1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十二年六月二十日(火曜日)
午前十時三十八分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 竹中 恒夫君
理 事
青柳 秀夫君
植木 光教君
藤田 正明君
柴谷 要君
中尾 辰義君
委 員
青木 一男君
伊藤 五郎君
大谷 贇雄君
小林 章君
西郷吉之助君
塩見 俊二君
徳永 正利君
西田 信一君
林屋亀次郎君
田中寿美子君
野上 元君
野溝 勝君
二宮 文造君
須藤 五郎君
政府委員
大蔵省主計局次
長 岩尾 一君
大蔵省関税局長 谷川 宏君
事務局側
常任委員会専門
員 坂入長太郎君
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本日の会議に付した案件
○通関業法案(内閣提出)
○地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
き、税務署の設置に関し承認を求めるの件(内
閣提出、衆議院送付)
○交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改
正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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001・竹中恒夫
○委員長(竹中恒夫君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
通関業法案、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、税務署の設置に関し承認を求めるの件、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題として、質疑を行ないます。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/1
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002・須藤五郎
○須藤五郎君 今度は、私、この法案を各条項別にずっと読ましてもらったわけです。それで、ずっと一読した印象からまず申しますならば、どうもこの税関長の権限が非常に強化されている。それから、いわゆる官僚統制の強化というにおいが非常に強い感じがするわけなんです。
そこで、条項を追って質問をしたいと思うのです。まず第一に問題になるのは——これ全部四十何条やるわけにもまいりませんので、第三条から始めたいと思うのです。これは問題の多い点だと思うのです。
従来、税関貨物取扱人法というのがありましたね。いわゆる旧法といいますかね、従来のこの法律の中では許可制ということばじゃなく、免許制ということばが使われておったわけです。免許制でこれまでやってきたわけです。しかし、免許制ではあったけれども、事実上運営の面で、免許願いを出せば自動的にその人は免許が受けられる、こう私は聞いておるのです。ところが、この法律では、通関業法では、第三条に「通関業の許可」こういう条項がある。第五条には「許可の基準」という条項があるわけです。この法律が目的とするところは一体、そうしますと、事実上すべての通関業者を許可していこうというのか、それとも許可を非常にきびしくして、整理、淘汰、統合していこうというねらいなのか、そこをまず聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/2
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003・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) 今回の通関業法の許可の規定でございますが、いま御指摘のように、従来の法律によりますると、この第二条で、 「税関貨物取扱人タラムト欲スル者ハ其ノ業務ニ従事セムトスル地ヲ管轄スル税関長ノ免許ヲ受クヘシ」と、従来は免許制度でございましたが、今回はこれを許可ということばであらわしておるわけでございます。
大体の考え方は、免許にいたしましても、許可にいたしましても、通関業者としての社会的、公的な地位を考えまして、一つには、利用者のほう、すなわち税関貨物取り扱い人が依頼を受ける相手方の利益も十分に尊重する。それから、一つは、税関貨物取り扱い人の仕事が、依頼者の依頼によって仕事をするわけでありますが、その関税法のいろいろな手続をする立場にありますので、非常に公、公的色彩が強い職業でございます。これをある程度規制をする。したがいまして、その税関貨物取り扱い人の社会的な地位の向上をはかる必要があるのであります。
そういうような意味におきまして、許可制度にしておりますが、従来とどう違うのかということでございますが、あまりきびしく制限いたしますると、許可の基準を厳格にいたしますると、許可を受けた人たちだけの独占的な色彩が強くなる傾向が生まれる。また、そういう意味において弊害が生まれがちでございます。一方において利用者の立場を考えますると、依頼をしやすい場所に常時依頼をできる人がおるということも必要でございまするので、その点寛厳よろしきを得て、適正な数の許可業者が必要とする場所において営業が営まれるようにうまくやってまいりたいという考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/3
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004・須藤五郎
○須藤五郎君 そうすると、旧法によると、免許制になっている。免許制のもとで、大体免許願いを出せば、従来は実際にはほとんどの人が免許を受けることができたというのは、今日までの実情だと聞いております。そうすると、今度許可制というものをしいたが、許可願いを出してきた人には、条件さえそろっておれば全部許可する、条件がそろわぬ場合には許可をしない、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/4
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005・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) そうではございませんので、従来の免許制度のもとにおきましても、申請をした者が必ず免許を受けられるということではないわけです。ただ、従来の法律によりますると、免許の基準というものが必ずしも明らかになっておりませんが、税関の内部において、各税関ごとに不公平になってはいけませんので、各地の特殊な事情はございましょうけれども、一応の免許の基準を大蔵大臣が定めまして、税関長に指示してあるわけです。その基準は、今回の許可の基準と実質的にはまあ大同小異でございまして、すなわち、免許を受けようとする者の資産内容でありまするとか、信用の状況でありまするとか、あるいは税関貨物取り扱い人としての業務を遂行する上において適当な人であるかどうか、また従業員の関係はどうであるか、またさらには各港あるいは飛行場所在地におきまする税関の仕事をやるその地域、特定の地域において、税関貨物取り扱い人の数が多過ぎやしないか、あるいは少な過ぎやしないかというような既存の業者の数、それからまた税関貨物取り扱い人に依頼する依頼件数の予想等を十分考慮しまして、需給関係を考慮して、適正に判断をして、そして合理的な免許をするということでございまして、たとえば昭和四十年度の免許の件数を申しますと、全国二十五件と、四十一年度は四十件、これは大体申請者に対しまして六割から七割程度となっておるわけでございまして、いまお話しのように、自動的にすべて免許になるということではないわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/5
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006・須藤五郎
○須藤五郎君 免許制のときも、自動的に免許願いさえ出せば免許が受けられるというものでもないということですが、そうすると、今度の許可制になって、許可願いを出しても、許可願いを出した者がすべて許可されるというものでもない、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/6
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007・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) 従来は、一年の免許でございましたので、更新する場合におきましては、原則として過去一年間の業績を十分判断するわけでございますが、従来の免許業者の大部分の方は、免許の更新にあたりまして、これを否定すべき何らの事情もない者が多数ありましたので、結果として、更新免許におきましては自動的に免許になったのが多いと思います。しかし、新しく免許を申請する人につきましては、先ほど私が申しましたように、新規の免許業者の選考にあたりましては、先ほど申しましたようなことで、合理的な基準で判断しておるわけです。今回はこの許可制度になります。同時に、原則として一年更新ではなしに永久許可になりますので、それだけ一そう慎重に選考をする必要があるわけでございますが、慎重に選考するということも、必ずしもきわめて厳格にということではなく、さっき申したようないろんな諸般の事情を勘案しまして、慎重に検討しまして、そして許可を与えるということに相なるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/7
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008・須藤五郎
○須藤五郎君 さっきあんた、地方的な事情とか、いろんな事情を勘案して、そして許可をきめるとおっしゃったんですが、そういう態度に業者は一まつの不安を感ずるわけです。許可願いを出した者は全部許可を受けられるというふうにはっきりしておれば、業者は不安を持たないと思うのです。ところが、許可願いを出しても、諸般の情勢や、いろいろ地域的なことや、それから数や、いろんなもの、この問題についてはあとで質問しますがね、それを勘案して許可するかせぬかをきめると、こういうことになってくると、業者ははなはだ不安になって、これはわれわれは淘汰されてしまうのじゃないかという気持ちがすぐくるわけですよね。だから、業者たちにそんな不安を持たすということは、ぼくはまずいと思うのです。何かやはり業者に対する、安心して、許可願いを出した者は全部許可するんだというふうなこととか、何かはっきりしておかぬと、あやふやじゃないですか、そこは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/8
