役割りじゃないですか。そういうことからいって、このいまのアメリカ側がなぜ六二年に出席をしながら、そうして十八カ国のこの改正案に参加ができなかったかというような理由がわからないなんというようなことでもって、これではとてもじゃないけれども条約批准を国会に提案するというような力はない、運輸省には。こういうふうに思うので、まことに遺憾千万、いま少し勉強してもらいたい。
そこで、それはそれとして、一生懸命今後ひとつやってもらって、その次にわが国が条約を受けるとするならばどういうところに──いま政府としては関係各省庁間で協議をし、力を入れて、民間のものにも、あるいは政府としても、ここだけはまとめなければ提案ができないという 先ほど言う法律的には関係国内法のいわゆる調整という問題になってくると思う。そういうところは運輸省としてはいまどの辺まで一体行っているのか、まるきり手さぐりで、象の鼻をさわったところで、頭をさわったところで、足をさわったところでは、これは私はいかぬと思う。しかも、中村運輸大臣は、衆議院の産業公害特別対策委員会の中で、「できるだけ早い機会に条約批准の考えで提案をしたいと思います」、こう言っているんだから、いまのような審議官の答弁では、何を提案するということになるのか。何もないだろう、お先まっ暗ということになる。これでは私はいけないので、いま当面して、この五四年の条約の中でわが国が国内調整をしなければならぬというものはどういうところにポイントがあるかお答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/44
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045・中野大
○説明員(中野大君) 条約批准いたしますと、日本としまして守らなければならない点で検討する点は、先ほども申し上げましたように、おもな点として三点ございます。廃油を投棄する禁止区域をどういうふうに考えていくかという点と、それから港湾に廃油を受け入れまして処理する施設を設置しなければならない点、それから第三番目に船舶に油水分離器のような漏油の防止装置を設けなければならないという三点でございます。もちろんいままでもこれらについて検討を怠っておったわけではございませんで、先ほども申し上げましたように、六二年条約後、各省庁とも打合わせをいたしましたし、なるべく早く国内法を整備したいということでございましたが、じんぜん今日まで参ったわけでございます。ただしかし、現在におきましては、公害防止、あるいは水産資源の保護といったような、あるいは船舶航行安全の面からも一日もゆるがせにできないというようなことでございますので、これからの処理といたしましては、先日上司のほうにもおはかりいたしまして、次の通常国会には間に合うように、国内法も整備しまして、またそれを目途としまして批准をしていただくような段階に考えていきたい、こういうふうにこれから段取りを進めていくわけでございます。したがいまして、先ほどもいろいろ御質問がございましたアメリカの未批准の理由といったような点につきましては、もちろんそのときに十分なぜかという点を判明できますように、私どものほうもあらゆる手を尽くしましてアメリカの状況を調査しておきたいと、こういうふうに思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/45
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046・相澤重明
○相澤重明君 やっぱりこれは大臣がいないとどうも核心をつくことができないですよ。これは事務当局だからしかたがないと思うのですけれどもね。しかし、これだけ日本の国会でも、衆参両院に産業公害対策特別委員会を持っておりながら、この条約さえ十分に各省の意見調整ができないという、それももう十年もたっているのだから、五四年に各国は条約批准をして、そして六二年に改正案が出たとはいいながら、六二年の改正案といったって、もう四年もたつじゃないか。そういうことからいって、全く何にもやつっていないと同じ、いまの答弁だけでは、私は印象を受けるわけですよ。運輸大臣が衆議院の産業公害対策特別委員会に出て、条約をできるだけ早い機会に批准をしたい、国内法も改正をして提案をしたいと言っても、これは本物になっていないと、国会答弁で終わりと、こういうことになりかねないという私はおそれを持つわけです。いまや産業公害はわが国のきわめて緊迫した重要課題なんですから。先日、二十五日に、私が本院の産業公害対策特別委員会てこの問題等について質問をするということで、急遽安井長官が二十四日に次官会議を持って、いわゆる連絡会議を持って、それで二十五日の朝、閣議の了解を待て、ここにおる瀬谷君が産業公害対策特別委の理事なんですが、そこに安井長官が報告したのです。それだけでも、いままで何もやっていなかったことから見れば、ぼくは前進だ。けれども、それだけではいけない。当然この条約をわれわれは受け入れて、そして関係国内法を改正すると同時に、批准をするという考え方に立たなければ、いつまでたっても口頭禅に終わってしまうということを、この間もこの特別委員会で私から安井君に言っておいたわけです。安井君も、今度は単に次官会議だけでなくて、経済閣僚には経済閣僚懇談会があるのだから、ひとつそういう産業公害についての各関係省庁の閣僚会議をやれと、そしてこの条約も積極的に受け入れられるような態勢をつくらなければ、佐藤内閣がいくら、人命尊重とか、あるいは海水汚濁に対してわれわれの基本的態度はこうだと言っても、国会答弁で、国会のその場さえ過ぎてしまえばいいんだと言われては、ぼくは残念だ。これをやるだけでも予算、金もかかるかもしれぬし、関係者にはかなりきびしい制限も付さなければならぬけれども、それがこの産業公害をなくし、佐藤内閣の一大私は歴史的なよいことになるのだと、こういう話をしたわけです。だから、きょうは、委員長、大臣も次官もいないし、私としてはやはり条約は批准をするという、そのためには関係国内法を調整しなければならぬのだから、そういう作業をやるために、いまの答弁では次期国会に提案をしたいと、こう言うのだけれども、いまのは運輸省の考えだけのようですね、いまの答弁聞いていると。そこで具体的に、関係各省の中にそういう条約を受け入れるについての何か連絡機関か何か持っているのかどうか。これは広い意味では、内閣といえばその一番頭は総理大臣なんだから、総理大臣が言えばと言ってしまえば身もふたもないわけです。そうでなくて、内閣総理大臣佐藤榮作殿といったところで、それは責任体制の問題は、やはりこういった事務的なものを進めるには、関係者の中で集まってそういう具体的な作業を進めなければ、私は提案できないと思う。
そこで、運輸省に再度お尋ねをするわけですが、外務省とか、通産省だとか、そういうところと、恒常的というと語弊があるかもしれぬが、連絡会議等持って、条約なり法律の調整等、あるいはその他区域の問題、あるいは構造の問題というようなことについて話を進める機関というものがあるのか、ないのか。運輸省の事務的段階でそう思いますという答弁だけでは、私は納得できない。そういう点がどういうふうになっているのか、再度御答弁いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/46
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047・中野大
○説明員(中野大君) 大臣とされましても、この問題は真剣に取り組んでおられるわけでございまして、木曜日の災害推進連絡会議の報告が翌日あったようでございますが、その総務長官の報告のあとでも、大臣から海水汚濁防止もひとつ進んでやろうというふうに御発言なさっておられるわけでございまして、私どもそういった大臣の方針を受けまして処理方針を立てて、これから積極的に取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っておる次第でございます。したがいまして、八月末までには要綱を固めまして、それに必要なもし所要経費がございますれば、その所要経費を推計して概算要求も行ないたいと、そしてそのあと引き続いて各省庁とも連絡をとった上、法案を作成して通常国会を目途に提出をしたいと、こういうふうに思っておる次第でございます。そういった段取りにつきましては、一応私どもだけで独走というわけにはまいりませんので、いまの先生のお尋ねのように、会議というまでには至っておりませんが、そういう方向で運輸省が進むについて、農林省、通産省、外務省、関係省のひとつ御協力を得たいというようなことでは、とりあえず現在連絡をいたしてございます。したがいまして、いまのような段取りでこれから進めるにつきまして、会議を持つのがいいのか、あるいはいまのように個々に関係省庁と緊密な連絡を保っていくのがいいのか、これからいまの八月を目途にどちらかの方法をとりまして準備を進めてまいりたいと、こういうふうに思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/47
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048・相澤重明
○相澤重明君 委員長に要望しておきます。事務的段階のことの答弁はわかりました。しかし、これではやはり進まない。したがって、大臣にあとは私はそういう点を積極的に進めるように質問をしたいと思いますが、いまは保留をして、一時これは終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/48
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049・江藤智
○委員長(江藤智君) 承知いたしました。さよう取り計らいます。
午後一時まで休憩いたします。
午前十一時五十八分休憩
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午後一時十五分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/49
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050・江藤智
○委員長(江藤智君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
踏切道改良促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。
これより質疑に入ります。質疑のおありの方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/50
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051・木村美智男
○木村美智男君 この前、踏切道改良促進法の提案があったわけでありますが、原則的にこの法律が今日の事故防止あるいは交通能率を上げるという観点でたいへん重要な役割りを持つ法律であることはよくわかるわけですが、したがって提案のようにこれをいわば時限立法であるから期限を延長するということについては賛成なんですけれども、実はこの本法施行をして三十六年以降今日までに、この法律によってどの程度踏切道が改良されたか、この実績をまずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/51
