1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年四月十日(水曜日)
午後一時二十分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 光村 甚助君
理 事
小野 明君
鬼木 勝利君
委 員
井川 伊平君
石原幹市郎君
沢田 一精君
高橋雄之助君
徳永 正利君
西田 信一君
柳田桃太郎君
阿部 竹松君
大矢 正君
宮崎 正義君
衆議院議員
修正案提出者 多賀谷真稔君
国務大臣
通商産業大臣労 椎名悦三郎君
働大臣 小川 平二君
政府委員
通商産業政務次
官 熊谷太三郎君
通商産業省石炭
局長 中川理一郎君
労働省職業安定
局長 有馬 元治君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞寿君
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本日の会議に付した案件
○石炭鉱害賠償担保等臨時措置法の一部を改正す
る法律案(内閣送付、予備審査)
○当面の石炭対策樹立に関する調査
(石炭対策の基本施策に関する件)
○石炭鉱業経理規制臨時措置法の廃止制限等を変
更するための法律案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814589X00419680410/0
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001・光村甚助
○委員長(光村甚助君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。
まず、石炭鉱害賠償担保等臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。その提案理由の説明を聴取いたします。椎名通商産業大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814589X00419680410/1
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002・椎名悦三郎
○国務大臣(椎名悦三郎君) 石炭鉱害賠償担保等臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
現在、石炭鉱業及び亜炭鉱業による残存鉱害量は、膨大な額に達しており、国土の保全、民生の安定の見地から深刻な問題となっております。このような事態にかんがみ、政府は従来から、一方において鉱害基金を設け、鉱害賠償担保の積み立て及び鉱害賠償資金の融資等を行なわせるとともに、他方において九州、山口、東海及び常磐の鉱害が多発している四地域に鉱害復旧事業団を設け鉱害復旧事業を行なわせて、鋭意鉱害の早期処理につとめてまいったのであります。
しかしながら、石炭鉱山の相次ぐ閉山とともに、無資力鉱害が激増する等、鉱害問題は一そう深刻化しているのが実情であります。このため、総合的かつ強力な鉱害処理体制を確立するとともに、鉱害賠償に関する紛争を迅速かつ円滑に解決するための裁定制度を設ける必要があり、今回、石炭鉱害賠償担保等臨時措置法の一部を改正する法律案を提案した次第であります。
次にこの法律案の要旨について御説明いたします。第一は、鉱害基金と鉱害復旧事業団を統合して石炭鉱害事業団とすることとし、新事業団は、現在鉱害基金が行なっている鉱害賠償の担保の管理及び鉱害賠償資金等の融資の業務と、現在鉱害復旧事業団が行なっている鉱害の計画的な復旧に関する業務を総合的に行なうことといたしております。
第二は、鉱害の賠償に関する紛争が生じ、鉱害復旧の促進のためその解決が必要な場合等においては、地方鉱業協議会の裁定を行なうことができることといたしております。また、これらに伴い臨時石炭鉱害復旧法その他の関連法律について所要の改正を行なうことといたしております。
以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814589X00419680410/2
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003・光村甚助
○委員長(光村甚助君) 以上で本案の提案理由の説明を終わりますが、以後の審査はこれを後日に譲ることといたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814589X00419680410/3
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004・光村甚助
○委員長(光村甚助君) 次に、当面の石炭対策樹立に関する調査を議題といたします。
石炭対策の基本施策に関する件について、椎名通商産業大臣並びに小川労働大臣からそれぞれ説明を聴取いたします。まず椎名通商産業大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814589X00419680410/4
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005・椎名悦三郎
○国務大臣(椎名悦三郎君) 第五十八回通常国会におきまして、石炭対策特別委員会の御審議をいただくにあたり、一言ごあいさつ申し上げます。