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009・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) 今回の許可の場合に、二つに分けて考えることが適当だと思いますが、一つは、従来の法律によりまして免許を受けておられた方々が今後許可を受ける場合にどうなるか、それから新しく新法によって許可を申請をされる方々がどうなるか。
で、従来の法律によって免許を受けておられた方は、三年間は暫定的にいままでどおり引き続き営業ができるたてまえになっておりまして、で、三年経過後において新法によって許可を受ける場合におきましても、従来の実績を十分に勘案いたしまして、ただ、通関士という新しい制度が導入されますので、通関士を少なくとも一人以上置けば、原則として許可が得られると。
それからまた、新しく新規に許可の申請をされた方の扱いにつきましては、あまり過当競争になりますると、免許または許可を受けた方々の経営が非常に不安定になるおそれがありまするので、そういうことがないように、一たん免許なり許可なりを受けた方々が健全な経営ができますような状態のもとに免許あるいは許可を受けた業者の数を調整するということが必要だと思います。申請をすればすべて許可になるということでございますると、需要供給の関係で過当競争を生みやすい。まあその反面に、またあまりに厳格に許可の基準を縛りますると、許可を受けた業者の既得権益のほうがあまり過大になりまするので、利用者の利便という点から考えまして不適当でございますので、そのところを緩急よろしきを得て、行政の妙を発揮いたしまして、そして業界にもあまり御迷惑をかけないように、また利用者の利便を増大するようにやってまいりたいと、こう思うわけでございます。
今回の法律改正につきましては、関係業界の意向を十分に聴取いたしまして、一条一条関係業界の御意見を聞き、そして大蔵大臣として適当な判断を下してこの法案を整備したという経緯になっておりますことを、御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/9
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010・須藤五郎
○須藤五郎君 それは、ことばの上ではそういうふうにりっぱに美しく言うことができると思うのですよ。しかし、実際にその場に当たった人の、税関の処置によりましていろいろの問題が起こってくるということも、私は予測できると思うのですよ。最も悪い形では、情実的な運営が起こって、こういう状態だと税関長の情実、個人判断によって許可、不許可という問題が起こってくる。そうすると、そこにおもしろくない汚職というような問題も関連して出てくると。だから、そういう問題の根を残さないですっきりとしておいたらどうだろうと、私はこう思うのですよ。そのほうがやはりいいじゃないだろうか。
まあ今日たばこの小売り店、たばこ屋さんを開こうと思うと、何町以内には開けぬというような法律、規則があって、そしてなかなか開けないというようなことがあるでしょう。そういうようにしてたばこ小売り屋さんの利益を守っておるわけですが、あれは法律があるのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/10
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011・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) あります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/11
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012・須藤五郎
○須藤五郎君 何か、何町以内にはどうこうしてはいけないと。そうじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/12
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013・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) たばこの許可、酒の小売りの場合には、法律の規則にございまして、法律自体は抽象的な文面でございますが、過当競争にならないような配慮を加えるべきであるという趣旨の法律がございまして、あとは実際の取り扱い、時々刻々変わる住宅事情等を考えてやっておるようでございますが、私どもの今度の通関業の場合におきましても、港の船の出入りになり、貨物の出入り、これも日本の経済の状況に応じまして変化があるわけでございまするので、通関業者としての活躍の範囲がだんだん広まる傾向のあるところ、また縮小傾向のあるところが出てくるわけでございますが、そういう外界の状況に即応して許可を与えるよう、行政的に十分配慮してまいりたいと思います。
いまの須藤委員のお話、すべてごもっともでございまして、許可にあたって情実等があることは断じて許せないことでございますので、私どもそういうことのないように、さらに通達を出しまして、場合によれば、各税関ごとに、法律には許可の基準が出ておりますけれども、その許可の基準を適用する場合の具体的な判断を行なう場合に、たとえば関係者、部長クラスを構成員とするところの委員会的なものにはかって処理をするとか、その他いろいろそういうふぐあいなことがないように、合理的な許可の判断が確保されるような措置を確保してまいりたい、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/13
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014・須藤五郎
○須藤五郎君 これは、谷川さんはそういうふうにおっしゃるけれども、必ず将来いろいろな問題が起こってくる点ですよ。私はそういう危険がある点だと思うのです。そういうことを指摘しまして、このことをいつまでやっても結論がつく問題じゃないので、次の質問に移りますがね、これは十分あなたのほうで注意をしないと、問題の起こる点だと思うのですね。この点で業者は一番不安を持っておるのです。許可願いを出しても許可してもらえない。そうすると、何とかして許可をしてもらおうというので、今度は裏道から手を回す、そういうことが必ず起こってくるのですよ、いまの世の中じゃ。そういうことが起こり得る法律なんですよ、これは。だから、私はあっさり、許可願いを出した者は全部許可せいと。これは従来免許制で、免許願いを出したのは、ほとんどは、事実そういう法律があっても、ほとんどが免許を受けておった、こういうことを私聞いておるのですよ。だから、今後もそういう許可制を敷いた以上、許可願いを出した者は全部許可する、こういう方針にしておいたほうがよくはないかと、まあ私はそういうふうに思うのです。そうじゃないと、業者は不安がって非常に生活を脅かされるのじゃないか、こういうことだと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/14
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015・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) 先ほどの答弁で尽きておるわけでございますが、なお御参考までにお答え申しますと、それは廃業をした者がどのくらいあるかということでございますが、四十年度の廃業が三十件、四十一年度が三十四件、この中にはもちろん吸収合併等のために廃業した個別企業もございますけれども、半分程度以上が単純に御自分の経営上の判断によって廃業をしておる。どうして廃業になっているか。これは一つには経営者自体のいろいろな事情もあろうと思いますけれども、あまりに業者の数が多くなりますると、過当競争になりして、一企業単位として適正な利潤を確保できないということになることもいけないことでございますので、私どもは申請があればすべて許可すると、その結果、業界全体がどうなるかということについても私どもも責任を持たなければいけないわけでございまするので、その点の需給関係も十分勘案して、許可を受けた方々が健全な経営をすれば適正な利潤が得られる、そして業界全体として発展が可能になるような方向に持ってまいりたいと、こう思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/15
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016・須藤五郎
○須藤五郎君 第三条の第二項に、「税関長は、前項の許可に条件を附することができる。」と、こういう条件を付するという条項があるんですね。一体この条件というのはどういう条件なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/16
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017・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) これはいろいろなケースがございますけれども、新しく許可をいたします場合におきまして、既存の業者が非常にその地域においては数が多い、また今回許可を受けた方が、一応許可の基準には達してはおりますけれども、既存の業者との関係からいいますると、健全な経営を継続してやっていけるかどうか、多少不安があるような場合におきましてはへ一定の期限をつけて許可をするという場合、また従来の免許を受けていた方々が法律違反等をやりまして、監督処分として一定の期間業務の停止を命ぜられたというような場合に、その後の営業状態を見届ける必要があるわけでありますが、そういう場合一定の期間をつけまして、そしてその期間内別に落ち度がないということ、また将来の見込みといたしましても永久許可にしてもよろしいというようなことが判断できた場合におきましては、その期限経過後におきまして正常の許可に切りかえることにするわけでございます。また、たとえば五大港とか羽田以外の地方港におきましては、この法律によって原則として通関士一名以上を置くという義務が課せられるわけでございますが、そういう五大港以外の地方港におきましては通関士設置の義務を免除することが適当であると認めた場合におきましては、この通関業務に従事できる地域を限定する条件をつけるというような問題、その他特定な貨物だけを扱うような場合におきましても通関士設置の義務を免除することが適当と考えられますが、その許可を受けた人が営み得る取り扱い貨物の種類を限定する、その場合には通関士を置かなくてもよろしい、そういうような事情のもとにおいてそういうような条件をつけて許可をして、そして許可申請者の特殊な事情を十分考えて処置してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/17