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052・堀武夫
○政府委員(堀武夫君) まず踏切保安設備から申し上げます。踏切保安設備につきましては、三十七年、三十八年、三十九年と、この三カ年間の実績が出ておりますので、ここで申し上げます……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/52
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053・木村美智男
○木村美智男君 資料は出てないね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/53
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054・堀武夫
○政府委員(堀武夫君) 踏切道改良促進法の一部を改正する法律案参考資料というのをお配りしてあるのです。それのうしろから三枚目ですが、指定踏切道の改良進捗状況というページがございます。これを見ますと、まず第一に保安設備の整備でございますが、指定いたしましたのは国鉄が四千四百三十六、私鉄が二千三百十一で、合計六千七百四十七の踏切道を指定いたしました。このうち竣工いたしましたのが五千九百二十でございます。四十年の十二月三十一日現在で、工事中のものは百二カ所、それから計画変更のために未着手のものが七百二十五でございまして、したがいまして、進捗率と申しますか、それが八九・三%でございます。
それから、立体交差について申し上げますと、指定をいたしましたもの、国鉄が二百七十三カ所、私鉄が五十六カ所、合計三百二十九でございます。そのうち竣工いたしましたのが九十九、工事中のものが百七十三、目下協議中のものが五十七、したがって進捗率は八二・七と、こういうことになります。
次に構造改良について申し上げますと、指定をいたしましたのは、国鉄が二十八、私鉄が三十四、合計六十二、竣工いたしましたのが五十四、工事中が四カ所で、協議中が四、したがいまして進捗状況は九三・五%と、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/54
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055・木村美智男
○木村美智男君 ちょっと、四十年十二月三十一日現在という関係で、必ずしも本法成立してからということにちょっと端的にとれなかったものですから、それでいま伺ったわけですが、大体この実施状況を見ますと、立体交差化のほうが少しおくれておるような感じがあります。比率として八二%というけれども、実際に工事中のものを含めて八二・七ということですから、そういう意味では少し立体交差化のほうがおくれているのですが、これはどういう理由があるのか、もし原因がはっきりしておったらお答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/55
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056・堀武夫
○政府委員(堀武夫君) 立体交差化工事の進捗のよくないのはごらんのとおりでありますが、これが悪いのは、この踏切道の大部分は、列車回数も多いし、それから道路交通量もともに多い。また市街地の非常に立て込んだところに存在するケースが非常に多いわけであります。また、工事規模もしたがって非常に大きくなるわけでございます。したがいまして、さらに用地買収とか損失補償等の問題、非常に複雑な問題がからむわけでありまして、もちろんそれに要する工事の費用も非常に膨大なものになるわけであります。したがいまして、利害関係者も非常に多く、利害の調整をするのに非常に時間がかかっておる、こういうような事情でどうしても進捗状況がなかなか尋常一様のことでは上がらない、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/56
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057・木村美智男
○木村美智男君 何と言っても踏切問題は立体交差化することが一番安全の立場から考えてもいいわけですが、可能な限り、これは予算との関係はあると思いますが、ひとつこの点については本年度以降特に促進をしていくように万全の態勢をとってほしいということを一応要望をいたしておきます。
それで、これからの問題なんですが、この最後の5、いまの資料の続きですね、これがおそらくこれから五カ年間における指定予定踏切道の計画だと思うのですが、これは五年間大ざっぱに一まとめにしてあって、大体年次別の計画が出ていないのですが、いま時間の関係でここで年次別に明らかにしてもらう必要はありませんけれども、別途ひとつ、予算をつけて、そして一覧を出してもらいたい。これはひとつ資料提示ということで要望いたしておきます。
そこで問題は、これらのいわゆる本法に基づく踏切道として指定をしてこれが工事をやっていく場合における費用の問題は一体どういうようなことになっているのか、これをひとつ答えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/57
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058・堀武夫
○政府委員(堀武夫君) 保安設備のほうは、法律に基づきまして鉄道事業者の負担になっておりますので、これは全額鉄道事業者が負担するという原則になっております。それから立体交差と構造改善につきましては、これは鉄道事業者と道路管理者が協議して負担をする、こういう原則になっておるわけであります。そこで具体的にどういうふうにやっておるかと申しますと、国鉄につきましては建設省と国鉄との協定がございます。道路と鉄道との交差に関する建設省日本国有鉄道協定というのがございます。これによりますと、まず第一に既設の平面交差を除去する場合、これは国鉄が三分の一、道路が三分の二、ただし駅の構内等で交通量が非常に多い、それから遮断時分も非常に長い、あるいはその線路の数が非常に多いというような、そういう特殊な場合につきましては、国鉄は五分の二ないしは二分の一まで持つ。したがいまして、道路が五分の三または二分の一という場合もございます。
それから第二には、鉄道と道路が同時に新設される場合、これは国鉄が二分の一、道路が二分の一という折半の原則によってやっておるのであります。
それから第三番目のケースとしましては、一方がすでにある、他方が新しくつくるというような場合、これが原因者負担という原則によりまして、あとからつくったほうが原因者でございますから全額負担をする、こういうかっこうになっております。
それから私鉄につきましては、これはまあ国鉄と違いまして、個々の事業者の負担力がまちまちでありますし、いろいろな複雑な事情もそのケースケースによってありますので、一定の負担割合を定めておりません。立体交差の場合につきましては、その私鉄事業者が受ける利益の範囲内で大体相談をしてきめる、こういうようなことになっておりまして、大体従来の実績から見ますと、総工事費の五%ないし一〇%というのが私鉄の負担分でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/58
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059・木村美智男
○木村美智男君 費用分担の現状についてはわかったんですが、多少国鉄と私鉄の関係を聞いてみると少し違いがあるようなんですけれども、大体踏切問題については常識的に同じような分担をしなければならぬじゃないかというふうにも考えられるんですが、この点はどうか。
それから、こういう費用の分担でいままで実際問題として差しさわりは全然なかったかどうかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/59
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060・堀武夫
○政府委員(堀武夫君) 国鉄の場合と私鉄の場合では、費用の分担のしかたが若干違っております。御指摘のとおりでございます。これは、従来のいろいろのいきさつ等、そういうようなことでこういうことになったという理由もございましょう。しかし、まあ国鉄がこういうふうにはっきり協定のような形できめておるということは、国鉄は非常にたくさん全国的にこういう問題を処理しなければならぬわけであります。一つ一つ何の標準もルールもなくしてやりますと、一々協議をやりますのに非常に時間をとる。ですから、全国の平均的な考えを出すという方針にのっとりまして、あらかじめ、標準的といいますか、平均的と申しますか、そういうようなモデルを想定いたしまして、そうして三分の一というふうにきめておる、こういうことでございます。従来からこういうふうにやっておりますが、特にこの負担割合のために非常に困ったようなことが起きたという事例は、私はまだ具体的な話としては聞いておりません。私鉄につきましては、国鉄と比較しますとどちらかというとその負担部分が少な目であるわけであります。これは逆に言いますと、これじゃ国鉄のほうが負担し過ぎているじゃないか、裏返しに言いますとそういうことにもなりますけれども、私鉄につきましては、いろいろ会社の負担力というようなこともあって、まあ少な目に、私鉄の交渉の努力によってこのようになっておるのではないかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/60
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061・木村美智男
○木村美智男君 いまの負担の問題は、ある程度私鉄の場合は、経営の問題その他もあわせて、場合によっては国鉄に比べて負担割合が比較的軽いというような状況だというのですが、しかし最近特に踏切問題は相当事故の関係等もあるので、これは私鉄の経営側の負担能力があるないということも一つの要素ではありますけれども、もう少し公共的な観点から踏切の問題については、大体国鉄、私鉄を問わず、新しくつくる場合には、国鉄がどのくらい、あるいは国がどのくらい、場合によって地方公共団体がその踏切の新しく設置を要望したという場合の地方公共団体の分担は、かりに五分の一なら五分の一というふうな一つの基準というものを設けて、むしろ企業の財政状況や負担能力ということよりも、安全という観点からこれを強力に進めていくということが、本法をほんとうに生かす道であるように思うのですが、そういったようなことについての必要性について運輸省はどういうふうに考えるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/61
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062・堀武夫