石炭鉱業につきましては、石炭鉱業審議会の答申及びその趣旨に沿って行なわれた閣議決定に基づきまして、昨年度から石炭鉱業の安定、保安の確保、鉱害復旧、産炭地域振興等に一そう強力な施策を実施してまいったのであります。
しかしながら、その後、自然条件の悪化、労務者不足等をおもな原因とする出炭不振と、これによる資金経理状況の悪化により石炭鉱業は従来にも増してきびしい環境下に置かれているのが現状であります。このため、政府といたしましては、生産体制の整備、経営基盤の強化、長期需要の確保等をはかり、石炭鉱業の長期安定生産体制の確立を期するとともに、保安の確保につきましても引き続き人命尊重の基本に立って施策を推進し、その万全を期する決意であります。
また、鉱害対策につきましては、鉱害復旧事業規模の増大、鉱害復旧体制の強化等により、その処理の促進をはかり、産炭地域振興対策につきましては、新産炭地域振興実施計画を基礎として対策の強化をはかる所存であります。なお、これらの措置の実施につきましては、所要の立法措置及び予算措置について、本国会において御審議をいただくこととしている次第であります。
さらに、このような施策の推進と並行いたしまして、今後、出炭及び企業の経理状況等の分析及び予測を行ない、石炭鉱業の長期安定のための基本的方策をできるだけ早く検討することとし、真に石炭鉱業の再建がはかられるよう努力してまいる決意であります。
本特別委員会は従来から石炭対策につき熱心に御審議をいただき、また、心強い御指導御鞭達をいただいておりますが、本国会におかれましても、一そうの御協力をお願い申し上げる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814589X00419680410/5
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006・光村甚助
○委員長(光村甚助君) 次に、小川労働大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814589X00419680410/6
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007・小川平二
○国務大臣(小川平二君) 石炭鉱業に関する当面の労働諸問題について、一言所信を申し述べ、各位の御理解と御協力を得たいと存じます。
最近における石炭鉱業の動向を見ますと、閉山合理化は予期以上に進行しつつあり、今後もなお相当数の離職者が発生することが予想され、その前途は、なおきびしいものがあります。これが対策につきましては、累次整備をみた炭鉱離職者臨時措置法を中心に、従来の経験を十分に活用して、今後とも万全を期してまいる考えであります。
石炭鉱業における労働災害の防止につきましては、労働者保護の見地から重大な関心を持ち、努力してきたところでありますが、最近においても美唄炭鉱におけるガス爆発等の重大災害が続いており、まことに遺憾な状態にあります。労働省においても、石炭鉱山の災害に伴って発生するおそれのある一酸化炭素中毒症に対する対策について、いわゆるCO法の順守を徹底せしめる等、所管事項について万全の措置を講ずるとともに、通商産業省との連係を密にし、石炭鉱業における労働災害の防止に一そうの努力を重ねてまいりたいと存じます。
なお、石炭鉱業の最低賃金につきましては、石炭鉱業における労働条件の改善をはかるために、今般中央最低賃金審議会の答申に基づいてこれを改正し、その最低賃金額の引き上げを行なったところであります。石炭鉱業に働く労働者の労働条件につきましては、今後ともなお一そうの努力を重ねてまいる所存であります。
以上、当面の諸施策について所信の一端を申し上げた次第でありますが、今後とも各位の御意見を十分拝聴しながら、行政の推進に一そう力を尽くしてまいりたいと存じます。何とぞよろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814589X00419680410/7
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008・光村甚助
○委員長(光村甚助君) ちょっと速記をとめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814589X00419680410/8
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009・光村甚助
○委員長(光村甚助君) 速記を起こして。
両大臣に対する本件についての質疑は後日に譲ることといたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814589X00419680410/9
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010・光村甚助
○委員長(光村甚助君) 次に、石炭鉱業経理規制臨時措置法の廃止期限等を変更するための法律案を議題といたします。
本案は、すでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、本日はまずその補足説明を聴取いたします。中川石炭局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814589X00419680410/10
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011・中川理一郎