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018・須藤五郎
○須藤五郎君 いま育成期間ということを触れられましたがね、このいわゆる期間ですね、要するに現在いろいろ問題があっても何年間か様子を見てという、見ておるという、その育成期間ということをおっしゃったと思うのですがね。それは一体何年ぐらいを見込んでいらっしゃるのか。
それから、五大港とおっしゃったが、五大港というのは一体どことどこか明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/18
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019・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) 前段の御質問でございますが、従来は一年で更新するわけでございまして、条件をつける場合の一定の期間でございますが、場合によって差が出てくると思いますけれども、まあ原則として一年の期限をつけまして、そしてその後は永久免許に切りかえる。
それから、五大港でございますが、東京、横浜——京浜でございますね。それから神戸、大阪、名古屋、関門。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/19
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020・須藤五郎
○須藤五郎君 じゃ、六つじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/20
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021・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) 京浜、神戸、大阪、名古屋、関門地区でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/21
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022・須藤五郎
○須藤五郎君 これは羽田は入らないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/22
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023・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) 羽田も五大港に準じまして……。羽田はむしろ五大港以上の仕事の量がございますので、これらにつきましては、地方港と区別して、五大港並みの扱いをしてまいるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/23
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024・須藤五郎
○須藤五郎君 「条件を附する」というその条件は、いわゆるいまの一年とははっきりしていないのですね。育成期間、一年ないし何年くらいに見ておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/24
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025・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) この条件をつける事由によって違いますが、たとえばさっき申しました法令違反をやったと。その法令違反の内容が非常に重大な法律違反である場合におきましては、まあ場合によっては二年程度のものもあり得ると思いますが、普通の状態の場合には原則として一年と。それ以上長い期間の条件をつける必要がある場合におきましては、その条件をつける事由の態様に応じて一年以上適当な期間をつけて、公平に、合理的にやっていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/25
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026・須藤五郎
○須藤五郎君 そうすると、この条件というのは、いまおっしゃったような条件、それから五大港及び羽田などには通関士が要るが、それ以外の港には通関士を置かなくてもいいというような条件があると。それから同一貨物を扱う場合ですね、その場合も通関士がないという、こういう条件がいわゆる第二項に書いてあるところの「前項の許可に条件を附することができる」という条件だというふうに理解していいのですか。それ以上にはこの条件は拡大解釈しないかということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/26
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027・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) 原則としておっしゃるとおりでございますが、ただ、いま考えられることはその程度でございますが、将来特殊な事例が出てきた場合には、例外的にまた条件を考えることも法律上は認められておると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/27
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028・須藤五郎
○須藤五郎君 その第三項に、「この法律の目的を達成するために必要な最少限度のものでなければならない。」こう書いてあるわけですね。この「最少限度のもの」というのは、いまあなたがおっしゃった三つくらいの問題ですね、この問題というふうに私たちは理解していいのか。要するに、最少限度にこういうあなたらの言った三つの問題がですね、これが該当するのか、これ以上拡大しないのかという点を私は明らかにしておかないと、そんないつでも拡大解釈して、条件によってこれはどんどん拡大していくのだということになってくると、これまた不安を残すことになると思うのですね。そこを明らかに、もう少し明確にしておいてもらいたい。どうですか、もう一ぺん答弁してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/28
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029・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) この法律の目的を達成するために必要最少限度のものに限定するつもりでございますが、この「必要な最少限度のもの」という表現自体がきわめて抽象的でございまするので、私ども拡大解釈しないように考えておりますけれども、いま私があげました三つの例だけに限るかどうかという点につきましては、原則としてはいま考えられることはその程度のものでございますけれども、将来法律適用の場合におきまして、二項、三項との関連をどう解釈するかという問題が起こった場合におきまして、慎重に考えてまいりたいと思います。原則として、いま私どもが考えられることは、以上のようなことが条件でございまして、決してこの拡大解釈をして許可を与えないようにするために過酷な条件をつけるということは考えておりません。逆に、できるだけ適正な、合理的な許可を与えるために、この許可の基準に当てはまらないような場合が出てきた場合に、それをどう救うか、救うと同時に、一定の条件をつけて許可を与えるという配慮をやってまいりたいと、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/29
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030・須藤五郎
○須藤五郎君 そうすると、この第四項に、「税関長は、第一項の許可をしたときは、遅滞なく、その旨を公告するとともに、許可を受けた者に許可証を交付する。」と、こうなっているんですが、この「公告する」ということになっておりますね。この公告する場合に、条件つきですね、これは条件つき許可だとかなんとかいうことは明らかにして公告するんですか、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/30
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031・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) 許可を受けた方の利益あるいは信用の問題も十分考慮して公告をしなければならないわけでございますが、許可証にはもちろん条件がついておりまするので、当人の社会的な信用でありまするとか利益を損じないよう、適切な方法を講じてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/31
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032・須藤五郎
○須藤五郎君 その適切なる方法というのはね、一体具体的にいったらどうなんですか。その条件のつかない許可を受けた人も条件つきの許可を受けた人も同じように、この人たちは許可されたというふうに同じように公告されるのか。この公告する場合、この人は条件つき許可だと、そういうふうにして公告されるか。そうなったら、その人は信用に関してくるわけなんですよね。だから、公告する場合どういうふうに具体的にするのかということですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/32