○政府委員(堀武夫君) その負担割合をはっきりときめたほうがいいんではないかという御趣旨のようにお伺いをいたしたのでありますが、これは各国の法令実例を見ましても、法律ではっきりその負担原則、割合を書いておる国と、協議ということであまり法律でははっきりさしてない国とございます。これはいろいろ一長一短ではないかと思いますが、いまの法律の考え方といたしましては、まあいろいろのケースがあるだろうと、ですから、一律にきめるということはいかがかと、いままでの実例として、いろいろな相場といいますか、そういうものはだんだんできておりますから、そういうものを標準にいたしまして、やはりその場合その場合に最も合うような負担割合というものを話し合いできめていったほうがやはりいいんではないか、こういうふうにわれわれは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/62
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063・木村美智男
○木村美智男君 そうすると、いまの答えだと、ある程度、法律で負担割合はきめてないけれども、実際の運用の場にあたっては 過去の経験その他からいろいろな条件を判断をして、標準的なものはあると、こう言われておるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/63
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064・堀武夫
○政府委員(堀武夫君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/64
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065・木村美智男
○木村美智男君 そういうことで標準的なものがきめられて、ある程度実際の関係に問題がないと、こういうことであれば、これはそれでいいと思うのですが、間々過去においてやはり踏切の設置が、どうも地方公共団体の要望なんかを聞いてみましても、なかなか進まぬ。進まないその理由は、費用の分担のほうがはっきりせぬからだというようなことがよく聞かれたわけです。そういう立場から、これはある程度分担についての大まかな、やはり標準的にやってきているという今日の次元で、それをある程度法制化していくようなことを将来に向けてどうも検討する必要があるように思う。一概には律し切れないからという点もよくわかるわけですが、しかし全然それがないためにこの踏切道設置の問題が時間的におくれているという例も少なくないように私は伺っているものですから、そういう意味で、もう一度その辺の見解と、将来に向けて検討する気はあるかどうか、その点の必要性についてどう考えられるかということを伺っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/65
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066・堀武夫
○政府委員(堀武夫君) 非常に協議に手間どって進捗しないということは、先ほど申しましたとおりでございまして、さような実情でございますが、それを救済する方法といたしましては、協議が成立しない場合は、これは方法があるわけでございます。それは道路管理者が──国道の場合は道路管理者が国であるわけであります。その場合は、建設大臣と鉄道事業を主管をしている運輸大臣が、どうしてもまとまらないときは最後には協議してきめるとか、あるいは国道でない場合は、建設大臣以外の者が道路管理者であるわけでありますが、そういう場合には、その者から建設大臣並びに運輸大臣にその裁定を申請するというような方法で、どうしてもきまらぬ場合はきめる、裁定というような方法できめられるという方法はございます。しかし、一々そういうむずかしい手続を踏んでおったのでは、なかなか事が早々と運ばぬではないか、これはごもっともな活でございます。それで、われわれとしては、基準としては、その鉄道事業者が受益の範囲という基準で計算をして、どの程度負担をするかということを現実的にははじいて協議に当たっているわけであります。その点につきましては、いろいろ協議実例といいますか、そういうものがだんだんできていきますので、そういうものを標準にして、そうして話し合いをしていくということが、非常に実情に合った負担の割合が出るのではなかろうかということを考えております。しかし、能率的に事を処理するための何か標準が要るのではないかということは、ごもっともなお話でございますので、今後研究をいたしていきたいと、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/66
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067・木村美智男
○木村美智男君 それでは、いまの問題は、将来にわたって研究をしていくということですから、これで費用の問題は打ち切りまして、次に移りたいと思います。
大体この踏切について、相当交通量の多い、危険度の高いところについては、これは立体交差にしてしまえば一番問題ないわけですけれども、そういうところばかりは、なかなか諸般の事情でできぬというような個所も非常に多いわけですが、そういう中で、これから相当、計画を見てみましても、たとえば全然いままで設備のなかったところへ、警報機や遮断機を設ける、あるいはチンチンだけ鳴っておったやつからそこに遮断機をつけるというような、いわば格上げが相当実施に移されてくるわけです。この格上げに伴って、大体今年度の計画の中では、たとえば国鉄なら国鉄の場合にはどのくらいのこの要員問題、あるいは私鉄の場合にはどのくらいこれによって要員の問題が起こってくるかというようなことは、ある程度運輸省としては把握していますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/67
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068・堀武夫
○政府委員(堀武夫君) 国鉄の踏切保安掛の要員問題につきましては、国鉄のほうからお答えをいたしますが、私鉄のほうにつきましては、できるだけ自動化なり機械化なりでカバーできるものはカバーをしていく。そういう自動機械化、だけではカバーし切れない、こういうところにつきましては、これは当然要員も配置すべきであります、が、それの計画的な数字はまだそろっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/68
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069・川上寿一
○説明員(川上寿一君) 国鉄の場合につきましては、このたびの第三次長期計画によりまして、踏切の個所数を、一種の踏切のうちで約二千百ばかりを廃止をしたい。電動化が約千二百でございますし、立体交差化によりまして約三百カ所が閉鎖をできる予定でございますが、現在、六千六百の踏切保安掛のうちで、立体交差化によりまして約千名、電動化によりまして約千八百名くらいを予定しております。電動化は、場合によりましてはこれよりも少し少なくなるか、あるいはもう少し進められるかということは、その踏切の状況によって今後判断しつつ作業を進めていきたい。大体七年間で二千八百でございますから、半数に近いものが人員としては減る、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/69
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070・木村美智男
○木村美智男君 機械化に伴ってということ、立体のいま説明された千名というやつ、これは立体交差をするのですから、当然その点について、そこにいままでの設備に必要と思われる人員が浮いてくるということは、これは了解できるわけですが、ただ問題は、それを含めてとにかく二千八百からの人員がこの機械化なり設備の改善によって転換をしなければならないような事態が起こってくる。その場合に、一つ問題なのは、私鉄なんかはよく警報機並びに腕木を備えておってなおかつ踏切保安掛というものをちゃんとそこに置いておるわけです。これは国鉄といえども、都市の場合、付近に学校があったり幼稚園があったり、特に交通が多い、それから車と人間とが特にそこへ集中するといったような状態のところでまだ立体交差化されてないというような個所については、少なくとも踏切に、安全という立場からは、ただ一がいにそこに腕木をつけたから、あるいは自動化したからということだけでは、まあ腕木が下がるだけ、警報が鳴るだけのことであって、人間的には無人踏切と同じようなこういう状態が出てくることが考えられるのですけれども、実際問題として、機械だけにたよってほんとうに安全が確保できるのかどうか、ここのところをどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/70
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071・川上寿一
○説明員(川上寿一君) ただいまの木村先生の御指摘の点につきましては、国鉄でも十分に考えておりまして、電動化いたしましても、全部その従来の踏切保安掛を全面的に廃止するのではございません。電動化の中に、私どもの内部で、電動化甲・乙・丙という三種類の電動化を考えております。機械設備につきましては全く同じでございますが、甲につきましては、先生御指摘のありました交通量の非常に多いところにつきまして、踏切保安掛を終日、機械化した上に、配置をいたします。そうしてこの保安掛は、交通状況を見ておりまして、自動車が踏切の中に入ったような場合で、その間に降下してしまいますと、自動車がその中にとりこになります。あるいは遮断機が自動車の上にぶつかるというような点、あるいは人の交通にいたしましても、幼い者とか、あるいは身体障害者とか、いろいろな方が通られますので、踏切が遮断されるときに一時的にそういう人を制止したり、あるいは自動車に待ってもらったり、そういうような指示権はございませんが、実際問題として指示するというような考え方で終日配置いたします電動化いたしました踏切を電動化甲、それから昼間だけあるいは時間を限って相当に交通量が多いというようなところは、時間を限って保安掛を配置いたしまして、これを電動化乙といたします。それから、そういうようなことが必要なく、従来の三種踏切を一種にいたしますような程度の踏切につきましては、一種の自動と同じように、機械だけを据えつけまして無人にする。そういう方向で進めたいと思っております。そうして、それらの種別につきましては、その踏切の従来の実績あるいは今後の交通量というようなものを見合わせまして判定をしていきたい、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/71
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072・木村美智男
○木村美智男君 これは甲・乙・丙の設置というのは、一つの基準をつくって、そういう具体的な判定をして措置をするのか、あるいは何か労働条件なんかも含めてどっかで協議をしてそういうことをやるのか、その点と、大体現状で考えて、七カ年間に甲が幾つぐらい、乙が幾つぐらい、丙が幾らと考えているのか、その点を明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/72
