1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十九年五月十日(金曜日)
午前十時三十九分開議
出席委員
委員長 木村 武雄君
理事 天野 光晴君 理事 服部 安司君
理事 松野 幸泰君 理事 渡部 恒三君
理事 渡辺 栄一君 理事 井上 普方君
理事 福岡 義登君 理事 浦井 洋君
愛野興一郎君 浦野 幸男君
小沢 一郎君 大石 千八君
梶山 静六君 片岡 清一君
金丸 信君 國場 幸昌君
野中 英二君 林 義郎君
村田敬次郎君 佐野 憲治君
清水 徳松君 渡辺 惣蔵君
柴田 睦夫君 瀬崎 博義君
新井 彬之君 北側 義一君
稲富 稜人君 渡辺 武三君
出席国務大臣
建 設 大 臣 亀岡 高夫君
国 務 大 臣
(総理府総務長
官) 小坂徳三郎君
出席政府委員
内閣審議官 粟屋 敏信君
内閣審議官 小播 琢也君
首都圏整備委員
会事務局長 小林 忠雄君
経済企画庁総合
開発局長 下河辺 淳君
通商産業大臣官
房審議官 江口 裕通君
資源エネルギー
庁石炭部長 高木 俊介君
建設大臣官房長 高橋 弘篤君
建設省計画局長 大塩洋一郎君
建設省都市局長 吉田 泰夫君
建設省都市局参
事官 國塚 武平君
建設省道路局長 菊池 三男君
建設省住宅局長 沢田 光英君
委員外の出席者
建設委員会調査
室長 曾田 忠君
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委員の異動
五月九日
辞任 補欠選任
中島 武敏君 瀬崎 博義君
同月十日
辞任 補欠選任
田村 良平君 片岡 清一君
中尾 宏君 愛野興一郎君
浜田 幸一君 大石 千八君
三原 朝雄君 浦野 幸男君
渡辺 武三君 稲富 稜人君
同日
辞任 補欠選任
愛野興一郎君 中尾 宏君
浦野 幸男君 三原 朝雄君
大石 千八君 浜田 幸一君
片岡 清一君 田村 良平君
稲富 稜人君 渡辺 武三君
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本日の会議に付した案件
日本道路公団法の一部を改正する法律案(内閣
提出第六五号)(参議院送付)
工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正
する法律案(内閣提出、第七十一回国会閣法第
五六号)
都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法
律案(内閣提出、第七十一回国会閣法第七六
号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/0
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001・木村武雄
○木村委員長 これより会議を開きます。
去る四月二十六日参議院より送付され、本付託となりました内閣提出、日本道路公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/1
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002・亀岡高夫
○亀岡国務大臣 ただいま議題となりました日本道路公団法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明し上げます。
日本道路公団の発足以来、同公団の管理いたします高速自動車国道の供用区間は逐年増大しつつありますが、このような供用区間の延伸に伴い、通行車両の長距離化、大型化、トレーラー化の傾向が顕著に見られるようになりました。
一方、都市内におきましては、交通混雑の激化により、高速自動車国道を利用する大型車の都市内流入がきわめて困難となっており、高速自動車国道を利用する新しい輸送形態に対処するために、トラックターミナル等の物的流通施設の設置が強く要請されております。
このような要請に対処して、日本道路公団が高速自動車国道の整備とあわせてインターチェンジ周辺の地域においてトラックターミナル等の施設の整備を行なうことができるものとする等、所要の措置を講ずる必要があります。
以上がこの法律案を提出する理由でありますが、次にこの法律案の要旨について御説明申し上げます。
まず第一に、日本道路公団の業務の一部として、新たに、同公団が高速自動車国道と密接に関連し、かつ自動車交通の能率の増進をはかるために必要なトラックターミナル、貨物保管施設等の施設の建設及び管理を行なうことができるようにいたしました。
第二に、日本道路公団は、トラックターミナル、貨物保管施設等の施設の建設、管理に関し、これらの業務を行なうことを主たる目的とする事業に投資することができることといたしました。
次に、日本道路公団の余裕金の運用につきまして、現在は国債の保有、銀行への預金または郵便貯金のみが認められておりますが、建設大臣の指定する有価証券の取得も行ない得るよう規定を改めることといたしました。
その他、日本道路公団の監事の職務及び権限、役員の欠格条項並びに大蔵大臣または運輸大臣との協議の規定につきまして、所要の改正を行なうことといたしました。
なお、この法律は、公布の日から施行することといたしました。
以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決いただきますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/2
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003・木村武雄
○木村委員長 以上で提案理由の説明聴取は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ります。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/3
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004・木村武雄
○木村委員長 次に、第七十一回国会から継続審議となっております内閣提出、工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/4
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005・木村武雄
○木村委員長 この際おはかりいたします。
ただいま議題となりました両案につきましては、第七十一回国会におきましてすでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これを省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/5
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006・木村武雄
○木村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/6
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007・木村武雄
○木村委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺惣蔵君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/7
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008・渡辺惣蔵
○渡辺(惣)委員 質疑の冒頭にあたりまして、国総法をめぐるいろいろな審議にあたりまして、特に、国総法は審議未了、たな上げにするという姿勢の上に立って国土利用計画法を議員立法に取りまとめられた委員長の御努力に対し、また委員各位に敬意を表するものであります。
それを特に冒頭に申し上げます理由は、いま審議されます工業再配置・産炭地域振興公団法の一部改正案は国総法と関連法案の一つでありますから、国総法を中心とする国土開発庁設置法並びに国総公団法の設置という三位一体のつながりの上に立っておるわけです。したがいまして、当然、国総法の取り扱い方、国総法の審議の精神、理念、方向というものは、同時にこの法律の審議にあたっても同断のものでなければならないと思うからであります。したがいまして、この法案につきましてはひとつ格段の配慮を願いたいということを、冒頭に希望申し上げる次第です。
問題になりますこの本日提案されましたのは、いま委員長のお話によると、七十一国会で提案理由の説明があった。われわれは忘れておるころであると思います。大臣も、どういう提案の説明をされたかも記憶されておらないくらいだと思いますが、この法案は非常に奇妙な部面を持った法律で、どうももう一ぺん大臣の説明を受けなければ理解に苦しまざるを得ないわけです。およそ二年間のうちに名称が三回も変わっておる。産炭地振興事業団法というのは昭和三十七年の四月に制定された法律でありますが、その法律の上に工場再配置という冠詞をつけて、これを新しく立法したのは四十七年、おととしのことであります。ところが、実施して一年もたたないうちに、今度は四十八年になりますと、国土総合開発公団法案としてカムフラージュして出てきたわけです。その出てきた理由は、法案の内容よりも、むしろ国総法に対応する国総公団設置の精神に立って、それを実施機関としてまとめようとしたところに無理があったわけです。
ところが、提案説明後一度も審議をせずに継続審議になり今日に至ったわけですが、そのうちにきょう、公団法の一部改正法律案の中にこういう文書が入っておるわけです。「工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案の修正骨子 一、改組、拡充後の公団の名称を「国土総合開発公団」から「地域振興整備公団」に改めること」。二項目として「筑波研究学園都市建設事業を日本住宅公団から引き継ぐこととしているのを改め、同事業は同公団に引き継ぎ実施させること」。こういう二つが実は委員会の審議抜きですでにあらためて修正案が出てきておる。もちろん私ども建設委員ですから、裏の話は承知の上で申し上げておるのですよ。しかし、国会の当然の審議にかけないで、一ぺんも質疑討論もしないうちに修正案が出されてきた。まことに国会審議の経過に徴してみても類例のない法律案審議の形態である、奇妙きてれつなものだと思うのです。一体これによって何を意味してこの法案を出そうとしているか。
したがって、こういうふうに変わってまいりますと、この法案は何かためにする法律として出されてきているのではないか。法案自身が意味するもののまじめな追求をしようとするのではなくて、非常に政治的法案である。法案としては意味がない法律である、こう判断せざるを得ないのですが、大臣といたしましては、提案当時の七十一議会の提案説明趣旨を回想しながら、明快な答弁をひとつ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/8
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009・小坂徳三郎
○小坂国務大臣 お答え申し上げます。
今度御提案申し上げておるものがまた名称が変わっておるということは、すでに委員も御承知のとおりの経過の中で、国土利用計画法という新しい法律ができ上がっておるわけでございます。しかし、この国土利用計画法の骨子となるものは、現在の地価の問題、あるいは都市の過密、過疎の問題等について、新しい角度から国民の生活の安定をはかろうという御趣旨であることは、私はまことにそのとおりだと考えておりますが、同時に、前回提案申し上げたときもすでに日本の全国土をおおっておること、都市の過密状態、そしてまた一方における過疎の状態という、この日本の国土全体が非常なアンバランスになっているというこの事態は、当時御提案申し上げました提案理由の中の大きなものであるわけでございます。今日に至りましてもこの国土の過密と過疎の問題は少しもまだ解消されておらない。のみならず、この状態をただ放置いたしておりますと、ますます過疎となり過密となるということは、これは何人も否定できないものではないかと考えるわけでございます。
したがいまして、今回の御提案申し上げておる改組は、そのもの自体が過疎過密をなくすための一つの公団の機能を付与しようということでありますし、それの具体的な方策としての地方都市の整備ということ、同時に、地方都市における市民の生活が大都市における市民の生活に何ら劣らないようなものをつくるということを本旨といたしておるわけでございまして、その意味での御提案であるわけでございます。
それからもう一つは、現在あります公団の上に地方都市の開発、振興というようなことを含めてその任務を与えましたのは、公団を幾つもどんどんとつくっていくことよりも、現在あります公団の機能を拡充していくということがより合理的ではないか。それらの点につきましては、前回御提案申し上げたものとは趣旨において変わっておらないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/9
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010・渡辺惣蔵
○渡辺(惣)委員 この質疑をするにあたりまして、いろいろな資料が出ておりますが、特に私はこれから質疑します資料は「工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案新旧対照表」を土台にして質疑をしたいと思います。お互いに質疑応答の手順がありますから、問題の範囲をここに区切って質疑をしたいと思います。
いま総理府長官から答弁がございましたが、私は、特にこの法律を国総公団法と修正しようとする主要な法改正の中心は、第一条の「目的」と第十九条の「業務の範囲」という項目に問題の中心があると受けとめておるわけです。その他にもいろいろ問題がありますが、その受けとめ方が問題になってくると思います。そうしますと、旧法の、現行法の第一条のこの公団の目的とするところと、新法、改正案の第一条の目的とするところが、一体どういうように変えられてきておるかと申しますと、新法のほうは、「地域社会の中心となる都市の開発整備及び特定の地域の総合的かつ計画的な開発整備に必要な業務並びに工業の再配置の促進に必要な業務を行ない」、この項目が一項入ってきているのですね。従来の文字の入れかえはありますが、第一条の「目的」から見ますと、きわ立って変わっておるのは開発行為の項目が入ってきている。しかもそれは特定地域の開発行為が問題提起されてきているという点で、従来の現行法と新法提案の目的が根本的に違うと思うのであります。それを受けて、この国総公団法の第三章「業務」、第十九条では「業務の範囲」についてもっと明確になっております。
第十九条は八項目にわたっておりますが、その第八号の「第一号、第三号及び第四号に掲げるもののほか」と区切って、「総合的かつ計画的に実施すべき特定の地域の開発整備のための大規模な事業の施行に係る業務で政令で定めるものを行なう」と政令で巧みに逃げているわけですが、大規模開発計画が国総公団法のねらいである、それが根本的なねらいとしてこの法改正が企てられておるということになりますと、これの原法になります、柱の法律になります国総法の場合は、特定地域の開発行為についてはこれを削除して、そして国土利用計画法を策定した。いま前段に総理府長官から話がありました地価の問題とかその他の問題は、そちらに属するわけです。
ところが、開発規制の問題について、特定地域の開発問題を、一つの基本法としての土地法規では分離をしておきながら、ここでは巧みに織り込んで、そこを拡大解釈して行なう。しかもその行なうのは、法律に特に明示しないで、わざわざ政令で行なうと指示したのは、政令とはどういうものか明らかにしてもらいたいと思うのです。目的は、この基本的な国総公団法の改正の意図するものは、ここでないのか。ここをねらって法改正を企てておるのではないか。とすれば当然、どういうことを政令で規定して、政令で逃げようとしているのか、所信を明らかにしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/10
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011・小坂徳三郎
○小坂国務大臣 お答え申し上げます。
大規模のプロジェクトに関しまして一応そのようなことばになっておりますが、今後の運営におきましては、はっきりしておることは、地方自治体の要請に基づいてのみこの公団は発動するという姿勢をとるつもりでございます。つまり公団が自主的に先に走ってどんどん都市開発をやっていくということではなしに、あくまでも地方自治体からの要請を受けて行動すること。同時にまた、その要請を受けて計画をつくります場合も、地方自治体との連絡、そしてまた意見聴取等々、十分に踏まえて実行していくということで運用をはかってまいりたいというふうに考えておるものでございます。したがいまして、抜き打ち的にただ開発を促進するためにこの公団を置くというものではないのでございまして、むしろ地方自治体の要請に基づいて、またその地方自治体の手に負えないようなプロジェクトが出た場合に、それに対する協力、援助、技術的にもまた資金的にもそうしたものをいたそうということを公団の本務にしてまいりたい。また、そのような方針を今後貫いてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/11
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012・渡辺惣蔵
○渡辺(惣)委員 いまの総理府長官の答弁ですが、一体開発の方法については、現在の公団が行なっております業務は、現実に出ておりますのは百ヘクタールから四百ヘクタール程度のものでありまして、全体の開発計画から見れば、工場団地計画から見たら、それはわざわざ公団の手をわずらわさなくても、市町村の自治体の段階でやっているのです。市町村の段階では、それぞれ土地公社、開発公社等をつくって、そして地域の性格に応じた、地元の要望と密着した地域性を持った開発が行なわれている。それが要するに財政の援助が足らないだけで停とんしているので、やろうと思えば、そういう百ヘクタールの規模のものは随所に市町村自治体の中で施行される。
そうすると、ここでいま、一体大規模のプロジェクトというのはどの程度を言うのか、中規模とはどうなのか、小規模とはどうなのかという問題点になってまいりますが、そうすれば、筑波学園都市など、これは三千四百ヘクタールもあるわけですから、日本の国土から見ますと大規模の部類に属するわけです。あるいは北海道の苫小牧東部開発の一万三千ヘクタール、あるいは志布志湾、あるいはむつ小川原等がいずれも大規模開発に属することだと思いますが、一体いまの政府の考え方は、修正案が出されますれば別ですが、現行の提案のままでは、筑波学園都市大規模開発も抱いているのですよ。地元の要請に基づいて、あるいは委託によってやるのではなくて、国が、住宅公団が現に長年苦労してやってきているやつをひっぺがして、そして何も仕事がないこの公団に仕事を与えよう、業務としての範囲に加えることによって大義名分を与えて、そういうことを国の国総法に基づいてこの公団が実施部隊としてやるんだという姿勢を出してきているのが、特にまだ修正の削除の提案がございませんから、現実に法案に、原本に残っている。いまの総理府長官の御答弁は、あいまいもことした地方自治体の委託、要請。ここにも法案の中に、委託と要請の二つのことが——委託と要請とどう違うのだかも私はわからないのですが、委託によるか要請によって地方自治体に協力する、こういう姿勢だと言いますが、地方自治体とかかわりなしに、現実にこの法案の中には筑波学園都市構想が入っている。入っているのはどういう理由か。
そういう大規模開発に属する、国の国総法が施行された場合はその実施部隊としての任務を遂行するというワクを設けて、そういう姿勢をつくり、そういうことが可能なように順次目的を変更させ、そして第十九条の「業務の範囲」を拡大して、いつでもそれを受けとめられるような姿勢にしてきたというところにこの法案の問題点があるわけです。むしろ運命的なつながりを持って、国総法が否決されれば否決されるのが当然です。国総法が再検討されれば、これも根源的に再検討をされなければならない宿命的なものを持っていると私は受けとめるのです。
それでは、まだ修正が出てない前ですからあらためて承りますが、一体、筑波学園都市等大コンビナートをこれに加えたのは、どういう趣旨で、どういう構想からそうなさったのか。もし撤回するんだということだったら、どういうことで撤回なさるのか。その意味を明らかにしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/12
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013・粟屋敏信
○粟屋政府委員 お答え申し上げます。
工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正いたしまして、新たな業務を追加して御審議を願っておるわけでございますが、新たに加えようとしております業務は、いずれも地域社会、地域振興に関係のある業務である、地方都市の整備と地域振興のためにきわめて有用である地域開発事業、この二つを追加しようという趣旨でございます。
先生御指摘の、業務の規定の中に第十九条で加えたわけでございますけれども、いわゆる総合的かつ計画的に実施すべき大規模な地域開発事業、これについて具体的に例を申し上げますと、政府として一応考えておりますのは、大規模なレクリエーション地域の問題でございますとか、あるいは、地方都市を整備いたします場合に、地方都市の整備にかかる市街地の開発事業がかなり大規模なものになりまして、それに鉄道等の敷設が必要な場合に鉄道等の建設の事業をやろうというような考えでございます。これを政令できめるわけでございますけれども、政令の立案にあたっては、地方公共団体の意見を聞いて行なうということにいたしておるわけでございます。
なお、筑波研究学園都市建設事業につきましては、原案におきましては、附則の規定によりまして、住宅公団が実施しておりますものを新公団に引き継いで実施するということにいたしておるわけでございますが、その趣旨は、筑波研究学園都市建設事業が、住宅団地のみならず官公庁団地その他関連公共施設を相当の規模にわたって実施いたしますので、これにつきましては、やはり地方都市の整備というものと関連をさせながら新しい公団で所掌させることが理論的には適当であるということで御提案申し上げたわけでございますが、昨年御提案申し上げた時期におきましては、総事業費千二百億円のうち住宅公団で三百億円だけ施行しておりまして、残り四分の三の九百億円が残事業として残っておったわけでございます。ところが、一年間御審議をいただきまして成立をいたしませんで、四十八年度は住宅公団で引き続き実施をいたしたわけでございますが、その間三百億円さらに事業を実施いたしまして、約半分の事業が完成したわけでございます。したがいまして、残事業につきましてはむしろ住宅公団に引き続きやっていただいたほうが適切であるという判断をいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/13
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014・渡辺惣蔵
○渡辺(惣)委員 そういういまの説明から見ても、法案作成の意図と反する結果が出てきている。展望を間違っている。この提案の時期において、筑波学園都市をも含めるという、そういう提案の中身自身が、政治的判断、行政的判断に誤りをおかしたのではないか。それが法律の中にあらわれてきているということを指摘しなければならぬと思うのです。
その他業務の中で、たとえば、工場に関連する住宅とか、流通施設であるとか、あるいは公園であるとか下水道なんというものをするのだという項目を別に具体的にあげてきているわけですね。あげてこなくなって、そんなことは工業再配置のあたりまえの仕事でしょう。人間が住みそこに生産職場ができれば、現行法でもその程度のことをやるのは、断わらなくても当然の仕事ですよ。下水道とか小公園だとか工場に付帯する住宅の施設なんというものはそうです。問題は、そういうことを口実にしてこの法律の改正を意図したが、実際は大規模開発をこの中へ受けとめよう、これが代行し得るようにしよう。筑波学園都市づくりに口実を設けて、やれてもやれなくてもこれを項目に入れることによって将来そういう方向に進むのだ。だから、筑波学園都市は業務の途中で、公団が手がけて施行したからこれは渡したのだ。それと同じ理念は、いま全国に他の学園都市づくりが問題になってきているが、そうすると筑波学園以外の学園都市は、この公団がやるという姿勢に受けとめられるわけですね。それともそういう種類のものには手をつけないのだという考え方か。これは経過的に現実に住宅公団がやっていた途中だから、いろいろ問題も出てきたし、やかましいことになってくるし、政治的にも問題があるからやめた。しかし、あらためてさら地で学園都市づくりをやるということになると、この公団がやるということになってまいりますね。そこのところは、そういうものは手をつけないのだ、特定地域の開発行為に手をつけないのだというのか。特定地域開発と、今度看板が塗りかえられようとする地域振興整備とどう違うのですか。特定地域開発というのは、特定の都道府県、市町村等が国と共同して現実にやっている。それを全部含めるということになると膨大な事業量になってくる。そういう計画を実際は伏線に特定地域開発がねらいであって、名目は、特定地域開発というと国総法の審議の過程でも非常に神経がぴりぴりくるので、そこを避けて通ろう。その看板は地域振興整備法としたが、しかし中身は特定地域の開発が重点だ、仕事もそのほうがおもしろいし意味がある、やりがいがある、そういう方向で、現実に依然として日本列島改造計画がこの法案の中にしみ込んで、最後まで亡霊になってつきまとってくる、こういう考え方を明らかにしてもらいたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/14
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015・粟屋敏信
○粟屋政府委員 地域開発事業でどういうものをやるかということにつきましては、先ほど私が申し上げましたように、大規模レクリエーション基地とか、あるいは地方都市を整備するにあたりまして、それが相当な規模にわたって鉄道施設等を必要とする場合に鉄道事業を行なうということを当面考えておるわけでございます。
先生の御質問でございました学園都市でございますけれども、学園都市を単独に行なうということは、この法律では考えておりませんで、たとえば、現在広島におきまして、広島大学を西条にリプレースをいたしまして、その学園を中心として、広島の都市整備と関連をさせながら十二万ぐらいの都市整備を考えておられるようでございますが、そういうふうな地域社会の中心となるようなふさわしい都市形成、その一環としての学園の整備というような点で考えておるわけでございます。
なお、地域開発事業につきましては、政令の立案にあたって意見を聞くとともに、これまた地方公共団体の要請を待って実施をすることにいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/15
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016・渡辺惣蔵
○渡辺(惣)委員 私、どうしてもこの法案の審議にあたって疑念が晴れないのは、第一条及び第十九条の「特定の地域の開発」、この場合における特定とは何を意味するのだ。従来のわれわれの法律慣用語として、特定地域の開発というものは大規模開発を意味するんだ。特定の地方自治体の手に負えない大がかりな、複数の県にまたがったり、あるいは複数の市町村にまたがったりする相当大規模な開発機能を持つものを特定地域とわれわれは概称してきているのです。そうすると、ここでいう特定の地域の開発行為というものと地域振興整備ということとはどうつながるんだ。羊頭を掲げて狗肉を売るような法案ではないのか。あらためてその区別を明らかにしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/16
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017・粟屋敏信