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033・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) 今回の法律では、許可は原則として永久の許可でございます。ただいま考えておりますところは、税関の公示板に、この三条の一項による許可または二項による許可というような形で、条件つきであるかどうかがはっきりわかるようにしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/33
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034・須藤五郎
○須藤五郎君 せっかく許可はもらったけれども、条件つき許可というものが公表されて、その人は、あなた、商売しにくくなっちまいますよ、それは。それはおかしいんじゃないですか。そんなことをしたら、営業妨害になって、許可はもらったけれども商売は思うようにできないとなると、これはあなた、この人は執行猶予ですよというて発表すると一緒ですよね。そういうことじゃないですか。だから、やはり許可するならば、それは内輪ではそういうことがあっても、それはもういたし方ないとしましても、公告の場合に、これは条件つき許可というふうなことをしたら、おかしいことになりはしませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/34
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035・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) 先ほどあげました例の中で、たとえば通関士設置義務を免除する場合におきましては、その許可を受けた人が仕事をできる範囲が限定されるわけであります。で、範囲が限定されるものにつきまして、それを明らかにいたしませんと、利用者のほうでも不便でございまするし、また法律違反の起こることを私どもはできるだけ予防しなければいけない立場にございまするので、そういう場合におきましては、特定の貨物を扱う許可業者の場合にはその特定の貨物は何か、あるいはまた特定な地域において営業できる、すなわち五大港以外の特定の地域において営業できるその地域の指定ということも明らかにすることによって、業者自体の立場も考え、また利用者の利便を合わせ考えくそういうような場合におきましてはその許可の条件を明らかに明確にしておくということが必要でございます。はっきりそういうふうにやってまいりたいと思うわけでございます。
ただ、過去においていろいろ法律違反をやったような場合におきまして、まあ一年なり二年なりの期限つきの許可を与える場合におきましては、その者が過去において法令違反をやったというようなことが外部に出るということは、その当人にとって非常に不利益な結果になるような場合もございますので、そういうことが明らかにならないような形で、理由等については、これは役所で知った秘密でございまするから、これを外部に明らかにするということはしないで、ただいろいろな事情があって、まあ一年なり二年なりの限定した許可であるということを明らかにすることによって、それ以外の健全な業者のまあ育成にも寄与できるような方向でやってまいりたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/35
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036・須藤五郎
○須藤五郎君 まあ何年か執行猶予を受けているというのと同じことでね、業者がね。業者の執行猶予みたいなものですね、この許可条件をつけられるというのはね。だから、私は何年間執行猶予を受けましたという札を首に下げて歩くのと一緒で、その業者はずいぶんつらい思いをしなきゃならぬと思うのですがね。そういう点ね、あなた行政官としてね、やっぱし考えないとね。せっかく許可して、そうしてその人を非常に窮地に追い込むようなことになって、許可の意味がなくなつちまうことになるわけですよね。許可することはいいんですよ。しかしね、そういうことを明らかにして公告するということは、ぼくは考えなきゃならぬことじゃないかと思うのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/36
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037・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) ただいま申したこの条件つきの許可の大部分の場合、私たちの考えておりますのは、地域の問題、特定貨物の問題でございますが、きわめて例外的に過去において犯罪、法律違反をやった者がございますが、まあこれはきわめて例外的な場合でございまして、私どもの考え方は、まあそういう法令違反をやった者に対して営業権を永久に剥奪してしまって許可を与えないということにするのも一つの方法でございますが、それはあまりにも酷ではなかろうかと。永久にもう許可をしないということではなしに、ある一定の年限健全な経営をやったかどうかを見届けて、その上で永久の許可に切りかえたほうが当人にとっても非常に利益になると、こう考えるわけでございます。ほかの法律の場合におきましても、法律によっては、一ぺん悪いことをした場合にはもう二度と免許なり許可をしないという場合もあり得ると思いますけれども、この通関業者の場合におきましては、過去何年かずっとまじめに健全な経営を続けてきた者が、何らかの原因によってまあ法律違反をやったと。そうして三カ月なり半年なり営業停止を受けたと。それを、そうじゃない人と全く同じように永久の許可を与えるということについては、また二度とそういうことが、法律違反が起こるかどうかという不安もございますので、業界全体の健全な発展のためには、例外的な場合には、そういうこともやむを得ないと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/37
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038・須藤五郎
○須藤五郎君 私はいま言っているのは最後の点なんですが、私は一たん問題を起こした人にはもう許可してはいけないということを言っているのじゃない。もちろん、生活権を脅かすことだから、それは許可してやらなければならぬ。せっかく許可するのならば、その人のただ生活を脅かすような方法で告示しないで、やはり同じように扱って許可を公示したらいいんじゃないかと思う。これが私たちの意見なんです。どちらもあなたの意見とそこで食い違っているから、これ以上議論しても、おそらくあなたも自分の意見を直さないだろうし、ぼくもぼくの意見を改める気持ちもないし、まあこの辺でこの問題はやめておきましょう。
それじゃ、その次に通関業者の概況について少し質問したいのです。実際に現在通関業者の数がどれだけであるかという点が一つ、それから、そこにつとめている労働者の数はどのくらいであるかということ、それから、兼業の状態はどうなっているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/38
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039・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) ことしの四月一日現在の免許業者の総数は八百四十二でございます。それから、それに従事している従業員の数は約七千五百人であります。それから、兼業の状態でございますが、約七割が港湾運送事業との兼業でございます。その他の三割はたとえば運送業者でありまするとか、倉庫業者でありまするとか、そういうものとの兼業でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/39
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040・須藤五郎
○須藤五郎君 大体私の調べたところと合っておるように思うのですが、最近業者の中で企業閉鎖ですね、それから労務者の人員整理のような事態が起きているということを聞いておりますが、その事実はどうなのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/40
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041・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) 全体としての傾向としては、この企業整理とか人員整理というのはないわけでございます。と申しますのは、輸出入貨物の取り扱い量も全体としては年々ふえてまいっております。その反面新規の免許業者の数はそれほど多くはないわけでございまするので、業界全体としては発展的な傾向をもっておりますけれども、港によりましては、また業界の中における特殊な経営者の場合におきましては、先ほど申しましたように、四十年度廃業が三十、四十一年度三十四、これを地域的に見てみますると、その中で単純に廃業したもの、四十年度の場合でございますが、東京四、横浜一、大阪一、神戸二、四十一年度におきましては単純なる廃業をしたものが、東京が五、横浜が二というようなことになっておりまして、東京の場合新陳代謝が非常に激しいわけでございます。と同時に、まあ港湾運送事業者の兼営をやる場合におきましては、その本体の事業の経営との関連におきまして、税関貨物取り扱い、人としての仕事をやめるというものも若干出ておりますが、全体としてはそれほど企業の廃止というのは多くなっているという傾向はございませんで、その他一般の事業と同じような傾向だと思います。また、人員整理等につきましても、一般のその他の中小企業の例と大体同じようであると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/41
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042・須藤五郎