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073・川上寿一
○説明員(川上寿一君) ただいまの条件につきましては、その踏切の状況によりまして、列車回数、道路交通量、踏切の状況といたしまして、見通し距離とか、踏切利用者の層別と申しますか、非常にこう言っては失礼ですが、柄の悪い地域にある踏切とか、特殊な車両が非常に多いとかいう、そういう標準できめるつもりでございまして、労働条件というような点からは、ただいま深くは考えておらないわけでございますが、これらの基準は、現在電動化いたしましたところの数がまだ少ないので、その点の状況をよく見きわめまして、ただいまのところは地方局にこの基準をまかせておりますが、もう少し電動化が進みました暁には、それらの状況を本社で全体としてつかみまして基準をきめたいと思っております。したがいまして、甲がどのくらい、乙がどのくらいというような数字は、ただいままでは持ち合わせがございませんので、もう少し実施状況を見て、その辺をつかみましてからでないと申し上げることができないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/73
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074・木村美智男
○木村美智男君 それじゃ、いまの伺ったときの関係での労働条件という問題は、ちょっと私のほうでことばが不適当だったのですが、かりに特殊車が多いとか、あるいは列車回数がひんぱんだとか、それからさっき言ったような道路の状況、赤羽等の事故のあったような見通しが非常に悪いとか、こういうことできめるという、この関係は基準がすでにもうできているのかどうか。それから、これらについて地方局にということをいま伺ったのですけれども、それではやっぱり相当ばらばらになる傾向があるのじゃないか。したがって、やはり一定の基準というものを示して、地方局にある程度その判断をゆだねるというならわかりますけれども、地方局のほうで吸い上げてきたやつを、今度は本社のほうで精細に調査をして最終決定をするんだと、こういうことだと、少しまちまちになるきらいがあるような気がするんです。そこで、地方局にまかすという関係については、これはやはりもう少し一定の標準というか大まかな規格というものを示して、そしてやる必要があるのじゃないか。
それから、さっき言った車両の混雑なりあるいは、そこの踏切の諸種の条件というものを、これは何かやっぱり調査せんければいかぬだろうけれども、これがたとえば三年前、五年前の調査だ たら、あまりこれは役に立たぬと思う。こういうのは、一体どれぐらいの期間を置いて調査をされているのか。私が聞いたところによると、その踏切の指定にあたって調査をするというよりも、何年か前に調査をしたその基準に基づいて何か判断をしているように伺ったものですからね。そこはどうなっているか明らかにしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/74
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075・堀武夫
○政府委員(堀武夫君) この実態調査に基づいて計画を立てるべきであることは、当然でございます。したがいまして、できれば毎年実態調査をして、そして翌年の前の、ことしに調査をして、翌年の計画を立てたほうが、これが一番いいわけでございます。しかし、まあいろいろ費用その他でなかなかそうはまいりません。で、いままでの実績を見ますと、国鉄では三十四年の十月に一回、それから三十七年の十月に一回、それから四十一年、ことしでございますが、ことしやろうという計画を立てております。それから、私鉄につきましては、三十四年の十月に一回、三十八年の五月に一回やっております。で、これはことし予算がとれておりますので、この際にひとつ実態調査をやってみたいと、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/75
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076・川上寿一
○説明員(川上寿一君) 調査につきましては、ただいま鉄監局長から御説明のあったとおりでございますが、先ほどの御質問のいろいろな基準の問題も、実は国鉄がこの前に調査をいたしましたのが三十七年の十月でございますので、その後の特に中小都市におきます交通量は非常に変わっております。したがって、これらのやや正確なる調査をもとにいたしませんと、基準をつくるのがなかなかむずかしいもんですから、それもあわせまして、まだ実は本社で基準をつくりかえておるわけでございまして、この点は調査の間隔が三年以上にもなりますので、まことに申しわけないことだと思っておりますが、実は四十一年度の調査も、一種と三種の踏切につきましては全数調査をしたい。それから、四種の踏切につきましては、約三分の一くらいの調査を実施したい。そういうことになりますと、数量も約二万の踏切について、やることになりますし、費用も約一億五千万円を見込まなければならないというようなものでございますので、実はなかなかやりかけておったのでございますが、このたび第三次の長期計画も進捗してまいりますことでもあり、また現在御審議を願っております法案の期間延長の問題もございますので、この際十分調査をいたしまして、その調査の資料に基づきまして、今度の計画をもう少し精細にいたしたいと思いますので、その点は御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/76
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077・木村美智男
○木村美智男君 やっぱり伺ったように、三十四年に一回、三十七年に一回というと、この間三年あるわけです。それでまたことしは三年過ぎて四年目でしょう。だけれども、それはまだ、ことしはやりたいということと、そういう計画を持っているということだけで、もうすでに四年になるわけですから、そういう意味で言えば、今度は交通量というのは、逆なんですね。年をふるに従って、ローカルは別ですけれども、都市周辺ではどんどんどんどんふえるとも減るところはほとんどないという状況にあるわけですから、したがって今回調査をしないうちに前の資料で計画を立てるというようなことがあったのでは、これはたいへんなことになるので、ここはひとつ厳重にそういうことのないようにしてもらいたい。
それからもう一つは、そういうことで三十七年にやったのが最後の調査なんですから、今日ある基準として内定をしている列車回数だ、道路だというようなのは、それはそれとして、やっぱり実情をきちっとつかんだ上で基準をつくって、そうして地方局に出すという、そういうやり方でやってもらわんと、今までのように地方局にまかしてあるということでは、これは安全という面からいえば逆コースだから、ここはひとつ厳重にそういうやり方で、この踏切道指定問題あるいは今度の格上げあるいは設備変更をやるについて、まず第一番に調査の問題を先行してもらいたい。こういうことでやってもらわないと、せっかくのこの法案というものを、期間だけ延長しているというだけでは意味がないので、そこは厳にひとつ守ってもらいたい。これは特に強くこの点は要望いたしておきます。
それから常務、先ほど踏切保安掛、たとえば連動化するについても、甲乙丙の区分をつくって、場合によっては踏切保安掛に指示権はないけれども指示をするというような、指示をさせるというようなことを言われましたけれども、どうなんですか。これはある程度指示をしなければならないという義務づけをすることについては、多少私なんかも問題あるような気がする。しかし、ある程度踏切保安掛に事故防止の観点から制止をさせることができるという権限を与える必要性というものはあるような気がする。これは法律的にやらなければいけないということになると、怠ったときのその処罰の問題も関連をしておる問題ですから、あるいは道路交通法との関係、警察官の権限との関係というような問題、やかましいのが起きてくる点も考えられるので、無条件に義務づけた権限ということは、これは多少検討を必要とすると思うのですけれども、しかし制止をすることができるくらいの権限を与えなければ、さっき言った業務は、柄の悪いような者の多いところじゃ、多少踏切がおいおいと言ったって、それはどんどん行っちゃう。そういうときに、やっぱりそれを押えるくらいの権限をきちっと与えてやりたいような気がする。その点は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/77
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078・川上寿一
○説明員(川上寿一君) ただいま先生のお話になりました問題は、実は私どもも長い間議論いたしましたし、あるいは警察庁その他とも連絡をしてまいった問題でございますが、指示権という問題になりますと、やはりいろいろ微妙な問題がございまして、どうも指示権というところまでは、踏み切れないわけでございます。実際に指示してもよいというようなことを、職務の内容としてつけ加えませんでも、実際に緊急の場合には、これは当然列車の安全のためにもやらなければならないことでございますので、国鉄の職員全般の服務の安全という考え方から、実際問題はそういうことができるというふうに考えて、現状のところはそういうものを明文にうたうという考えは、実はないわけでございます。実際問題は、そういう緊急の場合には、現実に行なわれておるというのが、実情だと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/78
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079・木村美智男
○木村美智男君 先ほど申し上げたように、絶対に制止をすれば──何といいますか、今まさに列車が入ってきそうな状態のときに、これはまあ入っていってしまうというような場面が、現実の場合ではやっぱりちょいちょい起こっておるわけです。そういうときにひとつの踏切保安掛、国鉄の職員全体がそうですけれども、わりあいに内気なというか、仕事に非常に忠実ではあるが、同時に与えられた仕事の中で、まじめにやるという性格が強いものですから、だからむしろある程度制止させることもできるのだという気持ちを持たせておくかどうかということがきわめて重要だという観点が、ひとつ私なんかの場合持っているわけです。それをさっき言ったように制止しなければならないんだという義務づけになっていくと、ちょっと、行き過ぎになるからそこは問題だけれども、しかし制止することはできるという権限くらいは当然持たしていかなければ、今日のようなひんぱんな交通の状況の中では、これはなかなか実際問題として踏切保安掛としての万全の任務を全うすることはできない。こういう状況があちこちに実はあるものだからね。この点はやっぱり従来考えておってようやれなかったというけれども、この辺の時点に来たならば、この問題は少し踏切保安掛の一つの権限というか、そういうものとして心がまえの問題を含めて、そういう制度にしていくことが必要じゃないかということを特に痛感をしているものだから、これはもう一回その点、いまの説明だけではちょっと私のほうも納得できぬので、そういうふうに持っていく方向で、とにかく研究するという気持ちがあるならある、ないならないと、全然いいのだということなのか。そこら辺を、少しこれは鉄監局長でもいいが、安全の立場からひとつお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/79