○粟屋政府委員 特定の地域ということに特段の意味を持っているとは私どもは考えておりませんで、あくまでも地域の振興整備のための、ほんとうに地域の役に立つ事業というふうに考えておるわけでございます。そういう意味で地域振興整備というふうに御理解いただければ幸いだろうと思うわけでございます。先生御懸念の、たとえばむつ小川原でございますとか、志布志とか、そういういわゆる大産業基地等のいわゆる大プロ、これをやるための規定というふうに私どもは理解をしておりませんし、運用におきましても、そういうことはいたさないつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/17
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018・渡辺惣蔵
○渡辺(惣)委員 それは法律の成立の過程から見ると新産都市法の化けものみたいな法律ですから、新産都市がさっぱりだめになったから、あらためて工業再配置ということでカムフラージュして出てきておるという、精神は新産都市の精神であろうと思います。
それでは具体的にお伺いしますが、この工業再配置公団法ができましてまる二年経過するわけですが、一体どういう仕事が行なわれておりますかということです。きのういただいた資料によりますと、山形県の米沢市で約四百三十ヘクタール、これが最高であります。その次は岡山県の勝央町で百ヘクタール。それから佐賀県の東部工業団地で百二十七ヘクタール。島根県長浜工業団地では約百ヘクタール。大体四つしか手がついていない。この程度のものは、公団でなくても、地方自治体の土地開発公社や地方自治体自身や第三セクター、そういう組織で現実にやっているのです。だから私はきのうも要請した。きょう係官いらっしゃると思う。全国の地方自治体が地域開発整備のためにやっている、この程度の百ヘクタール以上の全報告を求める。一体公団をもってしなければできないのか。そういう任務は、すでにそれぞれの地域社会で、地域住民とつながる中で話し合いをして当然とられている開発手法ですよ。その中には、当然道路もつければ住宅も並行する、公園もつくる、流通機構も整う、文化施設も整う。何もこの法律をもってわざわざ断らなくてもできる。そういう法文を作成することによって、法の改正の根源的な理由だとされる理由はないと思うのです。現実に事実は進行しています。答弁なさい。
百ヘクタール以上のこういう小規模団地の開発計画がどの程度いま全国で行なわれているか。無数なものですよ。その中で二年間かかってたった四カ所。四百人の職員をかかえて、そのうちの半分は産炭地域振興事業の関係ですが、工業再配置の関連する職員は約二百人。もちろん業務専門にやっていらっしゃらない人もあるでしょう。管理業務をやっている人もありますが、しかし二年間でたった四カ所しかできない。そういうような非能率的で、しかもできないのは何であるか。それはこの種の地域振興計画というものは地方自治体にまかせるべきだということです。地方自治体が先行しておるということです。地方自治体が実施しておるということですよ、それぞれ機関を持って。振興公社なり開発公社を持って実施しておる。苦労しておる。だから、そこに財政的援助さえ与えれば、地方は地方の状況に応じてやっていける。問題は、あくまでも中央集権的に国が三割自治で金を握って、頭を下げなければしてやらない、こういう姿勢だから非常に戸惑っておるけれども、現実には地方自治体でどんどんやっておる。一体、これだけの大法案を出してくるのですから、地方自治体が百ヘクタールから四百ヘクタールにわたるどれくらいの開発を実施しておるか、ひとつ比較を明らかにしてください。公団と地方自治体の力量の評定にもなる。実施の機能、能力の問題も出てくると思うのです。明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/18
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019・江口裕通
○江口政府委員 ただいまの御質問の点でございますが、現在通商産業省のほうで四十七年末で調査をいたした資料がございます。それによりますと、団地数、いわゆる主として内陸団地でございますが、地方公共団体あるいは第三セクター、あるいは公団、そういったもの、それから地方の開発公社等、全部合わせまして約八百団地ございます。面積にいたしまして二万七千ヘクタールでございます。一団地当たり約三十ないし三十五ヘクタール程度になろうかと考えられます。その中で問題になります、いま御指摘のございました百ヘクタール以上のものでございますが、これは約六十程度ございます。厳密に申しますと、私どもの調査では六十二団地くらいになっております。そのうちさらに、地方公共団体あるいは開発公社、第三セクターといった地元の団体、地方自治団体が中心となって造成をいたしておりますものでありまして、しかも百ヘクタールをこえておる分というのは大体五%程度、四十程度でございます。
このような状況から考えますと、御指摘のように、地方の実情に沿いまして、百ヘクタール程度のものであれば地方自治体がやるということは、確かに理想としてはそういうことになろうかと思いますが、現実には百ヘクタールの団地と申しますと、大体ヘクタール当たり五千万程度の金が要るようにいわれておりますので、大体五十億ということに相なるかと思いますが、かなり資金的なリスクもございます。それからさらに技術的な問題もございましょうし、いろいろ困難な問題が現実にはなおあるのではないかと考えられるわけでございます。したがって、現在の公団法におきましては、公団が地方自治体の要請を受けて、地方の意向を尊重しながら造成していくということがやはり適当ではないかというふうに考えておるわけでございます。
なお御指摘の点で、このように公団の発足後二年を経過いたしましてなお四団地であるという御指摘でございますが、何ぶんこういった事業は地方の住民の皆さんの御趣旨を十分そんたくしていかなければいけないということでございまして、それを具体的に表明いたしますものといたしまして、地方自治団体からの要請という制度をとっております。この要請が行なわれましたのは、実はこの四団地につきましては四十八年の下期以降でございまして、それから急遽整備に入ってきておる、かような状況でございます。実情は以上のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/19
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020・渡辺惣蔵
○渡辺(惣)委員 いまの答弁で明らかになっておりますように、百ヘクタール以上の団地が六十カ所も現地地方自治体で進行している。六十カ所と四カ所ですからたいへんな差があるわけです。しかも創業二年にわたってようやく四カ所。完成したところは一カ所もない。この公団のPR誌の「新日本列島」、これはあとで触れますが、この中で米沢の団地が第一号です。たった一つですよ。第一号として鬼の首を取ったように大々的にPRしている。これが状況なんですよ。そんなマンマンデーでやっても、地方ではどんどん実情に即して、地域住民との話し合い、共同によって進行している。しかも地方自治体でそういう事態が進行しているのに財政的援助さえ与えない。公団が出す建設公債の規定もありますが、そういうことを地方自治体にどんどんやらせて、地方自治体に財政的安定ができればどんどんやれますよ。地方自治体の要請がなければというが、地方自治体でやっているものを要請するわけがないですよ。それは地方自治体では手に負えないものは持ち込んでくるでしょう、やむを得ぬから。やむを得ぬものが来るだけで全体としては来ない。
したがって、やがて修正案が出るでしょうが、この法案が修正される時点で、特に第一条及び第十九条における特定地域の開発行為については削除すべきである。法案自身の改正に反対ですが、特にこの第一条の中に開発行為を指摘しているのと、第十九条の中において大規模開発とうたってきている。こういう状況は明らかに問題のすりかえである。これを削除すべきであるという提案を申し上げておきます。
もう一つ、第二の問題は、この法案の新旧対照表によると、驚くべきことは主務大臣の名前が一つも出てこない。きょうは大臣お二人に御出席いただいておりますが、建設大臣も総理府長官も全然名前が出てこない。たった一カ所、財政措置の場合は総理府長官の政令にまつ、こういう規定があるだけで、総理府長官の権限はこの財政計画に対してだけであって、たぶん実施計画は建設大臣だと思う。それから工業再配置や産業政策にかかわるものは通産大臣だと思う。現行法によれば、工業再配置・産炭地域振興公団法の主務大臣は全面的に通産大臣になっている。はっきりしている。全部通産大臣の認可事項になっている。ところが驚くべきことは、国総公団を特別視したからこういう結果になったと思うのですが、全部総理大臣権限に属するのです。驚くべきことは、三十二条しかない法律の中で三十四も総理大臣の名前が出てくるのですよ。驚くべき法律ですよ。そんな自主性のないでたらめな法律は見たこともない。つくったこともないだろうと思うのです。総理大臣及び主務大臣云々と書いておる。総理大臣が何のために出てくるのだ。出しゃばるのもいいかげんにしたほうがいい。まかすべきものはまかすべきだ。一体大臣を信任していないのか。二人の大臣もあまり信用されてないのですか。当然権限をまかせて大臣を信任して行なうべきである。この法律に三十四カ所総理大臣の名前が出てくるのですよ。こんなばかな法律がありますか。
ことに問題になりますのは、法律の体系が矛盾していると思うのです。この法律によれば、公団の総裁の任命権は主務大臣にないのですね。総理大臣にあるのですね。総理大臣権限でこの公団の総裁と監事を任命する。そしてあとは総裁が副総裁及び理事を任命するという形。これはまあどこでもある手法ですから、それは文句をつけるというのでないのです。総理大臣が何で主務大臣にそういう権限を委譲しないのです。現行法によれば全部通産大臣の権限ですよ。ところが国総公団法に限って、今度は総理大臣が出しゃばって出てきて、公団の総裁から監事の任命、全部それを総理大臣が握る。主務大臣の全然権限外に属する。ところが、この国総公団総裁となられる人の位置は一体どういう位置なのか。どういう格づけをしているか知らぬですが、現実に住宅公団法を調べてみても、総裁と監事の任命権は建設大臣である。明らかである。同じ時期に出てきている法律、宅地開発公団法の規定によれば、これも建設大臣が総裁を任命する。何で一体国総公団法に限って、主務大臣が現に持っておる権限、任命権を奪い取って総理大臣が握る。これは非常に政治的にも疑義が出てくると思うのです。さような特定の個人、総括者である総理大臣が、各省にまたがる業務まで一々ぶんどって、そうして総裁の任命その他の人事権を握る。人事権を握ることによって意のままにこれを左右する、こういう考え方であると思うのです。したがいまして、総理大臣の権限について、カットすべきところは全部カットすべきだ。もっと主管大臣の責任を明らかにすべきだと思う。
とにかく、現にこういう一切の任命権を持つ総理大臣が来てないでしょう。われわれは総理大臣とこれを詰めることが重要なんです。総理大臣は雲の上にいて、そして委員会に出て苦労されておる主管大臣には何も権限が与えられてない。ばかなことがありますか。この際この法案を修正するというなら、ひとつ全面的に総理大臣の権限調整について検討願いたい。特に委員長、理事諸公等についても、話し合いの中で修正案を提出する場合は調整に配慮を願いたいことを、委員長を含めて希望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/20
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021・粟屋敏信
○粟屋政府委員 ただいまの主務大臣に関する御質問に対して御答弁申し上げます。
この公団の改正を認めていただきますれば、新しい公団は、地方都市の開発整備業務等、工業再配置業務及び産炭地域振興業務の三つの業務を所掌するわけでございます。これらの事業について見ますと、地方都市整備業務につきましては建設省の従来から所管でございますし、工業再配置・産炭地域振興業務については通商産業省の所管でございます。こういうふうに一つの公団が二以上の省庁の所掌にわたる事業を実施いたします場合に、一体公団の監督体制をどうすればいいかという問題が発生するわけでございます。そこでわれわれといたしましては、一般管理業務と事業の実施との二つに業務を分類いたしまして、事業の実施につきましては各事業の所管大臣が監督をする、一般管理業務、すなわちこれは共通部面でございますが、これは公団の監督の一体性を確保するという見地で内閣総理大臣に権限を与えたわけでございます。
なお、これと全く同一の例でございますけれども、水資源開発公団が同様の体制をとっておるわけでございます。水資源開発公団は御承知のように多目的ダム等の施設を建設するわけでございますが、その施設によりまして、農林大臣、建設大臣、あるいは通産大臣、厚生大臣等の所掌する施設があるわけでございますので、それぞれの事業の実施については各所管大臣が監督をいたしますけれども、共通的な管理業務につきましては内閣総理大臣が監督権を有し、また総裁等の任命権も有しているというような事例にならったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/21
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022・渡辺惣蔵
○渡辺(惣)委員 特に水資源公団を例にとりましてお話しでありましたが、国総公団の場合も住宅公団や宅地公団と同様な取り扱いにすべきである、権限を委譲すべきである、そういう点を強調いたしておきます。特に修正の場合において、その点についてももう一ぺん御検討を願いたいと思います。
どうしてもこの法案を審議して印象に残りますのは、国総法の亡霊がつきまとっておるということであります。国土開発庁が国土庁になることによって質的に全く違う官庁になるということを皆さん御検討済みだと思います。したがいまして、この国総公団法についても、地域振興整備公団となりますと性格も当然変わらなければならぬ。焦点も政治的なねらいも目標も変わらなければならぬ。もっとそういう点については謙虚に反省すべきである。今日、国総計画についてどういう国民的な反応を持っているかということは、ここでそれを悪さだけを象徴するような道を歩くことは非常に危険であるということを強調しておきたいと思います。
特に、これは全く事務的なこまかな話ですが、何かこの現行の公団は非常に政治的なねらいがあるような気がしてやまないのです。日本列島改造計画の亜流である、日本列島改造計画の先兵をもって任じているのではあるまいか。行政官庁として、あるいは公共機関としてそういう特定の意識を持って特定の方向を志向することは危険である、誤りであると私は思うのです。それが象徴されているこのPR誌、広報誌の「新日本列島」です。わざわざ田中角榮の、名づけ親かもしれませんが、そういうようなこだわった姿勢ですね。政治団体か思想団体か、特定の目的を持った事業計画を進めるのではないかという不安が出てしょうがない。中身も同じですよ。業務報告も何もないが、全部日本列島改造計画のPRばかりです。そういう公団が必要以上に疑惑を持たれている、あるいは関心を持たれたりする理由は、いろいろなこれからの進行過程にも非常に重大な影響をもたらすと思いますので、事務的な話ですが、特に指導官庁として、そのような誤りをおかさしめないように適切に指導されることを要望いたしまして、私の質疑を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/22
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023・木村武雄
○木村委員長 井上普方君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/23
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024・井上普方
○井上(普)委員 このたび都市計画法の一部改正及び建築基準法の一部改正が出ておりますので、この点についてお伺いいたします。
都市計画法の一部改正が出されておるわけでありますが、一つの法律をつくった場合に、その法律がいかなる効果を発揮しておるか、そして法律を制定したときの目的がどのように達成せられておるかということを十分に調査、御研究なさる必要が私はあると思うのです。当然やられておると思います。都市計画法をつくられてからもうすでに五年たっておるのでございます。したがいましてその事後調査というものは十分になされたと私は思う。この結果について建設大臣より、都市計画法を実施し所期の目的が達成されておるかどうか、あるいは足らざるところはどういうところであったか、この点をひとつ明らかにしていただきたいと存ずるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/24
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025・亀岡高夫
○亀岡国務大臣 国会で御制定いただきました法律につきまして、井上委員の仰せのとおり、その法律的な効果というものを行政当局が常に把握をするということは、これはもう当然なことであり、われわれとしては常にその態勢をとって進まなければならないということは、仰せのとおりでございます。したがいまして、都市計画法制定以来、いろいろな面で、効果も発揚はいたし、そして都市地域住民の方々のしあわせにつながる諸施設等が整備されておることも事実でございます。しかし、やはり実施している間に、こうもすればいい、ああもすればいいということも実は明らかになってきておるわけでございます。そういう意味におきまして、まあ今回改正案を出しておる次第でございまして、具体的にどういう効果を発揮しておるかということにつきましては、事務当局から答弁をさせていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/25
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026・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 新都市計画法の一番基本的ないわゆる線引きの問題等は、いろいろむずかしい問題もありましたが、当初予定いたしました九六%の市町村がこれを完了しておる。その他、その後成立いたしました建築基準法の改正等に伴う新しい用途地域も昨年末にすべて完了したわけでございます。
ただ、施行後の実態を振り返って見ますと、そういった計画決定自体はかなり進んだと考えておりますが、肝心の市街化区域内その他の必要なところにおきます道路、下水道、都市公園等の公共施設の整備というものが、かなり重点は置いたものの、まだまだ豊かな健康な都市、市街地を形成するというにはほど遠い現状にあります。今後大幅にこの種の事業の促進をはかる必要がある。下水道などは、かなり国民的な世論も盛り上がりまして、ようやく本格的な軌道に乗ってきたと思いますので、本年度から実施いたします補助率アップと相まちまして、今後の大幅な促進を努力したいと思っております。
何と申しましても、最大の問題点、都市計画法が十分に機能していない点は、大都市圏における住宅宅地不足、この対処策であろうと思います。いろいろな制度面は並べてあるわけでございますが、現実に地方公共団体との受け入れの問題、あるいは用地の取得の問題等困難な点が多くて、むしろ最近では、この種の新しい住宅地開発、あるいは住宅建設というものがとんざしている傾向にあるということは、まことに反省しなければならないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/26
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027・井上普方
○井上(普)委員 この点、都市計画法を策定する際には、私どもは、審議にあたりましてまず第一番に考えられたのは、都市施設がはたして十分にできるであろうかということでありました。市街化区域を設定することによってスプロール化を防ぎ、かつまた市街化区域に濃密なる都市施設をやるのだ、こういう趣旨でございました。しかし、そのほんとうの意味もここに薄れ、ただいまの局長の御答弁によりますと、十分になされていないということでございます。
さらに私どもは、審議に際しまして、市街化区域と調整区域とを分けると必ず市街化区域の地価というものが非常に高騰するであろう、そうなると、住宅を大量に建設するという目的も、これまたできなくなるんではなかろうかということを強く指摘したところであります。ただいまのお話によりますと、それらの諸点につきましてはなはだ不十分な結果が出てきておる。私は、事務当局のまことに率直なる御答弁ではございましたけれども、これらに対する対策というのを怠っておるのではなかろうか、このように考えられるのであります。
法律ができてから五年間でございますので、もうすでにいろいろな面が出ておると思うのでありますけれども、それらについての対策が十分になされてない。特に、これらの点を考えまして付帯決議をつけたはずであります。すなわち第一項は、「地価の抑制に資するため、すみやかに、地価公示制度の実施、宅地の大量かつ計画的な供給等の措置を講ずること」ということをあげております。すなわち、この都市計画法の設定によって、これらの大量の宅地を供給することがそこなわれるおそれがあるがために附帯決議をつけたのであります。しかし、地価抑制のために地価公示制度の実施ということを言ったのでありますが、つくられた法律といいますものは、これは地価の指標となるための法律でございまして、実際には時価を追認する形になっておるのであります。でありますがゆえに、公示制度そのものの当初附帯決議につけた意味合いというものはなくなってきておるのであります。こういうようなことから考えますと、この都市計画法をつくった最初の精神というもの、趣旨というものがあまり発揮できていない結果を私どもははなはだ残念に思うのであります。一方、住むほうの住民にいたしますというと、これは非常な不便が出てきております。それは、国土の有効的な利用というような点からいたしますと、地域区分をつくることも私は必要だと思います。そしてまた、そのところに濃密なる都市施設を集中する、同時に他方においては地価を安定させる、高騰を押える処置が必要でなかったかと思うのであります。この点、政府の五年間の施策というものが逆目、逆目に出てきたことは御存じのとおりであります。
特に、この間ひそかに承るところによると、田中総理は、いや、地価が上がったのは「日本列島改造論」を出したがためじゃない、都市計画法をつくったから上がったんだということをひそかに語っておるということを私は聞きまして、責任のない総理大臣の発言を憤慨もいたしますし、一面また、地価高騰の原因を都市計画法に求める総理の気持ちも、私はわからぬではないと思うのであります。しかも、その地価の高騰のおそれということは、都市計画法審議の際に、この点は強く与野党とも主張いたしておったところであります。都市計画法が実施されまして、総理大臣ですら都市計画法によって地価が上がったんだということをおっしゃっておる実態を見ますときに、一体これに対する処置というものがはなはだ不適切であったことを残念に思うのであります。
その際、私どもは強く要求いたしたのでありますが、都市計画法が実施されて、市街化区域あるいは市街化調整区域ということに分けると、市街化区域がものすごく上がるに違いないということを私どもは指摘いたしました。その際事務当局はどう言ったかといいますと、いや市街化区域をうんと広げたならばそういうおそれはないんだ、こういう答弁に終始したのであります。このたび私どもが市街化区域を国土利用計画法にいうところの規制区域に入れようといたしました。そうしますと、市街化区域というけれども、実際は人口四千の町村にまで及んでおるのだ。市街化区域の中におサルも出てきたりイノシシも出てきたりするところがあるのだという実態を私は知らされたのであります。そのようなおサルが出てきたりイノシシが出てきたりするところに都市施設を濃密に及ぼすことはできないのが当然であります。こういうところに先ほど吉田局長から言われたところの、都市施設、すなわち道路、都市公園あるいは下水道等々の十分にできない原因もあろうかと思うのでございます。大臣、いかがでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/27
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028・亀岡高夫
○亀岡国務大臣 都市計画法実施以来五年、現実面におきましては、井上委員の御指摘になられたような現実で進んできております部面も御指摘のとおりであると、私も実は認めておるところでございます。附帯決議にございましたこの「地価の抑制」ということは、これはもう私どもといたしましても、何としてでも抑制の実はあげていかなければならないということで、昨年の一月、地価対策閣僚協議会におきまして決定をいたしまして、そうしていわゆる土地に対する考え方というもの、私有財産としてこれをもう放置しておくというような体制のままではいかぬということで、実は私権制限という線に踏み切って、法律の中にこれを取り入れまして、国会に出しましたことは御承知のとおりであるわけでございます。また一面、線引きによりまして、市街化地域は優良なる市街地域として都市の機能を十分に発揮するだけの施設を十年間に整備しなければならないというところであるわけでございまして、この点についての対策ということにつきましても、それぞれ、都市整備五カ年計画でありますとか、下水道五カ年計画でありますとか、住宅五カ年計画でありますとか、いろいろ政府としても都市施設を充実してまいりますための措置も講じてきておるわけでございますが、御指摘のとおり、十分なところまでいっておらないということも確かでございます。
しかも地価問題につきましては、先ほどから申し上げておりますとおり、これを抑制をするという法律的措置もなかったわけでございますが、今回初めて四党の共同提案によります国土利用計画法という法律によりまして、土地問題に対する基本的な方向が定められる段階になってまいりました次第でございます。この上に立ちまして、私どもは、一そう今日までの五カ年間の経験にかんがみて、正すべきところは正し、修正すべきところは修正して、そうして今後今日までのような地価の暴騰ということが、住宅政策、あるいは下水道の整備、道路の整備等々建設行政を非常に大きくはばんできております隘路を打開していかなければならない、こんなふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/28
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029・井上普方
○井上(普)委員 ともかく都市に住む住民が快的な生活ができるために都市計画法をつくったのであります。しかし、先ほど来御指摘のように、大都市圏の住宅建設というのはとんざしておるということを局長が告白せざるを得ないような状態、あるいはまた都市施設というものが十分行なわれてない現状、これを考えますときに、所期の目的を達せない以上、一体、都市計画法というものは何であったかと疑問を持たざるを得ないのであります。
しかしながら、次から次に法律をつくることが目的じゃないと私は思う。したがいまして、一つの法律をつくるならば、これは日本の行政においては特に欠けておるところでございますが、事後調査というものを十分になさる必要があるのではないだろうか。一つの法律をつくるならば、この法律の欠陥は一体どこにあるのだろうか、そういう事後調査を十分になさって、それを直していくというやり方がいままで欠けておるのじゃなかろうかと思うのであります。これは単に都市計画法だけじゃございません。あらゆる法律において事後調査ということができていない。ここらに私は大きな原因があると思うのでありまして、この点、お二人の国務大臣がおられますので、これからつくられる法律の事後調査というもの、それがどういうふうに所期の目的を達せられつつあるかどうかということをひとつ研究される事務を国の中でつくられることを強く要望しておきたいと存ずるのであります。
第二の問題といたしまして、この都市計画法改正案といいますものは、昨日衆議院を通過いたしました国土利用計画法に基づく土地利用基本計画に即したものでなければならないと私は思います。開発規制措置が具体化したものとしての位置づけを持つものと思いますが、建設大臣はどういうようにお考えになりますか。この点、改正案について伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/29
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030・亀岡高夫