○須藤五郎君 第五条の一号に「経営の基礎が確実であること。」と、こういうふうにされておる。この経営の基礎が確実だということは一体どういうことなんですか、具体的にひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/42
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043・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) 経営の基礎が確実であるということは、普通のほかの産業の経営と同じでございまして、たとえば財務分析におきまして、資本金と純益の関係、あるいは経営比率の問題でありまするとか、そういう財務分析におきまして経営的に健全な経営ができる見込みがあるかどうか、それから、資産の内容が通関業を営む場合において期待されるような資本金でありまするとか運転資本額が確保できるかどうかというようなこと、あるいは通関業の特殊な事情といたしまして、一年間の取り扱いの件数がどの程度あればその地域において業を営む場合には経営が健全に営めるかどうか、取り扱いの件数の見込みをどういうふうに見るか、そういうようなことを考えまして、総体的に通関業を営む場合において将来健全な経営ができて、自由な、公正な競争に耐えていくことができる事情がはっきりしておるという意味であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/43
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044・須藤五郎
○須藤五郎君 私はもう少し具体的に言ってもらいたいと思うのですがね。おそらく資本金が幾らとか、それから一年間の従来の処理件数がどれだけとか、それから手数量をどれ以上得た業者であるとか、それから荷扱いがどれだけ以上とか、そう基準があるだろうと思うのです、あなたのほうに。それを述べてもらいたいのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/44
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045・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) それはそれぞれの港、空港の事情により一概には言えないわけでございますが、すでに免許を受けている業者の数と、それからその地域全体の輸出入の取り扱い件数とのバランスを考えながら許可の基準をきめるわけでございますが、一般的に、全国的に申しますと、現在の実績等から勘案いたしまして通関業としての一定の規模を考えているわけでありますが、それは月間の輸出の取り扱い件数が、兼営の場合におきましては百件、それから専業の場合には千件、それから輸入の件数につきましては、兼業の場合におきましては月に四十件程度、それから専業者の場合には四百件というふうに考えておるわけでございます。その場合に私どもは、先ほど申しましたように大部分のものが兼業でございまして、その兼業の事業の規模についてもそれぞれの兼業の業態を見まして、それの中堅どころのもの以上のものを原則として考えておりますけれども、中には例外的に、兼業部門は比較的多くないけれども従来の通関業務の実績が非常に多いというようなものにつきましては、たとえばいまの月の輸出の取り扱い件数、専業の場合千件、兼業の場合百件、こういうことになっておりますが、兼業の場合の百件がきわめて多い件数を扱っておる、輸入件数につきましても相当扱っているという場合、それぞれいろいろなケースがございますので、いま申したのは全国的な一応のめどでありますが、そういうめどを中心にいたしまして、それぞれの税関において合理的に、不公平にならないように、公平に処理をしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/45
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046・須藤五郎
○須藤五郎君 そうすると、何ですか、手数料が年どれだけ以上ないものは許可しないとか、それから荷扱いが何トン以上ないものは許可しないとか、資本金がどれだけなければ許可しないとか、そういうことには関係しないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/46
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047・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) 資本金の問題につきましては、大大部分のものが兼業として通関業務をやるわけでございまするが、本体と申しますか、その港湾運送事業でございますとか倉庫業、そちらのほうの免許なり許可なりの基準が一応ございますので、それに合致しておれば一応私どもが許可の対象にいたすわけでございますが、また、きわめて例外的でございますが、専業の場合の資本金等につきましては、その事業の計画等を見まして、適正な資本金であるかどうかを一応検討するわけであります。
なお、利益の点でございますが、兼業部門の利益率、それから通関業自体の利益率、これを両方分けて考えるわけでございますが、この通関業というのは、たとえば港湾運送事業と兼ねて通関業をやる場合におきましては、依頼者に対するサービス的な意味も多分に持っておりまするので、港湾運送事業との兼営の場合におきましては、港湾運送事業部門における利益率が相当出ておる場合におきましては、通関業務自体におきましてはそれほど多額の利益が出ておらなくても、その企業全体としては健全な経営ができると判断されますので、そういうようなことを全体として十分個別に財務諸表等を見まして、十分分析をして、将来健全な経営が維持できるかどうかを十分分析して判断していくということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/47
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048・須藤五郎
○須藤五郎君 あなたがいま言った許可基準に合致するような条件を備えた業者は何%ありますか、全体の。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/48
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049・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) ただいま申した許可基準に合致している業者、すなわち現在免許を受けております者がおそらく大部分合致しておると考えられます。なお、今後各税関において個別に審査いたしまして、例外的に許可基準に合致しない者がある場合におきましては、業者の意向ももちろん聞きますけれども、三年間の許可の期間内におきまして、経過的な期間内におきまして、業者の希望を聞き、また税関のほうでも十分力を入れまして、合併等が必要な場合におきましては、業者の意向等も十分尊重して、三年後におきましても十分許可ができるような状態に業界と協力しまして持っていく措置が必要かと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/49
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050・須藤五郎
○須藤五郎君 今日仕事をしておる人で、この条件に合致しない人が出てくると思うのです。そうすると、その人は今度は許可がとれないということになって、廃業をしなければならぬということになってくるのです。そうすると、あなたのほうでは三年間猶予を見て、三年間の間にどうのこうのせいということも法律でできていますね、ここに。そうなんでしょう。三年間の猶予を認めようということらしいけれども、これ、私はいまの、何ですよ、免許の許可の基準をもっと実は具体的に数をあげて聞かしてもらいたかったのです。
私のところに、ある全乙仲労働組合から陳情書が来ておるのですよ。この人たちはその点で非常に不安を持っておるのです。この法律によって淘汰される業者がたくさんでき、たくさんの失業者を出さなければならぬのではないか。聞くところによると、手数料の、売り上げが年間千二百万円なければ免許を許可しないと、こういうことになっておると。そうすると、これから判断しますと、現実は、全国、これには、あなたがさっき八百四十二社とおっしゃいましたが、現実は全国五百九十四社だ。その五百九十四社のうち、年間手数料が百万円未満が全体の三七%で二百十八社、それから二百万円未満が五四%で三百二十一社、計九一%、五百三十九社が少なくとも許可の対象にならない。こういうところは、それじゃ、おまえのところ一社じゃ許可にならぬから合併せい、あるいはやめてしまえ、こういうことになるんだ。それで、非常に不安を持っていらっしゃるわけです。
この人たちが言っているのは、港湾運送事業法というものがあるでしょう。この港湾運送事業法の内容も、実は今度の通関業税の内容とよく似ているのです。調べたところによると、その港湾事業法の改悪によりまして、すでにたくさんの人たちが、仲間が、業者が企業閉鎖、全員解雇、こういうところに追い込まれているのです。だから、現在通関業をやっておる人たちは、これができると、いわゆる港湾運送事業法によって整理されたように、われわれも整理されるのではないか、こういうことを心配しておるのです。この人たちは千二百万円なければだめなんだ、こういうふうに考えておるわけです。
そこで、私はあなたに、責任あるあなたに要するに年間どれだけの水揚げがあればいいのか、千二百万円なければ許可されないのか、そこを私は具体的にはっきりしておいてほしいということを言っておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/50
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051・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) ただいまいろんな数字をお示しいただいたわけでございますが、私どもとしては、現在免許を受けておる業者につきましては、原則として新しい法律によって許可を与えるというたてまえをとっておるわけであります。新規の許可を受ける場合におきまして、既存業者との関係、あるいは利用者の利便等を考えまして、合理的な基準によって選択をいたしまして、新規の許可をやるわけでありますが、すでに免許を受けておる業者に対しましては、新法によりまして原則として引き続き許可を継続して与える。例外的に、先ほど申したように条件つきの場合もございますけれども、なお三年間の間は通関士を置かなぐても許可を受ければ営業できる。その後におきましても、原則としてそのまま経営が継続できるようにするわけでございますが、通関士の試験は、あとで御質問あると思いますけれども、それほど厳格な試験でございませんので、三年間に最少限度一人だけ通関士の試験を通っていただければ永久に営業ができるたてまえになっております。そういう御心配は要らないと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/51