○政府委員(中川理一郎君) 先日、石炭鉱業経理規制臨時措置法の廃止期限等を変更するための法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げましたが、これに関しまして補足説明をさせていただきます。
石炭鉱業経理規制臨時措置法及び臨時石炭対策本部は、ともに昭和三十七年の第一次答申に基づき、石炭鉱業合理化計画の円滑な推進をはかるものとして、一つは経理の適正化と経営の合理化をはかるために制定され、他は産炭地域振興対策、労務者対策等につき、現地の実情に即した石炭対策を推進するために設置されたものであります。
石炭鉱業経理規制臨時措置法は、石炭鉱業合理化事業団から資金の借り入れを受けていること等一定の要件に該当する石炭会社、これは元利補給金の交付を受けております再建整備会社につきましては、再建整備法において同様の規制を行なっておりますので、これを除外しておりますが、これを対象といたしまして、利益金の処分について通商産業大臣の認可を受けさせること、それから事業計画及び資金計画を通産大臣に届け出させること、通商産業大臣はこれらの会社の経理業務監査を行なうこと等の規制を行ないまして、これによって経理の適正化をはかることといたしておるのでございます。一方、臨時石炭対策本部は、福岡通商産業局長を本部長といたしまして、関係省の出先機関を本部員として、相互に連絡調整をはかり、的確な石炭対策の実施をはかるべく九州に設けられたものでございます。
両者は、これまで石炭鉱業の合理化に大きく寄与してまいりましたが、当時の合理化計画の目標年度が昭和四十二年度とされておりましたために、ともに過日の三月末をもって終了することとされておったわけでございます。しかしながら、御承知のとおり石炭鉱業はなお深刻な不況の中にございまして、現在、昭和四十五年度を目標とする合理化安定対策が講ぜられておるところであります。したがいまして、石炭鉱業経理規制臨時措置法及び臨時石炭対策本部もこれら対策の円滑な推進をはかるため、新たな合理化計画の目標年度である昭和四十五年度まで存続させる必要があると考えたわけでございます。本法律案はこのような考えのもとに、石炭鉱業経理規制臨時措置法の廃止期限及び臨時石炭対策本部の存置期限を昭和四十三年三月三十一日から昭和四十六年三月三十一日まで延長しようとするものでございます。
なお、本法律案は政府原案では、現行の石炭鉱業経理規制臨時措置法の廃止期限及び臨時石炭対策本部の存置期限に合わせまして、昭和四十三年三月三十一日から施行することといたしておりましたが、同日までに成立を見なかったため、衆議院におきまして、施行期日を「公布の日」に改めますとともに、昭和四十三年三月三十一日限りで形式的に存置期限の切れる臨時石炭対策本部につきましては本法「施行の日に新たに置かれるものとする。」旨の確認規定を加えて規定の整備をはかられたわけでございます。
以上、この法律案につきまして補足説明を申し上げましたが、何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814589X00419680410/11
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012・光村甚助
○委員長(光村甚助君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814589X00419680410/12
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013・光村甚助
○委員長(光村甚助君) 速記を起こしてください。
なお、本案は衆議院において修正されておりますので、その修正点の説明を承りたいと存じます。衆議院議員多賀谷真稔君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814589X00419680410/13
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014・多賀谷真稔
○衆議院議員(多賀谷真稔君) ただいま説明を求められました石炭鉱業経理規制臨時措置法の廃止期限等を変更するための法律案に対する衆議院における修正点について御説明申し上げます。
政府提出案では施行期日が「昭和四十三年三月三十一日」になっておりましたが、すでに期日も経過いたしておりましたので、これを「公布の日」に改め、なお、臨時石炭対策本部はその設置の期限である昭和四十三年三月三十一日がすでに経過いたし、その効力を失っておりますので、「臨時石炭対策本部は、この法律の施行の日に新たに置かれるものとする。」といたしたのであります。
よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814589X00419680410/14
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015・光村甚助
○委員長(光村甚助君) 以上で説明を終了いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時四十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814589X00419680410/15
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