○亀岡国務大臣 もう仰せのとおりであると私も考えます。昨日衆議院で可決されました国土利用計画法の精神に沿った内容でなければならないとの仰せでございますが、私もそのとおりに受け取っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/30
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031・井上普方
○井上(普)委員 そこで問題になってまいりますのは、この改正案によりますと、都市計画予定地域というものを考えられておるようであります。これは、線引きせられていない都市計画区域において開発許可の制度を適用する、こういうようにしておりますが、しかし、これはまず線引きを行なってから適用するのがほんとうじゃございませんでしょうか。本筋じゃございませんでしょうか。あるいはまた、線引きせられていない都市計画区域において市街化区域並みの開発許可の制度を適用すること、こうなりますと、今後これらの区域において市街化調整区域の指定をどういうようにやっていくのか、困難になってきはしませんか。この点いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/31
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032・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 たてまえとしては、まず線引きを行ないまして、市街化すべき区域と、当面抑制すべき区域という意味の市街化調整区域に分けて、それをもとに開発許可制を施行するという考え方もあると思いますけれども、考えてみますと、この線引きというものは非常にきびしい権利制限を伴うわけでありまして、よほど乱開発のおそれがあるというような意味から、コンパクトに市街化区域を固め、その中で公共投資を優先的に行なうとともに、そこにのみ当面市街化を考えていくということでございますので、なかなか一般の都市にまでこれを及ぼすということはむずかしいのではないか。またそこまでの必要性も薄い。必要性が薄いのにそのような強い規制を加えるということは、国民の権利を守るという意味からも当面不適当ではないか、こう考えております。
そういうことで、現在は必要な最小限度の地域を線引き対象都市としておるということでございます。しかしながら、線引き対象になっていない都市におきましても、線引き対象都市ほどではありませんが、全国的に乱開発あるいは土地の投機的取引等が出てまいりまして、都市計画法上何にも規制力が及ばないということでは困る。現に各県等におきましても、条例あるいは要綱等によって苦心しながらこれに対処する事実上の措置をとっておられるところが非常に多いわけでありまして、このような実態も踏まえますと、線引きしない都市計画区域につきましても、線引きに先立って、あるいは線引きと無関係に最小限度の許可基準による開発許可制はしく必要がある、こう考えました。
なお、このようなことをいたしますと、将来、市街化区域、調整区域の区分自体ができにくくなるのではないかという御指摘でございますが、私どもは、開発許可制というものが一律に都市計画区域で広くとられることによって、そういった県の体制も仕上がっていきますし、将来に備えてむしろ前向きになるのではないか。なお、線引きしないところにおける許可基準は、市街化区域に適用される第三十三条という許可基準でございますが、これは市街化区域並みの許可基準という意味ではなくて、市街化区域及び調整区域に共通した許可基準が三十三条でありますから、それを適用したということでありまして、市街化調整区域ときめてない以上、やはりこれ以上にきつく許可基準を運用するというわけにもいかないのじゃないか、こう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/32
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033・井上普方
○井上(普)委員 どうも局長さん、いまの前のほうの御答弁はなるほどなと思う点もあります。後者のところはどうもあいまいもことしておるようでございますね。乱開発が行なわれておる白地地域におきまして、あるいは都市計画の白地地域において、線引き予定区域とするときには、もう線引きをしてしまったほうがはっきりしていいんじゃございませんか。そうでなければ、市街化区域、調整区域を分けるときに、住民から反対運動、賛成運動がはなはだしく起こった記憶を私どもは持つわけであります。したがって、予定地域を設定したときには、そのあとから線引きをやる、そうなりますと、これこそものすごい問題が起こってきはしないかと私は思う。いかがでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/33
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034・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 いま御指摘の予定地域というのが、この改正法案に入っております市街地開発事業等予定地域のことでございましたならば、これは市街化区域に限って指定することにいたしております。これも考え方としては、市街化調整区域であっても、まず予定区域ぐらいにはしておいて、そうして面開発の場を確保し、しかる後詳細計画を定めてから市街化区域に編入して公的機関が事業に乗り出せばいいではないかということもありますが、やはり調整区域というところで市街地開発事業を予定するというのを制度的に立てるのも不ぐあいでござますし、実際の運用としては、市街地開発事業等予定区域、つまり公的機関が大規模な住宅、市街地等を開発する予定区域を都市計画決定をする場合に、同時に市街化区域にも入れるということで、同時に都市計画決定をすることによって運用上も解決されますので、実態上も支障はない、こう考えましたので、あえてたてまえとして調整区域のままの地域に市街地開発事業予定区域を指定するということは避けたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/34
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035・井上普方
○井上(普)委員 私は、調整区域に予定区域を入れないこと、これはわかっておるのです。当然やらなければいかぬと思います。しかし、これをやろうとするのは白地地域でしょう。白地地域にこれを考えるときには、やはりそれははっきりさせたほうがいいんじゃないですか。それは事務上の手続上に困難性があるのですか。どこに困難性があるのです。だからこういうような方法をとるのですか。この点をお伺いしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/35
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036・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 大規模な住宅市街地等を開発する場合に、予定区域を改正法によって指定し、それから詳細計画を立て市街地開発事業に進んでいくという体制が望ましいと思って御提案申し上げているわけでありますが、そのような必要な場所は、やはり何といっても、大都市地域その他の現在線引きを必要とするような地方におきましても、比較的大きな都市の地域が主ではなかろうか、こう考えておる次第でございまして、地方の小都市等におきましても、もしこの予定区域の制度を活用したいということが出てきた場合には、できるだけまず線引きを行なって、そして予定区域制度にのせるということも運用いたしたいと思いますが、法律上は白地のままでも予定区域は設定できることになっております。
何が障害かということは、先ほど申し上げましたように、やはり線引きというものは、必要最小限度の地域に限って当面指定し、いたずらに国民の権利を抑制しないでいこう。しかし、非常に乱開発のおそれが出てくるということになれば、これは積極的に線引き対象都市に加えていく、こういうことでいくべきだと考えておるからでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/36
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037・井上普方
○井上(普)委員 これは市街化区域に入りたいのを望む地域と望まない人たちとあります。この都市計画の線引きをする際に、市街化区域に入れてくれといって猛運動があったことは事実であります。その後、宅地並み課税が出てまいりますと、いや、はずしてくれたほうがよかったというような話も出てまいりました。しかし、先般来、先ほども言いましたように、人口四千のところでも都市計画区域に設定しておる実態、こういうことからいたしますと、あなたのいま言うような方法でやりますと全国的にアンバランスが出てきませんか。極力市街化区域を圧縮しようという考え方でいきますと、既成の市街化区図と認定をしたところとアンバランスが出てきませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/37
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038・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 線引きの都市計画も、他の都市計画と同様、できるだけ地方の公共団体の発意により、その意向に即して決定されるということにもなっておりますので、全国的に見れば、正直言って多少のアンバランスがあると思います。また、当初はさほどアンバランスでなくても、都市計画決定後日時を経れば、思った以上に発展する地域、思ったほど発展しない地域、こういうものも出てまいりまして、当初以上にアンバランスが目立つということもあろうかと思います。都市計画の制度は、すべてそういったその後の実態の変動というものもよく見きわめて、現実とあまりにも乖離しないようなことでなければならぬという意味から、おおむね五年ごとに総合的な調査を行ない、その新しい事態に即して見直すということにいたしておりますので、あまりにも極端に目立つようなものが出てくれば、地方公共団体の意向もよく聞きながら必要な是正ははかるよう指導させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/38
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039・井上普方
○井上(普)委員 時間が参りましたので私はこれ以上申しませんけれども、ともかく予定区域を設定するという考え方、これは私は、予定区域じゃなしに、直ちに線引きをして都市計画区域に入れるべきだと思うのでございます。その感が強い。白地地域を予定地域に入れたあと市街化区域、調整区域に分けるということは、なかなか事務的にあるいは地方自治体を苦しめるばかりじゃなかろうかと思うのであります。私は、この点につきましての疑問は、幾ら申されても解消をすることができません。
以上、私は目についた点だけ指摘いたしまして質問を終わりたいと思いますが、最後に、先ほども申しましたように、この都市計画法を設定した当初の目的というものをもう一度事務当局は思い起こしていただきまして、これの所期の目的が達成できますようになお一そうの努力をお願いいたしたいと存ずるのでございます。
以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/39
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040・木村武雄
○木村委員長 瀬崎博義君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/40
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041・瀬崎博義
○瀬崎委員 私はまず産炭地域振興公団が改正案によって国土総合開発公団へと衣がえさせられてきた経緯についてお尋ねをしたいと思うのです。
六十八国会において工業再配置促進法案が提案され、あわせて産炭地域振興事業団法の一部改正案が提出されました。四十七年の十月、工業再配置・産炭地域振興公団に改組され、同公団は工業再配置業務を行なうことになったというのが私どもの承知している一応の経過であります。一方、田中首相の著書「日本列島改造論」では「工業の地方分散をすすめる具体的な政策は、四十七年十月一日から本格的に動きだす。私は、そのため六十八国会に「工業再配置促進法案」と「産炭地域振興事業団を工業再配置・産炭地域振興公団に改組するための法律案」を提出し必要な処置をとった」と述べているわけです。
つまり、これを読んでおりますと、工配公団の真の発案者といいますか、発起人は実は田中首相であったというふうに読み取らざるを得ないわけでありますけれども、そういう点について、ほんとうにこの工配公団への改組を推進した方はどなたであったのか、またその当時のほんとうの意図はどこにあったのか、お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/41
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042・粟屋敏信
○粟屋政府委員 産炭地域振興事業団から工業再配置・産炭地域振興公団に改組をいたしました事実上の経緯につきましては、いま先生御指摘のとおりでございます。この改組の法案を提出いたしました際に田中総理が通商産業大臣であられましたので、田中通商産業大臣の御指導のもとに通産省が立案をし、国会の御承認を得たものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/42
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043・瀬崎博義
○瀬崎委員 そうしますと、この指導に当たった田中総理は、同じ「列島改造論」の中で、「新しい国づくりの中核は工業の再配置である」とし、そのために「工業再配置計画は一日も早く軌道に乗せなくてはならない。そのため私は、産炭地域振興事業団を工業再配置・産炭地域振興公団に改組するという手を打った」、こうおっしゃっているわけであります。
こうなってまいりますと、そもそもこの公団の改組発展過程というのは、住民の意思によってではなく、田中首相の意図による国づくりのために、首相みずからが打った手がそういうことになったんだというふうに私たちは受け取らざるを得ないと思うのですが、そういう受け取り方でよろしいのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/43
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044・粟屋敏信
○粟屋政府委員 お答え申し上げます。
先生も御承知のように、大都市の過密、地方の過疎問題というものは、わが国の現下の緊急な課題でございます。で、昭和四十五年の時点をとってみますと、都市人口が五千五百万でございますが、昭和六十年を推計をいたしますと、少なく見積もりしても八千万、それをこえる数字になると思うわけでございます。これをそのまま趨勢的に放置をいたしておきましたならば、都市化の趨勢というものが再び大都市に押し寄せてくるおそれがあるわけでございます。それに対応いたしますためには、やはり地方に魅力のある就業勉学の機会をつくり、魅力ある都市づくりをはかりまして、そこに人口を吸収し定着させるということはぜひとも必要であると考えるわけでございます。で、工業再配置につきましてもそういう観念でスタートをされたわけでございますが、地方都市整備を新たに加えましたのは、単に工業団地を配置するだけでは住民の福祉にも適合せず、また人口を吸収いたしましても定着をさせることに欠けるのではないか。そういうことで、工業団地あるいは住宅団地、場合によりましては流通業務団地、学園団地等、そういうこん然一体とした住みやすい都市づくりを行なうことによって所期の目的を達成しようという趣旨に出たものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/44
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045・瀬崎博義
○瀬崎委員 実はそういう過密過疎をもたらしたそもそもの原因が過去の高度成長政策にあった。日本列島改造論というのはそれをさらに激しくするという意味で、いま全国の住民、国民からは激しい批判と非難を浴びて、結局、それを具体化するはずであった国土総合開発法案、新国総法案は、形の上ではいま撤回されたようになっているわけですね。だから、確かに国総法案はそうなったけれども、公団法の場合は、いまの御説明のとおり、文字どおりこの列島改造論の趣旨に従って今日出された法案そのままであるというふうな理解に結論としてなってくるわけですが、いまの御説明はそういう結論を意味するわけなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/45
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046・粟屋敏信
○粟屋政府委員 私は、先ほど御説明申し上げました過密過疎対策、特に将来を展望いたしまして、地方の振興、整備をはかることによって人口の地方への吸収、定着をはかる。そこで、日本人がどこに住みましても、魅力ある就業勉学の機会を持ち、快適な生活の環境のもとで生活ができるということは、列島改造論とは関係なく普遍的な国民のコンセンサスではないかと思うわけでございます。したがいまして、われわれとしましては、そういう基本的な観念に立って御提案を申し上げているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/46
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047・瀬崎博義
○瀬崎委員 ところが残念なことに、「日本列島改造論」ではこうなっているのです。「地方都市の整備は大きく分けて三つに集約される」。特に「第三は工業再配置によってつくられた工場団地を中核とした”新二十五万都市”の建設である。新二十五万都市の建設は、こんごの地域開発の核となるもので、私はこれを大都市改造と並んで日本列島改造の中軸と考えている」と明確に述べているわけであります。ですから、いま列島改造とは無関係にとおっしゃったけれども、少なくとも指導された田中総理がみずからの図書で、これこそが列島改造の中軸だと考えていらっしゃるのです。これでもあえて無関係だと言い切れるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/47
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048・粟屋敏信
○粟屋政府委員 お答え申し上げます。
無関係とは申し上げておりませんので、地方都市の整備ということは「日本列島改造論」という本にあるなしにかかわらず必要であるということを申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/48
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049・瀬崎博義
○瀬崎委員 本があるなしじゃなしに、現在あるのですね。しかもその本で、それこそが列島改造の中軸だ、こういうふうに言っているのですから、そうなってまいりますと、ある以上は、これは列島改造に基づく公団である、こういう理解になってくるのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/49
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050・粟屋敏信
○粟屋政府委員 田中総理の御著書の「日本列島改造論」にそういう御記載があることは、われわれも承知をいたしております。田中総理も、御自分の構想としてこれが必要であるということをもちろんお認めになっておりますし、そういう政策を遂行なされているごとも事実でございます。ただ、これは田中総理の著書だけでなく、私はやはり、地方の振興、整備ということは国民一般の普遍的な要望ではなかろうかということを申し上げておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/50
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051・瀬崎博義
○瀬崎委員 じゃ何を根拠に国民の普遍的な要望だと断定されるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/51
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052・小坂徳三郎
○小坂国務大臣 お答え申し上げます。
ただいまの田中総理の著書とお考えについて、私は、田中総理が個人として、また一人の政治家として日本の今後、将来に対して夢を持つということは、これはだれでも持っていいことだと思います。だからといって、その意見が政府の施策の中にただただ単純に取り入れられていくのだというふうに思われることは、たいへんこれは残念なことだと思います。もちろんわれわれも、自分なりの思想を持ち、また自分なりの経綸を持って政府の一員となっておるものでございまして、その点に関連して申し上げたいことは、先ほども渡辺委員にお答え申し上げましたが、この公団法の改正ということは何を目的にするか。そしてまた、昨日衆議院においても決定されました国土利用計画法というこの新しい観点、これをわれわれは全幅的に現時点においては正しいものだと考えております。そしてまた、先ほども申し上げましたように、一方においては、過疎過密の現在の日本の情勢というものは、これはだれが何といいましても何とか解決しなければならない。そうでなければ、日本の都市の生活というものはほとんど壊滅的な状態になるであろう。これは人間的にも、また物理的にも、そこの大都市に住む人たちは耐えられない状態を受けざるを得ない。これを改造するためには、どうしても一方においてそれに匹敵するような地方都市をできるだけ早くつくっていくということが、私は一つの積極的な面における過密過疎対策の大きな柱になると考えておりますす。
そういう意味で、同時にその過密過疎対策を実施する場合に、計画法にもございますように、またわれわれがこの公団法の改正に際してるる申し上げましたとおりに、この新しいプロジェクトを実施する場合においては、地方自治体、これは言うなればその地域住民の意思だと思いますが、この地方自治体の意思というものを十分尊重していく、のみならず地方自治体の要請があれば発動していくのだというはっきりとした線を引いておるわけでございます。
したがいまして、ただいま御指摘のございますように、田中総理の著書にある、あるいは田中総理個人の一つのビジョンとしての政見というものと、このただいま御審議をいただいております公団の新しい発足と申しますか、そうしたことの間には、一つの脈絡があると言われればあるようにごらんになるかもしれませんが、しかし、われわれの提案しております基本はそうではないのであって、もっと現在の時点に立って、このような公団の能力を大きくいたしまして、そして過疎過密問題に一日も早く取り組んで解決してまいりたいという、そうした信念と理念の中で御提案を申し上げていることを御理解賜わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/52
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053・瀬崎博義
○瀬崎委員 この前、本委員会にも専門家の方々が公述人として御出席になって、そういう方々の御意見の中には、今日まで高度成長政策でつくられてきた過密過疎は工業再配置を中心にした地方中核都市づくりで解決をされるものではない、これはその原因にさかのぼって考えるならば、工業優先をやめて農林漁業の真の振興あるいは農業の発展、農地の拡大、こういうことがほんとうの意味での過密過疎の解消になるのだ、こういう意見があり、こういう批判が国民的な世論となって今日この列島改造論に対する風当たりは非常に強くなった。撤回するとは著者は言っていないけれども、事実上列島改造を振りかざすわけにいかなくなったことは、せんだっての、われわれは内容において本質的に変わらないから反対したけれども、形の上では新国総法案を四党提案の国土利用計画法案に変えざるを得なくなった経緯にも示されているわけです。ところが、こっちのほうだけは、はっきりと列島改造が中心に置いている工業再配置に基づく中核都市づくりが中心になっている。いま御説明になった。それをあえて国民全体の要望だとおっしゃったから、一体それは何を根拠にしているのですか、こう申し上げているのです。この問いにだけ端的にお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/53
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054・小坂徳三郎
○小坂国務大臣 ただいまの御意見でございますが、私は何も工業を中心にした都市づくりということを申し上げているのではございません。むしろわれわれは、そうした一つの現実は一方にあるといたしましても、われわれのねらいたいのは、この大都市の、あるいはベルト地帯を取り巻く他の地域において、やはりもっとその地域に住む人々が、就学の便宜、あるいはまた就職の便宜等も含んだ、そしてまた生活レベルも大都市のレベルと匹敵するような快適な生活ができるような地方都市をつくりたい。そのために、われわれはこの公団を大いに活用して、そしてまた各自治体がそうした要望を持ってくるならば、それにできるだけこたえていこうというつもりでおるわけでございます。必ずしもその基礎を工業化された団地を中心に考えているものではございません。また同時に、そのようなことを地方自治体が希望しない場合には、また要請してこない場合には、われわれはそれを積極的に取り上げることをいたしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/54
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055・瀬崎博義
○瀬崎委員 それではもう一つお聞きしますけれども、この地方中核都市建設という業務を公団の中へ織り込むのは、今度の法改正によって初めて生まれてくることなんですか。それとも以前から考えられたことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/55
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056・粟屋敏信
○粟屋政府委員 公団の業務としては、地方都市の開発整備業務を加えたのはこれが初めてでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/56
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057・瀬崎博義
○瀬崎委員 それでは、「ヒューマンなる大地への出発」という工業再配置・産炭地振興公団の業務案内書によりますと、こうなっておりますね。「中核都市の建設のうち、当公団の役割りは、道県などの要請をうけて、主として中核的工業用地の造成、分譲を行うことです」。ここにすでに中核都市建設の一翼をになうという業務案内が出ているわけです。しかもこのパンフレットの最初のページの下のほうに、小さく「三本柱に追加」とありまして、「この公団は、国土総会開発公団法案が成立しますと、昭和四十八年十月一日から「国土総合開発公団」に生まれかわります。新新公団の業務には、地方中核都市の整備や筑波学園都市関係などが加わる予定です」。こういうものがちゃんともう一般向けに、れっきとしたパンフレットとなって出されているのですね。今回の法改正によって新しくつけ加わるはずの業務が、すでに法律の改正が成立しない以前においてこういうふうに決定されたかのごとく出されている。あるいはすでに業務に加わっていると書いてある。これは一体何をよりどころにこういうものが出されているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/57