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052・須藤五郎
○須藤五郎君 私がいま申しましたように、手数料、売り上げ高が年間千二百万円ないと許可をしない、それから荷扱いが年間六万トンないと許可をしないと、こういうふうな条件がつけられておるということを業者たちは聞いて、それで非常に不安がっておる。そのために、全国的に見てそういう条件に合致する業者というものはほとんどないと。九一%がこの条件からはずれてしまうわけですね。あなたの言う条件からね。そうすると、今日やっている業者でこの許可の基準に、条件に当てはまるものは一〇%足らずしかないというので九〇%からの人たちが大きな不安を持っておる。私が先ほど読み上げて言いましたように、二百万円とか百万円という人が大多数を占めておるわけですね、年間の水揚げ。この人たちは許可にならないということははっきり言えるのですか。こういう人たちは今後も許可していくと、はっきり言えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/52
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053・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) ただいまのお話がありました基準は、港湾運送事業の合理化の処理をする場合に考えられておる基準であると思いますが、港湾運送事業と兼営して税関貨物取り扱い業者となっておられる場合に、本体の港湾運送事業のほうが許可を得られなくなった場合にどうするかということだと思いますけれども、その点につきましては、運輸省の指導によって、港湾運送事業の合理化はするけれども、その業者の整理統合というのは合理的に、あまり業界に弊害をもたらさないようにうまくやるというふうに聞いておりまするので、一応そういう基準がありましても、税関貨物取り扱い人としての仕事をやる場合のこの新法による許可は、先ほど来申しておりまするように、機械的に自動的に新法による許可をするというたてまえで処理いたしますので、税関貨物取り扱い人としての営業のたてまえからは、新しく許可制度になりましても、不利益になるようなことはないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/53
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054・須藤五郎
○須藤五郎君 委員長にお顧いがあるのですが、こういう法案なので、もう少し詳しく質問をして業者の人たちが安心をするようにしておきたいと思いますので、少し、ちょっと時間がかかりますけれども、お許しを顧いたいと思います。
あのね、あなたたちはすぐ合理的、合理的ということばを使われますが、ことばは非常に美しいのですよ、合理化とか、合理的。しかし、それがこわいのですな、業者にしてみると。合理化ということばはきれいだけれども、合理化によって労働者どんどん首切られているのですからね。ですから、そんなことば使ったって、業者や労働者は決して満足するもんじゃないですよ。ですから、実際にこういう許可の基準をきめる場合、現在開業している人たち、営業している人たちを廃業に追い込むような、そういうことをしてはいかぬと思うのですよ。やはり営業を続けられるような状態にしていかないと、非常に困る問題が起こってくる。
現に港湾運送事業法で、そのために郵船運輸で百名、それから三和運輸で二百五十名、こういうたくさんの警察官を動員して、労働組合の解雇反対闘争を弾圧しているという問題があるのですけれども。いま言ったのは警官の数ですよ、労働者の数じゃない。そういう事件がもうすでに今日起こっているのです。これがあなたたちのいわゆる合理化、合理的の結果なんです、こういうことが起こってくるのは。だから、私たちはあなたたちが合理的とか合理化とか言っても、決してそのとおり受け取るわけにいかないのでね。だから、そういうことの起こらないように、十分この法律によって被害を受ける人がないように運営していかなければいかぬと思うのですよ。そういうことがないということを、そういうことをしないということをはっきり言っておいてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/54
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055・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) 先ほど来再々申し上げておりますように、従来旧法によって免許を受けている人は、原則として新法による許可が自動的に受けられ、また三年間は新しい制度であります通関士を設置するという義務も免除されますし、その後におきましては、通関士の設置の義務を履行しさえすれば、三年経過した以降におきましても永久に原則として営業ができるたてまえに法律の構成はなっておるわけであります。
御指摘の、ほかの港湾運送事業等の業態の改善につきましては港湾運送事業法の施行の過程におきまして、いろいろ業界の立場を考えながら、業界全体としての健全な発展ができるようにいろいろ指導がなされてまいるわけでございまするので、それとかねて営業をしておる税関貨物扱い人の方々も、将来とも現在免許を受けておる方々は引き続き安心して仕事ができることになるはずであると考えておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/55
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056・須藤五郎
○須藤五郎君 時間がありませんから、少し質問を急ぎます。
この三号に、「通関業務の量及び通関業者の数に照らして」という項目がありますね。それからもう一つ、「必要かつ適当なものであること。」と、こういうことばを使われているのですね。それは一体どういうことなんですか。「通関業務の量及び通関業者の数に照らして、必要かつ適当なものであること。」と。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/56
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057・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) この「通関業務の量」というのは、扱う書類の件数などであります。「通関業者の数」と申しますと、特定の地域における既存の通関業者の数でありまして、それの仕事の需給関係を適切に調整しまして、そういう面から見て許可をすることが適当であるかどうかを判断するということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/57
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058・須藤五郎
○須藤五郎君 それを各項別に、どういうふうに考えているのか、おっしゃってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/58
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059・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) 五大港及び羽田とそれ以外の主要港とは違いますけれども五大港におきましても、港にありまして、既存業者の数とその処理すべき仕事の量との関係は、すべて一つしかないわけでございますが、今後許可をする場合におきましては、そういう各地の実情を十分に考えながら、一方におきましては過当競争にならないように、一方におきましては業者の数が少なくて利用者の不便を来たすことがないように、ケース・バイ・ケースで慎重に合理的に処理をしてまいりたいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/59
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060・須藤五郎
○須藤五郎君 そうすると、何ですか、「数に照らして」というふうに書いてあるけれども、その数というものははっきりした数じゃないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/60
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061・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) 特定の港において、通関業者が何人いるから、新たに許可をできる者が何人という算術計算的なものではございませんで、この通関業務の全体の数量とそれから既存業者の数を照らし合わせまして、一企業当たりの利益率、専業の場合にはどの程度、兼業の場合は本体の利益率も合わせまして、その企業体全体としてどういうことになるか、新たに許可を与えても全体として過当競争にもならず、かつ、一方において利用者の不便も来たさないというようなことをめどにして、新規の許可をなす場合におきましては、合理的に、総合的に判断をしてやるわけでございます。もちろんこの法律に「数に照らして」と書いてございまするから、その数との相関関係できめるわけでありますが、幾つあるからもう一社も今度は許可をしないというような厳格なことではなしに、全体を考えて、合理的に処理をしていくというたてまえでやるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/61
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062・須藤五郎