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080・堀武夫
○政府委員(堀武夫君) 踏切保安掛に法律上の指示権を与えるべきではないかという御意見と承りました。この問題は、この踏切道改良促進法をつくったときからの大体いろいろ議論をされた問題であります。現に社会党の法案にもそのことが規定されております。したがいましてわれわれといたしましても、非常にこの問題についてはいままでも何回も議論もいたしましたし、検討もいたしてきたわけでございます。この法案の改正にあたっても、さらにこういう指示権を規定すべきであるかどうかということについては、相当に議論をしたわけでございます。その結果、やはりこの法律で指示権としてきめることときめてない場合と、実効においてどう違うのだろうかということでございます。それでわれわれとしては、これはとっさの場合の指示権でございますので、社会党の案にも書いてありますとおり、危険が差し迫っていると認めるときは必要な指示をすることができるというふうに書いてありますところから見ましても、非常にとっさの場合には指示権であるというふうに理解をされるわけでございます。そういうとっさの場合の指示権となりますと、指示するほうもされるほうも、法律に書いてあるなしということを意識しないで、何といいますか、声をかけるということではなかろうか。そうしますと、別に法律に書いてないから従わないということにはならぬのじゃないか。そういうような点を考えてみますと、法律的な指示ということにしますと、先ほど木村先生がおっしゃるようにいろいろな問題点がありますから、実効においてそれほど違いはないということであれば、これは現行の法のとおりでいいのではなかろうか、こういう、いまの段階ではそういう結論になっておるわけでございます。それでだんだん通行量がふえまして、とても踏切保案掛の手に負えない、電車の通る回数も多くなるし、通行人の数も多くなる、それで踏切に、線路が何本もあるというような場合で、とても踏切保安掛の手に負えないというような踏切におきましては、私はむしろ交通の警官ですね、警官を要請してここにおってもらう、その付近におってもらって指揮をしてもらったほうがいいのではないか。むしろ手に負えぬときは別にそういうような措置をとったほうが──要請して警官を配置してもらうというほうが、私はいいのではなかろうかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/80
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081・相澤重明
○相澤重明君 関連。いまのどうも実態を把握してないうらみがだいぶあるように私は思うので、これは運輸大臣にひとつ答えてもらいたいわけだけれども、いまの踏切の国鉄職員が監視をしておる問題について、緊急の場合とかとっさの場合とか、異常の場合とかといういろいろな用語の使い方もあるけれども、人の多く通行するようなところは、なかなかむずかしいのですよ。で、私はこの運輸委員会でいつでも私どもが言うのは、ともすると国鉄の踏切保安掛というのは、まあ国鉄職員の中で一番地獄だと言われるようなことがどこからも見られている。そのためにせっかく電車、列車が通過するのに踏切を閉めなければいけないといって閉めた際、いわゆるそれを取り除いて、上げてそして自分が通っていって事故を起こすというものもある。今度は非常の場合に、非常に人が混雑する、車が混雑するといった場合に、いまいった、おまわりさんならばこれは一つの権限というものを持っておるが、国鉄職員が言うと、何をおまえ言っているのだ、こう言って制止も聞かない。あなたの言う、指示をするとか指示権があるとかないとかいう以前に言うことを聞かない。こういうことになると非常に混乱をする。で、警察官──じゃその近所に交番なり駐在があるかといえば必ずしもあるとは言えないと思う。駅関係の踏切とかというものはああいう近いところにあるけれども、これが保線区関係の踏切になれば遠いでしょう。そういう点でずいぶん私はいままで事故に際会した場合に、国鉄職員として恨みをのんでおる者が多いと思うのですよ。私は率直に言って、運輸大臣に、社会党としては鉄道公安官を廃止しろ、こういう法律案を法務等に提案をしたこともあるのだが、むしろ労働争議にいつも公安官が出ていくというようなことをするのなら、それよりもそんなものはやめて、そうしていま言った、警察官ではないけれども、鉄道公安官ならある一定の職務を持つわけだね、これは。最も人通りの多いそういう日常とにかくここは非常に問題が起こるのだというところは、私は鉄道公安官を配置すればいいと思います。そうすれば一定の職務権限も持っているし、ある程度社会通念的にこういう混乱というものを制止することができるというようなことで、やはり国鉄のことをよその人に頼むといったところで、一体職員は何をしておったんだと、一たん事故が起きてごらんなさい、警察にすぐ引っぱられるでしょう。国鉄職員はいい迷惑しますよ、実際の話が。ですから私は、国鉄についても、国鉄の特別の立法に基づく裁判等も行なうべきだということを議論をしたのもそこにある。ところが一般のおまわりさん、検事さんは知らぬのです。とにかく何でも事故が起これば、国鉄職員を一番先に引っぱる、こういうようなばかばかしい全く今日では笑えないような情けない話がときどき出てくる。この間の事故だってそうでしょう。国鉄職員を先に引っぱっているから、あと現実がどうなっているかわからない、通報がおくれたということが、ずいぶんあるでしょう。そういうことからいって、社会通念上まだ国鉄職員に対する、踏切を警備しておる人たちに対する認識が、世間の人たちがどうもまだ十分でない。こういうところに私は問題があると思うのですよ。だから踏切の立体化をすれば別であるけれども、機械の保安設備をしたから、人がなくなっていいなんということは、これは全く時代錯誤である。やはり、そういう行動的な、最も多く交通があるようなところは、ますます厳重にしなければ人命、財産は守れない。そういうことを私はやはり考えていくべきというのが基本的なんですから、そこでいまとっさの場合の指示権があろうがなかろうが、法律的にそういうものがあっても、なかなかそれは運用上むずかしいんじゃないかというような御答弁をいま聞いたように私は思うのだけれども、私は逆だと思うのです。一般に、これはもうこういうふうに一つの指示権ができるのだということになれば、それに大衆は従うのですよ。そうでない場合には、おまえたちに何の権限があるのか、何でおれたちをとめる権限があるのか、こう言われてごらんなさい、そう言われれば国鉄職員はぐうの音も出ない。そういうので、大事故を起こしていることがずいぶんある。ことに私は京浜間を乗っているわけですから、そういう点では、全くうちの幹部がというふうに当時よく言ったが、やはり国鉄なり運輸省が、もっと真剣に大衆の中に入った国鉄職員の立場というものを考えてやらなければ私はいかぬと思います。そういう点では、単に踏切整理員というような、一般の民間のトラック会社のあるいはバス会社の人を一国鉄職員が置けないものだから、そこに一時踏切のところに置いて、そうして整理をして通過をせしめるなんというようなことをたびたびやっておるわけです。違法ですよ、ああいうのはぼくらから言わせれば。そういう何ら権限のない者まで、ときによると国鉄職員の足りないために踏切の安全通過のために整理負なんという者が、バス会社なりあるいはトラック会社から出ていって整理をするなんというようなこともある。そういうことをやらせるような運輸省はだらしがない。国鉄が予算がないなんて言って、予算がないなんということを言っているから、人命を守れない。金で人の命を買うことはできない。そういうまず私は人命尊重という立場から、この踏切問題はやはり考えてもらわなければいかぬと思います。予算をもつ
と多く出してもらいたい、こう思うのだが、ひとつ運輸大臣に、そういう国鉄職員の踏切を整理する人たちに対して、いまのような状態でいいと思う理由が私にはわからない。わからないし、そういうことを実情を把握していないと思うのだが、運輸大臣は公安官等を派遣する考えがあるかないか、そういう点についての指示権というものまで言及をするわけなんですが、いかがですか、運輸大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/81
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082・中村寅太
○国務大臣(中村寅太君) 踏切の番人といいますか、踏切職員に対して権限を与えるという行き方も、これは一つの行き方だと思いますが、先ほどから鉄監局長も言っておりますように、権限を与えれば、やっぱり義務もそれに伴ってくるというような関連もありますし、さらに私はいままでの実情を詳しく知っておるわけではございませんが、やはり踏切の緊急といいますか重要の度合い等にかんがみましては、国鉄の職員のいろいろの事情等で、やはり配置等も考慮されておるような点もあるんじゃないかと考えられますので、これはいろいろの検討しなければならない内容がまだ非常に多いようでございまして、この際そういうことに権限を与えるということに踏み切るのには、この問題は熟しておらぬというような気がいたしておりますが、将来の問題としてこれは検討をしていくということがいいのではないか、かように考えておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/82
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083・木村美智男