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058・粟屋敏信
○粟屋政府委員 ただいま御指摘のパンフレットは、おそらく工業再配置・産炭地域振興公団が出したものと考えております。最初の御指摘の、工業団地の造成に関連をして、中核団地の核とするというようなことで書いたと思うわけでございますが、先ほど総務長官からも御説明申し上げましたように、われわれが考えております地方都市整備は、その地域の実情、住民の二ードに従って多種多様でございまして、あるいは学園を中心とするものもございましょうし、業務地を中心とするものもございましょう。中には、まさに工業団地を中心として、その周辺に公園あるいは緩衝地帯を設け、あわせてそこにっとめます従業員等の住宅団地も合わせて形成するというようなものもあるかと思うわけでございます。その際、工業再配置・産炭地域振興公団で、そういう地方都市の計画が地方にある場合に、その一つの核である工業団地をつくる任務を負っておるというふうに書いたのではないかと思っておるわけでございます。
なお、法律が成立しないうちに将来つけ加わるべき業務について案内に書きましたのは、政府が提案いたしましたのを受けまして公団で書いたものであると考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/58
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059・瀬崎博義
○瀬崎委員 ですから、こういうようなものが出せるということは、よほど動かしがたい根拠に基づく方針が裏にあってこそ、法改正を前提にしないで出せる話だと思うのです。
なお、まぎらわしいのにこういう点があるのです。この業務案内の中には、「差当り二百−三百ヘクタールの中核的な工業用地を造ります」と述べているわけです。一方、「日本列島改造論」のほうでは、内陸工業団地は「私は標準タイプで二百あるいは三百ヘクタール程度の規模をメドにしている」、こう書いてある。全く同じことが書いてある。こうなってきますと、どちらもこれは国民が広く読んでいる、目にとめているものなんですが、一体このつくられようとしている公団は、法案によってつくられようとしているのか。それとも列島改造論に基づいてつくられようとしているのか。これはほんとうにまぎらわしい限りなんですね。ですからここで、一体どちらに基づいてつくられようとしているのか、根拠について政府ははっきりと見解を示しておいてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/59
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060・小坂徳三郎
○小坂国務大臣 お答え申し上げます。
そのパンフレットがいつ出たものか、私まだ了承しておりませんが、おそらく役所なんというものは、総理大臣が何か他の場所で言ったことといえば、それが全部そのとおり実現するというふうに思いがちなところもございましょう。また同時に、昨日の衆議院の本会議において国土利用計画法という、全く新しいというよりも、現時点においてまことにふさわしい大きな、基本的な法律がきまったわけでございます。われわれは、昨日きまりました利用計画法というものを、すべて今後の基本にして置きたいというふうに考えておるものでございまして、そうした意味において、そこに出ておりますパンフレットの字句等につきましても、もちろんこれは改めていかなければならぬと思います。そうした考えの中で、公団の運営を、今後十分院議を尊重し法律を守って運営してまいりたいというふうに考えておりますので、御了解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/60
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061・瀬崎博義
○瀬崎委員 それでは、これは建設省のほうにお伺いしたいわけなんですが、こういう点もいまの長官の考え方からいくならば改められることになるのでしょうか。「新都市」という雑誌の四十八年二月号に、当時の都市局都市政策課の鈴木省三という方が論文を出しておられます。「田中内閣発足以来、「日本列島改造論」に関連する国土の総合開発に関する各種施策が提案され、その検討が進められてきたが、第七十一回国会にその実現化の法案が続々と提案されようとしている」として、工配・産炭地域振興公団法改正案もその一つと位置づけられ、解説されているわけであります。その中で、建設省は地方中核都市整備構想の推進主体として、都市開発公団(仮称)の新設を強く要求した。ところが工配・生産炭地域振興公団に改組して、建設省の要求していた都市開発公団の地方中核都市業務、さらには総合的かつ計画的に実施すべき特定の地域の開発のための大規模な事業の実施にかかる業務を行なわせることにしたとあるわけなんです。建設省の構想であった都市開発公団の業務内容を結局いま提案されている新公団に盛り込んだ、こういう説明があるわけです。こういう経緯は事実であったのかどうか。また、そうだとするならば、文字どおりこの公団は列島改造をになうもの、こういうことになってくるのですね。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/61
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062・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 ただいま読み上げられましたのは、建設省が関係してはおりますが、雑誌に係官が執筆したものでございますが、地方中核都市というものを整備いたしまして、この巨大な大都市圏に対する人口、産業の集中圧力というものを防ぎとめたい、むしろ積極的に分散するように持っていきたい、こう考えておりまして、そのための地方に魅力ある相当の集積を持った都市が整備されて、文化的、教育的、医療的、あらゆる面から見て大都市に劣らないその魅力をもって、大都市へほうはいと流れようとする人口、産業をそこに食いとめよう、あるいは逆に大都市圏から流出させて受けとめよう、こういう考え方で……(瀬崎委員「事実であったかどうかということを聞いている」と呼ぶ)そういうことでございますから、地方中核都市の構想というものは建設省も本気で考えておるわけでありまして、そのために都市開発公団というものを要求したことも事実であります。結果として、今回御提案申し上げている新公団の中の一つの業務として地方都市開発業務というのがございまして、これの主務大臣という位置づけを建設大臣が与えられておる、そういう意味で連なっておりますが、これは先ほど最初に申し上げましたように、大都市への集中圧力を防ごうという意味の総合的な地方中核都市をつくる、これがねらいでありまして、いわゆる大規模工業団地等をやる業務がこの私どもの要求した都市開発公団の業務にあったわけでもないし、もちろん現在審議されている新公団の建設省の所管業務に入っているわけでもございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/62
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063・瀬崎博義
○瀬崎委員 私が一連の引用を続けておりますのは、工業優先の開発推進を真に転進させているのか、それとも擬装的に一時転進しようとしているのか、この政治姿勢を明らかにしたいから引用しているわけですね。いまの私が読み上げましたこの鈴木さんの論文は、列島改造関連事業として位置づけているわけなんです。この点、一体関係のある事業として建設省の構想が新公団に盛り込まれたのか、全く改造論と無関係に盛り込まれたのか、そこをはっきりしていただきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/63
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064・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 列島改造論そのものを云々する立場にありませんが、列島改造論で考えられております思想の中には、確かにおっしゃるような大規模工業基地開発というものもあったでしょうが、同時にそれとは別の、先ほど私が申し上げましたような意味の、地方の総合的な相当の集積がある都市をつくって、そこに人口、産業を定着させるというものも明らかにあったわけでありまして、その分につきましては、当初の構想いまもって私ども持っておる、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/64
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065・瀬崎博義
○瀬崎委員 通産省は通産省で次のようなことを書いている人があるのです。これは通産ジャーナルの五巻三号なんですが、書いている人は和田敏信さんですか、大臣官房長ですね。「日本列島改造の大きな柱として」−また出てくるのです。工業再配置を進める必要があり、「さらに、工業再配置を真に実効あるものとして進めるためには、人口二十五万人程度の新地方中核都市の建設を推進する必要がある」。つまりその必要の基礎はやはり工業再配置だ、ここへ来るのですね。ですから、結局、大臣の御説明にもかかわらず、各省庁はそれぞれの立場からこの新公団に期待するものは列島改造の推進であるというふうに受け取らざるを得ないので、もしそうではないとおっしゃるなら、どなたか、やはりどちらかの大臣が責任をもって、そうではないのだ、明らかにこれは開発規制という精神にのっとるものだ、その根拠はどこなんだということをはっきり示していただきたいと思うのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/65
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066・小坂徳三郎
○小坂国務大臣 私がお答えするのが適当かどうか別といたしまして、私ただいまの御議論に対しまして、多くの傾聴すべき点があったと思います。それは率直に私も理解できるわけでございますが、しかし、その当時におきましての一つの発想の中に、ある程度の収入が得られて、そしてよりよい生活をするためにはどうしても物をつくる工業部門に依存しなければその生産性の分け前にあずかることができないというような考え、そしてまた一次産業、特に農業その他ではとても豊かな生活はできないのだという発想が根強くあったと思います。それはまた現実だったと思います。しかし、日本の工業水準が現在のように非常に高度に発達しまして、したがって、そうした面においては十分なる発展度合いにまで来た現在においては、その成果の上に踏まえた文化的ないろいろな活動であるとか、あるいはまた、それを移転するような一種の商業的な活動であるとか、そういうような活動の中でも十分に生活を維持し得るだけの収入が確保できるということが最近国民が理解してきた問題だと思います。そこに一つの発想の転換があるわけでありまして、工業をやらなければ食っていけないのだというような段階から、工業以外の文化的な活動、あるいはまた商業的な活動の中においても十分に生活ができるのだという段階に来た。われわれはそれを踏まえて、地方都市の再建、あるいは地方都市の拡充、そしてそこにはもつと文化的な豊かな生活が保障し得る、そのような問題に取り組む、その段階に来ているとわれわれは思うわけでございまして、この公団の改組というものがそのような方向の中で十分に理解されて運用されていくことをわれわれは期待をするし、また、ただいまの御質問に対するお答えにもなるのではないかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/66
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067・瀬崎博義
○瀬崎委員 将来に期待するということなんで、この法案が実際にいま大臣の趣旨を保証する内容のものかどうかが問題なんですね。ますますわれわれとして困惑を感ずる。引用をいたしますが、これは開発のチャンピオンである下河辺局長の日経新聞に出された論文なんですが……(「いないよ」と呼ぶ者あり)いないけれども、この文章は引用するとちゃんと言ってありますから、お答えできるはずです。
「新法案は、国土総合開発公団法案、国土総合開発庁設置法案と三法一体である」、こう述べておられる。この新法案というのは、この間一応姿を消したことになっている新国総法案ですね。つまり三位一体、こういうわけなんです。さて、この国総法案は国土利用計画法案にすりかえが行なわれた。そうしますと、この三法一体の相手はどの法案になるのか、この点をひとつ御説明をいただきたいと思うのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/67
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068・粟屋敏信
○粟屋政府委員 下河辺局長はおりませんので、私が推測をしてお答えを申し上げますが、下河辺さんが申された趣旨は、国土総合開発といいましてもいろいろな分野がある、たとえば、いろいろ批判の対象になっておりますところの工業開発というような大プロの問題もございますし、あるいは総合開発の中には、地域社会を育成して、快適で文化的な環境のもとで生活をひとしく享受できる、そういう意味のものも入っておる。そういう意味で地方都市整備は、まさに私がいま申し上げました後者の話でございますけれども、やはり国土総合開発に関連をするものであるということで、そういう表現を用いられたのではないかと思います。三法一体といいますと、提案をいたしました国総法案がたな上げになりまして、別の角度から土地対策として土地利用化画法案がなされておりましたので、そういう意味では一法が欠けたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/68
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069・瀬崎博義
○瀬崎委員 それじゃ、一法が欠けたら、この公団法の内容は、いままでの開発の推進をになう実体から開発を規制する実体に変わる、こういうふうに説明できるのですか。そうしますと、その因果関係をお話しいただきたいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/69
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070・小坂徳三郎
○小坂国務大臣 ただいまの御質問でございますが、実は昨日も内閣委員会におきまして、仮称でございますが国土庁の設置につきまして、いろいろと御議論をいただいたわけでございます。この国土庁の基本的な理念は何かという御質問でございますが、私は提案者の一人といたしましてはっきりと申し上げましたことは、国土利用計画法の精神を中心にすること。そしてまた、現在の地価、土地の問題というものを徹底的に、これ以上暴騰するようなことのないような努力をすること。そしてまた同時に、国の重要な資源の一つである水について総合的な問題を取り扱うこと。そしてまた大都市圏のばらばらになっておる行政を一括して行なうこと。それと同時に、地方の都市の開発あるいは地方の過疎の問題についての全面的な取り組み方をすること。いずれもすべてが今度示されました法律の理念、開発よりむしろ地域住民の福祉を重点に考えていく、そしてまた地方自治体や地域住民の声を率直に受け入れていくというような理念の中で行動をするということを申し上げているわけでございます。まだ全くの仮定でございますけれども、われわれは、内閣総理大臣の指揮される公団と文章の上ではなっておりますが、その権限は、仮称国土庁の主務大臣、閣僚に委任されるということは必ずあり得るものだと思いますし、また同時に、その仮称国土庁がこの公団の監督を立なうという仕組みを考えておるわけでございます。そのような考え方は、今後も国土庁の御審議並びにこの公団の御審議を通じまして、一貫してわれわれはそのような理念の中で御答弁を申し上げてまいるつもりでございます。同時にまた、そのことは今後の公団の運営につきましても十分深く配慮されて、御懸念の問題というものを惹起しないような方向を十分踏まえてまいるつもりでございますので、御了解いただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/70
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071・瀬崎博義
○瀬崎委員 当初予定されておった新国総法案とともに三法一体だといわれておった公団法だとすれば、これは結局、批判の的になった開発の推進をになう実施主体、こういうふうな役割りを果たすはずだったと思うのです。ところが一つは欠落したといわれるわけなんです。法律はどの法律でも、相互にからみ合いながら効果をあらわすものだと思いますが、とりわけこの公団法は組織法ですから、当然何らかの法律と組み合わさって初めて実効をあらわしてくると思う。そういう点で、私たちはこの公団法が効力を発揮し、新しい公団が実際事業をやり出したときにどうなるかということをあえてここで問題にせざるを得ぬと思うのです。ですから、この新公団が行なうことになっている中核的工業団地の造成とか、地方中核都市開発整備事業とか、特定の地域の開発整備事業等の中で大規模開発を立なう場合、前提となるのはやはり土地の取得だろうと思うのです。この土地の確保の手法としては一体どういう法律に依拠しようとされるのか、その点を説明していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/71
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072・粟屋敏信
○粟屋政府委員 具体的な土地取得につきましては、地方公共団体の要請もあって地方都市整備を進めてまいりますので、地方公共団体の御協力を得ながら地域住民の方の御理解を得るように任意買収でまいりたいと思います。
さらにその手法といたしましては、区画整理法が使われる場合もございましょうし、あるいは地方における大規模な住宅団地等の場合におきましては、新住宅市街地開発法等の法律によって土地の取得をはかってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/72
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073・瀬崎博義
○瀬崎委員 いまあげられました法律の中には、わが党を除く四党提案の国土利用計画法案の名前は出なかったのですが、これとは関係ないのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/73
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074・粟屋敏信
○粟屋政府委員 お答え申し上げます。
四党でおつくりいただきました国土利用計画法案は、あくまでも現下の高騰せる地価を抑制し、あるいは国土利用の混乱を防止するという観点から出された法案でございまして、具体的に土地を取得していく手法とは関係がないものと理解をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/74
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075・瀬崎博義
○瀬崎委員 じゃもう少し具体的に、こういうケースは運用上起こらないというふうに断言できるかどうかお尋ねしたいと思います。
国土利用計画法案の規制地域の制度を利用して、大規模開発事業の予定地域にこの規制地域の網をかぶせて地価凍結をした上安い土地を確保する、運用上こういうようなことは絶対に起こらないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/75
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076・粟屋敏信
○粟屋政府委員 先ほども私からお話し申し上げましたように、また先般当委員会で先生方から御提案の趣旨の御説明がございましたように、国土利用計画法案の趣旨はあくまでも、地価の高騰が著しい、投機的取引が予想される、それによって国民生活の安定が害される場合に規制地域が発動されるべきものでございまして、大規模開発のためにこれを使うということはないと断言できると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/76
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077・瀬崎博義
○瀬崎委員 それでは、一応そういうことを現時点では言ったわけですから、あとこれは責任を持ってもらう必要が生まれてくると思います。
さらに、先ほどのお話の中に、今度は地方自治体の協力を得てという問題が出てまいりましたし、その前から、本来地方自治体の要請を受けるんだから非常に民主的なやり方なんだ、ということが強調されているのですね。法文上この新公団は、自治体の委託を受けて業務をやるということにはなっておりますけれども、業務内容から見ますと、本来、地方自治体の仕事、権限に属することが具体的にはずいぶん入っているわけです。結果として地方自治を狭めることになったりしはしないかという危惧は、私たちからどうしても去らないわけです。絶対にそういうことはないという歯どめといいますか保証は、この公団法のどこにあるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/77
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078・粟屋敏信
○粟屋政府委員 先ほど渡辺先生の御質問に総務長官からお答えいたしましたように、地域の振興、整備、特に地方都市の整備、これはまさに地方自治体と非常にかかわりのある仕事でございまして、地方自治体が自力をもって実施するのがたてまえであろうと私は思うわけでございます。ただ、その新市街地の開発等の規模によりまして、あるいはその事業計画の内容によりましては、地方自治体が独力で行なえない、すなわち資金面でございますとか技術面等におきまして、援助を必要とする場合があろうかと思います。そういうプロジェクトにつきましては、地方公共団体の御要請を待って実施をいたすことにしておるわけでございます。要請につきましては、法律の十九条の第五項に規定してあるところでございます。
なお、地方公共団体が要請をいたします場合には、事業が行なわれますところの市町村及び都道府県、両方が大体連名をして行なうのをたてまえといたしまして、また公共団体の長が要請をいたします場合には、議会の同意または全員協議会等による承諾を前提とする、そういうことによって歯どめがかけられるものと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/78
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079・瀬崎博義
○瀬崎委員 法案の中にもはっきり書かれているのですが、事業の実施にあたり事業実施基本計画を作成することになっており、しかも、基本計画の作成は内閣総理大臣の定める基本方針に従わなければならない、こうなっていますね。この法律以前に業務内容が出ておって、これは先ほど長官が、こういうパンフレットは変更するんだとおしゃったから、あえてこだわるわけではないけれども、この中にそういうことと関係してまたまぎらわしい点があるわけです。「当公団は、新都市のマスタープランの段階から参画、地域社会の要望を先取りした、高度な計画性と総合性のある、未来志向型の都市開発を実現したい」、こういっているわけです。しかし地域社会の要望なるものは、公団のいうように、中央から乗り込んできて簡単にくみ尽くせるものではないし、長年住民に密着してきた地方自治体でも、真に住民に根ざした地域社会の要望の先取りということになりますと慎重を要するわけです。ですから、これも結局、具体的には国の意を体した公団の主観的な未来像を住民に押しつけるというふうなことになりはしないか、こういうふうに私たちは具体的な段階で心配するわけなんです。ですから、そういうことは絶対に起こらないというふうに法律はなっているのかどうか、ここをお聞きしているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/79
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080・粟屋敏信
○粟屋政府委員 お答えいたします。
ただいまお読み上げになりました公団のパンフレットは私は若干舌足らずではないかと思うわけでございます。法律といたしましては、先ほど来御説明申し上げておりますように、あくまでも地方公共団体の要請をまって行なうものとする。その際に、地方公共団体から地方公共団体がおつくりになった地域のマスタープランをあわせてお出しいただきまして、それを尊重しながら事業を実施するというたてまえになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/80
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081・瀬崎博義
○瀬崎委員 私は、ここで地方自治体が公団に要請するような場合はどんな場合かということを考えてみたいと思うのです。もしほんとうに地方自治体がみずから事業主体となってやれるだけの財源なり技術なり人なりを持っておったら、わざわざ何もこんな公団に頼んだり要請したりしないと私は思うのです。ですから、そういう必要が今日あるのだと言われることは、逆に言いますと、本来、政府として地方自治体をも一つと手厚く保護し、育成し、地方都市の整備とか、あるいはそれにまつわる道路とか、下水道とか、工業用水とか、上水道とか、あるいは住宅とか、こういうものができるようになってなければいけないのを、超過負担を押しつけてきたり、行なうべき財政援助、技術援助をやらなかった、このことの反証だろうと私は思うのです。だから、その本来正すべきところを正さずに、いきなり国が公団をもって乗り込んでいって、あたかも要請を受けた、民主的な手法をとったのだということによって結果的には地方自治体の権限を狭めることになりはしないか、さあ、私のこういう心配はあえてこじつけだとおっしゃれますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/81
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082・小坂徳三郎
○小坂国務大臣 お答え申し上げます。
こじつけとは申しませんが、やはり現在の行政組織のあり方そのものが縦割り組織でございます。したがいまして、一省が非常に積極的に活動しましても、他の省がそれをあまり重要視しないというようなことからくる行政的な跛行状態というものが、私は具体的に言うならば、地方財政あるいは地方自治の運用をいろいろな意味でたいへん阻害していたのではないかというふうにも思います。今度考えられますことは、国土利用計画法というようなものをきっかけにして発足する、まだ仮称でございますが、国土庁というようなものは、土地に関すること、あるいはいま御審議を賜わっておるような地方都市の開発というような問題に関連しては、いままでの縦割り行政を大きく横割りの行政体に改めるわけでございます。
したがいまして私は、従来とはたいへん様変わりな行政活動が行なわれなければならないし、またその横割り行政のよさというものが発揮されなければ、現時点におけるいろいろな社会の要望に対して行政がこたえられないという結果になるというふうに思うわけでございまして、そのような形の中で、大きくこの際縦割り行政から横割り行政へのきっかけが今度の当委員会等の御議論の中から生まれてきたわけでございまして、私は、この横割り行政というものを今後の大きな柱として考える限りにおいては、従来のような地方財政あるいは地方自治というものがいろいろな形で跛行的な取り扱いを受けるということも大幅に改善されるべきものだと期待をいたすわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/82