○須藤五郎君 そうすると、そのどこどこの港は幾つ、どこどこの港は何社というふうに、そういうふうに決定していないと。そうして現在まあどこどこにはどれだけの数がある。あるところには十社あると。そうすると、あなたのほうの割り当てで、今度の考えでは、そこの港は十は多いから六つにするんだ、四つは許可しないんだ、こういうことではなく、そこの港に現在ある数はとにかく全部認めておこう、これからふえてくる場合は、そこの港の荷扱いの量とかいろいろな問題を勘案して、そしてそこは十あるからもうこれ以上要らぬのじゃないか、十でやっていけるじゃないかというふうな、数に照らしてそれでいろいろやっていくんだと、そういうことですか。もうどこどこは幾つ、どこどこは幾つというふうに、あんたのほうで数がきまっておって、それでその数に照らして、とにかく整理していくものは整理していくということではないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/62
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063・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) おっしゃるとおりでございまして、港別に通関業者を置くべき数を確定して考えているわけじゃございません。各港、空港の状況は日々変動があるわけでありまして、その変動に応じて業者の数も適正に保つように総合的にうまく処理をするたてまえをとっておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/63
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064・須藤五郎
○須藤五郎君 それから、第九条に、これ簡単な答弁で済むわけですが、東京税関で通関業の許可を得ている業者が、東京、横浜港以外の港で荷揚げする場合があるでしょう。その貨物をね、通関をしなきゃならぬ場合がある。その場合には一体どうするのか。私のまあ考えでは、その場合は、代理店とか、それから委託をするとか、よその店に。それから本人が出張していってやるとか、いろいろな手があるだろうと思うのですが、一体これはどういうふうにするのが一番適切なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/64
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065・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) 第九条の規定は、従来、いま御指摘のような場合におきましては、それぞれの税関ごとの免許が必要であったわけでございますが、それが必要がないというたてまえをとりまして、一つの税関長の許可を受けた場合におきまして、その当該仕事が相互に関連、ほかの税関とも関連するような仕事であるような場合におきましては、関連をする相手の税関長の許可を受けることなしに、単なる所定の届け出をするだけでその当該通関業務を行なうことができるようにしておるわけでございます。いま御指摘のように、東京税関長から許可を受けた通関業者が特定な通関業務を行なう場合には、荷物が横浜に陸揚げされるというような場合におきましては、そういう仕事をやることについて横浜の税関に届け出をすることによって、許可自体はすでに東京税関長から得ておりまするので、それによって仕事が処理できるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/65
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066・須藤五郎
○須藤五郎君 その店の人が出張してそういう手続をするということなんですか。そういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/66
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067・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) ただいま御指摘のような場合におきましては、横浜で陸揚げをするわけでありますから、陸揚げをする場合には当然人がそこにおるわけでありまするから、その者がその陸揚げをするところの税関長に届け出をするということは当然できるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/67
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068・須藤五郎
○須藤五郎君 それじゃ、十四条と二十一条との関係についてちょっと質問したいのですが、十四条で通関士に記名押印の義務と責任を負わしているわけですね。「通関士にその内容を審査させ、かつ、これに記名押印させなければならない。」と。ところが、ずっと読んでまいりますると、二十一条へ行きますと、「第十四条の規定による通関士の記名押印又は第十五条若しくは第十六条の規定による税関長の措置の有無は、これらのの条に規定する通関書類又は更正若しくは検査に係る処分の効力に影響を及ぼすものと解してはならない。」と、こうなっておるんですね、そうすると、十四条で通関士に記名押印の義務を負わせておいて、二十一条に来て、その通関書類の効力がないということになると思うのです。通関士は責任を負わされて押印をした。ところが、せっかく押印をした書類が効力がないんだと。それは実際矛盾しているんじゃないですか、この十四条と二十一条は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/68
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069・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) 十四条の規定は「政令で定めるもの」ということになっておりますが、たとえば輸入申告書の中で評価の申告書でありまするとか更正請求書あるいは保税倉庫に外国貨物を置くことの承認申請書というような、その他のものもございますけれども、そういうような通関手続に関する書類の中で、利害関係が非常に顕著であり、いわば重要な書類につきましては、通関士が内容を審査する、そして記名捺印をするということを義務づけておるわけであります。ただ、通関業の健全な遂行を確保するためには、こういう重要な書類につきましては、国家試験を通りました専門の通関士が審査することが必要になるわけでございますが、しかし、この二十一条の規定は、たまたまこういうような規定に規定する記名捺印というようなことがなかった場合のその法律効果をどう考えるかということでありますが、記名捺印がなかった場合にその行政上の処分の安定性に影響を与えるということは、そういう処分を前提として行なわれる行為等の安全を害することになる。それでは、記名捺印をする通関士が記名捺印をしなかったばかりに、それに基づいていろいろ契約をしたりあるいは税関で処理をする、その結果のいろいろな法律的の利害関係に影響を及ぼすということは、取引の安全を害するということになりますので、通関士の審査は審査として十四条で厳格にやらせることを確保するために記名捺印をしなければいけないという規定になっておりますが、しかし、そうかといって、単に記名捺印がなかったために、この「通関書類又は更正若しくは検査に係る処分の効力に影響を及ぼす」ということでは、それはそういう処分の安全性に影響を及ぼし、またそれに基づくいろいろな取引関係の不安定を来たすことになりますので適当でないということで、二十一条の規定ができておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/69
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070・須藤五郎
○須藤五郎君 それで、まあこういう場合は判があうろとなかろうと同じように扱われるという結果になりますのでことさら、要するに十四条では通関士にいかにも権威をつけて、通関士の判こがなければものをいわぬぞと言わぬばかりにしておいて、そして二十四条で通関士の判があったってなくたって同じだと、こういうことになってしまっているわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/70
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071・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) そういうことではないわけでございまして、十四条におきまして通関士の審査義務を負わしております。それで、税関におきましては、この記名捺印があるかないか、重要な書類に通関士の記名捺印があるかないかということは、書類の審査の過程におきまして常時わかるようになっておりまするので、記名捺印をしなかった場合の法律効果につきましては、先ほど申したような理由で二十一条で処理されておりますけれども、通関士が重要な書類に記名捺印していなかった書類が出てきた場合におきましては、その当該通関業者に対しまして監督権の発動といたしまして注意を与えたり、その他適切な行政措置を講じまして、そうして今後そういうことがないように、それによってこの通関業務自体の公平な、また円滑な運営ができるように配慮してまいる予定にしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/71
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072・竹中恒夫
○委員長(竹中恒夫君) そろそろ最後の質問を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/72
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073・須藤五郎
○須藤五郎君 もう二点だけで……。
質問しますが、一点は、この法律の結果、整理統合という問題が起こってきて、整理統合が起これば、当然労働者の整理という問題が起こっていくんですね。それから、整理統合によって、やはり損害を受ける店も起こってくるだろうと思うのですが、これに対して救済策というものをあなたたちは考えているのか、考えていないのか、その点を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/73