○木村美智男君 運輸大臣それは答えが一つ残っているのだが、公安官を、監督局長の答えで言うと、まあできれば交通整理のおまわりさんでも、たいへん混雑して必要なときは頼んだらどうか、こういうことだから、幸い国鉄には鉄道公安官というものがいるんで、日常これは労働運動で春闘にでもならぬ限りはたいした用はないので、そんなら公安官をぜひそういうことの整理に当たらせたらどうかという話がいま出たんで、そこで運輸大臣にそういうことの問題について、ひとつあとからでもいいですから考え方を述べてもらいたい。問題は、最近、これはこの間運賃値上げのときも、常務が踏切警手という話を言ってけしからぬと、また大臣はいま踏切番と言われた。これはなおけしからぬ話だ。結局そういうふうにものをながめ、踏切というものは大体そういうことなんだという旧来の観念を変えるところから出発しないと、ほんとうの踏切対策なり安全というものはこれは確立できないと思うのです。そういう意味で、何もことばじりをつかまえるわけではないけれども、現実にそういう踏切保安掛というものの待遇なり、あるいはその資格なり、採用の条件なり、こういうものをやっぱり社会的に地位を高めていくということをあわせてやっていかなければ、事故が起こったらそれは業務上過失致死罪に問われる。あるいは列車が来るときに間に合ったの間に合わないのというけれども、これはきのうやきょう鉄道に入った者が、交通ひんぱんなところで円滑に交通量を流していくというようなことは、ちょっとできないですよ。やはり大体ベルが鳴ってどのくらいたてば列車がどのくらいまでくる、その場合踏切を通過する列車の速度はどのくらいあるから、その間に要する時間は二十秒だ、三十秒だ、したがってあの遮断機をおろすときの、最終おろすときは大体列車の通る三十秒なら三十秒前にはきちんと踏切がクリアーされて、そうして遮断機がちゃんとおりる、こういう言ってみれば、ある程度高度の判断もこれは必要とするんですよ。そういう意味で、もう少し踏切保安掛というものに対する運輸省として登用の資格なり、あるいは新しく入った者を直ちにここにつけるというようなことを禁じて、ある程度構内の様子がわかる、あるいはダイヤ等については大体ベルが鳴るまでもなく頭の中で描ける、そうして列車が迫ってきている場合、道路のほうを見て自動車が来ると思ったら、そのものを通してよいか悪いか、タイミングをぴたっととり得るようなそういう者を踏切等に配置をする、最近は特に大事な、何というんですか、ところにだけ踏切保安掛を配置するようになってきているわけですから、そういう点でひとっこれは常務のほうからも答えてもらいたいんですが、踏切保安掛の権限の問題は、いま言ったようなことで将来検討することにして、登用の資格なり、それから採用職を私は踏切保安掛にすべきでないという見解を持つわけですけれども、このことについて明確にしてください。そのお答えを大臣も一緒にしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/83
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084・中村寅太
○国務大臣(中村寅太君) 現在の鉄道公安官には、やはり保安官の使命がございまして、これを踏切のほうに回すという考え方はいま持っておりません。ただ、踏切保安掛といいますか、職員といいますか、その点につきましては、将来いろいろの問題を含んでおるようでございますから、十分慎重に検討して善処したいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/84
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085・木村美智男
○木村美智男君 大臣、あなた、いま鉄道公安官が別な任務があると言うけれども、別な任務というのは、何があるか、ちゃんと言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/85
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086・中村寅太
○国務大臣(中村寅太君) 鉄監局長からお答えを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/86
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087・堀武夫
○政府委員(堀武夫君) 犯罪捜査だけをやることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/87
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088・木村美智男
○木村美智男君 公安官は犯罪捜査なんか最近やっているためしがないですよ。鉄道公安官、一生懸命テレビで宣伝はしているけれども、それは犯罪捜査なんというものは、実際の業務の報告をとってみたらわかるけれども、公安官についてはそういうことよりも、むしろ労働運動のようなときに警察官のかわりをやって、静めたり、または混雑のときにお客さんのしり押しをしたりそういうことをやってんだから、もっと公安官の職務というものを現実的に裏づけをするとすれば、いま言ったような特殊なところだから、だれでもいいというわけじゃないんだから、公安官を使うようなことも考えてみたらどうかということを言ったのですから、そういう意味で、大臣、公安官の運用のことは答えなくてもいいですよ。いまのようなことから必要性があるかどうか。それからある程度はそういう仕事をやってもいいだろうというお気持ちかどうか、それだけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/88
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089・中村寅太
○国務大臣(中村寅太君) いろいろ踏切の保安掛といいますか、職員といいますか、この問題については、先ほど申しましたように、いろいろの問題を含んでおるようでございますから、すべての問題を含めて将来検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/89
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090・川上寿一
○説明員(川上寿一君) 踏切保安掛につきましては、先生のおっしゃるように、国鉄の職階制の中では十分高いところであるとは私も思っておりません。第一から第四までの職階でございますが、踏切の種類によりましては、これを一階級上げまして実質的な給与は出しておるわけでございます。それからなお職務につきましての教育上の問題につきましても、採用職をすぐ保安掛に登用いたしまして、踏切の実務につけるというようなことは、できるだけ避けるようにしておりますし、また組み合わせを考えまして、老練な職員と若い職員と組み合わせるというようなことをしております。また、教育上につきましても、自分の公務の執行上遮断機を閉めようとするときに、車両その他が入ってくる場合には、敢然としてこれを制止せよというような教育をもいたしておりますが、先生のおっしゃるように、これだけで十分だとは考えておりませんので、今後、御趣旨に沿いまして十分な検討をしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/90
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091・江藤智
○委員長(江藤智君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたるものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/91
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092・江藤智
○委員長(江藤智君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/92
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093・瀬谷英行
○瀬谷英行君 この法案に附帯決議を付して賛成をしたいと思います。附帯決議の案を朗読をいたしますので、御賛同を願いたいと思います。
踏切道改良促進法の一部を改正する法律案
に対する附帯決議案
政府は踏切事故が後をたたない現状にかんが
み、幹線及び高速鉄道路線の全線立体化を促進
するものとし、当面踏切保安要員の確保とその
適切な配置をはかり、踏切道及び保安設備の整
備につき万全を期するよう財政上の措置を講ず
ることを強く要望する。
右決議する。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/93
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094・江藤智
○委員長(江藤智君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/94
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095・江藤智
○委員長(江藤智君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより採決に入ります。
踏切道改良促進法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/95
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096・江藤智
○委員長(江藤智君) 総員挙手、全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、瀬谷君から提出されました附帯決議案を議題といたします。瀬谷君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/96
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097・江藤智
○委員長(江藤智君) 全会一致と認めます。よって瀬谷君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
運輸大臣から発言を求められておりますので、この際これを許可いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/97
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098・中村寅太
○国務大臣(中村寅太君) 踏切道改良促進法の一部改正案につきましては、御審議の上可決していただきましてありがとうございましたが、審議の過程において、皆さん方からいろいろ出ました御意見等を十分参考にし、さらに決議の趣旨を十分体しまして、行政をやってまいりたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/98
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099・江藤智
○委員長(江藤智君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/99
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100・江藤智
○委員長(江藤智君) 御異議ないと認めさよう決定いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/100
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101・江藤智
○委員長(江藤智君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。
航空に関する件について質疑を行ないます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/101