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083・瀬崎博義
○瀬崎委員 そうしますと、この公団を通じて政府の地方自治体の行政に介入する割合が多くなるという意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/83
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084・小坂徳三郎
○小坂国務大臣 いま申し上げましたのは公団のことではないので、地方自治体が非常に財政的にもいろいろな面において取り扱いが不十分ではないかという御質問だと私は理解したのでお答え申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/84
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085・瀬崎博義
○瀬崎委員 私が申し上げているのは、公団に対する要請が地方自治体から上がってくる原因はそもそも何かということを問題にしているわけなのですね。これはそういう点では政府も参考にしていただきたいのは、わざわざ本委員会に公述人もお見えになっているわけです。これは政府側には非常に好意的な伊藤公述人のことばなのですが、言ってみれば、民間デベロッパーに対する国立のデベロッパーといった役割りを果たすものが国土開発公団だという前提のもとに、「幾つかの仕事に対してその高度な技術と大量の資金を駆使することができるわけ」、こう書いているわけですね。結局この公団が威力を発揮できるのは、大量の資金と高度な技術が駆使できるからなのです。逆に言うなら、これを地方自治体に与えるという本来の行政を政府が行なわれるならば、けっこう地方自治体にだってやれる範囲は広がる、こういうことではないかと思うのです。ここの本末転倒があるのではないか、こういうふうにお尋ねをしているわけなのですが、いま一度長官の御答弁をいただきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/85
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086・小坂徳三郎
○小坂国務大臣 そのような大きな資金量と高度な技術というものを各自治体にそれぞれ分割して渡すほどの余裕は私はないのではないかと思います。やはりこれを一カ所に集めておいて、そうしてそれを要請に基づいて高度に駆使していくということのほうがより効果的ではないか、私はそのように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/86
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087・瀬崎博義
○瀬崎委員 いまのおことばで結果的に公団の果たす役割りは非常にはっきりしたと思うのですね。
それでは次に、すでに用意されております修正案について一、二お尋ねしておきたいのですが、私どもが承知している修正点は、名称を地域振興整備公団と変える、筑波研究学園都市建設事業はこの法案の業務から除くということでありますが、端的にお聞きしたいわけですが、この二点でこの公団の性格は、もと提案されている段階と根本的に変わるのですか、ほとんど変わりがないのですか、どちらですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/87
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088・粟屋敏信
○粟屋政府委員 お答え申し上げます。
当初提案いたしました際も、過密過疎対策といたしまして、大都市の過密抑制策を講ずると同時に、地方に魅力ある地域社会を創造することによって現下の問題に対処しようという趣旨でございまして、その趣旨自体には変わりはございません。ただ名称の問題につきましては、国土総合開発公団ということで御提案申し上げましたけれども、この公団のやります仕事は、先ほど来御説明申し上げておりますように、地方都市の整備といい、あるいは工業再配置といい、産炭地域振興、整備といい、いずれも地域の振興、整備にかかわる事業を所掌いたしますので、より的確に表現をしたほうがいいのではないかという御趣旨であろうと思います。
なお、筑波研究学園都市につきましては、これまた、大都市の過密対策として筑波に研究学園都市をつくりまして、学園を移設するとともに、その中に土浦と並んで地域社会の中心都市としてふさわしい都市をつくるという趣旨が含まれておると思うわけでございまして、公団が実施することといたしたわけでございますが、先ほど渡辺先生に御説明申し上げましたように、総事業費が約千二百五十億円でございますが、昨年御提案申し上げた時代におきましては、三百億円ほど事業を実施いたしましてなお四分の三が残っておったわけでございますが、昨年よりこの一年間にさらに三百億円の事業を住宅公団で実施されましたので、あと半分となったわけでございます。残事業量を円滑に遂行するためには、従来どおりの組織、体制で行なったほうがより円滑に所期の目的を達するというような判断に立ったものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/88
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089・瀬崎博義
○瀬崎委員 結局、趣旨に変わりはないということであります。そうなってくると、先ほど三法一体の問題が出ました。その一つが欠落して、かつ現在四党が提案した土地利用計画法案とは関係ないと言われた。ここがもう一ぺん問題になってくると私は思うのです。この公団の法案の趣旨だけが変わらなくて、組み合わさっている法案のほうが変わったから、じゃそれでこの公団法の中身も開発推進から開発を抑制するようなものだとは言えないと思うのですね。特に現時点では、土地利用計画法案がこの公団法に利用されて大規模開発の土地取得に役立つなどとは、私はお義理にも言えないと思いますね。しかし、現在の国総法案はそのまま残りました。新全総も結果的にはそのまま生きているというわけでしょう。こういうものと新公団との関係はあるのですか、ないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/89
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090・粟屋敏信
○粟屋政府委員 お答えいたします。
昭和二十五年の現行国土総合開発法は残ったわけでございます。現行国総法に基づきまして、御承知のように新全国総合開発計画が策定されておるわけでございますが、政府といたしましては、新全国総合開発計画につきまして、環境保全の点その他の点からいろいろ問題点もございますし、経済企画庁を中心に現在総点検作業を行なっておるわけでございます。今度公団の行ないます事業の実施は、国土の普遍的な均衡ある発展をはかり地域社会を創造するという基本的な考えにおいては、従来ともこれはとられていたわけでございますが、しかし、公団が業務としこれを実施するにあたりましては、全く新しい観点で、地方住民のニーズなりあるいは環境保全の点、そういう点を総合的に勘案しながら均衡のとれた都市をつくろうということで運用してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/90
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091・瀬崎博義
○瀬崎委員 結局、列島改造との関係にしても、現在の開発関係の法案との関係にしても、非常にあいまいな形を残したまま、法案の実体はちっとも変更されずにこの公団法はいま提案されている形になっていると私は思うのです。やはりこういうものは、ほんとうに政府が開発の推進から抑制に転換したのだというならば、撤回されるべき性質のものだと私は思うのです。しかも実際内容を変えていないわけでありますから。そういう意味では、一応この間形を変えた、衣がえをした国土利用計画法案を含めて、政府の政治姿勢に変化のないことが、この公団法をあくまで通そうとしている中に示されたと言わざるを得ないと私は思うのですね。
そういうことを結論にして、質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/91
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092・木村武雄
○木村委員長 北側義一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/92
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093・北側義一
○北側委員 第五十八国会において成立されました新都市計画法、これの大きな一つの目的は、大都市に見られた無秩序な市街化の形成を、市街化区域、また市街化調整区域、この線引きによって秩序ある町づくりにすることにあったと思うのですが、これから私は幾点かについてお伺いしますので、それに対するお答えをいただきたいと思います。
まず第一番目に、新都市計画法の目的は、この六月で施行後約五年になるわけですが、達せられたかどうか、これが一つです。
二つ目は、全国の市街化区域と市街化調整区域の線引きは現在の時点で完了しておるのか。また完了しておる市町村数はどれぐらいあるのか。またそういう都市計画区域は、日本の全国面積から見て、いわゆる都市計画区域及び市街化区域はどれほどの面積になっておるのか。
三番目には、新都市計画法が施行されてこの六月でたしか五年になると思うのですが、この新都市計画法の中には、五年で線引きの見直しをする、このような内容がうたわれてあると思うのです。これに対して、建設省としては一体どのように考えておられるのか。また地方自治体の意見は、この線引きの見直しについてどのような意見が多数を占めておるのか。まずここらをお聞きしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/93
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094・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 まず施行後間もなく五年になろうとしている新都市計画法の目的は達成されたかということでございますが、新都市計画法の内容は幾つかございますが、そのうち基本的なものとして、まず市街化区域と市街化調整区域の区分、いわゆる線引きという問題があります。これにつきましては、あとでお答えいたしますように、全部は完了しておりませんが、当初予定したものについては大部分達成しておるということであります。その他、用途地域の指定、街路、下水道、公園等の都市施設の決定あるいは各種市街地開発事業の決定等も必要に応じ行なわれておりまして、都市計画の決定そのものとしては、新法の趣旨が生かされ、地方公共団体、都道府県知事等の意向を主にして新しく各種の都市計画が塗りかえられたも一のと考えております。
ただ今度は、この法律を使っての都市施設の整備の状況、あるいは肝心の住宅宅地の供給状況いかんということになりますと、このほうはたいへんにおくれておりまして、決して十分に所期の目的を達成しつつあるとは申せないことを遺憾に存じます。すなわち、道路、公園、下水道等、市街化区域につきましては集中的に公共投資を行なって、先行的に良好な市街地としての基盤を形成するということでなければならないわけでありまして、予算面でもほんとうに重点を置いて実施しているつもりでありますが、毎年度の予算の積み重ね等を振り返ってみますと、結果としてまだ目標の数字に対しまして十分な達成率にはとうてい至っていない。今後よほど努力いたしまして、国、地方の財政面から思い切った措置を講じて、一日も早く新法の目的とする市街化区域内公共施設の整備を達成する必要があると思います。
また住宅宅地の不足は、特に大都市圏において顕著でありまして、都市計画法ではいろいろな手法を用意しておりますが、この十分な活用ということがむずかしい。法律外のいろいろな問題に逢着してかなり難航しているということでありまして、私どもも、この法律を補うような新法もさらにつくって、大都市圏での宅地、住宅の供給に本格的に取り組まなければならないと深く肝に銘じているところであります。
次に、線引きの状況でありますが、線引きの対象都市は現在八百六十七市町村でありまして、そのうち決定済みの市町村が七百八十三、約九〇%ということになっております。ただ、そのうち七十四市町村は昨年三月に新たに線引き対象都市に追加されたものでありまして、その作業がおくれているわけであります。当初線引きを予定したものから見れば九六%が達成しておりまして、まだ指定されていないものは、沖繩の十三市町村を含んで二十九市町村ということであります。これを早急に決定すべく努力中であります。
都市計画区域の全国の面積は八万一千平方キロ。全国の面積は三十七万七千平方キロでありますので、二〇%強というものが都市計画区域になっております。そのうち線引き対象区域が四万九千平方キロメートル、うち線引きを完了した区域が四万五千平方キロ、うち市街化区域が一万二千平方キロ、市街化調整区域が三万三千平方キロ、このようになっております。
第三点の御質問でございますが、都市計画法施行後やがて五年になりますけれども、実際に線引きが行なわれましたのは、早いところで四十五年末ごろから四十六年、四十七年にかけて行なわれたところが多いわけでありまして、したがいまして、まだ大部分のところでは施行後二、三年たったという状況でありまして、五年にはまだしばらく間があるわけでありますが、私どもも、初めて行ないました線引きというものが実際どのように働いているのかという実態を調査するために、実は昨年、昭和四十五年末までに市街化区域を設定し終えた都市区域につきまして、その実態調査を各府県に依頼しているところであります。そういった実態調査の結果も踏まえながら、今後やがて来る五年という時期を目途に、いかに見直すべきか、見直すについてもいろいろな問題点をどのように調整しつつ行なうかというようなことを検討している段階でありまして、地方公共団体におきましても、組織立った意向を調査しているわけではありませんが、五年たったときにはやはりある程度の見直しが必要だろうという気持ちのようであります。それとは別に、個々の具体的なプロジェクト、あるいは非常に特殊な理由によっての微調整といいますか、限られたような局部的な線引きの見直しというものは随時行なってきておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/94
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095・北側義一
○北側委員 なるほど、いま言われたとおり、線引きが実施されてから五年になる分は少ないわけでありますが、この実態調査は非常に重要な問題だと思うのです。と申しますのは、この都市計画法を審議しましたその当時のいわゆる市街化区域の面積と、実態となってあらわれてきた面積、これを比較しますと、その当時予測しておりましたより市街化区域の面積は非常にふえていると思うのです。そういう点で、いわゆる市街化区域の中の公共施設、たとえば住宅とか下水とかいうものは、非常に財源的にも十分な財源がないので、法の目的でうたいました秩序ある町づくり、これがなかなか思うようにならない、こういう実態ではないかと思うのですね。そういうことでございますので、ひとつ線引きの見直しということについては、非常にこれは重要な問題でありますので、実態をよく把握してこれをやらなきゃならない、このように私は考えておるわけなんです。
次に、市街化区域の中においては、原則として千ヘクタール以上の開発行為に対しては、その開発行為が良好な市街地形成のために許可制度となっておる。これは私たびたび聞くわけでありますが、そういう開発行為の許可が非常におくれてきて、許可になるにしても、許可がおりないにしても、返事が非常におそいというのですね。そういうあれをよく聞くのですが、通常、この許可、不許可の問題について、どの程度の期間でこの通知が申請者に返ってくるのか、それを伺いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/95
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096・大塩洋一郎
○大塩政府委員 最近のデータで申し上げますと、許可申請がありましてから許可までの日数につきましては、大体一カ月未満のものが全体で五二・七%、三カ月未満のものが八六%になっておるのでございまして、これをこえるような長期間を要しているものは、設計書が不備であるとか、あるいは申請者側に原因があるというようなものが多い。これは受理したあとの処理の日数を申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/96
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097・北側義一
○北側委員 まともな申請を出しても、先ほど言われたとおり、八〇%は大体三カ月、このようにおっしゃっているとおりですね。九十日ですね。ちょっと長過ぎるんじゃないかと思うのですね、実際の問題としては。そこらの検討もしていただきたいと思うのです。
次に、今度の都市計画法の一部改正の法律案、これについて伺ってまいりたいんですが、その主要な改正部分というのはどうなっておるのですか。どことどういう点が主要な改正点になっているか、これをまずお伺いしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/97
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098・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 今回の都市計画法の改正の主要な点は四点ありまして、一つは、開発許可の対象区域を拡大いたしまして、いわゆる線引きを行なっていない都市計画区域についても、一定の許可基準のもとに開発許可制をしくということであります。第二点は、開発許可基準に若干追加いたしまして、一定規模以上の開発行為につきまして、植物の生育が確保できるよう表土の保全等をはかる。あるいは、同じく一定規模以上の開発行為につきまして、騒音等による周辺の環境悪化を防ぐために、開発区域の周辺に必要な緑地帯等の緩衝帯をとることを基準に加えたということであります。第三点は開発行為の拡大でありまして、現行法では、主として建築物の建築の用に供するための土地の形質変更、これを開発行為と定義しておりましたが、新たに、コンクリートプラント等の工作物で政令で定めるもの、これを第一種特定工作物と称し、それからゴルフコースその他の大規模な工作物で政令で定めるもの、これを第二種特定工作物と申しますが、こういったもののために土地の形質変更をする行為をも開発許可を要する対象範囲に加えたということであります。第四に、新住宅市街地開発事業等の一定の大規模な面的開発事業につきまして、市街地開発事業等予定区域というような制度を設けまして、その都市計画で予定区域が決定されますと、一方には買い取り請求権を与えつつ、一方では厳重な開発行為、建築等の規制を行なって、やがてフォローしてくるであろう市街地開発事業の実施に支障のないように措置したということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/98
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099・北側義一
○北側委員 線引きされたそれ以外の土地においても一定規模。この一定規模というのは、私、勉強したら三千平米ですね。私、思うのですが、これは都市計画法の改正を見まして、本来ならもっと早くやるべき趣旨のものであったと思うのですよ。法案がずっと審議できないでおくれたのは非常に残念に思っておるのですが、ちょうど一昨年あたりこういう問題が非常に重要な問題であったんじゃないかと思うのです。線引き以外のいわゆる白地地域においてばんばんゴルフ場ができていく、そうして自然環境が破壊されて、雨が降ると土砂くずれが出てくる。こういう問題をこれで防いでいこうというお考えであろうと私は思うのですが、ほんとうは少し出すのがおくれたんじゃないか、こういう感じを私は受けておるわけです。
それとあわせて、いま四番目に答えられました新住宅市街地をつくる場合のいわゆる買い取り請求ですね。これはちょうど第五十二条の三で「土地建物等の先買い等」がうたわれておるわけです。その予定対価の額と、今回、昨日衆議院で可決して、そうして参議院へ送られました国土利用計画法案の政令部分でうたわれるいわゆる価額との関連は、どのように考えておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/99
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100・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 ただいま御指摘の予定区域内の先買いの制度は、形成権先買いと申しまして、土地所有者から第三者に土地を売買する際に、協議によるのではなくて一方的にその同じ価格で先買いしようというものでありまして、したがって、その先買い価格は売買しようとしたその価格ということになりますが、国土利用計画法案による規制区域がかぶり、その価格が法律及び政令で定めるいわゆる基準価額になるわけですから、当然この先買いする場合の先買い価格もそのワク外に出ることはない、こういうわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/100
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101・北側義一
○北側委員 そうすると、昨日通りました国土利用計画法案で、いわゆる政令でいわれておる標準価額、これで先買いの価格とする、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/101
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102・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 そのとおりでありまして、それ以下ということも法律ではあり得ます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/102
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103・北側義一
○北側委員 昨日通りました国土利用計画法案がそのように働いてくると、私はこれは非常にけっこうなことだと思うのです。
それとあわせて、今度具体的な問題でお伺いしてまいりたいのですが、実は先般自然や、また環境保全の立場から、自然や環境を破壊するゴルフ場の建設は困る、こういうことで埼玉県のほうが、ゴルフ場の造成をしようとした業者に対して、指導要綱に基づいてこれを許可しなかったわけです。そうしますと、許可を受けられなかった業者のほうが埼玉県の畑知事に対して、これは行政権の乱用である、こういうことで行政訴訟を現在起こしておるのですね。そういう内容のことがあるわけです。そこで私は、ずっと調べてみますと、各都道府県においても、すでにもう条例や要綱でこういう問題を規制している県もかなりあるわけです。そういう都道府県の持っておる要綱また条例、こういう考え方が今度の法改正の中に組み込まれておるのかどうか、これをまず伺いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/103
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104・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 ここ二、三年来、全国で非常に多数の都道府県におきまして、条例あるいは指導要綱という形でゴルフ場等を含めた開発行為の事実上の規制が行なわれております。これは都市計画法による開発許可の対象区域が限られておるものですから、その地域外を主として、やむを得ずそういういろいろなくふうをして対処しておられるわけでありますが、根拠が法律にないために十分な最後の歯どめがない。あるいは、いま言われたような訴訟というような例にも持ち込まれるおそれがあるということでありまして、今回の法律は、そういった実態を十分踏まえ、各都道府県の意向にも即しまして、各府県で現在実際に行なわれておるような開発規制の内容をほぼそのまま取り入れた許可基準とし、また許可対象の面積基準等も、大多数の県で実施されておるようなものを参考に法案化いたしたものでありまして、都市計画法のほうがおくれましたが、これができますと、従来の各地方における御苦心の必要はこの法律によってなくなる、こう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/104
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105・北側義一
○北側委員 いま一つお伺いしておきたいのですが、これは実は静岡県の富士市に起こっておる問題なんですが、やはり同じゴルフ場建設の申請書が現在もう十数件出ておる、このように聞いております。しかもその造成面積も、千八百ヘクタール、それに近い面積の計画になっておるようです。富士市では自衛手段としてその許可申請を一年間凍結したらしいのです。凍結して、その間にいわゆる学術調査団に、そういうゴルフ場の開発自身が住民にとってよいのか悪いのかという調査を依頼したわけです。その調査報告書が実は先般富士市に報告されたわけでありますが、その内容を見ますと、非常にきびしいものになっております。
どういう内容になっておるかといいますと、簡単にちょっと読んでみます。「報告書はまず、自然環境保全の基本的な考え方として 1富士山ろくは世界の代表的な景観をもち、日本の象徴としてかけがえのない資産である 2開発によって森林が減少した場合、わずかな雨でも洪水が発生しやすくなる 3中腹で開発が進めば土石流が発生する 4富士山の自然植生は極めて貴重である5こん虫類や鳥類は植生と密接な関連をもっている 6市民は大規模開発には否定的である」、このようなことをあげておるわけです。そうして富士市でこの許可申請に対してとるべき措置としても、この報告書ではこのようにいっております。まず「市がとるべき環境保全施策として 1緑と環境の保護、復元、整備に関する市独自の規制を確立すべきである 2現在、民間企業によってゴルフ場、別荘地などの開発が計画されている地域は、すべて保全区域で、原則として開発は認めない方針で進むべきだ 3土地の所有者の損失に対しては、補償や助成の方策をとるべきである」、このように提言しているわけです。これをずっと私、見まして、もしこういう許可申請というものが開発許可基準の条件を備えておる場合には、法律上、建設可能になるのではないか、そういう心配をしておるのですがその点どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/105
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106・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 この改正法が通りますと、ゴルフ場等の施設につきましても開発許可の対象になり、排水施設の整備であるとか、あるいはがけくずれ、出水等の防止、それから地すべり地域等であってはならないとか、樹木の保存、表土の復元等の措置がとられなければならないとか、各種の環境保全上の基準に適合しない限り許可できないということになりますので、相当カバーできるわけでありますが、それにしましても、その基準に合っていれば許可しなければならないわけであります。これはなまぬるいとおっしゃるかもわかりませんが、やはり法律で都市計画として押えるというものにはおのずから限度がありまして、しかもゴルフ場などは市街化を促進するような性格のものではないわけでございますから、そういった災害あるいは緑の消失といったようなことを防いでいる限りは、これを許可してもやむを得ないのではないか、こう考えます。ただ、現在は全然そういう制度が法律上もなかったわけでございまして、法律上それを最小限担保する、それ以上にまた市が独自でいろいろな措置を講ぜられるということにつきましては、法律の関連もございますが、くふうのしようによってはなお存続し得るものと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/106