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074・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) 先ほど来申し上げておりますように、この法律自体によりまして、通関業者の整理統合ということは結果的に出てこないわけであります。現在の免許を受けている方は、自動的に許可になる、三年後におきましても許可になるようにまあ御努力願えれば、これまた自動的に永久に許可になるということでございまして、法律自体におきましては、結果的に整理統合ということは出ておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/74
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075・須藤五郎
○須藤五郎君 最後に、ちょっと方向の変わった質問ですがね、十五日の午後五時十五分ごろです、東京税関の品川埠頭、この税関事務所におきまして、江良統計課長、山崎輸出統計係長、塚本係員、この三人がテープレコーダーをかけて、録音を、それを顔を寄せて三人で聞いておったわけですね。そこへ同課の大木さんという女性が入って行った。ところが、このテープレコーダーは単なるテープレコーダーじゃないんですね。これは塚本さんという人が自分のテーブルの上から二番目の引き出しにテープレコーダーを仕込んで、そうしてあらかじめ——机の中に入れる小さいテープレコーダーがあるわけです。そうして少し引き出しをあけておいて、そうして係員、課員のしゃべることを録音できるのですよ。それをやっておったわけですよ。それを三人、課長はじめ三人で聞いておったわけです。何しているんだといって組合員が行ってとがめたわけです。ところが、これは職務上だと。それで職務上仕事の参考のためにこれをやったのだと、こうまあ言っておるわけですね。それで問題が大きくなりましてね、江良課長もみな呼び出されて、組合員に。そうして問い詰められたわけですね。要するにスパイ活動なんですよね、これは。自分の引き出しへこっそりとテープレコーダーを仕込んでおいて、そうして自分の課員がどういうことをしゃべっておるかということを録音しておいて——これはスパイ活動だと。これはあなた。憲法にも違反するところの、思想、言論の自由を脅かすところの行為だとぼくは思う。
それで、課員から、組合員から責められて、そうして課長もそれはまずかったと、しかし自分が決して命令したものではないのだと、塚本係員が個人的な意思でやったことで、自分には関係ないことだと、しかしまずかったと、こう言ったというのですよ。そうしてあらためて組合員の前で、まずかったということを言ったそうですよ。
こういうことが何で起こってくるかということですよね。これはやっぱし私は、品川税関のあの幹部たちのものの考え方、態度、そこに原因があると思うんですよ。この人たちに言わせると、自分の課で働いておる人たちは、何だか悪いことをしているように、罪人扱い、悪人扱いですよ。だから、そういう人たちの——秘密のテープを仕込んで、そうして録音して、あいつら何をしゃべっているのか、不穏当なことをしゃべってやしないか、自分に対する何か反発をしてやしないかというようなことを調査するために、こういうことをやっているんです。大体あの課長も、これはまずかったといってわびたそうですがね。谷川さん、こういうことをあなたの部下にあなたは命令してやらしているのですか。そうして、こういうことをやることがあなたはいいと思っていらっしゃいますか、その点、ちょっと伺っておきたいのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/75
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076・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) そういうことを命令したことは全然ございませんし、今後も命令するようなことは考えておりません。ただいまのお話、いまここで初めて聞くわけでございますが、テープレコーダーは税関の検査、捜査上重要な器具でございまするので、たまたまそれを必要とする場所に置いておかれてあったのかどうか存じませんけれども、私ども労働組合員の言動をそういうようなことで知るというようなことをやっておることは事実ないと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/76
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077・須藤五郎
○須藤五郎君 あんたはないと言うけれども、あったという事実がちゃんとあるのですよ。そのテープも組合で持っているのですよ。あんた、ものを調べないで、そんな言い切るような態度はよくない。事実があるから、ぼくは言っているのです。あそこには第一組合と第二組合とあるのです。それで、全税関が第一組合。この課には全税関の組合員が比較的多いのですよ。まとまって五人ほどおるらしい。そういう連中の言動を録音しようというので仕組んだ仕組みなんです。こういうことを事実やっている。そのテープもあるのですよ。ないと言うなら、ぼく持ってきましょうか。それを持って聞かせましょうか。あんた、よく調べてから返事しなさいよ。
だから、この問題はあなたが知らないのだから、ぼくはこれ以上追求しませんが、だから、よく調べて、この次にでも責任ある答弁してくださいよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/77
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078・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) 私が申したのは、当局側がそのテープレコーダーをそこに設置したのかどうか、それは私は存じませんけれども、そのテープがかりにあったにいたしましても、当局がそういうことでテープを設置したのかどうかという点については、私、存じませんので、そういうことはあり得ないということをいま申したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/78
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079・須藤五郎
○須藤五郎君 課長も、私が命令したのではないと言っているのですよ。命令したのではないけれども、係員が仕事のためにと言っておるが、仕事のためにそういうことをする必要はないのですよ。そうでしょう。仕事のためになぜ課員のしゃべっていること、組合員のしゃべっていることを録音しなければならぬか。これは、こういうことをするのは憲法違反ですよ。だから、課長もそれはまずかったということを組合員の前であやまっているのですよ。だから、谷川局長、最高責任者としてそういうことをすることがいいことか悪いことか、どうだということを私はあんたにお尋ねしているのですよ。だから、そういうことは、課長と同じように、それはまずいと思うならまずいとおっしゃったらいいんですよ。まずくない、これは当然だ、積極的にやるべきだという意見を持っているなら、そのことをあなたははっきり言ってくれればいいですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/79
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080・谷川宏
○政府委員(谷川宏君) 私どもといたしましては、労働組合に対しまして、労働組合員の言動をそういう形で録音するということは絶対やっていないわけでありますが、たまたま税関業務として必要な器具がある場所に置かれておった、たまたま職員の一部の人たちの話し声が入っていたという場合もあり得るわけでありまして、いま御指摘の場合は、意識的に労働組合の労働活動の情勢を聞き取るためにテープを置いたのかどうか、私はそういうことは絶対あり得ないと考えておりまするので、たまたま仕事の都合上で置いておったそのテープの中に職員の声が一部入っておったということも考えられますので、そういう誤解が今後ないように十分慎重に、私どもは今後労働組合の労働活動を、健全な労働活動でありますれば、これを育成していかなければなりませんので、そういう誤解がないように十分気をつけてやってまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/80
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081・須藤五郎
○須藤五郎君 それは谷川さん、何ですよ、言いのがれにはなるか知らぬけれども、私は正しい態度ではないと思うのです。だって、係長が仕事のためにやったんだということをはっきり言っているのですね。仕事のためとは何か。自分たちの課員たちしかいないところに仕込んで、それで課員のしゃべっていることを録音すること、それが仕事のためだということは、一体何を意味するのか。これは明らかにスパイ行為ですよ。係員が仕事のためと言っているし、それから課長は、こういうことをやったことはまずいことだと認めている。組合員の前で、まずいことだ、しかし私は命令した覚えはないんだ、この係員が個人の意思でやったことだといって、釈明しているわけですよ。そこまでものははっきりしているのですよ。だから、あなたの言うように、たまたまそこに置いてあったものが録音してあった、そんなことを言うのは許されないですよ。そんなことは単なる言いのがれにすぎなくて、実にまずい答弁ですよ。無責任な答弁だ。そうじゃなしに、もっとはっきり、そういうことはすべきでないということをあなたは明らかにしたらいい。そうしたら、局長がすべきでないと言ったならば、下の者は再びこういうことをやらないでしょう。こういうことを再び繰り返さないように、あなたが責任者としてはっきりしてくださいそう。いうことなんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02019670620/81
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082・竹中恒夫
○委員長(竹中恒夫君) 本日の委員会はこれにて散会いたします。
午後零時十六分散会
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