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102・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 運輸大臣に簡単に伺っておきます。三時に本会議が予定されておりますから、きょうはもうほんの一件だけ伺っておきたいと思うのです。
先般も同僚の前田委員から、そしてまた私が関連質問いたしましたけれども、問題の航空業界の再編成の問題。で、運輸大臣は、全日空の事故の直後に、日航と国内航空の一体化のめどをおおむね二月中につけると、こう新聞で言明をいたしました。そこで、これが一体どのように進んでいるのかひとつ聞かしていただきたい。
なお、御承知のように国内航空はローカル線の赤字を埋めるために、一昨年の十一月に札幌−東京−福岡の幹線の乗り入れを運輸省から認められたわけですが、これまた前々回か、いつかの私は委員会で質問いたしましたけれども、便数がきわめて少ないことと、その後の経済の不況のあおりを受けまして、経営事情というものは、ますます悪化の一途をたどっている。聞くところによりますと、すでに累積の赤字は、国内航空の資本金は五十二億程度と言われていますけれども、これと同等程度の赤字がもう累積している。こういうことがいろいろうわさされています。そこで、私は今度の事故にかんがみまして、安全運航を至上命令とする航空会社がこのような不安定な経営を続けることは、私は許されるべきものではないし、また関係者も黙過しておくわけにはまいらないと思うわけであります。このことを先般来、これまた多少問題はありますけれども、審議会の答申も端的に指摘しているのであります。全日空の事故と切り離しても、私は、この国内航空に対する何らかの措置を急がなければならないのではないか、またそのことが当然ではないのか、こう思うわけです。このことについても、私は評論家でありません。ありませんけれども、これまでの運輸省の取り来たってきた航空行政というものは、あまりにも場当たり的であったと批判されてもしかたがないのじゃないか。さらにまた、審議会の経過を振り返ってみましても、国内航空救済を主としたあまりに、長期的な航空業界の事情に私は欠けている点があると思うのです。このことも指摘をせざるを得ない。私は当面かような不幸な事故再発の可能性をあらゆる角度から封ずるためには、これらの批判は一応さておきながら、政府、国会を問わず、いまこそ関係者が業界の再編成に真剣に取り組まなければならないときがきているんじゃないかと考えるものです。
先般このことについて国内航空側から、すでに日航との一体化について具体案が出されております。その構想が出ております。私どもも新聞その他で拝見しておりますけれども、そのおもな点は、燃料、部品、資材の共同購入、設備の共用、当面日航の系列会社になる、幹線は、日航の主導権のもとに全日空も加えた三社で共同運航する、収益は提供機数により配分する、国内航空の減資は再建のめどがついてから行なう、等々であります。
これに対して三社の話し合い、つまり先ほど冒頭に申し上げたように、運輸大臣が二月中にめどを置いて再編成をやるのだ、こう言っておったわけですが、なかなか困難をきわめて、その話し合いが進まないやに聞かされているわけです。ですから、冒頭私が伺ったわけです。さらに私は今日までにたびたび国内航空の取り扱いについて、かねてから一切の政治的な雑音を排して、純商業ベースで事が運ばれるように強く申し上げてきたところであります。こうした事柄は、つまりより経営基盤の強化や安全運航につながるものだと考えます。その結果、ひいては国内航空の再建にも私は連なる道ではないかと思ったからであります。したがって、運輸大臣は、この際、度重なる事故にせき立てられて、ただ今日日航と国内両社の一体化を急がれるというような態度ではなくして、日航はじめ全航空業界と広く国民一般も納得のできるような経済合理性に貫かれた再編成を、なるべく早い時期に実現するように、この際筋を通して、しかも強い指導と抜本的な対策とが私は必要ではないか、こう考えるのです。
冒頭申し上げたように、時間がありませんから、簡単に私はこの考え方を申し上げて意見を伺いますけれども、いままでのわが国の航空の推移、政府がとってきた航空行政の推移等を見てみますると、大体おおむね三段階になると思う。その第一期は、昭和二十七年に、御承知のように、わが国は航空の再開を許可されて日本航空を認める段階だと思うのですが、この段階では、国策会社として日本航空についての強化育成をやってきたと思うのです。それから第二期の段階として昭和三十三年ですが、この段階は、御承知のように、たしか当時事故があったと思いますけれども、全日空輸の幹線及び主要ローカル線の大幅な参加による全日空の経営基盤の強化策がとられてきたと思うのです。それから第三期は、かいつまんで申し上げますと、昭和三十七年以降に日航、全日空を除くローカル路線の各会社の整理統合、こういう方針か出されているうちに今日に及んでいる、こう思うのです。これが今日までおおむねざっと申し上げた経過、推移でありますけれども、言ってみますれば、その後この委員会で非常にたびたび議論になりましたように、あらゆる問題が出てまいりました。あらゆる矛盾が出てきて、あえて言えば、今日の段階は混乱の時期だと思うのです。ですから、私が先ほど申し上げたような抜本的な対策で対処しなければならぬというゆえんも、ここにあると思うのです。
そこで、こういう時期に、いまのところまだ答弁を聞いていませんけれども、二月中にめどを置いて再編成をするのだ、こう言っておりますが、もうもはやきょうは三月三十一日なんですね。ですが、そのことができていないと思うのですね。私はそう思うので、先ほど申し上げたように、三輪大臣は、この際、行政監督最高の責任者として思い切った対策で対処しなければ進まないと思うのです。一つの案でありますけれども、この際は、いろいろ対策があると思うけれども、やはり一番問題になっているのは、国内幹線の問題が問題になっていると思うのです、だれが何と言っても。ですから、国内の幹線の対策を一つ考える。で、一つの案としては、この幹線三社の協調運営制、こういう制度を運輸省が早急に検討してみたらどうかというふうに私は思うのです。時間がありませんから、こういうものを制度化をしてやった場合に、どういう得策があるのか等々については、きょうは私は省略をいたします。
もう一つには、いつもながら申されますけれども、ローカル線の対策。これはいろいろあります。路線の配分のアンバランスの調整の問題であるとか、あるいは国産機の価格の引き下げの問題であるとか、あるいは金融上の問題、地方空港の整備の問題等々ございます。こういう問題は、私どもが申し上げるまでもなく、当該運輸省航空局としては全部知り尽くしているわけですから、そういう点を十分検討してみる必要があるんじゃないか。
それから第三には、先ほども運輸大臣が言明したように、日航と国内航空の緊密一体化、この問題については、航空審議会の答申にも出ているわけですから、この点もやはり具体的な対策として早急に検討を加え、一つの案をまとめるべきではないか。資本的な関係の問題であるとか、あるいは人的な関係、あるいは整理等、先ほど申し上げたような燃料、資材等々の共同購入の問題があると思うのであります。こういう問題です。
それから第四には、航空の再編成という大きな方向の問題、これは将来に向かって国際線の問題もありますけれども、こういう問題を、やはり具体的に出す時期じゃないかというような気がするのです。この間の場合は、航空審議会に、日本の航空業のあり方と、こう銘打って諮問しましたけれども、出てきた答えは必ずしもそれに答えられていないと思う。ですから、この問題はかなり長期的に、しかも将来の日本経済の動向あるいは国際経済の動向等をやはり把握しなければならぬわけですから、こういう点を加味して慎重に、しかもこの中には、従前のようなああいう審議会の委員のメンバーではなくして、それぞれの各分野から委員を任命して、でき得れば働く立場のパイロットの代表とか、あるいは整備士の代表とか、あるいは管制官の代表等々も入れた広範なものにして、検討を加える必要があるのじゃないか、こう思うがゆえに、この際若干伺ったわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/102
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103・中村寅太
○国務大臣(中村寅太君) 私が国内航空と日本航空との一体化、さらに航空再編成を二月中にと言ったというように吉田委員はおとりになっておるようでございますが、それは誤解であると思います。私は航空企業の再編成といいますか、これをやるために、この間、企業の責任者を集めて話しました際、そのときの話の主眼は、いま吉田委員がおおむね言われましたような御意見とおよそ一致したようなことを申し上げたのでございます。全面的な一つの再編成体制をつくってもらいたい。これはこの間も私申しましたように、航空審議会の答申を尊重して、企業全体の人たちでひとつ話し合って早急に進めてもらいたい。これをお願いいたしましたのでございまして、その前段といたしまして、日本航空と国内航空はきわめて密接な関係にあるし、国内航空がいろいろの問題を抱いておるということから、まず国内航空と日航との関係を早急に、これは第一段階として急いでやってもらいたい。その目安をひとつできるなら二月いっぱいくらいで、ひとつ方向くらいはまとめてほしい、こういう要請をいたしましたのでございまして、再編成全体を二月中にいうことを申し上げたのでございませんので、その点は誤解のないようにしていただきたいと思います。
それから国内航空の問題でございますが、これは吉田委員も御承知のように、いろいろの問題を含んでおりますので、これはむしろ日航との協調といいますか、一体化といいますか、そういうことでやはり国内航空の体質を強化するということが、第一段階として必要である。かように考えて、国内航空と日航との話し合いを早急にやってもらいたいということを申し上げたのでございます。それから吉田委員も言われますように、大きい企業としては全日空、日本航空、それが主軸でございまして、国内航空と東亜航空、長崎航空とかありますが、この際は、やはり私は全体が一つの集約化の方向に決心をしていただきたい、こういうことを申し上げたのでございます。その方向とは、やはり航空審議会の答申をできるだけ尊重してもらいたい。しかしながら、これは企業みずからの立場もいろいろあると思うので、企業の責任者でひとつ円満に話し合って、この方向で推進していただきたいということを、実はお願いをしたわけでございまして、私はやはり政府がこれに十分方向を示して、強力に指導していくということも、これは必要なことであると思いますが、その第一段階といたしましては、やはり民間企業の人たちの問題でございますので、企業の責任者でひとつ円満に話し合いを進めていただくことができれば、それが一番けっこうである、かように考えまして、いまはお願いしておるわけでございます。