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107・北側義一
○北側委員 今回の法改正でそういういわゆる漏れておった点が大部分補われてくることは、私、間違いないと思うのですね。
そこで、三番目の「土地の所有者の損失に対しては、補償や助成の方策をとるべきである」、報告書ではこういう見解を示しておるのですが、これらについては、国としては何か考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/107
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108・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 いまの報告書は、原則として一切許可しないというような非常にきびしい権利規制のようでございます。したがって、その見返りとして補償というような問題が当然考えられたものと思います。ところが、都市計画法の開発許可制度は、一定の条件に該当しておれば許可するという性格のものでありますので、これは憲法上も、公共の福祉のための財産権の制約ということで、補償の規定を置いておりません。しかながら、もっときびしい規制の内容を持ったもの、たとえば、前国会成立さしていただきました都市緑地保全法による緑地保全地区というものに指定いたしますと、これはその法律によりまして、損失補償の規定とか買い取りの規定があるわけでありまして、これは当時御審議いただいたように、緑地の保全上支障となるものは一切許可制にかけ、しかも許可しないということになっておりますから、やはり規制のきびしさと対応いたしまして補償の規定も必要になってくる。今回御提案申し上げているものは、そういう意味では、徹底的な不許可ではなくて、災害を起こさないように、緑を残すように、その他いろいろな支障を生じないようにという基準を守ってもらいたい、守っておれば許可しましょうという制度でありますから、この場合には損失補償の規定は必要ないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/108
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109・北側義一
○北側委員 緑地保全法等、いわゆるそういう法律で地域に網がかぶさる場所はいいと思うのですね。網がかぶらない、そういう場所においては、これはたとえば富士市の場合ですと、富士市でこれを補助し助成すると非常にばく大な財源が必要になってくるわけですね。そういう点、国としては助成できるのかどうか、そこらを伺いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/109
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110・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 富士市の場合の具体的な場所を調べておりませんので一がいには申せませんが、いまの報告書にあるような、富士山麓そのもので、貴重な自然環境で良好な景観を呈しておるとすれば、これは大部分都市緑地保全法の指定対象になると思います。ただ、指定にするについては、なかなか別の面からする抵抗もあるかもしれませんが、これを指定すれば、同法によりまして国庫補助の道もありますし、しかも法律に基づいて的確に間違いなく保全できるのではないかと思います。もし都市緑地保全法に指定できない、あるいは指定できるけれどもそこまではしたくないというような市当局の御意向であれば、それにふさわしいような独自の条例等をつくられるということになると思いますが、私どもは当面都市緑地保全法の活用をはかるという立場でもございますので、その法律に乗らないものにまで国庫補助を広げるということはちょっと困難ではないかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/110
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111・北側義一
○北側委員 もう時間が参りましたようですから最後にしますが、工業再配置・産炭地域振興公団法に対する質問はあとから同僚の新井委員のほうからやっていただきますが、最後に、今回の都市計画法の一部改正について修正案が用意されておる、このように私お聞しておるわけですが、その修正案についてのいわゆる建設省としての考え方、これだけを承っておきたいと思うのです。
と申しますのは、まず、「第一条のうち、都市計画法第四十三条第一項の改正規定の次に次のように加える」というこの六について確認したいわけです。
一つ目は、「市街化区域に隣接し、又は近接し」と書いてあるわけですね。これはどういう状態を予測なさっておられるのかということ。またあわせて、市街化区域の境界線からこれはどのくらいの距離を見ておられるのか。その点どうでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/111
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112・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 いまおっしゃいました都市計画法の修正案につきましては、私どもも事前に見せていただいておりますので、それによってお答えいたしますが、これは趣旨としては、市街化調整区域に関する都市計画が決定された際にもうすでに宅地であった土地、すなわち宅地として税金を納めているような土地であって、まあそういう過去の事実でもありますので、これを知事が確認してはっきりしておこうということで、そういう線引き当時からもう宅地であった土地、これにつきましてはあらためて開発行為をすることはないと思いますが、建築物を建てるときにも、現行都市計画法の四十三条の規定によって知事の許可が必要であり、厳重な許可基準がひっかかっておる、こういうものでありますので、幾ら調整区域といえども、線引きの際からすでに宅地であって税金も払っているというところまで、それも開発行為を伴なわない建築行為だけで家が建つというものまで押えるというのは、幾ら何でも行き過ぎではないかというような意味合いから、これを許可不要にしようという趣旨のものであると思います。
それに加えて、いまおっしゃいましたような「市街化区域に隣接し、又は近接し」云々の表現があり、さらに「おおむね五十以上の建築物が連たんしている地域内に存する土地であること」というような要件が加わっておるわけでありましてて、私ども、この案文によれば、基本的にはまず、「ロ」に書きました線引き当時から宅地であった土地で、その旨の知事の確認を受けたもの」、これがはっきりした歯どめではないか。「イ」に書きましたものは、条文では書いてありますが、実際にはそう奥深い調整区域というものが設定されておるわけでありませんから、まあ、川で断絶されているとか、断崖があるとか、あるいは道路が通じていないとかいうようなことがない限り、市街化調整区域の一番端までいきましても、市街化区域の境目からそう遠いともいえない。歩けば遠いにしても、日常生活圏としては入るような気もいたします。おおむね五十以上の建物が連檐というのは、これは客観的に把握できるわけでありまして、ぽつんと宅地があるということも少ないと思いますが、もしそういうものがあっても、それはだめだということは判断できるのではないか、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/112
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113・北側義一
○北側委員 私は、拡大解釈されて線引きの大きな手直しがあるようなことがあっては困りますので、いまの質問をさしていただいたわけです。
時間が参りましたので、約束どおりこれでやめさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/113
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114・木村武雄
○木村委員長 浦井洋君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/114
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115・浦井洋
○浦井委員 私は都市計画法の一部改正案についてお尋ねをしたいと思うのですが、最初に建設大臣と総理府総務長官にお尋ねをしたいと思います。
先ほど、日本列島改造という問題について、特に総務長官は一方ならぬうんちくを傾けられたわけでございますが、「日本列島改造論」という書物は、すでにあまり人から顧みられないといっても過言でないほどの状態になっておるわけでございますけれども、それと関連をして、列島改造構想というものについて、両大臣、はたしてこれを断念されたのか、軌道修正をされたのか、それとも今後とも進めていかれる所存なのか、その辺を明快に、まず建設大臣から、その次に総務長官にお尋ねしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/115
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116・亀岡高夫
○亀岡国務大臣 列島改造論につきましては、総理も言っておりますとおり、これは自分の論文である、政治家としての考え方を記述されたものと解しておるわけでございます。政府の施策といたしましては、閣議決定をいたしまして、それに基づいて国会に法案を提出をし、その法案によって行政を進めておる次第でございまして、総理は、列島改造と、こう申ざれたわけでございますけれども、私どもといたしましては、あの中にあるいわゆる国土の実態、過密過疎の問題、それから自治体の中のアンバランスの問題と、いろいろと今日までの日本国土を総体的にながめてみました場合に問題が累積いたしておりますことは、浦井委員ももう万々承知のとおりであります。こういう大都市地帯における住宅問題一つ取り上げてみましても、これは解決しなければならない。地価問題一つ取り上げてみましても、法律だけでその成果を期待することもできないわけでございまして、どうしても国土全般にわたった均衡ある発展という立場を貫いていくことが一億国民に対するわれわれ政治の分野を受け持つ者の責務であるということは、これは何人といえども否定し得ないところであろうと思うわけでございます。したがいまして、その方向に向かって私は建設大臣として建設行政をリードをしてまいりたい、このような考えでおる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/116
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117・小坂徳三郎
○小坂国務大臣 私は、いまの日本の現状を見ますと、大いに変えていかなければならぬ面がたくさんあると思います。たとえば公害問題一つとりましても、あるいはまたこの東京や大阪、名古屋のいろいろな生活環境を見ましても、また一方におきましては、地方の小さな村が過疎化していくというような現実。私はやはり、いまのままで、これでいいんだというわけにはいかないわけだと思います。したがいまして、そこに大きな改善をやっていく必要もあるし、同時に、その一番母体になるのが土地の問題、地価の問題、また同時に発想の問題も含めて、われわれはやはり、今日の事態を踏まえてもっと住みよい日本をつくるべきだという考えでおりまして、そういう意味からいいますと、この改造をしていきたいという意欲は非常に強いものを私は持っております。これをどのような形で実現していくかということについての方法論についても多少の考えを持っておりますが、これはいま述べませんけれども、いまの現状でいいという考えではない。したがって、これが多少でも改善される方向があるならば、どんな小さなことでも、また多少迂遠であっても、その目的を達する方向の中で努力をしてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/117
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118・浦井洋
○浦井委員 総務長官、私の質問はそれだけです。食事をしていただいてけっこうです。私はまだしていませんけれども……。
建設大臣にお尋ねをしたいのですが、いま両大臣とも、私がまとめてみますと、やはり列島改造、多少いままでのやり方を軌道修正をして改造していかなければならないという、非常な熱意に燃えておられるというふうに理解したわけでございますけれども、そうすると、建設大臣のいま言われた中に、こういう項目は今後ともやっていかれるということで加えられておるのかということを聞いておきたいと思うのです。
それは、一つは工業の再配置の問題、二つ目は地方中核都市づくりの問題、それから三番目は交通ネットワークづくり。この三つは、やはり今後とも、いろいろな施策を活用したり組み合わせたりしながら続けていかれるつもりだろうと思うのですが、ちょっと確認をしておきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/118
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119・亀岡高夫
○亀岡国務大臣 工業の再配置の問題は、国会で立法されておる問題でもございます。その法律の精神に忠実に沿っていくのがわれわれ行政の立場のものでございますので、これは三大都市圏等においては今日までずいぶん実績もあげておるわけでございます。今後も引き続いてやってまいりたい。ほかの二点につきましても、御指摘のとおり、計画に基づいて推進をしてまいりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/119
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120・浦井洋
○浦井委員 私が三点あげた工業再配置、地方中核都市、交通ネットワーク、これはいま、今後やっていきたいと言われた。確かに自民党田中内閣の列島改造政策の三本柱であるわけですから、これは当然そういうお答えが返ってくるだろうというふうに思っておったわけです。そこで、具体的に法案との関連で建設省にお尋ねをしたいわけです。大臣はしばらくけっこうです、食事をされて。都市局長だろうと思うのですが、お尋ねしたいのですが、今度の都市計画法の一部改正案の中身である一番の重要点だとわれわれは考えておるわけですが、市街地開発事業等の予定区域の創設の問題です。地方中核都市づくりを推進していく場合に、この制度は当然活用されるだろうというふうに私は考えるわけですが、やはりこれは活用されるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/120
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121・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 地方中核都市の整備の場合に、個々の施設を整備することももとより必要でありますが、たいていの場合、まず宅地造成を行なうという意味で、大規模な面的な事業、つまり市街地開発事業を行なうことになると思います。その場合には、この法案が成立すれば、この予定区域の制度をできるだけ活用して円滑な市街地整備がはかれるようにいたしたい、こう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/121
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122・浦井洋
○浦井委員 そこで下河辺局長にひとつお尋ねをしたいのですが、昨日、国土利用計画法が衆議院を通過したわけでございます。私は思うのに、この国土利用計画法が施行をされますと、都市計画法の今回の一部改正にございます予定区域、これは国土利用計画法の二章、三章の国土利用計画であるとか土地利用基本計画の中に、どういう表現になるか知りませんけれども、必要な事項は当然書き込まれるというふうに思わざるを得ないわけですが、簡単にひとつ下河辺局長からこの点を確認しておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/122
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123・下河辺淳
○下河辺政府委員 委員会提案法でありますから、私から申し上げることは必ずしも適切じゃないかもしれませんが、私の理解するところでは、やはりいま御指摘いただきましたように、計画の中で、そういった計画が行なわれる場合にはその用途について明らかにしておく必要があると思いますけれども、その用途が実施に移され、あるいは開発事業として決定されることは他の法令でやるということを国会から御指示いただいているわけで、そのように取り扱いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/123
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124・浦井洋
○浦井委員 具体的にもう少しお聞きしたいのですが、国土利用計画の項の中に全国計画、都道府県計画、市町村計画があり、それから三章は土地利用基本計画で、これは知事が定める。具体的にその辺でどうなるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/124
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125・下河辺淳
○下河辺政府委員 全国計画としての国土利用計画の場合には、都市計画法上の予定地域制度というふうなきめのこまかいところまではとうてい入れないと思います。もつと大きな土地利用の分類に応じた将来構想を描くことになると思います。しかし、市町村計画ということになれば、市町村長の御意向によって、都市計画上の事業というものをその中へ織り込もうというお考えの市町村長もおられることは当然だろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/125
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126・浦井洋
○浦井委員 この予定区域が決定をされ、それからあとで、たとえば市町村計画の中に何らかの形で書き込まれるのか。それとも、市町村計画がある程度定められたあとで予定区域を含む都市計画決定をするのかという問題については、見解はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/126
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127・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 体系としては国土利用計画法案が、国土利用計画につきましても、土地利用基本計画につきましても、都市計画法の上位計画ということになっておりまして、具体的な執行力のある、規制力のある事業として行なう場合に、それを受けて必要な都市計画決定をして規制をし、あるいは事業化を進める、こういうたてまえであろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/127
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128・浦井洋
○浦井委員 それでその点は大体わかりました。いずれにしてもいまのお話から言いまして、この都市計画法の一部改正の市街地開発事業等予定区域の創設という点と、国土利用計画法の特に国土利用計画あるいは土地利用基本計画のところとは、非常に密接な関係があるということがわかったわけでございます。
それで私は、これは都市局長についでにちょっとお聞きしておきたいのですが、生活環境整備のための開発ということも、それから大規模工業開発という点でも、法体系の上ではこれは区別がつけられないというふうに私は思うわけですが、この点を確認しておきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/128
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129・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 この市街地開発事業等予定区域というのは、改正法案の第十二条の二に書いてありますように、六つの事業に限られているわけでありまして、それは、新住宅市街地開発事業の予定区域、それから首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律による工業団地造成事業、あるいは近畿圏の近畿整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律による工業団地造成事業、要するに、首都圏と近畿圏の近郊整備地帯か都市開発区域で、既成市街地等から出ていく工業を主として受けるための工業団地造成事業という意味でありますが、そういう地域の限られた事業、それから新都市基盤整備事業、それから二十ヘクタール以上の一団地の住宅施設の事業、それから一団地の官公庁施設の事業、それから流通業務団地の事業、この六種類に限られているわけでありまして、これ以外のものはありません。
〔委員長退席、天野(光)委員長代理着席〕
ごらんになっていただければわかるように、相当部分は住宅の市街地でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/129
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130・浦井洋
○浦井委員 その点はお聞きをしておくだけにとどめておきたいと思うのです。
次の問題は、これは都市計画法全体の問題にも関連するわけなんですが、このたびの予定区域の決定にあたっても、これが実施をされると当然問題になるだろうと思うのですけれども、住民参加の保証というものは一体どうなりますか。これは都市局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/130
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131・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 この市街地開発事業等予定区域も都市計画の一つとして加えようということでありますから、他の都市計画と同様、都市計画法の定めるところによるすべての手続を経なければなりません。御存じかと思いますが、まず知事がこれを定めまして、定めるにあたりましてはあらかじめ関係市町村の意見を聞く。それから都道府県に置かれております都市計画地方審議会に付議しますが、この中には、学識経験者のみならず地元の議会の議員の方々も入っておられることが大部分であります。それから、そういった一連の手続のほかに、まず都市計画の案ができますと、その案につきまして一定期間公告し縦覧する。そしてその期間中に計画を公式に見た住民の方々の意見が出れば、これを都市計画地方審議会に提出しなければならないということになっております。さらに必要に応じ公聴会等も開くということになっておりますし、実際上も、大規模な事業であればあるほど、かなり小まめに説明会等を開いて周知徹底をはかっているということで行なっているわけでありまして、この予定区域の制度もそのような民意を反映した手続を経て初めて決定される、こういうわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/131
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132・浦井洋
○浦井委員 都市計画法の住民参加のところを説明していただいたわけですが、その新都市計画法が具体的なものを対象にして事業を進めていっておるわけですが、いろいろな形でいろいろなところでトラブルを起こしておるわけで、私は、現在の都市計画法の住民参加のあり方というものはきわめて不十分なものである、やはりこれはもっと真の住民参加の形に変えるべきであるという考え方を持っておるわけです。これはしかし、きょうの一部改正のところの重点をはずれますので、この辺にしておきます。時間があまりないので……。
その次の問題は、これは予定区域が決定されて三年以内に市街地開発事業に関する都市計画が定められる、そして二年以内に施行予定者が都市計画事業の認可を申請する、そして事業に着手する、こういうことになるわけなんですけれども、いままで、この改正点がなければ——なければと言うとおかしな表現になりますけれども、やはり期間が、住民の十分な納得が得られるまで、あるいはその反対を納得させるまでには相当施行者のほうもしんしゃくをし延ばす余裕があったわけなんですが、こういう形で最大五年間というようなかっこうで期限が限られてしまうと、いろいろな都市計画事業を実施していく場合、あくまでも住民が反対するというようなことがあったときに、施行者のほうはこれは着手することが義務づけられる、住民は反対だということで、いままで以上にトラブルが複雑になり深刻になっていくことが考えられるわけなんですが、その辺の見通しなり、あるいはそれに対する対策なりについて、建設省としてはどういうふうに考えておられるのか、ひとつ聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/132
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133・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 いままでは、この都市計画の決定に先立って、予定区域といった形でのいわば予備的な都市計画をあらかじめ定めておくという制度がなかったわけでございますが、私は、この新制度を運用する場合に、先ほど申しましたように、まずこの予定区域に関する指定そのものを一つの都市計画として位置づけております。このために、先ほど申し上げましたような各般の手続をすべてとるわけでありまして、その上で、しかも一期間がいま言ったように最長五年と限られていることを承知の上でこの計画が決定されるとなれば、これはその段階で地元住民の方々との基本的な利害調整は完了していると思います。したがいまして、その後三年のうちに詳細な内部計画を策定して事業に関する都市計画を決定しなければならない、さらにその後二年以内に事業の認可を申請しなければならないという期限がありましても、これはもう基本的には、面開発を行なうということの大かたの了解を得られた土地について内部的に行なう手続のことでありますから、その段階で急に住民の御意向が変わって多数の人が反対に回るというようなことは通常はあり得ない。御指摘のような心配は、むしろ予定区域という制度を先に置くことによって、その段階ではっきりできるんじゃないかと思います。
なお、従来のこういった新住宅市街地開発事業等の大規模な市街地開発事業の実際に所要しました期間というものを考えましても、大体この基本構想で予定区域が事実上きまるわけですが、その基本構想が固まりましてから都市計画の決定を得るまでの期間は大体二年程度が多いわけでありまして、さらに、都市計画決定から事業認可までというのは、非常に短期間のものもありますし、長いものでも一年程度というものでありますので、本法で三年あるいは二年ときめましたことは、従来の実績から見てもそう無理な期限ではない。したがって、その期限が短いがゆえに従来以上に折衝がおろそかになる、ごたごたが加重されるというようなことは決してあり得ないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/133
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134・浦井洋
○浦井委員 それはあまり答えにならぬわけなんですよ。むしろ期間が五年という形で限られたためのトラブルがやはり起こってくるだろう。特にその場合に途中で起こってくる問題としては、地域の整備をやっていく上で環境保全の問題なんかは当然当初起こってくるだろうと思う。これはきょうの主たる論議の対象にならない問題になるので省きますけれども、やはり補償の問題などが途中で起こってきて、それがこじれて事業がにっちもさっちもいかないというようなことは当然起こってくるだろうと私は思わざるを得ないわけなんです。
そこでもう一つそれに関連して聞いておきますけれども、この市街地開発事業等の予定区域、これは先ほども申し上げましたように、国土利用計画法が施行されると、この予定区域も、当然国土利用計画法の何条ですか、例の規制区域、これに指定されるだろうと私は思うわけですが、そう見て差しつかえないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/134
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135・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 これは一がいに申せないと思います。規制区域にかける必要があると思えば規制区域にかかるということも多いと思いますが、まあそこまでの必要はない。といいますのは、この予定区域は、都市計画でその区域をきめますと、それ以後の建築行為とか土地の形質変更、そういった事業の支障になるものは一切知事の許可制にかけ、しかも知事は事業の支障となるものは許可しないということにいたしますので、その段階での新たなる乱開発あるいは投機的取引というものは行なってもしかたがない、事実上行なえないということになるわけでありまして、なるほどこの予定区域制度自体は売買そのものを押えておりませんけれども、買ってみたところでどうにもならない。結局は公的機関に買収、最後には収用されるだけのものでございますから、うまみというものが全くないわけでありまして、この予定区域だけでも済む場合も多いと思います。しかし、一がいには申せませんので、両方並べまして適切な運用をはかるということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/135
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136・浦井洋
○浦井委員 そうすると両方の場合がある。規制区域の指定と予定区域の指定、両方かけられた場合に、私はちょっと心配するのは、規制区域の場合でしたら、この間から問題になりましたように、国土利用計画法の十六条ですか、「近傍類地の取引価格等を考慮して政令で定めるところにより算定した」云々ということになって、これは時価の七割から八割という形になる。ところが一方、予定区域というかっこうでそのまま進みますと、これは公示価格、一応たてまえとして時価というかっこうになって、その間に矛盾が起こってこないだろうかという心配が起こるわけでございますけれども、その辺はどういうように理解されておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/136
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137・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 予定区域もそうでありますが、必ずしも予定区域だけでもないわけでございますけれども、規制区域に指定されれば、その指定されておる期間は、法律及び政令に定めるいわゆる基準価額で凍結されるということでありまして、いわばそれ以後その場所での近傍類地の取引価格もその額を出ないわけでありますから、それが新しい時価になる、こういうことであろうと思います。
〔天野(光)委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/137
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138・浦井洋
○浦井委員 時間が来ましたので私はやめますけれども、結局、いまの局長の答弁によりますと、私どもがかねて主張しておりますように、そういう形で公的機関が安い値段で土地を入手できるというような道を開くという見方も出てくるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/138
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139・吉田泰夫
○吉田(泰)政府委員 規制区域をかけますその真のねらい、これがどこにあるかということによってその運用も行なわれると思います。もともとの地主そのものから安く取り上げるためにつくるというのであれば、おっしゃることにもなりましょうけれども、いろいろな事業主体としても、そこまでがめつく考えるかどうか。いろいろな運用のしかたがあり得るのではないか。ただ制度として、規制区域にかけたままで買収、収用までいけばその価格でしかない、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/139
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140・浦井洋
○浦井委員 大体ポイントだけをお聞きしました。ほぼ了解いたしましたので、意見はひとつあとの討論の中で述べさしていただくということにいたしまして、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/140
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141・木村武雄
○木村委員長 新井彬之君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/141
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142・新井彬之
○新井委員 私は、工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案につきまして、若干の質問をさしていただきます。
この内容につきましては、工業再配置の問題と、産炭地域の振興と、それから今回また新し都市づくりのことが加わったわけでございますが、私は、先ほど長官が、いまの日本は変えなければいけない、こういうことで答弁があったのでございますが、確かに、過疎過密、それから公害であるとかいろいろな問題があるわけです。そこで政府といたしましても、新全総計画であるとかいろいろな計画を立てて、あるいは鹿島の開発であるとか、あるいはまた水島であるとか、いろいろのことをおやりになったわけです。これはおもに工業地帯にするとかどうかということは別にいたしまして、おやりになったのですが、そういう中で、今後新しい都市づくりをするというときにおいて、私も日本全国あまり知らないわけでございまして、答弁があってもちょっとわからないかもわかりませんけれども、長官は、いまの日本の都市の中で、二十万ないし二十五万都市としてこの都市は理想的だ、あるいは一番いいんじゃないかと思われるような都市はどこでございますか。まずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/142
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143・小坂徳三郎
○小坂国務大臣 お答え申し上げます。
二十万ないし三十万程度の都市でここはいいなと思うところは、正直なところ一長一短があって、ここだときめるわけにもなかなかいかないと思います。ただ、一つの新しい試みとしては、都市をつくる場合に、どうしてもそこに就職のチャンスがなければならぬ、あるいは就学のチャンスが豊かでなければならぬ。生活環境がたいへんいいというようなことを考える前に、やはりまず就職のチャンスを多くつくろうというようなことで、工業化というテーマが今日までは大きな一つの方針としてずっとやられてきたわけであります。そうした結果が、いま委員もおっしゃったとおりのいろいろな問題が出ておる。私も全く同感なわけであります。
そうした事態を考えますと、これからの都市づくりというものは、そうした一方においてたいへんな犠牲を国民にしいたこともありますが、同時にまた、日本の経済力というものが、国民がある程度食っていける水準には確かに達した。これからはむしろ、先ほども申し上げましたように、文化的なことでも食っていける、あるいは商業関係だけでも食っていける、いろいろと食っていけるという基盤が一九六〇年から七〇年にかけて大幅に変わったということ、私はその辺のところを非常に注目したいと思うのです。
したがいまして、そういう目から見ますと、現実には一長一短あるし、同時に煙の立たない都市は非常に所得が低いというようなことになっておりますが、われわれは、そういうことをきめこまかく考えながら、同時にその選択を何にするか。工業生産の基盤の上に都市をつくっていくのか、あるいはまた文化的な活動の中で都市をつくろうとするのか、あるいは商業的な活動の中で都市をつくろうとするのか、私はその選択はその地域住民がきめるべきことだと思うのです。私はそのような考え方を持っておりまして、だから、ここは何にしよう、ここは何にしようということは、いまの大きな変化の中でもう少しじっくりかまえて見詰めていく必要があるのではないかというふうにも思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/143
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144・新井彬之
○新井委員 私は、そういう努力、必ず一歩前進するんだということでいままでの経過は来たと思いますが、たとえて言いますと、それじゃ東京都がどうしてこういう状態になったか。これはあの戦後のときは焼け野原で何にもなかったと思うのです。それ以後いろいろの現在までの経過はございましたけれども、あの当時に、きちっとした一つの現在というものを考えられた都市計画といいますか、あらゆる都市づくりの基本というものがあれば、これはだいぶ世の中は変わっていたんじゃないか、こういうぐあいに思うわけです。
そこで、それじゃ現在どういう問題がまた起こっているか。たとえて言いますと、道路一本引く場合におきましても、その道路というものは、道路法によるちゃんと規格がございまして完ぺきにつくられるのですけれども、歩道がないじゃないか。そこで歩道をつくる法律ができる。今度は、いま山陽高速自動車道のように、公害、要するに騒音と排気ガスということで、これではたまったものではない、したがってそこには今度は緩衝緑地帯をつくらなければいけない。そうすると、側道に五十メートルとるのか、百メートルとるのか別としまして、一つの科学的な根拠としてそういうことをやればいいんじゃないか、こういうぐあいに進んでくるわけですね。
もう一つは、住居という一つの問題を見ましても、住宅公団というものができて、あの当時は確かに家が足らなかった。あるいはまた、市営住宅、公営住宅、そういうものができたときには一つの規格はありますが、現在に合わすと逆に非常に狭くてスラム化してしまっている。こういうことから考えまして、私は今回できたこの公団が、りっぱなものをつくるつくるとは言いますけれども、そういう一つ一つの歴史の中において、実際問題それができるのかどうかということについてははなはだ疑問があります。
たとえて言いますと、去年石油危機ということがございまして、これは先ほども出ましたけれども、田中総理の列島改造論では、六十年までに七億五千万キロリットルの石油を使わなければいけない。もちろんあれは、総理が言っていますように、一〇%の場合はこうだ、何%の場合はこうだというような前提がありますけれども、どちらにしても経済が伸びていくということがまず前提になる。したがって、ああいう一つのショックが起こった場合に、今度は石炭の見直しということがありますね。そうすると、土地の利用ということを一つ考えた場合におきましても、現在工場というのは大体十五万ヘクタールですかある。しかしこれが昭和六十年には、この前の建設省の予想では二十七万ヘクタールであったものが、いまでは三十七万ヘクタールになるんじゃないか。ここにまた一つの大きな違ったものが出ているわけですね。そうすると、総理が言っているように、一次産業を二次産業にかえていく、あるいはまた公害産業、重化学工業をなくして非常に能率のいい経済にかえていくんだ、こういうようなこともあるわけです。それともう一つは土地問題ですね。工場面積はどのようになってくるんだ、そういうような前提というものが踏まえられないところにいままでの都市政策というものの失敗がある。
それからもう一つは、公害というものにおきましても、たとえて言いますと、筑波学園都市というのがいまつくられておりますね。ここで新たな公害の問題が発生するというのは、どういうことがいわれているかというと、ここには研究所がたくさん集まるわけです。したがって、微量な少ないものをちょっと流すということについてはたいした問題にはならないかもわかりませんが、そういう研究所でもって多量のものを一斉に流した場合に、それがわれわれ人体に与える影響というものはどういうことなのか。これは科学技術庁でも七項目にわたって調査いたしておりますね。その中で現在の人員の配置とあれではわからない。いまの公害の例というのは、たとえていうと大気汚染の問題にいたしましても、あるいはまた水俣病の問題にいたしましても、そのときすぐにわかるというんではなくて、長い経過をたどって救済措置が設けられている。したがって、そういうものを多量に流されたときのわれわれに与えたあとの人体被害というのはどうなのか。したがって、そういう一つの都市をつくりましたが、今度そこにおける公害というものの具体策からいきますと、そういう手配というものは何らされていない。したがって、これが五年、十年たったときに何らかの問題として提起されてくるんじゃないか。そうすると、またこれも、非常にいい都市計画であった、非常にみごとなものであったといわれながら大きな問題になる。
それからもう一つは、現在大規模開発として行なわれておりますけれども、むつ小川原にしましても、ここは賛否両論、半々というような形で、私たちも新聞等でしかわかりませんけれども、あの開発については、地域住民の生活というものに対して、私たちは自然環境を守らなければいけない、いやそれでは生活ができないということで、非常な反対——まあ賛成の方もいらっしゃる。こういう中でこの方々が心配することは、自分たちの今後の生活というのは、いままで漁業をやり、あるいは農業をやり、あるいはそういう環境のいいところに住んでいたものがどのように変わってくるんであろうか、こういうようなことがあると思います。したがって、たんぼならたんぼを売ってしまった方が、家を建て自動車を買ってみたけれども、確かにその年においては土地成金という形になったかわかりませんけれども、そのためにあとのことをほうってしまう、こういうようなことであります。
それからまた、先ほどからの議論を聞いていますと、今回の公団ということでいろいろやられた場合には、地方公共団体そのものがやらなければいけない事業もたくさんありますね。確かにこれは公債とかいろいろなもので補っていかれると思いますが、結局はそういうものを借りてまた返すということになった場合に、さっき長官もおっしゃっておりましたが、過疎地域の場合は財源がありません。そういうようなところに工場も来てほしい、そういうものをつくってほしいということもありますけれども、ほんとうにいろいろのことの検討の中に進められていかなければならないということを私は思うわけでございます。
私は時間がないから長いことしゃべっているわけでございますけれども、そういうことについてお答えいただきたい、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/144
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145・小坂徳三郎
○小坂国務大臣 やはりただいまおっしゃいましたように、今日が一番私は総合的にものを見なければならぬ時代だと思います。また同時に、総合的に見ても、それを実施する機関がやはり総合的な機能を持つものでなくちゃならぬと思うので、今度の国土利用計画法というような新しい法律ができましたことが一つのきっかけになるのじゃないか。私は、むしろたいへんにこの法律の制定を高く評価したいし、またかねてから思っていたことがこれで一つできたような気がするわけでありますが、問題はやはり、総合的にものを見ていくということのためにも、従来のような縦割り行政だけではいけないと思うわけでございます。
私はそういう面から申し上げますと、いまおっしゃいましたように、総合的に見るということと、もう一つ大事なことは、やはり人間は進歩したいという意欲がございますが、この進歩というのはどういうことかということをもう一度よく考えてみなくちゃいけないので、第一次産業を捨てて第二次産業に移るということが進歩であるように、従来この二十年ずっとそれが一つのテーゼになってきておりますが、必ずしもそれが進歩ではないんじゃないかというもう一つの価値観が出てきておる。そうした問題も踏まえて、同時に長期的な計画と申しますか、長期の観測と申しますか、そうしたものも、あらゆる現在の資料と予測の中から、これはやはり試行錯誤があってしかるべきだと思いますが、どんどんと出していく、その中から地域社会の人たちがそれを選択していくというような、そういう仕組みがいいのではないかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/145
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146・新井彬之
○新井委員 そこでちょっと具体的な問題でございますが、今度の新公団については、確かに、地元の要請によって行なうというようなこととか、二、三の違いはございますけれども、いままでの住宅公団がこれは似たような仕事をされておったわけですね。この住宅公団がいろいろな経験を踏まえた上で、それだけの機構、組織を持っておりますね。そこで、今回のこの公団においては、住宅公団がやっている都市圏ではなくて地方都市ということになるわけでございますが、そういう経験を持ち、いままでほんとうに土地問題でも苦労して、何とかしなければならないということでやってきた、こういうところを活用するほうが当然ではないかと私は思うのでございますけれども、そういう意見についてはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/146
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147・小坂徳三郎
○小坂国務大臣 もちろん民間の蓄積された体験と技術というものを尊重しなければならぬことは当然でございます。しかし一方、やはりいろいろな都市の整備というようなことには金もかかるし、またそれなりの総合されたもっと広い意味の総合的な技術が必要でございますので、民間の経験や知識、そうしたものと、公団の持つより大きな動員力と申しますか、そうしたものをうまく組み合わせて運営をしながら要望にこたえていくのが一番いいのではないかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/147
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148・新井彬之
○新井委員 それから、この開発計画の十分な検討ということでございますが、これについては、さっきから議論がありましたけれども、私としては新公団なり国、それから地方公共団体、それからまた移転する企業、そういうような間において十分検討されて、公害企業が拡散をされる。要するにいま都市に集まった公害が地方へ拡散するんだということは、いままでの歴史から見ると、工場が行ったところは確かに拡散されて、そこは汚染されなかったということはないと思います。したがいまして、そういうような検討という問題について、確かにこれでは協議するというような形になっておりますが、やはりそういう意味においては、同意するということに——何か聞けば、実質的には同じだ、こういうのですが、法律用語で協議ということになっているようですが、やはり同意するような形のことでなければならないと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/148
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149・小坂徳三郎
○小坂国務大臣 十分御意見を尊重して考えてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/149
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150・新井彬之
○新井委員 それから、都市から地方に移転するのは、現在は工場というのは大都市では非常に規制されております。したがって、いま集中の利益といいますか、いま都市に集まっているのは事務所が非常に多いわけでございます。この事務所のデータも私、持っておりますが、時間がありませんから一々答弁する必要はございませんけれども、結局、人口が集中しているといういまの大都市の機構は、これはやはりそういう事務所が集中をしている。どうしても中央集権化といいますか、東京に事務所がないようなところはなかなか企業も大きくなれない、あるいはまたここにいることが非常に便利である、こういうようなことだろうと思いますが、とにかくこういう問題については、いろいろといままでも議論があったところでございます。
その中で、この前の委員会でございますか、とにかく政府機関、たとえて言いますと、造幣局だとか、あるいはまた専売公社であるとか、そういうものが率先して地方に行くんだというようなこともやりますという答弁がありますが、そういうことについては実態はどのようになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/150
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151・江口裕通
○江口政府委員 いまの御指摘は、先般の工業再配置・産炭地域振興公団法の改正のときの附帯決議として数項目いただいておるわけでございますが、その中に御指摘を受けたことであろうと考えております。
政府関係機関といたしましては、現在、御存じのように五現業及び三公社関係のものがございますが、そのうち主として現在工場を、移転促進地域、つまり密集地域に持っております機関は、印刷、造幣あるいは専売、国鉄の修理工場というようなものでございます。これらにつきましては、長期的に見ましては、御指摘のようにどんどん分散をしていくということが必要であろうかと考えておりますが、ただ、個々に見てまいりますと、たとえば印刷、造幣の場合は現金輸送の問題がございまして、そういうものの保全のためにどうしても近間におったほうがいいとか、あるいは国鉄の修理工場の場合は車両の集まるところでなければ困るというような事情もあるやに聞いております。しかしながら、長期的な方向といたしましてはその方向で極力進めてまいるということで、現在関係省庁とも御相談をいたしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/151
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152・新井彬之
○新井委員 それから、これはいま、東京から、あるいは大阪から、名古屋から地方へ分散した場合に、たとえて言いますと、今度は兵庫県なら兵庫県ということを考えました場合に、そういうものを六十カ所なりあるいは八十カ所、百カ所つくったときに、ある地域において、そこに逆に人口が集中する。すなわち、東京とか大阪とか名古屋にいた方々が、いなかからそういうところに集中していた方が、今度は逆にそういう兵庫県なら兵庫県の一部のところへ集中をして、過疎過密の解決にならない、かえってもう一カ所その県において過密状態が起こるということも考えられるわけです。そういう問題についてはどのように考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/152
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153・粟屋敏信
○粟屋政府委員 いま先生の御質問は、地方分散をした結果、かえって地方の都市が過大になり過密の弊害が生ずる、一方、その地方の圏域内の人口が都市に集中することによりまして過疎が激化する、こういう御趣旨の御質問だろうかと思いますが、今後、地方都市の振興整備を進めるにあたりまして、再び都市において過密の弊害が起こらないように、適正な配置、都市の選択、適正な市街地の形成ということが非常に重要であろうと思いますので、そういう点については十分配慮を払ってまいりたいと思います。
なお、同一圏域内において、地方の一つの中心都市に集中をして過疎が激化するという問題でありますが、地方都市の整備とあわせて過疎対策も実施する必要があるわけでございまして、過疎地方におきましても、生活する住民に不便がないよう十分な配慮をし、また過疎地域に住む人が地方都市に出て働くなり、あるいは娯楽の場を求めるなり、日常生活に不便のないような交通施設等の整備も進めていく必要があると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/153
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154・新井彬之
○新井委員 いまそういうお話がございましたが、さっきから指摘をされておりますように、地方公共団体というのは、予算さえあれば、その地域の住民の意見を聞いてりっぱな都市をつくりたいというところがほとんどでございます。まして、東京とかこういう人口集中地域についてはまあ別といたしましても、過疎地域等においては予算も非常に少ない。それからもう一つは、工場が来た、人が来たという場合に、税金におきましても所得税は全部国税で行ってしまいますね。あるいは法人税も東京の事務所を中心としてそういうところに行ってしまう。ところが、人が一人ふえるときの地方公共団体の負担というのは、年額大体十六万円かかる。したがいまして、固定資産税であるとか、あるいは住民税とか県民税あたりでは、かえってまたその地方公共団体が困るというような結果にもなるわけでございます。したがって、いまそういうような答弁でございましたけれども、総合的な手を打つといっても、これはいまこういう状態だからこういうぐあいに手を打つという具体的なことがなければ、やはりこれは机上の空論ということになるわけでございまして、私は、そういう先ほどから指摘をいたしました件について、日本のこの国土が、長官がおっしゃったような、公害のない、ほんとうに住みやすい国土になる、そういうことのできる仕事をひとつやっていただきたい、それにはますます検討していただきたい、このように強く要望いたしておくわけでございます。
時間が参りましたので、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/154
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155・木村武雄
○木村委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/155
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156・木村武雄
○木村委員長 この際、天野光晴君及び稲富稜人君から、工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案及び都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対し、それぞれ修正案が提出されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/156
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157・木村武雄