ところが、なかなかやはり吉田委員から御指摘もありましたように、国内航空と日本航空とこの人的あるいは経済的にも密接な企業そのものでも、なかなかいろいろの問題があって、簡単に進んでまいらないものであります。そういう事情もあります。さらにこれに全日空も入れ、その他の企業まで入れてということになると、いろいろ問題が困難になってまいりますので、やはり政府もできるだけやりますが、あまり政府が強力な差し出口をきくよりもという配慮から、まあその財界の長老として自他ともに許しておる石坂泰三氏とそれから植村甲午郎氏を世話役としてお願いをいたしまして、今日運輸省と話し合いながら、方向を進めておるわけでございますが、私がお願いいたしておりますのは、できるだけ早く一つの方向をきめて、局部的ないわゆる再編成ということでなしに、やはり日本の航空企業の将来のあり方、十年くらいを見通して一つの具体的な案をつくって集約化、合理化、再編成に向かって進んでもらいたい。こういうことでいまお願いをしておりますし、できるだけ自主的にやっていただいて、話が進まない場合には、私は政府も積極的に行政指導をやってまいりたい。かように考えておる次第でございます。その方向とか内容とか案等は、吉田委員が仰せられましたような、指摘なさいましたような大体内容を、私も同様の意見を持っておりますので、大体の具体的な問題等につきましては、御指摘の問題等も含めまして、今日進めておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/103
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104・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 大臣ね、その二月をめどとして再編成をしたいというこの言い方ね、これは私けっして誤解も何もしていないし、またそのこと自体にそれほど私は値打ちがあると思っていませんけれどもね、いまのおことばの中では前向きに言われたから、そう私も理解しますが、これはそうでたらめに私は言ったわけではない。二月二十八日の朝日の新聞に出ているんです。「中村運輸相は、この事故の直後、日航以下航空五社の社長に対して、安全運航の確保、過当競争の防止、経営基盤の強化などを指示し、懸案になっている航空業界再編成については、日航と国内航空一体化のめどを二月中につけることを求めた」ね、こう新聞に出ているわけです。ですから私、伺っておるわけで、誤解でも何でもありませんから、これは新聞に書かれておるのが間違っておれば、間違っておったということになりますが、この点ひとつ大臣も間違えないようにしていただきたいと思います。
それから先ほど言ったように、時間ありませんから、やがてこういう大きな問題ですから、次回に政策ということをもう少し伺ったり、あるいは意見を出してみたいと思いますけれどもね。いまのこの国内航空の問題と日航の問題はさることながら、二月の末からもう一カ月たっていますね。いま大臣も答えられたように、確かに民間企業としては民間の自主的な解決が望ましいことであるけれども、一ヵ月たっても進まない。やはり今日のこの三つの事故を中心とした航空不信の問題を、やはり責任ある大臣として国民にやはり払拭するように示さなきゃならぬじゃないですか。私はそのためにも、先ほど申し上、げたように抜本的な対策を立ててやらなきゃ私は進まないような気がしたものですから、むしろ私は逆に運輸省を叱咤激励、鞭撻をする意味で申し上げたわけですよ。
それからもう一つは、たとえば国内の幹事銀行になっているのは興銀がやっていますね、この興銀が昭和四十一年四月以降について意思表示をしています、意思表示をね。その意思表示というのは。興銀がこれから少なくとも融資する場合は、かくかくしかじかの条件を満たさなければならないと、こういう意思表示をしている。その一つの条件としては、国内航空の育成、強化を含め航空行政方針の閣議決定、こういうことを言っているんですよ。それから現在までの融資債権のたな上げ及び利子減免の要求をしないこと、これなどもたいへんだと思うんですよ、五十二億も借金をしょっておるとすれば、赤字になっておるとすれば。それから日航の国内航空支援措置強化の具体化、それからもう一つは、日航を含めて大株主の保証が必要である。金貸すほうですから、このくらいの条件をつけるのがあたりまえかもしれませんが、大臣はこれはきっと記憶ないと思いますが、私の知っている範囲では、時の運輸次官、これはたしか広瀬さんだと思う。広瀬さんのときに興銀に対して文書を入れているはずですよ、文書を入れている。ですからあの段階で興銀が幹事銀行として当時の経営の面のてこ入れをしたという事実がある、事実がね。ですからこれ大臣当時知っていないと思いますから、航空局長も当時航空局長でありませんから知っていないと思うから、これは的確な答えはできないと思うが、こういう経緯があるんですよ、こういう経緯が。ですから国内航空というのは、ただ単に企業利潤追求のためにできた航空会社じゃないんですよ。先ほど申し上げたように一期、二期、三期という国の航空行政の推移に基づいて、昭和三十八年に好むと好まざるとにかかわらずいまのような形態にされたんだ。その結果、財政的な必要があるから、興銀がこういう条件をつけて時の運輸次官である広瀬さんが文書を入れて財政的にてこ入れをしているという経緯がある。こういうものをやはり全部把握をして全体をながめてやらないと、たいへんなことになると私は思うんですよ、これは。こういう点大臣どうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/104
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105・中村寅太
○国務大臣(中村寅太君) ただいまの問題は、これは興銀は金を貸すほうでございますから、いま吉田委員も言われるように安全第一の考え方を出したのだろうと思いますが、やはり航空企業全体の一つの方向というものがきまりまして、そうしてそれぞれの企業の健全性が確保されるという見通しがつけば、私は金融機関との話もついていく、そういうふうに考えておりますが、いま吉田委員の指摘の、興銀に運輸省が文書を入れているかどうか、私これは直接知りませんが、私が聞くところによると、まあそういう文書を入れているということもないらしいですが、そういう文書に近いようなことばがおそらく出たんだろうと思いますが、そこらはあまりあってもなくてもこれはたいしたことじゃございませんが、やはり興銀としてはそういうことで申し上げていると思いますが、やはり基本はいま私が申し上げますように、長期の計画が立つ。先ほど吉田委員も言われましたように、まあ混乱期ということばを使われましたが、私は混乱期であるかどうかは別として、やはり長期の青写真をつくらなければならない時期に当面しておる。これは吉田委員と全く同感でございまして、そういう見解に立って根本的な対策をやろうとして、いろいろ努力しておるわけでございます。ただ、なかなか時間的に、早く一気にやりたいと思いましても、それぞれやはり企業は、それぞれの機構を持っておりまして、一つの考え方を出すにも、重役会議を開くとか、いろいろこういう経路かございまして、案外時間を食うようでございますが、しかしだからといって、じんぜん日を待つわけにいきません。もう少し時間をかしていただきたいと思いますが、大体の見通しのつくような方向にいま努力をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/105
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106・岡三郎
○岡三郎君 ちょっと委員長、資料要求したい。これは航空局長に頼みたいのだが、まず第一に、幹線のほうも最近はずいぶん営業の質が落ちているようですがね、特にローカル線別に最近における収支の状況、最近の統計的に見て、それは全日空、国内航空、それから今後路線を許可するような予定線というものは、どういうふうに運輸省としては考えておられるか。そいつのたとえば採算ベースですね、そういうものはどうなっておるか。
それから国内空港、飛行場ですね、飛行場について現状においての飛行場の改造といいますか、これをいろいろと直していく、そういうふうな具体的なプラン、それで今後どういうふうに国内の空港、飛行場を整備するのか、そういうふうなある程度長期にわたる航空政策の立場における国内の飛行場の問題、こういうものについてどう考えておるか。これは現状においての飛行場がどういうふうに使われておるか。どういうふうにこれは将来改造しようと思っておるか。また新たにいろいろと陳情があり要請があると思うのですが、そういうものが一体どういうふうになっておるのか。そういうのをひとつできるだけ資料としてまとめて、そのほか私の言い足りぬところの資料があったら出してもらって、この際できる、だけひとつ検討して、いま吉田委員が言ったように見る必要がある。特にこういうふうな事故があったあとで営業成績が悪いというようなことから、かなりいろいろと無理をしておるようですけれども、国内航空にかかわらず、統合した際に、すでに赤字の会社をつくって赤字から出発して、いまの時代に三十億か四十億の赤字でびっくりしていたんじゃどんな仕事もできないですよ。特に生命を預かるような仕事が五十億や百億の赤字でびっくらしているようだったら、私はこんな仕事はやめたらいいと思うんです。だから国としてもやはりそういう面について会社にまかせるだけではなくして、合理化とか、そういうものを積極的にやらせるにしても限界があるから、そういう点について再建計画というものがあるわけだけれどもね、要するにいま国内の再編成の問題を含んで、運輸省としてやはり今後の国内の航空政策としてこういうふうにありたい、その理由はかくかくであるというふうなことをひとつまとめてその中に含めて資料として出してもらいたい。いろいろと言われておるけれども、運輸省当局としてはなかなか政治的にむずかしい問題だから、まあこれがいいんだといっても、なかなかそういかぬと思いますけれども、しかし全体の立場としてこういう方向へ行くことが望ましいという方針はあると思う。それについてひとつお出し願って、それを基礎にして次に私も質問したい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/106
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107・佐藤光夫
○政府委員(佐藤光夫君) 岡先生の御要求の資料は、できるだけ調製して、すみやかに出したいと思いますが、いまのお話の中で、幹線並びにローカルの収支の状況その他を早急につくりまして提出いたしたいと思いますが、その他の若干長期の計画その他については、お時間をいただく必要があるかと思いますので、具体的によくお打ち合わせを申し上げて資料を作成するようにさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/107
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108・岡三郎
○岡三郎君 特に飛行場の状況について現状、今後と、二段に分けてひとつ出してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/108
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109・江藤智
○委員長(江藤智君) 本日はこれにて散会いたします。
午後二時五十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105113830X01619660331/109
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