○木村委員長 提出者天野光晴君から、順次趣旨の説明を求めます。天野光晴君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/157
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158・天野光晴
○天野(光)委員 工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案並びに都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨説明をいたします。
ただいま議題となりました両修正案につきまして、自由民主党及び民社党を代表してその趣旨を御説明申し上げます。案文はお手元に配付してあります。
まず、工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案に対する修正案について申し上げます。
本修正案の第一点は、改組、拡充後の工業再配置・産炭地域振興公団の名称を国土総合開発公団とすることにしている点を改め、地域振興整備公団とすることであります。これは、改組、拡充後の公団の目的、業務等をより的確にあらわす名称付をそうとするものであります。
第二点は、改組、拡充後の公団が筑波研究学園都市建設事業を日本住宅公団から引き継ぐこととしている点を改めて、同事業は引き続き日本住宅公団に施行させるようにすることであります。これは、本法案の提出後一年有余を経過いたしました、その間に、日本住宅公団による同事業の施行が一段と進捗したことにかんがみ、同事業の安定的継続をはかることが適当であると考えたためであります。その他所要の規定の整備を行なうこととしております。
次に、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対する修正案について申し上げます。
市街化区域及び市街化調整区域の線引きは、道路等を境界としているものが多い関係上、市街化区域に隣接し、または近接し、かつ、市街化区域と一体的な日常生活圏を構成していると認められる地域であっても、市街化調整区域に編入されていることは御承知のとおりであります。
本修正案は、このような事情等を考慮し、一定の要件に該当する市街化調整区域の地域内にあって、既成宅地である旨の都道府県知事の確認を受けた土地において行なう建築物の新築等は、都道府県知事の許可を要しないものとしようとするものでありますが、なお不正の手段により都道府県知事の確認を受けた者に対しては、監督処分の規定を適用することとしております。
以上が両修正案の趣旨でありますが、委員各位の御賛同をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/158
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159・木村武雄
○木村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。両修正案について別に発言の申し出もありません。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/159
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160・木村武雄
○木村委員長 これより、工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案及び都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案、並びに両案に対する両修正案を一括して討論に付します。討論の申し出がありますので、順次これを許します。松野幸泰君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/160
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161・松野幸泰
○松野(幸)委員 私は自由民主党及び民社党を代表いたしまして、ただいま議題となりました工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案及び同法律案に対する修正案、並びに都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案及び同法律案に対する修正案につきまして、賛成の意向を表明するものであります。
まず、工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案は、現在の工業再配置・産炭地域振興公団を改組、拡充して、同公団が従来の工業再配置業務及び産炭地域振興業務とあわせて、新たに地域社会の中心となる都市の開発整備に必要な業務等を行なおうとするものでありますが、大都市からの人口及び産業の地方分散と地域の開発、発展の促進をはかる見地からも適切な措置というべきであります。
また、公団の名称、筑波研究学園都市建設事業の引き継ぎ等に関する修正案は、公団の目的、業務をより的確に表現するものとして、また筑波研究学園都市建設事業の現在の進捗状況より見て必要な措置であると考えるのであります。
次に、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案についてでありますが、本法律案は、都市における市街地の拡大、全国的な乱開発の進行等の現状にかんがみ、線引きの対象とされていない都市計画区域についても、開発許可制度を導入する等同制度を拡充強化するとともに、市街地開発事業等予定区域制度を創設し、また、工業専用地域における建蔽率を強化しようとするものでありますが、これは、開発行為の適正化、良好な都市環境の確保をはかる見地から妥当な措置というべきであります。
また、一定の要件に該当する市街化調整区域の地域内にある既成宅地において行なう建築物の新築等は都道府県知事の許可を要しないとする修正案は、現状より見て適当な措置であると考える次第であります。
以上申し述べました理由により、私は両法案及び両法案のそれぞれに対する修正案につきまして賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/161
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162・木村武雄
○木村委員長 清水徳松君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/162
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163・清水徳松
○清水委員 私は日本社会党を代表いたしまして、工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案、同修正案に反対し、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案、同修正案に賛成をするものであります。
まず、工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案については、国土総合開発法案の廃案が明確になった今日、本法律案の目的が失われ、その根拠も失われております。さしあたり改正のきっかけとなりました筑波研究学園建設については、引き続き住宅公団がその業務を行なうことになっております。したがって本法を改正する必要は全くないと考えます。特に、国総法で問題となり、国土利用計画法では全く削除された開発部分がそのままに本法案に残されておることは、矛盾撞着を感じざるを得ないのであります。このようなまぎらわしい誤解を招くような本改正は、全く無意味であり有害であると考えます。
次に問題点は、開発部分についての権限が総理に集中されていることであります。国土利用計画法案では、総理の指示代行権については政府の言明、附帯決議等で厳重に歯どめをされている状況からして、本法案の内容は総理の指示代行権行使の場を広げる可能性を持つものとして、土地規制を主とする国土利用計画法案の精神と矛盾するものになろうかと考えます。しかも本改正案は、現行法に「総合的かつ計画的に実施すべき特定の地域の開発整備のための大規模な事業の施行に係る業務で政令で定めるものを行なう」という第十九条第八項を入れるための改正にすぎないと思います。さらに、特定地域のワクは法律で定められず、すべて政令にゆだねております。
このように内容からすると、本改正案は、国総法案廃案の最大の要因である開発部分の亡霊であると言わざるを得ません。真に国土利用計画法案がその精神どおり運営されるならば、本改正案は全く実効のない有名無実なものになりましょう。
以上の理由から、本改正案及びその修正案に反対するものであります。
次に、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案については、第一の目的である都市計画区域内における開発許可の対象区域を拡大したこと。第二の目的である開発許可基準の条件の追加について、いずれも都市計画区域内の開発規制を強めようとするものであり、一定の前進として評価をいたします。しかし、現在、都市計画区域内のいわゆる無指定地域における無秩序な開発の状況を見るとき、今後の乱開発に対する抜本的な対策を必要とすると考えます。そのため、先般本院で成立し参議院で審議中の土地利用計画法の施行の一日も早からんことを願い、土地利用規制の全国に及ぶことを期待するものであります。
また、この改正によって、都市計画区域内におけるゴルフ場の造成について、新たに災害防止の見地から開発許可の制度が設けられ、不十分ながら規制の措置がとられたことになります。しかし、都市計画法三十四条による市街化調整区域における開発許可基準の適用を除外し、第三十三条の適用をすることにしていることは、市街化調整区域内のゴルフ場やレジャー施設の建設を容易にすることになり、乱開発の芽をそのまま残すことになるのであって、いまだ不完全のそしりを免れません。各都道府県等では条例をもってこれをカバーすることになりましょうが、今後運用の面で十分留意をする必要があろうと考えます。
建築基準法改正の部分についても、工業専用地域における建築物の建蔽率の引き下げについて、一律十分の六から十分の四、十分の五、十分の六と細分されたのでありますが、その適用基準については、あくまで環境保全を第一に考えることにより実効のある運用を強く期待するものであります。
以上の観点に立ち、幾多の問題点を残しつつも、本法律案は国土利用計画法案の精神にも沿うもあとして、修正案を含め賛成の態度を明らかにするものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/163
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164・木村武雄
○木村委員長 瀬崎博義君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/164
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165・瀬崎博義
○瀬崎委員 私は日本共産党・革新共同を代表して、工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案に対する反対討論と、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案に対する反対討論をあわせて行なうものであります。
まず、工業再配置・産炭地域振興公団法改正案及びその修正案につきましては、第一に、今回の修正点は、何ら本公団の持つ列島改造論構想の実施主体であるという性格を変えるものではありません。
七十一国会提出の経緯を見れば明らかなとおり、列島改造論の推進法ともいうべき国土総合開発法案の実施主体として国土総合開発公団法案が登場したのであります。国土総合開発公団という名称を使うに至る過程の中でも、日本列島改造論と都市対策という角度から地方中核都市整備構想が打ち出され、この構想の実施主体として都市開発公団の新設が強く要求されていたのであります。この実施主体の設立にあたっては、国土総合開発のため、交通、通信ネットワークの整備、工業の再配置、地方都市の育成の三大施策を進めることが必要であるとして、工業再配置・産炭地域振興公団の業務に地方都市の育成に関する業務を加え、国土総合開発公団としたものであります。
工業再配置計画は、まさに日本列島改造の大きな柱として位置づけられ、この計画は、総需要抑制とは関係なしに四十九年度予算では八%強の増となっており、しかも地方中核都市、新二十五万都市の育成と結びつけて推進するならば一応効果が期待できるとされているのであります。
今回の修正案が、名称を地域振興整備公団に変更したとしても、単なる名称の変更にすぎないのであって、業務内容がほとんど改正されていないことを見るならば、この公団がさきに述べた日本列島改造論構想を推進する実施主体であるということは全く明らかなことであります。
第二に、今回の修正によって、筑波研究学園都市建設事業を従来どおり日本住宅公団の事業とすることにしておりますが、しかし本体の特定の地域の開発整備事業は残されているのです。これは、新全総の中に示されていた、むつ小川原や苫小牧東部等の大規模開発を実施する事業として位置づけられていたものと考えられるのです。これこそ日本列島改造構想を露骨に法案化した具体例の一つであると言わなければなりません。
第三に、この公団は、実際の事業の遂行にあたって、地方自治体の権限を侵し、地方自治の原則に反するものにならざるを得ないでしょう。
公団は、地方自治体の委託を受けて事業を行なうとなっておりますが、公団の事業実施基本計画は、内閣総理大臣の定める基本方針に基づくこととされているため、自治体の長と協議することになってはいても、結局は国の計画を自治体に押しつけることにならざるを得ません。自治体に開発関係の専門家、技術者が少ない状況をあわせ考えるならば、なおのこと国の計画を自治体に押しつける結果になるでしょう。
第四に、この公団の債務は一切政府が保証することになっていますが、これは、大企業の利益に沿った開発に多額の資金をつぎ込み、あと始末は国が引き受けることを意味しています。政府と巨大な企業、金融機関の癒着をさらに深めていくものと言わなければなりません。
なお、この公団は、宅地の取得の過程を通じて、また開発事業を通じて、民間デベロッパーや建設関連大企業の利益に奉仕することにもなっていくでしょう。
第五に、国土利用計画法案との関連について触れておきたいと思います。
工業再配置計画に基づく中核的工業団地建設事業、地方中核都市開発整備事業、さらには大規模な特定の地域の開発整備事業などを実施する場合、広大な土地の取得を前提にしなければなりません。現行国総法及び国土利用計画法案に基づくならば、土地利用計画を作成し、さらには規制地域の網をこれら大規模開発事業の予定区域にかぶせ、地価の凍結をしてから事業の実施に踏み出すことを可能にする道を保障しているのであります。
以上のように、いまその撤回が強く要求されている列島改造を実際に推進する役割りをになう本法案並びに修正案に、共産党・革新共同は反対するものであります。
わが党は、公団とは、運営を民主的に行ない、国民の立場に立って業務を遂行すべきものでなければならず、したがって、自治体の権限を侵害していくことにつながる公団はつくるべきでないと考えます。
一般に開発事業を行なうにあたっては、地域住民と直接接している自治体が事業主体となるべきであり、そのために必要な財政的、技術的援助等は積極的に国が行ない、自治体の行財政権を拡大する方向で行なわなければならないと考えるものであります。
次に、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案につきましては、本法律案が、開発許可制度の拡充強化のため、線引きの定められていない都市計画区域についても開発許可制度を適用すること、開発許可の基準として樹木の保存、緑地帯の配置等の措置がとられること、コンクリートプラント、ゴルフコースなどの一定の工作物の建設のための開発を都市計画上の開発行為として開発許可の対象としたこと等は、不十分ではあるが一定の改善であると評価できるものであります。
しかし、改正案の真の趣旨は、市街地開発事業等予定区域を設定するところにあり、予定区域については、予定区域の都市計画決定から三年以内に市街地開発事業等の都市計画をきめ、さらに二年以内に都市計画事業の認可となり、おそくとも五年以内に都市計画事業の施行を義務づけており、これは住民の意思を無視して上から強権的に事業を促進しようとする危険性を持つものであります。
予定区域制度は、他の都市計画と同様の手法で定められ、地域住民の意向を反映した民主的な都市計画を策定することは期待できないものであります。知事がこの計画を定めるとき、市町村の意見を聞くこととしておりますが、市町村議会の承認抜きであり、また都道府県議会の審議、承認も不必要であります。この都市計画が上から押しつけられ、市町村の自主的な町づくりをゆがめ、地方財政を圧迫する可能性が大であります。
特にこの制度は、日本列島改造計画と関連して使用されるならば、工業再配置による地方分散の大企業の受けざらとして、地方中核都市建設に最も適合した制度であります。しかも、ただいま名称を変更する修正案が出されておりますが、国土総合開発公団がその事業の施行者となり得ることは、本来自治体が責任を持って行なうべき町づくりの業務を国家機関が召し上げることともなり、地方自治侵害が生じるおそれがあるのであります。
以上のように、都市計画法の主たる改正点は、日本列島改造に基づく大企業の地方分散をスムーズに行なう、その受けざらとしての地方中核都市を効率的に建設しようとするものでありますので、わが党は政府原案に対し反対するものであります。
なお、修正案につきましても、政府原案の性格を何ら変えるものではありませんので、反対するものであります。
以上で反対討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/165
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166・木村武雄
○木村委員長 新井彬之君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/166
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167・新井彬之
○新井委員 私は、公明党を代表して、工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案及びその修正案に対し反対し、都市計画法及び建築基準法の一部改正案及びこれに対する修正案に賛成の討論を行ないます。
まず、工業再配置・産炭地域振興公団法及びこれに対する修正案の反対理由の第一は、本法律案によって設立される地域振興整備公団が、高度経済成長政策を、さらに進めようとする列島改造構想の実施機関である点であります。
地方中核都市の開発と工業再配置の名のもとに全国に公害を拡散するものでありますが、いま国民が最も望んでいることは、そのような公害発生企業の誘致ではなく、憲法第二十五条で保障されている国民の生存権を根底から脅かしている今日の深刻な公害問題、環境問題、住宅難など諸問題を解決することであります。
第二は、地域振興整備公団の設立によって地方自治体が非常に圧迫される点であります。地域振興整備公団の行なう地方都市の開発は、地方自治体の要請をまって行なうことになっていますが、これは一見地方自治体の意向を尊重しているようであります。しかし、実際には開発に伴なう一切の責任を地方自治体に押しつけるとともに、これらの関係事業を通じて中央集権化をさらに強めるものであります。
第三に、地域振興整備公団による地域開発に伴い、その地域住民が生活基盤を奪われる点であります。先祖代々農業や林業や漁業を営んできた地域住民は、大規模開発でその生活基盤を失われるのみならず、生活環境の大きな転換に対応できずいろんなトラブルが生ずることは、鹿島臨海工業地帯やむつ小川原工業地帯等におけるたくさんの事例が如実に物語っているところであります。
以上の理由により、工業再配置・産炭地域振興公団法及びこれに対する修正案に反対するものであります。
次に、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案並びに修正案について賛成の討論をいたします。
本案は、都市における市街地拡大の現状にかんがみ、都市の健全な発展と都市環境の整備保全をはかるため、一つには、市街化区域及び市街化調整区域の線引きが行なわれない都市計画区域についても一定規模、三千平方メートル以上の開発行為についても許可制を設け、全国的観点から無秩序な開発を規制しようとしておることであります。
二つには、開発許可の基準に、一定規模、一ヘクタール以上の開発行為について、当該開発区域及びその周辺地域の環境保全のため、植物、樹木等の保存並びに表土の保全措置、及び騒音防止に必要な緑地帯等の配置が開発設計に定められていることを加えてあることであります。
三つには、コンクリートプラント等環境の悪化をもたらすもの、及びゴルフコース等大規模な開発行為についても、開発許可の対象に加えていること等の規定を設け都市の整備をしていこうとしていることは、十分理解でき、その措置はおそいくらいと考えられます。
また、今日における都市計画事業の推進が非常におそいことなどのため、土地高騰を呼びますます事業のおくれを生んでいる実情から、市街地開発事業等予定区域を創設し、その予定区域内においては、土地の形質の変更及び建築物の建築等は、都道府県知事の許可を受けることとし、さらに土地建物等の有償譲渡について先買い権制度を設けるとともに、土地所有者は施行予定者に対し時価による買い取り請求ができるようにし、予定区域に関する都市計画が定められた日から三年以内に市街地開発事業に関する都市計画を定めなければならないものとし、その都市計画が定められた日から二年以内に事業の認可を申請しなければならないこととする等事業の促進をはかっていることは、現状から見て当然の措置だと思われます。
また、都市計画法の改正に伴い建築基準法を改正することは、法律の整備上しごく当然であります。
以上で、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案並びに修正案に対する賛成の討論といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/167
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168・木村武雄
○木村委員長 以上で討論は終局いたしました。
これより順次採決いたします。
内閣提出、工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案について採決いたします。
まず、天野光晴君外一名提出の修正案について採決いたします。
本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/168
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169・木村武雄
○木村委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。
次に、ただいま議決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。
これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/169
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170・木村武雄
○木村委員長 起立多数。よって、工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案は、天野光晴君外一名提出の修正案のごとく修正議決すべきものと決しました。
次に、内閣提出、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案について採決いたします。
まず、天野光晴君外一名提出の修正案について採決いたします。
本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/170
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171・木村武雄
○木村委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。
次に、ただいま議決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。
これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/171
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172・木村武雄
○木村委員長 起立多数。よって、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案は、天野光晴君外一名提出の修正案のごとく修正議決すべきものと決しました。
この際、総理府総務長官及び建設大臣より発言を求められておりますので、これを許します。小坂総理府総務長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/172
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173・小坂徳三郎
○小坂国務大臣 工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案につきまして、慎重なる御審議の上、修正可決していただきましたことに厚く御礼を申し上げます。
本法案の成立後は、本委員会における御質疑の趣旨を体しまして、その運用に遺憾なきを期する所存でございます。まことにありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/173
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174・木村武雄
○木村委員長 亀岡建設大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/174
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175・亀岡高夫
○亀岡国務大臣 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案の御審議をお願いして以来、本委員会におかれては熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。
審議中における委員各位の御高見については、今後の運用に万全を期し、各位の御期待に沿うようにする所存でございます。
ここに、本法案の審議を終わるに際し、委員長はじめ委員各位の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/175
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176・木村武雄
○木村委員長 なお、おはかりいたします。
ただいま修正議決いたしました両案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/176
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177・木村武雄
○木村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/177
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178・木村武雄
○木村委員長 次回は、来たる十五日水曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。
午後三時九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204149X01619740510/178
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